以下に説明する本開示では、モード1に係る保守作業管理装置及びその変形モードを適宜選択して組み合わせることができる。
前記モード1に係る保守作業管理装置として、複数の作業項目を含む計画情報を取得する第1処理部と、作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得する第2処理部と、前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定する第3処理部と、前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成する第4処理部と、所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力する第5処理部と、
を備える、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、前記通知時刻が、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に係る前記作業完了予定時刻よりも遅延している場合に前記作業進捗一覧表における前記通知時刻をマークアップする第6処理部と、前記通知時刻をマークアップした前記作業進捗一覧表を第2端末に送信する第7処理部と、をさらに備える、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、前記第2端末からの、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記通知時刻に関する作業メモを受信する第8処理部と、受信した前記作業メモを、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記通知時刻に係る前記作業者識別情報に関連付ける第9処理部と、をさらに備える、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、作業者名とスキルレベルとを関連付けたスキルレベル一覧表を記憶する記憶部をさらに備え、前記第3処理部は、前記スキルレベル一覧表を参照して、前記所定の作業者に対応する前記作業者名に係るスキルレベルが高くなるほど前記作業完了予定時刻が早くなるように設定する、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、作業開始予定時刻を設定する第10処理部と、前記作業情報及び前記作業開始予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と前記作業開始予定時刻とを関連付けた前記作業進捗一覧表を作成する第11処理部と、前記第1端末からの作業開始通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報に、前記作業開始通知に係る他の通知時刻を関連付けて入力する第12処理部と、をさらに備える、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、前記他の通知時刻が、前記作業開始予定時刻よりも遅延している場合に前記作業進捗一覧表における前記他の通知時刻をマークアップする第13処理部と、前記他の通知時刻をマークアップした前記作業進捗一覧表を前記第2端末に送信する第14処理部と、をさらに備える、保守作業管理装置が可能である。
前記モード1に係る保守作業管理装置の変形モードとして、前記第2端末からの、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記他の通知時刻に関する他の作業メモを受信する第15処理部と、受信した前記他の作業メモを、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記他の通知時刻に係る前記作業者識別情報に関連付ける第16処理部と、をさらに備える、保守作業管理装置が可能である。
本開示では、モード2に係る保守作業管理システムとして、前記モード1に係る保守作業管理装置と、前記第1端末と、を備える、保守作業管理システムとすることができる。
本開示では、モード3に係る保守作業管理方法として、ハードウェア資源に実行させる保守作業管理方法であって、複数の作業項目を含む計画情報を取得するステップと、作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得するステップと、前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定するステップと、前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成するステップと、所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力するステップと、を含む、保守作業管理方法とすることができる。
本開示では、モード4に係るプログラムとして、ハードウェア資源に実行させる処理を記述したプログラムであって、複数の作業項目を含む計画情報を取得する処理と、作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得する処理と、前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定する処理と、前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者と前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成する処理と、所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力する処理と、を前記ハードウェア資源に実行させる、プログラムとすることができる。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本出願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本願開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
[実施形態1]
実施形態1に係る保守作業管理システムについて図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る保守作業管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。図2は、実施形態1に係る保守作業管理システムにおける作業者決定端末の作業データベースに格納されたスキルレベル一覧表の一例を模式的に示した表である。図3は、実施形態1に係る保守作業管理システムにおける作業者決定端末の作業データベースに格納された作業スケジュール表の一例を模式的に示した表である。図4は、実施形態1に係る保守作業管理システムにおける作業者決定端末の作業データベースに格納された対象装置一覧表の一例を模式的に示した表である。図5は、実施形態1に係る保守作業管理システムにおいて用いられる作業タイムチャートの一例を模式的に示した表である。図6は、実施形態1に係る保守作業管理システムにおいて用いられる作業進捗一覧表の一例を模式的に示した表である。
保守作業管理システム1は、保守作業に関する情報(例えば、基本情報、作業情報、及び進捗状況)を管理するためのシステムである(図1参照)。保守作業管理システム1は、作業者決定端末10と、保守作業管理装置20と、サポート端末30と、作業者端末40と、ネットワーク100と、を有する。
作業者決定端末10は、作業者を決定する際に用いる端末である(図1参照)。作業者決定端末10は、例えば、リソース(要員)管理部門に設置することができる。作業者決定端末10には、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができる。作業者決定端末10には、例えば、計算機、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等のハードウェア資源を用いることができる。作業者決定端末10は、時計機能を有する。作業者決定端末10は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行することによって、作業データベース11と、主作業者決定部12と、副作業者決定部13と、入出力部14と、を実現する。
作業データベース11は、保守作業に関する情報を整理したデータベースである(図1参照)。作業データベース11は、作業者のスキルレベルを纏めたスキルレベル一覧表(図2参照)や、作業スケジュール表(図3参照)、作業対象である装置に関する情報をまとめた対象装置一覧表(図4参照)、作業手順書(図示せず)、チェックシート(図示せず)等を格納する。
