以下、本発明における加熱調理装置5について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一又はこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することとする。更に、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、これらの記載に限定されるものではない。
実施の形態1.
[調理システム100]
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5を使用した調理システム100の構成を示す図である。調理システム100は、料理情報データベース1を備えるセンター装置2と、インターネットに代表されるネットワーク3と、端末装置4と、加熱調理装置5とを有する。調理システム100は、図1に示すように、料理情報データベース1を備えるセンター装置2が、ネットワーク3を介して端末装置4と接続されている。また、調理システム100は、端末装置4と加熱調理装置5とが、通信を行うことにより接続される。したがって、調理システム100は、加熱調理装置5とセンター装置2とが、端末装置4を介して接続される。
(センター装置2)
図2は、図1のセンター装置2の構成を示すブロック図である。センター装置2は、図2に示すように、料理情報データベース1を記憶するセンター装置記憶部21と、ネットワーク3に接続するセンター装置通信部22と、センター装置2全体の制御を行うセンター装置制御部23と、を備える。
(料理情報データベース1)
図3は、図1のセンター装置2が有する料理情報データベース1におけるメニュー一覧データ30の一例を示す図である。図4は、図1のセンター装置2が有する料理情報データベース1における料理情報データ35の一例を示す図である。料理情報データベース1は、図3及び図4に示すように、メニュー一覧データ30と、メニュー一覧データ30の各メニュー32に対応する料理情報データ35と、を備えている。メニュー一覧データ30は、図3に示すように、例えば、「煮物、蒸し物、茹で物、炒め物又は揚げ物」といった調理カテゴリー31と、「ポークカレー、茶碗蒸し、パンケーキ又は天ぷら」といった調理カテゴリー31内の具体的なメニュー32と、を含んでいる。料理情報データ35は、図4に示すように、メニュー一覧データ30の各メニュー32に対応した、食材データ36と、調理ガイドデータ37と、調理工程データ38と、を備えている。食材データ36には、メニュー一覧データ30の各メニュー32に対応した料理に使用する食材情報が記載されている。調理ガイドデータ37には、メニュー一覧データ30の各メニュー32に対応して具体的にどのように調理を行うかの説明が記載されている。また、調理工程データ38は、メニュー一覧データ30の各メニュー32に対応した、加熱調理装置5における加熱工程の制御データが記載されており、加熱火力及び加熱時間等で規定された一組又は複数組のデータが記載されている。
ここで、図1を用いて、調理システム100のデータの移動について説明する。センター装置2は、端末装置4の要求に基づき、料理情報データベース1に含まれるメニュー一覧データ30及び各メニュー32に対応した料理情報データ35を、ネットワーク3を介して端末装置4に送信する。使用者が、端末装置4を操作して調理アプリを動作させると、端末装置4は、センター装置2と通信を行うと共に加熱調理装置5とも通信を行い、センター装置2から受信した料理情報データ35に含まれる調理工程データ38を加熱調理装置5に送信する。加熱調理装置5は、端末装置4によって送信されてきた調理工程データ38を受信して記憶し、その調理工程データ38に基づいて被調理物の加熱制御を行う。
(端末装置4)
図5は、図1の端末装置4の構成を示すブロック図である。端末装置4は、例えばスマートフォンである。なお、端末装置4は、スマートフォンに限定されるものではなく、アプリケーションソフトウェアを利用でき、通信ネットワークに接続できる情報機器であればよく、例えば、タブレット、腕時計型端末等、他の形態の情報機器であってもよい。端末装置4は、センター装置2と通信を行う端末第1通信部41と、加熱調理装置5と通信を行う端末第2通信部42と、センター装置2及び加熱調理装置5から受信したデータ等を記憶する端末記憶部43と、を備える。また、端末装置4は、センター装置2及び加熱調理装置5から受信したデータ等を表示する端末表示部44を備える。また、端末装置4は、音声を出力する音声出力部45aを含み音声を発生し、報知音も発生させる音発生部45を備える。また、端末装置4は、音声入力を音声認識で受け付ける音声入力部46a、あるいは、タッチ入力を受け付けるタッチ入力部46bといった端末装置4への操作入力を受け付ける端末操作入力部46を備える。また、端末装置4は、計時処理を行う端末タイマ部47と、端末装置4の制御を行う端末制御部48と、を備えている。端末制御部48は、端末第1通信部41、端末第2通信部42、端末記憶部43、端末表示部44、音発生部45、端末操作入力部46及び端末タイマ部47等と接続し、これらの部品を制御する。更に、端末装置4は、端末表示部44とタッチ入力部46bとが一体化された表示操作入力部49を備えていてもよい。
図6は、図5に示す端末装置4における表示操作入力部49の表示例を示した図である。端末装置4の表示操作入力部49は、メニュー選択画面を表示している。端末装置4は、使用者によって、調理アプリプログラムが起動されると、図1に示すネットワーク3を介してセンター装置2と通信を行い、センター装置2から図3に示すメニュー一覧データ30を受信する。端末装置4は、受信したメニュー一覧データ30を、図5に示す端末記憶部43に記憶すると共に表示操作入力部49あるいは端末表示部44に表示する。図6では、端末装置4は、調理カテゴリー表示部49aに調理カテゴリー31を表示し、料理リスト表示部49cに、調理カテゴリー31に対応した料理リストの、メニュー32の一覧を表示し、数量表示部49bに何人前等の指定する数量の表示も行っている。使用者が、表示するメニュー32の調理カテゴリー31を変更したい場合には、例えば調理カテゴリー表示部49aをタッチする。端末装置4は、調理カテゴリー表示部49aに対するタッチ入力によって、調理カテゴリー表示部49aに表示する調理カテゴリー31を順次、例えば「煮物→蒸し物→茹で物→揚げ物→焼き物→炒め物→煮物」と切り替える。また、端末装置4は、調理カテゴリー表示部49aに対するタッチ入力によって、調理カテゴリー表示部49aの表示を切り替えると共に、料理リスト表示部49cに一覧表示される料理リストのメニュー32の内容も切り替える。また、端末装置4は、表示操作入力部49において、何人前かの数量を表示している数量表示部49bが上向にフリックされることによって、数量表示部49bに表示されている指定数量が増加し、下向きにフリックされることにより指定数量が減少する。なお、端末装置4が、表示操作入力部49の替わりに端末操作入力部46を有している場合には、上記で説明した表示操作入力部49へのタッチ入力による情報の入力は、図5に示す端末操作入力部46を利用して行われる。
図7は、図5に示す端末装置4における表示操作入力部49に料理情報データ35の食材データ36を表示した一例を示す図である。図8は、図5に示す端末装置4における表示操作入力部49に料理情報データ35の調理ガイドデータ37を表示した一例を示す図である。図9は、図7及び図8の料理情報データ35に対する調理工程データ38の一例を示す図である。端末装置4は、図6に示す表示操作入力部49の料理リスト表示部49cに例示されている特定のメニュー部分がタッチされることによりメニュー選択が行われる。端末装置4は、メニュー選択が行われると、選択されたメニュー32のデータと、指定された数量のデータと、を図1に示すセンター装置2に送信する。図7に示すように、本例では、調理するメニュー32としてポークカレーが選択され、指定された数量は4人前であったものとする。センター装置2は、端末装置4から送られてきた選択されたメニュー32と指定数量のデータを受信すると、これらのデータに対応する図4に示す食材データ36、調理ガイドデータ37及び調理工程データ38に関する料理情報データ35を端末装置4に送信する。端末装置4は、センター装置2から送信されてきた料理情報データ35を受信すると、その受信データを端末記憶部43に記憶すると共に表示操作入力部49に表示する。図7に示すように、端末装置4は、センター装置2から送信されてきた料理情報データ35を受信すると、表示操作入力部49に料理情報データ35の食材データ36を表示する。また、図8に示すように、端末装置4は、センター装置2から送信されてきた料理情報データ35を受信すると、表示操作入力部49に料理情報データ35の調理ガイドデータ37を表示し、調理手順を表示する。端末装置4は、加熱調理装置5とも通信を行って、センター装置2から送信されてきた料理情報データ35を受信すると、料理情報データ35に含まれる調理工程データ38を加熱調理装置5に転送する。図9に調理工程データ38の一例を示す。