JP4836020B1 - 紙片付き印刷物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】見開くことができる紙片付き印刷物であって、横型に比べて視認性のよい縦型の紙片付き印刷物を得ること。
【解決手段】連続用紙Aを搬送しながら、紙片部分を区画するための二重領域2を形成し、搬送方向に沿って仮想的に二分した2つの連続体のうちのいずれかに面に対し、最終的に印刷物の長辺側となる2つの横ライン領域3,4と、最終的に印刷物の短辺側となる2つの縦ライン領域5,6と、最終的に紙片部分の中に位置する仮止め領域7とに剥離糊を塗布し、2つの連続体を搬送方向に沿って折り曲げて貼り合わせ、二重領域に紙片部分を区画するハーフカットを形成する。長辺側の1辺と短辺側の2辺にある剥離糊を剥がし、残りの長辺側の1辺の剥離糊の部分を境としてその両側を見開くことができ、しかも見開いてから紙片部分を剥がして使用できる印刷物が得られる。
【選択図】図3

Description

本発明は、葉書、チケット、クーポン券などの紙片が切離し可能に一体化してなる印刷物の技術分野に属し、例えば、周囲に切込みのある葉書部分を備えたチラシなどの紙片付き印刷物の製造方法に関するものである。
従来より、広告の一手段として、全国紙等の新聞に折込みチラシを挟んで配達することが行われている。そして、例えば広告を見てすぐに応募したり資料請求が行えるようにとの観点から、切取り可能な葉書部分を一部に備えた印刷物が利用されており、それらの中でも、広告量の多い見開き状態とすることができるタイプであって、かつ葉書の付いたタイプの印刷物が知られている(例えば、特許文献1〜3等参照)。
実用新案登録第3096910号公報 特開2005−238503号公報 特開2006−62131号公報
上記のような見開きが可能な紙片付き印刷物は、所定幅の連続用紙を搬送しながら、その搬送途中において接着糊や剥離糊の糊塗布工程、各種折り工程等を連続して行うというラインで製造されており、このうち糊塗布工程は、搬送方向に配置された糊付けローラにより行われている。したがって、例えば接着糊で貼着した境界部分の両側を見開くような印刷物は、長方形の短辺側が糊付けされ、その両側で見開くようになったいわゆる横型の印刷物になる。ところが一方では、通常の本や書類のように、縦長のものを左右に開く方が見やすいという視認性の観点から、長方形の長辺側を境にその両側で見開くようになった縦型の紙片付き印刷物に対する要望がある。
本発明は、上記のような背景や要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、見開くことができる紙片付き印刷物であって、横型に比べて視認性のよい縦型の紙片付き印刷物を得るための製造方法を提供することにある。
本発明に係る紙片付き印刷物の製造方法は、印刷が施された所定幅の連続用紙を搬送しながら、見開きが可能で紙片部分の付いた印刷物を製造する方法であって、次の工程を順次行うことを特徴とする。
(1)連続用紙の一側端に沿った部分を帯状部として分断し、その帯状部を残った連続用紙の一側端部に重ねて接着糊で貼り合わせることにより、紙片部分を区画するための二重領域を形成する重ね合わせ工程。
(2)連続用紙において搬送方向に沿って仮想的に二分した2つの連続体のうちのいずれかの面に対し、最終的に印刷物の長辺側となる2つの横ライン領域と、最終的に印刷物の短辺側となる2つの縦ライン領域と、最終的に紙片部分の中に位置する仮止め領域とに剥離糊を塗布する糊塗布工程。
(3)仮想的に二分した2つの連続体を連続用紙の搬送方向に沿って折り曲げ、糊塗布工程で塗布したすべての剥離糊により両者を貼り合わせる折曲げ貼着工程。
(4)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙における二重領域に紙片部分を区画するハーフカットを形成する抜き加工工程。
(5)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙における両サイドを仕上げのために切断するサイド切断工程。
(6)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされ、両サイドを切断された状態の連続用紙を横方向に順次切断して天地の仕上げられた個々の印刷物とする天地切断工程。
また、上記の紙片付き印刷物の製造方法において、(1)の重ね合わせ工程に代え、連続用紙の一側端部を帯状部として折り返して貼り合わせることにより、紙片部分を区画するための二重領域を形成する重ね合わせ工程を行うようにしてもよいものである。
