JP7062588B2 - グラフェン材料のケミカルフリー製造 - Google Patents

グラフェン材料のケミカルフリー製造 Download PDF

Info

Publication number
JP7062588B2
JP7062588B2 JP2018529089A JP2018529089A JP7062588B2 JP 7062588 B2 JP7062588 B2 JP 7062588B2 JP 2018529089 A JP2018529089 A JP 2018529089A JP 2018529089 A JP2018529089 A JP 2018529089A JP 7062588 B2 JP7062588 B2 JP 7062588B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphene
graphite
carrier material
particles
graphene sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018529089A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019501100A (ja
Inventor
ジャム アルーナ
ゼット. ジャン ボール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nanotek Instruments Inc
Original Assignee
Nanotek Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nanotek Instruments Inc filed Critical Nanotek Instruments Inc
Publication of JP2019501100A publication Critical patent/JP2019501100A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7062588B2 publication Critical patent/JP7062588B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/194After-treatment
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/184Preparation
    • C01B32/19Preparation by exfoliation
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y40/00Manufacture or treatment of nanostructures
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/02Single-walled nanotubes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2202/00Structure or properties of carbon nanotubes
    • C01B2202/04Nanotubes with a specific amount of walls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/04Specific amount of layers or specific thickness
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/70Nanostructure
    • Y10S977/734Fullerenes, i.e. graphene-based structures, such as nanohorns, nanococoons, nanoscrolls or fullerene-like structures, e.g. WS2 or MoS2 chalcogenide nanotubes, planar C3N4, etc.
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S977/00Nanotechnology
    • Y10S977/84Manufacture, treatment, or detection of nanostructure
    • Y10S977/842Manufacture, treatment, or detection of nanostructure for carbon nanotubes or fullerenes