この例において調理工程データ38は、4つの加熱工程データ38aから構成されており、各加熱工程データ38aはその加熱工程における加熱火力データ38bと加熱時間データ38cに加え、使用者が各加熱工程で行う調理動作データ38dを備えている。加熱火力データ38bは、図9に示すように、調理工程毎に加熱部10による必要な火力を示したものである。加熱時間データ38cは、調理工程毎に加熱部10による必要な加熱時間を示したものである。調理動作データ38dは、調理工程毎に使用者がその調理工程で行う、例えば、煮る、焼く、炒める、揚げる、茹でる、あるいは、蒸す等の調理動作を示したものである。後述する調理装置通信部8で受信した調理工程データ38は、加熱調理装置5を用いて行われる調理工程として調理装置記憶部9に記憶される。加熱工程データ38aの第1工程は、食材炒めの工程であり、加熱火力が750W、加熱時間が20分であり、使用者に対し食材炒めの調理動作を要求する工程である。加熱工程データ38aの第2工程は、炒めた食材に水を加えて食材を一煮立ちさせる工程であり、加熱火力が2kW、加熱時間が10分であり、使用者に対し食材に水を加える動作を要求する工程である。加熱工程データ38aの第3工程は、食材を一煮立ちさせた後の食材の煮込み工程であり、加熱火力が750W、加熱時間が30分であり、第3工程の開始に当たって使用者に要求する調理動作がない工程である。加熱工程データ38aの第4工程は、カレールーを加えた仕上げ煮込み工程であり、加熱火力が500W、加熱時間が10分であり、使用者にカレールーを入れて溶かす調理動作を要求する工程である。
図10は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5の構成を示すブロック図である。図11は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5の概略上面図である。次いで、図10及び図11を用いて、図1に示す加熱調理装置5について説明する。加熱調理装置5は、例えば、いわゆるIHクッキングヒータであり、キッチン台に組み込まれて使用される誘導加熱調理装置である。図10に示すように、加熱調理装置5は、端末装置4と通信を行い、端末装置4から送信されてくる調理工程データ38を受信する調理装置通信部8と、その受信した調理工程データ38を記憶する調理装置記憶部9と、を有する。この調理装置記憶部9は、調理工程データ38を記憶することで、被調理物の調理工程を記憶する。また、加熱調理装置5は、食材を入れた鍋等の被加熱物を加熱する加熱部10と、加熱部10に発生する電流、電圧、電力又は温度等を検出するセンサー部11と、加熱動作の残時間をタイマカウンタに設定してカウントする調理装置タイマ部12と、を有する。加熱部10は、鍋等の被加熱物を介して、食材及び水等の被調理物を加熱する。また、加熱調理装置5は、加熱部10及び調理装置タイマ部12の動作状態等を表示する調理装置表示部6と、加熱調理装置5に対して使用者が操作入力を行う調理装置操作入力部7と、を有する。この調理装置操作入力部7には、加熱調理装置5の加熱部10に対する指示が入力される。また、加熱調理装置5は、使用者に対する報知音及び音声メッセージを発生させる報知音発生部13と、加熱調理装置5を制御する調理装置制御部14とを有する。調理装置制御部14は、調理装置通信部8、調理装置記憶部9、加熱部10、センサー部11、調理装置タイマ部12、調理装置表示部6、調理装置操作入力部7及び報知音発生部13等と接続し、これらを制御する。調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7に入力される指示と調理装置記憶部9に記憶された調理工程とに基づいて加熱部10の加熱火力を制御する。調理装置表示部6は、図11に示すように、複数のLEDを有する火力インジケータ6aと、選択された加熱モードあるいは設定された加熱火力レベル、タイマ値及び制御温度、等を表示する調理装置操作表示部6bと、を備える。加熱調理装置5は、例えば、第1火力が300W、第2火力が500W、第3火力が750W、第4火力が1000W、第5火力が1500W、第6火力が2000W、第7火力が2500W及び第8火力が3000Wで加熱できる8段階の加熱火力レベルを有する。加熱調理装置5の火力インジケータ6aは、点灯する赤色LEDの数で加熱動作中の加熱火力レベルを示す。
図12は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5の調理装置操作表示部6bの表示内容を説明する図である。図13は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5の調理装置操作入力部7を説明する図である。調理装置操作表示部6bは、加熱部10の加熱モードを表示するモード表示部6b1と、加熱部10の加熱火力レベルを表示する加熱火力表示部6b2と、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの残時間を表示するタイマ表示部6b3と、を有する。また、調理装置操作表示部6bは、被調理物の目標制御温度を表示する制御温度表示部6b4と、調理装置記憶部9に記憶している調理工程データ38の加熱工程数あるいは調理工程データ38に基づく実行中の加熱工程番号を示す工程表示部6b5と、を有する。実施の形態1に係る加熱調理装置5は、加熱モードとして、手動火力モード、揚げ物モード、湯沸しモード、アシストモードの4つのモードを備えている。加熱調理装置5のモード表示部6b1には、選択可能な加熱モードが表示されていると共に、選択された加熱モードが例えば点灯表示等されて強調して表示される。手動火力モードは、使用者が調理装置操作入力部7から入力した操作により加熱部10が設定された加熱火力レベルで動作する加熱モードであり、設定した時間の経過により加熱動作を停止する切タイマの設定が可能なモードである。揚げ物モードは、天ぷら鍋等で揚げ物をする場合に使用する加熱モードで、鍋の温度が設定した目標制御温度となるように、所定の加熱火力レベル(例えば、750W)で加熱するように加熱部10が制御される加熱モードである。湯沸しモードは、鍋あるいはケトルでお湯を沸かす際に使用される加熱モードであり、高加熱火力レベル(例えば、初期加熱火力レベルは3kW)で加熱するように加熱部10が制御される加熱モードである。アシストモードは、調理装置記憶部9に記憶されている調理工程データ38の各加熱工程データ38aに基づいて加熱部10の出力制御が行われる加熱モードである。アシストモードでは、図10に示す加熱調理装置5の調理装置制御部14は、加熱工程データ38aに含まれた加熱火力データ38bの加熱火力となるように加熱部10を制御して鍋等を加熱する。そして、加熱調理装置5の調理装置制御部14が、加熱工程データ38aに含まれた加熱時間データ38cを調理装置タイマ部12に設定してタイマのカウントダウンを行う。また、アシストモードでは、使用者が調理装置操作入力部7への入力操作を行うことで、加熱部10による加熱状態を適宜調整することができる。
調理装置操作入力部7は、図13に示すように、加熱停止中に加熱モードの切り替えを指示するためのモード切り替えスイッチ7aと、加熱部10における加熱開始及び加熱停止の指示を使用者が入力する加熱スイッチ7bと、を有する。また、調理装置操作入力部7は、加熱火力レベルを増減させる指示を入力するための火力増スイッチ7cと火力減スイッチ7dとを有する。また、調理装置操作入力部7は、調理工程データ38に基づいて加熱部10の出力制御を行っているアシストモードにおいて、使用者が次の加熱工程への移行指示を入力するための工程移行スイッチ7eを有する。また、調理装置操作入力部7は、手動火力モードにおける切タイマあるいはアシストモードにおける各加熱工程の加熱時間タイマにおいてタイマのカウントダウンを開始(再開)したり停止したりする指示を使用者が入力するためのタイマスイッチ7fを有する。また、調理装置操作入力部7は、調理装置タイマ部12のタイマカウンタ値を増減させる指示を入力するためのタイマ増スイッチ7gとタイマ減スイッチ7hとを備えている。
図14は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5における加熱制御処理の全体のフローの一例を示したフローチャートである。実施の形態1に係る加熱調理装置5は、手動火力モード、揚げ物モード、湯沸しモード、アシストモードの4つの加熱モードを備える。加熱調理装置5は、使用者によるモード切り替えスイッチ7aへの入力がある度に、手動火力モード、揚げ物モード、湯沸しモード、アシストモード、の順に切り替わる。更に、使用者によるモード切り替えスイッチ7aへの入力があると、アシストモードから、手動火力モードに戻り、再び、手動火力モード、揚げ物モード、等の順に切り替わる。
