JP7057199B2 - ダイヤ分析支援装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明はダイヤ分析支援装置及び方法に関し、例えば、列車ダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援装置に適用して好適なものである。
従来、列車のダイヤは、都市の発展・衰退や経済状況等多面的な判断要素を入力源として、乗客の利便性及び鉄道事業者の収益性を考慮して人手により作成されている。特に、都市型近郊を走る鉄道交通機関では、ラッシュ時の乗客をいかに遅延なく輸送するかという観点でダイヤが作成される。これは、ひとたび遅延が発生すると、乗降車時間の増大、駅ホームでの混雑による事故リスクの上昇、及び、先行列車の遅延に伴う後続列車の遅延など、最初の遅延に起因して二次的に発生する遅延(以下、これを二次遅延と呼ぶ)が拡大するためである。
また鉄道事業者は、ダイヤ改正や運用の変更によって遅延を改善するために、実際の列車の走行ダイヤ(以下、これを実績ダイヤと呼ぶ)や現場の声、乗客の意見などを長時間かけて収集し、列車の遅延が発生しやすいダイヤ箇所を分析・特定している。ここで「運用の変更」とは、乗換えアナウンスの省略などダイヤには表れない特例的な運用を施すケースを指す。アナウンスの短時間化及び省略によりダイヤの乱れを低減できた実例も存在する。現在もこのようなダイヤの分析作業を、ベテランの担当者が多種多様なデータと、多大な労力及び時間と、センスとに頼って取り組んでいる。
なお特許文献1には、このようなダイヤ分析に関する技術として、基準ダイヤと比較対象のダイヤとから得られた各遅延時間を度数分布/累積相対度数分布のグラフに描画することにより、発着遅延の傾向を視覚的に把握できるようになされた発明が開示されている。
特願2008-114779号公報
ところが、かかる特許文献1に開示された発明は、遅延を種別ごとに分析する手段は有するものの、要因別には分析できないという問題があった。またこの特許文献1に開示された発明では、二次遅延の影響を排除できておらず、列車単独の遅延に対する正しい分析を行うことができないという問題もあった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、ダイヤの分析作業をより短時間化及び容易化させ得るダイヤ分析支援装置及び方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明においては、交通機関における被運行体のダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援装置において、予め計画された各前記被運行体ごとの運行ダイヤである計画ダイヤと、各前記被運行体の日ごとの走行実績である実績ダイヤと、時系列及び所定の区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成するモデル生成部と、生成された前記統計モデル及び各前記遅延要因の前記実績値に基づいて、各前記被運行体の前記区間ごとの遅延時間である第1の遅延時間を、各前記被運行体の前記区間ごとに前記遅延要因別の遅延時間である第2の遅延時間にそれぞれ分類する過去実績分析処理、及び、新規の前記計画ダイヤに関して、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの想定値に基づいて、要求された前記被運行体及び前記区間ごとの遅延時間である第3の遅延時間をそれぞれ予測する未来予測分析処理の少なくとも一方を実行する分析部と、前記過去実績分析処理又は前記未来予測分析処理の処理結果を所定の表現形態で表示する出力部とを設け、前記分析部は、前記過去実績分析処理において、各前記被運行体の前記区間ごとに、前記第2の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した第4の遅延時間をそれぞれ算出し、前記未来予測分析処理において、新規の前記計画ダイヤに関して、前記被運行体の前記区間ごとに、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの前記想定値に基づき算出される前記遅延要因ごとの遅延時間である第5の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、各前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した前記第3の遅延時間をそれぞれ算出し、前記出力部は、前記過去実績分析処理で算出した前記第4の遅延時間、又は、前記未来予測分析処理で算出した前記第3の遅延時間を所定の前記表現形態で表示し、前記表現形態は、前記第4の遅延時間又は前記第3の遅延時間の大きさに応じた色合いの線分を、前記計画ダイヤのダイヤグラムにおける対応する前記被運行体のダイヤを表す線分のうちの対応する前記区間に対応する部分に重ね合わせて表示する形態であるようにした。
また本発明においては、交通機関における被運行体のダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援装置により実行されるダイヤ分析支援方法であって、予め計画された各前記被運行体ごとの運行ダイヤである計画ダイヤと、各前記被運行体の日ごとの走行実績である実績ダイヤと、時系列及び所定の区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成する第1のステップと、生成した前記統計モデル及び各前記遅延要因の前記実績値に基づいて、各前記被運行体の前記区間ごとの遅延時間である第1の遅延時間を、各前記被運行体の前記区間ごとに前記遅延要因別の遅延時間である第2の遅延時間にそれぞれ分類する過去実績分析処理、及び、新規の前記計画ダイヤに関して、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの想定値に基づいて、要求された前記被運行体及び前記区間ごとの遅延時間である第3の遅延時間をそれぞれ予測する未来予測分析処理の少なくとも一方を実行する第2のステップと、前記過去実績分析処理又は前記未来予測分析処理の処理結果を所定の表現形態で表示する第3のステップとを設け、前記第2のステップでは、前記過去実績分析処理において、各前記被運行体の前記区間ごとに、前記第2の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した第4の遅延時間をそれぞれ算出し、前記未来予測分析処理において、新規の前記計画ダイヤに関して、前記被運行体の前記区間ごとに、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの前記想定値に基づき算出される前記遅延要因ごとの遅延時間である第5の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、各前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した前記第3の遅延時間をそれぞれ算出し、前記第3のステップでは、前記過去実績分析処理で算出した前記第4の遅延時間、又は、前記未来予測分析処理で算出した前記第3の遅延時間を所定の前記表現形態で表示し、前記表現形態は、前記第4の遅延時間又は前記第3の遅延時間の大きさに応じた色合いの線分を、前記計画ダイヤのダイヤグラムにおける対応する前記被運行体のダイヤを表す線分のうちの対応する前記区間に対応する部分に重ね合わせて表示する形態であるようにした。
本発明のダイヤ分析支援装置及び方法によれば、ユーザが各列車の各駅区間における遅延時間に対する遅延要因ごとの影響を容易に把握することができる。
本発明によれば、ダイヤの分析作業をより短時間化及び容易化させることができる。
本実施の形態によるダイヤ分析支援装置の全体構成を示すブロック図である。 計画ダイヤ管理テーブルの構成例を示す図表である。 実績ダイヤ管理テーブルの構成例を示す図表である。 列車遅延時間管理テーブルの構成例を示す図表である。 ダイヤ制約管理テーブルの構成例を示す図表である。 遅延要因管理テーブルの構成例を示す図表である。 精製後列車遅延時間管理テーブルの構成例を示す図表である。 遅延要因別実績管理テーブルの構成例を示す図表である。 分析手法管理テーブルの構成例を示す図表である。 遅延モデル管理テーブルの構成例を示す図表である。 分析モード指定画面の構成例を示す図である。 可視化パラメータ指定画面の構成例を示す図である。 ダイヤ分析結果表示画面の構成例を示す図である。 (A)及び(B)は、可視化パラメータとダイヤ分析結果表示画面の表示状態との関係の説明に供する図である。 (A)及び(B)は、可視化パラメータとダイヤ分析結果表示画面の表示状態との関係の説明に供する図である。 (A)及び(B)は、可視化パラメータとダイヤ分析結果表示画面の表示状態との関係の説明に供する図である。 (A)及び(B)は、可視化パラメータとダイヤ分析結果表示画面の表示状態との関係の説明に供する図である。 シミュレーション設定画面の構成例を示す図である。 ダイヤ分析処理の処理手順を示すフローチャートである。 モード設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 計画ダイヤ読込み処理の処理手順を示すフローチャートである。 実績データ読込み処理の処理手順を示すフローチャートである。 遅延時間算出処理の処理手順を示すフローチャートである。 遅延時間精製処理の処理手順を示すフローチャートである。 (A)-(D)は、遅延時間精製処理の説明に供する図表及びグラフである。 (A)-(D)は、遅延時間精製処理の説明に供する図表及びグラフである。 遅延モデル生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 過去実績分析処理の処理手順を示すフローチャートである。 未来予測分析処理の処理手順を示すフローチャートである。 分析結果出力処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
(1)本実施の形態によるダイヤ分析支援装置の構成
図1において、1は全体として本実施の形態によるダイヤ分析支援装置を示す。このダイヤ分析支援装置1は、内部バス2を介して相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)3、メモリ4、補助記憶装置5、通信装置6、入力装置7及び表示装置8を備えた汎用のコンピュータ装置から構成される。
CPU3は、本ダイヤ分析支援装置1全体の動作制御を司るプロセッサである。またメモリ4は、例えば、DRAM(Dynamic RAM(Random Access Memory))又はSRAM(Static RAM)などの揮発性の半導体メモリから構成され、CPU3のワークメモリとして利用される。
補助記憶装置5は、例えば、ハードディスク装置やSSD(Solid-State Drive)などの不揮発性の大容量の記憶装置から構成され、プログラムや必要なデータを長期間保持するために利用される。補助記憶装置5に格納されたプログラムがダイヤ分析支援装置1の起動時や必要時にメモリ4に読み出され、このプログラムがCPU3に実行されることにより、後述のような各種処理が実行される。
通信装置6は、例えばNIC(Network Interface Card)などから構成され、インターネット等の通信網9を介した外部機器との通信時におけるプロトコル制御を行う。また入力装置7は、例えば、キーボードやマウスなどから構成され、ユーザが本ダイヤ分析支援装置1に対する各種操作を行う際に利用される。さらに表示装置8は、液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどから構成され、必要な画面や情報を表示するために利用される。
(2)本実施の形態によるダイヤ分析支援機能
次に、本ダイヤ分析支援装置1に搭載されたダイヤ分析支援機能について説明する。本ダイヤ分析支援装置1には、列車の運行ダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援機能が搭載されている。
実際上、本ダイヤ分析支援装置1は、かかるダイヤ分析支援機能に基づくダイヤ分析処理として、予め計画された列車ごとの運行ダイヤ(以下、これを計画ダイヤと呼ぶ)と、各列車の日ごとの走行実績である実績ダイヤと、時系列及び駅と駅との間の区間(以下、これを駅区間と呼ぶ)ごとの列車の遅延の原因となり得る各要因(以下、これを遅延要因と呼ぶ)の実績値とに基づいて、計画ダイヤに対する各列車の遅延時間の遅延モデルを駅区間ごとにそれぞれ生成する。