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

本発明は、グラフェン材料の技術分野に関し、特に、環境に優しい方法で単離されたグラフェンシートを製造する方法に関する。
単層グラフェンシートは、2次元の六角形格子を占める炭素原子から構成される。多層グラフェンは、2つ以上のグラフェン面から構成されるプレートレットである。個別の単層グラフェンシートおよび多層グラフェンプレートレットは、本明細書では一括してナノグラフェンプレートレット(NGP)またはグラフェン材料と記載される。NGPとしては、純粋なグラフェン(実質的に99%炭素原子)、わずかに酸化されたグラフェン(<5重量%の酸素)、酸化グラフェン(≧5重量%の酸素)、わずかにフッ素化されたグラフェン(<5重量%のフッ素)、フッ化グラフェン(≧5重量%のフッ素)、他のハロゲン化グラフェン、および化学官能化グラフェンが挙げられる。
NGPは、一連の独特の物理的、化学的、および機械的性質を有することが分かっている。たとえば、グラフェンは、あらゆる既存の材料の中で最も高い固有強度および最も高い熱伝導率を示すことが分かった。グラフェンの実際の電子デバイス用途(たとえば、トランジスタ中の主要要素としてのSiの代替)は、今後5~10年の間に実現するとは考えられていないが、複合材料中、およびエネルギー貯蔵装置の電極材料中のナノフィラーとしてのその用途は目前に迫っている。加工可能グラフェンシートを大量に利用できることが、グラフェンの複合物用途、エネルギー用途、および別の用途の開発に成功するために重要である。
本発明者らの研究グループは、グラフェンを最初に発見した[B.Z.Jang and W.C.Huang,“Nano-scaled Graphene Plates”、2002年10月21日に提出された米国特許出願第10/274,473号明細書;現在は米国特許第7,071,258号明細書(07/04/2006)]。NGPおよびNGPナノ複合物の製造方法は本発明者らによって最近レビューされている[Bor Z.Jang and A Zhamu,“Processing of Nano Graphene Platelets (NGPs) and NGP Nanocomposites:A Review,”J.Materials Sci.43(2008)5092-5101]。本発明者らの研究によって、以下に概略を示すナノグラフェンプレートレットの確立された製造方法には従わないという点で新規である、単離ナノグラフェンプレートレットのケミカルフリー製造方法が得られた。さらに、この方法は、費用対効果が高く、大幅に少ない環境影響で新規グラフェン材料が得られるという点で有用性が高い。NGPを製造するために4つの主要な従来技術の方法が採用されてきた。これらの利点および欠点を以下に簡潔にまとめている。
単離されたグラフェンシートの製造
方法1:酸化黒鉛(GO)プレートレットの化学的形成および還元
第1の方法(図1)は、黒鉛インターカレーション化合物(GIC)、または実際には酸化黒鉛(GO)を得るために、インターカラントおよび酸化剤(たとえば、それぞれ濃硫酸および硝酸)を用いた天然黒鉛粉末の処理を伴う[William S.Hummers,Jr.,et al.,Preparation of Graphitic Oxide,Journal of the American Chemical Society,1958,p.1339]。インターカレーションまたは酸化の前、黒鉛は約0.335nmのグラフェン面間隔を有する(L=1/2 d002=0.335nm)。インターカレーションおよび酸化処理を行うと、グラフェン間隔は、典型的には0.6nmを超える値まで増加する。これは、この化学的経路中に黒鉛材料に生じる第1の膨張段階である。得られたGICまたはGOは、次に、熱衝撃曝露、または溶液系の超音波支援グラフェン層剥離方法のいずれかを用いることでさらに膨張する(多くの場合で剥離と呼ばれる)。
熱衝撃曝露方法では、典型的には依然として互いに相互接続する黒鉛フレークから構成される「黒鉛ワーム」の形態である剥離またはさらに膨張した黒鉛を形成するために、GICまたはGOを高温(典型的には800~1,050℃)に短時間(典型的には15~60秒)曝露して、GICまたはGOを剥離または膨張させる。この熱衝撃手順によって、一部分離した黒鉛フレークまたはグラフェンシートを製造することができるが、通常は、黒鉛フレークの大部分は相互接続されたままである。典型的には、次に、剥離した黒鉛または黒鉛ワームに対して、エアミル粉砕、機械的剪断、または水中の超音波処理を用いたフレーク分離処理が行われる。したがって、方法1は、基本的に、第1の膨張(酸化またはインターカレーション)と、さらなる膨張(または「剥離」)と、分離との3つの異なる手順を伴う。
溶液系分離方法では、膨張または剥離したGO粉末を水中または水性アルコール溶液中に分散させ、これに対して超音波処理を行う。これらの方法において、超音波処理は、黒鉛のインターカレーションおよび酸化の後(すなわち第1の膨張の後)、ならびに典型的には得られたGICまたはGOの熱衝撃曝露の後(第2の膨張の後)に使用することに留意することが重要である。あるいは、面間空間内に存在するイオン間の反発力がグラフェン間ファンデルワールス力に打ち勝って、結果としてグラフェン層が分離するように、水中に分散させたGO粉末のイオン交換または長時間の精製手順が行われる。
この従来の化学的製造方法に関連したいくつかの大きな問題が存在する:
(1)この方法は、硫酸、硝酸、および過マンガン酸カリウムもしくは塩素酸ナトリウムなどのいくつかの望ましくない化学物質を多量に使用する必要がある。
(2)化学処理方法は、典型的には5時間から5日間の長いインターカレーションおよび酸化の時間を必要とする。
(3)強酸によって、「黒鉛中に入り込むこと」によるこの長いインターカレーションまたは酸化プロセス中に、多量の黒鉛が消費される(黒鉛が二酸化炭素に変換され、これがプロセス中に失われる)。強酸および酸化剤中に浸漬した黒鉛材料の20~50重量%が失われることは珍しくない。
(4)熱剥離は、高温(典型的には800~1,200℃)を必要とし、したがって、非常にエネルギーを消費するプロセスである。
(5)熱で誘発される剥離方法および溶液で誘発される剥離方法の両方は、非常に時間のかかる洗浄および精製のステップを必要とする。たとえば、洗浄して1グラムのGICを回収するために典型的には2.5kgの水が使用され、適切な処理が必要となる多量の廃水が生じる。
(6)熱で誘発される剥離方法および溶液で誘発される剥離方法の両方では、得られる生成物は、酸素含有量を減少させるためのさらなる化学的還元処理を行う必要があるGOプレートレットである。典型的には、還元後でさえも、GOプレートレットの導電率は、純粋なグラフェンの導電よりもはるかに低いままである。さらに、この還元手順は、ヒドラジンなどの毒性化学物質の利用を伴うことが多い。
(7)さらに、排液後にフレーク上に保持されるインターカレーション溶液の量は、黒鉛フレーク100重量部当たり20~150部(pph)の溶液の範囲、より典型的には約50~120pphの範囲となりうる。高温剥離中、フレークによって保持される残存インターカレート(intercalate)種は分解して硫黄化合物および窒素化合物の種々の化学種(たとえば、NOおよびSO)を生成し、これらは望ましくない。流出液は、環境に対して悪影響が生じないようにするために費用のかかる改善手順が必要となる。
上記概略の制限を克服するために本発明が作られた。
方法2:純粋なナノグラフェンプレートレットの直接形成
2002年に、本発明者らの研究チームは、ポリマーまたはピッチ前駆体から得られた部分的に炭化または黒鉛化されたポリマー炭素から単層および多層のグラフェンシートを単離することに成功した[B.Z.Jang and W.C.Huang,“Nano-scaled Graphene Plates”、2002年10月21日に提出された米国特許出願第10/274,473号明細書;現在は米国特許第7,071,258号明細書(07/04/2006)]。Mackら[“Chemical manufacture of nanostructured materials” 米国特許第6,872,330号明細書(2005年3月29日)]は、黒鉛にカリウム溶融物をインターカレートさせるステップと、結果としてKがインターカレートされた黒鉛をアルコールと接触させて、NGPを含む剥離黒鉛を乱暴に生成するステップとを含む方法を開発した。カリウムおよびナトリウムなどの純アルカリ金属は水分に対して非常に敏感であり、爆発の危険が生じるので、この方法は、真空中または非常に乾燥したグローブボックス環境中で注意深く行う必要がある。この方法は、NGPの大量生産には適していない。上記概略の制限を克服するために本発明が作られた。
方法3:無機結晶表面上でのナノグラフェンシートのエピタキシャル成長および化学蒸着
基板上の超薄グラフェンシートの小規模製造は、熱分解に基づくエピタキシャル成長およびレーザー脱離イオン化技術によって行うことができる[Walt A.DeHeer,Claire Berger,Phillip N.First,“Patterned thin film graphite devices and method for making same” 米国特許第7,327,000B2号明細書(2003年6月12日)]。わずか1層または数層の原子層を有する黒鉛のエピタキシャル膜は、それらの特有の特性およびデバイス基板としての大きな可能性のため、技術的および化学的に重要である。しかし、これらの方法は、複合材料およびエネルギー貯蔵用途の単離されたグラフェンシートの大量生産には適していない。上記概略の制限を克服するために本発明が作られた。
方法4:ボトムアップ方法(小分子からのグラフェンの合成)
Yangら[“Two-dimensional Graphene Nano-ribbons,”J.Am.Chem.Soc.130(2008)4216-17]は、1,4-ジヨード-2,3,5,6-テトラフェニル-ベンゼンと4-ブロモフェニルボロン酸との鈴木-宮浦カップリングから開始する方法を用いて最長12nmの長さのナノグラフェンシートを合成した。結果として得られるヘキサフェニルベンゼン誘導体をさらに誘導体化させ環を縮合させて小さいグラフェンシートを得た。これは、これまでは非常に小さいグラフェンシートが生成されている遅いプロセスである。上記概略の制限を克服するために本発明が作られた。
したがって、望ましくない化学物質の量の減少(またはこれらの化学物質全ての除去)、短縮された処理時間、より少ないエネルギー消費、より低いグラフェン酸化度、望ましくない化学種の排液中(たとえば、硫酸)または空気中(たとえば、SOおよびNO)への流出の減少または排除が要求されるグラフェン製造方法が緊急に必要とされている。この方法によって、より純粋(より少ない酸化および損傷)で、より高い導電性で、より大きい/より幅広のグラフェンシートが製造可能となるべきである。これらのグラフェンシートは、強化用ポリマーマトリックス材料中で特に有用である。
本発明は、上述の要求を満たす、非常に単純で、迅速で、規模の変更が可能であり、環境に優しく、費用対効果の高い方法を提供する。直接黒鉛材料または炭質材料(グラフェンの原材料)から単層または数層グラフェンを製造するこの方法は、黒鉛材料と、固体担体材料の粒子と、任意選択により衝突ボールとの混合物の、ボールミルまたは同様のエネルギー衝突装置による機械的撹拌を、供給源の黒鉛材料からグラフェン層(六角形に配列した炭素原子の面)を剥離するのに十分な時間の長さで行うステップと、これらの剥離したグラフェン層を固体担体材料粒子の表面上にコーティングするステップとを含む。衝突ボールが存在すると、グラフェンシートを供給源の黒鉛粒子から剥離して、衝突ボールの表面上に一時的に堆積することができる。次に、これらのグラフェンシートで被覆された衝突ボールが、固体担体粒子上に衝突すると、グラフェンシートは担体粒子の表面に移動する。次に、溶解、燃焼、昇華、溶融、またはその他の方法によって、固体担体材料を除去する(グラフェンシートから分離する)と、ナノグラフェンプレートレット(NGP)とも呼ばれる単離されたグラフェンシートが残る。
好ましくは、出発物質(グラフェン源材料としての黒鉛または炭質材料)は、あらかじめインターカレーションおよび化学酸化が行われていない。この出発物質は、黒鉛インターカレーション化合物(GIC)および酸化黒鉛(GO)ではない。好ましくは、供給源の黒鉛材料は、天然黒鉛、合成黒鉛、高配向熱分解黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛繊維、黒鉛ナノファイバー、酸化黒鉛、フッ化黒鉛、化学修飾黒鉛、剥離黒鉛、鉱脈黒鉛、またはそれらの組合せから選択され得る。
ある実施形態では、エネルギー衝突装置の衝突チャンバーは、保護流体、たとえば不活性ガス、非反応性液体、水などをさらに含む。
これは、実質的に2段階方法であり、加工費が大幅に削減される。4時間未満の加工時間で、グラフェンシートが黒鉛粒子から剥離され、続いて担体材料の迅速で効率的な除去が行われる。この方法は驚くほど短く単純である。
本発明の好ましい一実施形態は、黒鉛材料および担体材料をボールミルなどのエネルギー衝突装置中で直接混合するステップと、混合物に対して十分長い処理時間をかけることで、供給源の黒鉛材料からグラフェン層を剥離し、これらのグラフェン層を直ちに担体材料表面に移動させるステップとの方法である。これらのグラフェン層は典型的には単層または数層グラフェンシート(典型的には<5層であり;ほとんどは単層グラフェン)である。このステップに続いて、溶解、燃焼、昇華、溶融、またはその他の方法によって担体層が除去される。最終的には単離されたグラフェンシートが得られる。
これは、従来の研究者および製造者が工業的な量でグラフェンを形成するためにより複雑で時間がかかり費用のかかる方法に集中していたことを考慮すると、非常に驚くべきことであることに留意されたい。言い換えると、大量のグラフェンプレートレットを製造するために化学的インターカレーションおよび酸化が必要であると考えられてきた。本発明はこの予想に多くの方法で挑んでいる:
(1)化学的インターカレーションおよび酸化(グラフェン間の空間の膨張、グラフェン面のさらなる膨張または剥離、ならびに剥離したグラフェンシートの完全な分離が必要)とは異なり、本発明の方法は、原材料の黒鉛材料からグラフェンシートを直接除去し、これらのグラフェンシートを担体材料粒子の表面に移動させる。望ましくない化学物質(たとえば硫酸および硝酸)は使用されない。
(2)酸化およびインターカレーションとは異なり、純粋なグラフェンシートを担体材料上に移動させることができる。シートの酸化による損傷がないことで、より高い導電率および熱伝導率を有するグラフェン含有製品を製造することができる。
(3)ボトムアップ製造方法とは異なり、本発明の方法を用いて大型連続プレートレットを製造することができる。
(4)一般的な製造方法とは逆に、グラフェンコーティングを形成するために強酸および酸化剤は不要である。
(5)一般的な製造方法とは逆に、多量の水を必要とする製造プロセスは不要である。
担体材料は、有機、無機、金属、ガラス、金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物、金属ホウ化物、またはセラミックの材料であってよい。担体材料は、ペレット、フィラメント、繊維、粉末、反応器球(reactor sphere)の形態、またはその他の形態であってよい。有機担体材料のいくつかの例としては、ワックス、可溶性ポリマー、木の実の殻、および木材チップが挙げられる。
エネルギー衝突装置は、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、高エネルギーミル、バスケットミル、アジテーターボールミル、連続ボールミル、撹拌ボールミル、加圧ボールミル、真空ボールミル、フリーザー(SPEX)ミル、振動ふるい、超音波ホモジナイザーミル、共鳴音響ミキサー、またはシェーカーテーブルから選択することができる。
本発明による方法によって、単層グラフェンシートを製造することができる。多くの例では、製造されるグラフェン材料は少なくとも80%の単層グラフェンシートを含む。製造されるグラフェンは、純粋なグラフェン、5重量%未満の酸素含有量を有する酸化グラフェン、5重量%未満のフッ素を有するフッ化グラフェン、95重量%以上の炭素含有量を有するグラフェン、または官能化グラフェンを含むことができる。
本発明による方法の別の驚くべき非常に有利な特徴は、グラフェンシートの製造および化学官能化を同じ衝突チャンバー中で同時に行うことができるという見解である。衝突によって誘発され担体粒子が受ける運動エネルギーは、担体粒子表面上を被覆するグラフェンシートのエッジおよび表面を化学的に活性化させるのに十分なエネルギーおよび強度を有し;たとえば高活性部位またはフリーラジカルが形成される)。所望の化学官能基(たとえば-NH、Br-など)を含む選択された化学種(官能化剤)を衝突チャンバー中に分散させれば、所望の官能基をグラフェンのエッジおよび/または表面に付与することができる。反応性部位または活性ラジカルが形成されるとすぐにその場で化学官能化反応が起こりうる。
ある実施形態では、官能化剤は、アルキルもしくはアリールシラン、アルキルもしくはアラルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミン基、スルホネート基(-SOH)、アルデヒド基、キノイダル、フルオロカーボン、またはそれらの組合せから選択される化学官能基を含む。
あるいは、官能化剤は、2-アジドエタノール、3-アジドプロパン-1-アミン、4-(2-アジドエトキシ)-4-オキソブタン酸、2-アジドエチル-2-ブロモ-2-メチルプロパノエート、クロロカーボネート、アジドカーボネート、ジクロロカルベン、カルベン、アライン、ニトレン、(R-)-オキシカルボニルニトレン(式中、R=
Figure 0007062588000001

