JP2019122013A - A/d変換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】A/D変換に係るサイクル数を低減できるA/D変換器を提供する。【解決手段】このA/D変換器は、オペアンプと第1帰還容量および第2帰還容量とを有する積分器と、オペアンプの出力信号の量子化結果を出力する量子化器と、オペアンプの入力端子に接続されるDAC容量を有し帰還容量に蓄積された電荷の減算を行うDACと、を備える。DAC容量は、オペアンプと接続された端子と反対の端子がオペアンプの出力端子に接続される。DACが量子化結果に基づいて帰還容量に蓄積された電荷の減算を繰り返すことにより、アナログ信号がデジタル値に変換される減算動作を行うとともに、2つの帰還容量のいずれか一方に集積された電荷に対して量子化結果に基づいて順次減算および増幅を繰り返すことにより、アナログ信号がデジタル値に変換される巡回動作を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、DACにより減算を繰り返す方式を採用したA/D変換器に関する。
環境問題やエネルギー問題を背景に、自動車や産業機器をより高速かつ高精度に制御して排出ガスを抑制したり、使用するエネルギー量を低減したりすることへの要求が高まっている。自動車や産業機器を制御する制御回路はデジタル化が進んでおり、機器の物理的状態を検出するセンサが出力するアナログ信号をA/D変換器によってデジタル信号に変換した上で、デジタル信号処理した結果を用いて機器を制御するのが一般的になっている。そのため、高速かつ高精度なA/D変換器に対する要求が高まっている。
例えば、特許文献1には、D/A変換器(DAC)によるフィードバック量を可変にした増分デルタ(インクリメンタルΔ)型のA/D変換器が開示されている。このA/D変換器では、異なる大きさのフィードバック量を用いることにより、単一の大きさのフィードバック量を用いる方式と較べてA/D変換に必要な回路動作のサイクル数を低減することができ、A/D変換の分解能が比較的低い範囲においては高速なA/D変換が実現可能となる。
米国特許第6999014号明細書
しかしながら、特許文献1に開示されるA/D変換器は、A/D変換の高分解能化に伴ってA/D変換に必要なサイクル数が指数関数的に増加するという問題がある。
また、DACによる大きいフィードバック量を用いるA/D変換の動作から、小さいフィードバック量を用いるA/D変換の動作に移行する過程で、信号の増幅を行わないため、オペアンプの出力を量子化するための量子化器に用いるコンパレータに要求される精度が、高分解能化すなわち高精度化とともに高くなるという問題がある。
また、高精度なA/D変換の実現には大きいフィードバック量と小さいフィードバック量の比が高精度である必要がある。フィードバック量の大きさは一般的に容量素子や抵抗素子の素子値で決定されるが、容量素子や抵抗素子の素子値には誤差が存在するため、異なる大きさの複数のフィードバック量の比を高精度に実現することは難しく、高分解能化によってその比が大きくなる場合にはさらに実現が困難になるという問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、高分解能のA/D変換に係るサイクル数を低減しつつ、コンパレータに要求される精度およびフィードバック量を決定する素子に要求される精度を低減できる高速かつ高精度なA/D変換器を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、
オペアンプ(11)と、該オペアンプの第1入力端子と出力端子との間において互いに並列に挿入された第1帰還容量(Cf1)および第2帰還容量(Cf2)と、を有する積分器(10)と、
オペアンプにおける出力端子から出力される出力信号(Vout)を量子化した量子化結果(Qout)を出力する量子化器(20)と、
オペアンプにおける第1入力端子に接続されるDAC容量(Cd,Cd1,Cd2)を有するDAC(30,31)と、を備え、
積分器は、
第1帰還容量とオペアンプにおける出力端子との間に介在する第1フィードバックスイッチ(SF11)と、第2帰還容量とオペアンプの出力端子との間に介在する第2フィードバックスイッチ(SF21)と、を有し、
入力信号(Vin)は、
第1帰還容量と第1フィードバックスイッチとの間、および、第2帰還容量と第2フィードバックスイッチとの間の少なくとも一方に入力され、
DAC容量は、オペアンプにおける第1入力端子と接続された側の端子と反対側の端子がオペアンプの出力端子に接続され、
DACが第1帰還容量および第2帰還容量に蓄積された電荷から量子化結果に基づいて電荷を繰り返し減算することにより、入力信号をA/D変換するとともに、該A/D変換の残差をオペアンプの出力信号として出力する減算動作を実行するとともに、
減算動作の後に、第1帰還容量に蓄積された電荷を第2帰還容量に転送することにより、減算動作におけるA/D変換の残差を増幅する増幅動作を実行し、
増幅動作により増幅された減算動作におけるA/D変換の残差に対して量子化結果に基づいた減算および増幅を順次繰り返すことにより、減算動作におけるA/D変換の残差をA/D変換する巡回動作を実行し、
減算動作におけるA/D変換の結果に巡回動作におけるA/D変換の結果を加えることにより、入力信号のA/D変換を実行する。
これによれば、減算動作によるA/D変換の残差を、巡回動作による巡回型のA/D変換によって、A/D変換するため、減算動作によるA/D変換のみを多段化してA/D変換を実行する形態に較べて高分解能化におけるサイクル数の増加を抑制できる。
また、減算動作によるA/D変換を実行した後に、巡回動作によるA/D変換を実行するため、高分解能のA/D変換においても、オペアンプの出力を量子化するための量子化器に用いるコンパレータに要求される精度を低く保つことができる。
また、減算動作に用いるDACを単一のDAC容量で実現し、かつ、減算動作によるA/D変換の過程においてフィードバック量を切り換えないことから、DACによるフィードバック量を決定する素子の素子値の誤差の影響を受けることなく、高精度なA/D変換を実現できる。
第1実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 サンプル/ホールド動作に係るホールド期間および減算動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 減算動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 増幅動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第2実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 第1増幅動作を示す結線図である。 第2減算動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 第2減算動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第2増幅動作を示す結線図である。 第3実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 第4実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 誤差キャンセルの動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第5実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 誤差キャンセル動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第6実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 サンプル/ホールド動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第1減算動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 第1減算動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第1増幅動作を示す結線図である。 第2減算動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 第2減算動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 第2増幅動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 巡回動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 その他の実施形態に係るA/D変換器の概略構成を示す回路図である。 A/D変換器の動作を示すタイミングチャートである。 サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 減算動作に係るサンプル期間の動作を示す結線図である。 減算動作に係るホールド期間の動作を示す結線図である。 増幅動作を示す結線図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係るA/D変換器の概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるA/D変換器100は、積分器10と、量子化器20と、D/A変換器30(以降、DAC30と示す)と、ロジック回路40と、を備えている。A/D変換器100には入力信号(Vin)としてアナログ信号が入力され、A/D変換器100からはA/D変換結果(Dout)としてデジタル信号が出力される。
積分器10は、オペアンプ11と、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2と、第1フィードバックスイッチSF11および第2フィードバックスイッチSF21と、を有している。
第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2は、互いに並列にオペアンプ11の反転入力端子と出力端子との間に接続されている。第1フィードバックスイッチSF11は第1帰還容量Cf1とオペアンプ11の出力端子との間に挿入されている。また、第1帰還容量Cf1とオペアンプ11の反転入力端子の間にはスイッチSF13が挿入されている。つまり、スイッチSF13と第1帰還容量Cf1と第1フィードバックスイッチSF11は互いに直列接続されて、オペアンプ11の反転入力端子と出力端子との間に配置されている。第2フィードバックスイッチSF21は第2帰還容量Cf2とオペアンプ11の出力端子との間に挿入されている。つまり、第2帰還容量Cf2と第2フィードバックスイッチSF21は互いに直列接続されて、オペアンプ11の反転入力端子と出力端子との間に配置されている。
オペアンプ11の非反転入力端子はアナロググランド(AGND)に接続されている。AGNDはA/D変換器100全体の基準電位であり、必ずしも0Vとは限らない。なお、特許請求の範囲に記載の第1入力端子は、本実施形態における反転入力端子に相当する。
入力信号Vinは、サンプリング用のスイッチSS11を介して第1帰還容量Cf1と第1フィードバックスイッチSF11との間に接続されている。また、入力信号Vinは、サンプリング用のスイッチSS21を介して第2帰還容量Cf2と第2フィードバックスイッチSF21との間に接続されている。
また、第1帰還容量Cf1と第1フィードバックスイッチSF11との中間点は、スイッチSF14を介してAGNDに接続され、第1帰還容量Cf1とスイッチSF13との中間点はスイッチSF12を介してAGNDに接続されている。
このように構成すれば、第1フィードバックスイッチSF11、第2フィードバックスイッチSF21、およびスイッチSF14をオフするとともに、スイッチSS11,SS21,SF12,SF13をオンすることにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に入力信号Vinに基づいた電荷が蓄積される。すなわち、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に入力信号Vinがサンプリングされる。
