JPWO2007129400A1 - 電子写真用紙 - Google Patents

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Abstract

本発明の電子写真用紙は、アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比が3:1〜5:1の範囲のアクリル系ポリマーによって覆われた繊維で形成されており、前記アクリル系ポリマーの含有割合は乾燥パルプに対しアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲であることを特徴とする。本発明によれば、たるみ等の特性を維持しながら、ベック平滑度が50秒以上であり、ステキヒト・サイズ度が20以上であり、また、地合い係数が80以上のカラー印刷特性に優れた電子写真用紙が得られる。

Description

本発明は、高い平滑度を備えることにより良好なトナーインク転写性を有すると共に、地合い及びサイズ度が向上した多色電子写真、レーザー多色印刷に適した電子写真用紙に関する。
近年、トナーインク転写技術の発達により、多色電子写真及びレーザー多色印刷用紙に対する要求が高まってきている。このような電子写真用紙は高平滑な用紙が高いトナーインク転写性を有していることから多く使用されているが、電子写真用紙として必要な要件は、高い平滑度を備えていることだけでなく、用紙へのトナー転写に悪影響を及ぼす波打ちがないことである。
高い平滑度の用紙を得るためには、高ニップ圧のカレンダー処理をすることが従前より行われている。しかしながら、高ニップ圧のカレンダー処理を行うことにより、用紙の密度が大きくなって紙が薄くなり、いわゆる波打ちを起こしやすくなる。このような波打ちのある用紙は、電子写真法及びレーザー印刷法のどちらにも適さない用紙となってしまう。
一方、下記特許文献1〜3には、原紙に顔料、樹脂等を塗布することにより平滑な紙表面を得る方法が記載されている。このうち、下記特許文献1に記載の方法は、原紙の少なくとも片面上にクリヤーサイズ樹脂を所定量塗布するものである。また、下記特許文献2に記載の方法は、紙基材の膨張量と塗被紙の密度の比を一定範囲とした状態でスーパーカレンダー処理を施している。更に、下記特許文献3記載の方法は、基材の両面に顔料と接着剤を主成分とする塗被層を一定の加熱温度で設けるものである。これらはいずれも、原紙の少なくとも片面に顔料又は樹脂を塗布することによって、平滑な紙表面を得るものであり、その塗布はオフマシン・コーターもしくは表面サイズコーティングによって行っている。
用紙の平滑度を上げる他の方法として、下記特許文献4には、紙の表面に水塗工を施して加熱状の金属ロールに接触させた後、別の加熱状の金属ロールと弾性ロールとによってニップすることが記載されている。また、下記特許文献5には、原紙とプラスチックフィルムとを熱ローラを通過させることにより接着することが記載されている。これらの加工方法を採用する場合には、従来の抄紙機の仕様を変更することが必要となるものである。更に、下記特許文献6には、部分的なマーセル化パルプを30〜70%用いた平滑な紙表面を有する用紙が記載されている。
特開平9−21092号公報(特許請求の範囲) 特開平11−174713号公報(段落[0014]〜[0016]) 特開2000−66437号公報(段落[0013]〜[0019]) 特開平6−257093号公報(特許請求の範囲) 特開平11−2914号公報(特許請求の範囲) 特開平7−189168号公報(特許請求の範囲)
上述した従来の方法では、原紙の表面に顔料や樹脂を塗布したり、加熱ロールを通過させることにより高平滑度で地合いのよい紙が作製されている。しかしながら、電子写真用紙では、表面に顔料や樹脂を一定量以上塗工することはトナーの定着、カール、重送といったトラブルが発生したり、製造上の効率の低下、コストアップに繋がることになるので、ほとんど繊維だけで層になるようにして形成されている。従って、上述のような方法では高平滑度で地合いのよい電子写真用紙は作製できない。
本願の発明者等は、上述のような従来技術の問題点を解決すべく、電子写真用紙の平滑度が高く、地合いやサイズ度(ステキヒトサイズ度)を向上させることができる方法につき種々検討を重ねた結果、従来から表面サイズ剤として用いられているポリアクリル酸ナトリウムに換えて部分的に中和されたアクリル系ポリマーを使用すると、地合い及びサイズ度が向上すると共にベック平滑度が向上し、特にカラー電子写真用紙として最適な複写紙が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は、高い平滑度を備えることにより良好なトナーインク転写性を有すると共に、地合い及びサイズ度が向上した電子写真用紙を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願発明の電子写真用紙は、アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比が3:1〜5:1の範囲のアクリル系ポリマーによって覆われた繊維で形成されており、前記アクリル系ポリマーの含有割合は乾燥パルプに対しアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲であることを特徴とする。
すなわち、本発明の電子写真用紙は、アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比が3:1〜5:1の範囲であるアクリル系ポリマーによって覆われたパルプから製造されたものである。なお、本発明におけるアクリル基換算は以下のように定義される。すなわち、アクリル系ポリマーの分子量は水酸化ナトリウムによる中和度やコポリマーの分子量によっても変化するため、アクリル系ポリマーの添加量とアクリル基の活性度が比例しない場合が生じる。例えば、ポリアクリル酸は、下記化学構造式で表されるが、このうちアクリル基の基本構造単位(−CCOO−)の数は、例えばアクリル系ポリマーがアクリル酸ポリマーであってもその中和物ないしは部分中和物であっても変化しない。係る点はアクリル系ポリマーがアクリルコポリマーの場合においても同様である。
