JP6886766B2 - 木部材接合構造及び接合部補強材 - Google Patents

木部材接合構造及び接合部補強材 Download PDF

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本発明は、接合される木部材の双方にわたって繊維シートを貼り付け、これによって補強された木部材接合構造、及び繊維シートを用いて木部材の接合部を補強するための接合部補強材に関するものである。
木造建築物の構造躯体を形成する柱や梁の接合部には、接合用の金物が広く用いられている。しかし、金物の取り付けにはボルトやビス等を用いることになり、柱や梁の木部材に断面欠損が生じる。また、ボルトを挿通するためのボルト穴の周囲、ビス等をねじ込んだ位置の周辺で応力の集中が生じ、構造部材が損傷することがある。
一方、既存の木造建築物の耐震改修や、地震等によって木部材の接合部に損傷が生じた木造建築物の補修においては、新たに金物を取り付けて補強することができない場合もある。
このような事情からアラミド繊維等の高張力の繊維をシート状に織った繊維シートを木部材の接合部に張り付けて補強する方法が、例えば特許文献1に提案されている。
この技術は、繊維をシート状に織ったものに合成樹脂を含浸させるとともに合成樹脂の接着力によって接合する木部材の双方にわたって繊維シートを貼り付けるものである。このように貼り付けられた繊維シートにより、接合された木部材を引き離そうとする方向の力に抵抗することができる。
特開2001−279814号公報
しかしながら、上記先行技術では次に述べるように解決が望まれる課題がある。
地震時等には繰り返し反転する方向の大きな力が木造建築物の構造躯体に作用し、柱や梁の接合部において表面に貼り付けられた繊維シートには引張方向の力と圧縮方向の力とが交互に作用することになる。木部材の接合部に圧縮力が作用すると木材の変形等が生じ、これにともなって合成樹脂が含浸された繊維シートにも変形が生じる。含浸された合成樹脂が硬化した繊維シートは曲げに対する剛性を備えており、繊維シートの面と直角方向に膨らみ出すように変形が生じると、木部材に貼り付けられている繊維シートを剥がす方向の力が作用することがある。このような力によって木部材と繊維シートと接着面の一部が剥離すると、双方を接合する力が低下することになる。
また、圧縮力の作用時に繊維シートが面外方向へ変形することによって、又は繊維シートの面内方向のせん断力により、含浸されて硬化している樹脂に割れが生じることがある。含浸されている合成樹脂に割れ生じると、その部分で繊維に大きな変形が生じ、繊維シートの弱点となってこの部分から破断するおそれが生じる。
なお、上記繊維シートの剥離や割れは、地震時に限らず、繊維シートに圧縮方向の力が作用したとき、含浸されている合成樹脂の伸びが追従できないほどの引張力が作用したとき等にも生じることがある。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、合成樹脂が含浸されて木部材に貼り付けられた繊維シートの割れ又は剥離を防止し、接合部の強度低下を抑制する木部材接合構造を提供すること、及びこの木部材接合構造で用いることができる接合部補強材を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、 第1の木部材の端面を第2の木部材に突き当てて接合する木部材接合構造であって、 軸線方向に連続する複数の繊維を含む帯状繊維シートが、接合する双方の木部材の表面にわたって貼り付けられ、 前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着された樹脂含浸部と、前記繊維が変形可能に露出されて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に対して接着されていない非含浸部とを有し、 前記非含浸部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に設けられている木部材接合構造を提供する。
本発明の木部材接合構造では、接合する2つの木部材にわたって貼り付けられた帯状繊維シートにより、双方の木部材が繊維の方向に引き離される相対的な変位を抑制し、接合部を補強することができる。また、樹脂含浸部の第1の木部材に接着された部分と第2の木部材に接着された部分との間に非含浸部が設けられているので、双方の木部材間で互いに押し付ける方向の相対的な変位又は接合面に沿った方向の相対的な変位が生じたときに非含浸部が変形し、帯状繊維シートを剥離する方向の力の発生を抑制することができる。また、非含浸部の変形によって帯状繊維シートに含浸した合成樹脂に割れが生じるのを抑制し、弱点の発生を防止することができる。
請求項2に係る発明は、 第1の木部材の端面を第2の木部材に突き当てて接合する木部材接合構造であって、 軸線方向に連続する複数の繊維を含む帯状繊維シートが、接合する双方の木部材の表面にわたって貼り付けられ、 前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着された樹脂含浸部と、前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂が含浸されるか、又は前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂で被覆されて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に接着されていない可撓部と、を有し、 前記可撓部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に設けられている木部材接合構造を提供するものである。