以降、オペアンプ11の出力端子の電位を出力電圧Voutもしくは単にVoutと称する。また、第1フィードバックスイッチSF11を単にスイッチSF11と称し、第2フィードバックスイッチSF21を単にスイッチSF21と称することがある。
量子化器20は、積分器10の出力、すなわちオペアンプ11の出力電圧Voutを量子化して量子化結果Qoutを出力する。すなわち、量子化器20は、アナログ値であるVoutを量子化し、デジタル値である量子化結果Qoutに変換する。量子化器20は、2個のコンパレータ21,22を有する1.5ビット量子化器である。
コンパレータ21の非反転入力端子には、オペアンプ11の出力電圧Voutが接続される。また、コンパレータ21の反転入力端子には、スイッチSQDを介してVtd+が接続されるとともに、スイッチSQCを介してVtc+が接続されている。これにより、コンパレータ21によってオペアンプ11の出力電圧Voutと比較する閾値がVtd+もしくはVtc+に選択可能となっている。コンパレータ21の出力Qout<1>は、後述するロジック回路40に接続されている。
コンパレータ22の非反転入力端子には、オペアンプ11の出力電圧Voutが接続される。また、コンパレータ22の反転入力端子には、スイッチSQDを介してVtd−が接続されるとともに、スイッチSQCを介してVtc−が接続されている。これにより、コンパレータ22によってオペアンプ11の出力電圧Voutと比較する閾値がVtd−もしくはVtc−に選択可能となっている。コンパレータ22の出力Qout<0>は、後述するロジック回路40に接続されている。
以降、コンパレータ21の出力Qout<1>およびコンパレータ22の出力Qout<0>をまとめて量子化結果Qoutもしくは単にQoutと称することがある。また、特許請求の範囲に記載の量子化結果はQoutに相当する。
なお、コンパレータ21とコンパレータ22の閾値を切り替えるスイッチSQDおよびスイッチSQCは、コンパレータ21とコンパレータ22でそれぞれ有しているが、スイッチSQDおよびスイッチSQCの動作は、コンパレータ21とコンパレータ22とでそれぞれ同期しており、便宜的に同一の呼称を使用する。 コンパレータ21とコンパレータ22は、スイッチSQCがオンしている時にはVoutとVtc+およびVtc−をそれぞれ比較し、スイッチSQDがオンしている時にはVoutとVtd+およびVtd−をそれぞれ比較する。
ロジック回路40は、量子化器20が出力する量子化結果Qoutに基づいてDAC30を制御する。また、ロジック回路40はA/D変換器100によるA/D変換の過程で量子化器20によって量子化が実行される度に、量子化結果Qoutを順次積分もしくは重み付け加算してA/D変換結果Doutを生成する。
DAC30はD/A変換器であり、量子化結果Qoutに基づいてロジック回路40によって制御されることにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷から量子化結果Qoutに対応する電荷を減算する。DAC30は、参照電圧として、例えばAGNDに設定されたVmと、AGNDよりも高い電位に設定されたVrefpと、AGNDよりも低い電位に設定されたVrefmとを有する3レベルD/A変換器である。なお、VrefpとVrefmは、AGNDが0Vの場合には、AGNDを基準として互いに絶対値が同一で正負が逆の関係にあり、Vrefp=−Vrefmを満たすように設定される。
また、DAC30はDAC容量Cdを有している。DAC容量Cdの一端にはスイッチSDT,SDM,SDBを介して上記の参照電圧を発生する電圧源が接続されている。具体的には、DAC容量Cdの一端には、スイッチSDTを介してVrefpが接続され、スイッチSDMを介してVmが接続され、スイッチSDBを介してVrefmが接続されている。DAC容量Cdの参照電圧側の一端は、スイッチSDT,SDM,SDBを排他的にオンすることによりVrefp、VrefmもしくはVmのうちいずれかに接続することができる。以降、スイッチSDT,SDM,SDBのいずれかをオンすることにより決定されるDAC容量Cdの参照電圧側の一端の電位をDAC電圧と呼ぶことがある。
加えて、DAC容量Cdの参照電圧側の一端は、スイッチSD1を介してオペアンプ11の出力端子に接続されている。また、DAC容量Cdのオペアンプ11の反転入力端子側の一端は、スイッチSD2を介してAGNDに接続されている。さらに、DAC容量Cdはオペアンプ11の反転入力端子とスイッチSD3を介して接続されている。
次に、図2に示すタイミングチャートおよび図3〜図8に示す結線図を参照して、本実施形態に係るA/D変換器100の具体的な動作について説明する。
図2に示すように、A/D変換器100は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図2ではS/Hと記載)と、減算動作(図2ではSubtractionと記載)と、増幅動作(図2ではAmp.と記載)と、巡回動作(図2ではCyclicと記載)とを実行する。なお、本実施形態では、AGND=0Vとし、Vrefp=−Vrefm=Vrefとする。また、Vtd+=Vref/8、Vtd−=−Vref/8、Vtc+=Vref/4、Vtc−=−Vref/4、とする。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図2に示す時刻t100〜時刻t101が、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2を用いて入力信号Vinをサンプリングするサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。図3に示すように、サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間においては、スイッチSS11,SS21がオンするとともに、スイッチSF12,SF13がオンする。これにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2のオペアンプ11の反転入力端子側の一端がそれぞれAGNDに接続され、他端がそれぞれ入力信号Vinに接続される。すなわち、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積される。このとき、スイッチSF11,SF21はオフしており、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2とオペアンプ11の出力端子との接続は切断されている。なお、時刻t100〜時刻t101においては、オペアンプ11には第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2による帰還がかかっていないが、図2に示す例では説明の簡略化のためにオペアンプ11が理想的でありオフセットを持たないことを前提として、オペアンプ11の出力電圧をVout=0として記載している。
また、スイッチSDM,SD2がオンすることにより、DAC容量Cdの両端がAGNDに接続される。これにより、DAC容量Cdは電荷が蓄積されていない状態となり、すなわちリセットされた状態となる。また、スイッチSD1,SD3はオフしており、DAC30と積分器10は電気的に切断されている。
時刻t100〜時刻t110のサンプル/ホールド動作および減算動作においては、量子化器20においてスイッチSQDがオンするとともに、スイッチSQCがオフする。これにより、コンパレータ21,22の閾値としてそれぞれVtd+,Vtd−が選択される。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
図2に示す時刻t101〜時刻t102が、サンプル期間において第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2にサンプリングした入力信号Vinを積分器10に保持するサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。図4に示すように、スイッチSS11,SS21,SF12がオフすることにより、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2と入力信号VinおよびAGNDとの接続が切断される。また、スイッチSF11,SF21がオンすることにより、サンプル期間において入力信号Vinに対応する電荷を蓄積した第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2がオペアンプ11の出力端子に接続される。これにより、オペアンプ11の出力端子から入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
<減算動作(Subtraction):サンプル期間(sample)>
図2に示す時刻t102〜時刻t103が、減算動作に係る最初のサンプル期間である。図4に示すように、減算動作に係るサンプル期間においてはスイッチSD3がオフするため、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子とが電気的に切断される。また、スイッチSDM,SD2はオン、スイッチSD1,SDT,SDBはオフであり、DAC容量Cdの両端がAGNDに接続される。これにより、DAC容量Cdは両端の電位が等しくなり、DAC容量Cdに蓄積された電荷がリセットされる。オペアンプ11は、このサンプル期間の直前の期間から引き続き、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2によって帰還がかかった状態で維持されるため、出力電圧Voutの値は直前の期間の値のまま保持される。なお、時刻t102〜時刻t103の減算動作に係る最初のサンプル期間においては、時刻t101〜時刻t102のサンプル/ホールド動作に係るホールド期間と各スイッチの接続の状態が同一であるため、時刻t102においては各スイッチの接続の状態は変化しない。
また、減算動作においては、量子化器20のコンパレータ21,22においてオペアンプ11の出力電圧Voutと、閾値として選択されたVtd+,Vtd−がそれぞれ比較される。コンパレータ21,22は、その比較の結果としてQout<1>およびQout<0>をそれぞれ出力する。
なお、図2においては記載の都合上、便宜的にQout<1>およびQout<0>をまとめてQoutと記載してある。本実施形態では、Vout>Vtd+(あるいはVout>Vtc+)の場合にQoutは1となり、Vtd−≦Vout≦Vtd+(あるいはVtc−≦Vout≦Vtc+)の場合にQoutは0となり、また、Vout<Vtd−(あるいはVout<Vtc−)の場合にQoutは−1となる。Qout<1>およびQout<0>はそれぞれ1ビットのデジタル信号であるが、量子化器20において上記の記載と同様にQoutとしてエンコードした上でロジック回路40に入力してもよいし、Qout<1>およびQout<0>を1ビットのデジタル信号のままそれぞれロジック回路40に入力してもよい。
図2に示す時刻t102〜時刻t103において、Vout>Vtd+を満たすことからQout=1となる。減算動作により得られるA/D変換結果は、A/D変換器100全体のA/D変換結果Doutの上位ビットに相当することから、図2に示す例では、Qoutに4ビット分の上位へのビットシフトに相当する16倍の重み付けを施した結果を順次A/D変換結果Doutに積算する。そのため、時刻t102〜時刻t104においては最初の量子化結果であるQout=1を16倍したA/D変換結果Dout=16が出力される。なお、減算動作により得られるA/D変換結果に対する重み付けの大きさは、一般的な多段型のA/D変換器と同様に決定すればよいため、詳細な説明は省略する。
<減算動作(Subtraction):ホールド期間(hold)>
図2に示す時刻t103〜時刻t104が、減算動作に係る最初のホールド期間である。減算動作に係るホールド期間においては、DAC30を用いて量子化結果Qoutに基づいて減算を実行する。図2に示す時刻t103〜時刻t104においては、直前の減算動作に係るサンプル期間における量子化結果Qoutが1であることから、図5に示すようにDAC30ではスイッチSDMがオフするとともにスイッチSDTがオンする。さらに、スイッチSD2がオフするとともにスイッチSD3がオンすることにより、DAC30と積分器10とが電気的に接続される。DAC30においてスイッチSDTがオンすることによりDAC電圧としてVrefpが選択されて、DAC容量Cdから第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2にDAC電圧に対応する電荷が転送される。すなわち、DAC30を用いて第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷から量子化結果Qoutに基づく電荷が減算される。この減算の結果、時刻t103においてはVoutが減少する。