Figure 2007129400
そこで、本発明ではアクリル系ポリマー中に含まれるアクリル基の基本構造単位(−CCOO−)に対応する換算値を「アクリル基換算」値として使用したものである。この場合、アクリル系ポリマー中に含まれているアクリル基の基本構造単位(−CCOO−)の量は、カルボキシル基の量に比例するから、アルカリ滴定ないし酸滴定によって容易に求めることができる。
なお、アクリル系ポリマーとしては、各種実験例で使用したアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーはもとより、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマーなどのコポリマー、及び、アクリル酸ポリマーなどを選択することができ、またこれらのポリマーやコポリマーを混合してもよい。
本発明においては、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーは、水酸化ナトリウムとの反応によって部分的に中和された部分中和物として用いられる。すなわち、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーに対し、水酸化ナトリウムを当量用いるものではなく、完全な中和に達することのないように当量よりも少ない量の水酸化ナトリウムを用いるものである。
すなわち、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーと水酸化ナトリウムとの反応では、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーにおけるカルボキシル基の水素全てがナトリウムと置き換わることできるが、全ての水素が完全にナトリウムに置き換わるまで中和を行うものではなく、その内の一部の水素がナトリウムと置き換わるようにする。例えば、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマー中の連鎖におけるカルボキシル基の水素の1/3〜1/5が水酸化ナトリウムからのナトリウムに置換されるものである。
すなわち、本発明における前記アクリル系ポリマーは、アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比が3:1〜5:1の範囲で部分中和されていることが必要である。このようなモル比では、20〜33%程度の中和度となる。モル比が3:1未満の場合、すなわち水酸化ナトリウムが相対的に多く用いられた場合には、得られた化合物が繊維表面を被覆することに貢献するため、繊維が抄紙機のワイヤ上を容易に移動し、繊維の分散を均一化するので、高平滑度で地合いの良好な紙が得られるが、サイズ度は低くなる。一方、モル比が5:1を越える場合、すなわち水酸化ナトリウムが相対的に少ない場合には、得られた化合物が繊維表面を被覆する割合が少なくなり、地合いは悪くなって平滑度も低下するが、サイズ度は向上する。
なお、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーと水酸化ナトリウムとの部分中和反応はパルプ原料である繊維にこれらを添加して混合することにより、繊維との混合と同時に行うことができる。この混合により、繊維がポリアクリル酸又はアクリルコポリマーと水酸化ナトリウムとの部分中和物によって覆われる。その後の工程は通常の紙の製造工程と同様にして行われる。
以上のように本発明の電子写真用紙は、ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーと水酸化ナトリウムとの部分中和物によって繊維が覆われることにより、繊維が均一に分散する特性を備えたものとなる。このため、その後の工程における抄紙機工程の際に、繊維が抄紙機のワイヤ上を容易に移動することができ、繊維の分散性が向上する。そして、このように繊維が均一に分散することにより、地合いが更によくなり、紙面も平坦になる。以上のような良好な繊維分散によって地合いが向上し、繊維表面の化合物によって通常のカレンダー圧であっても平滑度も向上する。
また、本発明の電子写真用紙においては、前記ポリアクリル酸又はアクリルコポリマーの水酸化ナトリウムによる部分中和物の含有割合は、乾燥パルプの繊維に対し乾燥パルプに対しアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲であることが必要である。紙の製造の際において、薬品添加量はサイズ度(ステキヒト・サイズ度)に影響するため、制限がある。薬品添加量が多いほど、地合いと平滑度は高まるが、サイズ度は下がってしまう。本発明の電子写真用紙では、乾燥パルプに対してアクリル基換算で0.025質量%以上であればベック平滑度が50秒を超えるという良好な結果になるが、乾燥パルプに対してアクリル基換算で0.125質量%を越える場合にはサイズ度が下がってしまう。
また、本発明の電子写真用紙は、上記電子写真用紙の発明において、ベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする。
また、本発明の電子写真用紙は、上記電子写真用紙の発明において、ステキヒト・サイズ度が20以上であることを特徴とする。
本発明は以上のような構成を備えることにより、以下の実施例及び比較例で詳細に述べるような高い平滑度を有し、同時に用紙としての地合いやサイズ度も向上した多色カラー電子写真印刷用に最適な電子写真用紙が得られる。