本発明の木部材接合構造では、請求項1に記載の発明と同様に、接合する2つの木部材にわたって貼り付けられた帯状繊維シートにより、双方の木部材が繊維の方向に引き離される相対的な変位を抑制し、接合部を補強することができる。また、可撓部が柔軟に変形するものとなっており、帯状繊維シートを剥離する方向の力の発生を抑制するとともに、第1の木部材と第2の木部材とが相対的に変位したときに、含浸した樹脂の割れを抑制し、弱点の発生を防止することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造において、 前記第1の木部材の端面が前記第2の木部材に突き当てられた当接面の位置の両側にわたって前記非含浸部又は前記可撓部が設けられているものとする。
この木部材接合構造では、柱の端面を梁、土台等の横架材の上面又は下面に当接して接合する部分、梁・胴差等の横架材の端面を柱の側面に当接して接合する部分等において、双方が離れようとする力に抵抗するとともに、非含浸部又は可撓部の変形によって、双方の相対的な変位が生じても貼り付けた帯状繊維シートが剥離するのを抑制し、含浸した合成樹脂の割れによって弱点が生じるのを抑えることができる。
請求項4に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造において、 前記第1の木部材の端面は、該第1の木部材の軸線とほぼ直角方向に軸線を有する第2の木部材の表面に突き当てて接合されており、 前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材及び前記第2の木部材の軸線方向と傾斜した方向に軸線を有するものを含み、 該帯状繊維シートは、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に、前記第1の木部材及び前記第2の木部材と離れて張架された部分を有し、
前記張架された部分が前記非含浸部又は前記可撓部となっているものとする。
この木部材接合構造では、柱の端面を梁、土台等の横架材の上面又は下面に当接して接合する部分、梁・胴差等の横架材の端面を柱の側面に当接して接合する部分で、双方の間の角度変化に抵抗する。そして、非含浸部又は可撓部の変形によって、双方の木部材間で張架された領域と隣接する部分で貼り付けた帯状繊維シートが剥離したり、含浸した合成樹脂の割れによって弱点が生じたりするのを抑えることができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の木部材接合構造において、 前記第1の木部材と前記第2の木部材との間で張架されるように貼り付けられた前記帯状繊維シートは、該帯状繊維シートの幅方向の位置によって所定幅当たりの繊維量が異なるものとする。
この木部材接合構造では、第1の木部材の端面と第2の木部材との間で張架された部分が破断するときの状態を制御することができる。例えば、第1の木部材の端面と第2の木部材との当接面から離れた位置における該帯状繊維シートの所定幅当たりの繊維量を増大することによって、接合する双方の木部材間の角度変化に対する剛性を大きくすることができる。また、外力によって大きな角度変化が生じたときには、第1の木部材の端面と第2の木部材との当接面から離れた位置における繊維が先に破断又は木部材から剥離する傾向があり、早期に繊維の破断又は剥離が生じるのを抑制することができる。一方、第1の木部材の端面と第2の木部材との当接面から離れた位置における該帯状繊維シートの所定幅当たりの繊維量を低減しておくことによって、繊維シートが破断するのにともなって接合する木部材間の曲げ剛性が徐々に低下するように制御することができる。
請求項6に係る発明は、請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造において、 前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材又は第2の木部材の表面の幅より小さい細幅の帯状となっており、複数の細幅の帯状繊維シートを幅方向に並べて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に接着されているものとする。
この木部材接合構造では、帯状繊維シートが幅方向に並列された複数の部分に分割されていることにより、幅方向に繊維量を容易に変化させることができる。また、非含浸部又は可撓部では複数の細幅の帯状繊維シート毎に挙動することになり、幅方向に繊維の張力差が生じても、帯状繊維シートの繊維の方向の破断を抑止することができる。
請求項7に係る発明は、 軸線方向に連続する複数の繊維を含み、接合される第1の木部材及び第2の木部材の表面にわたって貼り付けられる帯状繊維シートを有し、 前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着される樹脂含浸部と、前記繊維が変形可能に露出されている非含浸部とを有し、 前記非含浸部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着される部分と前記第2の木部材に接着される部分との間に設けられている接合部補強材を提供するものである。
本発明の接合部補強材では、接合する第1の木部材と第2の木部材との双方にわたって貼り付けることによって、木部材の接合部を補強するとともに、非含浸部が変形可能であることによって貼り付けた帯状繊維シートの剥離が生じたり、帯状繊維シートに弱点が生じたりするのを抑制することができる。そして、帯状繊維シートには、木部材に貼り付ける部分を樹脂含浸部としてあらかじめ合成樹脂が含浸されているので、簡単な作業で木部材の接合部に容易に貼り付けることができる。また、樹脂含浸部と非含浸部とを正確に区分して形成することができる。