の基のいずれか1つである)、およびそれらの組合せからなる群から選択されるアジド化合物を含む。
ある実施形態では、官能化剤は、ヒドロキシル、ペルオキシド、エーテル、ケト、およびアルデヒドからなる群から選択される酸素化基を含む。ある実施形態では、官能化剤は、SOH、COOH、NH、OH、R’CHOH、CHO、CN、COCl、ハライド、COSH、SH、COOR’、SR’、SiR’、Si(-OR’-)R’-y、Si(-O-SiR’-)OR’、R”、Li、AlR’、Hg-X、TlZ、およびMg-X(式中、yは3以下の整数であり、R’は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはアラルキル、シクロアリール、またはポリ(アルキルエーテル)であり、R”は、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロシクロアルキル、フルオロアラルキル、またはシクロアリールであり、Xはハライドであり、Zは、カルボキシレートまたはトリフルオロアセテートである)、およびそれらの組合せからなる群から選択される官能基を含む。
官能化剤は、アミドアミン、ポリアミド、脂肪族アミン、変性脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、無水物、ケチミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ポリエチレンポリアミン、ポリアミンエポキシ付加体、フェノール系硬化剤、非臭素化硬化剤、非アミン硬化剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される官能基を含むことができる。
ある実施形態では、官能化剤は、OY、NHY、O=C-OY、P=C-NR’Y、O=C-SY、O=C-Y、-CR’1-OY、N’Y、またはC’Yから選択される官能基を含み、Yは、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、酵素、抗体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗原、もしくは酵素基質、酵素阻害剤、もしくは酵素基質の遷移状態アナログの官能基である、またはR’-OH、R’-NR’、R’SH、R’CHO、R’CN、R’X、R’N(R’)、R’SiR’、R’Si(-OR’-)R’3-y、R’Si(-O-SiR’-)OR’、R’-R”、R’-N-CO、(CO-)H、(-CO-)H、(-CO)-R’、(CO)-R’、R’から選択され、wは1を超え200未満の整数である。
時間のかかる化学的酸化/インターカレーション、洗浄、および高温剥離手順を伴う、高酸化NGPの最も一般に使用される従来技術の製造方法を示すフローチャートである。 単離された黒鉛材料を製造するための本発明による2段階方法を示すフローチャートである。 連続ボールミルによって単離された黒鉛材料を製造するための本発明による方法を示すフローチャートである。 従来のHummerの経路によって製造されたグラフェンシートの透過型電子顕微鏡写真である(はるかに小さいグラフェンシートであるが、同等な厚さである)。 本発明による衝突エネルギー方法によって製造されたグラフェンシートの透過型電子顕微鏡写真である。
炭素材料は、実質的に非晶質の構造(ガラス状炭素)、高度に組織化された結晶(黒鉛)、または種々の比率およびサイズの黒鉛微結晶および欠陥が非晶質マトリックス中に分散することを特徴とするあらゆる種類の中間構造を想定することができる。典型的には、黒鉛微結晶は、底面に対して垂直の方向であるc軸方向でファンデルワールス力によって互いに結合する多数のグラフェンシートまたは底面から構成される。これらの黒鉛微結晶は、典型的にはミクロンサイズまたはナノメートルサイズである。これらの黒鉛微結晶は、黒鉛フレーク、炭素/黒鉛繊維セグメント、炭素/黒鉛ウィスカー、または炭素/黒鉛ナノファイバーであってよい黒鉛粒子中の結晶の欠陥または非晶質相の中に分散している、またはそれらと連結している。
本発明の好ましい特定の一実施形態は、ナノグラフェンプレートレット(NGP)材料の製造方法であり、NGPは、グラフェン面(炭素原子の六角形格子)の1つのシート、または互いに積層し結合したグラフェン面の複数のシート(典型的には、平均で、多層プレートレット1つ当たり5つ未満のシート)から実質的に構成される。グラフェンシートまたは底面とも呼ばれる各グラフェン面は、炭素原子の2次元六角形構造を含む。各プレートレットは、黒鉛面に平行な長さおよび幅、ならびに黒鉛面と直交する厚さを有する。定義により、NGPの厚さは100ナノメートル(nm)以下であり、単一シートのNGPは0.34nmの薄さである。しかし、本発明の方法により製造されたNGPは、大部分が単層グラフェンであり、一部が数層グラフェンシート(<5層)である。NGPの長さおよび幅は、典型的には200nm~20μmの間であるが、供給源の黒鉛材料粒子のサイズによってより大きいまたはより小さい場合もある。
本発明は、従来の製造方法に関連する実質的にすべての欠点が回避される非常に単純で、迅速で、規模の変更が可能であり、環境に優しく、費用対効果の高い方法を提供する。図2に概略的に示されるように、この方法の好ましい一実施形態は、供給源の黒鉛材料粒子および担体材料粒子(および、希望される場合に、任意選択の衝突ボール)を衝突チャンバー中に入れるステップを含む。投入後、得られた混合物は、直ちに衝突エネルギーに曝露され、これは、担体粒子(および任意選択の衝突ボール)の黒鉛粒子への衝突を可能とするためにチャンバーを回転させることによって行われる。これらの繰り返される衝突事象(高頻度および高強度で生じる)の作用によって、黒鉛材料粒子の表面からグラフェンシートが剥離し、これらのグラフェンシートが担体粒子の表面まで直接移動する。これは「直接移動」プロセスである。
あるいは、衝突ボール(たとえばステンレス鋼またはジルコニアのビーズ)を含む衝突チャンバー中では、グラフェンシートは、衝突ボールによって剥離され、最初に衝突ボールの表面に一時的に移動する。グラフェンで被覆された衝突ボールが担体材料粒子に衝突すると、グラフェンシートは担体材料粒子の表面に移動する。これは「間接移動」プロセスである。
4時間未満で、供給源の黒鉛粒子を構成するグラフェンシートのほとんどが剥離して、主として単層グラフェンおよび数層グラフェン(ほとんどが5層未満)が形成される。直接または間接の移動プロセス(担体材料粒子上へのグラフェンシートの被覆)の後、多岐にわたる方法を用いてグラフェンシートを担体材料粒子から分離することができる。たとえば、担体材料(たとえばプラスチックまたは有機材料)に点火し、担体材料を焼失させて、単離されたナノグラフェンプレートレットを残す。担体材料(たとえばワックス、ポリマー、または塩)は、良溶媒(たとえば、担体が水溶性材料の場合には水)中に溶解する場合がある。この目的に使用可能な多くの水溶性ポリマー(たとえばポリアクリルアミドおよびポリビニルアルコール)および多くの水溶性塩(たとえばNaCl)が存在する。必要であれば、大部分の熱可塑性材料を溶解させるために有機溶媒を使用することができる。金属、ガラス、またはセラミックの粒子(金属酸化物、金属炭化物など)上を被覆するグラフェンシートは、たとえば被覆粒子を水浴中に浸漬し、得られたスラリーに対して穏やかな超音波処理を行うことによって、粒子から容易に取り外すことができる。このグラフェン製造方法は、驚くほど短く単純であり、非常に規模の変更が容易である。
対照的に、図1中に示されるように、従来技術の化学的方法は、典型的には、濃硫酸、硝酸、および過マンガン酸カリウムまたは過塩素酸ナトリウムなどの酸化剤の混合物中に黒鉛粉末を浸漬し、化学的インターカレーション/酸化反応を終了させるために典型的には5~120時間を要する反応性材料を形成することを含む。反応が終了すると、得られたスラリーは、水によるすすぎおよび洗浄のステップが繰り返され、次に水を除去するための乾燥処理が行われる。得られた乾燥粉末は、黒鉛インターカレーション化合物(GIC)または酸化黒鉛(GO)と呼ばれるものであり、次に熱衝撃処理が行われる。これは、典型的には800~1100℃(より典型的には950~1050℃)の温度にあらかじめ設定された炉の中にGICを入れることによって行うことができる。この結果得られる生成物は、典型的には高酸化グラフェン(すなわち高酸素含有量の酸化グラフェン)であり、還元酸化グラフェン(RGO)を得るためにはこれを化学的または熱的に還元する必要がある。RGOは、高欠陥集団を含むことが分かっており、したがって純粋なグラフェンほど導電性ではない。本発明者らは、純粋なグラフェンペーパー(純粋なグラフェンシートの真空支援濾過によって作製した)は1,500~4,500S/cmの範囲内の導電率値を示すことを確認している。対照的に、同じ製紙手順によって作製されたRGOペーパーは、典型的には100~1,000S/cmの範囲内の導電率値を示す。
この場合も、本発明の衝突方法によって、顕著な化学物質の使用が回避されるだけでなく、従来技術の方法により製造されるような熱還元された酸化グラフェンとは対照的に、より高品質の最終生成物の純粋なグラフェンが生成されることを理解することが非常に重要である。純粋なグラフェンによって、より高い導電率および熱伝導率を有する材料の形成が可能となる。
機構は依然として完全には理解されていないが、本発明のこの画期的な方法では、グラフェン面の膨張、インターカラントの侵入、剥離、およびグラフェンシートの分離の必要な機能が実質的に排除され、その代わりに完全に機械的な剥離プロセスが使用されると思われる。この方法全体は、5時間未満で行うことができ、化学物質を加えずに行うことができる。このことは、最先端の科学者および技術者または当技術分野の熟練者にとってさえも、非常に驚異的で衝撃的で驚くべきことである。
本発明の研究の別の驚くべき結果の1つは、粒度の減少および前処理を行うことなく、多種多様な炭素質材料および黒鉛材料を直接処理できることを確認したことである。この材料は、天然黒鉛、合成黒鉛、高配向熱分解黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、黒鉛繊維、黒鉛ナノファイバー、酸化黒鉛、フッ化黒鉛、化学修飾黒鉛、剥離黒鉛、またはそれらの組合せから選択することができる。対照的に、従来技術の酸化グラフェンの化学的形成および還元に使用される黒鉛材料は75um以下の平均粒度までサイズを減少させる必要がある。この方法は、サイズ減少装置(たとえばハンマーミルまたはスクリーニングミル)、エネルギー入力、およびダスト軽減が必要である。対照的に、エネルギー衝突装置の方法は、ほとんどあらゆるサイズの黒鉛材料を使用することができる。mmまたはcm以上のサイズの出発物質が首尾良く形処理されて、グラフェンが形成されている。唯一のサイズの制限はエネルギー衝突装置のチャンバー容量である。
本発明による方法によって、単層グラフェンシートの製造が可能である。多くの例では、製造されるグラフェン材料は、少なくとも80%の単層グラフェンシートを含む。製造されるグラフェンは、純粋なグラフェン、5重量%未満の酸素含有量の酸化グラフェン、フッ化グラフェン、5重量%未満のフッ素を有する酸化グラフェン、95重量%以上の炭素含有量のグラフェン、または官能化グラフェンを含むことができる。
本発明による方法は、GICの製造を伴わず、したがって、高い剥離温度(たとえば800~1,100℃)におけるGICの剥離は不要である。これは環境保護の観点から別の大きな利点となる。従来技術の方法は、グラフェン間の空間中に意図的に使用された硫酸および硝酸を含む乾燥GICの作製が必要であり、したがって、高度に規制される環境危険要因である揮発性ガス(たとえばNOおよびSO)を生成するHSOおよびHNOの分解を必然的に伴う。本発明による方法は、HSOおよびHNOを分解させる必要性が全くなく、したがって、環境に優しい。本発明の組み合わされた黒鉛の膨張/剥離/分離プロセス中に望ましくないガスが環境中に放出されない。
本発明の好ましい一実施形態は、図2に示されるような衝突ボールまたは媒体の衝突チャンバーへの混入である。衝突媒体は、金属、ガラス、セラミック、または有機材料のボールを含むことができる。衝突媒体のサイズは、1mm~20mmの範囲内であってよいし、より大きいまたはより小さい場合もある。衝突媒体の形状は、球形、針状、円筒形、円錐、角錐、直線状、または他の形状であってよい。複数の形状およびサイズの組合せを選択することができる。サイズ分布は、単一モードガウス分布、2モード、または3モードであってよい。
この方法の別の好ましい一実施形態は、燃焼によって担体材料を除去して、単離されたナノグラフェンプレートレットを残すことである。1050℃に到達して酸化グラフェンを熱還元するために従来技術の方法に必要な高エネルギー入力とは異なり、有機材料の焼失は発熱過程である。連続オーブンまたは炉の中で開始すると、焼失温度を維持するために必要なエネルギーは少なく、プロセスの費用対効果に影響は生じない。
この方法の別の好ましい一実施形態は、焼失(酸素雰囲気)および還元(不活性雰囲気または還元雰囲気)の組合せによって担体材料を除去することである。この実施形態では、担体材料には室温において、またはオーブン中で点火される。オーブンの温度は、好ましくは30℃~1000℃、より好ましくは200℃~800℃、より好ましくは350℃~450℃である。焼失プロセスによって90~99.9%の担体材料が除去される。この実施形態では、残存する担体材料を除去するために、第2の熱的プロセスが600℃を超えて不活性雰囲気または還元雰囲気中で行われる。
この方法の別の好ましい一実施形態は、溶融によって担体材料を除去して、単離されたナノグラフェンプレートレットを残すことである。このプロセスは、担体材料の再利用、製造費の削減、および環境への影響の低下が可能である。グラフェンを生成するために酸化グラフェンの熱還元を行う従来技術の方法に必要な高温とは異なり、溶融プロセスに必要な温度は比較的低く、たとえばワックスの場合は46℃~200℃、スズの場合は231.9℃、ポリ乳酸ポリマーの場合は166℃である。グラフェンから担体を除去するために必要なエネルギー入力は少なく、プロセスの費用対効果に影響は生じない。
この方法の別の好ましい一実施形態は、溶解によって担体材料を除去することである。たとえば、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)担体材料はアセトン中に溶解させることができる。残留ABSを除去するためにフィルター上を洗浄した後、濾液の真空乾燥、噴霧乾燥、または空気乾燥を行って、単離されたグラフェン材料を得ることができる。このプロセスに使用される溶媒は、減圧蒸留などの溶媒回収プロセスによって回収することができ、これは費用対効果の高いプロセスである。
この方法の別の好ましい一実施形態は、昇華によって担体材料を除去することである。担体材料は氷またはヨウ素結晶から選択することができる。担体材料として氷が使用される場合、昇華によって担体を除去するために市販の凍結乾燥機を使用することができる。昇華方法の大きな利点の1つは、形態変化または凝集の原因となり得る表面張力のNGPへの作用が回避されることである。昇華プロセスの別の利点の1つは、グラフェン材料上に化学残留物が残らない担体材料を選択できることである。
従来技術と比較した場合の本発明の顕著な利点の1つは、担体材料の選択の自由度である。消費前または消費後の廃棄物が担体として使用されて、この材料が埋め立てまたは焼却による廃棄から流用される機会が多く存在する。木の実の殻、もみ殻、細断されたタイヤ、および土と混合された再生プラスチックのすべては、グラフェンの製造のための費用対効果の高い担体材料となりうる。この自由度のさらなる利点の1つは、焼失が最大限となり、低コストで、環境に優しく、健康被害のより少ない溶媒に対する溶解性が最大限となるように担体材料を選択できることである。たとえば、アセトン中に容易に溶解する担体材料は、除去のためにメチルエチルケトンを必要とする担体材料よりも優先して選択することができ、それによって費用対効果の高い製造方法のスケールアップが容易になる。
本発明の重要な利点の1つは、複数の担体除去方法を使用できることである。たとえば、200°における溶融を用いてワックス担体材料の99%を除去した後、1000℃において焼失させることができる。別の一例として、溶媒除去を用いてポリマー担体材料の大部分を除去し、続いて1200℃において焼失させることができる。複数の担体除去プロセスの組合せによって、担体材料の費用対効果の高い再使用が可能となり、製造される最終的なグラフェンの高レベルの純度を実現することもできる。
望ましい一実施形態では、本発明による方法は、自動化された方法および/または連続方法で行われる。たとえば、図3に示されるように、黒鉛粒子および固体担体粒子(および任意選択の衝突ボール)の混合物が、コンベヤベルト12によって送給され、連続ボールミル14中に供給される。ボールミル粉砕によってグラフェン被覆固体担体粒子が形成された後、生成混合物(ある程度の残留黒鉛粒子および任意選択の衝突ボールも場合により含む)はボールミル装置14からスクリーニング装置(たとえば回転ドラム16)中に放出されて、グラフェン被覆固体担体粒子が、残留黒鉛粒子(存在する場合)および衝突ボール(存在する場合)から分離される。この分離作業は、衝突ボールが強磁性(たとえばFe、Co、Ni、またはMnを主成分とする金属のボール)の場合は、磁気分離器18を役立てることができる。固体担体が焼失可能な場合(たとえばプラスチックビーズ、ゴム粒子、およびワックス粒子など)、グラフェン被覆担体粒子を燃焼チャンバー20中に送給することができる。あるいは、これらの粒子は、担体粒子(たとえばプラスチックビーズ)を溶解させるために溶解チャンバー中に放出することができる。生成材料は、別の(任意選択の)スクリーニング装置22、粉末分級機、またはサイクロン24、および/または静電分離器26の中でさらにふるい分けを行うことができる。これらの手順は完全に自動化することができる。