各実施例及び比較例における測定結果を表したグラフであり、図1Aはベック平滑度、図1Bは地合い係数、図1Cはステキヒト・サイズ度の結果を表す。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、以下に述べる実施例は本発明をこれに限定することを意図するものではなく、本発明は特許請求の範囲に示した技術思想を逸脱することなく種々の変更を行ったものにも均しく適用し得るものである。最初に、実施例及び比較例で採用したステキヒト・サイズ度、地合い係数、及びベック平滑度について説明する。
[ステキヒト・サイズ度]
ステキヒト・サイズ度は、Tappi UM429番に基づいて試験を行った。電子写真用紙の坪量が70g/mの用紙に対して、ステキヒトが30を超えると良好なサイズ度となり、20〜30の間で許容範囲となり、ステキヒトが20未満であると低いサイズ度となる。
[地合い係数]
地合い係数は、カヤニー社製フォーメーションアナライザーを使用して求めた。電子写真用紙の坪量が70g/mの用紙に対して、地合い係数が90を超えると非常に良好な地合いが得られ、80から90の間で許容範囲の地合いとなり、80未満のときは地合いは悪くなる。
[べック平滑度]
ベック平滑度は、Tappi T 479 cm−99による測定方法に従って求めた。ベック平滑度が80秒を超えると多色レーザー印刷結果は最も高い解像度を示し、50〜80秒の間で多色レーザー印刷結果は許容範囲の高い解像度を示し、50秒未満のときは多色レーザー印刷結果は低い解像度を示す。
得られた用紙は、商品名「Xerox Docu color 2060」及び「Xerox Docu color 6060」2種類の多色レーザー印刷機を用いて印刷テストした。結果を、○=良好、△=普通、×=悪い、の3段階で表した。
実施例1では、アクリル系ポリマーとして市販のアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーを使用した。また、パルプの配合はLBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)90%、及び、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)10%とした。0.025質量%のアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.035質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料(乾燥パルプ質量換算。以下同じ。)に添加した。この場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。その後、紙料を400CSF(Canadian Standard Freeness )まで叩解した。填料として、炭酸カルシウムを無水ベースで15質量%となるように添加した。また、カチオン化デンプンを0.9質量%、表面サイズ剤を0.3質量%、アルキルケテンダイマーAKDを1.3質量%、及びカチオン化歩留まり向上剤としてのポリアクリルアマイドを300ppm%添加した。こうして得られた混合原料を通常の長網抄紙機のワイヤ上に塗布し、シリンダー乾燥機で乾燥させた。その後、酵素により転換された生デンプンを8質量%の含有量でサイズプレスコーティングにより塗布して電子写真用紙を製造した。得られた電子写真用紙は坪量は70g/mであり、ベック平滑度は52秒、地合い係数85及びステキヒト・サイズ度は25であった。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果及び総合特性ともに良好な特性を備えていることが確認された。
実施例2では、0.05質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.070質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加した以外は全て実施例1の場合と同様にして坪量70g/mの電子写真用紙を製造した。この場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。得られた電子写真用紙は、ベック平滑度は76秒、地合い係数90及びステキヒト・サイズ度は24であった。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果及び総合特性ともに良好な特性を備えていることが確認された。
実施例3では、0.075質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.105質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加した以外は実施例1の場合と同様にして坪量70g/mの電子写真用紙を製造した。この場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。得られた電子写真用紙は、ベック平滑度は85秒、地合い係数94及びステキヒト・サイズ度は28であった。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果及び総合特性ともに良好な特性を備えていることが確認された。
実施例4においては、0.100質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.139質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加した以外は実施例1の場合と同様にして坪量70g/mの電子写真用紙を製造した。この場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーの全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。得られた電子写真用紙のベック平滑度は92秒、地合い係数は97及びステキヒト・サイズ度は22であった。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果及び総合特性ともに良好な特性を備えていることが確認された。
