JP2010265696A - コンクリート床版の補強構造及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コンクリート床版を補強する際において、ハンチ部の形状や大きさがいかなるものであっても、施工労力を軽減させつつこれを補強することが可能な、コンクリート床版の補強方法を提供する。
【解決手段】橋軸直角方向に並列配置された鋼桁4に一体化され、I断面からなる鋼桁4の上フランジ部に対してハンチ部21bを介して一体化されてなるコンクリート床版の補強方法であって、予め繊維補強シート32が取り付けられた補強用底板31をコンクリート床版2の底面21aに鋼桁4と離間させて接合し、繊維補強シート32を少なくともハンチ部21bを被覆するように鋼桁4に取り付ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路橋、歩道橋等の橋梁に適用されるコンクリート床版の補強構造及び方法に関する。
図11に示すように、道路橋、歩道橋等の橋梁に適用されるコンクリート床版7は、所定厚さのRCコンクリート層71が形成され、橋軸直角方向に並列配置された主桁8の上端に一体化されて構成される。旧道路橋示方書による設計荷重以上の車両及び積載オーバーの車両9がちょうど上述の如き主桁8の中間部付近を走行する場合、主桁8の中間部付近において最大となる正の曲げモーメントによる影響により、コンクリート床版7の曲げ引張側(底面7a)において大きな負荷がかかることになる。曲げモーメントの影響により、底面7aからひび割れが発生し、またコンクリートの剥落等の損傷の原因を引き起こす。
従って、近年においては、この主桁8の中間部付近において最大となる曲げモーメントに抵抗するため、コンクリート床版7の底面7aが鋼板にて補強されている橋梁構造が提案されている。
例えば、非特許文献1に開示されている床版を用いた橋梁構造では、主桁付近のハンチ部において、補強鋼板を曲げ下げて設置した例が開示されている。
土木学会鋼構造委員会他「道路橋床版の新技術と性能照査型設計」、社団法人土木学会、p62〜p63、平成12年10月
しかしながら、上述した非特許文献1の開示技術のように、コンクリート床版の底面に補強鋼板を接合し、しかもこの補強鋼板をハンチ部の形状に応じて折り曲げる構成では、かかる補強鋼板の折曲げ工程が発生するため、施工労力の負担が増大してしまう。特にこの補強鋼板の折曲げ角度は、ハンチ部の形状に応じて決まる。ハンチ部の形状や大きさはそれぞれ異なる。その結果、この異なるハンチ部の形状毎に補強鋼板の折曲げ角度を設定しなければならず、施工労力の負担がより著しく増大してしまうという問題点があった。
ちなみに、非特許文献1の開示技術は、ハンチ部の形状に応じた補強鋼板の折曲げ角度の調整可能な構成は特段開示されていなかった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、コンクリート床版を補強する際において、ハンチ部の形状や大きさがいかなるものであっても、施工労力を軽減させつつこれを補強することが可能な、コンクリート床版の補強構造及び方法を提供することにある。
本発明者は、上述した課題を解決するために、フラットな床版中央部に補強用鋼板を取付た後に、その補強用鋼板端部に繊維強化シートを貼り付けてハンチ部に対してこれを接着する。又は、予め繊維補強シートが取り付けられた補強用底板をコンクリート床版の底面に主桁と離間させて接合し、その繊維補強シートをハンチ部に貼り付ることにより、ハンチ部の形状や大きさがいかなるものであっても、施工労力を軽減させつつこれを補強することが可能なコンクリート床版の補強方法を発明した。
本発明に係るコンクリート床版の補強構造は、鋼製の主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強構造において、上記コンクリート床版の底面に、上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合された補強用底板と、上記補強用底板と上記主桁/上記横桁との間に取り付けられた繊維補強シートとを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート床版の補強構造は、鋼製の主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