JP2009062241A - グラフェンシートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、安価かつ簡便なグラフェンシートの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】炭素微粉末が分散されたVIII族の遷移金属のイオンを含む水溶液を準備し、前記水溶液内で還元反応を誘起させ、前記遷移金属からなる粒子を形成し、前記粒子表面にグラフェンシートを形成し成長させる。これにより、簡便にかつ低いコストでグラフェンシートを製造することができ、安価なグラフェンシートを提供することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、グラフェンシートの製造方法に関する。
炭素の結晶の同素体には、ダイアモンドとグラファイトがあることはよく知られている。グラファイトでは、炭素原子が蜂の巣のように6角形の網目状に並んだ平面的な薄いシートが積層されている。グラファイトを構成するこの平面的な薄いシートは、グラフェンシート(カーボンナノウール、グラファイトシール、カーボンナノフレークと呼ばれることもある)と呼ばれる。
このグラフェンシートは、カーボンナノチューブと遜色ない物性(例えば、熱伝導率は300Wm−1−1、機械的剛性は1060GPa、破壊強度はカーボンナノチューブに匹敵、極めて高い電子輸送特性、比面積は2000m/g)を有しており、非常に多くの応用が期待されている。グラフェンシートの製造には、積層構造を持つグラファイトをセロテープ(登録商標)など粘着テープで剥す方法(非特許文献1参照)や化学的に酸化処理しグラフェンシートを剥がす方法(非特許文献2参照)、炭化ケイ素(SiC)の表面を熱分解する方法(非特許文献3参照)、CVD法などの方法が用いられている(非特許文献4、非特許文献5参照)。CVD法では、原料ガス(例えば、CとHとの混合ガスやCHガス)を真空チャンバーに導入し、そのガス分子をマイクロ波や熱などにより励起させて、ラジカル化させる。そして金属を触媒としてグラフェンシートを基板上に成長させる。この他にも、水素雰囲気中で高エネルギーボールミルによりグラファイトを砕き、その後熱処理することによりグラフェンシートを成長させる方法も試みられている(非特許文献6参照)。
また、原料として廃タイヤゴム由来の炭素塊に加熱水蒸気による賦活処理(水蒸気爆発とも呼ばれる)や乾留熱分解を用い、金属触媒を用いないで加熱処理することにより、カーボンナノチューブや非晶質グラフェンを創製する方法も報告されている(特許文献1参照)。この方法は、産業廃棄物として社会の大きな課題となっている廃タイヤのリサイクルの観点から注目に値する。
一方、炭素材料を無電解ニッケルメッキ溶液に分散させ、炭素材料の表面にニッケルからなる被膜を形成する技術が知られている。ニッケルメッキが施された炭素材料は電磁波吸収性能および電磁波シールド性能が好ましいことから、電磁波シールド材として用いられる(特許文献2参照)。
特開2006−076801号公報 特開2007−103679号公報 K.S. Novoselov,D. Jiang,F. Schedin,T.J. Booth,V.V. Khotkevich,S.V. Morozov,and A.K. Geim,Two-dimensional atomic crystals, Proc. Natl. Acad. Sci. 102, No 30, (2005) 10451-10453 S. Stankovich,D.A. Dikin,G.H.B. Dommett,K.M. Kohlhaas, E.J. Zimney,E.A. Stach,R.D. Piner,S.T. Nguyen,and R.S. Ruoff,Graphene-based composite materials, Nature 442 (2006) 282-286 