なお「遅延要因」としては、降水(雨)、風、降雪及び乗客の乗車率や、対応する駅区間の発側や着側の駅におけるホーム上の乗客数(ホーム滞留人数)及びこれらの駅周辺での大型イベントの有無などがある。また「遅延モデル」とは、過去の各列車の駅区間ごとの遅延要因の実績値と、これら駅区間の実際の遅延時間とに基づいて作成された、対応する列車の対応する駅区間に対する遅延時間の統計モデルを意味する。この遅延モデルは、各遅延要因をそれぞれ変数とし、各遅延要因が列車の遅延に与える影響の度合い(重み)を対応する変数の係数とする関数として定義される。
そしてダイヤ分析支援装置1は、生成した各列車の駅区間ごとの遅延モデルと、各列車の走行時における各駅区間での各遅延要因の実績値とに基づいて、設定された分析モードが、列車遅延の過去の実績を分析する過去分析モードである場合には、各列車の駅区間ごとの遅延時間を遅延要因別の遅延時間に分類する過去実績分析処理を実行する。またダイヤ分析支援装置1は、設定された分析モードが、新規の計画ダイヤについて各列車の駅区間ごとの遅延時間を予測する未来予測モードである場合には、かかる新規の計画ダイヤに関して、遅延モデル及び遅延要因ごとの想定値に基づいて、各列車の駅区間ごとの遅延要因別の遅延時間をそれぞれ予測する未来予測分析処理を実行する。
そしてダイヤ分析支援装置1は、過去分析モード時には、各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間における遅延要因ごとの各遅延時間に対して、図12について後述する可視化パラメータ指定画面50においてユーザが指定した遅延要因ごとの倍率(本実施の形態においては0~1)を乗算し、さらにこれら遅延要因ごとの乗算結果を合算するようにしてその列車のその駅区間における遅延時間をそれぞれ算出する。このようにして算出された各遅延時間は、対応する列車の対応する駅区間において、各遅延要因の影響をそれぞれ可視化パラメータ指定画面50においてユーザが指定した倍率に下げた場合に予想されるその列車のその駅区間の遅延時間の推定値である。
従って、所望する遅延要因の倍率を「1」に設定し、他のすべての遅延要因の倍率を「0」に設定することによって、各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間の遅延時間に含まれる、倍率を「1」に設定した遅延要因のみを原因とする遅延時間の推定値を得ることができ、これと同様にして、遅延要因ごとに、その遅延要因のみを原因とする遅延時間の推定値を、各列車の駅区間ごとにそれぞれ得ることができる。さらに各遅延要因に対する倍率の値を調整することにより、任意の2以上の遅延要因の組合せに起因する遅延時間の推定値を得ることもできる。
またダイヤ分析支援装置1は、このようにして算出した1又は複数の遅延要因に起因する各列車の駅区間ごとの遅延時間の推定値がそれぞれ所定の表現形態で表現された図13について後述するダイヤ分析結果表示画面60を表示装置8に表示する。
実際上、このダイヤ分析結果表示画面60では、各列車の駅区間ごとに、上述のように算出された1又は複数の遅延要因に起因する遅延時間の推定値が、図14(B)、図15(B)、図16(B)及び図17(B)について後述するように、その推定値の大きさに応じた色合いの線分62Aとして表現され、そのとき対象としている計画ダイヤのダイヤグラム61における対応する列車のダイヤを表す線分62のうちの対応する駅区間の部分に重ねて表示される。
従って、ユーザは、可視化パラメータ指定画面50において指定する各遅延要因の倍率をそれぞれ所望の値に設定することによって、このダイヤ分析結果表示画面60に表示された各線分62Aの色合いに基づいて、各列車の駅区間ごとに、1つの遅延要因にのみ起因する遅延時間の大きさや、複数の遅延要因に起因する遅延時間の大きさを目視により直感的に把握することができる。
またダイヤ分析支援装置1は、未来予測モード時には、新規の計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間における遅延要因別の遅延時間をそれぞれ算出すると共に、これらの遅延時間に対して、可視化パラメータ指定画面50(図12)においてユーザが指定した遅延要因ごとの倍率を乗算し、さらにこれら遅延要因ごとの乗算結果を合算するようにして遅延時間の予測値を算出する。このようにして算出された各遅延時間は、かかる新規の計画ダイヤに関し、対応する列車の対応する駅区間において、各遅延要因の影響をそれぞれ可視化パラメータ指定画面50においてユーザが指定した倍率に下げた場合に予想されるその列車のその駅区間の遅延時間の予測値である。
従って、所望する遅延要因の倍率を「1」に設定し、他のすべての遅延要因の倍率を「0」に設定することによって、各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間の遅延時間に含まれる、倍率を「1」に設定した遅延要因のみを原因とする遅延時間の予測値を得ることができ、これと同様にして、遅延要因ごとに、その遅延要因のみを原因とする遅延時間の予測値を、各列車の駅区間ごとにそれぞれ得ることができる。さらに各遅延要因に対する倍率の値を調整することにより、任意の2以上の遅延要因の組合せに起因する遅延時間の予測値を得ることもできる。
そしてダイヤ分析支援装置1は、このようにして算出した1又は複数の遅延要因に起因する各列車の駅区間ごとの遅延時間の予測値を、過去実績分析処理と同様にダイヤ分析結果表示画面60に表示する。
従って、ユーザは、可視化パラメータ指定画面50において指定する各遅延要因の倍率をそれぞれ所望の値に設定することによって、新規の計画ダイヤについて、このダイヤ分析結果表示画面60に表示された各線分62Aの色合いに基づいて、各列車の駅区間ごとに、1つの遅延要因にのみ起因する遅延時間の大きさや、複数の遅延要因に起因する遅延時間の大きさを目視により直感的に把握することができる。
このような本実施の形態によるダイヤ分析支援機能を実現するための手段として、本ダイヤ分析支援装置1の補助記憶装置5には、計画ダイヤ管理テーブル10、実績ダイヤ管理テーブル11、列車遅延時間管理テーブル12、ダイヤ制約管理テーブル13、遅延要因管理テーブル14、精製後列車遅延時間管理テーブル15、遅延要因別実績管理テーブル16、分析手法管理テーブル17及び遅延モデル管理テーブル18が格納されている。
計画ダイヤ管理テーブル10は、分析対象となる路線(以下、これを対象路線と呼ぶ)の既存の計画ダイヤや、新規の路線について作成された新規の計画ダイヤを管理するために利用されるテーブルである。計画ダイヤ管理テーブル10は、図2に示すように、列車番号欄10A、列車種別欄10B、上下区分欄10C及び着発時刻欄10Dを備えて構成される。
そして列車番号欄10Aには、対象路線を走行する各列車に対してそれぞれ付与されたその列車に固有の識別番号(列車番号)が格納される。なお本実施の形態の場合、同じ列車が一日に1回以上折り返し運転する場合には、片道ごとに、それぞれ異なる列車として管理されて異なる列車番号がそれぞれ付与される。
また列車種別欄10Bには、「普通」、「快速」又は「急行」などといった対応する列車番号の列車の列車種別が格納され、上下区分欄10Cには、「上り」又は「下り」といったその列車の上下区分が格納される。
着発時刻欄10Dは、対象路線の各駅にそれぞれ対応させて、複数の駅着発時刻欄10DAに区分されている。また、これら駅着発時刻欄10DAは、それぞれ着欄10DAA及び発欄10DABに区分されており、対応する列車が対応する駅に到着する予定時刻が着欄10DAAに格納され、その列車がその駅を発車する予定時刻が発欄10DABに格納される。
従って、図2の例の場合、例えば、「1」という列車番号が付与された列車は、「I駅」を出発駅、「IV駅」を終着駅とする「上り」の「普通」列車であり、「8:00:30」に「I駅」を出発し、「9:50:00」に「IV駅」に到着するようダイヤが組まれていることが示されている。
また実績ダイヤ管理テーブル11は、対象路線を走行した各列車の実績ダイヤを管理するために利用されるテーブルであり、日ごとに作成される。この実績ダイヤ管理テーブル11は、図3に示すように、列車番号欄11A、列車種別欄11B、上下区分欄11C及び着発時刻欄11Dを備えて構成される。
そして列車番号欄11A、列車種別欄11B及び上下区分欄11Cには、それぞれ計画ダイヤ管理テーブル10の対応する欄(列車番号欄10A、列車種別欄10B又は上下区分欄10C)と同様の情報が格納される。
また着発時刻欄11Dは、計画ダイヤ管理テーブル10の着発時刻欄10Dと同様に、対象路線の各駅にそれぞれ対応させて複数の駅着発時刻欄11DAに区分されている。そして、これら駅着発時刻欄11DAはそれぞれ着欄11DAA及び発欄11DABに区分されており、対応する列車が対応する駅に到着した実時刻が着欄11DAAに格納され、その列車がその駅を発車した実時刻が発欄11DABに格納される。
従って、図11の例の場合、例えば、「1」という列車番号が付与された列車は、図2について上述した計画ダイヤに対して、対応する日付において、実際に「I駅」を出発した時刻は「8:02:30」であり、「IV駅」に到着した時刻が「9:59:00」であったことが示されている。
列車遅延時間管理テーブル12は、各列車の駅区間ごとの遅延時間を管理するために利用されるテーブルであり、日ごとに作成される。この列車遅延時間管理テーブル12は、図4に示すように、列車番号欄12A、列車種別欄12B、上下区分欄12C及び区間別遅延時間欄12Dを備えて構成される。
そして列車番号欄12A、列車種別欄12B及び上下区分欄12Cには、それぞれ計画ダイヤ管理テーブル10の対応する欄(列車番号欄10A、列車種別欄10B又は上下区分欄10C)と同様の情報が格納される。
また区間別遅延時間欄12Dは、対象路線の各駅区間にそれぞれ対応させて、複数の駅区間欄12DAに区分されると共に、これら駅区間欄12DAは、それぞれ到着遅延時間欄12DAA及び停車遅延時間欄12DABに区分されている。そして到着遅延時間欄12DAAには、対応する列車が対応する駅区間の着側の駅に到着した時刻の計画ダイヤに対する遅延時間が格納され、停車遅延時間欄12DABには、その列車のその駅区間の着側の駅における停車時間と、計画ダイヤにおけるその列車のその駅での停車時間との差分が停車遅延時間として格納される。
従って、図4の例の場合、例えば、「1」という列車番号が付与された列車は、図2について上述した計画ダイヤに対して、対応する日付において、「I駅」から次の「II駅」までの駅区間では、「II駅」に到着した時刻に遅延がなかった(「00:00:00」)ものの、「II駅」を出発する時間が2分遅れた(「00:02:00」)ことが示されている。
ダイヤ制約管理テーブル13は、列車ごとに規定されたその列車の走行時の制約(以下、これをダイヤ制約と呼ぶ)を管理するために利用されるテーブルであり、図5に示すように、列車番号欄13A及び制約内容欄13Bを備えて構成される。ダイヤ制約管理テーブル13では、1つの行が1つのダイヤ制約に対応する。
そして列車番号欄13Aには、対応するダイヤ制約が適用される列車の列車番号が格納され、制約内容欄13Bには、そのダイヤ制約の具体的な内容が格納される。従って、図5の例の場合、列車番号が「1」の列車について、先行列車との運転間隔を2分以上空けて走行すべきことや(「他列車との最小走行間隔が「2分」」)、II駅及びIII駅間は3分以上かけて走行すべきこと(「II駅-III駅区間の最小走行時分(3分)を守る」)がダイヤ制約として規定されていることが示されている。
遅延要因管理テーブル14は、予め選定された列車遅延の遅延要因を管理するために利用されるテーブルであり、図6に示すように、要因番号欄14A及び要因名称欄14Bを備えて構成される。そして要因番号欄14Aには、対応する遅延要因に対して付与されたその遅延要因に固有の識別番号が格納され、要因名称欄14Bには、対応する遅延要因の名称(内容)が格納される。
従って、図6の例の場合、列車遅延の要因として、雨(「降水量」)、風(「風速」)、雪(「降雪量」)、車両内の混雑(「乗車率」)、ホーム上の乗客数(「ホーム滞留人数」)及び駅周辺での大型イベントの開催の有無(「大型イベント有無」)などが挙げられていることが示されている。
