JP2019127671A - 黒色多層紙 - Google Patents
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<黒色多層紙>
当該黒色多層紙は、木材パルプを主成分とし、少なくとも表層及び裏層を備える。また、当該黒色多層紙は、上記表層と上記裏層との間に単層又は複数の中層を備えることが好ましい。なお、主成分とは、質量基準で最も含有量の多い成分をいう。
当該黒色多層紙の各層に用いるパルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)に代表される木材漂白化学パルプ、及び古紙パルプを主に使用できる。古紙パルプとしては、例えば段ボール古紙、茶古紙、クラフト封筒古紙、雑誌古紙、新聞古紙、チラシ古紙、オフィス古紙、上白古紙、ケント古紙、構造古紙、地券古紙等から製造される離解古紙パルプ、離解・脱墨古紙パルプ、脱墨・漂白古紙パルプ等を用いることができる。また、必要に応じて、砕木パルプ(GP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、晒ケミサーモメカニカルパルプ(BCTMP)等の機械パルプを用いてもよい。
上記パルプ繊維としては、2種以上混合して使用してもよいが、1種類のパルプ繊維を用いることがより好ましい。
本件発明者等が見出した知見では、表層及び裏層に用いるパルプとしては、漂白処理された針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを組み合わせて用いることが好ましく、より好ましくは、針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフトパルプを5:95から15:85の割合で配合することで、カーボンブラック含有による均質なムラの無い黒色を得られるとともに、箔押し印刷における表面性と表面強度を保持することができる。
当該黒色多層紙において好適に用いられる黒色顔料としては、カーボンブラックを用いる。カーボンブラックは安価であり、カーボンブラック凝集体を用いることで、黒の色調を醸し出すことができる。カーボンブラック凝集体は、製造方法、原料油の噴霧径や温度分布、反応時間分布の調整による粒子径の違いと、製造炉内において柔らかい状態の粒子と粒子が音速に近いスピードで衝突し融着した後、熱処理を受けて炭素化して得られ、所謂カーボンストラクチャーの発達度合いにより取捨選択出来る。
なお、本件発明におけるカーボンブラック凝集体の粒子径は、光散乱法粒子径分布測定機(HORIBA社製、商品名:LB−550)で測定したものである。
上記表層及び裏層は、黒色、青色又はこれらの組み合わせのアニオン性直接染料をさらに含有することが好ましい。黒色顔料としてカーボンブラック凝集体を含有させることで、黒色の色堅牢度や耐色性を抑えることが可能ながら、カーボンブラック凝集体はあくまで原料パルプ繊維に物理的にまばらに付着しているに過ぎない。従って、上記表層及び裏層が、カーボンブラック凝集体に加えてアニオン性直接染料をさらに含有することにより、当該黒色多層紙は、低い導電性を確保しながら、美粧性を向上できる。
(硫酸バンド)
本発明の場合、カーボンブラックや直接染料のパルプ繊維への定着効果をより上げるために、硫酸バンドを添加することができる。その添加率としては、対パルプ固形分で2〜10質量部添加とすることが好ましいが、適宜調整することができる。
(サイズ剤)
当該黒色多層紙は、紙力向上のために、各層にサイズ剤を添加することが好ましい。サイズ剤としては、スチレン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、中性ロジンサイズ剤、ロジンサイズ剤などが挙げられる。これらの中でもロジンサイズ剤が好ましい。
当該黒色多層紙は、各層に顔料定着剤を含有することが好ましい。
顔料定着剤としては、一般に、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドのポリマー、N−ビニルイミダゾールのポリマー、N−ビニルイミダゾリンのポリマー、ビニルアミン単位を含有するコポリマー及びアクリルアミドとジアルキルアミノアルキルアクリレート及び/又はジアルキルアミノアルキルメタクリレートのコポリマー等のカチオンポリマーが使用される。しかしながら、カチオンポリマーを過剰に黒色多層紙中に含有させることは、光沢性を低下させるおそれがある。そのため、発明者等は、顔料定着剤の種類及び添加方法について黒色顔料と染料を下記の順序で添加し、検討を行った。
