JP7034725B2 - ドーム型カバー、カメラ、射出成形型、及びドーム型カバーの製造方法 - Google Patents

ドーム型カバー、カメラ、射出成形型、及びドーム型カバーの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半球部を有するドーム型カバーに関する。
近年、監視用のネットワークカメラの普及が進んでいる。多種多様のカメラが、街頭、公共施設、個人家屋を問わず、いたるところに設置されている。その中で、カメラ本体をドーム型カバーに収容したカメラが存在する。ドーム型カバーは、風雨による劣化、いたずらによる殴打や汚損からカメラ本体を保護する機能を有する。ドーム型カバーは、外装部品でもあり、カメラの光学系の一部でもある。特に、監視用のカメラでは、高画質が求められているため、ドーム型カバーの光学有効領域には、傷やヒケがない方がよい。
特許文献1には、ドーム型カバーを製造するのに用いる金型において、半球部の天頂に対応する位置にゲート口を設け、ドーム型カバーに部分的な成形むらが生じるのを抑制する技術が提案されている。
特開2007-160734号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、ドーム型カバーの天頂にゲート痕が残るため、天頂に後加工を施して、ある程度目立たなくすることはできたとしても、ゲート痕を消すのは困難である。天頂は、光学有効領域であるため、光学有効領域にゲート痕が存在すると、ドーム型カバーの光学性能が劣る、即ち得られる画像の画質が劣化するという問題がある。
そこで、本発明は、光学性能に優れたドーム型カバーを得ることを目的とする。
本発明のドーム型カバーは、半球部と、前記半球部に連続する円筒部と、前記円筒部から外側に突出する鍔部と、を備え、前記鍔部の端面にゲート痕が形成され、前記円筒部は、前記ゲート痕が形成されている側であって、前記半球部の中心線に沿う方向における、前記鍔部よりも前記半球部の側に位置する厚肉部を有することを特徴とする。
本発明によれば、光学性能に優れたドーム型カバーを得ることができる。
実施形態に係るカメラの模式図である。 (a)は実施形態に係るドーム型カバーの斜視図である。(b)は(a)の部分拡大図である。 (a)は実施形態に係る射出成形型の断面図である。(b)は(a)の部分拡大図である。 (a)及び(b)は実施形態に係るドーム型カバーの製造方法を説明するための図である。 (a)及び(b)は実施形態に係るドーム型カバーの製造方法を説明するための図である。 (a)及び(b)は実施形態に係るドーム型カバーの製造方法を説明するための図である。 実施例のドーム型カバーの平面図である。 実施例のドーム型カバーの断面図である。 比較例のドーム型カバーの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態に係るカメラ200の模式図である。カメラ200は、監視用のカメラであり、カメラ本体200Aと、カメラ本体200Aに装着されたドーム型カバー100と、を備える。
カメラ本体200Aは、カメラユニット201、支持部202、ベース部203、及びケース204等を有する。カメラユニット201は、レンズ鏡筒及び撮像素子などで構成された、デジタルカメラである。撮像素子は、例えばCMOSイメージセンサやCCDイメージセンサである。カメラユニット201は、支持部202にチルト方向D1に回動可能に支持されている。また、カメラユニット201は、支持部202と共にベース部203にパン方向D2に旋回可能に支持されている。これにより、カメラユニット201は、三次元的に自在に向きを変えることができ、任意の撮像方向で撮像が可能である。なお、カメラユニット201は、不図示の駆動装置により駆動される。不図示の制御装置が駆動装置を制御することで、カメラユニット201の姿勢、つまり撮像方向が変更される。
カメラユニット201、支持部202、及びベース部203は、ケース204内に配置されている。ケース204には、ドーム型カバー100がシーリング部材である不図示のOリングなどを介して取り付けられている。
図2(a)は、ドーム型カバー100の斜視図である。図2(b)は、図2(a)に示すドーム型カバーの部分拡大図である。なお、図1においては、説明の便宜上、ドーム型カバー100を切断したときの半分のみ図示しているが、実際には、ドーム型カバー100は図2(a)の状態である。ドーム型カバー100は、プラスチック、例えばポリカーボネートなどの樹脂で形成されている。
ドーム型カバー100は、半球部101、円筒部102、及び鍔部103を備えている。半球部101は、全領域が光学有効領域であり、内面及び外面が鏡面となっており、レンズと同等の高精度な形状となっている。半球部101の天頂101Aを有する。半球部101は、天頂101Aを通過する中心線(仮想線)L0で回転対称な形状となっている。