上記した減算動作に係るサンプル期間とホールド期間とを1期間ずつまとめて減算動作の1サイクルとすると、このサイクルを所定のサイクル数だけ繰り返すことにより減算動作によるA/D変換が実行される。本実施形態では、時刻t102〜時刻t104が減算動作の最初の1サイクルであり、時刻t102〜時刻t110の間に減算動作のサイクルが4サイクル繰り返される。時刻t104〜時刻t105における量子化では、Vout>Vtd+を満たすためQout=1であり、時刻t104の直前のA/D変換結果Dout=16に対し、Qoutに16倍の重み付けをして加算し、A/D変換結果Dout=32となる。同様に、時刻t106〜時刻t107における量子化では、Vout>Vtd+を満たすため量子化結果はQout=1であり、Dout=48となる。また、時刻t108〜時刻t109における量子化では、Vtd−≦Vout≦Vtd+を満たすため、量子化結果はQout=0となる。時刻t108〜時刻t109における量子化結果がQout=0であるため、A/D変換結果はDout=48で変化しない。時刻t109〜時刻t110における減算動作に係るホールド期間においては、Qout=0であるから、スイッチSDMがオンのまま維持される。なお、時刻t109の前後でDAC電圧がVmのまま変化しないため、実質的には減算が行われず、時刻t109においてVoutは変化しない。
<増幅動作(Amp.)>
減算動作が終了すると、図2に示す時刻t110〜時刻t111において増幅動作が実行される。図6に示すように、スイッチSD3がオフすることにより、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子の接続が切断される。また、DAC30では、スイッチSDT,SDM,SDBがすべてオフすることにより、参照電圧とDAC容量Cdとが切断される。一方、スイッチSF11がオフ、かつスイッチSF14がオンすることにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送される。これにより、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅され、すなわち、減算動作によるA/D変換の残差の増幅が実行される。例えば、増幅前の出力電圧Voutが負であれば、増幅後の出力電圧Voutは第1帰還容量Cf1と第2帰還容量Cf2の比に応じた増幅率で負の側に大きくなる。また、スイッチSD1,SD2がオンするため、DAC容量Cdには減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積される。
なお、本実施形態では、増幅動作においてスイッチSQDがオフするとともに、スイッチSQCがオンすることにより、量子化器20におけるコンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtd+、Vtd−からVtc+、Vtc−に変更される。後述する時刻t111以降の巡回動作の間は、スイッチSQCがオンの状態で維持されることにより、コンパレータ21,22の閾値としてVtc+、Vtc−がそれぞれ選択された状態で維持される。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(sample)>
増幅動作が終了した後の図2に示す時刻t111〜時刻112が、巡回動作に係る最初のサンプル期間である。巡回動作に係る最初のサンプル期間では、図7に示すように、スイッチSF12がオンするとともにスイッチSF13がオフすることにより、第1帰還容量Cf1がオペアンプ11から切断されて、その両端がAGNDに接続される。これにより、第1帰還容量Cf1はリセットされた状態となる。また、オペアンプ11は増幅動作から引き続き第2帰還容量Cf2によって帰還がかかっており、減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が第2帰還容量Cf2に保持され続けている。オペアンプ11の出力端子は、増幅動作から引き続きスイッチSD1を介してDAC容量Cdと接続されており、減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdに蓄積されている。
時刻t111〜時刻t112において、オペアンプ11の出力電圧Voutとコンパレータ21,22の閾値との関係はVout<Vtc−であるから、量子化器20からはQout=−1が出力される。
時刻t113以降における巡回動作に係る2回目以降のサンプル期間においては、スイッチSF12はオン、スイッチSF13はオフのまま保持される。また、巡回動作に係る最初のサンプル期間と同様に、スイッチSD3がオフすることにより、DAC30はオペアンプ11の反転入力端子から切断される。また、スイッチSDT,SDM,SDBがすべてオフするとともに、スイッチSD1およびスイッチSD2がオンすることにより、巡回動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdに蓄積される。
<巡回動作(Cyclic):ホールド期間(hold)>
図2に示す時刻t112〜時刻t113が、巡回動作に係る最初のホールド期間である。巡回動作に係る最初のホールド期間においては、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。時刻t111〜時刻t112における量子化結果Qoutが−1であることから、図8に示すように、DAC30ではスイッチSDBがオンする。さらに、スイッチSD1およびスイッチSD2がオフするとともにスイッチSD3がオンすることにより、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子とが接続される。時刻t111〜時刻t112の巡回動作に係る最初のサンプル期間において、DAC容量Cdには減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積されており、時刻t112〜時刻t113までの巡回動作に係る最初のホールド期間において、スイッチSDBがオンすることによりDAC電圧として選択されるVrefmとA/D変換の残差との差分に対応する電荷が、DAC容量Cdから第2帰還容量Cf2に転送される。すなわち、巡回動作に係る最初のホールド期間においては、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が同時に実行される。
なお、時刻t113以降における巡回動作に係る2回目以降のサンプル期間においては、DAC容量Cdには、巡回動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積される。そのため、時刻t114以降における巡回動作に係る2回目以降のホールド期間においては、DAC容量CdからDAC電圧と巡回動作によるA/D変換の残差との差分に対応する電荷が第2帰還容量Cf2に転送されることにより、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が同時に実行される。
上記した巡回動作に係るサンプル期間とホールド期間とを1期間ずつまとめて巡回動作の1サイクルとすると、このサイクルを所定のサイクル数だけ繰り返すことにより、いわゆる巡回型のA/D変換が実行される。本実施形態では、時刻t111〜時刻t113が巡回動作の最初の1サイクルであり、時刻t111〜時刻t118の間に巡回動作のサイクルが4サイクル繰り返される。なお、図2の例では、巡回動作の最後の1サイクルは、次のサイクルが存在しないことから、増幅と減算が不要であるため、ホールド期間を省略してある。
巡回動作によるA/D変換では、減算動作によるA/D変換の残差に対するA/D変換が実行される。すなわち、A/D変換器100全体のA/D変換結果Doutの下位ビットに相当するA/D変換結果が得られる。また、巡回動作によるA/D変換では、A/D変換結果Doutの下位ビットに相当するA/D変換結果のうちの上位ビット側からサイクル毎に順次A/D変換を実行し、最後のサイクルにおいて最下位ビットに相当するA/D変換結果を得る。すなわち、巡回動作の各サイクルにおける量子化結果Qoutを、そのサイクルが対応するA/D変換結果Doutのビット位置に応じて重み付けをした上でDoutに加算することによりA/D変換結果Doutが得られる。
例えば、時刻t111〜時刻t112においては、Vout<Vtc−を満たすためQout=−1であり、8倍の重み付けをした上で時刻t111の直前のDoutに加算することにより、Doutは40となる。同様に、時刻t113〜時刻t114においては、Vtc−<Vout<Vtc+を満たすためQout=0であり、4倍の重み付けをして、Dout=40となる。時刻t115〜時刻t116においては、Vout>Vtc+を満たすためQout=1であり、2倍の重み付けをして、Dout=42となる。時刻t117〜時刻t118においては、Vtc−≦Vout≦Vtc+を満たすためQout=0となり、1倍の重み付けをしてDout=42となる。巡回動作を4サイクル繰り返した後に得られるDout=42がA/D変換器100全体の最終的なA/D変換結果となる。
なお、巡回動作によるA/D変換における重み付けの大きさは一般的な巡回型のA/D変換器と同様であり、詳細な説明は省略する。
以上が本実施形態に係るA/D変換器100の具体的な動作である。これによれば、入力信号VinのA/D変換が、減算動作によるA/D変換と巡回動作によるA/D変換との組み合わせによって実行されるため、減算動作によるA/D変換、あるいは増分デルタ型のA/D変換を繰り返してA/D変換を実現する形態に較べて、1回のA/D変換に必要なサイクル数を低減できる。また、A/D変換の残差を増幅しながら量子化器20による量子化を行うため、量子化器を構成するコンパレータの精度に対する要求を緩和することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、減算動作と巡回動作との間に増幅動作を1回のみ実行する構成を例示したが、減算動作と巡回動作との間に複数回に分けて増幅動作を実行しても良い。本実施形態では増幅動作を2回に分けて実行する例を示す。
まず、本実施形態におけるA/D変換器110について、第1実施形態におけるA/D変換器100との構成の差異を、図9を参照しながら説明する。
図9に示すように、本実施形態におけるA/D変換器110は、第1実施形態において説明したA/D変換器100と較べて、積分器10の構成が異なるとともに、量子化器20のコンパレータ21,22の閾値がそれぞれ3段階に選択可能となっている。
A/D変換器110における積分器10は、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に加えて、第3帰還容量Cf3を有している。第3帰還容量Cf3は、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2と並列に、オペアンプ11の出力端子と反転入力端子との間に接続されている。
第3帰還容量Cf3とオペアンプ11の出力端子との間には第3フィードバックスイッチSF31が挿入されている。また、第3帰還容量Cf3とオペアンプ11の反転入力端子との間にはスイッチSF33が挿入されている。つまり、スイッチSF33と第3帰還容量Cf3とスイッチSF31は互いに直列接続されて、オペアンプ11の反転入力端子と出力端子との間に配置されている。また、第3帰還容量Cf3とスイッチSF31との中間点はスイッチSF34を介してAGNDに接続され、第3帰還容量Cf3とスイッチSF33との中間点はスイッチSF32を介してAGNDに接続されている。
入力信号Vinは、第3帰還容量Cf3と第3フィードバックスイッチSF31との中間点に、スイッチSS31を介して接続されている。つまり、入力信号Vinのサンプリングに際しては、スイッチSF31がオフするとともにスイッチSS31がオンすることにより、入力信号Vinに対応する電荷が第3帰還容量Cf3にも蓄積される。