化学官能化の好ましい態様
担体固体粒子表面に移動したグラフェンシートは、黒鉛結晶のエッジ面に対応する大きな表面比率を有する。エッジ面における炭素原子は反応性であり、炭素の原子価を満たすためにある程度のヘテロ原子または基を含む必要がある。固体担体粒子に移動させることで形成されるグラフェンナノプレートレットのエッジまたは表面にもともと存在する多くの種類の官能基(たとえばヒドロキシルおよびカルボン酸)が存在する。衝突によって誘発されて担体粒子が受ける運動エネルギーは、担体粒子表面上を被覆するグラフェンシートのエッジ、さらには表面を化学的に活性化させる(たとえば高活性部位またはフリーラジカルを形成する)のに十分なエネルギーおよび強度を有する。所望の化学官能基(たとえば-NH、Br-など)を含む特定の化学種を衝突チャンバー中に混入すると、これらの官能基をグラフェンのエッジおよび/または表面に付与することができる。言い換えると、グラフェンシートの製造および化学官能化は、衝突チャンバー中に適切な化合物を混入することによって同時に行うことができる。要約すると、他の方法に対する本発明の大きな利点の1つは、製造と表面化学の改質とを同時に行うことが簡単なことである。
この方法によって得られるグラフェンプレートレットは、衝突チャンバー中に種々の化学種を混入することで官能化することができる。後述の化学種の各グループの中で、本発明者らは、官能化の研究のために2または3の化学種を選択した。
化学物質の好ましいグループの1つでは、結果として得られる官能化NGPは、式:[NGP]-Rで大まかに表すことができ、式中、mは異なる官能基の種類の数(典型的には1~5の間)であり、Rは、SOH、COOH、NH、OH、R’CHOH、CHO、CN、COCl、ハライド、COSH、SH、COOR’、SR’、SiR’、Si(-OR’-)R’-y、Si(-O-SiR’-)OR’、R”、Li、AlR’、Hg-X、TlZおよびMg-Xから選択され;yは3以下の整数であり、R’は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはアラルキル、シクロアリール、またはポリ(アルキルエーテル)であり、R”は、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロシクロアルキル、フルオロアラルキル、またはシクロアリールであり、Xはハライドであり、Zはカルボキシレートまたはトリフルオロアセテートである。
エポキシ樹脂中の有効な強化フィラーとなるNGPの場合、官能基-NHが特に興味深い。たとえば、エポキシ樹脂の一般に使用される硬化剤の1つは、3つの-NH基を有するジエチレントリアミン(DETA)である。DETAが衝突チャンバー中に含まれる場合、その3つの-NH基の中の1つがグラフェンシートのエッジまたは表面に結合することができ、残りの2つの未反応-NH基はエポキシ樹脂層との反応に利用することができる。このような配置によって、NGP(グラフェンシート)と複合物のマトリックス樹脂との間に良好な界面結合が形成される。
他の有用な化学官能基または反応性分子は、アミドアミン、ポリアミド、脂肪族アミン、変性脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、無水物、ケチミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ヘキサメチレンテトラミン、ポリエチレンポリアミン、ポリアミンエポキシ付加体、フェノール系硬化剤、非臭素化硬化剤、非アミン硬化剤、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。これらの官能基は、多官能性であり、少なくとも2つの末端から少なくとも2つの化学種と反応可能である。最も重要なことには、これらは、その末端の1つを用いて、グラフェンのエッジまたは表面に結合可能であり、エポキシ硬化段階中に、1つまたは2つの他の末端でエポキシドまたはエポキシ樹脂と反応可能である。
上記の[NGP]-Rはさらに官能化することができる。これは、-R基グラフェンシートに結合させた後に衝突チャンバーの蓋を開け、次に新しい官能化剤を衝突チャンバーに加え、衝突操作を再開することによって行うことができる。この結果得られるグラフェンシートまたはプレートレットは、式:[NGP]-A(式中、Aは、OY、NHY、O=C-OY、P=C-NR’Y、O=C-SY、O=C-Y、-CR’1-OY、N’Y、またはC’Yから選択され、Yは、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、酵素、抗体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗原、もしくは酵素基質、酵素阻害剤、もしくは酵素基質の遷移状態アナログの適切な官能基である、またはR’-OH、R’-NR’、R’SH、R’CHO、R’CN、R’X、R’N(R’)、R’SiR’、R’Si(-OR’-)R’3-y、R’Si(-O-SiR’-)OR’、R’-R”、R’-N-CO、(CO-)H、(-CO-)H、(-CO)-R’、(CO)-R’、R’から選択され、wは1を超え200未満の整数である)の組成を含む。
NGPは、式:[NGP]-[R’-A](式中、m、R’、およびAは前述の定義の通りである)で表される組成物が生成されるように官能化することもできる。本発明の組成物は、ある種の環状化合物が上に吸着するNGPも含む。これらは、式:[NGP]-[X-R(式中、aは0または10未満の数であり、Xは、多環式芳香族、複素多環式芳香族、または金属複素多環式芳香族部分であり、Rは前述の定義の通りである)の物質の組成物を含む。好ましい環状化合物は平面状である。吸着のためのより好ましい環状化合物はポルフィリンおよびフタロシアニンである。吸着した環状化合物は官能化することができる。このような組成物は、式、[NGP]-[X-A(式中、m、a、X、およびAは前述の定義の通りである)の化合物を含む。
本発明の官能化NGPは、スルホン化、脱酸素したプレートレット表面への求電子付加、またはメタル化によって調製することができる。黒鉛プレートレットは、官能化剤を接触させる前に処理することができる。このような処理としては、溶媒中へのプレートレットの分散を挙げることができる。ある場合では、次にプレートレットを濾過し、乾燥させた後に接触させることができる。官能基の特定の有用な種類の1つは、カルボン酸部分であり、これは、NGPが前述の酸インターカレーション経路から調製される場合に、NGP表面上にもともと存在する。カルボン酸官能化が必要な場合、NGPは、クロレート、硝酸、または過硫酸アンモニウム酸化を行うことができる。
カルボン酸官能化黒鉛プレートレットは、別の種類の官能化NGPを調製するための出発点として機能できるので、特に有用である。たとえば、アルコールまたはアミドは、酸と容易に結合して安定なエステルまたはアミドを得ることができる。アルコールまたはアミンが二官能性または多官能性分子の一部である場合、O-またはNH-を介した結合によって別の官能基がペンダント基として残る。これらの反応は、当技術分野において周知のようなカルボン酸のアルコールまたはアミンによるエステル化またはアミノ化のために開発されたいずれかの方法を用いて行うことができる。これらの方法の例は、G.W.Anderson,et al.,J.Amer.Chem.Soc.96,1839(1965)に見ることができ、その全体が参照により本明細書に援用される。プレートレットを硝酸および硫酸で処理してニトロ化プレートレットを得て、次にそのニトロ化形態を亜ジチオン酸ナトリウムなどの還元剤で化学的に還元して、アミノ官能化プレートレットを得ることによって、アミノ基を黒鉛プレートレット上に直接導入することができる。
以下の実施例は、本発明の実施の最良の形態を提供する役割を果たすものであり、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきではない。
実施例1:ポリプロピレン粉末系担体を介したフレーク黒鉛からの単離されたNGP(グラフェンシート)
実験において、1kgのポリプロピレンペレット、50グラムの50メッシュのフレーク黒鉛(平均粒度0.18mm;Asbury Carbons、Asbury NJ)、および250グラムの磁性ステンレス鋼ピン(Raytech Industries、Middletown CT)をボールミル容器中に入れた。このボールミルを300rpmで4時間運転した。容器の蓋を取り外し、磁石を用いてステンレス鋼ピンを除去した。ポリマー担体材料が暗色の炭素層で覆われたことが分かった。担体材料を50メッシュのふるいの上に置き、少量の未処理のフレーク黒鉛を除去した。得られた被覆担体材料を、次に、600℃の通気炉中のるつぼ中に入れた。冷却後、炉を開けると、単離されたグラフェンシート粉末でるつぼが満たされていることが分かった。
ポリプロピレン(PP)は本明細書において一例として使用されるが、単離されたグラフェンシートを製造するための担体材料は、PPおよび任意のポリマー(熱可塑性、熱硬化性、ゴムなど)に限定されるものではない。黒鉛材料からグラフェンシートを剥離するために担体材料が十分に硬質であれば(任意選択の衝突ボールが存在しない場合)、担体材料はガラス、セラミック、金属、または他の有機材料であってよい。
実施例2:ABSポリマーを介した膨張黒鉛からのNGP
実験において、固体担体材料粒子としての100グラムのABSペレットを、16オンスのプラスチック容器中に5グラムの膨張黒鉛とともに入れた。この容器を音響混合装置(Resodyn Acoustic mixer)中に入れ、30分間処理を行った。処理後、担体材料が炭素の薄層で覆われたことが分かった。担体材料をアセトン中に入れ、ABSの溶解を促進するために超音波エネルギーを加えた。適切なフィルターを用いて溶液を濾過し、追加のアセトンで4回洗浄した。洗浄後、濾液を60℃に設定した真空オーブン中で2時間乾燥させた。
実施例3:PLAを介したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)からの官能化グラフェン
一例では、100グラムのPLAペレット(担体材料)および2グラムのMCMB(China Steel Chemical Co.、Taiwan)を、磁性ステンレス鋼インパクター粒子も含む振動ボールミル中に入れ、2時間処理を行った。続いて、DETAを加え、材料混合物をさらに2時間処理した。次に振動ミルを開くと、担体材料がグラフェンの暗色の被覆で覆われていることが分かった。磁石を用いて磁性鋼粒子を除去した。担体材料をイソプロピルアルコールで洗浄し、真空フィルター上に置いた。真空フィルターを160℃まで加熱し、真空に引いて、PLAを除去した。
別の実験では、以下の官能基を含有する化学種を、生成されたグラフェンシートに導入した:アミノ酸、スルホネート基(-SOH)、2-アジドエタノール、ポリアミド(カプロラクタム)、およびアルデヒド基。一般に、これらの官能基によって、結果として得られるグラフェンシートと、エポキシ、ポリエステル、ポリイミド、およびビニルエステルのマトリックス材料との間に大幅に改善された界面結合が形成され、より強いポリマーマトリックス複合物が形成されることが分かった。短梁(short beam)剪断試験と、走査型電子顕微鏡法(SEM)による破断面検査との組合せを用いることによって、界面結合強度を半定量的に測定した。非官能化グラフェンシートは、残留マトリックス樹脂がグラフェンシート表面に結合せずに破面から突出する傾向にある。対照的に、官能化グラフェンシートを含む複合物試料の破面は、裸のグラフェンシートが全く見られず;グラフェンシートであると思われるものは、樹脂マトリックス中に完全に埋め込まれていた。
実施例4:ガラスビーズおよびSPEXミルを介したHOPGからのNGP
実験の1つにおいて、5グラムのガラスビーズをSPEXミルの試料ホルダー(SPEX Sample Prep、Metuchen,NJ)中に、黒鉛化ポリイミドから得られる0.25グラムのHOPGとともに入れた。このプロセスは、完成品上への水の凝縮を軽減するために1%「乾燥室」中で行った。SPEXミルを10分間運転した。運転後、試料ホルダーの内容物を水浴に移して、ガラスビーズ表面からのグラフェンシートの分離を促進する超音波処理を行った。秤量皿中に残った材料は、単層グラフェン(86%)および数層グラフェンの混合物であった。
実施例5:ワックス系担体を介した数層グラフェンの製造
一例では、ペレット形態の100グラムの硬質機械加工用ワックス(F-14 green、 Machinablewax.com、Traverse City Michigan、硬度55、ショア「D」)を10グラムの鉱脈黒鉛(40メッシュサイズ、Asbury Carbons、Asbury NJ)と混合し、振動ミル中に投入した。この材料を4時間処理し、振動ミルを開いた。ワックスペレットが炭素で被覆されていることが分かった。これらのペレットをミルから取り出し、溶融させ、再ペレット化して、103グラムのグラフェン充填ワックスペレットを得た。これらのワックスペレットを、さらなる10グラムの鉱脈黒鉛とともに入れ振動ミル中に再び入れ、4時間処理した。得られた材料をペレット化し、さらなる10グラムの鉱脈黒鉛とともに処理して、約8.9%のグラフェンフィラー量を有するワックス/グラフェン複合物を形成した。このワックス担体材料を次にヘキサン中に溶解させ、繰り返し洗浄することでアセトン中に移し、次に濾過によってアセトンから分離して、単離された純粋なNGPを得た。これらのグラフェンプレートレットを真空オーブン中60℃で24時間乾燥させ、次に窒素吸着BETによって表面積を測定した。
実施例6:担体材料としての低温金属粒子
一例では、100グラムのスズ(45ミクロン、純度99.9%、Goodfellow Inc;Coraopolis,PA)を10グラムの鉱脈黒鉛(40メッシュサイズ、Asbury Carbons、Asbury NJ)と混合し、振動ミル中に投入した。この材料を2時間処理し、振動ミルを開いた。スズ粉末が炭素で被覆されていることが分かった。これらのペレットをミルから取り出し、加熱してスズを溶融させ、真空フィルターを用いて濾過した。得られたグラフェン材料の比表面積を窒素吸着BETによって測定した。固体担体材料として亜鉛粒子を使用して同様の手順を行った。
実施例8:ポリエチレン(PE)ビーズならびにセラミック衝突ボールを介した天然黒鉛粒子からの単離されたNGP
実験において、0.5kgのPEビーズ(固体担体材料として)、50グラムの天然黒鉛(グラフェンシート源)、および250グラムのジルコニア粉末(衝突ボール)を遊星ボールミルの容器中に入れた。このボールミルを300rpmで4時間運転した。容器の蓋を取り外し、ジルコニアビーズ(グラフェン被覆PEビーズとは異なるサイズおよび重量)を振動スクリーンによって除去した。ポリマー担体材料が暗色の炭素層で覆われていることが分かった。担体材料を50メッシュのふるいの上に置き、少量の未処理のフレーク黒鉛を除去した。次に被覆担体材料を600℃の通気炉中のるつぼ中に入れた。冷却後、炉を開けると、単離されたグラフェンシート粉末(>95%単層グラフェン)でるつぼが満たされているのが分かった。
比較例1:Hummerの方法によるNGP
酸化黒鉛は、Hummersの方法[米国特許第2,798,878号明細書、1957年7月9日]による硫酸、硝酸塩、および過マンガン酸塩を用いた黒鉛フレークの酸化によって調製される。反応終了後、得られた混合物を脱イオン水中に注ぎ、濾過した。大部分の硫酸イオンを除去するため、得られた酸化黒鉛をHClの5%溶液中で繰り返し洗浄した。次に、濾液のpHが中性となるまで、試料を脱イオン水で繰り返し洗浄した。得られたスラリーを噴霧乾燥し、真空オーブン中60℃で24時間保管した。結果として得られる層状酸化黒鉛の層間隔をDebey-ScherrerのX線技術によって測定すると約0.73nm(7.3A)であった。次にこの材料を、剥離のために、650℃にあらかじめ設定した炉に4分間入れ、1200℃の不活性雰囲気の炉中で4時間加熱して、数層還元酸化グラフェン(RGO)から構成される低密度粉末を形成した。窒素吸着BETによって表面積を測定した。
真空支援濾過手順を用いて、これらのRGOシートから厚さ1mmのRGOペーパーのディスクを作製した。4点プローブ技術を用いてこのRGOペーパーのディスクの導電率を測定した。このRGOディスクの導電率は約550S/cmであることが分かった。対照的に、本発明によるケミカルフリー方法を用いた純粋なグラフェンシートから作製したグラフェンペーパーディスクは1,500~4,500S/cmの範囲内の導電率を示す。これらの差は非常に大きい。