実施例5においては、0.125質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.174質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加した以外は実施例1の場合と同様にして坪量70g/mの電子写真用紙を製造した。この場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。得られた電子写真用紙は70g/mであり、ベック平滑度は95秒、地合い係数100及びステキヒト・サイズ度は20であった。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果及び総合特性ともに良好な特性を備えていることが確認された。
[比較例1及び2]
比較例1では0.010質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.014質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加し、比較例2では0.150質量%の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと0.201質量%の水酸化ナトリウムをパルプ紙料に添加した以外は実施例1の場合と同様にして坪量70g/mの電子写真用紙を製造した。この場合、両者ともにアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1となる。得られた電子写真用紙は、ベック平滑度は40秒(比較例1)及び102秒(比較例2)、地合い係数は70(比較例1)及び105(比較例2)、ステキヒト・サイズ度は25(比較例1)及び5(比較例2)となっていた。得られた電子写真用紙は、プリント試験結果は両者とも普通であったが、総合特性は比較例1のものは普通であり、比較例2のものは劣るという結果が得られた。
ここで、上記実施例1〜5及び比較例1、2の組成及び測定結果をまとめて表1に示すとともに、測定結果を図1にも示した。
Figure 2007129400
この表1に示した結果によれば、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数:水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数=4:1の場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー含有量がアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲内であれば、ベック平滑度が50秒以上、地合い係数80以上かつステキヒト・サイズ度20以上という所望のカラー複写特性を満たすことが分かる。アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー含有量が0.025質量%未満であるとベック平滑度が50秒以下となり、また、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー含有量が0.125質量%を超えるとステキヒト・サイズ度が20未満となり、いずれもカラープリント試験結果及び総合特性が低下する。
[実施例6〜11、比較例3〜11]
次に、アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比を変化させた場合のカラープリント試験結果を調べた。実施例6〜11及び比較例10においては、それぞれ表2及び表3に示した割合の実施例1と同じアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比となるように、水酸化ナトリウム溶液をそれぞれ表2及び表3に示した割合で添加した以外は実施例1の場合と同様にして電子写真用紙を製造し、坪量70g/mの実施例6〜11及び比較例3〜10の試料を得た。また、比較例11の試料については、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー及び水酸化ナトリウムを添加しない以外は実施例1の場合と同様にして電子写真用紙を製造し、坪量70g/mの比較例11の試料を得た。
上記実施例6〜11、比較例3〜11の結果のうち、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が3:1である実施例6〜8及び比較例3の組成及び結果を表2に、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が5:1である実施例9〜11及び比較例4の組成及び結果を表3に、また、その他の場合の比較例5〜11の組成及び結果を表4に、それぞれまとめて示した。更に、実施例6〜11、比較例3〜11の測定結果を実施例1〜5及び比較例1、2の測定結果とまとめてアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーと水酸化ナトリウムの比毎に整理して図1に示した。
Figure 2007129400
Figure 2007129400
Figure 2007129400
