JP7075726B2 - 全固体二次電池及び全固体二次電池の製造方法 - Google Patents

全固体二次電池及び全固体二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、全固体二次電池及び全固体二次電池の製造方法に関する。
近年、例えば特許文献1、2に開示されている全固体二次電池が注目されている。全固体二次電池は、正極活物質層、負極活物質層、及びこれらの活物質層の間に配置された固体電解質層を有する。全固体二次電池では、リチウムイオン(lithium ion)を伝導させる媒体が固体電解質となっている。
このような全固体二次電池のエネルギー(energy)密度を高めるために、負極活物質として金属リチウム(lithium)を使用することが提案されている。負極活物質として金属リチウムを使用することで、全固体二次電池を薄型化しつつ、出力を高めることができるからである。
一方、全固体二次電池では、リチウムイオンを伝導させる媒体が固体電解質であるため、全固体二次電池を構成する粒子同士を密接させることで、電池特性を向上させることができる。さらに、全固体二次電池のエネルギー密度を高めるという観点から、固体電解質層の薄型化が望まれている。
このため、全固体二次電池を作製する際には、正極活物質層、固体電解質層、及び負極活物質層の積層体である電極積層体をプレス(press)することが多い。これにより、各層内及び層間で粒子同士を密接させることができる。さらに、固体電解質層を薄型化することができる。
特開2015-125872号公報 国際公開第2014/010042号
ところで、金属リチウムは非常に柔らかい。このため、負極活物質として金属リチウムを使用した場合に、以下の問題が生じる可能性があった。すなわち、固体電解質層の表面にひび割れ等の隙間が形成されている場合、電極積層体のプレス時に金属リチウムが隙間に侵入する。そして、この隙間が固体電解質層の表裏面に連通している場合、金属リチウムは正極活物質層に到達する場合があった。したがって、全固体二次電池が短絡する場合があった。また、隙間が表裏面に連通していない場合でも、隙間に侵入した金属リチウムと正極活物質層との距離は、他の箇所の金属リチウムと正極活物質層との距離よりも短くなる。したがって、充電時にこの箇所に電流が集中するため、短絡が生じる場合があった。
また、正極活物質層と固体電解質層との界面が荒れている場合に、以下の問題が生じる可能性があった。すなわち、正極活物質層の表面には、負極活物質層(すなわち、金属リチウム)側に突出している突出部分が形成される。したがって、充電時には、当該突出部分と負極活物質層との距離が正極活物質層の他の部分と負極活物質層との距離よりも短くなる。したがって、充電時にこの箇所に電流が集中するため、短絡が生じる場合があった。
このように、全固体二次電池の負極活物質として金属リチウムを使用した場合、短絡が生じる場合があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、負極活物質層に金属リチウムを含める場合に、短絡を発生しにくくすることが可能な、新規かつ改良された全固体二次電池及び全固体二次電池の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、正極活物質層と、金属リチウムを含む負極活物質層と、正極活物質層及び負極活物質層の間に配置された固体電解質層と、を含み、正極活物質層と固体電解質層との界面の算術平均粗さRaが1.0μm以下であり、固体電解質層の密度比が80%以上であることを特徴とする、全固体二次電池が提供される。
本観点によれば、正極活物質層と固体電解質層との界面の算術平均粗さRaが1.0μm以下となるので、全固体二次電池の充電時に電流が固体電解質層内でより均一に流れるようになる。この結果、金属リチウムが負極活物質層上により均一に析出するようになるので、短絡が生じにくくなる。さらに、固体電解質層の密度比が80%以上であるので、固体電解質層内の隙間が少なくなり、かつ小さくなる。したがって、短絡が生じにくくなる。
ここで、正極活物質層の密度比が60%以上であってもよい。
この観点によれば、全固体二次電池の電池特性がさらに向上する。
また、正極活物質層と固体電解質層との界面の最大高さ粗さRzが4.5μm以下であってもよい。
この観点によれば、全固体二次電池の充電時に電流が固体電解質層内でより均一に流れるようになる。この結果、金属リチウムが負極活物質層上により均一に析出するようになるので、短絡が生じにくくなる。
また、固体電解質層の厚さが100μm以下であってもよい。
この観点によれば、全固体二次電池のエネルギー密度が向上する。
本発明の他の観点によれば、上記の全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法であって、正極活物質層を作製する正極活物質作製工程と、金属リチウムを含む負極活物質層を作製する負極活物質層作製工程と、固体電解質層を作製する固体電解質層作製工程と、正極活物質層及び固体電解質層を予備プレスする予備プレス工程と、予備プレス工程でプレスされた正極活物質層及び固体電解質層と、負極活物質層との積層体である電極積層体をプレスする本プレス工程と、を含み、予備プレス工程は、正極活物質層を固体電解質層に積層する前に、正極活物質層をプレスする正極活物質層プレス工程と、固体電解質層を負極活物質層に積層する前に、固体電解質層をプレスする固体電解質層プレス工程と、を含むことを特徴とする、全固体二次電池の製造方法が提供される。
本観点によれば、上記特性を有する全固体二次電池を作製することができる。
ここで、正極活物質層プレス工程では、前記正極活物質層を正極集電体とともにプレスしてもよい。
本観点によれば、上記特性を有する全固体二次電池を作製することができる。
また、固体電解質層プレス工程は、固体電解質層を正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層に積層する前に、固体電解質層をプレスする固体電解質層単独プレス工程を含んでいてもよい。
本観点によれば、上記特性を有する全固体二次電池を作製することができる。
また、固体電解質層プレス工程は、固体電解質層単独プレス工程と、固体電解質層単独プレス工程でプレスされた固体電解質層と、正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層との積層体である第1の中間積層体をプレスする第1の中間積層体プレス工程と、を含んでいてもよい。
本観点によれば、上記特性を有する全固体二次電池を作製することができる。
また、固体電解質層プレス工程は、固体電解質層と、正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層との積層体である第2の中間積層体をプレスする第2の中間積層体プレス工程を含んでいてもよい。
本観点によれば、上記特性を有する全固体二次電池を作製することができる。
以上説明したように本発明によれば、負極活物質層に金属リチウムを含める場合に、短絡を発生しにくくすることが可能となる。
