JP7049122B2 - 黒色多層紙 - Google Patents

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Description

本発明は、黒色多層紙に関する。
近年、高級感と優れた美粧性を求められる用途に、黒色の用紙が好適に用いられている。黒色は、光の反射率が0ですべての波長の光を吸収する色であることが望ましく、一般に安価な黒色顔料であるカーボンブラックとカーボンブラックに起因する色ムラの是正を目的とする暗色系の染料とを併用することにより色彩表現が行われている。近年、黒色の度合いとしては、いわゆる漆黒と呼ばれる漆の黒色の様な艶やかで高級感を有する黒色の色彩表現が求められている。
色彩表現を有する着色紙としては、例えば、各種着色染料及び顔料をフミン酸類の塩のもつコロイド性によって均一に分散させた後で、フミン酸類の塩と二価以上の水溶性多価金属塩とのキレート吸着作用によって染料及び顔料を例えば紙の原料と成るパルプ繊維表面に効率良く定着させて不溶化させる技術が開示されている。上記技術により、色落ちを防止し、パルプ繊維の表面が均一に着色され、堅牢度が優れた着色紙を製造できる。(特許文献1参照)。また、美粧性を追求する手段として、箔押し印刷が知られており、ラベルへの耐水性付与技術と組み合わされる技術も開示されている(特許文献2参照)。また、近年、黒色多層紙にホットスタンプと呼ばれる熱転写箔を用いて黒色多層紙の美粧性を向上する手法が取られている。
特開昭58-76596号公報 特開平05-341715号公報
しかしながら、上記従来の技術においては、化粧箱やラベル用途の黒色紙において要求される美粧性や高級感の付与についてはまだ十分ではない。従って、黒色多層紙をホットスタンプや箔押し印刷付与によるビジュアル化に対応した用途へ利用するためには、漆黒の黒色性を有する黒色表現と、ホットスタンプにおける熱転写箔との転写性及び箔押し印刷に対する耐久性の向上が求められる。
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、漆黒の黒色性及び高級感を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷の箔の美粧性を維持することができる黒色多層紙を提供することを目的とする。
本発明者らは、黒色の着色紙に、ホットスタンプ、箔押し印刷等に適した黒色紙を組み合わせて、漆黒と呼ばれる漆の黒色の様な艶やかで高級感を有するとともに、より高い美粧性を担保できる黒色多層紙の開発に取り組んだ。
一般に、ホットスタンプに用いる熱転写箔や箔押し印刷等の箔の材料としてはアルミニウムが用いられている。アルミニウムはJISで呼び名が決まっているものだけでも、336種以上あり、厚さ200μm以下のものが箔と呼ばれ、成形性に優れ、引張強度が高く、しかも厚み20μmで5%から10%の伸びを有し、ホットスタンプや箔押し印刷において、歪が生じ難い金属として多用されている。しかしながら、カーボンブラックを着色顔料として用いた黒色多層紙へのホットスタンプや箔押し印刷として用いられた際、熱転写箔の転写性不良や箔押し印刷時の貼合性を損なうおそれがあることを見出した。
また、黒色を醸し出す目的として用いるカーボンブラックは、高い多孔性と温度依存性、高い導電性を有する。このカーボンブラックが持つ高い多孔性により、ホットスタンプに用いるトナー中に含まれる樹脂がカーボンブラックに過度に吸着されやすく、ホットスタンプ用の熱転写箔の転写が阻害されるおそれがあることを見出した。さらに、カーボンブラックの温度依存性により箔押し印刷時の動的弾性率及び箔押し時の追従性が損なわれ、カーボンブラック高い導電性により帯電したゴミ、ホコリ、ダスト、塵埃等、製造現場で発塵した微粒子が引き寄せられ付着し汚損するおそれがあることも見出した。また、カーボンブラックによる導電性を低下させた場合においても、静電気が生じやすく、上記製造現場で発塵した微粒子が引き寄せられて付着しやすくなり、これにより後工程で部材の品質を損なう原因となるほか、不良率増加等の原因となるおそれがあることも判明した。
本発明者等は、箔と黒色多層紙との貼合性を阻害させない手段として、PVA等の被膜を基紙表面に設ける手段や、導電性が低いカーボンブラックを用いることを検討したが、導電性が低いカーボンブラックは比較的一次粒子径が大きく、比表面積が小さいため、黒色の表現性や黒色多層紙中での歩留り及び分散性が低く、目的とする高い美粧性を有する漆黒の黒色表現及び箔の好適な転写の双方を達成することは容易ではないことを知見した。
上記課題を解決するためになされた発明は、木材パルプを主成分とし、少なくとも表層及び裏層を備え、上記表層及び裏層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下である黒色多層紙である。また、JIS-K7194(1994)に準拠して測定される表面電気抵抗値Rsが、20℃及び10%RHの雰囲気下で1×10Ω以上1×10以下である。また、JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定されるpHが6以上8以下であり、JIS-K0101(1998)に準拠して測定される残留塩素イオン濃度が100ppm以下である。このように、当該黒色多層紙の表層及び裏層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であることで、導電性を抑制しつつ、漆黒の黒色性を有することができる。また、上記表面電気抵抗値Rsが、20℃及び10%RHの雰囲気下で1×10Ω以上1×10以下であることで、カーボンブラックによる箔押し印刷に用いるアルミ蒸着層等の金属層の箔の転写阻害を抑制することができる。さらに、当該黒色多層紙のpHが6以上8以下であることで、アニオン性の黒色直接染料と黒色顔料を効率よくパルプに定着させることができる。さらに、当該黒色多層紙の上記残留塩素イオン濃度の上限が、100ppm以下であることで、黒色多層紙中の塩素イオンによる箔の転写阻害を抑制することができる。従って、当該黒色多層紙は、箔の転写阻害を抑制しつつ、漆黒と呼ばれる漆の黒色の様な艶やか黒色性を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷適性に優れることで美粧性及び漆の黒色の様な艶やかで高級感を有する黒色多層紙を得ることができる。
上記表層及び裏層が、黒色、青色又はこれらの組み合わせのアニオン性直接染料をさらに含有し、上記アニオン性直接染料の含有量としては、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上10質量部以下であることが好ましい。このように、表層及び裏層のアニオン性直接染料の含有量が上記範囲であることで、当該黒色多層紙は、低い導電性を確保しながら、美粧性を向上できる。
