上で説明した状況の観点で、硬化性コーティング、特に向上した特性を備える硬化パウダーコーティングを提供することが可能な、向上した技術の必要がまだ存在する。
この必要は、独立請求項による主題により達成されてもよい。本明細書で開示された発明の有利な実施形態は、それぞれの従属請求項によって説明される。一般に、本明細書の「特に」という用語は、任意の特徴を示すことに留意されたい。
本明細書に開示された発明の側面によると、コーティング材料が提供される。
本明細書の開示された発明の側面によると、方法、特にコーティング材料の処理方法、転写要素の提供方法等が提供される。
本明細書の開示された発明の更なる側面において、処理デバイスが提供される。本明細書の開示された発明の更なる側面において、容器が提供される。
本明細書の開示された発明の更なる側面において、現像剤が提供される。異なって記載されない限り、本明細書において現像剤への参照は、それぞれの材料(すなわち、一般に少なくとも1つのキャリアおよび少なくとも1つのコーティング材料/トナーを含む現像剤材料)への参照である。
本明細書において開示された発明の更なる側面において、転写要素が提供される。本明細書において開示された発明の更なる側面において、基板が提供される。
本明細書において開示された発明の更なる側面において、コーティング層適用デバイスが提供される。
本明細書において開示された発明の更なる側面において、コンピュータプログラム製品、特にプログラム要素を含むコンピュータプログラム製品が提供される。
本明細書において開示された発明の更なる側面において、印刷デバイス、特にノンインパクト印刷デバイスまたはオフセット印刷デバイスが提供される。ノンインパクト印刷(NIP)は、特にインクジェットプリンティング、電子写真法、イオノグラフィー、マグネトグラフィー、サーモプリントを含む。本明細書において開示された発明の更なる側面において、印刷画像が提供される。
いくつかの実施形態において、特徴は参照符号で示され、別の実施形態において、参照符号は少なくともいくつかの特徴のために提供されることに留意されたい。参照符号の存在または不存在はいずれの態様においても本明細書において開示された発明の開示を限定するものとして解釈されてはならず、特に請求項を限定するものとして決して解釈されるものではないだろう。
本明細書において提供されるいずれの百分率も、重量百分率とみなされるであろうし、適用可能な場合で、および明示的に別段に示されない場合、すべて(全体)のコーティング材料に(すなわちすべてのコーティング材料の重さに)基づくものとみなされるであろうことをさらに留意されたい。
この点において、「に対し」、「基づいて」、「に関連して」のような用語は、本明細書において同義とみなされる。重量パーセントは、ある場合において「w-%」(重量パーセント(または重量%)=w-%)によって省略される。さらに本明細書において用いられる省略は、マイクロメートル=μm、ミリメートル=mm、ライン毎ミリメートル=l/mm、ナノメートル=nm、ドット毎インチ=DPI、ノンインパクト印刷=NIP、時間=h、分=min、秒=s、ケルビン=K、度セルシウス=℃、紫外線=UVまたはUV放射である。
本明細書においてガラス転移温度Tgへの参照は、別段の記載がなければ、未硬化コーティング材料のガラス転移温度への参照としてみなされるであろうことにさらに留意されたい。実施形態によれば、ポリマのガラス転移温度(Tg)は、20K/分の加熱および冷却率での示差走査熱量(DSC)測定によって決められる。更なる実施形態によれば、ガラス転移温度は、ISO 11357-2に基づいて決められる。更なる実施形態によれば、ポリマは、まず25℃から80℃に加熱され、温度は1分間保持され、20℃に冷却され、再度1分間温度は保持される(20K/分)第2のステップにおいて、ポリマはTg(20K/分)の決定のために用いられる130℃に加熱された。Tgは、吸熱性ステップの始まりの点を評価することによって決められる。
本技術の文脈において、数値との組み合わせにおける「約」という用語は、特に所与の値に対しプラスおよびマイナス10%の範囲内を意味する。例えば、「約6μm」は、好ましくは5.4μmから6.6μmの範囲内を意味する。
さらに、本明細書におけるいくつかの実施形態において、同じ量のために特定されたいずれの重複する範囲(例えば、Tgについて範囲1=40℃と60℃との間、および範囲2=50℃と70℃との間)は、特定された範囲から導出可能ないずれの部分的範囲または組み合わされた範囲(すなわち、所与の例において、「40℃と60℃との間」、「40℃と50℃との間」、「40℃と70℃との間」、「50℃と60℃との間」、「50℃と70℃との間」、「60℃と70℃との間」等)もまた特に画定するであろうことに留意されたい。これは重複する閉範囲(例において与えられたとおり)、重複する開範囲(例えば少なくとも50℃、少なくとも60℃、そのため50℃と60℃との間の範囲もまた含む)、ならびに1または複数の閉範囲と重複する1または複数の開範囲にもあてはまる。
本技術の文脈において、「ヒドロキシル価」または「水酸基価」という用語は、遊離水酸基を含む化学物質の1グラムのアセチル化のために取られる酢酸を中和するのに必要とされる水酸化カリウムのミリグラム(mg)の数として好ましくは定義される値である。水酸基価は、化学物質における遊離水酸基の含有量の尺度であり、通常、化学物質の1グラムのヒドロキシル含有量に相当するミリグラムにおける水酸化カリウム(KOH)の重量の単位において明示される。水酸基価を決定するために用いられる解析方法は、好ましくはピリジン溶媒における無水酢酸とともに物質の遊離水酸基のアセチル化を伴う。反応の完了後、水が付加され、および残りの未反応の無水酢酸は、酢酸に変換され、水酸化カリウムでの滴定によって測定される。
本技術の文脈において、「酸価」または酸価という用語は、化学物質の1グラムを中和するのに必要とされるミリグラムにおける水酸化カリウム(KOH)の重量として好ましくは定義される。酸価は、脂肪酸のような化合物における、または化合物の混合物におけるカルボン酸群の量の尺度である。典型的手順において、有機溶媒(好ましくはイソプロパノール)に溶解したサンプルの公知の量は、公知の濃度で、色インジケータとしてのフェノールフタレインを備える水酸化カリウム(KOH)の溶液とともに滴定される。
本技術の文脈において、パウダーコーティングが配置される基板表面の部分は、x方向およびy方向に広がる面を画定するものとして解釈され得る。次に、z方向はこの面に垂直な方向、すなわち基板表面部分によって定義される面に垂直な方向である。
同様に、基板表面上に配置されるパウダーコーティングの複数の層のうち一方の表面は、x方向およびy方向に広がる面を画定するものとして解釈され得る。
本技術の文脈において、「横方向」という用語は、好ましくはx方向およびy方向、または異なって記載される場合、基板表面上の対応する部分によって定義される面内の位置を指す。「高さ」という用語は、好ましくはz方向、または異なって記載される場合、基板表面によって定義される面に垂直な位置を指す。
本技術の文脈において、「誘導体」という用語は、好ましくは、1つの原子または原子群が他の原子または原子群に置換される場合、他の化合物から生じると想像され得るいずれの化合物も意味する。異なって記載される場合、「誘導体」という用語は、好ましくは構造的アナログを意味する。あるいは、またはさらに、「誘導体」という用語は、本技術の文脈において、参照される化合物からの化学反応によって少なくとも理論的に誘導され得る、および/または実際に誘導され得る、および/または、参照される化合物の一般的な前駆体から理論的にまたは実際の化学反応によって誘導され得る化合物のために用いられる。
パウダーコーティングは、さまざまな基板表面上にたいていは乾燥パウダーとして適用される。従来の液体塗料とは対照的に、パウダーコーティングは、溶媒を必要とせず、一方でパウダーは、熱可塑性または熱硬化性ポリマであってよい。コーティングは、典型的には静電的にスプレーガンで、および/またはエアフローで適用され、次に、熱の下で硬化されて、結果として従来の塗料よりも固い硬質仕上げになる。パウダーコーティングは、家庭用器具、自動車または自転車の部のような多種多様な技術分野および用途において用いられてもよい。パウダーコーティングは、溶媒が必要とされず、従ってもしあるとしてもごくわずかな量の揮発性有機化合物(VOC)しか大気中に放出されないという利点を提供する。さらに、パウダーコーティングによって、従来のコーティングよりも厚いコーティングを得ることができる。パウダー塗装物は一般に、水平被覆表面と鉛直被覆表面との間に非常に少ない外観の差のみを有する。
しかしながら、これまでパウダーコーティングは、被覆表面上に特定のコーティングパターンまたは画像を選択的に提供することなく、比較的に伸長した表面のコーティングを提供するために用いられている。本明細書に記載された技術は、パウダーコーティングプロセスと、ノンインパクト印刷デバイスによって実行されるノンインパクト印刷プロセスとの利点を組み合わせるという考えに基づく。本明細書に記載された技術は、さまざまな基板の高い解像度輪郭パターンおよび印刷画像のためにもまた、パウダーコーティングの利点の実現を可能にする。
以下の章は、本明細書で開示された発明の1または複数の上記で特定された側面のための実施形態を提供し、章の少なくとも一部は、本明細書で開示された発明についての特定の観点に焦点を当てる。それでも、すべての観点の下の実施形態は、本明細書で開示された発明の、特に一般的な側面および特に上記で定義された側面の実施形態を説明する。もちろん、特定の章または側面に関連して開示されたいずれの実施形態も、他の章および/または側面の実施形態との組み合わせてもよいことを理解されたい。
さらに、留意されたい有利な実施形態は、本明細書で開示された一般的な側面と、例えば単一の章の1つまたは実施形態のように、本明細書で説明された1つまたは実施形態とを組み合わせることによって定義される。
第1章
技術水準から既知の一般的なトナーシステムの場合において、トナー粒子は通常、特に機械的圧力の下でのそれらの意図された使用に起因し、および粗い環境的影響に暴露される表面の場合、基板表面への比較的に弱い接着のみを示す。更なる問題は、溶媒または他の化学物質ならびに環境的な影響に対して比較的に低い安定性の材料に見られ得る。上で説明されることから、技術水準からこれまで既知の材料の適用可能性が限定されていることが続く。
従って、本願の目的は、厳しい気象条件および/または機械的圧力による粗い効果に対する適切な耐性および安定性、化学溶媒のような化学物質に対する安定性、電磁放射線、特に紫外線に対する安定性を提供し、同時にさまざまな基板表面への高い解像度で十分な硬度および非常に優れた接着を可能にするシステムを提供することである。
この文脈において、産業上の応用においてパウダーコーティングのために用いられる一般的なコーティングパウダー組成物は、ノンインパクト印刷適切ではないことに留意されたい。従って、主張された主題は有利にも、ノンインパクト印刷の概念ならびにコーティングパウダーの概念の両方を組み合わせ、同時にそれらのそれぞれの欠点を回避する一方で、両方の技術分野の利点から利益を得る。
実施形態において、マイクロスケールの液滴の形成が回避される。マイクロスケールの液滴の形成からの結果である欠点の中に、上記マイクロスケールの液滴の存在からの結果である力に起因する印刷される画像の悪化がある。
実施形態によれば、特にデジタル印刷用のコーティング材料が提供され、コーティング材料は、少なくとも1つの樹脂成分、特に樹脂の少なくとも1つのタイプを含む樹脂、特に非晶性樹脂部分を含む樹脂、特に少なくとも1つの架橋剤および/または少なくとも1つの開始剤(例えば少なくとも1つの熱開始剤および/または少なくとも1つの光開始剤)および/または少なくとも1つの触媒を含む硬化剤を含み、硬化したコーティング材料は、硬化したコーティング材料がDIN EN 12720によれば10秒後にメチルエチルケトン試験において少なくとも2-3の等級に達することができるような量、および/または硬化したコーティング材料が少なくとも50IPA(イソプロピルアルコール)二重こすりに抵抗する量の硬化剤を含む。
実施形態によれば、開始剤は、熱開始剤またはUV開始剤である。
実施形態によれば、1つのアセトンまたはIPA二重こすりは、アセトンまたはIPAにおいて湿らされた綿布を使用しておよそ60μmの厚さを有するコーティングの表面に渡る1つの前後運動を意味し、綿布は、2cm2のコーティングで980グラムの重さを有するハンマーヘッドおよび接触表面積を覆う。20こすりごとに布はアセトンまたはIPAに湿らされる。コーティングが除去される(および、得られたDR(二重こすり)の数が書き留められる)まで、または100DRに達するまで、測定は継続する。
実施形態によれば、樹脂(またはコーティング材料)は、以下、
(i)組み入れられた酸性モノマ基の全体の量に関して少なくとも5w-%イソフタル酸、特に少なくとも10w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも25w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも30w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも50w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも80w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも85w-%イソフタル酸を含有するポリエステル樹脂成分、
(ii)ポリエステル樹脂成分の(組み入れられた)グリコール化合物の総重量に関して1から100wt-%の脂環式グリコール化合物、特に2,2,4,4-テトラアルキルシクロブタン-1,3-ジオールおよび/または2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオールを含有するポリエステル樹脂成分、
(iii)アクリル樹脂、
(iv)フッ素含有ポリマ、特にヒドロキシル官能性フッ素ポリマ、
(v)ポリウレタン樹脂、
の1または複数を含む。
(組み入れられた)イソフタル酸を含むポリエステル樹脂(成分)は、特に耐候性を提供するため有利でもよい。脂環式グリコール化合物は、本明細書に開示される実施形態によって構成されてもよい。当業者によりおよび一般に本明細書において理解されるであろうとおり、モノマまたはモノマ基を含み、または含有し、またはモノマまたはモノマ基から成るとして特定された樹脂またはポリマまたはオリゴマは、樹脂またはポリマまたはオリゴマがモノマまたはモノマ基を組み込んだことを意味する。
更なる実施形態によれば、EN ISO 1520による少なくとも1mm、特に少なくとも2mm、特に少なくとも3mmのエリクセン深さは、コーティングの硬化後およびコーティングが10μm未満の層厚みを形成した場合に達する。実施形態によれば、硬化したコーティング材料は、少なくとも5アセトン二重こすり、特に少なくとも10アセトン二重こすり、特に少なくとも20アセトン二重こすりに抵抗する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも部分的に熱および/または放射によってのみ硬化性である。
実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも5pC/gの帯電性、特に少なくとも10pC/gおよびさらに特に少なくとも20pC/gの絶対値を有する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、標準的なEpping q/m装置において試験された1から15分、特に2から10分の起動時間を呈す。実施形態によれば、試験はソフトブローで実行される。
実施形態によれば、少なくとも1つの架橋材料は、エポキシ樹脂およびトリグリシジルイソシアヌレートを含むエポキシ/グリシジル基含有材料、ヒドロキシアルキルアミド(例えばいわゆるプリミド)硬化剤、イソシアネート硬化剤、および/または熱ラジカル開始剤システムを備える二重結合含有化合物から選択される。実施形態によれば、コーティング材料は(その樹脂/架橋材料に関連して)純粋エポキシシステムである。更なる実施形態によれば、エポキシ材料はポリエステルのための硬化剤として用いられる。別の実施形態によれば、樹脂は少なくとも1つのポリエステル樹脂成分および少なくとも1つのエポキシ樹脂成分で作られる。この場合、エポキシ樹脂は、ポリエステル樹脂のための一種の硬化剤(架橋材料)である。実施形態によれば、エポキシ樹脂は、ポリエステル樹脂よりも低い濃度においてある。しかしながら、文献において、いつ樹脂が架橋材料(また架橋剤とも称される)または樹脂と呼ばれるかについてより明らか境界はないという説明がある。一般に、実施形態によれば硬化剤もまた樹脂であり得、およびまた、例えばエポキシシステムにおけるように化学的性質が架橋を可能にする場合、同じ樹脂は架橋材料でもあり得る。
実施形態によれば、異なる樹脂成分(例えばエポキシ/ポリエステル)を含む樹脂は、ハイブリッドシステムと呼ばれる。
実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料全体に対して、少なくとも0.5w-%、特に1w-%より多い、および特に1.5w-%より多い量における電荷制御剤(CCA)を含む。
実施形態によれば、CCAは亜鉛化合物、特にサリチル酸亜鉛化合物および特にCCAの総量に基づいて90w-%よりも大きな濃度における亜鉛化合物を含む。
実施形態によれば、架橋剤は、樹脂を硬化させるのに十分なモル比で0.3と1.7との間、特に0.7と1.3との間および特に0.9と1.1との間の量において含有される。
実施形態によれば、樹脂は、滴定を介して決められる少なくとも10mg/gKOHのOH値および/またはCOOH値を伴うポリエステルを含み、および、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)およびポリスチレン標準を介して決められる500から10,000g/molの間の平均分子重量Mnを有する。更なる実施形態によれば、ポリエステルは、組み入れられた酸性モノマ基の全体の量に関して少なくとも5w-%イソフタル酸、特に少なくとも25w-%、特に少なくとも50w-%、さらに特に少なくとも85w-%(のイソフタル酸)を含む。実施形態によれば、コーティング材料は、GSBおよび/または建築用コーティングのためのクオリコート標準による少なくとも1年フロリダの安定性を有する硬化システムである。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の総量に対して1w-%未満のレベリング/フロー添加剤、特に有機レベリング/フロー添加剤、さらにより好ましくは0.5w-%未満、特に0.4w-%未満、および最も好ましくは0.1w-%未満ですらを含む。
当該分野において知られているとおり、フローおよびレベリング添加剤は、適用後のコーティングの可動性を増加させる化合物であり、そのためレベリングのプロセスを可能にする(例えば2010 Additives Handbook,Dr.Darlene Brezinski,Dr.Joseph V.Koleske,and Robert Springate,June 04,2010を参照)。
上記または下記で説明されるレベリング/フロー添加剤は、主にコーティング材料の表面引張に影響を与え、従ってコーティング層の粘性のフローのふるまいを向上させるが(従って膜フローまたは膜レベリング添加剤とも称されてもよい)、個々のパウダー粒子のフローおよび/または帯電特性を変更するためにコーティング材料の個々の粒子の表面に付加され、典型的には乾式混合および/または結合プロセスによって行われる無機レベリングまたはフロー添加剤(本明細書においてパウダーレベリング/フロー添加剤としてもまた称される)とは区別されなければいけない。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の総量に対して10w-%未満、好ましくは5w-%未満および最も好ましくは1w-%未満の無機材料を含む。この点において、無機材料が顔料として用いられる場合、量はより多くてもよいことに留意されたい。例えば、実施形態によれば、二酸化チタンは、無機材料、特に無機パウダーレベリング添加剤またはパウダーフロー添加剤として用いられる場合、特定された量において含まれてもよい。しかしながら、二酸化チタンが顔料として用いられる場合、量は特に所望の外観に応じてより多くてもよい。
実施形態によれば、コーティング材料は、100-2000g/Eq、特に200-1000g/Eq、特に400-600g/Eqのエポキシ重量を備える少なくとも1つのアクリル樹脂を含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料の樹脂は、少なくとも10mg/gKOH、特に少なくとも80mg/gKOH、およびさらに特に少なくとも250mg/gKOHのOH値を備える少なくとも1つのポリエステル樹脂を含む。更なる実施形態によれば、硬化剤は、イソシアネート硬化剤の総量に対して少なくとも5w-%から30w-%、特に少なくとも8から20w-%およびさらに特に少なくとも12w-%-15w-%(イソシアネート硬化剤の総量に対して)のNCO-含有量を備えるイソシアネート硬化剤を含む。更なる実施形態によれば、イソシアネート硬化剤はブロックされる。
実施形態によれば、コーティング材料は、無機表面添加剤を含む。更なる実施形態によれば、無機表面添加剤は、特に粒子サイズが1nmと100nmとの間、さらに特に5nmと70nmとの間である、特にシリコンおよび/またはチタンという1つまたは複数の無機酸化物を含む。
実施形態によれば、コーティング材料は、2から10、好ましくは5から7の間の平均粒径の比を備える2以上の異なる無機酸化物を含む。実施形態によれば、特定された範囲における粒子サイズ分布を有する異なる無機酸化物(例えば同一の材料の、例えば(二)酸化チタンまたは(二)酸化シリコン)を提供することは、コーティング材料の帯電能力を向上させてもよい。これは、静電印刷プロセス(例えば電子写真印刷プロセス)(NIPプロセスの1つの例)において利点でもよい。
一般に知られるとおり、静電プリンタは、画像がまず静電電荷のパターンとして描画され、次に、パターンを、逆極性の電荷を運ぶ顔料の粒子と接触させることによって可視にされるプリンタのタイプである。顔料は、電荷パターンに引き付けられるのみであり、続いて対象表面に融合または結合される。
さらに一般に知られるとおり、静電記録式プリンタは、必要とされる画像が光のビームによって、その表面に割って均一な電荷を有する光伝導体(例えば光導電性ドラムまたはバンド)上へ描画されるプリンタのタイプである。
光のビームの作用は、光伝導体上の電荷パターンを生成し、次に、画像に引き付けられるが背景によって反発される顔料の粒子を適用することによって展開される。次に、画像は、対象表面を光伝導体に押圧すること、および電場を加えることにより、対象表面へ移される。顔料の粒子(トナーとしてもまた称される)は、例えば熱および/または圧力により、または溶媒蒸気バスを通すことにより、対象表面に固定される。
静電記録式プリンタは、良好なプリント品質を生み出すことができる。それは、その画像をドットの微粒子マトリクスとして形成し、従ってグラフィックスおよび多種多様なタイプスタイルを生成することが可能である。静電記録式プリンタの最も一般的な例は、レーザプリンタである。
実施形態によれば、コーティング材料は、50から200℃、好ましくは75から150℃の間の開温度で可逆的に開き得、および、開温度より下で再度可逆的に閉じ得る化学結合を含む化合物を含む。これは、コーティング材料が自己回復効果を提供することを可能にしてもよい。
実施形態によればコーティング材料は、180℃、200℃または220℃まで、および/または、コーティング材料の硬化が発生する温度まで5ケルビン毎分の昇温速度で室温から加熱される場合、最小粘度を呈し、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲において、特に50パスカル秒から10000パスカル秒の間の範囲において、およびさらに特に250パスカル秒から7000パスカル秒の間の範囲においてある。
実施形態によれば、粘度の最小は、温度に対し粘度の極小である。実施形態によれば、コーティング材料は、温度に対する粘度(換言すれば温度依存性の粘度)が極小を示すように、十分高い上限温度まで5ケルビン毎分の昇温速度で加熱される。実施形態によれば、粘度は、当該分野において知られるとおり従来のレオメータで決められる。
実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料を硬化するのに用いられてもよい潜在的な硬化温度で350mm未満のピルフロー長を呈し、ピルフロー長は、以下の方法によって決められる。
(i)少なくとも5秒間、20キロニュートン、20kNの力で13mmの直径の円筒ピルに0.75グラムの量のコーティング材料を押圧する、
(ii)室温で金属シート上にコーティング材料のピルを置く、
(iii)ピルを備える金属シートを潜在的な硬化温度に予熱された炉中へ置き、樹脂がアクリル樹脂成分を含む場合30秒間、および樹脂がアクリル樹脂成分を含まない場合1分間、水平位置において金属シート上のピルを焼き戻す、
(iv)65°の流れ落ちる角度に金属シートを傾け、および潜在的な硬化温度で10分間、この位置に金属シートを維持する、
(v)炉から金属シートを除去し、水平位置において金属シートおよびコーティング材料を冷却し、金属シート上のピルの最大長を測定し、およびこの最大長をピルフロー長とする。
実施形態によれば、コーティング材料は熱硬化性コーティング材料である。更なる実施形態によれば、熱硬化性コーティング材料は、硬化性ポリエステル樹脂の(組み入れられた)グリコール化合物の総重量に関して1から100wt-%の脂環式グリコール化合物を含有する、硬化性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂成分としてもまた称される)を含む。このような硬化性ポリエステル樹脂は、熱硬化性コーティング材料(例えば熱硬化性パウダー組成物の構成成分として用いられ得る。脂環式グリコール成分は、特に2,2,4,4-テトラアルキルシクロブタン-1,3-ジオール(TACD)を含み得、各アルキル置換基は、10炭素原子まで含み得、およびアルキル置換基は、直線、分岐型またはその混合物であり得、およびジオールは、シス-またはトランス-ジオールのいずれかであり得る。硬化性ポリエステルは、いずれの可能なTACDの異性体の混合物も含み得る。
実施形態によれば、脂環式化合物は、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール(TMCD)を含み、またはそれから成る。
別の実施形態によれば、コーティング材料は、硬化性ポリエステルの脂環式グリコール化合物の総重量に関して、1から99wt-%のTMCD異性体および99から1wt-%の脂環式1,4-シクロヘキサンジメタノール異性体(CHDM)を含有する混合物を含む。実施形態によれば、混合物は、TMCD異性体およびCHDM異性体から成る。
別の実施形態によれば、硬化性ポリエステル樹脂は、少なくとも1つの水酸基(例えば、少なくとも2つの水酸基)を含有し、および硬化性ポリエステルのすべての(組み入れられた)ポリオール化合物の総重量に関して少なくとも1wt-%を表す、脂環式グリコール化合物以外のポリオール化合物を含む。
前述の硬化(熱硬化性)ポリエステル樹脂は、硬化の後に以下の特性の少なくとも1つが達成され得るため、屋外用途にとって特に有用である:良好な耐薬品性、良好な加水分解安定性、良好な風化安定性、高熱耐性、高キズ耐性、高衝撃強度、靱性、高延性、良好な光酸化安定性、透明性および柔軟性。
本明細書で開示された発明の側面によれば、コーティング材料の使用が提供され、特に本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料の使用が提供される。
実施形態によれば、NIPデバイスにより対象表面にコーティング層を加えるコーティング材料の使用が提供される。
実施形態によれば、本明細書に開示された実施形態によってコーティング材料からコーティング層を生成するための現像剤の使用が提供される。
実施形態によれば、コーティング材料は特にNIPデバイスにより、対象表面に、特に転写要素の対象表面または基板の対象表面にコーティング材料の層を加えるために用いられる。
特別な実施形態において、コーティング材料は、転写要素に適用(プリント)され得、次に、印刷されたコーティング材料層は、最終基板に移され得る。このような転写のために知られるいずれの技術も、本明細書で開示された発明の範囲内である。例えば、転写シート、デカール、水転写印刷または水スライド印刷の使用は、用いられ得る。デカールは、プラスチック、布、紙または接触して他の表面に動され得るパターンまたは画像をそれ上にプリントしたセラミック基板であってよい。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の異なる層を基板の対象表面に加えるために用いられ、特に基板は、プレコーティング、特にプレパウダーコーティングを含むプレコート基板である。
更なる実施形態によれば、1または複数の実施形態によるコーティング材料の使用が、特にNIPデバイスにより、対象表面に、特に転写要素の対象表面または基板の対象表面にコーティング材料の層を加えるために、特に基板の対象表面にコーティング材料の異なる層を加えるために提供され、特に基板は、プレコーティング、特にプレパウダーコーティングを含むプレコート基板である。
実施形態によれば、コーティング材料は、同じ樹脂、特に同じタイプの樹脂または同じ樹脂システム、および、同じ硬化システム、特に、基板上のプレコーティング(例えば下塗りまたは下地塗装)のような同じ硬化剤を含む。本明細書において、樹脂のタイプは、樹脂または樹脂成分の化学システムを指す。樹脂のタイプの例は、例えば、ポリウレタンタイプである。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、基板上のプレコーティングとして同じ樹脂システムを含む。同じ樹脂システムは、ポリウレタンシステムでもよい。
実施形態によれば、少なくとも1つのコーティング材料(その各々が本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態により構成される)は、特に例えば2つの異なる印刷ユニットによる2つの別個の印刷プロセスにおいて、または同じ印刷ユニットの2つの異なる動作において、少なくとも1つの層、特に互いの上に(同じコーティング材料の、または異なるコーティング材料の)少なくとも2つの層を印刷するために用いられる。
実施形態によれば、各層は、例えば加熱された場合、前の層の官能基と反応し得る官能基を含む。実施形態によれば、官能基は、COOH、OH、NCOおよびエポキシの1または複数である。本明細書で開示された発明の側面によれば、方法が提供される。
実施形態によれば、方法は、特にNIPデバイスにより対象表面に本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料(例えば少なくとも1つのコーティング材料)から生成される(例えばそれから形成される)コーティング層(例えば少なくとも1つのコーティング層)を加えることを含む。
実施形態によれば、対象表面は、コーティング層を基板に転写するために用いられる転写要素の表面である。更なる実施形態によれば、対象表面は、基板の表面である。
実施形態によれば、方法は、特にコーティング層が基板上に配置される場合、コーティング層にトップコートを加えることを含む。
実施形態によれば、トップコートは、クリアトップコートである。更なる実施形態によれば、トップコートは、プリント層として、または被覆層として提供される。特に、トップコートは、本明細書で開示された発明の実施形態により、またはパウダーコーティングのような従来のプロセスにより(更なる)コーティング層として提供されてもよい。 特に、コーティング層は、UV-吸収材または黄変防止剤の少なくとも一方を含む。実施形態によれば、トップコートは、連続層、例えば表面全体を覆う層である。別の実施形態において、トップコートは、(例えば文字の形状において)定義された領域を覆う構造化トップコートである。
実施形態によれば、方法は、コーティング層から個別にトップコートを硬化することを含み、特にコーティング層は、コーティング層およびトップコートの接続のための遊離官能基を含む。
更なる実施形態によれば、方法は、トップコートおよびコーティング層を共に硬化することを含み、特にコーティング材料は、粉体コーティング材料であり、トップコートは、コーティング層およびトップコート層を共に硬化する前に粉体トップコート層として適用される。
粉体コーティング材料を指すいずれの実施形態もまた、複数の粒子の形で提供されるコーティング材料をむしろ参照するそれぞれの実施形態を開示するものとしてもみなされるであろうことに留意されたい。この意味において、パウダーは、実施形態によれば複数の粒子を開示するものとしてもまた理解されるであろう。
実施形態によれば、基板は、プレコーティング、特にプレパウダーコーティングを含むプレコート基板である。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、基板上のプレコーティングとして同じ樹脂タイプ(例えばポリエステル、アクリル、フッ素ポリマ、ポリウレタン、エポキシ)および同じ硬化システムを含む。実施形態によれば、コーティング材料は、基板上のプレコーティングとして同じ樹脂および/または同じ硬化剤を含む。
実施形態によれば、トップコートの層厚みは、少なくとも10μm、特に少なくとも20μmおよびさらに特に少なくとも40μmである。
実施形態によれば、基板はガラス基板またはセラミック基板である。このような場合に、実施形態によれば、方法はさらに接着促進剤および/または付加促進剤での基板の前処理を含み、接着促進剤は、特に熱分解により堆積した二酸化ケイ素、特にピロシルである。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器、特にカートリッジが提供され、容器は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。実施形態によれば、本明細書で開示された発明の実施形態によるノンインパクト印刷デバイスは、(特に本明細書において説明されるコーティング層またはコーティング層パッケージの厚さによって)比較的大量のコーティング材料を必要とする。実施形態によれば、容器は、例えば体積、形状および/または体積に適合される構造等に関してそれぞれ適合される。実施形態によれば、現像剤、特に1または複数の実施形態によるコーティング材料およびキャリア、特に本明細書において説明されるまたは当該分野において知られる電子写真印刷のためのキャリアを含む2成分(2K)システムのための現像剤が提供される。
別の実施形態によれば、キャリアは、非磁気キャリア粒子(ソフトキャリア粒子)を含む。別の実施形態によれば、キャリアは磁気キャリア粒子(硬質キャリア粒子)を含む。
実施形態によれば、容器(例えばカートリッジ)は、1または複数の実施形態によるコーティング材料およびキャリア、特に本明細書において説明されるまたは当該分野において知られる電子写真印刷のためのキャリアを含む2成分(2K)システムのための容器である。
換言すれば、容器は、現像剤を含んでもよい。この意味において、本明細書において容器の内容へのいずれの参照も、現像剤への参照としてみなされてもよい。
実施形態によれば、(特にコーティング材料およびキャリアを含む)容器の内容は、容器の内容の総重量に基づいてコーティング材料の少なくとも4w-%、特に容器の内容の総重量に基づいてコーティング材料の少なくとも6w-%、さらに特に少なくとも8w-%、さらに特に少なくとも10w-%、さらに特に少なくとも16w-%、およびさらに特に少なくとも20w-%を含む。更なる実施形態によれば、容器の内容は、容器の内容の総重量に基づいて4w-%から30w-%の間の範囲におけるコーティング材料を含む。実施形態によれば、容器の内容は、容器の内容の総重量に基づいてコーティング材料の10%以下を含む。更なる実施形態によれば、容器の内容は、コーティング材料およびキャリアから成る。この場合、コーティング材料の8w-%の量は、キャリアの92w-%の量に一致する。従って、従来のトナーシステムに反して、本明細書で開示された発明の実施形態によるカートリッジは、比較的大量(すなわちプリントされる材料の量)のコーティング材料を含んでもよい。実施形態によれば、容器におけるキャリアは、(例えば容器がビルトイン容器である場合)再利用されてもよく、または、(例えばキャリアがそれ中へ限定される交換可能なカートリッジで)交換可能でもよい。
実施形態によれば、NIPデバイスが提供され、NIPデバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、転写要素が提供され、転写要素は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスが提供され、コーティング層適用デバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素を受け取るように構成される。 実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、さらに基板にコーティング層を加えるように構成される。
特に、マイクロスケールの液滴の形成は、以下の1または複数により回避され得る。
実施形態において、コーティング組成物は、補助成分、特にシリコン化合物および/またはチタン化合物およびその誘導体を含む固体を含む。このような補助成分は、印刷された画像の歪みの原因であるマイクロスケールの液滴の所望されない接着効果を削減してもよい分離剤として作用してもよいことが、驚くべきことに本発明者によってわかった。特定の実施形態において、補助成分、特にシリコンおよび/またはチタン化合物の粒子は、平均ナノスケール直径、より特には約5nmから約70nm(ナノメートル)の平均直径を有する。
マイクロスケールの液滴の形成を回避するための更なる態様は、それに応じて一般化されてもよい説明される例から取得され得る。
特にシリコン化合物の場合において説明される補助成分に対しこのような成分は、数時間に渡って安定である、粒子の適切に安定で等しく分散された電荷を提供するために、特に電荷制御剤と併せて効果的であることがわかった。要約するに、特に電荷制御剤と、少なくとも1つの更なる補助成分、特にシリコン化合物および/またはその誘導体との組み合わせが、高品質ノンインパクト印刷プロセスを可能にする。
実施形態において、コーティング組成物は、十分な量のCOOH、OH、エポキシおよび/またはNCOのような遊離水酸基または遊離反応基を備えるポリマを含む。複数の遊離官能基(例えば遊離水酸基)を備えるこのようなポリマは、互いの上に築き上げられる様々な層の間の適切な接着を可能にする。これは、本願によるコーティングが従来のコーティング方法により被覆された表面を修復またはリフレッシュするために用いられる場合に特に顕著になる。次に、遊離官能基(例えば遊離水酸基)は、既に存在するコーティング組成物への新しく付加されたコーティングの適切な接着を可能にする。
実施形態において、ノンインパクト印刷によるコーティングを提供するための方法は、コーティング材料を予備硬化するステップを含む。このような予備硬化ステップは、以下:熱、圧力、電子ビームおよび電磁放射線、特にUV放射の1または複数を加えることによって実行されてもよい。
コーティング材料を予備硬化するステップは、それが少なくともいくつかの官能基、すなわち反応基をフリー、すなわち未反応のままにするようなものでもよい。次にこのような遊離反応基は低層の表面上の官能基との反応に利用可能なので、硬化したコーティング材料は、複数の異なる層の連続的な構築を可能にする低いコーティング層に強くおよび確実に結合し得、最後にコヒーレントで安定な構造を形成する。従って、コーティング材料の予備硬化ステップは、互いに複数の層を上に連続的に加えるのに特に有利である。特定の実施形態において、予備硬化ステップは、官能基、特に反応性架橋性官能基の反応を互いに可能にするようなものであり、前提として、反応性官能基の少なくとも1%、特に少なくとも5%、より特に少なくとも10%、より特に少なくとも30%、特に反応性架橋性官能基は、未反応のままである。
複数の異なるタイプの表面および異なる表面の形状への説明される有利な接着に起因して、説明される組成物はこのような組成物を加えるための説明される方法ならびに既にパウダーで被覆された表面の再生のために有利に用いられ得る。例えば、例えば厳しい気象条件または他の機械的圧力に起因して、時間をかけて少なくとも部分的に所望の特性の一部、例えば色強度を喪失した被覆表面は、本願において説明されるとおりコーティングを(選択的に)加えることによって回復されてもよい。
本明細書で開示された発明の実施形態は、好ましくは(全重量に基づいて)少なくとも2%の濃度でいわゆるCCAとしてサリチル酸亜鉛化合物を用いる。実験は、これらのCCAがコーティング材料(トナー粒子としてもまた称される)の粒子の帯電特性に予期せぬ影響を与えることを示す。帯電能力と増加する量のCCAとの直線的な関連は認められなかった。それでもまだ、例は、色安定性(UV暴露)に影響を与えない一方で所望の色濃度(光学印象)を得ることが重要でもよいと示すので、CCAは、コーティング材料粒子の非常に重要な成分であってよい。サリチル酸亜鉛化合物は、高解像度カラー画像を印刷するために必要な全色(CMYK、白色)のための所望の色濃度を得るために用いられ得る。そこで、ある人は本明細書で開示されるコーティング材料粒子の場合において、サリチル酸亜鉛化合物をCCAよりもむしろ色濃度剤と呼ぶかもしれない。
本明細書で開示された発明の実施形態によるトナーは、高い解像度および品質印刷のために適切であり、パウダーコーティングベースのトナー粒子に関して主に新規である。さらに、実施形態によれば、本明細書で開示された発明によるコーティング材料は、単一の手順(ベース材料(例えば樹脂およびコーティング材料の更なる成分)の単一の押出および後に続く粉砕)において生成され、および従来のパウダーコーティングと添加剤および同様のものとの再配合により作成されない。その結果として、コーティング材料を生成するのに二重の押出および追加のステップは必要でなく、低コスト、環境的な利点、減少したエネルギ要件、高温またはせん断力に起因する所望されない事前反応がないことが結果として生じる。
実施形態によれば、コーティング材料は、特に粒子サイズ分布および異なる粒子組成および構造に関して従来のトナーとは異なる。
従来の、印刷のための化学的に生成されたトナーは、しばしば2つの異なる樹脂から成るコア-シェル構造を含んでもよく、しばしばエマルション/アグリゲーションプロセスによって生成される。添加剤、顔料、CCA、ワックスおよび同様のものは、しばしばこれらの粒子のコアに配置される。全体として、コア-シェル構造は不均一なトナー粒子という結果になる。
対照的に、本明細書で開示された発明の実施形態によれば、コーティング材料粒子は均質である。特に、実施形態によれば、コーティング材料粒子は、コーティング材料粒子が粒子サイズに匹敵する寸法(例えば粒子サイズの0.6から1倍の間または粒子サイズの0.8から1倍の間の寸法を備える構造)を備えて(異なる組成の)内構造から自由であり、体積単位ごとの組成に関する均質性として定義されるという意味において均質である。更なる実施形態によれば、均質性は、粒子の平均数またはトナー粒子のボリュームエレメントごとの各トナー成分の(樹脂のための)繰り返し単位として定義される。均質という用語は、通常区別可能な相が存在するため、必ずしも均質混合物の意味における均質を意味しないことに留意されたい。均質性の別の適切な定義は、コーティング材料粒子のためのむしろ均一な密度分布が結果として生じるトナー粒子のボリュームエレメントごとの平均重量でもよく、これに対し対照的に、従来の化学的に生成されたコア-シェルトナー粒子は、コア-シェル境界で重大な密度勾配を示すだろう。本明細書で開示された発明の実施形態による電荷制御剤の粒子サイズ分布は、コーティング材料粒子のより良い均質性、これにより色濃度の向上につながると考えられる。
本明細書で開示された発明の実施形態は、硬化性コーティング材料での高解像度および品質画像の印刷を可能にする。
実施形態によれば、NIP技術は、ソフト磁気ブラシ(すなわち最初は非磁気粒子(ソフトキャリア粒子))を用いる。
コーティング材料の準備における実施形態によれば、コーティング材料の成分の処理は、コーティング材料の予備反応を防止するように行われる。これは、分散が従来の熱可塑性トナー(硬化しない)におけるほど高くなくてもよいように、押出機における処理時間を制限する。理論に縛られることなく、これは比較的高濃度のCCAによって提供されるプラスの影響の理由であってよいと考えられる。しかしながら、別の実施形態によれば、コーティング材料は、特に透明コーティング材料を備えるCCAがなくてもよい。
第2章
実施形態によれば、コーティング材料は、NIPによりコーティング層を生成するために構成され、コーティング材料は、複数の粒子の形で提供される。実施形態によれば、コーティング材料は樹脂を含む。実施形態によれば、樹脂は、硬化性樹脂成分を含む。更なる実施形態によれば、樹脂はさらに、非晶性樹脂部分を含む。更なる実施形態によれば、樹脂成分は、少なくとも部分的に熱硬化性であり、特に樹脂成分の官能基と反応することができる架橋剤により硬化性である。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、電荷制御剤を含む。
実施形態によれば、電荷制御剤の含有量は、コーティング材料の総重量に基づいて20%未満である。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の含有量は、コーティング材料の総重量に基づいて0.1w-%から10w-%、特に0.2w-%から5w-%、さらに特に0.5w-%から3w-%の間の範囲にある。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の含有量は、コーティング材料全体に基づいて少なくとも0.1w-%であり、コーティング材料の総重量に基づいて特に少なくとも1w-%およびさらに特に少なくとも2w-%である。
実施形態によれば、未硬化コーティング材料のガラス転移温度は、45℃よりも高く90℃よりも低く、好ましくは、50℃から70℃の間の範囲にある。実施形態によれば、電荷制御剤は、以下、
変性無機ポリマ化合物、有機金属錯体(例えばアゾ金属Cr3+)、
ボロカリウム塩、特にボロビスベンジル酸カリウム
サリチル酸亜鉛化合物、特にサリチル酸亜鉛オキシカルボン酸亜鉛錯体金属キレート化合物、特にアルキルサリチル酸またはヒドロキシナフトエ酸四級アンモニウム塩、金属アルキルの酸化物、サリチル酸金属錯体、カリキサレン化合物、有機ホウ素化合物アジンまたはアジン化合物フェノール化合物、特にフェノール硫化物
の1または複数を含む。
実施形態によれば非晶性樹脂部分の量は、コーティング材料の総重量に基づいて5w-%より大きく、特に20w-%より大きく、さらに特に50w-%より大きい。
実施形態によれば、コーティング材料は、サリチル酸化合物、特にサリチル酸亜鉛化合物を含む。 更なる実施形態によれば、樹脂は、以下、
(i)特にテレフタル酸および/またはイソフタル酸を含むポリエステル樹脂成分、(ii)ジイソシアネートまたはポリイソシアネート、(iii)アクリル樹脂、例えばメタクリル樹脂、(iv)フッ素含有ポリマ、好ましくはヒドロキシル官能性フッ素ポリマ、(v)脂環式グリコール化合物を含むポリエステル樹脂成分、(vi)ポリウレタン樹脂
の1または複数を含む。実施形態によれば(i)から(vi)は各々樹脂のタイプとして称されてもよい。
実施形態によれば、ポリエステルは、硬化中に少なくとも部分的にウレタン素材に転写可能なポリエステルである。
実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、0.5から5μmの間のd10、および/または5から50μmの間のd90を呈す。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、0.5μmから3μmの間のd10、および/または5から25μmの間のd90を呈す。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、2μm未満のd10、および/または10μm未満のd90を呈す。本明細書において、および一般に知られるとおり、dxのための特定の値(上記の例においてはx=10またはx=90)は、粒子の量xが特定のサイズよりも小さいことを示す。
実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料から作られる硬化したコーティング層が以下の特性の1または複数を呈すように硬化性である:
GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)による300時間UV暴露後の残りの光沢が、少なくとも50%、特に少なくとも85%、
GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)の試験手順による600時間UV暴露後の残りの光沢が、少なくとも50%、特に少なくとも85%、
ISO 2813により決められたEN ISO 16474-2による1000時間キセノン暴露後の残りの光沢が、少なくとも50%、特に少なくとも85%、