精製後列車遅延時間管理テーブル15は、ダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響(先行列車の遅延の影響及び自列車の前の駅区間での遅延の影響など)を排除した後の各列車の駅区間ごとの遅延時間を管理するために利用されるテーブルであり、日ごとに作成される。この精製後列車遅延時間管理テーブル15は、図7に示すように、列車番号欄15A、列車種別欄15B、上下区分欄15C及び区間別遅延時間欄15Dを備えて構成される。
そして列車番号欄15A、列車種別欄15B及び上下区分欄15Cには、それぞれ列車遅延時間管理テーブル12(図4)の対応する欄(列車番号欄12A、列車種別欄12B又は上下区分欄12C)と同様の情報が格納される。
区間別遅延時間欄15Dは、対象路線の各駅区間にそれぞれ対応させて複数の駅区間欄15DAに区分されている。また、これら駅区間欄15DAは、それぞれ到着遅延時間欄15DAA及び停車遅延時間欄15DABに区分されている。
そして到着遅延時間欄15DAAには、ダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した場合における対応する列車が対応する駅区間の着側の駅に到着すると予測される到着時刻の計画ダイヤに対する遅延時間が格納される。また停車遅延時間欄15DABには、ダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した場合におけるその列車のその駅区間の着側の駅における停車時間と、計画ダイヤにおけるその列車のその駅での停車時間との差分(停車遅延時間)が格納される。
従って、図7の例の場合、例えば、列車番号が「1」の列車については、「III駅→IV駅」の駅区間において、ダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した場合に予測されるIII駅への到着時刻の遅延時間が「00:04:00」であるため、図4について上述した二次遅延の影響を排除しない場合と比べて5分だけ遅延時間が短縮されることが分かる。従って、この5分が二次遅延であると考えることができる。
遅延要因別実績管理テーブル16は、各列車の運行時における駅区間ごとの各遅延要因の実績値を管理するために利用されるテーブルであり、日ごとに作成される。この遅延要因別実績管理テーブル16は、図8に示すように、列車番号欄16A、要因番号欄16B及び遅延要因実績欄16Cを備えて構成される。
そして列車番号欄16Aには、対応する列車の列車番号が格納され、要因番号欄16Bには、対応する遅延要因の要因番号が格納される。また遅延要因実績欄16Cは、対象路線の各駅区間にそれぞれ対応させて複数の駅区間欄16CAに区分されており、各駅区間欄16CAには、それぞれ対応する列車が対応する駅区間を走行したときの対応する遅延要因の実績値が格納される。
従って、図8の例の場合、対応する日にちにおいて、列車番号が「1」の列車が「A」駅からB駅を走行しているときの要因番号が「1」の遅延要因(「降水量」)の値は「10mm」、要因番号が「2」の遅延要因(「風速」)の値は「1m/s」、要因番号が「3」の遅延要因(「降雪量」)の値は「0mm」、要因番号が「4」の遅延要因(「乗車率」)の値は「80%」、要因番号が「5」の遅延要因(「ホーム滞留人数」)の値は発駅が「500人」で着駅が「600人」(「(500人,600人)」)、要因番号が「6」の遅延要因(「大型イベント有無」)は発側の駅及び着側の駅のいずれにおいてもなかった(「(0,0)」)、……ということが示されている。
分析手法管理テーブル17は、予め規定された分析モードごとの分析手法を管理するために利用されるテーブルであり、図9に示すように、手法番号欄17A、分析モード欄17B及び手法名称欄17Cを備えて構成される。
なお、本実施の形態の場合、分析モードとしては、上述のように列車遅延の過去の実績を分析する過去分析モードと、新規の計画ダイヤについて各列車の駅区間ごとの遅延時間を予測する未来予測モードとの2つの分析モードがある。
そして手法番号欄17Aには、分析モード及び分析手法の組合せに対してそれぞれ付与された識別番号(手法番号)が格納され、分析モード欄17Bには、その組合せにおける分析モードが過去分析モード及び未来予測モードのいずれであるかを表す情報(過去分析モードの場合には「過去分析」、未来予測モードの場合には「未来予測」)が格納される。
また手法名称欄17Cには、その組合せにおいて使用した分析方法の名称が格納される。なお本実施の形態においては、かかる分析方法として、重回帰分析法や、数量化I類法、主成分分析法及び因子分析法などが利用されるため、これら分析方法の名称(「重回帰分析」、「数量化I類」、「主成分分析」又は「因子分析」など)が手法名称欄17Cに格納されることになる。
因みに、本実施の形態の場合、過去分析モードでは、利用する分析方法として「因子分析」法がデフォルトに設定され、未来予測モードでは、利用する分析方法として「重回帰分析」法がデフォルトに設定される。
遅延モデル管理テーブル18は、各列車の駅区間ごとにそれぞれ生成された遅延モデルを管理するために利用されるテーブルである。この遅延モデル管理テーブル18は、図10に示すように、分析番号欄18A、手法番号欄18B、列車番号欄18C、駅区間欄18D、遅延要因係数欄18Eを備えて構成される。遅延モデル管理テーブル18では、1つの列車の1つの駅区間の遅延モデルに対応する。
そして分析番号欄18Aには、対応する遅延モデルに対して付与されたその遅延モデルに固有の識別番号(分析番号)が格納され、手法番号欄18Bには、その遅延モデルの生成に利用した分析手法の手法番号が格納される。また列車番号欄18Cには、対応する遅延モデルが対応付けられる列車の列車番号が格納され、駅区間欄18Dには、その遅延モデルが対応付けられる駅区間の識別情報が格納される。
さらに遅延要因係数欄18Eは、遅延要因管理テーブル14に登録された各遅延要因にそれぞれ対応させた複数の係数欄18EAと1つ定数欄18EBとに区分されている。そして、各係数欄18EAには、それぞれ対応する分析方法を用いて算出した遅延モデル(関数)における対応する要因番号の遅延要因の係数の値が格納され、定数欄18EBには、その遅延モデル(関数)における定数の値が格納される。
従って、図10の例の場合、分析番号が「1」の分析手法(図9によれば重回帰分析法)を用いて「1」という列車の「I駅→II駅」という駅区間について生成された遅延モデルにおいて、要因番号が「1」~「6」の各遅延要因(図6によれば、それぞれ「降水量」、「風速」、「降雪量」、「乗車率」、「ホーム滞留人数」又は「大型イベント有無」)に対する係数の値がそれぞれ「0.04」、「0.01」、「0」、「0.11」、「(0,0.2)」又は「(0,0)」であり、その遅延モデルにおける定数が「12秒」であることが示されている。
一方、上述のような本実施の形態によるダイヤ分析支援機能を実現するための手段として、本ダイヤ分析支援装置1のメモリ4には、図1に示すように、モード設定部21、計画ダイヤ読込み部22、実績データ読込み部23、遅延時間算出部24、遅延時間精製部25、遅延モデル生成部26、過去実績分析部27、未来予測分析部28及び分析結果出力部29から構成される分析プログラム20が格納されている。
モード設定部21は、図11について後述する分析モード指定画面30を表示装置8(図1)に表示し、本ダイヤ分析支援装置1の動作モードを、当該分析モード指定画面30を用いてユーザが指定した分析モードに設定する機能を有するモジュールである。
また計画ダイヤ読込み部22は、分析対象の計画ダイヤを計画ダイヤ管理テーブル10(図2)から取得する機能を有するモジュールである。また実績データ読込み部23は、かかる分析モード指定画面30(図11)を用いてユーザにより指定されたダイヤ分析の対象期間(以下、この期間を分析対象期間と呼ぶ)における各列車の駅区間ごとの実績ダイヤを対応する実績ダイヤ管理テーブル11(図3)から読み込むと共に、分析対象期間における各列車の駅区間ごとの各遅延要因の実績値を対応する遅延要因別実績管理テーブル16(図8)から読み込む機能を有するモジュールである。
遅延時間算出部24は、図4について上述した列車遅延時間管理テーブル12を生成する機能を有するモジュールである。実際上、遅延時間算出部24は、計画ダイヤ読込み部22により計画ダイヤ管理テーブル10から読み込まれた各列車の駅区間ごとの計画ダイヤと、実績データ読込み部23により必要な実績ダイヤ管理テーブル11から読み込まれた分析対象期間内の各列車の駅区間ごとの実績ダイヤと、実績データ読込み部23により遅延要因別実績管理テーブル16から読み込まれた分析対象期間内の各列車の駅区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、計画ダイヤに対する各列車の駅区間ごとの現実の遅延時間をそれぞれ算出し、算出結果を列車遅延時間管理テーブル12に登録して管理する。
遅延時間精製部25は、各列車のダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した分析対象期間内の各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する機能を有するモジュールである。実際上、遅延時間精製部25は、ダイヤ制約管理テーブル13(図5)に登録されている各列車のダイヤ制約を考慮しながら、二次遅延の影響を排除した分析対象期間内の各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する。そして遅延時間精製部25は算出結果を精製後列車遅延時間管理テーブル15に登録して管理する。
遅延モデル生成部26は、ユーザにより指定された分析手法を用いて、対象とする計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの遅延時間に関する遅延モデルをそれぞれ生成する機能を有するモジュールである。
例えば、遅延モデル生成部26は、分析手法として重回帰分析法がユーザにより指定された場合には、各遅延要因の値をそれぞれx,x,x,……、これらの遅延要因の係数をそれぞれa,a,a,……、定数をbとして、各列車の駅区間ごとの遅延時間fに関する遅延モデルを(1)式のような関数として生成する。
Figure 0007057199000001
なお、この(1)式において、「a」、「a」、「a」、……はある列車のある駅区間の遅延時間fに含まれる、対応する遅延要因にのみ起因する遅延時間を表す。また、「c」は、いずれの遅延要因の影響もない場合における遅延時間、つまり計画ダイヤ自体又は設備自体の問題に起因して定常的に発生する遅延時間を表す。従って、この遅延モデルは、過去の遅延時間fを遅延要因別の遅延時間に分類して算出し(過去分析モードの場合)、又は、遅延要因別の遅延時間の予測値を合算して遅延時間fを算出ている(未来予測モードの場合)ということができる。そして遅延モデル生成部26は、生成した遅延モデルにおける各遅延要因の係数を遅延モデル管理テーブル18(図10)に登録して管理する。
過去実績分析部27は、過去分析モード時に、対応する遅延モデルと、対象路線における各列車の実績ダイヤ及び各遅延要因の実績値とに基づいて、各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間における遅延時間を遅延要因別に分類したり、分類した遅延要因別の遅延時間を、それぞれその遅延要因について設定された倍率を乗算した場合のその列車のその駅区間における遅延時間の推定値をそれぞれ算出する処理(過去実績分析処理)を実行する機能を有するモジュールである。
また未来予測分析部28は、未来予測モード時に、新規の計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとに、その列車のその駅区間における遅延要因ごとの遅延時間をそれぞれ算出したり、算出した遅延要因別の遅延時間をそれぞれその遅延要因について設定された倍率を乗算した、その列車のその駅区間における遅延時間の予測値をそれぞれ算出する処理(未来予測分析処理)を実行する機能を有するモジュールである。
さらに分析結果出力部29は、過去実績分析部27により実行された過去実績分析処理の処理結果や、未来予測分析部28により実行された未来予測分析処理の処理結果を図14(B)、図15(B)、図16(B)及び図17(B)について後述する表現形態で表現したダイヤ分析結果表示画面60を生成し、これを表示装置8に表示させる機能を有するモジュールである。