強構造において、上記コンクリート床版の底面に,互いに橋軸方向又は橋軸直角方向に離間させて接合された補強用底板と、上記補強用底板の間隙を被覆するように取り付けられた繊維補強シートとを備えることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート床版の補強方法は、鋼製の主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強方法において、予め繊維補強シートが取り付けられた補強用底板を上記コンクリート床版の底面に上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合し、上記繊維補強シートを上記主桁/上記横桁に取り付けることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート床版の補強方法は、鋼製の主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強方法において、補強用底板を上記コンクリート床版の底面に上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合し、上記補強用底板と上記主桁/上記横桁との間に繊維補強シートを取り付けることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、主桁の近傍については、繊維補強シートによる補強により、十分に亀裂の進展を抑制することができ、損傷を抑えることが可能となる。
なお、本発明によれば、繊維補強シートを取り付ける構成としていることから、いかなるハンチ部の形状に対しても自在に対応することが可能となる。特に補強工事を前提とする場合、補強対象としてのコンクリート床版のハンチ部の形状や大きさはそれぞれ異なるが、本発明を適用することにより、かかるハンチ部の形状や大きさに自在に対応することができることから、特に補強時において大きな効果を発揮する。
また、補強用底板の取り付けは、具体的にはRCコンクリート躯体と補強用底板との間隙にはエポキシ系樹脂を注入して一体化を図るが、その際にエポキシ系樹脂が補強用底板の端部より漏れてしまうので粘土状のシール材でシーリングし、シール材の硬化を待ってから注入を行わなければならなかった。これに対して、本発明によればかかるシール材によるシーリングの必要がなくなり、ハンチ部に接着する繊維強化シートによりかかるシーリングを兼用することができ、工程上の短縮並びにコストの縮減を図ることが可能となる。
本発明を適用したコンクリート床版の補強構造を示す図である。 補強材の構成について説明するための図である。 繊維補強シートの取り付け形態について説明するための図である。 本発明を適用した他のコンクリート床版の補強構造を示す図である。 補強材の他の構成について説明するための図である。 長手方向が橋軸方向とされた補強用底板を橋軸直角方向に複数並べた例を示す図である。 補強用底板を複数配置する例を示す底面図である。 、鋼製の主桁の代替として、コンクリート製の主桁で構成した場合の例を示す図である。 本発明を適用したコンクリート床版の他の補強構造を示す図である。 本発明を適用したコンクリート床版の補強構造による実際の補強方法について説明するための図である。 従来技術について説明するための図である。
以下、本発明の実施の形態として、道路橋、歩道橋等の橋梁に適用されるコンクリート床版の補強構造及び方法に関し、図面を参照しながら詳細に説明をする。
本発明を適用したコンクリート床版2の補強構造1は、例えば、図1の正面図に示すように、橋軸直角方向Aに向けて所定間隔で並列配置された主桁4の上部に一体化されたコンクリート床版2に対して施す補強構造である。この補強構造1では、補強用底板31と、繊維補強シート32とにより構成される補強材3を備えている。
コンクリート床版2は、少なくともその内部に主鉄筋25並びに配力鉄筋26が埋設された、いわゆるRCコンクリート躯体21を有している。そして、このRCコンクリート躯体21の下部において、橋軸直角方向Aに向けて所定間隔でハンチ部21bが形成されている。このハンチ部21bは、下方向に向けて徐々に縮径された断面形状で構成され、当該ハンチ部21bの下端において主桁4が設けられる。ちなみに、このハンチ部21bの構成は、特に必須ではなく、省略される場合もあることは勿論である。かかる場合には、このRCコンクリート躯体21の底面21aは、平面状に構成され、この平面状の底面21aにおいて橋軸直角方向Aに向けて所定間隔で主桁4が取り付けられる構成となる。