C. Berger, Z. Song, T. Li, X. Li, A.Y. Ogabazghi, R. Feng, A. Dai, A.N. Marchenkov, E.H. Conrad, P.N. First, and W.A. de Heer, Ultrathin Epitaxial Graphite: 2D Electron Gas Properties and a Route toward Graphene-based Nanoelectronics, J. Phys. Chem., B108 (2004) 19912-19916 Y. Wu, P. Qiao, T. Chong, and Z. Shen, Carbon Nanowalls Grown by Microwave Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition, Adv. Mater. 14, No.1, (2002), 64-67 N. G. Shang, F. C. K. Au, X. M. Meng, C. S. Lee, I. Bello, S. T. Lee, Uniform Carbon Nanoflake Films and Their Field Emissions, Chem. Phys. Lett. 358 (2002) 187-191 Y. Chen, Solid-state formation of carbon nanotubes, in Carbon Nanotechnology ed. by L. Dai (Elsevier, 2006) 53-80
しかしながら、上記グラフェンシートの製造方法は、それぞれ以下の問題を有している。粘着テープで剥がす方法は、再現性や量産性に問題がある。化学的に酸化する方法では、一層から数層のグラフェンシートを製造することが困難であり、グラファイトを原材料とすることから方法が複雑になる。SiCを熱分解する方法では、グラフェンシートは、SiC基板表面上しか存在せず、また基板が1000℃以上に加熱しなければならないことからコストが高い。CVD法では高価な装置を用いることからコストが高く、また原料ガスの取り扱いに特段の注意を要するという問題がある。
したがって、本発明の目的は、簡便でコストの低いグラフェンシートの製造方法を提供することである。
驚くべきことに、本発明者らは、炭素微粉末を無電解メッキする条件に類似する反応系において、グラフェンシートが形成されることを見出した。
すなわち、本発明は、以下に示すグラフェンシートの製造方法に関する。
[1]炭素微粉末が分散された、VIII族の遷移金属のイオンおよび還元剤を含む水溶液を準備するステップと、前記水溶液内で還元反応を誘起させ、前記遷移金属からなる粒子を形成するステップと、前記粒子表面にグラフェンシートを形成するステップと、を有するグラフェンシートの製造方法。
[2]前記遷移金属はニッケルである、[1]に記載の方法。
[3]前記水溶液は、90〜100℃まで加熱される、[1]または[2]に記載の方法。
[4]前記粒子表面に形成されたグラフェンシートを前記粒子から分離するステップをさらに有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記粒子は磁性を有し、表面にグラフェンシートが形成された前記粒子を、外部磁界を用いて磁気的に回収するステップをさらに有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記炭素微粉末は活性炭である[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記炭素微粉末は廃タイヤ由来のゴム炭化微粉末である、[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[8]前記粒子表面に形成されたグラフェンシートを前記粒子から分離するステップと、前記グラフェンシートをグラフェンペーパーにするステップとをさらに有する[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
