JPH11324344A - 樹脂硬化炭素繊維板による独立柱の補強工法 - Google Patents

樹脂硬化炭素繊維板による独立柱の補強工法

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JPH11324344A
JPH11324344A JP14224298A JP14224298A JPH11324344A JP H11324344 A JPH11324344 A JP H11324344A JP 14224298 A JP14224298 A JP 14224298A JP 14224298 A JP14224298 A JP 14224298A JP H11324344 A JPH11324344 A JP H11324344A
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威夫 末綱
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純 若井
Toichi Nomura
透一 野村
Osamu Isohata
脩 磯畑
Yutaka Taira
裕 平
Yosuke Yoshino
洋右 吉野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】鉄筋コンクリート製独立柱の補強工法およびそ
の補強工法に使用する樹脂硬化炭素繊維板の製造方法を
提供する。 【解決手段】既存の柱7の高さ方向に硬質プラスチック
製の受け板8とスペーサー9とを柱表面にアンカー10
によって固定し、柱7の断面形状に合わせて予め形成さ
れた一組の樹脂硬化炭素繊維板を柱7の両側から前記受
け板8の位置で突き合わせ状態に、かつ該受け板8にビ
ス孔から挿入したメカニカルアンカーによって柱7表面
との間に間隔を保って固定した後、該受け板8と樹脂硬
化炭素繊維板の接合面をシールし、さらに樹脂硬化炭素
繊維板の端部に形成された余長部分を相対する樹脂硬化
炭素繊維板にエポキシ樹脂によって重ね貼りし、また樹
脂硬化炭素繊維板の上下接続面には補強用炭素繊維シー
トを貼り付け、樹脂硬化後に柱表面と樹脂硬化炭素繊維
板との空隙に注入孔からグラウト材を注入硬化させるこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は建物内の柱やピロテ
ィなどの既存の鉄筋コンクリート製独立柱の耐震性能を
高めるための樹脂硬化炭素繊維板による補強工法に係
り、特にその補強工法を迅速かつ容易に行うために予め
製造された樹脂硬化炭素繊維板を用いて行う鉄筋コンク
リート製独立柱の補強工法およびその補強工法に使用す
る樹脂硬化炭素繊維板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、阪神大震災を契機に既存の鉄筋コ
ンクリート製独立柱の耐震補強法として高速道路など構
造物の柱に鋼板を巻く鋼板巻き工法が広く行われている
が、この鋼板巻き工法は重い鋼板を用いるため大がかり
な足場を組む必要があり、また必ず溶接作業を伴うため
に大きな作業スペースと多数の作業員を必要とし、作業
期間も長期となっている。
【0003】一方、建物内の柱やピロティなどの鉄筋コ
ンクリート製独立柱の周囲に炭素繊維シートをエポキシ
樹脂によって貼りつけて硬化させる耐震補強工法が普及
している。しかしながら、この方法ではエポキシ樹脂の
硬化を待って逐次シートを必要枚数貼りつけて行く手法
を用いる必要から、現場での手作業に頼るところが多
く、しかも作業工程が煩雑な上に樹脂が含浸する際に生
ずるガスの発生など現場での作業者や居住者に長時間に
わたって迷惑が掛かることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の建物、高架
鉄道、高速道路などの既存の鉄筋コンクリート製独立柱
の耐震効果を高めるための耐震補強工法においては、鋼
板巻き工法は重い鋼板を用いるためにクレーンなどで吊
り上げる必要があり、そのため大がかりな足場を組む必
要があり、また必ず溶接作業が伴うために大きな作業ス