本発明の実施形態に係る全固体二次電池の概略構成を示す説明図である。 固体電解質層及びその周辺構造を示す説明図である。 固体電解質層と正極活物質層との界面及びその周辺構造を示す断面SEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 従来の全固体二次電池の問題点を説明するための説明図である。 従来の全固体二次電池の問題点を説明するための説明図である。 従来の全固体二次電池の問題点を説明するための説明図である。 従来の全固体二次電池の問題点を説明するための断面SEM写真である。 固体電解質層と正極活物質層との界面の算術平均粗さRaを測定する方法を説明するための断面SEM写真である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.本発明者による検討>
本発明者は、負極活物質として金属リチウムを使用した全固体二次電池が有する問題点について鋭意検討した結果、本実施形態に係る全固体二次電池に想到するに至った。そこで、まず、本発明者が行った検討について説明する。
図4~図7に示すように、負極活物質として金属リチウムを使用した従来の全固体二次電池100は、正極活物質層112、負極活物質層122、及び固体電解質層130を含む。ここで、図4~図6は、従来の全固体二次電池100の構成を示す説明図であり、図7は図5~図6に対応する断面SEM写真を示す。正極活物質層112は正極活物質112a及び固体電解質112b等を含む。固体電解質層130は固体電解質130aを含む。負極活物質層122は金属リチウムで構成される。
固体電解質層130の表面にひび割れ等の隙間が形成されている場合、短絡が発生する場合があった。短絡が生じる状況を図4に基づいて説明する。図4に示すように、固体電解質層130には、その表裏面に連通する隙間が形成されている。正極活物質層112、負極活物質層122、及び固体電解質層130の積層体である電極積層体をプレスした場合、固体電解質層130の隙間に金属リチウムが侵入する。固体電解質層130の隙間は固体電解質層130の表裏面に連通しているため、金属リチウムは正極活物質層112に到達する場合があった。したがって、全固体二次電池が短絡する場合があった。また、固体電解質層130の隙間が表裏面に連通していない場合でも、隙間に侵入した金属リチウムと正極活物質層112との距離は、他の箇所の金属リチウムと正極活物質層112との距離よりも短くなる。したがって、充電時にこの箇所に電流が集中するため、短絡が生じる場合があった。
正極活物質層112と固体電解質層130との界面が荒れている場合に、短絡が生じる場合があった。短絡が生じる状況を図5~図7に基づいて説明する。正極活物質層112と固体電解質層130との界面Bは荒れており、正極活物質層112の表面には、突出部分112cが形成されている。したがって、充電時には、当該突出部分112cと負極活物質層122との距離が正極活物質層の他の部分と負極活物質層122との距離よりも短くなる。したがって、充電時にこの箇所(枠Aで囲まれる箇所)に電流が集中する。つまり、枠Aで囲まれる箇所に大電流が流れる。この結果、金属リチウムが当該箇所に局所的に多く析出するので、短絡が生じる場合があった。
このように、全固体二次電池の負極活物質として金属リチウムを使用した場合、短絡が生じる場合があった。そこで、本発明者は、短絡を抑制するために、固体電解質層130の密度を高め、かつ、正極活物質層112と固体電解質層130との界面を平坦にすることを検討した。固体電解質層130の密度が高くなれば、固体電解質層130中の隙間が少なくなり、かつ小さくなる。さらに、正極活物質層112と固体電解質層130との界面が平坦になれば、局所的に大電流が流れる現象が発生しにくくなる。この結果、本発明者は、本実施形態に係る全固体二次電池に想到するに至った。以下、本実施形態について詳細に説明する。
<2.全固体二次電池の構成>
次に、図1~図3に基づいて、本実施形態に係る全固体二次電池1の構成について説明する。全固体二次電池1は、図1に示すように、正極層10、負極層20、及び固体電解質層30を備える。
(2-1.正極層)
正極層10は、正極集電体11及び正極活物質層12を含む。正極集電体11としては、例えば、インジウム(In)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ステンレス鋼、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、リチウム(Li)またはこれらの合金からなる板状体または箔状体等が挙げられる。正極集電体11は省略されても良い。
正極活物質層12は、正極活物質12a及び固体電解質12bを含む。なお、正極層10に含まれる固体電解質12bは、固体電解質層30に含まれる固体電解質12bと同種のものであっても、同種でなくてもよい。固体電解質12bの詳細は固体電解質層30の項にて詳細に説明する。
正極活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出することが可能な正極活物質であればよい。
例えば、正極活物質は、コバルト酸リチウム(以下、LCOと称する)、ニッケル酸リチウム(Lithium nickel oxide)、ニッケルコバルト酸リチウム(lithium nickel cobalt oxide)、ニッケルコバルトアルミニウム酸リチウム(以下、NCAと称する)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(以下、NCMと称する)、マンガン酸リチウム(Lithium manganate)、リン酸鉄リチウム(lithium iron phosphate)等のリチウム塩、硫化ニッケル、硫化銅、硫黄、酸化鉄、または酸化バナジウム(Vanadium oxide)等を用いて形成することができる。これらの正極活物質は、それぞれ単独で用いられてもよく、また2種以上を組み合わせて用いられてもよい。
また、正極活物質は、上述したリチウム塩のうち、層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩を含んで形成されることが好ましい。ここで、「層状」とは、薄いシート状の形状を表す。また、「岩塩型構造」とは、結晶構造の1種である塩化ナトリウム型構造のことを表し、具体的には、陽イオンおよび陰イオンの各々が形成する面心立方格子が互いに単位格子の稜の1/2だけずれて配置された構造を表す。
このような層状岩塩型構造を有する遷移金属酸化物のリチウム塩としては、例えば、LiNiCoAl(NCA)、またはLiNiCoMn(NCM)(ただし、0<x<1、0<y<1、0<z<1、かつx+y+z=1)などの三元系遷移金属酸化物のリチウム塩が挙げられる。
正極活物質が、上記の層状岩塩型構造を有する三元系遷移金属酸化物のリチウム塩を含む場合、全固体二次電池1のエネルギー(energy)密度および熱安定性を向上させることができる。
正極活物質は、被覆層によって覆われていても良い。ここで、本実施形態の被覆層は、全固体二次電池の正極活物質の被覆層として公知のものであればどのようなものであってもよい。被覆層の例としては、例えば、LiO-ZrO等が挙げられる。
また、正極活物質が、NCAまたはNCMなどの三元系遷移金属酸化物のリチウム塩にて形成されており、正極活物質としてニッケル(Ni)を含む場合、全固体二次電池1の容量密度を上昇させ、充電状態での正極活物質からの金属溶出を少なくすることができる。これにより、本実施形態に係る全固体二次電池1は、充電状態での長期信頼性およびサイクル(cycle)特性を向上させることができる。
