JP7032614B1 - 工作機械 - Google Patents

Abstract

ベース（２）と、ベース（２）に対して一方向に直線移動可能に支持されたスライダ（３）と、スライダ（３）をベース（２）に対して直線移動させるボールネジ（８）と、ベース（２）とスライダ（３）との間に可動線条体を配線するチェーン状のキャリア（１１）とを備え、キャリア（１１）が、ベース（２）とスライダ（３）との間に、ベース（２）とスライダ（３）との間隔方向に延びる軸回りにＵ字状に湾曲して配置され、キャリア（１１）の一端（１１ｂ）がスライダ（３）に、他端（１１ｃ）がベース（２）に固定され、キャリア（１１）のＵ字状に湾曲した湾曲部（１１ａ）が、ボールネジ（８）の軸線（Ｘ）の延長線を横切る位置に配置されている工作機械である。

Description

本開示は、工作機械に関するものである。

直動機構のスライダに搭載された装置に給電あるいは給気等するための可動ケーブルあるいは可動チューブ等の可動線条体を収容するケーブルキャリアが知られている（例えば、特許文献１参照。）。ケーブルキャリアは、スライダの移動空間に隣接する空間内に、スライダの移動方向に平行に配置され、Ｕ字状に折り返されるとともに、一端がベースに、他端がスライダに固定されて使用される。

特開２００３－２４４８３１号公報

工作機械のステージのように水平な直動機構において、高さ寸法を低減するためにケーブルキャリアを水平方向にＵ字状に折り返す場合には、スライダを駆動するためのボールネジとケーブルキャリアとの干渉を回避する必要がある。この場合に、スライダの下方に隣接してケーブルキャリアを配置し、ケーブルキャリアの下方にボールネジを配置することにより、ボールネジとケーブルキャリアとの干渉は回避できる。

しかし、この構造では、スライダに動力を加える力点がスライダの上面から大きく離れてしまい、スライダの加減速時に振動が増大することがある。
したがって、工作機械の直動機構の高さ寸法を低減しつつ、スライダの加減速時の振動を有効に抑えることが望まれている。

本開示の一態様は、ベースと、該ベースに対して一方向に直線移動可能に支持されたスライダと、該スライダを前記ベースに対して直線移動させるボールネジと、前記ベースと前記スライダとの間に可動線条体を配線するチェーン状のキャリアとを備え、該キャリアが、前記ベースと前記スライダとの間に、前記ベースと前記スライダとの間隔方向に延びる軸回りにＵ字状に湾曲して配置され、前記キャリアの一端が前記スライダに、他端が前記ベースに固定され、前記キャリアのＵ字状に湾曲した湾曲部が、前記ボールネジの軸線の延長線を横切る位置に配置されている工作機械である。

本開示の一実施形態に係る工作機械を部分的に破断して示す側面図である。 図１の工作機械の平面図である。 図１の工作機械のベッド、サドルおよび駆動機構を説明する正面図である。 図１の工作機械のガイド部材が第１座面に固定された状態を示す側面図である。 図１の工作機械のガイド部材が第２座面に固定された状態を示す側面図である。 図５の工作機械の平面図である。 図５の工作機械のキャリアの湾曲部を説明する正面図である。 図１の工作機械の変形例において、ガイド部材が一方の取付面によってベッドの座面に固定された状態を部分的に破断して示す側面図である。 図８の工作機械において、ガイド部材が他方の取付面によってベッドの座面に固定された状態を部分的に破断して示す側面図である。

本開示の一実施形態に係る工作機械１について、図面を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る工作機械１は、図１に示されるように、床面に設置されるベッド（ベース）２と、ベッド２に対して水平方向一方向に移動可能に支持されたサドル（スライダ）３と、ベッド２に対してサドル３を駆動する駆動機構４とを備えている。ベッド２には、図示しない主軸を支持するコラム５が設置されている。

駆動機構４は、サドル３をコラム５に近接した位置から、コラム５に対して離間した位置まで直線移動させる。駆動機構４は、図３に示されるように、２つの位置の間でサドル３を移動可能に支持する２本のガイドレール６と、モータ７によって駆動されるボールネジ８とを備えている。ボールネジ８およびガイドレール６は、サドル３の下方に隣接して水平方向に広がる収容空間内に配置されている。ガイドレール６は、水平方向に平行に間隔をあけて、サドル３の移動方向に延びて配置されている。

ボールネジ８は、図３に示す例では、ガイドレール６と同じ高さ位置において、２本のガイドレール６の中央にガイドレール６に平行に配置されている。ボールネジ８の一端にはモータ７が接続されている。ボールネジ８の両端には、ベッド２に対してボールネジ８をその軸線Ｘ回りに回転可能に支持する支持ブラケット９が設けられている。

