JP2015132036A - 電子写真感光体用保護シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この電子写真感光体用保護シートは、紙基材の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂を有する電子写真用感光体保護シートであって、前記電子写真用感光体保護シートの熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が15質量ppm以下である。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、感光体を被覆する保護シートが開示されている。保護シートとしては、カーボンブラック入導電紙が例示されている。ここでは、保護シートは感光体の露出を回避する働きをする。このように、感光体を感光体用保護シートで覆うことで、感光体に傷が付いたり、指紋等の汚染物質が付着することを抑制しようとしている。
(2) 前記熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が10質量ppm以下である(1)記載の電子写真感光体用保護シート。
(3) 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、硫酸バンド固形量を0.06〜0.33質量部含有する(1)または(2)記載の電子写真感光体用保護シート。
(4) 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、硫酸バンド固形量を0.19〜0.31質量部含有する(1)〜(3)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(5) 前記アクリル系樹脂の固形分量は、0.1〜20g/m2である(1)〜(4)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(6) 前記熱水抽出により抽出されるアンモニウムイオンの質量割合が300質量ppm以下である(1)〜(5)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(7) 前記熱水抽出により抽出されるアンモニウムイオンの質量割合が200質量ppm以下である(1)〜(6)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(8) 前記紙基材は、導電填料を含む(1)〜(7)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(9) 前記導電填料は、カーボンブラックである(8)に記載の電子写真感光体用保護シート。
(10) 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、前記カーボンブラックを1〜20質量部含有する(9)に記載の電子写真感光体用保護シート。
(11) JIS K 7194(1994)に準拠する方法による表面電気抵抗が1×108Ω/□以下である(1)〜(10)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(12) 前記電子写真感光体用保護シート表面の黒色の分光濃度が0.90以上である(1)〜(11)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(13) 前記保護シートの波長300〜850nmの領域における光透過率が0.05%以下である(1)〜(12)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(14) 前記電子写真感光体用保護シートのJAPAN TAPPI No.5−2:2000に準拠した方法で測定した表面平滑度が、200秒以下である(1)〜(13)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(15) 前記電子写真感光体用保護シートは、積層されるシート状電子写真感光体の合紙として使用される(1)〜(14)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(16) 前記紙基材の片方の面のみにアクリル系樹脂を有する(1)〜(15)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
(17) 前記電子写真感光体用保護シートは、抄紙機のサイズプレスパートにて、前記アクリル系樹脂を前記紙基材に塗布して得られたものである(1)〜(16)のいずれかに記載の電子写真感光体用保護シート。
本発明は、紙基材の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂を有する電子写真用感光体保護シートであって、電子写真用感光体保護シートの熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が15質量ppm以下であることを特徴とする。