および特にコーティング材料が、ポリエステル樹脂および/またはジまたはポリイソシアネート化合物および/またはウレタン樹脂および/またはアクリレート樹脂および/またはフッ素ポリマ樹脂を含む。
特にポリイソシアネート化合物は、OH基、例えばOH基ポリエステルを備えるポリウレタンに反応してもよい。
実施形態によれば、電荷制御剤は透明であり、または少なくとも部分的に透明である。更なる実施形態によれば、電荷制御剤は黒色である。更なる実施形態によれば、電荷制御剤は灰色、特に薄い灰色または白色を有する。
実施形態によれば、コーティング材料は、2l/mmより多い、特に5l/mmより多いおよびさらに特に10l/mmより多いNIPの解像度を可能にするように構成される。
実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも40μm、特に少なくとも20μm、およびさらに特に少なくとも10μmの厚さでNIPによりコーティング層を提供するために構成される。更なる実施形態によれば、コーティング層における光学的に感知可能なコントラスト(例えば異なるコーティング材料(例えば異なる色の)から結果として生じる)は、コーティング層の上面からコーティング層の底面に連続的に延在する。
実施形態によれば、コーティング材料はさらに圧力を加えることにより基板上のコーティング材料から作られるコーティング層の接着の向上を可能にするように構成される。
更なる実施形態によれば、コーティング材料はさらに、NIPにコーティング材料を保持するために構成される少なくとも1つの固体キャリアを含む。
実施形態によれば、コーティング層のNIPのために本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料の使用が提供される。実施形態によれば、コーティング材料は、基板、特にプレコート基板上へのコーティング層の直接NIPのために用いられる。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング層を基板へ移すために構成される転写要素上へのコーティング層の間接NIPのために用いられる。実施形態によれば、処理デバイスは、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料を処理するために構成され、処理デバイスは、特に以下、コーティング材料を印刷するために構成され、これによりコーティング層を生成するNIPデバイス、および/または基板への前処理デバイスへのコーティング層の適用前にコーティング層を処理するために構成される前処理デバイス、転写要素上にプリントされ、転写要素から基板にコーティング層を加えるためのコーティング層適用デバイス、基板に適用されたコーティング層を硬化するための硬化デバイスの少なくとも1つを含み、特に、NIPデバイス、前処理デバイス、コーティング層適用デバイス、および硬化デバイスの1または複数が、同一の位置に配置される、および/または、NIPデバイス、前処理デバイス、コーティング層適用デバイス、および硬化デバイスの1または複数が、異なる位置に配置される。
本明細書で開示された発明の実施形態によれば、処理デバイスは、以下のデバイス、特に、このようなそれぞれのデバイスを必要とすることなく、NIPデバイス、前処理デバイス、コーティング層適用デバイス、および硬化デバイスの1または複数に関連して本明細書に開示されるいずれの特徴も含んでよい。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料の処理の方法は、特に以下、これによりコーティング層を生成するためにコーティング材料を印刷する段階、基板へのコーティング層の適用の前にコーティング層を処理する段階、
転写要素から基板へ、転写要素上へプリントされたコーティング層を加える段階、基板へ適用されたコーティング層を硬化する段階
の少なくとも1つを含む。
実施形態によれば、特にNIPデバイス(301、400)のために提供され、および/または構成される容器、特にカートリッジは、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、転写要素は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
実施形態によれば、基板、特にプレコート基板は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。更なる実施形態によれば、基板および/またはプレコーティングは、適用されたコーティング層と反応できる遊離官能基を含む。実施形態によれば、コーティング層は、少なくとも10μmの厚さ、特に少なくとも20μmの厚さおよびさらに特に少なくとも40μmの厚さを有する。更なる実施形態によれば、コーティング層は、画像を表し、画像の解像度は、少なくとも100DPI、特に少なくとも200DPIおよびさらに特に少なくとも300DPIである。
実施形態によれば、コーティング層(特に基板上のおよび/または画像を表す(示す)は、硬化される。
実施形態において、電荷制御剤は、0.5μmから3μmの範囲におけるD10、2μmから8μmのD50、および8から12μmのD97の値を有する。より特定の実施形態において、電荷制御剤は、約2μmのD10、約5μmのD50、および約10μmのD97の値を有する。より特定の実施形態ですらにおいて、電荷制御剤は、0.5μmから3μmの範囲におけるD10、2μmから8μmのD50、および8から12μmのD97の値を有する一方、電荷制御剤は、少なくとも2w.-%の量において、より好ましくは2w.-%から3w.-%の量において存在する。より特定の実施形態において、電荷制御剤は、約2μmのD10、約5μmのD50、および約10μmのD97の値を有する一方、電荷制御剤は、少なくとも2w.-%の量において、より好ましくは2w.-%から3w.-%の量において存在する。
実施形態によれば、コーティング材料は、当該分野において知られる1または複数の難燃剤を含む。例えば、実施形態によれば、難燃剤は、鉱物、有機ハロゲン化合物、および有機リン化合物の少なくとも(しかしこれに限定されるものではなく)の1つである。
第3章
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、転写要素上に配置されるコーティング層を基板に加えるように構成され、コーティング層は、コーティング材料(特に本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料、さらに特に熱硬化性コーティング材料)から形成され、コーティング層は、特に硬化性であり、コーティング層は、特に非晶質材料を含む。
コーティング層適用デバイスは、以下、(i)コーティング層からの転写要素を除去する前に温度範囲(以下では第1温度範囲とも称される)内にコーティング層の温度を維持し、ここで第1温度範囲内において、未硬化コーティング材料は、過冷却液体状態および/またはそのガラス状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度をコーティング層の硬化温度以上の温度に増加させることによってコーティング層と基板との接触中およびコーティング層からの転写要素を除去する前にコーティング層を部分的に硬化するように構成される(または用いられる)、加熱装置(または、別の実施形態において、(第1)エネルギ伝達デバイス)を含む。
実施形態によれば、温度範囲内にコーティング層の温度を維持することは、任意の適した手段(直接的にコーティング層を加熱すること、(例えば基板および/または転写要素を加熱することにより)間接的にコーティング層を加熱すること)で実行され得る。
実施形態によれば、加熱装置(または第1エネルギ伝達デバイス)は、コーティング層との基板の接触の前に基板を加熱するために配置されてもよい。更なる実施形態によれば、加熱装置(または第1エネルギ伝達デバイス)は、コーティング層との基板の接触の前に転写要素を加熱するために配置されてもよい。
実施形態によれば、コーティング層は、結晶相を含み、または結晶相中へ少なくとも部分的にもたらされ得、結晶相は、溶融温度を画定し、および第1温度範囲は溶融温度未満である。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、以下の特徴、コーティング材料は、結晶性樹脂から自由である、コーティング材料は、特に少なくとも第1温度範囲内にない溶融による一次相転移を呈さない、の1または複数を呈す。
更なる実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、これによりコーティング層を形成するように印刷することにより転写要素にコーティング材料を加えるように構成される印刷デバイスをさらに含む。
実施形態によれば、印刷デバイスは、NIPデバイス、例えばレーザ印刷デバイスまたはLED印刷デバイスのような静電印刷デバイスである。
更なる実施形態によれば、印刷デバイスは、少なくとも1マイクロメートル(1μm)、特に少なくとも2μm、特に少なくとも5μm、特に少なくとも10μmの厚さで、およびさらに特に少なくとも20μmの厚さで、例えば少なくとも40μmの厚さで転写要素にコーティング材料を加えるように構成される。
実施形態によれば、印刷デバイスは、転写要素にパターンとしてコーティング材料を加えるように構成され、これによりパターンを示すパターン化されたコーティング層としてコーティング層を形成する。
実施形態によれば、パターン化されたコーティング層は、以下の特徴、(i)パターン化されたコーティング層が触覚効果を呈す、(ii)パターン化されたコーティング層は表面構造を画定し、表面構造は、パターン化されたコーティング層の厚さの変動によって画定される、(iii)パターンは、第2パターンと結合して結合パターンとなる第1パターンであり、特に第2パターンは、同じコーティング材料から、または異なるコーティング材料から形成され、特に第1パターンおよび第2パターンは、共通層平面に配置される、特に第1パターンは、少なくとも1つの空隙を含み、および第2パターンは少なくとも部分的に少なくとも1つの空隙を充填する、の少なくとも1つを示す。
更なる実施形態によれば、パターン(例えば画像)は、コーティング層の層平面にコーティング層横断を完全に通して延在する。
更なる実施形態によれば、印刷デバイスは、2l/mmより多い解像度で、特に5l/mmより多い解像度で、例えば10l/mmより多い解像度で転写要素にコーティング材料を加えるように構成される。
実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス(例えば第2エネルギ伝達デバイス)が提供され、エネルギ伝達デバイスは、特にコーティング層および基板(それにコーティングが適用される)の接触の前にエネルギ、特に熱および/またはUV放射のような放射および/または電子ビームを転写要素上のコーティング層中へ移すために構成される(または用いられる)。実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、コーティング層と基板との接触中および/またはその後にエネルギ、特に熱および/またはUV放射のような放射および/または電子ビームを転写要素上のコーティング層中へ移すために構成される。実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、転写要素上のコーティング層を部分的に硬化させるように、および/または転写要素上のコーティング層において粘性流を誘発するようにエネルギをコーティング層に移すために構成される。実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、熱、放射、圧力の少なくとも1つの形でエネルギを提供するために構成され、特にこれにより粘性流を誘発する。実施形態によれば、コーティング層適用デバイス(または、別の実施形態において印刷デバイス)は、エネルギ伝達デバイスを含む。
実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス(例えば第1エネルギ伝達デバイスおよび/または第2エネルギ伝達デバイス)は、加熱ローラーを含む。更なる実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス(例えば第1エネルギ伝達デバイスおよび/または第2エネルギ伝達デバイス)は、転写要素を加熱するためのおよび/または基板を加熱するための加熱装置を含む。例えば、実施形態によれば、転写デバイスは加熱装置を含む加熱可能な転写デバイスである。
実施形態によれば、コーティング層の部分硬化は、硬化温度より高い温度に第1昇温速度で(例えば本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるエネルギ伝達デバイスまたは加熱装置で)コーティング層を加熱し、第2昇温速度(負の昇温速度=冷却速度)で(過冷却液体状態中へ、またはガラス状態中への、例えば室温への)後に続く冷却により実行される。
実施形態によれば、第1昇温速度および第2昇温速度は、10K/分よりも高く、特に20K/分よりも高く、さらに特に50K/分よりも高くおよびさらに特に100K/分よりも高い。実施形態によれば、第1昇温速度および第2昇温速度は、10K/分から100K/分の間でより高い範囲にある。
部分硬化は、完全硬化未満の硬化度に硬化することを意味することに留意されるべきである。しかしながら、主要な側面は、部分硬化のみが発生することである。このような部分硬化は、部分硬化の後に、まだいくらかの反応熱が反応のタイプ(吸熱または発熱またはその組み合わせ)に応じて与えられ、または使い果たされる態様において定義され得る。((他の)硬化サイクルの前後に測定される)コーティングの20K/分の昇温速度でのDSCで測定されたTgの1-2℃より高い変化もまた、部分硬化のみが発生したことの良い兆候である。好ましくは反応の熱形成/消費に基づいて、80%未満、より好ましくは50%未満ですらの部分硬化が選択される。
実施形態によれば、圧縮装置が提供され、圧縮装置は、コーティング層と基板との接触の前に転写要素上のコーティング層を圧縮するために構成される。実施形態によれば、コーティング層適用デバイス(または、別の実施形態において印刷デバイス)は、圧縮装置を含む。
実施形態によれば、その上にコーティング層を有する転写要素は、別個の部品であり、例えば転写要素支持体は、別個の部品としてその上にコーティング層を有する転写要素を受け取るように構成される。
さらに、実施形態によれば、印刷デバイスは、転写要素が印刷デバイスから取り外し可能であるように構成される。
実施形態によれば、方法は、非晶質材料を含み、硬化性、好ましくは熱への暴露により少なくとも部分的に硬化性であるコーティング層をその上に有する転写要素を提供すること、基板にコーティング層を適用するために、コーティング層に転写要素および基板上への接触をもたらすことを含む。実施形態によれば、方法は、コーティング層からの転写要素を除去する前に第1温度範囲内にコーティング層の温度を維持することを含む。
実施形態によれば、第1温度範囲内において、未硬化コーティング材料は、その過冷却液体状態および/またはガラス状態にある。
更なる実施形態によれば、方法は、特にコーティング層の硬化温度以上の温度にコーティング層の温度を増加させることによって、コーティング層と基板との接触中および転写要素を除去する前にコーティング層を部分的に硬化することを含む。
更なる実施形態によれば、コーティング層は、結晶相を含み、または少なくとも部分的に結晶相もたらされ得、結晶相は、溶融温度を画定し、および第1温度範囲は溶融温度未満である、または、コーティング材料は、以下の特徴の1または複数を呈す:コーティング材料は、結晶性樹脂から自由であり、コーティング材料は、特に少なくとも第1温度範囲内にない溶融による一次相転移を呈さない。
更なる実施形態によれば、方法は、(特にNIPによる)印刷により転写要素にコーティング材料を加えることをさらに含み、これによりコーティング層を形成する。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも1マイクロメートル(1μm)、特に少なくとも2μm、特に少なくとも5μm、特に少なくとも10μmの厚さで、およびさらに特に少なくとも20μmの厚さで、例えば少なくとも40μmの厚さで転写要素に適用される。
実施形態によれば、コーティング材料は、転写要素にパターンとして適用され、これによりパターンを示すパターン化されたコーティング層としてコーティング層を形成する。実施形態によれば、パターン化されたコーティング層は、以下、パターン化されたコーティング層が触覚効果を呈す、パターン化されたコーティング層は表面構造を画定し、表面構造は、パターン化されたコーティング層の厚さの変動によって画定される、パターンは、第2パターンと結合して結合パターンとなる第1パターンであり、特に第2パターンは、同じまたは異なるコーティング材料から形成され、特に第1パターンおよび第2パターンは、共通層平面に配置される、特に第1パターンは、少なくとも1つの空隙を含み、および第2パターンは少なくとも部分的に少なくとも1つの空隙を充填する、の特徴の少なくとも1つを呈す。
実施形態によれば、パターン(例えば画像)は、コーティング層の層平面にコーティング層横断を完全に通して延在する。
実施形態によれば、コーティング材料は2l/mmより多い解像度で、特に5l/mmより多い解像度で、例えば10l/mmより多い解像度で転写要素に適用される。
実施形態によれば、方法は、コーティング層と基板との接触の前に転写要素上のコーティング層中へのエネルギ、特に熱および/またはUV放射のような放射および/または電子ビームを移すこと、特に、転写要素上のコーティング層を部分的に硬化するように、および/または転写要素上のコーティング層における粘性流を誘発するようにコーティング層にエネルギを伝達することを含み、特にエネルギは、熱、放射、圧力の少なくとも1つの形においてある。
実施形態によれば、転写要素上のコーティング層は、コーティング層と基板との接触の前(すなわち、コーティング層と基板との接触がなされるの前)に圧縮される。
例えば、実施形態によれば、方法は、コーティング層と基板との接触の前に転写要素上のコーティング層を圧縮することを含む。
実施形態によれば、その上にコーティング層を有する転写要素は、別個の部品として受け取られる。例えば、実施形態によれば、方法は、その上にコーティング層を有する転写要素を別個の部品として受け取ることを含む。
実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、プログラム要素を含み、プログラム要素は、プロセッサデバイス上で実行される場合、本明細書で開示された発明の実施形態による方法を実行するように適合されされる。
実施形態によれば、NIPデバイスは、以下を含む:硬化性であり、非晶質材料を含むコーティング材料、転写要素、特に転写要素上の対象表面にコーティング材料を加えるように構成される印刷ユニット、および特に転写要素上のコーティング材料にエネルギを伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイス。
実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、転写要素上のコーティング層のコーティング材料を部分的に硬化させるように、および/または転写要素上のコーティング層において粘性流を誘発するようにエネルギをコーティング材料に移すために構成され、特にエネルギは、熱、放射、圧力の少なくとも1つである。
実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、コーティング材料およびコーティング材料が適用されるべき基板の接触の前にコーティング材料にエネルギを伝達するように構成される。
実施形態によれば、転写要素は、コーティング層を含み、コーティング層は、コーティング材料から形成され、コーティング層は、硬化性であり、非晶質材料を含む。更なる実施形態によれば、コーティング層は、基板に移動可能であり、特に電荷制御剤を含む。更なる実施形態によれば、転写要素は、独立型転写要素(例えば、別個の部品)、例えば、それによって処理される処理デバイスから取り外し可能である転写要素である。特に、実施形態によれば、その上にコーティング層を備える(独立型)転写要素は、処理デバイスから取り外し可能である。更なる実施形態によれば、独立型転写要素は、移動可能転写要素である。特に、実施形態によれば、その上にコーティング層を備える独立型転写要素は、移動可能である。例えば、実施形態によれば、独立型転写要素は転写膜、例えば本明細書で説明される微小穴あき転写膜である。コーティング層を含む独立型転写要素の製造は、コーティング層を含む独立型転写要素の分離した製造、保管、マーケティングおよび出荷を可能にする。カスタマの構内で、独立型転写要素上のコーティング層は次に、例えば本明細書で開示されるコーティング層適用デバイスによって基板上に移されてもよい。
実施形態によれば、(例えば転写要素上の)コーティング材料は、樹脂を含み、樹脂は、特にビスフェノールAを含まず、および/またはエポキシを含まず、および/または熱硬化性樹脂である。
実施形態によれば、基板は、その上に硬化したコーティング層、特に本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態により構成され、硬化するコーティング層を含む。実施形態によれば、硬化したコーティング層は、画像を表す(示す)。
更なる実施形態によれば、基板は複雑な幾何学形状を有する。本明細書で開示された発明の実施形態は、このような基板へさえのコーティング層(例えば画像を示すコーティング層でさえ)の適用を可能にする。
実施形態によれば、硬化したコーティング層は、少なくとも部分的に非晶性熱硬化性である。更なる実施形態によれば、硬化したコーティング層は電荷制御剤を含む。更なる実施形態によれば、硬化したコーティング層は、少なくとも50℃、特に少なくとも60℃のガラス転移温度Tgを有し、および/または特にガラス転移温度は、40℃から70℃の間の範囲に、特に50℃から70℃の間の範囲にある。実施形態によれば、ガラス転移温度は、40℃から500℃の間、特に70℃から500℃の間の範囲にある。
実施形態によれば、対象表面(または基板または転写要素)は、(室温より上の)高温に加熱される。このように、対象表面(または基板または転写要素)へのコーティング材料の適用は向上する。実施形態によれば、標的加熱装置は、対象表面(または基板または転写要素)を加熱するために提供される。別の実施形態によれば、対象表面(または基板または転写要素)は、対象表面(または基板または転写要素)を印刷デバイス(実施形態によれば標的加熱装置を含む)に供給する前に加熱される。
第4章
実施形態によれば、コーティング材料は、特に100DPIより高い解像度で、特にNIPにより、コーティング層を生成するために構成され、または提供され、特にコーティング層は、画像を表し、および画像の解像度は、少なくとも100DPIであり、コーティング材料は、硬化性樹脂を含む。
実施形態によればコーティング材料は、コーティング材料の硬化が発生する温度まで5ケルビン毎分の昇温速度で室温から加熱される場合、最小粘度を呈し、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲に、特に50パスカル秒から10000パスカル秒の間の範囲におよびさらに特に250パスカル秒から7000パスカル秒の間の範囲にある。
更なる実施形態によれば、コーティング材料のピルフロー長は、コーティング材料を硬化するのに用いられてもよい潜在的な硬化温度で350mm未満であり、ピルフロー長は、以下の方法によって決められる。
(i)少なくとも5秒間、20キロニュートンの力で13mmの直径の円筒ピルに0.75グラムの量のコーティング材料を押圧する、(ii)室温で金属シート上にコーティング材料のピルを置く、
(iii)ピルを備える金属シートを潜在的な硬化温度に予熱された炉中へ置き、樹脂がアクリル樹脂成分を含む場合30秒間、および樹脂がアクリル樹脂成分を含まない場合1分間、水平位置において金属シート上のピルを焼き戻す、
(iv)65度の流れ落ちる角度に金属シートを傾け、および潜在的な硬化温度で10分間、この位置に金属シートを維持する、
(v)特に炉から金属シートを除去し、水平位置において金属シートおよびコーティング材料を冷却した後に、金属シート上のピルの最大長を測定し、およびこの最大長をピルフロー長とする。実施形態によれば、測定アイテムは(v)そのため「炉から金属シートを除去すること、水平位置で金属シートおよびコーティング材料を冷却すること、金属シート上のピルの最大長を測定すること、およびこの長さをピルフロー長とすること」として定義されてもよい。流れ落ちる角度は、水平方向に関連する角度である(すなわち水平位置において、流れる角度はゼロ(0)度である)ことを理解されたい。
実施形態によれば、コーティング材料は、本明細書で開示された発明の実施形態による最小粘度およびピルフロー長を呈す。
実施形態によれば、粘度は、従来の方法および/または粘度の計測のための従来の装置を用いることにより測定される。例えば、実施形態によれば、粘度は、レオメータ、特に回転レオメータ/粘度計で測定される。実施形態によれば、潜在的な硬化温度はコーティング層を硬化させるのに用いられる温度である。
実施形態によれば、硬化性樹脂は硬化領域を含み、硬化領域内の温度のために、樹脂は適当な時間内に硬化(例えば完全に硬化)され得、例えば5分以内または10分以内または15分以内または30分以内または60分以内の硬化時間ともまた称される。例えば、実施形態によれば、硬化領域の範囲は、上で説明された硬化時間のうちの2つに一致する温度によって定義される。硬化領域は通常、例えばデータシート上に樹脂の製造業者によって提供される。
実施形態によれば、最低硬化温度は、示差走査熱量測定(DSC)で測定される。実施形態によれば、潜在的な温度として、ゲルの時間が適当である温度が選択され、例えばそこでゲルの時間が5分、別の実施形態において10分、またはまだ別の実施形態において15分である。
例によれば、最低硬化温度はゲルの時間が3分から7分の間である温度である。実施形態によれば、潜在的な硬化温度は、硬化領域内の温度である。
実施形態によれば、最終硬化のために硬化温度は、硬化領域の70%より低い範囲内にある。実施形態によれば、最終硬化のために硬化温度は、硬化領域の50%より低い範囲内、または別の実施形態において硬化領域の30%より低い範囲内にある。実施形態によれば、潜在的な硬化温度は、コーティング層の最終硬化のために後に用いられる硬化温度から異なることに留意されたい。実施形態によれば、潜在的な硬化温度は、180℃である。 更なる実施形態によれば、ピルフロー長は300mm以下である。
実施形態によれば、樹脂は、総樹脂量に基づいて50w-%より多い量におけるアクリル樹脂成分を含み、およびピルフロー長は、180ミリメートルから300ミリメートルの間の範囲にある。更なる実施形態によれば、樹脂は、総樹脂量に基づいて少なくとも50w-%の量におけるエポキシ樹脂成分を含み、およびピルフロー長は、15ミリメートルから35ミリメートルの間の範囲にある。
更なる実施形態によれば、樹脂は、総樹脂量に基づいて少なくとも50w-%の量におけるポリエステル樹脂成分を含み、およびピルフロー長は、20mmから180mmの間の範囲にある。
更なる実施形態によれば、樹脂は、総樹脂量に基づいて少なくとも80w-%の量におけるポリエステル樹脂成分およびエポキシ樹脂成分の混合物を含み、およびピルフロー長は、15mmから150mmの間の範囲に、特に15mmから100mmの間の範囲にある。
更なる実施形態によれば、樹脂は非晶性樹脂部分を含み、非晶性樹脂部分は、特に熱を介して硬化され得る官能基を備える少なくとも1つの非晶性樹脂を含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも1つの非晶性樹脂と反応することが可能である架橋材料を含み、これによりコーティング材料を硬化し、特に架橋材料は、エポキシ樹脂、ヒドロキシアルキルアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤および熱ラジカル開始剤システムを備える二重結合含有化合物を含む、エポキシ/グリシジル基含有材料から選択される1または複数の材料を含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、樹脂の総量に基づいて少なくとも30w-%の量における非晶性樹脂部分を含む。
実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の総重量に基づいて少なくとも0.1w-%の量、特に少なくとも1w-%の量およびより特に少なくとも2w-%の量(すべてコーティング材料の総重量に基づく)における電荷制御剤(CCA)を含む。実施形態によれば、コーティング材料は電荷制御剤を有しない。
実施形態によれば、コーティング材料は、(例えば複数の)コーティング材料粒子を含む微粒子コーティング材料である。実施形態によれば、コーティング材料は、1μmから25μmの間、特に5μmから20μmの間の平均粒子サイズを有する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、5μm以上のd10値を有する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、5μm以上のd1値を有する。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、
5μmから7μmの間であるd10、および/または
8μmから10μmの間であるd50、および/または
12μmから14μmの間であるd90
の粒子サイズ分布を特に含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料粒子の平均真球度は、少なくとも0.7、特に少なくとも0.8、さらに特に少なくとも0.9である。
実施形態によれば、コーティング材料は、特に150μmより長いd90直径を備える、特に100μmより長いd90直径を備える、特に50μmより長いd90直径を備える、特に20μmより長いd90直径を備える、より特に10μmより長いd90直径を備える、エフェクト顔料を含む。更なる実施形態によれば、d90直径は、150μm未満である。
実施形態によれば、エフェクト顔料の50%より大きい、特に75%より大きいおよびさらに特に90%より大きい表面は、熱硬化性材料で覆われ、および少なくとも部分的に透明である。
実施形態によれば、コーティング材料は、サリチル酸化合物、特にサリチル酸亜鉛化合物を含み、および/または樹脂は、テレフタル酸および/またはイソフタル酸を含むポリエステル樹脂成分、および/またはアクリル樹脂、および/またはフッ素含有ポリマ、好ましくはヒドロキシル官能性フッ素ポリマを含み、および/またはコーティング材料は、コーティング材料の総量に関連して0.5w-%未満のフロー添加剤を含む。
実施形態によれば、画像は本明細書で開示された発明による1または複数のコーティング材料で印刷される。実施形態によれば、画像の最終画像厚さは、少なくとも2μm、特に少なくとも10μm、より特に少なくとも20μm、より特に少なくとも40μmである。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器が提供され、容器は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、NIPデバイスのためのカートリッジが提供され、カートリッジは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。実施形態によれば、カートリッジは、NIPデバイスにコーティング材料を提供するNIPデバイスの交換可能なカートリッジである。
実施形態によれば、NIPデバイスが提供され、NIPデバイスは、本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、転写要素が提供され、転写要素は、本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層、特に未硬化または部分的に硬化したコーティング層を含む。
実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
実施形態によれば、方法が提供され、方法は、NIPデバイスにより、本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料から生成されるコーティング層を対象表面に加えることを含む。更なる実施形態によれば、方法が提供され、方法は、特にNIPデバイスにより、本明細書で開示された発明の少なくとも実施形態によるコーティング材料からコーティング層を対象表面上に生成することを含む。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスが提供され、コーティング層適用デバイスは、本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態による転写要素を受け取るように構成され、コーティング層適用デバイスはさらに基板にコーティング層を加えるように構成される。
実施形態によれば、コーティング材料の使用、特に本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料の使用が提供される。実施形態によれば、コーティング材料は、特にNIPデバイスにより対象表面にコーティング層を加えるために用いられる。
第5章
実施形態によれば、コーティング材料が提供され、コーティング材料は、画像を表すコーティング層の少なくとも一部を形成するようにNIPにより処理可能であり、コーティング材料は、非晶性樹脂部分を含み、および硬化性であり、コーティング材料は、少なくとも15μmの厚さで適用されるように構成される。
本明細書で一般に、「画像を表す」および「パターンを示す」という用語は、同義語として用いられ、および、互いに取り替えられ得ることに留意されたい。
実施形態によれば、画像は少なくとも2つの異なる色を含む。別の実施形態によれば、画像は、単色のみを含む。
実施形態によれば、画像を表すコーティング層は、均一のコーティング材料から作成されるコーティング層である。別の実施形態によれば、コーティング層は、2以上の異なるコーティング材料を含んでよい。実施形態によれば、コーティング層は、単色のみを含む。更なる実施形態によれば、コーティング層は、2以上の色を含んでよい。
実施形態によれば、NIP方法は、例えば従来のレーザプリンタまたはLEDプリンタにおいて用いられる電子写真印刷法である。従ってそれぞれのNIP単位は、電子写真印刷単位と称されてよい。
実施形態によれば(および例えば電子写真印刷の場合のとおり)、印刷ユニットから提供される単一コーティング層は、1μmから40μm、特に4μmから15μmおよびさらに特に6μmから10μmの間の範囲における厚さを有してよい。実施形態によれば、単一コーティング層の厚さは、5μmから8μmの間の範囲にある。実施形態によれば、単一コーティング層の厚さは、15μmから20μmの間の範囲にある。
実施形態によれば、いくつかのコーティング層は、互いの上に印刷されてよい。特に、実施形態によれば、更なるコーティング層は、既存のコーティング層を硬化させるまたは加熱(特に実質的に加熱)することなく、既存のコーティング層に渡って印刷される。しかしながら、実施形態によれば、圧力が両方の層を互いに対してプレスするために更なるコーティング層および既存のコーティング層に適用される。このように適用される圧力は、印刷されるドットをぼかさないように比較的低くてよいが、既存のコーティング層上への更なるコーティング層の安定的な適用を提供するのに役立ってよい。
実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも15μmの厚さで適用されるように構成される。特に、コーティング材料は、1または複数のコーティング層における硬化または粘性流の誘発なしに、少なくとも15μmの厚さで適用されるように構成される。例えば、個別のコーティング層が前述の実施形態により5μmの厚さを有する場合、コーティング材料は、1または複数のコーティング層における硬化または粘性流の誘発なしに、3つのコーティング層(いくつかの実施形態において層パッケージと称されてよい)において適用されるように構成される。これは驚くべきことに、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料によって達成される。
実施形態によれば、コーティング材料は少なくとも20μmの厚さで、特に少なくとも30μmの厚さでさらに特に少なくとも40μmの厚さで適用されるように構成される。
実施形態によれば、コーティング材料は、複数の粒子の形において提供され、コーティング層の厚さに対する平均粒径の比は、1:2より小さい、特に1:3より小さい、さらに特に1:4より小さい。このような比は、非常に小型の硬化層に起因する化学および風化安定性の組み合わせにおける高品質プリントを提供してよい。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料全体に関して最大濃度10w-%のビスフェノールAおよび/またはエポキシ樹脂、特にコーティング材料全体に関して最大濃度5w-%のビスフェノールAおよび/またはエポキシ樹脂を有し、および特にビスフェノールAを含まず、および/またはエポキシを含まず、特にコーティング材料は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素含有樹脂(例えばルミフロン樹脂)、およびポリウレタン樹脂の1または複数を含む。
実施形態によれば、ポリエステル樹脂は、(組み入れられた)酸モノマを含み、少なくとも10w-%の酸モノマはイソフタル酸であり、特に少なくとも20w-%の酸モノマはイソフタル酸であり、特に少なくとも30w-%の酸モノマはイソフタル酸であり、特に少なくとも50w-%の酸モノマはイソフタル酸であり、特に少なくとも80w-%の酸モノマはイソフタル酸であり、およびさらに特に少なくとも85w-%の酸モノマはイソフタル酸である。
更なる実施形態によれば、コーティング材料の、特に未硬化コーティング材料の最低ガラス転移温度は、40℃より高く、特に50℃より高く、特に60℃より高く、硬化されたものについてはTgは50℃より高く、特に60℃より高く、より特に70℃より高く、およびより特に80℃より高い。
実施形態によれば、GSB International AL 631 - Part VII Segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)による300時間UV暴露後(または別の実施形態においてUV暴露の600時間または1000時間キセノン暴露後)の残りの光沢は、少なくとも50%である。
例えば、コーティング材料がポリエステル樹脂を含む場合、(組み入れられた)イソフタル酸の濃度(ポリエステル樹脂における酸モノマに関連して)は、残りの光沢の規定値を実現するのに十分高く選択されされてよい。
さらに、例えば、コーティング材料がフッ素含有樹脂(フルオロポリマ)および/またはアクリル樹脂を含む場合、これら樹脂の濃度は、残りの光沢の規定値を実現するのに十分高く選択されてよい。
実施形態によれば、GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)による300時間UV暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%であり、特に少なくとも85%であり、GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)の試験手順による600時間UV暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%であり、特に少なくとも85%であり、ISO 2813により決められたEN ISO 16474-2による1000時間キセノン暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%であり、特に少なくとも85%である。
実施形態によれば、画像を表すコーティング層の一部を形成することに加えて、コーティング材料は、さらに次の機能の少なくとも1つが機能するように構成される:密封、高温抵抗、耐候性、長期紫外線安定性、表面コーティング、ピンホールがないこと(特にピンホールが実質的にないこと)、摩耗ベースの退色保護、屋外機能、キズ耐性、溶媒耐性、拡散低減、腐食防止。
実施形態によれば、コーティング材料は、0.1w-%から10w-%、特に0.5w-%から5w-%、特に0.8w-%から2.5w-%、特に0.8w-%から1.3w-%、例えば1w-%、および特に少なくとも2w-%の量の電荷制御剤を含む。実施形態によれば、電荷制御剤は、1または複数のサリチル酸亜鉛化合物(サリチル酸亜鉛化合物)を含む、またはそれから成る。
このような電荷制御剤は、驚くべき性能を提供することを示した。しかしながら、別の実施形態によれば、HodogayaからのT99のような他の従来の電荷制御剤が用いられてよい。
実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも部分的に、特に完全に熱硬化性である粉体コーティング材料である。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器、特にノンインパクト印刷デバイスのためのカートリッジが提供され、容器は、特に本明細書で開示された発明の少なくとも1つの実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、特に1または複数の実施形態によるコーティング材料を含むNIPデバイスが提供される。
実施形態によれば、処理システム(処理デバイスともまた称されてよい)が提供され、処理システムは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含み、さらにコーティング材料を印刷するように構成されるNIPデバイスを含む。
実施形態によれば、NIPデバイスは、特に転写要素上に、コーティング材料からコーティング層を生成するように構成される。
更なる実施形態によれば、処理システムは、転写要素を受け取るように構成されるコーティング層適用デバイス、および、基板に転写要素上のコーティング層を加えるようにさらに構成されるコーティング層適用デバイスをさらに含む。
実施形態によれば、NIPデバイスは、基板上にコーティング材料からコーティング層を生成するように構成される。
更なる実施形態によれば、処理システムは、基板上のコーティング層の硬化、特に最終硬化のための硬化デバイスをさらに含む。
更なる実施形態によれば、転写要素が提供され、転写要素は、特に本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されるコーティング層、または匹敵する熱膨張係数で少なくとも1つのコーティング材料から生成されるコーティング層および/または本発明によるコーティング材料と反応することができる遊離官能基を含む。
更なる実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
更なる実施形態によれば、基板はベースコート(コーティング層の下、プレコーティングともまた称される)および/またはトップコート(ベースコートの上および/またはコーティング層の上)をさらに含む。
実施形態によれば、方法が提供され、方法は、特にNIPデバイスにより、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されるコーティング層を対象表面に加えることを含む。
実施形態によれば、コンピュータプログラム製品は、プログラム要素を含み、プログラム要素は、プロセッサデバイス上で実行される場合、前述の方法による方法を実行するように適合されされる。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスが提供され、コーティング層適用デバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素を受け取るように構成され、コーティング層適用デバイスはさらに、基板にコーティング層を加えるように構成される。
実施形態によれば、特にNIPデバイスにより対象表面に、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング層を加えるコーティング材料の使用が提供される。
第6章
実施形態によれば、NIPデバイスが提供され、NIPデバイスは、以下を含む:硬化性であり樹脂を含むコーティング材料、コーティング層を形成するようにコーティング材料を印刷するために構成される印刷ユニット、特に電子写真印刷単位であって、コーティング層は少なくとも1つの層を含む層パッケージの少なくとも部分を形成する、層パッケージで表面構造を画定するように層パッケージを提供するために構成されるNIPデバイス、表面構造は、層パッケージの厚さの変動によって画定される、厚さの変動は、1μmから1000μmの間の範囲、特に1μmから300μmの間の範囲にあり、特に1μmより大きく、特に5μmより大きく、特に10μmより大きく、および特に20μmより大きい。
実施形態によれば、コーティング材料は、樹脂の総量に基づいて少なくとも30w-%の量における非晶性樹脂部分を含む。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の総量に対して0.5w-%未満のフロー添加剤を含む。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料の総量に対して0.4w-%未満、0.3w-%未満、または好ましくは0.1w-%未満のフロー添加剤を含む。
実施形態によれば、フロー添加剤(またはレベリング剤、両方の用語は同義語として用いられてよい)は、(特に未硬化コーティング材料の)粘度および/またはコーティング層の(特に少なくとも部分的に硬化したコーティング層の、または未硬化コーティング材料がその過冷却液体状態にある温度範囲にさらされたコーティング層の)表面の平滑性に影響を与えるフロー添加剤である。
小さな厚さの変動とともに、例えば数マイクロメートルの範囲において、コーティング層の光沢における変化が導入されてよい。例えば厚さの変動の大きさおよび/または表面構造の幾何学形状に応じて、コーティング層の(およびまた基板上の硬化したコーティング層の)異なる外観が提供されてよい。
実施形態によれば、NIPデバイスは、変化する厚さを備える層パッケージを提供するように構成され、これにより第1の位置での層パッケージの第1パッケージ部分は、第1の厚さを有し、および第2の位置での層パッケージの第2パッケージ部分は、第2の厚さを有する。
更なる実施形態によれば、印刷ユニットは、コーティング層の面における横方向位置に応じてコーティング材料を選択的に印刷するように構成される。
実施形態によれば、NIPデバイスは、層パッケージの一部として、特にコーティング材料から更なるコーティング層を印刷するように構成される。更なる実施形態によれば、コーティング層および更なるコーティング層は、異なる空間カバレッジを有する。更なる実施形態によれば、コーティング層および更なるコーティング層は互いに重複し、結果として層パッケージ内の厚さの変動が生じる。更なる実施形態によれば、コーティング層および更なるコーティング層は、互いに反応し、これによりコーティング層および更なるコーティング層の隣接領域に付着する官能基を有する。
実施形態によれば、印刷ユニットは、更なるコーティング層の印刷のために構成される。
更なる実施形態によれば、印刷ユニットは第1印刷ユニットであり、および異なる第2印刷ユニットが提供され、第2印刷ユニットは、更なるコーティング層の印刷のために構成される。実施形態によれば、2以上の印刷ユニットは、同じコーティング材料を印刷するために提供されてよい。これは、所望の層パッケージを提供するのに必要な印刷プロセスの速度を向上してよい。別の実施形態において、2以上の印刷ユニットは、異なるコーティング材料を印刷するために提供されてよい。
実施形態によれば、NIPデバイスは、少なくとも2つの接触する層においてコーティング材料を印刷するように構成され、特に2つの接触する層は、コーティング層および更なるコーティング層を含み、特に2つの接触する層は、互いに反応することができる官能基を有する。実施形態によれば、コーティング層および更なるコーティング層は、コーティング材料のセット、特に少なくともCMYK色システムを定義するコーティング材料のセットの同じまたは異なるコーティング材料から形成される。換言すれば、実施形態によれば、NIPデバイスは、少なくともCMYKシステムを定義するコーティング材料のセット(すなわち、コーティング材料のセットは、CMYKシステムを定義し、および任意に、更なるコーティング材料(例えば透明コーティング材料、少なくとも1つのエフェクトコーティング材料、少なくとも1つの白色コーティング材料)を含む)を印刷するように構成される。
実施形態によれば、NIPデバイスは、構造化デバイスを含み、構造化デバイスは、層パッケージの一部を蒸発するように、特にエンボス要素を層パッケージ中に押圧することによるような圧力によって、さらに特に層パッケージ中への放射エネルギの転写のようなエネルギ転写によって、特にレーザビームを用いて(例えばパルスレーザビームによって)、層パッケージ中に高さプロフィールを強制するように構成される。