Claims (19)

  1. 直接黒鉛材料から単離されたグラフェンシートを製造する方法であって:a)エネルギー衝突装置の衝突チャンバー中で黒鉛材料の複数の粒子と、固体担体材料の複数の粒子とを混合して混合物を形成するステップと;b)前記黒鉛材料からグラフェンシートを剥離し、前記グラフェンシートを前記固体担体材料粒子の表面に移動させて、グラフェン被覆固体担体粒子を前記衝突チャンバーの内部で形成するのに十分な時間の間、ある頻度およびある強度で前記エネルギー衝突装置を運転するステップと;c)前記固体担体材料粒子の前記表面から前記グラフェンシートを分離して、前記単離されたグラフェンシートを形成するステップとを含み、前記固体担体材料が、有機、ポリマー、ガラス、セラミック、または無機の材料の固体粒子から選択され、前記衝突チャンバーが官能化剤をさらに含み、前記グラフェンシートが化学官能化グラフェンを含む、方法。
  2. 複数の衝突ボールまたは媒体が前記エネルギー衝突装置の前記衝突チャンバーに加えられる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記エネルギー衝突装置の前記衝突チャンバーが保護流体をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記固体担体材料が、プラスチックビーズ、プラスチックペレット、ワックスペレット、ポリマー粉末もしくはポリマー反応器球、ガラスビーズもしくは繊維、セラミック粒子、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記固体担体材料が、溶媒中での溶解、溶融温度よりも高温での溶融、エッチング剤を用いたエッチングによる除去、気化もしくは昇華による除去、または焼失が可能なミクロンまたはナノメートルスケールの粒子を含み、前記方法が、前記グラフェンシートを分離するための、前記固体担体材料の溶解、溶融、エッチング、気化、昇華、または焼失のステップを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法が、前記グラフェンシートを分離するための、前記固体担体材料の溶解、溶融、エッチング、気化、昇華、焼失、または超音波処理のステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記黒鉛材料が、天然黒鉛、合成黒鉛、高配向熱分解黒鉛、黒鉛繊維、黒鉛ナノファイバー、フッ化黒鉛、酸化黒鉛、化学修飾黒鉛、剥離黒鉛、剥離し再圧縮した黒鉛、膨張黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、またはそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記エネルギー衝突装置が、振動ボールミル、遊星ボールミル、高エネルギーミル、バスケットミル、アジテーターボールミル、連続ボールミル、撹拌ボールミル、加圧ボールミル、フリーザーミル、振動ふるい、超音波ホモジナイザーミル、または共鳴音響ミキサーである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記黒鉛材料が、前記混合ステップの前に化学処理または酸化処理があらかじめ行われていない非インターカレートおよび非酸化黒鉛材料を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記グラフェンシートが単層グラフェンシートを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記グラフェンシートが、少なくとも80%の単層グラフェン、または10以下のグラフェン面を有する少なくとも80%の数層グラフェンを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記グラフェンシートが、純粋なグラフェン、5重量%未満の酸素含有量を有する酸化グラフェン、フッ化グラフェン、5重量%未満のフッ素を有するフッ化グラフェン、95重量%以上の炭素含有量を有するグラフェン、または化学修飾グラフェンを含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記官能化剤が、アルキルもしくはアリールシラン、アルキルもしくはアラルキル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミン基、スルホネート基(-SOH)、アルデヒド基、キノイダル、フルオロカーボン、またはそれらの組合せから選択される化学官能基を含む、請求項に記載の方法。
  14. 前記官能化剤が、2-アジドエタノール、3-アジドプロパン-1-アミン、4-(2-アジドエトキシ)-4-オキソブタン酸、2-アジドエチル-2-ブロモ-2-メチルプロパノエート、クロロカーボネート、アジドカーボネート、ジクロロカルベン、カルベン、アライン、ニトレン、(R-)-オキシカルボニルニトレン(式中、R=
    Figure 0007062588000002