請求項8に係る発明は、 軸線方向に連続する複数の繊維を含み、接合される第1の木部材及び第2の木部材の表面にわたって貼り付けられる帯状繊維シートを有し、 前記帯状繊維シートは、第1の合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着される樹脂含浸部と、前記第1の合成樹脂より弾性係数の小さい第2の合成樹脂が含浸され、又は前記第1の合成樹脂より弾性係数の小さい第2の合成樹脂で被覆された可撓部と有し、 前記可撓部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着される部分と前記第2の木部材に接着される部分との間に設けられている接合部補強材を提供するものである。
この接合部補強材では、請求項7に記載の接合部補強材と同様に、接合する第1の木部材と第2の木部材との双方にわたって貼り付けることによって、木部材の接合部を補強するとともに、可撓部が柔軟に変形することによって貼り付けた帯状繊維シートの剥離が生じたり、帯状繊維シートに弱点が生じたりするのを抑制することができる。そして、簡単な作業で木部材の接合部に容易に貼り付けることができるとともに、木部材に貼り付ける前に樹脂含浸部及び可撓部とを正確に区分して、容易に合成樹脂を含浸する作業又は合成樹脂で繊維を被覆する作業を行うことができる。
請求項9に係る発明は、請求項7又は請求項8に記載の接合部補強材において、 前記第1の木部材は、該第1の木材の端面を前記第2の木部材の表面に当接して接合されるものであり、 前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材の軸線方向に前記繊維を向けて接着されるものと、前記第1の木部材及び前記2の木部材の軸線と傾斜した方向に前記繊維を向けて接着されるものとを含み、 前記繊維の方向の異なる複数の前記帯状繊維シートが重ね合わされ、前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂によって互いに接着されているものとする。
この接合部補強材では、繊維の方向が異なる複数の帯状繊維シートが貼り合わされているので、複数の帯状繊維シートを木部材の接合部に効率よく貼り付けることができる。また、複数の帯状繊維シートが重ね合わされた部分でも正確に樹脂含浸部と非含浸部又は可撓部とを区分して形成することができる。
以上説明したように、本発明の木部材接合構造では、木部材の接合部を有効に補強するとともに、貼り付けた帯状繊維シートの剥離及び帯状繊維シートに含浸した合成樹脂の割れによる弱点の発生を抑制することができる。また、本発明の接合部補強部材では、接合する木部材の双方にわたって簡単に貼り付けることができ、木部材の接合部を補強するとともに、貼り付けた帯状繊維シートの剥離が生じたり、帯状繊維シートに弱点が生じたりするのを抑制することができる。
本発明の一実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 図1に示す木部材接合構造で用いられる接合部補強材の正面図である。 図1に示す木部材接合構造で、接合する木部材間で相対的な変位が生じたときの帯状繊維シートの変形を示す概略側面図である。 図1に示す木部材接合構造で、接合する木部材間で相対的な変位が生じたときに木部材間に張架された帯状繊維シートの変形を示す概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。 本発明の他の実施形態である木部材接合構造の概略斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である木部材接合構造を示す概略斜視図である。
この木部材接合構造は、コンクリートの基礎1上に支持された木部材である土台2の上に木製の柱3を立設した接合部を、帯状の繊維シートによって補強したものである。
上記土台2は、一端が基礎1のコンクリートに埋め込まれたアンカーボルト等(図示しない)によって基礎1に固定されている。そして、土台2の上に立設された柱3には、地震時等の水平力が作用したときに、土台2から引き抜こうとする方向の力及び土台2との角度変化を生じさせる方向の力が作用する。上記帯状繊維シート11,12,13は、これらの力に抵抗するように柱3と土台2とにわたって貼り付けられたものである。
上記帯状繊維シート11,12,13は、アラミド繊維を帯状となった繊維シートの軸線方向に配置し、横糸を用いて織ったものである。横糸はアラミド繊維を用いてもよいし、他の繊維を用いてもよい。アラミド繊維の量は、帯状繊維シートに必要とされる強度に応じて適宜に増減することができるものである。
なお、本実施の形態では、繊維としてアラミド繊維を用いているが、この他に炭素繊維、ガラス繊維、鉱物繊維等を用いることもできる。また、以下に説明する実施の形態についても同様である。
上記帯状繊維シートは、柱3の軸線方向に沿って柱3から土台2にわたり鉛直に貼り付けられた帯状繊維シート11と、柱3及び土台2とほぼ45°の角度をなすように柱32ら土台2に架け渡すように貼り付けられた帯状繊維シート12,13とを含んでいる。鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート11は主に柱3を土台2から引き抜く方向の力に抵抗するものであり、傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート12,13は主に柱3が傾斜するのに抵抗するものである。これらが一部を重ね合わせて貼り付けられている。