なお、A/D変換器110においては、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2は、第1実施形態の第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2と同様にオペアンプ11に接続されており、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2の詳細な説明は省略する。
A/D変換器110におけるコンパレータ21は、スイッチSQD1を介してVtd1+と接続されており、スイッチSQD2を介してVtd2+と接続されており、スイッチSQCを介してVtc+と接続されている。同様に、コンパレータ22は、スイッチSQD1を介してVtd1−と接続されており、スイッチSQD2を介してVtd2−と接続されており、スイッチSQCを介してVtc−と接続されている。
次に、図10に示すタイミングチャートおよび図11〜図14に示す結線図を参照して、A/D変換器110の具体的な動作について説明する。
図10に示すように、A/D変換器110は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図10ではS/Hと記載)と、第1減算動作(図10では1st Subtractionと記載)と、第1増幅動作(図10では1st Amp.と記載)と、第2減算動作と、第2増幅動作(図10では2nd Sub.と記載)と、巡回動作(図10ではCyclicと記載)とを実行する。なお、図10の例では、Vtd1+=Vref/8、Vtd1−=−Vref/8、Vtd2+=Vtc+=Vref/4、Vtd2−=Vtc−=−Vref/4、である。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図10に示す時刻t200〜時刻t201が、サンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。フィードバックスイッチSF11,SF21,SF31がオフした状態でスイッチSS11,SS21,SS31,SF12,SF13およびSF23がオンすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に入力信号Vinに対応する電荷がサンプリングされる。また、第1実施形態と同様に、DAC30におけるDAC容量Cdがリセットされる。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
図10に示す時刻t201〜時刻t202が、サンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。第1実施形態のホールド期間と同様に、スイッチSS11,SS21,SS31およびスイッチSF12がオフすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3と入力信号VinおよびAGNDとの接続が切断される。また、スイッチSF11,SF21,SF31がオンして、オペアンプ11の出力端子から入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
<第1減算動作(1st Subtraction)>
図10に示す時刻t202〜時刻t208における第1減算動作は、第1実施形態における減算動作と同様のサンプル期間およびホールド期間の動作により実現される。第1減算動作においては、スイッチSQD1がオンすることにより、コンパレータ21およびコンパレータ22の閾値としてVtd1+およびVtd1−がそれぞれ選択される。時刻t202〜時刻t203における量子化の結果は、Qout=1である。DAC30では、量子化結果Qoutに基づいて参照電圧が選択されて減算が実行される。時刻t203における減算では、スイッチSDTおよびスイッチSD3がオンすることにより、オペアンプ11の出力電圧Voutが減少する。
第1減算動作に係るサンプル期間とホールド期間とを1期間ずつまとめて第1減算動作の1サイクルとすると、このサイクルが所定のサイクル数だけ繰り返される。本実施形態では、最初の1サイクルである時刻t202〜時刻t204を含めて3サイクルが繰り返される。その結果、時刻t208における第1減算動作の終了までに、第1減算動作によるA/D変換の結果としてDout=48が出力される。
<第1増幅動作(1st Amp.)>
第1減算動作の後に、図10に示す時刻t208〜時刻t209において、第1増幅動作が実行される。第1増幅動作では、図11に示すようにスイッチSD3がオフすることにより、積分器10とDAC30が電気的に切断される。また、スイッチSD2およびSDMがオンすることにより、DAC容量Cdがリセットされる。量子化器20では、スイッチSQD2がオンすることにより、コンパレータ21,22の閾値としてVtd2+、Vtd2−がそれぞれ選択される。
積分器10においては、スイッチSF11がオフするとともにスイッチSF14がオンする。これにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に転送され、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅される。
<第2減算動作(2nd Sub.)>
第1増幅動作の後に、図10に示す時刻t209〜時刻t211の間において、第2減算動作が実行される。時刻t209〜時刻t210の第2減算動作に係るサンプル期間においては、図12に示すように積分器10においてスイッチSF13がオフするとともにスイッチSF12がオンすることにより、第1帰還容量Cf1は積分器10と電気的に切断され、その両端がAGNDに接続される。
図10の例では、時刻t209〜時刻t210における出力電圧VoutはVtd2−<Vout<Vtd2+であり、Qout=0となる。Qout=0であることから、時刻t210〜時刻t211の第2減算動作に係るホールド期間においては、図13に示すように、スイッチSDMがオンのまま維持されるとともに、スイッチSD2がオフして、スイッチSD3がオンすることにより、量子化結果に基づいた減算が実行される。時刻t210の前後でDAC電圧がVmのまま変化しないため、実質的には減算が行われず、時刻t210においてVoutは変化しない。また、量子化結果がQout=0であることから、A/D変換結果はDout=48で変化しない。第1減算動作の3サイクルと、この第2減算動作によって、合計4サイクルの減算動作が実行される。
<第2増幅動作(2nd Amp.)>
図10に示す時刻t211〜時刻t212において、第2増幅動作が実行される。図14に示すように、第2増幅動作は第1実施形態の増幅動作(図6参照)と同様の動作により実現される。スイッチSD3,SDT,SDM,SDBがオフすることにより、オペアンプ11の反転入力端子および参照電圧とDAC容量Cdとが切断される。積分器10では、スイッチSF31がオフするとともにスイッチSF34がオンすることにより、第3帰還容量Cf3に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送されて、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅される。また、スイッチSD1,SD2がオンすることにより、第1減算動作および第2減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdに蓄積される。
なお、本実施形態では、第2増幅動作において、スイッチSQD2がオフするとともにスイッチSQCがオンすることにより、コンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtd2+/Vtd2−からVtc+/Vtc−に変更される。第2増幅動作以降の巡回動作においてもスイッチSQCはオンの状態を維持することから、コンパレータ21,22の閾値としてVtc+/Vtc−が選択された状態で維持される。
<巡回動作(Cyclic)>
時刻t212以降の巡回動作は、第1実施形態における時刻t111以降の巡回動作と同様であり、説明は省略する。
以上が本実施形態に係るA/D変換器110の具体的な動作である。これによれば、第1増幅動作の後に第2減算動作、すなわち最後の減算動作を実行することから、コンパレータ21,22の閾値としてVtd1+/Vtd1−より絶対値が大きいVtd2+/Vtd2−が選択された状態で量子化器20により量子化を実行するため、コンパレータ21,22のオフセットの影響を低減することができる。また、増幅動作を複数回に分けて実行する形態では、増幅動作を1回の動作で実行する形態に較べて、オペアンプ11の増幅に係る性能を緩和することができる。
本実施形態では、3サイクルの第1減算動作と第2減算動作との間に第1増幅動作を実行する例について説明したが、4サイクルの第1減算動作の後に第1増幅動作を実行し、その後、さらに第2減算動作を実行しても良い。
また、本実施形態では第1増幅動作と第2増幅動作の2回に分けて増幅を実行する例を示したが、増幅動作を3回以上に分けて増幅を実行する構成としても良い。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1実施形態におけるA/D変換器100と較べて巡回動作を2倍の速度で実行する構成について説明する。
まず、本実施形態におけるA/D変換器120について、第1実施形態におけるA/D変換器100との構成の差異を、図15を参照しながら説明する。
図15に示すように、本実施形態におけるA/D変換器120は、第1実施形態におけるA/D変換器100と較べてDACを1個多く備えている。具体的には、A/D変換器120は、DAC30に加えてDAC31を備えている。
なお、DAC30は、第1実施形態におけるDAC30と同一の構成であるが、図15においては、DAC容量をCd1と表記し、参照電圧を選択するスイッチをそれぞれSD1T、SD1M、SD1Bと表記し、オペアンプ11の反転入力端子とDAC容量Cd1とを接続するスイッチをSD13と表記し、DAC容量Cd1をAGNDに接続するスイッチをSD12と表記し、DAC30とオペアンプ11の出力端子とを接続するスイッチをSD11と表記する。
DAC31は、スイッチSD23を介してオペアンプ11の反転入力端子にDAC30と並列に接続されている。DAC31の構成はDAC30と同様であり、DAC容量Cd2には参照電圧Vrefp、Vm、VrefmがそれぞれスイッチSD2T、SD2M、SD2Bを介して接続されている。また、DAC容量Cd2は、スイッチSD21を介してオペアンプ11の出力端子に接続されている。さらに、DAC容量Cd2は、スイッチSD22を介してAGNDに接続されている。
なお、A/D変換器120からDAC31およびスイッチSD21、SD23、SD22を取り除くと、第1実施形態のA/D変換器100と同様の回路構成となる。
次に、図16に示すタイミングチャートおよび図17〜図19に示す結線図を参照して、A/D変換器120の具体的な動作について説明する。
図16に示すように、A/D変換器120は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図16ではS/Hと記載)と、減算動作(図16ではSubtractionと記載)と、増幅動作(図16ではAmp.と記載)と、巡回動作(図16ではCyclicと記載)とを実行する。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図16に示す時刻t300〜時刻t301において、入力信号Vinのサンプリングが実行される。本実施形態のサンプル/ホールド動作および減算動作においては、減算にDAC30のみを用いて、DAC31を用いないため、A/D変換器120の動作は第1実施形態のA/D変換器100の動作と同様である。また、サンプル/ホールド動作および減算動作においては、スイッチSD21とスイッチSD23はオフ状態であり、DAC31は実質的に動作していない。また、スイッチSD22およびスイッチSD2Mがオンにされ、DAC容量Cd2はリセットされた状態となる。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
図16に示す時刻t301〜時刻t302が、サンプル/ホールド動作に係るホールド期間であり、A/D変換器120の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
<減算動作(Subtraction)>