上記表層及び裏層が、顔料定着剤としてのポリアミンジシアン重合体水分散体と、ロジン系サイズ剤と、アクリルアミド系紙力増強剤とを含有し、上記ポリアミンジシアン重合体水分散体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下であり、上記ロジン系サイズ剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.3質量部以上1.5質量部以下であり、上記アクリルアミド系紙力増強剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.2質量部以上0.6質量部以下であることが好ましい。
上記顔料定着剤の含有量を上記範囲とすることで、カーボンブラック凝集体のパルプ繊維への定着や併用する染料のパルプ繊維への安定した定着を図ることができる。また、上記ロジン系サイズ剤を上記範囲とすることで、箔押し印刷適性と共に、印刷インクのニジミが生じない印刷適性、耐水性を確保できる。更に、上記アクリルアミド系紙力増強剤の含有量を上記範囲とすることで、黒色多層紙の層間強度などの各種紙力を付与して各種パッケージへの適性をより向上させることができる。
上記表層及び裏層の表面に、パラフィンワックス及びポリビニルアルコールを含有する塗工膜を有することが好ましい。当該黒色多層紙が塗工膜を有することにより、黒色多層紙表面に良好な撥水性及び耐水性を付与し、箔押し印刷の適性を向上することができ、箔押し印刷の長時間の品質保持が可能となる。
上記表層と上記裏層との間に単層又は複数の中層を備え、上記中層が上記カーボンブラック凝集体を含有し、上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下であることが好ましい。このように上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が上記範囲であることで、より艶やかな漆黒の黒色性を有する黒色表現、耐久性を備える黒色多層紙となる。
本発明によれば、箔の転写阻害を抑制しつつ、漆黒の黒色性を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷が行われた場合の美粧性を維持することができる黒色多層紙を提供することができる。
本発明者らは、当該黒色多層紙が以下の構成を有することにより、当該黒色多層紙の箔の転写阻害を抑制し、ビジュアル化にも対応した美粧性に優れる黒色多層紙を提供することを可能とした。以下、本発明の一実施形態に係る黒色多層紙について詳説する。
<黒色多層紙>
当該黒色多層紙は、木材パルプを主成分とし、少なくとも表層及び裏層を備える。また、当該黒色多層紙は、上記表層と上記裏層との間に単層又は複数の中層を備えることが好ましい。なお、主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。
上記表層及び裏層は、黒色顔料としてカーボンブラック凝集体を含有する。また、上記中層もカーボンブラック凝集体を含有することが好ましい。
[原料パルプ]
当該黒色多層紙の各層に用いるパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)に代表される木材漂白化学パルプ、及び古紙パルプを主に使用できる。古紙パルプとしては、例えば段ボール古紙、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、構造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、脱墨・漂白古紙パルプ等を用いることができる。また、必要に応じて、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、晒ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプを用いてもよい。
上記パルプ繊維としては、2種以上混合して使用してもよいが、1種類のパルプ繊維を用いることがより好ましい。
本件発明者等が見出した知見では、表層及び裏層に用いるパルプとしては、漂白処理された針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを組み合わせて用いることが好ましく、より好ましくは、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを5:95から15:85の割合で配合することで、カーボンブラック含有による均質なムラの無い黒色を得られるとともに、箔押し印刷における表面性と表面強度を保持することができる。
当該黒色多層紙は、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)の下限としては、400mlが好ましい。CSFが400ml未満であると板紙としての地合が緻密になりすぎて吸水性が低下するため、オフセット印刷適性を損なう可能性がある。一方、CSFの上限としては、600mlが好ましく、500mlがより好ましい。の範囲であれば特に好ましい。CSFが600mlを超えると黒色多層紙の地合が悪くなり、また、包装容器用の紙器として用いるには紙力が低下するおそれがある。ここで、カナディアンスタンダードフリーネス(CSF)は、JIS-P8220-1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS-P8121-2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定される値である。
[黒色顔料]
当該黒色多層紙において好適に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックを用いる。カーボンブラックは安価であり、カーボンブラック凝集体を用いることで、黒の色調を醸し出すことができる。カーボンブラック凝集体は、製造方法、原料油の噴霧径や温度分布、反応時間分布の調整による粒子径の違いと、製造炉内において柔らかい状態の粒子と粒子が音速に近いスピードで衝突し融着した後、熱処理を受けて炭素化して得られ、所謂カーボンストラクチャーの発達度合いにより取捨選択出来る。
カーボンブラックの1次粒子径は、カーボンブラック粒子を電子顕微鏡で観察して求めた算術平均径で求められる。上記1次粒子径の下限としては、15nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記1次粒子径の上限としては、55nmが好ましく、35nmがより好ましい。一般的に、1次粒子径が小さいほどカーボンブラックの黒度は高くなるが、カーボンブラック粒子相互の凝集力が強くなって、分散しにくくなる。上記1次粒子径の範囲が、上記範囲であることで、黒色多層紙の黒度及び分散性を良好にすることができる。
なお、本件発明におけるカーボンブラック凝集体の粒子径は、光散乱法粒子径分布測定機(HORIBA社製、商品名:LB-550)で測定したものである。
カーボンブラックの1次粒子の凝集体の大きさの指標としては、JIS-K6217に準拠して測定される窒素吸着量からS-BET式で求めた比表面積が汎用的に使用されている。一般に、粒子径が小さいほど、カーボンブラックの凝集体の比表面積は大きくなる。上記比表面積の下限としては、30m/gが好ましく、200m/gがより好ましい。上記比表面積の上限としては、1500m/gが好ましい。