本発明の電子写真感光体用保護シートは、熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が15質量ppm以下であることが必要であり、10質量ppm以下であることがより好ましい。下限値は、特に限定はないが、例えば、0質量ppm、好ましくは0.10質量ppm、より好ましくは0.3質量ppm、さらにより好ましくは0.6質量ppmを採用できる。熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合を、15質量ppm以下とすることにより、アクリル系樹脂粕などの粕の発生を抑制でき、電子写真感光体用保護シートに樹脂粕などが混入することを抑制できる。このため、輸送時等に振動が与えられて感光体と感光体用保護シートとが擦れても、感光体に傷をつくことを抑制できる。
アルミニウムイオンの質量割合を上記範囲内とするためには、紙基材の製造時において、硫酸バンドなど、アルミニウムを含有する添加剤の使用量を調整することで達成できる。なお、熱水抽出液に含まれるアルミニウムイオン濃度は、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光)などで測定できる。
アンモニウムイオンの質量割合を上記範囲内とするためには、紙基材の製造時にアンモニアの使用を抑制したり、アンモニアの代わりにアミノアルコール化合物等を中和剤として使用したアクリル系樹脂を用いることで達成できる。なお、熱水抽出液に含まれるアンモニウムイオン濃度は、イオンクロマトグラフィーなどで測定できる。
上記の光の透過率を達成するためには、例えば、電子写真感光体用保護シートの表面を分光濃度計で測定した黒色の分光濃度を0.90以上とすることにより達成できる。
すなわち、本発明の電子写真感光体用保護シートは、黒色の分光濃度が、0.90以上であることが好ましく、1.15以上であることがより好ましく、1.20以上がさらに好ましく、1.30以上であることがさらにより好ましく、1.35以上であることが特に好ましい。電子写真感光体用保護シートの黒色の分光濃度を上記範囲とすることにより、電子写真感光体用保護シートの遮光性を十分に高めることができ、電子写真用感光体の感光特性の性能劣化を防止できる。電子写真感光体用保護シートの黒色の分光濃度を0.90以上とするには、例えば、紙基材に配合するカーボンブラックなどの配合量を調整する等の方法が挙げられる。
本発明の電子写真感光体用保護シートのこわさについては、特に限定するものではないが、JAPAN TAPPI No.40に準拠した方法で測定したこわさは、抄紙方向と平行(縦)方向、抄紙方向と直角(横)方向とも0.20〜2.0mNが好ましい。上記範囲であれば、感光体と重ねあわせる際に折れなどを発生せず、また重ね合わせ作業性も良好となるため好ましい。
アクリル系樹脂が紙基材の片面にのみ有する場合は、アクリル系樹脂の固形分量は、0.05〜10g/m2が好ましく、0.1〜9g/m2がより好ましく、0.15〜7.5g/m2がさらに好ましく、0.25〜5g/m2が最も好ましい。
上述した(b)(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等が挙げられ、これらのうちから少なくとも1種を用いることができる。
アニオン性乳化剤としては、オレイン酸カリウム等の脂肪酸金属塩、ラウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
ノニオン性乳化剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
反応性乳化剤としては、種々の分子量(EO付加モル数の異なる)のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルスルホン酸アンモニウム、ポリエチレングリコールのモノマレイン酸エステルおよびその誘導体、(メタ)アクリロイルポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
サイズプレスパートにおけるサイズプレス処理方法は、ポンド型サイズプレスと転写型サイズプレスに大別することができる。ポンド型サイズプレスは、抄紙されたシート基材が液溜まりの中を通過する方法であり、この方法ではサイズ液が紙基材の内部に浸透しやすくなる。一方、転写型サイズプレスは、ロール表面に形成された塗液膜がシート基材に転写される方法であり、サイズ液は紙基材の表面に留まることができる。本発明では、いずれのサイズプレスの処理方法を採用することができる。
本発明の電子写真感光体用保護シートの紙基材は、パルプを主成分として構成される。紙基材を構成するパルプについては、その製法及び種類等に特に限定はない。例えば、広葉樹及び/又は針葉樹のクラフトパルプ(KP)等の化学パルプ、SGP、RGP、BCTMP及びCTMP等の機械パルプ、脱墨パルプ等の古紙パルプ、ケナフ、竹、藁、麻等の非木材パルプなどが挙げられる。また、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の有機合成繊維、再生繊維、例えばポリノジック繊維並びにガラス繊維、セラミック繊維、カーボン繊維等の無機質繊維も混用することができる。また、ECFパルプ、TCFパルプ等の塩素フリーパルプを用いることもできる。
なかでも広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)と針葉樹クラフトパルプ(NBKP)が好ましく用いられる。その使用比率については特に限定するものではないか、LBLP:NBKPが、質量比で、20:80〜80:20が好ましく、より好ましくは30:70〜70:30の範囲で調整される。 パルプの叩解については、進めることにより電子写真感光体用保護シートがしなやかになり、作業中の折れやシワ入りが防げるが、叩解を進めすぎると湿度変化における寸法安定性が低下する恐れがあるため。このため、パルプの叩解度としては、JIS P 8121−2:2 パルプ −ろ水度試験方法− 第2部:カナダ標準ろ水度法で規定されるカナディアンスタンダードフリーネスで200〜400mlが好ましく、250〜350mlがより好ましい。