先ず、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7のモード切り替えスイッチ7aへの入力の有無を確認する(ステップS1)。調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7のモード切り替えスイッチ7aへの入力があった場合(ステップS1がYESの場合)には、加熱モードを次の加熱モードに切り替える(ステップS2)。調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7のモード切り替えスイッチ7aへの入力がなかった場合(ステップS1がNOの場合)、又は、加熱モードを切り替えた場合には、調理装置通信部8が調理工程データ38を受信したか否かを判断する(ステップS3)。その結果、調理装置制御部14は、調理装置通信部8が調理工程データ38を受信したと判断した場合(ステップS3がYESの場合)には受信した調理工程データ38を調理装置記憶部9に格納する(ステップS4)。そして、調理装置制御部14は、加熱モードを受信した調理工程データ38に基づいて加熱部10の出力を制御するアシストモードに切り替える(ステップS5)。次いで、調理装置制御部14は、調理装置通信部8が調理工程データ38を受信していないと判断した場合(ステップS3がNOの場合)、又は、アシストモードに切り替えた場合には、選択されている加熱モードを判断する(ステップS6)。調理装置制御部14は、選択されている加熱モードに応じて手動火力制御処理(ステップS7)、揚げ物制御処理(ステップS8)、湯沸し制御処理(ステップS9)、アシスト制御処理(ステップS10)の何れかを実行する。
加熱調理装置5は、ステップS7からステップS10の各加熱モードにおける制御処理において加熱出力を行い、ステップS1からステップS6の工程においては加熱出力を行っていない。また、加熱調理装置5は、加熱停止中の状態において調理装置通信部8が調理工程データ38を受信することにより、あるいは、使用者によるモード切り替えスイッチ7aへの操作が行われることにより加熱モードの切り替えが行われる。したがって、使用者が、端末装置4から調理工程データ38を送信した場合に、加熱調理装置5が加熱調理を行っていない場合には、加熱調理装置5は自動的にアシストモードに切り替わって直ちに受信した調理工程データ38に基づいた加熱調理を開始する。
図15は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5における手動火力モードの制御処理の一例を示すフローチャートである。次に、図15のフローチャートに基づいて、手動火力モードの手動火力制御処理の一例について説明する。先ず、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bにおける使用者による入力の有無を確認する(ステップS7-1)。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無ければ(ステップS7-1がNOの場合)本処理を終了する。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS7-1がYESの場合)には、火力インジケータ6aの赤色LEDを1000Wに対応する数だけ点灯させ、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2に1000Wと表示させる。調理装置制御部14は、調理装置表示部6の表示と共に、加熱火力を1000Wとして加熱部10の加熱を開始させる(ステップS7-2)。
次いで、調理装置制御部14は、使用者による火力増スイッチ7c及び火力減スイッチ7dへの入力の有無を確認する(ステップS7-3)。調理装置制御部14は、火力増スイッチ7cに入力があった場合(ステップS7-3がYESの場合)には、加熱火力レベルを1段階上げる(例えば、1000Wから1500Wに変更)。調理装置制御部14は、火力減スイッチ7dに入力があった場合(ステップS7-3がYESの場合)には加熱火力レベルを1段階下げる(例えば、1000Wから750Wに変更)。そして、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDの点灯数及び調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示内容を変更した加熱火力レベルに更新する(ステップS7-4)。但し、加熱火力レベルが設定可能な上限あるいは下限であって、加熱火力レベルを変更できない場合には、調理装置制御部14は、報知音発生部13からブザー音は発生させ、あるいは「火力下限です」等の音声メッセージを発生させてその旨を使用者に知らせる。
加熱レベルの増減スイッチの入力がなかった場合(ステップS7-3がNOの場合)、又は加熱火力レベルを更新した場合、調理装置制御部14は、タイマ増スイッチ7g又はタイマ減スイッチ7hの入力の有無を確認する(ステップS7-5)。調理装置制御部14は、タイマ増スイッチ7gに入力があった場合(ステップS7-5がYESの場合)には調理装置タイマ部12のタイマカウンタに設定されている値を所定値(例えば5分)増やす。また、調理装置制御部14は、タイマ減スイッチ7hに入力があった場合(ステップS7-5がYESの場合)にはタイマカウンタに設定されている値を所定値(例えば5分)減らす。調理装置制御部14は、タイマ増スイッチ7g又はタイマ減スイッチ7hへの入力に基づき、タイマカウンタに設定されている値を更新する(ステップS7-6)。なお、設定されたタイマカウンタの値は調理装置操作表示部6bのタイマ表示部6b3に表示される。
次に、調理装置制御部14は、タイマ増減スイッチの入力がない場合(ステップS7-5がNOの場合)、又はタイマカウンタに設定されている値を更新した場合、調理装置タイマ部12がカウント状態か否かを判断する(ステップS7-7)。調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12がカウント状態でない場合(ステップS7-7がNOの場合)にはタイマスイッチ7fの入力の有無を確認する(ステップS7-8)。タイマスイッチ7fの入力があった場合(ステップS7-8がYESの場合)には、調理装置制御部14は、タイマカウンタの値が0か否かを判断する(ステップS7-9)。調理装置制御部14は、タイマカウンタの値が0である場合(ステップS7-9がYESの場合)には、タイマに初期値(例えば10分)を設定する(ステップS7-10)。調理装置制御部14は、タイマカウンタの値が0でない場合(ステップS7-9がNOの場合)、又はタイマに初期値を設定した場合、調理装置タイマ部12において、タイマカウンタのカウントダウンを開始させる(ステップS7-11)。
調理装置制御部14は、タイマスイッチ7fの入力がない場合(ステップS7-8がNOの場合)、又はタイマカウンタのカウントダウンを開始した場合、加熱スイッチ7bの入力を確認する(ステップS7-12)。 調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無かった場合(ステップS7-12がNOの場合)には、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していないかを確認する(ステップS7-13)。調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していた場合(ステップS7-13がYESの場合)には、調理装置制御部14は、受信した調理工程データ38を調理装置記憶部9に格納し(ステップS7-14)、ステップS7-3へ戻る。調理装置制御部14は、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していない場合(ステップS7-13がNOの場合)には、ステップS7-3へ戻る。ステップS7-12において、加熱スイッチ7bに入力があった場合(ステップS7-12がYESの場合)には、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱動作を停止して手動火力制御処理を終了する(ステップS7-15)。この場合、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2を0Wとする。
ステップS7-7において、調理装置タイマ部12がカウント状態であった場合(ステップS7-7がYESの場合)には、調理装置制御部14は、タイムアップしているか否かを判断する(ステップS7-16)。すなわち、調理装置制御部14は、タイマカウンタの値が0であるか否かを確認する。タイマカウンタが0である場合、すなわち、タイムアップしていた場合(ステップS7-16がYESの場合)には、ステップS7-15に移行して、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱動作を停止して手動火力制御処理を終了する(ステップS7-15)。ステップS7-16において、タイマカンウタが0でない場合、すなわち調理装置タイマ部12がタイムアップしていない場合(ステップS7-16がNOの場合)、調理装置制御部14は、タイマスイッチ7fの入力の有無を確認する(ステップS7-17)。調理装置制御部14は、タイマスイッチ7fの入力があった場合(ステップS7-17がYESの場合)、調理装置タイマ部12のカウント状態を解除してタイマカウントを停止し(ステップS7-18)、ステップS7-12へ移行する。調理装置制御部14は、タイマスイッチ7fの入力がなかった場合(ステップS7-17がNOの場合)、ステップS7-12へ移行する。