本発明者らの検討によれば、表層及び裏層に含まれるカーボンブラック凝集体の比表面積が大きい場合、原料パルプスラリー中でのカーボンブラックの分散性が低下し、分散性が低下すると色むら発生頻度が高くなるため、紙層形成時の均一な品質確保が困難になり抄造設備の汚損が生じル恐れが有る。これに対し本発明のカーボンブラック凝集体の比表面積の下限としては、30m/gであり、200m/gが好ましく、比表面積の上限としては、1500m/gであり、より好ましくは300m/gとすることで、パルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下という、着色顔料としては高濃度の含有量でも、原料パルプスラリー中でのカーボンブラック凝集体の分散性に優れ、均一な着色表現を達成することができる。比表面積が小さい場合には、原料パルプへの定着性が低下し、原料パルプスラリーからの脱落が生じやすく、また静電気によるゴミ、ホコリ、ダスト、塵埃等、製造現場で発塵した微粒子が引き寄せられ付着するおそれがある。
カーボンブラックは、化学組成や粒子径を基本に4桁のコードで表示することがASTMに定められており、カーボンブラックとしては、ファーネス法で製造されたカーボンブラックが好適である。ファーネス法とは、反応炉に燃料と空気を導入して完全燃焼させて得られる1400℃以上の高温雰囲気の環境下に、液状の原料油を連続的に噴霧し熱分解させ製造する方法である。上記反応炉内で生成するカーボンブラック凝集体の品質は、燃料、空気、原料油の量を変化させること、物理的分散手段で、粒子径、カーボンストラクチャーの大きさを任意に調整可能である。
上記表層及び裏層における上記カーボンブラック凝集体の含有量の下限としては、表層及び裏層のパルプ100質量部に対して5質量部が好ましく、6質量部がより好ましい。また、上記カーボンブラック凝集体の含有量の上限としては、表層及び裏層のパルプ100質量部に対して15質量部が好ましく、14質量部がより好ましい。上記表層及び裏層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が上記範囲であることで、黒色多層紙としての漆黒の黒色性を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷が行われた場合に課題となるカーボンブラックによる箔の転写阻害を抑制するとともに、静電気によるゴミ、ホコリ、ダスト、塵埃等、製造現場で発塵した微粒子が引き寄せられ付着するおそれを回避し、美粧性を維持することができる黒色多層紙を提供することができる。
上記中層がカーボンブラック凝集体を含有する場合、上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量の下限としては、表層のカーボンブラックの含有量を下回る範囲で、中層のパルプ100質量部に対して4質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。また、上記カーボンブラック凝集体の含有量の上限としては、中層のパルプ100質量部に対して8質量部が好ましく、7質量部がより好ましい。上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が上記範囲であることで、表層の黒色の下支えとなり、黒色多層紙に求められる漆黒の黒色を得ることができる。
[染料]
上記表層及び裏層は、黒色、青色又はこれらの組み合わせのアニオン性直接染料をさらに含有することが好ましい。黒色顔料としてカーボンブラック凝集体を含有させることで、黒色の色堅牢度や耐色性を抑えることが可能ながら、カーボンブラック凝集体はあくまで原料パルプ繊維に物理的にまばらに付着しているに過ぎない。従って、上記表層及び裏層が、カーボンブラック凝集体に加えてアニオン性直接染料をさらに含有することにより、当該黒色多層紙は、低い導電性を確保しながら、美粧性を向上できる。
アニオン性直接染料は、元来セルロース繊維染色の目的に作られたもので、中性塩を含む染浴から直接にセルロース繊維に染着する。化学構造からみると、アゾ、スチルベン、チアゾール、ジオキサジン、フタロシアニン等に分けられる。アニオン性直接染料としては、アゾ基(-N=N-)を発色団として持つアゾ染料からなるものが一般的であるが、任意のアニオン性直接染料を用いることができる。カチオン性直接染料とは、発色団の末端がカチオン基になったもので、例えば、分子中にスルホン基、フェノール性水酸基、カルボキシル基などを持ち、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウム塩の形となった分子構造の染料である。L値の調整や、原料パルプの色調変化に応じた安定した黒色を得るためには、黒色染料及び/又は青色染料の使用が好ましく、さらに黄色染料を組み合わせることがより好ましい。これらの染料を組み合わせることで、色ムラが少なく安定した黒色多層抄き板紙を得ることができる。例えば、アニオン性直接染料としてはクラリアントジャパン株式会社製のデルマカーボンBFN、Cartasol Yellow5GE liq、日本化薬株式会社製のKayafect Yellow G等があげられる。
なお、原料パルプ種によっては、赤色のアニオン性直接染料を使用することもできる。これらのアニオン性直接染料としては、特に限定するものではなく、公知の染料から1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。
上記表層及び裏層におけるアニオン性直接染料の含有量の下限としては、各層のパルプ100質量部に対して4質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。また、上記アニオン性直接染料の含有量の上限としては、各層のパルプ100質量部に対して10質量部が好ましく、8質量部がより好ましい。上記アニオン性直接染料の含有量が上記範囲であることで、
[添加剤]
(硫酸バンド)
本発明の場合、カーボンブラックや直接染料のパルプ繊維への定着効果をより上げるために、硫酸バンドを添加することができる。その添加率としては、対パルプ固形分で2~10質量部添加とすることが好ましいが、適宜調整することができる。
(サイズ剤)
当該黒色多層紙は、紙力向上のために、各層にサイズ剤を添加することが好ましい。サイズ剤としては、スチレン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンサイズ剤、ロジンサイズ剤などが挙げられる。これらの中でもロジンサイズ剤が好ましい。