ペースと多数の作業員を必要とし、作業期間も長期とな
る問題があった。
【0005】また、建物内やピロティの鉄筋コンクリー
ト製独立柱の周囲に炭素繊維シートをエポキシ樹脂によ
って貼りつけて硬化させる耐震補強工法では、エポキシ
樹脂の硬化を待って逐次シートを必要枚数貼りつけて行
く手法を用いているから、現場での手作業に頼るところ
が多く、どうしても工期が長くかかり、しかも作業工程
が煩雑な上に樹脂が含浸する際に生ずるガスの発生など
現場での作業環境に問題があったし、大部分が現場での
手作業のために所要の強度があるか、どうかの正確な検
査がしにくく補強強度の管理面で多分に問題があった。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
のであり、建物内の柱やピロティなどの既存の鉄筋コン
クリート製独立柱の耐震性能を向上させるための補強工
法が容易にでき、かつ工期の短縮が可能で作業員の数も
少なくてすみ、作業現場での作業環境を改善し衛生的で
あり、しかも補強強度が均一となる鉄筋コンクリート製
独立柱の補強工法およびその補強工法に使用する樹脂硬
化炭素繊維板の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために既存の柱の高さ方向に硬質プラスチック製
の受け板とスペーサーとを柱表面に配設し、柱の断面形
状に合わせて予め形成された一組の樹脂硬化炭素繊維板
を柱の両側から一対の受け板の位置で突き合わせ状態
に、かつ該受け板に柱表面との間に間隔を保って取付け
た後、該受け板と樹脂硬化炭素繊維板の接合面をシール
し、樹脂硬化炭素繊維板の端部に形成された余長部分を
相対する樹脂硬化炭素繊維板にエポキシ樹脂によって重
ね貼りし、樹脂硬化後に柱表面と樹脂硬化炭素繊維板と
の空隙にグラウト材を注入硬化させることを特徴とする
樹脂硬化炭素繊維板による独立柱の補強工法である。
【0008】また、既存の柱の高さ方向に硬質プラスチ
ック製の受け板とスペーサーとを柱表面にアンカーによ
って固定し、柱の断面形状に合わせて予め形成された一
組の樹脂硬化炭素繊維板を柱の両側から前記受け板の位
置で突き合わせ状態に、かつ該受け板にビス孔から挿入
したメカニカルアンカーによって柱表面との間に間隔を
保って固定した後、該受け板と樹脂硬化炭素繊維板の接
合面をシールし、さらに樹脂硬化炭素繊維板の端部に形
成された余長部分を相対する樹脂硬化炭素繊維板にエポ
キシ樹脂によって重ね貼りし、また樹脂硬化炭素繊維板
の上下接続面には補強用炭素繊維シートを貼り付け、樹
脂硬化後に柱表面と樹脂硬化炭素繊維板との空隙に注入
孔からグラウト材を注入硬化させることを特徴とする樹
脂硬化炭素繊維板による独立柱の補強工法である。
【0009】さらに、既存の柱の断面形状に合わせて一
回り大きい断面コ字状の内型枠にグラウト材の注入孔用
突起とビス孔用突起とを所定位置に取付け、該内型枠の
外面に所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によっ
て該炭素繊維シートの端部に形成した余長を残して重ね
貼りし、樹脂硬化後に前記内型枠から取り外して断面コ
字状に形成したことを特徴とし、また既存の柱の断面形
状に合わせて一回り大きい断面L字状の内型枠にグラウ
ト材の注入孔用突起とビス孔用突起とを所定位置に取付
け、該内型枠の外面に所要枚数の炭素繊維シートをエポ
キシ樹脂によって該炭素繊維シートの端部に形成した余
長を残して重ね貼りし、樹脂硬化後に前記内型枠から取
り外して断面L字状に形成したことを特徴とし、さらに
既存の柱の断面形状に合わせて一回り大きい断面ロ字状
の内型枠にグラウト材の注入孔用突起とビス孔用突起と
を所定位置に取付け、該内型枠の外面に所要枚数の炭素
繊維シートをエポキシ樹脂によって該炭素繊維シートの
1端部に形成した余長を残して重ね貼りし、樹脂硬化後
に余長部のある1角を縦に切り離し前記内型枠から取り
外して断面ロ字状に形成したことを特徴とする樹脂硬化
炭素繊維板の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。最初に、本発明に係る柱の補強工法に使用
