JP7078483B2 - 補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 - Google Patents
補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7078483B2 JP7078483B2 JP2018139717A JP2018139717A JP7078483B2 JP 7078483 B2 JP7078483 B2 JP 7078483B2 JP 2018139717 A JP2018139717 A JP 2018139717A JP 2018139717 A JP2018139717 A JP 2018139717A JP 7078483 B2 JP7078483 B2 JP 7078483B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plate material
- fiber sheet
- reinforcing
- opening
- reinforcing panel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
このような観点から、本発明は、繊維シートとコンクリート構造物との一体性を確保するとともに、隣り合う補強パネルの繊維シート同士の連続性を確保することを可能とした補強パネルおよびコンクリート構造物の補強方法を提案するとともに、この補強パネルの製造方法を提案することを課題とする。
なお、開口部へのセメント系充填材の注入は、予め前記第二板材に形成しておいた注入孔から注入するのが望ましい。また、前記第一板材と前記コンクリートとの間にシール材、セメント系材料、接着剤等を介設しておけば、開口部に注入した充填材が四散することを防ぐことができるので、第一板材をアンカーやセメント系充填材によりコンクリート部材により確実に固定することができる。また、セメント系充填材を使用しているため、耐火性に優れている。
なお、粒状体の繊維シートへの付着は、第二板材の裏面に繊維シートを接着する際に当該繊維シートに含浸させた接着剤が硬化する前に粒状体を散布(撒く、敷均す等)することにより行ってもよいし、第二板材に接着した繊維シートの裏面に改めて接着剤を塗布してから粒状体を散布することにより行ってもよい。
補強パネルの製造は、開口部が形成された第一板材の表面に繊維シートを接着する第一工程と、前記繊維シートの表面に前記開口部の表面側を遮蔽する第二板材を接着する第二工程と、前記開口部内において、前記繊維シートの裏面に粒状体を付着させる第三工程とにより行ってもよい。
第一板材2には、図2に示すように、開口部21が形成された枠状板材である。本実施形態の第一板材2は、繊維強化セメント板(いわゆるフレキシブルボード)である。第一板材2には、複数のアンカー孔22が形成されている。本実施形態では、第一板材2には、一対の長辺に沿ってそれぞれ3つ(計6カ所)のアンカー孔22が等間隔に形成されている。なお、アンカー孔22の配置、数および直径等は、限定されるものではなく、適宜決定すればよい。また、アンカー孔22は、補強パネル1の固定方法に応じて形成すればよく、省略してもよい。また、第一板材2を構成する材料は、繊維強化セメント板に限定されるものではなく、例えば、鉄板や高強度の繊維強化セメント板(曲げ強度が約50N/mm2)を使用してもよい。
繊維シート3は、既設コンクリート構造物の構造性能レベル、劣化の進行具合、作用応力等に応じて炭素繊維量を適宜設定する。なお、繊維シート3は、複数枚積層されていてもよい。
次に、第一板材2を繊維シート3の裏面に接着する(第二工程)。第一板材2は、第一工程において繊維シート3に含浸させた接着剤が硬化する前に繊維シート3に密着させる。このとき、第一板材2のアンカー孔22と第二板材4のアンカー孔41との位置を一致させるとともに、第一板材2の開口部21の表面側が第二板材4によって遮蔽されるように(平面視した際に開口部21が第二板材4で覆われるように)、第一板材2を繊維シート3の裏面に重ねる。なお、第一板材2は、繊維シート3の裏面に改めて接着剤を塗布してから繊維シート3の裏面に接着してもよい。
続いて、開口部21内において、繊維シート3の裏面に粒状体5を付着させる(第三工程)。粒状体5は、第一工程において繊維シート3に含浸させた接着剤が硬化する前に開口部21内に散布することにより繊維シート3に付着させる。なお、粒状体5は、繊維シート3の裏面に改めて接着剤を塗着させてから散布してもよい。