顔料定着剤→カーボンブラック凝集体→染料→顔料定着剤(条件により、添加せず)→硫酸バンド→抄紙
上記検討結果により、顔料定着剤として、濾水性及び歩留向上剤として一般に用いられているポリアミン系のポリアミドアミン(例えばアークロマジャパン製:カルタレチンF)、ポリアミンジシアン重合体水分散体(例えば大和化学工業製:ダイフィックスD−10)が好ましく、ポリアミンジシアン重合体水分散体がより好ましいことを知見した。さらに、顔料定着剤として、硫酸バンドを併用するとより好ましい。
当該黒色多層紙は、各層に紙力増強剤サイズ剤を添加することが好ましい。紙力増強剤を添加することで、それぞれの層にパッケージや台紙、値札等に用いるのに適切な諸強度と、好適にオフセット印刷が可能となるよう各種紙力を付与することが可能となる。
本発明においては、表層、中層、裏層の各層からなる黒色多層紙に、本発明の目的とする効果を損ねない範囲で各種製紙用添加剤を含有させてもよい。例えば、歩留まり向上剤、顔料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤などの公知の添加剤を単独又は2種以上を併用して添加することができる。
当該黒色多層紙は、表層及び裏層の表面に、ワックス系サイズ剤並びにポリビニルアルコール及び/又はカルボキシル変性ポリビニルアルコールを含有する塗工膜を有することが好ましい。当該黒色多層紙が塗工膜を有することにより、黒色多層紙表面に良好な撥水性及び耐水性を付与し、箔押し印刷の適性を向上することができ、箔押し印刷の長時間の品質保持が可能となる。
pHは、JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙は、少なくとも表層及び裏層に黒色顔料を比較的多量に含有させる必要があるため、抄紙原料中に添加する黒色顔料、黒色直接染料等の着色剤を効率よくパルプに定着させることが求められる。当該黒色多層紙は、pHが6以上8以下であることで、黒色直接染料と黒色顔料を効率よくパルプに定着させることができる。また、酸やアルカリによる箔の転写阻害を抑制することができる。
残留塩素イオン濃度は、JIS−K0101(1998)に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙の残留塩素イオン濃度の上限としては100ppmが好ましく、90ppmがより好ましい。一方、上記残留塩素イオン濃度の上限が上記範囲であることで、黒色多層紙中の塩素イオンによる箔の転写阻害を抑制することができる。塩素イオンは原料パルプ製造工程における漂白処理や所謂白水と呼ばれる製紙工程での循環水に起因して原料パルプ中に内在することから、当該黒色多層紙の残留塩素イオン濃度を減らす手段としては、抄紙工程で用いる白水を塩素含有量が少ない清水に置き換えたり、抄紙工程で塩素根を有する薬剤を極力使用しないことや、抄紙工程での圧縮及び脱水効率を向上させる手段等を用いることができる。
L*値は、JIS−P8150(2004)に準拠して測定される値である。L値は明るさの程度を表し値が大きいと明るいことを表す。当該黒色多層紙は、表層表面及び裏層表面のL*値の上限としては、27.0が好ましく、25.0以下がより好ましい。表層表面及び裏層表面のL*値が上記範囲であることで、漆黒の黒色性を向上できる。
ベック平滑度は、JIS−P8119(1999)に準拠して測定される値である。ベック平滑度は、比較的広い面におけるマクロ的な平滑性の指標となるものである。当該黒色多層紙においては、ベック平滑度により表面のいわゆるうねり性を評価できる。
当該黒色多層紙の75度鏡面光沢度は、JIS−P8142(2005)に準拠して測定される値である。75度鏡面光沢度は、当該黒色多層紙の光沢性を評価するものである。