ボールネジ８にはナット１０が噛み合っている。ナット１０は、図３に示されるように、サドル３の下部に固定されている。モータ７の作動によりボールネジ８が回転させられると、ボールネジ８に噛み合っているナット１０がボールネジ８の長手方向に移動させられる。これにより、ナット１０が固定されているサドル３がボールネジ８の長手方向に駆動される。

したがって、ボールネジ８は、図１および図２に示されるように、サドル３の移動範囲のほぼ全長にわたって配置されている。
本実施形態においては、ボールネジ８の一端に接続されたモータ７はベッド２の一端側に配置され、ボールネジ８の他端を支持する支持ブラケット９は、コラム５に近接する位置に配置されている。

また、本実施形態に係る工作機械１は、ベッド２とサドル３との間に可動ケーブルあるいは可動チューブ等の可動線条体１００を配線するチェーン状のキャリア１１を備えている。キャリア１１は、平行な複数の軸線回りにそれぞれ回転可能に連結された複数のコマ１２を備えている。可動線条体１００は、連結された複数のコマ１２の内側に形成される細長い内部空間に挿入して配置される。

本実施形態においては、キャリア１１は、ボールネジ８およびガイドレール６と同じ収容空間Ｙ内に配置されている。キャリア１１は、図２に示されるように、一方のガイドレール６とボールネジ８との間の空間においてボールネジ８と平行に延びた一端１１ｂがサドル３の下面に固定されている。

また、キャリア１１は、ベッド２とサドル３との間隔方向、ここでは、鉛直方向に延びる軸回りにＵ字状に湾曲して折り返されている。そして、キャリア１１は、Ｕ字状の湾曲部１１ａにおいて、ボールネジ８の他端側の支持ブラケット９を回り込み、他方のガイドレール６とボールネジ８との間にボールネジ８と平行に延びた他端がベッド２に固定されている。

すなわち、キャリア１１のＵ字状に湾曲した湾曲部１１ａは、ボールネジ８の軸線Ｘの延長線を横切る位置に配置されている。また、サドル３をコラム５に近接する位置まで移動させるために、ボールネジ８の他端がコラム５に近接する位置まで延びているので、この他端側の支持ブラケット９を回り込むキャリア１１の湾曲部１１ａは、コラム５の下方に形成された空間内に配置されている。

キャリア１１の他端１１ｃは、図２に示されるように、ガイド部材１３を介在させてベッド２に固定されている。ガイド部材１３は、キャリア１１の他端１１ｃの最端部に位置されるコマ１２が固定される支持平面１４を備える平板状の部材である。支持平面１４は、最端部のコマ１２に接続する他のコマ１２の下面を摺動可能に支持する。また、ガイド部材１３には、ベッド２に設けられた第１座面（座面）１５および第２座面（座面）１６にガイド部材１３を取り付けるための共通の取付面１３ａが備えられている。

ベッド２の第１座面１５および第２座面１６には、例えば、ネジ孔（図示略）が開口しており、取付面１３ａには、取付面１３ａを第１座面１５または第２座面１６に配置したときにネジ孔に一致する位置に貫通孔（図示略）が設けられている。貫通孔に貫通させたボルトをネジ孔に締結することにより、ガイド部材１３を第１座面１５または第２座面１６に択一的に、着脱可能に固定することができる。

第１座面１５は、図４に示されるように、ボールネジ８の軸線Ｘの延長線を横切る位置に湾曲部１１ａが配置される位置においてキャリア１１をベッド２に固定することができる。
第２座面１６は、サドル３の移動方向に第１座面１５よりもモータ７側に近づいた配置されているとともに、第１座面１５よりも高い位置に配置されている。第１座面１５に固定されていたガイド部材１３を取り外して第２座面１６に固定すると、図５および図６に示されるように、キャリア１１の他端１１ｃがモータ７側に移動させられるとともに上方に引き上げられる。

これにより、キャリア１１は、図５および図７に示されるように、サドル３に固定されている一端１１ｂ側よりもベッド２に固定された他端１１ｃ側の方が高い位置に配置され、間を接続している湾曲部１１ａは、一端１１ｂ側から他端１１ｃ側に向かって斜めに持ち上げられる。すなわち、第１座面１５からガイド部材１３を取り外して第２座面１６に固定することにより、コラム５の下方の空間に配置されていたキャリア１１の湾曲部１１ａを、コラム５の下から引き出して、ボールネジ８の上に乗り上げた位置に配置することができる。

このように構成された本実施形態に係る工作機械１の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る工作機械１によれば、モータ７の作動によりボールネジ８を回転させると、ボールネジ８に噛み合っているナット１０がボールネジ８の軸線Ｘに沿って移動し、ナット１０が固定されているサドル３をボールネジ８の軸線Ｘ方向に移動させることができる。

サドル３にはキャリア１１の一端１１ｂが固定されているので、サドル３の移動に対応してキャリア１１の一端１１ｂが移動させられる結果、キャリア１１は湾曲部１１ａの位置を変化させて、内部に挿入されている可動線条体１００を保護しつつ、定められた配線経路に配置する。
工作機械１の稼働時には、キャリア１１の他端１１ｃを固定しているガイド部材１３をベッド２の第１座面１５に固定しておく。