なお、傾斜して貼り付けられる帯状繊維シート12,13の傾斜角は45°に限定されるものではなく適宜に設定することができる。
これらの帯状繊維シート11,12,13は、柱又は土台に貼り付けられる部分であって、エポキシ樹脂が繊維間に含浸されて多数の繊維が一体となるように結合された樹脂含浸部14と、繊維間にエポキシ樹脂が含浸されず、柱及び土台に接着されていない非含浸部15とを有するものである。
上記樹脂含浸部14は、所定長さの帯状繊維シート11,12,13の両端部を含むものであり、エポキシ樹脂によって木製の柱3及び土台2の表面に貼り付けられている。
帯状繊維シート11,12,13に含浸される合成樹脂及び土台2又は柱3に帯状繊維シートを接着する接着剤は、エポキシ樹脂に限定されるものではなく、高い接着力を有する他の合成樹脂を用いることもできる。以下に説明するすべての実施の形態についても同様である。
上記非含浸部15は、上記樹脂含浸部の柱3に接着された部分と上記樹脂含浸部の土台2に接着された部分との間に設けられている。つまり、鉛直方向に貼り付けられる帯状繊維シート11では、柱3に貼り付けられた部分11a及び土台に貼り付けられた部分11bが樹脂含浸部になっており、柱3と土台2との当接面4の両側の所定の範囲、例えば当接面4の位置から上下に15mm程度の範囲11cが非含浸部15となっている。この領域については繊維間にエポキシ樹脂が含浸されず、柱3及び土台2に接着されていない。また、傾斜して柱3から土台2にわたって貼り付けられた帯状繊維シート12,13は、幅方向の一部が柱3と土台2との当接面4の位置を越えるように貼り付けられるとともに、一部12d,13dがほぼ直角となるように接合された柱3と土台2との間で張架され、その両端部側12a,12b,13a,13bが柱3及び土台2に貼り付けられている。この帯状繊維シート12,13の柱3に接着された樹脂含浸部12a,13aと土台2に接着された樹脂含浸部12b,13bとの間、つまり柱3と土台2との当接面4をまたぐ両側の所定範囲12c,13c、及び柱と土台との間で張架されたほぼ三角形となった領域12d,13dが非含浸部15となっている。
これらの非含浸部15にはエポキシ樹脂が含浸されずに織られた繊維が露出しており、帯状繊維シート11,12,13は柱3及び土台2から離れて柔軟に変形が可能となっている。
柱3から土台2にかけて鉛直方向に貼り付けられる帯状繊維シート11及び斜め方向に貼り付けられる帯状繊維シート12,13は、図1に示すように接合される柱3と土台2との側面に貼り付けられるとともに、柱3及び土台2の背面側にも同様に貼り付けられる。
上記帯状繊維シート11,12,13は次のように柱3及び土台2に貼り付けることができる。
鉛直方向に貼り付ける帯状繊維シート11及び柱3に対して斜め方向に貼り付ける帯状繊維シート12,13を、それぞれ一枚ずつ分離した状態でエポキシ樹脂を塗布し、含浸させる。そして、土台2とこの上に立設されている柱3の側面に押し付け、含浸させたエポキシ樹脂で柱3及び土台2に接着する。このとき非含浸部15となる領域には、塗布しないようにして繊維が露出した状態で残す。このようにして順次に帯状繊維シート11,12,13を一部が重なるように貼り付けることができる。また、非含浸部15となる部分にはあらかじめマスキングを施してエポキシ樹脂が含浸しないようにするのが望ましい。マスキングとしては、例えば粘土状の塑性体によって帯状繊維シート11,12,13を被覆することができる。そして、エポキシ樹脂を含浸して柱3及び土台2に貼り付けた後に、塑性体を除去又は洗い流すことができる。
一方、帯状繊維シートはあらかじめ工場等においてエポキシ樹脂を所定の領域に含浸し、樹脂含浸部と非含浸部とが形成された接合部補強材としておき、これを木部材の接合部に貼り付けることもできる。
図2は、あらかじめ製作された接合部補強材10を示す正面図である。
この接合部補強材は、図1に示すように鉛直方向に柱から土台にわたって貼り付けられる帯状繊維シート11と柱3及び土台2とほぼ45°となるように貼り付けられる帯状繊維シート12,13に、それぞれエポキシ樹脂を含浸させ、これらを重ね合わせて一体としたものである。そして、柱3に貼り付けられる領域10a及び土台2に貼り付けられる領域10bはエポキシ樹脂が含浸された樹脂含浸部14となっており、柱3と土台2とに貼り付けたときに、柱3の下端面と土台2の上面との当接位置の上下における所定の領域10c及び柱3と土台2との間で張架されるほぼ三角形の領域10dはエポキシ樹脂が含浸されていない非含浸部15となっている。非含浸部15の形成は、帯状繊維シート11,12,13を一枚ずつ柱3及び土台2に貼り付ける場合と同様に、マスキング等の手段を用いることができる。
このようにあらかじめ製作された接合部補強材10を用いることによって、木部材の接合部に帯状繊維シートを貼り付けて補強する作業を効率よく行うことができる。
以上に説明したように帯状繊維シート11,12,13を貼り付けて補強された木部材の接合部は、地震等によって大きな水平力が作用したときに次のように挙動する。
図3は、水平力によって柱3が帯状繊維シート11,11’を貼り付けた面と直角方向に傾いた状態を示す概略図である。地震時には繰り返し方向が反転する水平力が作用し、柱3及び土台2の両面に貼り付けられた帯状繊維シートの一方11’には引張力が作用して伸びが生じる。そして、他方の帯状繊維シート11には押し縮める方向の変形が生じる。このとき、柱3と土台2との当接面4の上下にわたる所定の範囲11cは非含浸部となっており、図3に示すように帯状繊維シート11が柔軟に変形し、帯状繊維シート11の柱3又は土台2に接着された部分11a,11b、及び含浸したエポキシ樹脂に過大な応力が発生するのが回避される。つまり、柱3に貼り付けられた部分から土台に貼り付けられた部分にかけて連続するようにエポキシ樹脂が含浸されていると、硬化したエポキシ樹脂の剛性によって帯状繊維シートを剥がす方向の力が作用したり、硬化したエポキシ樹脂に割れが生じたりすることがあるが、このような事態が回避される。
