JP3766937B2 - 既存の建築物の柱、梁等の補強方法及びこの補強方法に使う補強用部材 - Google Patents

既存の建築物の柱、梁等の補強方法及びこの補強方法に使う補強用部材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、既存の建築物の柱、梁等の補強方法及びこの補強方法に使う補強用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の既存の建築物の柱の補強方法には、例えば、次の(1)〜(3)のようなものがある。
(1)長い矩形の鉄板を横断面がコ字型、L字型等に曲げて樋状の補強用部材をつくり、既存の建築物の柱の外側に前記補強用部材を少なくとも2つ当てて、柱の外側を鉄板の補強用部材で覆い、各補強用部材の長手方向に延びる端縁部を溶接により接合することにより柱を補強する補強方法。
(2)図13及び図14に示すように、長い矩形の鉄板を横断面が半円型、コ字型等に曲げて樋状の補強用部材3を製作し、既存の建築物の柱1の外側に2つの補強用部材3,3を配し、各補強用部材の長手方向に延びる端縁部を溶接w又はボルト・ナットb・nにより接合し、柱1の外側を補強用部材3,3で囲い、補強用部材3,3の内面と柱1の外面との間の隙間へモルタルmを充填することにより柱を補強する補強方法(例えば、特開昭52−123524号公報、特公昭53−43259号公報等参照)。
(3)炭素繊維、ガラス繊維等の補強用繊維のシートに未硬化の樹脂を含浸させて補強用シートをつくり、該補強用シートを既存建築物の柱の外側に1重以上貼り付け、貼り付けた補強用シートの未硬化の樹脂を硬化させることにより柱を補強する補強方法(例えば、特開平7−111080号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の上記(1)の補強方法は、柱の外側を鉄板製の補強用部材で覆う場合に、補強用部材自体が重いため、その搬入及び所定位置へのセットのために揚重機等が必要になる欠点がある。また、補強用部材の端縁部の溶接時に、火花養生が必要であり、また、異臭が発生する欠点がある。そのため、既存の建築物を居住者が居住している状態において、上記(1)の補強法によりその補強工事を行なうことには問題がある。
従来の上記(2)の補強方法は、端縁をボルト・ナットにより接合する場合でも、上記(1)の補強法と同様に、鋼板製の補強用部材が重いため、その搬入及び所定位置へのセットのために揚重機等が必要になる欠点がある。また、端縁を溶接により接合する場合には、上記(1)の補強法と同様に、補強用部材の端縁部の溶接時に、火花養生が必要であり、異臭が発生する欠点がある。そのため、既存の建築物を居住者が居住している状態において、上記(2)の補強法によりその補強工事を行なうことには問題がある。
従来の上記(3)の補強方法は、既存建築物の柱の外側への補強用シートの貼り付けるに先立って、柱の表面のレイタンス等の除去や柱の角部の面取り(R=30mm以上)を行なう必要があり、粉塵、騒音等が発生する。また、レイタンス等の除去や角部の面取り後に行なうパテによる不陸の補正やプライマーを用いた下地処理はシンナー臭が強いものである。さらに、柱の外側への補強用シートの貼り付けは手間のかかる作業であり、その時にもシンナー臭が発生するという欠点がある。そのため、既存の建築物の柱等を、居住者が居住している状態において、上記(3)の補強法により補強工事を行なうことには問題があり、十分に換気や粉塵に対する養生が必要である。
この発明の解決しようとする課題は、上記のような従来の補強方法(1)〜(3)の欠点を有していない柱、梁等の部材の補強に使う補強用部材を提供すること、換言すると、揚重機等が不要で、粉塵や騒音の発生がなく、施工時に特別な換気や手間のかかる養生が不要で、居住者が居住している状態において補強工事が施工でき既存の建築物の柱、梁等の補強方法及びこの補強方法に使う補強用部材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記課題を解決するもので、この発明の既存の建築物の壁付きの柱の補強方法は、炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある横断面L字型又はコ字型の金属材の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、柱の近傍の壁の部分に間隔をおいて複数のボルト孔を設け、既存の建築物の壁付きの柱の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、壁を介して対面する補強用部材の継ぎ手の連結部同士は壁のボルト孔及び連結部のボルト孔にボルトを通してそのボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し、直接対面する補強用部材の継ぎ手の連結部がある場合にはそれらの連結部同士をそれらの連結部のボルト孔にボルトを通してそのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し、各補強用部材の成形板の内面、柱の外面及び柱の近傍の壁面とで囲まれた隙間にモルタルを充填することを特徴とするものである。