図16は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5における揚げ物モードの制御処理の一例を示すフローチャートである。次に、図16のフローチャートに基づいて、揚げ物モードの揚げ物制御処理の一例について説明する。先ず、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bにおける使用者による入力の有無を確認する(ステップS8-1)。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無ければ(ステップS8-1がNOの場合)本処理を終了する。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS8-1がYESの場合)には、火力インジケータ6aの赤色LEDを750Wに対応する数だけ点灯させ、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2に750Wと表示させる。また、調理装置制御部14は、調理装置操作表示部6bの制御温度表示部6b4に180℃と表示させる。調理装置制御部14は、調理装置表示部6の表示と共に、加熱火力を750Wとし、目標制御温度を180℃として加熱部10の加熱を開始させる(ステップS8-2)。
次いで、調理装置制御部14は、使用者による火力増スイッチ7c及び火力減スイッチ7dへの入力の有無を確認する(ステップS8-3)。調理装置制御部14は、火力増スイッチ7cに入力があった場合(ステップS8-3がYESの場合)には目標制御温度を上げる(例えば、10℃)。あるいは、調理装置制御部14は、火力減スイッチ7dに入力があった場合(ステップS8-3がYESの場合)には目標制御温度を下げる(例えば、10℃)。そして、調理装置制御部14は、調理装置操作表示部6bの制御温度表示部6b4の表示温度を変更した目標制御温度に更新する(ステップS8-4)。
そして、調理装置制御部14は、センサー部11の温度センサーによって被加熱物である鍋の温度を検出し、検知した温度と目標制御温度とを比較する(ステップS8-5)。調理装置制御部14は、検知した温度と目標制御温度とを比較した結果、検知した鍋温度と目標制御温度との差異が5℃以内の場合には加熱状態を維持する(ステップS8-6)。調理装置制御部14は、検知した温度と目標制御温度とを比較した結果、検知した鍋温度が目標制御温度に5℃足した値よりも高かった場合には加熱部10の加熱動作を停止する(ステップS8-7)。また、調理装置制御部14は、検知した温度と目標制御温度とを比較した結果、検知した鍋温度が目標制御温度から5℃引いた値よりも低かった場合には加熱部10の加熱動作を再開(継続)する(ステップS8-8)。
次に、調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力の有無を確認する(ステップS8-9)。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無かった場合(ステップS8-3がNOの場合)には、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信しているか否かを確認する(ステップS8-10)。調理装置制御部14は、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していた場合(ステップS8-10がYESの場合)には、受信した調理工程データ38を調理装置記憶部9に格納し(ステップS8-11)、ステップS8-3へ戻る。調理装置制御部14は、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していない場合(ステップS8-10がNOの場合)には、ステップS8-3へ戻る。ステップS8-9において、調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS8-9がYESの場合)には、加熱部10の加熱動作を停止する(ステップS8-12)。この際、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示を0Wとし、制御温度表示部6b4を消して揚げ物制御処理を終了する。
図17は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5における湯沸しモードの制御処理の一例を示すフローチャートである。次に、図17のフローチャートに基づいて、湯沸しモードの湯沸し制御処理の一例について説明する。実施の形態1に係る加熱調理装置5では、湯沸し完了条件を、鍋温度が100℃超となった場合と、鍋温度が95℃超の状態を1分継続した場合としている。先ず、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bにおける使用者による入力の有無を確認する(ステップS9-1)。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無ければ(ステップS9-1がNOの場合)本処理を終了する。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS9-1がYESの場合)には、火力インジケータ6aの赤色LEDを3000Wに対応する数だけ点灯させ、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2に3000Wと表示させる。調理装置制御部14は、調理装置表示部6の表示と共に、加熱火力を3000Wとして加熱部10の加熱を開始させる(ステップS9-2)。
次いで、調理装置制御部14は、使用者による火力増スイッチ7c及び火力減スイッチ7dへの入力の有無を確認する(ステップS9-3)。調理装置制御部14は、火力増スイッチ7cに入力があった場合(ステップS9-3がYESの場合)には、加熱火力レベルを1段階上げる(例えば、3000Wから3500Wに変更)。調理装置制御部14は、火力減スイッチ7dに入力があった場合(ステップS9-3がYESの場合)には加熱火力レベルを1段階下げる(例えば、3000Wから2500Wに変更)。そして、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDの点灯数及び調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示内容を変更した加熱火力レベルに更新する(ステップS9-4)。但し、加熱火力レベルが設定可能な上限あるいは下限であって、加熱火力レベルを変更できない場合には、調理装置制御部14は、報知音発生部13からブザー音は発生させ、あるいは「火力上限です」等の音声メッセージを発生させてその旨を使用者に知らせる。
次いで、調理装置制御部14は、センサー部11の温度センサーによって検出した鍋の温度が100℃を超えるか否かを判断する(ステップS9-5)。調理装置制御部14は、センサー部11の温度センサーによって検出した鍋の温度が100℃を超えない場合には、センサー部11の温度センサーによって検出した鍋の温度が95℃を超えるか否かを判断する(ステップS9-6)。その結果、調理装置制御部14は、鍋の温度が95℃以下の場合であると判断した場合に加熱スイッチ7bへの入力の有無を確認する(ステップS9-7)。
調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無かった場合(ステップS9-7がNOの場合)には、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信しているか否かを確認する(ステップS9-8)。調理装置制御部14は、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していた場合(ステップS9-8がYESの場合)には、受信した調理工程データ38を調理装置記憶部9に格納し(ステップS9-9)、ステップS9-3へ戻る。調理装置制御部14は、調理装置通信部8で調理工程データ38を受信していない場合(ステップS9-8がNOの場合)には、ステップS9-3へ戻る。ステップS9-7において、調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS9-7がYESの場合)には、加熱部10の加熱動作を停止する(ステップS9-13)。この際、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示を0Wとし、制御温度表示部6b4を消して湯沸し制御処理を終了する。