    の基のいずれか1つである)、およびそれらの組合せからなる群から選択されるアジド化合物を含む、請求項に記載の方法。
  15. 前記官能化剤が、ヒドロキシル、ペルオキシド、エーテル、ケト、およびアルデヒドからなる群から選択される酸素化基を含む、請求項に記載の方法。
  16. 前記官能化剤が、SOH、COOH、NH、OH、R’CHOH、CHO、CN、COCl、ハライド、COSH、SH、COOR’、SR’、SiR’、Si(-OR’-)R’-y、Si(-O-SiR’-)OR’、R”、Li、AlR’、Hg-X、TlZ、およびMg-X(式中、yは3以下の整数であり、R’は、水素、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはアラルキル、シクロアリール、またはポリ(アルキルエーテル)であり、R”は、フルオロアルキル、フルオロアリール、フルオロシクロアルキル、フルオロアラルキル、またはシクロアリールであり、Xはハライドであり、Zは、カルボキシレートまたはトリフルオロアセテートである)、およびそれらの組合せからなる群から選択される官能基を含む、請求項に記載の方法。
  17. 前記官能化剤が、アミドアミン、ポリアミド、脂肪族アミン、変性脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン、無水物、ケチミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ポリエチレンポリアミン、ポリアミンエポキシ付加体、フェノール系硬化剤、非臭素化硬化剤、非アミン硬化剤、およびそれらの組合せからなる群から選択される官能基を含む、請求項に記載の方法。
  18. 前記官能化剤が、OY、NHY、O=C-OY、P=C-NR’Y、O=C-SY、O=C-Y、-CR’1-OY、N’Y、またはC’Yから選択される官能基を含み、Yが、タンパク質、ペプチド、アミノ酸、酵素、抗体、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、抗原、もしくは酵素基質、酵素阻害剤、もしくは酵素基質の遷移状態アナログの官能基である、またはR’-OH、R’-NR’、R’SH、R’CHO、R’CN、R’X、R’N(R’)、R’SiR’、R’Si(-OR’-)R’3-y、R’Si(-O-SiR’-)OR’、R’-R”、R’-N-CO、(CO-)H、(-CO-)H、(-CO)-R’、(CO)-R’、R’から選択され、wは1を超え200未満の整数である、請求項に記載の方法。
  19. 前記エネルギー衝突装置を運転する前記ステップが、連続エネルギー衝突装置を用いて連続方法で行われる、請求項1に記載の方法。
JP2018529089A 2015-12-03 2016-09-27 グラフェン材料のケミカルフリー製造 Active JP7062588B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/757,193 US11772975B2 (en) 2015-12-03 2015-12-03 Chemical-free production of graphene materials
US14/757,193 2015-12-03
PCT/US2016/053959 WO2017095512A1 (en) 2015-12-03 2016-09-27 Chemical-free production of graphene materials

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019501100A JP2019501100A (ja) 2019-01-17
JP7062588B2 true JP7062588B2 (ja) 2022-05-06

Family

ID=58797732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018529089A Active JP7062588B2 (ja) 2015-12-03 2016-09-27 グラフェン材料のケミカルフリー製造

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11772975B2 (ja)
JP (1) JP7062588B2 (ja)
KR (1) KR102649587B1 (ja)
CN (1) CN108430642B (ja)
WO (1) WO2017095512A1 (ja)