ここで、正極活物質の形状としては、例えば、真球状、楕円球状等の粒子形状を挙げることができる。また、正極活物質の粒径は特に制限されず、従来の全固体二次電池の正極活物質に適用可能な範囲であれば良い。なお、正極層10における正極活物質の含有量も特に制限されず、従来の全固体二次電池の正極層に適用可能な範囲であれば良い。
また、正極層10には、上述した正極活物質および固体電解質12bに加えて、例えば、導電助剤、結着材、フィラー(filler)、分散剤、イオン導電助剤等の添加物が適宜配合されていてもよい。
正極層10に配合可能な導電助剤としては、例えば、黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維、金属粉等を挙げることができる。また、正極層10に配合可能な結着剤としては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ポリエチレン(polyethylene)等を挙げることができる。さらに、正極層10に配合可能なフィラー、分散剤、イオン導電助剤等としては、一般にリチウムイオン二次電池の電極に用いられる公知の材料を用いることができる。
正極活物質層12が正極活物質、固体電解質12b、及び結着剤を含む場合、全固体二次電池1のセル容量(単位セル当りの容量)を高めることができる。
また、正極活物質層12の密度比は、60%以上であることが好ましい。この場合、全固体二次電池1の電池特性がさらに向上する。ここで、正極活物質層12の密度比は、正極活物質層12の真密度に対するかさ密度の比である。正極活物質層12の真密度は、正極活物質層を構成する各材料の公称密度と、これらの材料の質量比とに基づいて算出される。なお、正極活物質層12の断面をSEMで観察することで正極活物質層12の充填率を測定し、当該充填率を密度比としてもよい。
ここで、正極活物質層12の密度比を上記の範囲内の値とする方法としては、全固体二次電池1の製造過程において正極活物質層12をプレスする方法が挙げられる。本実施形態では、正極活物質層12を固体電解質層30に積層する前に、正極活物質層12をプレスする。これにより、正極活物質層12の密度比を上記の範囲内の値とすることができる。また、詳細は後述するが、正極活物質層12と固体電解質層30との界面B(図2及び図3参照)を平坦にすることができる。密度比の上限値は特に制限されないが、正極活物質が、遷移金属酸化物のリチウム塩のような結晶質の場合では、95%以下が望ましい。密度比が95%より高くなると、正極活物質層12が割れる可能性がある。そして、正極活物質層12に割れが発生した場合、電池特性が低下する可能性がある。また、正極活物質が硫黄などの非晶質の場合では、製造装置の性能等の制約から、密度比は、100%未満であってもよく、99.5%以下であってもよい。
(2-2.負極層)
負極層20は、負極集電体21及び負極活物質層22を含む。負極集電体21としては、例えば、インジウム(In)、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、ステンレス鋼、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、リチウム(Li)またはこれらの合金からなる板状体または箔状体等が挙げられる。負極集電体21は省略されても良い。
負極活物質層22は、金属リチウムを含む。負極活物質層22は、金属リチウムのみで構成されていても良いし、金属リチウムと他の金属活物質(インジウム(In)、アルミニウム(Al)、スズ(Sn)、ケイ素(Si)等)との合金であってもよい。好ましくは、負極活物質層22は、金属リチウムのみで構成される。これにより、全固体二次電池1のエネルギー密度を向上させることができる。
(2-3.固体電解質層)
固体電解質層30は、正極層10および負極層20の間に形成され、固体電解質30aを含む。
固体電解質30aは、例えば硫化物系固体電解質材料で構成される。硫化物系固体電解質材料としては、例えば、LiS-P、LiS-P-LiX(Xはハロゲン元素、例えばI、Cl)、LiS-P-LiO、LiS-P-LiO-LiI、LiS-SiS、Li2-SiS-LiI、LiS-SiS-LiBr、LiS-SiS-LiCl、LiS-SiS-B-LiI、LiS-SiS-P-LiI、LiS-B、LiS-P-Z(m、nは正の数、ZはGe、ZnまたはGaのいずれか)、LiS-GeS、LiS-SiS-LiPO、LiS-SiS-LiMO(p、qは正の数、MはP、Si、Ge、B、Al、GaまたはInのいずれか)等を挙げることができる。ここで、硫化物系固体電解質材料は、出発原料(例えば、LiS、P等)を溶融急冷法やメカニカルミリング(mechanical milling)法等によって処理することで作製される。また、これらの処理の後にさらに熱処理を行っても良い。固体電解質は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良く、両者が混ざった状態でも良い。
また、固体電解質30aとして、上記の硫化物固体電解質材料のうち、少なくとも構成元素として硫黄(S)、リン(P)およびリチウム(Li)を含むものを用いることが好ましく、特にLiS-Pを含むものを用いることがより好ましい。
ここで、固体電解質30aを形成する硫化物系固体電解質材料としてLiS-Pを含むものを用いる場合、LiSとPとの混合モル比は、例えば、LiS:P=50:50~90:10の範囲で選択されてもよい。また、固体電解質層30には、結着剤を更に含んでいても良い。固体電解質層30に含まれる結着剤は、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene)、ポリフッ化ビニリデン(polyvinylidene fluoride)、ポリエチレン(polyethylene)等を挙げることができる。固体電解質層30内の結着剤は、正極活物質層12内の結着剤と同種であってもよいし、異なっていても良い。
固体電解質層30の密度比は、80%以上である。この場合、固体電解質層30内の隙間が少なくなり、かつ小さくなる。したがって、短絡が発生しにくくなる。ここで、固体電解質層30の密度比は、固体電解質層30の真密度に対するかさ密度の比である。固体電解質層30の真密度は、固体電解質層30を構成する各材料の公称密度と、各材料の質量比とに基づいて算出可能である。なお、固体電解質層30の断面をSEMで観察することで固体電解質層30の充填率を測定し、当該充填率を密度比としてもよい。
ここで、固体電解質層30の密度比を上記の範囲内の値とする方法としては、全固体二次電池1の製造過程において固体電解質層30をプレスする方法が挙げられる。本実施形態では、固体電解質層30を負極活物質層22に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。これにより、固体電解質層30の密度比を上記の範囲内の値とすることができる。密度比の上限値は特に制限されないが、製造装置の性能等の制約から、密度比は、100%未満であってもよく、99.5%以下であってもよい。