本発明のグラフェンシートの製造方法によれば、非常に低いコストで、簡便にグラフェンシートを製造することができる。本発明のグラフェンシートの製造方法は、VIII族の遷移金属のイオンを含む水溶液および炭素微粉末があれば実施可能だからである。さらに、原料炭素に廃タイヤ由来の炭素を用いることから、地球環境保護や資源のリサイクルの観点からも好ましい。
本発明によるグラフェンシートの製造方法は、1)炭素微粉末が分散された、VIII族の遷移金属のイオンを含む水溶液(以下「金属イオン水溶液」という)を準備するステップ、2)前記金属イオン水溶液内で還元反応を誘起させ、前記遷移金属からなる粒子(以下「金属粒子」という)を形成するステップ、3)前記金属粒子表面にグラフェンシートを形成するステップを有する。
上述したステップ1)では炭素微粉末を金属イオン水溶液に分散させる。
本発明で用いる炭素微粉末は、炭素原料の微粉末である。ここで炭素原料とは、例えば、有機物の炭化焼成物である。炭化される有機物は特に限定されないが、廃タイヤなどの有機廃棄物であってもかまわない(後に詳細に説明する)。炭化焼成物は、多環芳香族炭化水素でありうる。また、炭素原料はいわゆる「活性炭」であってもよい。
炭素微粉末は炭素原料を粉砕して得ることができる。炭素原料を粉砕する方法には、湿式と乾式があり、安全性の観点から湿式が好ましい。炭素微粉末の形状は、好ましくは球形である。炭素微粉末の各粒子の粒径は、光学顕微鏡観察や低倍率のSEM観察により得られた像を元に算出した場合、1〜20μmであることが好ましい。このような各粒子は、高分解能のSTEMで観察した場合、10〜100nmの粒子が集合して形成されたものであることが好ましい。炭素微粉末の表面積が大きいほどグラフェンシートの生成反応が活性化されるので、表面積は大きいほど好ましいと考えられる。したがって、炭素微粉末の重量あたりの表面積は、ガス吸着法により算出した場合、80〜500m/gであることが好ましく、さらに大きくてもよい。
前述の通り、炭素微粉末は、廃タイヤの炭化焼成物の微粉末(ゴム炭化微粉末)であってもよい。廃タイヤ由来のゴム炭化微粉末を用いることは、地球環境保護、資源のリサイクルの観点から好ましい。さらに、炭素微粉末は、市販の活性炭であってもよい。
廃タイヤから炭素微粉末を得る方法は特に限定されないが、例えば、A)ビートワイヤ除去工程、B)切断工程、C)分離粉砕工程、D)炭化処理工程およびE)脱脂処理工程からなってもよい。以下、上記方法で廃タイヤから炭素微粉末を得る方法について説明する。
A)ビート除去工程では、廃タイヤのリム部からビートワイヤを除去する。続いてB)切断工程において、廃タイヤを所定の大きさに切断し、複数のゴム断片を得る。
C)分離粉砕工程では、ゴム断片からワイヤを分離した後、ゴム断片を微粉化して廃タイヤ由来のゴム粉末を得る。ゴム断片の微粉化は、湿式で行うことが好ましい。
D)炭化処理工程では、C)で得た廃タイヤ由来のゴム粉末を炭化処理する。炭化処理の温度は400〜1000℃が好ましく、500〜800℃が特に好ましい。温度が低すぎると、充分に炭化が行われず、好ましい炭素微粉末を得ることができない。このようにして、廃タイヤ由来の炭素微粉末を得ることができる。廃タイヤ由来の炭素微粉末の各粒子の粒径は、通常10〜500μmであり、好ましくは30〜300μm、さらに好ましくは50〜200μmである。前記粒子の形状は、特に限定されないが、球状のものが好適に用いられる。得られた炭素微粉末を湿式ボールミルにより更に小さく粉砕する。粉砕後の粒径は、10〜100nmが好ましく、さらに小さくてもよい。