高い機械的強度を有しかつ硬化過程で高い接着力を示すエポキシ樹脂を引張強度や弾性係数が大きい補強用繊維で補強して形成板を成型するから、その成型中に繊維強化エポキシ樹脂からなる成形板に金属(例えば、鉄)製の継ぎ手の接合部を強固に接着させることができる。
補強用繊維として、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等を使用し、これらの繊維の高強度のもの(例えば、引張強度や弾性率が大きいもの)を用いる。
補強後の柱、梁等の表層部の一部となる成形板は、好ましい実施形態においては、横断面コ字型、L字型、円弧型及びU字型になるように成型する。
成形板を円弧型にする場合には、既存の建築物の柱を該柱の表面と間に隙間を空けて囲む円筒体を想定し、その円筒体をその中心を通り半径方向に延びる複数(例えば、2〜4)の面で切った形状の円弧型を使う。円弧型の成形板を備えた補強用部材は、補強後の柱を円柱形にしたい場合に使う。
なお、上側に床の付いた梁を補強する場合には、例えば、U字型、L字型等の成形板からなる補強用部材を使う。
【0005】
この発明の好ましい実施形態では、継ぎ手は、例えば、次の(A)〜(C)ようにしてつくる。
(A)継ぎ手を横断面L字型の長い金属材で構成する場合には、継ぎ手のL字型の一方の辺部を接合部にし、継ぎ手のL字型の他方の辺部を連結部とし、連結部に複数のボルト孔を間隔をおいて設ける。
(B)継ぎ手を長い平板の金属材で構成する場合には、継ぎ手の平板の一方の端縁側の長手方向に延びる部分を接合部にし、継ぎ手の平板の他方の端縁側の長手方向に延びる部分を連結部にし、前記連結部に複数のボルト孔を間隔をおいて設ける。
(C)継ぎ手を横断面コ字型の長い金属材で構成する場合には、継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部を接合部にし、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部を連結部にし、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部を仕上材取付部にし、連結部に複数のボルト孔を間隔をおいて設け、仕上材取付部に複数のねじ孔を間隔をおいて設ける。
【0006】
既存の建築物の柱、梁等の補強方法は、炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面がコ字型、L字型、円弧型、U字型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある金属製の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、既存の建築物の柱、梁等の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、各補強用部材の継ぎ手の連結部の各ボルト孔にボルトを通し、ボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付け、各補強用部材の成形板の内面と柱、梁等の外面との間の隙間にモルタルを充填するものである。
そして、上記の補強方法において、横断面コ字型の長い金属材の継ぎ手を用いてつくった補強用部材を使って既存の建築物の柱を補強すると、補強された柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように配した仕上げ用ボードを、これに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込むことにより、容易に柱に取り付けることができる。
【0007】
繊維強化エポキシ樹脂からなる成形板と金属製の継ぎ手との接着部の引張強度は約100kg/cm程度であり、エポキシ樹脂を用いて補強用繊維のシート同士を接着させた場合と同等の強度を有している。そのため、繊維強化エポキシ樹脂からなる成形板から金属製の継ぎ手へ円滑に応力伝達を行なうことができる。
繊維補強エポキシ樹脂からなる成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に金属製の継ぎ手の接合部を接着してなる補強用部材を使って既存の建築物の柱、梁等の部材を補強すると、継ぎ手がその接合部で成形板の端縁よりの接着部を抑える配置になるから、成形板の抑え効果が生じ、接着部の一部の剥離が一気に全面に伝播することを防止できる。