固定作業は、図4(a)に示すように、隣り合う補強パネル1の第一板材2の端面同士を突き合わせた状態で、両補強パネル1をコンクリート構造物に固定する作業である。このとき、第一板材2とコンクリート面との間にシール材6を介設する。補強パネル1は、アンカー孔22,41に挿通したアンカー7を介してのコンクリート構造物に固定する。このとき、第一板材2は、シール材6を介してコンクリート面Cに密着させる。なお、補強パネル1の固定方法は限定されるものではなく、例えば、第一板材2をコンクリート面Cに接着してもよい。また、シール材6は、必要に応じて介設すればよく、省略してもよい。また、シール材6は、第一板材2の周縁のみに配置してもよい。さらに、シール材6に代えて、セメント系材料や接着剤等を介設してもよい。
開口部21に無収縮モルタル9を充填することで、繊維シート3とコンクリート面Cとの一体性を確保することができる。繊維シート3の裏面に粒状体5が付着しているため、繊維シート3と無収縮モルタル9との一体性が確保されており、その結果、繊維シート3とコンクリート面Cとの一体性が確保される。また、開口部21に不燃性の無収縮モルタル9を使用しているため、耐火性に優れた補強構造を構築することができる。
第一板材2のうち、第二板材4から張り出した部分で隣り合う補強パネル1同士の接合部8を形成することで、繊維シート3と接合部材82との密着性を確保することができ、ひいては、補強パネル1同士の連続性を確保することができる。
第一板材2に開口部21が形成されているため、補強パネル1の軽量化が実現されることで、補強パネル1の取扱い性が向上する。その結果、作業性が向上し、ひいては、工期短縮化を図ることができる。
付着試験は、図6に示すように、コンクリート部材の表面(コンクリート面C)に、フレキシブルボード(第二板材4)を接着した供試体を製造し、切り込みKにより区画された所定の範囲(矩形状の領域)について、コンクリート面Cからフレキシブルボードを引き剥がした際の接着力を測定した。なお、切り込みKは、フレキシブルボードの表面からコンクリート部材の一部を切断する深さとした。目標接着力は1.5N/mm2として、測定を3回行ってその平均値を算出した。
また、比較例1として、粒状体5を使用しない場合についても実施例と同様に接着力を測定した。図6(b)に示すように、コンクリート面C側から順に無収縮モルタル9、粒状体5が付着されていない繊維シート3およびフレキシブルボード(第二板材4)を積層した。
さらに、比較例2として、接着剤として一般的に用いられるエポキシ樹脂9aによりフレキシブルボードを接着した場合についても実施例と同様に接着力を測定した。図6(c)に示すように、コンクリート面C側から順にエポキシ樹脂9a、粒状体5が付着されていない繊維シート3およびフレキシブルボード(第二板材4)を積層した。
試験結果を表1に示す。
一方、繊維シート3に粒状体5が付着されていない比較例1は、接着力が0.21N/mm2となり、目標値を確保することができなかった。そのため、粒状体5によりコンクリートと繊維シート3との一体性が向上することが確認できた。
例えば、前記実施形態では、第一板材2が、1つの矩形状の開口部21を有した枠状部材である場合について説明したが、開口部21の形状は限定されるものではなく、例えば、小判形(図7(a)参照)、円形、楕円形、矩形以外の多角形であってもよい。また、第一板材2には、図7(b)または(c)に示すように、複数の開口部21が形成されていてもよい。なお、この場合における複数の開口部21の形状は限定されるものではなく、矩形状(図7(b)参照)、その他の多角形状、円形(図7(c)参照)、楕円形、小判形等であってもよい。
繊維シート3の接合部8の位置に対応する部分には、予め樹脂を含浸させておいてもよいし、樹脂が未含浸であってもよい。
前記実施形態では、接合部8に接合シート81を配設する場合について説明したが、少なくとも一方の補強パネル1の繊維シート3が第一板材2よりも側方に張り出している場合には、補強パネル1の繊維シート3同士を重ねることで、連結してもよい。
2 第一板材
21 開口部
22 アンカー孔
3 繊維シート
4 第二板材
41 アンカー孔
42 注入孔
43 空気抜き孔
5 粒状体
6 シール材
7 アンカー
8 接合部(突き合わせ部)
81 接合シート
82 接合部材
9 無収縮モルタル(セメント系充填材)
C コンクリート面
Claims (10)
- 第一板材と、繊維シートと、第二板材とが順に積層されてなる補強パネルであって、
前記第一板材に開口部が形成されているとともに、前記繊維シートが前記開口部において裏面側に露出しており、
前記第一板材および前記繊維シートが、前記第二板材よりも側方に張り出していて、
前記開口部において、前記繊維シートの裏面に粒状体が付着していることを特徴とする、補強パネル。 - 前記粒状体が、砂であることを特徴とする、請求項1に記載の補強パネル。
- 前記第一板材が、枠状であることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の補強パネル。