スキルレベル一覧表は、図2に示すように、支店名(例えば、勤務地等)と、社員名と、所属部門名と、装置/サービス名と、スキルレベル(例えば、4段階:スキル最高:4、スキル高:3、スキル低:2、スキル最低:1)と、が関連付けられている。このスキルレベル一覧表を参照することにより、作業案件に応じた人員(作業者数)を適切に割り振ることが可能となる。なお、スキルレベル一覧表は、保守作業管理装置20にも格納されていてもよい。
作業スケジュール表は、図3に示すように、特定の作業者の勤務スケジュールを示している。この作業スケジュール表を参照することにより、対応可能な作業者を絞り込むことができる。なお、作業スケジュール表は、後述する入出力部14で顧客から受けた作業依頼日を指定して参照される。
対象装置一覧表は、図4に示すように、ある特定の案件において保守作業の対象となっている装置の詳細の一覧を示している。対象装置一覧表では、例えば、装置の種類、部署(使用されている場所)、型番、コンピュータ名(顧客側で設定されたもの)、IPアドレス、製造番号(固有番号)などが関連付けられている。この対象装置一覧表を参照することにより、案件の規模に応じた人数を把握することができる。
主作業者決定部12は、案件の主作業者(作業のメイン担当者を指す)の決定処理を行う機能部である(図1参照)。主作業者決定部12は、入出力部14で受信した詳細情報(作業依頼日)に基づいて、作業日時を決定する。主作業者決定部12は、作業データベース11内のスキルレベル一覧表(図2参照)及び作業スケジュール表(図3参照)に基づいて、決定された作業日時に対応可能な主作業者を決定する。主作業者決定部12は、主作業者及び作業日の決定が完了すると、その旨を副作業者決定部13に通知する。なお、主作業者及び作業日の決定の際に、主作業者の連絡先(登録されていれば、勤務地、携帯番号など)も合わせて作業データベース11から取得するようにしてもよい。
副作業者決定部13は、案件の副作業者(作業のサブ担当者を指す)の決定処理を行う機能部である(図1参照)。副作業者決定部13は、主作業者決定部12での主作業者の決定が完了すると、作業データベース11における対象装置一覧表(図4参照)を参照し、装置(サーバ、プリンタ、スキャナなど)の総入れ替え台数の合計を確認する。副作業者決定部13は、確認した総入れ替え台数に基づいて、副作業者(主作業者以外の作業者)の人数を決定する。副作業者決定部13は、副作業者の決定が完了すると、その旨を入出力部14に通知する。なお、実施形態1では主作業者のみでの作業を想定していないが、総入れ替え台数の合計が少なければ主作業者のみの作業に適用することも可能である。その場合には、副作業者決定部13は、副作業者の決定は不要であると判断し、その旨を入出力部14に通知するようにしてもよい。
入出力部14は、データの入出力処理を行う機能部である(図1参照)。入出力部14は、受注後すぐに、保守作業管理装置20からの基本情報(例えば、顧客会社名、顧客担当者名、住所、装置台数など)を受信し、受信した基本情報を作業データベース11に格納する。また、入出力部14は、立案された計画情報を取得し、取得した計画情報を保守作業管理装置20に送信する。また、入出力部14は、保守作業管理装置20からの詳細情報(お客様や関係他社と取り決めた展開計画、作業手順書、作業チェックシートなどを含む)を受信し、受信した詳細情報も作業データベース11に格納する。また、入出力部14は、副作業者決定部13での副作業者の決定が完了すると、主作業者決定部12で決定された主作業者名、副作業者決定部13で決定された副作業者名、入出力部14で受信した基本情報及び詳細情報に基づいて、主作業者名、副作業者名、作業日時、作業内容等を関連付けた作業情報を生成し、生成された作業情報を保守作業管理装置20に送信する。
保守作業管理装置20は、保守作業を管理する装置である(図1参照)。保守作業管理装置20は、展開計画の策定、関係部門との調整、作業の進捗管理、関連ドキュメント整備などを取り纏めるプロジェクトマネージャ部門に設置することができる。保守作業管理装置20には、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができる。保守作業管理装置20には、例えば、計算機、サーバ等のハードウェア資源を用いることができる。保守作業管理装置20は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行することによって、案件データベース21と、情報処理部22と、作業時間設定部23と、印刷制御部24と、を実現する。
案件データベース21は、作業案件に関する情報を整理したデータベースである(図1参照)。案件データベース21には、例えば、営業部門が取得した基本情報、詳細情報などが格納されている。
情報処理部22は、所定の情報処理を行う機能部(第1~第16処理部)である(図1参照)。情報処理部22は、外部から様々な情報を取得する。情報処理部22は、例えば、基本情報、詳細情報、作業者決定端末10からの作業情報(例えば、主作業者名、副作業者名、作業日時、作業内容など)、サポート端末30からの作業メモ、作業者端末40からの作業開始時刻、各作業項目に係る作業完了時刻、画像(作業メモとしての画像)等を取得することができる。
情報処理部22は、取得した基本情報を案件データベース21に格納する。情報処理部22は、基本情報を作業者決定端末10及びサポート端末30のそれぞれに送信する。情報処理部22は、作業者決定端末10からの計画情報を受信し、受信した計画情報を案件データベース21に格納する。情報処理部22は、取得した詳細情報を案件データベース21に格納する。情報処理部22は、詳細情報を作業者決定端末10及びサポート端末30のそれぞれに送信する。情報処理部22は、作業者決定端末10から作業情報を受信し、受信した作業情報を案件データベース21に格納する。情報処理部22は、作業時間設定部23で作成された作業タイムチャート及び作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する。
情報処理部22は、サポート端末30からの注意喚起通知に対する回答を受信し、受信した回答に作業メモが含まれている場合には、当該作業メモを作業進捗一覧表の対応する支店に関連付けて登録又は更新する。また、情報処理部22は、作業メモにフラグが付されている場合には、早急に展開する必要があると判断し、同じ作業を行っている作業者の作業者端末40に対して当該作業メモを送信するようにしてもよい。これにより、作業遅延を極力抑えることができる。
情報処理部22は、作業者端末40からの作業開始連絡を受信することにより、作業開始連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る作業開始時刻として作業進捗一覧表に入力する。情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、未連絡(作業開始連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する。未連絡の主作業者が存在する場合、情報処理部22は、内蔵されているタイマーを用いて、作業開始予定時刻から所定時間経過しているか否かを判断する。未連絡の主作業者が存在しない場合(全ての主作業者が連絡済みの場合)、又は、作業開始予定時刻から所定時間経過している場合、情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、作業開始を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かを判断する。作業開始を遅延した主作業者がいる場合、情報処理部22は、作業進捗一覧表における作業開始を遅延した主作業者(未連絡の主作業者を含む)の該当箇所(作業開始時刻)をマークアップ(目立たせる、文字色変更、背景色変更など)し、マークアップされた作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する。
情報処理部22は、作業者端末40からのある作業項目に係る作業完了連絡を受信することにより、作業完了連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する作業項目、及び、支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る作業完了時刻として作業進捗一覧表に入力する。情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、ある作業項目(例えば、作業A)の未連絡(作業完了連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する。未連絡の主作業者が存在する場合、保守作業管理装置20の情報処理部22は、内蔵されているタイマーを用いて、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過しているか否かを判断する。未連絡の主作業者が存在しない場合(ある作業項目について全ての主作業者が連絡済みの場合)、又は、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過している場合、情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、ある作業項目について作業完了を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かを判断する。ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者がいる場合、情報処理部22は、作業進捗一覧表におけるある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者(未連絡の主作業者を含む)の該当箇所(作業完了時刻)をマークアップ(目立たせる、文字色変更、背景色変更など)し、マークアップされた作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する。