表面強さは、JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.1のワックスによる表面強さ試験方法に準拠して測定される値である。当該黒色多層紙の上記表層及び裏層の表面強さとしては、6A以上8A以下が好ましい。上記表面強さが上記範囲であることで、黒色多層紙表面への印刷時の紙ムケやカーボンブラック凝集体の脱落が生じ難く、箔押し印刷における不用意な箔の脱落が生じないという効果を有する。
当該黒色多層紙の表面電気抵抗値は、単位面積当たりの抵抗であり、JIS−K7194(1994)に準拠して四探針法により測定した値である。
坪量は、JIS−P8124(2011)に準拠して測定される。当該黒色多層紙の各層の坪量は均等である必要はなく、表層、裏層、中層の坪量は、特に限定されるものではないが、表層及び裏層の坪量の下限としては、30g/m2が好ましく、40g/m2がより好ましい。表層及び裏層の坪量の上限としては、60g/m2が好ましく、50g/m2がより好ましい。表層及び裏層の坪量が上記範囲であることで、カーボンブラック凝集体を含有する紙層の地合いムラが抑えられ、紙器用途における加工を施しても罫割れが生じにくくなる。また、中層の坪量の下限としては、複数の中層構成としても200g/m2が好ましく、210g/m2がより好ましい。中層の坪量の上限としては、400g/m2が好ましく、380g/m2がより好ましい。中層を複数の層構成で形成する場合、表層や裏層に抄き合わされる表下層、裏下層として、60g/m2から90g/m2の単層からなる組合せが好適であり、中層の坪量が上記範囲であること、複数層の組合せから成ることで、黒色多層板紙の強靭性を得ることができ、加工適性が向上する。
紙厚は、JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定される。当該黒色多層紙の紙厚の下限としては、125μmが好ましく、130μmがより好ましい。上記紙厚の上限としては、650μmが好ましく、645μmがより好ましい。当該黒色多層紙の紙厚が上記範囲であることで、美麗な漆黒の黒色性及び高級感を有し、特にホットスタンプや箔押し印刷の箔の美粧性を有する、広い用途の黒色多層紙を提供することができる。
コブサイズ度は、JIS−P8140(1998)に準拠して測定(計測時間10秒)される。当該黒色多層紙のコブサイズ度の下限としては、15g/m2が好ましく、17g/m2がより好ましい。当該黒色多層紙のコブサイズ度が上記下限未満である場合、当該黒色多層紙に対してフレキソやオフセット印刷を行った場合、インクの乾燥性が低下し、印刷汚れやコスレ汚れが生じるおそれが生じると共に、紙器等への加工時に貼合不良を招くおそれがある。一方、当該黒色多層紙のコブサイズ度の上限としては、50g/m2が好ましく、48g/m2がより好ましい。当該黒色多層紙のコブサイズ度が上記上限以上の場合、当該黒色多層紙が吸湿により波うちやシワの発生を招いたり、箔押し印刷において箔の脱落が生じるおそれがある。
表面強さは、J.TAPPI 紙パルプ試験方法No.1 m−72による「表面強さ試験方法」に準拠して測定される。当該黒色多層紙の表面強さの下限としては、6Aが好ましい。上記表面強さの上限としては、8Aが好ましい。当該黒色多層紙の表面強さが上記範囲であることで、表層及び裏層の脱落や搬送、加工段階での耐擦傷性を向上できる。
(1)パルプ繊維を水に分散させて得たスラリーに、各紙層に対応した添加剤を必要に応じ添加して混合し、各紙層の紙料を調製する。
上記(1)の工程の際、染料及び顔料の添加は、各種添加剤の前に行うことが好ましい。具体的には、(イ)染料(及び必要に応じて顔料定着剤)、(ロ)顔料(及び必要に応じて顔料定着剤)、(ハ)添加剤の順に添加することが好ましい。また、上記(イ)及び/又は(ロ)において染料及び/又は顔料の全量の添加を行うのではなく、染料及び/又は顔料の大部分を上記(イ)及び/又は(ロ)にて添加する一方、(ハ)の後に、色の調整のために微量の染料及び/又は顔料を添加する(補色を行う)ことが好ましい。特に顔料の大部分を上記(ロ)にて添加し、(ハ)の後に、顔料で色を調整することが最も好ましい。
抄紙方法は特に限定されるものではなく、公知の抄紙機、すなわち長網、円網、ハイブリッドフォーマー、ギャップフォーマー等の抄紙機を使用し、3層以上の多層で抄紙される。抄紙工程では、サイズプレス、メタリングサイズプレス、ゲートロールコーターなどの塗工装置等を使用して、表層及び裏層の表面に塗工液を塗工して塗工膜を形成することができる。