Families Citing this family (28)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102176629B1 (ko) * 2017-04-28 2020-11-09 주식회사 엘지화학 그래핀 제조방법
US10566668B2 (en) 2017-10-09 2020-02-18 Nanotek Instruments Group, Llc Sodium ion-based internal hybrid electrochemical energy storage cell
US10727002B2 (en) 2017-10-09 2020-07-28 Nanotek Instruments Group, Llc Lithium ion-based internal hybrid electrochemical energy storage cell
WO2019070568A2 (en) * 2017-10-02 2019-04-11 Nanotek Instruments, Inc. INTERNAL HYBRID CELL FOR ELECTROCHEMICAL ENERGY STORAGE BASED ON LITHIUM OR SODIUM ION
US10707025B2 (en) 2017-10-04 2020-07-07 Nanotek Instruments Group, Llc Internal hybrid electrochemical energy storage cell having both high power and high energy density
US10930924B2 (en) 2018-07-23 2021-02-23 Global Graphene Group, Inc. Chemical-free production of surface-stabilized lithium metal particles, electrodes and lithium battery containing same
US11021371B2 (en) 2018-07-25 2021-06-01 Global Graphene Group, Inc. Hollow graphene balls and devices containing same
US11603316B2 (en) 2018-07-25 2023-03-14 Global Graphene Group, Inc. Chemical-free production of hollow graphene balls
WO2020023578A1 (en) * 2018-07-25 2020-01-30 Global Graphene Group, Inc. Chemical-free production of hollow graphene balls
US11453594B2 (en) * 2018-07-26 2022-09-27 Global Graphene Group, Inc. Environmentally benign production of graphene oxide
US11572280B2 (en) * 2018-08-02 2023-02-07 Global Graphene Group, Inc. Environmentally benign production of graphene suspensions
JP2020075201A (ja) * 2018-11-05 2020-05-21 株式会社亀山鉄工所 薄片製造方法
CN109231188A (zh) * 2018-11-26 2019-01-18 上海应用技术大学 一种利用氟化石墨制备掺氮氟化石墨烯的方法
US10971281B2 (en) * 2018-11-27 2021-04-06 Global Graphene Group, Inc. Conducting polymer composite containing ultra-low loading of graphene
US11090538B2 (en) * 2018-12-14 2021-08-17 East Coast Dyes, Inc. Graphene enhanced lacrosse head
CN109678149A (zh) * 2019-01-09 2019-04-26 江苏大学 一种乙醇溶剂下球磨制备二维纳米石墨片的方法
KR102157386B1 (ko) * 2019-03-08 2020-09-17 전남대학교산학협력단 2차원 나노물질 박리상태유지용 조성물, 상기 조성물을 이용한 2차원나노물질적층형구조체 및 그 제조방법
CN110040727B (zh) * 2019-05-15 2022-07-29 华侨大学 一种石墨烯片的连续剥离制备方法
CN110272038B (zh) * 2019-07-16 2022-11-29 河北工业大学 一种机械驱动橡胶分子剥离鳞片石墨制备石墨烯的方法
CN110937595B (zh) * 2020-02-10 2023-04-18 江苏科技大学 一种利用丝素低聚肽水相剥离石墨制备多肽-石墨烯复合材料的方法及其应用
CN111775371A (zh) * 2020-07-13 2020-10-16 湖南欣龙非织造材料有限公司 一种非织造布的废料回收造粒机
CN113493200A (zh) * 2020-10-17 2021-10-12 苏州北美国际高级中学 一种氧化石墨烯的制备方法
LV15663B (lv) * 2021-01-24 2023-03-20 Kalniņš Viesturs Metode grafēna un citu oglekļa nanomateriālu sintēzei uz feromagnētiska substrāta apkārtējā atmosfērā
CN113174087B (zh) * 2021-05-06 2022-04-01 福建师范大学泉港石化研究院 一种含阻燃元素与双键的改性石墨烯阻燃剂及其制备方法
JP2023022851A (ja) * 2021-08-04 2023-02-16 国立研究開発法人物質・材料研究機構 グラフェン材料、その製造方法およびその用途
CN113976261B (zh) * 2021-09-24 2022-10-04 浙江大象新型材料有限公司 一种球磨机以及应用该球磨机的瓦片制造工艺
CN114456588B (zh) * 2022-02-09 2023-09-05 浙江工业大学 一种高强度高导热电磁屏蔽尼龙复合材料及其制备方法
US20230365411A1 (en) * 2022-05-16 2023-11-16 Global Graphene Group, Inc. Production of graphene directly from biomass precursor

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507436A (ja) 2000-09-06 2004-03-11 ファキュルテ ユニヴェルシテール ノートル−ダム ド ラ ペ 官能基化された短いカーボンナノチューブの製造方法および該方法により得られる官能基化された短いカーボンナノチューブ
JP2009062241A (ja) 2007-09-07 2009-03-26 Hokkaido Univ グラフェンシートの製造方法
JP2009155168A (ja) 2007-12-27 2009-07-16 Fujitsu Ltd 層状炭素構造体の製造方法および半導体装置の製造方法
JP2012500179A (ja) 2008-08-19 2012-01-05 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ カーボンナノチューブからのグラフェンナノリボンの製造
JP2012530044A (ja) 2009-06-15 2012-11-29 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ アルカリ金属曝露によってカーボンナノチューブから製造されるグラフェンナノリボン
JP2015048534A (ja) 2013-08-29 2015-03-16 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 皮膜、コーティング方法、及び被覆物品
JP2015526264A (ja) 2012-05-18 2015-09-10 ドゥー,インフワン 粒子材料を乾式粉砕するプロセス