これにより、ボールネジ８の軸線Ｘの延長線を横切る位置にキャリア１１の湾曲部１１ａを配置することができ、ボールネジ８およびキャリア１１が配置されている収容空間Ｙの高さ寸法を抑えることができる。
すなわち、ボールネジ８をサドル３に近接させて配置することができ、ボールネジ８からサドル３に入力される駆動力の力点をサドル３に近づけて、サドル３の剛性を向上し、加減速時におけるサドル３の振動を抑制することができるという利点がある。

また、本実施形態においては、ボールネジ８とキャリア１１とを同じ高さ位置に配置するために、ボールネジ８が配置されていないコラム５下方の空間にキャリア１１の湾曲部１１ａを配置した。したがって、図２に示されるように、ガイド部材１３を第１座面１５に固定したままの状態では、キャリア１１内の可動線条体１００の保守が困難である。

そこで、本実施形態においては、可動線条体１００の保守時等に、サドル３をコラム５から最も離れた位置まで移動した後に、ガイド部材１３を第１座面１５から取り外して図６に示されるように、第２座面１６に固定する。第１座面１５よりもモータ７側かつ上方に配置されている第２座面１６にガイド部材１３を固定するためには、ガイド部材１３に固定されているキャリア１１の他端１１ｃをモータ７側に移動させつつ上昇させる。

これにより、コラム５下の空間に収容されていたキャリア１１の湾曲部１１ａをコラム５下の空間から外部に引き出して、ボールネジ８の上に乗り上げさせることができる。すなわち、キャリア１１全体をコラム５の外側に露出させることができ、可動線条体１００の交換等の保守作業のために、キャリア１１内の可動線条体１００に容易にアクセスすることができるという利点がある。

なお、本実施形態においては、ベッド２に、サドル３の移動方向の位置および高さの異なる第１座面１５と第２座面１６とを設け、ガイド部材１３の共通の取付面１３ａを取り付ける位置を第１座面１５から第２座面１６に切り替えることとした。これに代えて、図８および図９に示されるように、ガイド部材１３にサドル３の移動方向の位置および高さの異なる２か所の取付面１３ｂ，１３ｃを設け、ベッド２に設けられた１箇所の座面２０に、択一的に取り付けることにしてもよい、

また、本実施形態に係る工作機械１においては、水平方向にサドル３を移動させる場合を例示したが、これに限定されるものではなく、鉛直方向等、他の方向にサドル３を移動させる場合に適用してもよい。

１ 工作機械
２ ベッド（ベース）
３ サドル（スライダ）
８ ボールネジ
１１ キャリア
１１ａ 湾曲部
１１ｂ 一端
１１ｃ 他端
１３ ガイド部材
１３ａ，１３ｂ，１３ｃ 取付面
１４ 支持平面
１５ 第１座面（座面）
１６ 第２座面（座面）
２０ 座面
Ｘ 軸線

Claims (4)

1. ベースと、
   該ベースに対して一方向に直線移動可能に支持されたスライダと、
   該スライダを前記ベースに対して直線移動させるボールネジと、
   前記ベースと前記スライダとの間に可動線条体を配線するチェーン状のキャリアとを備え、
   該キャリアが、前記ベースと前記スライダとの間に、前記ベースと前記スライダとの間隔方向に延びる軸回りにＵ字状に湾曲して配置され、
   前記キャリアの一端が前記スライダに、他端が前記ベースに固定され、
   前記キャリアのＵ字状に湾曲した湾曲部が、前記ボールネジの軸線の延長線を横切る位置に配置されている工作機械。
2. 前記スライダが水平方向に移動可能に支持され、
   前記キャリアの前記他端が固定されたガイド部材を備え、
   該ガイド部材が、前記スライダの移動に対応して動く前記キャリアの下面を支持する水平な支持平面を備えるとともに、前記湾曲部を前記ボールネジの前記軸線の前記延長線を横切る位置に配置させる第１位置または、前記湾曲部を前記ボールネジの上方を横切る位置に配置させる第２位置のいずれかにおいて、前記ベースに着脱可能に取り付け可能である請求項１に記載の工作機械。
3. 前記ベースが、前記ガイド部材を着脱可能に固定する座面を備え、
   前記ガイド部材が、前記座面に択一的に固定されることにより、該ガイド部材を前記第１位置または前記第２位置に配置可能な２か所の取付面を備える請求項２に記載の工作機械。
4. 前記ベースが、前記ガイド部材を着脱可能に固定する２箇所の座面を備え、
   前記ガイド部材が、前記座面のいずれかに固定されることにより、該ガイド部材を前記第１位置または前記第２位置に配置可能な取付面を備える請求項２に記載の工作機械。
   

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