実施形態によれば、印刷ユニットは、2l/mmより多い、特に5l/mmより多い、およびさらに特に10l/mmより多いコーティング層の層平面における解像度でコーティング層を提供するように構成される。
実施形態によれば、印刷ユニットは、2l/mmより多い、特に5l/mmより多い、およびさらに特に10l/mmより多い、およびさらに特に20l/mmより多いコーティング層の層平面に垂直な解像度でコーティング層を提供するように構成される。
実施形態によれば、印刷ユニットは、コーティング層の適用により少なくとも10μm、特に254μm未満の側方距離内で少なくとも5μm、特に85μm未満およびより特に42μm未満の高低差を確立するように、(層平面においておよび/または層平面に垂直に)解像度を備えるコーティング層を提供するために構成される。
実施形態によれば、コーティング層は、(これはレーザ印刷のようなNIP/デジタル印刷にとって典型的であるように)複数のドットとして生成される。従って、コーティング層が100dpiの解像度を備えて提供される場合、ドットの直径は約254μmである。従って、254μm未満の側方距離内での(5μmの厚さの変動に対応する)5μmの高低差は、5μm厚さおよび100dpiの解像度のコーティング層で達成される高低差と一致する。
実施形態によれば、コーティング層(コーティング層は単色または2以上の異なる色(コーティング材料)を含んでよい)における色は、コーティング層の上面からコーティング層の底面に連続的に延在する。
実施形態によれば、層パッケージは、少なくとも1μm、特に少なくとも5μmおよびさらに特に少なくとも10μmの厚さの変動を呈す。特にコーティング層を通して連続的に延在する異なる色の組み合わせにおいて、顕著な触覚効果を備える耐候性画像が達成されてよい。実施形態によれば、層パッケージは対象表面上に画像を形成する。
更なる実施形態によれば、層パッケージは、少なくとも1つの空隙を含み、空隙の位置での対象表面を覆われていないままにする。
実施形態によれば、表面構造の最小横寸法は、500μmより長く、特に200μmより長くおよびさらに特に100μmより長い。これは、触感表面構造を提供してよい。表面構造の最小可能横方向寸法は、印刷プロセスの解像度に(例えば、印刷プロセスのドットサイズに)よることに留意されたい。
更なる実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、層パッケージを含み、層パッケージは、硬化され、および少なくとも1つのコーティング層を含む。実施形態によれば、層パッケージの厚さは、1μmから1000μmの間の範囲に、特に1μmから300μmの間の範囲における、特に5μmより大きい、特に10μmより大きいおよび特に20μmより大きい変化を呈し、および層パッケージは表面構造を画定する。
実施形態によれば、(本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成される)硬化したコーティング層は、コーティング層のコーティング材料の総量に対して1w-%未満、特に0.5w-%未満、さらに特に0.4w-%未満、0.3w-%未満および好ましくは0.1w-%未満のフロー添加剤を含む。
例えば、実施形態によれば、硬化した層パッケージの少なくとも1つのコーティング層は、コーティング層のコーティング材料の総量に対して0.5w-%未満(または本明細書で特定される任意の他の量未満、例えば0.4w-%未満)のフロー添加剤を含む。
更なる実施形態によれば、層パッケージの厚さは基板に渡って変わり、および特に第1の位置での層パッケージの第1パッケージ部分は、第1の厚さを有し、第2の位置での層パッケージの第2パッケージ部分は、第2の厚さを有し、および/または、層パッケージは、少なくとも1つの空隙を含み、空隙の位置での基板の表面を覆われていないままにする。
実施形態によれば、層パッケージは、表面構造を画定する。更なる実施形態によれば、表面構造の最小横寸法は、254μm未満、特に85μm未満およびさらに特に42μm未満である。更なる実施形態によれば、層パッケージは、画像がDIN EN 12720により10秒後のメチルエチルケトン試験において少なくとも2-3等級を達することができ、および/または画像が少なくとも50IPA(イソプロピルアルコール)二重こすりに抵抗する、および/または画像が少なくとも5アセトン二重こすり、特に少なくとも10アセトン二重こすり、特に少なくとも20アセトン二重こすりに抵抗する硬化度を有する。
実施形態によれば、層パッケージは、1μm以上(Ra≧1μm)、特に3μm以上(Ra≧3μm)およびさらに特に5μm以上(Ra≧5μm)の最小算術平均粗さを含み、および/または、層パッケージの最大厚さは、少なくとも2μm、特に10μm、さらに特に20μmおよびさらに特に40μmである。
実施形態によれば、基板および特に基板上の硬化した層パッケージは、www.qualicoat.netから利用可能で、2014年11月6日に承認され、および2015年1月1日から有効な、14版の建築用途のためのアルミニウム上の液体およびパウダー有機コーティングのための品質ラベル用の仕様において定義されるとおりクオリコートクラス(Qualicoat class)1および/またはクオリコートクラス2の要件を満たす。
更なる実施形態によれば、基板の表面は、1マイクロメートル以下(Ra≦1μm)、特に0.5マイクロメートル以下(Ra≦0.5μm)およびさらに特に0.2μm以下(Ra≦0.2μm)の最大算術平均粗さを含み、そこで基板の定義される表面粗さは、先の特徴の画像を介して相殺された。
更なる実施形態によれば、層パッケージは、少なくとも100DPI、特に少なくとも300DPIおよびさらに特に少なくとも600DPIの解像度を有する。
実施形態によれば、少なくとも1つのコーティング層は、他の層および/または基板と反応することができる遊離官能基を有し、特に基板上のプレコートおよび/または特に硬化前のトップコートを含む。従って、実施形態によれば、基板は、プレコートを含み、およびコーティング層の遊離官能基は、プレコートと反応することが可能である。更なる実施形態によれば、トップコートは、少なくとも1つのコーティング層に適用され、およびコーティング層は、トップコートと反応することができる遊離官能基を有する。
実施形態によれば、トップコートは、硬化前に適用される。
実施形態によれば、方法が提供され、方法は、以下、層パッケージを対象表面に提供するする段階であって、層パッケージは、表面構造および層パッケージの厚さを画定し、層パッケージは、少なくとも1つの層を含み、表面構造は、層パッケージの厚さの変動により定義され、および、厚さの変動は、1μmから1000μmの間の範囲に、特に1μmから300μmの間の範囲にあり、特に1μmより大きく、特に5μmより大きく、特に10μmより大きく、および特に20μmより大きく、層パッケージを提供する段階は、コーティング層を形成するようにコーティング材料を印刷する段階を含み、コーティング層は、層パッケージの層を形成し、およびコーティング材料は、硬化性であり、および樹脂を含み、および印刷する段階は、NIP方法、特に電子写真印刷法を用いることにより実行される、を含む。本明細書で開示された発明の実施形態によれば、コーティング材料は、樹脂の総量に基づいて少なくとも30w-%の量における非晶性樹脂部分を含み、コーティング材料は、コーティング材料の総量に対して0.5w-%未満(または本明細書で特定される任意の他の量未満、例えば0.4w-%未満)のフロー添加剤を含む。
実施形態によれば、コーティング層は第1コーティング層であり、方法は、層印刷による層を実行することによる少なくとも1つの更なるコーティング層の印刷をさらに含み、特に第1コーティング層の各々および少なくとも1つの更なるコーティング層は、少なくとも1μmの、特に少なくとも2μmの、さらに特に少なくとも4μmの、さらに特に少なくとも10μmの、さらに特に少なくとも20μmの最大厚さを有する。
実施形態によれば、コンタクト領域において互いに接触している層パッケージの層は、硬化の前または硬化中にコンタクト領域において互いに反応する遊離官能基を有し、特に1または複数の既存の層は、更なる層が1または複数の既存の層のコンタクト領域に接触するように適用される前に、コンタクト領域において硬化しておらず、または少なくとも部分的にのみ硬化している。
実施形態によれば、コーティング材料は複数の粒子として提供され、およびコーティング材料は、1μmから25μmの間の範囲に、特に5μmから20μmの間の範囲における平均パウダー粒子サイズを含み、および特にコーティング材料は、5μmから7μmの範囲におけるd10値、8μmから10μmの範囲におけるd50値および12μmから14μmの範囲におけるd90値を有する。
実施形態によれば、粒子の真球度は、少なくとも0.7、特に少なくとも0.8、さらに特に少なくとも0.9である。
実施形態によれば、コーティング材料は、50μm未満、特に20μm未満およびさらに特に10μm未満の直径を備えるエフェクト顔料を含み、そこでエフェクト顔料の表面の50%より多く、特に75%より多くおよびさらに特に90%より多くは、特に非導電性である熱硬化性材料で覆われる。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の実施形態によるNIPデバイスのための容器、特にカートリッジが提供され、容器は、コーティング層の印刷のためのコーティング材料を含む。
別の実施形態によれば、NIPデバイスは、同じまたは異なるコーティング材料、好ましくは少なくともCMYKシステムを定義し、さらに特に更なる色および/または白色および/または透明および/またはエフェクトコーティングの少なくとも1つのコーティング材料を含む異なるコーティング材料を備える容器のセットを含む。実施形態によれば、NIPデバイスは、同じコーティング材料を含有する2以上(例えば4つの)容器を含む。
実施形態によれば、容器のセットの容器の各々は、分離した印刷ユニットに関連してよい。同じコーティング材料を含有する2以上の容器の場合、NIPデバイスはそのため時間単位ごとにコーティング材料の向上した堆積率を可能にする。
実施形態によれば、層パッケージを含む転写要素が提供され、層パッケージは、未硬化であるかまたは部分的にのみ硬化しており、少なくとも1つのコーティング層を含み、層パッケージの厚さは、1μmから1000μmの間の範囲にあり、および層パッケージは、表面構造を画定する。本明細書で開示された発明の実施形態によれば、層パッケージの少なくとも1つのコーティング層は、樹脂の総量に基づいて少なくとも30w-%の量における非晶性樹脂部分を含み、コーティング層は、全体のコーティング層に関して(すなわち、コーティング層のコーティング材料の総量に対して)0.5w-%未満(または本明細書で特定される任意の他の量未満、例えば0.4w-%未満)のフロー添加剤を含む。
マルチレベル方法が、表面構造を提供するために使用されてよい。このようなマルチレベル方法は、灰色の色合いを用いる方法に元々基づくが、本明細書に説明される構造化表面を提供するために使用されてよい。さらにまたは代替的に、多層方法が、表面構造を提供するために使用されてよい。多層方法は、通常、さまざまに異なる色を結合するために使用され、これにより、より広い範囲の異なる色のトーンを作成する。異なる色を提供する代わりに、好ましい実施形態によれば、カラーチャネルの少なくとも2つは、材料層の高さおよび/または厚さにおける区別を提供する単色材料でこれらを用いることにより利用される。さらに好ましい実施形態によれば、カラーチャネルの少なくとも2つは、材料層の高さおよび/または厚さにおける区別を提供する単色および/または透明材料でこれらを用いることにより利用される。さらに好ましい実施形態によれば、カラーチャネルの少なくとも2つは、材料層の触覚および/または光沢における区別を提供する単色および/または透明材料でこれらを用いることにより利用される。
好ましい実施形態によれば、複数の異なる層は、連続的に適用される、すなわち、少なくとも1つの第1の層およびそれ上に第2の層が形成される。さらに好ましい実施形態によれば、説明されるプロセスは、温度および/または圧力を上昇させることにより達成されてよい圧縮ステップを含む。好ましくは、このような圧縮ステップは、少なくとも第1および第2の層の形成の間に実行される。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、ハス型効果を有する表面構造を生成するために構成され、および用いられてよい。触覚(haptic perception)は、あるものを握る、特に特定の表面プロフィールを感じる能力である。触感(tactile perception)は、触覚に関連する。触覚が表面および物体の能動的な調査を通して達成される一方、触感は、表面および物体の受動的な調査を通して達成される、すなわち、表面に渡る動きは触感をトリガするのに必要とされない。本願に開示されるコーティングおよび対応する方法により、特にレリーフ印刷プロセスにより、触覚または触感をトリガすることが可能な適切な表面が生成されてよい。特に、ノンインパクト印刷デバイスは、点字タイプの表面構造を生成するために構成され、および用いられてよい。実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、ハス型効果を有する表面構造を生成するために構成され、および/または用いられてよい。ハス効果は、ネルンボまたは「ハスの花」の葉によって示されるような超疎水性の結果である。ハス型表面は、セルフクリーニング効果を有するような態様において利用され得ることがわかった。従って、このようなハス型効果を有する適切な、人為的に製造された表面構造を提供することに重大な関心がある。本願に開示されるコーティング材料および対応する方法を利用することにより、特にレリーフ印刷プロセスにより、際立ったハス型効果を有する適切な表面が作成されてよい。特に、レリーフ印刷プロセスにより、160°またはそれより大きい接触角ですらを備えるセルフクリーニング、すなわちハス型超疎水性表面を提供することが可能である。レリーフ印刷プロセスにより、安定な構造を備え、特に劣化に強いこのような有利な構造を効率的に提供することが可能である。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、複数のチャネルを有する表面構造を生成するために構成され、および用いられてよい。このような複数のチャネルは、毛管作用により、適切な流体の対応する吸い込みにより、加湿効果および冷却効果を有利に提供してよい。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、サメ皮効果を生成するために構成され、および用いられてよい。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、その表面と接触するようになる層流または乱流を変更するのに適切な表面構造を生成するために構成され、および用いられてよい。異なって記載されるように、ノンインパクト印刷デバイスは、流体(例えばガスまたは液体)のストリームをトリガまたは制御するように個々に設計され得る表面を生成してよい。さらに、表面は、負の音響効果を減少させるように個々に設計されてよい。逆に、表面は、音響効果を誘発または増幅するように個々に設計されてよい。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、コーティング層厚み、すなわち表面構造の厚さに対応する方向に関する色の勾配を有する表面を生成するために構成され、および用いられてよい。このような勾配を利用することにより、例えば厳しい気象条件によって引き起こされる材料の摩耗の兆候を提供することが可能である。例えば、層は、色の勾配、すなわち層表面からの距離が増加するにつれより強くなる色を有して提供されてよい。摩耗が発生する場合、層の外表面に暴露する色強度は段々と強くなり、これにより表面層の摩耗プロセスの進行を示す。
実施形態によれば、表面構造は、電磁放射線において、特に可視光において干渉(特に干渉色)を生成するように構成される。更なる実施形態によれば、表面構造は、入射光を受け、および出射光を提供するように構成され、入射光および出射光の色分布は異なる、特に干渉に起因して異なる。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、基板の特定の部分上にのみ表面を選択的に生成するために構成され、および用いられてよい。例えば、説明されるレリーフ印刷方法により得られる表面は、特に機械的圧力に暴露される領域にのみ適用されてよい。例えば、説明されるレリーフ印刷により、通常高い機械的圧力に暴露される機械または機械部品におけるハンドル、レールおよびトラック上のコーティングを選択的に提供することが可能である。
異なる領域が通常暴露される機械的圧力に応じて、異なる基板領域において異なる厚さを備えるコーティングを提供することもまた、説明される概念の一部である。技術のさまざまに異なる分野における複数の基板構造のための表面コーティングが、効率的に提供され得る。基板の特定領域に機械応力がよりかかるにつれ、適用されるコーティング層はより厚いべきである。一方では、これは基板のほとんどの機械的応力のかかる領域を保護することを可能にする一方、他方では、コーティングを提供するために用いられる材料の量は減少し得る。異なって記載されるように、プロセスにより、最適化されたコスト効率で機械的圧力に対する適切な保護を実現することが可能である。他方で、厚さは、特に耐候性がそれほど重大でない場合、高い機械的柔軟性が必要とされる領域で減少し得る。
実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、2つの異なるコーティングを加えることにより表面構造を生成するために構成され、および用いられてよく、すなわち、少なくとも1つの第2コーティング層(または更なるコーティング層)が少なくとも1つの第1コーティング上におよび/またはそれに隣接して配置され、少なくとも1つの第1コーティング層は、好ましくは少なくとも1つの第2コーティング層と直接、物理的に接触する。このような構造により、第1コーティング層の第2コーティング層との相互作用およびその逆の利点を活用することが可能である。より特定の実施形態において、第1コーティング層は、それ上に構造の表面が形成されるべき基板に接着するのに適切である。第2コーティング層は、例えばハス型効果またはサメ皮効果のような有利な表面効果を示すように構成されてよい。しかしながら、第2コーティング層は、基板表面への接着により適切でなくてよいが、代わりに少なくとも1つの第1コーティング層への適切な接続を形成することが可能である。
被覆される基板に強く結合する第1コーティング層を提供することにより、および第1コーティング層上に、所望の表面効果を示し、および第1コーティング層に強く結合する第2コーティング層を提供することにより、複数の異なる基板のために個々に設計される表面を提供することが可能である。
第1コーティング層および第2コーティング層の接着または接続の能力は、第1コーティング層および第2コーティング層のための適切なコーティング材料を適切に選択することにより達成されてよい。特に、第1コーティング層は、第2コーティング層に含まれる第2コーティング材料と相互作用、特に化学反応により化学結合を形成することが可能な第1官能基を有するコーティング材料を含んでよい。第1コーティング層および第2コーティング層の間の化学反応に加えて、第1コーティング層および第2コーティング層の接続は、接着およびそれと同様のような物理的効果により達成されてよい。上記において、および本明細書で一般に、第2(または更なる)コーティング層)の代わりに、コーティング層を含む層パッケージが使用されてよい。
更なる実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、3つの異なるコーティング層を加えることにより表面構造を生成するために構成され、および用いられてよく、すなわち、少なくとも1つの第2コーティング層が少なくとも1つの第1コーティング層上におよび/またはそれに隣接して配置され、および少なくとも1つの第3コーティング層が少なくとも1つの第2コーティング層上におよび/またはそれに隣接して配置される。このような構造により、第2コーティング層および第3コーティング層との、および基板との第1コーティング層の相互作用の利点を活用することが可能である。
更なる実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、3つ以上の異なるコーティング層を加えることにより表面構造を生成するために構成され、および用いられてよく、すなわち、少なくとも1つの第2コーティング層が少なくとも1つの第1コーティング層上におよび/またはそれに隣接して配置され、および少なくとも1つの第3コーティング層が少なくとも1つの第2コーティング層上におよび/またはそれに隣接して配置される。このような構造により、第1コーティング層の第2コーティング層および第3コーティング層との、および基板との相互作用およびその逆の利点を活用することが可能である。
第7章
実施形態によれば、特にNIPによりコーティング層を生成するためのコーティング材料が提供され、コーティング材料は、粒子の形で提供され、および以下、硬化性樹脂、好ましくは少なくとも部分的に熱硬化性樹脂およびさらにより特に樹脂の官能基と反応することができる架橋剤ですらにより硬化性であり、樹脂は、特に非晶性樹脂部分を含み、粒子の平均直径は、1μmから25μmの間の範囲にあり、および粒子は、0.7より大きい、特に0.8より大きい、特に0.9より大きい平均真球度を有する、を含む。
実施形態によれば、現像剤が提供され、以下、キャリア、および、(現像剤の総量に基づいて)10wt-%以下の量における、コーティング材料、特にノンインパクト印刷によりコーティング層を生成するためのコーティング材料であって、コーティング材料は、粒子の形で提供され、を含み、および以下、硬化性樹脂、好ましくは少なくとも部分的に熱硬化性樹脂およびさらにより特に樹脂の官能基と反応することができる架橋剤ですらにより硬化性であり、樹脂は、特に非晶性樹脂部分を含み、粒子の平均直径は、1μmから25μmの間の範囲にあり、および粒子は、0.7より大きい平均真球度、特に0.8より大きい、特に0.9より大きい真球度を有する、コーティング材料が毎分5Kの昇温速度で室温から加熱される場合、加熱中のコーティング材料は、最小粘度までその粘度を減少させ、および温度の更なる増加でその粘度を増加させる、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲にある、を含む。
実施形態によれば、架橋剤は、硬化性樹脂またはその樹脂成分として同じタイプまたは同一の材料ですらあってよい。
一般に、粒子の真球度(S)は、粒子の表面積に渡って粒子と同じ体積の球の表面積(As)の比として定義される。従って、S=As/Ap。しかしながら、特に複数の粒子のために粒子の表面積を測定することは難しいかもしれないため、例えばMalvern Instruments GmbH,Germany,www.malvern.comから利用可能なSysmex FPIA-3000のような、商業的に利用可能装置に実装される精巧な方法が展開されてきた。
実施形態によれば、平均真球度は、粒子の真円度を平均することにより(すなわち粒子の平均真円度により)定義され、粒子の真円度は、周辺により分割される粒子の周辺によって囲まれる最も大きい領域に等し領域を有する円の円周により決められる。
実施形態によれば、平均真球度は、平均真球度を算出するための粒子の部分、特にコーティング材料全体の80%の量までのコーティング材料の最も大きい粒子を含む粒子の部分のみを含むように定義される。
更なる実施形態によれば、平均真球度は0.90から0.97、好ましくは0.93から0.97の間である。実施形態によれば、1.0の真球度(球状の粒子)は所望でないことに留意されたい。実施形態によれば、0.98よりも大きな真球度は、コーティング材料粒子のよりゆっくりとした帯電をもたらす、キャリア粒子へのコーティング材料粒子のより少ない接触点を提供してよく、および/または、転写後に有機感光体、OPC(OPCが用いられる場合)上の余分な(移されない)コーティング材料粒子のより難しい洗浄という結果になってよい。
実施形態によれば、現像剤のセットが提供され、各現像剤は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によりにより構成され、現像剤のセットは、少なくともCMYKシステム(CMYK=シアン、マゼンタ、黄色、およびキー(黒色))を提供する。
実施形態によれば、各現像剤のコーティング材料は、5μm以上のd1値を有し、および/または各現像剤のコーティング材料は、0.90から0.97の間、特に0.93から0.97の間の範囲にある平均真球度を有する。
さらに実施形態によれば、コーティング材料のセットが提供され、各コーティング材料は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態により構成され、コーティング材料のセットは、1または複数の色システム、例えば少なくともCMYKシステムを提供する。
可能な用途は、いくつかの例を挙げれば、例えば高い解像度単色のロゴまたはバーコードまたは燐光/蛍光画像を含んでよい。
実施形態によれば、セットの各コーティング材料は、5μm以上のd1値を有し、および/またはセットの各コーティング材料は、0.90から0.97の間、特に0.93から0.97の間の範囲にある平均真球度を有する。
本明細書で開示された発明の実施形態によれば、硬化性適合コーティング材料のCMYKシステムが提供され、硬化性コーティング材料の高い解像度カラープリントを可能にする。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、硬化性であり、および/または電荷制御剤および/またはシリコン化合物、特にSiO2(=シリカ)および/またはチタン化合物、特にTiO2(=チタニア)を含む。更なる実施形態によれば、シリコン化合物および/またはチタン化合物の粒子サイズ分布は、1nmから100nmの間の範囲に、特に3nmから50nmの間の範囲におけるd50値を有する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、特に0.5w-%より多い、特に1w-%より多い、およびさらに特に1.5w-%より多い量におけるシリコン化合物および/またはチタン化合物を含む。
更なる実施形態によれば、電荷制御剤は、サリチル酸亜鉛化合物、特にサリチル酸亜鉛を含む。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料全体に対して、10w-%未満、特に3.5w-%未満およびさらに特に2w-%以下および特に1w-%より多い量における電荷制御剤を含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、放射、特に紫外線および/またはX線放射および/または電子ビームにより、少なくとも部分的に硬化性である。
更なる実施形態によれば、樹脂は、熱硬化性樹脂を含み、熱硬化性樹脂は、特に二重結合を含まない反応により少なくとも部分的に硬化性である。
更なる実施形態によれば、コーティング材料が5ケルビン毎分の昇温速度で室温から加熱される場合、加熱中のコーティング材料は、最小粘度まで粘度を減少させ、温度の更なる増加で粘度を増加させ、および、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲に、特に50パスカル秒から10000パスカル秒の間の範囲に、およびさらに特に250パスカル秒から7000パスカル秒の間の範囲にある。
実施形態によれば、コーティング材料は、硬化を加速する(すなわち、促進剤のない組成物に比べて硬化速度を増加させる)促進剤(例えば触媒)を含む。
実施形態によれば、促進剤は、カルボキシル基とエポキシ基との間および/またはエポキシ単独重合のための反応を加速するように構成される。実施形態によれば、WO 2001/092367 Al(その全体の開示が参照により本明細書に組み込まれる)に開示される促進剤/触媒が、用いられてよい。適切な触媒は、以下の1または複数を含む:
イミダゾール(例えば"2-メチルイミダゾール"、"2-エチルイミダゾール"、"プロピルイミダゾール"、"2-イソプロピルイミダゾール"、"2-フェニルイミダゾール"、"2-ウンデシルイミダゾール"、"2-ヘプタデシルイミダゾール"、"1-((2-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)メチル)ナフタレン-2-オール"、("2-フェニル-2-イミダゾリン"のような)イミダゾリン、("2,4,6-トリ-(ジメチルアミノメチル)フェノール,""N,N-ジメチルステアリルアミン""のような)第三級アミン、("テトラブチルホスホニウムブロミド"、"ブチルトリフェニルホスホニウムクロリド"、"ブチルトリフェニルホスホニウムブロミド"、"エチルトリフェニルホスホニウムブロミド"のような)ホスホニウム塩、
("ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド"、"安息香酸テトラエチルアンモニウム"、"塩化コリン"のような)アンモニウム化合物、("フェヌロン"、"ジウロン"、"クロロトルロン"、"TDIウロン"のような)ウロン、("オルト-トリルビグアニド"のような)グアニジン、("亜鉛アセチルアセトネート"、"2-エチルヘキシルリン酸亜鉛塩"のような)亜鉛化合物。
触媒はまた、(イミダゾール付加物、イミダゾリン付加物のような)付加物の形で用いられてもよい。(イミダゾール、イミダゾリン、ホスホニウム塩のような)触媒はまた、樹脂合成中にポリエステル樹脂に付加されてもよい。
触媒として現在好ましいのは、(Eutec Chemical Co.の"Eutomer B31"のような)"2-フェニル-2-イミダゾリン"である。しかしながら、この触媒と上で説明された触媒の1または複数との、好ましくは(1または複数の)イミダゾール(例えば2-エチルイミダゾール)または(エチルトリフェニルホスホニウムブロミドのような)ホスホニウム塩との組み合わせもまた、用いられてもよい。
このように、非常に反応性があり、同時に保管中に安定である(貯蔵安定性)コーティング材料が達成されてよい。これらの促進剤タイプの組み合わせにより、コーティング材料の組成の均質性における変化の存在においてですら向上した貯蔵安定性を呈す、より安定したコーティング材料を実現することが可能である。実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング材料全体に関してビスフェノールAおよび/またはエポキシ樹脂の10w-%の最大濃度、特にコーティング材料全体に関してビスフェノールAおよび/またはエポキシ樹脂の5w-%の最大濃度を有し、および特にビスフェノールAを含まない、および/またはエポキシを含まない。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フッ素含有樹脂(例えばルミフロン樹脂)、およびジまたはポリイソシアネート化合物の1または複数を含む。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、50より上、特に60より上、さらに特に70より上の酸価を備えるポリエステル樹脂、および/または、300から700g/Eq、特に400から600g/Eqおよびさらに特に500から560g/Eqのエポキシ重量(EEW)を備えるエポキシ樹脂、および/または促進剤(例えば本明細書で説明される促進剤)を含む。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、次の機能の少なくとも1つに機能するように構成される:画像を表すコーティング層の一部を形成すること、密封、高温耐性、耐候性、長期紫外線安定性、表面コーティング、ピンホールがないこと、摩耗ベースの退色保護、屋外機能、キズ耐性、溶媒耐性、拡散低減、腐食防止。
更なる実施形態によれば、非晶性樹脂成分の量は、コーティング材料における樹脂の総量に対して少なくとも30w-%、特に50w-%およびさらに特に少なくとも70w-%である。
更なる実施形態によれば、特に腐食および/または天候および/またはUV光および/または攻撃的な液体および/またはスクラッチに対する基板の保護のための、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料の使用が提供され、コーティング材料は、特にNIPにより適用され、コーティング材料は、特に100DPIより高い解像度を備えて、さらに特に200DPIより高い解像度を備えて、およびさらに特に300DPIより高い解像度を備えて、さらに特に2l/mmより大きい、特に5l/mmより大きいおよびさらに特に10l/mmより大きい解像度を備えて、適用される。
更なる実施形態によれば、腐食および/または天候および/またはUV光および/または攻撃的な流体(液体および/または(オゾンのような)ガス)および/またはスクラッチに対する基板の保護のための、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料の使用が提供され、特にコーティング材料は、透明であり、および/またはNIP方法を介して適用される。
本明細書において一般に、実施形態によれば、コーティング材料の使用は、コーティング材料を含む現像剤の使用をを含んでよい。
例えば、更なる実施形態によれば、特に腐食および/または天候および/またはUV光および/または攻撃的な液体および/またはスクラッチに対する基板の保護のためのコーティング層のコーティング材料から生成するための、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤の使用が提供され、コーティング材料は、特にノンインパクトプリントにより適用され、コーティング材料は、特に100DPIより高い解像度を備えて、さらに特に200DPIより高い解像度を備えて、およびさらに特に300DPIより高い解像度を備えて、さらに特に2ライン/ミリメートルより大きい、特に5ライン/ミリメートルより大きいおよびさらに特に10ライン/ミリメートルより大きい解像度を備えて、適用される。更なる実施形態によれば、コーティング材料は基板の全体の保護を提供しないかもしれないが、むしろ基板の保護に付加する。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、基板に飾る効果(例えば画像)を提供するために用いられる。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、基板に保護および飾る効果(例えば画像)の両方を提供してよい。
実施形態によれば、特に腐食および/または天候および/またはUV光および/または攻撃的な液体および/またはスクラッチに対する基板の保護のためのコーティング層のコーティング材料から生成するための、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤の使用が提供され、特にコーティング材料は透明であり、および/またはノンインパクトプリント方法を介して適用される。
実施形態によれば、方法が提供され、方法は、特にNIPデバイスにより、本明細書に開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から(例えば本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤のコーティング材料から)生成されるコーティング層を対象表面に加えることを含む。
実施形態によれば、対象表面は、コーティング層を基板に転写するために用いられる転写要素の表面である。更なる実施形態によれば、対象表面は、基板の表面である。
更なる実施形態によれば、方法はさらに以下を含む:少なくとも1つのキャリア(例えば少なくとも1つの固体キャリアまたは少なくとも1つの液体キャリア)をコーティング材料と混合すること。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器、特にカートリッジが提供され、容器は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器、特にカートリッジが提供され、容器は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤を含む。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含むNIPデバイスが提供される。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤を含むNIPデバイスが提供される。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素が提供される。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤のコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素が提供される。
実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されるコーティング層を含む。
実施形態によれば、基板、特にプレコート基板が提供され、基板は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤のコーティング材料から生成されたコーティング層を含む。
実施形態によれば、コーティング層は特に少なくとも10μmの厚さ、特に少なくとも15μmの厚さおよびさらに特に少なくとも30μmの厚さを有する。
実施形態によれば、コーティング層は画像を表し、画像の解像度は、少なくとも100DPI、特に少なくとも200DPIおよびさらに特に少なくとも300DPI、さらに特に2l/mmより大きい、特に5l/mmより大きいおよびさらに特に10l/mmより大きい。
実施形態によれば、ISO 2815により60μm-80μmの層厚みを備える、87より上の圧入硬度を有する基板上の(硬化した)コーティング層が与えられる。
実施形態によれば、基板上の(硬化した)コーティング層は、50℃、60℃、特に80℃より上の最低ガラス転移温度を有する。
実施形態によれば、(硬化した)基板上のコーティング層は、GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)による300時間UV暴露後に少なくとも50%である残りの光沢を有する。
実施形態によれば、基板上の硬化したコーティング層は、GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)の試験手順による600時間UV暴露後に少なくとも50%、特に少なくとも85%の残りの光沢を有する。
実施形態によれば、基板上の(硬化した)コーティング層は、ISO 2813によって決められたEN ISO 16474-2による1000時間キセノン暴露後に少なくとも50%、特に少なくとも85%の残りの光沢を有する。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスが提供され、コーティング層適用デバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素を受け取るように構成され、コーティング層適用デバイスは、さらに基板にコーティング層を加えるように構成される。
更なる実施形態によれば、コーティング層適用デバイスが提供され、コーティング層適用デバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による現像剤のコーティング材料から生成されたコーティング層を含む転写要素を受け取るように構成され、コーティング層適用デバイスは、さらに基板にコーティング層を加えるように構成される。
実施形態によれば、層厚みは、ISO 2360により決められる。実施形態によれば、反射率測定値は、ISO 2813により決められる。実施形態によれば、クロスカット/グリッドテストは、ISO 2409により実行される。更なる実施形態によれば、圧入硬度は、ISO 2815により決められる。
実施形態によれば、電荷制御剤が用いられる。電荷制御剤は、好ましくはサリチル酸またはその誘導体、より好ましくは亜鉛とサリチル酸またはその誘導体である。電荷制御剤、特にサリチル酸またはその誘導体の存在により、特に被覆基板が屋外用途に用いられる場合、コーティング材料の安定性は大幅に増加する。コーティング材料の増加した安定性は、むしろ厳しい環境条件が優勢である場合、またはコーティング材料が機械的圧力に暴露される場合において、特に重大になる。
驚くべきことに、好ましくはサリチル酸またはその誘導体である電荷制御剤を用いることによって、ネットワーク構築は硬化処理中により一貫してよい。このようなより一貫したネットワークにより、特に高い解像度が、同時に等しく均一に分散されたカラートーンとともに達成されてよい。
驚くべきことに、高い色濃度印刷のために、最高の色濃度が、コーティング組成物における約1w-%の電荷制御剤の値で、特に1w-%よりも高い、好ましくは2w-%より高い値で達成されたことがわかった。
驚くべきことに、不均一に分散された粒子サイズを備える電荷制御剤を用いることは、より高い品質の印刷結果を得るために特に効果的である。
実施形態において、適切な量の電荷制御剤を含むコーティングは、機械的圧力に特に暴露される領域にのみ適用されてよい。例えば説明される印刷プロセスにより、例えば通常高い機械的圧力に暴露される機械または機械部品におけるハンドル、レールおよびトラック上のコーティングを選択的に提供することが可能である。従って、技術のさまざまに異なる分野における複数の基板構造のための表面コーティングが、効率的に提供され得る。
実施形態において、適切な量の電荷制御剤は、特に1から5w-%である。このような量の電荷制御剤により、一方で厳しい環境条件および/または機械的圧力に起因する歪み、変形および摩耗に耐性があり、他方で高い解像度である、最適な関連パラメータが達成されてよい。
異なって記載されるように、特に1から5w-%の量における電荷制御剤を提供することにより、最適な組成が、高い量および品質の印刷プロセスを確保するために、安定性のみでなく高い解像度もまた提供するために得られてよい。
いかなる理論にも縛られず、本発明者により、特にそれらの表面上にスパイクのような構造を有する電荷制御剤粒子の表面が、インデントプロセスによりコーティング材料の内接着に寄与することが想定される。このように内部でくぼんだコーティング材料は、より急なな角度の適用およびその結果として十分かつ明らかに画定される輪郭を備える最終コーティングのより良い解像度を可能にする。
特に望ましい例によれば、コーティング材料は、電荷制御剤およびシリカ材料、すなわち化学式SiO2を伴うシリコンの酸化物またはその誘導体を、特に1w-%から5w-%の量において含む。例において、電荷制御剤は、好ましくはサリチル酸またはその誘導体であり、コーティング材料の粒子サイズは、5μmから15μmの間であり、コーティング粒子の真球度は、0.8より上である。さらに、例において、シリカ材料は、1nmから50nmの範囲における直径を有する。さらに、例において、好ましくは電荷制御剤の直径の選択は、1μmから20μmの範囲にある。
実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、0.5μmから5μmの間のd10、および/または5μmから50μmの間のd90を呈す。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、0.5μmから3μmの間のd10、および/または5μmから25μmの間のd90を呈す。更なる実施形態によれば、電荷制御剤の粒子サイズ分布は、2μm未満のd10、および/または10μm未満のd90を呈す。
実施形態によれば、コーティング材料は、特に架橋により少なくとも部分的に硬化性である。加熱システムの大きい接触圧は、印刷された画像の変形および歪みという結果になるかもしれないので、コーティング材料(コーティング層)上へ適用される接触圧の減少は、本願で説明されるようなコーティングにとって特に有利でよい。印刷された画像のこのような変形および歪みは、印刷された画像の解像度を著しく悪化させるかもしれず、回避されるべきである。
従って、少なくとも部分的に硬化性であり、特に架橋を形成することが可能な少なくとも1つの成分を含むコーティング材料は、印刷された画像の向上した解像度を実現するために望ましい。
それに応じて、本明細書で開示された発明において説明される印刷プロセスにより基板上にコーティング材料を形成するプロセスは、実施形態において、硬化ステップを含み、それは非熱硬化ステップ(例えば光誘起硬化ステップ)または熱誘起硬化ステップであり得、それによって、少なくとも部分的に硬化性であるコーティング材料は、特に架橋を形成することが可能な少なくとも1つの成分による架橋の形成により、硬化する。
更なる実施形態によれば、ノンインパクト印刷デバイスは、複数のコーティング層、すなわち、少なくとも1つの第1コーティング層上に、および/またはそれに隣接して配置される少なくとも1つの第2コーティング層を加えることによって表面構造を生成するために構成され、および用いられてよい。複数のコーティング層が続いて適用される。実施形態によれば、複数のコーティング層の少なくとも1つのコーティング層は、好ましくは光源、好ましくはUV光を用いることによる予備硬化プロセスにさらされる。少なくとも1つの予備硬化ステップとの組み合わせにおいて複数のコーティング層を加えることにより、層が制御されおよび精密な手法において適用され得るので、解像度の向上が達成され得る。
第8章
実施形態によれば、NIPによりコーティング層を生成するように構成されるコーティング材料が提供され、コーティング材料は、以下を含む:少なくとも1つの少なくとも部分的に覆われるエフェクト顔料を含む少なくとも1つのエフェクト粒子であって、エフェクト顔料は、硬化性ポリママトリクスにより、少なくとも部分的に覆われる。実施形態によれば、ポリママトリクスは透明である。
さらに、実施形態によれば、コーティング材料は硬化性であり、特に熱硬化性および/または放射線硬化性であり、さらに特に少なくとも部分的に熱硬化性および/または少なくとも部分的に放射線硬化性である。
さらに、実施形態によれば、硬化性ポリママトリクスは、熱硬化性および/または放射線硬化性である。さらに、実施形態によれば、硬化性ポリママトリクスは、少なくとも部分的に熱硬化性および/または少なくとも部分的に放射線硬化性である。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、硬化剤、特に硬化性ポリママトリクスの少なくとも1つの成分と架橋することが可能な硬化剤をさらに含む。
実施形態によれば、コーティング材料は、複数の粒子の形で提供され、複数の粒子の平均粒径は、5μmから100μmの間、特に5μmから50μmの間、さらに特に7μmから60μmの間、さらに特に7μmから70μmの間、さらに特に7μmから20μmの間、さらに特に7μmから50μmの間である。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、樹脂を含み、樹脂は、硬化性樹脂成分を含み、少なくとも1つのエフェクト粒子は、コーティング材料の第1材料部分の少なくとも一部であり、樹脂は、コーティング材料の第2材料部分の一部である。
実施形態によれば、硬化性樹脂成分は、少なくとも部分的に熱硬化性および/または樹脂成分の官能基と反応できる架橋剤により少なくとも部分的に硬化性であり、さらに特に樹脂は、非晶性樹脂部分を含む。
実施形態によれば、第1材料部分および第2材料部分は、互いに混合される。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、50%から99%の第2材料部分に対して1%から50%の第1材料部分の質量比で第1材料部分および第2材料部分を含む。
定義として、第1材料部分の百分率および第2材料部分の百分率は付加して100%になる。例えば、質量比は、90%の第2材料部分に対して10%の第1材料部分であり得る。実施形態によれば、エフェクト顔料は、金属エフェクト顔料である。
更なる実施形態によれば、エフェクト顔料は、真珠光沢顔料および/または干渉顔料である。
実施形態によれば、第2および/または第1材料部分は、電荷制御剤および/またはシリカおよび/または二酸化チタンをさらに含み、シリカおよび/または二酸化チタンは、1nmから150nmの間の平均粒径を有する。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を生成する方法が提供され、方法は、以下を含む:硬化性ポリママトリクスを軟化させるように硬化性ポリママトリクスを加熱すること、および、少なくとも1つのエフェクト顔料を軟化した硬化性ポリママトリクス中に追加すること。
実施形態によれば、少なくとも1つのエフェクト顔料は、押出処理中に少なくとも1つのサイドフィーダを介して軟化した硬化性ポリママトリクスに付加される、および/または、軟化した硬化性ポリママトリクスを追加し、およびその中にエフェクト顔料を拡散させた後のエフェクト顔料の平均直径は、軟化した硬化性ポリママトリクスへの付加の前のエフェクト顔料の平均直径の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%である。実施形態によれば、サイドフィーダは、任意の種類の添加剤をコーティング材料に追加するために用いられてよい。