当該黒色多層紙において、表層及び裏層に含有させることが好ましいロジンサイズ剤は、製紙分野で従来公知のものであって、特に限定されない。ロジン系の物質は、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等のロジン類をフマル酸、マレイン酸、アクリル酸等のα,β-不飽和カルボン酸あるいはその無水物で変性した強化ロジンや、上記ロジン類をグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の多価アルコールを反応させて得られるロジンエステルを挙げることができる。また、本発明において、ロジン系サイズ剤には、これらの単独またはその混合物をエマルジョン化したもの、単独でエマルジョン化した後に混合したものも含まれる。さらに、上記エマルジョン化したものに、サイズ発現性をより向上させるために各種ポリマーを添加したものも含まれる。
ロジン系サイズ剤は管理が煩雑ではなく、箔押し印刷に適応するとともに、高いサイズ効果が得られる、更に本件発明におけるJAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定されるpHが6以上8以下の中性抄造においては、ロジン系サイズ剤の顔料定着剤として使用されてきた硫酸バンドの添加率が減少、定着性が低下し高いサイズ効果が発現できない状況であった。そのため、従来、使用されてきた硫酸バンドに替わり、カチオン性水溶性高分子が好適に用いられ、中でも顔料定着剤として好適なカチオン性樹脂としては、ポリエチレンイミン、ポリビニルピリジン、ポリジアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリジアルキルアミノエチルアクリレート、ポリジアルキルアミノエチルメタクリルアミド、ポリジアルキルアミノエチルアクリルアミド、ポリエポキシアミン、ポリアミドアミン、ジシアンジアミド-ホルマリン縮合物、ジシアンジアミドポリアルキル-ポリアルキレンポリアミン縮合物、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩酸塩等のジアリルジメチルアンモニウム塩重合物塩、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアリルアミン塩、ポリビニルアミン塩、ポリ(オキシエチル-1-メチレン)アミン塩、ポリビニルベンジルアミン塩、ポリアクリルアミドプロピルメチルアミン塩、ポリジアリルアミン塩、アクリルアミド・ジアリルアミン塩共重合体、モノアリルアミン・ジアリルアミン塩共重合体、ポリアミンジシアン重合体、等の化合物及びこれらの変性物が挙げられる。特にポリアミンジシアン重合体水分散体が、黒色顔料の配合量が多く、更にアニオン性直接染料をも含有する黒色多層紙の表層及び裏層の抄紙に使用することが好ましく、ロジンサイズ剤の使用量を上記範囲にすること、より好適には上記顔料定着剤を用いることで黒色多層紙に十分な耐水性を付与し、黒色顔料の固着と漆黒性を向上させることができる。
表層及び裏層の各層のサイズ剤の含有量の下限としては、パルプ100質量部に対して、固形分で0.3質量部が好ましく、0.4質量部がより好ましい。表層及び裏層のサイズ剤の含有量の上限としては、パルプ100質量部に対して、固形分で1.5質量部が好ましく、1.4質量部がより好ましい。また、中層のサイズ剤の含有量の下限としては、表層及び裏層の含有量より少なく、パルプ100質量部に対して、固形分で0.2質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。中層のサイズ剤の含有量の上限としては、パルプ100質量部に対して、固形分で1.4質量部が好ましく、1.3質量部がより好ましい。サイズ剤の含有量を上記範囲とすることで、耐水性の向上することができる。サイズ剤の含有量が上記範囲を超えると、耐水性の向上はほぼ横ばいとなることに加え、過剰な添加によりコストアップとなる。特にロジンサイズ剤の含有量を上記範囲にすることで、当該黒色多層紙に十分な耐水性を付与し、黒色顔料の固着と漆黒性を向上させることができる。
(顔料定着剤)
当該黒色多層紙は、各層に顔料定着剤を含有することが好ましい。
顔料定着剤としては、一般に、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのポリマー、N-ビニルイミダゾールのポリマー、N-ビニルイミダゾリンのポリマー、ビニルアミン単位を含有するコポリマー及びアクリルアミドとジアルキルアミノアルキルアクリレート及び/又はジアルキルアミノアルキルメタクリレートのコポリマー等のカチオンポリマーが使用される。しかしながら、カチオンポリマーを過剰に黒色多層紙中に含有させることは、光沢性を低下させるおそれがある。そのため、発明者等は、顔料定着剤の種類及び添加方法について黒色顔料と染料を下記の順序で添加し、検討を行った。
顔料定着剤→カーボンブラック凝集体→染料→顔料定着剤(条件により、添加せず)→硫酸バンド→抄紙
上記検討結果により、顔料定着剤として、濾水性及び歩留向上剤として一般に用いられているポリアミン系のポリアミドアミン(例えばアークロマジャパン製:カルタレチンF)、ポリアミンジシアン重合体水分散体(例えば大和化学工業製:ダイフィックスD-10)が好ましく、ポリアミンジシアン重合体水分散体がより好ましいことを知見した。さらに、顔料定着剤として、硫酸バンドを併用するとより好ましい。
顔料定着剤の含有量の上限としては、固形分で各層のパルプ100質量部に対して4質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。また、上記含有量の下限としては、上記パルプ100質量部に対して8質量部が好ましく、7質量部がより好ましい。顔料定着剤の含有量が4質量部未満では、カーボンブラック凝集体のパルプ繊維への定着や併用する染料のパルプ繊維への定着が不十分になり、不用意な水濡れ等によりカーボンブラック凝集体の脱落や着色ムラが生じるおそれが懸念される。顔料定着剤の含有量が8質量部を超えると、カーボンブラック凝集体のパルプ繊維への定着や染料のパルプ繊維への定着が頭打ちになり、費用対効果が得られなくなるおそれと、高い親水性を招くことになり、逆に色落ちやカーボンブラック凝集体の脱落が生じるおそれがある。上記範囲であることで、不用意な水濡れが生じてもカーボンブラック凝集体の脱落や直接染料の所謂染み出しを抑えることができる。
(紙力増強剤)
当該黒色多層紙は、各層に紙力増強剤サイズ剤を添加することが好ましい。紙力増強剤を添加することで、それぞれの層にパッケージや台紙、値札等に用いるのに適切な諸強度と、好適にオフセット印刷が可能となるよう各種紙力を付与することが可能となる。