Family Cites Families (72)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06343890A (ja) * 1993-06-04 1994-12-20 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 湿式粉砕方法
JPH0822733B2 (ja) * 1993-08-04 1996-03-06 工業技術院長 カーボンナノチューブの分離精製方法
US7223359B2 (en) * 2002-11-05 2007-05-29 Northwestern University Method of producing an exfoliated polymer-clay nanocomposite through solid-state shear pulverization
US6872330B2 (en) 2002-05-30 2005-03-29 The Regents Of The University Of California Chemical manufacture of nanostructured materials
US7150840B2 (en) * 2002-08-29 2006-12-19 Showa Denko K.K. Graphite fine carbon fiber, and production method and use thereof
US7071258B1 (en) 2002-10-21 2006-07-04 Nanotek Instruments, Inc. Nano-scaled graphene plates
EP1636829B1 (en) 2003-06-12 2016-11-23 Georgia Tech Research Corporation Patterned thin film graphite devices
WO2005039753A1 (en) * 2003-10-15 2005-05-06 Dow Corning Ireland Limited Fonctionalisation of particles
WO2007015710A2 (en) * 2004-11-09 2007-02-08 Board Of Regents, The University Of Texas System The fabrication and application of nanofiber ribbons and sheets and twisted and non-twisted nanofiber yarns
FR2881418B1 (fr) * 2005-02-03 2007-04-27 Centre Nat Rech Scient Materiaux a base de nanofibres ou nanotubes enchevetres, leur preparation et utilisations
EP1712522A1 (en) * 2005-04-14 2006-10-18 Robert Prof. Dr. Schlögl Nanosized carbon material-activated carbon composite
US20100072430A1 (en) * 2005-10-14 2010-03-25 Gergely John S Compositions of carbon nanosheets and process to make the same
US20070126137A1 (en) * 2005-12-05 2007-06-07 Aruna Zhamu Method of manufacturing integrated bipolar plate/diffuser components for proton exchange membrane fuel cells
US7742828B2 (en) 2006-09-29 2010-06-22 Tyco Healthcare Group Lp Medical electrode suitable for high-energy stimulation
US20080182153A1 (en) * 2007-01-30 2008-07-31 Jang Bor Z Fuel cell electro-catalyst composite composition, electrode, catalyst-coated membrane, and membrane-electrode assembly
CA2680147A1 (en) * 2007-03-07 2008-11-06 Massachusetts Institute Of Technology Functionalization of nanoscale articles including nanotubes and fullerenes
US9233850B2 (en) * 2007-04-09 2016-01-12 Nanotek Instruments, Inc. Nano-scaled graphene plate films and articles
US8691129B2 (en) * 2007-05-08 2014-04-08 Nanotek Instruments, Inc. Method of producing exfoliated graphite composite compositions for fuel cell flow field plates
US7824651B2 (en) * 2007-05-08 2010-11-02 Nanotek Instruments, Inc. Method of producing exfoliated graphite, flexible graphite, and nano-scaled graphene platelets
US20080277628A1 (en) * 2007-05-08 2008-11-13 Aruna Zhamu Exfoliated graphite composite compositions for fuel cell flow field plates
US8728679B2 (en) * 2007-05-29 2014-05-20 Nanotek Instruments, Inc. Laminated exfoliated graphite composite-metal compositions for fuel cell flow field plate or bipolar plate applications
CA2724951C (en) 2007-05-31 2021-09-07 The Administrators Of The Tulane Educational Fund Method of forming stable functionalized nanoparticles
US20090022649A1 (en) * 2007-07-19 2009-01-22 Aruna Zhamu Method for producing ultra-thin nano-scaled graphene platelets
US20090057940A1 (en) * 2007-09-04 2009-03-05 Aruna Zhamu Method of producing less anisotropic flexible graphite
US8501307B2 (en) * 2007-09-04 2013-08-06 Nanotek Instruments, Inc. Recompressed exfoliated graphite articles
CN102318450B (zh) * 2008-02-05 2016-10-19 普林斯顿大学理事会 印刷电子设备
US7906053B1 (en) * 2008-02-21 2011-03-15 Northwestern University Polymer-graphite nanocomposites via solid-state shear pulverization
US9737593B2 (en) * 2008-03-19 2017-08-22 Yale University Carbon nanotube compositions and methods of use thereof
US9625062B2 (en) * 2008-04-07 2017-04-18 John M. Crain Fuel system components
US20110045080A1 (en) * 2009-03-24 2011-02-24 William Marsh Rice University Single-Walled Carbon Nanotube/Bioactive Substance Complexes and Methods Related Thereto
CN102612490B (zh) * 2009-04-03 2016-05-18 沃尔贝克材料有限公司 含有石墨烯片和石墨的聚合物组合物
US9117568B2 (en) * 2009-04-03 2015-08-25 Vorbeck Materials Corp. Polymer compositions containing carbonaceous fillers
US20110088931A1 (en) * 2009-04-06 2011-04-21 Vorbeck Materials Corp. Multilayer Coatings and Coated Articles
US8226801B2 (en) * 2009-07-27 2012-07-24 Nanotek Instruments, Inc. Mass production of pristine nano graphene materials
US8287699B2 (en) * 2009-07-27 2012-10-16 Nanotek Instruments, Inc. Production of chemically functionalized nano graphene materials
US20110189452A1 (en) * 2009-07-31 2011-08-04 Vorbeck Materials Corp. Crosslinked Graphene and Graphite Oxide
US20110186786A1 (en) * 2009-07-31 2011-08-04 Vorbeck Materials Corp. Graphene Compositions
US9441076B2 (en) * 2009-11-12 2016-09-13 The Trustees Of Princeton University Multifunctional graphene-silicone elastomer nanocomposite, method of making the same, and uses thereof
WO2011146090A2 (en) * 2009-11-24 2011-11-24 Kansas State University Research Foundation Production of graphene nanoribbons with controlled dimensions and crystallographic orientation
DE102009056052B4 (de) * 2009-11-26 2014-07-10 Humboldt-Universität Zu Berlin Anordnung mit einem Träger und einer Schicht
US8753543B2 (en) * 2009-12-07 2014-06-17 Nanotek Instruments, Inc. Chemically functionalized submicron graphitic fibrils, methods for producing same and compositions containing same
US9613758B2 (en) * 2009-12-22 2017-04-04 Pasi Moilanen Fabrication and application of polymer-graphitic material nanocomposites and hybride materials
WO2011116369A2 (en) 2010-03-19 2011-09-22 Board Of Regents, The University Of Texas System Electrophoretic deposition and reduction of graphene oxide to make graphene film coatings and electrode structures
CN101864005B (zh) * 2010-06-03 2012-08-22 华侨大学 一种制备聚合物/石墨烯复合材料的方法
WO2012003466A1 (en) * 2010-07-02 2012-01-05 Ensysce Biosciences, Inc. Single-walled carbon nanotube/sirna complexes and methods related thereto
GB201103499D0 (en) 2011-03-01 2011-04-13 Univ Ulster Process
AU2012229052B2 (en) * 2011-03-15 2015-05-21 Peerless Worldwide, Llc Facile synthesis of graphene, graphene derivatives and abrasive nanoparticles and their various uses, including as tribologically-beneficial lubricant additives
KR101355541B1 (ko) * 2011-07-29 2014-01-27 한국과학기술원 그래핀/세라믹 나노복합분말 및 그의 제조방법
US8747623B2 (en) 2011-10-11 2014-06-10 Nanotek Instruments, Inc. One-step production of graphene materials
US20130150516A1 (en) * 2011-12-12 2013-06-13 Vorbeck Materials Corp. Rubber Compositions Comprising Graphene and Reinforcing Agents and Articles Made Therefrom
CN102586952A (zh) 2012-01-09 2012-07-18 东华大学 一种石墨烯增强聚丙烯腈碳纤维的制备方法
CN102581267B (zh) * 2012-01-10 2014-05-21 常州大学 一种银-石墨烯复合材料及便捷生产银-石墨烯复合材料的方法
CN103382026A (zh) * 2012-05-02 2013-11-06 中国科学院上海硅酸盐研究所 高质量石墨烯的低成本宏量制备方法
WO2014047589A1 (en) * 2012-09-21 2014-03-27 Northwestern University Peroxy-derivative functionalization of polypropylene via solid-state shear pulverization
US11289730B2 (en) * 2012-10-02 2022-03-29 Vorbeck Materials Flexible batteries
CN103794372A (zh) * 2012-10-29 2014-05-14 海洋王照明科技股份有限公司 石墨烯/离子液体复合材料及其制备方法、石墨烯/离子液体复合电极和电化学电容器
US10566482B2 (en) * 2013-01-31 2020-02-18 Global Graphene Group, Inc. Inorganic coating-protected unitary graphene material for concentrated photovoltaic applications
KR101330230B1 (ko) * 2013-02-05 2013-11-18 재단법인 철원플라즈마 산업기술연구원 고밀도로 나노입자가 결정화되어 있는 그래핀―나노 융합체
CN104163417B (zh) * 2013-05-20 2018-01-12 东丽先端材料研究开发(中国)有限公司 一种剥离石墨制备石墨烯的方法
CN103276372B (zh) * 2013-06-03 2015-11-25 中国科学院重庆绿色智能技术研究院 石墨烯的制备设备及制备方法
CN103301936B (zh) 2013-06-04 2015-12-09 广西华锡集团股份有限公司 一种用于球磨机碎钢球分离的磁力装置及其装配工艺
WO2014210584A1 (en) 2013-06-28 2014-12-31 Graphene 3D Lab Inc. Dispersions for nanoplatelets of graphene-like materials
CN103539103B (zh) * 2013-10-25 2015-10-14 福州大学 一种低成本炭质石墨烯片及其制备方法
CN103785466B (zh) * 2013-11-14 2016-01-20 温州医科大学 一种边缘功能化石墨烯催化剂的新型制备方法
CN103724869A (zh) 2013-12-03 2014-04-16 华侨大学 一种聚合物-石墨烯混合物的制备方法
US9315388B2 (en) 2014-02-21 2016-04-19 Nanotek Instruments, Inc. Production of graphene materials in a cavitating fluid
EP2942326A1 (en) 2014-05-05 2015-11-11 Basf Se Substrate pre-treatment for consistent graphene growth by chemical deposition
CN104671238B (zh) * 2015-02-06 2017-01-11 中国科学院山西煤炭化学研究所 一种快速制备高性能石墨烯的方法
US9926427B2 (en) * 2015-12-10 2018-03-27 Nanotek Instruments, Inc. Chemical-free production of graphene-reinforced polymer matrix composites
US9597657B1 (en) * 2015-12-28 2017-03-21 Nanotek Instruments, Inc. Chemical-free production of 3D graphene-carbon hybrid foam
US10008723B1 (en) * 2016-05-17 2018-06-26 Nanotek Instruments, Inc. Chemical-free production of graphene-wrapped electrode active material particles for battery applications
US9899672B2 (en) * 2016-05-17 2018-02-20 Nanotek Instruments, Inc. Chemical-free production of graphene-encapsulated electrode active material particles for battery applications

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004507436A (ja) 2000-09-06 2004-03-11 ファキュルテ ユニヴェルシテール ノートル−ダム ド ラ ペ 官能基化された短いカーボンナノチューブの製造方法および該方法により得られる官能基化された短いカーボンナノチューブ
JP2009062241A (ja) 2007-09-07 2009-03-26 Hokkaido Univ グラフェンシートの製造方法
JP2009155168A (ja) 2007-12-27 2009-07-16 Fujitsu Ltd 層状炭素構造体の製造方法および半導体装置の製造方法
JP2012500179A (ja) 2008-08-19 2012-01-05 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ カーボンナノチューブからのグラフェンナノリボンの製造
JP2012530044A (ja) 2009-06-15 2012-11-29 ウィリアム・マーシュ・ライス・ユニバーシティ アルカリ金属曝露によってカーボンナノチューブから製造されるグラフェンナノリボン
JP2015526264A (ja) 2012-05-18 2015-09-10 ドゥー,インフワン 粒子材料を乾式粉砕するプロセス
JP2015048534A (ja) 2013-08-29 2015-03-16 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 皮膜、コーティング方法、及び被覆物品

Also Published As

Publication number Publication date
US20170158513A1 (en) 2017-06-08
JP2019501100A (ja) 2019-01-17
CN108430642A (zh) 2018-08-21
WO2017095512A1 (en) 2017-06-08
KR102649587B1 (ko) 2024-03-20
KR20180088660A (ko) 2018-08-06
CN108430642B (zh) 2021-11-23
US11772975B2 (en) 2023-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7062588B2 (ja) グラフェン材料のケミカルフリー製造
JP7170537B2 (ja) グラフェン強化ポリマーマトリックス複合材料のケミカルフリー製造
JP6998879B2 (ja) グラフェン強化無機マトリックス複合物のケミカルフリー製造
US20180272565A1 (en) Chemical-free production of graphene-polymer pellets and graphene-polymer nanocomposite products
US10526204B2 (en) Production of graphene materials directly from carbon/graphite precursor
US9315388B2 (en) Production of graphene materials in a cavitating fluid
US11572280B2 (en) Environmentally benign production of graphene suspensions
CA2693309C (en) Production of nano-structures
US10971281B2 (en) Conducting polymer composite containing ultra-low loading of graphene
JP2019520300A (ja) コークスまたは石炭からのグラフェンシートの直接超音波処理製造
US11767221B2 (en) Production of graphene sheets from highly aromatic molecules
US20130022530A1 (en) Production Of Exfoliated Graphite
Stancu et al. Purification of multiwall carbon nanotubes obtained by AC arc discharge method
US11453594B2 (en) Environmentally benign production of graphene oxide
TWI540095B (zh) 製備石墨烯之方法及由其製備之石墨烯
Tkalya Graphene-based polymer nanocomposites
Drofenik et al. Synthesis of carbon nanostructures with mechanical alloying
Park et al. Shinshu University Institutional Repository SOAR-IR

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200923

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20200917

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20200930

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210629

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211029

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211029

C11 Written invitation by the commissioner to file amendments

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C11

Effective date: 20211116

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20220105

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20220111

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220420

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7062588

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150