JPH0752322Y2 - 自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン通路 - Google Patents
自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン通路Info
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- JPH0752322Y2 JPH0752322Y2 JP1989005661U JP566189U JPH0752322Y2 JP H0752322 Y2 JPH0752322 Y2 JP H0752322Y2 JP 1989005661 U JP1989005661 U JP 1989005661U JP 566189 U JP566189 U JP 566189U JP H0752322 Y2 JPH0752322 Y2 JP H0752322Y2
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Description
【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は、自動2輪車におけるエンジンのシリンダヘ
ツドからクランク室へオイルを帰還させるオイルリター
ン通路に関するものである。
ツドからクランク室へオイルを帰還させるオイルリター
ン通路に関するものである。
(従来技術) 従来より、多気筒の頭上弁式のエンジンでは、カム軸駆
動用のチエーンが通るチエーン通路を、エンジン中央に
配置したものがある(たとえば、実開昭61-53507号参
照)。
動用のチエーンが通るチエーン通路を、エンジン中央に
配置したものがある(たとえば、実開昭61-53507号参
照)。
(考案が解決しようとする課題) ところで、上記チエーン通路は、シリンダヘツドのカム
室とクランク室とに開口しているので、シリンダヘツド
のカム室内に供給された潤滑オイルを、クランク室へ帰
還させる通路として併用される場合がある。このような
場合において、上記チエーン通路が車体の左右方向の中
央(気筒間)に位置しているエンジンでは、シリンダヘ
ツド内のオイルがチエーン通路へ流れ込み易く、したが
つて、オイルの帰還が円滑となる。
室とクランク室とに開口しているので、シリンダヘツド
のカム室内に供給された潤滑オイルを、クランク室へ帰
還させる通路として併用される場合がある。このような
場合において、上記チエーン通路が車体の左右方向の中
央(気筒間)に位置しているエンジンでは、シリンダヘ
ツド内のオイルがチエーン通路へ流れ込み易く、したが
つて、オイルの帰還が円滑となる。
ところが、上記チエーン通路が車体の左右方向の端部に
設けられている場合、チエーン通路から離れている気筒
については、シリンダヘツド内のオイルがチエーン通路
に流れ込むのに時間がかかり、このため、シリンダヘツ
ド内にオイルが溜まり易く、オイルを円滑に帰還できな
い場合がある。
設けられている場合、チエーン通路から離れている気筒
については、シリンダヘツド内のオイルがチエーン通路
に流れ込むのに時間がかかり、このため、シリンダヘツ
ド内にオイルが溜まり易く、オイルを円滑に帰還できな
い場合がある。
また、上記チエーン通路の下方は、クランク軸の近傍で
開口していることから、チエーン通路内を流れ落ちるオ
イルがクランクウエブに当る。そのため、エンジンの出
力低下を招いたり、不必要にオイルミストが発生して、
オイル温度の上昇を招く。
開口していることから、チエーン通路内を流れ落ちるオ
イルがクランクウエブに当る。そのため、エンジンの出
力低下を招いたり、不必要にオイルミストが発生して、
オイル温度の上昇を招く。
この考案は上記実情に鑑みてなされたもので、エンジン
の大型化を招くことなく、シリンダヘッドからクランク
室へオイルを円滑にリターンさせることができるだけで
なく、そのリターンオイルの温度上昇およびオイルミス
トの発生などを抑制してエンジンの出力向上を図ること
ができる自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン
通路を提供することを目的とする。