これらモード設定部21、計画ダイヤ読込み部22、実績データ読込み部23、遅延時間算出部24、遅延時間精製部25、遅延モデル生成部26、過去実績分析部27、未来予測分析部28及び分析結果出力部29の具体的な処理内容については後述する。
(3)各種画面の画面構成
(3-1)分析モード指定画面
図11は、本ダイヤ分析支援装置1を操作することにより表示装置8に表示させ得る分析モード指定画面30を示す。この分析モード指定画面30は、上述した本実施の形態によるダイヤ分析支援機能に関連して本ダイヤ分析支援装置1が実行するダイヤ分析処理における分析モード、分析手法及び分析対象期間をユーザが指定するための画面である。分析モード指定画面30は、分析モード・分析手法指定領域31及び分析対象期間指定領域32と、実行ボタン33及びキャンセルボタン34とを備えて構成される。
分析モード・分析手法指定領域31には、「過去分析」及び「未来予測」の各文字列40A,40Bと、これらの文字列40A,40Bにそれぞれ対応させて設けられたチェックボックス41A,41Bとが表示される。そして分析モード指定画面30では、「過去分析」という文字列40Aに対応するチェックボックス41Aをクリックして当該チェックボックス41A内にチェックマーク(図示せず)を表示させることにより、これから実行するダイヤ分析処理の分析モードとして過去分析モードを指定することができる。また分析モード指定画面30では、「未来予測」という文字列40Bに対応するチェックボックス41Bをクリックして当該チェックボックス41B内にチェックマーク(図示せず)を表示させることにより、これから実行するダイヤ分析の分析モードとして未来予測モードを指定することができる。
また分析モード・分析手法指定領域31における「過去分析」及び「未来予測」の各文字列40A,40Bの右側には、それぞれテキストボックス42A,42B及びプルダウンボタン43A,43Bが表示されている。そして、このプルダウンボタン43A,43Bをクリックすることにより、対応する分析モードにおいて使用可能なすべての分析手法の手法名称が掲載されたプルダウンメニュー(図示せず)を表示させることができる。かくしてユーザは、このプルダウンメニューの中から所望する分析手法の名称を選択することにより、その分析モード時に使用する分析手法としてその分析手法を選択することができる。このとき選択された分析手法の名称がそのプルダウンボタン43A,43Bの右側に表示されたテキストボックス42A,42Bに表示される。
分析対象期間指定領域32には、分析対象期間の開始日及び終了日にそれぞれ対応させてテキストボックス44A,44B及びプルダウンボタン45A,45Bが表示される。そして、このプルダウンボタン45A,45Bをクリックすることにより、カレンダが掲載されたプルダウンメニュー(図示せず)を表示させることができる。かくしてユーザは、プルダウンメニューに表示されたカレンダ内の所望する日にちを選択することにより、その日にちを分析対象期間の開始日又は終了日として指定することができる。このとき指定された開始日又は指定日がそのプルダウンボタン45A,45Bの右側に表示されたテキストボックス44A,44Bに表示される。
そして分析モード指定画面30では、上述のようにして分析モード・分析手法指定領域31において、そのとき実行すべき分析モードとして過去分析モード及び未来予測モードのいずれかを指定すると共に、その分析モードにおいて利用すべき分析手法を指定し、さらに分析対象期間指定領域32において分析対象期間の開始日及び終了日をそれぞれ指定した後、実行ボタン33をクリックすることにより、そのときユーザが指定した分析モード、分析手法及び分析対象期間についてのダイヤ分析処理を本ダイヤ分析支援装置1に実行させることができる。
また分析モード指定画面30では、キャンセルボタン34をクリックすることにより、かかるダイヤ分析処理を本ダイヤ分析支援装置1に実行させることなく、この分析モード指定画面30を閉じることができる。
(3-2)可視化パラメータ指定画面及びダイヤ分析結果表示画面
図12は、ダイヤ分析処理の実行時に表示装置8に表示される可視化パラメータ指定画面50を示す。この可視化パラメータ指定画面50は、各列車の駅区間ごとの遅延時間に対する遅延要因ごとの影響の大きさを設定(上述した遅延要因ごとの倍率を設定)するための画面である。
可視化パラメータ指定画面50では、遅延要因管理テーブル14(図6)に登録された各遅延要因の要因名称をそれぞれ表す文字列51と、これら文字列51(遅延要因)にそれぞれ対応させて設けられたスライダ52とが表示される。
そしてユーザは、入力装置7(図1)を操作して各遅延要因にそれぞれ対応付けられたスライダ52のうちの所望する遅延要因に対応するスライダ52を左右方向に移動させることにより、分析モード指定画面30(図11)で指定した分析手法により作成された遅延モデルにおける、そのスライダ52に対応する遅延要因の倍率を、そのときのスライダ52の位置に応じた倍率に変更することができる。これにより、各列車の駅区間ごとの遅延時間に対するその遅延要因の影響の大きさを変更することができる、なお以下においては、このようにスライダ52の位置によって定まる変数を「可視化パラメータ」と呼び、当該スライダ52の位置によって定まる変数の値(上述の「倍数」)を、適宜、「可視化パラメータの値」と呼ぶ。
本実施の形態の場合、この可視化パラメータの値(倍率)は、「0」から「1」の範囲で無段階に設定することができる。具体的には、スライダ52をその可動範囲の左端に位置させることによって可視化パラメータの値(倍率)を「0」に設定することができ、スライダ52をその可動範囲の右端に位置させることによって可視化パラメータの値(倍率)を「1」に設定することができる。またスライダ52をその可動範囲の任意の位置に位置させることによって、可視化パラメータの値(倍率)を、スライダ52の可動範囲内における当該スライダ52の位置に応じた値に設定することができる。
一方、図13は、この可視化パラメータ指定画面50と併せて表示装置8に表示されるダイヤ分析結果表示画面60を示す。ダイヤ分析結果表示画面60では、分析モードとして過去分析モードが設定されている場合には対象路線の現在の計画ダイヤ、分析モードとして未来予測モードが設定されている場合には対象路線の新たな計画ダイヤ(既存路線の場合には改正ダイヤ、新規路線の場合には新たに作成した計画ダイヤなど)のダイヤグラム61が表示される。なお図13では、かかるダイヤグラム61として「6:00」から「10:00」までの計画ダイヤのダイヤグラム61を表示する場合を例示しているが、一日分の計画ダイヤのダイヤグラムを表示するようにしてもよい。
そしてダイヤ分析結果表示画面60では、対応する遅延モデルと、可視化パラメータ指定画面50(図12)を用いてユーザにより指定された遅延要因ごとの可視化パラメータの値(倍率)と、各遅延要因の過去の実績値とに基づいて算出された各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさが、図14(B)~図17(B)に示すように、ダイヤグラム61内の各列車のダイヤを表す第1の線分62に重ねて表示される第2の線分62Aの色合いで表示される。
この第2の線分62Aは、ダイヤグラム61における第1の線分62の対応する駅区間と同じ長さを有する線分であり、備考領域63に示すように、対応する列車の対応する駅区間における遅延時間が大きくなるほど濃い色合いで表示される。なお図14(B)~図17(B)では、対応する列車の対応する駅区間における遅延時間が5段階の色合いで表示される場合について例示しているが、かかる遅延時間を5段階以外の段階数又は無段階の色合いで表示するようにしてもよい。
従って、図14(A)に示すように、可視化パラメータ指定画面50において、すべての遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)を「1」に設定した場合、図14(B)に示すように、すべての遅延要因の影響をそのまま受けた状態での各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさが、対応する第2の線分62Aの色合いで各列車の駅区間ごとにそれぞれ表示される。
一方、例えば、図15(A)に示すように、1つの遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)のみを「1」に設定し、他のすべての遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)を「0」に設定した場合、図15(B)に示すように、可視化パラメータの値(倍率)を「1」に設定した遅延要因のみの影響による各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさが、対応する第2の線分62Aの色合いでそれぞれ表示される。
この図15(B)の例の場合、I駅~II駅の駅区間及びII駅~III駅の駅区間は、列車内の乗客の混雑による影響が列車の遅延の要因となっている度合いが強いことが分かる(図中の枠線K1で囲んだ部分を参照)。よって、ユーザは、この図15(B)のダイヤ分析結果表示画面60に基づいて、I駅やII駅において駅係員を増員し、列車に乗車する乗客の人数を制限するなどして列車内の混雑解消のための対策をとることによって、I駅~II駅の駅区間及びII駅~III駅の駅区間における列車の遅延を緩和又は防止できることを把握することができる。
さらに図16(A)に示すように、2つの遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)を「1」に設定し、他のすべての遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)を「0」に設定した場合、図16(B)に示すように、可視化パラメータの値(倍率)を「1」に設定した2つの遅延要因のみの影響よる各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさが、対応する第2の線分62Aの色合いで各列車の駅区間ごとにそれぞれ表示される。
なお、この図16(B)の例の場合、III駅~IV駅の駅区間では、雨風の影響により列車の遅延が発生する傾向があることが分かる(図中の枠線K2で囲んだ部分を参照)。よって、ユーザは、この図16(B)のダイヤ分析結果表示画面60に基づいて、III駅~IV駅の駅区間における列車の走行速度を落した計画ダイヤに改正することによって、III駅~IV駅の駅区間における列車の遅延を緩和又は防止できることを把握することができる。
さらに図17(A)に示すように、すべての遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)を「0」に設定した場合、図17(B)に示すように、いずれの遅延要因にも依らない各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさが、対応する第2の線分62Aの太さ及び色合いでそれぞれ表示される。このとき発生する遅延(図中の枠線K3で囲んだ部分を参照)は、計画ダイヤ自体の問題又は設備自体の問題に起因して定常的に発生する遅延であるため、この分析結果を原因の調査及び次回のダイヤ改正に活かすことができる。
なおダイヤ分析結果表示画面60では、終了ボタン64が画面右下に設けられており、この終了ボタン64をクリックすることにより、以上のようなダイヤ分析処理を終了させて可視化パラメータ指定画面50及びダイヤ分析結果表示画面60を閉じさせることができる。
(3-3)シミュレーション設定画面
一方、図18は、分析モード指定画面30(図11)で分析モードとして未来予測モードを指定した場合に表示装置8に表示されるシミュレーション設定画面70を示す。このシミュレーション設定画面70は、未来予測モードでのダイヤ分析処理の実行時における各遅延要因の可視化パラメータの値や、分析対象となる列車及び駅区間を指定するための画面である。このシミュレーション設定画面70は、想定環境指定領域71と、対象列車及び駅区間設定領域72、想定環境読込みボタン73及び一括設定ボタン74と、実行ボタン75及びキャンセルボタン76とを備えて構成される。
そして想定環境指定領域71には、遅延要因管理テーブル14(図6)に登録された各遅延要因の名称をそれぞれ表す文字列80と、これら遅延要因にそれぞれ対応付けて設けられたチェックボックス81と、これら遅延要因にそれぞれ対応付けて設けられた想定値設定部82とが表示される。