する樹脂硬化炭素繊維板の製造方法について説明する
と、補強対象とする既存の柱の断面形状に合わせて一回
り大きい断面コ字状またはL字状の内型枠にグラウト材
の注入孔用突起とビス孔用突起とを上下方向の所定位置
に取付け、その内型枠の外面に繊維の方向が横向きをし
た炭素繊維シートをエポキシ樹脂によってその炭素繊維
シートの一方または両方の端部に形成した余長部分を残
して所要枚数を重ね貼りし、その樹脂が硬化した後に前
記内型枠から取り外して断面コ字状またはL字状の樹脂
硬化炭素繊維板を製造する。またロ字状の内型枠の外面
に所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によって該
炭素繊維シートの1端部に形成した余長を残して重ね貼
りし、樹脂硬化後に余長部のある1角を縦に切り離し前
記内型枠から取り外して断面ロ字状の樹脂硬化炭素繊維
板を製造する。そしてこの炭素繊維シートを重ね貼りす
る際には、内型枠に取り付けられた注入孔用突起やビス
孔用突起によって炭素繊維シートの横方向に並んだ炭素
繊維を切断しないように炭素繊維を押し分けて前記突起
を挿通してから炭素繊維シートを貼るようにする。
【0011】次に、このようにして製造された断面コ字
状またはL字状の樹脂硬化炭素繊維板を用いて建物内や
ピロティの既存の鉄筋コンクリート製独立柱の耐震性能
を高めるために耐震補強する工法について説明すると、
先ず柱の高さ方向に硬質プラスチック製の受け板とスペ
ーサーとを柱表面にアンカーによって固定するが、断面
コ字状の樹脂硬化炭素繊維板の場合は柱の中央部に、ま
たL字状の樹脂硬化炭素繊維板の場合には柱の角部にそ
れぞれ受け板を取付けてから、一組の前記断面コ字状ま
たはL字状の樹脂硬化炭素繊維板を柱の両側から前記受
け板の位置で突き合わせ状態にして、その受け板に繊維
板のビス孔から挿入したメカニカルアンカーによって柱
表面との間に間隔を保って固定した後、受け板と両樹脂
硬化炭素繊維板の接合面をそれぞれシールし、さらに樹
脂硬化炭素繊維板の端部に形成された余長部分を相対す
る樹脂硬化炭素繊維板にエポキシ樹脂によって重ね貼り
する。
【0012】さらに、ロ字状の樹脂硬化炭素繊維板の場
合には余長部のある1角が縦に切り離なされているか
ら、その切れ目を押し開いて柱を覆うように取付け、上
記と同様に受け板に繊維板のビス孔から挿入したメカニ
カルアンカーによって柱表面との間に間隔を保って固定
した後、受け板と両樹脂硬化炭素繊維板の接合面をそれ
ぞれシールし、さらにロ字状の樹脂硬化炭素繊維板の切
り離された1端部に形成された余長部分を相対する樹脂
硬化炭素繊維板にエポキシ樹脂によって重ね貼りする。
一方、柱の外周に数段に設けられた樹脂硬化炭素繊維板
の上下接続面には補強用炭素繊維シートを貼り付け、樹
脂硬化後に柱頭と柱脚面をシールし、さらに注入圧によ
る繊維板のはらみを防止するための押え型枠を繊維板の
外周に装着した後、柱表面と樹脂硬化炭素繊維板との間
の空隙に注入孔からグラウト材を注入硬化させて取付け
作業を終了する。最後に、グラウト材の硬化を待って前
記押え型枠を撤去し、必要に応じて繊維板に表面塗装仕
上げをすれば耐震補強工法が完了する。
【0013】
【実施例】本発明に係る鉄筋コンクリート製独立柱の補
強工法およびその補強工法に使用する樹脂硬化炭素繊維
板の製造方法の実施例について図面を参照して説明す
る。図1は本実施例の樹脂硬化炭素繊維板の斜視図であ
り、(a)は両端部に余長部分を形成した場合、(b)
は一端分に余長部分を形成した場合、図2は断面コ字状
の内型枠の外面に所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ
樹脂によって余長を残して重ね貼りした状態の平面図で
ある。
【0014】図1に示した樹脂硬化炭素繊維板1は、図
2に示したように断面コ字状の内型枠2の外面に所要枚
数の炭素繊維シート3をエポキシ樹脂によって重ね貼り
して形成し、その重ね貼りした炭素繊維シートの端部に
はエポキシ樹脂を塗らない炭素繊維だけの余長部分4を
形成する。また樹脂硬化炭素繊維板1に穿設したグラウ