一方、図4は水平力が帯状繊維シート11,12,13を貼り付けた面に沿った方向に作用したときの状態を示す概略斜視図である。この図に示すように、柱3が傾斜して柱3と土台2との角度が変化すると、柱3から両側の斜め下方に張架されて土台に貼り付けられた帯状繊維シートの一方12に引張力が作用し、他方13には図4中に一点鎖線で示すように緩みが生じる。帯状繊維シートの張架された部分12d,13dはエポキシ樹脂が含浸されていない非含浸部となっており、緩みが生じたときに柔軟に変形し、柱3と土台2と間の角度変化に追従する。したがって、張架された部分12d,13dの両側で帯状繊維シート12,13に剥離する方向の力が作用したり、帯状繊維シート12,13に含浸されているエポキシ樹脂に割れが生じたりするのを回避することができる。また、柱3から土台2にかけて鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート11は、上記柱3の傾斜によって一方の縁部で引張力が作用し、他方の縁部で緩みが生じるが、柱3と土台2との当接面4の上下両側が非含浸部15となっているので柱3の傾斜に追従し、帯状繊維シート11の剥離やエポキシ樹脂の割れが回避される。
図1から図4までに示す木部材接合構造及び接合部補強材10は、帯状繊維シートの樹脂含浸部である柱に貼り付けられる部分11a,12a,13aと土台2に貼り付けられる部分11b,12b,13bとの間にエポキシ樹脂が含浸されていない非含浸部15を有するものであるが、上記非含浸部15に代えて、樹脂含浸部に含浸された樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂を同じ領域の繊維間に含浸させた可撓部としてもよい。また、該可撓部は同じ領域の繊維を被覆するように帯状繊維シートに合成樹脂を塗布したものであってもよい。
可撓部に含浸又は被覆する合成樹脂は、弾性係数の小さいものが望ましく、例えばシリコーン樹脂を用いることができる。
このように弾性係数の小さい合成樹脂の含浸又は被覆により、柱3と土台2との間で相対的変位が生じたときに可撓部が柔軟に変形し、上記非含浸部15と同様に帯状繊維シートの剥離や帯状繊維シートの割れを回避することができる。また、柔らかい合成樹脂で被覆することにより、他の部材の接触等による繊維の損傷を抑制することができる。
図5は、本発明の他の実施形態である木部材接合構造を示す概略斜視図である。
この接合構造では、柱3の軸線に沿って鉛直方向にのみ帯状繊維シート21が貼り付けられている。この帯状繊維シート21によって主に柱3の引き抜きに対する補強を行うものであり、柱3に貼り付けられた領域21a及び土台2に貼り付けられた領域21bが樹脂含浸部となっており、柱3の下端面と土台2の上面との当接面4の上下両側にわたる領域21cが非含浸部又は可撓部となっている。
図6は、柱3が立設される位置で土台2に他の土台5が直角方向に接合されている接合部を、帯状繊維シート31,32を貼り付けることによって補強したものである。この接合構造では、他の土台5が接合されている側の柱3及び土台2の側面には柱3の軸線に沿って鉛直方向に帯状繊維シートを貼り付けることができず、傾斜した方向の帯状繊維シート31,32のみが貼り付けられている。このような接合構造でも、傾斜して貼り付けられた帯状繊維シー31,32トの柱3と土台2との間で張架された部分31d,32dを非含浸部又は可撓部とすることにより、帯状繊維シート31,32の剥離及び割れを回避することができる。
図7に示す木部材接合構造は、図1に示す構造と同様に、帯状繊維シート41を柱3の軸線に沿って鉛直方向に貼り付けるとともに柱3から土台2にかけて斜め方向に帯状繊維シート42,43を貼り付けたものである。ただし、この構造では、斜め方向に貼り付けた帯状繊維シート42,43は、柱3と土台2との間で張架されるものではなく、柱3の下端面と土台2の上面との当接面4を越えて柱3及び土台2の側面の範囲内に貼り付けられている。そして、柱3と土台2との当接面4の位置の上下両側にわたる所定の範囲44が、帯状繊維シート42,43の繊維が露出した非含浸部又は柔軟な合成樹脂が含浸又は被覆された可撓部となっている。
図8は、建築物の出隅部における土台7と柱6との接合構造を示すものであり、2つの木部材をほぼ直角方向に突き合わせた土台7a,7bと、この土台7の隅角部上に立設された柱6との接合部を、帯状繊維シートを貼り付けることによって補強したものである。
この接合構造では、出隅部の柱の外側となる2つの側面から鉛直方向に土台7a,7bにかけて帯状繊維シート51,52が貼り付けられるとともに、この鉛直方向の帯状繊維シート51,52に重ねて柱6から土台7へ斜め下方に帯状繊維シート53,54が貼り付けられている。斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート53,54は、柱6に貼り付けられた部分53a,54aと土台7に貼り付けられた部分53b,54bとの間には、柱6又は土台7の側面から離れて張架された部分があり、このほぼ三角形となった部分53c,54cは非含浸部又は可撓部となっている。また、鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート51,52及び斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート53,54の、柱6と土台7との当接面をまたぐ部分55では当接面の位置の上下の所定範囲が非含浸部又は可撓部となっている。
