JP2018040859A - ホルダー付きレンズ、およびホルダー付きレンズの製造方法 - Google Patents

ホルダー付きレンズ、およびホルダー付きレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光学性能が高いホルダー付きレンズを提供する。
【解決手段】射出成形によってホルダー2にレンズ1が固定されているホルダー付きレンズであって、レンズ1に隣接するホルダー2のホルダー内周面114に最大高さが2μm以上50μm以下の凹凸構造が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部品、光学部品の製造方法に関するもので、例えばデジタル一眼レフカメラのファインダーに使用されるホルダー付きのレンズ、その製造方法に関するものである。
樹脂製レンズはデジタルカメラの撮影レンズ、光ディスクの記録再生ピックアップレンズ、プロジェクターの投影用のレンズ等、幅広い用途で活用されている。これらの樹脂製レンズの多くは、コストダウンのため射出成形によって製造されている。樹脂製レンズを部品として製品に組み付けて機能させるために、後工程においてレンズを枠状のレンズホルダーの中に入れて一体化することがある。該レンズホルダーは鏡筒とも呼ばれるが、本発明では統一してホルダーと表記する。該ホルダーは、カメラへの取り付けを容易にしたり、レンズを動かし駆動部品としたり、レンズ側面反射によるゴーストを抑制する遮光(マスク)の機能を有することがある。
ホルダーにレンズを固定し一体化するために、一般的には接着剤が用いられる。しかし、接着という後工程にかかるコストが課題となる。また、ホルダーには接着のための基準形状が必要となり、嵌め合い公差でホルダーとレンズの位置を規定するため、数十μm以上の嵌め合い誤差が生じる問題もある。
特許文献1ではホルダー用樹脂材料を先行してキャビティに射出し、次いでレンズ用樹脂材料を射出する2色成形によるホルダー付きレンズの製造方法が記されている。
特許文献1によれば、ホルダーの内周面に突起を設け、レンズ用樹脂を前記突起に回り込ませることによりホルダーとレンズを接合する。
特開2004−53879号公報
図10は特許文献1を説明する図であり、特許文献1に記載されているホルダー付きのレンズの、レンズ光軸を含み、光軸と平行な面で切断した断面図である。
図10において、樹脂製ホルダー82によって、樹脂製レンズ81の側面全体を囲う構成になっている。樹脂製ホルダー82の内周には突出部85が存在し、その周りにレンズ材料を回り込ませて固化させることで、ホルダーはレンズに固定される。
しかし、レンズ面86側からの入射光Lがホルダー内周面で反射し、ゴーストやフレアの発生源となってしまう場合があった。
本発明のホルダー付きレンズは、射出成形によってホルダーにレンズが固定されているホルダー付きレンズであって、前記レンズに隣接する前記ホルダーの内周面に最大高さが2μm以上50μm以下の凹凸構造が形成されていることを特徴とする。
また、本発明のホルダー付きレンズの製造方法は、ホルダーを金型内に配置した状態で前記金型にレンズ樹脂を射出し、ホルダー付きレンズを製造するホルダー付きレンズの製造方法であって、前記金型内に配置するホルダーは、内周面に凹凸構造が形成され、前記内周面は、前記金型内の凹凸構造が形成された面に当接するように配置された状態でレンズ樹脂が射出されることを特徴とする。
本発明によれば、光学性能が高い光学部品を安定して得ることが可能となる。
実施形態のホルダー付きレンズを説明する図 実施形態のホルダー付きレンズの製造方法で用いる金型を説明する図 実施形態のホルダー付きレンズの製造方法で用いる金型を説明する図 実施形態のホルダー付きレンズの製造方法で用いる金型を説明する図 実施形態のホルダー付きレンズの製造方法で用いる金型を説明する図 実施例を説明する図 実施例を説明する図 実施例を説明する図 実施例を説明する図 従来例を説明する図