半球部101の開口端には、円筒部102が連続して設けられている。円筒部102は、カメラユニット201を収容する空間の体積を拡張する。円筒部102は、光学有効領域である領域111と、光学有効領域以外の領域112とを有する。領域111は、光学有効領域である半球部101と連続しており、内面及び外面が鏡面となっている。
領域112の端部には、円筒部102の外側に突出するフランジ状の鍔部103が設けられている。鍔部103は、ケース204に取り付けられる取り付け部である。鍔部103は、不図示のOリングを介してケース204(図1)に係止される上面である平面103Aを有する。段差部分のない平面103Aとケース204の不図示の平面とでOリングを挟むことで、密閉性を高めている。
円筒部102は、ストレート形状であってもよいが、本実施形態では、天頂101Aに向かって先細る円錐台形状となっている。水平方向の視野が失われないようにするために、円筒部102の一部である領域111が光学有効領域となっている。よって、カメラユニット201が水平方向を向いたとき、円筒部102の領域111を光が透過して、カメラユニット201に像が取り込まれることになる。また、ドーム型カバー100をカメラ本体200Aに取り付けたとき、領域112は、カメラ本体200Aのケース204の縁の内側に位置してケース204によって隠れる部分であり、非意匠面となっている。この非意匠面となる領域112は、鍔部103の平面103Aから天頂101Aに向かう方向に延びて形成された円環状の部分である。
図3(a)は、実施形態に係る射出成形型である金型600の断面図である。図3(b)は、図3(a)に示す金型600の部分拡大図である。ドーム型カバー100は、射出成形型である金型600を用いて、射出成形により製造される。金型600は、第1型である可動型601と、第2型である固定型602とを有する。図3(a)には、可動型601と固定型602とを型締めした状態を図示している。
可動型601は、ダイセット611、駒部材である凹面部品612、ストリッパー部材であるストリッパープレート613、及びピン部材であるセンターピン614を有する。固定型602は、ダイセット621、凸面部品622、及びスプルーブッシュ623を有する。
可動型601と固定型602とを型締めすることにより、キャビティ部CVと、ランナーP2とが画成され、スプルーP1、ランナーP2、ゲートGA及びキャビティ部CVの順に溶融樹脂が流れる流路が形成される。キャビティ部CVは、半球部101に対応する第1キャビティであるキャビティCV1、円筒部102に対応する第2キャビティであるキャビティCV2、及び鍔部103に対応する第3キャビティであるキャビティCV3を有する。
凹面部品612は、固定型602の凸面部品622と共にキャビティCV1を画成する部材であって、半球部101の外面を形成(転写)する凹面612Aを有する部材であり、ダイセット611に支持されている。
ストリッパープレート613は、ダイセット611及び凹面部品612に対して、型締めする方向A1又は型開きする方向A2に移動可能にダイセット611に配置されている。ストリッパープレート613は、凹面部品612と隣接してパーティングライン面側に配置されている。ストリッパープレート613は、円環状の部材であり、固定型602と共にキャビティCV2の一部及びキャビティCV3を画成するよう形成されている。ストリッパープレート613は、成形後の鍔部103をダイセット611及び凹面部品612から突き出すように形成されている。ストリッパープレート613の内周面は、ドーム型カバー100の円筒部102の外面一部と、鍔部103の面103A,103Bを転写する形状を有する。このため、円筒部102又は鍔部103の形状を変更する場合、可動型601の全てを変更する必要はなく、ストリッパープレート613のみの形状を変更するだけでよい。
センターピン614は、ダイセット611、凹面部品612及びストリッパープレート613に対して、型締めする方向A1又は型開きする方向A2に移動可能にダイセット611に配置されている。
凸面部品622は、半球部101の内面を形成(転写)する凸面622Aを有する部材であり、ダイセット621に支持されている。スプルーブッシュ623は、スプルーP1を画成する部材であり、ダイセット621に支持されている。
半球部101の半径が65mmを超える場合には、金型全体の重量が重く、重量制限によって加工機のステージに載せられないことがある。そのため、鏡面部以外の部分を分割して、具体的には、固定型602をダイセット621と凸面部品622とに分割することで、部品の重量を軽減している。