- 前記第一板材に複数の前記開口部が形成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の補強パネル。
- 複数の請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の補強パネルをコンクリートに接着するコンクリート構造物の補強方法であって、
隣り合う前記補強パネルの前記第一板材の端面同士を突き合わせた状態で、両前記補強パネルを前記コンクリートに固定する作業と、
前記第一板材の前記第二板材から張り出した部分の表面において、前記繊維シート同士を連結する作業と、
隣り合う前記補強パネルの前記第二板材同士の間に接合部材を接着する作業と、
前記開口部にセメント系充填材を注入する作業と、を備えていることを特徴とする、コンクリート構造物の補強方法。 - 前記第二板材に注入孔が形成されており、前記注入孔から前記開口部に前記セメント系充填材を注入することを特徴とする、請求項5に記載のコンクリート構造物の補強方法。
- 前記第一板材と前記コンクリートとの間にシール材を介設することを特徴とする、請求項5または請求項6に記載のコンクリート構造物の補強方法。
- 第二板材の裏面に繊維シートを接着する第一工程と、
開口部が形成された第一板材を前記繊維シートの裏面に接着する第二工程と、
前記開口部内において、前記繊維シートの裏面に粒状体を付着させる第三工程と、を備える補強パネルの製造方法であって、
前記第二工程において、前記開口部の表面側を前記第二板材で遮蔽することを特徴とする、補強パネルの製造方法。 - 前記第一工程では、前記第二板材の裏面に前記繊維シートを重ねた後、当該繊維シートに接着剤を含浸させ、
前記接着剤の硬化前に前記第二工程および前記第三工程を実施することを特徴とする、請求項8に記載の補強パネルの製造方法。 - 開口部が形成された第一板材の表面に繊維シートを接着する第一工程と、
前記繊維シートの表面に前記開口部の表面側を遮蔽する第二板材を接着する第二工程と、
前記開口部内において、前記繊維シートの裏面に粒状体を付着させる第三工程と、を備えることを特徴とする、補強パネルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018139717A JP7078483B2 (ja) | 2018-07-25 | 2018-07-25 | 補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018139717A JP7078483B2 (ja) | 2018-07-25 | 2018-07-25 | 補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020016081A JP2020016081A (ja) | 2020-01-30 |
JP7078483B2 true JP7078483B2 (ja) | 2022-05-31 |
Family
ID=69581329
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018139717A Active JP7078483B2 (ja) | 2018-07-25 | 2018-07-25 | 補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7078483B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002250136A (ja) | 2001-02-26 | 2002-09-06 | Civil Renewale Kk | 補強パネル |
JP2003328319A (ja) | 2002-05-09 | 2003-11-19 | Civil Renewale Kk | 高構造物の改修構造及び高構造物の改修方法 |
JP4151011B2 (ja) | 2003-11-11 | 2008-09-17 | 久夫 鈴木 | 高強度コンクリート補強材および該補強材の製法 |
JP2014070474A (ja) | 2012-10-02 | 2014-04-21 | Taisei Corp | 積層パネルの接合方法及び積層パネルの接合構造 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4037243B2 (ja) * | 2002-10-31 | 2008-01-23 | マークテック株式会社 | 磁粉探傷試験用磁粉液散布装置 |
JP5764415B2 (ja) * | 2011-07-08 | 2015-08-19 | 司産業株式会社 | コンクリート構造物の補強パネルと補強方法 |