押出処理において(すなわち押出機において)エフェクト顔料を硬化性ポリママトリクス(例えば透明硬化性ポリママトリクス)で覆った後に、押出物は、所望の粒子サイズ分布を得るために切断され、研磨され(好ましくは噴流粉砕され)、および/または分級される。
実施形態によれば、エフェクト粒子は、カートリッジに提供され、および次にノンインパクト印刷によって印刷されるコーティング材料の一部である。更なる実施形態によれば、任意の他のコーティング材料(例えばカラーコーティング材料(例えばCMYK))は、分離したカートリッジに配置される。
従って、実施形態において、エフェクト粒子は、第2材料部分(例えばカラートナー)を含まないが分離したカートリッジに提供される第1コーティング材料の一部であり、次にノンインパクト印刷により印刷される。更なる実施形態によれば、任意の他のコーティング材料(例えばカラーコーティング材料(例えばCMYK)は、分離したカートリッジに配置される。実施形態によれば、印刷の順序は、第2(例えばカラー)コーティング材料、次に上部に第1コーティング材料(エフェクト粒子)またはその逆、または第2(例えばカラー)コーティング材料の2以上の層の間のある場所にエフェクト粒子である。
実施形態によれば、コーティング材料のセットが提供され、コーティング材料のセットの各コーティング材料は、ノンインパクト印刷によりコーティング層を生成するように構成され、コーティング材料のセットは、(少なくとも)以下を含む:少なくとも1つの少なくとも部分的に覆われるエフェクト顔料を含む、少なくとも1つのエフェクト粒子を含む第1コーティング材料であって、エフェクト顔料は、硬化性ポリママトリクスにより、少なくとも部分的に覆われ、ポリママトリクスは、好ましくは透明であり、樹脂を含む第2コーティング材料であって、樹脂は、硬化性樹脂成分を含み、特に硬化性樹脂成分は、少なくとも部分的に熱硬化性および/または少なくとも部分的に放射線硬化性であり、および/または樹脂成分の官能基と反応できる架橋剤により少なくとも部分的に硬化性であり、さらに特に樹脂は、非晶性樹脂部分を含む。
実施形態によれば、第1コーティング材料および第2コーティング材料は、(例えば印刷および/または硬化に関して)互いに適合され、それによりそれらは、互いに直接接触して印刷され得る。従って、実施形態によれば、層パッケージにおいて第1コーティング材料から生成される第1コーティング層および第2コーティング材料から生成される第2コーティング層は、互いに接触している。実施形態によれば、コーティング材料のセットは、1または複数の第1コーティング材料および1または複数の第2コーティング材料を含む。
例えば、実施形態において、CYMKシステムのような4つの第2コーティング材料が提供される。実施形態によれば、適合性は、第1コーティング材料の官能基が、硬化すると第2コーティング材料の官能基と反応し得るので達成される。
実施形態によれば、第2コーティング材料は、本明細書に説明される第2材料部分として構成されてよい。更なる実施形態によれば、第2コーティング材料は、本明細書に説明されるコーティング材料の1つまたは実施形態のいずれかにより構成されてよい。
実施形態によれば、本明細書で開示される発明の実施形態により、2Kシステム(エフェクト粒子+キャリア)が提供されてよい。実施形態によれば、最後の層(例えば透明チャネルを備える)は、エフェクト顔料の透明マトリクスにより達成され得る。
実施形態によれば、方法は、付加される少なくとも1つのエフェクト顔料ととに硬化性ポリママトリクスから複数のエフェクト粒子を形成することをさらに含む。更なる実施形態によれば、方法は、特にポリママトリクスの粘性流の開始により、および/または追加コーティングにより、硬化性ポリママトリクスを備えるエフェクト顔料のカバレッジを向上させるようにエフェクト粒子の後処理をさらに含む。
実施形態によれば、方法は第2材料部分を第1材料部分に追加することをさらに含む。更なる実施形態によれば、方法は、第2材料部分を第1材料部分に追加する前に、硬化性ポリママトリクスを少なくとも部分的に硬化させることをさらに含む。
実施形態によれば、方法は、特に混合後のエフェクト粒子の平均粒子サイズが混合前のエフェクト粒子の平均粒子サイズの70%から100%の範囲にあるように、特に80%から90%の範囲にあるように、第2材料部分および第1材料部分を混合することを含む。混合に起因する平均粒子サイズの緩和された減少は、穏やかな混合を実現するように適切な混合パラメータを選択することにより達成されてよい。
実施形態によれば、コーティング層、特に本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料から生成されるコーティング層が提供され、コーティング材料は、少なくとも1つのエフェクト粒子を含む。更なる実施形態によれば、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料を生成する方法により生成されるコーティング層が提供される。
実施形態によれば、硬化性ポリママトリクスから形成される少なくとも1つの溝は、コーティングの表面と、少なくとも1つのエフェクト顔料のうちのエフェクト顔料との間に延在し、特に硬化性ポリママトリクスは透明である。実施形態によれば、少なくとも1つの溝の硬化性ポリママトリクスは、透明である。
実施形態によれば、少なくとも1つの層を含む層パッケージを含む基板が提供され、少なくとも1つのコーティング層の少なくとも1つは、少なくとも1つのエフェクト粒子を含むコーティング層であり、特にコーティング層は、硬化している。
実施形態によれば、少なくとも1つの層を含む層パッケージを含む転写要素が提供され、少なくとも1つのコーティング層の少なくとも1つは、少なくとも1つのエフェクト粒子を含む(1または複数の実施形態による)コーティング層である。実施形態によれば、転写要素上のコーティング層は、部分的に硬化されてよく、または粘性流にさらされたものである。
実施形態によれば、コーティング層のNIPのための少なくとも1つのエフェクト粒子を含むコーティング材料の使用が提供される。
実施形態によれば、特に基板上への、特にプレコート基板上へのコーティング層の直接NIPのために、少なくとも1つのエフェクト粒子を含むコーティング材料の使用が提供される。
更なる実施形態によれば、基板、特にプレコート基板にコーティング層を移すために構成される転写要素上へのコーティング層の間接NIPのための、少なくとも1つのエフェクト粒子を含むコーティング材料の使用が提供される。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を処理するように構成される処理デバイスが提供され、処理デバイスは、特に以下、コーティング材料を印刷するように構成されるNIPデバイスであって、これによりコーティング層を生成する、基板へのコーティング層の適用の前にコーティング層を処理するように構成される前処理デバイス、転写要素から基板に、転写要素上に印刷されたコーティング層を加えるためのコーティング層適用デバイス、基板に適用されるコーティング層を硬化するための硬化デバイスの少なくとも1つを含み、NIPデバイス、前処理デバイス、コーティング層適用デバイス、および硬化デバイスの1または複数は、同一の位置に配置され、および/または、NIPデバイス、前処理デバイス、コーティング層適用デバイス、および硬化デバイスの1または複数は、異なる位置に配置される。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を処理する方法が提供され、方法は、特に以下、コーティング材料を印刷する段階であって、これによりコーティング層を生成する、基板へのコーティング層の適用の前にコーティング層を処理する段階、転写要素から基板に、転写要素上に印刷されたコーティング層を加える段階、基板に適用されるコーティング層を硬化させる段階、の少なくとも1つを含む。
実施形態によれば、NIPデバイスのための容器、特にカートリッジが提供され、容器は、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態によるコーティング材料を含む。
本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料は、電子写真法のために提供されてよく、従って(従来のトナーとは異なるが)トナーと称されてよい。さらに、いくつかの実施形態はトナーを参照するが、これらの実施形態もまた、一般に本明細書で開示された発明によるコーティング材料に適用可能である。
実施形態は、少なくとも1つのエフェクト粒子により特徴付けられるエフェクトトナーに関連し、そこで少なくとも1つのエフェクト粒子は、硬化性ポリママトリクスA、好ましくは透明であるポリママトリクスAにより少なくとも部分的に覆われる。
特にトナーは、透明ポリマAマトリクスの少なくとも1つの成分と架橋し得る硬化剤を含み、および/またはトナーは、5-100μmの間、特に5から50μmの間、特に7から20μmの間の平均粒径を有する。実施形態は、(i)少なくとも1つのベーストナーBおよびエフェクト顔料を有する少なくとも1つのエフェクトトナーAを含むトナー、(ii)透明トナーの溶融におけるエフェクト顔料のエフェクト顔料維持分散による、例えば、穏やかな押出による、このタイプのエフェクトトナーの生成、及び、(iii)本明細書で開示された発明の実施形態によるトナーにより提供され得るエフェクトコーティングに関連する。
金属効果を備えるトナーは、エフェクト顔料がしばしば伝導性であり、そのため印刷機における帯電特性が負の影響を受けるという事実に基づいて生成および使用が難しいため、あまり広くは用いられない。以下の文献は、従来のトナーの側面を説明する:US9383669B2、WO2013166139Å1、US20160216623Å1、US9323169B2。
しかしながら、産業上の応用の厳しい環境条件に耐え得る印刷と共に高品質印刷の必要をカバーするように用いられ得る工業的なエフェクトトナー印刷の解決手段は、今までに知られていない。これらの条件は以下、1)高い耐候性/高いUV耐性2)摩耗に対する耐性3)高い化学的安定性4)機械的強度および/または柔軟性 5)スチール、ガラス、セラミック、木、MDFまたはプラスチックのような産業用基板への接着
を含み得る。
本明細書で開示された発明の実施形態は、これら条件の1または複数を満たすことを可能にする。
印刷分野における使用のためのエフェクトトナーは、特に暗い基本色調のために特に効果的である際立った効果(輝く効果として称される)により特徴付けられるべきである。より明るく、鮮やかなエフェクト顔料と、暗い基本色との間の高いコントラストに起因して、何よりも完成したオブジェクト上のエフェクト濃度のわずかな差は、特に印刷がより大きな領域上で行われ、複数の印刷された部分がエンドツーエンドの手法で整列された場合、非常に容易に認識される。さらに、金属顔料または金属顔料を含むパウダーの使用のために、取り扱い中の防爆に対してより注意を払わなければならない。現在既知の金属トナーシステムは、これらの要件を十分には満たさず、そのため、市場は、このギャップを埋め得る解決手段を必要とする。
驚くべきことに、金属効果を伴う産業上の応用のためのトナーが、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料で達成され得ることがわかった。このトナーシステムの実施形態は、下で説明される適切樹脂システムを備える建築用途のためにすら用いられ得る。しかしながら、いくつかの用途のために、追加のトップコートがそのために提案されるかもしれない。適切な実施形態は、材料が50μm未満、好ましくは20μm未満および最も好ましくは10μm未満の直径を備えるエフェクト顔料を含む場合に与えられる。エフェクト顔料は、公知の先端技術から選択され得る。実施形態による金属/エフェクトトナーの特別な実施形態は、エフェクト顔料の表面の50%より多く、好ましくは75%より多くおよび最も好ましくは90%より多くが、導電性でない、または金属エフェクト顔料に比べて高いオーム抵抗を少なくとも有する硬化性材料で覆われる場合に与えられる。
硬化性材料は、樹脂と反応する硬化剤を特に含み、および/または好ましくは少なくとも部分的に透明である。ここで驚くべきことに、エフェクト品質ならびに印刷安定性および印刷品質における非常に良好な特性および環境に対する耐久性もまた、与えられた。このようなマトリクスはまた、UV光または電子ビームのような放射を介して硬化性であり得る。しかしながら、多くの産業上の応用のために、純粋に放射を介した印刷の硬化は、特に市場における工業用オーブンの現在の設計では、大きく複雑な基板が印刷されなければならず、従って放射のアクセス可能性が制限されるという事実に基づいて著しく潜在的用途を制限する。
本明細書において示される実施形態は、これらの必要をカバーする解決手段を提供する。本実施形態はさらに、輝く効果を伴うこのようなトナー材料を生成するのに費用効果の高い方法を提供する。
驚くべきことに、良好な印刷特性を備えるエフェクトトナーは、エフェクト顔料が少なくとも部分的に透明なコーティングで少なくとも部分的に被覆される場合、生成され得ることが認識された。次にこの被覆される顔料は、(例えば乾式混合または任意の他の適切な方法により)カラートナーマトリクスと混合され得、および金属効果とともに鮮やかな色のトナーを与え得る。さらに、さらにより驚くべきことに、少なくとも部分的に透明なコーティングが硬化性であり、さらにカラートナーマトリクスもまた硬化性である場合、コーティングが産業上の応用に耐え得ることが認識された。最も好ましくは、エフェクト顔料上の硬化性透明コーティングならびにトナーの硬化性マトリクスはまた、特に硬化剤で熱硬化性である。驚くべきことに、パウダーコーティングに基づく配合が(例えば電荷制御剤および/またはシリカを追加することにより)トナー用途に調整される場合、産業上の応用のためのパウダーコーティングの非常に優れた特性を伴う金属トナーの適切な帯電特性が、マージされ得る。ことが認識された。
驚くべきことに、エフェクト顔料上の硬化性透明コーティングの使用により、透明チャネルが、エフェクト顔料から最終硬化プリント層の表面まで形成され得、印刷の向上した金属効果につながることが認識された。
驚くべきことに、エフェクト顔料が、好ましくはエフェクト顔料の混合による少なくとも部分的に透明なマトリクス、および、好ましくは押出による少なくとも部分的に透明なマトリクスで覆われた場合、特に、サイドフィーダが少なくとも部分的に透明なマトリクスにエフェクト顔料を付加するために用いられ、サイドフィーダが低いせん断力でエフェクト顔料を追加することを可能にする場合、エフェクト顔料が非常に良好な効果につながることが認識された。
目的は、静電、電子写真および3D印刷を含む印刷分野における使用のための独自のおよび鮮やかなエフェクトトナーの生成とみなされてよく、実施形態によるエフェクトトナーの外観および/またはエフェクト顕現は、印刷プロセスにより影響を受けないか、またはわずかに影響を受けるのみである。
これらの完全にプロセス信頼性があり顕著な金属効果は、特別な奥行き感を有し、および非常に耐候性のシステムにおける使用のための実施形態において適切ですらある。さらに、本実施形態は、グランド予混合物における実施形態により生成されるエフェクト顔料を含有する、このタイプのトナーに関連する。
驚くべきことに、エフェクトトナーのベースを形成する追加のトナーとの、少なくとも1つの透明硬化性マトリクスの溶融において分散されされるエフェクト顔料を含むグランド予混合物の組み合わせは、エフェクト顔料上に発生するせん断力を低く保つので、エフェクト顔料の大部分は粒子サイズにおけるいずれの重大な減少も経験しないことが認識された。
等しく驚くべきことに、透明硬化性マトリクスでの金属顔料の少なくとも部分的な包囲は、印刷プロセス中のトナーの電荷挙動上の伝導性顔料の負の効果を大幅に減少させることが認識された。
特に驚くべきことに、ベーストナーとの少なくとも熱硬化性マトリクスにおける金属顔料の組み合わせは、印刷プロセスにおいて耐候性コーティングを生成するのに適切であること、および、トナーおよびマトリクスは、工業規格(例えばAAMA、GSB、等)によるUV耐性および耐候性のための対応する要件を満足することが実施形態において認識された。
この場合、(例えば電荷制御剤および/またはシリカを追加することによる)パウダーコーティングに基づくトナー配合の使用とともに、トナーの電荷特性を工業用パウダーコーティングのコーティング特性と組み合わせることが可能である。このタイプのエフェクトトナーは、以下の点の少なくとも1つにより特徴付けられる:・幅広く異なる印刷パラメータの下での高いプロセス安定性
・特に高い奥行き感、鮮やかなエフェクトおよび具体的にエフェクトの視野角からの独立により特徴付けられる、顕著な金属効果。さらに、実施形態による金属トナーで印刷される基板は、領域に渡って大幅により少ない色の変動を示す。
・好ましくは透明硬化性マトリクスでの金属顔料の少なくとも部分的な包囲は、印刷プロセス中の金属トナーの電荷挙動を向上させるので、向上した印刷特性。・高い耐候性/高いUV耐性 ・摩耗に対する耐性・高い化学的安定性 ・機械的強度および/または柔軟性 ・スチール、ガラス、セラミック、木、MDFまたはプラスチックのような産業用基板への接着
実施形態によれば、上で説明される目的は、少なくとも1つのベーストナーBおよびエフェクト顔料を有する少なくとも1つのエフェクトトナーAを含むトナーにより達成され、エフェクトトナーAにおけるエフェクト顔料は、少なくとも部分的に透明な硬化性トナーマトリクスにより少なくとも部分的に包まれる。これによりエフェクト顔料は、少なくとも部分的に透明で、大部分が無色のトナーマトリクスの溶融において分散され得る。樹脂および硬化剤および/または(UVおよび/または熱開始剤のような)開始剤および/または硬化触媒および(例えば帯電性を設定するための)必要な添加剤でのみ主に構成されるトナー組成は、典型的には透明および大部分が無色のマトリクスとして用いられる。硬化マトリクスは、高い透明性を示す。実施形態の範囲内で、15μmの硬化膜層の厚さで、コーティング層またはその下に配置される基板を検出するのに十分な透明性をまだ有する透明マトリクスが、好ましくは用いられる。
エフェクト顔料は、種々の態様によりトナーAのバインダマトリクスに組み込まれ得る。例えば、押出が可能である。特別な実施形態が後に示される:
このようにして生成されるトナーにおけるエフェクト顔料の分散(混合または押出)中の過剰に強いせん断応力は、典型的にはエフェクト顔料が損傷を受け、および所望の効果をもはや実現せず、または少なくとも強く減少した効果を実現すること引き起こす。さらに、上で説明されるより乏しいプロセス特性のような他の欠点もまた結果となる。
驚くべきことに、融解透明硬化可能トナー中へのエフェクト顔料の低せん断導入は、透明トナーのポリママトリクスにおけるエフェクト顔料の非常に適切な分散/ホモジナイゼーションを可能にすることが示された。
特に驚くべきことに、この場合、発見されたことは、まったく逆に、少なくとも2つのトナーAおよびBを含有するトナーを備えて、ここでトナーAは少なくとも部分的に透明なトナーマトリクスにより少なくとも部分的に囲まれるエフェクト顔料を含み、およびトナーBは、カラーベーストナーであり、本明細書に説明されるように透明でなく、(混濁と称されるものがない)印刷される基板の均一色およびエフェクト印象のような傑出したエフェクト特性、および何よりも、視野角から実質的に独立したエフェクト外観が生じることである。
本発明者の意見において、理論に縛られることなく、観察されおよび測定された効果は、実施形態によるトナーでチャネルが、透明トナーで構成されるトナー層において形成することで説明され得る。そのため、表面上ではなくむしろコーティングの内部においてのみであるそれらの顔料ですら、観察者にとって可視となり得る。この効果は、一方では視野角からの独立という結果になり、また実施形態によるトナーの光学的に感知できる3D効果または奥行き感という結果にもなる。
トナーの実施形態において、生成中のエフェクトトナーAにおいてエフェクト顔料上で発生するせん断力は小さいため、エフェクト顔料の大部分は、粒子サイズにおけるいずれの重大な減少も経験しない。これは、例えば、透明トナーが例えば加熱され撹拌された反応器において溶解され、または少なくとも軟化され、および少なくとも1つのエフェクト顔料が軟化したポリママトリクス(例えば溶融)中に撹拌されることにおいて、技術的に達成され得、冷却後に研削によりこの混合物から生成されるエフェクトトナーAは、次に不透明の、好ましくはカラーベーストナーBと混合される。他の技術的実施形態もまた、実施形態の範囲内で考えられる。1つの好ましい実施形態は、少なくとも1つのエフェクト顔料が押出処理中に少なくとも1つのサイドフィーダを介して透明の軟化したポリママトリクス(例えばトナー溶融)に付加されることから成り、冷却後に研削により少なくとも1つのエフェクト顔料を含むこのポリママトリクス(例えばトナー溶融)から生成されるエフェクトトナーA(エフェクト粒子/第1材料部分)は、続いてベーストナーB(第2材料部分)と混合され、これにより、本明細書で開示された発明の実施形態により用いられ得るコーティング材料が結果として生じる。 "サイドフィーダ"という用語は、押出機処理部における、直接的な押出機の開始(バレル1における予混合物フィード)でのとは異なる位置での物質(典型的には先行技術による添加剤またはエフェクト顔料、例えば、押出機製造業者Leistritz Extrusionstechnik GmbH(ドイツ)からの情報材料"Master_V_07_GB/17.09.13 Masterbatch"を参照)の付加を意味する。
サイドフィーダを用いることにより、エフェクト顔料は、押出機中へ横方向に力で供給され、および透明トナー予混合物に対する定義された比で、軟化したポリママトリクス(例えば溶融)中へ導入される。押出機において顔料上に動作するせん断力は、処理部および用いられるねじ構成に沿ってサイドフィーダの位置により影響を与えられ得る。押出機内の低いせん断力は、エフェクト顔料の低い破壊により特徴付けられる。
押出機溶融を混合しまたは運ぶためにのみ用いられるねじ要素の使用を通して、同時に十分なホモジナイゼーション/分散を伴う実施形態により提供される量へのせん断力の減少が可能である。
何よりも、サイドフィーダを介する押出機の後部における、好ましくは処理部の最後の3番目における(例えば最後から2番目のハウジングにおける)付加は、特に有利であると判明した。顔料の追加点から始めて、せん断力は特別なねじ構成、例えば搬送要素の排他的な使用により、可能な限り小さく保たれ、これにより、1または複数の顔料は、小さな程度で消失するか損傷を受けるのみである。
これまで説明されたように、透明エフェクトトナーAは、押出処理中に続いて透明に硬化するトナーの軟化したポリママトリクス(例えば溶融)中に少なくとも1つのサイドフィーダにより少なくとも1つのエフェクト顔料を追加することにより、および冷却したポリママトリクス(冷却した溶融)を研削することにより、実施形態によるトナーのために生成され得、エフェクトトナーAは次に、例えば乾式混合または別の適切な方法により、本明細書で開示される実施形態による、ベーストナーと称される少なくとも1つの追加トナーBと混合される。組み合わせられる研削プロセスにおいて他のトナーBの押出チップとの、実施形態によるエフェクトトナーAからの押出チップのジョイント研削もまた、可能である。ベーストナーBはこれにより、いずれのエフェクト顔料も含まない単色トナー、またはエフェクト含有トナーであり得る。
これまで上で説明されたとおり、エフェクトトナーは、サイドフィーダを介して少なくとも部分的に透明な、軟化したトナー材料に(例えば、少なくとも部分的に透明なトナー溶融に)エフェクト顔料を追加することにより、押出機において生成され得る。サイドフィーダ自体は、処理部の最後の3番目に配置される。サイドフィーダの追加点の後、小さなせん断力のみが押出機シャフトを介して導入される。
押出の後、エフェクトトナーは冷間圧延され、切断され、研削されおよび分級される。実施形態によるトナーは、透明エフェクトトナーAおよびベーストナーBを含む未処理材料を用意し、および計量すること、続けてプレミックスし、押出または混合し、冷間圧延し、切断し、研削し、および分級することにより生成され得る。
本発明の好ましい実施形態において、実施形態によるトナーは、50%-99%のベーストナーBに対する1%-50%のエフェクトトナーA、特に好ましくは70%-95%のベーストナーBに対する5%-30%のエフェクトトナーAの質量比で、ベーストナーBと混合されるエフェクトトナーAを含む。実施形態によるトナーの生成は、乾式混合と称されるものにより生じ得る。
軟化した(または溶融)相または他の適切な方法におけるベーストナーBとのエフェクトトナーAの混合もまた、実施形態の範囲内で可能である。
押出機として、単一またはダブルシャフト押出機のような市場で利用可能な一般に全タイプが、実施形態の範囲内のサイドフィーダとともに用いられ得る。ねじ構成、トルクおよびスループットのような、この目的のために設定されるパラメータは、せん断力がサイドフィーダを介してエフェクト顔料の追加位置から始めて適切に低く保たれる場合、用いられるトナーシステムおよび設定されるトナー特性に応じてフレキシブルに設計され得る。本明細書で、市場で商業的に利用可能な試験される押出機タイプと押出機の後ろの3番目におけるエフェクト顔料を混ぜるためのサイドフィーダのポジショニングは、成功裏に判明した。この点について明確にするために、もちろん、1または複数のサイドフィーダを介してトナーにエフェクト顔料以外の材料(例えば、添加剤)を供給することもまた可能であることが留意されるべきである。
重大なせん断力なしに軟化したポリママトリクス中への(または溶融相中への)混合もまた可能にする別の実施形態もまた、当然実施形態の範囲内にある。
この方法は、非常に明らかに可視の輝く効果を呈すトナーの実施形態によるトナー生成を特に成功裏に示した。このタイプの効果は、暗い基本色相のシルバーダラーとして称されるものの形状においてD50>=35μmでアルミニウムエフェクト顔料を混合することにより特に生成され得る。シルバーダラー顔料は、サイズ分級による特別なアルミニウム砂および研削から生成される。このようにして、それらの丸から楕円の形状および平滑面により特徴付けられる顔料が形成される。これら顔料は、通常非常に高い程度の輝きを呈し、すなわち、光は、ほとんどばらまかれず、および顔料によってより強く反射される。エフェクト顔料(光、シルバー)と基本色相との間のコントラストが高くなるにつれ、これらのエフェクトカラーを生成し、およびエンドユーザでこれらを処理するのがより難しくなる。しかしながら、さらにこれを言えば、印刷デバイスに応じて、(例えば高い解像度印刷のためのより小さい、高い触覚効果を備える印刷のたのより大きい)異なる粒子サイズを備える最終印刷の別の実施形態の必要な解像度もまた、実施形態の範囲にあることが言及されるべきである。
実施形態によるトナー(コーティング材料)でコーティングするための具体的な基板は、特に前処理されおよび/または洗浄され/脱脂されたアルミニウム合金、またはスチールおよびその合金である。制限なく他の適切な産業用基板は、MDF、木、粒子ボード、ガラス、セラミックまたはポリマであり得る。コーティング材料/トナー:
実施形態によるトナーのための潜在的な結合剤は、飽和および不飽和システムを含む。とりわけ後者は、過酸化物のようなUVおよび/または熱開始剤によりラジカルに架橋され得る。
これらの結合剤の中で、具体的に飽和ポリエステルが最も大きな役割を果たす。2以上の機能を有するカルボキシル官能性ポリエステル樹脂が、本明細書で例として指される。これらは、ポリエステルのカルボキシルまたはOH基のような官能基と反応する一方で、共有結合を生成することが可能である有機化合物と架橋され得、および必要な場合、一般的な顔料、充填材および添加剤がこれに付加され得る。
しかしながら、驚くべきことに、充填材および添加剤(特にフロー添加剤)なしに、場合によりより良い印刷性能ですら与えられたことがわかった。以下では、実施形態による制限なしにいくつかの潜在的な実施形態のために説明が付加される。
別の実施形態は、硬化性の、好ましくは透明なポリママトリクスにより少なくとも部分的に覆われるトナー粒子の後処理の追加の段階を含む。この段階は、硬化性の、好ましくは透明なポリママトリクスにより覆されていないエフェクト顔料の表面を減少させ、または完全に防止するために行われる。この段階は、覆われていない表面に渡るポリママトリクスの粘性流、および/または例えばスプレー(場合によっては液体、またはガスまたは蒸気または化学堆積ですら)を介したその後の追加コーティングを可能にするための、例えば熱処理であり得る。
実施形態において、マトリクスがそのエフェクト顔料を少なくとも部分的に覆う硬化性ポリママトリクスは、少なくとも部分的に硬化し得、処理、コーティングおよび/または硬化中にその後のマトリクスのフローをさらに減少させる。
カルボキシル官能性ポリエステル樹脂の硬化剤として、両方のトリグリシジルイソシアヌレート(=TGIC)およびとりわけPrimidR XL-552(=ビス[N,N'-ジ-(β-ヒドロキシエチル)]-アジパミド)またはPrimidR QM-1260(=ビス[N,N'-ジ-(β-ヒドロキシプロピル)]-アジパミド)のようなβ-ヒドロキシアルキルアミドのような一般的な代替物、両方のEMS化学物質が、耐候性コーティングの生成のために適切である。これらの(プリミド)硬化剤の特別な特徴は、現在の知識体系によるそれらの毒物学的無害である。
カルボキシル官能性ポリエステル樹脂にとって硬化剤としてのTGICのような他の可能な代替物は、例えば、芳香族または脂環式ジカルボン酸のグリシジルエステルであり、類似する化学構造の適切に商業的に利用可能な硬化剤は、例えば、CIBA Spezialitatenchemie GmbHからのAralditR PT 910(テレフタル酸ジグリシジルエステル/トリメリット酸トリグリシジルエステル、およそ75:25)である。
AralditR PT 910における三官能性トリメリット酸エステルの存在は、純粋なジグリシジルエステルと比較して硬化したコーティングの架橋密度にとって有利にみなされ得る。しかしながら、当該分野において既知のカルボキシル官能性ポリエステル樹脂のための他の硬化剤もまた、本明細書で開示された発明の範囲内にある。
ポリエポキシドおよび/またはβ-ヒドロキシアルキルアミドで硬化される耐候性パウダーコーティングの生成のためのポリエステル樹脂は、とりわけ典型的には15から70mgKOH/gポリエステルの範囲における酸価および10mgKOH/gポリエステル以下のヒドロキシル価を有する。
これらは、テレフタル酸およびイソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸の単位で実質的に構成され、それに加えて、アジピン酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸などのおそらく少量の脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸が用いられ、および少量の直鎖および/または脂環式ジオールに加えて脂肪族ジオール、すなわち好ましくはネオペンチルグリコールのような分岐型脂肪族ジオールが用いられる。その内部エステル(=ラクトン)のようなヒドロキシカルボン酸またはその機能的誘導体の追加使用もまた可能である。二量体および三量体の脂肪族酸の使用を通した樹脂のこのタイプの修正もまた知られている。さらに、少量の三官能性または多官能性およびおそらく単官能性化合物は、用いられ得る。
他の潜在的な硬化性トナーバインダ材料は、エポキシ、ハイブリッド(2以上の異なるバインダシステムの組み合わせ、例えば、この用語は、しばしば互いに反応し得るエポキシ樹脂およびポリエステル樹脂の組み合わせのために用いられ、従ってエポキシは、ポリエステルのために架橋剤のように作用する)、ウレタンまたはウレタン構築システムであり、アクリレートは、用いられ得る実施形態による追加の選択肢として単に説明される。
特別な実施形態において、好ましくは1-20μmの間、より好ましくは2-10μmの間の平均粒子サイズを備えるいわゆるリーフィング顔料および/または小エフェクト顔料は、トナーを提供するために、少なくとも1つの硬化性樹脂、特に透明樹脂を含むマトリクスにおいて混合されるために用いられる。このトナー材料は、印刷され得、およびその後に追加の、少なくとも部分的に透明なトップコートにより被覆され得、これによりこのトップコートは、NIPにより(特にデジタル印刷により)、または液体コーティングおよび/またはパウダーコーティングのような従来のコーティング手段のいずれかにより、適用され得る。トナー用エフェクト顔料:
実施形態によるトナーのために、主に2つのタイプの顔料、すなわちアルミニウム顔料および雲母顔料が、エフェクト顔料として用いられる。真鍮顔料および銅顔料もまた用いられ得る。しかしながら、他のエフェクト顔料もまた意図される。 エフェクト顔料は、金属エフェクト顔料および特殊エフェクト顔料に類別され得る。
金属エフェクト顔料のために、金属の、特にアルミニウムのプレートレットが用いられる。光は、金属表面により反射され、金属効果としてビューアにより感知される。
重要な金属エフェクト顔料は、アルミニウム、ブロンズおよび銅プレートレットである。真珠光沢顔料および干渉顔料は、特殊エフェクト顔料という用語の下に共にグループ化される。真珠光沢顔料は、高い屈折率を伴う透明プレートレットで構成されるエフェクト顔料である。それらは、複数の反射を通して真珠のような効果を生成する。干渉顔料は、その色効果が完全にまたは大部分干渉によるエフェクト顔料である。干渉顔料は、透明または非透明プレートレットに基づき得る。産業においてほとんど一般に用いられるのは、金属酸化物被覆雲母顔料であり、コーティングのタイプおよび厚さに応じて、真珠光沢顔料または干渉顔料に属し得る。最も重要な干渉顔料は、プレートレット/薄片状二酸化チタン、プレートレット/薄片状有機顔料、金属酸化物雲母顔料、アルミニウム酸化薄片、CaAlホウケイ酸塩薄片、二酸化ケイ素薄片、金属酸化物被覆金属プレートレットまたは多層顔料である。これらの顔料の多数もまた、続いて金属酸化物(例えば、二酸化チタン)で被覆される。そのため色効果は、酸化層厚みに応じて影響を受け得る。そのための商業上の名前は、Iriodin(登録商標)、Miraval(登録商標)またはColorstream(登録商標)である。
天然雲母に基づく顔料は、通常、研削、分別、洗浄および再コーティング、乾燥、および焼成により、自然に発生する白雲母から生成される。
顔料の効果は、金属エフェクト顔料のための指向反射、および真珠光沢顔料のための指向反射および干渉の原理に基づく。
全エフェクト顔料の間の共通性は、効果が視野角に非常に大きく依存するということである。視覚的な比較において、これはサンプルを傾けることによりシミュレートされる。色測定は、複数角度測定デバイスでのみ有用である。
本明細書で開示された発明の好ましい実施形態において、実施形態によるトナーのために、分散されたエフェクト顔料の平均直径は、元のエフェクト顔料の平均直径の少なくとも90%であることが提供される。エフェクト顔料(通常、顔料プレートレットの形状における)の直径は、タイプに応じて、典型的にはおよそ3から100μm、個々のプレートレットの厚さは1μm未満である。
これにより、プレートレットは、1または複数の層で構成され得る。これにより基板は、結晶(例えば、雲母)または非晶性(ガラスプレートレットまたは二酸化ケイ素プレートレット)である。適切なエフェクト外観を実現するために、粒子は、可能な限り滑らかな表面を有しなければならず、および個々の用途において配列されなければならない。金属エフェクト顔料はまた、リーフィングまたは非リーフィング顔料に類別される。
リーフィング顔料は、硬化されたコーティング膜において特別な表面処置により表面上に配列される。このようにして、頑丈な金属光沢が生成される。しかしながら、この効果は、傷や汚れに強くなく、通常、もちろん印刷または従来のコーティング手段により提供され得る保護クリアコート膜での上塗りを必要とする。
非リーフィング顔料は、適用後に膜マトリクスにおいて均一に分散する。顔料の部分のみが表面上に配列される。結果として、それらは摩耗および化学攻撃から保護される。しかしながら、効果は、リーフィング顔料での場合よりも少ない光沢および金属の外観を有する。
本明細書で開示された発明の実施形態は、次に下の例および図を用いてより詳細に説明されるであろうが、実施形態はこれらの例に限定されるものではない。例
この発明の実施形態によるトナーは、2つの成分から作成され得、そこで1つの成分(第1材料部分)は、透明エフェクトトナーAであり、他の成分(第2材料部分)は、着色された不透明のベーストナーBである。以下のトナー例を生成するために、全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、二軸のZSK-18押出機(押出機セグメントの温度:60℃、80℃、100℃、100℃、トルクの約30%)における押し出しが続いた。押出された化合物は、所望の粒度分布を備えるパウダーを生成するために、冷却され、造粒され、および細かく研削された。好ましい研削および分級は、別段の記載がない限り窒素不活性化で、NOLLからのMultino M/S/N対向ジェットミルでのジェットミリングにより行われた。印刷前に、シリカ(Wacker Siliconesからの0.5%HDK H05 TD+1%HDK H30 TM)が、Henschel Mixer MB10を用いてパウダーに結合された。例:
透明および無色トナー(エフェクトトナー)は、810部Crylcoat(登録商標)4642-3または同等のポリエステル、61部Primid(登録商標)XL-552、5部Richfos(登録商標)626、8部ベンゾイン、2部Tinuvin(登録商標)(Tinuvin(登録商標)144)および18部のCCAから、これらの成分を混合することにより作成された。重量測定投与により、前に説明された混合物は、押出機に供給され、当業者に知られる適切なねじ構成の使用により融解されおよび分散された。押出機の最後の3番目において、アルミニウムパウダーPCU 5000の5部がサイドフィーダを介して供給された。押出機内の温度は、好ましくは120℃より下に保持される。押出後に融解押出物は、冷却され、切断され、および次に所望される効果に応じて約10μmから20μmのD50まで研磨された。
顔料の粒子サイズ(D50または平均粒子サイズ)は、所望の効果に応じ、および3から130μmの間であり得る。透明マスターバッチ(トナーA)におけるエフェクト顔料濃度は、1w-%から40w-%の間、特に2w-%から10w-%の間であり得る。
不透明およびカラーベーストナーBは、エフェクトトナーAのために説明されたのと同様な態様において生成され得る。特にベーストナーBは、さらにカラー顔料を含むが、より多くのエフェクト顔料ではない。トナーBのその種類のための1つの例は、本明細書で与えられる:830部CRYLCOAT(登録商標)4655-2、63部Primid(登録商標)XL-552、9部ベンゾインおよび18部のCCA。
異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために32部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために32部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために100部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために32部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために190部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。
この後、研磨されたトナーAおよびBの両方が、重量によりA/B=20/80の比において乾式混合により混合された。更なる一般のリマーク
ノンインパクト印刷およびパウダー組成の技術分野の組み合わせは、本明細書で開示された発明により、および特に主張された主題により達成される。この文脈において、産業上の応用においてパウダーコーティングのために用いられる一般的なコーティングパウダー組成物は、ノンインパクト印刷のために適切ではないことに留意されたい。これは、特に一般に用いられるパウダー組成の摩擦帯電挙動に起因することがわかった。
従って、主張された主題の目的は、ノンインパクト印刷の概念と同様にコーティングパウダーの概念の両方を有利に組み合わせ、同時にそれぞれの欠点を回避する一方で、両方の技術分野の利点から利益を得ることである。
これにより、一般的な直接印刷方法では可能でない表面上で印刷が可能になることが、記載された技術の更なる利点である。このような表面の例は、例えば食べ物の保存のための缶詰である。ほとんどの缶は、鉛直な側とともに同一で平行な丸い上部および底部を備える直円柱である。しかしながら、含有される小さな体積および/または内容の形状が示す場合、上部および底部は、丸みを帯びた角の矩形または楕円でよい。このような缶詰のそれのような表面ですら、現在記載された技術の可能な印刷標的として利用可能になり得る。
上で定義された側面および実施形態および本明細書で開示された発明の更なる側面および実施形態は、以下で説明される例から明らかであり、および、図面を参照して説明されるが、発明はそれに限定されるものではない。前述の定義およびコメントは、以下の詳細な説明のためにもまた特に有効であり、その逆も成り立つ。
図面における図示は、概略図である。異なる図において、同様または同一の要素は同じ参照符号で提供されることに留意されたい。
従って、不要な繰り返しを回避するために、後続の図の説明において同様または同一の特徴の説明は繰り返されない。
むしろ、先行する図におけるこれらの特徴の説明はまた、別段の明示的な留意がない限り、後続の図に対しても有効であることを理解されたい。
以下において、本明細書で開示された発明の例示的な実施形態が説明され、その任意の数および任意の組み合わせは、本明細書で開示された発明の側面の実装において実現されてよい。
下で説明される実施形態および例が、パラメータに対して上で特定されたパラメータ範囲とは異なるパラメータ(例えば、例えば樹脂の濃度、温度等)のパラメータ範囲を指す限りは、実施形態によれば、下で特定されるいずれのパラメータ範囲は、上で特定されたパラメータ範囲により置換されるであろうことに留意されたい。換言すれば、あるパラメータの特定のパラメータ範囲のために下で特定される(例えば効果、関係、利点等に関する)いずれの記述もまた、パラメータに対して上で特定されたそれぞれのパラメータ範囲に対して有効であり、その逆も成り立つ。同じことが、パラメータのタイプについて当てはまる。例えば、第1温度に関する下で与えられる記述はまた、上で特定された第1温度範囲に対して有効である。
NIPまたはデジタル印刷は、印刷市場が段々と柔軟性を要求するにつれ重要性を獲得している。将来の目的は、デジタル印刷によってのみ履行され得る適切な価格で一体型の印刷を提供することを可能にすることである。デジタル印刷のためのトナーはよく知られている。しかしながら、産業上の応用の厳しい環境条件に耐え得る印刷と共に高品質印刷の必要性を満たすように用いられ得る工業的なデジタル印刷の解決手段は、今までに知られていない。
これらの条件は、
1)高い耐候性/高いUV耐性、
2)摩耗に対する耐性、
3)高い化学的安定性、
4)機械的強度および/または柔軟性、
5)金属(例えばアルミニウム、スチール等)、ガラス、セラミック、木、MDFまたはプラスチックのような産業用基板への接着を含み得る。
UV放射により硬化し得る公知のトナーシステムは、これらの要件の一部を原則として満たすかもしれない。しかしながら、実際の産業上の応用に関しては、放射線のみを用いた印刷の硬化は、大きく複雑な基板が印刷されなければならず、従って放射線のアクセス可能性が制限されるという事実に基づくと、特に市場における現在の工業用炉の設計では、潜在的用途を著しく制限する。
市場は、このギャップを埋め得る解決手段を必要とする。
本明細書で開示された発明の実施形態は、驚くべきことに、NIPのためのコーティング材料を提供するように、パウダーコーティングに用いられる化学的性質に、およびそのため、特に部分的に、従来のパウダーコーティングのための材料にもまた基づく組成を用いることが可能であるという考え、および/または、NIP方法でのこのような組成の処理は、基板に硬化性コーティング層を提供するように適合され得るという考えに基づく。
しかしながら、熱硬化性コーティング材料の粘度および反応性の特定の調節領域のみが、高品質印刷を提供するのに適している。この領域の外で、品質は、低過ぎる粘度および/または低過ぎる反応性により、印刷されるドット(場合により印刷されたスポットと称される)が過剰な粘性流を受け、互いに混ざり合うであろうため、不良になり得、および、反応性が高過ぎると、基板への付着および/または表面品質(滑らかでない面)は、負の影響を受け得る。
この点において、実施形態によれば、所望の結果を実現するには、粘度ならびに反応性の両方が考慮されることに留意されたい。例えば、反応性が十分高い場合、低い粘度は、粘性流が可能なタイムスケールでは、フローの量が印刷の品質(および特に解像度)に悪影響を与えないように十分小さいので、(印刷の十分な解像度を提供し得、かつ)許容でき得る。
驚くべきことに、粘度と反応性との間の相互作用を考慮することにより、いくつかの実施形態においてはコーティング層の層厚みが対応する従来のパウダーコーティングの厚さより小さい場合ですら、従来のパウダーコーティングの特徴的特性は、NIPにより生成されるコーティング層で達成され得る。従って、コーティングの効率が向上してよい一方(すなわち、同じ特性を実現するためにより少ないコーティング材料が必要である)、他方で高い解像度印刷が可能である。
実施形態によれば、NIPによりコーティング層を生成するためのコーティング材料が提供され、コーティング材料は、硬化性樹脂を含む。
粘度と反応性との間の相互作用は、異なる方策によって考慮されてよい。例えば、コーティング材料は通常、室温からコーティング材料の硬化が発生する温度まで加熱されると、最小粘度を呈す。これは、温度を上昇させると、追加のプロセスが発生しない場合、粘度は通常、減少するという事実による。他方で、硬化が始まると、粘度が増加し、特定の温度での(局所)最小粘度につながる。従って、この状況において、例えば、コーティング材料が高反応性であれば、最小粘度が発生する温度はより低い温度に変化するであろうし、従って(最小がより低い温度であるので)最小粘度における粘度値は、より高いであろう。最小粘度はまた、温度ならびに硬化ダイナミクスによるコーティング材料の機械的特性の変化を反映するので、最小粘度は通常、昇温速度に依存するであろう。
前述の概念は、コーティング材料から生成されるコーティング層の所望のNIP(デジタル印刷)に対してコーティング材料が適切か否かを決定するのを可能にする手段を定義するために考慮されてよい。ある実施形態によれば、コーティング材料は、5ケルビン毎分(5K/分)の昇温速度で、最小粘度が3パスカル秒から10000パスカル秒の間の範囲であれば、適切なコーティング材料とみなされる。
更なる実施形態によれば、5ケルビン毎分の昇温速度で、最小粘度は50パスカル秒から3000パスカル秒の間の範囲にある。
更なる実施形態によれば、いわゆるピルフロー長試験は、コーティング材料が適切なコーティング材料か否かを判断するために用いられる。ある実施形態によれば、コーティング材料のピルフロー長は、本明細書で開示された発明の実施形態により決められる。
ある実施形態によれば、コーティング材料のピルフロー長は、コーティング材料を硬化するのに用いられてもよい潜在的な硬化温度で350mm未満である。
驚くべきことに、最小粘度および/またはピルフロー長に関して上で説明された特性を呈するコーティング材料は、多くの産業上の応用のために必要な要件およびまた高品質印刷の必要に耐え得ることがわかった。実施形態によれば、コーティング層の最終硬化は、潜在的な硬化温度で(例えば180℃で)熱的に実行されてよい。
本明細書で開示された発明によるコーティング材料は、多数の異なる樹脂システムにより構築され得る。好ましいシステムは、樹脂の総量に関連して少なくとも30w-%、好ましくは少なくとも50w-%および最も好ましくは少なくとも75w-%の非晶性樹脂を含む。驚くべきことに、このような値で、高品質印刷が達成され得ることがわかった。結晶性樹脂の含有量がより高いと、熱硬化後は、より小さい解像度を示す印刷物につながる。用いられる樹脂システムは、産業上の応用の特別な必要性に応じて異なり得る。潜在的な樹脂システム(樹脂成分)は、ポリエステル、エポキシ、ウレタン、アクリル、フルオロカーボン樹脂またはこれらの樹脂成分の2以上の組み合わであり得る。いくつかの例示的な実施形態を、以下の段落に示す。しかしながら、当業者にとって、所与の原理に基づいて追加の適切な組み合わを見つけることは容易かもしれない。
上で説明された樹脂システムは、種々の選択肢により変更され得る。例えば、フロー添加剤またはレベリング剤のような添加剤もまた、粘度および平滑面に影響を与え得る。しかしながら、驚くべきことに、フロー添加剤またはレベリング剤が低濃度または付加さえされない場合、コーティング材料の(特に印刷品質に関する)印刷性能は、より良いことがわかった。コーティング材料全体に対して1w-%未満の濃度のレベリング剤/フロー添加剤が、いくつかの実施形態において用いられた。別の実施形態によれば、コーティング材料全体に対して0.5w-%未満、最も好ましくは0.1w-%未満のレベリング剤/フロー添加剤が、いくつかの実施形態において用いられた。
