JP7036223B2 - 巻鉄心 - Google Patents

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Description

本発明は、巻鉄心に関し、特に、屈曲された複数の軟磁性体板を板厚方向に重ね合わせることにより構成される鉄心に用いて好適なものである。
電磁鋼板等の軟磁性体板に対し、1枚毎に鉄心のコーナー部となる部分を予め曲げ加工し、軟磁性体板を所定長さに切断して、板厚方向に重ね合わさることにより構成される鉄心がある。
特許文献1では、この種の鉄心として、環状に折曲された長さの異なる複数の軟磁性体板を板厚方向に重ね合わせ、各軟磁性体板の対向した端面を、その板厚方向にわたって所定寸法ずつ均等にずらし、当該端面同士の接合部を階段状にした巻鉄心が記載されている。
また、特許文献2には、以下の巻鉄心が記載されている。まず、珪素鋼板薄帯を、一巻回ごとに一箇所切断を行うワンターンカット方式にて、所定寸法の円形状になると共に所定の厚さである断面積を有するように所定回数巻回したものを固定バンドにより固定して、巻鉄心素体を構成する。そして、巻鉄心素体の対応する2箇所をプレス機等で押圧することで、巻鉄心素体を略楕円形状に変形させる。また、特許文献2には、治具を用いて巻鉄心を挟持して歪み取り焼鈍を行うことが記載されている。
また、特許文献3には、コイル間口でのギャップが狭くなっても電磁鋼板の挿入作業を可能とし、電磁鋼板の変形を無くするとともに、ラップ箇所を少なくし、鉄損悪化を低減できる変圧器について、記載されている。
また、特許文献4には、鉄心材ブロックのコーナー部にそれぞれ形成される隙間を、空気や油などの冷却媒体を流すための通路として使用することが記載されている。
実用新案登録第3081863号公報 特開2005-286169号公報 特許第6466728号公報 特許第6450100号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術では、巻鉄心の接合部は一箇所(各層において軟磁性体板の端面が対向する箇所は一箇所)である。巻鉄心の接合部が一箇所であるとレイシング(巻鉄心に巻線(コイル)を設置する作業)の負荷が大きい。そこで、巻鉄心の相互に間隔を有して対向する2つの脚部にそれぞれ一箇所ずつ合計二箇所の接合部を設けた構造により、レイシングの負荷を低減することが考えられる。
しかしながら、このようにすると、軟磁性体板の接合時に軟磁性体板が接合相手の軟磁性体板と軟磁性体板との間に入り込むため、巻鉄心が変形し、所定の形状にならない虞がある。また、巻鉄心が変形することにより、鉄損が大きくなる虞がある。
このため、上述した合計二箇所の接合部において、各層の軟磁性体板の端面同士を確実に当接させて接合することが求められる。しかし、接合部において、電磁鋼板の接合される端面の位置が階段状にずれているような場合、階段状にずれた端面同士のそれぞれを合わせることができないと、端面同士を接合することができなくなる。したがって、接合部において、電磁鋼板の面と直交する方向の位置合わせを精度よく行う必要がある。特に特許文献1に記載されているような、予め軟磁性体板を曲げ加工し、所定長さに切断してから板厚方向に重ね合わせる方式を採用する場合、1枚1枚の軟磁性体板をそれぞれ重ね合わせる際に、位置ズレが発生し易く、改善することが必要である。
一方、特許文献3では、コイル間口でのギャップが狭くなると、コの字形の電磁鋼板をコイル間口に挿入することで、ワンターンカット方式の電磁鋼板のみを使用するより、狭いギャップでの挿入作業を容易にしている。しかしながら、この手法では、ワンターンカット方式の電磁鋼板の外側をコの字形の電磁鋼板が覆うため、電磁鋼板のコーナー部で発生する熱によって変圧器内の温度が上昇してしまう問題がある。特に、巻鉄心のコーナー部に曲率半径が小さな屈曲部を備える場合、屈曲部に導入された歪影響による鉄損劣化により熱が発生するため、熱の発生を確実に抑制する必要がある。
特許文献4では、鉄心材ブロックのコーナー部にそれぞれ形成される隙間を、空気や油などの冷却媒体を流すための通路として使用することが記載されている。しかし、単に隙間を形成するのみでは、巻鉄心を用いて変圧器を構成した場合に、所望の冷却効果が得られない場合がある。また、変圧器としての性能を満たすためには、冷却効果とともに騒音抑制効果が求められる。特許文献4には、冷却効果と騒音抑制効果を同時に満たす変圧器の構成について、何ら想定していない。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、板厚方向に重ね合わせられ、鉄心のコーナー部となる部分で曲げられた複数の軟磁性体板の端面同士を接合する際に、当該端面の位置が所望の位置からずれることを抑制することを目的とする。
本発明の巻鉄心は、第1のコーナー部および第2のコーナー部、第3のコーナー部および第4のコーナー部が、それぞれ、第1の方向において間隔を有して配置されており、前記第1のコーナー部および前記第3のコーナー部、前記第2のコーナー部および前記第4のコーナー部が、それぞれ、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向において間隔を有して配置されている巻鉄心であって、それぞれが、前記第1のコーナー部および前記第2のコーナー部に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する第1の部分と、それぞれが、前記第3のコーナー部および前記第4のコーナー部に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する第2の部分と、第3の部分と、を有し、前記第1の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部と前記第2の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部とが前記第2の方向において突き合わせられた状態になっており、当該突き合わせられた状態の箇所の、前記巻鉄心の周方向における位置は前記第2の方向においてずれており、前記第1の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部と前記第2の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部とが前記第2の方向において突き合わせられた状態が保持されており、前記第3の部分は、前記第1の部分および前記第2の部分の内側の領域である窓部に配置されており、前記第3の部分の一方の端の領域の少なくとも一部と、前記第3の部分の他方の端の領域の少なくとも一部は、それぞれ、前記第2の方向において、前記窓部の内周面に接触された状態であることを特徴とする。
本発明によれば、板厚方向に重ね合わせられ、鉄心のコーナー部となる部分で曲げられた複数の軟磁性体板の端面同士を接合する際に、当該端面の位置が所望の位置からずれることを抑制することができる。
第1の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第1の実施形態を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第1の実施形態を示し、第1のコーナー部付近を拡大して示す図である。 第1の実施形態を示し、方向性電磁鋼板の屈曲部の一例を模式的に示す図である。 第1の実施形態を示し、曲げ加工方法の一例を示す模式図である。 第1の実施形態を示し、組立方法の一例を示す模式図である。 第1の実施形態の第1の変形例を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第1の実施形態の第1の変形例を示し、第1のコーナー部付近を拡大して示す図である。 第1の実施形態の第2の変形例を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第1の実施形態の第2の変形例を示し、第1のコーナー部付近を拡大して示す図である。 第2の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第3の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第3の実施形態を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第3の実施形態を示し、組立方法の一例を示す模式図である。 第4の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第4の実施形態を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第4の実施形態を示し、組立方法の一例を示す模式図である。 第4の実施形態の変形例を示し、組立方法の一例を示す模式図である。 図18に続く組立方法の一例を示す模式図である。 第5の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第5の実施形態を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第5の実施形態を示し、組立方法の一例を示す模式図である。 図22に続く組立方法の一例を示す模式図である。 第5の実施形態の第1の変形例を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第5の実施形態の第2の変形例を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第6の実施形態を示し、巻鉄心を斜めから見た図である。 第6の実施形態を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第6の実施形態の変形例を示し、巻鉄心を正面から見た図である。 第7の実施形態の巻鉄心2700を正面から見た図である。 第1のコーナー部、第2のコーナー部、第3のコーナー部、および第4のコーナー部のそれぞれで、第3の部分と第1の部分または第2の部分との間に隙間が設けられた構成の別の態様を示す模式図である。 第5の実施形態において、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分および第2の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。 図29に示す構成例において、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分および第2の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。 図30に示す構成例において、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分および第2の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。 第7の実施形態の巻鉄心を正面から見た図であって、図29に示す第3の部分が2つに分割された例を示す模式図である。 図34に示す構成をより一般化し、第3の部分がn個に分割された例を示す模式図である。 図34に示す構成例において、図30の構成例と同様に、隙間に隣接する第3の部分の外形を直線状とした例を示す模式図である。 図35に示す構成例において、図30の構成例と同様に、隙間に隣接する第3の部分の外形を直線状とした例を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。尚、各図において、X-Y-Z座標は、各図における方向の関係を示すものであり、座標の原点は、各図に示す位置に限定されない。また、○の中に×を付している記号は、紙面の手前側から奥側に向かう方向を示す。
また、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「沿う」、「垂直」、「直角」、「同じ」、「同一」等の用語や、方向、長さ、角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、記載の機能と同等の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。例えば、設計における公差の範囲内であれば、記載の機能と同等の機能を期待し得る程度の範囲として扱うことができる。
図1は、巻鉄心100を斜めから見た図である。図1では、表記の都合上、巻鉄心100に対して設置される巻線(コイル)の図示を省略する。
図1において、巻鉄心100は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分130と、を有する。巻鉄心100の外周面には、バンド140が取り付けられる。バンド140には、巻鉄心100の位置を固定するための取付金具等も取り付けられるが、表記の都合上、図1では、取付金具等の図示を省略する。また、バンド140は、公知の技術で実現することができ、図1に示すようなものに限定されない。
図2は、巻鉄心100を正面から見た図である。図2では、表記の都合上、巻鉄心100に対して設置される巻線(コイル)とバンド140の図示を省略する。
図1および図2において、巻鉄心100には、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104の4つのコーナー部がある。
第1のコーナー部101および第2のコーナー部102は、Z軸方向(第1の方向)において間隔を有して配置され、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104も、Z軸方向(第1の方向)において間隔を有して配置される。また、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103は、X軸方向(第2の方向)において間隔を有して配置され、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104も、X軸方向(第2の方向)において間隔を有して配置される。
第1の部分110は、それぞれが、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する。第2の部分120は、それぞれが、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する。軟磁性体板は、例えば、方向性電磁鋼板である。方向性電磁鋼板の第1のコーナー部101から第2のコーナー部102へ向かう方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と一致する(ように切り出されている)。以下の説明では、軟磁性体板が方向性電磁鋼板である場合を例に挙げて説明を行う。方向性電磁鋼板の板厚は、特に限定されず、用途等に応じて適宜選択すればよいものであるが、通常0.15mm~0.35mmの範囲内であり、好ましくは0.18mm~0.23mmの範囲である。尚、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板は(板厚、成分、および組織等が)同じ板で構成すればよい。
第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)においてそれぞれ突き合わせられた状態になっている。同様に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)においてそれぞれ突き合わせられた状態になっている。
このとき、図1および図2に示すように、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の板面と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板面とが重なり合うように、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる。更に、図1および図2に示すように、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とが突き合わせられた状態の箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向における位置は、X軸方向(第2の方向)において周期的にずれた位置になっている。このようにすれば、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられた箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向における位置を同じにして当該端面同士をX軸方向(第2の方向)において突き合わせるよりも、巻鉄心100内における磁気抵抗を小さくすることができ、鉄損を低減させることができる。
また、第1の部分110の、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間の領域は、長手方向がZ軸に平行な第1の直方体部105になっている。第2の部分120の、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の領域も、長手方向がZ軸に平行な第2の直方体部106になっている。第1の部分110および第2の部分120の、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の領域は、長手方向がX軸に平行な第3の直方体部107になっている。第1の部分110および第2の部分120の、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の領域も、長手方向がX軸に平行な第4の直方体部108になっている。
第3の部分130は、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
図1および図2に示すように、本実施形態の第3の部分130を構成する複数の方向性電磁鋼板は、その長手方向がX軸方向になるように配置された平板(即ち、X軸方向に延設された平板)である(即ち、方向性電磁鋼板の板面は曲げられていない)。