紙力増強剤としては、澱粉系紙力増強剤、アクリルアミド系紙力増強剤、ビニルアルコール系紙力増強剤、アミドエポキシ系紙力増強剤などが挙げられ、これらの中でもアクリルアミド系紙力増強剤が好ましい。より好ましくは両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤が好ましい。両性のポリアクリルアミドはカチオンモノマー、アニオンモノマーをアクリルアミドと重合したものであり、自らのカチオン基を介して、パルプ繊維やカーボンブラック凝集体、直接染料のアニオン性基に直接定着するとともに、自らが有するアニオン性基が、顔料定着剤のカチオン性物質を介することで、パルプ繊維やカーボンブラック凝集体、直接染料のアニオン基に間接的に定着することができる。このように、両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤が有する機構により繊維に定着することができるため、カーボンブラック凝集体や直接染料の歩留りを高め、脱落を防止することができる。また、両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤の特徴として分子構造、分子量をコントロールできる点がある。両性のポリアクリルアミド樹脂系の紙力増強剤において紙力向上に寄与する部分は、高分子量域であるが、製造段階において低分子量域を減らすことで本件発明の様に顔料としてカーボンブラック凝集体の含有量がパルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下の構成において紙力を効率的に向上させることができる。低分子量域の両性ポリアクリルアミドはカーボンブラック凝集体やアニオン性直接染料の定着不良を起こし易く、紙力向上への寄与は低い。
紙力増強剤の含有量の上限としては、表層、裏層等の各層のパルプ100質量部に対して0.2質量部であることが好ましく、0.3質量部であることよりが好ましい。上記含有量の上限としては、各層のパルプ100質量部に対して0.6質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましい。上記紙力増強剤の含有量を上記範囲とすることで、黒色多層紙の層間強度などの各種紙力を付与して各種パッケージへの適性を向上させることができる。紙力増強剤の含有量が上記範囲を下回ると層間強度が十分でないおそれがある。一方、紙力増強剤の含有量が上記範囲を超えると層間強度の向上はほぼ横ばいとなり、過剰な添加によるコストアップとなるおそれがある。
(その他の添加剤)
本発明においては、表層、中層、裏層の各層からなる黒色多層紙に、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種製紙用添加剤を含有させてもよい。例えば、歩留まり向上剤、顔料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの公知の添加剤を単独又は2種以上を併用して添加することができる。
(塗工膜)
当該黒色多層紙は、表層及び裏層の表面に、ワックス系サイズ剤並びにポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有する塗工膜を有することが好ましい。当該黒色多層紙が塗工膜を有することにより、黒色多層紙表面に良好な撥水性及び耐水性を付与し、箔押し印刷の適性を向上することができ、箔押し印刷の長時間の品質保持が可能となる。
ワックス系サイズ剤としては、パラフィンワックス系サイズ剤、マイクロクリスタリンワックス系サイズ剤、カルナウバワックス(カルナバワックス)系サイズ剤、アルキルケテンダイマーワックス系サイズ剤、等を用いることが可能であり、これらワックス系サイズ剤の中でも、パルプへの定着が良好であることから、アルキルケテンダイマー系サイズ剤を含有させることが好ましい。これらワックス系サイズ剤を内添することで、黒色多層紙表面に良好な撥水性及び耐水性を付与し、箔押し印刷の適性を向上することができ、箔押し印刷の長時間の品質保持が可能となる。
当該黒色多層紙においては、発色性とコストの点からパラフィンワックス系サイズ剤と併用してポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを塗工膜の形成に用いることが好ましく、特に部分鹸化のポリビニルアルコールが好ましい。本発明で使用するポリビニルアルコールは特に限定されるものではないが、ケンカ度が90~99.5%で、重合度が1,000~3,000のものであることが好ましく、特にケン化度が96~98%で、重合度が1,400~2,000のものであることが好ましい。本発明で使用するカルボキシル変性ポリビニルアルコールは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有不飽和モノマーを共重合成分として用いることによって容易に得ることができる。
当該黒色多層紙で使用するカルボキシル変性ポリビニルアルコールは、ケンカ度が90~99%、カルボキシル基の含有量が0.5~20モル%で、重合度が1,000~3,000のものであることが好ましく、特にケン化度が96~98%、カルボキシル基の含有量が1~5モル%で、重合度が1,400~2,000のものであることが好ましい。
当該黒色多層紙で使用する表面サイズ剤水溶液は、適宜の量のパラフィンワックス系サイズ剤、並びに、ポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを、水に添加・混合することによって得ることができる。当該黒色多層紙におけるパラフィンワックス系サイズ剤の使用量は、ポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールの使用量に対して、質量比で1:0.1~1:1の範囲であることが好ましい。
上記塗工膜は、表層及び裏層の表面にワックス系サイズ剤並びにポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有する塗工液が塗工されることにより塗工膜が形成される。上記塗工液の他の使用可能な例としては、パラフィンワックス及びポリビニルアルコール以外に澱粉、ポリアクリルアマイド、表面サイズ剤等を混合してもよい。また、塗工液には、更に、着色剤、保水剤、耐水化剤、流動性改良剤、防黴剤、防腐剤、消泡剤等の添加剤を加えることができる。
上記塗工膜としては、(1)表層及び裏層の表面の繊維に水性組成物が含浸される形態、(2)表層及び裏層の表面上に水性組成物による樹脂層が形成される形態、(3)表層及び裏層の繊維の表面が水性組成物により被覆される形態、又は(4)これらが組み合わさった形態等が含まれると推測される。また、塗工膜用組成物の一部が含浸されていてもよい。
上記塗工膜の塗布量(g/m)としては、(黒色多層紙の「紙」としての外観と箔押し印刷における箔の安定した装着)の観点から、表層又は裏層の片面当たり0.6g/m~4.0g/m以下が好ましい。より好ましくは1.3g/m~3.3g/mである。塗工量が少ないと表面強度が弱くなり、表層及び裏層からのカーボンブラック凝集体の脱落が生じ易く、箔押し印刷時に箔が脱落する恐れが生じる。塗工量が多い場合は、「紙」としての質感が損なわれ、加工工程においてブロッキングにより表層に汚損が生じやすくなるおそれが有るとともに、コストメリットが低くなる。
当該黒色多層紙におけるパラフィンワックス系サイズ剤の使用量は、ポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールの使用量に対して、質量比で1:20~1:2の範囲であることが好ましい。
上記パラフィンワックスの塗工量(g/m)としては、箔押し印刷の適応性と漆黒の黒色を醸しだす光沢の発現性の向上の観点から、0.3g/m以上2.0g/m以下が好ましい。