図16に示す時刻t302〜時刻t310において減算動作が実行される。減算動作に係るサンプル期間およびホールド期間のA/D変換器120の動作においても第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
減算動作におけるサンプル期間とホールド期間とを1期間ずつまとめて減算動作の1サイクルとすると、このサイクルが所定のサイクル数だけ繰り返される。本実施形態では、最初の1サイクルである時刻t302〜時刻t310の間に4サイクル繰り返される。一例として、図16に示す時刻t302〜時刻t303、時刻t304〜時刻t305、時刻t306〜時刻t307、および時刻t308〜時刻t309における量子化では、Qoutがそれぞれ1、1、1、0となる。図16に示した例では、第1実施形態の図1に示した例と較べて巡回動作によるA/D変換の分解能が3ビットに相当する分だけ高い。そのため、減算動作により得られるA/D変換結果の重み付けを第1実施形態の図1の例の16倍から128倍に高めてA/D変換結果Doutに反映する。これに伴い、Doutは量子化結果Qoutに基づいて順次128、256、384、384に変化し、減算動作の終了時点である時刻t310においてはDout=384となる。
<増幅動作(Amp.)>
図16に示す時刻t310〜時刻t311において、増幅動作が実行される。この増幅動作においてもスイッチSD21とスイッチSD23はオフであり、DAC31は積分器10と切断されていることから、実質的にA/D変換器120の動作に寄与しない。また、時刻t310において第1実施形態の増幅動作と同様に、コンパレータ21,22の閾値はそれぞれVtc+、Vtc−に変更される。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(a’)>
図16に示す時刻t311〜時刻t312が、本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間である。図17に示すように、スイッチSD21とスイッチSD23がオフされるため、実質的に第1実施形態における巡回動作に係るサンプル期間と同様の動作となる。すなわち、オペアンプ11から出力される減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cd1に蓄積される。すなわち、巡回動作における最初のサンプリングが実行される。また、出力電圧Voutとコンパレータ21,22の閾値の関係はVout<Vtc−であるから、量子化結果はQout=−1となりA/D変換結果はDout=320となる。
<巡回動作(Cyclic):ホールド期間(b)>
巡回動作に係る最初のサンプル期間の後、図16に示す時刻t312〜時刻t313にが、巡回動作に係る最初のホールド期間であり、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。また、本実施形態ではDAC31において巡回動作における2回目のサンプリングが同時に実行される。
時刻t311〜時刻t312における量子化結果Qoutが−1であることを受けて、図18に示すように、DAC30ではスイッチSD1Bがオンされる。また、スイッチSD12がオフするとともにスイッチSD13がオンすることにより、DAC30と積分器10とが電気的に接続される。これにより、DAC30の参照電圧とA/D変換の残差の差分に対応する電荷がDAC容量Cd1から第2帰還容量Cf2に転送され、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。また、Vtc−<Vout<Vtc+であるから、Qout=0およびDout=320が出力される。
また、時刻t311〜時刻t312においては、スイッチSD21およびスイッチSD22がオンする。これによりDAC31において、オペアンプ11の出力電圧Voutに対応する電荷がDAC容量Cd2に蓄積され、巡回動作によるA/D変換の残差のサンプリング、すなわち巡回動作における2回目のサンプリングが実行される。
時刻t314以降の巡回動作に係る2回目以降のホールド期間においては、最初のホールド期間と同様に図18に示すスイッチの接続の状態となるが、直前の動作において巡回動作によるA/D変換の残差がVoutとして出力されることから、減算動作によるA/D変換の残差ではなく、巡回動作によるA/D変換の残差が増幅される。
なお、上記したとおり本実施形態の巡回動作に係るホールド期間では、DAC容量Cd2によるサンプリングが実行されるが、表記の都合上、単にホールド期間と記載している。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(a)>
図16に示す時刻t313〜時刻t314において、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅およびDAC31を用いる減算と巡回動作における3回目のサンプリングが実行される。時刻t312〜時刻t313においてQout=0であるから、図19に示すように、DAC31の参照電圧としてVmが選択される。すなわち、スイッチSD2MがオンするとともにスイッチSD23がオンして、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC31を用いる減算が実行される。同時に、スイッチSD11およびスイッチSD12がオンして、オペアンプ11の出力電圧Voutに対応する電荷がDAC30のDAC容量Cd1に蓄積される。すなわち、巡回動作における3回目のサンプリングが実行される。
このように、時刻t311〜時刻t318の間の巡回動作においては、DAC容量Cd1とDAC容量Cd2とを交互に切り替えて用いる。これにより、第1実施形態のように単一のDAC容量を用いて巡回動作に係るサンプリングと増幅および減算を実行する形態に較べて、2倍の速度で巡回動作によるA/D変換を実行することができる。
本実施形態では、時刻t310〜時刻t318の間の巡回動作において、7回の量子化が実行される。これにより、A/D変換器120の最終的なA/D変換結果であるDout=333が出力される。
以上が本実施形態に係るA/D変換器120の具体的な動作である。これによれば、第1実施形態に較べて実質的に2倍の速度で巡回動作によるA/D変換を実行することができる。
なお、本実施形態では、減算動作で用いるD/A変換器と、巡回動作で用いる2個のD/A変換器のうちの一方とをまとめて1個のD/A変換器すなわちDAC30で実現しているが、減算動作で用いるD/A変換器および巡回動作で用いるD/A変換器を2個の別のD/A変換器でそれぞれ実現するように構成しても良い。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と較べて容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減することが可能な構成について説明する。
まず、本実施形態におけるA/D変換器130について、第1実施形態におけるA/D変換器100との構成の差異を、図20を参照しながら説明する。
図20に示すように、本実施形態におけるA/D変換器130は、DAC30に加えて第2帰還容量Cf2を用いてD/A変換器を構成可能にされている。
具体的には、第2帰還容量Cf2と第2フィードバックスイッチSF21との中間点に、スイッチSD2Tを介して参照電圧Vrefpに接続され、スイッチSD2Mを介して参照電圧Vmが接続され、スイッチSD2Bを介して参照電圧Vrefmが接続されている。
また、第2帰還容量Cf2はスイッチSF23を介してオペアンプ11の反転入力端子に接続されている。また、第2帰還容量Cf2とスイッチSF23との中間点は、スイッチSF22を介してAGNDに接続されている。
なお、積分器10に接続されるDAC30は、第1実施形態におけるDAC30と構成は同一であるが、図20における符号は、参照電圧を選択するスイッチをそれぞれSD1T、SD1M、SD1Bと表記し、DAC30とオペアンプ11の反転入力端子とを接続するスイッチをSD13と表記し、DAC容量CdをAGNDに接続するスイッチをSD12と表記し、DAC30とオペアンプ11の出力端子とを接続するスイッチをSD11と表記する。
次に、図21に示すタイミングチャートおよび図22〜図24に示す結線図を参照して、A/D変換器130の具体的な動作について説明する。
図21に示すように、A/D変換器130は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図21ではS/Hと記載)と、減算動作(図21ではSubtractionと記載)と、増幅動作(図21ではAmp.と記載)と、誤差キャンセル動作(図21ではCancelと記載)と、巡回動作(図21ではCyclicと記載)とを実行する。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図21に示す時刻t400〜時刻t401がサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間である。スイッチSF14、SD2T、SD2M、SD2B、SF22がオフして、スイッチSF12、SF13、SF23がオンすることにより入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2に蓄積される。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
時刻t401〜時刻t402がサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。サンプル/ホールド動作においては、積分器10の第2帰還容量Cf2はD/A変換器としては機能しないことから、A/D変換器130の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
<減算動作(Subtraction)>
時刻t402〜時刻t410において、減算動作が実行される。減算動作においてもA/D変換器130の動作は第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
<増幅動作(Amp.)>
時刻t410〜時刻t411において、増幅動作が実行される。増幅動作においてもA/D変換器130の動作は、第1実施形態におけるA/D変換器100の動作と同様である。
<誤差キャンセル動作(Cancel)>
本実施形態におけるA/D変換器130は、増幅動作の後の時刻t411〜時刻t412において、誤差キャンセル動作を実行する。誤差キャンセル動作は、製造ばらつき等に起因するDAC容量Cdの容量値と第2帰還容量Cf2の容量値の比の誤差によって発生するVoutの誤差を低減する動作である。
具体的には、図21および図22に示すように、スイッチSF21をオフするとともにスイッチSD2Mをオンする。また、スイッチSD12をオフするとともにスイッチSD13をオンする。スイッチSD2Mをオンすることにより、参照電圧VmすなわちAGNDが第2帰還容量Cf2の一端に入力されるため、第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷すなわち減算動作によるA/D変換の残差がDAC容量Cdに転送される。これにより、第2帰還容量Cf2に代わってDAC容量Cdがオペアンプ11の帰還容量として作用した状態でA/D変換の残差がVoutとして出力される。
減算動作における減算および減算動作によるA/D変換の残差のVoutとしての出力の両方を、実質的にDAC容量Cdのみを用いて実行できることから、誤差キャンセル動作を実行後のVoutはDAC容量Cdの容量値と第2帰還容量Cf2の容量値の比の誤差の影響を受けない。そのため、本実施形態では第1実施形態と較べて容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減できる。
なお、第1実施形態のように誤差キャンセル動作を実行しない形態では、VoutはDAC容量Cdの容量値と第2帰還容量Cf2の容量値の比の誤差の影響を受けるため、例えば、DAC容量Cdの容量値が理想値より小さく第2帰還容量Cf2の容量値が理想値と等しい場合、DAC容量Cdにより減算される電荷の量が理想的な電荷の量より小さくなるため、Voutには誤差が発生する。すなわち、減算動作によるA/D変換の残差に誤差が発生することから、その誤差を含む残差をA/D変換する巡回動作によるA/D変換の結果にも誤差が含まれるため、A/D変換器全体のA/D変換結果Doutにも誤差が生じることになる。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(sample)>