主桁4は、ウェブ部41の上端に上フランジ部42が、またウェブ部41の下端に下フランジ部43が設けられている、断面I形鋼で構成されている。この主桁4は、鋼製からなる。上フランジ部42は、上述したコンクリート床版2のハンチ部21bを介してこれに一体化されるようにして取り付けられている。ちなみに、この主桁4は、I断面を構成する場合のみならず、箱断面形状を構成するものであってもよい。
補強材3は、図2に示すように補強用底板31の底面に繊維補強シート32を取り付けた形態で構成される。ちなみに、この図2(a)は、補強材3の斜視図であり、図2(b)は、補強材3の正面図である。この補強用底板31における繊維補強シート32の取り付け位置は、補強用底板31の左右両端である。しかしながら、この橋軸直角方向端部に取り付けられる補強材3において、繊維補強シート32は、少なくとも一端側のみに取り付けられていればよい。この補強用底板31と繊維補強シート32とは、互いにエポキシ樹脂等の接着剤を介して接着されている。
補強用底板31は、例えば鋼板又はプラスチック成形板により構成されている。この補強用底板31をプラスチック成形板により構成する場合には、CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)成形板を用いるようにしてもよい。補強用底板31は帯状板で構成され,その帯状板が橋軸方向に離間されて配置されている場合においても,その端部に繊維補強シート32が取り付けられていればよい。補強用底板31は、厚みが2〜3mm程度であるが、これに限定されるものではなく、いかなる厚みで構成されていてもよい。
繊維補強シート32は、例えば、炭素繊維やアラミド繊維、ビニロン繊維等を始めとした強化繊維を1方向又は2方向に並べてシート状に加工したものである。この繊維補強シート32は、特にその強化繊維が並べられている方向に沿って剛性が高くなるように構成されている。その結果、繊維補強シート32は、この強化繊維が並べられている方向に向けて変形が加わった場合に、この強化繊維の存在によりその変形に対して抵抗することが可能となる。また、この繊維補強シート32を設けることにより、外部から水の浸入を防止することができ、RCコンクリート躯体21内に形成された亀裂を通じて水が主鉄筋25、配力鉄筋26へと浸透してこれらが腐食してしまうのを防止することが可能となる。
コンクリート床版2の補強構造1への取り付け形態としては、補強用底板31がコンクリート床版2の底面21aにおいて接合されている。そして、繊維補強シート32は、図3(a)の拡大正面図に示すように、この補強用底板31と主桁4との間に取り付けられる。実際にこの繊維補強シート32は、この主桁4を構成する上フランジ部42の下面において取り付けられていてもよい。このとき、繊維補強シート32は、少なくともハンチ部21bを被覆するものであってもよい。
ちなみに、この繊維補強シート32は、ハンチ部21bを単に被覆するもののみならず、例えばエポキシ系接着剤を含浸してハンチ部21bに対して接着されている。その結果、この繊維補強シート32は、このハンチ部21bと一体化させることが可能となり、当該ハンチ部21bおける変形に対して、この強化繊維を介して抵抗することが可能となる。
繊維強化シート32は、上フランジ42の下面まで延長されて、これに貼り付けられる場合に限定されるものではなく、例えば図3(b)に示すように、上フランジ42まで至らない長さで構成されている場合には、ハンチ部21bのみにおいて貼り付けられるものであってもよい。
また図3(c)に示すように、ハンチ部21bが特段形成されていない場合には、繊維補強シート32は、補強用底板31と主桁4との間においてコンクリート床版2の底面21aに接着剤を介して接着されている。
なお本発明では、橋軸直角方向Aのみならず、図4に示すように、橋軸方向Bに向けて繊維補強シート32を取り付けるようにしてもよい。図4(a)は、本発明を適用したコンクリート床版の補強構造1の底面図を示しており、図4(b)は、そのC−C´断面図を示している。この図4において、上述した図1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより以下での説明を省略する。