上記ポリビニルアルコールの塗工量(g/m)としては、黒色多層紙としての風合い及びフレキソ印刷やオフセット印刷における画像品位の向上、並びに印刷工程や断裁工程等の加工工程で微粒子の脱落に対する抑制効果の向上の観点から、1.0g/m以上3.0g/m以下が好ましい。
(pH)
pHは、JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙は、少なくとも表層及び裏層に黒色顔料を比較的多量に含有させる必要があるため、抄紙原料中に添加する黒色顔料、黒色直接染料等の着色剤を効率よくパルプに定着させることが求められる。当該黒色多層紙は、pHが6以上8以下であることで、黒色直接染料と黒色顔料を効率よくパルプに定着させることができる。また、酸やアルカリによる箔の転写阻害を抑制することができる。
(残留塩素イオン濃度)
残留塩素イオン濃度は、JIS-K0101(1998)に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙の残留塩素イオン濃度の上限としては100ppmが好ましく、90ppmがより好ましい。一方、上記残留塩素イオン濃度の上限が上記範囲であることで、黒色多層紙中の塩素イオンによる箔の転写阻害を抑制することができる。塩素イオンは原料パルプ製造工程における漂白処理や所謂白水と呼ばれる製紙工程での循環水に起因して原料パルプ中に内在することから、当該黒色多層紙の残留塩素イオン濃度を減らす手段としては、抄紙工程で用いる白水を塩素含有量が少ない清水に置き換えたり、抄紙工程で塩素根を有する薬剤を極力使用しないことや、抄紙工程での圧縮及び脱水効率を向上させる手段等を用いることができる。
(色相(L値、a値、b値))
値は、JIS-P8150(2004)に準拠して測定される値である。L値は明るさの程度を表し値が大きいと明るいことを表す。当該黒色多層紙は、表層表面及び裏層表面のL値の上限としては、27.0が好ましく、25.0以下がより好ましい。表層表面及び裏層表面のL値が上記範囲であることで、漆黒の黒色性を向上できる。
値は、JIS-P8150(2004)に準拠して測定される値である。a値は赤味と緑味の強さを表し、プラス側で値が大きいと赤味が強く、マイナス側で値が大きいと緑味が強い。表層表面及び裏層表面のa値の範囲としては、見た目の黒さを強調するの観点から-0.5以上0.10以下が好ましい。
値は、JIS-P8150(2004)に準拠して測定される値である。b値は黄色味と青味の強さを表し、プラス側で値が大きいと黄色味が強く、マイナス側で値が大きいと青味が強いことを表す。当該黒色多層紙は、表層表面及び裏層表面のb値の範囲としては、黒色多層紙の見た目の変色(黄変化)を抑制する観点から-0.5以上0.3以下が好ましい。
(ベック平滑度)
ベック平滑度は、JIS-P8119(1999)に準拠して測定される値である。ベック平滑度は、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性の指標となるものである。当該黒色多層紙においては、ベック平滑度により表面のいわゆるうねり性を評価できる。
当該黒色多層紙の上記表層及び裏層の表面のベック平滑度の下限としては、20秒が好ましく、30秒がより好ましい。一方、上記ベック平滑度の上限としては、100秒が好ましく、80秒がより好ましい。上記ベック平滑度が上記範囲であることで、黒色多層紙の高級感と箔押し印刷における見た目の美粧性を向上できる。
(75度鏡面光沢度)
当該黒色多層紙の75度鏡面光沢度は、JIS-P8142(2005)に準拠して測定される値である。75度鏡面光沢度は、当該黒色多層紙の光沢性を評価するものである。
当該黒色多層紙の上記表層及び裏層の表面のJIS-P8142(2005)に準拠して測定される75度鏡面光沢度の下限としては、20%が好ましく、22%がより好ましい。一方、上記75度鏡面光沢度の上限としては、40%が好ましく、38%がより好ましい。上記75度鏡面光沢度が上記範囲であることで、高級感を要するパッケージや台紙、値札等に求められる良好な光沢性を備えることができる。
(表面強さ)
表面強さは、JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.1のワックスによる表面強さ試験方法に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙の上記表層及び裏層の表面強さとしては、6A以上8A以下が好ましい。上記表面強さが上記範囲であることで、黒色多層紙表面への印刷時の紙ムケやカーボンブラック凝集体の脱落が生じ難く、箔押し印刷における不用意な箔の脱落が生じないという効果を有する。
(表面電気抵抗値)
当該黒色多層紙の表面電気抵抗値は、単位面積当たりの抵抗であり、JIS-K7194(1994)に準拠して四探針法により測定した値である。
20℃、10%RHの雰囲気下における当該黒色多層紙の表面電気抵抗値の下限としては、1.00×10(Ω/□)が好ましく、2×10(Ω/□)がより好ましく、5×10(Ω/□)がさらに好ましい。表面電気抵抗値の上限としては、1×10/□以下が好ましく、5×10/□以下がより好ましい。当該黒色多層紙の上記表面電気抵抗値の下限が上記範囲であることで、当該黒色多層紙の導電性が低く、局部電池が生じにくくなることから、黒色多層紙中の塩素イオンによる箔の転写阻害を抑制することができる。また、表面電気抵抗値が上記範囲より低い場合、静電気によるゴミ、ホコリ、ダスト、塵埃等、製造現場で発塵した微粒子が引き寄せられ付着するおそれがある。一方、黒色多層紙の表面電気抵抗値が上記範囲より高い場合は、カーボンブラックによる箔押し印刷に用いるアルミ蒸着層等の金属層の箔の転写阻害が生じ、当該黒色多層紙表面の光沢性の低下や汚損が生じるおそれがある。
(坪量)
坪量は、JIS-P8124(2011)に準拠して測定される。当該黒色多層紙の各層の坪量は均等である必要はなく、表層、裏層、中層の坪量は、特に限定されるものではないが、表層及び裏層の坪量の下限としては、30g/mが好ましく、40g/mがより好ましい。表層及び裏層の坪量の上限としては、60g/mが好ましく、50g/mがより好ましい。表層及び裏層の坪量が上記範囲であることで、カーボンブラック凝集体を含有する紙層の地合いムラが抑えられ、紙器用途における加工を施しても罫割れが生じにくくなる。また、中層の坪量の下限としては、複数の中層構成としても200g/mが好ましく、210g/mがより好ましい。中層の坪量の上限としては、400g/mが好ましく、380g/mがより好ましい。中層を複数の層構成で形成する場合、表層や裏層に抄き合わされる表下層、裏下層として、60g/mから90g/mの単層からなる組合せが好適であり、中層の坪量が上記範囲であること、複数層の組合せから成ることで、黒色多層板紙の強靭性を得ることができ、加工適性が向上する。
当該黒色多層紙全体の坪量の下限としては、100g/mが好ましく、120g/mがより好ましい。当該黒色多層紙全体の坪量の上限としては、500g/mが好ましく、480g/mがより好ましい。黒色多層紙全体の坪量が上記範囲であることで、紙器等の紙容器や段ボースケース用途に供しても充分な加工強度を保有することが可能になる。