ストリッパープレート613は、離型時に動作させるため、水管を設けることが難しい。また、型開き時に表面が外気と触れるため、金型温度が凹面部品612と比較して相対的に低くなる。本実施形態では、ダイセット611、凹面部品612、ダイセット621、及び凸面部品622に、例えば140[℃]の所定温度に調整された水が流される温調用の水管634が配置されている。
図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)及び図6(b)は、ドーム型カバー100の製造方法を説明するための図である。以下、図3(a)及び図3(b)も用いてドーム型カバー100の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、金型600の可動型601と固定型602とを型締めすることにより、キャビティ部CVを画成する(第1工程)。次に、図4(a)に示すように、スプルーP1、ランナーP2及びゲートGAを通じてキャビティ部CVに溶融樹脂M0を注入する(第2工程)。そして、溶融樹脂M0を冷却固化して、図6(b)に示すように、ドーム型カバー100となる成形品を形成する。成形品であるドーム型カバー100には、スプルーP1及びランナーP2において固化した樹脂が接続されているが、以下、スプルーP1に対応する樹脂をスプルー部M1、ランナーP2に対応する樹脂をランナー部M2とする。
次に、図5(a)に示すように、金型600の可動型601と固定型602とを型開きする(第3工程)。具体的には、可動型601を固定型602に対して型開きする方向A2に移動させる。また、図5(b)に示すように、ストリッパープレート613及びセンターピン614を凹面部品612に対して方向A1に突き出して、凹面部品612から成形品であるドーム型カバー100を離型させる(第4工程)。
なお、型開きが完了した後に、ストリッパープレート613及びセンターピン614を突き出してもよいが、型開きの途中でストリッパープレート613及びセンターピン614を突き出してもよい。
例えば半球部101の半径が65mmを超えるような大型のドーム型カバー100では、表面積に比例して離型抵抗が大きくなる傾向にある。ストリッパープレート613で鍔部103を突き出すことにより、離型時におけるドーム型カバー100の変形を抑えることができ、エジェクタピンと比較して安定した離型が可能となる。
次に、図6(a)に示すように、センターピン614のみをストリッパープレート613に対して方向A1に突き出して、ストリッパープレート613から成形品であるドーム型カバー100を離型させる(第5工程)。このとき、センターピン614を、スプルー部M1又はランナー部M2に突き当てて、ストリッパープレート613から成形品であるドーム型カバー100を離型させる。このように、ストリッパープレート613とセンターピン614とで二段付きにすることにより、ドーム型カバー100を金型600から取り出し易くしている。
次に、図6(b)に示すように、ゲートに対応する部分を切断することにより、成形品からスプルー部M1及びランナー部M2を取り除いて、ゲート痕Gが残るドーム型カバー100が得られる。
ドーム型カバー100は、金型600の形状を樹脂に転写させて成形される。そのため、本実施形態では、領域111と領域112との間には、凹面部品612とストリッパープレート613との境界部分が転写されて、図2(a)に示す金型分割線106が形成される。
成形品であるドーム型カバー100において、仮にゲート痕Gが光学有効領域である半球部101や円筒部102の領域111に存在すると、カメラユニット201により得られる画像の品質が劣化する。そこで、本実施形態では、図2(a)に示すように、ゲート痕Gが、半球部101や円筒部102以外の箇所、即ち鍔部103の端面103Bに位置するようにしている。即ち、図3(a)及び図3(b)に示すように、ゲートGAが、キャビティCV3において、鍔部103の端面103Bに対応する位置に画成されている。このように、ゲート痕Gが、光学有効領域以外の鍔部103に形成されるため、光学性能に優れたドーム型カバー100を得ることができる。
ところで、鍔部103に対応するキャビティCV3におけるゲートGAから溶融樹脂M0がキャビティ部CVに充填されるため、ゲートGAから反対側の領域(反ゲート側)までの溶融樹脂M0の流動長が長い。そのため、キャビティ部CV全域において溶融樹脂M0に均一な保圧を付与する工夫が必要となる。
圧力が伝わりにくい反ゲート側の転写を促すために、ゲートGA側に高い保圧をかけすぎると、ゲートGA側が過充填になり、内部に残留する応力分布の偏りを生じ、成形品を取出した後に成形品が歪んで、高精度なドーム型カバーが得られないことがある。