したがって、繊維補強エポキシ樹脂からなる成形板の端縁よりの部分に金属製の継ぎ手の接合部を強固に接着させてなる補強用部材を既存の建築物の柱、梁等の回りに複数箇配し、それらの各継ぎ手の連結部のボルト孔にボルトを通してナットで締め付けて連結し、各補強用部材の成形板の内面と柱、梁等の外面との間の隙間にモルタルを充填し、モルタルが硬化すると、せん断補強効果を発揮し、既存の建築物の柱、梁等のせん断破壊を防止し、変形性能を向上させることができる。
なお、補強用部材と既存の柱、梁等との間の隙間に充填するモルタルとしては、例えば、無収縮モルタルを用いる。
継ぎ手を製作する金属として、通常鉄を使用する。
この発明の補強用部材は、例えば、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造の柱、梁及びブレースの補強に使用する。
【0008】
【実施例】
この発明に使う補強用部材は、図1〜図11に示され、既存の建築物の横断面4角形の鉄筋コンクリート造の柱の補強に使うものである
実施例補強用部材10は、図1に示すように、炭素繊維強化エポキシ樹脂からなるコ字型の樋状成形板11と該樋状成形板の端縁に接着された接合部のある横断面L字型の継ぎ手12とにより構成されている。
補強用部材10は、工場又は現場サイトで製作する。補強用部材の成形型Mは、例えば、図2に示すように、補強しようとする横断面4角形の柱をその対向する2つの辺の中央を通る平面で2等分したものの外形よりも後記の隙間分だけ大きくした蒲鉾形状の外周面を有している。
まず、成形型Mの外周面に離型剤を塗布する。炭素繊維シートCFにエポキシ樹脂EPの未硬化の液を含浸させて樹脂含浸シートを製造する。それから、この樹脂含浸シートを、例えば、ハンドレイアップ法により、成形型Mの外周面に一重以上貼り付ける。樹脂含浸シートは、エポキシ樹脂EPの未硬化の液を塗りながら貼り付ける。そして、貼り付けられた樹脂含浸シートにより3つの辺部11a,11b,11cからなる横断面コ字型の樋状成形板11が成形型Mの外側に形成されるようにする。
【0009】
それから、図2に示すように、樋状成形板11の両側の辺部11a,11cの外側に長い横断面L字型の継ぎ手12を当てる。この際に、樋状成形板11の辺部11a,11cの外側面と継ぎ手12のL字型の一方の辺部の接合部12aの接合面との間にその硬化により両者が強固に接合させるエポキシ樹脂EPの未硬化の液を介在させるようにする。
なお、横断面L字型の継ぎ手12として、例えば、等辺山形鋼(又は不等辺山形鋼)を使う。
樋状成形板11に接着される継ぎ手(山形鋼)12のL字型の一方の辺部の接合部12aの幅Wは、例えば、接着部の引張強度が約100kg/cm程度である場合には、10cm程度ある。継ぎ手(山形鋼)12のL字型の他方の辺部は連結部12bとし、この連結部12bには複数のボルト孔12bを間隔をおいて穿設する。
そして、成形型M上の樋状成形板11のエポキシ樹脂EPが硬化してから、脱型すると、図1に示す補強用部材10が製造される。
【0010】
樋状成形板11の辺部11a,11cと継ぎ手12の接合部12aとを図3に示すように接着する代りに、図4に示すように、成形型M上にハンドレイアップ法により樋状成形板11を形成する途中において、樋状成形板11の辺部11a,11cの重ね合わされる炭素繊維シートCF間に継ぎ手12の接合部12aをインサートして、樋状成形板11の辺部11a,11cと継ぎ手12の接合部12aとを接着により一体化するようにしてもよい。
【0011】
次に、コ字型の補強用部材10を使った既存の建築物の鉄筋コンクリート造の柱15を補強する方法を説明する。図5に示すように、柱15の外側に2つのコ字型の補強用部材10を配し、かつ補強用部材10の樋状成形板11の各辺部11a,11b,11cの内面と柱15の各辺部15aとの間に適当な間隔保持片を介在させて、補強用部材10のL字型の継ぎ手12の連結部12bの各ボルト孔12bにボルトbを通し、ボルトbの先のねじ部にナットnをねじ込んで締め付け、柱15の外側において2つの補強用部材10を一体化する。それから、補強用部材10の樋状成形板11の各辺部11a,11b,11cの内面と柱15の各辺部15aの外面との間の隙間に無収縮モルタルmを充填する。隙間に充填した無収縮モルタルmが硬化すると、柱15の変形性能が向上する。
そして、上記のように補強された柱15は、継ぎ手12がその接合部12aで前記成形板11の両側の辺部11a,11cの端縁よりの接着部を抑える配置になっているから、成形板11の抑え効果が生じ、接着部の一部の剥離が一気に全面に伝播することを防止できる。
【0012】
実施例補強用部材20は、図6に示すように、炭素繊維強化エポキシ樹脂からなるL字型の樋状成形板21と該樋状成形板21の端縁に接着された接合部のある横断面L字型の継ぎ手22とにより構成される。L字型の樋状成形板21は、頂角の直角の2等辺3角形の成形型を使って、図1〜図3に示す補強用部材10と同様のやり方で製作する。