表2に示した結果から以下のことがわかる。すなわち、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が3:1の場合、アクリルコポリマー添加量が0.010質量%の場合は、ステキヒト・サイズ度は良好であるが、ベック平滑度及び地合い係数が劣り、プリント試験結果及び総合特性が劣る。それに対し、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー添加量が0.050〜0.125質量%の場合は、ベック平滑度、地合い係数及びステキヒト・サイズの全てに良好な結果が得られ、印刷結果及び総合特性共に良好であった。
また、表3に示した結果から、以下のことがわかる。すなわち、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が5:1の場合、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー添加量が0.150質量%の場合は、ベック平滑度及び地合い係数は良好であるが、ステキヒト・サイズ度が劣り、プリント試験結果及び総合特性が劣る。それに対し、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー添加量が0.025〜0.10質量%の場合は、ベック平滑度、地合い係数及びステキヒト・サイズ度の全てに良好な結果が得られ、印刷結果及び総合特性共に良好であった。
更に、表4に示した結果から、以下のことがわかる。すなわち、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が2:1の場合は、ベック平滑度及び地合い係数は良好であるが、ステキヒト・サイズ度が劣り、プリント試験結果及び総合特性が劣る。また、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が6:1の場合は、逆にステキヒト・サイズ度は良好であるが、ベック平滑度及び地合い係数が劣り、プリント試験結果及び総合特性も劣る。なお、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーが部分中和されていない比較例11の場合は、ステキヒト・サイズ度は良好であるが、ベック平滑度及び地合い係数が劣り、プリント試験結果及び総合特性も劣る。
なお、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が2:1、3:1、5:1及び6:1の場合においては、必ずしもこれらの比が4:1の場合に測定されたアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー添加割合の全てについて測定が行なわれたわけではないが、図1に示した測定結果の変化傾向をも考え合わせると、本発明では、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数との比が3:1〜5:1の範囲で部分中和されているアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーを使用すること、及び、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーの添加割合は乾燥パルプの繊維に対してアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲で添加することが必要であることが分かる。
なお、上記実施例ではアクリル系ポリマーとしてアクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマーを使用した例を示したが、本発明の効果はアクリル系ポリマー中の部分中和されたアクリル基の存在に基づくものであるので、アクリル酸を単独で使用しても水酸化ナトリウムを添加すると直ちに重合してポリアクリル酸部分中和物になるために同様の結果が得られ、更には、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマーなどのアクリル系コポリマーも同様に使用することができる。
なお、上記各実施例及び比較例においては、全てパルプ配合としてBKP:NBKP=90:10とし、その他、パルプの叩解量、填料添加量、カチオン化デンプン添加量、AKD添加量、歩留まり向上剤添加量及び坪量という製紙条件を一定として測定した結果を示したが、これらの製紙条件は必要とされる電子写真用紙の物性からして種々変更されることがあるが、これらの製紙条件を一般的に採用されている数値範囲内で変更しても測定結果に実質的影響は生じない。

Claims (4)

  1. アクリル系ポリマー中の全アクリル基のモル数と水酸化ナトリウムによって中和されているアクリル基のモル数の比が3:1〜5:1の範囲のアクリル系ポリマーによって覆われた繊維で形成されており、前記アクリル系ポリマーの含有割合は乾燥パルプに対しアクリル基換算で0.025〜0.125質量%の範囲であることを特徴とする電子写真用紙。
  2. 前記アクリル系ポリマーは、アクリル酸/メタクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/メタクリル酸コポリマー、アクリル酸/アクリル酸エチルコポリマー、アクリル酸/メタクリル酸メチルコポリマー、およびポリアクリル酸から選択された少なくとも1種であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子写真用紙。
  3. ベック平滑度が50秒以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子写真用紙。
  4. ステキヒト・サイズ度が20以上であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の電子写真用紙。
JP2008514344A 2006-05-08 2006-05-08 電子写真用紙 Pending JPWO2007129400A1 (ja)

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