そして想定環境指定領域71では、各遅延要因の想定値を、入力装置7(図1)を用いて対応する各想定値設定部82にそれぞれ設定することができ、さらに所望する1又は複数の遅延要因にそれぞれ対応するチェックボックス81をクリックしてそのチェックボックス81内にチェックマーク(図示せず)を表示させることにより、チェックマークが表示されたチェックボックス81に対応する遅延要因のみの影響による遅延時間の分析を実行させることができる。
また対象列車及び駅区間設定領域72では、想定環境指定領域71において設定した遅延要因ごとの想定値を適用すべき列車及び駅区間を設定するための領域である。対象列車及び駅区間設定領域72には、そのとき対象としている計画ダイヤから読み取られた1つの列車の列車名番号及び1つの駅区間の組合せを表す文字列72Aと、次ボタン72B及び前ボタン72Cとが表示される。
そして、対象列車及び駅区間設定領域72では、次ボタン72Bをクリックすることによって、そのとき文字列72Aが表示される列車番号及び駅区間の組合せを計画ダイヤから読み取られた次の列車番号及び駅区間の組合せに切り替えることができ、前ボタン72Cをクリックすることによって、そのとき文字列72Aが表示される列車番号及び駅区間の組合せを計画ダイヤから読み取られた1つ前の列車番号及び駅区間の組合せに切り替えることができる。
これによりユーザは、シミュレーション設定画面70において、1つの列車番号及び駅区間の組合せを表す文字列72Aを対象列車及び駅区間設定領域72に表示させた後、想定環境指定領域71において遅延要因ごとの想定値をそれぞれ設定することによって、その列車番号の列車におけるその駅区間の各遅延要因の想定値を設定することができ、この後、次ボタン72Bや前ボタン72Aを操作しながら他のすべての列車及び駅区間における各遅延要因の想定値をそれぞれ設定することにより、新たな計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの遅延時間のシミュレーション条件を設定することができる。
またシミュレーション設定画面70では、想定環境読込みボタン73をクリックすることによって、以前作成した各遅延要因の想定値のファイルを読み出し、当該ファイルにおいて規定されている各遅延要因の想定値を、そのとき対象列車及び駅区間設定領域72に表示されている列車番号及び駅区間の組合せに適用させることができる。この場合には、そのファイルにおいて規定されていた各遅延要因の想定値が、想定環境指定領域71において各遅延要因の想定値としてそれぞれ表示される。
さらにシミュレーション設定画面70では、一括設定ボタン74をクリックすることによって、以前作成して登録した、そのとき対象としている計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの各遅延要因の想定値のファイルを読み出し、当該ファイルにおいて規定されている各列車の駅区間ごとの各遅延要因の想定値を今回のシミュレーションにおけるシミュレーション条件として一括して設定することもできる。
そしてシミュレーション設定画面70では、そのとき対象とする新規の計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの想定値をシミュレーション条件として上述のようにしてそれぞれ設定した後、実行ボタン75をクリックすることにより、このシミュレーション条件に基づいて、その新規の計画ダイヤで各列車を運行した場合における各列車の駅区間ごとの遅延時間を予測するシミュレーションをダイヤ分析支援装置1に実行させることができる。また、このときユーザは、図12について上述した可視化パラメータ指定画面50を用いて遅延要因ごとの可視化パラメータの値(倍率)をそれぞれ設定することができ、このときの設定に応じたシミュレーション結果が図14(B)~図17(B)について上述したようにダイヤ分析結果表示画面60に表示される。
なおシミュレーション設定画面70では、キャンセルボタン76をクリックすることによって、このシミュレーション設定画面70を用いてそれまでに設定された各種設定を破棄してこのシミュレーション設定画面70を閉じることができる。
(4)ダイヤ分析支援機能に関する処理
(4-1)ダイヤ分析支援機能に関する処理の流れ
図19は、本実施の形態によるダイヤ分析支援機能に関連して、ダイヤ分析支援装置1において実行される処理の流れを示す。本ダイヤ分析支援装置1では、ユーザの所定操作に応じて、まず、モード設定部21(図1)が、分析モード指定画面30(図11)を表示装置8に表示させ、この分析モード指定画面30を用いてユーザにより指定された分析モード、分析手法及び分析期間を本ダイヤ分析支援装置1の動作条件として設定する(S1)。
次に、計画ダイヤ読込み部22(図1)が、計画ダイヤ管理テーブル10(図2)に格納されている計画ダイヤの中からそのとき対象とすべき計画ダイヤを読み込む(S2)。さらに実績データ読込み部23(図1)が、かかる分析モード指定画面30を用いてユーザに指定された分析対象期間内の各列車の実績ダイヤを実績ダイヤ管理テーブル11(図3)から読み込むと共に、分析対象期間内の各列車の駅区間ごとの各遅延要因の実績値を遅延要因別実績管理テーブル16(図8)から読み込む(S3)。
次いで、遅延時間算出部24が、計画ダイヤ読込み部22が計画ダイヤ管理テーブル10から読み込んだ計画ダイヤと、実績データ読込み部23が実績ダイヤ管理テーブル11から読み込んだ分析対象期間内の各列車の実績ダイヤと、実績データ読込み部23が遅延要因別実績管理テーブル16から読み込んだ分析対象期間内における各列車の駅区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、計画ダイヤに対する各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する(S4)。
さらに遅延時間精製部25(図1)が、ダイヤ制約管理テーブル13(図5)に登録されている各列車のダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した、分析対象期間における各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する(S5)。
続いて、遅延モデル生成部26(図1)が、分析モード指定画面30を用いてユーザに指定された分析モード、分析手法及び分析対象期間での各列車の駅区間ごとの遅延モデルをそれぞれ生成する(S6)。
そして分析モード指定画面30においてユーザに指定された分析モードが過去分析モードであった場合には、この後、過去実績分析部27(図1)が、遅延モデル生成部26により生成された対応する各遅延モデルを用いて各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する(S7)。
また分析モード指定画面30においてユーザに指定された分析モードが未来予測モードであった場合には、未来予測分析部28(図1)が、シミュレーション設定画面70(図18)を用いてユーザにより設定された遅延要因ごとの想定値と、対応する各遅延モデルとを用いて、各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれシミュレーション(予測)する(S8)。
そして、過去実績分析部27によるステップS7の処理又は未来予測分析部28によるステップS8の処理が完了すると、分析結果出力部29(図1)が、過去実績分析部27又は未来予測分析部28により算出された各列車の駅区間ごとの遅延時間の大きさを、図14~図17のようにダイヤグラム61内の対応する第2の線分62Aの色合いでそれぞれ表現したダイヤ分析結果表示画面60を表示装置8に表示する。また分析結果出力部29は、可視化パラメータ指定画面50(図12)においていずれかの遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)が変更された場合には、これに応じて各列車の駅区間ごとの遅延時間を過去実績分析部27又は未来予測分析部28に再度算出させ、算出結果に基づいて、そのとき表示装置8に表示されているダイヤ分析結果表示画面60のダイヤグラム61を更新する(S9)。
この後、ユーザが次の計画ダイヤを指定して新たなダイヤ分析処理の実行を指示すると(S10;YES)、処理がステップS1に戻り、この後、ステップS1以降の処理が上述と同様に実行される。これに対して、ステップS9の終了後、ユーザがダイヤ分析処理の終了を指示すると(S10;NO)、このダイヤ分析処理が終了する。
(4-2)モード設定処理
図20は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS1においてモード設定部21により実行される処理(以下、これをモード設定処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。モード設定部21は、ユーザ操作に応じてこの図20に示すモード設定処理を開始し、まず、図11について上述した分析モード指定画面30を表示装置8に表示させる(S20)。
続いて、モード設定部21は、分析モード指定画面30において、そのとき実行するダイヤ分析処理の分析モードとして過去分析モード及び未来予測モードのいずれかが選択されるのを待ち受ける(S21,S22)。
そしてモード設定部21は、やがてかかる分析モードとして過去分析モードが選択されると(S21;YES)、本ダイヤ分析支援装置1の分析モードを過去分析モードに設定し(S22)、この後、計画ダイヤ読込み部22を呼び出した上でこのモード設定処理を終了する。
これに対して、モード設定部は、分析モードとして未来予測モードが選択されると(S23;YES)、本ダイヤ分析支援装置1の分析モードを未来予測モードに設定し(S24)、この後、計画ダイヤ読込み部22を呼び出した上でこのモード設定処理を終了する。
(4-3)計画ダイヤ読込み処理
図21は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS2において計画ダイヤ読込み部22により実行される処理(以下、これを計画ダイヤ読込み処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。計画ダイヤ読込み部22は、この図21に示す処理手順に従って、計画ダイヤ管理テーブル10(図2)から計画ダイヤのデータを読み込む。
実際上、計画ダイヤ読込み部22は、モード設定部21に呼び出されるとこの図21に示す計画ダイヤ読込み処理を開始し、まず、そのとき分析対象とすべき計画ダイヤを選択する(S30)。なお、この分析対象の計画ダイヤは、予めユーザにより指定されているものとする。
続いて、計画ダイヤ読込み部22は、ステップS30で選択した計画ダイヤのデータを計画ダイヤ管理テーブル10から読み出し(S31)、この後、実績データ読込み部23を呼び出した上でこの計画ダイヤ読込み処理を終了する。
(4-4)実績データ読込み処理
図22は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS3において実績データ読込み部23により実行される処理(以下、これを実績データ読込み処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。実績データ読込み部23は、この図22に示す処理手順に従って、実績ダイヤ管理テーブル11(図3)や遅延要因別実績管理テーブル16(図8)から必要な情報(実績データ)を読み込む。
実際上、実績データ読込み部23は、上述のように計画ダイヤ読込み部22により呼び出されると、この図22に示す実績データ読込み処理を開始し、まず、そのとき対象とすべき実績ダイヤを選択する(S40)。具体的に、実績データ読込み部23は、図21について上述した計画ダイヤ読込み処理のステップS30で計画ダイヤ読込み部が選択した計画ダイヤに対応する実績ダイヤをこのステップS40で選択する。
続いて、実績データ読込み部23は、ステップS40で選択した実績ダイヤのうち、分析モード指定画面30を用いてユーザにより指定された分析対象期間内のすべての列車のすべての実績ダイヤのデータを実績ダイヤ管理テーブル11から読み込む(S41)。
また実績データ読込み部23は、その分析対象期間内のすべての遅延要因の実績値のデータを遅延要因別実績管理テーブル16から読み込む(S42)。そして実績データ読込み部23は、この後、遅延時間算出部24を呼び出した上でこの実績データ読込み処理を終了する。