D)炭化処理工程で得られた炭素微粉末の表面には、油分や汚れ等が付着しているので、E)脱脂処理工程でこれらを除去する。脱脂処理工程で用いる脱脂剤の例には、アルカリ性脱脂剤(ノンシリケート系、シリケート系等)、酸性脱脂剤(フッ素系、ノンフッ素系等)、溶剤系脱脂剤(パラフィン系、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アルコール類、ハロゲン系溶媒、界面活性剤分散水溶液等)が含まれる。好ましい脱脂剤は、アルカリ性脱脂剤である。炭素微粉末は、脱脂剤に分散されることで脱脂処理が施される。また、処理時間は、10〜60分間が好ましい。脱脂処理工程後、廃タイヤ由来の炭素微粉末は、水洗いされる。
さらに炭素微粉末には、2)の反応における金属イオン水溶液に分散させる前に、感受性化処理および触媒化処理が施されてもよい。
感受性化処理では炭素微粉末の各炭素微粒子の表面に2価のスズイオンを吸着させる。例えば、塩化スズ(II)や硫酸スズ(II)などを塩酸や硫酸(好ましくは塩酸)などに溶解させて得られる溶液に炭素微粉末を浸漬させることで、炭素微粒子の表面にスズイオンを吸着させることができる。塩酸の濃度は、0.1〜5.0mol/lが好ましい。溶液中の2価のスズイオンの濃度は、0.1〜10.0重量%が好ましい。炭素微粉末を浸漬させる際の溶液の温度は、10〜60℃が好ましい。炭素微粉末を溶液に浸漬させる時間は、10秒〜5分間が好ましく、より好ましくは、30秒〜2分間である。感受性化処理後、炭素微粉末は水洗いされる。
触媒化処理では、触媒核を炭素微粉末の各炭素微粒子の表面に付与する。例えば、パラジウムや金、銀などの貴金属を塩酸などに溶解させて得られる溶液に炭素微粉末を浸漬させることで、炭素微粒子の表面に触媒核を付与することができる。例えば、パラジウムを炭素微粒子に処理する場合、溶液には塩化パラジウムを塩酸に溶解させた溶液を用いる。塩化パラジウム溶液中の塩酸の濃度は、0.1〜5.0mol/lが好ましい。塩化パラジウム水溶液中のパラジウムの濃度は、0.0025〜2.5重量%が好ましい。炭素微粉末を浸漬させる際の溶液の温度は、10〜60℃が好ましい。炭素微粉末を溶液に浸漬させる時間は、10秒〜5分間が好ましく、より好ましくは、30秒〜2分間である。
なお、スズイオンとパラジウムイオンとを含むコロイド溶液を用いることで、感受性化処理と触媒化処理を同時に行うこともできる。
炭素微粉末に触媒化処理を施すことで、グラフェンシートが形成され成長する反応までの時間を短縮できる。また、触媒化処理によって炭素微粉末に付与された触媒核の量が増えると後述する金属粒子の析出量が増え、それに伴い製造されるグラフェンシートの量も増える。
上述のように準備された炭素微粉末は、金属イオン水溶液に分散される。金属イオン水溶液に含まれる金属は、VIII族の遷移金属であればよい。このような遷移金属の例には、鉄やコバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウムなどが含まれる。本発明において好ましいVIII族の遷移金属は、ニッケルである。金属イオン水溶液はこのような金属の塩を水に溶解させることで得られる。例えば、ニッケルの場合は、硫酸ニッケルや塩酸ニッケルなどのニッケル塩を水に溶解させて金属イオン水溶液を得る。ニッケル塩を水に溶解させて得た金属イオン水溶液(以下「ニッケルイオン水溶液」という)におけるニッケル塩の濃度は、4.5〜6.0g/lが好ましい。またニッケルイオン水溶液におけるニッケルイオンの濃度は、17〜22mMが好ましい。
金属イオン水溶液は、還元剤を含む。還元剤は、金属イオン水溶液中の金属イオンを還元するものであれば特に限定はされない。このような還元剤の例には、次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、ホルムアルデヒド、水素化ホウ素ナトリウムなどが含まれる。好ましい還元剤は、次亜リン酸ナトリウムおよびジメチルアミンボランである。還元剤に次亜リン酸ナトリウムを用いる場合、金属イオン水溶液中の次亜リン酸ナトリウムの濃度は、20〜35g/lが好ましい。
また、目的とする金属粒子の性状や、金属イオン水溶液の安定性などに応じてpH調整剤、緩衝剤、錯化剤、促進剤、安定剤、改質剤をさらに加えてもよい。