ステップS9-6において、調理装置制御部14は、検知した鍋の温度が95℃を超える場合には、調理装置タイマ部12がカウント状態か否かを判断する(ステップS9-10)。調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12がカウント状態でない場合(ステップS9-10がNOの場合)には加熱火力レベルを1500Wにして吹きこぼれを防止する。また、調理装置制御部14は、切タイマ値としてタイマカウンタを1分に設定し、調理装置タイマ部12をカウント状態とし(ステップS9-11)、ステップS9-7へ移行し、タイマスイッチ7fの入力の有無を確認する。
ステップS9-10において、調理装置タイマ部12がカウント状態であった場合(ステップS9-10がYESの場合)には、調理装置制御部14は、タイムアップしているか否かを判断する(ステップS9-12)。すなわち、調理装置制御部14は、タイマカウンタの値が0であるか否かを確認する。タイマカウンタが0である場合、すなわち、タイムアップしていた場合(ステップS9-12がYESの場合)には、調理装置制御部14は、湯沸し完了と判断し、ステップS9-13に移行する。そして、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱動作を停止して湯沸し制御処理を終了する(ステップS9-13)。この際、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示を0Wとし、制御温度表示部6b4を消して湯沸し制御処理を終了する。ステップS9-12において、タイマカンウタが0でない場合、すなわち調理装置タイマ部12がタイムアップしていない場合(ステップS9-12がNOの場合)、調理装置制御部14は、ステップS9-7へ移行し、タイマスイッチ7fの入力の有無を確認する。
ステップS9-5において、調理装置制御部14は、検知した鍋の温度が100℃を超えると判断した場合は、湯沸し完了と判断し、ステップS9-13に移行する。そして、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱動作を停止して湯沸し制御処理を終了する(ステップS9-13)。この際、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示を0Wとし、制御温度表示部6b4を消して湯沸し制御処理を終了する。
図18は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理装置5におけるアシストモードの制御処理の一例を示すフローチャートである。次に、図18のフローチャートに基づいて、アシストモードのアシスト制御処理の一例について説明する。実施の形態1に係る加熱調理装置5のアシストモードでは、調理装置記憶部9に記憶された調理工程データ38に基づいた加熱制御が実行される。調理工程データ38は、図9に示したように、加熱火力データ38bと加熱時間データ38cとを有する加熱工程データ38aを1又は2以上含む。
先ず、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bにおける使用者による入力の有無を確認する(ステップS10-1)。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力が無ければ(ステップS10-1がNOの場合)本処理を終了する。調理装置制御部14は、加熱スイッチ7bの入力があった場合(ステップS10-1がYESの場合)には、調理開始メッセージを報知音発生部13から出力する(ステップS10-2)。調理開始メッセージは、例えば、調理工程を開始する旨のメッセージが含まれ、その第1加熱工程で使用者に要求される調理動作が有る場合にはその調理動作を促すメッセージが含まれる。
次いで、調理装置制御部14は、現加熱工程(調理開始時は最初の加熱工程)に対応する番号を工程表示部6b5に表示すると共に、その加熱工程に適用される加熱火力データ38bの加熱火力レベルで加熱部10の加熱動作を開始させる。また、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDの点灯数と調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示内容とを、その加熱工程に適用される加熱火力データ38bの加熱火力レベルに対応させて表示させる。そして、調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12のタイマカウンタに現加熱工程(調理開始時は最初の加熱工程)の加熱時間データ38cを設定してカウント状態とする(ステップS10-3)。
次いで、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の工程移行スイッチ7eへの入力の有無を確認する(ステップS10-4)。調理装置制御部14は、工程移行スイッチ7eへの入力が無いと判断する場合(ステップS10-4がNOの場合)には各種データの取り込みを行う(ステップS10-5)。各種データは、例えば、センサー部11によって検知される被加熱物である鍋の温度、あるいは、入力電力等である。調理装置制御部14は、取り込んだ各種データに基づき、実行中の加熱工程に関してタイムアウト以外の終了条件が成立しているか否かを判断する(ステップS10-6)。例えば、図9に示した調理工程の第2工程では「一煮立ち」が終了条件となっているので、調理装置制御部14は、鍋の検出温度から工程終了条件が成立しているか否かを判断し、鍋の温度が100℃となった場合に工程終了条件が成立したと判断する。
調理装置制御部14は、工程終了条件が成立していないと判断する場合(ステップS10-6がNOの場合)には、使用者による火力増スイッチ7c及び火力減スイッチ7dへの入力の有無を確認する(ステップS10-7)。調理装置制御部14は、火力増スイッチ7cに入力があった場合(ステップS10-7がYESの場合)には、加熱火力レベルを1段階上げる(例えば、1000Wから1500Wに変更)。調理装置制御部14は、火力減スイッチ7dに入力があった場合(ステップS10-7がYESの場合)には加熱火力レベルを1段階下げる(例えば、1000Wから750Wに変更)。そして、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDの点灯数及び調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示内容を変更した加熱火力レベルに更新する(ステップS10-8)。但し、加熱火力レベルが設定可能な上限あるいは下限であって、加熱火力レベルを変更できない場合には、調理装置制御部14は、報知音発生部13からブザー音は発生させ、あるいは「火力下限です」等の音声メッセージを発生させてその旨を使用者に知らせる。
次いで、調理装置制御部14は、火力増スイッチ7c及び火力減スイッチ7dに入力が無い場合(ステップS10-7がNOの場合)、又は、設定火力を更新した場合に、使用者によるタイマスイッチ7fへの入力の有無を確認する(ステップS10-9)。調理装置制御部14は、使用者によるタイマスイッチ7fへの入力があった場合(ステップS10-9がYESの場合)にはタイマカウントの状態を反転させる(ステップS10-10)。すなわち、調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12がカウント状態であればカウントを停止状態にし、調理装置タイマ部12がカウントの停止状態であれば、カウント状態にする。
次いで、調理装置制御部14は、タイマスイッチ7fへの入力が無い場合(ステップS10-9がNOの場合)、又はタイマカウントの状態を反転させた場合にタイマ増スイッチ7g及びタイマ減スイッチ7hへの入力の有無を確認する(ステップS10-11)。調理装置制御部14は、使用者によるタイマ増スイッチ7gへの入力があった場合には調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値を所定値(例えば5分)増やす。あるいは、調理装置制御部14は、使用者によるタイマ減スイッチ7hへの入力があった場合には調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値を所定値(例えば5分)減らす。すなわち、調理装置制御部14は、タイマ増スイッチ7g及びタイマ減スイッチ7hへの入力の有った場合(ステップS10-11がYESの場合)には、タイマカウンタの値を更新する(ステップS10-12)。
次いで、調理装置制御部14は、タイマ増スイッチ7g等への入力の無い場合(ステップS10-11がNOの場合)、又は、タイマカウンタの値を更新した場合には、タイマカウンタの状態から次の処理工程を判断する(ステップS10-13)。調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値が、予め規定された所定値(例えば1分)であれば、報知音発生部13により現加熱工程の終了予告報知を行う(ステップS10-14)。ステップS10-13において、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値が0でない場合、又は予め規定された所定値でない場合には、調理装置制御部14は加熱部10を制御して現加熱工程の加熱火力データ38bの加熱火力とする(ステップS10-15)。なお、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値が0でない場合とは、タイムアップしていない場合である。
