JP7038750B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、エンジン側からの潤滑油をテンショナケース内に導く潤滑油通路を、テンショナケースに設けた構造が開示されている。
例えば、特許文献2には、チェーンケースの内壁面に付着して流れ落ちるオイルを案内するオイルガイド溝の構造が開示されている。特許文献2のテンショナハウジングは、前方に突出し、断面形状が先細りに形成された円筒壁を有する。オイルガイド溝は、円筒壁の外周面及び内周面において軸方向に略指向して形成されている。
(1)本発明の態様に係る内燃機関は、クランクケース(2)と、前記クランクケース(2)から延びるシリンダ(10)と、前記シリンダ(10)に取り付けられたシリンダヘッド(11)と、前記シリンダヘッド(11)の内部の動弁機構(13)を駆動するカムチェーン(14)と、前記カムチェーン(14)に張力を付与するテンショナ(60)と、を備え、前記カムチェーン(14)を収容するカムチェーン室(50)と、前記シリンダ(10)又は前記シリンダヘッド(11)からオイルを排出する排油孔(101)と、を有し、前記排油孔(101)の下流に、前記テンショナ(60)へ前記オイルを導く導油通路(110)を有し、前記導油通路(110)は、前記カムチェーン室(50)と区画して形成されており、前記導油通路(110)は、前記導油通路(110)の途中において分岐する分岐部(111)と、前記分岐部(111)から延びて前記カムチェーン室(50)と区画して形成された排油通路(130)と、を有し、前記排油通路(130)の下流端(134)は、前記シリンダ(10)において前記クランクケース(2)の上面寄りの部位、又は前記クランクケース(2)において開口する排油開口部(135)を有する。
導油通路がカムチェーン室と区画されるため、導油通路を流れるオイルがカムチェーン室に入ることを抑制することができる。これにより、オイルがカムチェーンに接触することによるオイルの攪拌を抑制することができる。したがって、カムチェーンの動きに影響されず、テンショナへ安定的に給油することができる。加えて、分岐部から排油通路を流れるオイルが広い空間(例えばカムチェーン室)に留まる時間を可及的に短くすることができる。
遮壁によりオイルとカムチェーンとの接触を抑制することができる。したがって、オイルの攪拌を抑制することができる。
送り側においてはオイルが戻るのに対してカムチェーンが向かってくるものの、遮壁によりオイルとカムチェーンとの接触を抑制することができる。したがって、オイルの攪拌を抑制することができる。
検出部により溜まり部のオイルを検出するため、油温の検出精度を向上することができる。
排油孔を通じて高温かつ低粘度のオイルが排出されるため、テンショナへより流動的に給油することができる。
戻し側においてはオイルが戻る向きとなるため、オイル戻りが早まり、油量削減に寄与する。
図1に示すように、内燃機関1は、クランクケース2の後部に変速機3(図2参照)を一体に備えた、いわゆるパワーユニットを構成している。例えば、内燃機関1は、クランクシャフト4(図2参照)を車幅方向(左右方向)に沿わせて自動二輪車に搭載される。例えば、内燃機関1は、空油冷単気筒の4ストロークサイクルのエンジンである。
底壁63は、円筒壁64より外周方向にフランジ状に延びている。図1の後面視で、底壁63は、一対の対称部分が延びてひし形のフランジ状を有する。図中符号65は、テンショナハウジング61をシリンダ10の後壁に取り付けるためのボルトを示す。
図8の平面視で、オイルジャケット80は、シリンダヘッド11の左側部に配置された左側冷却通路81と、シリンダヘッド11の中央に配置された中央冷却通路82と、シリンダヘッド11の前部に配置された前側冷却通路83と、シリンダヘッド11の右側部に配置され排油孔100,101につながる右側冷却通路84と、を有する。
その後、オイルは、左側冷却通路81を経て矢印V2の如く上向きに流れ、中央冷却通路82に流入する(図7~図9参照)。これにより、燃焼室35の上方を冷却することができる。
図4に示すように、排油孔100,101は、シリンダヘッド11の前部及び後部のそれぞれに設けられている。以下、シリンダヘッド11の前部に設けられた排油孔を前側排油孔100、シリンダヘッド11の後部に設けられた排油孔を後側排油孔101とする。
後側排油孔101は、ドリブンスプロケット25の後下方に配置されている。後側排油孔101は、シリンダヘッド11後部においてテンションスリッパ52上端の左側方の壁部を内方(右方)に開口している。
後側排油孔101は、送り側に配置されている。すなわち、後側排油孔101は、仮想直線K1よりも後側に配置されている。