L字型の継ぎ手22は図1〜図3に示す補強用部材10と同じものを使い、また、L字型の樋状成形板21とL字型の継ぎ手22との接着の仕方もコ字型の樋状成形板11とL字型の継ぎ手12と同様である。
実施例補強用部材20の使い方は、図6に示すように、鉄筋コンクリート造の柱25の回りに4つの補強用部材20を配し、かつ各補強用部材20のL字型の樋状成形板21の各辺部21a,21bの内面と柱25の各辺の外面との間に適当な間隔保持片を介在させて、各補強用部材20の継ぎ手22のL字型の連結部22bの各ボルト孔にボルトbを通し、ボルトbの先のねじ部にナットをねじ込んで締め付け、柱25の外側において4つの補強用部材20を一体化する。それから、各補強用部材20のL字型の樋状成形板21の各辺部21a,21bの内面と柱25の各辺の外面との間の隙間に無収縮モルタルmを充填する。隙間に充填した無収縮モルタルmが硬化すると、柱25の変形性能が向上し、実施例1と同様に継ぎ手22による成形板21の抑え効果が生じ、接着部の剥離の伝播を防止することができる。
【0013】
実施例図7及び図8に示され補強用部材30は、炭素繊維強化エポキシ樹脂からなるL字型の樋状成形板31と該樋状成形板31の端縁に接合された接合部のある鋼製の長い平板の継ぎ手32とにより構成されている。L字型の樋状成形板31の成型の仕方は 述の樋状成形板21と同様である。
図7に示すように、L字型の樋状成形板31の二つの辺部31a,31bの端縁よりの部分の外側又は内側に該辺部31a,31bと平行になるように長い平板の継ぎ手32の一方の端縁側の接合部32aを当て、樋状成形板31の各辺部31a,31bと継ぎ手32の接合部32aとの間にその硬化により両者が強固に接合させるエポキシ樹脂EPの未硬化の液を介在させるようにする。成形型上の樋状成形板31のエポキシ樹脂の硬化後、脱型すると、補強用部材30が製造される。
なお、継ぎ手32としては、例えば、長い矩形の鋼板を、その一方の端縁側の部分を樋状成形板31への接合部32aとし、他方の端縁側の部分を連結部32bとし、この連結部32bに複数のボルト孔32bを間隔をおいて穿設したものを使用する。接合部32aの幅Wは、例えば、10cm程度あれば充分である。
【0014】
次に、補強用部材30の使い方を説明する。図7及び図8に示すように、既存の建築物の柱35の各辺部の中央の長手方向の補強用部材30のボルト孔32bに対応した位置にそれぞれ植えボルトbを植設する。鉄筋コンクリート造の柱35の回りに4つのL字型の補強用部材30を配し、植えボルトbに、位置決めナットをねじ込んでから、補強用部材30の継ぎ手32の各連結部32bの各ボルト孔32bを嵌め、植えボルトbのねじ部にナットnをねじ込んで、1対のナットn,n間で2つの補強用部材30の継ぎ手32の各連結部32bを締め付けて一体化する。それから、各補強用部材30のL字型の樋状成形板31の各辺部31a,31bの内面と柱35の各辺部の外面との間の隙間に無収縮モルタルmを充填する。充填した無収縮モルタルmが硬化すると、柱35の変形性能が向上する。
なお、柱35に植えボルトbを植設しないで、2つの継ぎ手32の連結部32bの各ボルト孔32bに通常のボルトを通し、そのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて一体化するようにしてもよい。
上記のように補強された柱35は、継ぎ手32,32がその接合部32a及び連結部32bで前記成形板31の各辺部31a,31bの端縁よりの接着部を抑え付ける配置になっているから、成形板31の抑え効果が生じ、接着部の一部の剥離が一気に全面に伝播することを防止することができる。
【0015】
図9に示す補強用部材40は、既存の建物の壁46の付いた柱45の補強に使うものである。この補強用部材40は、前述の補強用部材20のL字型の樋状成形板21のいずれか一方の辺部21a,21bの長さを壁46の厚さの1/2だけ短くしたものである。
補強用部材40の使い方を説明すると、図9に示すように、柱45の近傍の壁46の柱45の長手方向に沿った部分の補強用部材30のボルト孔に対応する位置にそれぞれボルト孔46aを穿設し、壁46の両側の柱35の外側にそれぞれ2つのL字型の補強用部材40を配し、必要に応じて、各補強用部材40の樋状成形板41の各辺部41a,41bと柱45の各辺部45aとの間に適当な間隔保持片を介在させて、壁を挾んで対面する2つの補強用部材40のL字型の継ぎ手42の連結部42bのボルト孔及び前記壁46の各ボルト孔46aにボルトbに通し、ボルトbの先のねじ部にナットnをねじ込ん締め付け、各補強用部材40のL字型の継ぎ手42の連結部42bを壁46に固定し、かつ直接対面する2つの補強用部材40のL字型の継ぎ手42の連結部42b同士をボルト・ナットb・nで連結して一体化する。それから、各補強用部材40のL字型の樋状成形板41の各辺部41a,41bの内面、柱45の各辺部45aの外面及び柱45の近傍の壁46の外面との間の隙間に無収縮モルタルmを充填する。隙間に充填した無収縮モルタルが硬化すると、柱45の変形性能が向上し、図1〜図3に示す補強用部材10と同様に継ぎ手42により成形板41の抑え効果が生じ、接着部の剥離の伝播を防ぐことできる。