また、図1および図2に示すように、第3の部分130は、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部に配置される。また、第3の部分130のZ軸方向における一方の表面(第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の正の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第1の部分110および第2の部分120の内周面のうち、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面に接触する位置に配置されるが、第3の部分130のZ軸方向における他方の表面(第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の負の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の内周面に接触する位置には配置されない。第3の部分130のX軸方向の長さは、前記窓部の、当該第3の部分130が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである。即ち、第3の部分130の長手方向の一端部(第1の端部)の少なくとも一部は、第1の部分110の内周面に接触され、第3の部分130の長手方向の他端部(第2の端部)の少なくとも一部は、第2の部分120の内周面に接触される。第3の部分130の厚み(方向性電磁鋼板の板厚方向の長さ)は、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部との位置がずれることを防止するために、第1の部分110(第2の部分120)の厚み(方向性電磁鋼板の板厚方向の長さ(本来の巻鉄心の脚の板厚方向の長さ))の0.001倍以上とするのが好ましい。
尚、各図において、表記の都合上、方向性電磁鋼板の枚数は、実際の枚数と必ずしも一致するものではない。
バンド140は、以上のようにして配置される第1の部分110、第2の部分120、および第3の部分130により構成される巻鉄心100の外周面に取り付けられる(巻き付けられる)。バンド140は、例えば、ステンレス製であるバンド140には、巻鉄心100の取付金具等も取り付けられるが、表記の都合上、図1では、取付金具等の図示を省略する。
ここで、以下の説明では、巻鉄心100のうち、第1の部分110および第2の部分120により構成される部分を、必要に応じて巻鉄心本体と称する。本実施形態において、巻鉄心本体の鉄心長に特に制限はない。ただし、鉄心において鉄心長が変化しても、鉄心の屈曲部の体積は一定である。このため、鉄心の屈曲部で発生する鉄損は一定であり、鉄心長が長いほうが、鉄心の屈曲部の体積率(=鉄心の屈曲部の体積÷鉄心全体の体積)は小さくなる。従って、鉄心長が長いほうが、鉄心の屈曲部による鉄損の劣化への影響が小さくなる。よって、巻鉄心本体の鉄心長は、1.5m以上であることが好ましく、1.7m以上であるとより好ましい。尚、巻鉄心本体の鉄心長とは、軟磁性体板(方向性電磁鋼板)の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心を見た場合の巻鉄心本体の、方向性電磁鋼板の積層方向における中心点での、巻鉄心の周方向における長さをいう。
また、巻鉄心は、鉄損が低減されているため、トランス、リアクトル、ノイズフィルター等の磁心など、従来公知のいずれの用途にも好適に用いることができる。
以上のように、巻鉄心本体は、巻鉄心100の周方向において、コーナー部(第1のコーナー部101~第4のコーナー部104)と直方体部(第1の直方体部105~第4の直方体部108)とが交互に連続して存在する。図1および図2に示す例では、紙面に向かって、左回りに、第1のコーナー部101→第1の直方体部105→第2のコーナー部102→第4の直方体部108→第4のコーナー部104→第2の直方体部106→第3のコーナー部103→第3の直方体部107→第1のコーナー部101→・・・のように、第1のコーナー部101~第4のコーナー部104と第1の直方体部105~第4の直方体部108とが配置される。
本実施形態では、各コーナー部(第1のコーナー部101~第4のコーナー部104)を間に挟んで隣接する2つの直方体部(第1の直方体部105~第4の直方体部108)のなす角度は90°である。図1および図2に示す例では、第1の直方体部105および第4の直方体部108のなす角度と、第2の直方体部106および第4の直方体部108のなす角度と、第2の直方体部106および第3の直方体部107のなす角度と、第1の直方体部105および第3の直方体部107のなす角度とが、それぞれ、90°である。
また、方向性電磁鋼板の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心100を見た場合に、各コーナー部(第1のコーナー部101~第4のコーナー部104)は、曲線状の形状を有する屈曲部を2つ有しており、且つ、1つのコーナー部に存在する屈曲部それぞれの曲げ角度の合計が90°となっている。
図3は、第1のコーナー部101付近を拡大して示す図である。尚、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104の形状も、第1のコーナー部101の形状と同様であるので、ここでは、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104の詳細な説明を省略する。
図3において、屈曲部101a、101bは、曲線状の形状を有する。屈曲部101a、101bの間の領域は、平坦部101cである。
1つのコーナー部は1つ以上の屈曲部により構成される。このため、直方体部に屈曲部が平坦部を介して連続し、当該屈曲部に続いて平坦部、屈曲部が、1つのコーナー部内の屈曲部の数に応じて交互に連続し、当該コーナー部における最後の屈曲部に、当該コーナー部を間に挟んだ状態で当該直方体部と隣り合う直方体部が平坦部を介して連続する。図3に示す例では、第1の直方体部105に屈曲部101aが平坦部101dを介して連続し、屈曲部101aに続いて平坦部101c、屈曲部101bがこの順で連続し、屈曲部101bに第3の直方体部107が平坦部101eを介して連続する。尚、平坦部101d、101eはなくてもよい。
図3に示す例では、線分α-α'から線分β-β'までの領域を第1のコーナー部101とする。点αは、第1のコーナー部101の内周面における第1の直方体部105側の端点である。点α'は、点αを通り方向性電磁鋼板の板面に垂直な方向の直線と、巻鉄心1
00(第1の部分110)の外周面との交点である。同様に点βは、第1のコーナー部101の内周面における第3の直方体部107側の端点であり、点β'は、点βを通り方向
性電磁鋼板の板面に垂直な方向の直線と、巻鉄心100(第1の部分110)の外周面との交点である。図3において第1のコーナー部101を間に挟んで隣り合う第1の直方体部105および第3の直方体部107のなす角はθ(=90°)である。第1のコーナー部101(1つのコーナー部)内の屈曲部101a、101bの曲げ角度φ1、φ2の合計は90°である。
1つのコーナー部を間に挟んで隣り合う2つの直方体部のなす角θが90°であることから、1つのコーナー部内に2つ以上の屈曲部が存在する場合、1つの屈曲部の曲げ角度φは90°未満である。また、1つのコーナー部内に1つの屈曲部が存在する場合、1つの屈曲部の曲げ角度φは90°である。加工時の変形による歪み発生を抑制して鉄損を抑える点からは、当該曲げ角度φは60°以下であることが好ましく、45°以下であることがより好ましい。図1~図3に示すように、1つのコーナー部に2つの屈曲部を有する場合、鉄損低減の点から、例えば、φ1=60°且つφ2=30°とすることや、φ1=45°且つφ2=45°等とすることができる。
図4を参照しながら、屈曲部について更に詳細に説明する。図4は、方向性電磁鋼板の屈曲部(曲線部分)の一例を模式的に示す図である。屈曲部の曲げ角度とは、方向性電磁鋼板の屈曲部において、折り曲げ方向の後方側の平坦部と前方側の平坦部との間に生じる角度差を意味する。具体的には、図4に示すように、方向性電磁鋼板の屈曲部において、当該方向性電磁鋼板の外面を表す線Lbに含まれる曲線部分の両側(点F及び点G)それぞれに隣接する直線部分を延長して得られる2つの仮想線Lb-elongation1、Lb-elongation2がなす角の補角(鋭角)の角度φとして表される。
各屈曲部の曲げ角度φは、90°未満であり且つ1つのコーナー部に存在する全ての屈曲部の曲げ角度の合計は90°である。
本実施形態において屈曲部とは、方向性電磁鋼板の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心を見た場合において、方向性電磁鋼板の内側の面を表す線La上の点Dおよび点E、並びに、方向性電磁鋼板の外側の面を表す線Lb上の点Fおよび点Gを下記のとおり定義したときに、方向性電磁鋼板の内側の面を表す線La上で点Dと点Eとで区切られた線、方向性電磁鋼板の外側の面を表す線Lb上で点Fと点Gとで区切られた線、点Dと点Eとを結ぶ直線、および、点Fと点Gとを結ぶ直線により囲まれる領域を示す。
ここで、点D、点E、点Fおよび点Gは次のように定義する。
方向性電磁鋼板の内側の面を表す線Laに含まれる曲線部分における曲率半径の中心点Aと、方向性電磁鋼板の外側の面を表す線Lbに含まれる曲線部分の両側それぞれに隣接する直線部分を延長して得られる2つの仮想線Lb-elongation1、Lb-elongation2の交点Bとを結んだ直線ABが、方向性電磁鋼板の内側の面を表す線と交わる点を原点Cとする。
また、原点Cから方向性電磁鋼板の内側の面を表す線Laに沿って、一方の方向に下記(1)式で表される距離mだけ離れた点を点Dとする。
また、原点Cから方向性電磁鋼板の内側の面を表す線Laに沿って、他の方向に前記距離mだけ離れた点を点Eとする。
また、方向性電磁鋼板の外側の面を表す線Lbに含まれる前記直線部分のうち、点Dに対向する直線部分と、点Dに対向する直線部分に対し垂直に引かれ且つ点Dを通過する仮想線との交点を点Gとする。
また、方向性電磁鋼板の外側の面を表す線Lbに含まれる前記直線部分のうち、点Eに対向する直線部分と、点Eに対向する直線部分に対し垂直に引かれ且つ点Eを通過する仮想線との交点を点Fとする。
m=r×(π×φ/180) ・・・(1)
(1)式において、mは点Cからの距離を表し、rは中心点Aから点Cまでの距離(曲率半径)を表す。
即ち、rは点C付近の曲線を円弧とみなした場合の曲率半径を示すものであり、方向性電磁鋼板の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心を見た場合の、方向性電磁鋼板の内側の面の曲率半径を表す。曲率半径rが小さいほど屈曲部の曲線部分の曲がりは急であり、曲率半径rが大きいほど屈曲部の曲線部分の曲がりは緩やかになる。例えば、屈曲部の曲率半径rを、1mmを超え、3mm未満の範囲とすることができる。
本実施形態の巻鉄心では、板厚方向に積層された各方向性電磁鋼板の各屈曲部における曲率半径は、ある程度の誤差を有するものであってもよい。誤差を有する場合には、各屈曲部の曲率半径は、積層された各方向性電磁鋼板の曲率半径の平均値として特定する。また、誤差を有する場合には、その誤差が0.1mm以下であることが好ましい。
尚、屈曲部の曲率半径の測定方法にも特に制限はないが、例えば、市販の顕微鏡(Nikon ECLIPSE LV150)を用いて200倍で観察することにより測定することができる。
次に、本実施形態の巻鉄心100の製造方法の一例を説明する。
また、巻鉄心100の仕様に応じて、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向および板幅方向の長さを決定する。後述するようにして第1の部分110と第2の部分120とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせる際に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の隣接する2層間に隙間が生じないようにするため、隣接する2層の方向性電磁鋼板において、内側に配置される方向性電磁鋼板の外周面と、外側に配置される方向性電磁鋼板の内周面とが等しくなるように各方向性電磁鋼板の長手方向および板幅方向の長さを決定する。そして、決定した方向性電磁鋼板の長手方向の長さおよび板幅方向の長さに合わせて、当該長手方向が圧延方向になるように、方向性電磁鋼板を切断する。
次に、図1および図2に示したように、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向における位置が、X軸方向(第2の方向)において周期的にずれるように、各方向性電磁鋼板におけるコーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度を決定する。
図1~図3に示す例では、方向性電磁鋼板の各コーナー部の形成領域の2箇所の位置に対して曲げ加工を行い、曲率半径rが、1mmを超え、3mm未満である屈曲部を形成することすることにより、直方体部(第1の直方体部105、第2の直方体部106、第3の直方体部107、第4の直方体部108)とコーナー部(第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、第4のコーナー部104)とが交互に連続し、当該各コーナー部を間に挟んで隣り合う2つの直方体部のなす角θが90°になるように、方向性電磁鋼板を成形する。
図5は、巻鉄心100の製造方法における曲げ加工方法の一例を示す模式図である。
加工機の構成は特に限定されるものではないが、例えば、図5(a)に示すように、加工機は、通常、プレス加工のためのダイス502およびパンチ504と、方向性電磁鋼板501を固定するガイド503等を有する。方向性電磁鋼板501は、搬送方向505の方向に搬送され、予め設定された位置で固定される(図5(b))。次いで、図5(b)に示す矢印線の方向(下方向)にパンチ504で予め設定された所定の力で加圧することにより、曲げ角度φの屈曲部を有するように方向性電磁鋼板は曲げ加工される。
屈曲部の曲率半径rを、1mmを超え、3mm未満の範囲とする方法に特に制限はないが、通常、ダイス502とパンチ504との間の距離やダイス502とパンチ504の形状を変更することにより、屈曲部の曲率半径rを特定の範囲に調整することができる。
板厚方向に積層された各方向性電磁鋼板の屈曲部における曲率半径rが一致するように設定して方向性電磁鋼板を加工するが、加工された方向性電磁鋼板の曲率半径には、鋼板表層の粗度や形状によって誤差が生じる場合がある。誤差が生じる場合であっても、その誤差が0.1mm以下であることが好ましい。
前述のように、屈曲部の曲率半径の測定方法にも特に制限はないが、例えば、市販の顕微鏡(Nikon ECLIPSE LV150)を用いて200倍で観察することにより測定することができる。
そして、以上のようにして曲げ加工して得られた方向性電磁鋼板のそれぞれに対し、屈曲部の歪みを焼鈍により除去する。
その後、第1の部分110および第2の部分120が構成されるように、以上のようにして曲げ加工と歪取り焼鈍とが行われた方向性電磁鋼板の板面同士が重なり合うように各方向性電磁鋼板を積み重ねる。このようにして、第1の部分110および第2の部分120を準備する。このとき、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の位置がずれないように固定してもよい。また、後述する組み立ての際に、第1の部分110および第2の部分120を構成してもよい。
次に、第3の部分130について説明する。まず、方向性電磁鋼板を、板幅方向の長さが、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じになり、長手方向の長さが、窓部(第1の部分110および第2の部分120の内側の領域)のX軸方向の長さであって、当該方向性電磁鋼板が配置される位置でのX軸方向の長さと同じになるように切断する。このとき、長手方向が圧延方向になるように、方向性電磁鋼板を切断する。また、各方向性電磁鋼板の長手方向の端部が、第1の部分110の内周面、第2の部分120の内周面に確実に接触するように、第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の長さの設計上の最小値が、窓部(第1の部分110および第2の部分120の内側の領域)のX軸方向の長さであって、当該方向性電磁鋼板が配置される位置でのX軸方向の長さの設計上の最大値と同じになるようにすることができる。
そして、第3の部分130の板幅方向(Y軸方向)から見た場合の長手方向の端部の形状が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の内周面の形状に合うように、切断した方向性電磁鋼板を、その板面同士を重ねて積み重ね、各方向性電磁鋼板が動かないように固定する。方向性電磁鋼板の固定は、例えば、接着剤等を用いることにより実現される。接着剤は、磁性を有するものが好ましい。
例えば、設計に際し、図3に示すように、板幅方向(Y軸方向)から見た場合において、第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第1のコーナー部101の内周面と接触する点101f~101mが、第1のコーナー部101の内周面の形状を表す関数上に位置するように、各点101f~101mの位置を決めることにより、板幅方向(Y軸方向)から見た場合の長手方向の端部の形状を、第1のコーナー部101の内周面の形状に合わせるようにすることができる。第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第3のコーナー部103の内周面と接触する端部についても、第1のコーナー部101の内周面と接触する端部と同様にして形状を決定することができる。
板幅方向(Y軸方向)から見た場合の方向性電磁鋼板の長手方向の端部の形状は、例えば、市販の顕微鏡(Nikon ECLIPSE LV150)を用いて200倍で観察することにより確認することができる。
以上のようにして、第3の部分130を準備する。尚、同じ形状および同じ大きさの方向性電磁鋼板を積み重ねて固定した後に、長手方向の端部の形状が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の内周面の形状に合うように、当該方向性電磁鋼板を加工してもよい。また、後述する組み立ての際に、第3の部分130を構成してもよい。
更に、巻鉄心100に設置されるコイルを準備する。
以上のようにして第1の部分110および第2の部分120を構成するための方向性電磁鋼板、第3の部分130、およびコイルを準備した後、これらを組み合わせる。
図6は、巻鉄心100の製造方法における組立方法の一例を示す模式図である。
まず、図6(a)に示すように、第3の部分130をコイル610の中空部分に通す。