情報処理部22は、サポート端末30からの作業メモを受信する。情報処理部22は、受信した作業メモが新規作業メモであるか否かを判断する。受信した作業メモが新規作業メモである場合、保守作業管理装置20の情報処理部22は、受信した作業メモを、作業進捗一覧表における該当する主作業者に関連付けて登録(更新)する。
情報処理部22は、作業者端末40からの退店連絡を受信することにより、退店連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る退店時刻として作業進捗一覧表に入力する。情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、未連絡(退店連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する。未連絡の主作業者が存在しない場合(全ての主作業者が連絡済みの場合)、情報処理部22は、作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する。情報処理部22は、サポート端末30からの確認連絡を受信し、当該サポート端末30からの確認連絡があったことを案件データベース21に記録する。情報処理部22は、案件データベース21を参照して、未連絡(確認連絡を未受信)の遠隔支援者が存在するか否かを判断する。
作業時間設定部23は、作業時間の設定処理を行う機能部である(図1参照)。作業時間設定部23は、情報処理部22から作業情報を受け取ると、受け取った作業情報における作業内容に応じた複数の作業項目を作成し、作成された各作業項目に要する時間(以下、「作業予定時間」と記す)を算出する。ここで、作業予定時間は、主作業者や副作業者のスキルレベルに応じて予め設定された作業項目に係る作業予定時間に基づいて、算出することも可能である。
また、作業時間設定部23は、作業情報及び作業予定時間に基づいて、作業項目ごとに作業完了予定時刻を設定し、作業タイムチャート(図5参照)を作成する。作業タイムチャートは、作業項目ごとの作業予定時間や作業内容が記載されており、現場で実作業を行う作業員は、この作業タイムチャートを目安にしながら作業に取り掛かることができる。その結果、どの作業項目までをいつまでに完了することが求められているかを逐次把握することができるため、作業時間ロスを低減させることができる。また、主作業者は、作業の開始又は完了若しくは退店の度に、作業者端末40を用いて、作業開始時刻、各作業項目の作業完了時刻、退店時刻、作業メモのいずれかを入力し、入力された作業開始時刻、各作業項目の作業完了時刻、退店時刻、作業メモのいずれかを保守作業管理装置20に通知し、保守作業管理装置20の作業時間設定部23は、通知された作業開始時刻、各作業項目の作業完了時刻、退店時刻、作業メモのいずれかを作業進捗一覧表に入力する。これにより、予め設定されている作業予定時刻と比較して滞りなく進んでいるか否かを把握することが可能となる。
また、作業時間設定部23は、作業情報及び作業完了予定時刻に基づいて、図6に示す作業進捗一覧表(図6参照)も併せて作成する。作業進捗一覧表は、各作業者の作業項目ごとの進捗状況を示す一覧表であり、作業進捗確認表とも呼ばれる。作業進捗一覧表は、例えば、支店名(勤務地)、作業人数、主作業者名、主作業者携帯番号、作業開始予定時刻、各作業項目(作業A~D)の完了予定時刻、退店時刻、作業メモの件数が関連付けられている。作業進捗一覧表は、保守作業管理装置20内で保管してもよく、作業者決定端末10に送信し作業データベース11に格納するようにしてもよい。また、作業進捗一覧表は、サポート端末30が保守作業管理装置20から取得することにより、サポート端末30にて閲覧可能である。例えば、ある作業項目の作業完了時刻が完了予定時刻よりも予め設定された所定時間以上遅れている場合や、完了予定時刻から所定時間経過しても作業完了時刻が入力されていない場合、作業時間設定部23は、作業進捗一覧表における該当するセルの背景色や文字色を変更して表示するように、作業進捗一覧表を作成するようにしてもよい。これにより、遠隔支援者は作業進捗一覧表を閲覧することで、どの作業者がどの項目まで完了しているか確認し、予定時刻までに完了できそうかを予測することができる。また、遠隔支援者が少数であっても多くの作業者の進捗状況(作業遅延の有無)を漏れなく確認することができる。また、遠隔支援者は作業者に逐次連絡しなくても作業遅延を確認することができるので、作業者に対して進捗確認を行う手間を省くことができる。また、作業の進捗を確認する上で作業者は時刻のみ入力すれば良いので、作業に遅延が生じていない限り、作業者は遠隔支援者から進捗確認の問合せを受けることがないため、作業者は作業に集中することができ、作業効率の低下を回避することができる。
ここで、作業進捗一覧表の作業メモの件数が1件以上となっている場合、サポート端末30や作業者端末40が保守作業管理装置20から該当する支店に係る作業メモを取得することによって、サポート端末30や作業者端末40にて、取得した作業メモを参照することが可能である。作業メモは、連絡事項を展開する際に用いられる。例えば、作業開始前に把握していた情報と実際の現場の状況が異なる場合がある(機器のレイアウトやシステムの設定など)。その場合には、次回に同一作業を行う場合に参照してもらい、作業効率が低下することのないよう、情報共有のために作業メモが使用される。また、上述の通り、今回想定している保守作業は、多くの製品の入れ替え作業を行う大型展開や、幅広い地域で入れ替え作業を行う広域展開と呼ばれるものであり、こういった展開作業の場合には一定期間に集中して作業が行われる。つまり、同一製品に対する作業が複数回に分けて実施されるため、前回までの作業により得られた作業メモや進捗情報を考慮して作業予定時間を修正することも可能である。
印刷制御部24は、印刷の制御処理を行う機能部である(図1参照)。印刷制御部24は、外部のプリントサーバ(図示せず)に接続されている。印刷制御部24は、作業時間設定部23により作成された作業タイムチャートを印刷する場合にはプリントサーバに印刷指令を出す。未連絡の遠隔支援者が存在しない場合(全ての遠隔支援者が退店の連絡済みの場合)、印刷制御部24は、作業進捗一覧表を印刷するように処理する。
サポート端末30は、現場の作業者を遠隔で支援する遠隔支援者が使用する端末(第2端末)である(図1参照)。サポート端末30は、遠隔支援者がいるコールセンターに設置することができる。サポート端末30には、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び表示装置)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができる。サポート端末30には、例えば、計算機、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ等のハードウェア資源を用いることができる。サポート端末30は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行することによって、通信部31と、編集部32と、を実現する。
通信部31は、情報の通信処理を行う機能部である(図1参照)。通信部31は、遠隔支援者が保守作業管理装置20や作業者決定端末10における各種の一覧表を閲覧したい場合に、遠隔支援者の操作により、保守作業管理装置20や作業者決定端末10から各種の一覧表を取得することが可能である。また、通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業者端末40と接続し、作業者端末40の撮影部42で撮影した画像を取得することも可能である。これにより、遠隔支援者は取得した画像に基づいて、作業支援を行うこともできる。
通信部31は、保守作業管理装置20からの基本情報を受信し、受信した基本情報を格納する。通信部31は、作業者決定端末10からの計画情報を受信(取得)し、受信した計画情報を格納する。通信部31は、それぞれ、保守作業管理装置20からの詳細情報を受信し、受信した詳細情報を格納する。通信部31は、保守作業管理装置20からの作業タイムチャート及び作業進捗一覧表を受信する。