本発明の製造方法によれば、印刷された所定幅の連続用紙を搬送しながら、紙片部分を区画するための二重領域を形成し、連続用紙において搬送方向に沿って仮想的に二分した2つの連続体のうちのいずれかの面に対し、最終的に印刷物の長辺側となる2つの横ライン領域と、最終的に印刷物の短辺側となる2つの縦ライン領域と、最終的に紙片部分の中に位置する仮止め領域とに剥離糊を塗布する糊塗布工程を行い、仮想的に二分した2つの連続体を連続用紙の搬送方向に沿って折り曲げ、糊塗布工程で塗布した剥離糊により両者を貼り合わせる折曲げ貼着工程を行い、搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙における二重領域に紙片部分を区画するハーフカットを形成する抜き加工工程を行うようにしたので、これらの工程を行うことによって、長辺側の1辺と短辺側の2辺にある剥離糊を剥がし、残りの長辺側の1辺の剥離糊の部分を境としてその両側を見開くことができ、しかも見開いてから紙片部分を剥がして使用できる印刷物が得られることから、横型に比べて視認性のよい縦型の紙片付き印刷物を製造することができる。
本発明に係る紙片付き印刷物の製造方法に使用する連続用紙の一例を示す平面図である。 図1の連続用紙に重ね合わせ工程を行った状態を示す平面図である。 図2の連続用紙に糊塗布工程を行った後の状態を示す平面図である。 図3の連続用紙に折曲げ貼着工程を行った後の状態を示す平面図である。 図4の連続用紙に抜き加工工程を行った後の状態を示す平面図である。 図5の連続用紙にサイド切断工程を行った後の状態を示す平面図である。 図6の連続用紙に天地切断工程を行って得られた紙片付き印刷物の表裏を示す平面図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは、紙片付き印刷物として、新聞の折込み広告に用いられる葉書付きチラシを製造する場合を例に挙げて説明する。
図1は葉書付きチラシの製造に使用する連続用紙Aを搬送方向に4区画分だけ図示したものである。すなわち、図示した4区画の一つずつがそれぞれ一つの葉書付きチラシに対応している。
この連続用紙Aは既に所定の印刷が施された状態のもので、図の矢印で示す方向に搬送されながらインラインで各種の加工が施され、最終的に見開きが可能で葉書部分の付いたチラシが製造される。この図1に描かれた各種の線a〜gは、連続用紙Aに対して順次行われる工程を説明する際に使用するものであり、以下に葉書付きチラシの製造方法の工程について順を追って説明する。
まず、連続用紙Aをスリッターに通し、図1の切断線a,bで示すところを切断することで、連続用紙Aの一側端に沿った部分を帯状部1として分断し、その帯状部1を残った連続用紙Aの一側端部に重ねて貼り合わせることにより、図2に示すように、葉書部分を区画するための二重領域2を形成する。
この二重領域2は、葉書としての厚みを確保するためのものであるが、上記のような重ね合わせ工程に代え、連続用紙Aの一側端部を帯状部として折り返して貼り合わせる工程により形成するようにしてもよい。
このようにして連続用紙Aに二重領域2を形成した後、連続用紙Aを2台の糊コーターに連続して通して糊塗布工程を行う。具体的には、図2に示す連続用紙Aを搬送方向の中心線cに沿って仮想的に2つの連続体に二分し、図3に示すように、二重領域2がある方の連続体に対し、最終的に印刷物の長辺側となる1つの横ライン領域3にスポンジ版でパターン状に剥離糊を塗布するとともに、最終的に印刷物のもう一方の長辺側となる1つの横ライン領域4と、最終的に印刷物の短辺側となる2つの縦ライン領域5,6と、最終的に葉書部分7となる区画の中の上下2箇所の仮止め領域8とに樹脂版でパターン状に剥離糊を塗布する。これにより、横ライン領域3には剥がしにくいように多めに剥離糊が塗布され、横ライン領域4と2つの縦ライン領域5,6と葉書部分7の仮止め領域8には剥がしやすいように少なめに剥離糊が塗布される。このとき、図示のように、右下コーナー部に剥離糊の未塗布部分を設けておくことで、見開き時の取っ掛かりを形成する。
なお、ここでは、連続用紙Aにおいて搬送方向に沿って仮想的に二分した2つの連続体のうち、二重領域2のある方の連続体に対して糊塗布を行ったが、二重領域2がない方の連続体に糊塗布を行うようにしても構わない。
このように糊塗布工程を終えた後、その連続用紙Aを搬送しながら折り装置に通すことで、仮想的に二分した2つの連続体を連続用紙Aの搬送方向に沿って中心線cのところで折り曲げ、先に塗布した剥離糊により、図4に示すように両者を貼り合わせる。この折曲げ貼着工程を経ることにより、図3に示した連続用紙Aの幅が半分となる。
次いで、図4に示す連続用紙Aをダイカッターに通して抜き加工工程を行い、図5に示すように、搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙Aにおける二重領域2に葉書部分7を区画するハーフカットαを形成する。このとき、必要に応じて、横ライン領域3に隣接してミシン目線βを形成する。このミシン目線βを設けておくと、最終的な印刷物において見開きが容易になるとともに、見開いたページを簡単に破ることもできる。なお、このようなミシン目線βは、抜き加工工程の前にパーフォレーターを用いて形成するようにしても構わない。