横桁6は、ウェブ部61の上端に上フランジ部62が、またウェブ部61の下端に下フランジ部63が設けられている、断面I形鋼で構成されている。この横桁6は、鋼製からなる。上フランジ部62は、上述したコンクリート床版2のハンチ部21bを介してこれに一体化されるようにして取り付けられている。ちなみにこのハンチ部21bが省略されている場合において、この上フランジ62は、RCコンクリート躯体21に直接的に取り付けられることになる。
繊維補強シート32は、図5に示すように、補強用底板31の各辺において取り付けられている。この補強用底板31と繊維補強シート32とは、互いにエポキシ樹脂等の接着剤を介して接着されている。
コンクリート床版2の補強構造1への取り付け形態としては、補強用底板31がコンクリート床版2の底面21aにおいて接合されている。そして、繊維補強シート32は、図4(a)の底面図に示すように、この補強用底板31と主桁4及び横桁6との間に取り付けられる。このとき、繊維補強シート32は、橋軸方向Bにおいて、この横桁6を構成する上フランジ部62の下面において取り付けられていてもよいし、図4(b)に示すように、ハンチ部21bのみにおいて貼り付けられるものであってもよい。また繊維補強シート32は、橋軸直角方向A及び/又は橋軸方向B、に向けて拡径された形状で構成されていてもよく、これによりハンチ部21bを広い面積に亘って被覆することが可能となる。
図6は、長手方向が橋軸方向B(紙面直角方向)とされた補強用底板31を橋軸直角方向Aに複数並べた例を示している。このような配置形態においても、各補強用底板31の周囲に繊維補強シート32を取り付け、ハンチ部21bやRCコンクリート躯体21の底面21aを被覆することになる。なお、この図6の例では、ハンチ部21bやRCコンクリート躯体21の底面21aが露出している箇所もあるが、これらが互いに露出しないように繊維補強シート32で覆うようにしてもよい。
なお、この図4〜6の例において、補強用底板31に対して橋軸方向Bのみに繊維補強シート32が取り付けられ、当該橋軸方向Bに向けて横桁6と補強用底板31との間に繊維補強シート32が取り付けられるものであってもよい。
図7は、補強用底板31を複数配置する例を示す底面図である。図7(a)は、長手方向が橋軸方向Aとされた補強用底板31を橋軸直角方向Bに複数並べた例を示している。図7(b)は、長手方向が橋軸直角方向Bとされた補強用底板31を橋軸方向Aに複数並べた例を示している。図7(a)の例では、補強用底板31の橋軸方向A両端からハンチ部21bにかけて繊維補強シート32を取り付けたものである。また、図7(b)の例では、補強用底板31の橋軸直角方向B両端からハンチ部21bにかけて繊維補強シート32を取り付けたものである。かかる形態においても上述した効果を奏することは勿論である。
図7(c)は、長手方向が橋軸方向Aとされた補強用底板31と、長手方向が橋軸直角方向Bとされた補強用底板31とを互いに直交させて配置する例を示している。これら互いに直交する補強用底板31を配置する際には、互いの補強用底板31を重ね合わせることにより配置することになる。
この例では、補強用底板31の橋軸方向A両端並びに橋軸直角方向B両端からハンチ部21bにかけて繊維補強シート32を取り付けたものである。かかる形態では、橋軸方向A、並びに橋軸直角方向Bの両方向において補強を実現することができ、さらには、繊維補強シート32を取り付けることにより、桁近傍の亀裂の進展を抑制することができる。
図8は、鋼製の主桁4の代替として、コンクリート製の主桁71で構成した場合の例を示している。このように主桁71は、鋼製のみならずコンクリート製で構成してもよく、かかる場合においても、繊維補強シート32による補強を行うことにより、主桁71近傍の損傷を未然に抑えることが可能となる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、図9に示すコンクリート床版2の補強構造1´は、コンクリート床版2の底面21aにおいて、互いに橋軸直角方向へ離間させて接合された複数の補強用底板31と、補強用底板31の間隙を被覆するように取り付けられた繊維補強シート32とを備えている。また,互いに橋軸方向へ離間させて接合された場合においても同様である.ちなみに、この補強構造1´において、上述した補強構造1と同一の構成要素、部材に関しては、同一の符号を付すことにより、以下での説明を省略する。