また、固体電解質層30の厚さは100μm以下であることが好ましい。これにより、全固体二次電池1のエネルギー密度を高めることができる。なお、固体電解質層30の厚さを上記範囲内の値とする方法として、固体電解質層30をプレスする方法が挙げられる。
(2-4.正極活物質層と固体電解質層との界面状態)
本実施形態では、図2及び図3に示すように、正極活物質層12と固体電解質層30との界面Bが平坦になっている。具体的には、界面Bの算術平均粗さRaが1.0μm以下となる。界面Bの最大高さ粗さRzは4.5μm以下であることが好ましい。
ここで、図8に基づいて、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzの測定方法を説明する。図8は、界面B近傍の断面SEM写真を示す。まず、全固体二次電池1の断面SEM写真を取得する。そして、断面SEM写真から、界面B近傍の部分(図8に示す部分)を切り取る。なお、この工程は省略されても良い。ついで、断面SEM写真から、固体電解質層30に接触している正極活物質12aを抽出する。ついで、これらの正極活物質12aから、固体電解質層30に最も近い点Pを抽出する。ついで、これらの点Pを通る粗さ曲線を測定し、この粗さ曲線に基づいて、算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを測定する。具体的な測定は、例えば、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health :NIH)の解析ソフトであるImageJを用いて行うことができる。後述する実施例では、この方法により算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを測定した。なお、粗さ曲線は、上述した界面Bを示す。
本実施形態では、界面Bの算術平均粗さRaが1.0μm以下となっているので、全固体二次電池1の充電時に電流が固体電解質層30内でより均一に流れるようになる。この結果、金属リチウムが負極活物質層22上により均一に析出するようになるので、短絡が生じにくくなる。
なお、算術平均粗さRaが1.0μm以下となっている場合であっても、最大高さ粗さRzが大きくなる場合がありうる。そして、最大高さ粗さRzが大きい箇所で電流が集中する可能性がある。このため、最大高さ粗さRzが4.5μm以下となっていることが好ましい。これにより、全固体二次電池1の充電時に電流が固体電解質層30内でより均一に流れるようになる。算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzは小さければ小さいほど好ましいので、下限値は特に制限されない。ただし、製造装置の性能等の制約から、算術平均粗さRaは、0.2μm以上であってもよく、最大高さ粗さRzは1.5μm以上であってもよい。
<3.リチウムイオン二次電池の製造方法>
続いて、本実施形態に係る全固体二次電池1の製造方法について説明する。本実施形態に係る全固体二次電池1は、正極層10、負極層20、および固体電解質層30をそれぞれ製造した後、上記の各層を積層することにより製造することができる。正極層10、負極層20、及び固体電解質層30は公知の方法で作製することができる。
(3-1.正極層作製工程)
正極活物質は、公知の方法で作製することができる。続いて、作製した正極活物質と、後述する方法で作製した固体電解質と、各種添加材とを混合し非極性溶媒に添加してスラリー(slurry)またはペースト(paste)を形成する。さらに、得られたスラリーまたはペーストを正極集電体11上に塗布し、乾燥した後に、圧延することで、正極層10を得ることができる。正極集電体11を用いずに、正極活物質と、各種添加剤との混合物をペレット(pellet)状に圧密化成形することで正極層10を作製してもよい。
(3-2.負極層作製工程)
負極層20は、負極集電体21上に負極活物質層22となる金属箔(金属リチウムを含むもの)を積層することで作製される。
(3-3.固体電解質層作製工程)
固体電解質層30は、硫化物系固体電解質材料にて形成された固体電解質により作製することができる。
まず、溶融急冷法やメカニカルミリング(mechanical milling)法により出発原料を処理する。
例えば、溶融急冷法を用いる場合、出発原料(例えば、LiS、P等)を所定量混合し、ペレット状にしたものを真空中で所定の反応温度で反応させた後、急冷することによって硫化物系固体電解質材料を作製することができる。なお、LiSおよびPの混合物の反応温度は、好ましくは400℃~1000℃であり、より好ましくは800℃~900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間~12時間であり、より好ましくは1時間~12時間である。さらに、反応物の急冷温度は、通常10℃以下であり、好ましくは0℃以下であり、急冷速度は、通常1℃/sec~10000℃/sec程度であり、好ましくは1℃/sec~1000℃/sec程度である。
また、メカニカルミリング法を用いる場合、ボールミルなどを用いて出発原料(例えば、LiS、P等)を撹拌させて反応させることで、硫化物系固体電解質材料を作製することができる。なお、メカニカルミリング法における撹拌速度および撹拌時間は特に限定されないが、撹拌速度が速いほど硫化物系固体電解質材料の生成速度を速くすることができ、撹拌時間が長いほど硫化物系固体電解質材料への原料の転化率を高くすることができる。
その後、溶融急冷法またはメカニカルミリング法により得られた混合原料を所定温度で熱処理した後、粉砕することにより粒子状の固体電解質を作製することができる。固体電解質がガラス転移点を持つ場合は、熱処理によって非晶質から結晶質に変わる場合がある。
続いて、上記の方法で得られた固体電解質を、例えば、エアロゾルデポジション(aerosol deposition)法、コールドスプレー(cold spray)法、スパッタ法等の公知の成膜法を用いて成膜することにより、固体電解質層30を作製することができる。なお、固体電解質層30は、固体電解質粒子単体を加圧することにより作製されてもよい。また、固体電解質層30は、固体電解質と、溶媒、結着剤を混合し、塗布乾燥し加圧することにより固体電解質層30を作製してもよい。
(4.プレス工程)
ついで、プレス工程を行う。本実施形態のプレス工程は、予備プレス工程及び本プレス工程に区分される。
(4-1.予備プレス工程)
予備プレス工程では、正極活物質層及び固体電解質層を予備プレスする。具体的には、予備プレス工程は、正極活物質層プレス工程と、固体電解質層プレス工程とを含む。
(4-1-1.正極活物質層プレス工程)
正極活物質層プレス工程では、正極活物質層12を固体電解質層30に積層する前に、正極活物質層12をプレスする。ここで、正極活物質層12は、正極集電体11とともにプレスされる。これにより、正極活物質層12の表面を平坦にすることができるので、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzを上述した範囲内の値とすることができる。なお、正極活物質層12に固体電解質層30を積層してから、これらの積層体をプレスしても、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzを上述した範囲内の値とすることはできない。