【0016】
10及び図11に示された補強用部材50は、既存の建築物の壁46付きの柱45を補強するとともに、補強用部材の継ぎ手52を介して柱46の外側に仕上げ用ボード61〜63を取り付けることができるものである。
補強用部材50は、前述の補強用部材40の樋状成形板41に接着されている横断面L字型の継ぎ手42を横断面コ字型の継ぎ手52に換えたものである。
横断面コ字型の継ぎ手52としては、例えば、溝形鋼を使い、図10に示すように、そのコ字型の縦の辺部を連結部52bとし、この連結部52bに複数のボルト孔52bを間隔をおいて穿設し、コ字の一方の横の辺部を仕上材取付部52cとし、この仕上材取付部52cに複数のねじ孔52cを間隔をおいて穿設して使用する。
なお、上記溝形鋼としては、樋状成形板51と接着される継ぎ手(溝形鋼)52の接合部52aの幅Wが、例えば、10cm程度あるものを使用する。
補強用部材50を使った柱45の補強方法は、前述の補強用部材40を使う場合と同じである。
補強用部材50を使って補強した壁46付きの柱45の外側に、仕上げ用ボード61〜63を配し、コ字型の継ぎ手52の仕上材取付部52cの各ねじ孔に対応させて穿設されている各仕上げ用ボード61〜63のビス孔にそれぞれビス64を通し、各ビス64を継ぎ手52の仕上材取付部52cの各ねじ孔52cにねし込んで、各仕上げ用ボード61〜63を補強用部材50の継ぎ手52に固定し、隣接する仕上げ用ボード61〜63同士も適宜の手段で固定する。なお、3枚の仕上げ用ボード61〜63をコ字型に結合してから、補強した柱45に取り付ける場合には、壁46に面する2枚の仕上げ用ボード61,63の部分を壁46に取り付けた継ぎ手52の仕上材取付部52cにビス止めするだけでよい。
【0017】
コ字型の継ぎ手52を備えた補強用部材50を使って既存の壁付きの柱45を補強し、補強後の柱45の外側に仕上げ用ボード61〜63を取り付ける例を挙げたが、前述の補強用部材10,20のL字型の継ぎ手12,22をコ字型の継ぎ手52に換えることにより、補強後の柱15,25の回りへの仕上げ用ボードの取り付けが容易になる。
前述の補強用部材10,20,30,40において、補強後の柱の外側の露出する部分の全体を仕上げ用ボードで覆わないときには、必要があれば、補強後の柱の外側の露出する継ぎ手及びボルト・ナットの部分のみを適宜のカバーで覆って、危険をなくしかつ体裁をよくしてもよい。
【0018】
前述の補強用部材10,20,30を使って補強された図12の(b)に示す既存の建築物の柱の耐力と【従来の技術】の欄の(3)の補強方法により補強された図12の(c)に示す既存の建築物の柱の耐力とを比較して示したものが、図12の(a)である。図12の(a)から明らかなように、前述の補強用部材10,20,30を使って補強された柱は従来の補強方法で補強された柱と同等の耐力を有している。この出願の発明は、従来技術と比べて施工性のよい点が特に有利である。
【0019】
【発明の作用効果】
この明細書の特許請求の範囲の各請求項に記載したものは、次の(イ)〜()の作用効果を奏する。
(イ)請求項1の既存の建築物の壁付きの柱の補強方法は、炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある横断面L字型又はコ字型の金属材の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い柱の近傍の壁の部分に間隔をおいて複数のボルト孔を設け、既存の建築物の壁付きの柱の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、壁を介して対面する補強用部材の継ぎ手の連結部同士は壁のボルト孔及び連結部のボルト孔にボルトを通してそのボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し、直接対面する補強用部材の継ぎ手の連結部がある場合にはそれらの連結部同士をそれらの連結部のボルト孔にボルトを通してそのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し各補強用部材の成形板の内面、柱の外面及び柱の近傍の壁面とで囲まれた隙間にモル タルを充填するから、次の(1)〜(5)の効果を奏する。