次に、図6(b)に示すように、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とを、第3の部分130が、第1の部分110および第2の部分120の内周面側(図6(b)において第1の部分110および第2の部分120よりも下側)に位置するように、コイル610の中空部分に入れる。これと同時に、第1の部分110の他端部(第2の端部)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)とを、コイル620の中空部分に入れる。
そして、図6(c)に示すように、第3の部分130の一方の板面(図6(b)において第3の部分130の上面)が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と接触した状態で、第1の部分110の一端部(第1の端部)の面(端面)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)の面(端面)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)の面(端面)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)の面(端面)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせる。後述するバンド140の取り付け時に、第3の部分130の長手方向の端部が、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触していれば、この状態では、第3の部分130の長手方向の端部は、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触してもしなくてもよい。
次に、図6(c)に示すように、第1の部分110および第2の部分120の外周面に、バンド140を取り付ける。バンド140を取り付ける際に、第1の部分110および第2の部分120が締め付けられる。このため、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のうち、最外周の方向性電磁鋼板の端部の面(端面)がX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)に圧縮力が集中する。そうすると、この部分を起点として、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)において、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間の隙間に入り込んだり、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間の隙間に入り込んだりする虞がある。しかしながら、バンド140の取り付け時に、第3の部分130の長手方向の一端部(第1の端部)の少なくとも一部および他端部(第2の端部)の少なくとも一部は、それぞれ、第1の部分110、第2の部分120の内周面に接触する。このようにすることにより、前述した方向性電磁鋼板の入り込みを抑制することができる。
以上のように本実施形態では、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の領域のうち、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面の領域に接触するように、長手方向(X軸方向)の長さが、当該窓部の、当該第3の部分130が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである第3の部分130を配置する。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心100が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
本実施形態では、方向性電磁鋼板の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心100を見た場合に、各コーナー部(第1のコーナー部101~第4のコーナー部104)が、曲線状の形状を有する屈曲部を2つ有している場合を例に挙げて説明した。しかしながら、各コーナー部が有する屈曲部の数は、1つ以上であれば、幾つであってもよい。この場合、1つのコーナー部に存在する屈曲部それぞれの曲げ角度の合計が90°となっているのが好ましい。
各コーナー部が、曲線状の形状を有する屈曲部を3つ有する場合の巻鉄心の一例について説明する。
図7は、巻鉄心700を正面から見た図である。図7は、図2に対応する図である。
図7において、巻鉄心700は、第1の部分710と、第2の部分720と、第3の部分730と、を有する。巻鉄心700の外周面には、バンドが取り付けられる。図7では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心700に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
図7に示す巻鉄心700と、図1~図3に示す巻鉄心100との違いは、コーナー部の形状と、第3の部分730の長手方向の端部の形状である。
図8は、第1のコーナー部701付近を拡大して示す図である。図8は、図3に対応する図である。尚、第2のコーナー部702、第3のコーナー部703、および第4のコーナー部704の形状も、第1のコーナー部701の形状と同様であるので、ここでは、第2のコーナー部702、第3のコーナー部703、および第4のコーナー部704の詳細な説明を省略する。
図7において、屈曲部701a、701b、701cは、曲線状の形状を有する。屈曲部701a、701bの間の領域、屈曲部701b、701cの間の領域は、それぞれ、平坦部701d、701eである。
前述したように、1つのコーナー部は1つ以上の屈曲部により構成される。このため、直方体部に屈曲部が平坦部を介して連続し、当該屈曲部に続いて平坦部、屈曲部が、1つのコーナー部内の屈曲部の数に応じて交互に連続し、当該コーナー部における最後の屈曲部に、当該コーナー部を間に挟んだ状態で当該直方体部と隣り合う直方体部が平坦部を介して連続する。図8に示す例では、第1の直方体部705に屈曲部701aが平坦部701fを介して連続し、屈曲部701aに続いて平坦部701d、屈曲部701b、平坦部701eがこの順で連続し、屈曲部701cに第3の直方体部707が平坦部701gを介して連続する。尚、平坦部701f、701gはなくてもよい。
図8においても図3と同様に線分α-α'から線分β-β'までの領域を第1のコーナー部701とする。図8において、点αは、第1のコーナー部701の内周面における第1の直方体部705側の端点である。点α'は、点αを通り方向性電磁鋼板の板面に垂直な
方向の直線と、巻鉄心700(第1の部分710)の外周面との交点である。同様に点βは、第1のコーナー部101の内周面における第3の直方体部707側の端点であり、点β'は、点βを通り方向性電磁鋼板の板面に垂直な方向の直線と、巻鉄心700(第1の部分710)の外周面との交点である。
図8において第1のコーナー部701を間に挟んで隣り合う第1の直方体部705および第3の直方体部707のなす角はθ(=90°)である。第1のコーナー部701(1つのコーナー部)内の屈曲部701a、701b、701cの曲げ角度φ1、φ2、φ3の合計は90°である。図7~図8に示すように、1つのコーナー部に3つの屈曲部を有する場合、鉄損低減の点から、例えば、φ1=φ2=φ=30°とすることができる。
第3の部分730は、第1の部分710および第2の部分720の内側の領域である窓部に配置される。また、第3の部分730の板面は、第1の部分710および第2の部分720の内周面のうち、第1のコーナー部701および第3のコーナー部703の間の内周面に接触する位置に配置される。第3の部分730のX軸方向の長さは、前記窓部の、当該第3の部分730が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである。即ち、第3の部分730の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第1の部分710の内周面に接触され、第3の部分730の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第2の部分720の内周面に接触される。
例えば、設計に際し、図8に示すように、板幅方向(Y軸方向)から見た場合において、第3の部分730を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第1のコーナー部701の内周面と接触する点701h~701oが、第1のコーナー部701の内周面の形状を表す関数上に位置するように、各点701h~701oの位置を決めることにより、第3の部分730の板幅方向(Y軸方向)から見た場合の長手方向の端部の形状を、第1のコーナー部701の内周面の形状に合わせるようにすることができる。第3の部分730を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第3のコーナー部703の内周面と接触する端部についても、第1のコーナー部701の内周面と接触する端部と同様にして形状を決定することができる。
次に、各コーナー部が、曲線状の形状を有する屈曲部を1つ有する場合の巻鉄心の一例について説明する。
図9は、巻鉄心900を正面から見た図である。図9は、図2、図7に対応する図である。
図9において、巻鉄心900は、第1の部分910と、第2の部分920と、第3の部分930と、を有する。巻鉄心900の外周面には、バンドが取り付けられる。図9では、図2、図7と同様に、表記の都合上、巻鉄心900に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
図9に示す巻鉄心900と、図1~図3に示す巻鉄心100との違いは、コーナー部の形状と、第3の部分930の長手方向の端部の形状である。
図10は、第1のコーナー部901付近を拡大して示す図である。図10は、図3、図8に対応する図である。尚、第2のコーナー部902、第3のコーナー部903、および第4のコーナー部904の形状も、第1のコーナー部901の形状と同様であるので、ここでは、第2のコーナー部902、第3のコーナー部903、および第4のコーナー部904の詳細な説明を省略する。
図9において、屈曲部901aは、曲線状の形状を有する。
前述したように、1つのコーナー部は1つ以上の屈曲部により構成される。このため、直方体部に屈曲部が平坦部を介して連続し、当該屈曲部に続いて平坦部、屈曲部が、1つのコーナー部内の屈曲部の数に応じて交互に連続し、当該コーナー部における最後の屈曲部に、当該コーナー部を間に挟んだ状態で当該直方体部と隣り合う直方体部が平坦部を介して連続する。図10に示す例では、第1の直方体部905に屈曲部901aが平坦部901bを介して連続し、屈曲部901aに第3の直方体部907が平坦部901cを介して連続する。尚、平坦部901b、901cはなくてもよい。
図10においても図3と同様に線分α-α'から線分β-β'までの領域を第1のコーナー部901とする。図9において、点αは、第1のコーナー部901の内周面における第1の直方体部905側の端点である。点α'は、点αを通り方向性電磁鋼板の板面に垂直
な方向の直線と、巻鉄心900(第1の部分910)の外周面との交点である。同様に点βは、第1のコーナー部901の内周面における第3の直方体部907側の端点であり、点β'は、点βを通り方向性電磁鋼板の板面に垂直な方向の直線と、巻鉄心900(第1
の部分910)の外周面との交点である。
図10において第1のコーナー部901を間に挟んで隣り合う第1の直方体部905および第3の直方体部907のなす角はθ(=90°)である。第1のコーナー部901(1つのコーナー部)内の屈曲部901aの曲げ角度φは90°である。
図3、図8、図10から明らかなように、一般に、コーナー部内にn個の屈曲部を有する場合、φ1+φ2+・・・+φnは90°となる。
第3の部分930は、第1の部分910および第2の部分920の内側の領域である窓部に配置される。また、第3の部分930の板面は、第1の部分910および第2の部分920の内周面のうち、第1のコーナー部901および第3のコーナー部903の間の内周面に接触する位置に配置される。第3の部分930のX軸方向の長さは、前記窓部の、当該第3の部分930が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである。即ち、第3の部分930の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第1の部分910の内周面に接触され、第9の部分930の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第2の部分920の内周面に接触される。
例えば、設計に際し、図10に示すように、板幅方向(Y軸方向)から見た場合において、第3の部分930を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第1のコーナー部901の内周面と接触する点901d~901kが、第1のコーナー部901の内周面の形状を表す関数上に位置するように、各点701h~701oの位置を決めることにより、第3の部分930の板幅方向(Y軸方向)から見た場合の長手方向の端部の形状を、第1のコーナー部901の内周面の形状に合わせるようにすることができる。第3の部分930を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部のうち、第3のコーナー部903の内周面と接触する端部についても、第1のコーナー部901の内周面と接触する端部と同様にして形状を決定することができる。
また、本実施形態のように、第3の部分130、730、930を方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成すれば、巻鉄心100、700、900の鉄損を低減することができるので好ましい。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、第3の部分を、第3の部分130、730、930と同じ形状のバルク状の部分としてもよい。また、軟磁性材以外の非金属材で第3の部分を構成してもよい。
また、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とのX軸方向(第2の方向)において突き合わせた状態を保持させるための部材(即ち、第1の部分110および第2の部分120の相対的な位置を固定するための部材)は、バンド140に限定されない。例えば、2つの部材を用いて、X軸の負の方向側からX軸の正の方向に向けて第1の部分110を押し付ける部材と、第2の部分120をX軸の正の方向側から負の方向側に第2の部分120を押し付ける部材とを用いて、第1の部分110および第2の部分120をX軸方向において挟みつけるようにしてもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、第3の部分130の板面は、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面に接触する位置に配置されるようにした。本実施形態では、更に、板面が、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の内周面に接触する第3の部分を更に配置する。このように、本実施形態は、第1の実施形態に対し、第3の部分の数を1つ増やしたものとなる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図10に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図11は、巻鉄心1100を正面から見た図である。図11は、図2に対応する図である。
図11において、巻鉄心1100は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分130、1130と、を有する。巻鉄心100の外周面には、バンドが取り付けられる。図11では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心100に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第3の部分1130は、第3の部分130と同じもので実現することができる。第3の部分130のZ軸方向における一方の表面(第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の正の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第1の部分110および第2の部分120の内周面のうち、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面に接触する位置に配置されるが、第3の部分130のZ軸方向における他方の表面(第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の負の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の内周面に接触する位置には配置されない。これに対し、第3の部分1130のZ軸方向における一方の表面(第3の部分1130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の負の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第1の部分110および第2の部分120の内周面のうち、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の内周面に接触する位置に配置されるが、第3の部分1130のZ軸方向における他方の表面(第3の部分1130を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の正の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間の内周面に接触する位置には配置されない。また、第3の部分130、1130は、Z軸方向(第1の方向)において間隔を有した状態で配置される。