乾燥後には、ニップキャレンダー、スーパーキャレンダー、マシンキャレンダー、ソフトキャレンダー等のキャレンダー装置を用いて平滑化処理を行なってもよい。平滑化処理を行うことにより、黒色多層紙に高い光沢度が付与されて高級感を有するパッケージ、包装紙、値札等に好適に用いることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、上記態様の他、種々の変更、改良を施した態様で実施することができる。
[坪量(g/m2)]
JIS−P8142(1998)に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した。
JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
JIS−P8118(2014)に記載の「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に準拠して測定した。
JIS−P8150(2004)に記載の「紙及び板紙の色の測定方法」に準拠し、日本電色社製色差計PF−10にて、紫外光を含む光源にて色相(L*値、a*値、b*値)を測定した。
JIS−P8119(1998)に記載の「ベック平滑度の測定方法」に準拠して測定した。
JIS−P8140(1998)に準拠して測定した。なお、本発明でいうコブサイズ度は、箔押し印刷を設ける側の表層又は裏層の面に水を10秒間接触させて測定した値である。
JAPAN TAPPI No.1のワックスによる表面強さ試験方法に準拠して測定した。
表面電気抵抗値は、JIS−K7194(1994)に準拠して四探針法により測定した。四探針法とは、試料に4本の針状の電極を直線状に置き、外側の2探針間に生じる電位差を測定し抵抗を求めるものである。四探針法における測定装置としては、低抵抗率計(三菱アナリテック社製ロレスタGP MCP−T610)を用いた。
得られた黒色多層紙をJIS−P8220−1(2012)のパルプの離解方法に準拠して離解することによって離解パルプとし、この離解パルプをJIS−P8121−2(2012)のカナダ標準ろ水度試験方法に準拠して測定した。
(1)フリーネス380mLのLBKP:NBKPの100部のパルプスラリー中に、以下の原料を添加した。
(表層及び裏層)
硫酸バンドとしての硫酸アルミニウム(住友化学工業):
固形分で7.5質量部/パルプ100質量部
顔料定着剤としてのポリアミンジシアン重合体水分散体(大和化学工業社の「ダイフィックスD−10」):6.0質量部(有り姿)/パルプ100質量部
ロジン系サイズ剤(荒川化学工業社の「サイズパインE」):
固形分で0.9質量部/パルプ100質量部
アクリルアミド系紙力増強剤(ハリマ化成社の「RB−28」):
固形分で0.4質量部/パルプ100質量部
カーボンブラック:10.0質量部/パルプ100質量部
アニオン性黒色直接染料としてアークロマジャパン製「CartaBlackBFN」:7.0質量部/パルプ100質量部
(中層)
カーボンブラック:6.0質量部/100質量部
(2)このパルプスラリーをワイヤーパートが長網抄紙機を用いて抄紙した。また、表層及び裏層の表面に、以下の塗工量となるようにポリビニルアルコール及びパラフィンワックスを含有する塗工液を塗工して塗工膜を形成し、実施例1の黒色多層紙を得た。
ポリビニルアルコール:2.0g/m2
パラフィンワックス:0.6g/m2
坪量:450g/m2
紙厚:560μm
密度:(表層)75g/cm3
(中層)300g/cm3
(裏層)75g/cm3
L*値:26.44、a*値:−0.07、b*値:−0.29
コブサイズ度:表面45g/m2、裏面45g/m2
表面強さ:表面7A、裏面7A
ベック平滑度:表面74秒、裏面72秒
75度鏡面光沢度:34
pH:7.2
残留塩素イオン濃度:64.1ppm
表面電気抵抗値:6.72×106(Ω/□)