の大型化を招くことなく、シリンダヘッドからクランク
室へオイルを円滑にリターンさせることができるだけで
なく、そのリターンオイルの温度上昇およびオイルミス
トの発生などを抑制してエンジンの出力向上を図ること
ができる自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン
通路を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、この考案に係る自動2輪車
におけるエンジンのオイルリターン通路は、複数の気筒
が車体の左右方向に並んで配置され、上下に分割された
クランクケースが主軸締付ボルトによりクランク軸のジ
ャーナル部近傍で締結され、上記クランクケースの上方
にシリンダブロックおよびシリンダヘッドが前傾姿勢で
配置されるとともに、上記シリンダヘッドおよびシリン
ダブロックが、気筒間における前部および後部を貫通す
るスタッドボルトによりクランクケースに共締めされて
なる自動2輪車において、上記シリンダヘッドのカム室
の底部からシリンダ軸線に沿って、かつ、水ジャケット
の近傍に接する状態で上記主軸締付ボルトの近傍まで延
びる第1のオイルリターン通路を上記前部のスタッドボ
ルトの後方近傍に設けるとともに、この第1のオイルリ
ターン通路に連通させて、クランクケースの前壁付近に
上記主軸締付ボルトの前方に沿って、かつ、その下端部
がクランク室におけるクランクウェブの回動範囲の前方
の下方位置で開口する第2のオイルリターン通路を設け
てなるものである。
におけるエンジンのオイルリターン通路は、複数の気筒
が車体の左右方向に並んで配置され、上下に分割された
クランクケースが主軸締付ボルトによりクランク軸のジ
ャーナル部近傍で締結され、上記クランクケースの上方
にシリンダブロックおよびシリンダヘッドが前傾姿勢で
配置されるとともに、上記シリンダヘッドおよびシリン
ダブロックが、気筒間における前部および後部を貫通す
るスタッドボルトによりクランクケースに共締めされて
なる自動2輪車において、上記シリンダヘッドのカム室
の底部からシリンダ軸線に沿って、かつ、水ジャケット
の近傍に接する状態で上記主軸締付ボルトの近傍まで延
びる第1のオイルリターン通路を上記前部のスタッドボ
ルトの後方近傍に設けるとともに、この第1のオイルリ
ターン通路に連通させて、クランクケースの前壁付近に
上記主軸締付ボルトの前方に沿って、かつ、その下端部
がクランク室におけるクランクウェブの回動範囲の前方
の下方位置で開口する第2のオイルリターン通路を設け
てなるものである。
(作用) この考案によれば、元々、スペース的に余裕のある気筒
間における前部のスタッドボルトの後方近傍に、シリン
ダヘッドのカム室の底部からシリンダ軸線に沿って、か
つ、水ジャケットの近傍に接する状態で第1のオイルリ
ターン通路を設けたので、エンジン内に別途通路を設け
る必要がなくてエンジンの大型化を防止しながら、シリ
ンダヘッド内のオイルを、水ジャケット内の冷却水によ
り十分に冷却して、その温度上昇を抑えつつチェーン通
路の位置に関係なくシリンダ室に向けてスムーズに流れ
落とすことが可能である。
間における前部のスタッドボルトの後方近傍に、シリン
ダヘッドのカム室の底部からシリンダ軸線に沿って、か
つ、水ジャケットの近傍に接する状態で第1のオイルリ
ターン通路を設けたので、エンジン内に別途通路を設け
る必要がなくてエンジンの大型化を防止しながら、シリ
ンダヘッド内のオイルを、水ジャケット内の冷却水によ
り十分に冷却して、その温度上昇を抑えつつチェーン通
路の位置に関係なくシリンダ室に向けてスムーズに流れ
落とすことが可能である。
また、第1のオイルリターン通路に連通する第2のオイ
ルリターン通路をクランクケースの前壁付近で主軸締付
ボルトの前方に沿って、かつ、その下端部がクランク室
におけるクランクウェブの回動範囲の前方の下方位置で
開口するように設けたので、主軸軸受の剛性等を変化、
つまり低下させることなく、また、回動するクランクウ
ェブに当たってエンジンの出力低下を招いたり、クラン
クウェブに跳ね返されて不必要にオイルミストを発生す
ることもなく、第1のオイルリターン通路を流れ落ちる