また、第3の部分130と同様に、第3の部分1130のX軸方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の、当該第3の部分1130が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである。即ち、第3の部分1130の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第1の部分110の内周面に接触され、第3の部分1130の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)の少なくとも一部は、第2の部分120の内周面に接触される。
以上のように本実施形態では、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の領域のうち、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面の領域と、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の内周面の領域に板面が接触するように、長手方向(X軸方向)の長さが、当該窓部の、第3の部分130、1130が配置される位置でのX軸方向の長さと同じである第3の部分130、1130をそれぞれ配置する。従って、第1の部分110と第2の部分120とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる2つの箇所(接合部)のそれぞれに対応する位置に、第3の部分130、1130を配置することができる。よって、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを、より確実に抑制することができる。これにより、巻鉄心100が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することをより確実に抑制することができる。
本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。例えば、1つのコーナー部内の屈曲部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、第3の部分1130は、方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成しなくてもよい。また、バンド140を用いなくてもよい。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態を説明する。第1の実施形態では、第3の部分130の板面は、第1の部分110および第2の部分120の内周面のうち、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の内周面に接触される場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、第3の部分の板面は、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触せず、その長手方向の端部の面(端面)の少なくとも一部が、第1の部分110および第2の部分120の、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間の内周面と、第1の部分110および第2の部分120の、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の内周面とに接触するようにする。このように、本実施形態は、第1の実施形態と、第3の部分の構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図10に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図12は、巻鉄心1200を斜めから見た図である。図12は、図1に対応する図である。図12では、図1と同様に、表記の都合上、巻鉄心1200に対して設置される巻線(コイル)の図示を省略する。
図12において、巻鉄心1200は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分1230と、を有する。巻鉄心1200の外周面には、バンド140が取り付けられる。バンド140には、巻鉄心1200の取付金具等も取り付けられるが、図12では、図1と同様に、表記の都合上、取付金具等の図示を省略する。
図13は、巻鉄心1200を正面から見た図である。図13では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心1200に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分1230は、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
図12および図13に示すように、本実施形態の第3の部分1230を構成する複数の方向性電磁鋼板は、その長手方向がX軸方向になるように配置された平板(即ち、X軸方向に延設された平板)である(即ち、方向性電磁鋼板の板面は曲げられていない)。また、図12および図13に示すように、第3の部分1230は、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部に配置される。
また、第3の部分1230のZ軸方向の表面(第3の部分1230を構成する方向性電磁鋼板のうち最もZ軸の正の方向側および最もZ軸の負の方向側に位置する方向性電磁鋼板の板面)は、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触しない。第3の部分1230のX軸方向の長さは、前記窓部の、第1の直方体部105の内周面から、第2の直方体部106の内周面までのX軸方向の長さと同じである。従って、第3の部分1230を構成する方向性電磁鋼板の板面の形状は、全て同じ矩形状である。第3の部分130の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)の少なくとも一部(好ましくは全部)は、第1の部分110(第1の直方体部105)の内周面に接触し、第3の部分1230の長手方向の他端部(第2の端部)の面(端面)の少なくとも一部(好ましくは全部)は、第2の部分120(第2の直方体部106)の内周面に接触する。
第3の部分1230は、後述する組み立ての際に、コイル610、620が設定されるスペースを避ける位置に配置される。例えば、第3の部分1230の、方向性電磁鋼板の板厚方向の中心の位置が、第3の直方体部107の内周面と第4の直方体部108の内周面との中間の位置(即ち、前記窓部のZ軸方向の中心の位置)になるように、第3の部分1230は配置される。
次に、本実施形態の巻鉄心1200の製造方法の一例を説明する。
第1の部分110、第2の部分120、およびコイル610、620は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分1230については、まず、方向性電磁鋼板を、板幅方向の長さが、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じになり、長手方向の長さが、窓部(第1の部分110および第2の部分120の内側の領域)のX軸方向の長さであって、当該方向性電磁鋼板が配置される位置でのX軸方向の長さと同じになるように矩形状に切断する。第3の部分130を構成する方向性電磁鋼板の形状および大きさは同じである。
そして、矩形状に切断された方向性電磁鋼板を、その板面同士を重ねて積み重ねて直方体状とし、各方向性電磁鋼板が動かないように固定する。方向性電磁鋼板の固定は、例えば、接着剤等を用いることにより実現される。接着剤は、磁性を有するものが好ましい。
以上のようにして、第3の部分130を準備する。尚、後述する組み立ての際に、第3の部分1230を構成してもよい。
図14は、巻鉄心1200の製造方法における組立方法の一例を示す模式図である。
まず、図14(a)に示すように、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とを、コイル610の中空部分に入れると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)とを、コイル620の中空部分に入れる。また、コイル610、620の間に第3の部分1230を配置する。
そして、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)の面(端面)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)の面(端面)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせる。このとき、第3の部分1230の長手方向の端部の面(端面)と、第1の部分110および第2の部分120の内周面の領域のうち、第3の部分1230の長手方向の端部の面(端面)と接触する領域との少なくとも一方に、接着剤を塗布しておくのが好ましい。第3の部分1230を第1の部分110および第2の部分120により確実に固定することができるからである。接着剤は磁性を有するものが好ましい。
そして、図14(b)に示すように、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)の面(端面)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)の面(端面)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせる。このとき、第3の部分1230が、コイル610、620から距離を有した状態の所定の位置になるように、第3の部分1230が配置されるようにする。後述するバンド140の取り付け時に、第3の部分1230の長手方向の端部の面(端面)が、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触していれば、この状態では、第3の部分1230の長手方向の端部の面(端面)は、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触してもしなくてもよい。
次に、図14(b)に示すように、第1の部分110および第2の部分120の外周面に、バンド140を取り付ける。バンド140の取り付け時に、第3の部分1230の長手方向の端部は、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触する。このようにすることにより、第1の部分110が第2の部分120側(X軸の正の方向側)に動くことと、第2の部分120が第1の部分110側(X軸の正の方向側)に動くこととを抑制することができる。
以上のように本実施形態では、第3の部分1230は、その板面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面に接触せず、且つ、その長手方向の端部の面(端面)の少なくとも一部が、第1の部分110の、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間の内周面と、第2の部分120の、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の内周面とに接触する位置に配置される。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心1200が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
本実施形態においても、第1~第2の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。例えば、1つのコーナー部内の屈曲部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、第3の部分1230は、方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成しなくてもよい。また、バンド140を用いなくてもよい。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態を説明する。第1~第3の実施形態では、平板の方向性電磁鋼板(板面が曲げられていない方向性電磁鋼板)を、板面同士が重なるように積み重ねることにより第3の部分130、1130、1230を構成する場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、第3の部分の外周面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うようにする。このように本実施形態は、第1~第3の実施形態と、第3の部分の構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1~第3の実施形態と同一の部分については、図1~図14に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図15は、巻鉄心1500を斜めから見た図である。図15は、図1に対応する図である。図15では、図1と同様に、表記の都合上、巻鉄心1500に対して設置される巻線(コイル)の図示を省略する。
図15において、巻鉄心1500は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分1530と、を有する。巻鉄心1500の外周面には、バンド140が取り付けられる。バンド140には、巻鉄心1500の取付金具等も取り付けられるが、図15では、図1と同様に、表記の都合上、取付金具等の図示を省略する。
図16は、巻鉄心1500を正面から見た図である。図16では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心1500に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分1530は、第1の小部分1531と、第2の小部分1532とを有する。
第1の小部分1531は、それぞれが、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102に対応する位置で曲げられた形状の複数の方向性電磁鋼板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。第2の小部分1532は、それぞれが、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられた形状の複数の方向性電磁鋼板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
第1の小部分1531の外周面は、第1の部分110の内周面と合わさるように構成される。また、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じである。
同様に、第2の小部分1532の外周面は、第2の部分120の内周面と合わさるように構成される。また、第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じである。
図15および図16に示すように、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)と第2の小部分153を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)とがそれぞれX軸方向(第2の方向)において突き合わせられた状態になっている。当該突き合わせられる位置1533の、巻鉄心1500の周方向における位置は、X軸方向(第2の方向)において同じである。同様に、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の他端部(第2の端部)と第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の他端部(第2の端部)とがそれぞれX軸方向(第2の方向)において突き合わせられた状態になっている。当該突き合わせられる位置1534の、巻鉄心1500の周方向における位置は、X軸方向(第2の方向)において同じである。
従って、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の板面と、第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の板面とは重なり合わずに、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる。
このように、第3の部分1530を構成する方向性電磁鋼板は、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられており、第3の部分1530の外周面は、第1の部分110および第2の部分の内周面に接触した状態で配置される。
また、図15および図16に示すように、第3の部分1530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)は、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の位置1533と、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の位置1534とで突き合わせられている。図15および図16に示す例では、位置1533は、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の中間の位置としているが、必ずしも、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間の中間の位置である必要はない。同様に、位置1534も、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の中間の位置である必要はない。
次に、本実施形態の巻鉄心1200の製造方法の一例を説明する。