図1に本発明に係る光学部品である、ホルダー付きレンズの一例である実施形態を示す。図1(a)は、本実施形態の光学部品であるホルダー付きのレンズの鳥瞰図である。図1(b)は、本実施形態の光学部品であるホルダー付きのレンズの、レンズ光軸を含み光軸と平行な面で切断した断面図である。図1(c)は図1(b)におけるb部の部分拡大図である。
1はレンズであり、本実施形態におけるレンズ1は接眼レンズである例を示す。3は接眼側レンズ面、4は対物側レンズ面、115はレンズの側面である。
2はホルダーであり、表面111、裏面112、外周面113、および内周面114を有する。ホルダー2は、レンズの一方の面の外周部(非光学有効域19)に、隣接して配置された筒状の部分を有する部材であり、裏面112がレンズと接触している。具体的には、レンズがカメラに用いられる接眼レンズの場合、ホルダーの裏面112の一部が接眼側レンズ面3の非光学有効域19とレンズ側面の一部と接触している構成となっている。これにより、ホルダー2はレンズ1に対して遮光の機能を付与する。
また、ホルダー2は前記筒状の部分以外に、周囲の部品との組み付け用部分201を有する。該組み付け用部分201は段付きの穴202を有し、該段付きの穴レンズ樹脂が回り込むことによって、ホルダー2はレンズ1に対して接眼側レンズ面3側に隣接して固定され、前記接眼側レンズ面3は前記内周面114によって囲まれる。
ホルダー2の表面111は、接眼側から入射する光をレンズの外側に反射させる機能を有する。そのため、表面111は、レンズの光軸Oに対して垂直な方向である。あるいはレンズ中心から外周に向かってホルダー厚みが減少する方向に傾斜していることが好ましい。
ホルダー2の裏面112は接眼側レンズ面3の光学面に沿う形状となっていることが好ましいが、それに限ることはない。曲面であっても平面であっても良く、光軸に対して垂直な面であっても良い。
ホルダー2の外周面113のレンズの光軸に対する角度は特に限定されない。金型にインサートする際に、インサートを容易にするためインサート方向に向かって外形が小さくなる方向に傾斜していることが好ましいが、レンズ光軸Oに対して平行であっても良い。
ホルダー2の内周面114は、レンズに隣接して配置された面であり、本実施形態においては、裏面112と隣接する面である。そして、レンズの光軸Oに垂直な方向の面に対して20°以上、90°以下の角度で、レンズ中心から接眼側に向かって開口が広がるように傾斜していることが好ましい。20°以上80°以下の角度であればより好ましい。20°以下だとゴースト、フレア抑制効果が低下し、80°以上だとホルダー成形時の抜き勾配が小さくなるため、ホルダーの成形が困難となる。
内周面114にはゴースト、フレア抑制効果を更に高めるために、シボが形成されている。本明細書におけるシボとは、凹部から凸部の最大高さが2μm以上50μm以下の微細な凹凸構造(凹凸形状パターン)のことであり、皮シボ、梨地、木目、砂目、しわ模様、岩目、ヘアライン等、高低差のある微細な凹凸形状を含む。ランダム性を持っていてもよいし、規則的なものであっても良い。金型の表面を鏡面仕上げではなく細かい模様(凹凸)をつけ成形品にその模様を転写する、従来から知られたシボ加工により形成された形状であってもよい。金型の表面の細かい模様(凹凸)は、エッチングによる化学処理やサンドブラスト、鏡面仕上げにしない研磨処理などの従来から行われている周知技術を用いて形成されたものであってもよい。
図1(c)において内周面114のシボを粗面状に表現している。シボの形状パターンは反射防止性能が確保されれば特に限定されないが、シボの最大高さが5μm以上25μm以下であることが好ましい。25μmを超えると離型性が悪化するともに、凹凸が大きくなりすぎることによって反射防止性能が低下する。また、シボの最大高さが5μm未満だと平滑性が出てくるため反射防止性能が低下する。本明細書において、シボの最大高さとは、シボが形成されている内周面114の任意の0.1mm×0.14mmの領域におけるシボ(微細な凹凸形状)の凹部と凸部の差の最大値のことと定義する。