カーボンブラックの配合量は、乾燥状態のパルプ固形分の100質量部に対して、1〜20質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましい。カーボンブラックの配合量を上記範囲内とすることにより、紙基材は十分な遮光性に加えて、導電性を備えることができる。更には、感光体の傷付きや汚染等を抑制できる。
本発明では、紙基材には、湿潤紙力増強剤を使用することができる。湿潤紙力増強剤としては、例えばポリアミド樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミド−ポリアミン−エピクロルヒドリン樹脂、ポリエチレンイミン樹脂等が挙げられる。なお、紙基材の抄紙時に、その紙料中に、本発明の所望の効果を損なわない範囲で、従来から使用されている各種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性あるいは両性の歩留向上剤、濾水性向上剤等の各種抄紙用内添助剤を必要に応じて適宜選択して使用することができる。さらに染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等の抄紙用内添助剤も必要に応じて適宜添加することができる。
NBKP(CSFフリーネス330ml)60質量部、LBKP(CSFフリーネス330ml)40質量部のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤(商品名:サイズパインN−111−50、荒川化学工業社製)の50質量%品を2.0質量部、両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)の20質量%品を1.0質量部、カーボンブラック(商品名:OKHA−02、テルナイト社製)の9.5質量%品70質量部を添加して、紙基材用の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙の片面(W面)にアクリル系樹脂(ポリゾールAM−290、ガラス転移温度:−10℃、中和剤としてアミノアルコール類を使用、昭和電工社製)の10.0質量%水溶液をサイズプレス装置で乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるように塗布し、且つ反対面(F面)には水を塗布乾燥した後、スーパーカレンダーによる平滑化処理を施して坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1のカーボンブラック添加量を105質量部とし、それ以外は実施例1と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1のカーボンブラック添加量を140質量部とし、それ以外は実施例1と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1と同様のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤(商品名:サイズパインN−111−50、荒川化学工業社製)の50質量%品を2.0質量部、硫酸バンドの8.0質量%品を1.0質量部(固形分で0.08質量部)、両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)の20質量%品を1.0質量部、カーボンブラック(商品名:OKHA−02、テルナイト社製)の9.5質量%品を70質量部添加して、紙基材用の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙の片面(W面)に実施例1と同様のアクリル系樹脂水溶液をサイズプレス装置で乾燥後の塗布量が2.0g/m2となるように塗布し、且つ反対面(F面)には水を塗布乾燥して坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例4のカーボンブラック添加量を105質量部とし、それ以外は実施例4と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例4のカーボンブラック添加量を140質量部とし、それ以外は実施例4と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例2の硫酸バンド添加量を2.5質量部(固形分で0.20質量部)とし、それ以外は実施例2と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例2の硫酸バンド添加量を3.0質量部(固形分で0.24質量部)とし、それ以外は実施例2と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例2の硫酸バンド添加量を3.9質量部(固形分で0.31質量部)とし、それ以外は実施例2と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1と同様のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤(商品名:サイズパインN−111−50、荒川化学工業社製)の50質量%品を2.0質量部、硫酸バンドの8.0質量%品を3.9質量部(固形分で0.31質量部)、両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)の20質量%品を1.0質量部、カーボンブラック(商品名:OKHA−02、テルナイト社製)の9.5質量%品を70質量部添加して、紙基材用の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙の両面に実施例1と同様のアクリル系樹脂水溶液をサイズプレス装置で乾燥後の塗布量が両面で4.0g/m2となるように塗布乾燥して坪量70.