第1の部分110、第2の部分120、およびコイル610、620は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分1530については、第1の小部分1531と第2の小部分1532とを組み合わせた際に、それらの外周面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と同じになるように、第1の小部分1531を構成する方向性電磁鋼板のうち、最外周に位置する方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度と、第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板のうち、最外周に位置する方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度とをそれぞれ決定する。
また、第1の小部分1531、第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の隣接する2層間に隙間が生じないようにするため、隣接する2層の方向性電磁鋼板において、内側に配置される方向性電磁鋼板の外周面と、外側に配置される方向性電磁鋼板の内周面とが等しくなるように各方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度を決定する。
以上のようにして決定した方向性電磁鋼板の長手方向の長さおよび板幅方向の長さに合わせて、当該長手方向が圧延方向になるように、方向性電磁鋼板を切断する。そして、切断後の方向性電磁鋼板に対して、以上のようにして決定した屈曲部の位置および曲げ角度に従って曲げ加工を行う。曲げ加工の方法は、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板に対する曲げ加工の方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。第1の部分110および第2の部分120と同様に、第3の部分1530(第1の小部分1531および第2の小部分1532)においても、板厚方向に積層された各方向性電磁鋼板の屈曲部における曲率半径rが一致するように設定して加工するが、加工された方向性電磁鋼板の曲率半径には、鋼板表層の粗度や形状によって誤差が生じる場合がある。誤差が生じる場合であっても、その誤差が0.1mm以下であることが好ましい。
そして、以上のようにして曲げ加工して得られた方向性電磁鋼板のそれぞれに対し、屈曲部の歪みを焼鈍により除去する。
第1の小部分1531および第2の小部分1532が構成されるように、以上のようにして曲げ加工と歪取り焼鈍とが行われた方向性電磁鋼板の板面同士が重なり合うように各方向性電磁鋼板を積み重ねる。このようにして、第3の部分1530(第1の小部分1531および第2の小部分1532)を準備する。このとき、第1の小部分1510および第2の小部分1532を構成する方向性電磁鋼板の位置がずれないように固定してもよい。また、後述する組み立ての際に、第1の小部分1510および第2の小部分1532を構成してもよい。
以上のようにして第1の部分110、第2の部分120、第3の部分1530を構成するための方向性電磁鋼板、およびコイル610、620を準備した後、これらを組み合わせる。
図17は、巻鉄心1500の製造方法における組立方法の一例を示す模式図である。
まず、図17(a)に示すように、第1の部分110の内周面に第1の小部分1531の外周面が合わさり、且つ、第2の部分120の内周面に第2の小部分1532の外周面が合わさる状態として、第1の部分110および第1の小部分1531の一端部(第1の端部)と、第2の部分120および第2の小部分1532の一端部(第1の端部)とを、コイル610の中空部分に入れる。これと同時に、第1の部分110および第1の小部分1531の他端部(第2の端部)と、第2の部分120および第2の小部分1532の他端部(第2の端部)とを、コイル620の中空部分に入れる。
そして、第1の部分110および第1の小部分1531の一端部(第1の端部)と、第2の部分120および第2の小部分1532の一端部(第1の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせると共に、第1の部分110および第1の小部分1531の他端部(第2の端部)と、第2の部分120および第2の小部分1532の他端部(第2の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせる。
次に、図17(b)に示すように、第1の部分110および第2の部分120の外周面に、バンド140を取り付ける。バンド140を取り付ける際に、第1の部分110および第2の部分120が締め付けられる。
以上のように本実施形態では、第3の部分1530は、第1の小部分1531と第2の小部分1532とを組み合わせることにより、その外周面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。このため、第3の部分1530のX軸方向の長さは、第3の部分1530が第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心1200が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、本実施形態では、第1の部分110および第2の部分120が突き合わさる辺と、第1の小部分1531および第2の小部分1532が突き合わさる辺とを同じにすることができる。従って、巻鉄心1500の組み立て作業が容易になる。
ただし、第3の部分1530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)は、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間と、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の少なくとも一方で突き合わせられていればよい。例えば、第3の部分1530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)は、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間でのみ突き合わせられるようにすることができる。
図18および図19は、このような巻鉄心1800の製造方法における組立方法の一例を示す模式図である。
図18(a)において、第3の部分1830は、第1の小部分1531および第2の小部分1532を位置1534で連結したもの(即ち、第3の部分1830は、位置1534で離れないもの)である。従って、第3の部分1830は、2つの小部分に分かれていない。図18(a)に示すように、方向性電磁鋼板の弾性を利用して、第3の部分1830を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部に隙間を作る。そして、当該隙間を用いて、第3の部分1830を、コイル620の中空部分に通し、図18(b)に示すように、コイル620を当該隙間がある領域と反対側の領域まで移動させる。
次に、図18(b)に示すように、前述した隙間を作った状態とし、第3の部分1830を、コイル610の中空部分に入れる。そして、図18(c)に示すように、そして、第3の部分1830の一端部(第1の端部)と、他端部(第2の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせた状態で、コイル610の中空部分の内部に、第3の部分1830を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部に位置させる。
次に、図19(a)に示すように、第1の部分110の内周面に第3の部分1830の外周面が合わさり、且つ、第2の部分120の内周面に第3の部分1830が合わさる状態とする。そして、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とを、コイル610の中空部分に入れる。これと同時に、第1の部分110の他端部(第2の端部)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)とを、コイル620の中空部分に入れる。
そして、図19(b)に示すように、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とを合わせると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)の面(端面)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)の面(端面)とを合わせる。
次に、図19(b)に示すように、第1の部分110および第2の部分120の外周面に、バンド140を取り付ける。バンド140を取り付ける際に、第1の部分110および第2の部分120が締め付けられる。
以上のようにすれば、第3の部分1830を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)がX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所が同一の層(同一の積段位置)において一箇所になる。このため、第3の部分1530に比べ、鉄損を低減することができる。また、図19(a)に示したように、組み立て作業において、第1の部分110の一端部(第1の端部)と第2の部分120の一端部(第1の端部)とをコイル610の中空部分に入れ、第1の部分110の他端部(第2の端部)と第2の部分120の他端部(第2の端部)とをコイル620の中空部分に入れる際に、第3の部分1830のZ軸方向の外周面は、第1の部分110および第2の部分120のZ軸方向の内周面に接触した状態となる。したがって、第3の部分130は、第1の部分110と第2の部分120とを合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。特に、巻鉄心1500を正面から見た場合に、巻鉄心1500が8角形の角型であるため、第1の部分110、第2の部分120、第3の部分1530の加工精度を高くすることができるため、第3の部分130は、ガイドとしての機能が高められている。
第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれていると、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを正しく合わせることができない。
図19に示す巻鉄心1800によれば、第3の部分1830は、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを、Z軸方向において正しい位置に合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のそれぞれの端面同士を確実に接触させることができる。ただし、図17と図18および図19とを比較すれば分かる通り、図17では、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、同時に第3の部分1830の1531と1532を合わせることができる。このため、組み立て作業の工数は、巻鉄心1800に比べて巻鉄心1500の方が少ない。従って、鉄損の低減と組み立て作業の負担との何れを優先させるかにより、何れの巻鉄心1500、1800を採用するかを決定することができる。
尚、第3の部分1530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)は、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間でのみX軸方向(第2の方向)において突き合わせられるようにしてもよい。
また、本実施形態においても、第1~第3の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。例えば、1つのコーナー部内の屈曲部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、第3の部分1530、1830は、方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成しなくてもよい。また、バンド140を用いなくてもよい。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態を説明する。第4の実施形態では、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間と、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の少なくとも一方でX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる場合を例に挙げて説明した。これに対し、本実施形態では、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間と、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間の少なくとも一方でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる場合について説明する。このように本実施形態は、第1~第4の実施形態と、第3の部分の構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1~第4の実施形態と同一の部分については、図1~図19に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図20は、巻鉄心2000を斜めから見た図である。図20は、図1に対応する図である。図20では、図1と同様に、表記の都合上、巻鉄心2000に対して設置される巻線(コイル)の図示を省略する。
図20において、巻鉄心2000は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分2030と、を有する。巻鉄心2000の外周面には、バンド140が取り付けられる。バンド140には、巻鉄心2000の取付金具等も取り付けられるが、図20では、図1と同様に、表記の都合上、取付金具等の図示を省略する。
図21は、巻鉄心2000を正面から見た図である。図21では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心2000に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分2030は、それぞれが、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられた形状の複数の方向性電磁鋼板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
第3の部分2030の外周面は、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合わさるように構成される。また、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じである。第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と他端部(第2の端部)の面(端面)とが、第3のコーナー部103と第4のコーナー部104との間の領域でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる。このとき、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の板面が重なり合うように、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる。
更に、図20および図21に示すように、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向における位置は、Z軸方向(第1の方向)においてずれた位置になっている。
更に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられ箇所(接合部)の、巻鉄心2000の周方向の位置のX軸方向(第2の方向)におけるずれ方と、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2000の周方向の位置のZ軸方向(第1の方向)におけるずれ方とが同じになっている。
即ち、図21に示すように、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置がX軸方向(第2の方向)においてずれる方向と、当該方向性電磁鋼板の板厚方向(Z軸方向)とのなす鋭角の角度ψと、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2000の周方向の位置がZ軸方向(第1の方向)においてずれる方向と、当該方向性電磁鋼板の板厚方向(X軸方向)とのなす鋭角の角度ψと、が同じになるようにする。巻鉄心100の周方向の位置がX軸方向(第2の方向)、Z軸方向(第1の方向)においてずれる方向は、例えば、図21に示すように、方向性電磁鋼板の板幅方向(Y軸方向)から巻鉄心2000を見た場合に、一周期分の接合部を構成する各方向性電磁鋼板の板厚方向の中心を結ぶ仮想線の延設方向である。
更に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置をX軸方向(第2の方向)においてずらす周期と、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置をZ軸方向(第1の方向)においてずらす周期とを同じにする。
図20および図21に示す例では、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置を、X軸方向(第2の方向)において3枚周期で周期的にずらす。よって、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置も、Z軸方向(第1の方向)において3枚周期で周期的にずらす。
尚、図20および図21では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板が3枚であるので、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向の位置をZ軸方向(第1の方向)においてずらす周期として一周期分のみを示す。
次に、本実施形態の巻鉄心2000の製造方法の一例を説明する。