このような金属イオン水溶液の例には、従来無電解ニッケルメッキ反応で用いられた、いわゆる無電解ニッケルメッキ溶液が含まれる。
無電解ニッケルメッキ溶液は、硫酸ニッケルと、次亜リン酸ナトリウムおよびジメチルアミンボランのうち少なくとも一種と、グリシンとを含む水溶液である。無電解ニッケルメッキ溶液は、さらにリンゴ酸およびポリエチレングリコールを含んでもよい。無電解ニッケルメッキ溶液の例には、市販のNi−875MやNi−426(登録商標 メルテックス社製)などが含まれる。
炭素微粉末を金属イオン水溶液に分散させる方法は、炭素微粉末が水溶液中に速やかに分散されるのであれば、特に限定されない。また、分散させる炭素微粉末の量と金属イオン溶液の量との割合は特に限定されない。例えば、ニッケルイオン溶液の場合、分散させる炭素微粉末の量は目安として、溶液1lあたり0.5〜20g、好ましくは0.5〜5gである。
添加する炭素微粉末の量が過剰に多いと、反応に関与しない炭素量が増え、かえって反応を阻害する場合や後述する金属粒子グラフェンシート複合体の分離を困難にする場合がある。
炭素微粉末を金属イオン水溶液に分散させた後、ステップ2)では、金属イオン水溶液内で還元反応を誘起させ、金属粒子を形成する。金属粒子の形成は、金属イオン水溶液の温度、攪拌具合、水素ガスの発生具合等を制御して、金属イオンの還元反応を誘起し、金属粒子が析出する条件を整えることによって進行する。金属粒子が析出する条件を整えるとは、例えば、金属イオン水溶液の温度を沸騰しない程度まで上げることをいう。
例えば、金属イオン水溶液として、無電解ニッケルメッキ溶液を用いる場合、無電解ニッケルメッキ溶液を90〜100℃まで加熱することが好ましい。無電解ニッケルイオン水溶液の温度を90〜100℃まで上げると、メッキ反応でなく、メッキ液が自己分解し、ニッケル粒子の形成が進行しやすくなる。ここでメッキ液の自己分解とは、金属がメッキ皮膜としてではなく、粒子として析出することをいう。したがって、無電解ニッケルメッキ溶液を用いる場合、ステップ2)における温度は90〜100℃であることが好ましい。一方、無電解ニッケルメッキ溶液の温度が、あまりにも高い(100℃以上)と無電解ニッケル溶液が沸騰し、還元反応の進行が阻害されることから好ましくない。
ステップ2)では、還元反応を溶液全体で進行させるために、溶液を攪拌することが好ましい。
金属イオン水溶液の温度は、還元反応が生じている箇所で局所的に高くされてもよい。金属イオン水溶液の温度を局所的に高くすることで、還元反応が生じている箇所の温度のみを選択的に上げ、還元反応を促進することができ、局所的に金属粒子の形成を促進させることができる。さらに、金属イオン水溶液全体では低い温度を保てることができ、金属イオン水溶液全体が沸騰することを防げる。金属イオン水溶液の温度を局所的に上げる方法の一例には、レーザ光の焦点を金属イオン水溶液に合わせる方法がある。
水溶液中の金属イオンは次亜リン酸イオンなどの還元剤によって還元され、金属イオン水溶液内に金属が析出する。たとえば、次亜リン酸ナトリウムを還元剤に用いるニッケルイオン水溶液の場合、ニッケルイオンは以下のステップにより還元されニッケルが析出する。
i)ニッケルイオン水溶液中の触媒金属と次亜リン酸イオンが接触すると、以下のような脱水素反応が起こる。
[HPO+HO→H[HPO]+2H
ii)生成した水素原子は触媒金属表面に吸着されて、いわゆるCondensed Layerとなって活性化し、これがニッケルイオン水溶液中のニッケルイオンと接触すると、以下の反応でニッケルを還元させ、ニッケルを析出させる。
Ni+++2H→Ni+2H+
析出したニッケルは、自己触媒作用があることから、析出したニッケルの表面にさらにニッケルが析出し、球状のニッケル粒子が形成される。
ステップ2)で形成される金属粒子の粒径は特に限定されない。例えば金属粒子がニッケルからなる場合、粒子の粒径は、20〜1000nmとなる。