(1)補強用部材として、補強後の柱、梁等の表層部の一部となる成形板が炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂で構成され、金属の継ぎ手の接合部が前記成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着され、前記継ぎ手の連結部に複数のボルト孔が設けられているから、容易に製作することができ、しかも軽量である。そのため、揚重機等を使用しなくても、人力で所定位置に容易にセットすることができる。
(2)補強用部材の成形板が機械的強度の高いエポキシ樹脂を高い引張強度と高い弾性率とを有する炭素繊維等の補強用繊維で補強してつくられているから、軽量で高い引張強度と高い弾性率を有する補強用部材が得られ、かつ未硬化のエポキシ樹脂は接着力が優れているから、継ぎ手の接合部の面積を過度に大きくしなくても、継ぎ手の接合部と成形板とを強固に接着させることができる。
(3)繊維補強エポキシ樹脂からなる成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に金属製の継ぎ手の接合部を接着してなる補強用部材を使って既存の建築物の柱、梁等の部材を補強すると、継ぎ手がその接合部で成形板の端縁よりの接着部を抑える配置になるから、成形板の抑え効果が生じ、接着部の一部の剥離が一気に全面に伝播することを防止できる。そのため、繊維補強エポキシ樹脂からなる成形板の端縁よりの部分に金属製の継ぎ手の接合部を強固に接着させてなる補強用部材を既存の建築物の柱、梁等の回りに複数配し、それらの各継ぎ手の連結部のボルト孔にボルトを通してナットで締め付けて連結し、各補強用部材の成形板の内面と柱、梁等の外面との間の隙間にモルタルを充填し、モルタルが硬化すると、せん断補強効果を発揮し、既存の建築物の柱、梁等のせん断破壊を防止し、変形性能を向上させることができる。
(4)成形板が横断面コ字型、L字型、円弧型等の単純な形状になっているから、その成型や取扱いが容易である。
(5)既存の建築物の壁付きの柱を容易に補強することができる。
【0020】
)請求項2の既存の建築物の壁付きの柱の補強方法は、前記請求項1の補強方法において、横断面コ字型の長い金属材で構成された継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられている継ぎ手を用いてつくられた補強用部材を使って既存の建築物の壁付きの柱の補強を行なってから、補強された壁付きの柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように配された仕上げ用ボードを、前記仕上げ用ボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込んで固定するから、前記の(1)〜(5)の効果を奏するだけでなく、次の(6)の効果を奏する。
(6)補強された壁付きの柱の継ぎ手の外側にこの柱等を覆うように仕上げ用ボードを配し、該仕上げ用ボードをこのボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込むことにより、補強された壁付きの柱に容易に仕上げ用ボードを取り付けることができる。
【0021】
)請求項3の既存の建築物の柱の補強方法は、炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型、U字型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある金属製の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、既存の建築物の柱の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、各補強用部材の継ぎ手の連結部の各ボルト孔にボルトを通し、ボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付け、各補強用部材の成形板の内面と柱の外面との間の隙間にモルタルを充填する既存の建築物の柱の補強方法において、前記補強用部材として、横断面コ字型の長い金属材で構成された継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が 間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられている継ぎ手を用いてつくられた補強用部材を使って、既存の建築物の柱の補強を行なった後に、補強された柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように配された仕上げ用ボードを、前記仕上げ用ボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込んで固定するから、前記の(1)〜(4)の効果を奏するだけでなく、次の(7)及び(8)の効果を奏する。