次いで、調理装置制御部14は、使用者による調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bへの入力の有無を判断する(ステップS10-16)。調理装置制御部14は、使用者による調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bへの入力がないと判断する場合(ステップS10-16がNOの場合)には、ステップS10-4へ移行する。そして、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7の工程移行スイッチ7eへの入力の有無を確認する(ステップS10-4)。調理装置制御部14は、使用者による調理装置操作入力部7の加熱スイッチ7bへの入力が有ると判断する場合(ステップS10-16がYESの場合)には加熱部10の加熱出力を停止する(ステップS10-17)。この際、調理装置制御部14は、火力インジケータ6aの赤色LEDを消灯し、調理装置操作表示部6bの加熱火力表示部6b2の表示を0Wとし、制御温度表示部6b4を消してアシスト制御処理を終了する。
ステップS10-6において、調理装置制御部14は、工程終了条件が成立していると判断する場合(ステップS10-6がYESの場合)には、報知音発生部13により現加熱工程の終了を報知する(ステップS10-18)。また、ステップS10-13において、調理装置制御部14は、調理装置タイマ部12がタイムアップしている(タイマカウンタの値が0である)と判断する場合にも、報知音発生部13により現加熱工程の終了を報知する(ステップS10-18)。
調理装置制御部14は、報知音発生部13により現加熱工程の終了を報知すると、調理工程データ38における次の加熱工程データ38aの有無を判断する(ステップS10-19)。調理装置制御部14は、ステップS10-19において、次の加熱工程データ38aが無いと判断する場合(ステップS10-19がNOの場合)には、ステップS10-17に移行して加熱部10の加熱を停止し、アシスト制御処理を終了する。調理装置制御部14は、ステップS10-19において、次の加熱工程データ38aが有ると判断する場合(ステップS10-19がYESの場合)には、その次の加熱工程において使用者に調理動作が要求されているか否かを判断する(ステップS10-20)。換言すると、調理工程は、調理装置制御部14が調理装置操作入力部7から入力される指示を待って開始する確認必要工程と、調理装置制御部14が調理装置操作入力部7から入力される指示を待たずに開始する確認不要工程と、を有する。例えば、図9に示した調理工程データ38の一例では、第2工程において「水を加える」調理動作が要求されている。その結果、加熱工程が使用者に調理動作を要求する確認必要工程である場合(ステップS10-20がYESの場合)には、調理装置制御部14は、加熱部10を制御して加熱出力を抑制し、あるいは、加熱出力を停止する(ステップS10-21)。そして、調理装置制御部14は、加熱部10を制御して加熱出力を抑制し、あるいは、加熱出力を停止すると、ステップS10-16へ移行して加熱スイッチ7bへの入力を確認しつつ、ステップS10-4において工程移行(開始)スイッチの入力を待つ。ステップS10-20において、例えば図9に示した調理工程データ例の第3工程のように使用者に調理動作を要求しない確認不要工程である場合(ステップS10-20がNOの場合)には、調理装置制御部14は加熱工程を次に進める(ステップS10-22)。そして、調理装置制御部14は、ステップS10-3へ移行してアシスト制御処理を継続する。
また、ステップS10-4において、調理装置制御部14は、工程移行スイッチ7eへの入力が有ると判断する場合には、調理工程データ38に次の加熱工程データ38aが有るか否かを判断する(ステップS10-23)。調理装置制御部14は、次の加熱工程が無いと判断する場合(ステップS10-23がNOの場合)には、ステップS10-17に移行して加熱部10の加熱動作を停止し、アシスト制御処理を終了する。調理装置制御部14は、次の加熱工程が有ると判断する場合(ステップS10-23がYESの場合)には、加熱工程を次に進め(ステップS10-22)、ステップS10-3へ移行してアシスト制御処理を継続する。
なお、調理装置制御部14は、使用者に調理動作を要求する加熱工程を開始する前、又は、開始した後に、要求する調理動作を調理装置表示部6に表示し、あるいは、報知音発生部13から音声報知してもよい。調理装置制御部14が、使用者に要求する調理動作を報知すれば、使用者が調理に慣れていない場合であっても使用者が適切に調理を行う助けとなる。また、調理装置制御部14は、図5に示す端末装置4に通知して、使用者に要求する調理動作を端末装置4の端末表示部44に表示し、あるいは、端末装置4の音声出力部45aから音声によって報知してもよい。調理装置制御部14が、端末装置4を介して使用者に要求する調理動作を報知することとすれば、端末装置4の端末表示部44あるいは音声出力部45aを活用することができる。そのため、加熱調理装置5は、調理装置表示部6あるいは報知音発生部13を省略したり、簡易な構成としたりして、コストを抑えることができる。
また、上記説明では、使用者への調理動作の要求がある加熱工程を開始させる場合には、使用者による工程移行スイッチ7eの入力を必要としている。しかし、使用者による工程移行スイッチ7eの入力に代えて、使用者の行った調理動作を、センサー部11で検知した検出値に基づいて自動的に検出し、センサー部11の検知結果に基づき調理装置制御部14が加熱工程を進めることとしてもよい。例えば、調理装置制御部14は、第2工程で要求される調理動作の水投入を、センサー部11が検知する鍋の温度の低下により検出し、工程移行スイッチ7eが押下されなくても第2工程を開始することとしてもよい。
上記のアシスト制御処理では、調理工程データ38の各工程データに、その加熱工程で使用者に要求される調理動作のデータが付加されている。加熱調理装置5は、例えば、食材等の調理容器への投入、調理物の状態確認、調理物のかき混ぜあるいは裏返し、等の要求される調理動作のデータが有る場合には、使用者による確認動作を必要とし、確認動作が行われるまで加熱を停止等する。加熱調理装置5は、要求される調理動作のデータに対する使用者の確認動作を必要とすることで、例えば、焦げ付き等の使用者の調理動作の遅れによる調理の不具合が生じることを抑制することができる。
図19は、図9に示す調理工程データ38の別の例を示す図である。図9に示す調理工程データ38に要求される調理動作データ38dを付加する替わりに、図19に示すように、各加熱工程において加熱開始の確認を要求する開始条件データ38eを付加することで、調理物に対する加熱について使用者の確認動作を要求してもよい。調理工程データ38の各加熱工程において、加熱開始の確認を要求する開始条件データ38eを付加することで、調理物の過熱あるいは焦げ付きが生じやすい加熱工程を開始する際に調理物への加熱に対する使用者の注意を喚起することができる。
以上のように、加熱調理装置5は、調理工程の進行を、調理装置操作入力部7からの入力を待って開始する工程を備えることにより使用者の調理操作の遅れによる被調理物の過熱を抑制できる。それと共に、加熱調理装置5は、調理工程の進行を、調理装置操作入力部7からの入力を待たずに開始する工程を備えることにより使用者による操作の手間の増大を抑えることができる。また、従来の調理装置の構成では、調理メニューのレシピ通りに食材等を準備し、調理工程情報通りに調理を行ったとしても、良好な調理結果を得られないおそれがある。その理由は、調理結果は、調理装置の状態、あるいは、調理容器の状態によって影響を受けるためである。また、例えば「人参1本」といっても、人参には大きさ、形状等に大きなばらつきがある等、食材等の状態が個々に異なるためである。加熱調理装置5は、一種類のスイッチ(工程移行スイッチ7e)が操作されることにより、調理工程の加熱火力データ38bに基づいた加熱火力の変更(図9の調理工程の例では順次、加熱火力を750W→2kW→750W→500Wと変更)が行われる。それと共に、加熱調理装置5は、タイマの増減スイッチあるいはタイマスイッチ7fが操作されることにより各加熱工程の加熱時間の延長又は短縮を行うことができる。その結果、加熱調理装置5は、食材の大きさ、あるいは、気温及び水温の違いなどの調理条件の違いによる被調理物の状態に応じて調理工程の調整を容易に行うことができる。
また、加熱調理装置5の確認必要工程は、使用者による調理動作が要求される工程であり、加熱調理装置5の確認不要工程は、使用者による調理動作が要求されない工程である。そのため使用者は、確認必要工程を有することで使用者の調理操作の遅れによる被調理物の過熱を抑制でき、確認不要工程を有することで使用者による操作の手間の増大を抑えることができる。
実施の形態2.