(4-5)遅延時間算出処理
図23は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS4において、遅延時間算出部24により実行される処理(以下、これを遅延時間算出処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。遅延時間算出部24は、この図23に示す処理手順に従って、図4について上述した列車遅延時間管理テーブル12を作成する。
実際上、遅延時間算出部24は、実績データ読込み部23により呼び出されると、この図23に示す遅延時間算出処理を開始し、まず、分析モード指定画面30を用いてユーザにより指定された分析対象期間内における未処理の日にちを1つ選択する(S50)。また遅延時間算出部24は、列車番号が付与された列車の中から未処理の列車を1つ選択し(S51)、さらに対象路線の駅の中から未処理の駅を1つ選択する(S52)。
次いで、遅延時間算出部24は、ステップS50で選択した日にちにおけるステップS51で選択した列車のステップS52で選択した駅への到着時刻及び当該駅の発車時刻(以下、これらを纏めて着発時刻と呼ぶ)を、ダイヤ分析処理(図19)のステップS2で計画ダイヤ読込み部22が取得した計画ダイヤから抽出する(S53)。また遅延時間算出部24は、この後、かかる着発時刻を抽出できたか否かを判断する(S54)。
ここで、例えば、ステップS51で選択した列車の列車種別が「快速」や「急行」などの特別列車であり、その列車がステップS52で選択した駅に停車しない場合には、ステップS54において否定結果(S54;NO)を得ることになる。またステップS51で選択した列車が臨時列車である場合のように、そもそもその列車のダイヤが計画ダイヤ内に存在しない場合にも、ステップS54において否定結果(S54;NO)を得ることになる。かくして、このとき遅延時間算出部24は、ステップS52に戻る。
これに対して、遅延時間算出部24は、ステップS54の判断で肯定結果を得ると(S54;YES)、ステップS53で取得した到着時刻と、計画ダイヤで規定されているその列車のその駅の到着時刻との差分を到着遅延時間として算出する(S55)。また遅延時間算出部24は、ステップS53で取得したその列車のその駅の到着時刻及び発車時刻の差分として算出されるその列車のその駅での停車時間と、計画ダイヤにおけるその列車のその駅での停車時間との差分を停車遅延時間として算出する(S56)。
さらに遅延時間算出部24は、ステップS55で算出した到着遅延時間及びステップS56で算出した停車遅延時間を、列車遅延時間管理テーブル12の対応する到着遅延時間欄12DAA(図4)及び停車遅延時間欄12DAB(図4)にそれぞれ格納する(S57)。なお、この列車遅延時間管理テーブル12は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS2において計画ダイヤ読込み部22により読み込まれた計画ダイヤに基づいて、遅延時間算出処理のステップS57を最初に実行する際に、計画ダイヤ管理テーブル10の各行の列車番号欄10A、列車種別欄10B及び上下区分欄10Cの情報のみをそれぞれ対応する欄(列車番号欄12A、列車種別欄12B又は上下区分欄12C)にすべてコピーし、区間別遅延時間欄12D(図4)を空白とした状態で遅延時間算出部24により作成されたものである。
続いて、遅延時間算出部24は、ステップS50で選択した日にちのステップS51で選択した列車について、対象路線のすべての駅に対するステップS53以降の処理を実行し終えたか否かを判断する(S58)。そして遅延時間算出部24は、この判断で否定結果を得ると(S58;NO)、ステップS52に戻り、この後、ステップS52で選択する駅を未処理の他の駅に順次切替えながら、ステップS52~ステップS58の処理を繰り返す。
そして遅延時間算出部24は、やがてステップS51で選択した列車について、対象路線のすべての駅に対するステップS53以降の処理を実行し終えることによりステップS58で肯定結果を得ると(S58;YES)、ステップS50で選択した日にちについて、列車番号が付与されたすべての列車に対するステップS52~ステップS58の処理を実行し終えたか否かを判断する(S59)。
遅延時間算出部24は、この判断で否定結果を得ると(S59;NO)、ステップS51に戻り、この後、ステップS51で選択する列車を未処理の他の列車に順次切替えながら、ステップS51~ステップS59の処理を繰り返す。
そして遅延時間算出部24は、やがてステップS50で選択した日にちについて、列車番号が付与されたすべての列車に対するステップS52~ステップS58の処理を実行し終えることによりステップS59で肯定結果を得ると(S59;YES)、分析対象期間内のすべての日にちについてステップS51~ステップS59の処理を実行し終えたか否かを判断する(S60)。
遅延時間算出部24は、この判断で否定結果を得ると(S60;NO)、ステップS50に戻り、この後、ステップS50で選択する日にちを未処理の他の日にちに順次切替えながら、ステップS50~ステップS60の処理を繰り返す。そして遅延時間算出部24は、やがて指定された分析対象期間内のすべての日にちについてステップS51~ステップS59の処理を実行し終えることによりステップS60で肯定結果を得ると(S60;YES)、遅延時間精製部25を呼び出した上でこの遅延時間算出処理を終了する。
(4-6)遅延時間精製処理
図24は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS5において、遅延時間精製部25により実行される処理(以下、これを遅延時間精製処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。遅延時間精製部25は、この図24に示す処理手順に従って、図7について上述した精製後列車遅延時間管理テーブル15(図7)を作成する。
実際上、遅延時間精製部25は、遅延時間算出部24により呼び出されると、この図24に示す遅延時間精製処理を開始し、まず、分析対象期間内における未処理の日にちを1つ選択する(S70)。また遅延時間精製部25は、列車番号が付与された列車の中から未処理の列車を1つ選択する(S71)。
続いて、遅延時間精製部25は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS3において実績データ読込み部23が実績ダイヤ管理テーブル11(図3)から読み込んだ実績ダイヤの中から、ステップS70で選択した日にちにおけるステップS71で選択した列車の実績ダイヤ(各駅への到着時刻及び各駅からの発車時刻)を抽出することにより取得する(S72)。また遅延時間精製部25は、ステップS71で選択した列車に付与された列車番号の列車について設定されているダイヤ制約をダイヤ制約管理テーブル13(図5)から取得する(S73)。
次いで、遅延時間精製部25は、対象路線の各駅区間の中から未処理の駅区間を1つ選択し(S74)、ステップS71で選択した列車のその駅区間における、ステップS73で取得したダイヤ制約を考慮しながら二次遅延を排除した到着遅延時間及び停車遅延時間をそれぞれ算出し(S75)、算出結果を精製後列車遅延時間管理テーブル15に登録する(S76)。
例えば、図25(A)に示すように、列車番号が「1」の列車の「II駅→III駅」の駅区間における「III駅」の到着遅延時刻が「00:04:00」、列車番号が「2」の列車の「II駅→III駅」の駅区間における「III駅」の到着遅延時刻が「00:06:00」であり、図25(B)に示すように、列車番号が「2」の列車について「他列車との最小走行間隔(2分)を守る」というダイヤ制約が設定されている場合について考える。
この場合、図25(C)に示すように、列車番号が「2」の列車(図中の「2レ」)の6分の遅延のうち、図中「X」で示す時間は最小走行間隔の2分であるため、かかるダイヤ制約を考慮して二次遅延を排除した列車番号が「2」の列車の遅延時間(つまり先行列車の遅れを除去した列車番号が「2」の列車単独での純粋な遅延時間(図中の「Y」))が4分であると算出できる。そこで遅延時間精製部25は、図25(D)に示すように、このようにして算出した遅延時間(ここでは4分)を、精製後列車遅延時間管理テーブル15の対応する到着遅延時間欄15DAA(図7)に格納する。また遅延時間精製部25は、これと同様にして停車遅延時間を算出し、これを精製後列車遅延時間管理テーブル15の対応する停車遅延時間欄15DAB(図7)に格納する。
一方、例えば、図26(A)に示すように、列車番号が「1」の列車に関して、「I駅→II駅」の駅区間における「II駅」の到着遅延時刻が「00:04:00」、「II駅→III駅」の駅区間における「III駅」の到着遅延時刻が「00:10:00」であり、図26(B)に示すように、列車番号が「1」の列車について「II駅-III駅区間の最小走行時分(3分)を守る」というダイヤ制約が設定されている場合について考える。
この場合、図26(C)に示すように、列車番号が「1」の列車のII駅への到着時刻が例えば「10:05:00」でIII駅への到着時刻が「10:11:00」であったものとすると、図中「X」で示す時間は最小走行時分の3分であるため、かかるダイヤ制約を考慮して二次遅延を排除した列車番号が「1」の列車の遅延時間(つまり先行列車の遅れを除去した列車番号が「1」の列車単独での純粋な遅延時間(図中の「Y」))が3分であると算出できる。そこで遅延時間精製部25は、図26(D)に示すように、このようにして算出した遅延時間(ここでは3分)を、精製後列車遅延時間管理テーブル15の対応する到着遅延時間欄15DAAに格納する。また遅延時間精製部25は、これと同様にして停車遅延時間を算出し、これを精製後列車遅延時間管理テーブル15の対応する停車遅延時間欄15DAB(図7)に格納する。
なお、精製後列車遅延時間管理テーブル15は、この遅延時間精製処理のステップS76を最初に実行する際に、図4について上述した列車遅延時間管理テーブル12の各行の列車番号欄12A、列車種別欄12B及び上下区分欄12Cの情報のみをすべて対応する欄(列車番号欄15A、列車種別欄15B又は上下区分欄15C)コピーし、区間別遅延時間欄15D(図7)を空白とした状態で遅延時間精製部25により作成されたものである。
この後、遅延時間精製部25は、ステップS70で選択した日にちのステップS71で選択した列車について、対象路線のすべての駅区間に対するステップS72以降の処理を実行し終えたか否かを判断する(S77)。そして遅延時間精製部25は、この判断で否定結果を得ると(S77;NO)、ステップS74に戻り、この後、ステップS74で選択する駅を未処理の他の駅に順次切替えながら、ステップS74~ステップS77の処理を繰り返す。
そして遅延時間精製部25は、やがてステップS71で選択した列車について、対象路線のすべての駅区間に対するステップS75以降の処理を実行し終えることによりステップS77で肯定結果を得ると(S77;YES)、ステップS70で選択した日にちについて、列車番号が付与されたすべての列車に対するステップS72~ステップS77の処理を実行し終えたか否かを判断する(S78)。
遅延時間精製部25は、この判断で否定結果を得ると(S78;NO)、ステップS71に戻り、この後、ステップS71で選択する列車を未処理の他の列車に順次切替えながら、ステップS71~ステップS78の処理を繰り返す。
そして遅延時間精製部25は、やがてステップS70で選択した日にちについて、列車番号が付与されたすべての列車に対するステップS72~ステップS77の処理を実行し終えることによりステップS78で肯定結果を得ると(S78;YES)、指定分析対象期間内のすべての日にちについてステップS71~ステップS78の処理を実行し終えたか否かを判断する(S79)。
遅延時間精製部25は、この判断で否定結果を得ると(S79;NO)、ステップS70に戻り、この後、ステップS70で選択する日にちを未処理の他の日にちに順次切替えながら、ステップS70~ステップS79の処理を繰り返す。そして遅延時間精製部25は、やがて分析対象期間内のすべての日にちについてステップS71~ステップS78の処理を実行し終えることによりステップS79で肯定結果を得ると(S79;YES)、遅延モデル生成部26を呼び出した上でこの遅延時間精製処理を終了する。
(4-7)遅延モデル生成処理