ト材の注入孔5とビス孔6は内型枠2の外面に設けた図
示しないグラウト材の注入孔用突起とビス孔用突起によ
って上記炭素繊維シートの重ね貼りの際に形成される。
【0015】また、図3と図4は耐震補強する対象の柱
7の高さ方向に硬質プラスチック製の受け板8とスペー
サー9とを柱7の表面にアンカー10によって固定した
側面図と断面図であり、図5は補強対象の柱7に一方の
断面コ字状樹脂硬化炭素繊維板1を取り付けた状態を示
し、図6に一対の樹脂硬化炭素繊維板1を取り付ける手
順を示した。
【0016】図6において、(a)は補強対象の柱7に
受け板8をアンカー10によって固定した状態を示す平
面図、(b)は一対の前記断面コ字状の樹脂硬化炭素繊
維板1,1Aを柱7の両側から前記受け板8の位置で突
き合わせ状態にし、その受け板8に繊維板1のビス孔4
から挿入したメカニカルアンカー11によって柱表面と
の間に間隔Sを保って固定し、受け板8と両樹脂硬化炭
素繊維板1,1Aの接合面をそれぞれシール12した状
態、(c)は樹脂硬化炭素繊維板1の端部に形成された
余長部分4を相対する樹脂硬化炭素繊維板1Aに重ねた
状態、(d)はその重ねた余長部分4を相手の樹脂硬化
炭素繊維板1Aにエポキシ樹脂によって重ね貼りした状
態をそれぞれ示している。また、図7は柱7の外周に上
下に複数段に設けられた場合には樹脂硬化炭素繊維板
1,1の上下接続面13には補強用炭素繊維シート14
を貼り付け状態を示している。
【0017】次に、他の実施例を図8ないし図10に示
すと、図8はL字状の樹脂硬化炭素繊維板15の斜視
図、図9はその取り付ける状態を示す平面図であり、図
10はその取付け手順を示している。図8に示した樹脂
硬化炭素繊維板15は、断面L字状の内型枠の外面に図
2と同様に所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂に
よって重ね貼りして形成し、その重ね貼りした炭素繊維
シートの端部にはエポキシ樹脂を塗らない炭素繊維だけ
の余長部分16を形成したものであり、断面コ字状の樹
脂硬化炭素繊維板1と同様にグラウト材の注入孔17と
ビス孔18が設けられている。
【0018】そして、図9は断面L字状樹脂硬化炭素繊
維板15を補強対象の柱7に取り付ける際の状態を示
し、実際に断面L字状樹脂硬化炭素繊維板15を柱7に
取り付ける手順を図10に示す。図10において、
(a)は柱7の角部7Aにアンカー10によって固定さ
れた弯曲した受け板19に一対の前記断面L字状の樹脂
硬化炭素繊維板15,15Aを柱7の両側から角部の受
け板19の位置で突き合わせ状態にし、その受け板19
に炭素繊維板15,15Aのビス孔18からそれぞれ挿
入したメカニカルアンカーによって柱表面との間に間隔
Sを保って固定し、炭素繊維板15Aの余長部分16A
の炭素繊維を弯曲した上記受け板19に貼り付けた状
態、(b)はこの樹脂硬化炭素繊維板15の端部に形成
された余長部分16を相対する樹脂硬化炭素繊維板15
Aに重ねた状態、(c)はその重ねた余長部分16の炭
素繊維を相手の樹脂硬化炭素繊維板15Aにエポキシ樹
脂によって重ね貼りした状態をそれぞれ示している。
【0019】上記実施例によれば、炭素繊維シートの重
ね貼り作業が迅速で正確に積層でき、工場での大量生産
が可能となり、かつ衛生的に作業ができ、その上製品強
度を均一に保つことができる。しかもこの樹脂硬化炭素
繊維板の比重が鋼板の1/4程度のため軽量で嵩ばらず
補強現場までの運搬も容易である。また、補強現場での
作業時間を大幅に短縮でき、ガスの発生量も極めて少な
く現場での作業環境を著しく改善でき衛生的で、しかも
柱の補強強度は鋼線より抗張力の非常に大きい炭素繊維
を用いているから鋼板を巻いた補強より数倍も大きくな
り、そのため鉄筋コンクリート製独立柱の地震などの振
動によって起こるコンクリートの亀裂膨張を阻止して鉄
筋コンクリート製独立柱の剪断崩壊を確実に阻止するこ
とができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、断面コ字
状またはL字状の樹脂硬化炭素繊維板は、予め断面コ字
状またはL字状の内型枠にグラウト材の注入孔用突起と