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1で得られた電子写真感光体用保護シートをさらにスーパーカレンダーによる平滑化処理を施して、高平滑とした以外は実施例1と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例10において、サイズプレス装置で塗布するアクリル系樹脂として「XP8807」(商品名)(ガラス転移温度:−23℃、中和剤としてアンモニアを使用、星光PMC社製)の10.0質量%水溶液を、サイズプレス装置で乾燥後の塗布量が4.0g/m2となるように塗布した以外は実施例10と同様にして坪量70.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例4の硫酸バンド添加量を5.0質量部(固形分で0.40質量部)とし、それ以外は実施例4と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例10の硫酸バンド添加量を5.0質量部(固形分で0.40質量部)とし、それ以外は実施例10と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
実施例1と同様のパルプスラリーに、内添サイズ剤としてロジン系サイズ剤(商品名:サイズパインN−111−50、荒川化学工業社製)の50質量%品を2.0質量部、硫酸バンドの8.0質量%品を3.0質量部(固形分で0.24質量部)、両性ポリアクリルアミド系紙力増強剤(商品名:ポリストロン1250、荒川化学工業社製)の20質量%品を1.0質量部、カーボンブラック(商品名:OKHA−02、テルナイト社製)の9.5質量%品を70質量部添加して、紙基材用の紙料を調製した。この紙料を長網抄紙機に供して抄紙し、得られた湿紙を乾燥させ坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
比較例3の硫酸バンド添加量を5.0質量部(固形分で0.40質量部)とし、それ以外は比較例3と同様にして坪量68.0g/m2の電子写真感光体用保護シートを得た。
電子写真感光体用保護シートを、「JIS P 8133:1998 紙、板紙及びパルプ −水抽出液pHの試験方法 6.試料の採取及び試験片の調製」に準拠して試料調製した。調製した試料を「JIS P 8144:1998 紙、板紙及びパルプ −水溶性塩化物の分析方法 9.a抽出操作」に準拠して熱水抽出を行った。抽出液中のアルミニウムイオン濃度を、ICP−OES(誘導結合プラズマ発光分光)によって測定した。
電子写真感光体用保護シートを、「JIS P 8133:1998 紙、板紙及びパルプ −水抽出液pHの試験方法 6.試料の採取及び試験片の調製」に準拠して試料調製した。調製した試料を「JIS P 8144:1998 紙、板紙及びパルプ −水溶性塩化物の分析方法 9.a抽出操作」に準拠して熱水抽出を行った。抽出液中のアンモニウムイオン濃度を、イオンクロマトグラフィーによって測定した。
王研式平滑度計(JAPAN TAPPI No.5−2:2000に準拠)を用いて保護シートの表面平滑度を測定した。
ガーレー剛軟度測定器(JAPAN TAPPI No.40に準拠)を用いて保護シートの抄紙方向に対して平行(縦)方向と直角(横)方向のこわさを測定した。
サイズプレス装置を用い、抄速100m/分の速度で、紙基材を、塗料溜りのある2つのロール間(サイズプレスロール)を通過させて、紙基材にアクリル樹脂を塗布した。1時間操業し、サイズプレスロールに粕付着が見られた場合「有」、見られなかった場合を「無」とした。
電子写真感光体用保護シートを200mm×100mmにカットし、東洋精機製作所製の「サウザランド・ラブテスタ」のサンプル台にW面が上になるように固定した。リコー社製の「感光体ユニット2500」より200mm×50mmの感光体フィルムを採集し、質量が1916gの摺動子に巻きつけた。この摺動子をサウザランド・ラブテスタにセットし、円弧軌道上を一定速度で20往復させ、電子写真感光体用保護シートのW面と感光体フィルムを擦り、下記基準で、感光体の傷付き度合いを目視で評価した。○、△が実用的である。
○: 傷がつかなかった
△: 若干傷がみられた
×: 傷がついた
電子写真感光体用保護シートをリコー社製電子写真プリンター「イプシオ SP C810」の感光ドラムに巻き付け、45℃80%RH環境下に24時間放置し、その後、23℃50%RH環境下に24時間放置した後にプリンターに装填して、画像を出力して、出力画像への影響を評価した。○、△が実用的である。
○:出力画像への影響が見られなかった
△:出力画像への影響が若干見られた
×:出力画像が大きく乱れた
X−Rite 939 0°/45°ポータブル分光測色計(エックスライト社製)を用いて黒色の分光濃度を測定した。