図21に示す時刻t412〜時刻t419に実行される巡回動作においては、誤差キャンセル動作から引き続きスイッチSD11およびスイッチSD13がオンし、スイッチSD12がオフする。これにより、DAC30のDAC容量Cdは、オペアンプ11の出力端子と反転入力端子との間に接続され、オペアンプ11の帰還容量として作用する。
時刻t412〜時刻t413の巡回動作に係るサンプル期間においては、図23に示すようにスイッチSD2M、スイッチSF23がオフするとともにスイッチSF21、スイッチSF22がオンすることにより、A/D変換の残差に対応する電荷が第2帰還容量Cf2に蓄積される。このとき、図21に示すように、出力電圧と閾値の関係はVout<Vtc−であるから、量子化器20からQout=−1が出力される。
<巡回動作(Cyclic):ホールド期間(hold)>
第1実施形態の巡回動作においては、DAC30を用いて減算が実行されるが、本実施形態の巡回動作においては、第2帰還容量Cf2をD/A変換器として用いて減算が実行される。
図21に示す時刻t413〜時刻t414の巡回動作に係るホールド期間においては、Qout=−1であり、図24に示すようにスイッチSD2Bがオンする。また、スイッチSF21,SF22がオフするとともにスイッチSF23がオンすることにより、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅と第2帰還容量Cf2を用いる減算が実行される。
上記した巡回動作に係るサンプル期間とホールド期間とをまとめて巡回動作の1サイクルとすると、このサイクルが所定のサイクル数だけ繰り返される。本実施形態では、時刻t412〜時刻419の間に、巡回動作のサイクルが4サイクル繰り返される。なお、図21の例では、巡回動作の最後の1サイクルは、次のサイクルが存在しないことから、増幅と減算が不要であるため、ホールド期間を省略してある。
以上が本実施形態に係るA/D変換器130の具体的な動作である。これによれば、減算動作と巡回動作との間に、誤差キャンセル動作が実行される。そのため、容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減できる。
(第5実施形態)
第4実施形態においては、巡回動作においてDAC容量Cdをオペアンプ11の帰還容量として用い、かつ、積分器10の第2帰還容量Cf2をDAC容量として用いることにより、誤差キャンセル動作ならびに巡回動作を実現する例について説明した。本実施形態では、巡回動作において第2帰還容量Cf2をDAC容量として用いずに、第1実施形態と同様にDAC30を用いてD/A変換を実行しつつ、誤差キャンセル動作を実現する構成について説明する。
まず、本実施形態におけるA/D変換器140について、第1実施形態におけるA/D変換器100との構成の差異を、図25を参照しながら説明する。
本実施形態におけるA/D変換器140は、第1実施形態におけるA/D変換器100と較べて積分器10の構成が異なる。具体的には、図25に示すように、第2帰還容量Cf2と第2フィードバックスイッチSF21との中間点がスイッチSF24を介してAGNDに接続され、第2帰還容量Cf2とオペアンプ11の反転入力端子がスイッチSF23を介して接続され、さらに、第2帰還容量Cf2とスイッチSF23との中間点がスイッチSF22を介してAGNDに接続されている。A/D変換器140は、スイッチSF23がオン、スイッチSF22がオフの状態であれば第1実施形態と実質的に同様の回路構成となる。
次に、図26に示すタイミングチャートおよび図27〜図29に示す結線図を参照して、A/D変換器140の具体的な動作について説明する。
図26に示すように、A/D変換器140は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図26ではS/Hと記載)と、減算動作(図26ではSubtractionと記載)と、増幅動作(図26ではAmp.と記載)と、誤差キャンセル動作(図26ではCancelと記載)と、巡回動作(図26ではCyclicと記載)とを実行する。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H)>
図26に示す時刻t500〜時刻t502において、入力信号Vinをサンプリングした上でホールドするサンプル/ホールド動作が実行される。サンプル/ホールド動作では、スイッチSF23がオン、スイッチSF22,SF24がオフの状態となるため、A/D変換器140の動作は第1実施形態のA/D変換器100と実質的に同様である。
<減算動作(Subtraction)>
時刻t502〜時刻t510において減算動作が実行される。減算動作においてもA/D変換器140の動作は、第1実施形態のA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
<増幅動作(Amp.)>
時刻t510〜時刻t511において、増幅動作が実行される。増幅動作においてもA/D変換器140の動作は、第1実施形態のA/D変換器100の動作と実質的に同様である。
<誤差キャンセル動作(Cancel)>
本実施形態におけるA/D変換器140は、増幅動作の後の時刻t511〜時刻t512において、誤差キャンセル動作を実行する。本実施形態では、図27に示すように、スイッチSF21,SF24,SD2をオフするとともに、スイッチSD1およびSD3をオンする。スイッチSF24をオンすることにより第2帰還容量Cf2の一端がAGNDに接続されるため、第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷すなわち減算動作によるA/D変換の残差がDAC容量Cdに転送される。これにより、第2帰還容量Cf2に代わってDAC容量Cdがオペアンプ11の帰還容量として作用した状態でA/D変換の残差がVoutとして出力される。
本実施形態では、第4実施形態と同様に誤差キャンセル動作を実行後のVoutはDAC容量Cdの容量値と第2帰還容量Cf2の容量値の間の比の誤差の影響を受けない。そのため、本実施形態では第1実施形態と較べて容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減できる。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(a’)>
図26に示す時刻t512〜時刻t513が、本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間である。図28に示すように、スイッチSF23、スイッチSF22がオンするとともに、スイッチSF21、スイッチSF24がオフする。これにより、第2帰還容量Cf2に減算動作によるA/D変換の残差に対応する電荷が蓄積される。本実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間は、第4実施形態の巡回動作に係る最初のサンプル期間と較べて、第2帰還容量Cf2に接続されるスイッチの構成に違いがあるものの、実質的に同様の動作となる。
<巡回動作(Cyclic):ホールド期間(b)>
巡回動作に係る最初のサンプル期間の後の時刻t513〜時刻t514が巡回動作に係る最初のホールド期間であり、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。図26および図29に示すように、巡回動作に係る最初のサンプル期間から最初のホールド期間への移行の過程で、スイッチSF23がオン、スイッチSF22およびスイッチSF24がオフとなるため、第2帰還容量はオペアンプ11の帰還容量として作用する。
また、スイッチSD1がオフとなることから、時刻t511〜時刻t513の間にオペアンプ11の帰還容量として作用していたDAC容量Cdは、その帰還容量としての作用を終了する。さらに、量子化結果Qoutが−1であることを受けて、DAC30ではスイッチSDBがオンする。これにより、DAC容量Cdから第2帰還容量Cf2に電荷が転送されて、減算動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が実行される。
時刻t515以降における巡回動作に係る2回目以降のホールド期間においては、巡回動作によるA/D変換の残差の増幅とDAC30を用いる減算が同時に実行される。なお、時刻t513以降の巡回動作では、スイッチSF23はオンであり、スイッチSF22およびスイッチSF24はオフであるため、A/D変換器140の動作は第1実施形態のA/D変換器100の動作と実質的に同様となる。
<巡回動作(Cyclic):サンプル期間(a)>
巡回動作に係る最初のホールド期間から2回目のサンプル期間への移行は、第1実施形態における巡回動作に係るホールド期間からサンプル期間への移行と同様のスイッチの切り替えによって実現される。すなわち、スイッチSD3がオフするとともにスイッチSD1およびスイッチSD2がオンする。オペアンプ11の出力端子は、スイッチSD1を介してDAC30と接続され、巡回動作によるA/D変換の残差に対応する電荷がDAC容量Cdにサンプリングされる。また、第2帰還容量Cf2は積分器10における帰還容量として作用する。
以降、巡回動作に係るホールド期間の動作と2回目のサンプル期間の動作と同様の動作とを交互に繰り返して第1実施形態と同様の巡回動作が実行される。
以上が本実施形態におけるA/D変換器140の具体的な動作である。これによれば、減算動作と巡回動作との間に、誤差キャンセル動作が実行される。そのため、容量素子の容量値の誤差がA/D変換結果の線形性に与える影響を低減できる。また、本実施形態におけるA/D変換器140では、第4実施形態におけるA/D変換器130のように、第2帰還容量Cf2をDAC容量として用いるためのスイッチを追加することなく、誤差キャンセル動作を実現できることから、回路規模を小さくすることができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第2実施形態として記載した増幅動作を複数回に分けて実行する構成と、第3実施形態として記載した巡回動作によるA/D変換の速度を2倍にする構成と、を組み合わせた構成について説明する。また、本実施形態では、減算動作において5レベルのDACを用いて減算を実行する構成についても説明する。
本実施形態におけるA/D変換器150について、増幅動作を複数回に分けて実行するA/D変換器110(第2実施形態、図9参照)、および、巡回動作によるA/D変換の速度を2倍にするA/D変換器120(第3実施形態、図15参照)を基に、図30を参照しながら説明する。
図30に示すように、本実施形態におけるA/D変換器150は、増幅動作を2回に分けて実行するために、積分器10に第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3を有している。積分器10の回路構成は第2実施形態におけるA/D変換器110と同様である。具体的には、オペアンプ11の出力端子と反転入力端子との間に、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2、および第3帰還容量Cf3が、互いに並列に接続されている。帰還容量Cf1〜Cf3には、サンプリング用のスイッチSS11,SS21,SS31を介して、それぞれ入力信号Vinが接続されている。
加えて、A/D変換器150は、巡回動作によるA/D変換を第1実施形態と較べて2倍に高速化するために、2個のD/A変換器すなわちDAC30,DAC31を有している。DAC30およびDAC31それぞれの構成ならびに積分器10との接続のされ方は、第3実施形態と同様である。すなわち、DAC30は第1DAC容量Cd1の一端がスイッチSD13を介してオペアンプ11の反転入力端子に接続されるとともに、第1DAC容量Cd1の他端がスイッチSD11を介してオペアンプ11の出力端子に接続される。DAC31も同様に、第2DAC容量Cd2の一端がスイッチSD23を介してオペアンプ11の反転入力端子に接続されるとともに、第2DAC容量Cd2の他端がスイッチSD21を介してオペアンプ11の出力端子に接続される。