図4に示すように、内燃機関1は、オイルの流れ方向において後側排油孔101(排油孔)の下流に、テンショナ60へオイルを導く導油通路110を有する。導油通路110は、カムチェーン室50と区画して形成されている。すなわち、導油通路110とカムチェーン室50との間には、シリンダヘッド11及びシリンダ10を構成する壁部等が設けられている。
テンショナ側通路120は、シリンダヘッド11の後下部及びシリンダ10の後壁に設けられている。テンショナ側通路120は、後側排油孔101からシリンダ10の上部後面(テンショナハウジング61の底壁63の取付面)に至るまで延びている。
第二遮壁115は、前後方向に厚みを有する。例えば、第二遮壁115は、カムチェーン室50の左右幅と対応する範囲全体にわたって左右に延びているとよい。
後方延在通路122の流路断面積は、下方延在通路121の流路断面積よりも大きい。後方延在通路122は、テンショナ60のオイルガイド溝66に連通している。後方延在通路122の下流端近傍部位は、オイルガイド溝66に向けて下方に湾曲している。
図5に示すように、後側排油孔101からの排出されたオイルは、遮壁114,115により案内されつつ導油通路110を経て矢印W1の如く溜まり部116に流入する。溜まり部116に流入したオイルの一部は、溜まり部116内においてとどまる。一方、溜まり部116に流入したオイルの他の一部は、連通路112を経て矢印W2の如く分岐部111に流入する。
図10に示すように、内燃機関1(図1参照)は、ブローバイガス(クランクケース2内のガス)を気液分離するブリーザ室90を有する。クランクケース2は、左右割り構造を有する(図1参照)。クランクケース2は、左右の一方に設けられた第一ケース半体91と、左右の他方に設けられた第二ケース半体92(図11参照)と、を備える。ブリーザ室90は、第一ケース半体91と第二ケース半体92とに跨って設けられている。
なお、連通口94の数は、複数に限らず、1つのみでもよい。連通口94の数は、要求仕様に応じて変更することができる。
以上説明したように、上記実施形態の内燃機関1は、クランクケース2と、クランクケース2から延びるシリンダ10と、シリンダ10に取り付けられたシリンダヘッド11と、シリンダヘッド11の内部の動弁機構13を駆動するカムチェーン14と、カムチェーン14に張力を付与するテンショナ60と、を備え、カムチェーン14を収容するカムチェーン室50と、シリンダヘッド11からオイルを排出する後側排油孔101と、を有し、後側排油孔101の下流に、テンショナ60へオイルを導く導油通路110を有し、導油通路110は、カムチェーン室50と区画して形成されている。
この構成によれば、導油通路110がカムチェーン室50と区画されるため、導油通路110を流れるオイルがカムチェーン室50に入ることを抑制することができる。これにより、オイルがカムチェーン14に接触することによるオイルの攪拌を抑制することができる。したがって、カムチェーン14の動きに影響されず、テンショナ60へ安定的に給油することができる。
分岐部111から排油通路130を流れるオイルが広い空間(例えばカムチェーン室50)に留まる時間を可及的に短くすることができる。
遮壁114,115によりオイルとカムチェーン14との接触を抑制することができる。したがって、オイルの攪拌を抑制することができる。
送り側においてはオイルが戻るのに対してカムチェーン14が向かってくるものの、遮壁114,115によりオイルとカムチェーン14との接触を抑制することができる。したがって、オイルの攪拌を抑制することができる。
検出部71により溜まり部116のオイルを検出するため、油温の検出精度を向上することができる。
後側排油孔101を通じて高温かつ低粘度のオイルが排出されるため、テンショナ60へより流動的に給油することができる。加えて、燃焼室35近傍を通ったオイルをそのまま検出する場合、油温の検出精度を向上することができる。加えて、検出部71により溜まり部116のオイルを検出する場合、溜まり部116内のオイルがより流動的に流れるため、油温をリアルタイムで検出することができる。
戻し側においてはオイルが戻る向きとなるため、オイル戻りが早まり、油量削減に寄与する。
なお、上記実施形態では、内燃機関1は、シリンダヘッド11からオイルを排出する排油孔100,101を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、内燃機関1は、シリンダ10からオイルを排出する排油孔100,101を有してもよい。例えば、排油孔の設置位置は、要求仕様に応じて変更することができる。
例えば、導油通路110は、分岐部111及び排油通路130を有しなくてもよい。すなわち、導油通路110は、テンショナ側通路120のみを有していてもよい。例えば、導油通路110の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。すなわち、導油通路110は、カムチェーン室50と区画して形成されていればよい。