正極活物質層12をプレスする方法は特に制限されず、従来の全固体二次電池の作製に使用されるプレス方法であってもよい。たとえば、ロールプレス(roll press)等によって正極活物質層12をプレスすればよい。
具体的なプレス圧力はプレス装置、正極活物質層12の材質等に応じて変動しうる。ただし、プレス圧力が高いほど界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzが低くなる傾向があるので、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzが上述した範囲内の値となるように、プレス圧力を調整すれば良い。
(4-1-2.固体電解質層プレス工程)
固体電解質層プレス工程では、固体電解質層30を負極活物質層22に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。これにより、固体電解質層30の密度比を上述した範囲内の値とすることができる。なお、固体電解質層30を負極活物質層22に積層してから、これらの積層体をプレスしても、固体電解質層30の密度比を上述した範囲内の値とすることはできない。固体電解質層プレス工程は、以下の3種に区分される。いずれの方法であっても本実施形態の効果が得られるが、第2の方法が最も好ましい。
固体電解質層プレス工程を行うための具体的なプレス方法は特に制限されず、従来の全固体二次電池の作製に使用されるプレス方法であってもよい。たとえば、ロールプレス等によって固体電解質層30をプレスすればよい。
具体的なプレス圧力はプレス装置、固体電解質層30の材質等に応じて変動しうる。ただし、プレス圧力が高いほど固体電解質層30の密度比が高くなる傾向があるので、固体電解質層30の密度比が上述した範囲内の値となるように、プレス圧力を調整すれば良い。
(4-1-2-1.第1の方法)
第1の方法は、固体電解質層単独プレス工程を含む。固体電解質層単独プレス工程では、固体電解質層30を正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層12に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。したがって、第1の方法では、固体電解質層30を負極活物質層22に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。これにより、固体電解質層30の密度比を上述した範囲内の値とすることができる。さらに、第1の方法では、固体電解質層30を正極活物質層12に積層する前に固体電解質層30を単独でプレスする。したがって、固体電解質層30の密度比をより確実に高めることができる。さらに、後述する本プレス工程では、プレス後の固体電解質層30を正極活物質層12に積層することになるので、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzをより確実に低減することができる。なお、第1の方法は、後述する第1の中間積層体プレス工程を行わないので、固体電解質層30の密度比が第2の方法に比べてやや低下する傾向がある。
(4-1-2-2.第2の方法)
第2の方法は、上述した固体電解質層単独プレス工程と、第1の中間積層体プレス工程を含む。固体電解質層単独プレス工程では、固体電解質層30を正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層12に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。第1の中有積層体プレス工程では、固体電解質層単独プレス工程でプレスされた固体電解質層30と、正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層12との積層体である第1の中間積層体をプレスする。
第2の方法では、固体電解質層30を負極活物質層22に積層する前に、固体電解質層30をプレスする。これにより、固体電解質層30の密度比を上述した範囲内の値とすることができる。さらに、第2の方法では、固体電解質層30を正極活物質層12に積層する前に固体電解質層30を単独でプレスする。したがって、固体電解質層30の密度比をより確実に高めることができる他、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzをより確実に低減することができる。
(4-1-2-3.第3の方法)
第3の方法は、固体電解質層30と、正極活物質層プレス工程でプレスされた正極活物質層12との積層体である第2の中間積層体をプレスする。第3の方法は、第2の方法から固体電解質層単独プレス工程を除外した方法であると言うことができる。
第3の方法では、プレス前の固体電解質層30を正極活物質層12に積層することになる。したがって、表面が荒れた状態の固体電解質層30を正極活物質層12に積層する場合がありうる。しかし、固体電解質層30は正極活物質層12に比べて柔らかいので、固体電解質層30の表面形状は正極活物質層12の表面形状に追従しうる。したがって、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzは上述した範囲内の値となる。とは言え、固体電解質層単独プレス工程を省略しているので、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzが第1及び第2の方法に比べてやや高くなる傾向がある。しかし、固体電解質層30を負極活物質層22に積層する前に、固体電解質層30をプレスするので、第1及び第2の方法と同様の効果が得られる。
なお、正極活物質層12及び固体電解質層30の密度比は、予備プレス工程が終了した時点で上述した数値範囲の値(60%または80%以上)となっていることが好ましい。
(4-2.本プレス工程)
本プレス工程では、予備プレス工程でプレスされた正極活物質層12(すなわち、正極層10)及び固体電解質層30と、負極活物質層22(すなわち、負極層20)とを積層することで電極積層体を作製する。ついで、電極積層体をプレスする。以上の工程により、全固体二次電池1が作製される。本プレス工程を行うための具体的なプレス方法は特に制限されず、従来の全固体二次電池の作製に使用されるプレス方法であってもよい。たとえば、ロールプレス等によって本プレス工程を行えば良い。
(1.実施例1)
次に、本実施形態の実施例を説明する。実施例1では、以下の工程により全固体二次電池を作製した。
(1-1.正極層の作製)
正極活物質としてのLiNi0.8Co0.15Al0.05(NCA)三元系粉末と、硫化物系固体電解質としてのLiS-P(モル比75:25)結晶質粉末と、導電助剤としての気相成長炭素繊維粉末とを60:35:5の質量比で秤量し、自転公転ミキサを用いて混合した。
次いで、この混合粉に、結着剤としてのSBRが溶解した脱水キシレン(Xylene)溶液をSBRが混合粉の総質量に対して5.0質量%となるように添加して1次混合液を生成した。さらに、この1次混合液に、粘度調整のための脱水キシレンを適量添加することで、2次混合液を生成した。さらに、混合粉の分散性を向上させるために、直径5mmのジルコニアボールを、空間、混合粉、ジルコニアボール(zirconia ball)がそれぞれ混練容器の全容積に対して1/3ずつを占めるように2次混合液に投入した。これにより生成された3次混合液を自転公転ミキサ(mixer)に投入し、3000rpmで3分撹拌することで、正極層塗工液を生成した。