通信部31は、保守作業管理装置20からのマークアップされた作業進捗一覧表を受信する。これにより、遠隔支援者は作業遅延を把握することができる。通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業開始を遅延した主作業者に対する問合せを作成し、作成された問合せを、作業開始を遅延した主作業者に係る作業者端末40に送信する。通信部31は、作業者端末40からの回答(問合せに対する回答)を受信する。通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業者端末40からの回答に対する作業メモを作成し、作成された作業メモを保守作業管理装置20に送信する。
通信部31は、保守作業管理装置20からの作業進捗一覧表を受信する。通信部31は、遠隔支援者の操作により、保守作業管理装置20からの作業進捗一覧表に対する確認連絡を保守作業管理装置20に送信する。
編集部32は、情報の編集処理を行う機能部(図1参照)。編集部32は、通信部31で取得した作業進捗一覧表の作業メモの件数に関連付ける作業メモの内容を登録したり、削除したり、編集することができる。
なお、図示していないが、サポート端末30には、作業者端末40と通信し、作業者端末40に係る作業者と会話可能な通話部を設けてもよい。不測の事態が発生した場合には、サポート端末30に係る遠隔支援者は、サポート端末30の通話部を用いて作業者と直接対話し、進捗状況を確認することも可能である。
作業者端末40は、現場で実作業を行う全国の作業者が使用する端末(第1端末)である(図1参照)。作業者端末40には、コンピュータを構成する機能部(例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、表示装置、及びカメラ部等)を有する装置(コンピュータ装置)を用いることができる。作業者端末40は、時計機能を有する。作業者端末40には、例えば、スマートフォン、スマートグラス等の携帯可能なハードウェア資源を用いることができる。作業者端末40は、所定のプログラム(ソフトウェア)を実行することによって、通信部41と、撮影部42と、を実現する。
通信部41は、情報の通信処理を行う機能部である(図1参照)。通信部41は、保守作業管理装置20やサポート端末30に接続可能である。
通信部41は、作業を開始すると、主作業者が入力部(図示せず)を操作(手動操作)することにより、作業開始連絡を保守作業管理装置20に送信する。なお、通信部41は、主作業者の操作によらず、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、GPS機能で検出された位置が、予め登録しておいた現地の位置又はその所定範囲の位置と一致したときに作業開始連絡の送信を行うようにすることも可能である。
通信部41は、ある作業項目(例えば、作業A)が完了すると、作業者の操作により、保守作業管理装置20の情報処理部22に対してある作業項目に係る作業完了連絡を送信する。なお、通信部41は、作業者が入力部(図示せず)を操作することによって入力された作業完了時刻を保守作業管理装置20に送信する代わりに、撮影部42やその他センサ(図示せず)で取得されたデータを保守作業管理装置20に送信するようにしてもよい。これにより、保守作業管理装置20で自動的に作業開始又は作業完了を判断することも可能である。
通信部41は、後片付けを完了して主作業者が退店すると、主作業者の操作により、保守作業管理装置20の情報処理部22に対して退店連絡を送信する。退店連絡の送信は、作業者の操作によらず、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、GPS機能で検出された位置が、予め登録しておいた現地の位置又はその所定範囲の位置から外れたときに行うことも可能である。
通信部41は、サポート端末30からの問合せ(注意喚起通知に伴う問合せ)を受信する。通信部41は、作業者の操作により入力された回答(問合せに対する回答)を作成し、作成された回答をサポート端末30に送信する。なお、回答には、作業者の操作により作業メモを含めることができる。作業メモは、マニュアルに記載されていない情報であって、作業実施中に知り得た情報である。作業メモには、作業者が展開要と判断する場合、フラグを付すことができる。
撮影部42は、画像の撮影処理を行う機能部である(図1参照)。撮影部42には、例えば、カメラ、デプスセンサ等を用いることができる。撮影部42は、作業者の操作により、作業対象物や作業状況を静止画又は動画で撮影する。撮影された画像は、通信部41を介して保守作業管理装置20やサポート端末30に送信される。画像がサポート端末30に送信された場合、遠隔支援者はその画像を確認しながら通話部を介して作業の遠隔支援を行うことができる。また、画像を作業メモとして情報共有する場合には、保守作業管理装置20に送信される。
ここで、サポート端末30及び作業者端末40の各台数について、作業者がn人いる場合、作業者端末40はn台存在することになるが、一方、遠隔支援者は作業者よりも少ない人数(例えば、a人(a<n))で対応するため、サポート端末30はa台存在する。
ネットワーク100は、作業者決定端末10、保守作業管理装置20、サポート端末30、及び、作業者端末40間を通信可能に接続する。ネットワーク100には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。
次に、実施形態1に係る保守作業管理システムの動作について説明する。
最初に、事前作業時の動作について図面を用いて説明する。図7は、実施形態1に係る保守作業管理システムの事前作業時の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、保守作業管理システムの構成部については、図1を参照されたい。
まず、保守作業管理装置20の情報処理部22は、基本情報を取得し、取得した基本情報を案件データベース21に格納する(ステップA1)。ここで、基本情報は、例えば、顧客会社名、顧客担当者名、住所、装置台数などが関連付けられた情報とすることができ、プロジェクトマネージャ部門が営業部門から取得した案件の情報とすることができる。また、基本情報の取得の仕方として、例えば、使用者による保守作業管理装置20からの基本情報の入力、外部からの基本情報(メールに添付された基本情報でも可)の受信等が挙げられる。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、基本情報を作業者決定端末10(入出力部14)及びサポート端末30(通信部31)のそれぞれに送信する(ステップA2)。
次に、作業者決定端末10の入出力部14、及び、サポート端末30の通信部31は、それぞれ、保守作業管理装置20からの基本情報を受信し、受信した基本情報を格納する(ステップA3、ステップA4)。これにより、作業者決定端末10に係る担当者は、基本情報を参照して、作業、要員に関する計画情報を立案することになる。計画情報の立案では、例えば、装置台数に基づいて、どのくらいの期間に渡り作業され、どのくらいの作業者数が必要か判断する。ここで、計画情報は、例えば、作業項目、作業者数などが関連付けられた情報とすることができる。なお、基本情報の受信は、作業者決定端末10及びサポート端末30のどちらが先か同時かは問わない。
次に、作業者決定端末10の入出力部14は、立案された計画情報を取得し、取得した計画情報を保守作業管理装置20及びサポート端末30に送信する(ステップA5)。なお、計画情報の送信は、作業者決定端末10及びサポート端末30のどちらが先か同時かは問わない。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22、及び、サポート端末30の通信部31は、作業者決定端末10からの計画情報を受信(取得)し、受信した計画情報を格納する(ステップA6、A7)。なお、計画情報は、保守作業管理装置20では案件データベース21に格納される。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、詳細情報を取得し、取得した詳細情報を案件データベース21に格納する(ステップA8)。ここで、詳細情報は、例えば、営業部門が顧客との打合せで使用した資料(作業日時などが記載)、作業手順書、作業チェックシートなどを含む情報である。また、詳細情報の取得の仕方として、例えば、使用者による保守作業管理装置20からの基本情報の入力、外部からの基本情報(メールに添付された詳細情報でも可)の受信等が挙げられる。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、取得した詳細情報を作業者決定端末10(入出力部14)及びサポート端末30(通信部31)のそれぞれに送信する(ステップA9)。