第1の部分110、第2の部分120、およびコイル610、620は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分2030については、その外周面が第1の部分110および第2の部分120の内周面と同じになるように、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板のうち、最外周に位置する方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度を決定する。
次に、図20および図21に示したように、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心100の周方向における位置が、Z軸方向(第1の方向)において周期的にずれるように、各方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度を決定する。
また、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とをZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる際に、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の隣接する2層間に隙間が生じないようにするため、隣接する2層の方向性電磁鋼板において、内側に配置される方向性電磁鋼板の外周長と、外側に配置される方向性電磁鋼板の内周長とが等しくなるように、各方向性電磁鋼板の、長手方向の長さ、板幅方向の長さ、コーナー部の形成領域、屈曲部の位置、および曲げ角度を決定する。
以上のようにして決定した方向性電磁鋼板の長手方向の長さおよび板幅方向の長さに合わせて、当該長手方向が圧延方向になるように、方向性電磁鋼板を切断する。そして、切断後の方向性電磁鋼板に対して、以上のようにして決定した屈曲部の位置および曲げ角度に従って曲げ加工を行う。曲げ加工の方法は、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板に対する曲げ加工の方法と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。第1の部分110および第2の部分120と同様に、第3の部分2030においても、板厚方向に積層された各方向性電磁鋼板の屈曲部における曲率半径rが一致するように設定して加工するが、加工された方向性電磁鋼板の曲率半径には、鋼板表層の粗度や形状によって誤差が生じる場合がある。誤差が生じる場合であっても、その誤差が0.1mm以下であることが好ましい。
そして、以上のようにして曲げ加工して得られた方向性電磁鋼板のそれぞれに対し、屈曲部の歪みを焼鈍により除去する。
第3の部分2030が構成されるように、以上のようにして曲げ加工と歪取り焼鈍とが行われた方向性電磁鋼板の板面同士が重なり合うように各方向性電磁鋼板を積み重ねる。このようにして、第3の部分2030を準備する。このとき、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の位置がずれないように固定してもよい。また、後述する組み立ての際に、第3の部分2030を構成してもよい。
以上のようにして第1の部分110、第2の部分120、第3の部分3030を構成するための方向性電磁鋼板、およびコイル610、620を準備した後、これらを組み合わせる。
図22および図23は、このような巻鉄心3000の製造方法における組立方法の一例を説明する図である。
図22(a)に示すように、方向性電磁鋼板の弾性を利用して、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部に隙間を作り、第3の部分2030を、コイル610の中空部分に通し、コイル610が、第3の部分2030の長辺の部分に位置するまで第3の部分2030を移動させる。
次に、図22(b)に示すように、前述した隙間を作った状態とし、第3の部分2030を、コイル620の中空部分に通す。そして、図22(c)に示すように、コイル620が、第3の部分2030の2つの長辺の部分のうち、コイル610が配置されていない側の部分に位置するまで第3の部分2030を移動させ、第3の部分1830の一端部(第1の端部)と、他端部(第2の端部)とをZ軸方向(第1の方向)において突き合わせる。
次に、図23(a)に示すように、第1の部分110の内周面に第3の部分2030の外周面が合わさり、且つ、第2の部分120の内周面に第3の部分2030が合わさる状態とする。そして、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とを、コイル610の中空部分に入れる。これと同時に、第1の部分110の他端部(第2の端部)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)とを、コイル620の中空部分に入れる。
そして、図23(b)に示すように、第1の部分110の一端部(第1の端部)と、第2の部分120の一端部(第1の端部)とをX軸方向(第2の方向)において突き合わせると共に、第1の部分110の他端部(第2の端部)の面(端面)と、第2の部分120の他端部(第2の端部)の面(端面)とX軸方向(第2の方向)において突き合わせる。
次に、図23(b)に示すように、第1の部分110および第2の部分120の外周面に、バンド140を取り付ける。バンド140を取り付ける際に、第1の部分110および第2の部分120が締め付けられる。
以上のように本実施形態では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられるようにする。また、第3の部分2030は、その外周面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。このため、第3の部分2030のX軸方向の長さは、第3の部分2030が第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2000が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、図23(a)に示したように、組み立て作業において、第1の部分110の一端部(第1の端部)と第2の部分120の一端部(第1の端部)とをコイル610の中空部分に入れ、第1の部分110の他端部(第2の端部)と第2の部分120の他端部(第2の端部)とをコイル620の中空部分に入れる際に、第3の部分2030のZ軸方向の外周面は、第1の部分110および第2の部分120のZ軸方向の内周面に接触した状態となる。したがって、第3の部分2030は、第1の部分110と第2の部分120とを合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。
第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれていると、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを正しく合わせることができない。
本実施形態によれば、第3の部分2030は、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを、Z軸方向において正しい位置に合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のそれぞれの端面同士を確実に接触させることができる。
また、本実施形態では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2000の周方向における位置をZ軸方向(第1の方向)においてずらす。従って、当該部分の、巻鉄心2000の周方向における位置をZ軸方向(第1の方向)においてずらさない場合に比べて鉄損を低減することができる。
本実施形態では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられるようにした。しかしながら、図24に示す巻鉄心2400のように、第3の部分2430を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられるようにしてもよい。また、図25に示す巻鉄心2500のように、第3の部分2530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第2のコーナー部102の間と、第3のコーナー部103および第4のコーナー部104の間との双方でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられるようにしてもよい。この場合、第3の部分2530は、第1の小部分2531と第2の小部分2532とを有する。第1の小部分2531は、第3の部分2530のうち、第3の部分2530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が突き合わせられる箇所よりも、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103側(Z軸の正の方向側)の領域を構成する。第2の小部分2532は、第3の部分2530のうち、第3の部分2530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が突き合わせられる箇所よりも、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104側(Z軸の負の方向側)の領域を構成する。
図21および図24に示すように、第3の部分2030、2430を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)がZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所が同一の層において一箇所である場合の方が、図25に示すように、第3の部分2030、2530を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)がZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる箇所が同一の層において二箇所である場合よりも、鉄損を低減することができる。ただし、組み立て作業は、巻鉄心2000、2400に比べて巻鉄心2500の方が容易であることは、第4の実施形態で説明したのと同じである。従って、鉄損の低減と組み立て作業の負担との何れを優先させるかにより、何れの巻鉄心2000、2400、2500を採用するかを決定することができる。
また、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)の周方向の位置をZ軸方向(第1の方向)においてずらせば、鉄損を低減することができるので好ましい。しかしながら、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)の周方向の位置はZ軸方向(第1の方向)において同じであってもよい。
また、本実施形態においても、第1~第4の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。例えば、1つのコーナー部内の屈曲部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、第3の部分2030、2430、2530は、方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成しなくてもよい。また、バンド140を用いなくてもよい。
以上説明した例では、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さと同じとした。一方、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くてもよい。このような構成によれば、第3の部分の板幅方向の長さが長くなっていることで、例えば図23(a)、図23(b)に示す工程において、第3の部分の上から曲げ加工した鋼板からなる第1の部分110、第2の部分120を重ね合わせる際に、ガイドとなる第3の部分が見易くなる。したがって、第1の部分と第2の部分の位置を容易に決定でき、
巻鉄心2000の組み上げ時の作業が効率的になる。
図31は、第5の実施形態において、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。
図31は、図20に対応している。図31では、図20に対して第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さがより長くなっている。具体的には、第3の部分2030は、第1の部分110および第2の部分120よりも板幅方向で距離D10だけ手前に突出している。同様に、第3の部分2030は、図31に示す巻鉄心の裏側において、第1の部分110および第2の部分120よりも板幅方向で距離D10だけ奥に突出している。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態を説明する。本実施形態では、第3の部分を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間と、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間の一方でのみでX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる場合について説明する。このように本実施形態は、第1~第5の実施形態と、第3の部分の構成が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1~第5の実施形態と同一の部分については、図1~図25に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図26は、巻鉄心2600を斜めから見た図である。図26は、図1に対応する図である。図26では、図1と同様に、表記の都合上、巻鉄心2600に対して設置される巻線(コイル)の図示を省略する。
図26において、巻鉄心2600は、第1の部分110と、第2の部分120と、第3の部分2630と、を有する。巻鉄心2600の外周面には、バンド140が取り付けられる。バンド140には、巻鉄心2600の取付金具等も取り付けられるが、図20では、図1と同様に、表記の都合上、取付金具等の図示を省略する。
図27は、巻鉄心2600を正面から見た図である。図27では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心2600に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分2630は、第5の実施形態で説明した第3の部分2030と、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と他端部(第2の端部)の面(端面)とが突き合わせられる箇所(接合部)の位置が異なるだけである。即ち、第5の実施形態で説明した第3の部分2030では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と他端部(第2の端部)の面(端面)とが第3のコーナー部103と第4のコーナー部104との間の領域でZ軸方向(第1の方向)において突き合わせられる。これに対し、本実施形態の第3の部分2630では、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と他端部(第2の端部)の面(端面)とが第1のコーナー部101と第3のコーナー部103との間の領域でX軸方向(第2の方向)においてにおいて突き合わせられる。
また、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2600の周方向の位置のX軸方向(第2の方向)におけるずれ方と、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられ合わさる箇所(接合部)の、巻鉄心2600の周方向の位置のX軸方向(第2の方向)におけるずれ方とが同じになっている。
更に、図26および図27に示すように、第1のコーナー部101と第3のコーナー部103との間の領域において、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2600の周方向における位置と、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2600の周方向における位置とが、X軸方向(第2の方向)において同じになるようにするのが好ましい。
本実施形態の巻鉄心2600を製造する際には、第4の実施形態で説明した第3の部分1830の一端部(第1の端部)および他端部(第2の端部)の形状が、第5の実施形態で説明した第3の部分2030の一端部(第1の端部)および他端部(第2の端部)の形状となるように、第3の部分2630を準備する。そして、図18および図19を参照しながら説明したようにして第1の部分110、第2の部分120、および第3の部分2630を組み合わせ、第1の部分110および第2の部分120の外周面にバンド140を取り付ける。このように、本実施形態の巻鉄心2600の製造方法は、第4の実施形態で説明した巻鉄心1800および第5の実施形態で説明した巻鉄心2000の製造方法を参照することにより実現することができるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
以上のように本実施形態では、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間でX軸方向(第2の方向)において突き合わせられるようにする。この際、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)の、巻鉄心2600の周方向における位置をX軸方向(第2の方向)においてずらす。また、第3の部分2630は、その外周面が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。このため、第3の部分2630のX軸方向の長さは、第3の部分2630が第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2600が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。また、第4の実施形態で説明した巻鉄心1800(第3の部分1830)に比べ、鉄損を低減することができる。