図9に示す木部材接合構造は、図1に示す構造と同様に、柱3と土台2との接合部で柱3に沿って鉛直方向に帯状繊維シート61を貼り付けるとともに、柱3から土台2にかけてほぼ45°の角度で帯状繊維シート62,63を貼り付けたものである。そして、ほぼ45°に傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート62,63は柱3と土台2との間において張架されている。
この構造では、柱3と土台2との間に張架された部分62d,63dはエポキシ樹脂が含浸されており、非含浸部又は可撓部とはなっていない。柱3の下端面と土台2の上面との当接面4の位置の上下両側では所定の範囲64が非含浸部又は可撓部になっている。
この接合構造は、例えば傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート62,63の厚さが小さく、柱3と土台2との間で張架されている部分62d,63dにエポキシ樹脂が含浸されていてもたわみが可能となる場合に採用することができる。つまり、図4に示すように柱3と土台2との間に角度変化が生じたときに、エポキシ樹脂に割れが生じることなく湾曲するように変形して追従することできる場合には、張架された部分を非含浸部又は可撓部とすることなく、割れによって弱点が生じるのを回避することができる。
図10に示す木部材接合構造も、図1に示す構造と同様に、柱3と土台2との接合部で柱3に沿って鉛直方向に帯状繊維シート71を貼り付けるとともに、柱3から土台2にかけてほぼ45°の角度で帯状繊維シート72,73を貼り付けたものである。そして、ほぼ45°に傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート72,73の一部は柱3と土台2との間において張架されている。この接合構造では傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート72,73が、図10に示すように、柱3又は土台2となる木部材の幅より小さい幅のものを複数並列させたものとなっている。そして、図1に示す接合構造と同様に、柱3の下端面と土台2の上面との当接面4に対応する位置の上下にわたる所定範囲74と、柱3と土台2との間で張架された領域75とが非含浸部又は可撓部となっている。
この接合構造では、斜め方向に並列された細幅の帯状繊維シート毎に所定幅当たりの繊維量を変えることが容易に可能となる。つまり、柱3と土台2との当接面4から離れた位置にあって、張架された長さが大きい細幅の帯状繊維シート72a,73aの繊維量を、柱3と土台2との当接面4に近い位置に貼り付けられた細幅の帯状繊維シート72b,73bより大きくすること、又は小さくすることができる。例えば柱3が大きく傾斜して張架された帯状繊維シート72,73が破断するときに、柱3と土台2との当接面4から離れた位置にある細幅の帯状繊維シート72a,73aの繊維量を小さくしておき、柱3と土台2との当接面4から離れた位置から順次に破断するように設定することによって破断時における接合部の剛性の低下をコントロールすることができる。
また、柱3と土台2との当接面から離れた位置にある細幅の帯状繊維シート72a,73aの繊維量を大きくしておき、柱3と土台2との接合部の角度変化に対する剛性を大きく設定することもできる。
以上に説明した実施の形態は、いずれも柱と土台との接合構造であったが、本発明は木造建築物の他の部位についても適用することができるものである。
図11に示す木部材接合構造は、下層階の柱81の上に梁82を支持し、該梁82の上に上層階の柱83を立設した接合部を帯状繊維シートによって補強した構造を示すものである。
この接合構造では、上層階の柱83の側面から梁82の側面を経て下層階の柱81の側面に連続する帯状繊維シート91が貼り付けられている。また、上層階の柱83の下部から左右両側の斜め下方に向けて梁82の側面に至る帯状繊維シート92,93及び下層階の柱81の上部から左右両側の斜め上方に向けて梁82の側面に至る帯状繊維シート94,95が貼り付けられている。そして、これらの帯状繊維シートの、上層階の柱83の下端面と梁82の上面とが当接する位置の上下の所定の範囲97及び梁82の下面と下層階の柱81の上端面とが当接する位置の上下の所定範囲98が非含浸部又は可撓部となるととともに、上層階の柱83と梁82との間及び下層階の柱81と梁82との間で張架されたほぼ三角形の部分99が非含浸部又は可撓部となっている。
図12は、柱84の側面に梁85の端面を突き当てて接合した接合部を、帯状繊維シートを用いて補強した接合構造を示すものである。
このような接合構造では、梁85のせん断力が梁受け金物によって伝達される構造、柱及び梁の端部に加工を施して嵌め合わせることによってせん断力が伝達される構造が広く採用されているが、これらの構造に代えて、又はこれらの構造とともに帯状繊維シート101,102,103を貼り付けることによって補強するものである。
この接合構造では、梁85の軸線に沿ってほぼ水平に梁85の側面から柱84の側面に貼り付けられる帯状繊維シート101と、梁85の側面から斜め上方の柱84の側面に貼り付けられる帯状繊維シート102と、梁85の側面から斜め下方の柱84の側面に貼り付けられる帯状繊維シート103とが用いられており、これらが重ね合わせて貼り付けられている。梁85の側面から斜め上方及び斜め下方に向けて貼り付けられる帯状繊維シート102,103は、梁85と柱84との間で梁85の側面又は柱84の側面から離れて張架された領域104が設けられている。これらの帯状繊維シート101,102,103の、梁85の端面と柱84の側面との当接面106に対応する位置の両側の所定範囲105と、梁85と柱84との間で張架された領域104とが非含浸部又は可撓部となっている。なお、本実施の形態のように梁85が柱84の側面に接合されるものでは、梁85から斜め下方の柱84に貼り付けられる帯状繊維シート103を省略することもできる。