次に、作業者決定端末10の入出力部14、及び、サポート端末30の通信部31は、それぞれ、保守作業管理装置20からの詳細情報を受信し、受信した詳細情報を格納する(ステップA10、A11)。これにより、サポート端末30で詳細情報を参照することができるようになる。なお、詳細情報の受信は、作業者決定端末10及びサポート端末30のどちらが先か同時かは問わない。
次に、作業者決定端末10の主作業者決定部12は、入出力部14で受信した詳細情報に基づいて、作業日時を決定する(ステップA12)。
次に、作業者決定端末10の主作業者決定部12は、スキルレベル一覧表(図2参照)及び作業スケジュール表(図3参照)に基づいて、決定された作業日時に対応可能な主作業者名(対応する支店名、主作業者携帯番号を含めても可;作業者識別情報)を決定する(ステップA13)。ここで、主作業者は、作業のメイン担当者である。なお、同一の作業が多数の拠点で同時に行われる場合には、このタイミングで拠点ごとの主作業者の全てが決定される。
次に、作業者決定端末10の副作業者決定部13は、主作業者決定部12での主作業者の決定が完了すると、基本情報及び対象装置一覧表(図4参照)に基づいて、装置の総入れ替え台数(例えば、サーバやプリンタ、スキャナなどの入れ替え台数)の合計を確認する(ステップA14)。
次に、作業者決定端末10の副作業者決定部13は、ステップA14で確認された総入れ替え台数に基づいて、副作業者(主作業者以外の作業者)の人数(又は副作業者名)を決定する(ステップA15)。例えば、入れ替え台数の合計が1~5台であれば1名、6~10台であれば2名、11~15台であれば3名、16台以上であれば4名となるように決定することができる。なお、ここでは副作業者の人数を決定するだけでなく、作業スケジュール表(図3参照)に基づいて、副作業者を決定してもよい。
次に、作業者決定端末10の入出力部14は、ステップA12で決定された作業日時と、ステップA13で決定された主作業者名(対応する支店名、主作業者携帯番号を含めても可;作業者識別情報)と、ステップA14で確認された装置の総入れ替え台数と、ステップA15で決定された副作業者の人数(又は副作業者名)と、を関連付けた作業情報を生成し、生成された作業情報を保守作業管理装置20(情報処理部22及び作業時間設定部23)に送信する(ステップA16)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業者決定端末10からの作業情報を受信(取得)し、受信した作業情報を案件データベース21に格納する(ステップA17)。
次に、保守作業管理装置20の作業時間設定部23は、ステップA6で受信した計画情報と、ステップA17で受信した作業情報と、に基づいて、作業開始予定時刻、作業項目ごとの作業完了予定時刻、及び、退店予定時刻を設定する(ステップA18)。作業完了予定時刻の設定では、例えば、作業者のスキルレベルが高い場合には、作業時間が短いので、スキルレベル一覧表を参照して作業完了予定時刻は早めに設定され、一方、作業者のスキルレベルが低い場合には、作業時間が長いので、スキルレベル一覧表を参照して作業完了予定時刻は遅めに設定される。
次に、保守作業管理装置20の作業時間設定部23は、ステップA6で受信した計画情報と、ステップA18で設定された作業開始予定時刻、作業項目ごとの作業完了予定時刻、及び、退店予定時刻と、に基づいて、作業タイムチャート(図5参照)及び作業進捗一覧表(図6参照)を作成し、作成された作業タイムチャート及び作業進捗一覧表を案件データベース21に格納する(ステップA19)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作成された作業タイムチャート及び作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する(ステップA20)。
最後に、サポート端末30の通信部31は、保守作業管理装置20からの作業タイムチャート及び作業進捗一覧表を受信する(ステップA21)。これにより、サポート端末30で作業タイムチャート及び作業進捗一覧表を参照することができるようになる。
次に、実施形態1に係る保守作業管理システムの作業開始時の動作について図面を用いて説明する。図8は、実施形態1に係る保守作業管理システムの作業開始時の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、保守作業管理システムの構成部については、図1を参照されたい。
作業者が現地に到着すると、作業者端末40の通信部41は、作業者の操作により、保守作業管理装置20の情報処理部22に対して作業開始連絡を送信する(ステップB1)。作業開始連絡はいわゆる開始時のタイムスタンプである。なお、作業開始連絡の送信は、作業者の操作によらず、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、GPS機能で検出された位置が、予め登録しておいた現地の位置又はその所定範囲の位置と一致したときに行うことも可能である。作業開始連絡は、支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号を含む。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業者端末40からの作業開始連絡を受信することにより、作業開始連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る作業開始時刻として作業進捗一覧表に入力する(ステップB2)。この結果、例えば、図6に示すように、秋田支店の佐藤一郎氏は12:55に作業開始したことが把握できる。
なお、図8では、ある支店の主作業者に係る作業者端末40からの作業開始連絡が送信されたことを前提に記載しているが、作業開始連絡が送信されない場合も含めて、保守作業管理システム1は、以下のように動作する。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、未連絡(作業開始連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する(ステップB3)。
未連絡の主作業者が存在する場合(ステップB3のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、内蔵されているタイマーを用いて、作業開始予定時刻から所定時間経過しているか否かを判断する(ステップB4)。作業開始予定時刻から所定時間経過していない場合(ステップB4のNO)、スタートに戻り、再度、作業開始連絡を受信したか否かを判断することになる。一方、作業開始予定時刻から所定時間経過している場合(ステップB4のYES)、ステップB5に進む。
未連絡の主作業者が存在しない場合(全ての主作業者が連絡済みの場合;ステップB3のNO)、又は、作業開始予定時刻から所定時間経過している場合(ステップB4のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、作業開始を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かを判断する(ステップB5)。ここで、作業開始を遅延した主作業者には、未連絡の主作業者が含まれるものとする。作業開始を遅延した主作業者がいない場合(ステップB5のNO)、終了する。作業開始を遅延した主作業者がいる場合(ステップB5のYES)、ステップB6に進む。ここで、作業開始を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かの判断は、作業進捗一覧表に入力された作業開始時刻が、作業開始予定時刻から所定時間経過後の時刻となっている主作業者(支店)が存在するか否か、及び、作業進捗一覧表に作業開始時刻が入力されていない主作業者(支店)が存在するか否かにより判断することができる。
作業開始を遅延した主作業者がいる場合(ステップB5のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表における作業開始を遅延した主作業者(未連絡の主作業者を含む)の該当箇所(作業開始時刻)をマークアップ(目立たせる、文字色変更、背景色変更など)し、マークアップされた作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する(ステップB6)。
次に、サポート端末30の通信部31は、保守作業管理装置20からのマークアップされた作業進捗一覧表を受信する(ステップB7)。これにより、サポート端末30に係る遠隔支援者は、注作業進捗一覧表のマークアップされた箇所を参照することでどの主作業者の作業開始が遅延しているかを把握し、作業開始を遅延した主作業者に対して問合せすることができる。