また、本実施形態によれば、第4の実施形態、第5の実施形態と同様、第3の部分2630は、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを正しく合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120の端面同士を確実に接触させることができる。
本実施形態では、第3の部分2630を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第1のコーナー部101および第3のコーナー部103の間でX軸方向(第2の方向)において突き合わせられるようにした。しかしながら、図28に示す巻鉄心2800のように、第3の部分2830を構成する方向性電磁鋼板の端部の面(端面)が、第2のコーナー部102および第4のコーナー部104の間でX軸方向(第2の方向)において突き合わせられるようにしてもよい。
また、本実施形態においても、第1~第5の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。例えば、1つのコーナー部内の屈曲部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよいし、1つであってもよい。また、第3の部分2630、2830は、方向性電磁鋼板(軟磁性体板)で構成しなくてもよい。また、バンド140を用いなくてもよい。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態を説明する。本実施形態では、上述した第4~第6の実施形態において、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれで、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間に隙間が設けられた構成に関する。
図29は、第7の実施形態の巻鉄心2700を正面から見た図である。図29では、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心2700に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。
第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
第3の部分2730は、それぞれが、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられた形状の複数の方向性電磁鋼板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
第4~第6の実施形態と同様、第3の部分2730の外周面は、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合わさるように構成される。但し、第7の実施形態では、第3の部分2730は、その外周面の全周に渡って第1の部分および第2の部分120と接触しているのではなく、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間には隙間2732が設けられている。
具体的には、図29に示すように、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730と、第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732が設けられている。
図29に示す例では、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれに対応する、第3の部分2730のコーナー部は、円弧状とされている。そして、この円弧状の部分において、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間には、隙間2732が設けられている。
したがって、本実施形態では、第3の部分2730は、その外周面の一部が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。第3の部分2730は、X軸方向(第2の方向)においては、図29に示す領域D1が第1の部分110と当接し、領域D2が第2の部分120と当接する。また、第3の部分2730は、Z軸方向(第1の方向)においては、図29に示す領域D3が第1の部分110及び第2の部分120と当接し、領域D4が第1の部分110及び第2の部分120と当接する。
第3の部分2730のX軸方向の長さは、第3の部分2730が第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2700が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、第4~第6の実施形態と同様、第3の部分2730は、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを正しく合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120の端面同士を確実に接触させることができる。
ところで、方向性電磁鋼板の屈曲部で発生する鉄損が増大すると、屈曲部は第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、第4のコーナー部104に設けられているため、これらのコーナー部およびその周辺部の温度が上昇し易くなる。
本実施形態では、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730と、第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732が設けられている。このため、各コーナー部の屈曲部で発生する熱は、隙間2732に放熱される。
したがって、屈曲部の鉄損により発生した熱が隙間2732から放熱されることにより、巻鉄心2700の温度上昇が抑制される。
図29に示すように、方向性電磁鋼板の板厚方向において、第2の部分120(または第1の部分110)の厚さをa、隙間2732の幅をb、第3の部分2730の厚さをcとすると、a>cの関係が成立する。巻鉄心2700の屈曲部における鉄損は、巻鉄心2700の内側ほど大きい。このため、巻鉄心2700の内側ほど、屈曲部における鉄損により熱が発生する。したがって、第1の部分110(または第2の部分120)の厚さaよりも第3の部分2730の厚さcを小さくすることで、巻鉄心2700の内側において、屈曲部の鉄損により発生する熱を抑えることができる。
また、第1の部分110(または第2の部分120)の厚さa、隙間2732の幅b、第3の部分2730の厚さcの間には、以下の(2)式の関係が成立する。
a+c≧b≧(a+c)/285 ・・・・(2)
つまり、隙間2732の幅bは、第1の部分110(または第2の部分120)の厚さaと第3の部分2730の厚さcの合計以下である。ここで、隙間2732の幅bが、第1の部分110(または第2の部分120)の厚さaと第3の部分2730の厚さcの合計よりも大きいと、騒音が大きくなる。したがって、隙間2732の幅bは、第1の部分110(または第2の部分120)の厚さaと第3の部分2730の厚さcの合計以下であることが好ましい。
また、b<(a+c)/285であると、屈曲部の鉄損により発生した熱を隙間2732から放熱することができない。したがって、b≧(a+c)/285とすることが好ましい。例えば、第1の部分110(または第2の部分120)、第3の部分2730を構成する方向性電磁鋼板の板厚が0.3mmの場合に、巻厚(a+c)が100mmの場合、0.35mm以上の幅bの隙間2732が保証される。また、第1の部分110(または第2の部分120)、第3の部分2730を構成する方向性電磁鋼板の板厚をtとすると、b>tであること、すなわち、隙間2732の幅bは、方向性電磁鋼板の板厚tよりも大きいことが望ましい。これにより、屈曲部で生じる熱が確実に放熱される。
更に、後述するように、隙間2732を設けた結果、巻鉄心2700で発生する熱を放熱する効果のみならず、変圧器の油の温度上昇の抑制にもつながることが判明した。つまり、隙間2732を設けたことにより、巻線(コイル)の近くに冷却媒体を通す隙間が形成されることで、巻鉄心2700で生じる熱の放熱のみならず、変圧器のコイルで発生する熱の放熱にも結果的に大きな効果が得られる。
なお、図29に示す例では、第2の部分120(または第1の部分110)の厚さをa、第3の部分2730の厚さをcとすると、a>cの関係が成立する。すなわち、第2の部分120(または第1の部分110)の厚さの方が第3の部分2730の厚さよりも厚い。一方、第3の部分2730の厚さの方が第2の部分120(または第1の部分110)の厚さよりも厚くてもよい。すなわち、a≦cであってもよい。
また、第4~第6の実施形態で説明したように、第3の部分の外周面が全周に渡って第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うようにする場合、第3の部分の外周面の形状と、第1の部分110または第2の部分120の内周面の形状が一致していることが求められる。特に、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分の外周面の形状と、第1の部分110または第2の部分120の内周面の形状が一致していないと、第3の部分の外周面が、全周に渡って第1の部分110または第2の部分120の内周面と接触しない場合がある。したがって、特に、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104では、第3の部分の外周面の形状と、第1の部分110または第2の部分120の内周面の形状に、ある程度の精度が求められる。
一方、図29に示す構成例によれば、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれで、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間に隙間が設けられているため、各コーナー部では、第3の部分の外周面の形状と、第1の部分110または第2の部分120の内周面の形状に、精度は不要である。
換言すれば、第7の実施形態によれば、X軸方向とZ軸方向で、第3の部分2730の長さの精度が出ていれば、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれで、第3の部分2730の外周面の形状に精度は要求されない。その場合であっても、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととが抑制される。また、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制される。
したがって、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104において、第3の部分2730の外周面の寸法精度が不要であるため、第3の部分2730を製造する際の製造コストを低減することができる。
図30は、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれで、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間に隙間が設けられた構成の別の態様を示す模式図である。
図30は、巻鉄心2700を正面から見た図である。図30においても、図2と同様に、表記の都合上、巻鉄心2700に対して設置される巻線(コイル)とバンドの図示を省略する。図30において、第1の部分110および第2の部分120は、第1の実施形態で説明したものと同じである。
図30においても、第3の部分2730は、それぞれが、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104に対応する位置で曲げられた形状の複数の方向性電磁鋼板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の方向性電磁鋼板を有する。方向性電磁鋼板の長手方向(板幅方向および板厚方向に垂直な方向)は、圧延方向と同じである。
第3の部分2730の外周面は、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合わさるように構成される。図29に示した構成と同様、第3の部分2730は、その外周面の全周に渡って第1の部分および第2の部分120と接触しているのではなく、第3の部分2730と第1の部分110または第2の部分120との間には隙間2732が設けられている。
図30に示すように、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730と、第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732が設けられている。
図30に示す例では、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれに対応する、第3の部分2730のコーナー部には、第1の部分110または第2の部分120と離間して隙間2732が形成されるように、屈曲部が設けられている。これにより、巻鉄心2700を正面から見た場合に、第3の部分2730は、8角形形状とされている。つまり、隙間2732に隣接する第3の部分2730の外形は直線状とされている。
図30に示す例においても、第3の部分2730は、その外周面の一部が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。第3の部分2730は、X軸方向(第2の方向)においては、図30に示す領域D1が第1の部分110と当接し、領域D2が第2の部分120と当接する。また、第3の部分2730は、Z軸方向(第1の方向)においては、図30に示す領域D3が第1の部分110及び第2の部分120と当接し、領域D4が第1の部分110及び第2の部分120と当接する。
第3の部分2730の長手方向(X軸方向)の長さは、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2700が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、図30に示す構成においても、第3の部分2730は、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを、Z軸方向において正しい位置に合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のそれぞれの端面同士を確実に接触させることができる。
なお、図29又は図30に示す構成例では、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とが突き合わせられる箇所(接合部)は、図20の構成例と同様に第2の直方体部106の位置とされている。一方、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とが突き合わせられる箇所(接合部)は、図27の構成例と同様に第3の直方体部107の位置であってもよい。第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とが突き合わせられる箇所(接合部)は、図24または図28の構成例と同様に、第1の直方体部105または第4の直方体部108の位置であってもよい。また、第3の部分2030を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の一端部(第1の端部)の面(端面)と、他端部(第2の端部)の面(端面)とが突き合わせられる箇所(接合部)は、図25の構成例と同様に2箇所であってもよいが、1箇所であることが好ましい。
図29又は図30に示した構成によれば、巻鉄心2700により変圧器を構成すると、隙間2732は、油、空気が通る通路として機能する。これにより、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104での発熱(鉄損)が抑制される。特に、磁束の集中部であるコア内側での冷却効率が上がるため、コア損失が低減する。
また、第4~第6の実施形態と同様、第3の部分2730はコア製造時のガイドの役割を担うため、生産効率が向上する。また、電磁鋼板等の軟磁性体板の1枚毎に鉄心のコーナー部となる部分を予め曲げ加工し、軟磁性体板を所定長さに切断して、その後、軟磁性体板を板厚方向に重ね合わさることにより構成されるタイプの鉄心で問題となる、接合部の位置ズレも解消される。更に、環状に第3の部分2730を設けたことで、コア強度が向上され、変圧器を成形した後の形状が保持され易くなる。
図29及び図30に示す構成例においても、第3の部分2730を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さは、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くてもよい。図32は、図29に示す構成例において、第3の部分2730を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。また、図33は、図30に示す構成例において、第3の部分2730を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さを、第1の部分110および第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の板幅方向の長さより長くした例を示す斜視図である。
図32及び図33に示すように、第3の部分2730は、第1の部分110および第2の部分120よりも板幅方向で距離D10だけ手前に突出している。同様に、第3の部分2730は、図31に示す巻鉄心の裏側において、第1の部分110および第2の部分120よりも板幅方向で距離D10だけ奥に突出している。
また、図29に示す構成例において、第3の部分2730は複数に分割されていてもよい。図34は、図29に示す第3の部分2730が2つに分割された例を示す模式図である。図34に示すように、図29に示す第3の部分2730は、第3の部分2730aと第3の部分2730bに分割されている。
図34に示すように、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102のそれぞれにおいて、第3の部分2730aと、第1の部分110との間に隙間2732aが設けられている。また、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730bと、第2の部分120との間に隙間2732aが設けられている。