原料の種類、含有量及び物性値を表1、表2及び表3に示すとおりとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜32及び比較例1〜3の黒色多層紙を得た。なお、以下の表1及び表2中の「−」は、該当する成分を用いなかったことを示す。また、比較例3は、塗工層中に塩化ナトリウムを含有する。
得られた各黒色多層紙に対して、下記方法にて評価した。評価結果を表4に示す。
(貼合性:箔の転写阻害)
試験方法は、以下の通り実施した。
(1)最外層にホットメルト接着剤のような感熱性の接着剤を薄く塗布しているアルミ蒸着を施したメタリックホイールをホットスタンピング法にて本件発明に係る黒色多層紙に箔押し印刷し試験片を得る。
(2)試験片を常温の蒸留水に1時間浸漬し、風乾した。
(3)試験片を可変恒湿機(40℃×90%×24時間)に入れる。
(4)試験終了後、各実施例及び比較例の黒色多層紙箔の転写阻害(変色)を評価した。
評価基準は以下のとおりとした。
◎:表面に箔の転写阻害は一切見受けられなかった。
○:表面にわずかに箔の転写阻害が見られるが、使用には差し支えのない範囲と判断される。
△:表面に箔の転写阻害がやや多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
×:表面に箔の転写阻害が多く、使用には差し支えがある範囲と判断される。
成人男女20名により官能評価を行った。
◎:黒色多層紙表面の異物、紙粉等の汚損が全く見受けられず、高級感を備える。
○:汚損がわずかにあるが美粧性の毀損は少なく、高級感を備え、実用可能なレベルである。
×:汚損があり美粧性に劣り実用不可である。
各実施例及び比較例で得られた黒色多層抄き板紙の表面を、下記の基準に基づき目視で判定した。
評価基準は以下のとおりとした。
◎:色ムラが殆どなく良好であり、漆黒の黒色性を備える。
○:色ムラがわずかにあるが、漆黒の黒色性を備え、実用可能なレベルである。
×:色ムラがあり実用不可である。
Claims (5)
- 木材パルプを主成分とし、
少なくとも表層及び裏層を備え、
上記表層及び裏層が黒色顔料としてカーボンブラック凝集体を含有し、
上記表層及び裏層における上記カーボンブラックの含有量が、上記パルプ100質量部に対して5質量部以上15質量部以下であり、
JIS−K7194(1994)に準拠して測定される表面電気抵抗値が、20℃及び10%RHの雰囲気下で1×103Ω/□以上1×108/□以下であり、
JAPAN.TAPPI紙パルプ試験方法No.49:2000に準拠して測定されるpHが6以上8以下であり、
JIS−K0101(1998)に準拠して測定される残留塩素イオン濃度が100ppm以下である黒色多層紙。 - 上記表層及び裏層が、黒色、青色又はこれらの組み合わせのアニオン性直接染料をさらに含有し、
上記アニオン性直接染料の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上10質量部以下である請求項1に記載の黒色多層紙。 - 上記表層及び裏層が、
顔料定着剤としてのポリアミンジシアン重合体水分散体と、ロジン系サイズ剤と、アクリルアミド系紙力増強剤とを含有し、
上記ポリアミンジシアン重合体水分散体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下であり、
上記ロジン系サイズ剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.3質量部以上1.5質量部以下であり、
上記アクリルアミド系紙力増強剤の含有量が、上記パルプ100質量部に対して固形分で0.2質量部以上0.6質量部以下である請求項1又は請求項2に記載の黒色多層紙。 - 上記表層及び裏層の表面に、パラフィンワックス及びポリビニルアルコールを含有する塗工膜を有する請求項1、請求項2又は請求項3に記載の黒色多層紙。
- 上記表層と上記裏層との間に単層又は複数の中層を備え、
上記中層が上記カーボンブラック凝集体を含有し、
上記中層における上記カーボンブラック凝集体の含有量が、上記パルプ100質量部に対して4質量部以上8質量部以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の黒色多層紙。
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