例えば、内燃機関1は、油温センサ70を備えていなくてもよい。
例えば、後側排油孔101は、シリンダ10に設けられたオイルジャケット80からの排油を行ってもよい。例えば、オイルジャケット80の設置位置は、要求仕様に応じて変更することができる。
例えば、オイルジャケット80は、前側排油孔100を有しなくてもよい。すなわち、オイルジャケット80は、後側排油孔101のみを有していてもよい。例えば、排油孔の設置数は、要求仕様に応じて変更することができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
2 クランクケース
10 シリンダ
11 シリンダヘッド
13 動弁機構
14 カムチェーン
24 ドライブスプロケット
25 ドリブンスプロケット
50 カムチェーン室
60 テンショナ
70 油温センサ
71 検出部
80 オイルジャケット
100 前側排油孔(第二排油孔)
101 後側排油孔(排油孔)
110 導油通路
111 分岐部
114 第一遮壁(遮壁)
115 第二遮壁(遮壁)
116 溜まり部
130 排油通路
134 排油通路の下流端
135 排油開口部
Claims (6)
- クランクケース(2)と、
前記クランクケース(2)から延びるシリンダ(10)と、
前記シリンダ(10)に取り付けられたシリンダヘッド(11)と、
前記シリンダヘッド(11)の内部の動弁機構(13)を駆動するカムチェーン(14)と、
前記カムチェーン(14)に張力を付与するテンショナ(60)と、を備え、
前記カムチェーン(14)を収容するカムチェーン室(50)と、前記シリンダ(10)又は前記シリンダヘッド(11)からオイルを排出する排油孔(101)と、を有し、
前記排油孔(101)の下流に、前記テンショナ(60)へ前記オイルを導く導油通路(110)を有し、
前記導油通路(110)は、前記カムチェーン室(50)と区画して形成されており、
前記導油通路(110)は、
前記導油通路(110)の途中において分岐する分岐部(111)と、
前記分岐部(111)から延びて前記カムチェーン室(50)と区画して形成された排油通路(130)と、を有し、
前記排油通路(130)の下流端(134)は、前記シリンダ(10)において前記クランクケース(2)の上面寄りの部位、又は前記クランクケース(2)において開口する排油開口部(135)を有することを特徴とする内燃機関。 - 前記排油孔(101)と前記カムチェーン室(50)とを区画するように立ち上がる遮壁(114,115)を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
- 前記排油孔(101)は、前記カムチェーン(14)をドライブスプロケット(24)からドリブンスプロケット(25)に向けて送る側である送り側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関。
- 前記オイルの温度を検出する油温センサ(70)を更に備え、
前記導油通路(110)は、前記導油通路(110)の途中に前記オイルを溜める溜まり部(116)を有し、
前記油温センサ(70)は、前記溜まり部(116)に配置された検出部(71)を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の内燃機関。 - 前記シリンダ(10)は、前記クランクケース(2)から上方に向けて延び、
前記シリンダヘッド(11)は、前記シリンダ(10)の上部に取り付けられ、
前記排油孔(101)は、前記シリンダヘッド(11)又は前記シリンダ(10)に設けられたオイルジャケット(80)からの排油を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の内燃機関。 - 前記オイルジャケット(80)は、前記シリンダ(10)又は前記シリンダヘッド(11)から前記オイルを排出する第二排油孔(100)を有し、
前記第二排油孔(100)は、前記カムチェーン(14)をドリブンスプロケット(25)からドライブスプロケット(24)に向けて戻す側である戻し側に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関。
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US8590667B2 (en) | Crankcase of internal combustion engine |
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