金属粒子が形成されるに伴い、ステップ3)で金属粒子の表面にグラフェンシートが形成され成長する。その結果、金属粒子とグラフェンシートとの複合体(以下「金属粒子グラフェンシート複合体」という)が形成される。ステップ2)とステップ3)は並行して進行すると考えられる。本発明におけるグラフェンシートは、形成された金属粒子を触媒として、周辺に浮遊する炭素微粉末(好ましくは多環芳香族炭化水素)を原料に、金属表面に付着した状態となり、さらに進んで立ち上がった状態で形成され成長する。グラフェンシートが立ち上がった状態で成長すると、1金属粒子あたりに形成されるグラフェンシートの量が多くなり、より多量のグラフェンシートが製造される。グラフェンシートを形成し成長させるための金属イオン水溶液の温度は、90〜100℃が好ましい。また、グラフェンシートを形成し成長させる時間は、10〜60分間が好ましい。
図1には、グラフェンシートが金属粒子表面上に形成されるメカニズムの例が示されるが、グラフェンシートの形成メカニズムは特に限定されない。図1に示されるように、溶液中に存在する多環芳香族炭化水素3を材料に、Condensed Layer2によって活性化された金属粒子1を触媒として、金属粒子1の表面上にグラフェンシート4が形成される。金属粒子1の表面に形成されたグラフェンシート4に、さらに多環芳香族炭化水素3が付加されていくことで、グラフェンシート4が成長していく。グラフェンシート4が形成され成長する過程では、水素ガス5が発生する。
金属粒子グラフェンシート複合体を回収し、それを(走査型)透過電子顕微鏡等で観察することにより、金属粒子上に形成され成長したグラフェンシートを観察することができる。
図2は、本発明によって得られたグラフェンシートのラマン散乱スペクトルである。図2におけるピーク7はGバンド(炭素原子が蜂の巣のように6角形の網目状構造を形成していることを示す信号)のピークであり、ピーク6はDバンド(炭素原子が欠陥のある6角形の網目構造を形成していることを示す信号)のピークである。図2は、GバンドピークおよびDバンドピークが存在していることを示す。また、DバンドピークがGバンドピークより大きいことは、本発明におけるグラフェンシートが結晶構造に欠陥を有することを示唆する。
グラフェンシートが金属粒子(ニッケル粒子)の表面に成長した様子が図3〜図5に示される。図3〜図5は、金属粒子グラフェンシート複合体の電子顕微鏡像である。これらの図は、グラフェンシートの大きさがおよそ100nm×100nmであり、グラフェンシートは1〜20層に積層されていることを示す。本発明により、1層のグラフェンシートを得ることもできる。
本発明によるグラフェンシートの製造方法は、金属粒子グラフェンシート複合体からグラフェンシートを単離するために、金属粒子グラフェンシート複合体を回収するステップおよび金属粒子表面に形成されたグラフェンシートを金属粒子から分離するステップをさらに有してもよい。
金属粒子グラフェンシート複合体を回収する方法の例には、ろ紙を用いて、金属粒子グラフェンシート複合体を含む金属イオン水溶液から、金属粒子グラフェンシート複合体を濾取する方法がある。
また、金属粒子が磁性を有する場合には、外部磁界(磁石など)を用いることにより、金属イオン水溶液から金属粒子グラフェンシート複合体を集めて回収することもできる。形成される金属粒子の磁性が強ければ、金属粒子グラフェンシート複合体を磁石などで容易に回収することができる。例えば、金属イオン水溶液に低リンタイプの無電解ニッケルメッキ水溶液(例えば、Ni−426(登録商標 メルテックス社製))を用いると強い磁性を有するニッケル粒子が形成されうる。
金属粒子表面に形成されたグラフェンシートを金属粒子から分離する方法は、特に限定されない。例えば金属粒子グラフェンシート複合体を酸で処理して、金属粒子を酸で溶解させ、グラフェンシートを金属粒子から分離してもよい。好ましい酸は、例えば塩酸や硝酸である。また、金属粒子を溶解させずに、グラフェンシートを金属粒子の表面から剥離分離(物理的に金属粒子から引き剥がす)してもよい。