図13に示す接合構造は、同一軸線上に配置された梁、胴差等の2つの横架材86,87を、端面を突き合すように接続するものであり、接合部分が帯状繊維シートを用いて補強されている。
接続する横架材の一方86の端部は下部が突出するように加工され、他方の横架材87の端部は上部が突出するように加工されている。そして一方の横架材86の端部に他方87を載せ掛けるように接合するものである。これらの横架材86,87に、側面に沿ってほぼ水平に帯状繊維シート111が貼り付けられている。そして、貼り付けられた帯状繊維シート111の、双方の横架材86,87の鉛直方向の端面88が対向する位置と双方が重ね合わされた水平面89の位置とを覆う領域112が、帯状繊維シート111にエポキシ樹脂が含浸されていない非含浸部又はエポキシ樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂が含浸されるか又は合成樹脂で被覆された可撓部となっている。この非含浸部又は可撓部は横架材86,87に接着されておらず、接続された2つの横架材間で軸線方向の相対的な変位、双方間の角度変化等が生じたときに、上記非含浸部又は可撓部が柔軟に変形してエポキシ樹脂の割れや帯状繊維シートの剥離を防止するものである。
1:基礎, 2:土台, 3:柱, 4:柱と土台との当接面, 5:土台, 6:柱, 7:土台,
10:接合部補強材,11:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 11a:柱に接着された樹脂含浸部, 11b:土台に接着された樹脂含浸部, 11c:柱と土台との当接面をまたぐ両側の範囲, 12,13:傾斜して貼り付けられた帯状繊維シート,12a,13a:柱に接着された樹脂含浸部, 12b,13b:土台に接着された樹脂含浸部, 12c,13c:柱と土台との当接面をまたぐ両側の範囲, 12d,13d:柱と土台との間で張架されたほぼ三角形となった領域, 14:樹脂含浸部, 15:非含浸部,
21:帯状繊維シート, 21a:柱に貼り付けられた領域, 21b:土台に貼り付けられた領域, 21c:柱と土台2との当接面の両側にわたる領域,
31,32:帯状繊維シート, 31d,32d:柱と土台との間で張架された部分,
41:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 42,43:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 44:柱と土台2との当接面の位置の上下両側にわたる所定の範囲,
51,52:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 53,54:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 53a,54a:帯状繊維シートの柱に貼り付けられた部分, 53b,54b:帯状繊維シートの土台に貼り付けられた部分, 53c,54c:帯状繊維シートの張架されたほぼ三角形の部分, 55:帯状繊維シートの柱と土台との当接面をまたぐ部分,
61:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 62,63:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 62d,63d:柱と土台との間で張架された部分,
71:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 72,73:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 72a,73a:張架された長さが大きい細幅の帯状繊維シート, 72b,73b:柱と土台との当接面に近い位置に貼り付けられた細幅の帯状繊維シート, 74:柱と土台2との当接面の位置の上下にわたる所定の範囲, 75:柱と土台との間で張架された領域,
81:下層階の柱, 82:梁, 83:上層階の柱, 84:柱, 85:梁, 86,87:横架材, 88:横架材の鉛直方向の端面, 89:横架材の端部が重ね合わされた水平面,
91:鉛直方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 92,93,94,95:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 97:帯状繊維シートの、上層階の柱と梁とが当接する位置の上下の所定の範囲, 98:帯状繊維シートの、下層階の柱と梁とが当接する位置の上下の所定範囲, 99:柱と梁との間で張架されたほぼ三角形の部分,
101:水平方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 102,103:斜め方向に貼り付けられた帯状繊維シート, 104:柱と梁との間で張架された領域, 105:柱と梁との当接面の位置の両側の所定範囲, 106:梁の端面と柱の側面との当接面,
:柱と梁との間で張架されたほぼ三角形の部分,
111:帯状繊維シート, 112:接続する横架材の鉛直方向の端面の位置と双方が重ね合わされた水平面の位置とを覆う領域

Claims (9)