(紙厚)
紙厚は、JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該黒色多層紙の紙厚の下限としては、125μmが好ましく、130μmがより好ましい。上記紙厚の上限としては、650μmが好ましく、645μmがより好ましい。当該黒色多層紙の紙厚が上記範囲であることで、美麗な漆黒の黒色性及び高級感を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷の箔の美粧性を有する、広い用途の黒色多層紙を提供することができる。
(コブサイズ度)
コブサイズ度は、JIS-P8140(1998)に準拠して測定(計測時間10秒)される。当該黒色多層紙のコブサイズ度の下限としては、15g/mが好ましく、17g/mがより好ましい。当該黒色多層紙のコブサイズ度が上記下限未満である場合、当該黒色多層紙に対してフレキソやオフセット印刷を行った場合、インクの乾燥性が低下し、印刷汚れやコスレ汚れが生じるおそれが生じると共に、紙器等への加工時に貼合不良を招くおそれがある。一方、当該黒色多層紙のコブサイズ度の上限としては、50g/mが好ましく、48g/mがより好ましい。当該黒色多層紙のコブサイズ度が上記上限以上の場合、当該黒色多層紙が吸湿により波うちやシワの発生を招いたり、箔押し印刷において箔の脱落が生じるおそれがある。
(表面強さ)
表面強さは、J.TAPPI 紙パルプ試験方法No.1 m-72による「表面強さ試験方法」に準拠して測定される。当該黒色多層紙の表面強さの下限としては、6Aが好ましい。上記表面強さの上限としては、8Aが好ましい。当該黒色多層紙の表面強さが上記範囲であることで、表層及び裏層の脱落や搬送、加工段階での耐擦傷性を向上できる。
当該黒色多層紙によれば、箔の転写阻害を抑制しつつ、漆黒の黒色性を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷が行われた場合の美粧性を維持することができる黒色多層紙を提供することができる。
<黒色多層紙の製造方法>
黒色多層紙の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の工程により、公知の多層抄き抄紙機を用いて製造することができる。
(1)パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
上記(1)の工程の際、染料及び顔料の添加は、各種添加剤の前に行うことが好ましい。具体的には、(イ)染料(及び必要に応じて顔料定着剤)、(ロ)顔料(及び必要に応じて顔料定着剤)、(ハ)添加剤の順に添加することが好ましい。また、上記(イ)及び/又は(ロ)において染料及び/又は顔料の全量の添加を行うのではなく、染料及び/又は顔料の大部分を上記(イ)及び/又は(ロ)にて添加する一方、(ハ)の後に、色の調整のために微量の染料及び/又は顔料を添加する(補色を行う)ことが好ましい。特に顔料の大部分を上記(ロ)にて添加し、(ハ)の後に、顔料で色を調整することが最も好ましい。
(2)次に、これらの原料スラリーを用いて、黒色多層紙のpHが6以上8以下になるように中性域で抄紙機にて表層、単層又は複層の中層及び裏層の抄合せで抄紙する。
抄紙方法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、すなわち長網、円網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用し、3層以上の多層で抄紙される。抄紙工程では、サイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどの塗工装置等を使用して、表層及び裏層の表面に塗工液を塗工して塗工膜を形成することができる。
(3)次に、加圧ロールによりプレスし、水分を除去する。
(4)次に、ドライヤーシリンダーにて乾燥する。
乾燥後には、ニップキャレンダー、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー等のキャレンダー装置を用いて平滑化処理を行なってもよい。平滑化処理を行うことにより、黒色多層紙に高い光沢度が付与されて高級感を有するパッケージ、包装紙、値札等に好適に用いることができる。
(5)最後にリールに巻き取り、黒色多層紙を得る。
<その他の実施形態>
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例の物性値の測定方法は以下のとおりである。
[坪量(g/m)]
JIS-P8142(1998)に記載の「紙及び板紙-坪量測定方法」に準拠して測定した。
[紙厚(μm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[密度(g/cm)]
JIS-P8118(2014)に記載の「紙及び板紙-厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
[色相]
JIS-P8150(2004)に記載の「紙及び板紙の色の測定方法」に準拠し、日本電色社製色差計PF-10にて、紫外光を含む光源にて色相(L値、a値、b値)を測定した。
[ベック平滑度(秒)]
JIS-P8119(1998)に記載の「ベック平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
[コブサイズ度]
JIS-P8140(1998)に準拠して測定した。なお、本発明でいうコブサイズ度は、箔押し印刷を設ける側の表層又は裏層の面に水を10秒間接触させて測定した値である。
[表面強さ(A)]
JAPAN TAPPI No.1のワックスによる表面強さ試験方法に準拠して測定した。
[表面電気抵抗値(Ω/□)]
表面電気抵抗値は、JIS-K7194(1994)に準拠して四探針法により測定した。四探針法とは、試料に4本の針状の電極を直線状に置き、外側の2探針間に生じる電位差を測定し抵抗を求めるものである。四探針法における測定装置としては、低抵抗率計(三菱アナリテック社製ロレスタGP MCP-T610)を用いた。
[フリーネス(mL)]
得られた黒色多層紙をJIS-P8220-1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS-P8121-2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
[実施例1]
(1)フリーネス380mLのLBKP:NBKPの100部のパルプスラリー中に、以下の原料を添加した。
(表層及び裏層)
硫酸バンドとしての硫酸アルミニウム(住友化学工業):
固形分で7.5質量部/パルプ100質量部
顔料定着剤としてのポリアミンジシアン重合体水分散体(大和化学工業社の「ダイフィックスD-10」):6.0質量部(有り姿)/パルプ100質量部
ロジン系サイズ剤(荒川化学工業社の「サイズパインE」):
固形分で0.9質量部/パルプ100質量部
アクリルアミド系紙力増強剤(ハリマ化成社の「RB-28」):
固形分で0.4質量部/パルプ100質量部