更に、図34に示すように、第3の部分2730a及び第3の部分2730bと、第1の部分110及び第2の部分120との間に、隙間2732bが設けられている。
第3の部分2730a,2730bは、その外周面の一部が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。第3の部分2730a,2730bは、X軸方向(第2の方向)においては、図34に示す領域D1が第1の部分110と当接し、領域D2が第2の部分120と当接する。また、第3の部分2730aは、Z軸方向(第1の方向)においては、図34に示す領域D31及び領域D41が第1の部分110と当接する。また、第3の部分2730bは、Z軸方向(第1の方向)においては、図34に示す領域D32及び領域D42が第2の部分120と当接する。
第3の部分2730a,2730bの長手方向(X軸方向)の長さは、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2700が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、図34に示す構成においても、第3の部分2730aと第3の部分2730bを予め固定しておくことで、第3の部分2730a,2730bは、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを、Z軸方向において正しい位置に合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のそれぞれの端面同士を確実に接触させることができる。
図34に示す構成例によれば、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730a,2730bと、第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732aが設けられている。このため、各コーナー部の屈曲部で発生する熱は、隙間2732aに放熱される。
また、第3の部分2730a,2730bと、第1の部分110及び第2の部分120との間に、隙間2732bが設けられている。したがって、隙間2732bからも、熱が放熱される。したがって、屈曲部の鉄損により発生した熱が隙間2732a,2732bから放熱されることにより、巻鉄心2700の温度上昇が抑制され、巻鉄心2700から構成される変圧器の温度上昇が効果的に抑制される。
図34に示す構成例によれば、図29に示す構成例に比べて、第3の部分2730a,2730bと第1の部分110または第2の部分120との間に、より多くの隙間2732a,2732bが設けられる。したがって、隙間2732a,2732bによる放熱をより促進することができる。
図35は、図34に示す構成をより一般化し、図29に示す第3の部分2730がn個に分割された例を示す模式図である。図35に示すように、図29に示した第3の部分2730は、第3の部分2730a、第3の部分2730b,・・・,2730nに分割されている。
図35に示すように、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102のそれぞれにおいて、第3の部分2730aと、第1の部分110との間に隙間2732aが設けられている。また、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730nと、第2の部分120との間に隙間2732aが設けられている。
更に、図35に示すように、第3の部分2730b,・・・,2730nと、第1の部分110または第2の部分120との間に、隙間2732bが設けられている。
第3の部分2730b,・・・,2730nは、その外周面の一部が、第1の部分110および第2の部分120の内周面と合うように、環状に形成される。第3の部分2730b,・・・,2730nは、X軸方向(第2の方向)においては、図35に示す領域D1が第1の部分110と当接し、領域D2が第2の部分120と当接する。また、第3の部分2730aは、Z軸方向(第1の方向)においては、図35に示す領域D31及び領域D41が第1の部分110と当接する。また、第3の部分2730bは、Z軸方向(第1の方向)においては、図35に示す領域D32及び領域D42が第1の部分110又は第2の部分120と当接する。また、第3の部分2730nは、Z軸方向(第1の方向)においては、図35に示す領域D3n及び領域D4nが第2の部分120と当接する。
第3の部分2730a,・・・,2730nの長手方向(X軸方向)の長さは、第1の部分110および第2の部分120の内側の領域である窓部の内周面の領域に接触するように、当該窓部のX軸方向の長さと同じである。従って、バンド140の取り付け時に、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板が、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むことと、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板が、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の間に入り込むこととを抑制することができる。よって、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部とがX軸方向(第2の方向)において突き合わせられる箇所(接合部)が所望の位置からずれることを抑制することができる。これにより、巻鉄心2700が変形し、所望の形状にならないことや、鉄損が増大することを抑制することができる。
また、図35に示す構成においても、第3の部分2730a,・・・,2730nを予め固定しておくことで、第3の部分2730a,・・・,2730nは、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、Z軸方向において第1の部分110と第2の部分120の位置決めを行うガイドとして機能する。したがって、第1の部分110と第2の部分120を合わせる際に、第1の部分110と第2の部分120の相対的な位置がZ軸方向でずれてしまうことが抑制され、第1の部分110を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)と、第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板の長手方向の端部の面(端面)とを、Z軸方向において正しい位置に合わせることができる。したがって、第1の部分110と第2の部分120を構成する方向性電磁鋼板のそれぞれの端面同士を確実に接触させることができる。
図35に示す構成例によれば、第1のコーナー部101、第2のコーナー部102、第3のコーナー部103、および第4のコーナー部104のそれぞれにおいて、第3の部分2730a,2730nと、第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732aが設けられている。このため、各コーナー部の屈曲部で発生する熱は、隙間2732aに放熱される。
また、第3の部分2730a,2730b,・・・,2730nと第1の部分110または第2の部分120との間に隙間2732bが設けられている。したがって、隙間2732bからも、熱が放熱される。したがって、屈曲部の鉄損により発生した熱が隙間2732a,2732bから放熱されることにより、巻鉄心2700の温度上昇が抑制され、鉄心2700から構成される変圧器の温度上昇が効果的に抑制される。
図35に示す構成例によれば、図34に示す構成例に比べて、第3の部分2730a,・・・,2730nと第1の部分110または第2の部分120との間に、より多くの隙間2732a,2732bが設けられる。したがって、隙間2732a,2732bによる放熱をより促進することができる。
図36は、図34に示す構成例において、図30の構成例と同様に、隙間2732a,2732bに隣接する第3の部分2730a,2730bの外形を直線状とした例を示す模式図である。また、図37は、図35に示す構成例において、図30の構成例と同様に、隙間2732a,2732bに隣接する第3の部分2730,2730b,・・・,2730nの外形を直線状とした例を示す模式図である。つまり、巻鉄心2700を正面から見た場合に、第3の部分2730a,2730b(第3の部分2730,2730b,・・・,2730n)は、8角形形状とされている。このような構成においても、隙間2732a,2732bによる放熱をより促進することができる。
以下では、上述した(2)式の関係が成立する実施例について説明する。本発明者らは、方向性電磁鋼板の素材板厚、積層厚(a+b)、隙間の厚み(c)を変化させた複数の例を用意し、それぞれについて騒音、冷却効率改善効果の評価を行った。以下の表1~表6に結果を示す。なお、鉄心は全て単相鉄心とした。
(実施例1)
実施例1では、図29及び図30に示したように、第3の部分2730の個数が1個である。以下の表1~表2に実施例1の結果を示す。
Figure 0007036223000001
Figure 0007036223000002
(実施例2)
実施例2では、第3の部分の個数は2個または3個である。実施例2は、図34~図37の構成に対応する。以下の表3~表5に実施例2の結果を示す。
Figure 0007036223000003
Figure 0007036223000004
Figure 0007036223000005
なお、騒音の評価方法は以下の通りである。表1~5に記載した巻鉄心を準備し、励磁し、騒音測定を実施した。巻鉄心に一次、二次コイルを設置し、励磁電流法を用いた測定を、周波数50Hz、磁束密度1.7Tの条件で行った。この騒音測定は暗騒音が16dBAの無響室内で、騒音計を鉄心表面から0.3mの位置に設置して行った。振動音を収録した後、聴感補正としてAスケール補正を行い、dBA単位で騒音を表した。
騒音(dBA)の改善効果については、隙間2732の幅b=0の巻鉄心2700を用いた騒音A0を基準とし、隙間b=s(s > 0)の巻鉄心2700の騒音As(dBA)との差分As-A0とA0の比率(=100×(As-A0)/A0)が-3%未満の場合に、改善効果有り(表1~5中の○印)と評価した。また、比率(=100×(As-A0)/A0)が-3%以上の場合に、顕著な改善効果あり(表1~5中の◎印)と評価した。なお、基準となる隙間2732の幅b=0の巻鉄心2700に対し、隙間b=s(s > 0)の巻鉄心2700は、幅b以外の条件(表中の素材板厚、積層厚(a+b)、方向性電磁鋼板の板幅方向の長さ等)は全て同一とした。
また、冷却効率改善効果の評価については、巻鉄心2700に巻線を設置して変圧器を構成し、絶縁油を入れたタンクに変圧器を入れた状態で測定を行い、評価を行った。隙間2730の幅b=0の巻鉄心2700を用いた変圧器について、定格容量の50%の負荷率で1時間運転した際の絶縁油の温度上昇(巻線での発熱および鉄心の温度上昇を含む)をΔT0、隙間2732の隙間b=s(s > 0)の巻鉄心2700を用いた変圧器について、負荷率50%で1時間運転した際の絶縁油温度上昇(巻線での発熱および鉄心の温度上昇を含む)をΔTbとし、絶縁油はタンク表層の油の温度を接触式温度計を用いて測定し、以下の(3)式により冷却効率を求めた。なお、上記と同様、基準となる隙間2732の幅b=0の巻鉄心2700に対し、隙間b=s(s > 0)の巻鉄心2700は、幅b以外の条件は全て同一とした。
冷却効率=100×(ΔTb-ΔT0)/ΔT0 ・・・・(3)
以上のようにして冷却効率を算出し、冷却効率が-3%未満の場合に改善効果有り(表1~5中の○印)、-3%以上の場合に、顕著な改善効果あり(表1~5中の◎)とした。冷却効率が0または正の値となった場合を効果無し(表1~5中の×印)とした。
実施例1及び実施例2において、表1~表5の結果によれば、(2)式を満たす場合、騒音抑制、冷却効率改善がいずれも効果ありであった。一方、(2)式を満たさない場合、騒音、冷却改善効果の少なくともいずれかは効果が得られなかった。
以上により、b≧(a+c)/285を満たすことで、隙間2732の幅bにより冷却効果が得られることが判る。また、a+c≧bを満たすことで、隙間2732の幅bにより騒音抑制効果が得られることが判る。なお、隙間2732の幅bが増すことで、第3の部分の磁気抵抗が低くなり、第1の部分110または第2の部分120との磁気抵抗差が大きくなり、第3の部分に磁束が集中することで、第3の部分での磁束密度が高くなり過ぎるため、騒音が劣位になると考えられる。
尚、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100・700・900・1100・1200・1500・1800・2000・2400・2500・2600・2700・2800:巻鉄心、101・701・901:第1のコーナー部、102・702・902:第2のコーナー部、103・703・903:第3のコーナー部、104・704・904:第4のコーナー部、110・710・910:第1の部分、120・720・920:第2の部分、130・730・930・1130・1230・1530・1830・2030・2430・2530・2630・2730・2830:第3の部分、140:バンド、610・620:コイル、2732:隙間

Claims (6)

  1. 第1のコーナー部および第2のコーナー部、第3のコーナー部および第4のコーナー部が、それぞれ、第1の方向において間隔を有して配置されており、
    前記第1のコーナー部および前記第3のコーナー部、前記第2のコーナー部および前記第4のコーナー部が、それぞれ、前記第1の方向に対して垂直な第2の方向において間隔を有して配置されている巻鉄心であって、
    それぞれが、前記第1のコーナー部および前記第2のコーナー部に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する第1の部分と、
    それぞれが、前記第3のコーナー部および前記第4のコーナー部に対応する位置で曲げられた形状の複数の軟磁性体板であって、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有する第2の部分と、
    第3の部分と、を有し、
    前記第1の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部と前記第2の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部とが前記第2の方向において突き合わせられた状態になっており、当該突き合わせられた状態の箇所の、前記巻鉄心の周方向における位置は前記第2の方向においてずれており、
    前記第1の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部と前記第2の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部とが前記第2の方向において突き合わせられた状態が保持されており、
    前記第3の部分は、前記第1の部分および前記第2の部分の内側の領域である窓部に配置されており、
    前記第3の部分の一方の端の領域の少なくとも一部と、前記第3の部分の他方の端の領域の少なくとも一部は、それぞれ、前記第2の方向において、前記窓部の内周面に接触された状態であり、
    前記第3の部分は、前記第1のコーナー部、前記第2のコーナー部、前記第3のコーナー部、および前記第4のコーナー部に対応する位置で曲げられており、
    前記第3の部分の外周面は、前記第1の部分および前記第2の部分の内周面に接触した状態で配置されており、
    前記第3の部分は、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有し、
    前記第3の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部は、前記第1のコーナー部および前記第3のコーナー部の間の位置と、前記第2のコーナー部および前記第4のコーナー部の間の位置との一方の位置のみで前記第2の方向において突き合わせられた状態になっており、
    前記第3の部分を構成する複数の前記軟磁性体板の長手方向の端部が前記第2の方向において合わさる箇所の、前記巻鉄心の周方向における位置は前記第2の方向においてずれていることを特徴とする巻鉄心。
  2. 前記第3の部分は、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有し、
    前記第3の部分を構成する前記軟磁性体板の長手方向の端部は、前記第1の方向または前記第2の方向において突き合わせられた状態になっており、
    同一の層において、前記第3の部分を構成する複数の前記軟磁性体板の長手方向の端部が合わせられる箇所は、一箇所であることを特徴とする請求項1に記載の巻鉄心。
  3. 前記第1のコーナー部、前記第2のコーナー部、前記第3のコーナー部、および前記第4のコーナー部に対応する位置では、前記第3の部分の前記外周面と前記第1の部分又は前記第2の部分の前記内周面との間には隙間が設けられた、請求項1又は2に記載の巻鉄心。
  4. 前記第1のコーナー部、前記第2のコーナー部、前記第3のコーナー部、および前記第4のコーナー部に対応する位置で、前記軟磁性体板の厚さ方向における前記隙間の幅は、前記軟磁性体板の厚さよりも大きい、請求項3に記載の巻鉄心。
  5. 前記第1のコーナー部、前記第2のコーナー部、前記第3のコーナー部、および前記第4のコーナー部に対応する位置で、軟磁性体板の厚さ方向における前記第1の部分の厚さをa、前記隙間の幅をb、前記第3の部分の厚さをcとすると、以下の関係が成立する、請求項3又は4に記載の巻鉄心。
    a+c≧b≧(a+c)/285
  6. 前記第3の部分は、板面同士が重なり合うように積み重ねられた複数の軟磁性体板を有し、
    前記第3の部分を構成する前記軟磁性体板の一方の端の領域の少なくとも一部と、前記第3の部分を構成する前記軟磁性体板の他方の端の領域の少なくとも一部は、それぞれ、前記第2の方向において、前記窓部の内周面に接触された状態であることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の巻鉄心。
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