(7)補強された柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように仕上げ用ボードを配し該仕上げ用ボードを前記ボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込むことにより、補強された柱に容易に仕上げ用ボードを取り付けることができる。
(8)既存の建築物の柱に何の加工も施さないから、粉塵や騒音の発生がなく、さらに、火気も臭気を発する薬剤も使わないから、施工時に特別な換気や手間のかかる養生が不要になり、居住者が居住している状態で補強工事を施工することができる。
【0022】
(ニ)請求項4の既存の建築物の柱、梁等の補強方法は、炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある金属製の長い平板の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、既存の建物の柱、梁等の補強用部材の継ぎ手に対応する部分に間隔をおいて植えボルトを植設し、前記柱、梁等の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、各補強用部材の継ぎ手の連結部の複数のボルト孔をそれぞれ前記植えボルトに嵌め、植えボルトのねじ部にねじ込まれたナットで各補強用部材の継ぎ手の連結部を締め付け、各補強用部材の成形板の内面と柱、梁等の外面との間の隙間にモルタルを充填するから、前記の(1)〜(4)の効果を奏するだけでなく、次の(9)の効果を奏する。
(9)各補強用部材を、揚重機等を使用しなくても人力で容易に所定位置にセットでき、かつ容易に連結することができる。また、各補強用部材の内面と柱の外面との間の隙間を、それらの面の間に間隔保持部材を介在させなくても、所定の値にすることが容易にできる。
(ホ)請求項5の既存の建築物の柱、梁等の補強に使う補強用部材は、補強後の柱、梁等の表層部の一部となる成形板が炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂で構成され、金属製の継ぎ手の接合部が前記成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着され、前記継ぎ手の連結部に複数のボルト孔が設けられている柱、梁等の補強に使う補強用部材において、継ぎ手が横断面コ字型の長い金属材で構成され、継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられているものであるから、前記の(1)〜(4)の効果の他に次の(10)の効果を奏する。
(10)補強された柱、梁等の継ぎ手の外側にこの柱、梁等を覆うように配した仕上げ用ボードを、このボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込むことにより、容易に柱、梁等に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明で使うコ字型の補強用部材の斜視図
【図2】この発明で使うコ字型の補強用部材の造り方等を示す斜視図
【図3】L字型の継ぎ手を接着した補強用部材の要部の正面図
【図4】L字型の継ぎ手を接着した他の補強用部材の要部の正面図
【図5】コ字型の補強用部材を使って補強した柱を横断した平面図
【図6】この発明で使うL字型の補強用部材を使って補強した柱を横断して示す平面図
【図7】平板の継ぎ手を備えた2つの補強用部材をその連結部で接合したものの要部を横断した平面図
【図8】 図7に示す平板の継ぎ手を備えたL字型の補強用部材を使って補強した柱を横断した平面図
【図9】L字型の継ぎ手を備えたL字型の補強用部材を使って補強した壁付きの柱を横断した平面図
【図10】コ字型の継ぎ手を接着した補強用部材の要部の正面図
【図11】コ字型の継ぎ手を備えたL字型の補強用部材を使って壁付きの柱を補強し、かつコ字型の継ぎ手の外側に仕上げボードを取り付けた壁付きの柱を横断した平面図
【図12】 (a)は補強用部材を使って補強したこの出願の発明による柱の耐力と従来の樹脂含侵シートを貼り付けて補強した柱の耐力とを比較した図、(b)は補強用部材を使って補強したこの出願の発明による柱の断面図、(c)従来の樹脂含侵シートを貼り付けて補強した柱の断面図
【図13】 従来の柱の補強方法により補強されて柱を横断した平面図
【図14】 従来の柱の補強方法における鋼製補強用部材の連結部の平面図
【符号の説明】
10,20,30,40,50 補強用部材
11 コ字型の樋状成形板
21,31,41,51 L字型の樋状成形板
12,32,42 L字型の継ぎ手
15,25,35,45 既存の建築物の柱
22 平板の継ぎ手
46 壁
52 コ字型の継ぎ手
61〜63 仕上げ用ボード
64 ビス
CF 炭素繊維シート
EP エポキシ樹脂
b ボルト
植えボルト
n,n,n ナット