ビス孔用突起とを所定位置に取付け、その内型枠の外面
に所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によって炭
素繊維シートの端部に形成した余長部分を残して重ね貼
りし、樹脂硬化後に前記内型枠から取り外して製造する
から、注入孔用突起とビス孔用突起を利用して貼着する
炭素繊維シートの位置決めできるため炭素繊維シートの
重ね貼り作業が正確に積層でき、工場での大量生産が可
能となり、その上製品強度を均一に保つことができる。
また断面ロ字状の樹脂硬化炭素繊維板のものでは余長部
のある1角が縦に切り離なされているから、その切れ目
を押し開いて柱を覆うように簡単に取付けることがで
き、大量生産が可能で製品強度も高く、しかもこれらの
樹脂硬化炭素繊維板は軽量で嵩ばらず補強現場までの運
搬も容易である。
【0021】また、これらの樹脂硬化炭素繊維板を使用
して行う本発明の鉄筋コンクリート製独立柱の補強工法
は、現場での繊維板の取付け作業が簡単で、単に樹脂硬
化炭素繊維板の余長部分を相対する繊維板にエポキシ樹
脂によって重ね貼りするだけなので全体の工期を大幅に
短縮でき、その上に樹脂が含浸する際に発生するガスの
量も極めて少なく現場での作業環境を著しく改善でき衛
生的である。しかも、柱の補強強度は鋼線より抗張力の
非常に大きい炭素繊維を用いているから鋼板を巻いた補
強より数倍も大きくなり、そのため鉄筋コンクリート製
独立柱の地震などの振動によって起こるコンクリートの
亀裂膨張を阻止して鉄筋コンクリート製独立柱の剪断崩
壊を確実に防御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の樹脂硬化炭素繊維板の斜視図であ
り、(a)は両端部に余長部分を形成した場合、(b)
は一端分に余長部分を形成した場合である。
【図2】断面コ字状の内型枠の外面に本実施例の炭素繊
維板を余長を残して重ね貼りした状態の平面図である。
【図3】本実施例の柱の高さ方向に受け板とスペーサー
とを固定した状態の側面図である。
【図4】図3の断面図である。
【図5】補強対象の柱に一方の断面コ字状樹脂硬化炭素
繊維板を取り付けた状態を示す断面図である。
【図6】柱に一対の樹脂硬化炭素繊維板を取り付ける手
順を示す説明図であり、(a)は柱に受け板をアンカー
によって固定した状態、(b)は一対の前記断面コ字状
の樹脂硬化炭素繊維板を受け板の位置で突き合わせ状態
に固定し、接合面をそれぞれシールした状態、(c)は
樹脂硬化炭素繊維板の端部に形成された余長部分を相対
する樹脂硬化炭素繊維板に重ねた状態、(d)はその重
ねた余長部分を相手の樹脂硬化炭素繊維板にエポキシ樹
脂によって重ね貼りした状態をそれぞれ示す平面図であ
る。
【図7】柱の外周に本実施例が上下に複数段に設けられ
た場合を示す側面図である。
【図8】他の実施例の斜視図である。
【図9】柱の対角線上に断面L字状樹脂硬化炭素繊維板
を取り付ける状態を示す断面図である。
【図10】柱の角部に一対のL字状炭素繊維板を取り付
ける手順を示した説明図であり、(a)は柱の角部に固
定された弯曲した受け板の位置に一対の前記断面L字状
の樹脂硬化炭素繊維板を突き合わせ状態にし、炭素繊維
板の余長部分の炭素繊維を弯曲した上記受け板に貼り付
けた状態、(b)はこの樹脂硬化炭素繊維板の余長部分
を相対する樹脂硬化炭素繊維板に重ねた状態、(c)は
その重ねた余長部分の炭素繊維を相手の樹脂硬化炭素繊
維板にエポキシ樹脂によって重ね貼りした状態をそれぞ
れ示す平面図である。
【符号の説明】
1,15 樹脂硬化炭素繊維板 2 内型枠 3 炭素繊維シート 4,16 余長部分 5,17 注入孔 6,18 ビス孔 7 補強対象の柱 7A 柱角部 8,19 受け板 9 スペーサー 10,11 アンカー 12 シール 13 上下接続面 14 補強用炭素繊維シート S 間隔
フロントページの続き (72)発明者 磯畑 脩 千葉県松戸市小金きよしヶ丘1丁目3番2 号 (72)発明者 平 裕 東京都江東区三好2丁目4番8号 ミヨシ ビル (72)発明者 吉野 洋右 埼玉県川越市大字寺尾225番地