次に、サポート端末30の通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業開始を遅延した主作業者に対する問合せを作成し、作成された問合せを、作業開始を遅延した主作業者に係る作業者端末40に送信する(ステップB8)。ここで、問合せの作成及び送信は、遠隔支援者の操作以外にも、例えば、予め設定された自動メール送信や自動音声発信で行ってもよい。
次に、作業者端末40の通信部41は、サポート端末30からの問合せを受信する(ステップB9)。
次に、作業者端末40の通信部41は、主作業者の操作により、問合せに対する回答を作成し、作成された回答をサポート端末30に送信する(ステップB10)。なお、ここでは問合せに対して回答を作成、送信しているが、問合せがなくとも、主作業者が自主的に作業開始遅延の原因を知らせたい場合には、通信部41は、主作業者の操作により、回答の代わりに、作業開始遅延の原因を知らせる通知をサポート端末30に送信するようにしてもよい。この結果、サポート端末30に係る遠隔作業者から顧客に対して事前に作業開始が遅延する可能性があることを通知することができる。
次に、サポート端末30の通信部31は、作業者端末40からの回答を受信する(ステップB11)。これにより、遠隔支援者は、遅延原因(例えば、事故など)を把握し、作業メモを作成することができるようになる。
次に、サポート端末30の通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業者端末40からの回答に対する作業メモを作成し、作成された作業メモを保守作業管理装置20に送信する(ステップB12)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、サポート端末30からの作業メモを受信する(ステップB13)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、受信した作業メモが新規作業メモであるか否かを判断する(ステップB14)。ここで、新規作業メモであるか否かの判断は、作業進捗一覧表に関連付けられた作業メモと同一の内容の作業メモがあるか否かにより判断することができる。受信した作業メモが新規作業メモでない場合(ステップB14のNO)、終了する。
受信した作業メモが新規作業メモである場合(ステップB14のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、受信した作業メモを、作業進捗一覧表における該当する主作業者に関連付けて登録(更新)し(ステップB15)、その後、終了する。これにより、作業メモを参照することができるようになり、事故などの遅延原因を顧客や他の作業者に早めに知らせることができるようになる。
次に、実施形態1に係る保守作業管理システムのある作業項目の作業完了時の動作について図面を用いて説明する。図9は、実施形態1に係る保守作業管理システムのある作業項目の作業完了時の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、保守作業管理システムの構成部については、図1を参照されたい。
ある作業項目(例えば、作業A)が完了すると、作業者端末40の通信部41は、作業者の操作により、保守作業管理装置20の情報処理部22に対してある作業項目に係る作業完了連絡を送信する(ステップC1)。作業完了連絡はいわゆる完了時のタイムスタンプである。なお、作業完了連絡は、作業者の操作によらず、例えば、撮影部42により撮像された動画又は静止画を保守作業管理装置20に送信し、保守作業管理装置20にて動画又は静止画を参照して完了したか否かを判断するようにしてもよい。作業完了連絡は、作業項目名と、支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号と、を含む。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業者端末40からのある作業項目に係る作業完了連絡を受信することにより、作業完了連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する作業項目、及び、支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る作業完了時刻として作業進捗一覧表に入力する(ステップC2)。これにより、作業進捗一覧表を閲覧することができるようになり、各作業項目の作業完了時刻が作業完了予定時刻と比べて遅れているか否か、作業完了予定時刻から所定時間以内に完了しているか否かを把握することができる。例えば、図6に示すように、秋田支店の佐藤一郎氏は13:36に作業Aについて作業完了したことが把握できる。
なお、図9では、ある支店の主作業者に係る作業者端末40からの作業完了連絡が送信されたことを前提に記載しているが、作業完了連絡が送信されない場合も含めて、保守作業管理システム1は、以下のように動作する。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、ある作業項目(例えば、作業A)の未連絡(作業完了連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する(ステップC3)。
未連絡の主作業者が存在する場合(ステップC3のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、内蔵されているタイマーを用いて、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過しているか否かを判断する(ステップC4)。ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過していない場合(ステップC4のNO)、スタートに戻り、再度、ある作業項目に係る作業完了連絡を受信したか否かを判断することになる。一方、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過している場合(ステップC4のYES)、ステップC5に進む。
未連絡の主作業者が存在しない場合(ある作業項目について全ての主作業者が連絡済みの場合;ステップC3のNO)、又は、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過している場合(ステップC4のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、ある作業項目について作業完了を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かを判断する(ステップC5)。ここで、ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者には、ある作業項目に係る未連絡の主作業者が含まれるものとする。ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者がいない場合(ステップC5のNO)、終了する。ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者がいる場合(ステップC5のYES)、ステップC6に進む。ここで、ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者(支店)が存在するか否かの判断は、作業進捗一覧表に入力されたある作業項目に係る作業完了時刻が、ある作業項目に係る作業完了予定時刻から所定時間経過後の時刻となっている主作業者(支店)が存在するか否か、及び、作業進捗一覧表にある作業項目に係る作業完了時刻が入力されていない主作業者(支店)が存在するか否かにより判断することができる。
ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者がいる場合(ステップC5のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表におけるある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者(未連絡の主作業者を含む)の該当箇所(作業完了時刻)をマークアップ(目立たせる、文字色変更、背景色変更など)し、マークアップされた作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する(ステップC6)。例えば、図6に示すように、札幌支店の伊藤小五郎氏の作業Aに係る作業完了時刻13:58の背景色を他の背景色に対して変更することで、作業Aに係る作業完了を遅延したことが把握できる。
次に、サポート端末30の通信部31は、マークアップされた作業進捗一覧表を受信する(ステップC7)。これにより、サポート端末30に係る遠隔支援者は、作業進捗一覧表のマークアップされた箇所を参照することでどの主作業者がどの作業項目について作業完了が遅延しているかを把握し、作業完了を遅延した主作業者に対して問合せすることができる。