分光光度計V−670ST、日本分光社製を用いて、波長が300〜850nmでの光透過率の最大値を測定した。
アドバンテスト社製 ロレスタ−GPを用いて23℃・50%RHの環境下で、四探針法により電子写真感光体用保護シートのW面側の表面電気抵抗を測定した。
また、実施例1〜6および11と、実施例7〜10および12とを比較すると、硫酸バンドの固形分が、パルプ固形分100質量部に対し0.19〜0.31質量部である実施例7〜10および12は、1.20以上の分光濃度を有し、好ましい遮光性が得られていることがわかる。更には、表面抵抗値が1×108Ω/□以下であり、好ましい表面電気抵抗値が得られていることがわかる。特に、硫酸バンドの固形分が、パルプ固形分100質量部に対し0.21〜0.31質量部である実施例8〜10および12は、1.30以上の分光濃度を有し、表面抵抗値が1×104Ω/□以下であった。
また、実施例1〜10、12と、実施例11とを比較すると、表面平滑度が200秒以下とすることにより感光体の傷つきを効果的に抑制出来た。
また、実施例1〜11と、実施例12とを比較すると、保護シートから抽出されるアンモニウムイオンを300質量ppm以下とすることにより、保護シートと接触させた状態で高温高湿処理を行った後の感光体を用いて印刷しても、出力画像に乱れはなく良好であった。
一方、比較例1、2は、アルミニウムイオンが35質量ppmと多く抽出されていた。また、アクリル系樹脂が凝集した粕が発生し、粕が保護シートにも混入した。粕が混入した保護シートと感光体とが擦り合うことにより傷がついた。
また、比較例3,4はアクリル系樹脂を有していないため、感光体と擦り合わせると傷がついた。
Claims (17)
- 紙基材の少なくとも一方の面にアクリル系樹脂を有する電子写真用感光体保護シートであって、前記電子写真用感光体保護シートを、JIS P 8133 6(1998)に準拠する方法で試料調製し、JIS P 8144 9a(1998)に準拠する方法で熱水抽出して抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が15質量ppm以下である電子写真感光体用保護シート。
- 前記熱水抽出により抽出されるアルミニウムイオンの質量割合が10質量ppm以下である請求項1記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、硫酸バンド固形量を0.06〜0.33質量部含有する請求項1または2記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、硫酸バンド固形量を0.19〜0.31質量部含有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記アクリル系樹脂の固形分量は、0.1〜20g/m2である請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記熱水抽出により抽出されるアンモニウムイオンの質量割合が300質量ppm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記熱水抽出により抽出されるアンモニウムイオンの質量割合が200質量ppm以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記紙基材は、導電填料を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記導電填料は、カーボンブラックである請求項8に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記紙基材は、パルプ固形分の100質量部に対し、前記カーボンブラックを1〜20質量部含有する請求項9に記載の電子写真感光体用保護シート。
- JIS K 7194(1994)に準拠する方法による表面電気抵抗が1×108Ω/□以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記電子写真感光体用保護シート表面の黒色の分光濃度が0.90以上である請求項1〜11のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記保護シートの波長300〜850nmの領域における光透過率が0.05%以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記電子写真感光体用保護シートのJAPAN TAPPI No.5−2:2000に準拠した方法で測定した表面平滑度が、200秒以下である請求項1〜13のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記電子写真感光体用保護シートは、積層されるシート状電子写真感光体の合紙として使用される請求項1〜14のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記紙基材の片方の面のみにアクリル系樹脂を有する請求項1〜15のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
- 前記電子写真感光体用保護シートは、抄紙機のサイズプレスパートにて、前記アクリル系樹脂を前記紙基材に塗布して得られたものである請求項1〜16のいずれか1項に記載の電子写真感光体用保護シート。
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