本発明によって製造されたグラフェンシートは、グラフェンペーパーにされてもよい。グラフェンペーパーとはグラフェンシートが寄せ集まることによって形成された、紙状のグラフェンシートである。グラフェンペーパーを得るには、グラフェンシートを溶媒中に超音波などを用いて分散させ、その後濾紙を用いて吸引ろ過を行い、濾紙上にグラフェンペーパーを作製すればよい。
このように本発明のグラフェンシートの製造方法は、金属イオン水溶液および炭素微粉末さえあればよく、大がかりな装置は必要としないという点で非常に簡便である。また、本発明ではグラフェンシートの原料として取り扱いが困難な原料ガスではなく、扱いが容易な炭素微粉末とメッキ業界で広く用いられている無電解メッキ液を用いることから、実施が簡便で、より低コストでグラフェンシートを製造することができる。
また、廃タイヤ由来の炭素微粉末を原料として用いることもでき、地球環境保護、資源のリサイクルの観点から好ましいグラフェンシートの製造方法を提供することができる。
以下、実施例を用いて本発明によるグラフェンシートの製造方法について説明する。以下の実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
[炭素微粉末の準備]
本実施例では、炭素微粉末として廃タイヤ由来のゴム炭化微粉末を用いた。
廃タイヤから炭素微粉末を製造するため、まず廃タイヤからビートワイヤなどを除去し、その後ミクロサイズに機械的に粉砕した。ミクロサイズに粉砕された廃タイヤ片を加熱水蒸気により炭化し、炭素微粉末を得た。得られた炭素微粉末を苛性ソーダにより脱脂し、水洗いした。その後炭素微粉末に、塩化第一スズによる表面活性処理、塩化パラジウムによる活性処理を前処理として施した。より詳しい方法は、特許文献1または特許文献2に記載される。
[金属イオン水溶液の準備]
本実施例では、金属イオン水溶液に、ニッケルイオン水溶液(市販の無電解ニッケルメッキ溶液(Ni−875M)(登録商標 メルテックス社製))を用いた。
[ニッケルイオン水溶液への炭素微粉末の分散]
前処理を施した炭素微粉末3gを90℃まで加熱したニッケルイオン水溶液1リットルに入れ攪拌し分散させた。炭素微粉末が全体に混ざると、気泡が発生した。気泡が発生してから一定時間、温度を90℃に保持したまま、炭素微粉末が分散したニッケルイオン水溶液をさらに攪拌し反応を進行させた。これによりニッケルイオン水溶液内全体で還元反応が誘起され、ニッケル粒子が形成された。ニッケル粒子は、グラフェンシートの触媒として作用し、ニッケル粒子の表面にグラフェンシートが成長した。
[攪拌時間]
反応が開始してからの撹拌は、処理区ごとにそれぞれ1、2、10、20、40、60分間行った。撹拌時間が1、2分間の処理区では、ほとんどニッケル粒子は形成されなかった。一方、撹拌時間が10、20、40、60分間の処理区では、撹拌時間が長い処理区ほど多くのニッケル粒子が確認された。
[ニッケル粒子グラフェンシート複合体の回収]
指定時間まで攪拌した後、濾紙を使いニッケルイオン水溶液から、ニッケル粒子グラフェンシート複合体を分離した。分離に用いた濾紙をそのまま乾燥機に入れ、100℃以下の温度で20分間乾燥した。
[電子顕微鏡による構造観察評価]
乾燥させたニッケル粒子グラフェンシート複合体をメタノール液に超音波分散し電子顕微鏡用の試料メッシュの上に滴下し乾燥させ、走査型透過電子顕微鏡を用いて構造を観察した。走査型透過顕微鏡には日立製作所作製HD2000を用いた。観察により、走査型電子顕微鏡(SEM)像、透過型電子顕微鏡(TEM)像および電子線回折像を得た。また、ニッケル粒子グラフェンシート複合体の特性X線分析(EDAX)を測定した。
図3は、10分間処理区におけるニッケル粒子グラフェン複合体のSEM像である。図4は、図3と同じニッケル粒子グラフェン複合体のTEM像である。図3および図4は、ニッケル粒子上にグラフェンシートが形成されていることを示す。また、図3および図4は、グラフェンシートの大きさはおよそ100nm×100nmであることを示す。