実施形態によれば、(本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料から生成される)硬化したコーティング層は、コーティング層のコーティング材料の総量に対して1w-%未満、特に0.5w-%未満、さらに特に0.4w-%未満、0.3w-%未満および好ましくは0.1w-%未満のフロー添加剤を含む。
CaCO3、タルク、粘土、雲母、カオリンまたは硫酸バリウムのような充填材の付加は、驚くべきことに、特にコーティング材料全体に対して1w-%より多く、またはさらに5w-%より多く、またはさらに10w-%より多くの無機充填材材料が付加された場合に、印刷品質の損失につながる。しかしながら、この点において、実施形態によれば、酸化チタン(二酸化チタン、TiO2)は、充填材ではなく顔料である。換言すれば、充填材は、実施形態によれば、コーティング材料の総量に基づいて10w-%未満、特に5w-%未満、さらに特に1w-%未満の量において提供されてよく、充填剤の規定される量にもかかわらず、酸化チタン(二酸化チタン)は、例えば本明細書で開示される実施形態によれば、より多くの量が含まれてよい。さらに本明細書において説明されるように、充填剤の規定される量にもかかわらず、二酸化ケイ素および/または二酸化チタンは、コーティング材料の粉体流または帯電特性を向上させるために用いられてよい。
驚くべきことに、本明細書で開示された発明の実施形態により決められてよい反応性および粘度の特定の領域のみが、NIP(デジタル印刷)における高解像度印刷性能につながった。加熱中にこの領域外である組成は、印刷不良の可能性が非常に高かった。例えば、特に印刷された基板が硬化炉において鉛直に保持される場合の工業条件の下で、加熱中に(例えば異なる色の)単一の印刷スポットが互いに混合されるブリーディング効果が生じた。さらに、本明細書で開示された発明の実施形態により決められてよい反応性および粘度の特定される領域の外で、印刷されたコーティング材料層の輪郭の損失が現れた。
さらに分子重量と相関するそれらの際立った線形性(およびそれによる結晶化度)に起因する比較的狭い溶融領域を示すので、通常、反応性高溶融ポリエステルとして、テレフタル酸(TPSA)のエステルが用いられる。しかしながら、本明細書で開示された発明によるコーティング材料、すなわち熱硬化特性を備えるコーティング材料のために、驚くべきことに、線形ポリエステルおよび/または(半)結晶構造から離れることによって、接着および耐性要件に関連する試験(例えばエリクセン試験またはメチルエチルケトン試験)に従いながらも、より幅広い軟化領域、より高い最小粘度、弾性硬化コーティング層/コーティングへの架橋のような処理における特定の利点が達成され得ることが分かった。これは、特に適用可能であれば側鎖を有する脂肪族成分、多機能モノマ(例えば、3価の有機炭素酸)または例えばイソフタル酸(IPSA)のような非線形炭素酸のような異なるモノマを用いることにより、特に達成されてよい。TPSAの代わりに少なくとも5%のIPSAは既に良い影響につながる。さらに、IPSAを用いると、硬化したコーティング層のより高い耐候性につながる。TPSAを完全にIPSAで置換したポリエステルは、ポリエステルの中で最良の耐候性を示す。IPSAおよび/またはTPSAの量は、両方のフタル酸の混合物を用いることにより、または所望の比の均一なポリエステルの混合物を用いることにより、樹脂の製造中、特に重縮合中に決められてよい。
特に、ある実施形態による幾何学的に複雑な基板に対するコーティングは、以下の方法、1)転写要素(例えば転写シート)上に本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料を(例えばデジタル印刷により)印刷すること 2)印刷された転写シートを基板に適用し、コーティング材料(例えばそこから形成されるコーティング層)を基板に転写すること3)基板上へのプリントの最終硬化することを実装することにより基板に適用される。
個々の方法ステップ1、2および3のうちのいずれの2つの間で、(例えば放射線を介した)部分硬化が、実装され得る。
ある実施形態によれば、本明細書で開示された発明によるコーティング材料の配合は、樹脂の総量に対して少なくとも30w-%、例えば少なくとも50w-%および特に少なくとも75w-%の非晶性樹脂を含む。
ある実施形態によれば、本明細書で説明されるコーティング材料は、いわゆる2成分(2K)システムとして用いられる場合に最良の印刷性能を示した。2Kシステムは、一般に電子写真印刷において用いられる。2成分2K-ソフト磁気ブラシ技術においては、ソフトキャリア、特にフェライトコアキャリアが用いられる。当業者に知られる他のキャリアもまた、本発明による。特にキャリア表面は、シリコーン樹脂のような異なる樹脂で作成されるコーティングを備えて、500から1000cm2/gの間であり得、およびキャリアの平均粒子サイズは、20から150μmの間であり得る。別の実施形態は、当該分野において知られる液体キャリアとともに機能する。さらに別の実施形態によれば、本明細書で説明されるコーティング材料は、(キャリアを含まない)単一成分システムとして用いられる。
実施形態によれば、本明細書で開示された発明による印刷ユニットは、2K印刷ユニットである。この場合、印刷ユニットは、例えば(電子写真)印刷ユニットの現像剤において、当該分野において知られるキャリア、例えばフェライトコアキャリアを含んでよい。
更なる実施形態によれば、本明細書で説明されるコーティング材料は、コーティング材料全体に対して0.1w-%より高い、例えば1w-%より高いおよび特に2w-%より高い濃度の電荷制御剤(CCA)を含む。このような濃度の電荷制御剤は、印刷の品質を向上してよいことがわかった。
驚くべきことに、コーティング材料配合全体に関して1w-%より上のCCA濃度で、色濃度がより良かったことがわかった。そこでそのために、特にこの閾値は、帯電効果とは別個に、高品質印刷のために用いられた。さらにより驚くべきことに、全CCAタイプが、UV/天候安定性に関する建築用途の要件を満たすコーティング材料につながるわけではないことがわかった。驚くべきことに、サリチル酸化合物を含むまたはそれに基づくCCAは、この側面により高い性能を示した。Nタイプ(負のタイプ)の無色CCA、好ましくはサリチル酸亜鉛を用いられるCCAが含む場合、非常に良好なUV耐性が達成された。
実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも5pC/gの、好ましくは少なくとも10pC/gのおよび最も好ましくは少なくとも20pC/gの絶対値の帯電性、および標準的な(例えばソフトブロー)Epping q/m機器での試験では1分から15分、例えば、2分から10分の起動時間を有する。
驚くべきことに、帯電もまた、例えばd50粒子サイズが1ナノメートルから100ナノメートルの間の(例えばd50=50ナノメートル)、特に粒子サイズが5ナノメートルから70ナノメートルの間の1または複数の無機表面添加剤、好ましくはシリコンおよび/またはチタンの無機酸化物を加えることにより、影響を受け得ることがわかった。
さらに、驚くべきことに、少なくとも2つの平均粒子直径が異なる無機酸化物成分を加えると、帯電性能が向上してよいことがわかった。
この点において、平均粒子直径が異なる2つの無機酸化物成分が同一の材料で作成される場合、これらの2つの無機酸化物成分は、その粒子サイズ分布が2つの別個の最大値を含む単一の無機酸化物成分に相当するとみなされてよい。ある実施形態によれば、2つの無機酸化物成分は、両方とも酸化シリコンパウダーだが異なる平均粒子直径である。実施形態によれば、酸化シリコンは、シリカである。特に、実施形態によれば、2つの無機酸化物成分(例えばシリカ)の平均粒径の比は、2から10の間、例えば5から7の間である。更なる実施形態によれば、2つの無機酸化物成分のうち、第1無機酸化物成分は、粒子分布がd50=50nmの酸化シリコンであり、第2無機酸化物成分は、粒子分布がd50=8nmの酸化シリコンである。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、1μmから25μmの間の範囲における、例えば5μmから20μmの間の範囲における平均粒径を有し、d10が5μmから7μmの間の範囲における、および/またはd50が8μmから10μmの間の範囲における、および/またはd90が12μmから14μmの間の範囲における粒子サイズ分布を有する。本明細書において、および一般に知られるとおり、dxのための特定の値(上記の例においてはx=10、50、90)は、粒子の量xが特定されるサイズよりも小さいことを示す。例えば、d10=5μmは、粒子の10%が5μm以下であることを規定する。
好ましくは、0.7より高い、より好ましくは0.9よりも高い真球度が与えられる。興味深いことに、コーティング材料の真球度がより低いおよび/または粒子サイズがより大きい場合、特定の触覚効果が、最終印刷および/または最終硬化印刷層に生じ、特定の用途のために利点かもしれないことがわかった。
本明細書で開示された発明の実施形態によれば、コーティング材料は、技術水準に比べて驚くほど高い耐薬品性を有してよい。耐薬品性は、多数の異なる側面により影響を受け得る。特に樹脂のタイプ(例えばアクリル、ポリエステル等)および官能基の量もまた、化学的安定性に非常に大きい影響を有することが示された。主に、硬化システムの架橋密度がより高くなるにつれ、より高い化学的安定性が与えられたことがわかった。また、アクリルおよび/またはエポキシベースのコーティングは、高い化学的安定性を与えることがわかった。1つの実施形態は、コーティング材料がDIN EN 12720によるメチルエチルケトン試験において10秒後に少なくとも2-3の等級に達することが可能であるように適切な量で、少なくとも1つの種類の架橋剤が選択されるという事実により特徴付けられる。このために、架橋材料は、エポキシ樹脂を含む、エポキシ/グリシジル基含有材料、ヒドロキシアルキルアミド硬化剤、イソシアネート硬化剤および/または熱ラジカル開始剤システムを有する二重結合含有化合物から選択され得る。このために、硬化剤は、少なくとも1つの種類の樹脂を硬化するのに十分なモル比の0.3から1.7、好ましいくは0.7から1.3および最も好ましくは0.9から1.1の間の量が加えられる。
本明細書で開示された発明の別の実施形態において、得られたコーティングは、少なくとも50回のIPA(イソプロピルアルコール)二重こすりおよび/または少なくとも5回、特に少なくとも10回、特に少なくとも20回のアセトン二重こすりに耐える。
従来のパウダーコーティングに匹敵する結果を実現するのに十分薄い厚さのコーティング層は、特に、パウダーコーティングでは通常ははるかに大きな厚さが必要なので、驚くべきである(例えば、50μmの最小厚さの建築用途のためのGSBノルム、EN 12206-1:2004(D)では、平均層厚みは少なくとも50μmでなければならない。40μm未満の値は許されない、建築目的パート1のためのアルミニウムおよびアルミニウム合金上にコードされるコーティングとなる材料:コーティングパウダーでされるコーティング)。
実施形態によれば、コーティングは、1より多くのコーティング層に適用され、びコーティング材料は、硬化性樹脂を含み、かつ印刷プロセスの各パス中に、樹脂は、粘性流に少なくとも部分的にさらされる。これは、得られるコーティングの特性を向上させてよい。印刷プロセスの各パス中に、適用される層が部分硬化にさらされる場合、この段階で前の層との架橋もまた、すなわちコーティング(少なくとも2つのコーティング層を含む層パッケージ)の最終硬化前に発生してよい。
また驚くべきことは、ほとんどの産業上の応用のための、十分な解像度を備えるコーティングは、平均粒径のコーティング層の厚さに対する比が1:2で既に達成され得るという事実であった。
さらに、バインダの架橋のために適切な量の硬化剤および/または開始剤を有するコーティング材料は、コーティング材料がONORM EN 12720によるアセトンの影響の10秒後にクラスIBを満たすことを提供し得ることがわかった。
コーティング材料は、好ましくは、例えば2つのコーティング層により、コーティングの厚さが少なくとも30μmである場合、特に、(2以上の)コーティング層が(少なくとも部分的に)個々に硬化する場合、腐食防止として用いられることが可能であるとわかった。第1コーティング層がピンホールを含むが、第2コーティング層が第1コーティング層上に適用される前に少なくとも部分的に硬化される場合、第2コーティング層が、ちょうど同一の位置でピンホールを含むという可能性は低い。従って、最終コーティングにおけるピンホールの形成は、回避されるか、または少なくとも削減される。
ある実施形態によれば、コーティング材料は、少なくとも20μmの厚さ、特に少なくとも30μmの厚さおよびさらに特に少なくとも40μmの厚さで適用されるように構成される。
更なる実施形態によれば、平均粒径のコーティング層の厚さに対する比は、1:2より小さく、特に1:3より小さく、さらに特に1:4より小さい。
実施形態によれば、コーティング材料は、ポリエステル樹脂を含み、コーティング材料は、特にビスフェノールAを含まず、および/またはエポキシを含まず、または少なくともBPAは、原料として意図的に加えられていない。更なる実施形態によれば、ポリエステル樹脂は、(組み入れられた)酸モノマを含み、酸モノマの少なくとも25w-%は、イソフタル酸であり、特に酸モノマの少なくとも50w-%はイソフタル酸であり、およびさらに特に酸モノマの少なくとも85w-%はイソフタル酸である。
ある実施形態によれば、コーティング材料の最低ガラス転移温度(例えば未硬化コーティング材料のガラス転移温度)は、80℃未満、特に60℃未満である。
実施形態によれば、硬化したコーティングのISO 2813により決められた、300時間UV暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%である。GSB international AL631-PartVII-segment 20.1 Kurzbewitterung UV-B (313)の試験手順による600時間UV暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%であり、特に少なくとも85%であり、ISO 2813により決められたEN ISO 16474-2による1000時間キセノン暴露後の残りの光沢は、少なくとも50%であり、特に少なくとも85%である。
実施形態によれば、1または複数の異なる色、特に少なくとも2つの異なる色を含む画像を表すコーティング層の一部を形成することに加えて、コーティング材料は、次の機能、密閉、高温抵抗、耐候性、長期紫外線安定性、表面コーティング、ピンホールがないこと、摩耗ベースの退色保護、屋外機能、キズ耐性、溶媒耐性、拡散低減機能の少なくとも1つに加えて機能するように構成される。実施形態によれば、いずれの光学的に区別可能なコントラストは、2つの異なる色(例えば同じ色のコーティング材料から形成されるコーティング層の部分ですら、しかしそこでその部分は、異なる表面構造を含む)から形成されているとみなされることに留意されたい。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、電荷制御剤の0.1w-%から10w-%の量を含み、電荷制御剤は、特に1または複数のサリチル酸亜鉛化合物(サリチル酸亜鉛化合物)を含み、またはそれから成る。更なる実施形態によれば、コーティング材料は、電荷制御剤の0.2w-%から5w-%の量、または別の実施形態において0.5w-%から3w-%の量を含む。
実施形態によれば、コーティング層は、対象表面に適用される。本明細書において、対象表面は、コーティング層が適用されるべき所望の表面である。対象表面は、印刷方法が転写要素を用いる場合、例えば転写要素により形成されてよい。別の実施形態によれば、対象表面は、直接印刷方法の場合、基板により形成されてよい。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、粉体コーティング材料である。さらに、本明細書で開示された発明の実施形態が粉体コーティング材料を指す一方、(例えば、粉体コーティング材料が分散される転写媒体として、またはコーティング材料が溶解する溶媒としての)液体の使用もまた意図されることを理解されたい。しかしながら、液体の蒸発後にコーティング材料が所望の表面上にコーティング層として残るので、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料と組み合わせて液体を用いることは、当業者により容易に適用され、かつ考慮される。
更なる実施形態によれば、コーティング材料は、熱硬化性、特に少なくとも部分的に熱硬化性である。熱硬化は、特にその上にコーティング層を有する多数の基板を硬化するために、効率的な方法を提供する。さらに、熱硬化は、現在のトナー技術が提供し得ない工業上の需要を満たすとして既知の幅広いパウダーコーティングの化学的性質を提供する。実施形態によれば、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層は、基板に適用されると、最終的に硬化する。最終硬化は、最終的に硬化したコーティング層に残存するいずれの未硬化材料もないことを意味するのではないことを理解されたい。むしろ、最終硬化は、そのため硬化したコーティング層が所望の特性を実現するのに必要な程度まで硬化することに関連する。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、第4側面による転写要素を支持するための転写要素支持体と、コーティング層がそれ上に適用されるであろう基板を受け取るための基板支持体であって、転写要素支持体および基板支持体は、基板にコーティング層を適用するために、転写要素上のコーティング層を基板に接触させるように動作可能にする基板支持体と、転写要素上のコーティング層を加熱するように構成される加熱装置と、加熱装置を制御するように構成される制御デバイスであって、(i)コーティング層から転写要素を除去する前の第1温度より下にコーティング層の温度を維持するようにし、第1温度で未硬化コーティング材料はその過冷却液体状態またはそのガラス状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度をコーティング層の硬化温度以上の温度に上昇させることにより、コーティング層と基板との接触中およびコーティング層から転写要素を除去する前にコーティング層を部分的に硬化する、加熱装置を制御するように構成される制御デバイスとを備える。
実施形態によれば、硬化温度は、ISO12013-1:2012塗料とワニス――自由減衰振動法を用いる硬化特性の決定――パート1:硬化反応の開始温度により決められる硬化反応の開始温度以上である。
更なる実施形態によれば、コーティング材料の硬化温度は、最大60分後までに、それ以上の熱が発生しない、および/またはコーティング材料により使い果たされる、および/または最大60分後に特定の温度での硬化したコーティングのTgは、20K/分でまず第1加熱中に測定し、かつ次に第2加熱中に測定し、かつ第1および第2加熱の間に、コーティングが硬化温度より十分上の、少なくとも10℃上の温度で15分間保持する場合、DSC測定において5℃より大きくない、特に3℃より大きく変更しない、温度以上である。更なる実施形態によれば、コーティング材料の硬化温度は、60分後にそれ以上の熱が発生しない、および/またはコーティング材料により使い果たされる温度以上である。
本明細書で開示される方法により決められる硬化温度中の最低温度は、可能な限り低い硬化温度とみなされてよい。時間効率的なコーティングプロセスを実現するために、実際に選択される硬化温度は、可能な限り低い硬化温度よりも高くてよく、または本明細書で開示される方法により決められる硬化温度よりも高くてよい。
ある実施形態によれば、方法はさらに、1または複数の実施形態による転写要素を提供する段階と、基板にコーティング層を適用させるために、転写要素上の基板をコーティング層と接触させる段階と、転写要素上のコーティング層の温度を制御する段階であって、(i)コーティング層から転写要素を除去する前に第1温度より下にコーティング層の温度を維持し、第1温度で未硬化コーティング材料はその過冷却液体状態またはそのガラス状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度をコーティング層の硬化温度以上の温度に上昇させることにより、コーティング層から転写要素を除去する前にコーティング層と基板との接触中にコーティング層を部分的に硬化する、段階とを備える。
ある実施形態によれば、コーティング層は、基板に転写可能であり、ポリエステル樹脂を含み、ポリエステル樹脂は、特にビスフェノールAを含まず、および/またはエポキシを含まず(またはそれぞれの量が少なくとも1w-%未満、特に0.1w-%未満)および/または熱硬化性樹脂である。
実施形態によれば、コーティング層(特に硬化したコーティング層)は、電荷制御剤を含む。
実施形態によれば、印刷デバイスは以下を含む:転写要素にコーティング材料を適用するように構成される印刷ユニットと、転写要素上のコーティング材料にエネルギを伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイスであって、特にエネルギ伝達デバイスは、転写要素上のコーティング層を部分的に硬化させる、および/または転写要素上のコーティング層において粘性流を誘発するために、コーティング層にエネルギを伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイスとを備える。
更なる実施形態によれば、印刷デバイスは、転写要素上に印刷する代わりに、被覆されるべき基板上に直接印刷するように構成される。
コーティング層の処理に関して、そのような溶融温度が存在する場合(すなわち、コーティング層が溶融温度を呈す材料部分を含む場合)、コーティング層は、コーティング層から転写要素を除去する前のコーティング層の溶融温度と硬化温度との間の温度範囲を可能な限り回避することが有利であることがわかった。換言すれば、本明細書で開示された発明の実施形態は、(i)コーティング層からの転写要素を除去する前に第1温度より下にコーティング層の温度を維持し、第1温度で未硬化コーティング材料はその過冷却液体状態またはそのガラス状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度をコーティング層の硬化温度以上の温度に上昇させることにより、コーティング層からの転写要素を除去する前にコーティング層と基板との接触中にコーティング層を部分的に硬化することが有利という考えに基づくに基づく。
以下でより詳細に説明されるとおり、過冷却液体状態は、ガラス転移温度Tgより高く、かつそのような溶融温度が存在する場合、溶融温度Tmより低い温度である。
硬化性ポリマにおいて、通常ガラス転移温度は時間および硬化度とともに上昇する。従って、未硬化コーティング材料が第1温度でその過冷却液体状態に、またはそのガラス状態にある場合、これは、転写要素支持体において転写要素で受け取られるコーティング層もまた第1温度で、その過冷却液体状態に、またはそのガラス状態にあることを意味する。
実施形態によれば、コーティング層は、結晶相を含むか、または少なくとも部分的に結晶相をもたらし得、結晶相は、溶融温度を画定し、かつ第1温度範囲は溶融温度未満である。
更なる実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、印刷により転写要素にコーティング材料を適用してコーティング層を形成するように構成される印刷デバイスをさらに含む。実施形態によれば、印刷デバイスはNIPデバイスまたはデジタル印刷デバイスである。NIPまたはデジタル印刷は、転写要素上のコーティング材料から作成される画像を生成するために、電場(例えば電子写真法)、磁場(例えば磁気グラフィック法)、イオン(例えばイオノグラフィー法)、インクジェット(インクジェット法)、サーモグラフィー法および写真法の1または複数を用いてよい。
ある実施形態によれば、転写要素上のコーティング層を生成するための印刷デバイスは、別個のデバイスであり、および、基板にコーティング層を適用するコーティング層適用デバイスから場所的に離れてよい。従って、その上にコーティング層を備える転写要素は、例えば出荷、保管等のために、印刷デバイスから取り外し可能でよい。ある実施形態によれば、1または複数の転写要素が提供される。
さらに、2以上の転写要素が提供されてよく、例えば2つの転写要素は、印刷デバイスが第1転写要素上に印刷するように構成され、かつ印刷デバイスは、第1転写要素(例えば中間転写要素)から第2転写要素にコーティング層を移すように構成されることに留意されたい。このような場合、その上にコーティング層を有する第2転写要素(または一般に最後の転写要素)が、(独立型コーティング層適用デバイス、例えば基板にコーティング層を適用するようにだけ構成されるコーティング層適用デバイスであってよい)コーティング層適用デバイスに転写される。
更なる実施形態によれば、印刷ユニット(または印刷デバイス)は、単一の、取り外し可能な転写要素を含む。さらに、取り外し可能な転写要素はまた、独立型転写要素と称されてよく(本明細書においてもまたそのように称される)、およびその逆も成り立つことに留意されたい。
従って、実施形態において、その上にコーティング層を有する転写要素(例えば単一転写要素または第2転写要素)は、別個の部品であり、転写要素支持体は、その上にコーティング層を有する転写要素を別個の部品として受け取るように構成される。
実施形態によれば、コーティング材料は、粉体コーティング材料である。これは、従来のパウダーコーティングの特性の経験および理解が用いられてよく、および/または本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料に移されてよいという利点を提供してよい。
実施形態によれば、印刷デバイスは、少なくとも10μmの厚さ(すなわち、コーティング層が有する厚さ)で、特に少なくとも20μmの厚さで、例えば少なくとも40μmの厚さで転写要素にコーティング材料を適用するように構成される。トナーの多くの既知の用途において、より厚いコーティング厚さの技術的な必要はないので、無難な材料コストにとって可能な限り最小の厚さが望ましい一方で、本明細書で開示された発明の実施形態は、より厚いコーティング層ですら提供してよい。
実施形態によれば、印刷デバイスは、1または複数の異なる色、特に少なくとも2つの異なる色を含む画像として、転写要素にコーティング材料を適用するように構成される。実施形態によれば、コーティング層は、単色または2以上の異なる色(コーティング材料)を含んでよい。
実施形態によれば、画像は、コーティング層に垂直な方向にコーティング層を通して完全に延在する。この点において、転写要素上のコーティングが2以上の層を含む場合、これは実施形態における場合であるが、画像は、他の層も通して延在する必要はないことに留意されたい。
更なる実施形態によれば、印刷デバイスは、2l/mmより高い解像度で、特に5l/mmより高い解像度で、例えば10l/mmより高い解像度で転写要素にコーティング材料の画像を適用するように構成される。一般に本明細書において、"解像度"という用語は、別段示されない限り、コーティング層の面における横方向の解像度を指す。本明細書で開示された発明の多くの実施形態は、以下で詳細に説明されるとおり、所望の解像度を実現することに役立ってよい。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイス(または印刷デバイス)は、コーティング層と基板との接触の前に転写要素上のコーティング材料中へエネルギ、特に熱を伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイスをさらに含む。更なる実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、転写要素上のコーティング層を部分的に硬化させるようにエネルギをコーティング層に伝達するために構成される。別の実施形態によれば、エネルギ伝達デバイスは、コーティング層において粘性流を開始するようにエネルギをコーティング層に伝達するために構成される。
実施形態によれば、コーティング層は、コーティング層と基板との接触の前に転写要素(例えば独立型転写要素)上のコーティング層を圧縮するように構成される圧縮装置によって圧縮される。実施形態によれば、圧縮装置は、エネルギ伝達デバイスによるエネルギ伝達前、伝達中または伝達後にコーティング層を圧縮するように構成(例えば配置)される。実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、コーティング層に圧力、特に0.1バールより大きい、特に1バールより大きい、特に3バールより大きい、特に5バールより大きい、およびさらに特に10バールより大きい圧力を加えるように構成される。
更なる実施形態によれば、コーティング層適用デバイス(または印刷デバイス)は、コーティング層と基板との接触前に転写要素上のコーティング層を圧縮するように構成される圧縮装置、例えば本明細書に説明されるように構成される圧縮装置をさらに含む。
実施形態によれば、印刷デバイスは、1または複数の印刷ユニット、例えば単一の印刷ユニットを含む。実施形態によれば、印刷デバイスは、2以上の印刷ユニットを含む。更なる実施形態によれば、2以上の印刷ユニットは、2以上の異なるコーティング材料(例えば異なる色のコーティング材料)を転写要素に適用するように構成され、これにより、転写要素上にコーティング層(例えば2以上の色のコーティング層、特に画像を表するコーティング層)を形成する。更なる実施形態によれば、2以上の印刷ユニットは、転写要素に同じコーティング材料を適用するように構成され、これにより、(より大きな厚さを有する)転写要素上にコーティング層を形成する。
実施形態によれば、印刷デバイスは、コーティング層を有する転写要素、特に独立型転写要素を提供し、コーティング層は、コーティング材料から形成され、コーティング層は、硬化性であり、かつ非晶質材料を含み、コーティング層は、基板に転写可能であり、ポリエステル樹脂を含み、ポリエステル樹脂は、特にビスフェノールAを含まず、および/またはエポキシを含まず、および/または熱硬化性樹脂である。更なる実施形態によれば、コーティング材料および従って硬化したコーティング層は、電荷制御剤を含む。
更なる実施形態によれば、転写要素支持体、基板支持体、および加熱装置を備えるコーティング層適用デバイスを動作させる方法が提供され、その方法は以下、転写要素支持体によりコーティング層を含む転写要素を受け取る段階であって、コーティング層は、コーティング材料から形成され、コーティング層は、硬化性であり、かつ非晶質材料を含む段階と、基板支持体により、それ上にコーティング層が転写されるであろう基板を受け取る段階であって、転写要素支持体および基板支持体は、基板にコーティング層を適用するために、転写要素上にコーティング層を基板に接触させるように動作可能にし、(i)コーティング層から転写要素を除去する前に第1温度より下にコーティング層の温度を維持するようにし、第1温度で未硬化コーティング材料はその過冷却液体状態またはそのガラス状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度を硬化温度より高い温度に上昇させることにより、コーティング層から転写要素を除去する前にコーティング層と基板との接触中にコーティング層を部分的に硬化するように加熱装置を動作させる段階とを備える。コーティング層の温度を硬化温度より高い温度に上昇させることにより、通常、未硬化コーティング材料がその過冷却液体状態またはそのガラス状態にある温度範囲のままであることに留意されたい。従って、この場合、特徴(i)および(ii)の "および/または"の組み合わせの"または"が適用される。
実施形態によれば、転写要素支持体および基板支持体は、転写要素上のコーティング層を基板に接触させ、圧力、特に0.1バールより大きい、特に1バールより大きい、特に3バールより大きい、特に5バールより大きいおよびさらに特に10バールより大きい圧力で、例えば3バールから10バールの間の範囲における圧力で、例えば5バールから8バールの間の範囲における圧力で、基板にコーティング層を適用することが動作可能である。
本明細書において説明される側面の1つの実施形態によれば、それぞれのエンティティ(デバイス、方法等)は、本明細書で開示される実施形態の1または複数の機能性または特徴を提供するように、および/または本明細書で開示される実施形態、特に本明細書で開示される他の側面の実施形態の1または複数により必要とされる機能性または特徴を提供するように適合されることに、さらに留意されたい。
制御デバイスは、機械、ハードウェアおよびソフトウェアの少なくとも1つにより実装されてよい。例えば、制御デバイスは、本明細書で開示された発明の実施形態によるプロセッサデバイスおよびコンピュータプログラム製品、例えばプログラム要素を保存するためのメモリを含んでよい。
本明細書で用いられるとおり、コンピュータプログラム製品への参照は、特に本明細書で説明される方法の性能を効果的にし、および/または調整するためにプロセッサデバイスを制御するための、本明細書で説明されるコンピュータプログラムおよび/またはプログラム要素を含有するコンピュータ可読媒体への参照に相当することが意図される。実施形態によれば、プロセッサデバイスは、ネットワークノードおよび/またはメモリおよびプログラム要素により定義される命令を実行するための少なくとも1つのプロセッサを含むコンピュータである。
コンピュータプログラムは、例えばJAVA(登録商標)、C++、C#等のような任意の適したプログラム言語の使用によるコンピュータ可読命令コードとして実装されてよく、およびコンピュータ可読媒体(リムーバブルディスク、揮発性または非揮発性メモリ、埋め込みメモリ/プロセッサ等)上に保存されてよい。
命令コードは、コンピュータまたは任意の他のプログラマブルデバイスに意図される機能を実行させるようにプログラムすることが可能である。コンピュータプログラム(ならびにいずれのデータも)は、それがダウンロードされてよいWorld Wide Webのようなネットワークから利用可能でよい。
本明細書で開示された発明の任意の適した側面または実施形態は、コンピュータプログラム、それぞれのソフトウェアにより実現されてよい。しかしながら、本明細書で開示された発明はまた、1または複数の具体的な電子回路、それぞれのハードウェアにより実現されてもよい。さらに、本明細書で開示された発明はまた、ハイブリッド形態において、すなわちソフトウェアモジュールとハードウェアモジュールとの組み合わせにおいて実現されてもよい。
本明細書で開示される主題の例示的な実施形態は、コーティング層適用デバイス、方法、コンピュータプログラム製品、印刷デバイス、転写要素および基板を参照して上において説明されており、および以下において説明されるであろう。もちろん、本明細書で開示された発明の異なる側面に関連する特徴の任意の組み合わせもまた可能であることが指摘されなければならない。特に、いくつかの特徴が、(例えばコーティング層適用デバイス、印刷デバイス、またはその制御デバイスに関連する)デバイスタイプ実施形態を参照して説明されており、または説明されるであろうが、他の特徴は、(例えば方法またはコンピュータプログラム製品に関連する)方法タイプ実施形態を参照して説明されており、または説明されるであろう。しかしながら、当業者は、上および以下の説明から、別段通知されない限り、1つの側面に属する特徴の任意の組み合わせに加えて、異なる側面または実施形態に関連する特徴の任意の組み合わせ、例えばデバイスタイプ実施形態の複数の特徴および方法タイプ実施形態の複数の特徴の組み合わせですらもまた集め、本願で開示されるとみなされるであろう。この点において、対応する明示的に開示されるデバイス形状から導出可能ないずれの方法機能も、デバイス形状のそれぞれの機能に基づくべきであり、およびデバイス特徴と併せて開示されるデバイス特有の要素に制限されるとみなされるべきでないことを理解されたい。さらに、対応する明示的に開示される方法機能から導出可能ないずれのデバイス形状も、本明細書に開示される、または当該分野において既知の任意の適したデバイスとともに方法において説明されるそれぞれの機能に基づいて実現され得ることを理解されたい。
本明細書で開示された発明の実施形態は、適切に適合させた状態で、画像プリント、レーザプリント等のようなNIPから知られる印刷原理は、典型的なパウダーコーティング材料の特性を有するコーティング材料を基板に適用するために用いられ得るという考えに基づく。この目的のために、レーザ印刷において用いられる従来のトナーの厚さよりも通常厚い適切な厚さ(例えば5μmから10μm)を備えるコーティング材料のコーティング層を形成することが必要でよい。さらにより、コストを削減するために、従来のデジタル印刷技術においてトナーの厚さを減少させるために大きな努力がなされる一方で、本明細書で開示された発明の意図される用途のためには、例えば10μmより厚い、より大きな厚さを有することが有利である。
実施形態によれば、コーティング材料は、所望のコーティング層を実現するためにその特性が用いられる非晶質材料を含む。
1つの例において、NIPベースの転写システムは、本明細書で開示された発明の側面および実施形態を実現するために用いられる。更なる例によれば、NIPベースの転写方法は、その層厚み全体に渡って完全に着色されるコーティング層を提供するために用いられる。更なる例によれば、NIPベースの転写方法は、その層厚みの全体に渡って高い解像度を備えるコーティング層を提供するために用いられる。
既知のNIPシステムはしばしば大きく、または所望の材料上への直接印刷を提供するために中央インフラストラクチャに配置される。さらに、直接印刷のための形状は、印刷幅、所望の材料の不揃い、または3D部上の印刷の能力に関して制限される。従来のパウダーコーティングシステムは通常、加圧ガスによりパウダーが提供されるスプレーガンで動作する。所望の材料(基板とも称される)上へのパウダーの適用後、パウダーは、連続層へと変換するように加熱される。従来のパウダーコーティング技術のコーティング材料は、特に高解像度印刷が望まれる場合、パウダー粒子のサイズがNIPベースの方法には大き過ぎるので、(直接または間接)NIP、特にNIPベースの転写システムには適切でない。
しかしながら、驚くべきことに、NIPシステムに適切な粒子サイズ分布(PSD)(例えば平均サイズがおよそ9μmおよび粒子サイズのガウス分布の拡散が5μmから16μm)を備える化学的硬化性コーティング材料は、NIP方法を介して厚いコーティング層を提供するために適切である。別の実施形態によれば、硬化性コーティング材料の粒子サイズ分布の平均サイズは、5μmから15μmの間の範囲にある。本明細書で開示された発明の実施形態によるPSDは、(例えば、従来のパウダーコーティングと同じままの化学的および物理的特性を有してよい(例えば30μmから200μmの間の典型的な厚さを有する従来のパウダーコーティングに比べて)15μmから50μmの間の範囲における厚さを備える)より薄いコーティング層の適用を容易にする。
理論に縛られることなく、理由は、パウダー粒子の均一性、従来のパウダーコーティングと比べた場合の小さな粒子サイズ分布および充填材および添加剤の欠如であると考えられる。この点において、15μmから50μmの間の範囲における厚さは、(典型的に2μmから10μmの厚さにおいて適用される)従来のNIPシステムの従来のトナーに比べて例外的に厚いということに再度留意されたい。
コーティングに対しては、一般に以下の原理が適用される。コーティングが薄くなるにつれ、その機械的特性はより良くなり、コーティングが厚くなるにつれ、化学的特性、収差挙動、および紫外線(UV)安定性はより良くなる。さらに、コーティング層がより厚ければ、基板まで完全にコーティングを貫通するために、鋭い物により加えられるひっかき力がより高くなければならない。従って、キズ耐性は、より厚いコーティングにより向上する。
転写システムは、基板上へのコーティング材料の不十分な接着または転写要素上へのコーティング材料の強過ぎる接着(結果として転写要素からのコーティング材料の除去を困難にする)という問題を有してよい。結晶性材料は通常、固体と液体状態との間の小転移領域を有する。これは、基板上へのコーティング層の良好な接着およびコーティング層に悪影響を与えない転写要素の除去のための熱プロセス領域は結果として小さくなってよい。
コーティング材料の適用において達成される横方向の解像度は、しばしば、それにおいてコーティング材料が印刷デバイスから転写要素により基板に転写される転写プロセスの不可欠な品質特徴である。従って、大量の結晶性材料は、固体と液体状態との間の小転移領域に起因して達成可能な解像度を減少させてよい。
少なくとも1または複数の異なる色、特に2以上の異なる色を含む画像であるコーティング層のために、その層厚み全体に渡って完全に着色されているコーティング層を有することは、特に環境インパクト(例えば風、砂、雨、太陽放射)に起因するコーティング材料のアブレーションおよび/または退色に関して有利である。この点において、コーティング層の層厚み全体に渡って画像の同様の解像度を有することもまた有利である。
さらに、基板上のコーティング層におけるクラックまたは開口を防止することは有利である(例えば、藻(allgae)が屋外用途においてクラックに成長してよく、特に透明保護コーティング層において可視でよい)。
特に、コーティングがさらに、本発明による、少なくとも1つの硬化剤を共に含む少なくとも硬化性樹脂を有する硬化性の、特に熱硬化性コーティングにより達成され得る腐食防止の側面を満たす場合、これは非常に重大である。
さらに、光沢のある表面は多数の用途において望ましい。実施形態によれば、コーティング材料は、光沢のある表面を提供するように構成される。
ある実施形態において、非常に低い光沢レベルもまた、特にISO 2813による60度の鏡面角で測定される35未満、特に30未満、特に20未満および特に10未満にさえ達し得る。これについての1つの解決手段は、コーティング材料における少なくとも2つの異なる樹脂システムを使用し、特に樹脂における異なる量の官能基により、硬化中に異なる粘度および/または異なる反応性を提供する。
上で説明された利点は、適切な厚さを備える、例えば少なくとも5μm、少なくとも10μm、少なくとも20μm、少なくとも30μmまたは少なくとも40μmの厚さを備えるコーティング層を提供することにより支持または達成されてよい。
本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料の使用により、様々な利点が、特に本明細書で説明されるコーティング材料の適切な処理により達成されてよい。例えば、実施形態によれば、コーティング材料は樹脂を含み、樹脂は、必須量において、例えば少なくとも35%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%または少なくとも80%の量において、非晶性樹脂成分を含む。この場合における百分率は、他の材料とは別個にコーティング材料の全樹脂組成における非晶性樹脂の量を参照している。純粋な非晶性樹脂もまた可能である。
本明細書に説明される様々な利点を実現することにおいて、コーティング材料における非晶質材料のフロー特性の温度広がりは役立ち、および本明細書に開示される適切なプロセス領域との組み合わせにおいて有利でよい。この点において、関連プロセスパラメータは、絶対温度、温度変化サイクル、温度と暴露時間の積、温度変化率、圧力、力の影響(例えば機械的および/または磁力)、放射線(例えば紫外線)、表面接着制御(機械的設計、接触角、温度に応じた接触角)等でよい。
非晶質材料を含むコーティング材料を用いること、および可能な限りコーティング材料の溶融温度(そのような溶融温度がプロセス条件の下で発生する場合)と硬化温度との間の温度領域を回避することは、特に結晶性樹脂のより多い量、特に10w-%より上の量で、上で説明された利点を実現または支持するのに有利である。
特に、この温度領域を回避することにより、横方向の高い解像度が達成され得る。さらに、異なる染料への互いの流れ込みが回避されてよい。さらに、コーティング層の摩耗においてコーティング層の画像の変化がないこと、または最小の変化を提供する高い急峻度は、達成され得る。
一般に知られ、および一般に本明細書において、過冷却液体範囲は、ガラス転移温度と平衡溶融/結晶化温度との間の温度範囲としてみなされる。しかしながら、単純な、低分子における結晶化と比べて、ポリマの結晶化は、熱力学的平衡からさらに離れてすら発生する。しかしながら、結晶状態は、材料(例えばポリマの鎖構造)に応じ、常に到達可能ではない。平衡溶融温度より下で、等方性液体のギブスの自由エネルギは、常に結晶固体のそれよりも高い。従って、過冷却液体は、定義により、熱力学的に準安定である。(Stephen Z.D.Cheng,"phase transitions in polymers,the role of metastable states",Elsvier,2008,78ページ,1.1)結晶化が発生するタイムスケールは、本明細書で論じられていない多数の因子によることが知られている。
図1は、特に体積または自由エンタルピーのような広い特性に関してガラス形成材料の挙動を概略的に示す(例えば、S.R.Elliot,"Physics of amorphous materials",Longman Scientific&Technical,2nd edition,1990を参照)。例示的に、図1において、材料の体積Vは、温度Tに渡ってグラフ化される。
液相において溶融温度Tmより高い温度で始め、および冷却すると、体積は、液体状態120の熱膨張係数に応じて変化する。材料は、熱力学的平衡における溶融温度Tmで、結晶状態122を形成して結晶化する。
結晶化が発生しない場合、材料は、過冷却液体状態124に過冷却される。液体状態120から過冷却液体状態124への転移は、円滑であり、相転移(または急な体積の変化)は、溶融温度Tmで発生しない。例えば、液体状態120および過冷却液体状態124における熱膨張係数(図1に示される曲線の勾配)は、類似している。さらに冷却すると、ガラス転移温度Tgと称される温度で、熱膨張の係数は結晶状態122の熱膨張に匹敵する値に変化する。従って、ガラス転移温度Tgの下で材料はまだ(無秩序な)非晶性構造を呈すが、それの複数の特性は固体と類似している。通常、ガラス転移温度の下の状態126は、ガラス状態(またはガラス質状態)と称される。図1および上の説明は、非晶質材料のいくつかの原理側面を説明するために提供される一方で、いくつかの材料において、特に硬化性樹脂において、上で説明された状態の1または複数、特に液体状態120は、硬化がより低い温度で始まってよいので、到達可能でなくてよいことを理解されたい。一般に本明細書において、別段の記載がない限り、溶融温度または結晶化温度は、平衡溶融/結晶化温度を指す。
この温度は、直接測定することが難しい一方、平衡溶融/結晶化温度はまた、当該分野において知られるとおり、外挿により決められてよい。
さらに、非晶質材料の、および特に非晶性熱硬化性ポリマのガラス転移温度は、硬化の度合い(しばしば"アルファ"、aとして示される)、およびガラス転移温度の測定に用いられる方法によることが十分知られている。ある実施形態によれば、本明細書において称されるガラス転移温度は、DSC実験において毎分20Kの昇温速度で測定されるガラス転移の開始点である。別の実施形態において、本明細書において称されるガラス転移温度は、DSC実験において毎分20Kの昇温速度で測定されるガラス転移の変曲点である。一般に本明細書において、材料がコーティング材料において、すなわちそれが転写要素上に適用される前のパウダーにおいて非晶質である場合、材料は非晶質材料とみなされる。
非晶質材料の、特に非晶性熱硬化性ポリマの挙動の理解を容易にするために、時間温度変換図(TTTダイアグラム)が導入された(例えばJohn K Gillham,Polymer Engineering and Science,1986,volume 26,number 20,1429から1433ページ、特に1430ページを参照)。
図2は、温度Tおよび時点tの対数に関する熱硬化性ポリマ材料の変換を示す単純化されたTTTダイアグラム100を概略的に示す。TTTダイアグラム100において、第1の線102は、ガラス質またはガラス状態104(ハッチされた領域)から過冷却液体状態106(ハッチされていない領域)への変換またはその逆を示す。
従って、第1の線102は、ガラス転移を示す。さらに、TTTダイアグラム100に、過冷却液体状態106からゲル化線108の上のゲル状態への変換を示すゲル化線108が示される。知られるとおり、ポリマ流動性は、ゲル化線108で実質的に止まる。
時点t=0で、第1の線102は、しばしばTg0と称される未硬化ポリマのためのガラス転移温度を示す。TTTダイアグラム100から見られるとおり、温度T1(これはダイアグラム100における水平線に一致であろう、不図示)にポリマを維持することは、変換という結果を生じない。システムをより高温のT2に維持することは、時点t1でポリマのゲル化という結果を生じるであろうし、時点t2でポリマのガラス化(すなわちガラス状態への、特にゲル化ガラスへの転移)という結果を生じるであろう。