図20は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理装置5におけるアシストモードの制御処理の例を示すフローチャートである。図21は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理装置5における調理工程データ38の例を示す図である。図22は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理装置5における加熱火力のタイムチャートの一例を示す図である。なお、実施に形態2に係る加熱調理装置5を含む調理システム100は、図1に示す実施の形態1の調理システム100と同様である。また、調理システム100の構成要素であるセンター装置2、端末装置4及び加熱調理装置5の構成は、それぞれ、実施の形態1の図2、図5、図10に示した構成と同様であるものとする。図1~図19の加熱調理装置5を含む調理システム100と同一の構成を有する部位には同一の符号を付してその説明を省略する。実施の形態2に係る加熱調理装置5を含む調理システム100において、特に記述しない項目については、実施の形態1に係る加熱調理装置5を含む調理システム100と同様とし、同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
実施の形態2に係る加熱調理装置5は、アシストモードにおいて次の加熱工程に進む場合の判断方法に特徴がある。調理装置制御部14は、アシストモードにおいて次の加熱工程に進む場合に、調理装置操作入力部7からの入力を待って進むものであるか、現工程の終了時に自動的に進むものであるかを、加熱工程移行時の加熱出力が増加するか否かで判断する。なお、実施の形態2に係る加熱調理装置5の調理装置記憶部9には、図21に示した調理工程データ38が記憶されている。図21に示す調理工程データ38は、加熱モードとしてアシストモードが選択されている状態であるものとし、以下、これらの図に基づいて、実施の形態2に係る加熱調理装置5のアシストモードにおける動作について説明する。
図20に示したアシストモードにおけるアシスト制御処理のフローチャートにおいて、実施の形態1に係る加熱調理装置5の図18に示したアシスト制御処理のフローチャートと同一の処理については同一の符号を付し、説明を省略する。図20のステップS10-13において、調理装置制御部14は、実行中の加熱工程の残時間を判定し、残時間が0であった場合にはその加熱工程を終了する旨を報知する(ステップS10-18)。調理装置制御部14は、報知音発生部13により現加熱工程の終了を報知すると、調理工程データ38における次の加熱工程データ38aの有無を判断する(ステップS10-19)。調理装置制御部14は、次の加熱工程が有ると判断する場合(ステップS10-19がYESの場合)には、その加熱工程の加熱火力データ38bと加熱部10で出力中の現在の加熱火力とを比較する。そして、調理装置制御部14は、次の加熱工程で加熱出力を増やすか否かを判断する(ステップS10-20a)。その結果、調理装置制御部14は、次の加熱工程で加熱出力を増やす必要はないと判断する確認不要工程である場合(ステップS10-20aがNOの場合)にはステップS10-22へ移行して加熱工程を次に進める(ステップS10-22)。すなわち、図20に示すフローチャートにおいて、確認不要工程は、確認不要工程の直前の工程と比較して加熱部10の加熱火力が維持され又は減少する工程である。調理装置制御部14は、次の加熱工程が出力中の加熱火力を増加させる必要がある確認必要工程であると判断する場合(ステップS10-20aがYESの場合)には、加熱部10の加熱火力を抑制(停止)する(ステップS10-21)。すなわち、図20に示すフローチャートにおいて、確認必要工程は、確認必要工程の直前の工程と比較して加熱部10の加熱火力が増加する工程である。その後、調理装置制御部14は、ステップS10-16へ移行して使用者による加熱スイッチ7b及び工程移行スイッチ7e等への入力を待ち、工程移行スイッチ7eへの入力があった場合に、次の加熱工程に進ませる。換言すると、調理工程は、調理装置制御部14が調理装置操作入力部7から入力される指示を待って開始する確認必要工程と、調理装置制御部14が調理装置操作入力部7から入力される指示を待たずに開始する確認不要工程と、を有する。
次に、実施の形態2に係る加熱調理装置5の動作例について、図22のタイムチャートに基づいて説明する。このタイムチャートは、図21に示した調理工程データ38に基づいて加熱制御が行われた場合における加熱調理装置5の動作例である。図22に示すタイムチャートは、横軸が加熱制御時間を表わし、縦軸が加熱火力を表わしている。
まず、時間T1において、使用者によって加熱スイッチ7bが操作され加熱開始が指示されると、調理装置制御部14は第1加熱工程を開始する。調理装置制御部14は、2kWで加熱を開始するように加熱部10を制御し、調理装置タイマ部12のタイマカウンタを5分に設定して、カウントダウンを開始する。時間T2において、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値が所定値(例えば残り時間:1分)となると、調理装置制御部14は、実行中の加熱工程が終了することの予告報知を報知音発生部13から出力させる。使用者は、被調理物の状態等により、実行中の加熱工程を延長したい場合には、タイマ増スイッチ7gへの入力を行い、タイマカウンタの値を増加させることができる。また、使用者は、タイマスイッチ7fへの入力操作を行って、調理装置タイマ部12をカウント停止状態とすることにより実行中の加熱工程を延長させてもよい。時間T3において、調理装置タイマ部12がタイムアップすると、調理装置制御部14は、報知音発生部13から現加熱工程(第1加熱工程)の終了報知を出力させて、第2加熱工程に移行させる。この加熱工程の移行において加熱火力は2kWから750Wに減少するため、調理装置制御部14は、第1加熱工程の終了と同時に第2加熱工程を開始する。すなわち、第2加熱工程は、確認不要工程である。時間T4では、使用者によって火力減スイッチ7dが操作され、第2加熱工程の加熱火力が750Wから500Wに調整された。時間T5において、調理装置タイマ部12のタイマカウンタがタイムアップすると、調理装置制御部14は、報知音発生部13から現加熱工程が終了したことの報知を出力させ、加熱出力を抑制(停止)させる。第3加熱工程の加熱火力(1kW)は、第2加熱工程の加熱火力(500W)より大きいため、調理装置制御部14は、第3加熱工程の開始条件として、使用者による調理装置操作入力部7への入力を待つ。すなわち、第3加熱工程は、確認必要工程である。時間T6において、使用者によって調理装置操作入力部7の工程移行スイッチ7eへの入力操作が行われると、調理装置制御部14は、第3加熱工程に移行する。第3加熱工程では、調理装置制御部14は、1kWで加熱を開始するように加熱部10を制御し、調理装置タイマ部12のタイマカウンタを10分に設定して、カウントダウンを開始する。時間T7において、使用者によって調理装置操作入力部7の工程移行スイッチ7eが操作されると、調理装置制御部14は、第4加熱工程に移行させる。第4加熱工程では、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱火力を1kWから500Wに変更し、調理装置タイマ部12のタイマカウンタに3分を設定する。時間T8において、調理装置タイマ部12がタイムアップすると、調理装置制御部14は、報知音発生部13から現加熱工程が終了したことの報知を出力させ、次の加熱工程が存在しないため加熱を停止させてアシスト制御処理を終了させる。
図23は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理装置5における加熱火力のタイムチャートの別の例を示す図である。実施の形態2に係る加熱調理装置5のアシストモードの別の動作例を、図23にタイムチャートで示し、それに基づいて別の動作例のアシスト制御処理を説明する。なお、本動作例についても加熱調理装置5の調理装置記憶部9には図21に示した調理工程データ38が記憶され、加熱モードとしてアシストモードが選択されている状態とする。