そこで、本実施形態では、図3(b)に示すように型締めしたときに、ゲートGAが位置する側の第1空間部分である空間部分R1の厚みT1が、第1空間部分以外の第2空間部分である空間部分R2の厚みT2よりも厚い。厚みT1が厚みT2よりも厚くなるようキャビティCV2を画成することで、射出時に、スプルーP1、ランナーP2及びゲートGAを通過した溶融樹脂M0がキャビティCV3に流入するときに、空間部分R2によって溶融樹脂M0の流動抵抗が低下する。これによってキャビティ部CV全体にかかる充填圧力の均一性が向上する。よって、歪み量が小さくなり、光学性能に優れたドーム型カバー100を成形することができる。また、空間部分R2によって天頂101Aに対応する位置を経由する溶融樹脂M0の流動が促進されるため、反ゲート側でのウエルドが発生するのを抑制することができる。
以上のような金型600を用いてドーム型カバー100を製造することで、図2(b)に示すように、鍔部103の端面103Bには、ゲート痕Gが形成される。また、空間部分R2により、円筒部102は、ゲート痕Gが形成されている側に位置する厚肉部120を有することになる。厚肉部120は、円筒部102における光学有効領域以外の領域、即ち領域112に配置されている。厚肉部120は、円筒部102において厚肉部120以外の部分121よりも厚く形成され、部分121よりも外側に突出している。即ち、金型600と同様、空間部分R1に対応する厚肉部120は、厚みT1であり、空間部分R2に対応する部分121は、厚みT2である。そして、厚肉部120の厚みT1は、部分121の厚みT2よりも厚い。
多くの射出成形品と同様に、ドーム型カバー100を高精度に射出成形する場合、できるだけ低い保圧で成形することが好ましい。このとき、低い保圧で成形するとヒケが生じやすい。最もヒケが生じやすい箇所は、ドーム型カバー100が固化する直前まで樹脂流動が継続し、かつ比較的型温が高い部分と接する箇所である。
本実施形態では、ゲートGA近傍において、空間部分R2の体積が相対的に大きいため、充填された溶融樹脂M0の蓄熱により、樹脂の固化が遅延する。このため、ドーム型カバー100で最もヒケSが生じやすい箇所を厚肉部120としている。厚肉部120は、光学有効領域ではなく、また非意匠面であるため、厚肉部120にヒケSが生じていたとしても、製品性能に影響を及ぼさない。また、ヒケSが生じた状態でもドーム型カバー100を成形できるため、低い保圧でドーム型カバー100を成形することができる。
また、本実施形態では、ストリッパープレート613の内周面に、厚肉部120を転写する凹形状が加工されている。ストリッパープレート613を交換することによって、厚肉部120の形状のみならず、鍔部103の形状も自在に変更することが可能である。
[実施例]
以下、実施例1~3のドーム型カバー100について説明する。
[実施例1]
図7は、図2(a)に示す中心線L0の延びる方向から視たドーム型カバー100の平面図である。図8は、図7の線L1に沿うドーム型カバー100の断面図である。なお、中心線L0からゲート痕Gに向かって延びる第1仮想直線を線L1とする。線L1は、ゲート痕Gの中心を通過する。厚肉部120は、線L1と交差する位置に配置されている。
厚肉部120の一対の端のうち、中心線L0から一方の端に向かって延びる仮想直線(第2仮想直線)を線L2、他方の端に向かって延びる仮想直線(第2仮想直線)を線L3とする。線L1を基準とし、反時計回りの方向に線L2、時計回りの方向に線L3が存在する。線L1を基準とし、線L1と線L2との成す角の角度を+Z、線L1と線L3との成す角の角度を-Zとする。厚肉部120は、角度-Zから角度+Zの範囲に配置されている。
実施例1では、鍔部103の外形の直径を、180[mm]とした。また、Zを15[°]とした。半球部101外側の半径を80[mm]、半球部101の内側の半径を77.8[mm]とした。鍔部103を含めて全体的に均等な厚みT2とし、その厚みT2を2.2[mm]とした。厚肉部120の厚みT1を、厚みT2よりも厚い2.68[mm]とした。即ち、厚肉部120の厚みT1を、円筒部102において厚肉部以外の部分121の厚みT2に対して1.22倍とした。鍔部103の底から天頂101Aまでの、中心線L0の延びる方向の距離を、109.1[mm]とした。円筒部102は、5[°]の勾配をつけた。厚肉部120の高さYは、10[mm]とした。実施例1においては、110[MPa]の保圧でドーム型カバー100を成形した。
なお、厚肉部120は、一様の厚みであってもよいが、ヒケが生じていてもよい。また厚肉部120の端部と円筒部102における厚肉部120以外の部分121とのつなぎの部分を、適宜面取りした形状としてもよい。離型しやすいように、厚肉部120に抜き勾配を設けてもよい。
図2(a)に示すように、光学有効領域及び意匠面にヒケSが生じないように、厚肉部120にヒケSを集中させてドーム型カバー100を成形することができた。実施例1で得られたドーム型カバー100をカメラ本体200Aに組み込んだ状態で、解像度チャートを使ってカメラ解像度を評価した。全領域において高解像度の画像が得られ、画質が向上することが確認できた。
[実施例2]
実施例2では、Zを20[°]とした。厚みT1を3.3[mm]とし、厚みT2の1.5倍とした。その他の寸法は、実施例1と同様の条件とした。実施例2においては、115[MPa]の保圧でドーム型カバー100を成形した。厚肉部120にヒケSが生じて、光学有効領域及び意匠面にヒケSが生じないようにドーム型カバー100を成形することができた。
実施例1の形状と比較して、厚肉部120の体積が大きい影響で、ヒケSの量が大きく、成形後の収縮歪みによってドーム型カバー100全体として形状誤差が増大した。しかしながら、解像度性能は実施例1には及ばないものの、光学有効領域の全領域において高解像度の画像が得られた。
[実施例3]
実施例3では、Zを30[°]とした。厚みT1を4.4[mm]とし、厚みT2の2.0倍とした。その他の形状寸法は、実施例1と同様の条件とした。実施例3においては、120[MPa]の保圧でドーム型カバー100を成形した。厚肉部120にヒケSが生じて、光学有効領域及び意匠面にヒケSが生じないようにドーム型カバー100を成形することができた。
なお、厚肉部120の体積が大きい影響で、ヒケSの量が大きくヒケSが広範囲に及んだため、ドーム型カバー100の歪みが大きくなった。また、ウエルドが発生し、外観上、実施例1,2よりも劣るものとなったが、光学有効領域の全領域において高解像度の画像が得られた。
[比較例]
図9は、比較例におけるドーム型カバー100Xの斜視図である。ドーム型カバー100Xにおいては、厚肉部120を形成しなかった。厚肉部120以外の形状寸法は、実施例1と同様の条件とした。比較例においては、100[MPa]の保圧でドーム型カバー100Xを成形した。ドーム型カバー100Xには、円筒部102Xにおける光学有効領域である領域111に、ヒケSが発生した。
一般的にヒケは固化が遅い箇所に発生する。比較例の場合、ゲート付近において成形品が固化する直前まで樹脂流動が継続する。一方、金型温度は、ストリッパープレートに水管が入っていないため、ストリッパープレートの金型温度が凹面部品より相対的に低くなる。このため、円筒部102Xにおける光学有効領域111のゲート痕G側の一部が、最も樹脂固化が遅い箇所となり、保圧不足によりヒケSが発生したと考えられる。
また、保圧を110[MPa]に変更してドーム型カバー100Xを成形したところ、目立ったヒケは発生しなかったが、光学有効領域の一部の領域111において、得られた画像に解像度の劣化が見られた。
以上の結果から、Zは、15[°]以上30[°]以下であることが好ましく、15[°]以上20[°]以下であればより好ましいことがわかった。また、厚肉部120の厚みが、円筒部102において厚肉部以外の部分121の厚みに対して1.22倍以上2.0倍以下であるのが好ましく、1.22倍以上1.5倍以下であればより好ましいことがわかった。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で多くの変形が可能である。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されない。
100…ドーム型カバー、101…半球部、101A…天頂、102…円筒部、103…鍔部、103B…端面、120…厚肉部、200…カメラ、200A…カメラ本体、600…金型(射出成形型)、601…可動型(第1型)、602…固定型(第2型)、612…凹面部品(駒部材)、613…ストリッパープレート(ストリッパー部材)、614…センターピン(ピン部材)、CV…キャビティ部、CV1…キャビティ(第1キャビティ)、CV2…キャビティ(第2キャビティ)、CV3…キャビティ(第3キャビティ)、G…ゲート痕、R1…空間部分(第1空間部分)、R2…空間部分(第2空間部分)

Claims (14)

  1. 半球部と、
    前記半球部に連続する円筒部と、
    前記円筒部から外側に突出する鍔部と、を備え、
    前記鍔部の端面にゲート痕が形成され、
    前記円筒部は、前記ゲート痕が形成されている側であって、前記半球部の中心線に沿う方向における、前記鍔部よりも前記半球部の側に位置する厚肉部を有することを特徴とするドーム型カバー。
  2. 前記厚肉部は、前記円筒部において前記厚肉部以外の部分よりも外側に突出していることを特徴とする請求項1に記載のドーム型カバー。
  3. 前記厚肉部は、前記円筒部における光学有効領域以外の領域に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のドーム型カバー。
  4. 前記半球部の天頂を通過する中心線の延びる方向から視て、前記厚肉部は、前記中心線から前記ゲート痕に向かって延びる第1仮想直線と交差する位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドーム型カバー。
  5. 前記中心線の延びる方向から視て、前記第1仮想直線と、前記中心線から前記厚肉部の端に向かって延びる第2仮想直線との成す角が、15[°]以上30[°]以下であることを特徴とする請求項4に記載のドーム型カバー。
  6. 前記成す角が、15[°]以上20[°]以下であることを特徴とする請求項5に記載のドーム型カバー。
  7. 前記厚肉部の厚みが、前記円筒部において前記厚肉部以外の部分の厚みに対して1.22倍以上2.0倍以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のドーム型カバー。
  8. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載のドーム型カバーと、
    前記ドーム型カバーが装着されたカメラ本体と、を備えたことを特徴とするカメラ。
  9. 半球部と、前記半球部に連続する円筒部と、前記円筒部から外側に突出する鍔部と、を有するドーム型カバーを成形するための射出成形型であって、
    型締めと型開きとが可能な第1型及び第2型を備え、
    前記第1型及び前記第2型は、型締めしたときに、
    前記半球部に対応する第1キャビティ、前記円筒部に対応する第2キャビティ、及び前記鍔部に対応する第3キャビティを画成するとともに、前記第3キャビティにおいて前記鍔部の端面に対応する位置にゲートを画成し、
    前記第2キャビティは、前記半球部の中心線に沿う方向における、前記第3キャビティよりも前記第1キャビティの側に配置され、
    前記第2キャビティにおいて、前記ゲートが位置する側の第1空間部分が、前記第1空間部分以外の第2空間部分よりも厚くなるよう、前記第2キャビティを画成することを特徴とする射出成形型。
  10. 前記第1型は、
    前記半球部の外面を形成する凹面を有する駒部材と、
    前記第2型と共に前記第1空間部分及び前記第3キャビティを画成するよう形成され、前記駒部材に対して型締め又は型開きする方向に移動可能なストリッパー部材と、を有することを特徴とする請求項9に記載の射出成形型。
  11. 前記第1型は、前記駒部材及び前記ストリッパー部材に対して型締め又は型開きする方向に移動可能なピン部材を更に有することを特徴とする請求項10に記載の射出成形型。
  12. 半球部と、前記半球部に連続する円筒部と、前記円筒部から外側に突出する鍔部と、を有するドーム型カバーを、射出成形により製造するドーム型カバーの製造方法であって、
    射出成形型の第1型と第2型とを型締めすることにより、前記半球部の形状に対応する第1キャビティ、前記円筒部に対応する第2キャビティ、及び前記鍔部に対応する第3キャビティを有するキャビティ部を画成するとともに、前記第3キャビティにおいて前記鍔部の端面に対応する位置にゲートを画成する第1工程と、
    前記ゲートを通じて前記キャビティ部に溶融樹脂を注入する第2工程と、を備え、
    前記第2キャビティは、前記半球部の中心線に沿う方向における、前記第3キャビティよりも前記第1キャビティの側に配置され、
    前記第1工程では、前記第2キャビティにおいて、前記ゲートが位置する側の第1空間部分が、前記第1空間部分以外の第2空間部分よりも厚くなるよう、前記第2キャビティを画成することを特徴とするドーム型カバーの製造方法。
  13. 前記第1型は、前記半球部の外面を形成する凹面を有する駒部材と、前記第2型と共に前記第1空間部分及び前記第3キャビティを画成するよう形成され、前記駒部材に対して型締め又は型開きする方向に移動可能なストリッパー部材と、を有しており、
    前記第2工程の後、前記第1型と前記第2型とを型開きする第3工程と、
    前記ストリッパー部材を前記駒部材に対して突き出して、前記駒部材から成形品を離型させる第4工程と、を更に備えたことを特徴とする請求項12に記載のドーム型カバーの製造方法。
  14. 前記第1型は、前記駒部材及び前記ストリッパー部材に対して型締め又は型開きする方向に移動可能なピン部材を更に有しており、
    前記ピン部材を前記ストリッパー部材に対して突き出して、前記ストリッパー部材から前記成形品を離型させる第5工程と、を更に備えることを特徴とする請求項13に記載のドーム型カバーの製造方法。
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