図27は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS6において、遅延モデル生成部26により実行される処理(以下、これを遅延モデル生成処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。遅延モデル生成部36は、この図27に示す処理手順に従ってそのとき対象とする計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの遅延モデルをそれぞれ生成する。
実際上、遅延モデル生成部26は、遅延時間精製部25により呼び出されるとこの図27に示す遅延モデル生成処理を開始し、まず、分析モード指定画面30においてユーザにより指定された分析モード及び分析手法を確認する(S80)。
続いて、遅延モデル生成部26は、ステップS80の確認結果に基づいて、分析対象期間に対応する各精製後列車遅延時間管理テーブル15(図7)にそれぞれ格納されている情報(以下、これを精製後列車遅延時間情報と呼ぶ)と、図19のダイヤ分析処理のステップS3で実績データ読込み部23が遅延要因別実績管理テーブル16(図8)から読み込んだ分析対象期間の各日にちにおける駅区間ごとの各遅延要因の実績値とを入力として、ユーザにより指定された分析手法を実行することにより遅延モデルを生成する(S81)。この際、遅延モデル生成部26は、計画ダイヤの各列車の駅区間ごとの遅延モデルをそれぞれ生成する。
次いで、遅延モデル生成部26は、生成した各遅延モデルを遅延モデル管理テーブル18(図10)にそれぞれ格納する(S82)。例えば、ユーザにより指定された分析手法が重回帰分析法であった場合には、上述した(1)式における各遅延要因の係数である「a」、「a」、「a3」、……をそれぞれ遅延モデル管理テーブル18に格納する。なお、この遅延モデル管理テーブル18は、この遅延モデル生成処理のステップS82を実行する際に、遅延要因係数欄18E(図10)が空白の状態で遅延モデル生成部26により作成されたものである。
そして遅延モデル生成部26は、この後、分析モード指定画面30においてユーザにより指定された分析モードが過去分析モードである場合には過去実績分析部27を呼び出し、分析モード指定画面30においてユーザにより指定された分析モードが未来予測モードである場合には未来予測分析部28を呼び出した上でこの遅延モデル生成処理を終了する。
(4-8)過去実績分析処理
図28は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS7において、過去実績分析部27により実行される処理(以下、これを過去実績分析処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。過去実績分析部27は、この図28に示す処理手順に従って、可視化パラメータ指定画面50(図12)においてユーザによりそれぞれ設定された遅延要因ごとの可視化パラメータの値(倍率)に応じた各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ算出する。
実際上、過去実績分析部27は、遅延モデル生成部26により呼び出されるとこの図28に示す過去実績分析処理を開始し、まず、分析対象の計画ダイヤにおける1つの列車(列車番号が付与された列車)の1つの駅区間を選択する(S90)。また過去実績分析部27は、ステップS90で選択した列車及び駅区間の組合せに対応する遅延モデルを遅延モデル管理テーブル18(図10)から読み込む(S91)。
続いて、過去実績分析部27は、ステップS91で読み込んだ遅延モデルにおける各遅延要因の係数に対して、そのとき可視化パラメータ指定画面50でその遅延要因に対して設定されている可視化パラメータの値(倍率)と、ダイヤ分析処理(図19)のステップS3で実績データ読込み部23が遅延要因別実績管理テーブル16(図8)から読み込んだ対応する遅延要因の実績値とをそれぞれ乗算する(S92)。これによりステップS90で選択した列車のステップS90で選択した駅区間における、対応する可視化パラメータの値(倍率)に応じた遅延時間を、対応する遅延モデルを用いて算出することができる。
なお、可視化パラメータの初期値は「1」であるため、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS7の段階では、可視化パラメータの値(倍率)として「1」が適用される。
また分析対象期間が1日だけでなく、複数日に及ぶ場合には、ステップS92において、過去実績分析部27は、遅延要因ごとに、その複数日におけるその遅延要因の実績値の平均値を算出し、算出した平均値と、そのときその遅延要因に対して設定されている可視化パラメータの値(倍率)とをその遅延要因の係数にそれぞれ乗算する。これによりステップS90で選択した列車のステップS90で選択した駅区間における、対応する可視化パラメータの値に応じた分析対象期間での平均的な遅延時間を、対応する遅延モデルを用いて算出することができる。
次いで、過去実績分析部27は、ステップS92で算出した遅延時間を対応する遅延モデルに紐付ける(S93)。また過去実績分析部27は、この後、分析対象の計画ダイヤにおけるすべての列車のすべての駅区間の組合せについてステップS91~ステップS93の処理を実行し終えたか否かを判断する(S94)。
そして過去実績分析部27は、この判断で否定結果を得ると(S94;NO)、ステップS90に戻り、この後、ステップS90で選択する列車及び駅区間の組合せを未処理の他の組合せに順次切替えながら、ステップS90~ステップS94の処理を繰り返す。
そして過去実績分析部27は、やがて分析対象の計画ダイヤにおけるすべての列車及び駅区間の組合せについてステップS91~ステップS93の処理を実行し終えることによりステップS94で肯定結果を得ると(S94;YES)、分析結果出力部29を呼び出した上でこの過去実績分析処理を終了する。
(4-9)未来予測分析処理
図29は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS8において、未来予測分析部28により実行される処理(以下、これを未来予測分析処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。未来予測分析部28は、この図29に示す処理手順に従って、新たな計画ダイヤにおける各列車の駅区間ごとの遅延時間、可視化パラメータ指定画面50(図12)においてユーザによりそれぞれ設定された各遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)に応じた各列車の駅区間ごとの遅延時間の予測値をそれぞれ算出する。
実際上、未来予測分析部28は、遅延モデル生成部26により呼び出されるとこの図29に示す未来予測分析処理を開始し、まず、分析対象の新たな計画ダイヤ(例えば、対象路線が既存路線である場合には改正予定の新たな計画ダイヤ、新規路線である場合にはその計画ダイヤ)を読み込む(S100)。また未来予測分析部28は、図18について上述したシミュレーション設定画面70を表示装置8に表示させる(S101)。
そして、未来予測分析部28は、この後、ユーザがこのシミュレーション設定画面70を用いて分析対象の新たな計画ダイヤにおける各列車の各駅区間における遅延要因ごとの想定値をすべて設定し終えた後に実行ボタン75(図18)がクリックされると、そのときシミュレーション設定画面70を用いて設定された各列車の各駅区間における遅延要因ごとの想定値を読み込み(S102)、この後、ステップS100で読み込んだ計画ダイヤにおける1つの列車の1つの駅区間を選択する(S103)。
次いで、未来予測分析部28は、ステップS103で選択した列車のステップS103で選択した駅区間に対応する遅延モデルを遅延モデル管理テーブル18(図10)から読み込む(S104)。なお、ステップS100で読み込んだ計画ダイヤが新規路線の計画ダイヤなど、その路線の実績に基づく遅延モデルを生成できない路線の計画ダイヤである場合には、未来予測分析部28は、このステップS104において、同一又は類似する駅区間を同一又は近い時間帯に走行する他の列車について算出された遅延モデルを読み込む。このような場合におけるかかる遅延モデルをユーザが指定できるようにしてもよい。
また未来予測分析部28は、ステップS104で取得した遅延モデルに対して、ステップS102で取得した遅延要因ごとの想定値を適用することにより、ステップS103で選択された列車及び駅区間における遅延要因別の遅延時間の予測値を算出する(S105)。
さらに未来予測分析部28は、ステップS105で算出した遅延要因別の各遅延時間に対して、それぞれ対応する可視化パラメータの値(倍率)を乗算した上で、これらを合算する(S106)。なお、上述のように可視化パラメータの初期値は「1」であるため、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS9の段階では、遅延要因別の遅延時間に対して「1」がそれぞれ乗算される。そして、これらの乗算結果を合算することにより、ステップS103で選択した列車及び駅区間における遅延時間の予測値が算出される。
続いて、未来予測分析部28は、ステップS106で算出した遅延時間の予測値を対応する遅延モデルに紐付ける(S107)。また未来予測分析部28は、この後、分析対象の計画ダイヤにおける、対象とすべきすべての列車及び駅区間の組合せについてステップS104~ステップS107の処理を実行し終えたか否かを判断する(S108)。
そして未来予測分析部28は、この判断で否定結果を得ると(S108;NO)、ステップS103に戻り、この後、ステップS103で選択する列車及び駅区間の組合せを未処理の他の組合せに順次切替えながら、ステップS103~ステップS108の処理を繰り返す。
そして未来予測分析部28は、やがて分析対象の計画ダイヤにおける対象とすべきすべての列車及び駅区間の組合せについてステップS104~ステップS107の処理を実行し終えることによりステップS108で肯定結果を得ると(S108;YES)、分析結果出力部29を呼び出した上でこの未来予測析処理を終了する。
(4-10)分析結果出力処理
図30は、図19について上述したダイヤ分析処理のステップS9において、分析結果出力部29により実行される処理(以下、これを分析結果出力処理と呼ぶ)の具体的な処理内容を示す。分析結果出力部29は、この図30に示す処理手順に従って、過去実績分析部27により実行された過去実績分析処理(図28)の処理結果又は未来予測分析部28により実行された未来予測分析処理(図29)の処理結果に基づくダイヤ分析結果表示画面60(図13)を表示装置8に表示させると共に、可視化パラメータ指定画面50(図12)を用いたユーザ操作に応じて、このダイヤ分析結果表示画面60のダイヤグラム61の内容を更新する。
実際上、分析結果出力部29は、過去実績分析部27又は未来予測分析部28により呼び出されるとこの図30に示す分析結果出力処理を開始し、まず、過去実績分析部27により実行された過去実績分析処理の処理結果又は未来予測分析部28により実行された未来予測分析処理の処理結果に基づくダイヤ分析結果表示画面60(図13)を表示装置8に表示させる(S110)。
具体的に、分析結果出力部29は、過去実績分析処理(図28)のステップS93において過去実績分析部27が各列車の駅区間ごとの遅延モデルにそれぞれ対応付けた遅延時間、又は、未来予測分析処理(図29)のステップS107において未来予測分析部28が対象とすべき各列車の駅区間ごとの遅延モデルにそれぞれ対応付けた予測遅延時間に応じて、これらの遅延時間又は予測遅延時間の大きさに応じた色合いで各第2の線分62Aがそれぞれ表されたダイヤグラム61を含むダイヤ分析結果表示画面60を表示装置8に表示させる。
続いて、分析結果出力部29は、ダイヤ分析結果表示画面60と併せて可視化パラメータ指定画面50(図12)を表示装置8に表示させ(S111)、この後、ダイヤ分析結果表示画面60の終了ボタン64(図13)がクリックされ、又は、可視化パラメータ指定画面50において、いずれかの遅延要因に対応するスライダ52(図12)が動かされてその遅延要因の可視化パラメータの値が変更されるのを待ち受ける(S112,S113)。
そして分析結果出力部29は、可視化パラメータ指定画面50においていずれかの遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)が変更されると、そのとき再設定された遅延要因ごとの可視化パラメータの値(倍率)に従って各列車の駅区間ごとの遅延時間を再計算するよう過去実績分析部27又は未来予測分析部28に指示を与える(S114)。