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存の柱の高さ方向に硬質プラスチック
    製の受け板とスペーサーとを柱表面に配設し、柱の断面
    形状に合わせて予め形成された一組の樹脂硬化炭素繊維
    板を柱の両側から一対の受け板の位置で突き合わせ状態
    に、かつ該受け板に柱表面との間に間隔を保って取付け
    た後、該受け板と樹脂硬化炭素繊維板の接合面をシール
    し、さらに樹脂硬化炭素繊維板の端部に形成された余長
    部分を相対する樹脂硬化炭素繊維板にエポキシ樹脂によ
    って重ね貼りし、樹脂硬化後に柱表面と樹脂硬化炭素繊
    維板との空隙にグラウト材を注入硬化させることを特徴
    とする樹脂硬化炭素繊維板による独立柱の補強工法。
  2. 【請求項2】 既存の柱の高さ方向に硬質プラスチック
    製の受け板とスペーサーとを柱表面にアンカーによって
    固定し、柱の断面形状に合わせて予め形成された一組の
    樹脂硬化炭素繊維板を柱の両側から前記受け板の位置で
    突き合わせ状態に、かつ該受け板にビス孔から挿入した
    メカニカルアンカーによって柱表面との間に間隔を保っ
    て固定した後、該受け板と樹脂硬化炭素繊維板の接合面
    をシールし、さらに樹脂硬化炭素繊維板の端部に形成さ
    れた余長部分を相対する樹脂硬化炭素繊維板にエポキシ
    樹脂によって重ね貼りし、また樹脂硬化炭素繊維板の上
    下接続面には補強用炭素繊維シートを貼り付け、樹脂硬
    化後に柱表面と樹脂硬化炭素繊維板との空隙に注入孔か
    らグラウト材を注入硬化させることを特徴とする樹脂硬
    化炭素繊維板による独立柱の補強工法。
  3. 【請求項3】 既存の柱の断面形状に合わせて一回り大
    きい断面コ字状の内型枠にグラウト材の注入孔用突起と
    ビス孔用突起とを所定位置に取付け、該内型枠の外面に
    所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によって該炭
    素繊維シートの端部に形成した余長を残して重ね貼り
    し、樹脂硬化後に前記内型枠から取り外して断面コ字状
    に形成したことを特徴とする樹脂硬化炭素繊維板の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 既存の柱の断面形状に合わせて一回り大
    きい断面L字状の内型枠にグラウト材の注入孔用突起と
    ビス孔用突起とを所定位置に取付け、該内型枠の外面に
    所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によって該炭
    素繊維シートの端部に形成した余長を残して重ね貼り
    し、樹脂硬化後に前記内型枠から取り外して断面L字状
    に形成したことを特徴とする樹脂硬化炭素繊維板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 既存の柱の断面形状に合わせて一回り大
    きい断面ロ字状の内型枠にグラウト材の注入孔用突起と
    ビス孔用突起とを所定位置に取付け、該内型枠の外面に
    所要枚数の炭素繊維シートをエポキシ樹脂によって該炭
    素繊維シートの1端部に形成した余長を残して重ね貼り
    し、樹脂硬化後に余長部のある1角を縦に切り離し前記
    内型枠から取り外して断面ロ字状に形成したことを特徴
    とする樹脂硬化炭素繊維板の製造方法。
  6. 【請求項6】 内型枠の外面に炭素繊維シートをエポキ
    シ樹脂によって重ね貼りする際には、注入孔用突起やビ
    ス孔用突起によって炭素繊維シートの横方向に並んだ炭
    素繊維を切断しないように該炭素繊維を押し分けて前記
    突起を挿通してから炭素繊維シートを貼ることを特徴と
    する請求項3ないし請求項5のいずれか1記載の樹脂硬
    化炭素繊維板の製造方法。
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