また、本実施形態では、量子化器20におけるコンパレータ21,22の閾値は、それぞれ5段階に選択可能であり、Vtd1+=Vref/32、Vtd1−=−Vref/32、Vtd2+=3Vref/32、Vtd2−=−3Vref/32、Vtd3+=Vref/8、Vtd3−=−Vref/8、Vtd4+=3Vref/8、Vtd3−=−3Vref/8、Vtc+=Vref/4、Vtc−=−Vref/4、である。スイッチSQD1がオンする時にはVtd1+およびVtd1−が閾値として選択され、スイッチSQD2がオンする時にはVtd2+およびVtd2−が選択され、スイッチSQD3がオンする時にはVtd3+およびVtd3−が選択され、スイッチSQD4がオンする時にはVtd4+およびVtd4−が選択され、スイッチSQCがオンするときにはVtc+およびVtc−が選択される。
選択可能な閾値の段階数を除き、例えばスイッチSD21およびスイッチSD23がオフすることによりDAC31が積分器10と電気的に切断されている場合には、本実施形態のA/D変換器150の動作は第2実施形態におけるA/D変換器110の動作と同様である。また、例えばスイッチSF31およびスイッチSF33がオフすることにより第3帰還容量Cf3が積分器10と電気的に切断されている場合には、A/D変換器150の動作は第3実施形態におけるA/D変換器120の動作と同様である。
また、本実施形態におけるA/D変換器150は、減算動作においては巡回動作と較べてサンプル期間とホールド期間の切り替わりの周期を半分に設定可能になっている。
次に、図31、図32に示すタイミングチャートおよび図33〜図43に示す結線図を参照して、A/D変換器150の具体的な動作について説明する。
図31、図32に示すように、A/D変換器150は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図31、図32ではS/Hと記載)と、第1減算動作(図31、図32では1st Subtractionと記載)と、第1増幅動作(図31、図32では1st Amp.と記載)と、第2減算動作(図31、図32では2nd Sub.と記載)と、誤差キャンセル動作(図31、図32ではCancelと記載)と、第2増幅動作(図31、図32では2nd Amp.と記載)と、巡回動作(図31、図32ではCyclicと記載)とを実行する。なお、図31、図32に示すタイミングチャートは各々時間軸が共通であり、A/D変換器150の各部の動作を2つの図面に分けて記載している。図31には、特に積分器10に係る各スイッチの動作状態を示し、図32には、特にDAC30,31および量子化器20に係る各スイッチの動作状態を示す。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図31、図32に示す時刻t601〜時刻t602が、入力信号Vinをサンプリングするサンプル期間である。図33に示すように、フィードバックスイッチSF11,SF21,SF31がオフして、スイッチSS11,SS21,SS31がオンすることにより、第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3のそれぞれに入力信号Vinに対応する電荷がサンプリングされる。
図33に示すように、スイッチSD21およびスイッチSD23がオフすることにより、DAC31が積分器10から電気的に切断されるため、本実施形態のサンプル期間の動作は、第2実施形態のサンプル期間の動作と実質的に同様となる。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
図31、図32に示す時刻t602〜時刻t603がサンプル/ホールド動作に係るホールド期間である。図34に示すように、スイッチSS11,SS21,SS31,SF12がオフして、スイッチSF11,SF21,SF31がオンする。これにより、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に保持される。
なお、サンプル/ホールド動作においては、図32に示すようにSQD1がオンであり、コンパレータ21,22の閾値はそれぞれVtd1+,Vtd1−である。
<第1減算動作(1st Subtraction):サンプル期間(s)>
図31、図32に示す時刻t603〜時刻t607に、第1減算動作が実行される。
本実施形態における第1減算動作では、直前の期間のVoutとコンパレータ21,22の閾値との関係に基づいて量子化結果を決定する。すなわち、時刻t603〜時刻t604における最初の第1減算動作に係るサンプル期間では、時刻t602〜t603のVoutと閾値の関係から量子化結果をQout=1とする。同様に、時刻t605〜時刻t606における2回目の第1減算動作に係るサンプル期間では、時刻t604〜時刻t605のVoutと閾値の関係から量子化結果Qout=1を得る。以降の第1減算動作に係るサンプル期間およびホールド期間においても同様である。時刻t603〜時刻t604においてQout=1であることから、図35に示すようにスイッチSD1Bがオンする。また、スイッチSD13がオフでありスイッチSD12がオンであることから、第1DAC容量Cd1にはDAC30のDAC電圧に対応する電荷が蓄積される。
なお、第1減算動作に係るサンプル期間においては、図32に示すようにSQD2がオンであり、コンパレータ21,22の閾値はそれぞれVtd2+,Vtd2−である。
<第1減算動作(1st Subtraction):ホールド期間(h)>
本実施形態における第1減算動作に係るホールド期間においても、直前の期間すなわち第1減算動作に係るサンプル期間のVoutと閾値との関係に基づいて量子化結果を決定する。例えば、時刻t604〜時刻t605における第1減算動作に係る最初のサンプル期間では、時刻t603〜t604のVoutと閾値の関係から量子化結果をQout=1と決定する。以降の第1減算動作に係るホールド期間においても同様である。
時刻t604〜時刻t605においてQout=1であることから、図36に示すように、スイッチSD1BをオフするとともにスイッチSD1Tをオンする。さらに、スイッチSD12をオフするとともにスイッチSD13をオンすることにより、時刻t603〜時刻t604の第1減算動作に係るサンプル期間におけるDAC30のDAC電圧から、時刻t604〜時刻t605の第1減算動作に係るホールド期間におけるDAC30のDAC電圧を減算した結果であるVrefm−Vrefpに対応する電荷が帰還容量Cf1〜Cf3に転送される。本実施形態の第1減算動作においては、DAC30において時刻t603〜時刻t605のサンプル期間とホールド期間とでそれぞれDAC電圧を選択することから、DAC30は5レベルのD/A変換器として機能し、ホールド期間もしくはサンプル期間でのみDAC電圧を選択する3レベルのD/A変換器を用いる形態と較べて分解能を高めることが可能である。
なお、第1減算動作に係るホールド期間においてはSQD1がオンであり、コンパレータ21,22の閾値はそれぞれVtd1+/Vtd1−である。
本実施形態における減算動作では、サンプル期間およびホールド期間のそれぞれにおいて量子化を実行することから減算動作の1サイクルあたりに得られるA/D変換の階調数を第1〜第5実施形態と較べて実質的に2倍にできる。そのため、同じ階調数を得るために必要な減算動作のサイクル数を1/2にするか、もしくは、同じサイクル数で得られるA/D変換の階調数を2倍にすることができる。また、減算動作においては減算を実行する度に減算の実行に伴い発生するノイズの影響が積分器10に蓄積されることから、減算動作のサイクル数を低減することにより、A/D変換結果にノイズが与える影響を低減できる。
加えて、第1〜第5実施形態においては、減算動作に係るサンプル期間におけるDAC電圧は量子化結果によらず常にVmであることから、減算動作に係るサンプル期間におけるDAC電圧とホールド期間におけるDAC電圧の差は最大でVrefp−Vm(=Vm−Vrefm)となる。本実施形態では第1減算動作に係るサンプル期間とホールド期間のDAC電圧の差が最大でVrefp−Vrefmであり、第1〜第5実施形態と較べて減算動作に係るサンプル期間とホールド期間のDAC電圧の差の最大値を2倍に大きくすることができる。すなわち、第1〜第5実施形態と較べて半分の容量値のDAC容量Cd1を用いて減算できる電荷の最大値を同等にできる。DAC容量Cd1の容量値を小さくすることにより、減算動作において発生するノイズの影響を低減できることから、A/D変換結果にノイズが与える影響を低減できる。
<第1増幅動作(1st Amp.)>
第1減算動作を実行した後に、図31、図32に示す時刻t607〜時刻t608において、第1減算動作によるA/D変換の残差を増幅する第1増幅動作が実行される。第1増幅動作では、図37に示すように、スイッチSD13がオフすることにより積分器10とDAC30が電気的に切断される。また、スイッチSD12およびSD1MがオンすることによりDAC容量Cdがリセットされる。
積分器10においては、スイッチSF11がオフするとともにスイッチSF14がオンする。これにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が、第2帰還容量Cf2および第3帰還容量Cf3に転送され、オペアンプ11の出力電圧Voutが増幅される。
また、量子化器20では、スイッチSQD3がオンすることにより、コンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtd3+/Vtd3−となる。
<第2減算動作(2nd subtraction):サンプル期間(s’)>
第1増幅動作の後の時刻t608〜時刻t609が、第2減算動作に係るサンプル期間である。第1増幅動作が終了した時点で、第1帰還容量Cf1からの電荷の転送が完了しているため、図38に示すようにスイッチSF13をオフして、オペアンプ11の反転入力端子と第1帰還容量Cf1を電気的に切断する。さらに、スイッチSF12をオンして第1帰還容量Cf1の両端をAGNDに接続することにより、第1帰還容量Cf1をリセットする。第2減算動作は、第1帰還容量Cf1がオペアンプ11から切り離されていることと、コンパレータ21,22の閾値が異なることを除いて、第1減算動作と同様の動作となる。
第2減算動作においても第1減算動作と同様に直前の期間のオペアンプ11の出力電圧Voutとコンパレータ21,22の閾値の関係から量子化結果Qoutを決定する。時刻t607〜時刻t608の第1増幅動作において、Vtd3−<Vout<Vtd3+であることから量子化結果はQout=0となり、図38に示すようにDAC30においてSD1Mがオンする。また、スイッチSD12がオン、スイッチSD13がオフすることにより、第1DAC容量Cd1にはDAC30のDAC電圧に対応する電荷が蓄積される。なお、図38の例におけるDAC30の状態は実質的に図37に示す第1増幅動作のDAC30の状態から変化していないが、これは第1増幅動作における量子化結果がQout=0であるためであり、仮にQout=1であればスイッチSD1Bがオンし、Qout=−1であればスイッチSD1Tがオンする。また、第2減算動作におけるDAC30の動作は、第1減算動作におけるDAC30の動作と同様である。
<第2減算動作(Subtraction):ホールド期間(h’)>
図31および図32に示す時刻t609〜時刻t610が、第2減算動作に係るホールド期間である。第2減算動作に係るホールド期間においては、図39に示すように、スイッチSD12がオフするとともにスイッチSD13がオンすることにより、帰還容量Cf2およびCf3に蓄積された電荷からDAC30を用いる減算が実行される。
また、第2減算動作においては、スイッチSQD4がオフするとともに、スイッチSQCがオンすることにより、コンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtd4+/Vtd4−からVtc+/Vtc−に変更される。以降、後述する第2増幅動作および巡回動作の間はスイッチSQCがオンの状態で維持され、閾値としてVtc+/Vtc−が選択された状態で維持される。
<第2増幅動作(2nd Amp.)>
時刻t610〜時刻t611において、第1減算動作および第2減算動作によるA/D変換の残差を増幅する第2増幅動作を実行する。図40に示すように、積分器10ではスイッチSF31がオフするとともにスイッチSF34がオンする。これにより、第2帰還容量Cf2に蓄積された電荷が第3帰還容量Cf3に転送されて、出力電圧Voutが増幅される。また、スイッチSD13がオフすることにより、DAC30が積分器10から電気的に切断される。
<巡回動作(Cyclic)>
時刻t611以降の巡回動作は、第3実施形態における巡回動作と同様であり、動作の詳細な説明は省略する。