オイルをクランク室に円滑にリターンさせることが可能
である。
ルリターン通路をクランクケースの前壁付近で主軸締付
ボルトの前方に沿って、かつ、その下端部がクランク室
におけるクランクウェブの回動範囲の前方の下方位置で
開口するように設けたので、主軸軸受の剛性等を変化、
つまり低下させることなく、また、回動するクランクウ
ェブに当たってエンジンの出力低下を招いたり、クラン
クウェブに跳ね返されて不必要にオイルミストを発生す
ることもなく、第1のオイルリターン通路を流れ落ちる
オイルをクランク室に円滑にリターンさせることが可能
である。
(実施例) 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて説明す
る。
る。
第1図において、1は自動2輪車、2はヘツドパイプ、
3はメインフレーム、4はエンジンで、上記メインフレ
ーム3に前傾姿勢で取り付けられている。このエンジン
4は、シリンダヘツド6の平面図を示す第2図のよう
に、複数の気筒5A,5Bが車体の左右方向Aに並んで配置
されている。
3はメインフレーム、4はエンジンで、上記メインフレ
ーム3に前傾姿勢で取り付けられている。このエンジン
4は、シリンダヘツド6の平面図を示す第2図のよう
に、複数の気筒5A,5Bが車体の左右方向Aに並んで配置
されている。
この第2図において、Rはシリンダヘツド6の後方、F
は前方を示している。第3図は第2図のIII-III線にお
けるエンジンの断面図で、この第3図において、クラン
クケース7A,7Bの上方には、シリンダブロツク8および
シリンダヘツド6が前傾姿勢で配置されている。なお、
9はピストン、10はコンロツド、11はクランク軸、11a
はクランクウエブで、上死点における位置を二点鎖線で
示し、下死点における位置を一点鎖線で示してある。15
はオイルパン、50はシリンダヘツドカバーである。
は前方を示している。第3図は第2図のIII-III線にお
けるエンジンの断面図で、この第3図において、クラン
クケース7A,7Bの上方には、シリンダブロツク8および
シリンダヘツド6が前傾姿勢で配置されている。なお、
9はピストン、10はコンロツド、11はクランク軸、11a
はクランクウエブで、上死点における位置を二点鎖線で
示し、下死点における位置を一点鎖線で示してある。15
はオイルパン、50はシリンダヘツドカバーである。
上記クランクケース7A,7Bは上下に分割され、2つの主
軸締付ボルト13A,13Bによつてクランク軸11のジヤーナ
ル部11bの前後で互いに締結されている。
軸締付ボルト13A,13Bによつてクランク軸11のジヤーナ
ル部11bの前後で互いに締結されている。
一方、上記シリンダヘツド6およびシリンダブロツク8
は、前後一対のスタツドボルト23A,23Bによつて、クラ
ンクケース7Aに共締めされている。上記スタツドボルト
23A,23Bは、第2図の気筒5A,5B間の前部6aおよび後部6b
に配置されている。
は、前後一対のスタツドボルト23A,23Bによつて、クラ
ンクケース7Aに共締めされている。上記スタツドボルト
23A,23Bは、第2図の気筒5A,5B間の前部6aおよび後部6b
に配置されている。
20A,20Bはカム軸で、これらのカム軸20A,20Bは、車体の
左右方向Aの端部に配置されたチエーン通路18内のチエ
ーン(図示せず)を介して、第3図のクランク軸11によ
つて駆動される。22はカム室で、このカム室22内にはオ
イルポンプ(図示せず)からオイルが供給される。な
お、第2図の40A,40Bは前後のタペツト孔、17は栓孔
で、水ジヤケツト16(第3図)を閉止するためのプラグ
(図示せず)がねじ込まれる。
左右方向Aの端部に配置されたチエーン通路18内のチエ
ーン(図示せず)を介して、第3図のクランク軸11によ
つて駆動される。22はカム室で、このカム室22内にはオ
イルポンプ(図示せず)からオイルが供給される。な
お、第2図の40A,40Bは前後のタペツト孔、17は栓孔
で、水ジヤケツト16(第3図)を閉止するためのプラグ
(図示せず)がねじ込まれる。
つぎに、オイルリターン通路について説明する。
第2図のエンジン4の気筒5A,5B間には、それぞれ、第
3図のように、前部のスタツドボルト23Aの後方R近傍