このコンクリート床版2の補強構造1´は、補強用底板31が互いにしているため、コンクリート床版2の底面21aが露出してしまうことから、これを被覆するために、繊維補強シート32を取り付けたものである。この繊維補強シート32は、コンクリート床版2の底面21aにおいて接着されていてもよい。
次に、本発明を適用したコンクリート床版2の補強構造1による実際の補強方法について説明をする。
先ず図10(a)は、補強前のコンクリート床版2であるが、このコンクリート床版2の底面21aには、特に何ら補強がなされておらず、RCコンクリート躯体21がむき出しの状態になっている。このような補強前のコンクリート床版2に対して、図2に示すような予め繊維補強シート32が取り付けられた補強用底板31を、接着剤により接合する。この補強用底板31が取り付けられた状態を図10(b)に示す。この段階では、まだ繊維補強シート32は、主桁4に取り付けられてなく、補強用底板31から吊下げられた状態にある。その後、この繊維補強シート32を図1に示すように主桁4における上フランジ部42に取り付ける。このとき、この繊維補強シート32に対して接着剤を塗布するか、又はハンチ部21bの表面に接着剤を塗布または含浸しておくことにより、繊維補強シート32とハンチ部21bとを互いに接着するようにしてもよい。
また、図10(a)に示す補強前のコンクリート床版2の状態から、図10(c)に示すように、未だ繊維補強シート32が取り付けられていない補強用底板31を、接着剤により接合する。その後、事後的に繊維補強シート32を補強用底板31並びに主桁4における上フランジ部42に取り付けることにより、最終的に図1に示すような補強構造1とするようにしてもよい。このとき、この繊維補強シート32に対して接着剤を塗布するか、又はハンチ部21bの表面に接着剤を塗布しておくことにより、繊維補強シート32とハンチ部21bとを互いに接着するようにしてもよい。
なお、これら図10(a)〜(c)の形態では、ハンチ部21bが存在する場合を例にとり説明をしたが、ハンチ部21bが設けられていない場合においてもその手順は上述と同様である。
また、コンクリート床版2の補強構造1´においても同様に、コンクリート床版2の底面21aにおいて、互いに橋軸直角方向へ離間させて複数の補強用底板31を接合し、更に補強用底板31の間隙を被覆するように繊維補強シート32を取り付ける。
次に、本発明を適用したコンクリート床版2の補強構造1における作用について説明をする。主桁4の中間部付近において車両が走行する場合、例えば図11に示すように、主桁4の中間部付近において最大となる正の曲げモーメントによる影響により、コンクリート床版2において大きな負荷がかかることになる。この主桁4の中間部付近における曲げモーメントに対しては、底面21aに接合された補強用底板31により、抵抗することができ、これによって底面21aからひび割れが発生するのを防止することができ、またコンクリートの剥落等を防止することが可能となる。
また、主桁4の近傍において負荷される応力に対しては、繊維補強シート32により抵抗することが可能となる。この主桁4の近傍では、それほど大きな曲げモーメントが発生しないが,形状が変化し,主桁との接合部であるため,損傷が生じやすい部位である.特にこの繊維補強シート32による補強により、損傷を未然に抑えることが可能となる。また、主桁4のみならず横桁6の近傍に負荷される応力に対しても、繊維補強シート32により抵抗することが可能となる。
また、図9に示すコンクリート床版2の補強構造1´についても、桁間中央において曲げモーメントが大きくなるが、これに対しては、繊維補強シート32により抵抗することが可能となる。
なお、本発明によれば、従来の非特許文献1の開示技術のように、鋼製底板をハンチ部21bの形状に応じて折り曲げる工程が不要となることから、施工労力を軽減させることが可能となる。また従来においては、鋼製底板の折曲げ角度は、ハンチ部21bの形状に応じてその都度調整しなければならなかったが、本発明によれば、この繊維補強シート32を取り付ける構成としていることから、いかなるハンチ部21bの形状に対しても自在に対応することが可能となる。特に補強工事を前提とする場合、補強対象としてのコンクリート床版2のハンチ部21bの形状や大きさはそれぞれ異なるが、本発明を適用することにより、かかるハンチ部21bの形状や大きさに自在に対応することができることから、特に補強時において大きな効果を発揮する。また、ハンチ部21bが無い形状のコンクリート床版2についてもこれに対応することができ、汎用性を向上させることが可能となる。
