JP2006272870A - 光学レンズ及びその成形型 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光学機能面1Aを備えるレンズ部1と、その外周に形成されるフランジ2とから構成され、前記レンズ部1の厚さがレンズ中央が薄くレンズ外周が厚い偏肉形状の光学レンズ10において、樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部3を、レンズ部1のレンズ面1Cにわたって形成したものである。
また光学機能面を形成するための転写面を備える上型及び下型4,5と、当該上型及び下型の間に形成されるキャビティ内9に樹脂を流し込むための樹脂流路7及び樹脂射出口8を備える胴型6とからなる光学レンズの成形型20において、前記上型4に、樹脂射出口を形成するための切り欠き部4Bを形成したものである。
【選択図】 図1
Description
図4(b)に示すように、投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズ100は、投映光が透過する領域(以下、作用領域という)101Bが、レンズ部101の光学機能面(十分な光学機能を備える面)101Aに内包されるように設計されている。前記作用領域101Bの形状は投映範囲に依存し、投映型プロジェクタでは方形の投映範囲に映像を映し出すため、投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズ100では作用領域101Bが方形となる。
従って光学レンズ100のレンズ部101の中央には、作用領域101Bの対角線の長さ以上を直径(有効径)とする円状の光学機能面101Aが形成されている。
光学レンズの成形型200は、図5に示すように、光学レンズの光学機能面を形成するための転写面104A,105Bを備える上型104及び下型105と(図5(b)を参照)、樹脂流路107及び樹脂射出口108を備える胴型106とから構成される。
そして前記上型及び下型の間に形成されるキャビティ内109にゲート部103から溶融した樹脂を流し込み、当該キャビティ内109に充填された樹脂を冷却して固化することによって、光学機能面101Aを備えるレンズ部101とその外周に形成されるフランジ102とからなる光学レンズ100を成形する(図5(a)を参照)。
従来技術による光学レンズ100では、前記ゲート部103はフランジ102の外周に形成されている。
図4(b)に示すように、前記レンズ部101の厚さが、レンズ中央が薄くレンズ外周が厚い偏肉形状の光学レンズ100を射出成形する場合、樹脂射出口108からキャビティ内109に樹脂を流し込んだときに、肉厚のレンズ外周(円周部分)より肉薄のレンズ中央のほうが樹脂が流れにくい。
そのため、レンズ外周(円周部分)では樹脂の流れが速く、レンズ中央では樹脂の流れが遅くなり、レンズ中央を経由して射出口反対側に流れ込む樹脂よりも先に、レンズ外周(円周部分)を回り込んで流れる樹脂が射出口反対側において合流する。そして前記樹脂合流部に形成されるウェルドラインがレンズ中央にかけて発生し、当該ウェルドラインが投光領域101Bにわたって形成される虞があった(図6(d)を参照)。
また投映範囲が長方形である投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズには、優れた光学機能をもつ長方形の作用領域を設定すればよいため、レンズ面にわたって形成されたゲート部を、長方形の作用領域から離れた位置に配置することによって、前記作用領域では十分な光学機能を維持することができる。
従って、樹脂合流部に形成されるウェルドラインを小さくするためには、レンズ外周(円周部分)を通って射出口反対側に回り込む樹脂の流れを遅くするか、レンズ中央を経由して射出口反対側へ流れ込む樹脂の流れを早くすればよい。
本発明の実施例による光学レンズ10は、図1(a)及び(b)に示すように、光学機能面1Aを備えるレンズ部1と、レンズ部1の外周に形成されるフランジ2とから構成される光学レンズ10において、樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部3を、レンズ部1のレンズ面1Cにわたって形成したものである。
つまりキャビティ内に樹脂を流し込むときの樹脂射出口が、レンズ中央に近い位置で、かつレンズ中央に向けて大きく配設されるため、レンズ中央を経由して射出口反対側へ流れ込む樹脂の流れを早くすることができる。
一方、投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズの作用領域1Bは投映範囲に依存し、スクリーンなどの方形の投映範囲に映像を映し出す場合、光学レンズ10の作用領域1Bの形状は方形である。
従って、投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズ10を製造する場合、方形の作用領域1Bの対角線の長さ以上を直径(有効径)とする光学機能面1Aを形成し、当該光学機能面1Aを備えるレンズ部1と、レンズ部1の外周に形成されるフランジ2とからなる光学レンズ10を成形する。
しかしながら、投映型プロジェクタに組み込まれる光学レンズ10では、前記光学機能面1Aに内包される作用領域1Bにおいて十分な光学機能が維持されていれば十分である。
レンズ面1Cにわたって形成された大きなゲート部3をレンズ中央に向けて配設することによって、レンズ中央に流れ込む樹脂量の増加に伴ってレンズ中央における樹脂の流れが速まるとともに、前記ゲート部103をよりレンズ中心に近い位置に配設することによって、レンズ中央により早く樹脂を流し込むことができる。つまりレンズ外周(円周部分)を回り込んで流れる樹脂が射出口反対側で合流する前に、より早くレンズ中央に樹脂を流し込むことができるため、ウェルドラインをより小さくすることができる。
そしてこの発明による成形型20は、レンズ中央に近い位置で、かつレンズ中央に向けて大きな樹脂射出口を形成するため、前記上型4に樹脂射出口を形成するための切り欠き部4Bがされている(図2(b)を参照)。
フランジ102の外周に配設される樹脂射出口108からキャビティ内109に樹脂を流し込む従来技術(図6を参照)に比べ、本発明では、1Cにかけて配設される樹脂射出口8を設け、レンズ中央に向けて大きく形成した樹脂射出口8からキャビティ内9に樹脂を流し込むため(図3を参照)、樹脂射出口8からレンズ中央を経由して射出口反対側へ流れ込む樹脂の流れが速くなり、樹脂合流部に形成されるウェルドラインを小さくすることができる。
1A 光学機能面
1B 作用領域
1C レンズ面
2 フランジ
3 ゲート部
4 上型
4A 転写面
5 下型
5A 転写面
6 胴型
7 樹脂流路
8 樹脂射出口
9 キャビティ
10 光学レンズ
20 成形型
Claims (3)
- 光学機能面(1A)を備えるレンズ部(1)と、その外周に形成されるフランジ(2)とから構成され、前記レンズ部(1)の厚さが、レンズ中央が薄くレンズ外周が厚い偏肉形状の光学レンズ(10)において、
樹脂射出口の配設位置に形成されるゲート部(3)が、レンズ部(1)のレンズ面(1C)にわたって形成されていることを特徴とする光学レンズ。 - 投映型プロジェクタの投映範囲に対応して長方形の投映領域(1B)が設定される光学レンズ(10)において、長方形の作用領域(1B)の長辺における中点の垂線上にゲート部(3)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光学レンズ。
- 光学レンズの光学機能面を形成するための転写面を備える上型及び下型(4,5)と、当該上型及び下型の間に形成されるキャビティ内(9)に樹脂を流し込むための樹脂流路(7)及び樹脂射出口(8)を備える胴型(6)とからなる光学レンズの成形型(20)において、
前記上型(4)に、樹脂射出口を形成するための切り欠き部(4B)が形成されていることを特徴とする光学レンズの成形型。
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JP2005098819A JP2006272870A (ja) | 2005-03-30 | 2005-03-30 | 光学レンズ及びその成形型 |
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