に、シリンダヘツド6およびシリンダブロツク8を貫通
してクランクケース7A中まで、第1のオイルリターン通
路31が形成されている。この第1のオイルリターン通路
31は、シリンダ軸線Cに沿つて直線状に延びており、そ
の上端31aがシリンダヘツド6のカム室22の底部22aに開
口し、下端31bが主軸締付ボルト13Aの前方F近傍まで延
びている。上記第1のオイルリターン通路31は、シリン
ダブロツク8内においてスタツドボルト23Aのボルト孔2
4Aと一体形成されている。また、上記シリンダヘツド6
内における第1のオイルリターン通路31は、上記ボルト
孔24Aよりも小径に設定されている。なお、31cは第1の
オイルリターン通路31の曲り部で、若干後方Rへ、つま
り、エンジンの内方へ上記第1のオイルリターン通路31
を曲成している。24Bは後部のボルト孔である。
3図のように、前部のスタツドボルト23Aの後方R近傍
に、シリンダヘツド6およびシリンダブロツク8を貫通
してクランクケース7A中まで、第1のオイルリターン通
路31が形成されている。この第1のオイルリターン通路
31は、シリンダ軸線Cに沿つて直線状に延びており、そ
の上端31aがシリンダヘツド6のカム室22の底部22aに開
口し、下端31bが主軸締付ボルト13Aの前方F近傍まで延
びている。上記第1のオイルリターン通路31は、シリン
ダブロツク8内においてスタツドボルト23Aのボルト孔2
4Aと一体形成されている。また、上記シリンダヘツド6
内における第1のオイルリターン通路31は、上記ボルト
孔24Aよりも小径に設定されている。なお、31cは第1の
オイルリターン通路31の曲り部で、若干後方Rへ、つま
り、エンジンの内方へ上記第1のオイルリターン通路31
を曲成している。24Bは後部のボルト孔である。
一方、前部の主軸締付ボルト13Aの前方Fには、クラン
クケース7Bを貫通してクランクケース7A中まで、第2の
オイルリターン通路32が形成されている。この第2のオ
イルリターン通路32は、主軸締付ボルト13Aに沿つて直
線状に延びており、上記第1のオイルリターン通路31に
連通するとともに、下端32aがクランク室33におけるク
ランクウエブ11aの回動範囲の前方Fの下方Uの位置
で、クランクケース7Bの前壁部7cに沿つて開口してい
る。
クケース7Bを貫通してクランクケース7A中まで、第2の
オイルリターン通路32が形成されている。この第2のオ
イルリターン通路32は、主軸締付ボルト13Aに沿つて直
線状に延びており、上記第1のオイルリターン通路31に
連通するとともに、下端32aがクランク室33におけるク
ランクウエブ11aの回動範囲の前方Fの下方Uの位置
で、クランクケース7Bの前壁部7cに沿つて開口してい
る。
上記構成において、第2図の気筒5A,5B間における第3
図の前部のスタツドボルト23Aの後方R近傍に、第1の
オイルリターン通路31を設けているから、シリンダヘツ
ド6内のオイルが、チエーン通路18(第2図)からでは
なく、カム室22の底部22aから第1のオイルリターン通
路31および第2のオイルリターン通路32を通つて、クラ
ンク室33内に流れ落ちる。したがつて、第2図のよう
に、チエーン通路18の位置が車体の左右方向Aの端部に
配置されている場合であつても、オイルがシリンダヘツ
ド6に溜るのを防止できる。その結果、オイルがシリン
ダヘツド6から第3図のクランク室33に円滑に帰還す
る。
図の前部のスタツドボルト23Aの後方R近傍に、第1の
オイルリターン通路31を設けているから、シリンダヘツ
ド6内のオイルが、チエーン通路18(第2図)からでは
なく、カム室22の底部22aから第1のオイルリターン通
路31および第2のオイルリターン通路32を通つて、クラ
ンク室33内に流れ落ちる。したがつて、第2図のよう
に、チエーン通路18の位置が車体の左右方向Aの端部に
配置されている場合であつても、オイルがシリンダヘツ
ド6に溜るのを防止できる。その結果、オイルがシリン
ダヘツド6から第3図のクランク室33に円滑に帰還す
る。
ところで、上記エンジン4は前傾姿勢で車体に搭載され
るので、シリンダヘツド6の前部6aよりも後部6bの方が
高くなるように傾斜しており、そのため、シリンダヘツ