次に、サポート端末30の通信部31は、遠隔支援者の操作により、ある作業項目に係る作業完了を遅延した主作業者に対する問合せを作成し、作成された問合せを、作業完了を遅延した主作業者に係る作業者端末40に送信する(ステップC8)。ここで、問合せの作成及び送信は、遠隔支援者の操作以外にも、例えば、予め設定された自動メール送信や自動音声発信で行ってもよい。
次に、作業者端末40の通信部41は、サポート端末30からの問合せを受信する(ステップC9)。
次に、作業者端末40の通信部41は、主作業者の操作により、問合せに対する回答を作成し、作成された回答をサポート端末30に送信する(ステップC10)。なお、ここでは問合せに対して回答を作成、送信しているが、問合せがなくとも、主作業者が自主的に作業遅延の原因を知らせたい場合には、通信部41は、主作業者の操作により、回答の代わりに、作業遅延の原因を知らせる通知をサポート端末30に送信するようにしてもよい。この結果、サポート端末30に係る遠隔作業者から顧客に対して事前に作業が遅延する可能性があることを通知することができる。
次に、サポート端末30の通信部31は、作業者端末40からの回答を受信する(ステップC11)。これにより、遠隔支援者は、遅延原因(例えば、事故など)を把握し、作業メモを作成することができるようになる。
次に、サポート端末30の通信部31は、遠隔支援者の操作により、作業者端末40からの回答に対する作業メモを作成し、作成された作業メモを保守作業管理装置20に送信する(ステップC12)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、サポート端末30からの作業メモを受信する(ステップC13)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、受信した作業メモが新規作業メモであるか否かを判断する(ステップC14)。ここで、新規作業メモであるか否かの判断は、作業進捗一覧表に関連付けられた作業メモと同一の内容の作業メモがあるか否かにより判断することができる。受信した作業メモが新規作業メモでない場合(ステップC14のNO)、終了する。
受信した作業メモが新規作業メモである場合(ステップC14のYES)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、受信した作業メモを、作業進捗一覧表における該当する主作業者に関連付けて登録(更新)し(ステップC15)、その後、終了する。これにより、作業メモを参照することができるようになり、事故などの遅延原因を顧客や他の作業者に早めに知らせることができるようになる。
次に、実施形態1に係る保守作業管理システムの作業項目数Nからなる一連の作業の開始から完了までの動作について図面を用いて説明する。図10は、実施形態1に係る保守作業管理システムの一連の作業の開始から完了までの動作を模式的に示したフローチャートである。なお、保守作業管理システムの構成部については、図1を参照されたい。
図8に示す開始時の動作(ステップB1~B15)の後、図9に作業項目ごとの動作(ステップC1~C15)がN回完了すると、各主作業者は現場の後片付けを行い、後片付けを完了して退店すると、作業者端末40の通信部41は、主作業者の操作により、保守作業管理装置20の情報処理部22に対して退店連絡を送信する(ステップD1)。退店連絡はいわゆる退店時のタイムスタンプである。なお、退店連絡の送信は、作業者の操作によらず、例えば、GPS(Global Positioning System)機能を用いて、GPS機能で検出された位置が、予め登録しておいた現地の位置又はその所定範囲の位置から外れたときに行うことも可能である。退店連絡は、支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号を含む。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業者端末40からの退店連絡を受信することにより、退店連絡に係る通知時刻(受信時刻又は送信時刻)を、対応する支店名、主担当者名、又は主作業者携帯番号に係る退店時刻として作業進捗一覧表に入力する(ステップD2)。
なお、図10では、ある支店の主作業者に係る作業者端末40からの退店連絡が送信されたことを前提に記載しているが、退店連絡が送信されない場合も含めて、保守作業管理システム1は、以下のように動作する。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表を参照して、未連絡(退店連絡を未受信)の主作業者(支店)が存在するか否かを判断する(ステップD3)。未連絡の主作業者が存在する場合(ステップD3のYES)、作業N時の動作後に戻る。
未連絡の主作業者が存在しない場合(全ての主作業者が連絡済みの場合;ステップD3のNO)、保守作業管理装置20の情報処理部22は、作業進捗一覧表をサポート端末30に送信する(ステップD4)。
次に、サポート端末30の通信部31は、保守作業管理装置20からの作業進捗一覧表を受信する(ステップD5)。これにより、サポート端末30に係る遠隔支援者は、作業進捗一覧表を参照することで全ての主作業者が退店しているかを確認することができる。なお、保守作業管理装置20に係るスタッフのみの退店確認でよければ、退店遠隔支援者による退店確認を省略してもよい。その場合、ステップD4~D8を省略することができる。
次に、サポート端末30の通信部31は、遠隔支援者の操作により、保守作業管理装置20からの作業進捗一覧表に対する確認連絡を保守作業管理装置20に送信する(ステップD6)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、サポート端末30からの確認連絡を受信し、当該サポート端末30からの確認連絡があったことを案件データベース21に記録する(ステップD7)。
次に、保守作業管理装置20の情報処理部22は、案件データベース21を参照して、未連絡(確認連絡を未受信)の遠隔支援者が存在するか否かを判断する(ステップD8)。未連絡の遠隔支援者が存在する場合(ステップD8のYES)、ステップD4後に戻る。
未連絡の遠隔支援者が存在しない場合(全ての遠隔支援者が連絡済みの場合;ステップD8のNO)、保守作業管理装置20の印刷制御部24は、作業進捗一覧表を印刷するように処理し(ステップD9)、その後、終了する。
実施形態1によれば、保守作業管理装置20からサポート端末30に、各作業者端末40に係る主作業者の進捗状況を管理する作業進捗一覧表を提供することで、サポート端末30に係る遠隔支援者が作業進捗一覧表を閲覧することができるようになり、作業の進捗状況を確認することができる。その結果、遠隔支援者は作業時間中に適宜電話確認する手間を省くことができ、また作業者は中断することなく作業に集中することができるようになり、作業の正確な進捗状況を共有するのに時間と人員を削減することに貢献することができる。
また、実施形態1によれば、保守作業管理装置20からサポート端末30や作業者端末40に顧客会社名、顧客担当者名、住所、装置台数などの基本情報を送信することで、受注後の早い段階で、営業部門や作業部門、管理部門などの関連部門が情報共有することができ、受注したにもかかわらず対応できる作業者がいないという不測の事態を回避することができる。
また、実施形態1によれば、保守作業管理装置20が、予め設定された作業完了予定時刻と比べて所定時間越えても作業完了が確認できなかった場合に作業進捗一覧表における該当箇所をマークアップしてサポート端末30に提供するので、サポート端末30に係る遠隔支援者は主作業者に確認しなくても作業の遅延を把握することができ、必要に応じて遠隔支援を行うことができるので、作業完了予定時刻までに作業完了することに貢献することができる。
また、実施形態1によれば、保守作業管理装置20が、作業中に発生した注意事項(例えば作業遅延の原因など)を含む作業メモを、作業進捗一覧表の該当箇所に関連付けて管理し、サポート端末30や作業者端末40から作業進捗一覧表を閲覧することができるので、注意事項をナレッジ管理やインシデント管理として処理し、次回同様の作業を行う際の参考にすることができる。
また、実施形態1によれば、作業者決定端末10が作業者のスキルレベルや作業スケジュールに基づいて、適切な作業者を決定するので、スケジュールに応じて適材適所に作業者を配置することができる。
さらに、実施形態1によれば、顧客に対して作業の遅延の可能性があること事前に通知することができるため、スケジュールの再調整を比較的に円滑に行うことができる。
[実施形態2]
実施形態2に係る保守作業管理システムについて図面を用いて説明する。図11は、実施形態2に係る保守作業管理システムの構成を模式的に示したブロック図である。
保守作業管理システム1は、保守作業に関する情報を管理するためのシステムである(図1参照)。保守作業管理システム1は、第1端末40と、保守作業管理装置50と、を有する。
第1端末40は、所定の作業者が使用する端末である。