また、図9に示すコンクリート床版2の補強構造1´についても、繊維補強シート32を後から貼り付けるだけで、補強することが可能となることから、施工労力を軽減させることが可能となる。
さらに本発明では、補強用底板31と繊維補強シート32とを併用するため、補強用底板31のみで構成する場合と比較して材料コストを軽減させることが可能となることは勿論である。
1 補強構造
2 コンクリート床版
3 補強材
4 主桁
21 RCコンクリート層
21b ハンチ部
21a 底面
25 主鉄筋
26 配力鉄筋
31 補強用底板
32 繊維補強シート
41 ウェブ部
42 上フランジ部
43 下フランジ部

Claims (9)

  1. 主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強構造において、
    上記コンクリート床版の底面に、上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合された補強用底板と、
    上記補強用底板と上記主桁/上記横桁との間に取り付けられた繊維補強シートとを備えること
    を特徴とするコンクリート床版の補強構造。
  2. 上記コンクリート床版は、上記主桁に対してハンチ部を介して一体化されてなり、
    上記繊維補強シートは、少なくとも上記ハンチ部に接着されてなるとともに、一端が上記補強用底板の下面に取り付けられていること
    を特徴とする請求項1記載のコンクリート床版の補強構造。
  3. 上記コンクリート床版は、上記横桁の上フランジ部に対してハンチ部を介して一体化されてなり、
    上記繊維補強シートは、少なくとも上記ハンチ部に接着されてなるとともに、一端が上記補強用底板の下面に取り付けられていること
    を特徴とする請求項1記載のコンクリート床版の補強構造。
  4. 主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強構造において、
    上記コンクリート床版の底面に,互いに橋軸方向又は橋軸直角方向に離間させて接合された補強用底板と、
    上記補強用底板の間隙を被覆するように取り付けられた繊維補強シートとを備えること
    を特徴とするコンクリート床版の補強構造。
  5. 上記繊維補強シートは、少なくとも上記コンクリート床版の底面に接着されてなること
    を特徴とする請求項4記載のコンクリート床版の補強構造。
  6. 請求項1〜3のうち何れか1項記載のコンクリート床版の補強構造に用いられ、一端又は両端に上記繊維補強シートが取り付けられた上記補強用底板を有すること
    を特徴とする補強材。
  7. 主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強方法において、
    予め繊維補強シートが取り付けられた補強用底板を上記コンクリート床版の底面に上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合し、
    上記繊維補強シートを上記主桁/上記横桁に取り付けること
    を特徴とするコンクリート床版の補強方法。
  8. 主桁並びに横桁に一体化されたコンクリート床版の補強方法において、
    補強用底板を上記コンクリート床版の底面に上記主桁/上記横桁に対して離間させて接合し、
    上記補強用底板と上記主桁/上記横桁との間に繊維補強シートを取り付けること
    を特徴とするコンクリート床版の補強方法。
  9. 上記主桁又は上記横桁の上フランジ部に対してハンチ部を介して一体化されてなる上記コンクリート床版に対して、上記繊維補強シートを、少なくとも上記ハンチ部に接着させることにより取り付けること
    を特徴とする請求項7又は8記載のコンクリート床版の補強方法。
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