ド6内のオイルは、前部6aに溜り易い。ここで、この考
案は、上記第1のオイルリターン通路31を後部のスタツ
ドボルト23Bの前方F(内側)ではなく、前部のスタツ
ドボルト23Aの後方R(内側)近傍に設けている。した
がつて、前部6aに溜つたオイルすべてを、第1のオイル
リターン通路31の上端32aからクランク室33に帰還させ
ることができる。
るので、シリンダヘツド6の前部6aよりも後部6bの方が
高くなるように傾斜しており、そのため、シリンダヘツ
ド6内のオイルは、前部6aに溜り易い。ここで、この考
案は、上記第1のオイルリターン通路31を後部のスタツ
ドボルト23Bの前方F(内側)ではなく、前部のスタツ
ドボルト23Aの後方R(内側)近傍に設けている。した
がつて、前部6aに溜つたオイルすべてを、第1のオイル
リターン通路31の上端32aからクランク室33に帰還させ
ることができる。
また、上記第2のオイルリターン通路32をクランクウエ
ブ11aの前方Fの下方Uで開口させているから、この第
2のオイルリターン通路32から流れ出るオイルが、矢印
Bで示すように、クランクウエブ11aの前方Fにおける
クランクケース7Bの前壁部7cを伝つてオイルパン15内に
流れ落ちる。したがつて、オイルがクランクウエブ11a
に当つて跳ね返るおそれがなく、エンジンの出力低下を
防止できるとともに、不必要にオイルミストが発生する
のを防止して、オイル温度の上昇を抑制できる。
ブ11aの前方Fの下方Uで開口させているから、この第
2のオイルリターン通路32から流れ出るオイルが、矢印
Bで示すように、クランクウエブ11aの前方Fにおける
クランクケース7Bの前壁部7cを伝つてオイルパン15内に
流れ落ちる。したがつて、オイルがクランクウエブ11a
に当つて跳ね返るおそれがなく、エンジンの出力低下を
防止できるとともに、不必要にオイルミストが発生する
のを防止して、オイル温度の上昇を抑制できる。
ところで、上記ボルト孔24Aの後方R近傍(内側)に
は、従来より、無駄なスペースがあつた。その理由は、
第2図のボルト孔24Aを後方(内側)Rに寄せると、ボ
ルト座孔25がタペツト孔40Aに近寄りすぎて、シリンダ
ヘツド6における両孔25,40A間の肉厚を十分に確保でき
なくなるからである。また、水冷式のエンジンでは、第
4図のように、高温な排気孔21aの近傍に水ジヤケツト1
6を十分に入り込ませる必要があり、そのため、ボルト
孔24Aを後方(内側)Rへあまり入り込ませると、水ジ
ヤケツト16の通路幅Lが十分にとれず、型抜きが困難と
なるからである。したがつて、上記ボルト孔24Aの内側
には、従来から、無駄なスペースが存在していた。
は、従来より、無駄なスペースがあつた。その理由は、
第2図のボルト孔24Aを後方(内側)Rに寄せると、ボ
ルト座孔25がタペツト孔40Aに近寄りすぎて、シリンダ
ヘツド6における両孔25,40A間の肉厚を十分に確保でき
なくなるからである。また、水冷式のエンジンでは、第
4図のように、高温な排気孔21aの近傍に水ジヤケツト1
6を十分に入り込ませる必要があり、そのため、ボルト
孔24Aを後方(内側)Rへあまり入り込ませると、水ジ
ヤケツト16の通路幅Lが十分にとれず、型抜きが困難と
なるからである。したがつて、上記ボルト孔24Aの内側
には、従来から、無駄なスペースが存在していた。
これに対し、この考案は、元々、スペース的に余裕のあ
る上記ボルト孔24Aの後方R近傍(内側)に第1のオイ
ルリターン通路31を設けたので、第3図の第1のオイル
リターン通路31を設けるためのスペースをエンジン4内
に別途設ける必要がない。その結果、エンジン4の大型
化を防止できる。
る上記ボルト孔24Aの後方R近傍(内側)に第1のオイ
ルリターン通路31を設けたので、第3図の第1のオイル
リターン通路31を設けるためのスペースをエンジン4内
に別途設ける必要がない。その結果、エンジン4の大型
化を防止できる。
また、この考案では、第1のオイルリターン通路31が水
ジヤケツト16の近傍に形成されているので、オイルリタ
ーン通路31,32内を流れ落ちるオイルを水ジヤケツト16
内の冷却水によつて十分に冷却できるという利点もあ
る。
ジヤケツト16の近傍に形成されているので、オイルリタ