次いで、正極集電体として厚さ20μmのアルミ箔集電体を用意し、卓上スクリーン(screen)印刷機に正極集電体を載置し、孔径が2.0cm×2.0cmで厚さが150μmのメタルマスク(metal mask)を用いて正極層塗工液をシート上に塗工した。その後、正極層塗工液が塗工されたシートを60℃のホットプレート(hot plate)で30分乾燥させた後、80℃で12時間真空乾燥させた。これにより、正極集電体上に正極層を形成した。乾燥後の正極集電体及び正極層の総厚さは165μm前後であった。
(1-2.固体電解質層の作製)
硫化物系固体電解質としてのLiS-P(モル比75:25)結晶質粉末に、SBRが溶解した脱水キシレン溶液をSBRが混合粉の総質量に対して2.0質量%となるように添加して1次混合液を生成した。さらに、この1次混合液に、粘度調整のための脱水キシレンを適量添加することで、2次混合液を生成した。さらに、混合粉の分散性を向上させるために、直径5mmのジルコニアボールを、空間、混合粉、ジルコニアボールがそれぞれ混練容器の全容積に対して1/3ずつを占めるように3次混合液に投入した。これにより生成された3次混合液を自転公転ミキサに投入し、3000rpmで3分撹拌することで、電解質層塗工液を生成した。
卓上スクリーン印刷機にポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材(PET基材)を載置し、孔径が2.5cm×2.5cmで厚さが300μmのメタルマスクを用いて電解質層塗工液をPET基材上に塗工した。その後、40℃のホットプレートで10分乾燥させた後、40℃で12時間真空乾燥させた。これにより、固体電解質層を形成した。乾燥後の固体電解質層の総厚さは180μm前後であった。
(1-3.負極層の作製)
負極集電体として厚さ20μmのニッケル箔集電体を用意し、この負極集電体に幅が2.2cm×2.2cmで厚さ30μmの金属リチウム箔を貼りあわせることで、負極層を作製した。
(1-4.全固体二次電池の作製)
実施例1では、以下の工程により予備プレス工程を行った。すなわち、正極層を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした。これにより、正極活物質層プレス工程を行った。プレス後の正極活物質層のかさ密度は2.23g/ccであった。プレスした正極活物質層をφ10mmのトムソン(tomson)刃で打ち抜き、高さおよび質量を測定した。打ち抜いた電極層の質量を体積で割ることで、正極活物質層のかさ密度を見積もった。
ついで、固体電解質層プレス工程を行った。実施例1では、固体電解質層作製工程として第2の方法を採用した。具体的には、固体電解質層を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(固体電解質層単独プレス工程)。固体電解質層は、PET基材とともにプレスされた。プレス後の固体電解質層のかさ密度は1.53g/ccであった。正極活物質のかさ密度を見積もった手法と同様の手法を用いて、固体電解質層のかさ密度を見積もった。
ついで、正極層をφ11mmのトムソン刃で打ちぬき、PET基材上の固体電解質層と正極層とを、固体電解質層と正極活物質層とが向かい合うように積層した。ついで、固体電解質層及び正極層をロールギャップ150μmのロールプレス機を用いたドライラミネーション(Dry lamination)法により貼り合わせた。これにより、第1の中間積層体を作製した。ついで、第1の中間積層体を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(第1の中間積層体プレス工程)。プレス後の正極活物質層のかさ密度は2.27g/ccであり、固体電解質層のかさ密度は1.56g/ccであった。また、固体電解質層の厚さは90μm程度であった。以上の工程により、予備プレス工程を行った。
ついで、予備プレス工程後のかさ密度に基づいて、正極活物質層及び固体電解質層の密度比を算出した。具体的には、NCA、LiS-P(モル比75:25)結晶質粉末、及び導電助剤の公称密度は、それぞれ4.6g/cc、1.8g/ccおよび2.1g/ccである。したがって、正極活物質層の真密度は、3.50g/cc(=4.6×0.6+1.8×0.35+2.1×0.05)となり、固体電解質層の真密度は1.8g/ccとなる。したがって、正極活物質層の密度比は64.9%(=2.27/3.50)となり、固体電解質層の密度比は86.7%(=1.56/1.8)となる。なお、本実施例では、計算を簡略化するために、真密度の計算において結着剤を考慮に入れていない。結着剤は、他の構成要素に比べて使用量が少ないので、結着剤を考慮に入れなくても結果にほとんど影響を与えない。また、この時点での密度比が上述した数値範囲の値であれば、本プレス工程後の密度比も必然的に上述した数値範囲の値となる。
さらに、界面Bの算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを以下の工程で測定した。すなわち、第1の中間積層体の断面をイオンミリング(ion milling)(日立ハイテクノロジーズ社製:E-3500)を用いて切り出した。ついで、断面部をFE-SEM(日本電子社:JSM-7800F)により観察し、断面SEM画像を取得した。図3は実施例1の断面SEM画像である。ついで、上述した方法により界面Bの算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzを測定した。
ついで、負極層をφ13mmのトムソン刃で打ちぬき、第1の中間積層体と負極層とを、固体電解質層と負極活物質層とが向かいあうように積層することで、電極積層体を作製した。ついで、電極積層体を一軸プレス機により3トンの圧力でプレスした。すなわち、本プレス工程を行った。本プレス工程後の固体電解質層の厚さは85μmであった。
ついで、本プレス工程後の電極積層体を、端子を取り付けたアルミニウムラミネートフィルム(Aluminum laminate film)に入れ、真空機で100Paまで真空排気した。ついで、ヒートシール(heat seal)を行い、電極積層体をラミネートフィルム内に封入した。これにより、全固体二次電池(試験用セル)を作製した。
(1-5.短絡の有無)
試験用セルの短絡の有無は、試験用セルの開回路電圧によって判定した。具体的には、試験用セルの閉回路電圧を測定し、当該電圧が2.4V以下のものは短絡が発生していると判定した。短絡が生じたものは、以下のサイクル寿命試験を行わなかった。
(1-6.サイクル寿命試験)
得られた試験用セルを、45℃で、0.13mAの定電流で、上限電圧4.0Vまで充電し、放電終止電圧2.5Vまで0.13mA放電する充放電サイクルを50サイクル繰り返した。そして、1サイクル目の放電容量(初期容量)に対する50サイクル目の放電容量の比を放電容量の維持率とした。放電容量の測定は東洋システム製充放電評価装置 TOSCAT-3100により行った。放電容量の維持率はサイクル特性を示すパラメータであり、この値が大きいほどサイクル特性に優れている。各実施例及び比較例の特性及び評価結果を表1にまとめて示す。
(2.実施例2)