以上が本実施形態に係るA/D変換器150の具体的な動作である。これによれば、第1減算動作および第2減算動作において、DAC30が5レベルのD/A変換器として動作することから、第1減算動作および第2減算動作によるA/D変換において1サイクルあたりに得られる階調数を、第1および第3〜第5実施形態における減算動作ならびに第2実施形態における第1減算動作および第2減算動作と較べて実質的に2倍にすることができる。そのため、減算動作によるA/D変換に必要なサイクル数を1/2に低減するか、もしくは、同じサイクル数であれば減算動作によるA/D変換の分解能を2倍に高めることができる。
また、本実施形態の第1減算動作および第2減算動作においては、オペアンプ11のフィードバックファクタが巡回動作と較べて大きいことから、第1減算動作および第2減算動作のサンプル期間およびホールド期間の周期を、巡回動作に係るサンプル期間およびホールド期間の周期の1/2に短縮している。これにより、第1減算動作および第2減算動作を実行するために必要な時間を1/2に短縮できることから、A/D変換器150によるA/D変換に必要な時間を短縮できる。
さらに、本実施形態のA/D変換器150は、第2実施形態と同様に第1増幅動作の後に第2減算動作、すなわち最後の減算動作を実行することから、増幅動作を1回のみ実行する実施形態に較べて、コンパレータ21,22のオフセットの影響を低減することができる。また、増幅動作を複数回に分けて実行する形態では、増幅動作を1回の動作で実行する形態に較べて、オペアンプ11の増幅に係る要求性能を緩和することができる。
さらに、本実施形態のA/D変換器150は、第3実施形態と同様に巡回動作において2個のDACを交互に切り替えて用いることから、巡回動作に単一のDACを用いる他の実施形態と較べて、2倍の速度で巡回動作によるA/D変換を実行することができる。
なお、本実施形態ではSQD1をオンして量子化を実行した結果にもとづきサンプル期間にDAC30を制御し、SQD2をオンして量子化を実行した結果にもとづきホールド期間にDAC30を制御する構成について説明したが、SQD1がオンする期間とSQD2がオンする期間を逆転してDAC30を制御し、5レベルのD/A変換を実現してもよい。また同様に、SQD3とSQD4がオンする期間を逆転してもよい。また、量子化器20を4個のコンパレータで構成することにより、1回の量子化の結果にもとづき、サンプル期間とホールド期間にDAC30を制御して、5レベルのD/A変換を実現してもよい。
(その他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、ひとつの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、さらに請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
上記した各実施形態では、第1帰還容量Cf1および第2帰還容量Cf2の両方、あるいは第3帰還容量Cf3も含むすべての帰還容量を用いて入力信号Vinをサンプリングする構成について記載したが、複数の帰還容量のうちの一部のみを用いてサンプリングするように構成することも可能である。例えば、2個の帰還容量を有する構成において、1個の帰還容量のみを用いてサンプリングする構成について、以下に説明する。
図44に示すA/D変換器160は、第1実施形態におけるA/D変換器100と較べて、A/D変換器100が有する第2フィードバックスイッチSF21と第2帰還容量Cf2との中間点に入力信号Vinを入力するためのスイッチSS21を有さない。加えて、A/D変換器160は、第1実施形態のA/D変換器100が有さないスイッチSF22,SF23,SF24を有する。スイッチSF22,SF23,SF24は帰還容量Cf2に接続されており、スイッチSF23がオン、スイッチSF22,SF24がオフの状態の場合に、A/D変換器160は、第1実施形態のA/D変換器100においてサンプリング用のスイッチSS21をオフした状態と実質的に同様の回路構成となる。
以下、図45のタイミングチャートおよび図46〜図49の結線図を参照して、A/D変換器160の動作について説明する。
図45に示すように、A/D変換器160は、入力信号VinのA/D変換に係り、サンプル/ホールド動作(図45ではS/Hと記載)と、減算動作(図45ではSubtractionと記載)と、増幅動作(図45ではAmp.と記載)と、巡回動作(図45ではCyclicと記載)とを実行する。
以下、各動作をそれぞれ説明する。
<サンプル/ホールド動作(S/H):サンプル期間(sample)>
図45に示す時刻t700〜時刻t701において、図46に示すようにスイッチSS11がオンすることにより、入力信号Vinに対応する電荷が第1帰還容量Cf1に蓄積される。すなわち、本実施形態におけるサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間においては、第1帰還容量Cf1のみに入力信号Vinがサンプリングされる。
なお、スイッチSF21およびSF23がオフするとともに、スイッチSF22およびSF24がオンすることにより、第2帰還容量Cf2はオペアンプ11から電気的に切断されるとともにリセットされた状態になる。以降、後述するサンプル/ホールド動作に係るホールド期間および減算動作においても第2帰還容量Cf2は同様の状態を維持する。また、スイッチSD1,SD3,SDT,SDBがオフするとともに、スイッチSDMおよびスイッチSD2がオンすることにより、DAC容量Cdはリセットされた状態になる。
<サンプル/ホールド動作(S/H):ホールド期間(hold)>
図47に示すように、スイッチSF12およびスイッチSS11がオフするとともに、スイッチSF11がオンすることにより、入力信号Vinに対応する出力電圧Voutが出力され、その状態が保持される。
<減算動作(Subtraction)>
減算動作は他の実施形態と同様にサンプル期間とホールド期間を有する。減算動作に係るサンプル期間のスイッチの接続の状態は、図47に示すサンプル/ホールド動作に係るホールド期間と同様となる。図48に減算動作に係るホールド期間のスイッチの接続の状態を示す。第1実施形態と同様に、減算動作においてはDAC30を用いて量子化結果Qoutに基づく減算が繰り返し実行される。
<増幅動作(Amp.)>
図49に示す時刻t710〜712において、増幅動作が実行される。スイッチSF22およびSF24がオフするとともに、スイッチSF21およびスイッチSF23がオンすることにより、第1帰還容量Cf1に蓄積された電荷が第2帰還容量Cf2に転送されて出力電圧Voutが増幅される。なお、時刻t710において、コンパレータ21,22の閾値がそれぞれVtc+、Vtc−に変更される。
<巡回動作(Cyclic)>
時刻t712〜719において、巡回動作によるA/D変換が実行される。巡回動作においては、増幅動作と同様にスイッチSF22およびSF24がオフするとともに、スイッチSF21およびスイッチSF23がオンした状態で維持され、その回路構成は第1実施形態の巡回動作と実質的に同様となる。
このように、入力信号Vinのサンプリングを複数の帰還容量を用いて実行することは必須な要件ではなく、複数の帰還容量を有する構成においても単一の帰還容量のみを用いて入力信号Vinのサンプリングを実行することもできる。また、複数の帰還容量を用いてサンプリングを実行する構成においても、サンプリングに使用しない帰還容量を有してもよい。
また、上記した各実施形態の増幅動作において、減算動作および巡回動作に係るサンプル期間およびホールド期間と較べて長い動作時間を確保することにより、オペアンプやスイッチに対する要求性能を緩和してもよい。また、同様にサンプル/ホールド動作に係るサンプル期間およびホールド期間を、減算動作および巡回動作に係るサンプル期間およびホールド期間と較べて長い動作時間を確保することにより、オペアンプやスイッチに対する要求性能を緩和してもよい。
また、上記した各実施形態においては、説明を簡潔にするためシングルエンドの回路構成を例にして説明したが、差動の回路構成を用いてA/D変換器100〜160を構成しても良い。
また、上記した各実施形態においては、1.5ビットの量子化器を用いる構成を例にして説明したが、1ビットの量子化器や2ビット以上の量子化器を採用することができる。また、D/A変換器の構成も量子化器の構成に応じて適宜変更すればよい。
また、上記した各実施形態において示した量子化結果QoutおよびA/D変換結果Doutは説明に用いるための一例であり、入力信号Vinの大きさに応じて異なる値となる。
10…積分器,11…オペアンプ,20…量子化器,21,22…コンパレータ,30…D/A変換器(DAC),40…ロジック回路

Claims (8)

  1. オペアンプ(11)と、該オペアンプの第1入力端子と出力端子との間において互いに並列に挿入された第1帰還容量(Cf1)および第2帰還容量(Cf2)と、を有する積分器(10)と、
    前記オペアンプにおける出力端子から出力される出力信号(Vout)を量子化した量子化結果(Qout)を出力する量子化器(20)と、
    前記オペアンプにおける前記第1入力端子に接続されるDAC容量(Cd,Cd1,Cd2)を有するDAC(30,31)と、を備え、
    前記積分器は、
    前記第1帰還容量と前記オペアンプにおける出力端子との間に介在する第1フィードバックスイッチ(SF11)と、前記第2帰還容量と前記オペアンプの出力端子との間に介在する第2フィードバックスイッチ(SF21)と、を有し、
    入力信号(Vin)は、
    前記第1帰還容量と前記第1フィードバックスイッチとの間、および、前記第2帰還容量と前記第2フィードバックスイッチとの間の少なくとも一方に入力され、
    前記DAC容量は、前記オペアンプにおける第1入力端子と接続された側の端子と反対側の端子が前記オペアンプの出力端子に接続され、
    前記DACが前記第1帰還容量および前記第2帰還容量に蓄積された電荷から前記量子化結果に基づいて電荷を繰り返し減算することにより、前記入力信号をA/D変換するとともに、該A/D変換の残差を前記オペアンプの出力信号として出力する減算動作を実行するとともに、
    前記減算動作の後に、前記第1帰還容量に蓄積された電荷を前記第2帰還容量に転送することにより、前記減算動作におけるA/D変換の残差を増幅する増幅動作を実行し、
    前記増幅動作により増幅された前記減算動作におけるA/D変換の残差に対して前記量子化結果に基づいた減算および増幅を順次繰り返すことにより、前記減算動作におけるA/D変換の残差をA/D変換する巡回動作を実行し、
    前記減算動作におけるA/D変換の結果に前記巡回動作におけるA/D変換の結果を加えることにより、前記入力信号のA/D変換を実行するA/D変換器。
  2. 前記第1帰還容量および前記第2帰還容量に加えて第3帰還容量(Cf3)を備え、前記第1帰還容量および前記第3帰還容量に蓄積された電荷を順次前記第2帰還容量に転送することにより、増幅動作を複数回実行する請求項1に記載のA/D変換器。
  3. 前記DACは、前記オペアンプの第1入力端子に対して並列に接続された第1DAC(30)と第2DAC(31)とを有し、前記第1DACと前記第2DACとを交互に用いることにより前記巡回動作を実行する請求項1または請求項2に記載のA/D変換器。
  4. 前記減算動作の後、前記巡回動作に移行する前に、第2帰還容量に蓄積された電荷を前記DAC容量に転送する誤差キャンセル動作を実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  5. 前記増幅動作が動作する周期は、前記減算動作および前記巡回動作が動作する周期に比べて長い請求項1〜4のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  6. 前記減算動作が動作する周期は、前記巡回動作が動作する周期に比べて短い請求項1〜5のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  7. 前記減算動作においては前記DACを5レベルのD/A変換器として用いる請求項1〜6のいずれか1項に記載のA/D変換器。
  8. 前記巡回動作において前記DACを3レベルのD/A変換器として用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載のA/D変換器。
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