Claims (5)

  1. 炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある横断面L字型又はコ字型の金属材の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、柱の近傍の壁の部分に間隔をおいて複数のボルト孔を設け、既存の建築物の壁付きの柱の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、壁を介して対面する補強用部材の継ぎ手の連結部同士は壁のボルト孔及び連結部のボルト孔にボルトを通してそのボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し、直接対面する補強用部材の継ぎ手の連結部がある場合にはそれらの連結部同士をそれらの連結部のボルト孔にボルトを通してそのねじ部にナットをねじ込んで締め付けて固定し、各補強用部材の成形板の内面、柱の外面及び柱の近傍の壁面とで囲まれた隙間にモルタルを充填することを特徴とする既存の建築物の壁付きの柱の補強方法。
  2. 横断面コ字型の長い金属材で構成された継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられている継ぎ手を用いてつくられた補強用部材を使って既存の建築物の壁付きの柱の補強を行なってから、補強された壁付きの柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように配された仕上げ用ボードを、前記仕上げ用ボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込んで固定することを特徴とするに請求項記載の既存の建築物の壁付きの柱の補強方法。
  3. 炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型、U字型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある金属製の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、既存の建築物の柱の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、各補強用部材の継ぎ手の連結部の各ボルト孔にボルトを通し、ボルトのねじ部にナットをねじ込んで締め付け、各補強用部材の成形板の内面と柱の外面との間の隙間にモルタルを充填する既存の建築物の柱の補強方法において、前記補強用部材として、横断面コ字型の長い金属材で構成された継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられている継ぎ手を用いてつくられた補強用部材を使って、既存の建築物の柱の補強を行なった後に、補強された柱の継ぎ手の外側にこの柱を覆うように配された仕上げ用ボードを、前記仕上げ用ボードに通したビスを継ぎ手の仕上材取付部のねじ孔にねじ込んで固定することを特徴とする既存の建築物の柱の補強方法。
  4. 炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂からなる横断面コ字型、L字型、円弧型等の成形板と該成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着された接合部のある金属製の長い平板の継ぎ手とから構成された補強用部材を使い、既存の建物の柱、梁等の補強用部材の継ぎ手に対応する部分に間隔をおいて植えボルトを植設し、前記柱、梁等の外側に少なくとも2つの補強用部材を配し、各補強用部材の継ぎ手の連結部の複数のボルト孔をそれぞれ前記植えボルトに嵌め、植えボルトのねじ部にねじ込まれたナットで各補強用部材の継ぎ手の連結部を締め付け、各補強用部材の成形板の内面と柱、梁等の外面との間の隙間にモルタルを充填することを特徴とする既存の建築物の柱、梁等の補強方法。
  5. 補強後の柱、梁等の表層部の一部となる成形板が炭素繊維等の補強用繊維で補強されたエポキシ樹脂で構成され、金属製の継ぎ手の接合部が前記成形板の長手方向に延びる端縁よりの部分に強固に接着され、前記継ぎ手の連結部に複数のボルト孔が設けら れている柱、梁等の補強に使う補強用部材において、継ぎ手が横断面コ字型の長い金属材で構成され、継ぎ手のコ字型の一方の横方向に延びる辺部が接合部になっており、継ぎ手のコ字型の縦方向に延びる辺部が連結部になっており、継ぎ手のコ字型の他方の横方向に延びる辺部が仕上材取付部になっており、前記連結部に複数のボルト孔が間隔をおいて設けられ、前記仕上材取付部に複数のねじ孔が間隔をおいて設けられていることを特徴とする柱、梁等の補強に使う補強用部材。
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