続いて、図5に示す連続用紙Aをサイドトリムに通し、図5の破断線d,eのところで断裁することにより、図6に示すように、搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙Aにおける両サイドを仕上げのために切断する。
このサイド切断工程を行った図6に示す連続用紙Aをロータリーカッターに通して天地切断工程を行う。すなわち、搬送方向に二つ折りされて貼り合わされ、両サイドを切断された図6に示す状態の連続用紙Aを横方向の破断線f,gのところで順次切断して天地を仕上げる。これにより最終的に図7に示す葉書付きチラシBが得られる。
この葉書付きチラシBは、図7(a)の左下コーナー部に剥離糊の未塗布部分があるので、この部分を取っ掛かりとして開くことができる。すなわち、取っ掛かりからめくって長辺側の1辺と短辺側の2辺にある剥離糊を剥がし、残りの長辺側の1辺の貼着部分を境としてその両側を見開くことができる。このとき、残りの長辺側の1辺は剥離糊の量が多くて剥がれにくくなっているので、見開いても両方のページが外れることがない。また、残りの長辺側の1辺にはミシン目線βがあるので、印刷物Bは見開きやすくなっており、必要に応じてこのミシン目線βのところで破断することもできる。
そして、表側の用紙を剥がして見開いた状態では、裏側の用紙の方に葉書部分7が仮止め領域8にて剥離糊で貼着された状態で残るので、この葉書部分7を剥がして応募用や注文用の葉書として利用することができる。
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による紙片付き印刷物の製造方法は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
例えば、上記の例では、二重領域2を形成する帯状部1は、最終的に印刷物Bの内面側に位置するようになっているが、外面側に位置させることも勿論可能である。いずれにするかは、デザイン、見栄え等に応じて適宜選択すればよいものである。
本発明の紙片付き印刷物の製造方法は、上記した実施形態のような葉書付きチラシを製造する場合のほかに、チケット、クーポン券などの紙片を分離して使用するような印刷物にも適用が可能である。
A 連続用紙
B 葉書付きチラシ(紙片付き印刷物)
1 帯状部
2 二重領域
3,4 横ライン領域
5,6 縦ライン領域
7 葉書部分
8 仮止め領域
a,b 切断線
c 中心線
d〜g 破断線
α ハーフカット
β ミシン目線

Claims (2)

  1. 印刷が施された所定幅の連続用紙を搬送しながら、見開きが可能で紙片部分の付いた印刷物を製造する方法であって、次の工程を順次行うことを特徴とする紙片付き印刷物の製造方法。
    (1)連続用紙の一側端に沿った部分を帯状部として分断し、その帯状部を残った連続用紙の一側端部に重ねて接着糊で貼り合わせることにより、紙片部分を区画するための二重領域を形成する重ね合わせ工程。
    (2)連続用紙において搬送方向に沿って仮想的に二分した2つの連続体のうちのいずれかの面に対し、最終的に印刷物の長辺側となる2つの横ライン領域と、最終的に印刷物の短辺側となる2つの縦ライン領域と、最終的に紙片部分の中に位置する仮止め領域とに剥離糊を塗布する糊塗布工程。
    (3)仮想的に二分した2つの連続体を連続用紙の搬送方向に沿って折り曲げ、糊塗布工程で塗布したすべての剥離糊により両者を貼り合わせる折曲げ貼着工程。
    (4)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙における二重領域に紙片部分を区画するハーフカットを形成する抜き加工工程。
    (5)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされた連続用紙における両サイドを仕上げのために切断するサイド切断工程。
    (6)搬送方向に二つ折りされて貼り合わされ、両サイドを切断された状態の連続用紙を横方向に順次切断して天地の仕上げられた個々の印刷物とする天地切断工程。
  2. 請求項1に記載の紙片付き印刷物の製造方法において、(1)の重ね合わせ工程に代え、連続用紙の一側端部を帯状部として折り返して貼り合わせることにより、紙片部分を区画するための二重領域を形成する重ね合わせ工程を行うようにしたことを特徴とする紙片付き印刷物の製造方法。
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