固体電解質層プレス工程として第3の方法を行った他は、実施例1と同様の試験を行った。具体的には、実施例2では、以下の予備プレス工程を行った。
正極層10を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(正極活物質層プレス工程)。プレス後の正極活物質層のかさ密度は2.26g/ccであった。
ついで、正極層をφ11mmのトムソン刃で打ちぬき、PET基材上の固体電解質層と正極層とを、固体電解質層と正極活物質層とが向かい合うように積層した。ついで、固体電解質層及び正極層をロールギャップ150μmのロールプレス機を用いたドライラミネーション法により貼り合わせた。これにより、第2の中間積層体を作製した。ついで、第2の中間積層体を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(第2の中間積層体プレス工程)。プレス後の正極活物質層のかさ密度は2.29g/ccであり、固体電解質層のかさ密度は1.55g/ccであった。以上の工程により、予備プレス工程を行った。その後、実施例1と同様の工程を行った。なお、界面Bの算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzは、予備プレス後の第2の中間積層体を用いて測定した。結果を表1にまとめて示す。
(3.実施例3)
固体電解質層プレス工程として第1の方法を行った他は、実施例1と同様の試験を行った。具体的には、実施例3では、以下の予備プレス工程を行った。
すなわち、正極層10を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(正極活物質層プレス工程)。プレス後の正極活物質層のかさ密度は2.24g/ccであった。
ついで、固体電解質層を一軸プレス機により10トンの圧力でプレスした(固体電解質層単独プレス工程)。固体電解質層は、PET基材とともにプレスされた。プレス後の固体電解質層のかさ密度は1.53g/ccであった。以上の工程により、予備プレス工程を行った。
ついで、正極層及び負極層を実施例1で使用したトムソン刃で打ち抜き、正極層、固体電解質層、及び負極層を、固体電解質層と各活物質層とが向かいあうように積層することで、電極積層体を作製した。ついで、電極積層体を一軸プレス機により3トンの圧力でプレスした。すなわち、本プレス工程を行った。その後、実施例1と同様の試験を行った。なお、界面Bの算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzは、本プレス後の電極積層体を用いて測定した。
(4.実施例4)
第1の中間積層体プレス工程のプレス圧力を15トンとした他は実施例1と同様の試験を行った。
(5.実施例5)
正極活物質層プレス工程及び固体電解質層単独プレス工程のプレス圧力を7トンとした他は実施例1と同様の試験を行った。
(6.実施例6)
正極活物質層プレス工程のプレス圧力を7トンとした他は実施例2と同様の試験を行った。
(7.実施例7)
実施例7では、正極活物質層および固体電解質層を以下の工程により作製した。すなわち、NCA三元系粉末と、硫化物系固体電解質としてのLiS-P(モル比75:25)非晶質粉末と、導電助剤としての気相成長炭素繊維粉末とを90:7:3の質量比で秤量して使用した他は、実施例4と同様の工程により、正極活物質層を作製した。また、硫化物系固体電解質としてのLiS-P(モル比75:25)非晶質粉末を用いた他は実施例4と同様の工程により、固体電解質層を作製した。
また、予備プレス工程として以下の工程を行った。すなわち、真空引きを行いながら正極層を一軸プレス機により15トンの圧力でプレスした(正極活物質層プレス工程)。ついで、真空引きを行いながら固体電解質層を一軸プレス機により15トンの圧力でプレスした(固体電解質層単独プレス工程)。その後、実施例4と同様の工程(具体的には、第1の中間積層体プレス工程)を行った。以上の工程により予備プレス工程を行った。予備プレス工程後の正極活物質層のかさ密度は3.82g/ccであった。また、予備プレス後の固体電解質層のかさ密度は1.77g/ccであった。この時の、正極活物質層の真密度は、4.33g/cc(=4.6×0.9+1.8×0.07+2.1×0.03)となり、密度比は88.2%(=3.82/4.33)となる。また、固体電解質層の真密度は、98.3%(=1.77/1.8)となる。上記以外の工程は実施例4と同様とした。
(8.比較例1)
正極活物質層プレス工程及び固体電解質層単独プレス工程を行わなかった他は実施例1と同様の試験を行った。図7は、比較例1の算術平均粗さRa及び最大高さ粗さRzの測定に使用した断面SEM写真を示す。
(9.比較例2)
予備プレス工程における全てのプレス圧力を3トンとした他は実施例1と同様の試験を行った。
(10.比較例3)
正極活物質層プレス工程を行わなかった他は実施例1と同様の試験を行った。
(11.比較例4)
正極活物質層プレス工程を行わなかった他は実施例3と同様の試験を行った。
(12.比較例5)
固体電解質層単独プレス工程を行わなかった他は実施例3と同様の試験を行った。
(13.比較例6)
固体電解質層の作製に厚さ600μmのメタルマスクを使用した他は、比較例1と同様の試験を行った。
(14.比較例7)
予備プレス工程を行わなかった他は実施例3と同様の試験を行った。つまり、比較例7では、本プレス工程のみ行った。各層のかさ密度、界面Bの算術平均粗さRa、最大高さ粗さRzは、本プレス後の電極積層体を用いて測定した。
(15.参考例1)
固体電解質層の作製に厚さ1200μmのメタルマスクを使用した他は、比較例1と同様の試験を行った。
(16.参考例2)
負極層を以下の工程により作製した他は、比較例1と同様の試験を行った。すなわち、負極活物質としての黒鉛粉末(80℃で24時間真空乾燥したもの)と、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを95.0:5.0の質量比で秤量した。そして、これらの材料と適量のN-メチル-2-ピロリドン(NMP)とを自転公転ミキサに投入し、3000rpmで3分撹拌した後、1分脱泡処理することで、負極層塗工液を生成した。
次いで、負極集電体として厚さ20μmのニッケル箔集電部材を用意し、孔径が2.2cm×2.2cmで厚みが250μmのメタルマスクを用いて電解質層塗工液をニッケル集電部材上に塗工した。負極層塗工液が塗工されたシートを、80℃に加熱された乾燥機内に収納し、15分乾燥した。さらに、乾燥後のシートを80℃で24時間真空乾燥を行った。これにより、負極層を生成した。負極層の厚みは140μm前後であった。
(17.参考例3)
参考例3では、以下の工程により非水電解質二次電池を作製した。その後、実施例1と同様にサイクル寿命試験を行った。
(17-1.正極層の作製)
正極活物質としてのNCA三元系粉末と、導電助剤としてのアセチレンブラックとを97:3質量比で秤量し、混合した。次いで、この混合粉に、結着剤としてのPVdFが溶解したNMP溶液をPVdFが混合粉の総質量に対して3.0質量%となるように添加して1次混合液を生成した。さらに、この1次混合液に、粘度調整のためNMPを適量添加することで、2次混合液を生成した。これにより生成された2次混合液を自転公転ミキサに投入し、2000rpmで3分撹拌することで、正極層塗工液を生成した。
次いで、正極集電体として厚さ20μmのアルミ箔集電体を用意し、卓上スクリーン印刷機に正極集電体を載置し、孔径が2.0cm×2.0cmで厚みが150μmのメタルマスクを用いて正極層塗工液をシート上に塗工した。その後、正極層塗工液が塗工されたシートを100℃のホットプレートで30分乾燥させた後、180℃で12時間真空乾燥させた。これにより、正極集電体上に正極活物質層を形成した。乾燥後の正極集電体及び正極活物質層の総厚さは120μm前後であった。
正極層に対して、一軸プレス機を用いて3トンの圧力で第1の加圧成型を行った。加圧後の正極層の密度は、2.33g/ccであった。正極層をφ11mmのトムソン刃で打ちぬいた。
(17-2.負極層の作製)
負極集電体として厚さ20μmの銅箔集電体を用意し、厚さ30μmの金属リチウム箔を貼りあわせて負極層を作製した。負極層をφ13mmのトムソン刃で打ちぬいた。
(17-3.非水電解質二次電池の作製)
セパレータは、多孔質ポリエチレンフィルム(polyethylene film)(φ15.5mm、厚さ12μm)を用いた。セパレータを正極層および負極層で挟むことにより、電極積層体を作製した。電極積層体を2032コインハーフセル(coin half cell)に加工した。
ついで、エチレンカーボネート(ethylene carbonate)とジメチルカーボネート(dimethyl carbonate)とを3:7の体積比で混合した非水溶媒に、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を1.3mol/Lの濃度となるように溶解し、電解液を製造した。製造した電解液を2032コインハーフセルに注入することで、電解液をセパレータに含浸させた。これにより、非水電解質二次電池を作製した。
NCAおよびアセチレンブラックの公称密度は、それぞれ4.6g/ccおよび2.1g/ccである。したがって、正極活物質層の真密度は4.53g/cc(=4.6×0.97+2.1×0.03)となり、密度比は51.4%(=2.33/4.53)となる。
Figure 0007075726000001
表1によれば、実施例1~7は、本実施形態の要件を満たすので、作製直後で短絡を生じさせておらず、かつ、維持率も高い(言い換えれば、短絡が生じにくい)。なお、実施例7では、非晶質の固体電解質を使用しているので初期容量が他の実施例より若干低下した。ただし、実用上問題となる値ではなかった。これに対し、比較例1では、正極活物質層プレス工程及び固体電解質層単独プレス工程を行っていないので、界面Bが荒くなった。このため、充放電中の早期に短絡が生じた。
比較例2では、プレス圧力が低いため、界面Bが荒くなり、かつ、各層の密度比が小さくなった。このため、試験用セルが作製直後で短絡を生じた。比較例3、4では、正極活物質層プレス工程を行っていないので、界面Bが荒くなった。このため、充放電中の早期に短絡が生じた。比較例4では、第1の中間積層体プレス工程も行っていないので、正極活物質層の密度比も小さくなった。比較例5では、固体電解質層単独プレス工程を行わなかったので、固体電解質層の密度比が小さくなった。このため、試験用セルが作製直後で短絡を生じた。また、固体電解質層の厚さも大きくなった。比較例6では、固体電解質層が比較例1に比べて厚いため、短絡までのサイクル数が若干増加したものの、短絡を避けることはできなかった。比較例7では、予備プレス工程を行っていないので、界面Bがあれるのみならず、各層の密度比が小さくなった。このため、試験用セルが作製直後で短絡を生じた。
参考例1は、比較例1において固体電解質層を非常に厚くしたものである。固体電解質層を非常に厚くすることで、短絡を抑制することができたが、エネルギー密度は極めて小さくなった。したがって、実用的ではない。参考例2は、比較例1において負極活物質をグラファイト系にしたものである。負極活物質をグラファイト系にした場合、そもそも本実施形態が着目する問題は生じないが、エネルギー密度が小さくなる。参考例3は、非水電解質二次電池である。実施例1~7と比較すると、実施例1~7は、参考例3と同程度の特性が得られていることがわかる。したがって、実施例1~7は、非水電解質二次電池と同程度の電池特性を実現しつつ、全固体二次電池のメリット(例えば、安全性がより高い等)を享受することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1 全固体二次電池
10 正極層
11 正極集電体
12 正極活物質層
20 負極層
21 負極集電体
22 負極活物質層
30 固体電解質層

Claims (5)

  1. 正極活物質層と、
    金属リチウムを含む負極活物質層と、
    前記正極活物質層及び前記負極活物質層の間に配置された固体電解質層と、を含み、
    前記正極活物質層と前記固体電解質層との界面の算術平均粗さRaが1.0μm以下であり、
    前記固体電解質層の密度比が80%以上であり、
    前記正極活物質層と前記固体電解質層との界面の最大高さ粗さRzが4.5μm以下であることを特徴とする全固体二次電池を製造する全固体二次電池の製造方法であって、
    正極活物質層を作製する正極活物質作製工程と、
    金属リチウムを含む負極活物質層を作製する負極活物質層作製工程と、
    固体電解質層を作製する固体電解質層作製工程と、
    前記正極活物質層及び前記固体電解質層を予備プレスする予備プレス工程と、
    前記予備プレス工程でプレスされた前記正極活物質層及び前記固体電解質層と、前記負極活物質層との積層体である電極積層体をプレスする本プレス工程と、を含み、
    前記予備プレス工程は、
    前記正極活物質層を前記固体電解質層に積層する前に、前記正極活物質層をプレスする正極活物質層プレス工程と、
    前記固体電解質層を前記負極活物質層に積層する前に、前記固体電解質層をプレスする固体電解質層プレス工程と、を含むことを特徴とする、全固体二次電池の製造方法。
  2. 前記正極活物質層プレス工程では、前記正極活物質層を正極集電体とともにプレスすることを特徴とする、請求項記載の全固体二次電池の製造方法。
  3. 前記固体電解質層プレス工程は、
    前記固体電解質層を前記正極活物質層プレス工程でプレスされた前記正極活物質層に積層する前に、前記固体電解質層をプレスする固体電解質層単独プレス工程を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の全固体二次電池の製造方法。
  4. 前記固体電解質層プレス工程は、
    前記固体電解質層単独プレス工程と、
    前記固体電解質層単独プレス工程でプレスされた前記固体電解質層と、前記正極活物質層プレス工程でプレスされた前記正極活物質層との積層体である第1の中間積層体をプレスする第1の中間積層体プレス工程と、を含むことを特徴とする、請求項記載の全固体二次電池の製造方法。
  5. 前記固体電解質層プレス工程は、
    前記固体電解質層と、前記正極活物質層プレス工程でプレスされた前記正極活物質層との積層体である第2の中間積層体をプレスする第2の中間積層体プレス工程を含むことを特徴とする、請求項またはに記載の全固体二次電池の製造方法。
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