カーボンブラック:10.0質量部/パルプ100質量部
アニオン性黒色直接染料としてアークロマジャパン製「CartaBlackBFN」:7.0質量部/パルプ100質量部
(中層)
カーボンブラック:6.0質量部/100質量部
(2)このパルプスラリーをワイヤーパートが長網抄紙機を用いて抄紙した。また、表層及び裏層の表面に、以下の塗工量となるようにポリビニルアルコール及びパラフィンワックスを含有する塗工液を塗工して塗工膜を形成し、実施例1の黒色多層紙を得た。
ポリビニルアルコール:2.0g/m
パラフィンワックス:0.6g/m
実施例1の物性値は以下の通りであった。
坪量:450g/m
紙厚:560μm
密度:(表層)75g/cm
(中層)300g/cm
(裏層)75g/cm
値:26.44、a値:-0.07、b値:-0.29
コブサイズ度:表面45g/m、裏面45g/m
表面強さ:表面7A、裏面7A
ベック平滑度:表面74秒、裏面72秒
75度鏡面光沢度:34
pH:7.2
残留塩素イオン濃度:64.1ppm
表面電気抵抗値:6.72×10(Ω/□)
[実施例2~32及び比較例1~3]
原料の種類、含有量及び物性値を表1、表2及び表3に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2~32及び比較例1~3の黒色多層紙を得た。なお、以下の表1及び表2中の「-」は、該当する成分を用いなかったことを示す。また、比較例3は、塗工層中に塩化ナトリウムを含有する。
Figure 0007049122000001
Figure 0007049122000002
Figure 0007049122000003
[評価]
得られた各黒色多層紙に対して、下記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。
(貼合性:箔の転写阻害)
試験方法は、以下の通り実施した。
(1)最外層にホットメルト接着剤のような感熱性の接着剤を薄く塗布しているアルミ蒸着を施したメタリックホイールをホットスタンピング法にて本件発明に係る黒色多層紙に箔押し印刷し試験片を得る。
(2)試験片を常温の蒸留水に1時間浸漬し、風乾した。
(3)試験片を可変恒湿機(40℃×90%×24時間)に入れる。
(4)試験終了後、各実施例及び比較例の黒色多層紙箔の転写阻害(変色)を評価した。
評価基準は以下のとおりとした。
◎:表面に箔の転写阻害は一切見受けられなかった。
○:表面にわずかに箔の転写阻害が見られるが、使用には差し支えのない範囲と判断される。
△:表面に箔の転写阻害がやや多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
×:表面に箔の転写阻害が多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
(美粧性)
成人男女20名により官能評価を行った。
◎:黒色多層紙表面の異物、紙粉等の汚損が全く見受けられず、高級感を備える。
○:汚損がわずかにあるが美粧性の毀損は少なく、高級感を備え、実用可能なレベルである。
×:汚損があり美粧性に劣り実用不可である。
(色ムラ)
各実施例及び比較例で得られた黒色多層抄き板紙の表面を、下記の基準に基づき目視で判定した。
評価基準は以下のとおりとした。
◎:色ムラが殆どなく良好であり、漆黒の黒色性を備える。
○:色ムラがわずかにあるが、漆黒の黒色性を備え、実用可能なレベルである。
×:色ムラがあり実用不可である。
Figure 0007049122000004
上記表4に示されるように、当該黒色多層紙の実施例1~実施例32は、箔の転写阻害性並びにカーボンブラック含有における美粧性及び色ムラ抑制効果の全てにおいて優れ、漆黒の黒色性及び高級感を有する黒色多層紙が得られた。一方、カーボンブラックの含有量が4.0質量部/パルプ100質量部であり、表面電気抵抗値が6.71×1011Ω/□である比較例1は、箔の転写阻害性並びにカーボンブラック含有における美粧性及び色ムラ抑制効果の全てが劣り、カーボンブラックの含有量が18.0質量部/パルプ100質量部であり、表面電気抵抗値が9.89×10Ω/□である比較例2は、上記美粧性及び色ムラ抑制効果が劣り、表面電気抵抗値が4.13×1013Ω/□である比較例3は、箔の転写阻害性及び上記色ムラ抑制効果において劣っていた。
本発明の黒色多層紙は、宝飾、化粧品等の高級パッケージ、台紙、包装紙、値札等に好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 木材パルプを主成分とし、
    少なくとも表層及び裏層を備え、
    上記表層及び裏層が黒色顔料としてカーボンブラック凝集体を含有し、
    上記表層及び裏層における上記カーボンブラックの含有量が、上記パルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であり、
    上記表層及び裏層の表面に、パラフィンワックス及びポリビニルアルコールのみを含有する塗工膜を有し、
    JIS-K7194(1994)に準拠して測定される表面電気抵抗値が、20℃及び10%RHの雰囲気下で1×10Ω/□以上1×10/□以下であり、
    JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定されるpHが6以上8以下であり、
    JIS-K0101(1998)に準拠して測定される残留塩素イオン濃度が100ppm以下である黒色多層紙。
  2. 上記表層及び裏層が、黒色、青色又はこれらの組み合わせのアニオン性直接染料をさらに含有し、
    上記アニオン性直接染料の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上10質量部以下である請求項1に記載の黒色多層紙。
  3. 上記表層及び裏層が、
    顔料定着剤としてのポリアミンジシアン重合体水分散体と、ロジン系サイズ剤と、アクリルアミド系紙力増強剤とを含有し、
    上記ポリアミンジシアン重合体水分散体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下であり、
    上記ロジン系サイズ剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.3質量部以上1.5質量部以下であり、
    上記アクリルアミド系紙力増強剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.2質量部以上0.6質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の黒色多層紙。
  4. 上記表層と上記裏層との間に単層又は複数の中層を備え、
    上記中層が上記カーボンブラック凝集体を含有し、
    上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の黒色多層紙。
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