保守作業管理装置50は、複数の作業項目を含む計画情報を取得する第1処理部51を備える。保守作業管理装置50は、作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得する第2処理部52を備える。保守作業管理装置50は、計画情報及び作業情報に基づいて、作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定する第3処理部53を備える。保守作業管理装置50は、作業情報、及び、作業項目ごとの作業完了予定時刻に基づいて、作業者識別情報と、作業項目ごとの作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成する第4処理部54を備える。保守作業管理装置20は、所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、作業進捗一覧表において、所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、所定の作業項目に対応する作業項目に、作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力する第5処理部55を備える。
実施形態2によれば、保守作業管理装置50の作業進捗一覧表において、第1端末40に係る所定の作業者の作業項目ごとの作業が完了した時刻を自動的に入力しているので、他の端末から作業進捗一覧表を閲覧することができるようになり、作業の進捗状況を確認することができる。その結果、作業時間中の電話確認する手間を省くことができ、また作業者は中断することなく作業に集中することができるようになり、作業の正確な進捗状況を共有するのに時間と人員を削減することに貢献することができる。
なお、実施形態1、2に係る保守作業管理システムにおける作業者決定端末、保守作業管理装置、サポート端末(第2端末)、作業者端末(第1端末)は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図12に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源1000は、内部バス1004により相互に接続される、プロセッサ1001、メモリ1002、ネットワークインタフェイス1003等を備える。
なお、図12に示す構成は、ハードウェア資源1000のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源1000は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ1001等のユニットの数も図12の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ1001がハードウェア資源1000に含まれていてもよい。プロセッサ1001には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
メモリ1002には、例えば、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
ネットワークインタフェイス1003には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
ハードウェア資源1000の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ1002に格納されたプログラムをプロセッサ1001が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
[付記1]
複数の作業項目を含む計画情報を取得する第1処理部と、
作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得する第2処理部と、
前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定する第3処理部と、
前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成する第4処理部と、
所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力する第5処理部と、
を備える、
保守作業管理装置。
[付記2]
前記通知時刻が、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に係る前記作業完了予定時刻よりも遅延している場合に前記作業進捗一覧表における前記通知時刻をマークアップする第6処理部と、
前記通知時刻をマークアップした前記作業進捗一覧表を第2端末に送信する第7処理部と、
をさらに備える、
付記1記載の保守作業管理装置。
[付記3]
前記第2端末からの、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記通知時刻に関する作業メモを受信する第8処理部と、
受信した前記作業メモを、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記通知時刻に係る前記作業者識別情報に関連付ける第9処理部と、
をさらに備える、
付記2記載の保守作業管理装置。
[付記4]
作業者名とスキルレベルとを関連付けたスキルレベル一覧表を記憶する記憶部をさらに備え、
前記第3処理部は、前記スキルレベル一覧表を参照して、前記所定の作業者に対応する前記作業者名に係るスキルレベルが高くなるほど前記作業完了予定時刻が早くなるように設定する、
付記1乃至3のいずれか一に記載の保守作業管理装置。
[付記5]
前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、作業開始予定時刻を設定する第10処理部と、
前記作業情報及び前記作業開始予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と前記作業開始予定時刻とを関連付けた前記作業進捗一覧表を作成する第11処理部と、
前記第1端末からの作業開始通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報に、前記作業開始通知に係る他の通知時刻を関連付けて入力する第12処理部と、
をさらに備える、
付記2又は3記載の保守作業管理装置。
[付記6]
前記他の通知時刻が、前記作業開始予定時刻よりも遅延している場合に前記作業進捗一覧表における前記他の通知時刻をマークアップする第13処理部と、
前記他の通知時刻をマークアップした前記作業進捗一覧表を前記第2端末に送信する第14処理部と、
をさらに備える、
付記5記載の保守作業管理装置。
[付記7]
前記第2端末からの、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記他の通知時刻に関する他の作業メモを受信する第15処理部と、
受信した前記他の作業メモを、前記作業進捗一覧表におけるマークアップされた前記他の通知時刻に係る前記作業者識別情報に関連付ける第16処理部と、
をさらに備える、
付記5又は6記載の保守作業管理装置。
[付記8]
付記1乃至7のいずれか一に記載の保守作業管理装置と、
前記第1端末と、
を備える、
保守作業管理システム。
[付記9]
ハードウェア資源に実行させる保守作業管理方法であって、
複数の作業項目を含む計画情報を取得するステップと、
作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得するステップと、
前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定するステップと、
前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成するステップと、
所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力するステップと、
を含む、
保守作業管理方法。
[付記10]
ハードウェア資源に実行させる処理を記述したプログラムであって、
複数の作業項目を含む計画情報を取得する処理と、
作業日時と作業者識別情報とを関連付けた作業情報を取得する処理と、
前記計画情報及び前記作業情報に基づいて、前記作業項目ごとの作業完了予定時刻を設定する処理と、
前記作業情報、及び、前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻に基づいて、前記作業者識別情報と前記作業項目ごとの前記作業完了予定時刻とを関連付けた作業進捗一覧表を作成する処理と、
所定の作業者に係る第1端末からの所定の作業項目に係る作業完了通知を受信することにより、前記作業進捗一覧表において、前記所定の作業者に対応する前記作業者識別情報、及び、前記所定の作業項目に対応する前記作業項目に、前記作業完了通知に係る通知時刻を関連付けて入力する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。