ーン通路31,32内を流れ落ちるオイルを水ジヤケツト16
内の冷却水によつて十分に冷却できるという利点もあ
る。
ところで、この考案において、上記第2のオイルリター
ン通路32の下端32aとクランクウエブ11aの位置関係は、
第2のオイルリターン通路32から流れ落ちるオイルがク
ランクウエブ11aに当らない程度に、下端32aがクランク
ウエブ11aの前方Fの下方Uに位置していればよい。
ン通路32の下端32aとクランクウエブ11aの位置関係は、
第2のオイルリターン通路32から流れ落ちるオイルがク
ランクウエブ11aに当らない程度に、下端32aがクランク
ウエブ11aの前方Fの下方Uに位置していればよい。
(考案の効果) 以上のように、この考案によれば、シリンダブロックお
よびシリンダヘッドが前傾姿勢に配置されている自動2
輪車において、元々、スペース的に余裕のある気筒間に
おける前部のスタッドボルトの後方近傍に、シリンダヘ
ッドのカム室の底部からシリンダ軸線に沿って、かつ、
水ジャケットの近傍に接する状態で第1のオイルリター
ン通路を設けたので、エンジン内に別途通路を設ける必
要がなくてエンジンの大型化を防止しながら、シリンダ
ヘッド内のオイルを、水ジャケット内の冷却水により十
分に冷却して、その温度上昇を抑えつつチェーン通路の
位置に関係なくシリンダ室に向けてスムーズに流れ落と
すことができる。また、第1のオイルリターン通路に連
通する第2のオイルリターン通路をクランクケースの前
壁付近で主軸締付ボルトの前方に沿って、かつ、その下
端部がクランク室におけるクランクウェブの回動範囲の
前方の下方位置で開口するように設けたので、主軸軸受
の剛性等を変化、つまり低下させることなく、また、回
動するクランクウェブに当たってエンジンの出力低下を
招いたり、クランクウェブに跳ね返されて不必要にオイ
ルミストを発生することもなく、第1のオイルリターン
通路を流れ落ちるオイルをクランク室に円滑にリターン
させることができるという効果を奏する。
よびシリンダヘッドが前傾姿勢に配置されている自動2
輪車において、元々、スペース的に余裕のある気筒間に
おける前部のスタッドボルトの後方近傍に、シリンダヘ
ッドのカム室の底部からシリンダ軸線に沿って、かつ、
水ジャケットの近傍に接する状態で第1のオイルリター
ン通路を設けたので、エンジン内に別途通路を設ける必
要がなくてエンジンの大型化を防止しながら、シリンダ
ヘッド内のオイルを、水ジャケット内の冷却水により十
分に冷却して、その温度上昇を抑えつつチェーン通路の
位置に関係なくシリンダ室に向けてスムーズに流れ落と
すことができる。また、第1のオイルリターン通路に連
通する第2のオイルリターン通路をクランクケースの前
壁付近で主軸締付ボルトの前方に沿って、かつ、その下
端部がクランク室におけるクランクウェブの回動範囲の
前方の下方位置で開口するように設けたので、主軸軸受
の剛性等を変化、つまり低下させることなく、また、回
動するクランクウェブに当たってエンジンの出力低下を
招いたり、クランクウェブに跳ね返されて不必要にオイ
ルミストを発生することもなく、第1のオイルリターン
通路を流れ落ちるオイルをクランク室に円滑にリターン
させることができるという効果を奏する。
第1図はこの考案に係る自動2輪車の概略側面図、第2
図はシリンダヘツドを示す平面図、第3図は第2図のII
I-III線におけるエンジンの断面図、第4図はシリンダ
ヘツドの断面図である。 1……自動2輪車、4……エンジン、5A,5B……気筒、
6……シリンダヘツド、6a……前部、6b……後部、7A,7
B……クランクケース、8……シリンダブロツク、11…
…クランク軸、11a……クランクウエブ、11b……ジヤー
ナル部、13A,13B……主軸締付ボルト、22……カム室、2
2a……底部、23A,23B……スタツドボルト、31……第1
のオイルリターン通路、32……第2のオイルリターン通
路、33……クランク室、A……車体の左右方向、C……
シリンダ軸線、F……前方、U……下方。
図はシリンダヘツドを示す平面図、第3図は第2図のII
I-III線におけるエンジンの断面図、第4図はシリンダ
ヘツドの断面図である。 1……自動2輪車、4……エンジン、5A,5B……気筒、