内周面114と裏面112の交点203と、対物側レンズ面の端部204を結ぶ線とレンズ光軸との角度αはゴースト抑制効果から10°以上であることが好ましい。
ホルダー2は、遮光機能を有する樹脂であることが好ましい。例えば、染料によって黒色に着色された材料が好ましい。
遮光機能を有する樹脂は、機械強度が高い材料が好ましく、ポリカーボネートが好ましい。ポリカーボネートはガラス転移温度が高いため、インサート成形時にレンズ樹脂からの熱を受けて溶出しにくい。
この他、ABSを配合したポリカーボネート、ABS、PS,PMMA、これらの複合材も使用可能である。ガラスフィラー等の含有材を混合することも可能である。
レンズ1の樹脂材料に環状オレフィン系の樹脂材料を選択した場合、環状オレフィン系の樹脂材料は非極性であるため、他の樹脂との相溶性が低くなる。レンズ材料とホルダー材料の相溶性が低いと、界面のみで強固な密着性は期待できない。このような場合、安定して一体固定するための構造が別途必要となる。図1に示す実施例では、組み付け用部分の一部に段付きの穴202を設け、ホルダーを金型にインサートしてレンズを成形する際に、該段付き穴202にレンズ樹脂が流入する。レンズ樹脂が固化した状態で、段付き穴部がアンダーカット構造となり、レンズとホルダーが分離しなくなる。
本例は一例であって、ホルダーに対してレンズ樹脂を回り込ませる箇所や構造は特に限定されない。また、レンズとホルダーの一体化の方法については、レンズとホルダーが相溶することによって界面密着させる構成であっても良い。例えば、ホルダーの基材をレンズと同種材料として、ホルダーのみ黒に着色した材料の組み合わせであれば、回り込み構造なしで一体化することが可能である。
次に、本実施形態における光学部品の製造方法について説明する。
本実施形態におけるホルダー付きレンズは、ホルダーを金型にインサートした状態でレンズ用樹脂を射出し、ホルダーの裏面112に樹脂を流入させ、かつ、ホルダーの一部に樹脂を回り込ませることによって、ホルダーにレンズを固定する。
まず、ホルダー2を準備する。ホルダー2は、内周面114にシボが形成されていればどのような製造方法で製造してもよいが、生産性等の観点から、射出成形によって製造することが好ましい。金型全体構造や射出成形機は公知の技術を用いることができるため詳しい説明は省略する。ただ、内周面114を成形する面に、エッチングによる化学処理やサンドブラスト、鏡面仕上げにしない研磨処理などの従来から行われているシボ加工が施された金型を用いて成形し、ホルダー2を準備する。
次に、準備したホルダー2を金型にインサートし、レンズ用樹脂を射出し、ホルダー付きレンズである光学部品を製造する。
図2(a)は、ホルダー2を金型にインサートしている途中の状態を示す図である。ゲートや金型全体構造や射出成形機は公知の技術を用いているため説明は省略する。
金型内には、31は接眼側レンズ面を転写する金型部品、30は対物側レンズ面を転写する金型部品、29は31を収納する金型部品、28は30を収納する金型部品を有する。また、30を収納する金型部品28には、レンズの側面と組み付け用部分の一部を転写する形状が形成されている。この30を収納する金型品28と、接眼側レンズ面を転写する金型部品31、対物側レンズ面を転写する金型部品30、ホルダーの裏面112、段付き穴部202でキャビティを構成する。
オートハンド300によってホルダー2を把持して、金型部品29、金型部品31で構成されたインサート空間に近接させている。
図2(b)は図2(a)のv部を部分的に拡大した図である。インサートするホルダーの内周面114には上述した方法によりすでにシボ301が加工されている。ホルダー2は、内周面114が、金型内の金型部品31の斜面302に当接するようにインサートされる。そして、内周面114が当接される金型部品31の斜面302にもシボ303を加工しておく。シボ303は、エッチングによる化学処理やサンドブラスト、鏡面仕上げにしない研磨処理などの従来から行われている方法で加工しておく。シボ303は、ホルダーの内周面114に形成したシボの粗さと同等か粗い方が好ましい。具体的には、内周面114が当接される金型部品31の斜面302に加工されるシボ303の最大高さは、ホルダーの内周面114に形成したシボの最大高さの1倍以上1.2倍以下が好ましい。金型部品31の斜面302に加工されるシボ303は痕跡が残りにくいため、シボの最大高さを1倍以上1.2倍以下に加工しておくと均一なシボ面が得られ、外観および反射防止性能が均一になる。
図3(a)は、ホルダー2を金型内にインサートして金型を閉じた状態の断面図である。
図3(b)は図3(a)のw部を部分的に拡大した図である。ホルダー内周面114が金型部品31の斜面302に当接した状態にある。ホルダー内周面のシボ301と金型部品31の斜面のシボ303は同種のパターンとしたが不規則パターンであるため、前記内周面114と前記斜面302は密着していない部分が存在する。
図4(a)は、レンズ材料である溶融樹脂がキャビティに射出され、充填が完了した状態の断面図を示している。レンズ材料が前記段付き穴202に回り込むことによってホルダーとレンズが一体化される。
図4(b)は図4(a)のx部を部分的に拡大した図である。図4(b)の領域yはレンズ樹脂に近い箇所であり、レンズ樹脂の熱と圧力を受けてホルダー樹脂が再溶融し、前記金型斜面のシボ303が転写される。
図5(a)は取り出し後の一体化されたホルダー付きレンズの断面図である。
図5(b)は図5(a)のz部を部分的に拡大した図である。図5(b)の領域yはレンズ樹脂の熱と圧力を受けてホルダー樹脂が再溶融し、前記金型斜面のシボ303が転写された領域である。つまり、ホルダーの内周面に元々存在していたシボと、再溶融により金型のシボ303が転写されたシボとが混在しているが、遮光性能に問題はない。
本実施形態では、ホルダー内周面にシボを形成したが、同様の遮光機能が得られる凹凸形状であれば、特に形状は限定されない。シボよりも形状単位の大きなブロックパターンや遮光線であっても良い。ただし、形状単位が大きくなるほど二度転写した痕跡が目立つ傾向となる。
本実施形態ではホルダーをインサートしてレンズを成形し光学部品を製造する方法を例示したが、成形方法は回転二色成形やダイスライドインジェクションでも良い。
本実施形態ではホルダー形状にレンズ樹脂を回り込ませてアンダーカットとし、ホルダーとレンズを一体化させたが、アンダーカット部を設けず、ホルダーとレンズを相溶する材料の組み合わせとし、ホルダー裏面を相溶界面として一体化してもよい。
本実施形態ではホルダー内周面の全面にシボを形成しておき、また、レンズを成形する金型における前記シボ面を当接する金型表面にも全面にシボを形成する例を示した。しかし、必ずしも全面にシボを形成する必要はない。内周面の50%以上の面に対して、シボ面が形成されていることが好ましい。特にシボの状態が変化しやすいのはレンズ面に近接する領域(図4(b)あるいは図5(b)のyの領域)である。よって、シボをレンズ面から近接する領域であるy領域に限定することもできる。この場合のyの領域とは、レンズ面からの距離が、例えば、0mm以上1mm以下の領域とすることができる。しかし、ホルダーの形状寸法にはバラツキがあるのでインサートした状態で金型との当接力はホルダーの場所によって異なるため、シボムラが発生しやすい。そのため、確実にシボを維持するためには全面にシボを形成しておいた方が好ましい。
本実施例ではホルダー内周面のみにシボを形成したが、ホルダー内周面近傍の面にもシボがあってよい。例えば図7において、ホルダー表面111にシボがあってもよい。この場合、レンズ成形する金型は、ホルダー内周面だけでなくホルダー表面111を当接する面に対してもシボを加工しておくこともできる。
次に実施例について説明する。図6、図7、図8は本実施例で得た光学部品(ホルダー付きレンズ)である。
図7は実施例で製造した光学部品の概略図である。図7(a)は、接眼側レンズ面3側から見た鳥瞰図である。図7(b)は、対物側レンズ面4から見た鳥瞰図である。1はレンズ、2はホルダーである。レンズ1として例えば、デジタル一眼レフカメラのファインダーを構成するレンズであり、視度調整用のレンズであるとして用いられるものを製造した。ホルダー2はスリーブ20が連結している。このスリーブに芯を挿入し、光軸方向にスライド動作可能となるようにカメラに組み込まれる。ホルダーの大きさは、短手b=15.3mm、長手a=21.06mmとした。レンズ材料は環状オレフィン系のポリマーで、荷重たわみ温度が122℃の材料を使用した。ホルダーの材料は黒色のポリカーボネートとした。3は対物側のレンズ面で非球面、4は接眼側のレンズ面で球面であり、両凸のレンズとした。レンズの最大厚みは4.46mmとした。
内周面114には最大高さ約10μmのシボを形成し、遮光性能を高めた。
図8は図6のA−A´断面図である。ホルダーの筒状部とスリーブを連結する橋梁部401において、直径j=1mm、テーパ角度k=10°のテーパ穴402を形成した。該テーパ穴にレンズ樹脂が流入固化することによって、ホルダーがレンズから抜けてしまうことなくしっかり固定することができた。
内周面114にはシボが形成されているが、シボの凹凸量が製品サイズに対して小さいため、図では省略している。
次に本実施例の光学部品(ホルダー付きレンズ)の製造方法に関して説明する。
本実施例の光学部品(ホルダー付きレンズ)は、ホルダーを金型にインサートした状態でレンズを形成し、ホルダーの裏面とレンズと接触させる。そして、ホルダーの筒状部とスリーブを連結する橋梁部に設けたテーパ穴にレンズ材を回り込ませることによってアンダーカット部を形成し、強固に一体化する。図9(a)はレンズの成形に使用する金型の断面図である。
23は可動側取り付け板、24はスペーサーブロック、25は可動側型板、26は固定側型板、27は固定側取り付け板である。30は対物側のレンズ面を転写する金型部品、31は接眼側のレンズ面を転写する金型部品である。28は30を収容する金型部品、29は31を収容する金型部品である。32はエジェクタピン、38はエジェクタプレートである。35はスプルブシュである。39は金型を温度調節するために温水を通水する水管39である。
図9(b)は金型を開いてホルダーをインサートする直前の断面図である。ホルダーをインサートする装置は省略している。インサートするホルダーの内周面にはホルダー成形時に、最大高さ約8μmのシボを形成しておいた。ホルダー内周面114が当接する金型部品31の斜面302には最大高さ約15μmのシボを加工した。
接眼側レンズ面3を転写する金型部品31と、31を収容する金型部品29の間にホルダーを挿入し、31を収容する金型部品29に対して、ホルダーの外周面と表面をしっかりと接触させて金型を閉じた。水管39には135℃の温水を通水した。
この状態で成形機の可塑化装置のノズル(図示なし)をスプルブッシュ35に当接させ、レンズ材の溶融樹脂を射出した。射出時間は3秒とした。これにより、ホルダーの裏面に樹脂が流入し、射出直後においてホルダーとレンズの界面は一時的に密着状態となる。また、ホルダー材の樹脂はレンズ材の溶融樹脂から熱と力を受けて、分子が動きやすい状態となる。
射出工程に次ぐ保圧工程において、レンズ材の溶融樹脂がレンズ面の転写面に押しつけられて、レンズ面が転写される。保圧時間は20秒とし、140秒の冷却時間を経て型開した。
図9(c)は型開後突き出し完了の状態の断面図である。エジェクタピン32と対物側のレンズ面4を転写する金型部品30が前進し、金型と成形品が離れる(離型する)。この状態で取り出し機(図示なし)によって成形品を型外へ排出した。得られたホルダー付きレンズはホルダー内周面全域にシボが形成されていた。得られたホルダー付きレンズを、カメラへ組み込んだ状態で、肉眼目視検査によるファインダー性能評価を行ったところ高い遮光性能を有するホルダー付きレンズを得た。
インサートするホルダーの内周面にシボを形成せず、最大高さ約3μmの平滑面とし、金型材料31の斜面302に差異大高さ15μmのシボを形成してホルダーインサート成形を行った。その他の条件は実施例1と同一とした。
金型から取り出し後に得られたホルダー付きレンズは、ホルダー内周面においてレンズに近接した部分のみシボが転写した。しかし、シボ転写領域が前記内周面に対して30%であり、レンズ面からの距離が、0mm以上10mm以下の領域であった。残りの部分が平滑面のままであった。得られたホルダー付きレンズを、カメラへ組み込んだ状態で、肉眼目視検査によるファインダー性能評価を行ったところ、全面が平滑面である場合に比べると遮光性能は向上したが、内周面全域にシボが形成している場合に比べると遮光性能は低かった。
インサートするホルダーの内周面に、最大高さ約8μmのシボを形成し、最大高さ約0.1μmの金型材料31の斜面302に当接してホルダーインサート成形を行った。その他の条件は実施例1と同一とした。
金型から取り出し後に得られたホルダー付きレンズは、ホルダー内周面においてレンズに近接した部分のみシボが消失した。シボが消失した領域は、レンズ面からの距離が、例えば、0mm以上10mm以下の領域であった。そして、残存したシボ転写領域は、前記内周面に対して70%であり、残りの部分が平滑面のままであった。得られたホルダー付きレンズを、カメラへ組み込んだ状態で、肉眼目視検査によるファインダー性能評価を行ったところ、全面が平滑面である場合に比べると遮光性能は向上したが、内周面全域にシボが形成している場合に比べると遮光性能は低かった。
1 レンズ
2 ホルダー
3 接眼側レンズ面
4 対物側レンズ面
10 レンズ面の光学有効域
19 レンズ面の非光学有効域
111 ホルダー表面
112 ホルダー裏面
113 ホルダー外周面
114 ホルダー内周面
115 レンズ側面
201 組み付け用部分
202 段付き穴
203 内周面114と裏面112の交点
204 レンズ端部
300 オートハンド
301 ホルダー内周面のシボ
302 金型部品の斜面
303 金型部品のシボ
401 橋梁部
402 テーパ穴

Claims (6)

  1. 射出成形によってホルダーにレンズが固定されているホルダー付きレンズであって、前記レンズに隣接する前記ホルダーの内周面に最大高さが2μm以上50μm以下の凹凸構造が形成されていることを特徴とするホルダー付きレンズ。
  2. 前記内周面の50%以上の面に対して、前記凹凸構造が形成されていることを特徴とする請求項1記載のホルダー付きレンズ。
  3. 前記凹凸構造の最大高さが5μm以上25μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載のホルダー付きレンズ。
  4. 請求項1乃至3いずれか一項記載のホルダー付きレンズを有するカメラ。
  5. ホルダーを金型内に配置した状態で前記金型にレンズ樹脂を射出し、ホルダー付きレンズを製造するホルダー付きレンズの製造方法であって、
    前記金型内に配置するホルダーは、内周面に凹凸構造が形成され、
    前記内周面は、前記金型内の凹凸構造が形成された面に当接するように配置された状態でレンズ樹脂が射出されることを特徴とするホルダー付きレンズの製造方法。
  6. 前記金型内の凹凸構造が形成された面の前記凹凸構造の最大高さは、前記金型内に配置するホルダーの内周面の凹凸構造の最大高さよりも高いことを特徴とする請求項5記載のホルダー付きレンズの製造方法。
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