TTTダイアグラム100から取られ得るとおり、処理時間tx>t3の間Tg0より低い温度に維持した後、過冷却液体の形成は回避されるが、温度の増加(硬化温度までですら、図2において不図示)は、過冷却液体状態への転移という結果を生じず、むしろ温度Txでのポリマのゲル化という結果を生じる。換言すれば、熱硬化性ポリマの適切な処理により、ゲル化(従って硬化)は、過冷却液体状態を回避してさえも達成され得る。
しかしながら、プロセスの速度を増加させるために、通常、過冷却液体状態における温度は、好ましいであろう。
過冷却液体における、またはガラス状態における操作(すなわち溶融温度より高い温度での液体状態の回避)は、コーティング層の面におけるコーティング層の材料の横方向の流れを有効に防止し得る(このような流れは、ぼやける横方向に定義されるエッジ(例えば、コーティング層が文字または他の微粒子構造を含む)、またはコーティング層における異なる隣の色(異なる色の互いへの流れ込み)の混合を生じさせ得る)。コーティング層の材料のこの所望されない流れは、水平配向基板のためにはより少い問題であってよいが、鉛直配向基板のためには、この場合、コーティング層の面において材料上に重力が作用するので、より際立ってよい。
溶融温度より高い温度の液体状態が回避されない場合、これは、特に硬化温度が十分速く達されない場合、これは再度粘度を上昇させ、コーティング層における所望されない滴の形成という結果が生じてよい。
転写要素上のコーティング層は通常、転写中に寸法安定であるように硬化され得ないので、転写要素が高い横方向安定性を有する場合(すなわち、可塑変形をせず)、横方向において(すなわち、コーティング層に平行な面において)比較的高い弾性率を有する場合が有利である。さらに、転写要素は、コーティング層が基板に取り着けられた後にコーティング層から剥離可能である場合に役立つ。例えば、実施形態によれば、転写要素は、それ上にコーティング層が堆積するその主な表面に垂直に柔軟である。例えば、これは、1つの方向において長手方向に安定であるクロスラミネートホイルにより達成されてよく、それにより、クロスラミネーション(互い上の個々のホイルの積層であって、ホイルは、互いに横(例えば垂直)に配向される)により、両方の座標方向における高い伸長耐性が達成される。この点において、十分な横方向安定性は、ある程度薄いホイルで達成されてよい。他方で、薄いホイルは、薄いホイル(転写要素)の剥離を容易にする良好な柔軟性を提供する。しかしながら、別の実施形態によれば、転写ホイル、転写ベルト、転写プレート等のような任意の適した転写要素が、用いられてよい。
実施形態によれば、転写要素は、転写要素を運ぶ転写ベルトを含んでよい輸送デバイスにより輸送される。直接印刷の実施形態において、転写要素は、被覆される基板により置換される。
転写要素を用いることは、転写要素上のコーティング材料の部分硬化を可能にするので、直接印刷に比べて有利でよい。(基板に接触している状態にもたらされる前の)転写要素上のコーティング材料の部分硬化はまた、本明細書において予備硬化と称される。予備硬化は、より容易なアクセス可能処理領域を提供してよく、および完全に硬化したコーティング層の品質を増加させてよい。また予備硬化に関して、非晶質材料は、結晶性材料がより小さな処理領域を有してよいので、結晶性材料に比べて利点を有する。結晶性材料および非晶質材料(例えば結晶性樹脂および非晶性樹脂)の組み合わせであるコーティング材料を用いることにより、またはその樹脂が純粋に非晶性であるコーティング材料を用いることにより、時間、圧力および熱のパラメータの1または複数による様々なやり方においてコーティング材料を構成することが可能である。実施形態によれば、基板上のコーティング層(例えば基板上へ直接印刷により適用される)はまた、特にUV硬化により、本明細書に説明される部分硬化にさらされてよいことに留意されたい。
特に、非晶質材料は、転写要素上へのコーティング層の柔軟な転写を可能にする一方で(例えば、転写の特殊性に対するコーティング層の特性の調整を、例えばコーティング層を機械的に柔軟に維持することにより、可能にし)、他方では、転写のタイムスケール中にコーティング層の材料が有害な流れを受け取らないのに十分高い粘度を提供する。さらに、非晶質材料の粘度は、(例えば温度により)調整され得、それにより、コーティング層はそのため、コーティング層の面において横方向の解像度を低減させることなく基板上に十分に接着する。
実施形態によれば、予備硬化は、溶融温度と硬化温度との間に延在する温度領域の外の温度で実行される。換言すれば、予備硬化は、過冷却液体状態において、または硬化温度よりも上のいずれかで実行される。この点において、特定の部分硬化状態に達するのに必要とされる時間は、温度に強く依存し、およびより低い温度のために一般により長いことを理解されたい。
予備硬化に関する利点に加え、転写システム(すなわち、転写要素の使用)は、基板へのコーティング層の取り付け後のコーティング層からの転写要素の剥離という問題を伴ってよい。発明の解決手段は、パウダー粒子間の接着または膜形成が既に進められ、それにより基板にコーティング層を適用した後にコーティング層と転写要素との間の接着が最小化されるという態様における、コーティング層の前処理を可能にする。このようにして、コーティング層からの転写要素の剥離は、コーティング層が基板に適用された後に困難なく達成される。これは、接着を低減させる材料を備える転写要素を提供することにより(例えばテフロン(登録商標)を備える転写要素を提供することにより)、または異なる層を印刷し、転写要素の近くのコーティング層(例えば転写ホイル)に転写要素への接着を低減させる物質を含めることにより、さらに支持される。別のオプションは、転写要素にコーティング層を適用する前に、特にUVで、転写要素の近くのコーティング層のための予備硬化を作成することであり得、従って硬化度に応じて転写要素へのコーティング層の接着を減少させることであり得る。コーティング層からの転写要素の剥離を支持する他の可能性は、例えば穴あきホイル、ハス効果を備えるホイル等を用いることによる構造化転写要素を用いることである。コーティング層からの転写要素の剥離を支持する他の可能性は、構造化表面(例えば組織と同様の表面構造を備える、または特定の表面粗度を備える)転写要素を提供することである。コーティング層からの転写要素の剥離を支持する他の可能性は、転写要素とコーティング層との間の剥離を容易にする適切な材料を提供することである。剥離を容易にする材料は、例えば、流体中間層またはリリースパウダーでよい。
本明細書で開示された発明の実施形態は、パウダーコーティングのために従来用いられた材料を、トナーの製造のために従来用いられた材料と組み合わせる。実施形態によれば、追加の手段(例えば最適化された少量における電荷制御剤、CCA)により、より厚いコーティング層のが達成される。
実施形態によれば、より大きな厚さもまた、転写要素のより厚いコーティング(例えば現像ユニットによる転写ドラムのより厚いコーティング)により、または中間の物理的圧縮により支持されてよい。非晶質材料の使用に起因して、互いの間のコーティング材料粒子の追加の急速な接着は、潜像生成と任意の予備硬化との間の輸送段階中に達成される:コーティング材料の非晶性成分のガラス転移温度Tgに近接する温度でのコーティング層の圧力ベースの圧縮により、高い粒子間接着が達成される。粒子間接着は、そのガラス転移温度より下のコーティング材料の更なる非晶性成分の組み込み、および/またはその溶融温度より低いコーティング材料の結晶成分の組み込みを可能にする。このように、転写要素上のコーティング層の弱い接着は、それぞれ達成されまたは十分である。
1つの実施形態によれば、横方向の高い解像度は、ガラス転移温度より高くおよび上限温度より低い温度でのコーティング層の圧力ベースの圧縮により達成され、上限温度は、ガラス転移温度より30℃高い。
別の実施形態によれば、上限温度はガラス転移温度より5℃高く、または別の実施形態において、ガラス転移温度より15℃高い。このような圧力ベースの熱支援圧縮により、微粒子状パウダーが急なエッジを備えて構築され得る。物理的圧縮は、コーティング層における横方向の高い解像度を可能にする予備硬化まで急なエッジを維持するのに役立つ。例えば、実施形態によれば、400ドット毎インチ(dpi)より上または10l/mmより高い解像度が達成される。
実施形態によれば、単一コーティング層のみが、転写要素/基板に適用される。別の実施形態によれば、2以上のコーティング層が、転写要素上に適用され、少なくとも2つのコーティング層の第1コーティング層は、転写要素上に適用され、および第2コーティング層は、転写要素上(および特に第1コーティング層に渡って)適用される。2以上のコーティング層は、(特に2以上の層が高解像度画像を含む場合)2以上の層の適用においていくらかの努力を必要としてよい。他方で、2以上のコーティング層による所望のコーティング厚さを適用することは、急なエッジの生成を容易にしてよい。これは、第2コーティング層が第1コーティング層に渡って適用される前に、第1コーティング層が圧縮される場合に特に妥当する。圧縮は、物理的圧縮(例えば圧力で誘発される)および/または熱支援圧縮(例えば温度で誘発される)を含んでよい。熱支援圧縮は、それぞれのコーティング層を所望の処理時間中、非晶質材料の流れが発生する温度(温度は、特に、それにおいて非晶質材料がその過冷却液体状態にある温度範囲にある)に加熱することを含む。
実施形態によれば、第1コーティング層は、第2コーティング層が第1コーティング層に渡って適用される前に予備硬化され、または少なくとも部分的に予備硬化される。これは、大きな厚さ、例えば50μmの厚さより上ですら、コーティング(第1コーティング層および第2コーティング層を含む)の安定した急なエッジを可能にする。実施形態によれば、各コーティング層において、隣接するコーティング層と反応し得る官能基が十分残るように、予備硬化が実行される。
一方で、これは次のコーティング層を適用する前の個別のコーティング層の部分的硬化のみにより、または(例えば第1コーティング層における特定の官能基の余りおよび第2コーティング層における、特定の官能基と反応する相補的な官能基が過剰である)非化学量論的組成により、または単に、硬化後にまだいくつかの官能基が、硬化処理中の不動性の増加に基づいて残されるという事実により、達成されてよい。従って、このような非化学量論的組成において、第1コーティング層に特定の官能基を有する成分が完全に硬化される(すなわち、更なる反応はもう生じない)場合ですら、第2コーティング層における相補的な官能基と反応する特定の官能基の一部が残るであろう。
さらに、特定の添加剤により、または従来のトナー成分、例えば電荷制御剤の機械的特性の機能化により、粉体コーティング材料の粒子の間の粒子間接着は、向上してよく、そのため、コーティング層における(すなわち、いかなる圧縮、フローまたは部分的硬化が実現する前に)コーティング材料のより急なエッジ(より大きな安息角)を可能にする。このような方策は、コーティング層の高解像度および大きな厚さの両方を実現するのに役立つ。例えば、1000dpiの解像度は、25μmのドットサイズと一致する。50μmのコーティング層の厚さとともに、これは2:1のアスペクト比と一致する。そしてこれは、単一ドットサイズ(25μm)により分離される2つのドットの融合を回避するために、76°より大きな安息角を必要とする。添加剤の影響は砂と比較されてよい。乾燥砂は、約35°の安息角を有し、湿った砂では、90°に近い安息角が可能である。
安息角が大きくなるにつれ(すなわち、安息角が90度に近くなるにつれ、従ってコーティング層のエッジがより急になるにつれ)、コーティング層に図示される画像上のコーティング層のアブレーションの効果がより少ないので、大きな安息角は、好ましい。
従来のパウダーコーティングとは対照的に、圧縮空気は、NIP方法において主要な搬送媒体として用いられない。これは、NIP方法において、微視的小気泡の包含の危険が存在しないか非常に低いのみなので、従来のパウダーコーティングの既知の特性を依然として維持する一方、薄いコーティング厚さを可能にする。それでも、従来のNIP方法に比べて、特に厚いコーティング層は、パウダーコーティングの典型的特性(例えば長期耐候性)を実現するのに必要である。
例えば、砂摩耗により、通常、コーティング層の特定の厚さは、毎年摩耗され、事前に十分な(初期の)厚さのコーティング層により提供されなければならない。
実施形態によれば、コーティング材料は、脱気剤を含まない。これは、実施形態によれば圧縮空気が転写要素へのコーティング材料の適用のために用いられないので可能になる。さらに、転写要素上のコーティング層の圧縮は、脱気効果を有する。コーティング層の圧縮は、転写要素上で実行されるので、圧縮の圧力は、特に圧縮度および基板へのコーティング層の適用とは離れた脱気に関して、最適化され得る。実施形態によれば、圧縮は、未硬化非晶質材料(場合によりTg0とも称される)のガラス転移温度で、またはその近傍において、例えばその下限がガラス転移温度より20ケルビン低く延在し、およびその上限がガラス転移温度より15ケルビン高く延在する温度範囲[Tg0-20K、Tg0+15K]において、実行される。
コーティング材料において非晶質材料を用いることにより、パウダー粒子の間の(熱処理なしの)初期接着は、転写要素上のパウダー粒子の初期接着より強いということが達成され得る。実施形態によれば、本明細書で開示された発明による印刷デバイスの静電パラメータは、それぞれ適合される。例えば、印刷デバイスが転写ドラムおよび中間転写ベルトを含む場合、転写ドラムの電圧および中間転写ベルトの転写パワーはそれに応じて調整される。
以下において、本明細書で開示された発明の実施形態による印刷プロセスは、例示的に説明される。まず、ねじのシステムを備える現像剤ステーションにおいてパウダー粒子の活性化が始動され、およびキャリアと共に粒子は移動/摩擦により活性化される。次に、(-)電圧が混合に適用される(以下のステップ3)
1.帯電:画像有機光伝導体ローラー(OPC)の全面は、帯電コロナ(-800VDC)により均一に帯電される。LED光源は、OPC上に静電潜像を描画するのに用いられる。
2.暴露:印刷パターンは、LED光(-100VDC)でドットにおいて描画され、およびOPCは、光が表面に当たる場所で放電される。静電潜像は、OPC上に形成される。
3.現像:負に帯電されるトナー(-500VDC)は、OPC上の潜像に接着される。
4.転写:潜像に接着されるトナーは、正に帯電される転写ロール((+)200-800VDC)の表面に転写され、次にトナーは、転写ロールから(金属、MDF、ガラス、タイル、独立型転写要素)表面に転写される。
実施形態によれば、基板へのコーティング層の適用の前またはそれ中に転写要素上のコーティング層を加熱するように構成される加熱装置は、加熱可能な要素、例えば定着ローラーとも称される加熱ローラーである。加熱可能な要素上でのコーティング材料の一部の凝固は、いくつかの方策により回避され得るか、または少なくとも減少され得る。例えば、1つのそのような方策は、(例えば圧力および/または温度により)コーティング材料における流れにおいて粘性を誘起することである。例えば、コーティング材料の(および特にパウダー粒子の)流れ、従ってパウダー粒子の融合は、ガラス転移温度Tg0より上だが溶融温度Tm(このような溶融温度が存在する場合)より(十分)下の過冷却液体状態にコーティング材料を加熱することにより達成され得る。他のそのような方策は、(例えば圧力、紫外線光、(例えば赤外線、接触加熱要素等による)温度によりコーティング層を部分的に硬化することである。他の方策および更なる実施形態によれば、コーティング層の(更なる)圧縮は、コーティング材料の部分的な硬化の前にコーティング材料の流れを誘発した後実行され得る。
そのような他の方策は、例えば、コーティング材料において結晶性および非晶性バインダ材料の組み合わせにより、またはコーティング材料において純粋な非晶性バインダ材料を用いることにより、弾性および耐久性プラスチック効果の組み合わせを提供することである。
実施形態によれば、ラジカル硬化を備える樹脂の場合のUV開始剤および熱開始剤の少なくとも1つ(例えば、UV開始剤および熱開始剤の混合物)、および/または樹脂が架橋剤により硬化され得る場合におけるUV開始剤(すなわち樹脂が不飽和を含む場合)である。
コーティング材料における粘性流および/またはコーティング材料の部分硬化を誘発することにより、コーティング層の高い機械的安定性は、達成され得、実施形態によれば、ホイル様の(接続される)中間状態であり得る。このようなコーティング層のホイル様の中間状態は、加熱可能な要素上での凝固を減少または回避し得る。
コーティング層の粘性流および/またはコーティング層の部分硬化(および特にコーティング層のホイル様の中間状態)はまた、コーティング層が既に環境インパクトに対しいくらかの安定性を有するが、通常の完全に硬化したデュロプラスチックシステムほど脆くないので、転写要素の扱いを容易にする。脆性は、転写要素からのコーティング層のクラックにつながり得る。
これにより、同程度に高い粘度で(すなわちガラス転移温度の近傍において)粘性流を誘発することにより、および特に溶融温度Tmより高い温度での液体状態を回避することにより、微小気泡は回避され得る。さらに、コーティング材料において非晶性バインダ材料を用いることにより、硬化範囲は、コーティング層の横方向の解像度への有害な効果なしにより大きな温度範囲に渡って延在し得る。
このように、従来のパウダーコーティングの望ましい特性は、本明細書に説明されるコーティング層で達成され得る(例えば密閉、高温抵抗、耐候性、長期紫外線安定性、着用保護、ピンホールがないこと、摩耗ベースの退色保護、屋外機能、キズ耐性、溶媒耐性、拡散低減/拡散バリア等)。
更なる実施形態によれば、基板にコーティング層を適用するために(例えば基板にコーティング層を適用する前または適用する間に)、コーティング層の温度は、転写要素を除去する前にコーティング層を部分的に硬化するように、コーティング層の硬化温度より高い温度に増加する。この点において、転写要素を除去する前に、例えばその間コーティング層の温度が硬化温度以上に維持される適切な期間により、コーティング層は部分的にのみ硬化されることが強調される。
例えば、実施形態によれば、転写要素を除去する前のコーティング層の部分硬化は、硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱および時間の短い期間の後のコーティング層の急冷により実行される。
このような典型的な加熱/冷却範囲は、10K/分から100K/分の間であり得る。しかしながら、主要な側面は、部分硬化のみが発生することである。このような部分硬化は、部分硬化の後に、まだいくらかの反応熱が、反応のタイプ(吸熱または発熱またはその組み合わせ)に応じて与えられ、または使い果たされる態様において定義され得る。
コーティングの20K/分の昇温速度でのDSCで測定されたTgの1-2℃より高い変化もまた、部分硬化のみが発生したことの良い兆候である。好ましくは反応の熱生成/消費に基づいて、80%未満、さらにより好ましくは50%未満の部分硬化が選択される。
実施形態によれば、硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱は、転写要素へのコーティング層の適用後だが基板へのコーティング層の転写前に実行される。硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱(例えばショックのような(突然の)推進力加熱)はまた、硬化が始まる前に光沢を形成する液相を提供してよい。加熱パラメータを制御することにより、脱気の度合い、延性/脆性、および従って印刷デバイスから基板への転写中のコーティング層を取り扱い性もまた、制御される。
別の実施形態において、延性/脆性はまた、直接印刷においても制御される。
更なる実施形態によれば、コーティング層の部分硬化(または硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱)は、基板への転写要素上のコーティング層の適用中に実行される。このように、コーティング層および特にコーティング層により表される画像は、後に続く硬化オーブンにおける鉛直の向きがコーティング層の画像の品質/横方向の解像度に悪影響を与えないことを保証するのに十分高い硬化度を有する。実施形態によれば、基板へのコーティング層の適用中、基板は、水平位置にある(すなわち、重力の方向がコーティング層に対して垂直である)、または、基板は、少なくとも鉛直の向きにはない。
コーティング層の急速加熱は、任意の適した加熱装置、例えば赤外ラジエータ、レーザ等により、実行され得る。実施形態によれば、加熱装置は、コーティング層を直接加熱するように構成される。更なる実施形態によれば、加熱装置は、間接的に、例えば基板を加熱することによりコーティング層を加熱するように構成される。
コーティング層の粘性流および/または部分硬化は、摩耗に対する耐性、キズ耐性および溶媒に関する長期耐性に関して、基板上の完全に硬化したコーティング層を向上させてよい。
コーティング層の厚さ全体に渡るコーティング層の連続着色により、特にコーティング層が画像を表す場合において、適用される画像のための一体化された退色保護が屋外用途において達成される。既知のシステムにおいて、薄い下塗りは、例えば電磁ブラシ(EMB、例えばhttp://www.emb-technology.com/を参照)により、透明の厚い保護層で覆われる。対照的に、本明細書で開示された発明の実施形態は、コーティング層全体に渡る画像を含む。
このように、屋外用途において自然による作用は、機能化され、および退色しないより深い位置において新しいカラー顔料を連続的に暴露する。従って、自然による作用は、退色する顔料の除去の機能を果たす。屋外用途において、摩耗は、典型的には毎年1μmから2μmの範囲にあるとみなされる。従って、砂浸食にさらされる場合ですら数年に渡って画像を維持する表面コーティングを提供することは可能である。
実施形態によれば、転写要素は、コーティング層適用デバイスから取り外し可能である。例えば、実施形態によれば、転写要素は印刷デバイスでコーティング層を適用した後除去される。転写要素は、個別に輸送または保管されてよい。転写要素は、転写要素上のコーティング層の輸送および保管の間のポリマまたは他のホイル層で作成されるソフト包装のような保護特徴を含んでよい。好ましくは、包装材料は、保管時間および条件の間、コーティングへの包装材料から出る材料の転写が発生しないという態様において選択される。本明細書で、特別な関心が、コーティングのTgを減少させ得る高含有量の移動性可塑剤を含まない材料の使用に与えられる。また、特にいくらかの圧力がコーティングに与えられる場合、輸送はTg未満で行われるべきである。前述したことは、基板上の最終硬化印刷のためにもまた適用される。
本明細書で開示された発明の実施形態に適合される従来のNIP転写方法は、以下の特徴の1または複数を提供してよく、第1に、昇温速度は、正確に制御されてよく、第2に、硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱が、提供されてよい。(異なる場所で実行されてよい)最終硬化は、特に接着および密封に関してパウダーコーティングに典型的である特性を提供してよい。
非晶質材料のガラス転移温度は、コーティング材料におけるプロセスのダイナミクスのための測定であるので、低いガラス転移温度は、短い硬化時間内に、パウダーコーティングから知られている特性、例えば拡散増加特性および硬化コーティングのピンホールがない所望の状態を提供してよい。硬化処理中(または前)の残存する微小気泡の可能な発現に関連して、ピンホールのない膜が形成され、所望の拡散低減特性を呈す。
熱処理に加え、コーティング材料の化学組成もまた、最終的に硬化したコーティング層の所望の特性を提供するするのに役立ち得る。例えば、厚さが厚いおよび良好な横方向の解像度は、コーティング材料において、例えばコーティング材料の1から5w-%の間の範囲における量において、電荷制御剤を含むことにより達成(および最適化)され得ることがわかった。サリチル酸ベースの、特に亜鉛とサリチル酸ベースの電荷制御剤が特に有利であることが判明した。
コーティング層の拡散低減/防止特性は、実質的に2つのパラメータ、材料の拡散率およびコーティング層の厚さによる。本明細書で開示された発明の実施形態によれば、コーティング層の大きな厚さが達成され、(例えば水、酸素等のために、所与の拡散値で)良好な拡散低減特性を提供する。適切な量の電荷制御剤を追加することにより、拡散率およびコーティング層厚みの両方のパラメータが最適となってよく、特に1%から5%の比較的少量の電荷制御剤により、達成されてよい。
特に亜鉛とサリチル酸ベースのCCAにより、追加の利点として、良好な屋外安定性(適切なCCAを選択することによりパウダーコーティングシステムから知られる屋外安定性を維持すること)、良好な一貫したネットワーク形成挙動、および高い色濃度が達成される。屋外用途のために、約1%またはより多くの2%のようですらが最高の色濃度を取得するのに必要であることが、驚くべきことにわかった。さらに、好ましくは1から100nmの間、最も好ましくは5から70nmの間の粒子サイズを備えるシリカは、本明細書で説明される熱硬化性材料の帯電特性を増加させることがわかった。
実施形態によれば、適切なCCAの使用は、印刷中の急速な潜像生成を提供する。このように、印刷プロセスにおける高スループットが達成される。実施形態によれば、1秒未満内の潜像変化は、5μmより大きな、特に10μmより大きなおよび特に100μmまでのコーティング層厚み、例えば5μmから8μmの間の厚さで達成され得る。
さらに、その粒子が球形状から逸脱する形状を有する(および好ましくは維持する)微粒子材料の付加は、最終的に硬化したコーティング層の所望の特性を提供するのに、例えばコーティング層において横方向の高い解像度を提供するのに役立ってよい。また、粒子の高い表面粗度は、このような所望の特性を提供するのに役立ってよい。このような微粒子材料は、1つの機能のみ果たしてよく、または本明細書に説明される更なる機能を果たしてよい。例えば、微粒子材料はまた、電荷制御剤の機能を果たしてよい。この点において、上で説明された亜鉛とサリチル酸ベースの電荷制御剤もまた、未硬化または部分的に硬化したコーティング層の機械的特性を向上させ、および、コーティング層における横方向の高い解像度を実現するのを支援する。
理路に縛られることなく、この有利な特性は、粒子の延伸する(ロッドのような)形状および/または粒子の表面粗度に起因することが想定される。
本明細書で開示された発明の意味における"硬化"という用語は、特に1または複数(例えば2以上)のバインダ材料(例えば、不飽和システムのために熱ラジカル開始剤により、または1または複数のバインダ材料および追加の硬化剤(例えばエポキシ樹脂を備えるポリエステル、プリミド硬化システム(β-ヒドロキシアルキル-アミド(HAA))等により開始される)の反応それ自体および/または互いによる硬化を意味することに留意されたい。実施形態によれば、熱硬化システムを含むかまたは純粋な熱硬化システムであることが好ましい。
実施形態によれば、転写要素に(または直接印刷方法において基板に)コーティング層を適用した後、コーティング層は、本明細書で開示された発明の実施形態による更なる処置、例えばコーティング層において粘性流を誘発すること、コーティング層を部分的に硬化すること、(特にコーティング層上に圧力をかけることにより)コーポレートコーティング層の圧縮にさらされる。
実施形態によれば、部分硬化の適切な制御により、コーティング材料のゲル状態における保持時間は、コーティング層全体に渡る連続着色にもかかわらず、横方向の高い解像度が達成されるが、にじみの影響が横方向の解像度を減少させないように、十分減少する。例えば、更なる実施形態において、硬化(アルファの変化)によりガラス化プロセスを引き起こす短い期間でも、高い予備硬化温度が用いられ、それにより、粘性流が減少しまたは防止され、および基板へのコーティング層の適用中の後の扱いは、例えば、可塑変形へのコーティング層の減少した傾向により容易になる。
このプロセスは、UVおよび/または電子ビームのような放射線硬化により支持され得る。
前述の原理の実施形態において、コーティング層の加熱のような推進力は、コーティング層を基板と接触させた後、コーティング層の温度が短時間の間に硬化温度より高い温度に増加するように実行され、それにより、続く急冷に起因して部分的ガラス化は、良くないにじみが顕著でないように発生する。さらに、そのような実施形態において、転写要素がコーティング層から除去される時間における点は、用途および要件に応じて最適化され得る。
実施形態によれば、ガラス転移温度の近傍またはガラス転移温度より僅かに高い温度での基板上へのコーティング層の接着は、転写要素がコーティング層から既に分離し得るように十分良好である。このようにコーティング層の光沢は、最適化されてよい。さらに、コーティング層の転移のない取り付けは容易にされてよい。実施形態によれば、温度プロフィール(硬化温度より高い温度へのコーティング層の急速加熱)により、コーティング層とコーティング要素との間の接着は、(例えば転写要素の適切な調整により)減少し、それにより、転写要素からのコーティング層の剥離は容易になる。実施形態によれば、犠牲層が、剥離を容易にする転写要素上に提供される。実施形態によれば、コーティング層の適用後および転写要素を除去する前に、犠牲層は、その後に剥離が容易になるように、(例えば加熱により)それの複数の特性において変わり得る。実施形態によれば、犠牲層は、最終硬化中に消失する。例えば、最終硬化中、犠牲層は蒸発またはガス放出する。
実施形態によれば、そこで未硬化コーティング材料がそのガラス状態にある(そのガラス転移温度より低い)温度での粘性流は、転写要素上のコーティング層上に圧力をかけることにより支援される。実施形態によれば、コーティング層上の圧力は、ローラーにより加えられる。例えば、転写要素が転写ドラムである場合、圧力は、転写ドラムに対する方向におけるローラー押圧により加えられてよい。
更なる実施形態において、コーティング材料は、例えばポリマ、カラー顔料または染料の適切な選択肢により、機能的に補足され、長期安定色堅牢度および紫外線(UV)耐性が達成される。ポリエステル誘導体を用いることにより、最終生成物における(例えばエポキシ異形と比べて)強化された紫外線耐性だけでなく電子写真または熱NIPプロセスにおける単純な熱固定もまた、達成されてよい。あるいは、このアクリルについて、F-ポリマまたはウレタンベースのコーティングもまた、非常に良好な天候安定性を実現し得る。
高温(200℃より上)で、従来のパウダーコーティングは、少なくとも重大な色領域において色を大幅に変化させ、およびコーティング表面上の熱攻撃に起因して光沢のある外観を失う傾向を有する。非晶性成分に起因する本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料としてのこれらの色、および結果として生じる可制御性およびより深い硬化温度を提供することにより、このような問題は回避され得る。
実施形態によれば、色の勾配は、コーティング層において形成され、色は、コーティング層に垂直な方向に変化する。実施形態によれば、コーティング層(例えば転写要素)は、1または複数の異なる色、特に2以上の異なる色を含む画像として提供され、画像は、コーティングの異なる深度で異なる。例えば、実施形態によれば、画像における変化は、例えばコーティング層の浅いエッジから結果として生じて、徐々に変化してよい。更なる実施形態によれば、画像における変化は段階的でもよい。コーティングの画像におけるこのような段階的な変化(例えば基板に向かうコーティングの表面からの方向において上の画像から下の画像への変化)は、互いの上に2つの異なるコーティング層を提供することにより実現されてよく、異なるコーティング層は、異なる画像を示す。特に特定の深さでの画像における段階的な変化は、上の画像の摩耗の後に下の画像をさらす可能性を提供する。特に下の画像は、人間可読または機械可読部分(例えば、例えばコーティングの残りの厚さを示す記号または文字)を含んでよい。
基板に移され、および摩耗にさらされると、コーティングの異なる深度での異なる画像は、コーティングの残りの厚さを示してよい。これは、コーティングの後処置がいつ必要かについての指示として用いられてよい。このような特徴はまた、コーティングがまた腐食に対する保護機能(上のコーティングが完全には閉じていない場合に光がその下に通る蛍光コーティング)を有する場合、し損なったコーティングスポットを検出するのに用いられ得る。
実施形態によれば、未硬化または部分的に硬化したコーティング層が良好な接着を更なる未硬化または部分的に硬化したコーティング層に提供するという事実は、追加機能を提供するために用いられる。例えば、転写要素は、第2コーティング層が転写要素に適用される場合、第1コーティング層を既に含んでよい。同様に、基板は、転写要素上の1または複数のコーティング層が第1コーティング層に適用される場合、下塗りを既に含んでよい。この点において、下塗りは、従来のパウダーコーティングまたは他の従来のコーティング技術により生成されてよく、または本明細書で開示された発明の意味におけるコーティング層であってよいことに留意されたい。本明細書で開示された発明のこの実施形態で、パウダーコーティングのような従来のコーティングのように同じ化学的性質に従う高解像度印刷が構築され得、そのため接着、化学的性質、熱膨張等による非常に良好な適合性が与えられるという事実により、特別な利点が与えられることが強調されるべきである。これは、今までに達成可能でなかった多くの産業上の応用における高品質印刷の使用を開く。
更なる実施形態によれば、電荷制御剤、ポリマ、カラー顔料および染料、および特に非晶性成分の適切な選択および組成により、ならびに硬化度の適切な制御により、コーティング層の高温安定性は、シリコーンベースの樹脂システムでと同様に達成され得る。従来のトナーまたは結晶の使用において、以下の問題におけるコーティング材料が知られている: 特に比較的厚いトナー層の場合において、トナーの高い固定温度で、堆積物が、トナーの熱可塑性特性に起因して定着ローラー上に形成してよい。
さらに、例えば、PANTONE(登録商標)Rhodamine Red、Purple、Blue 072、Reflex BlueならびにHKS(登録商標)27、33および43は、トナーの固定中に顔料の低温安定性に起因して問題を引き起こしやすいと知られている。従って、従来のトナーシステムにおいて通常、低い安定性の顔料を同様の色のより安定した顔料に置き換えることが試みられる。
本明細書で開示された発明の実施形態によれば、多段硬化は、低温でのコーティング層の部分硬化および/または高温での急速な部分硬化を含む。
このような処理は、カラー顔料の低温耐性に起因する問題を回避するのに役立ってよい。特に基板へのコーティング層の適用は、2つのステップに分割され得る:基板上のコーティング層の固定の熱開始(高熱伝導率を備える基板(例えば金属)のために、(衝撃的な)温度推進力が達成されてよい)。実施形態によれば、固定の熱開始は、基板上の自発的接着を促進し、および転写要素の剥離を容易にするゲルまたは軟状態にコーティング層を移す硬化温度より高い温度で実行される。
後に続く最終硬化において、異なる温度プロフィールは、例えば光沢のある表面および高品質仕上げを実現するようにかかってよい。
実施形態によれば、転写要素上のコーティング層の部分硬化は、非熱硬化メカニズムにより実行される。例えば、実施形態によれば、非熱硬化メカニズムは、紫外線による部分硬化である。非熱硬化メカニズムは、コーティング材料の硬化および粘性流が個別に制御され得るという利点を有する。
更なる実施形態によれば、本明細書で開示された発明の意味における部分硬化は、コーティング層の厚さに渡って異なる硬化度を含む。例えば、実施形態によれば、転写要素に対向するコーティング層の第1部分は、第1部分に対向するコーティング層の第2部分(例えば基板に取り着けられるべき自由表面部分)より程度が高く硬化する。このように、転写要素から離れて対向し、および基板に取り着けられるように意図されるコーティング層の自由表面の良好な接着特性を維持する一方、転写要素上のコーティング層の接着は、減少してよく、さらに、次に基板上のコーティングの上部での解像度は、従って向上してよい。
従来のパウダーコーティングに比べて、コーティング層の厚さは減少する。しかしながら、驚くべきことに、本明細書で開示された発明の実施形態により適用されるこのような比較的薄いコーティング層(従来のパウダーコーティングの厚さに比べて)は、まだ従来のパウダーコーティングの所望の特性を提供する(風化保護および化学物質に対する耐性および腐食防止ですら、いくつかの実施形態において達成され得る)。理論に縛られることなく、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層の驚くべき良好な性能の理由は、特に(i)転写要素上のコーティング層の圧縮、(ii)、コーティング層の粘性流の開始(すなわちコーティング層におけるコーティング材料の粘性流)、および(iii)従来のパウダーコーティング材料に比べてコーティング材料の減少した粒子サイズの少なくとも1つであることが想定される。
コーティング層の比較的小さな厚さで所望の保護を提供する可能性に起因して、本明細書で開示された発明の実施形態は、既に材料節約に起因する費用効果の高いコーティングを提供する。
実施形態によれば、転写要素上のコーティングは、本明細書で説明される1または複数のコーティング層により提供される。実施形態によれば、1または複数のコーティング層の第1コーティング層は、1または複数のコーティング層の第2コーティング層が第1コーティング層より上の転写要素上に適用される前に、粘性流および/または部分硬化にさらされる。更なる実施形態によれば、1または複数のコーティング層は、粘性流および/または部分硬化に1または複数のコーティング層をさらすことなく、転写要素に適用される。この場合、1または複数のコーティング層を含むコーティングは、その後に粘性流および/または部分硬化にさらされてよい。
実施形態によれば、転写要素上の1または複数のコーティング層の適用は、単一印刷デバイスにより実行される。特に、このような場合において、1または複数のコーティング層は、続いて、同じ印刷デバイスにより転写要素上に適用されてよく、例えば、転写要素は、1または複数回印刷デバイスを通して動作してよい。
更なる実施形態によれば、1または複数のコーティング層の適用は、それぞれの数の印刷デバイス(すなわち1または複数の印刷デバイス)により実行される。
1または複数のコーティング層により転写要素上にコーティングを提供することは、安息角の効果が減少するので高い解像度を可能にする。
コーティングの多層構造により、移されるべきコーティングの固有の安定性は、向上してよく、従って転写要素のための機械的要件は、減少してよい。例えば、実施形態によれば、微小穴あき転写要素(例えば微小穴あき転写膜)は、転写要素として用いられてよい。微小孔により、転写要素上のコーティングの接着および/または基板への適用後のコーティングの表面構造は、制御されてよい。
さらに、移されるべきコーティングの向上した固有の安定性は、転写要素上のコーティングの転写のための処理要件(例えば、転写中の最大温度変化(機械的圧力につながってよい)、コーティングの撓みの最小角度(転写要素からのコーティングの剥離という結果になってよい)、最低温度(低過ぎる温度はコーティングの脆性を増加させてよい))を減少させるために用いられてよい。
実施形態によれば、コーティング材料は、ビスフェノールAおよびエポキシ樹脂のような、従来のトナーのために典型的である化合物(例えば添加剤)なしに、少なくとも1つの非晶性成分(例えば非晶性バインダ)を含む。これらの添加剤の放棄に起因して、人間の代謝(ビスフェノールA)で終わってよい、または更なる保護メカニズム(エポキシ)なしに屋外用途に関連する、基板のコーティングが可能である。
現在、可塑剤としてのビスフェノールAは、この化合物がホルモン系への負の影響、生殖障害および発達障害を有すると想定されるので、批判にさらされている。追加の保護なしでのエポキシベースの用途は、それらが風化安定性を呈さないので屋外用途のために適切でない。
転写要素を用いることにより、コーティングは、(例えば印刷システムは大き過ぎるであろうから、または特定の(周辺の)位置で利用可能でないであろうから)直接方法において被覆され得ない基板に適用されてよい。典型的な例は、その内表面上に広告または通知(例えば"放電しないでください"、"リサイクルしてください")を備える缶、またはフライパンに適用され、作業温度を示すサーモクロミックコーティングであろう。
実施形態によれば、基板への適用前の部分硬化により、コーティングは、膜と同様の状態に移され、転写要素なしの転写を可能にする(この場合、基板にコーティングを移のに転写要素は必要ない)。それでも、基板上のコーティングの最終硬化により、基板上のコーティングの完全な接着が提供される。コーティングが転写要素なしに移されるのに十分な固有の安定性を有するか否かは、コーティングの厚さおよび部分的に硬化コーティングの材料パラメータ(例えば弾性率、硬度等)によってよい。
実施形態によれば、それ上にコーティングが適用される転写要素の表面は、転写要素とコーティングとの間の界面エネルギが温度依存性であるように構成され、それにより、転写要素上のコーティングの接着は、より高温でより小さくなる。従って、高温で、コーティングおよび基板の接触中に、転写要素とコーティングとの間の接着は、基板への印刷デバイスからの転写中に低温でより小さい。従って、他方で基板への印刷デバイスからの転写中にコーティングは転写要素にしっかり接着される一方、転写要素の剥離は容易である。転写要素の表面のそれぞれの構成は、高温で表面に溶け込み、そのため転写要素上のコーティングの接着を低減させるワックス、例えばテフロン(登録商標)ベースのワックスを転写要素に提供することにより実現されてよい。転写要素へのコーティングの転写および/または基板への転写要素からの転写中の転写要素の異なる静電帯電の使用もまた、本発明による選択肢である。さらに、実施形態によれば、基板へのコーティング層の適用中の基板の帯電は、特に、そこでコーティング層が基板に直接適用される直接印刷用途において実行される。
更なる実施形態によれば、転写要素は、ノンスティック剤で覆われる。ノンスティック剤は、基板に転写要素でコーティングを適用した後のコーティングからの転写要素の除去を容易にする。
実施形態によれば、コーティング材料は、コーティング層の処理および硬化のために用いられる温度範囲全体に渡って固体のままである粉末状の固体材料を含む。Einstein(Å.Einstein,"Eine neue Bestimmung der Molekuldimensionen",Ann.d.Physik,19(4):289,1906)の初期の仕事から知られているように、粘稠液に分散される固体粒子は、粘稠液の粘度を増加させる。従って、所与のポリマのために、(温度依存性の)粘度は、粉末状の固体材料により調整されてよい。従って、例えば、硬化温度でのコーティング材料の粘度は、他方で所望の横方向の解像度を提供する一方で、それぞれのプロセス時間領域内で十分な粘性流を提供するように調整されてよい。
実施形態によれば、基板上のコーティング層の最終硬化は、従来の硬化オーブンにおいて実行される。更なる実施形態によれば、最終硬化は、紫外線(UV)放射により実行され、または少なくとも開始される。UV硬化のために、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層の厚さは、十分適切である。従来のパウダーコーティングにおける一方で、UV硬化はしばしば、表面での過剰な硬化(従って脆性の危険)につながる大きな厚さに起因して難しく、またはより大きな深さにおける放射密度が均一硬化処理のために、または不可欠な"エネルギ密度*時間"中に硬化を実現するために低過ぎる(または体積に渡る加熱が十分均一でない)。本明細書で開示された発明の実施形態によれば、より薄いコーティング層は、比較的より厚い従来のパウダーコーティング層と同様または同一の特性を実現してよいので、紫外線硬化における従来のパウダーコーティング層の問題を回避し、または少なくとも減少させるより薄いコーティング層が、適用されてよい。さらに、(従来のNIPシステムの固定ローラーに対応する)圧力ローラーは、コーティング層を圧縮するのに用いられてよく、従来のパウダーコーティングシステムと比べてより薄いコーティング層を再度可能にする。
実施形態によれば、コーティング材料の組成は、基板上のコーティング層の所望の厚さに適合される。例えば、実施形態によれば、粉体コーティング材料のより大きな平均粒子直径が、より厚いコーティングのために用いられてよい。比較的厚いコーティングのために(特に厚いコーティングが単一コーティング層に適用される場合)および解像度への例外的に高い需要がなされない場合、これは特に適切である。さらに、コーティング材料の安息角は、適切な添加剤により適合されてよい。従って、NIPプロセスにおける接着値および部分硬化/粘性流の印刷と開始との間の移動時間を考慮する一方で、所望の安息角は、達成されてよい。
特により大きい粒子は、コーティングの触覚効果を向上するかもしれない。
別の実施形態によれば、より厚さのためにもまた、コーティング材料の小さな平均粒子直径は、高い解像度を実現するために用いられてよい。そのため、コーティング層における境界、例えば色境界上のより急なエッジの制御の組み合わせにおいて、高い解像度は達成されてよい。特に、一方で30μmより下の粒子直径とともに150μmを超えるコーティング層厚みで、高い解像度は達成される一方、他方で硬化後のコーティング層の大きな厚さは、達成されてよい。
図3は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層適用デバイス200の断面図を示す。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイス200は、コーティング層206を含む転写要素204を支持するための転写要素支持体202を含む。
コーティング層は、硬化性であり、非晶性ポリマを含む。実施形態によれば、コーティング層206は、粉体コーティング材料の形で転写要素204に適用された熱硬化性ポリマ組成である。コーティング層適用デバイス200はさらに、それ上にコーティング層206が移されるであろう基板210を受け取るための基板支持体208を含む。実施形態によれば、転写要素支持体202および基板支持体208は、基板210に接触しているコーティング層206をもたらすことが可能である。例えば、実施形態によれば、これはアクチュエータ212により実現される。実施形態によれば、アクチュエータ212は、基板210に向かって転写要素204およびコーティング層206で転写要素支持体202を駆動することが可能であり、これにより、コーティング層206および基板210の接触をもたらす。アクチュエータ212は、基板210条にコーティング層206をプレスするために、コーティング層206条に圧力を及ぼすように転写要素支持体202を駆動することがさらに可能でよい。
コーティング層適用デバイス200は、加熱装置214をさらに含む。実施形態によれば、加熱装置214は、(例えば基板支持体208を介して)基板210を加熱するように構成される。少なくともコーティング層206を基板210に接触させることにより、コーティング層206はまた、加熱装置214により加熱される。更なる実施形態によれば、加熱装置は、転写要素支持体202(加熱装置215、図3において破線で代替的実施形態として示される)を加熱するように構成される。従って、コーティング層206を備える転写要素204は、転写要素支持体202により受け取られ、コーティング層206は、加熱装置により加熱される。実施形態によれば、制御デバイス216は、特に加熱装置214、215を制御するために提供される。この目的のために、加熱装置214、215は、加熱装置214のために218で示されるとおり、制御デバイス216に制御可能に接続される。更なる実施形態によれば、制御デバイス216はまた、218で示されるとおり、アクチュエータ212の操作を調整するために、アクチュエータ212に制御可能に接続される。実施形態によれば、制御デバイスは、本明細書で開示された発明の1または複数の実施形態による制御を実装するように構成されるプログラム要素を実施するために構成されるプロセッサデバイス217を含む。制御デバイスは、このような実施形態、例えば開ループ制御構成において、または閉ループ制御構成を実装するために任意の適した態様において構成されてよいということに留意されたい。
コーティング層206を適切に加熱することにより実行される実施形態により、基板210にコーティング層206を取り着けた後、実施形態によれば、転写要素204は、コーティング層206から除去される(すなわち、コーティング層206から分離される)。コーティング層206からのこのような転写要素204の除去は、実施形態によれば転写要素支持体202を、および従って基板210に取り着けられるコーティング層206からの転写要素204を引き込むことが可能であるアクチュエータ212により、影響を受けてよい。
実施形態によれば、制御デバイス216は、コーティング層206からの転写要素204の除去の前に、第1温度より下にコーティング層206の温度を維持するように加熱装置を制御するために構成され、第1温度で、未硬化コーティング材料は、その過冷却液体状態またはそのガラス状態にある。本明細書で詳細に説明されるとおり、これは、コーティング層206の画像の高い解像度を維持することを特に可能にする。他の図において、上のことは、コーティング層206からの転写要素204の除去の前に第1温度範囲内にコーティング層206の温度を維持するようにコーティング層206の温度を制御し、第1温度範囲内で未硬化コーティング材料は、その過冷却液体状態またはそのガラス状態にあることに一致する。