KR101086853B1 (ko) * | 2011-09-02 | 2011-11-25 | 계명대학교 산학협력단 | 건물기둥 구조물 내진 보강 구조체 |
-
2018
- 2018-07-25 JP JP2018139717A patent/JP7078483B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002250136A (ja) | 2001-02-26 | 2002-09-06 | Civil Renewale Kk | 補強パネル |
JP2003328319A (ja) | 2002-05-09 | 2003-11-19 | Civil Renewale Kk | 高構造物の改修構造及び高構造物の改修方法 |
JP4151011B2 (ja) | 2003-11-11 | 2008-09-17 | 久夫 鈴木 | 高強度コンクリート補強材および該補強材の製法 |
JP2014070474A (ja) | 2012-10-02 | 2014-04-21 | Taisei Corp | 積層パネルの接合方法及び積層パネルの接合構造 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020016081A (ja) | 2020-01-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3380228B2 (ja) | サンドイッチボードの製造方法および該方法により製造されるボードおよび構造 | |
TWI409184B (zh) | Reinforcement Method of Railway Vehicle Structure and Railway Vehicle Structure | |
KR101234178B1 (ko) | 개선된 구조 샌드위치 플레이트 부재 | |
JP7078483B2 (ja) | 補強パネル、コンクリート構造物の補強方法および補強パネルの製造方法 | |
JP5764415B2 (ja) | コンクリート構造物の補強パネルと補強方法 | |
JP5250189B2 (ja) | 既設橋梁の補強工法と、それに使用される基材一体型補強部材と、既設橋梁の補強構造 | |
JP2015040401A (ja) | 壁構造 | |
JP2007169972A (ja) | コンクリートの補修・補強方法 | |
JP2013238024A (ja) | 構造物補強工法と補強構造および不陸吸収材 | |
JP6797699B2 (ja) | 補強パネルおよびコンクリート構造物の補強方法 | |
JP3839446B2 (ja) | コンクリート構造物の補強方法 | |
JP6230331B2 (ja) | 木質耐震壁 | |
JP3766937B2 (ja) | 既存の建築物の柱、梁等の補強方法及びこの補強方法に使う補強用部材 | |
KR200417316Y1 (ko) | 콘크리트 보수 보강용 에폭시 수지와 유리섬유를 이용한투명패널 | |
JP5713498B2 (ja) | コンクリート構造物の補強用積層パネル、コンクリート構造物の補強構造及び補強方法 | |
JP6428088B2 (ja) | 腐食鋼材の補強構造 | |
JP2023506568A (ja) | 接合組立体のための調節可能なマクロ剛性を有する中間変形層 | |
JPH09250246A (ja) | コンクリート構造物の補強方法及び補強構造 | |
JP7116693B2 (ja) | 石材構造物の補修方法 | |
JP4097028B2 (ja) | 多角柱構造物の改修方法 | |
JP2001341205A (ja) | ハニカムパネル端末部の接合構造及びその接合方法 | |
JP2524729Y2 (ja) | タイルの施工構造 | |
JP7349221B2 (ja) | パネル、シール受け材、及びパネルのコーナーのシール方法 | |
JP2019015053A (ja) | 木質床版の接合構造 | |
JP4130781B2 (ja) | 繊維強化プラスチック板およびコンクリート構造物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210607 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20220428 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220519 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7078483 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |