JP7073727B2 - A/d変換器 - Google Patents
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Description
オペアンプ(11)と、該オペアンプの第1入力端子と出力端子との間において互いに並列に挿入された第1帰還容量(Cf1)および第2帰還容量(Cf2)と、を有する積分器(10)と、
オペアンプにおける出力端子から出力される出力信号(Vout)を量子化した量子化結果(Qout)を出力する量子化器(20)と、
オペアンプにおける第1入力端子に接続されるDAC容量(Cd,Cd1,Cd2)を有するDAC(30,31)と、を備え、
積分器は、
第1帰還容量とオペアンプにおける出力端子との間に介在する第1フィードバックスイッチ(SF11)と、第2帰還容量とオペアンプの出力端子との間に介在する第2フィードバックスイッチ(SF21)と、を有し、
入力信号(Vin)は、
第1帰還容量と第1フィードバックスイッチとの間、および、第2帰還容量と第2フィードバックスイッチとの間の少なくとも一方に入力され、
DAC容量は、オペアンプにおける第1入力端子と接続された側の端子と反対側の端子がオペアンプの出力端子に接続され、
DACが第1帰還容量および第2帰還容量に蓄積された電荷から量子化結果に基づいて電荷を繰り返し減算することにより、入力信号をA/D変換するとともに、該A/D変換の残差をオペアンプの出力信号として出力する減算動作を実行するとともに、
減算動作の後に、第1帰還容量に蓄積された電荷を第2帰還容量に転送することにより、減算動作におけるA/D変換の残差を増幅する増幅動作を実行し、
増幅動作により増幅された減算動作におけるA/D変換の残差に対して量子化結果に基づいた減算および増幅を順次繰り返すことにより、減算動作におけるA/D変換の残差をA/D変換する巡回動作を実行し、
量子化器は、減算動作におけるA/D変換の結果を得る場合、及び巡回動作におけるA/D変換の結果を得る場合に共用され、それぞれの場合において、オペアンプの出力信号を量子化した量子化結果を出力するものであり、
減算動作におけるA/D変換の結果に巡回動作におけるA/D変換の結果を加えることにより、入力信号のA/D変換を実行する。
最初に、図1を参照して、本実施形態に係るA/D変換器の概略構成について説明する。
図2に示す時刻t100~時刻t101が、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2を用いて入力信号Vinをサンプリングするサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。図3に示すように、サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間においては、スイッチSS11,SS21がオンするとともに、スイッチSF12,SF13がオンする。これにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2のオペアンプ11の反転入力端子側の一端がそれぞれAGNDに接続され、他端がそれぞれ入力信号Vinに接続される。すなわち、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積される。このとき、スイッチSF11,SF21はオフしており、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2とオペアンプ11の出力端子との接続は切断されている。なお、時刻t100~時刻t101においては、オペアンプ11には第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2による帰還がかかっていないが、図2に示す例では説明の簡略化のためにオペアンプ11が理想的でありオフセットを持たないことを前提として、オペアンプ11の出力電圧をVout=0として記載している。
図2に示す時刻t101~時刻t102が、サンプル期間において第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2にサンプリングした入力信号Vinを積分器10に保持するサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。図4に示すように、スイッチSS11,SS21,SF12がオフすることにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2と入力信号VinおよびAGNDとの接続が切断される。また、スイッチSF11,SF21がオンすることにより、サンプル期間において入力信号Vinに対応する電荷を蓄積した第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2がオペアンプ11の出力端子に接続される。これにより、オペアンプ11の出力端子から入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
図2に示す時刻t102~時刻t103が、減算動作に係る最初のサンプル期間である。図4に示すように、減算動作に係るサンプル期間においてはスイッチSD3がオフするため、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子とが電気的に切断される。また、スイッチSDM,SD2はオン、スイッチSD1,SDT,SDBはオフであり、DAC容量Cdの両端がAGNDに接続される。これにより、DAC容量Cdは両端の電位が等しくなり、DAC容量Cdに蓄積された電荷がリセットされる。オペアンプ11は、このサンプル期間の直前の期間から引き続き、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2によって帰還がかかった状態で維持されるため、出力電圧Voutの値は直前の期間の値のまま保持される。なお、時刻t102~時刻t103の減算動作に係る最初のサンプル期間においては、時刻t101~時刻t102のサンプル/ホールド動作に係るホールド期間と各スイッチの接続の状態が同一であるため、時刻t102においては各スイッチの接続の状態は変化しない。
図2に示す時刻t103~時刻t104が、減算動作に係る最初のホールド期間である。減算動作に係るホールド期間においては、DAC30を用いて量子化結果Qoutに基づいて減算を実行する。図2に示す時刻t103~時刻t104においては、直前の減算動作に係るサンプル期間における量子化結果Qoutが1であることから、図5に示すようにDAC30ではスイッチSDMがオフするとともにスイッチSDTがオンする。さらに、スイッチSD2がオフするとともにスイッチSD3がオンすることにより、DAC30と積分器10とが電気的に接続される。DAC30においてスイッチSDTがオンすることによりDAC電圧としてVrefpが選択されて、DAC容量Cdから第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2にDAC電圧に対応する電荷が転送される。すなわち、DAC30を用いて第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷から量子化結果Qoutに基づく電荷が減算される。この減算の結果、時刻t103においてはVoutが減少する。
減算動作が終了すると、図2に示す時刻t110~時刻t111において増幅動作が実行される。図6に示すように、スイッチSD3がオフすることにより、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子の接続が切断される。また、DAC30では、スイッチSDT,SDM,SDBがすべてオフすることにより、参照電圧とDAC容量Cdとが切断される。一方、スイッチSF11がオフ、かつスイッチSF14がオンすることにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送される。これにより、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅され、すなわち、減算動作によるA/D変換の残差の増幅が実行される。例えば、増幅前の出力電圧Voutが負であれば、増幅後の出力電圧Voutは第1帰還容量Cf1と第2帰還容量Cf2の比に応じた増幅率で負の側に大きくなる。また、スイッチSD1,SD2がオンするため、DAC容量Cdには減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積される。
増幅動作が終了した後の図2に示す時刻t111~時刻112が、巡回動作に係る最初のサンプル期間である。巡回動作に係る最初のサンプル期間では、図7に示すように、スイッチSF12がオンするとともにスイッチSF13がオフすることにより、第1帰還容量Cf1がオペアンプ11から切断されて、その両端がAGNDに接続される。これにより、第1帰還容量Cf1はリセットされた状態となる。また、オペアンプ11は増幅動作から引き続き第2帰還容量Cf2によって帰還がかかっており、減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が第2帰還容量Cf2に保持され続けている。オペアンプ11の出力端子は、増幅動作から引き続きスイッチSD1を介してDAC容量Cdと接続されており、減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdに蓄積されている。
図2に示す時刻t112~時刻t113が、巡回動作に係る最初のホールド期間である。巡回動作に係る最初のホールド期間においては、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。時刻t111~時刻t112における量子化結果Qoutが-1であることから、図8に示すように、DAC30ではスイッチSDBがオンする。さらに、スイッチSD1およびスイッチSD2がオフするとともにスイッチSD3がオンすることにより、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子とが接続される。時刻t111~時刻t112の巡回動作に係る最初のサンプル期間において、DAC容量Cdには減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積されており、時刻t112~時刻t113までの巡回動作に係る最初のホールド期間において、スイッチSDBがオンすることによりDAC電圧として選択されるVrefmとA/D変換の残差との差分に対応する電荷が、DAC容量Cdから第2帰還容量Cf2に転送される。すなわち、巡回動作に係る最初のホールド期間においては、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が同時に実行される。
第1実施形態においては、減算動作と巡回動作との間に増幅動作を1回のみ実行する構成を例示したが、減算動作と巡回動作との間に複数回に分けて増幅動作を実行しても良い。本実施形態では増幅動作を2回に分けて実行する例を示す。
図10に示す時刻t200~時刻t201が、サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。フィードバックスイッチSF11,SF21,SF31がオフした状態でスイッチSS11,SS21,SS31,SF12,SF13およびSF23がオンすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に入力信号Vinに対応する電荷がサンプリングされる。また、第1実施形態と同様に、DAC30におけるDAC容量Cdがリセットされる。
図10に示す時刻t201~時刻t202が、サンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。第1実施形態のホールド期間と同様に、スイッチSS11,SS21,SS31およびスイッチSF12がオフすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3と入力信号VinおよびAGNDとの接続が切断される。また、スイッチSF11,SF21,SF31がオンして、オペアンプ11の出力端子から入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
図10に示す時刻t202~時刻t208における第1減算動作は、第1実施形態における減算動作と同様のサンプル期間およびホールド期間の動作により実現される。第1減算動作においては、スイッチSQD1がオンすることにより、コンパレータ21およびコンパレータ22の閾値としてVtd1+およびVtd1-がそれぞれ選択される。時刻t202~時刻t203における量子化の結果は、Qout=1である。DAC30では、量子化結果Qoutに基づいて参照電圧が選択されて減算が実行される。時刻t203における減算では、スイッチSDTおよびスイッチSD3がオンすることにより、オペアンプ11の出力電圧Voutが減少する。
第1減算動作の後に、図10に示す時刻t208~時刻t209において、第1増幅動作が実行される。第1増幅動作では、図11に示すようにスイッチSD3がオフすることにより、積分器10とDAC30が電気的に切断される。また、スイッチSD2およびSDMがオンすることにより、DAC容量Cdがリセットされる。量子化器20では、スイッチSQD2がオンすることにより、コンパレータ21,22の閾値としてVtd2+、Vtd2-がそれぞれ選択される。
第1増幅動作の後に、図10に示す時刻t209~時刻t211の間において、第2減算動作が実行される。時刻t209~時刻t210の第2減算動作に係るサンプル期間においては、図12に示すように積分器10においてスイッチSF13がオフするとともにスイッチSF12がオンすることにより、第1帰還容量Cf1は積分器10と電気的に切断され、その両端がAGNDに接続される。
図10に示す時刻t211~時刻t212において、第2増幅動作が実行される。図14に示すように、第2増幅動作は第1実施形態の増幅動作(図6参照)と同様の動作により実現される。スイッチSD3,SDT,SDM,SDBがオフすることにより、オペアンプ11の反転入力端子および参照電圧とDAC容量Cdとが切断される。積分器10では、スイッチSF31がオフするとともにスイッチSF34がオンすることにより、第3帰還容量Cf3に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送されて、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅される。また、スイッチSD1,SD2がオンすることにより、第1減算動作および第2減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdに蓄積される。
時刻t212以降の巡回動作は、第1実施形態における時刻t111以降の巡回動作と同様であり、説明は省略する。
本実施形態では、第1実施形態におけるA/D変換器100と較べて巡回動作を2倍の速度で実行する構成について説明する。
図16に示す時刻t300~時刻t301において、入力信号Vinのサンプリングが実行される。本実施形態のサンプル/ホールド動作および減算動作においては、減算にDAC30のみを用いて、DAC31を用いないため、A/D変換器120の動作は第1実施形態のA/D変換器100の動作と同様である。また、サンプル/ホールド動作および減算動作においては、スイッチSD21とスイッチSD23はオフ状態であり、DAC31は実質的に動作していない。また、スイッチSD22およびスイッチSD2Mがオンにされ、DAC容量Cd2はリセットされた状態となる。
図16に示す時刻t301~時刻t302が、サンプル/ホールド動作に係るホールド期間であり、A/D変換器120の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
図16に示す時刻t302~時刻t310において減算動作が実行される。減算動作に係るサンプル期間およびホールド期間のA/D変換器120の動作においても第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
図16に示す時刻t310~時刻t311において、増幅動作が実行される。この増幅動作においてもスイッチSD21とスイッチSD23はオフであり、DAC31は積分器10と切断されていることから、実質的にA/D変換器120の動作に寄与しない。また、時刻t310において第1実施形態の増幅動作と同様に、コンパレータ21,22の閾値はそれぞれVtc+、Vtc-に変更される。
図16に示す時刻t311~時刻t312が、本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間である。図17に示すように、スイッチSD21とスイッチSD23がオフされるため、実質的に第1実施形態における巡回動作に係るサンプル期間と同様の動作となる。すなわち、オペアンプ11から出力される減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cd1に蓄積される。すなわち、巡回動作における最初のサンプリングが実行される。また、出力電圧Voutとコンパレータ21,22の閾値の関係はVout<Vtc-であるから、量子化結果はQout=-1となりA/D変換結果はDout=320となる。
巡回動作に係る最初のサンプル期間の後、図16に示す時刻t312~時刻t313にが、巡回動作に係る最初のホールド期間であり、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。また、本実施形態ではDAC31において巡回動作における2回目のサンプリングが同時に実行される。
図16に示す時刻t313~時刻t314において、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅およびDAC31を用いる減算と巡回動作における3回目のサンプリングが実行される。時刻t312~時刻t313においてQout=0であるから、図19に示すように、DAC31の参照電圧としてVmが選択される。すなわち、スイッチSD2MがオンするとともにスイッチSD23がオンして、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC31を用いる減算が実行される。同時に、スイッチSD11およびスイッチSD12がオンして、オペアンプ11の出力電圧Voutに対応する電荷がDAC30のDAC容量Cd1に蓄積される。すなわち、巡回動作における3回目のサンプリングが実行される。
本実施形態では、第1実施形態と較べて容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減することが可能な構成について説明する。
図21に示す時刻t400~時刻t401がサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。スイッチSF14、SD2T、SD2M、SD2B、SF22がオフして、スイッチSF12、SF13、SF23がオンすることにより入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積される。
時刻t401~時刻t402がサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。サンプル/ホールド動作においては、積分器10の第2帰還容量Cf2はD/A変換器としては機能しないことから、A/D変換器130の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
時刻t402~時刻t410において、減算動作が実行される。減算動作においてもA/D変換器130の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
時刻t410~時刻t411において、増幅動作が実行される。増幅動作においてもA/D変換器130の動作は、第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
本実施形態におけるA/D変換器130は、増幅動作の後の時刻t411~時刻t412において、誤差キャンセル動作を実行する。誤差キャンセル動作は、製造ばらつき等に起因するDAC容量Cdの容量値と第2帰還容量Cf2の容量値の比の誤差によって発生するVoutの誤差を低減する動作である。
図21に示す時刻t412~時刻t419に実行される巡回動作においては、誤差キャンセル動作から引き続きスイッチSD11およびスイッチSD13がオンし、スイッチSD12がオフする。これにより、DAC30のDAC容量Cdは、オペアンプ11の出力端子と反転入力端子との間に接続され、オペアンプ11の帰還容量として作用する。
第1実施形態の巡回動作においては、DAC30を用いて減算が実行されるが、本実施形態の巡回動作においては、第2帰還容量Cf2をD/A変換器として用いて減算が実行される。
第4実施形態においては、巡回動作においてDAC容量Cdをオペアンプ11の帰還容量として用い、かつ、積分器10の第2帰還容量Cf2をDAC容量として用いることにより、誤差キャンセル動作ならびに巡回動作を実現する例について説明した。本実施形態では、巡回動作において第2帰還容量Cf2をDAC容量として用いずに、第1実施形態と同様にDAC30を用いてD/A変換を実行しつつ、誤差キャンセル動作を実現する構成について説明する。
図26に示す時刻t500~時刻t502において、入力信号Vinをサンプリングした上でホールドするサンプル/ホールド動作が実行される。サンプル/ホールド動作では、スイッチSF23がオン、スイッチSF22,SF24がオフの状態となるため、A/D変換器140の動作は第1実施形態のA/D変換器100と実質的に同様である。
時刻t502~時刻t510において減算動作が実行される。減算動作においてもA/D変換器140の動作は、第1実施形態のA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
時刻t510~時刻t511において、増幅動作が実行される。増幅動作においてもA/D変換器140の動作は、第1実施形態のA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
本実施形態におけるA/D変換器140は、増幅動作の後の時刻t511~時刻t512において、誤差キャンセル動作を実行する。本実施形態では、図27に示すように、スイッチSF21,SF24,SD2をオフするとともに、スイッチSD1およびSD3をオンする。スイッチSF24をオンすることにより第2帰還容量Cf2の一端がAGNDに接続されるため、第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷すなわち減算動作によるA/D変換の残差がDAC容量Cdに転送される。これにより、第2帰還容量Cf2に代わってDAC容量Cdがオペアンプ11の帰還容量として作用した状態でA/D変換の残差がVoutとして出力される。
図26に示す時刻t512~時刻t513が、本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間である。図28に示すように、スイッチSF23、スイッチSF22がオンするとともに、スイッチSF21、スイッチSF24がオフする。これにより、第2帰還容量Cf2に減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積される。本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間は、第4実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間と較べて、第2帰還容量Cf2に接続されるスイッチの構成に違いがあるものの、実質的に同様の動作となる。
巡回動作に係る最初のサンプル期間の後の時刻t513~時刻t514が巡回動作に係る最初のホールド期間であり、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。図26および図29に示すように、巡回動作に係る最初のサンプル期間から最初のホールド期間への移行の過程で、スイッチSF23がオン、スイッチSF22およびスイッチSF24がオフとなるため、第2帰還容量はオペアンプ11の帰還容量として作用する。
巡回動作に係る最初のホールド期間から2回目のサンプル期間への移行は、第1実施形態における巡回動作に係るホールド期間からサンプル期間への移行と同様のスイッチの切り替えによって実現される。すなわち、スイッチSD3がオフするとともにスイッチSD1およびスイッチSD2がオンする。オペアンプ11の出力端子は、スイッチSD1を介してDAC30と接続され、巡回動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdにサンプリングされる。また、第2帰還容量Cf2は積分器10における帰還容量として作用する。
本実施形態では、第2実施形態として記載した増幅動作を複数回に分けて実行する構成と、第3実施形態として記載した巡回動作によるA/D変換の速度を2倍にする構成と、を組み合わせた構成について説明する。また、本実施形態では、減算動作において5レベルのDACを用いて減算を実行する構成についても説明する。
図31、図32に示す時刻t601~時刻t602が、入力信号Vinをサンプリングするサンプル期間である。図33に示すように、フィードバックスイッチSF11,SF21,SF31がオフして、スイッチSS11,SS21,SS31がオンすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3のそれぞれに入力信号Vinに対応する電荷がサンプリングされる。
図31、図32に示す時刻t602~時刻t603がサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。図34に示すように、スイッチSS11,SS21,SS31,SF12がオフして、スイッチSF11,SF21,SF31がオンする。これにより、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に保持される。
図31、図32に示す時刻t603~時刻t607に、第1減算動作が実行される。
本実施形態における第1減算動作に係るホールド期間においても、直前の期間すなわち第1減算動作に係るサンプル期間のVoutと閾値との関係に基づいて量子化結果を決定する。例えば、時刻t604~時刻t605における第1減算動作に係る最初のサンプル期間では、時刻t603~t604のVoutと閾値の関係から量子化結果をQout=1と決定する。以降の第1減算動作に係るホールド期間においても同様である。
第1減算動作を実行した後に、図31、図32に示す時刻t607~時刻t608において、第1減算動作によるA/D変換の残差を増幅する第1増幅動作が実行される。第1増幅動作では、図37に示すように、スイッチSD13がオフすることにより積分器10とDAC30が電気的に切断される。また、スイッチSD12およびSD1MがオンすることによりDAC容量Cdがリセットされる。
第1増幅動作の後の時刻t608~時刻t609が、第2減算動作に係るサンプル期間である。第1増幅動作が終了した時点で、第1帰還容量Cf1からの電荷の転送が完了しているため、図38に示すようにスイッチSF13をオフして、オペアンプ11の反転入力端子と第1帰還容量Cf1を電気的に切断する。さらに、スイッチSF12をオンして第1帰還容量Cf1の両端をAGNDに接続することにより、第1帰還容量Cf1をリセットする。第2減算動作は、第1帰還容量Cf1がオペアンプ11から切り離されていることと、コンパレータ21,22の閾値が異なることを除いて、第1減算動作と同様の動作となる。
図31および図32に示す時刻t609~時刻t610が、第2減算動作に係るホールド期間である。第2減算動作に係るホールド期間においては、図39に示すように、スイッチSD12がオフするとともにスイッチSD13がオンすることにより、帰還容量Cf2およびCf3に蓄積された電荷からDAC30を用いる減算が実行される。
時刻t610~時刻t611において、第1減算動作および第2減算動作によるA/D変換の残差を増幅する第2増幅動作を実行する。図40に示すように、積分器10ではスイッチSF31がオフするとともにスイッチSF34がオンする。これにより、第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷が第3帰還容量Cf3に転送されて、出力電圧Voutが増幅される。また、スイッチSD13がオフすることにより、DAC30が積分器10から電気的に切断される。
時刻t611以降の巡回動作は、第3実施形態における巡回動作と同様であり、動作の詳細な説明は省略する。
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
図45に示す時刻t700~時刻t701において、図46に示すようにスイッチSS11がオンすることにより、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1に蓄積される。すなわち、本実施形態におけるサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間においては、第1帰還容量Cf1のみに入力信号Vinがサンプリングされる。
図47に示すように、スイッチSF12およびスイッチSS11がオフするとともに、スイッチSF11がオンすることにより、入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
減算動作は他の実施形態と同様にサンプル期間とホールド期間を有する。減算動作に係るサンプル期間のスイッチの接続の状態は、図47に示すサンプル/ホールド動作に係るホールド期間と同様となる。図48に減算動作に係るホールド期間のスイッチの接続の状態を示す。第1実施形態と同様に、減算動作においてはDAC30を用いて量子化結果Qoutに基づく減算が繰り返し実行される。
図49に示す時刻t710~712において、増幅動作が実行される。スイッチSF22およびSF24がオフするとともに、スイッチSF21およびスイッチSF23がオンすることにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送されて出力電圧Voutが増幅される。なお、時刻t710において、コンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtc+、Vtc-に変更される。
時刻t712~719において、巡回動作によるA/D変換が実行される。巡回動作においては、増幅動作と同様にスイッチSF22およびSF24がオフするとともに、スイッチSF21およびスイッチSF23がオンした状態で維持され、その回路構成は第1実施形態の巡回動作と実質的に同様となる。
Claims (8)
- オペアンプ(11)と、該オペアンプの第1入力端子と出力端子との間において互いに並列に挿入された第1帰還容量(Cf1)および第2帰還容量(Cf2)と、を有する積分器(10)と、
前記オペアンプにおける出力端子から出力される出力信号(Vout)を量子化した量子化結果(Qout)を出力する量子化器(20)と、
前記オペアンプにおける前記第1入力端子に接続されるDAC容量(Cd,Cd1,Cd2)を有するDAC(30,31)と、を備え、
前記積分器は、前記第1帰還容量と前記オペアンプにおける出力端子との間に介在する第1フィードバックスイッチ(SF11)と、前記第2帰還容量と前記オペアンプの出力端子との間に介在する第2フィードバックスイッチ(SF21)と、を有し、
入力信号(Vin)は、前記第1帰還容量と前記第1フィードバックスイッチとの間、および、前記第2帰還容量と前記第2フィードバックスイッチとの間の少なくとも一方に入力され、
前記DAC容量は、前記オペアンプにおける第1入力端子と接続された側の端子と反対側の端子が前記オペアンプの出力端子に接続され、
前記DACが前記第1帰還容量および前記第2帰還容量に蓄積された電荷から前記量子化結果に基づいて電荷を繰り返し減算することにより、前記入力信号をA/D変換するとともに、該A/D変換の残差を前記オペアンプの出力信号として出力する減算動作を実行するとともに、
前記減算動作の後に、前記第1帰還容量に蓄積された電荷を前記第2帰還容量に転送することにより、前記減算動作におけるA/D変換の残差を増幅する増幅動作を実行し、
前記増幅動作により増幅された前記減算動作におけるA/D変換の残差に対して前記量子化結果に基づいた減算および増幅を順次繰り返すことにより、前記減算動作におけるA/D変換の残差をA/D変換する巡回動作を実行し、
前記量子化器は、前記減算動作におけるA/D変換の結果を得る場合、及び前記巡回動作におけるA/D変換の結果を得る場合に共用され、それぞれの場合において、前記オペアンプの出力信号を量子化した量子化結果を出力するものであり、
前記減算動作におけるA/D変換の結果に前記巡回動作におけるA/D変換の結果を加えることにより、前記入力信号のA/D変換を実行するA/D変換器。 - 前記第1帰還容量および前記第2帰還容量に加えて第3帰還容量(Cf3)を備え、前記第1帰還容量および前記第3帰還容量に蓄積された電荷を順次前記第2帰還容量に転送することにより、増幅動作を複数回実行する請求項1に記載のA/D変換器。
- 前記DACは、前記オペアンプの第1入力端子に対して並列に接続された第1DAC(30)と第2DAC(31)とを有し、前記第1DACと前記第2DACとを交互に用いることにより前記巡回動作を実行する請求項1または請求項2に記載のA/D変換器。
- 前記減算動作の後、前記巡回動作に移行する前に、第2帰還容量に蓄積された電荷を前記DAC容量に転送する誤差キャンセル動作を実行する請求項1~3のいずれか1項に記載のA/D変換器。
- 前記増幅動作が動作する周期は、前記減算動作および前記巡回動作が動作する周期に比べて長い請求項1~4のいずれか1項に記載のA/D変換器。
- 前記減算動作が動作する周期は、前記巡回動作が動作する周期に比べて短い請求項1~5のいずれか1項に記載のA/D変換器。
- 前記減算動作においては前記DACを5レベルのD/A変換器として用いる請求項1~6のいずれか1項に記載のA/D変換器。
- 前記巡回動作において前記DACを3レベルのD/A変換器として用いる請求項1~7のいずれか1項に記載のA/D変換器。
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