更なる実施形態によれば、制御デバイス216はあるいは、コーティング層206の硬化温度以上の第2温度にコーティング層206の温度を増加させることにより、コーティング層206および基板210の接触中にコーティング層206を部分的に硬化するように構成される。1つの実施形態によれば、第2温度は、未硬化コーティング材料の硬化温度以上である。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイス200は、例えばコーティング層206に向かって放射222を発するように構成される放射デバイスの形でのエネルギ伝達デバイス220を含む。エネルギ伝達デバイス220は、コーティング層206の温度が第1温度より下に維持される場合ですら、(例えば放射222が紫外線である場合)コーティング層206および基板210の接触中にコーティング層206を部分的に硬化する(またはその部分硬化に役立つ)ように構成されてよい。
更なる実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス220は、赤外線の形で放射222を発するように構成されてよい。換言すれば、エネルギ伝達デバイス220は、高温に、例えば第1温度に、または別の実施形態において第2温度にコーティング層206を加熱するために、本明細書で開示された発明の意味で加熱装置として構成されてよい。実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス220は、218に示されるように、制御デバイス216に制御可能に結合される。
1より多くの加熱装置214、220(および代替的実施形態として215ですら)が図3に示されるが、別の実施形態によれば、転写要素上のコーティング層206を加熱するように構成される単一の加熱装置のみ(例えば214または215または220のみ)が、提供されてよいことに留意されたい。
実施形態によれば、転写要素支持体202は、コーティング層206の表面全体に渡ってその上に転写要素204およびコーティング層206を支持する平坦支持要素を含む。更なる実施形態によれば、転写要素支持体202は、基板の形状に合う支持要素を含む。更なる実施形態によれば、転写要素支持体202は、特定の時間で転写要素204の部分を支持する(および転写要素204の部分に圧力を及ぼしてよい)ローラーを含む。転写要素支持体がローラーを含むそのような実施形態において、(全体)転写要素204は、転写要素支持体のローラーを通り過ぎて転写要素204を動かすことにより、支持され(および基板に向かって押圧され)る。
図3に関する上の説明は、コーティング層206を参照することにより与えられることに留意されたい。別の実施形態の範囲内で、この説明は、少なくとも1つの層を含む層パッケージを参照するとみなされてよく、少なくとも1つの層の1つは、コーティング層206であることを理解されたい。
図4は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層適用デバイスを示す。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイス300は、印刷デバイス301を含む。実施形態によれば、印刷デバイス301は、少なくとも1つの印刷ユニット、例えば3つの印刷ユニット224、225、226を含む。別の実施形態によれば、多少の印刷ユニット(例えば4つの印刷ユニット)は、提供されてよい。実施形態によれば、少なくとも8つの印刷ユニット(例えばシアン、マゼンタ、黄色、キー(黒色)、白色、透明、金属効果、少なくとも1つのスポットカラー)が、提供されてよい。例えば、実施形態によれば、(例えばコーティングの各タイプ(例えば屋内、屋外、~)のためのシアン、マゼンタ、黄色、キー(黒色)、白色、透明、異なる金属効果および色および異なるスポットカラーのための)異なる色のコーティング材料が提供されてよく、および各このようなコーティング材料のために個別の印刷ユニットが提供されてよい。これは任意なので、実施形態によれば、2以上の印刷ユニットは同じコーティング材料を含んでよいことを理解されたい。一般に異なる色へのいずれの参照も、異なるコーティング材料への参照とみなされてよいことに留意されたい。
疑義の回避のために、印刷機のタイプおよび印刷ユニットの数とは別個に、任意の適した色または色のセット、特に本明細書で開示された発明のフレーム内でCMYK、白色、透明、エフェクトカラーおよび/またはいわゆるスポットカラーが用いられ得ることが説明される。
1つの実施形態によれば、各印刷ユニット224、225、226は、印刷により転写要素にそのコーティング材料を適用するように構成され、これによりコーティング層を形成する。1つの実施形態によれば、(画像形成コーティング材料と称されてよい)コーティング材料の少なくとも一部は、転写要素の特定の部分にのみそれぞれ適用され、これにより一般的な画像に結合する。この意味において、コーティング材料(画像形成コーティング材料)の少なくとも一部は、共に単一コーティング層206を形成する。実施形態によれば、転写要素204は、少なくとも1つの印刷ユニット224、225、226を通り過ぎて動され、従って異なるコーティング材料は、続いて異なる印刷ユニット224、225、226により、転写要素204に(および特に転写要素204の表面205に)適用される。この点において、表面205は、本明細書で開示された発明による対象表面を形成する。このような従来のカラーレーザデバイスのような従来のNIPデバイスにおけるように、これは、個別の印刷ユニットにより適用される画像部分の適切な登録を必要とする。転写要素204の移動および印刷デバイスまたは少なくとも1つの印刷ユニット224、225、226の制御は、それぞれのデバイスに制御可能に接続される制御デバイス216により制御される。
実施形態によれば、各印刷ユニットは、静電(および特に電子写真)印刷ユニットであり、まず均一に充電される有機光伝導体227(OPC)を含み、光源(例えばLEDまたはレーザソース)は、OPC上に静電潜像を描画するために用いられ、およびそのために暴露されるOPCは、本明細書の開示された発明の実施形態によるコーティング材料237で展開される。その後、コーティング材料237は、例えば適切な電界を適用することにより、第1転写要素228(中間転写要素)に移され、これにより、第1転写要素228上にコーティング層206を形成する。実施形態によれば、コーティング層206は次に、(第2転写要素204と称されてよい)転写要素204に移される。実施形態によれば、コーティング材料237は、カートリッジ239に配置される。実施形態によれば、提供される(転写要素204に適用される)コーティング材料の各タイプのために、分離したカートリッジ239が提供される。実施形態によれば、各印刷ユニット224、225、226に、カートリッジが関連付けられる(例えば分離したカートリッジが提供される)。図4を曖昧にしないために、例示的にカートリッジ239は、印刷デバイス301の印刷ユニットの1つの印刷ユニット224のためにのみ示される。
別の実施形態によれば、印刷ユニットは、図11に関して説明されるとおり、第1(中間体)転写要素を含まない。
従って、そのような実施形態において、印刷ユニット224、225、226は、第1転写要素228を含まない。むしろ、コーティング材料は、OPC227から転写要素204に(間接印刷)または直接基板に(直接印刷)適用される。
別の実施形態によれば、コーティング材料は、OPC227から第1転写要素204に、およびここから第2転写要素204に(間接印刷)または基板に(直接印刷)適用される。 実施形態によれば、転写要素は、両方の場合においてホイル、紙、ベルト等である。
各色/コーティング材料のための2以上の個別の印刷ユニットの代わりに、転写要素に2以上の色/コーティング材料を適用するように構成される一般的な印刷ユニットが提供されてよい。
実施形態によれば、コーティング層適用デバイスは、例えばコーティング層206および基板(図4において不図示)の接触の前に、転写要素204上のコーティング層206中への放射の形でエネルギ230を移すように構成されるエネルギ伝達デバイス229をさらに含む。エネルギは、熱でよい。例えば、実施形態によれば放射は赤外(IR)放射である。
実施形態によれば、コーティング層206中に移されるエネルギは、コーティング層206における粘性流という結果になる。特に、実施形態によれば、コーティング層206中に移されるエネルギは、この段階でコーティング層206を形成するコーティング材料のパウダー粒子の少なくとも部分の粘性流を引き起こすように構成される。実施形態によれば、コーティング層206における粘性流は、少なくともコーティング層206上に圧力を加えることで発生する。この目的のために、実施形態によれば、圧縮装置232は、コーティング層206および基板(図4において不図示)の接触の前に、転写要素204上にコーティング層206を圧縮するために構成されて提供される。実施形態によれば、圧縮装置232は、コーティング層206に対して押圧されるローラー234を含み、図4に示されるとおり、コーティング層206に向かう方向に力236を押圧する結果となる。実施形態によれば、転写要素204(または直接印刷における基板)の搬送方向において、圧縮装置232(または特にそのローラー234)は、図4に示されるとおりエネルギ伝達デバイス229の後に配置される。実施形態によれば、転写要素204(または直接印刷における基板)の搬送方向において、ローラー234は、エネルギ伝達デバイス229の前に配置されてよい。
転写要素支持体および基板支持体ならびに加熱装置(その実施形態は、図3において示される)は、図4においてデバイス238により示される。
図4におけるコーティング層適用デバイス300は、(転写要素支持体、基板支持体および加熱装置を含む)デバイス238、および、印刷デバイス301の両方を含むが、別の実施形態によれば、印刷デバイス301は、そこでデバイス238が配置される位置とは場所的に異なる位置に配置される別のデバイスであってよいことに留意されたい。このような場合において、コーティング層適用デバイスは、印刷デバイス301を含まなくてよい。例えば印刷デバイス301およびデバイス238が異なる位置に配置される場合、ということを理解されたい。2つのデバイス301、238(または任意の他のデバイス、例えば硬化デバイス)の各々は、分離した制御デバイスを有してよい。別の実施形態によれば、2つのデバイス301、238は、図4に示されるとおり、同じ制御デバイス216を共有する。
印刷ユニット224、225、226に加え、印刷デバイスは、コーティング層206上で動作する更なるデバイス、例えば、エネルギ伝達デバイス229および圧縮装置232を含んでよいことにさらに留意されたい。
更なる実施形態によれば、コーティング層適用デバイス300は、圧縮層206上で動作する更なるデバイス229、232を含む。
実施形態によれば、転写要素204は、ホイルと同様またはベルトと同様であり、特に図4に示すとおり転写ホイルでよい。転写ホイルは、図4において矢印240により示されるとおり一定の速度で動されてよい。
実施形態によれば、転写要素204は、連続転写要素、例えば2つの偏向滑車の間に延在する連続ベルトである。別の実施形態によ、転写要素は、巻き上げることが可能である。例えば、実施形態によれば、転写要素は、供給ロール上に提供され、および、コーティング層の適用後、ロール、例えば中間生成物ロールとして再度提供される。その上にコーティング層を備える転写要素の中間生成物ロールは、開示された発明の実施形態によるコーティング層適用デバイスにおける更なる使用のために保管または輸送されてよい。
実施形態によれば、コーティング層206をその上に有する転写要素204は、コーティング層適用デバイスから取り外し可能である。この目的のために、転写要素および自身のコーティング層は、任意の適した形状において、例えばめっき、ホイルまたはロール(例えば巻き上げホイル)の形で提供されてよい。
図5から図8は、本明細書で開示された発明の実施形態による印刷方法の異なる段階を示す。
実施形態によれば、および図5に示されるとおり、有機光伝導体227(OPC)の全面は、帯電コロナにより均一に充電される(例えば-800VDC)。図5に示される負電荷の一部は、242で示される。
その後、OPC227の暴露が、適切な放射244、例えばLED光またはレーザ光で実行される。OPC227は、放射244が表面に当たる場所で排出される。このように、静電潜像246は、図6に示されるとおり、OPC227上に形成される。
その後、本明細書で開示された発明の実施形態による粉体コーティング材料248は、負に帯電され(-500VDC)および図7に示されるとおり、潜像246に接着される。負電荷は、再度242に示される。
その後、粉体コーティング材料248は、この目的のために正に帯電する転写要素204に移される。正電荷は、250で示される。そのため、粉体コーティング材料248は、転写要素204上にコーティング層206を形成し(またはコーティング層206の一部を形成し)、OPC上に静電画像246に似る。
図5から図8は、印刷デバイスの実施形態の原理のみを示すことを理解されたい。例えば、図5から図8はOPC227および転写要素204の平坦表面を示す一方で、これらの表面のいずれもまた、曲がってよい(例えば、ローラーの一部を形成してよい)。さらに、正帯電システムのために(例えば電荷制御剤に応じて)、電圧は、逆にされてよい(例えばOPCおよび/または粉体コーティング材料は、正に充填されてよい)ことに留意されたい。
図9は、層パッケージおよび特に本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層の一部を示す。
粉体コーティング材料のために、大きな厚さ252でのパウダーの適用は、理想的なエッジという結果にならないが、実施形態によれば、むしろ転写要素204の表面256で90度未満である角度258を形成する先細りエッジ254という結果になる。例えば、実施形態によれば、角度258は、60度から85度の間の範囲にある。実施形態によれば、印刷デバイスはデジタル印刷デバイスであるので、転写要素204に移される画像は、複数のドットを含む。従って間隙260は、2つの隣接するドット264、266の間に形成されてよい。この間隙は、図9において更なるドット264-1により示される、例えば更なるコーティング層207が適用される場合、圧力により減少されてよい。ドット264およびドット264-1は、本明細書で開示された発明の実施形態による層パッケージ(274で示される)の一部を形成することに留意されたい。
さらに、ローラーは、コーティング層を圧縮するのに用いられてよい。さらに、少なくとも高温でのコーティング材料の硬化中、コーティング材料は、レベルアウトしてよく、間隙260は充填してよい。実施形態によれば、ドットは、ドット264、266により示される、同じまたは異なるコーティング材料で印刷されてよい。このような場合において、第1コーティング層のドット264の間の空隙は、第2コーティング層(例えば、図9において破線262により示される、異なる色のコーティング材料)のドット266で充填されてよい。先細りエッジに起因して、間隙260の幅は、コーティング層の異なる高さh1、h2で異なる。従って、h1で第1コーティング材料248から作成される第1ドット264の幅は、第1コーティング材料248の後に転写要素204に適用される第2コーティング材料268から作成される第2の、隣接するドット266の幅より小さい。図9における鉛直方向破線270は、印刷されるドットのサイズ272を示す。コーティング層206のドット264の幅はコーティング層を通して高さで変化するので、結果として生じる画像は、例えばh1からh2に(例えば摩耗により)コーティング層の厚さが減少する場合、変化する。
実施形態によれば、コーティング層206および更なるコーティング層207は、異なる空間カバレッジを有する(第1横の位置276で、第1コーティング層206および第2コーティング層207は重複し、第2横の位置278で、第1コーティング層206および第2コーティング層207は重複しない)。実施形態によれば、この意味における"重複"は、重複する層の両方が重複位置においてドットを有することを意味する。これはまた、図9に示され、そこでコーティング層206および更なるコーティング層207の各々は、第1横の位置でドット264、264-1を含む。
異なる空間カバレッジは、層パッケージ274における厚さの変動280という結果になり、層パッケージ274は、第1横の位置276で(第1厚さ282に対応する)第1高さh3を有し、および第2横の位置278で(第2の厚さ252に対応する)第2高さh1を有する。
従って、層パッケージ274の厚さの変動280は、本明細書で開示された発明の実施形態による表面構造、すなわち層パッケージの表面における構造を画定する(またはそれに一致する)。
実施形態によれば、層パッケージ274は、(例えば第3位置284において、例えば第2コーティング層および特にドット266が示されないであろう場合)空隙を含む。このような場合において、および実施形態によれば、厚さの変動の大きさは、層パッケージ274全体の厚さに一致する(図9において282で示される)。
一般に、および実施形態によれば、単一コーティング層206は、コーティング層が空隙を含む場合、厚さの変動を生成させるのに十分であることに留意されたい。
最後に、コーティング層が保護層として動作するであろう場合、実施形態によれば、コーティング層におけるいずれの空隙および間隙(間隙260のような)も、コーティング材料で(例えば同じまたは異なるコーティング材料で)充填され、または特に基板上に一定の厚さの連続コーティング層を提供するように、圧縮または熱処理(例えば粘性流の開始)により除去されることに留意されたい。最後の間隙は、通常、特にコーティング層206がTgより上の液体状態において、または軟化状態(過冷却液体状態)においてある場合、少なくとも硬化中に充填する。
図10は、本明細書で開示された発明の実施形態による更なる印刷デバイス400を示す。
実施形態によれば、印刷デバイス400は、基板210上の直接印刷のために構成される。図4に示される印刷デバイス301と同様に、印刷デバイス400は、1または複数の印刷ユニット、例えば図10に示される3つの印刷ユニット224、225、226を含む。 印刷ユニット224、225、226は、印刷ユニットがそのコーティング材料を基板210に(および特に基板210の表面211に)適用するように構成され(例えば位置付けられ)、これにより基板210上に直接コーティング層206を形成することを除いて、図4に関して説明される印刷ユニットと同様または同一に構成されてよい。
この点において、基板210の表面211は、本明細書で開示された発明による対象表面を形成する。従って、対応する要素は、同一の参照番号で示され、およびその説明は、本明細書で繰り返すことはしない。
さらに、図4に関して説明されるいずれのプロセスもまた、転写要素204を参照して、参照は(直接印刷プロセスに起因して)基板210になされ、およびコーティング層と基板との接触を作成することを参照する代わりに、参照が最終硬化になされることを除いて、図10に関して説明される実施形態に関連して実行されてよいことに留意されたい。同じことは、逆にも適用可能である。
印刷デバイス400は、基板210上にコーティング層206を最終的に硬化させるための硬化デバイス402をさらに含む。さらに、印刷デバイス400は、印刷ユニット224、225、226に、続いて(方向410において)硬化デバイス402に、および任意に、存在する場合、印刷デバイス400の更なるデバイス(例えば下で説明される229、232)に、基板210を移すように構成される転写デバイス404を含む。実施形態によれば、転写デバイス404は、2つ離間した離れた滑車408について延在するコンベアベルト406を含む。
図10に示されることと異なり、硬化デバイス402はまた、分離した位置に配置され得る。さらに、基板210はまた、前にパウダーコーティングであらかじめ被覆されたという事実により予備加熱され得、および硬化後に直接、基板は、印刷デバイス400に与えられる。同じことはまた、間接印刷が行われるときの場合でもあり得る。
特別な実施形態において、プレコーティング(図10において不図示)は、コーティング材料237が基板上に適用される前になかった-少なくとも完全に硬化した(この場合、プレコーティングは基板であると想定され得る)。このプレコートは、NIPにより、またはパウダーコーティングまたは液体コーティングのような従来の手段により、適用され得る。同じまたは別の実施形態において、コーティング層は、トップコート(不図示)がコーティング層上に適用される前にあった-少なくとも完全に硬化した。このトップコートは、NIPにより、またはパウダーコーティングまたは液体コーティングのような従来の手段により、適用され得る。
実施形態によれば、印刷デバイス400は、例えば基板210上のコーティング層206中へ赤外線の形でエネルギ230を移すためのエネルギ伝達デバイス229を含む。実施形態によれば、エネルギ230は、基板210上のコーティング層206において粘性流を誘起するのに十分な比で提供される。別の実施形態によれば、エネルギ230は、基板210上のコーティング層206を部分的に硬化するのに十分な比で提供される。
更なる実施形態によれば、粘性流または部分硬化を誘発することは、各個別のコーティング材料の適用後に実行されてよい。この目的のために、例えば、実施形態によれば、エネルギ伝達デバイス229は、各印刷ユニット224、225、226の後に提供されてよい(不図示)。
さらに実施形態によれば、圧縮装置232は、提供され、圧縮装置は、コーティング層206の最終硬化の前に基板210上にコーティング層206を圧縮するように構成される。図10における圧縮装置232のローラー234の操作は、図4の圧縮装置232に関連して説明される操作と同様または同一である。従って、同じ参照番号は、その説明において用いられ、本明細書で繰り返すことはしない。
実施形態によれば、各印刷ユニットの後に(転写要素/基板の搬送方向410において)、圧縮装置は、更なるコーティング層がコーティング層上に適用される前にコーティング層を圧縮するするために配置されてよい。
印刷デバイス400のエンティティおよびデバイスを制御するために、本明細書で開示された発明の実施形態による制御デバイス216が提供される。
図11は、本明細書で開示された発明の実施形態による更なる印刷デバイス500を示す。
図10の印刷デバイス400のエンティティ(または特徴)と同様の印刷デバイス500のいくつかのエンティティ(または特徴)は、同じ参照符号で示され、およびその説明は本明細書で繰り返すことはしない。むしろ、本明細書で開示された発明の実施形態によるいくつかの差が、図11に関して説明される。
印刷デバイス500は、1または複数の印刷ユニット524、525を含む。印刷ユニット524、525は、図4に関して説明される中間転写要素を含まない。むしろ、印刷ユニット524、525は、実施形態に係るOPC227のみを含み、印刷ユニット524、525は、コーティング材料をOPC227から直接対象表面に、例えば直接基板210に(直接印刷)適用するように構成される。
実施形態によれば、1または複数のコーティング層、特に2以上のコーティング層206、207は、より厚い層パッケージ274(従ってより大きな厚さの最終コーティング)を提供するために、(例えば、図11に示されるとおり、基板210の)対象表面に適用される。特に、2以上のコーティング層206、207で、層パッケージ274のより大きな厚さの変動が可能である。実施形態によれば、各コーティング層のために、分離した印刷ユニット524、525が提供される。2以上の印刷ユニット524、525が同じコーティング材料237を受け取る場合、実施形態による厚さを備える単一色層パッケージが得られてよい。図11は、コーティング206が既に、第1印刷ユニット524により完全に適用され、および更なるコーティング層207が第2印刷ユニット525により部分的に適用された場合の、ある瞬間の印刷デバイス500を示すことに留意されたい。
実施形態によれば、印刷デバイス500は、独立型印刷デバイスであってよい。実施形態によれば、その上に適用される層パッケージ274を備える基板210は、保管のためまたは硬化デバイス(図11において不図示)への移動のために印刷デバイスから取り外し可能である。
実施形態によれば、層パッケージの表面構造は、図4に関して説明されるとおり、異なる空間カバレッジで2以上のコーティング層206、207を提供するために、印刷デバイスの少なくとも1つの印刷ユニット524、525を適切に制御することにより提供される。更なる実施形態によれば、圧縮装置232のローラー234は、そのために層パッケージ274中に所望の表面構造をエンボスにするための構造化表面を有してよい。
本明細書で開示された発明の実施形態によれば、図面に関連して開示される1または複数のエンティティ(例えば印刷デバイス、印刷ユニット、エネルギ伝達デバイス、圧縮装置等)は、本明細書に説明されるとおり処理デバイスに属するものとみなされてよいことに留意されたい。
図12は、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング層206の一部を示す。
実施形態によれば、コーティング材料および従ってそこから生成されるコーティング層206は、第1材料部分601および第2材料部分602を含む。
実施形態によれば、第1材料部分601は、少なくとも1つのエフェクト粒子604、605を含み、またはそれから成る。実施形態によれば、各エフェクト粒子604、605は、少なくとも1つの(少なくとも部分的に覆われる)エフェクト顔料606を含み、エフェクト顔料606は、硬化性ポリママトリクス608により少なくとも部分的に覆われる。実施形態によれば、硬化性ポリママトリクス608は、本明細書に開示される更なるコーティング層に関連する実施形態によって(例えば組成、熱処置、部分硬化等に関して)構成されおよび/または扱われてよい。
更なる実施形態によれば、第2材料部分602は、エフェクト粒子を参照しない本明細書で開示された発明の実施形態により構成されるコーティング材料である。
実施形態によれば、第1エフェクト粒子604は、コーティング層の表面610の近傍に配置され、また第2エフェクト粒子605の近傍に配置され、そのため表面610に第2粒子605のエフェクト顔料から可視光の低吸収のチャネルを提供する。この点において、"の近傍に"という用語は、"と接触して"または0.1μm未満例えば1μm未満または特に10μm未満の距離内を含む。
実施形態によれば、コーティング層206は、ベースコート612を含む基板(図12において不図示)に適用される。さらに、コーティング層206は、本明細書で開示された発明の実施形態によるトップコート614で覆われてよい。
実施例
以下において、本明細書で開示された発明の実施形態をさらに示す例示的な例が説明される。
以下において、デジタルパウダーが説明されるときはいつでも、これは本明細書で開示された発明の実施形態による(ノンインパクト印刷/NIPのための)コーティング材料を指す。組成の部は、重量部である。
例
以下のトナー例を生成するために、全成分が1分間、高速混合機において予備混合され、続いて二軸ZSK-18押出機で押出した。溶融した化合物は、所望の粒度分布を備えるパウダーを生成するために、冷却され、造粒され、および細かく研削された。
好ましい研削および分級は、別段の記載がない限り、NOLLからのMultino M/S/N対向ジェットミルでのジェットミリングにより行われた。印刷前に、シリカ(Wacker Siliconesからの0.5%HDK H05 TD+1%HDK H30 TM)が、Henschel Mixer MB10を用いてパウダーに結合された。
例1-PES-PT910:
混合物は、600部のUralac(登録商標)P3490(DSM)、飽和カルボキシル化ポリエステル樹脂、45部のAraldite(登録商標)PT-910(Huntsman)、8部のAccelerator DT-3126(Huntsman)、7部のベンゾインおよび13部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために33部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために33部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために106部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために33部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために200部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。
全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化(基板上のコーティング層の硬化)は、10分間200℃の温度でなされた。
例2-PES-Primid(超耐久性):
混合物は、650部のUralac P3230、飽和ポリエステル樹脂、49部のPrimid XL 552(EMS Chemie)、7部のベンゾインおよび14部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、白色および黒色)のために、シアンのために32部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために32部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために100部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために32部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために190部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。
全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、5分間200℃の温度でなされた。
例3-PUR:
混合物は、500部のUralac(登録商標)P 1580(DSM)、飽和OHポリエステル樹脂、215部のVestagon(登録商標)B 1530(Evonik)および14部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために36部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために36部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために114部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために36部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために215部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。
全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、15分間200℃の温度でなされた。
例4-PES-TGIC:
混合物は、790部のUralac(登録商標)P 6401(DSM)、飽和カルボキシル化ポリエステル樹脂、60部のTGIC(Huntsmann)、5部のベンゾインおよび17部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。
異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために43部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために43部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために137部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために43部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために257部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、10分間200℃の温度でなされた。
例5-PES-エポキシ:
混合物は、350部のUralac(登録商標)P 3450(DSM)、飽和カルボキシル化ポリエステル樹脂、150部のAraldite(登録商標)GT 7004(Huntsmann)、4部のベンゾインおよび10部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。
この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために25部のSunfast Blue 15:4(Sun Chemical)、マゼンタのために25部のQuindo Magenta(Sun Chemical)、黄色のために25部のFanchon Yellow 180(Sun Chemical)、黒色のために13部のNiPex 60(Orion Engineered Carbons)または白色のために150部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、15分間160℃の温度でなされた。
例6-本発明によるコーティング中に組み込まれ得る潜在的なUV硬化システムのための例としての不飽和PES-UVシステム:混合物は、350部のUVECOAT 2100(Allnex)、不飽和ポリエステル樹脂、13部の光開始剤、2部のベンゾインおよび7部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために18部のSunfast Blue 15:4(Sun Chemical)、マゼンタのために18部のQuindo Magenta(Sun Chemical)、黄色のために18部のFanchon Yellow 180(Sun Chemical)、黒色のために9部のNiPex 60(Orion Engineered Carbons)または白色のために110部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。
硬化は、2.5J/cm2の線量でUV光の下で2分間140℃の温度でなされた。
例7-PES-エポキシ:
混合物は、440部のCrylcoat 1501-6(Allnex)、飽和ポリエステル樹脂、290部のAraldite(登録商標)GT7220(Huntsman)、25部のReafree C4705-10(Arkema)、10部のEutomer B31(Eutec Chemical)、2部のTinuvin 144(BASF)および15部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。
この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために38部のSunfast Blue 15:4(Sun Chemical)、マゼンタのために38部のQuindo Magenta(Sun Chemical)、黄色のために38部のFanchon Yellow 180(Sun Chemical)、黒色のために19部のNiPex 60(Orion Engineered Carbons)または白色のために230部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、赤外線オーブンを用いて5分間135℃の温度でなされた。
例8-PES-Primid(耐久性):
混合物は、600部のUralac P865、飽和ポリエステル樹脂、32部のb-ヒドロキシアルキルアミド(EMS Chemie)、6部のベンゾインおよび12部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。
この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために25部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために25部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために80部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために25部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために150部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。
全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、15分間170℃の温度でなされた。
例9-アクリル:
混合物は、405部のFine-Clad Å-253(Reichhold)、グリシジルアクリル樹脂、95部のドデカン二酸(DuPont)、5部のベンゾインおよび10部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。この組成は、透明配合物を生じた。
異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために25部のHeliogen Blue K7090(BASF)、マゼンタのために25部のCinquasia Violet L5120(BASF)、黄色のために80部のSicopal Yellow L1100(BASF)、黒色のために25部のPrintex 90 BEADS(Orion Engineered Carbons)または白色のために150部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化は、20分間150℃の温度でなされた。
例10-PES-エポキシ(結晶性樹脂が付加される):
混合物は、259部のポリエステル1、68から76mgKOH/gの間の酸価および2.0から3.5Pa*sの間の粘度を備える飽和カルボキシル化ポリエステル樹脂、226部のD.E.R.642U(Dow Chemicals)、エポキシ樹脂、160部のSirales PE 5900(SIR Industriale)、結晶性樹脂、15部のEutomer B31(Eutec Chemical)および13部の電荷制御剤サリチル酸DL-N24(Hubei DingLong Chemical Co.,Ltd)で構成された。
この組成は、透明配合物を生じた。異なる色(シアン、マゼンタ、黄色、黒色および白色)のために、シアンのために32部のSunfast Blue 15:4(Sun Chemical)、マゼンタのために32部のQuindo Magenta(Sun Chemical)、黄色のために32部のFanchon Yellow 180(Sun Chemical)、黒色のために16部のNiPex 60(Orion Engineered Carbons)または白色のために190部のTI Select TS6200(DuPont)が付加された。全成分は、1分間高速混合機において予備混合され、次に、二軸ZSK-18押出機において押出された。得られた化合物は、次に冷却され、造粒され、細かく研削されおよび分級され、別段の説明がない場合、12μmまでのD50を有するパウダーを得た。硬化(Hardening)(硬化(curing))は、赤外線オーブンを用いて5分間130℃の温度でなされた。
1.熱帯テスト
・このセグメントにおいて、被覆されているまたは被覆されていない、異なる面に渡るコーティングまたは印刷の接着を試験するために用いられる手順が説明される。手順は、ノルム:EN ISO 6270-1およびEN ISO 6270-2に従う。
・異なる結果の例-サンプル1 40℃および100%湿度での1008時間より長い後の例7マゼンタおよびクロスカットテスト(EN ISO 2409)をすることで、ベースコート(b-ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせにおけるポリエステルに基づくパウダーコーティング)からの印刷の剥離はない。それは、基板への実に良好な接着を示す。
サンプル2:
40℃および100%湿度での1008時間より長い後の、サンプル1(下の表Iを参照)と比べてより小さなPSDを備える例7マゼンタおよびクロスカットテスト(EN ISO 2409)をすることで、ベースコート(b-ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせにおけるポリエステルに基づくパウダーコーティング)からの印刷の剥離はない。
それは、基板への実に良好な接着を示す。
サンプル3:
前処理のない表に説明されるPSDを備える例7CMYKは、40℃および100%湿度での336時間クロスカットテスト(EN ISO 2409)の試験に不合格だった。セラミックタイルの基板からの印刷の剥離がある。それは、基板への良好な接着を示さない。結果は、下の表に要約される。
表I:熱帯テスト結果の要約
2.基板の前処理
このセグメントにおいて、材料の温度耐性がその場合に用いられるデジタルパウダーにより必要な硬化処理(硬化温度)に耐え得る場合、一般にいずれの基板も印刷され得ることが説明される。
他のトピックは、基板の表面上の各コーティングまたは印刷の接着である。この接着を試験する通常の方法として、2つの試験の組み合わせが用いられる:
表II:基板の前処理を試験するために用いられるテスト規範パウダー被覆表面
一般に、あらゆるパウダー被覆基板(従来のパウダーコーティングにより作成されるベースコートを備える基板)は、前処理なしに印刷され得る。単に、材料の扱いにより残されるあり得る汚れを除去するためにイソプロパノールでの簡単な洗浄である。
被覆表面に渡る印刷のより良いまたはより悪い接着は、印刷材料およびパウダーコーティングの化学的性質がいかに合うかによる。
サンプル1:エポキシ樹脂とポリエステルの組み合わせに基づく白色パウダーコーティングを備えるパウダー被覆中密度ファイバーボード(MDF)に渡る例7CMYKの印刷。ベースコートは、単に洗浄された、および接着は、コーティング材料(印刷)が基板上にプレコーティングと同じような樹脂システムを含むので良好だった。
サンプル2:b-ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせにおけるポリエステルに基づく白色パウダーコーティングを備えるパウダー被覆アルミニアムに渡る例7CMYKの印刷。ベースコートは、単に洗浄された、および接着は十分であった。
パウダー被覆されていない表面
従来のパウダーコーティングにより作成されるベースコートのない基板のために、金属中密度ファイバーボード(MDF)、ガラス、セラミックおよびプラスチック基板の間で区別しなければならない。一般的なステップとして、全表面はまず、表面に渡るほこりの残りを除去するために加圧空気を使った銃で、および/または、金属、ガラス、セラミックおよびプラスチックの場合における取り扱いにより残され得る汚れを除去するために、イソプロパノールを備えるテキスタイル材料でたたいて洗浄する。
ガラスは、ピロシル炎および接着促進剤のような特別な前処理にさらされる。金属はいずれの前処理も必要でなく、単に印刷を固定するのに適切な温度が必要である。MDFは、印刷を固定するための特定の温度で印刷される必要があるが、その機械的特性を保つためにMDFの温度耐性を越えてはならない。この材料での最良の選択肢は、赤外線オーブンを用いることであり、この態様のみMDFの表面は、加熱され、および水の蒸発が制御下に保持される。セラミックタイルは、温度を活用して印刷され得るが、良好な接着を実現するためには、追加の前処理がなされなければいけない。さもなければ、接着はある時間の後に不足する。
サンプル3:前処理なしに被覆されていないガラスに渡る例7CMYKの印刷。印刷は、表面に付着するが、熱帯テストでのある時間の後に機能しない。
サンプル4:前処理なしにセラミックタイル上の例7CMYKの印刷。接着は、熱帯テストで336時間後に機能しなかった。
3.UV安定性-電荷制御剤
このセグメントにおいて、トナー材料のUV安定性を試験するために用いられる手順が説明される。異なる厚さおよび異な顔料を備える異なる商業的に利用可能な電荷制御剤(CCA)で例8を修正して、試験した(表を参照)。QUVテストは、以下の試験により実行された。
表III:QUVテストのためのテスト規範
表IV:QUVテストの結果
結果は、電荷制御剤を含まず、DL-N24(Ding Long)白色電荷制御剤を含み、およびT99黒色(Hodogaya)を含む材料の実に良好なUV安定性を示す。また、異なる電荷制御剤の組み合わが試験されたが、電荷制御剤なし、DL-N24およびT-99の最良の結果を超えなかった。
例8:結果は、電荷制御剤(表IVにおけるサンプル6マゼンタおよび4黒色)を含まず、DL-N24(Ding Long)白色電荷制御剤(表IVにおけるサンプル5マゼンタおよび2黒色)を含み、およびT99黒色(Hodogaya)(表IVにおけるサンプル2マゼンタ)を含む材料の実に良好なUV安定性を示す。UV光によるプレート(HodogayaからのT77に属する主に2つ)の表面に渡る負の効果は、光沢の厳しい損失である(表IVにおけるサンプル3マゼンタおよび1黒色)。
4.UV保護
このセグメントにおいて、b-ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせにおけるポリエステルに基づく透明パウダーコーティング配合のトップコートが適用される場合、QUVテストにおける300時間UV暴露後のパウダー被覆材料例7(この材料は、QUVテストに耐え得ない)の光沢の保持の驚くべき効果が説明される。
トップコートは、異なる厚さおよび硬化処置で適用される。
通常、例7のUV安定性は、非常に劣るが、驚くべきことに、上部のUV安定パウダーコーティングの層が300時間QUVテストに耐えるのに役立つということがわかった。QUVテストのための手順は、下の表に列挙される。
表V:UV安定性のための試験および規範
材料は、以下の硬化条件で対流オーブンにおいて硬化した。
例7:T=160℃、t=15分
例8:T=200℃、t=15分
表VI:UV安定性を試験するためのコーティングパラメータ
結果:
表VII:UV安定性試験の結果
良好な表面のために、材料は、プライマ+硬化に続くトップコート+硬化のような分離した硬化を必要とする。それらの試験で、UV安定配合(b-ヒドロキシアルキルアミドとの組み合わせにおけるポリエステル)の透明なトップコートおよび通常非UV安定配合(例7)の着色ベースコートの組み合わせは、QUVテストに耐え得る。
この透明膜は、屋外用途のためのUV保護をもたらす。
サンプル:("サンプルB":40μm厚さ、"サンプルC":80μm厚さ)を備え、および比較するためのあらゆる透明UV安定トップコート("サンプルA")もない、非UV安定パウダー(例7)の試験。
サンプルAについては、トップコートがなく、不良が認められた。UV光がコーティングにぶつかった領域は、低い光沢および着色が明らかに可視である。
他の2つ("サンプルB"および"サンプルC")で、その効果は見られず、さらに、トップコートは、元の材料の光沢のある効果を増加させる。
5.機械的試験
驚くべきことに、例2、3および7のコーティングの印刷される膜は、異なる厚さを備える異なる基板に渡って適用される(テスト規範の表において所与の)機械的試験に耐え得ることがわかった。デジタルパウダー、基板およびパウダーコーティングの適切な組み合わせを選択することで、これは、被覆パウダーコーティングで作成されるベースコートの特性に匹敵する、高い機械的特性を備える印刷仕上げとして任意の種類の産業上の屋内および/または屋外用途におけるそれらの材料を用いる絶好の機会を提供する。
第1ステップにおいて、全ての新しい配合は、テスト規範の表に列挙されるノルムに従いパウダーコーティングとして試験される。表は、アルミニウムプレートに渡って被覆される例2パウダーの試験を示す。
表VIII.a:機械的試験結果、屋外
表VIII.b:機械的試験結果、屋内
表VIII.c:機械的および化学的試験を行うコーティング材料のための粒子サイズ分布
第2のステップにおいて、表VIII.aの配合は、異なる基板に渡って印刷され、および厚さの減少が性能に影響するかを見るために同じノルムで再度試験される。
表IX.a:機械的試験結果、屋外
表IX.b:機械的試験結果、屋内
表IX.c:機械的および化学的試験を行うコーティング材料のための粒子サイズ分布
5 全結果は、パウダーコーティングとして試験される配合に匹敵する。
・機械的試験のためのテスト規範の表
表X:機械的試験のために用いるテスト規範
6.化学的試験
驚くべきことに、例2、3および7のコーティングの印刷される膜は、異なる厚さを備える異なる基板に渡って適用される(化学的試験規範の表XVにおいて所与のとおり)化学的試験に耐え得ることがわかった。
デジタルパウダー、基板およびパウダーコーティングの適切な組み合わせを選択することで、これは、被覆パウダーコーティングで作成されるベースコートの特性に匹敵する、高い化学的特性を備える印刷仕上げとして任意の種類の産業上の屋内および/または屋外用途におけるそれらの材料を用いる絶好の機会を提供する。