  1. 第1の木部材の端面を第2の木部材に突き当てて接合する木部材接合構造であって、
    軸線方向に連続する複数の繊維を含む帯状繊維シートが、接合する双方の木部材の表面にわたって貼り付けられ、
    前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着された樹脂含浸部と、前記繊維が変形可能に露出されて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に対して接着されていない非含浸部とを有し、
    前記非含浸部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に設けられていることを特徴とする木部材接合構造。
  2. 第1の木部材の端面を第2の木部材に突き当てて接合する木部材接合構造であって、
    軸線方向に連続する複数の繊維を含む帯状繊維シートが、接合する双方の木部材の表面にわたって貼り付けられ、
    前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着された樹脂含浸部と、前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂が含浸されるか、又は前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂より弾性係数の小さい合成樹脂で被覆されて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に接着されていない可撓部とを有し、
    前記可撓部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に設けられていることを特徴とする木部材接合構造。
  3. 前記第1の木部材の端面が前記第2の木部材に突き当てられた当接面の位置の両側にわたって前記非含浸部又は前記可撓部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造。
  4. 前記第1の木部材の端面は、該第1の木部材の軸線とほぼ直角方向に軸線を有する第2の木部材の表面に突き当てて接合されており、
    前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材及び前記第2の木部材の軸線方向と傾斜した方向に軸線を有するものを含み、
    該帯状繊維シートは、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着された部分と前記第2の木部材に接着された部分との間に、前記第1の木部材及び前記第2の木部材と離れて張架された部分を有し、
    前記張架された部分が前記非含浸部又は前記可撓部となっていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の木部材接合構造。
  5. 前記第1の木部材と前記第2の木部材との間で張架されるように貼り付けられた前記帯状繊維シートは、該帯状繊維シートの幅方向の位置によって所定幅当たりの繊維量が異なるものであることを特徴とする請求項4に記載の木部材接合構造。
  6. 前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材又は第2の木部材の表面の幅より小さい細幅の帯状となっており、複数の細幅の帯状繊維シートを幅方向に並べて前記第1の木部材及び前記第2の木部材に接着されていることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれかに記載の木部材接合構造。
  7. 軸線方向に連続する複数の繊維を含み、接合される第1の木部材及び第2の木部材の表面にわたって貼り付けられる帯状繊維シートを有し、
    前記帯状繊維シートは、合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着される樹脂含浸部と、前記繊維が変形可能に露出されている非含浸部とを有し、
    前記非含浸部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着される部分と前記第2の木部材に接着される部分との間に設けられていることを特徴とする接合部補強材。
  8. 軸線方向に連続する複数の繊維を含み、接合される第1の木部材及び第2の木部材の表面にわたって貼り付けられる帯状繊維シートを有し、
    前記帯状繊維シートは、第1の合成樹脂が含浸されて前記第1の木部材又は前記第2の木部材に接着される樹脂含浸部と、前記第1の合成樹脂より弾性係数の小さい第2の合成樹脂が含浸され、又は前記第1の合成樹脂より弾性係数の小さい第2の合成樹脂で被覆された可撓部と有し、
    前記可撓部が、前記樹脂含浸部の前記第1の木部材に接着される部分と前記第2の木部材に接着される部分との間に設けられていることを特徴とする接合部補強材。
  9. 前記第1の木部材は、該第1の木材の端面を前記第2の木部材の表面に当接して接合されるものであり、
    前記帯状繊維シートは、前記第1の木部材の軸線方向に前記繊維を向けて接着されるものと、前記第1の木部材及び前記2の木部材の軸線と傾斜した方向に前記繊維を向けて接着されるものとを含み、
    前記繊維の方向の異なる複数の前記帯状繊維シートが重ね合わされ、前記樹脂含浸部に含浸された合成樹脂によって互いに接着されていることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の接合部補強材。
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