図5Aは、グラフェンシートのSEM像である。図5Bは図5Aの丸で囲まれた部分の拡大TEM像である。図5Bは、図5Aの丸で囲まれた部分のグラフェンシートが20層程度積層されていることを示す。
図6Aは、グラフェンシートのSEM像である。図6Bは図6Aの矢印箇所の電子線回折像である。図6Bの電子線回折像は、図6Aの矢印箇所のグラフェンシートが数層程度積層されており、かつ結晶質であることを示す。
図7は、図4のX部分すなわちグラフェンシートの特性X線分析(EDMX)の結果である。図7は、X部分の成分が炭素原子であることを示す。
図8は、図4のY部分すなわちニッケル粒子の特性X線分析(EDMX)の結果である。図8は、Y部分の成分はニッケルであることを示す。
本発明により、簡便にかつ低いコストでグラフェンシートを製造することができ、安価なグラフェンシートを提供することができる。グラフェンシートは、燃料電池セパレータや電解放出ディスプレー、無水銀蛍光灯、コンポジット材などとして用いられることができる。また、本発明における金属粒子グラフェンシート複合体は、グラフェンシートに薬剤などを付着させ、複合体を磁石で制御することで、DDSのキャリヤーとしても利用することができる。
さらに、本発明では、廃タイヤ由来のゴム炭化微粉末を使用することから、廃タイヤのリサイクルに貢献する。このため、本発明が、近年対策が求められている地球規模での省資源および省エネルギー化に貢献することも期待される。
グラフェンシートがニッケル粒子表面上に形成され成長する模式図である。 本発明によって得られたグラフェンシートのラマン散乱スペクトルである。 ニッケル粒子グラフェン複合体のSEM像の写真である。 ニッケル粒子グラフェン複合体のTEM像の写真である。 グラフェンシートのSEM像の写真(左上)と層構造のTEM像の写真である。 グラフェンシートのSEM像の写真(左上)と電子線回折像である。 グラフェンシートの特性X線分析(EDAX)の結果を示すグラフである。 ニッケル粒子の特性X線分析(EDAX)の結果を示すグラフである。
符号の説明
1 金属粒子
2 Condensed Layer
3 多環芳香族炭化水素
4 グラフェンシート
5 水素ガス
6 Dモードピーク
7 Gモードピーク

Claims (8)

  1. 炭素微粉末が分散された、VIII族の遷移金属のイオンおよび還元剤を含む水溶液を準備するステップと、
    前記水溶液内で還元反応を誘起させ、前記遷移金属からなる粒子を形成するステップと、
    前記粒子表面にグラフェンシートを形成するステップと、
    を有するグラフェンシートの製造方法。
  2. 前記遷移金属はニッケルである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記水溶液は、90〜100℃まで加熱される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記粒子表面に形成されたグラフェンシートを前記粒子から分離するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記粒子は磁性を有し、
    外部磁界を用いて表面にグラフェンシートが形成された前記粒子を磁気的に回収するステップをさらに有する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記炭素微粉末は活性炭である請求項1に記載の方法。
  7. 前記炭素微粉末は廃タイヤ由来ゴム炭化微粉末である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記粒子表面に形成されたグラフェンシートを前記粒子から分離するステップと、前記分離されたグラフェンシートをグラフェンペーパーにするステップとをさらに有する、請求項1に記載の方法。
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