具体的に、分析結果出力部29は、そのときの分析モードが過去分析モードの場合には、各遅延要因の変更後の可視化パラメータの値(倍率)を過去実績分析部27に通知した上で、各列車の駅区間ごとの遅延時間を再計算するよう過去実績分析部27に指示を与える。かくして、この指示が与えられた過去実績分析部27は、このとき与えられた各遅延要因の可視化パラメータの値(倍率)に基づいて、図28について上述した過去実績分析処理を再実行する。
また分析結果出力部29は、そのときの分析モードが未来予測モードの場合には、各遅延要因の変更後の可視化パラメータの値(倍率)を未来予測分析部28に通知した上で、要求された列車及び駅区間の予測遅延時間を再計算するよう未来予測分析部28に指示を与える。かくして、この指示が与えられた未来予測分析部28は、このとき与えられた各遅延要因の可視化パラメータ(倍率)の値に基づいて、図29について上述した未来予測分析処理を再実行する。
そして分析結果出力部29は、この後、過去実績分析部27による過去実績分析処理の再実行又は未来予測分析部28による未来予測分析処理の再実行が完了すると、このとき実行された過去実績分析処理又は未来予測分析処理の処理結果に基づいて、ステップS110と同様の処理によりダイヤ分析結果表示画面60のダイヤグラム61を更新する(S115)。
次いで、分析結果出力部29は、ステップS112に戻り、この後、ステップS112以降の処理を上述と同様に繰り返す。そして分析結果出力部29は、やがてダイヤ分析結果表示画面60の終了ボタン64がクリックされると、ダイヤ分析結果表示画面60及び可視化パラメータ指定画面50を閉じた上でこの分析結果出力処理を終了する。
(5)本実施の形態の効果
以上のように本実施の形態のダイヤ分析支援装置1では、過去分析モード時、対象とする計画ダイヤについて、各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ遅延要因別の遅延時間にそれぞれ分類する一方、未来予測モード時には、各列車の駅区間ごとの遅延時間をそれぞれ遅延要因別に予測し、これら遅延要因別の遅延時間をそれぞれ可視化パラメータ指定画面50を用いた遅延要因ごとの可視化パラメータの設定に応じた倍率をそれぞれ乗算して合算することにより得られた遅延時間を、その大きさに応じた色合いの線分62Aとしてダイヤ分析結果表示画面60に重ねて表示するため、ユーザが各列車の駅区間ごとの遅延要因の影響を把握し易く、その分、計画ダイヤの分析作業をより短時間化及び容易化させることができる。従って、その後の一時的な運用上の対策や迅速なダイヤ改正に繋げられ、結果的に遅延・混雑の低減が期待できる。
また本ダイヤ分析支援装置1では、ダイヤ制約を考慮しながら二次遅延の影響を排除した後の各列車の駅区間ごとの遅延時間を算出し、算出結果に基づいて各遅延要因をそれぞれ変数とする各列車の駅区間ごとの遅延モデルをそれぞれ生成するため、二次遅延の影響を排除した正確な遅延モデルを生成することができ、その分、ユーザがより正確なダイヤ分析を行うことができる。
(6)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、対象とする被運行体が列車である交通機関の計画ダイヤの分析について本発明を適用するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、かかる被運行体が列車以外のバス、船舶又は飛行機などの交通機関の計画ダイヤの分析についても本発明を広く適用することができる。
また上述の実施の形態においては、本ダイヤ分析支援装置1が分析モードとして過去分析モード及び未来予測モードの双方の分析モードを備える場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ダイヤ分析支援装置1が過去分析モード及び未来予測モードのいずれか一方の分析モードのみを備えるようにしてもよい。
さらに上述の実施の形態においては、過去実績分析処理の処理結果や未来予測分析処理の処理結果を図14(B)、図15(B)、図16(B)及び図17(B)について上述したような表示形態で表示するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、過去実績分析処理の処理結果や未来予測分析処理の処理結果の表示形態としては、この他種々の表示形態を広く適用することができる。
本発明はダイヤ分析支援装置に関し、計画ダイヤに従って被運行体が運行される種々の交通機関における計画ダイヤの分析に広く適用することができる。
1……ダイヤ分析支援装置、3……CPU、4……メモリ、5……補助記憶装置、7……入力装置、8……表示装置、10……計画ダイヤ管理テーブル、11……実績ダイヤ管理テーブル、12……列車遅延時間管理テーブル、13……ダイヤ制約管理テーブル、14……遅延要因管理テーブル、15……精製後列車遅延時間管理テーブル、16……遅延要因別実績管理テーブル、17……分析手法管理テーブル、18……遅延モデル管理テーブル、20……分析プログラム、21……モード設定部、22……計画ダイヤ読込み部、23……実績データ読込み部、24……遅延時間算出部、25……遅延時間精製部、26……遅延モデル生成部、27……過去実績分析部、28……未来予測分析部、29……分析結果出力部、30……分析モード指定画面、50……可視化パラメータ指定画面、60……ダイヤ分析結果表示画面、70……シミュレーション設定画面。

Claims (6)

  1. 交通機関における被運行体のダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援装置において、
    予め計画された各前記被運行体ごとの運行ダイヤである計画ダイヤと、各前記被運行体の日ごとの走行実績である実績ダイヤと、時系列及び所定の区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成するモデル生成部と、
    生成された前記統計モデル及び各前記遅延要因の前記実績値に基づいて、各前記被運行体の前記区間ごとの遅延時間である第1の遅延時間を、各前記被運行体の前記区間ごとに前記遅延要因別の遅延時間である第2の遅延時間にそれぞれ分類する過去実績分析処理、及び、新規の前記計画ダイヤに関して、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの想定値に基づいて、要求された前記被運行体及び前記区間ごとの遅延時間である第3の遅延時間をそれぞれ予測する未来予測分析処理の少なくとも一方を実行する分析部と、
    前記過去実績分析処理又は前記未来予測分析処理の処理結果を所定の表現形態で表示する出力部と
    を備え
    前記分析部は、
    前記過去実績分析処理において、各前記被運行体の前記区間ごとに、前記第2の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した第4の遅延時間をそれぞれ算出し、
    前記未来予測分析処理において、新規の前記計画ダイヤに関して、前記被運行体の前記区間ごとに、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの前記想定値に基づき算出される前記遅延要因ごとの遅延時間である第5の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、各前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した前記第3の遅延時間をそれぞれ算出し、
    前記出力部は、
    前記過去実績分析処理で算出した前記第4の遅延時間、又は、前記未来予測分析処理で算出した前記第3の遅延時間を所定の前記表現形態で表示し、
    前記表現形態は、
    前記第4の遅延時間又は前記第3の遅延時間の大きさに応じた色合いの線分を、前記計画ダイヤのダイヤグラムにおける対応する前記被運行体のダイヤを表す線分のうちの対応する前記区間に対応する部分に重ね合わせて表示する形態である
    ことを特徴とするダイヤ分析支援装置。
  2. 各前記被運行体の前記区間ごとに、前記計画ダイヤ及び前記実績ダイヤに基づき算出される各前記被運行体の遅延時間である第5の遅延時間から二次遅延を排除した前記第1の遅延時間をそれぞれ算出する遅延時間精製部をさらに備え、
    前記モデル生成部は、
    前記遅延時間精製部により算出された前記第1の遅延時間に基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載のダイヤ分析支援装置。
  3. 前記遅延時間精製部は、
    各前記被運行体の前記区間ごとに、対象路線における前記被運行体の制約を考慮しながら前記二次遅延を排除した前記第1の遅延時間を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載のダイヤ分析支援装置。
  4. 交通機関における被運行体のダイヤの分析作業を支援するダイヤ分析支援装置により実行されるダイヤ分析支援方法であって、
    予め計画された各前記被運行体ごとの運行ダイヤである計画ダイヤと、各前記被運行体の日ごとの走行実績である実績ダイヤと、時系列及び所定の区間ごとの各遅延要因の実績値とに基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成する第1のステップと、
    生成した前記統計モデル及び各前記遅延要因の前記実績値に基づいて、各前記被運行体の前記区間ごとの遅延時間である第1の遅延時間を、各前記被運行体の前記区間ごとに前記遅延要因別の遅延時間である第2の遅延時間にそれぞれ分類する過去実績分析処理、及び、新規の前記計画ダイヤに関して、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの想定値に基づいて、要求された前記被運行体及び前記区間ごとの遅延時間である第3の遅延時間をそれぞれ予測する未来予測分析処理の少なくとも一方を実行する第2のステップと、
    前記過去実績分析処理又は前記未来予測分析処理の処理結果を所定の表現形態で表示する第3のステップと
    を備え
    前記第2のステップでは、
    前記過去実績分析処理において、各前記被運行体の前記区間ごとに、前記第2の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した第4の遅延時間をそれぞれ算出し、
    前記未来予測分析処理において、新規の前記計画ダイヤに関して、前記被運行体の前記区間ごとに、前記統計モデル及び前記遅延要因ごとの前記想定値に基づき算出される前記遅延要因ごとの遅延時間である第5の遅延時間に対してそれぞれ前記遅延要因ごとに指定された倍率を乗算し、各前記遅延要因ごとの乗算結果を合算した前記第3の遅延時間をそれぞれ算出し、
    前記第3のステップでは、
    前記過去実績分析処理で算出した前記第4の遅延時間、又は、前記未来予測分析処理で算出した前記第3の遅延時間を所定の前記表現形態で表示し、
    前記表現形態は、
    前記第4の遅延時間又は前記第3の遅延時間の大きさに応じた色合いの線分を、前記計画ダイヤのダイヤグラムにおける対応する前記被運行体のダイヤを表す線分のうちの対応する前記区間に対応する部分に重ね合わせて表示する形態である
    ことを特徴とするダイヤ分析支援方法。
  5. 前記第1のステップでは、
    各前記被運行体の前記区間ごとに、前記計画ダイヤ及び前記実績ダイヤに基づき算出される各前記被運行体の遅延時間である第5の遅延時間から二次遅延を排除した前記第1の遅延時間をそれぞれ算出し、
    算出した前記第1の遅延時間に基づいて、前記計画ダイヤに対する前記被運行体の遅延時間の統計モデルを前記区間ごとにそれぞれ生成する
    ことを特徴とする請求項に記載のダイヤ分析支援方法。
  6. 前記第1のステップでは、
    各前記被運行体の前記区間ごとに、対象路線における前記被運行体の制約を考慮しながら前記二次遅延を排除した前記第1の遅延時間を算出する
    ことを特徴とする請求項に記載のダイヤ分析支援方法。
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