図23において、時間T11において、第1加熱工程の実行中に使用者によって工程移行スイッチ7eが操作され、第2加熱工程に移行する。第2加熱工程において、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱火力を2kWから750Wに変更し、調理装置タイマ部12のタイマカウンタを15分に設定する。時間T12において、第2加熱工程の実行中に使用者によってタイマ増スイッチ7gが操作され、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの値が所定値(本例では5分)増加する。時間T13において、第2加熱工程の実行中に使用者によって工程移行スイッチ7eが操作され、第3加熱工程に移行する。第3加熱工程において、調理装置制御部14は、加熱部10の加熱火力を750Wから1kWに変更し、調理装置タイマ部12のタイマカウンタを10分に設定する。時間T14において、第3加熱工程の実行中に調理装置タイマ部12がタイムアップすると、調理装置制御部14は、報知音発生部13から現加熱工程が終了したことの報知を出力させ、第4加熱工程に移行させる。第3加熱工程から第4加熱工程への移行において加熱火力は1kWから500Wに減少するため、調理装置制御部14は、第3加熱工程の終了と同時に第4加熱工程を開始する。時間T15において、第4加熱工程の実行中に使用者によって工程移行スイッチ7eが操作されると本調理工程データ38には第5加熱工程データが無いため、調理装置制御部14は、加熱を停止してアシスト制御処理を終了する。
以上のように、実施の形態2に係る加熱調理装置5によれば、加熱工程の移行により加熱火力が増大する場合には、工程移行スイッチ7eの操作を必要とするため、使用者が認識することなく加熱火力が増大して被調理物が焦げ付き易くなるのを抑制する。また、実施の形態2に係る加熱調理装置5によれば、加熱工程の移行により加熱火力が増大しない場合には自動的に工程移行を可能としたので、必要以上に使用者の操作の手間が増加することを抑えることができる。また、加熱調理装置5は、一種類のスイッチ(工程移行スイッチ7e)が操作されることにより、調理工程の加熱火力データ38bに基づいた加熱火力の変更(図9の調理工程の例では順次、加熱火力を750W→2kW→750W→500Wと変更)が行われる。それと共に、加熱調理装置5は、タイマの増減スイッチあるいはタイマスイッチ7fが操作されることにより各加熱工程の加熱時間の延長又は短縮を行うことができる。その結果、加熱調理装置5は、食材の大きさ、あるいは、気温及び水温の違いなどの調理条件の違いによる被調理物の状態に応じて調理工程の調整を容易に行うことができる。
なお、実施の形態2に係る加熱調理装置5においては、加熱工程の移行により加熱火力が増大する場合にのみ工程移行スイッチ7eの操作(使用者による確認動作)を必要とした。しかし、加熱調理装置5は、加熱工程を移行しても加熱火力が変化しない場合など、所定値以上の加熱火力の減少が生じない場合には工程移行スイッチ7eの操作等の使用者による確認動作を必要なものとしてもよい。
また、実施の形態1及び実施の形態2に係る加熱調理装置5については、IHクッキングヒータを例として示したが、IHクッキングヒータに限らず、電子レンジ、あるいは、電気炊飯器等の他の加熱調理装置5であってもよい。また、実施の形態1及び実施の形態2に係る加熱調理装置5は、加熱部10を2口備えるものを示したが、加熱部10は1口でもよく、3口以上であってもよい。また、実施の形態1及び実施の形態2に係る加熱調理装置5に使用される調理工程データ38は、端末装置4等から送信されてきたデータであったが、予め調理装置記憶部9に記憶されていたデータを用いることとしてもよい。
図24は、図1の端末装置4の調理アプリケーションプログラムの制御画面の一例を示す図である。なお、上記実施の形態では、加熱調理装置5の操作入力をその調理装置操作入力部7から行うものを示した。しかし、端末装置4は、料理アプリプログラムによって、図12及び図13に示す加熱調理装置5の調理装置操作表示部6bの機能と調理装置操作入力部7の機能とを有する表示入力部49dを備えてもよい。端末装置4は、加熱調理装置5と通信を行うことによって、加熱調理装置5に対する操作入力と加熱調理装置5の状態表示とを行うことができる。端末装置4の表示入力部49dは、加熱調理装置5の制御画面であり、加熱調理装置5の制御状態を示す各種設定及び加熱調理装置5を操作するためのスイッチ類等が表示されている。端末装置4の表示入力部49dは、端末装置4の表示操作入力部49に表示される。加熱調理装置5の調理装置通信部8は、加熱調理装置5の調理装置制御部14に指示を与えるための操作情報を端末装置4から受信する。
図24に示すように、表示入力部49dにおいて、画面の左側が加熱調理装置5の状態を表示する部分であり、画面の右側が加熱調理装置5の操作を入力するための表示部分である。この場合、実施の形態1及び2に係る加熱調理装置5の説明で示した図14~図18、図20の加熱調理装置5の動作において、加熱調理装置5の調理装置操作入力部7への入力に代えて端末装置4から送信されてくる表示入力部49dへの入力が用いられる。あるいは、加熱調理装置5の説明で示した図14~図18、図20の加熱調理装置5の動作において、加熱調理装置5の調理装置操作入力部7への入力に加えて端末装置4から送信されてくる表示入力部49dへの入力が用いられる。すなわち、端末装置4の表示操作入力部49には、加熱調理装置5の加熱部10に対する指示が入力される。そして調理装置制御部14は、端末装置4を介して調理装置通信部8に受信された操作情報に基づいて加熱部10の加熱火力を制御してもよい。すなわち、調理装置制御部14は、表示入力部49dを介して表示操作入力部49に入力される指示と調理装置記憶部9に記憶された調理工程とに基づいて加熱部10の加熱火力を制御する。
上述したように調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7に入力される指示と調理装置記憶部9に記憶された調理工程とに基づいて加熱部10の加熱火力を制御する。しかし、調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7への指示と調理工程とに基づく加熱部10の制御に代えて、調理装置通信部8に受信された操作情報と調理装置記憶部9に記憶された調理工程とに基づいて加熱部10の加熱火力を制御してもよい。また調理装置制御部14は、調理装置操作入力部7に入力される指示と調理装置記憶部9に記憶された調理工程とに基づいて加熱部10の加熱火力を制御することに加えて、調理装置通信部8に受信された操作情報に基づいて加熱部10の加熱火力を制御してもよい。調理装置操作入力部7への入力とは、例えば、加熱スイッチ7b、火力減スイッチ7d、火力増スイッチ7c、モード切り替えスイッチ7a、タイマスイッチ7f、タイマ減スイッチ7h、タイマ増スイッチ7g、工程移行スイッチ7e、等への入力である。表示入力部49dへの入力とは、例えば、加熱スイッチ4a、火力減スイッチ4b、火力増スイッチ4c、モード切り替えスイッチ4d、タイマスイッチ4e、タイマ減スイッチ4f、タイマ増スイッチ4g、工程移行スイッチ4h等への入力である。
表示入力部49dは、図24に示すように、加熱停止中に加熱モードの切り替えを指示するためのモード切り替えスイッチ4dと、加熱部10における加熱開始及び加熱停止の指示を使用者が入力する加熱スイッチ4aと、を有する。また、表示入力部49dは、加熱火力レベルを増減させる指示を入力するための火力増スイッチ4cと火力減スイッチ4bとを有する。また、表示入力部49dは、調理工程データ38に基づいて加熱部10の出力制御を行っているアシストモードにおいて、使用者が次の加熱工程への移行指示を入力するための工程移行スイッチ4hを有する。また、表示入力部49dは、手動火力モードにおける切タイマあるいはアシストモードにおける各加熱工程の加熱時間タイマにおいてタイマのカウントダウンを開始(再開)したり停止したりする指示を使用者が入力するためのタイマスイッチ4eを有する。また、表示入力部49dは、調理装置タイマ部12のタイマカウンタ値を増減させる指示を入力するためのタイマ増スイッチ4gとタイマ減スイッチ4fとを備えている。
表示入力部49dは、図24に示すように、加熱部10の加熱モードを表示するモード表示部4iと、加熱部10の加熱火力レベルを表示する加熱火力表示部4jと、調理装置タイマ部12のタイマカウンタの残時間を表示するタイマ表示部4kと、を有する。また、表示入力部49dは、調理装置記憶部9に記憶している調理工程データ38の加熱工程数あるいは調理工程データ38に基づく実行中の加熱工程番号を示す工程表示部4mと、を有する。なお、表示入力部49dは、被調理物の目標制御温度を表示する制御温度表示部6b4を表示項目として設けてもよい。
以上のように、加熱調理装置5は、調理工程の進行を、表示操作入力部49からの入力を待って開始する工程を備えることにより使用者の調理操作の遅れによる被調理物の過熱を抑制できる。それ共に、加熱調理装置5は、調理工程の進行を、表示操作入力部49からの入力を待たずに開始する工程を備えることにより使用者による操作の手間の増大を抑えることができる。