6……シリンダヘツド、6a……前部、6b……後部、7A,7
B……クランクケース、8……シリンダブロツク、11…
…クランク軸、11a……クランクウエブ、11b……ジヤー
ナル部、13A,13B……主軸締付ボルト、22……カム室、2
2a……底部、23A,23B……スタツドボルト、31……第1
のオイルリターン通路、32……第2のオイルリターン通
路、33……クランク室、A……車体の左右方向、C……
シリンダ軸線、F……前方、U……下方。
Claims (1)
- 【請求項1】複数の気筒が車体の左右方向に並んで配置
され、上下に分割されたクランクケースが主軸締付ボル
トによりクランク軸のジャーナル部近傍で締結され、上
記クランクケースの上方にシリンダブロックおよびシリ
ンダヘッドが前傾姿勢で配置されるとともに、上記シリ
ンダヘッドおよびシリンダブロックが、気筒間における
前部および後部を貫通するスタッドボルトによりクラン
クケースに共締めされてなる自動2輪車において、上記
シリンダヘッドのカム室の底部からシリンダ軸線に沿っ
て、かつ、水ジャケットの近傍に接する状態で上記主軸
締付ボルトの近傍まで延びる第1のオイルリターン通路
を上記前部のスタッドボルトの後方近傍に設けるととも
に、この第1のオイルリターン通路に連通させて、クラ
ンクケースの前壁付近に上記主軸締付ボルトの前方に沿
って、かつ、その下端部がクランク室におけるクランク
ウェブの回動範囲の前方の下方位置で開口する第2のオ
イルリターン通路を設けてなる自動2輪車におけるエン
ジンのオイルリターン通路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989005661U JPH0752322Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | 自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン通路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989005661U JPH0752322Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | 自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン通路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0296408U JPH0296408U (ja) | 1990-08-01 |
JPH0752322Y2 true JPH0752322Y2 (ja) | 1995-11-29 |
Family
ID=31209231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989005661U Expired - Fee Related JPH0752322Y2 (ja) | 1989-01-20 | 1989-01-20 | 自動2輪車におけるエンジンのオイルリターン通路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0752322Y2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP6943537B2 (ja) * | 2018-09-27 | 2021-10-06 | ダイハツ工業株式会社 | 内燃機関の流体通路接続構造 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6346613U (ja) * | 1986-09-12 | 1988-03-29 |
-
1989
- 1989-01-20 JP JP1989005661U patent/JPH0752322Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0296408U (ja) | 1990-08-01 |
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