第1ステップにおいて、全ての新しい配合は、化学的試験規範の表に列挙されるノルムに従いパウダーコーティングとして試験される。下の表XIは、アルミニウムプレートに渡って被覆される例2パウダーの試験を示す。
表XI.a:例2屋外コーティング材料での基板のための化学的試験の結果
表XI.b:例7屋内コーティング材料での基板のための化学的試験の結果
表XII:化学的試験を行うコーティング材料のための粒子サイズ分布
第2のステップにおいて、すべての配合は、異なる基板に渡って印刷され、および厚さの減少が性能に影響するかを見るために同じ規範で再度試験される。表XIIIは、パウダー被覆アルミニウムに渡って印刷される例7の試験を示す。
表XIII.a:例7屋内コーティング材料での基板のための化学的試験の結果
表XIII.b:例2屋外コーティング材料での基板のための化学的試験の結果
表XIV:化学的試験を行うコーティング材料のための粒子サイズ分布
化学的試験規範の表
表XV:化学試験のためのテスト規範
7.ペンシルテストによる膜硬度
このセグメントにおいて、"ペンシルテスト"を介する膜高度の試験が説明される。標準的なペンシルは、表に与えられるノルムによる試験のために用いられた。例2および8を試験し、等級HBに達することができた。ペンシルテスト規範の試験表
表XVI:ペンシルテストのためのテスト規範
8.化学的安定性I PA-MEK
このセグメントにおいて、試験方法EN 12720を基準に用いるが、異なる液体および時間での試験が説明される。30秒MEK(メチルエチルケトン)およびIPA(イソプロパノール)。テスト方法のためのベースは、EN 12720において与えられる。
例3のような耐薬品性の高い材料は、実際にコーティングに対する最も重大な化学的安定性試験の1つであるMEK試験にすら耐え得る。本発明による全ての試験された配合が、IPA試験を満たすことが可能であった。
MEK試験では例7は機能しないことが認められる。例2もまたMEK試験で機能しないが、以前の材料よりもより良い性能である。例3は、ちょうど5μmの厚さでMEK試験を満たす。
9.顕微鏡観察-PSD
このセグメントにおいて、デジタル顕微鏡カメラ、dnt DigiMicro 2.0 Scaleで行ったピクチャから得られるいくつかの結果を示すPSD(粒子サイズ分布)に関する印刷で得られる、異なる結果が説明される。
異なるPSDは、各場合において研削のために用いられるミルおよび分級と一体である。要約は、異なるPSD測定と共に表に示される。
試験されたPSD
表XVII:試験された粒子サイズ分布(PSD)
本明細書で認識されるとおり、PSDは、良好な印刷結果を実現するために実に重要である。通常、粒子の直径がより小さくなるにつれ、PSDはより狭くなり、パウダーのサンプルがより均質であれば、パウダー帯電およびパウダー流れに関する制御がより容易になる。それは、印刷のより良い品質および膜厚さのより低い必要につながる。
解像度および品質は、PSDがより狭くなり、および直径がより小さくなるので、H-0からH-9000へと向上していることが認められる。
従来機械的に生成されるトナーで用いられる最小の直径の制限は、典型的には粒子の通気性の制限である。それは5μmより小さく、その場合粒子は、肺に直接吸い込まれ得る。
それでも、本明細書で開示された発明によりもたらされる有利な可能性の1つは、触覚-2,5D(軽減)効果である。この効果を増加させるために、より良い触覚効果と共に良好な解像度および品質を維持し続けるように粒子サイズ直径をあまりに減少させないことがより良い。これは、例えばPSD H0で印刷されたピクチャで認められた。従って、より大きなPSDは、軽減効果のために有利でよい。
10.添加剤なし-フローレベリング
このセグメントにおいて、通常デジタルパウダー配合を生成するためにパウダーコーティング技術において用いられるフローおよび/またはレベリング添加剤を用いないことの驚くべき利点が説明される。利点は、いかなる表面にもコーティングを適用する特別な態様、"ドットにより印刷すること"で生じる。このドットによる印刷は、より均質なPSDおよびパウダー粒子のより小さい直径、およびより丸みを帯びた形状のパウダー粒子もまた含む。理論に縛られることなく、これら因子(均質なPSD、パウダー粒子の小さい直径およびパウダー粒子のより丸みを帯びた形状(大きな真球度))は、表面上に印刷される粒子によるより圧縮された膜を取得するのに役立つということが考えられる。
印刷というこの手法の材料の適用方法により、より重要なことに、硬化の前後に基板上に印刷される画像の所望の分解能が可能になる。次に、印刷される粒子の位置を保持すること、および硬化中のいかなるブリーディング効果の可能性もできる限り回避しようとすることが必須であり得る。この事実は、および場合によってはスプレー(機械的、化学的および腐食防止を保つために約60μmから80μm)によるパウダーコーティング技術のために適用される厚さと比較して、印刷により適用される単一の印刷動作での膜のより薄い厚さと共に、配合にそれらの添加剤を入れないことを可能にし、および高い解像度を保つには入れないことさえ好ましいと思われる。
(パウダーコーティングと比べて)比較的薄い厚さを備えるこの状況およびドットの適用はまた、ほぼ全樹脂システムのデジタルパウダー配合からいずれの脱気剤も除去する可能性を提供する。1つの特別なリマークが、プリミドシステムでなされる必要がある。本明細書で、硬化中の水の形成は、試験されたほとんどの場合において特定量の脱気剤の使用を要した。
例のいくつかの画像は、デジタル顕微鏡カメラ、dnt DigiMicro 2.0 Scaleで撮られた。
転写ホイルに渡る添加剤を備えるPSD H-0:まだ転写されず、および既に硬化した。結果において、明らかに可視のブリーディング効果が認められた。
転写され、および硬化した、添加剤を備えるPSD H-0。結果において、明らかに可視のブリーディング効果が同じく認められた。
PSD H-7500:添加剤なしで印刷され、および硬化した。結果において、ブリーディング効果は認められなかった。
11.充填材なし
このセグメントにおいて、通常デジタルパウダー配合を生成するためにパウダーコーティング技術において用いられる充填材を用いないことの利点が説明される(すなわち、本明細書で開示された発明の実施形態によるコーティング材料)。理論に縛られることなく、パウダー粒子の均質性がより高く、従って固体粒子の帯電および流れが非常に良好なレベルに保持されることにより、印刷結果がより良いということが考えられる。
12.適切な反応性
異なる反応性を備える3つの異なるサンプルは、最終画像上の反応性の影響ならびにその調製を示すために例7の配合に基づいて調製された(例7A、BおよびC)。反応性の低いサンプル(例7C)は、促進剤なしで調製された。
配合:例7AからC:本明細書で黒色配合のみが示される。
表XVIII:適切な反応性のために試験されたコーティング材料
結果-粘度
粘度は、"AR 2000ex"、TA Instruments Ltd.のようなレオメータを用いて定義される昇温速度で測定し、決められた。動的弾性率G'および損失弾性率G''が測定され、および粘度η*は、これらの2つの演算子から算出される。最小粘度測定は、サンプルの全てのために実行され(昇温速度5℃/分)、およびそれらが比べられる場合、以下の結果が結論づけられ得る。さらに、ピルフロー長は、説明されるとおり決められた。この試験は、パウダーの粘度および反応性の相互作用のための結果を提供し、従って解像度の効果および画像品質を説明するための良好なツールである。反応性が高過ぎる場合(大量の促進剤)、既に予備反応が発生し、および粘度は初めから既に実に高い。このようなコーティング材料から得られる最終コーティングは、良好な解像度を有するが、いくつかの産業上の応用のためには耐薬品性のような保護コーティング要件は、十分に満たされ得ない。反応性が本発明により説明される制限の下部にある場合、流れは高く、より悪い解像度を生じさせ、およびさらに他のアーティファクトが発生する。
例7Aは、良好な粘度を呈し、最終画像上の要件が満たされ得るということがわかった。要約すると、例7Bは、高過ぎる反応性を示し、および例7Cは、特にエポキシおよびポリエステル樹脂ベースのコーティングシステムのために好ましくない下限の粘度を示す。
13.真球度
このセグメントにおいて、真球度に関して印刷で得られる異なる結果が説明される。
丸い粒子に対しいずれの追加の特別な処置、熱および/または機械的も用いないので、異なる真球度が、ミル(0.93までのジェットミル、この範囲の下のハンマーミル)に応じて、研削から来る。真球度に関して、理想的な完全に丸みを帯びた粒子は、1の値を有する。
この状況において、どの種類のジェットミルかに応じて、真円度/真球度は、異なるミル供給者から認識される情報に基づいて0.93から0.97になり得る。
真球度/真円度は、例えばMalvern FPIA 3000のような異なる商業的に利用可能な装置で測定され得る。
ここでの重要な点は、粒子の真円度/真球度は、解像度および品質と結びつくということがわかったことである。より少ない球状の/円状の粒子を含む特定の例において、最終硬化印刷のより顕著な触覚効果が認識され得るということがわかった。
14.帯電性表+シリカ
このセグメントにおいて、Epping GmbHからのq/mメータでデジタルパウダーを試験することで得られる異なる結果が説明される。この装置は、トナー+キャリアの混合中への異なる量のトナーとのソフトブローを用いた活性化のpC/gr対時間の比較結果を提供する。
帯電試験は次のとおり行われた:
a.Q/Mメータ、20μm-ふるいでのソフトブローオフ、10から300分のローリング装置を用いた活性化。
b.キャリア対照は、商業的に利用可能なBuro Compunication Wagner GmbHからのフェライトコアキャリアCB03である(対照)。
c.キャリア+デジタルパウダー(8%から10%のデジタルパウダーおよび従って92%から90%のキャリア、例えば8%または10%のデジタルパウダー)の25gの混合
一般に、トナー(パウダー)流れ(凝集性)および帯電は、粒子サイズ、PSD、電荷制御剤(タイプおよび品質)および外部添加剤(タイプおよび品質)に応じて異なり得る。
現像において作業するための適切な態様は、まず全コア材料を固定(選択)し、次に、第2ステップでは、材料の様々な濃度および外部添加剤の種類を試験することである。
もちろん、異なるシリーズの材料で、異なる樹脂システムで作業することで、それらの全ての因子の組み合わせが、各場合において異なるであろう。しかし、少なくとも始点として、1つの標準的なプロセスが用いられ得る。
シリカ結合:
シリカ結合は、個々にまたは1または複数の組み合わせにおいて、表面添加剤の異なる種類でなされ得る。例えば、シリカのように。
用いられる装置に応じて、混合の設定は、異なってよく、粉体コーティング材料の予備反応を回避するように制御されるミキサ中に温度を常に維持する。この状況において、用いられる材料、手順および装置は、下に説明される。
装置:Henschel Mixer MB10
材料:デジタルパウダーの総重量を基準とする量のシリカ、例えばWacker Siliconesからの0.5%HDK H05 TD(シリカA)+1%HDK H30 TM(シリカB)のような、パウダー帯電およびパウダーフロー(凝集性)を向上させるために商業的に利用可能なシリカの組み合わせでの混合。
手順:3ステッププロセスにおける各シリカの結合。各ステップは、3700rpmでの10秒の結合およびステップ間における5秒の休止を含む。
表XIX:シリカ結合を試験するためのコーティング材料
異なるPSDとの組み合わせにおける(図13において"結合"と称される)シリカを追加する効果は、例7マゼンタ(異なるPSD)+シリカ結合効果のために決められ、用いられたのは8%デジタルパウダーを備えるキャリアであった。結果は、図13に示される。図13において称されるPSDは、上の表XVIIにおいて定義される。H8500は、PSDによればH7500とH9000との間にあった。結果として、PSDを低減し、およびシリカ結合を用いることにより、帯電は向上する。
シリカとの組み合わせにおける電荷制御剤の効果
驚くべきことに、配合剤中に電荷制御剤を付加することは、特に強い帯電の効果の向上はもたらさなかったが、驚くべきことに2%より低い量の電荷制御剤を備えるデジタルパウダーの色密度は、著しく低下する。
電荷制御剤を2%用いることで、高い色濃度が認められた。電荷制御剤1%では、低い色濃度のみが認められた。
異なるキャリアの効果:異なる直径およびコーティング組成物を備える異なる種類商業的に利用可能なフェライトコアキャリアが、異なる例、色および量のキャリア-トナー混合で試験された。
重要な結果は、配合-シリカ-電荷制御剤およびキャリアの良好な組み合わせは、短時間の活性化でのみでなく、長期の活性化でもまた非常に安定した帯電を有することを可能にするということであった。それらの良好な組み合わせは、各場合において試験されなければいけない。
15.転写
このセグメントにおいて、我々は異なる転写ホイルおよび異なるT(温度)およびt(時間)でデジタルパウダーを試験することで得られる異なる結果を説明する。印刷中に転写ホイル/紙に渡るパウダーの最良の固定を取得するために、各デジタルパウダーの硬化温度より上のTで、しかし転写ホイル表面との印刷ドット架橋を回避する低い程度の硬化での約1-2秒の高速処置が実行された。本明細書での硬化温度は、20K/分の昇温速度での示差走査熱量測定を介して測定される硬化の始点として定義される。それらの試験をするために用いられる材料は下に列挙される:
デジタルパウダー:例7マゼンタ、例3黒色
最終基板:ポリエステル下塗りパウダーコーティング白色で被覆されるアルミニウムパウダー。
表XX:転写ホイルの効果を試験するための転写ホイル材料
転写ステップ
Tgより上だが融点より下で((半)結晶性樹脂で適用可能な場合)、材料がその過冷却液体状態にあり得る場合、温度T、時点Tおよび圧力P(T-t-P)の組み合わせは、解像度に関して実に大きな差を作る。
処置の持続時間は、重要である。長過ぎる処置は、パウダーが流れ/ブリードすることを可能にし、画像のシャープネスを失う。 T-tに関する異なる設定および定数を維持する一連の試験が、行われた。
RNK 75ホイルでの1分間150℃で材料例7マゼンタでなされた第1試験(この場合、非常に反応性のあるコーティングが用いられ、硬化は通常既に少なくとも120から130℃で開始する)->システムは、過度の予備反応を示した。結果として、パウダーは溶解し、プレート上に架橋して、Pによりブリーディング効果を生じた。少量の材料との架橋は、ホイル上に発生し、ホイルの表面へのパウダーの実に強い接着を生じた。
RNK 75で30秒間120℃での材料例3黒色(ポリウレタンベースの)でなされた第2試験->システムは、ホイルからの不良な剥離およびこの高温での増加した流れに起因する解像度の高い損失を示した。この場合、ここで反応が、図14に示されるDSC測定による約170℃で開始するので、予備反応は発生しなかった。
(このDSC測定で得られた更なる情報:ガラス転移の始まりは、51.1℃(56.4℃で変曲点、61.1℃で終点、Delta-Cp0.443245mVs/(gk)、平均:56.8℃)で認められる)。ガラス転移の更なる始まりは、129.4℃(139.1℃で変曲点、144.6℃で終点、Delta-Cp0.120134mVs/(gk)、平均:138.8℃)で認められる。発熱ピークは、204.6℃および297.5℃で認められる。吸熱性ピークは、281.5℃で認められる)。
異なる種類のホイル(STK 50、RNK 75およびMT 50)で3分間150℃での材料例7マゼンタでなされた第3試験(この場合、高い反応性のコーティングが用いられ、硬化は通常既に少なくとも120から130℃で開始する)->システムは、高過ぎる程度の硬化を示し、および転写ホイル表面との印刷ドット架橋が開始して、その結果として基板への材料の転写は可能でなかった。この効果は、STK 50ホイルでより強く、そこでたくさんの材料がリリース後にホイル上に残った。むしろ、RNK 75およびMT 50は、リリース後にそれらの表面上にはるかに少ないパウダーを保持した。全3つの場合において、パウダーは、移した後にプレートの表面上にブリーディングした。
RNK 75ホイルで1分間80℃での材料例7マゼンタでなされた第4試験(この場合、高い反応性のコーティングが用いられ、硬化は通常既に少なくとも120から130℃で開始する)->ここで過冷却状態において、転写は、はるかにより良かった、および印刷品質はより程度が高く保持される。色の低勾配から高勾配へのサンプルスポットは、印刷される層厚みの対応する連続増加を示し、驚くべきことに、転写品質は、より高い材料厚さで向上するということを示した。
この例は、T-t-Pのより良い組み合わせを示した。ここで材料の流れまたはブリードは保持され、画像の最後のシャープネスはより高かった。
要約:
印刷品質は、適切な転写ホイル/紙を選択することにより向上し得る。
最良の結果は、過冷却状態において発生する基板への転写(第4試験においてコメントされる)、昇温速度の配列される組み合わせ、および印刷されるドットの流れおよび/またはブリーディングを防止するための硬化で得られる。
転写ホイルに渡る最良のドット印刷固定および転写から最後の表面へのそれらのドットの転入後を実現し、および以前にコメントされた位置合わせを保つことを支援するために、高速予備硬化は、さら用いられ得、硬化中および前にプリントの流れが生じるのを防止する。これは、部分硬化が低温で既に生じることを可能にするように、高反応性触媒および/または架橋剤の量を調節することにより達成され得るが、完全硬化を作るには適切な量、および最後の完全硬化のためにそれほど反応性のある硬化触媒/架橋剤ではない。換言すれば、特別な実施形態によれば、コーティング材料の硬化剤は、第1硬化剤および第2硬化剤を含み、特定(予め定められた)温度で、第1硬化剤により提供される反応性は、硬化剤により提供される反応性よりも高い。更なる実施形態によれば、第1硬化剤の量は、第2硬化剤の量より、例えば因子xにより、異なる(例えば、少ない)。実施形態によれば、因子xは、特定の温度で、および所望時間領域内に第1硬化剤により開始される予備硬化が、所望の量に実現するように選択される。そのため例えば、1つの選択肢は、非常に高速だが、更なる流れを防止する部分硬化にのみつながる濃度においてのみ反応することが知られる、特定の濃度のブロックされていないイソシアネート架橋剤を実装することであり得る。別のオプションは、デジタルパウダーの各配合中にUV硬化を実装し、および完全硬化を防止する態様において光エネルギ、UV開始剤濃度および/または時間を調節することであろう。次に、UV反応は、材料の流れをストップするのに十分高速であり、基板上の最終硬化の前に解像度に危害を与え得る環境効果に対してさらにより安定した高い解像度転写を可能にする。
最後のリマーク
コーティング材料の組成に応じて、コーティング材料は、例えばコーティング材料の異なる成分またはフェーズが異なる溶融温度を有する場合、1つより多くの溶融温度を有してよいということに留意されたい。このような場合において、本明細書で開示された発明の実施形態において称される"溶融温度"は、2以上の異なる溶融温度のうち最低の溶融温度である。
同様に、コーティング材料の組成に応じて、コーティング材料は、例えばコーティング材料の異なる成分またはフェーズが異なる温度で硬化する場合、1つより多くの硬化温度を有してよい。このような場合において、開示された発明の実施形態において称される"硬化温度"は、熱硬化システムの2以上の異なる硬化温度のうち最低の硬化温度である。
同様に、コーティング材料の組成に応じて、コーティング材料は、例えばコーティング材料の異なる成分またはフェーズがを異なる温度でガラス転移をする場合、1つより多くのガラス転移温度を有してよい。このような場合において、本明細書で開示された発明の実施形態において称される"ガラス転移温度"は、2以上の異なるガラス転移温度のうち最低のガラス転移温度である。
本明細書で開示されるいずれのエンティティ(例えば成分、要素およびデバイス)も、いくつかの実施形態において説明される専用エンティティに限定されるものではないということが留意されるべきである。むしろ本明細書で開示された発明は、特定される機能をまだ提供する一方で、様々なやり方において、およびデバイスレベルまたはソフトウェアモジュールレベル上の様々な細かさで実装されてよい。さらに、実施形態によると、分離したエンティティ(例えばソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールまたはハイブリッドモジュール(組み合わせられるソフトウェア/ハードウェアモジュール)は、本明細書で開示される機能の各々のために提供されてよいということが留意されるべきである。
別の実施形態によれば、エンティティ(例えばソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールまたはハイブリッドモジュール)は、本明細書で開示されるとおり2以上の機能を提供するように構成される。まだ別の実施形態によれば、2以上のエンティティは、本明細書で開示されるとおり機能を共に提供するように構成される。
制御デバイスは、いくつかの部分を有する分散制御デバイスであってよいことに留意されたい。実施形態によれば、分散制御デバイスの部分間の情報の交換は、部分の通信結合により(例えば、コンピュータネットワークにより)、または、基板(または、別の実施形態において、転写要素が用いられる場合において転写要素)に、受信エンティティ(例えばコーティング層適用デバイス、硬化デバイス)により可読であるという形において情報を提供することにより、実行されてよい。交換されるこのような情報は、例えば、硬化プログラムでよい。硬化プログラムは、印刷パラメータ(例えば特定のコーティング材料、コーティング層の処置(部分硬化、粘性流等)に応じて印刷デバイスにより特定されてよい。
さらに、図面における例示的なコーティング層適用デバイスおよび印刷デバイスが、本明細書で開示された発明のいくつかの実施形態の特定の組み合わせを含む一方で、実施形態の任意の他の組み合わせはまた可能であり、本願で開示されるとみなされ、従って本明細書で開示された発明の範囲は、このテキストで説明され、またはそれから明らかである個々の特徴の全ての2以上の代替的組み合わせに延在するということが留意されるべきである。これらの異なる組み合わせの全てが、発明の様々な代替的例を構成する。
本明細書において、そのために異なる実施形態が開示されるエンティティ(例えばコーティング材料、コーティング層、層パッケージ、樹脂、電荷制御剤、硬化剤、印刷デバイス、コーティング層適用デバイス、転写要素、基板、コーティング、パラメータ範囲等)を参照するときはいつでも、このエンティティは、このエンティティのために開示されるいずれの1または複数の実施形態によっても構成されてよいことを理解されたい。
実施形態によれば、コーティング層(本明細書で定義される1または複数の実施形態による)は、別段の記載がない場合、NIPデバイスにより処理されたコーティング層である。
実施形態によれば、コーティング材料は、1または複数のカラー顔料、特に以下のカラー顔料の1または複数を含む:
シアン:Sunfast Blue 15:4/Sun Chemical(C.I.:青色15:4、Cu-フタロシアニン)、Heliogen Blue D7110F/Ciba Specialty Chemicals(C.I.:青色15:4、Cu-フタロシアニン)、Heliogen Blue K7090/BASF(C.I.:青色15:3、Cu-フタロシアニン)、Sunfast Blue 15 : 3/Sun Chemical(C.I.:青色15:3、Cu-フタロシアニン)。
マゼンタ:Quindo Magenta 2282120/Sun Chemicals(C.I.ナンバー73907/73900,キナクリドン)、Cinquasia RED L4105HD/Ciba Specialty Chemicals(C.I.バイオレット19,キナクリドン)Cinquasia Viloet L5120/BASF(C.I.バイオレット19,キナクリドン)、Hostaperm rosa E/Clariant(C.I.PR122,キナクリドン)、Hostaperm RED E3B/Clariant(C.I.バイオレット19,キナクリドン)、Hostaperm RED E5B02/Clariant(C.I.バイオレット19,キナクリドン)。
黄色:Fanchon yellow 180/Sun Chemicals(C.I.:PY180,ベンズイミダゾロン)、Fanchon yellow 151/Sun Chemicals(C.I.:PY151,ベンズイミダゾロン)、Duropal Yellow 6218/Habich HMH(C.I.:PY184,バナジン酸ビスマス)、Sicopal Yellow L1100/BASF(C.I.:PY184,バナジン酸ビスマス)
黒色:Nipex 60/Orion(カーボンブラック)、Printex 90 Beads/Orion(カーボンブラック)、Spezial Schwarz/Evonik(カーボンブラック) 白色:TiSelect TS6200/DuPont(二酸化チタン)
実施形態によれば、コーティング材料は、1または複数のエフェクト顔料、特に以下のエフェクト顔料の1または複数を含む:Iriodin 9612 Silver Grey Fine/EMD、PCU 1000アルミニウムパウダー/ Eckart Effect Pigments
実施形態によれば、コーティング材料は、1または複数の光および熱安定剤、特に以下の1または複数を含む:
UVA-UV吸収材:Tinuvin 479(HPT-ヒドロキシフェニル-トリアジン)、Tinuvin 405(HPT)、Tinuvin 460(HPT)、K-Sorb 1577(HPT)、Tinuvin 928(BTZ-ベンゾトリアゾール)。
HALS-ヒンダードアミン光安定剤:Tinuvin 152(N-OR HALS)、Tinuvin 144(N-アルキル HALS)、Tinuvin 622 SF(オリゴマ N-アルキル HALS)、Chimassorb 944 LD(オリゴマ N-H HALS)、Tinuvin 111 FDL blends(N-アルキル/N-アルキル HALS)、K-Sorb 111。
AO-抗酸化剤:Irganox 1010(ヒンダードフェノール、一次AO)、Irganox 1076(ヒンダードフェノール、一次AO)、Irganox 245(ヒンダードフェノール、一次AO)、Irgafos 126(亜リン酸塩、二次AO)、Irgafos 168(亜リン酸塩、二次AO)、K.nox 126(亜リン酸塩、二次AO)、K.nox 3114(フェノール、一次AO)、Knox 1010(フェノール、一次AO)、K.nox 445(アミニックAO)。
"含む"という用語は、他の要素またはステップを排除せず、および"a"または"an"は複数を排除しないということが留意されるべきである。異なる実施形態に関連して説明される要素もまた、組み合わせられてよい。請求項における参照符号は、請求項の範囲を限定するとして解釈されるべきでないということもまた留意されたい。
上で説明される本発明の実施形態のいくつかを要約するために、以下を述べることができる。
画像を表すコーティング層206の少なくとも一部を形成するためにNIPにより処理可能であるコーティング材料237、248、268が説明される。コーティング材料237、248、268は、非晶性成分を含み、硬化性、例えば熱硬化性である。さらに、コーティング材料237、248、268は、少なくとも15μmの厚さで適用されるように構成される。
さらに、ノンインパクト印刷によりコーティング層を生成させるように特に構成されるコーティング材料が説明され、コーティング材料は、複数の粒子の形で提供され、および以下を含む:樹脂であって、樹脂は、硬化性樹脂成分を含み、樹脂はさらに、非晶性樹脂部分を含み、特に、樹脂成分は、少なくとも部分的に熱硬化性であり、特に樹脂成分の官能基と反応できる架橋剤により硬化可能である、および、コーティング材料は、電荷制御剤を含み、電荷制御剤の含有量は、コーティング材料の総重量に基づいて少なくとも2重量パーセントであり、およびコーティング材料は、5μm以上のd10値を備える、特に5μmから7μmの間の範囲におけるd10値を備える粒子サイズ分布を有する。
特にノンインパクト印刷によりコーティング層を生成するためのコーティング材料がさらに説明され、コーティング材料は、粒子の形で提供され、および以下を含む:硬化性樹脂、好ましくは少なくとも部分的に熱硬化性樹脂およびより特に樹脂の官能基と反応することができる架橋剤により硬化性ですらあり、樹脂は、特に非晶性樹脂部分を含み、粒子の平均直径は、1μmから25μmの間の範囲にあり、および粒子は、0.7より大きい平均真球度、特に0.8より大きい、特に0.9より大きい真球度を有する。
以下を含む現像剤がさらに説明される:キャリア(例えば少なくとも1つのキャリア)、および、(10wt-%以下の量における、コーティング材料、特にノンインパクト印刷によりコーティング層を生成するためのコーティング材料であって、粒子の形で提供され、および以下を含む:硬化性樹脂、好ましくは少なくとも部分的に熱硬化性樹脂およびより特に樹脂の官能基と反応することができる架橋剤により硬化性ですらあり、樹脂は、特に非晶性樹脂部分を含み、粒子の平均直径は、1μmから25μmの間の範囲にあり、および粒子は、0.7より大きい平均真球度、特に0.8より大きい、特に0.9より大きい真球度を有する、コーティング材料が毎分5Kの昇温速度で室温から加熱される場合、加熱中のコーティング材料は、最小粘度までその粘度を減少させ、および温度の更なる増加でその粘度を増加させる、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲にある。
さらに、ノンインパクト印刷によりコーティング層(206)を生成するように構成されるコーティング材料が説明され、コーティング材料は、以下を含む:少なくとも1つの少なくとも部分的に覆われるエフェクト顔料を含む、少なくとも1つのエフェクト粒子であって、エフェクト顔料は、熱および/または放射硬化性ポリママトリクスにより少なくとも部分的に覆われ、ポリママトリクスは、好ましくは透明である。
さらに次を含むノンインパクト印刷デバイスが説明される:硬化性であり樹脂を含むコーティング材料、樹脂の総量に基づいて少なくとも30w-%の量における非晶性樹脂部分を含み、およびコーティング材料の総量に関連して0.5w-%未満のフロー添加剤を含むコーティング材料、コーティング層を形成するようにコーティング材料を印刷するために構成される印刷ユニット、特に電子写真印刷単位であって、コーティング層は少なくとも1つの層を含む層パッケージの少なくとも部分を形成する、層パッケージで表面構造を画定するように層パッケージを提供するために構成されるノンインパクト印刷デバイス、表面構造は、層パッケージの厚さの変動によって画定される、厚さの変動は、1μmから1000μmの間の範囲、特に1μmから300μmの間の範囲にあり、特に1μmより大きく、特に5μmより大きく、特に10μmより大きく、および特に20μmより大きい。
転写要素上に配置されるコーティング層を基板に加えるように構成され、コーティング層は、コーティング材料、特に熱硬化性コーティング材料から形成され、コーティング層は、硬化性であり、非晶質材料を含むコーティング層適用デバイスであって、(i)コーティング層からの転写要素を除去する前に温度範囲内にコーティング層の温度を維持し、ここで温度範囲内において、未硬化コーティング材料は、過冷却液体状態にあり、および/または、(ii)特にコーティング層の温度をコーティング層の硬化温度以上の温度に増加させることによってコーティング層と基板との接触中およびコーティング層からの転写要素を除去する前にコーティング層を部分的に硬化するように構成される加熱装置を含むコーティング層適用デバイスが、さらに説明される。
特にノンインパクト印刷のためのコーティング材料が説明され、コーティング材料は、以下を含む:少なくとも1つの樹脂成分、特に少なくとも1つのタイプの樹脂を含む樹脂であって、樹脂は、特に非晶性樹脂部分を含む、少なくとも1つの架橋剤および/または少なくとも1つの熱開始剤および/または少なくとも1つの光開始剤および/または少なくとも1つの触媒を含む硬化剤、および、コーティング材料は、硬化したコーティング材料がDIN EN 12720による10秒後のメチルエチルケトン試験において少なくとも2-3の等級を達することが可能であるような量における硬化剤を含む、および/または、硬化したコーティング材料は、少なくとも50IPA(イソプロピルアルコール)二重こすりに耐える。樹脂は、以下の1または複数を含む。
(i)組み入れられた(用いられた)酸性モノマ基の総量に対して少なくとも5w-%イソフタル酸、特に少なくとも10w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも25w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも30w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも50w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも80w-%イソフタル酸、さらに特に少なくとも85w-%イソフタル酸を含有するポリエステル樹脂成分、
(ii)ポリエステル樹脂成分のグリコール化合物の総重量に関して1から100wt-%の脂環式グリコール化合物、特にTACD、さらに特にTMCDを含有するポリエステル樹脂成分、(iii)アクリル樹脂、(iv)フッ素含有ポリマ、特にヒドロキシル官能性フッ素ポリマ、(v)ポリウレタン樹脂。
さらに、画像を表すコーティング層の少なくとも一部を形成するためにノンインパクト印刷により処理可能であるコーティング材料が説明され、コーティング材料は、非晶性樹脂部分を含み、および硬化性であり、コーティング材料は、少なくとも15μmの厚さで適用されるように構成され、好ましくは、コーティング材料は、少なくとも20μmの厚さで、特に少なくとも30μmの厚さで、さらに特に少なくとも40μmの厚さで、適用されるように構成され、コーティング材料は、以下の1または複数を含む。
(i)少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマを含むポリエステル樹脂であって、少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも10重量パーセントはイソフタル酸であり、特に少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも20重量パーセントはイソフタル酸であり、特に少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも30重量パーセントはイソフタル酸であり、特に少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも50重量パーセントはイソフタル酸であり、特に少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも80重量パーセントはイソフタル酸であり、およびさらに特に少なくとも1つの組み入れられた酸性モノマの少なくとも85重量パーセントはイソフタル酸である、(ii)ポリエステル樹脂成分のグリコール化合物の総重量に関して1から100wt-%の脂環式グリコール化合物を含有するポリエステル樹脂、特にTACD、さらに特にTMCD、(iii)アクリル樹脂、(iv)フッ素含有ポリマ、特にヒドロキシル官能性フッ素ポリマ、(v)ポリウレタン樹脂。
さらに、ノンインパクト印刷によりコーティング層を生成するためのコーティング材料が説明され、コーティング層は、画像を表し、画像の解像度は少なくとも100DPIであり、コーティング材料は、硬化性樹脂を含み、コーティング材料は、コーティング材料の硬化が発生する温度まで5ケルビン毎分の昇温速度で室温から加熱される場合、最小粘度を呈し、最小粘度は、3パスカル秒から20000パスカル秒の間の範囲に、特に50パスカル秒から10000パスカル秒の間の範囲に、およびさらに特に250パスカル秒から7000パスカル秒の間の範囲にあり、ピルフロー長は、コーティング材料を硬化するのに用いられてよい潜在的な硬化温度で350mmより下である。
本願によれば、以下の各項目もまた開示される。
[項目1]
基板に、転写要素上に配置されるコーティング層を適用するためのコーティング層適用デバイス(200、300)であって、上記コーティング層(206)は、コーティング材料(237、248、268)、特に熱硬化性コーティング材料から形成され、上記コーティング層(206)は、硬化性であり、かつ非晶性材料を含み、
(i)上記コーティング層(206)から上記転写要素(204)を除去する前の温度範囲内に上記コーティング層(206)の温度を維持し、上記温度範囲内では、未硬化コーティング材料(237、248、268)は、その過冷却液体状態にあり、
および/または
(ii)特に上記コーティング層(206)の硬化温度以上の温度に上記コーティング層(206)の温度を上昇させることにより、上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触中および上記コーティング層から上記転写要素を除去する前に、上記コーティング層(206)を部分的に硬化させる、
ように構成される加熱デバイスを備える、コーティング層適用デバイス(200、300)。
[項目2]
上記コーティング層(206)は、結晶相を含み、または少なくとも部分的に上記結晶相にされ得、上記結晶相は、融点を定義し、かつその温度範囲は、融点より低く、または
上記コーティング材料は、以下、
上記コーティング材料には、結晶性樹脂を含まず、 上記コーティング材料は、特に少なくとも上記温度範囲内でない温度で、溶融に起因する一次相転移を呈さないこと、
という特徴の1または複数を呈す、項目1に記載のコーティング層適用デバイス(200、300)。
[項目3]
印刷により上記転写要素(204)に上記コーティング材料(237、248、268)を適用し、それにより上記コーティング層(206)を形成するように構成される、印刷デバイス(301)であって、好ましくは、上記印刷デバイス(301)は、少なくとも10μmの厚さ(252)で、特に少なくとも20μmの厚さで、例えば少なくとも40μmの厚さで、上記転写要素(204)に上記コーティング材料(237、248、268)を適用するように構成され、および/または、好ましくは上記印刷デバイス(301)は、上記転写要素にパターンとして上記コーティング材料(237、248、268)を適用し、それにより上記パターンを呈すパターン化されたコーティング層として上記コーティング層(206)を形成するように構成され、
特に上記パターン化されたコーティング層は、以下、
上記パターン化されたコーティング層は、触覚効果を呈し、
上記パターン化されたコーティング層は、表面構造を定義し、上記表面構造は、上記パターン化されたコーティング層の厚さの変化により定義され、
上記パターンは、第2パターンと組み合わせて組み合わせられたパターンとなる第1パターンであり、特に上記第2パターンは、同じコーティング材料から、または異なるコーティング材料から形成され、特に上記第1パターンおよび上記第2パターンは、共通層平面に配置され、特に上記第1パターンは、少なくとも1つの空隙を含み、上記第2パターンは、上記少なくとも1つの空隙を少なくとも部分的に充填し、好ましくは、上記パターンは、上記コーティング層(206)の層平面と横断して上記コーティング層(206)を完全にとおって延在する、および/または、上記印刷デバイス(301)は、2ライン毎ミリメートルより多い解像度で、特に5ライン毎ミリメートルより多い解像度で、例えば10ライン毎ミリメートルより多い解像度で、上記転写要素(204)に上記コーティング材料(237、248、268)を適用するように構成されることという特徴の少なくとも1つを呈する印刷デバイスを備える、
項目1または2に記載のコーティング層適用デバイス(200、300)。
[項目4]
上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触の前に、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)の中へエネルギ(230)、特に熱および/またはUV放射および/または電子ビームのような放射を伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイス(229)であって、
特に上記エネルギ伝達デバイス(229)は、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)を部分的に硬化するように、および/または、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)に粘性流を誘発するように、上記コーティング層(206)にエネルギを伝達するように構成され、特に上記エネルギ伝達デバイスは、熱、放射、圧力の少なくとも1つの形でエネルギを提供するように構成されるエネルギ伝達デバイスをさらに備える、
項目1から3のいずれか一項にコーティング層適用デバイス(200、300)。
[項目5]
上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触の前に上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)を圧縮するように構成される圧縮デバイス(232)をさらに備え、および/または、その上に上記コーティング層(206)を有する上記転写要素(204)は別個の部分であり、および上記転写要素支持体(202)は、別個の部分として、その上に上記コーティング層(206)を有する上記転写要素(204)を受けるように構成される、
項目1から4のいずれか一項に記載のコーティング層適用デバイス(200、300)。
[項目6]
方法であって、
非晶性材料を含み、かつ硬化性、好ましくは熱にさらすことにより少なくとも部分的に硬化性であるコーティング層(206)をその上に有する転写要素(204)を提供する段階と、
基板(210)に上記コーティング層(206)を適用するために上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)と上記基板(210)とを接触させる段階と、
(i)上記コーティング層(206)からの上記転写要素(204)の除去の前の温度範囲内に上記コーティング層(206)の温度を維持する段階であって、上記温度範囲内に、未硬化コーティング材料(237、248、268)は、その過冷却液体状態にある、段階と、および/または
(ii)特に上記コーティング層(206)の硬化温度以上の温度に上記コーティング層(206)の温度を上昇させることにより、上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触中および上記転写要素を除去する前に、上記コーティング層(206)を部分的に硬化させる段階と、
を備え、好ましくは、
上記コーティング層(206)は、結晶相を含み、または少なくとも部分的に上記結晶相にされ得、上記結晶相は、融点を定義し、かつその温度範囲は、融点より低く、または 上記コーティング材料は、以下、
上記コーティング材料には、結晶性樹脂を含まず、
上記コーティング材料は、特に少なくとも上記温度範囲内でない温度で、溶融に起因する一次相転移を呈さないこと、という特徴の1または複数を呈す、
方法。
[項目7]
印刷により上記転写要素(204)に上記コーティング材料(237、248、268)を適用し、それにより上記コーティング層(206)を形成する段階をさらに備え、好ましくは、上記コーティング材料(237、248、268)は、少なくとも1μm、特に少なくとも2μm、特に少なくとも5μm、特に少なくとも10μmの厚さ(252)で、そしてさらに特に少なくとも20μmの厚さで、例えば少なくとも40μmの厚さで、上記転写要素(204)に適用される、
項目6に記載の方法。
[項目8]
上記コーティング材料(237、248、268)は、上記転写要素(204)にパターンとして適用され、それにより上記パターンを呈するパターン化されたコーティング層として上記コーティング層(206)を形成し、
特に上記パターン化されたコーティング層(206)は、以下、
上記パターン化されたコーティング層は、触覚効果を呈し、
上記パターン化されたコーティング層は、表面構造を定義し、上記表面構造は、上記パターン化されたコーティング層の厚さの変化により定義され、
上記パターンは、第2パターンと組み合わせて組み合わせられたパターンとなる第1パターンであり、特に上記第2パターンは、同じまたは異なるコーティング材料から形成され、特に上記第1パターンおよび上記第2パターンは、共通層平面に配置され、特に上記第1パターンは、少なくとも1つの空隙を含み、かつ上記第2パターンは、上記少なくとも1つの空隙を少なくとも部分的に充填し、好ましくは、上記パターンは、上記コーティング層(206)の層平面と横断して上記コーティング層(206)を完全に通って延在する、
という特徴の少なくとも1つを呈する、項目7に記載の方法。
[項目9]
上記コーティング材料(237、248、268)が、2ライン毎ミリメートルより多い解像度で、特に5ライン毎ミリメートルより多い解像度で、例えば10ライン毎ミリメートルより多い解像度で、上記転写要素(204)に適用される、項目6から8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触の前に、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)中へエネルギ(230)、特に熱および/またはUV放射および/または電子ビームのような放射を伝達する段階と、
特に上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)を部分的に硬化するように、および/または、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)に粘性流を誘発するように、上記コーティング層(206)にエネルギを伝達する段階であって、特に上記エネルギは、熱、放射、圧力の少なくとも1つの形でエネルギを伝達する段階と
をさらに備える、項目6から9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
上記コーティング層(206)と上記基板(210)との接触の前に上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)を圧縮する段階と、および/または、
別個の部分として、上に上記コーティング層(206)を有する、上記転写要素(204)を受ける段階とをさらに備える、
項目6から10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
プログラム要素を含みコンピュータプログラム製品であって、上記プログラム要素は、プロセッサデバイス上で実行される場合、項目6から11のいずれか一項に記載の方法を実行するために適応される、コンピュータプログラム製品。
[項目13]
ノンインパクト印刷デバイス(301)であって、
硬化性であり、非晶性材料を含むコーティング材料(237、248、268)と、
転写要素(204)の対象表面に上記コーティング材料(237、248、268)を適用するように構成される印刷ユニットと、上記転写要素(204)上の上記コーティング材料(237、248、268)にエネルギを伝達するように構成されるエネルギ伝達デバイスと、
を備え、
上記エネルギ伝達デバイスは、上記コーティング材料と上記コーティング材料が適用されるべき基板との接触の前に上記コーティング材料(237、248、268)にエネルギを伝達するように構成され、
特に上記エネルギ伝達デバイスは、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)の上記コーティング材料(237、248、268)を部分的に硬化させるように、および/または、上記転写要素(204)上の上記コーティング層(206)に粘性流を誘発するように、上記コーティング材料(237、248、268)にエネルギを伝達するように構成され、特にエネルギは、熱、放射、圧力の少なくとも1つである、
ノンインパクト印刷デバイス(301)。
[項目14]
独立型転写要素(204)であって、コーティング層(206)を備え、上記コーティング層(206)は、コーティング材料(237、248、268)から形成され、上記コーティング層(206)は、硬化性であり、かつ非晶性材料を含み、上記コーティング層(206)は、基板(210)に転写可能であり、かつ特に電荷制御剤を含み、かつ特にシリカ化合物を含み、
好ましくは、上記コーティング材料は、樹脂を含み、上記樹脂は、特にビスフェノールAを含まないおよび/またはエポキシフリーを含まず、および/または熱硬化性樹脂である、
独立型転写要素(204)。
[項目15]
その上に硬化したコーティング層(206)を有する基板(210)であって、
上記硬化したコーティング層(206)は、少なくとも部分的に非晶性熱硬化性樹脂であり、上記硬化したコーティング層は、少なくとも50℃、特に少なくとも60℃のガラス転移温度Tgを有し、 特に上記硬化したコーティング層(206)は、電荷制御剤を含み、かつ
特に上記基板は、複雑な幾何学的形状を有する、
基板(210)。