JP7032403B2 - イオンビーム装置のためのガス圧入システム及びガス圧入システムのための引出しプレートを製造する方法 - Google Patents

イオンビーム装置のためのガス圧入システム及びガス圧入システムのための引出しプレートを製造する方法 Download PDF

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Description

関連出願
本願は2016年12月19日に出願された発明の名称「GAS INJECTION SYSTEM FOR ION BEAM DEVICE(イオンビーム装置のためのガス圧入システム)」の米国仮特許出願第62/436,047号の優先権を主張するものであり、その開示内容はその全体において参照することにより本明細書に組み込まれる。
本発明の実施形態はイオンビーム装置の分野に関し、より詳しくは、残留物除去ガスをイオンビーム装置のプロセスチャンバの中へ注入するための装置及び方法に関する。
半導体ウェーハ又は他の基板に所望の表面特徴を創生するために、基板の中に所望の特徴を「エッチングする」ため、所定のエネルギーのイオンビームを、基板の表面に投射することができる。このエッチングプロセス中、基板は、イオン源により基板へ投射されるイオンビームに横方向に機械的に駆動し、又は、「スキャンする」ことができる。例えば、イオンビームが、水平面に沿って垂直に方向づけられた基板の方へ、投射される場合、基板は、投射されるイオンビームに垂直な垂直方向に及び/又は横方向に、スキャンすることができる。したがって、基板の全表面をイオンビームにさらすことができる。
イオンビームで基板をエッチングすることにより、基板のエッチングされた表面から除去され、基板の別の部分へ再堆積された、スパッタされた原子の形で残留物を創生する。この残留物は、除去されない場合、完成基板の品質に有害となり得る。残留物を除去するために、基板のエッチングの前に、中に、及び/又は、後に、基板を、メタノール、エタノール又はイソプロパノールなどの様々な「残留物除去ガス」にさらすことができる。そのような残留物除去ガスは、エッチングされた基板の表面からスパッタされた原子と反応することができ、揮発性の分子を生成する。これらの揮発性の分子は、次いで、真空ポンプまたは同種のものを用いて排出することができる。
従来は、残留物除去ガスは、処理される基板に隣接して配置されたいわゆる「シャワーヘッド」構造により、イオンビーム装置のプロセスチャンバの中へ導入される。基板及びイオンビーム装置のコンポーネントに間隙を設けるために、シャワーヘッドは、通常、基板からいくらかの距離を離して位置づける。したがって、シャワーヘッドの存在は、プロセスチャンバが、シャワーヘッドがなければ必要であるよりも、より顕著に大きいことを必要とする。さらに、シャワーヘッドは基板から大幅な距離を離して位置づけられるため、シャワーヘッドにより放出される残留物除去ガスは、基板に流れ込んで接触する前に、プロセスチャンバの多くの至る所で拡散する。残留物除去ガスの多くは、基板の表面に到達する前にプロセスチャンバから除去され、残留物除去ガスの非効率的かつ非効果的な配送という結果になる。
これらの及び他の考慮すべき事柄に対して、本改良は有用であり得る。
課題解決するための手段
本概要は、簡略化した形式でコンセプトの選択を導入するために、提供される。本概要は、特許請求の範囲の主題の肝要な特徴又は本質的特徴を同定することを意図するものではなく、特許請求の範囲の主題の範囲を決定する助けを意図するものでもない。
本発明による、イオンビーム装置のためのガス圧入システムの例示的実施態様は、引出しプレートを通ってのイオンビームの通過を可能にするための引出しアパーチャを有する引出しプレートを含んでもよく、該引き出しプレートは、さらに、該引き出しプレートからのガスの排出を容易にするためのガススロットを有する。
本発明による、イオンビーム装置のためのガス圧入システムの別の例示的実施態様は、引出しプレートを通ってのイオンビームの通過を可能にするための引出しアパーチャを有する引出しプレートを含んでもよく、該引き出しプレートは、さらに、該引き出しプレートからの残留物除去ガスの排出を容易にするためのガススロットを有する。この実施態様は、前記ガススロットと前記引き出しプレートに取り付けたガス多岐管との間の前記引き出しプレートを通って伸びる、ガス管を、さらに、含んでもよい。ガス源は、前記ガス多岐管に流体連結して接続してもよく、該ガス源は前記残留物除去ガスを含む。前記ガス多岐管は、第1の位置と第2の位置との間の選択的に調整できるバルブを含んでもよく、前記第1の位置において、前記ガスは前記引き出しプレートの中へ流れることができ、前記第2の位置において、前記ガスは前記引き出しプレートから周囲の外気へ排気することができ、前記ガス多岐管に連結された多岐管カバーを含んでもよい。該多岐管カバーは、前記バルブに連結され、前記バルブを前記第1の位置と前記第2の位置との間を動かすように適合された電子的に制御可能な駆動機構を含んでもよい。
本発明の実施態様による、ガス圧入システムのための引出しプレートを製造する方法の例示的実施態様は、細長い引出しアパーチャをプレートに形成するステップを含んでもよい。前記方法は、さらに、前記プレートの第1の側の前記引出しアパーチャの第1の側にガススロットを形成するステップと、前記ガススロットをガス源に流体連結して中に入れるための管のネットワークを前記プレートに形成するステップであって、該管のネットワークは前記第1のガススロットと交差するスロット管を含むステップと、を含んでもよい。
例として、添付の図面を参照して、本発明の装置の様々な実施形態を説明する。
本発明によるイオンビーム装置の例示的実施形態を例示する側断面図である。 本発明によるガス圧入システムの例示的実施形態を例示する斜視図である。 図3Aは、本発明による例示的引き出しプレートを例示する切断図である。図3Bは、図3Aに示す引き出しプレートの一部を例示する詳細図である。 本発明による引き出しプレートの代替実施形態の一部を例示する断面詳細図である。 図2に示すガス圧入システムのガス多岐管の後面斜視図である。 図2に示すガス圧入システムの多岐管カバーを省略したガス多岐管の側面斜視図である。 本発明によるガス圧入システムの例示的代替の実施形態を例示する正面図である。 本発明によるガス圧入システムの引き出しプレートを製造するための例示的実施形態を例示するフロー図である。
本実施形態は、いくつかの実施形態を示す添付図面を参照して、以後、もっと十分に説明する。本発明の主題は、多くの異なる形式で具現化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。これらの実施形態は、本発明が徹底的に完全であり、本主題の範囲を当業者に十分に伝えるように、提供される。図面において、初めから終わりまで、同様の番号は同様の要素を指す。
本実施形態は、基板を処理するための新規なシステム及び方法を提供し、特に、基板を製造するための新規なガス圧入システム及び方法を提供し、そのシステムは、エッチングされた材料の残留物を基板の表面から除去するのに適合している。特定の実施形態において、基板の表面に近接して、基板のエッチングの前に、中に、及び/又は、後に、1つ以上の残留物除去ガスを放出するための、統合ガススロットを有する引出しプレートが開示される。
図1は、本発明の例示的実施形態によるイオンビーム装置100(以後、「装置100」)を示す。装置100はプラズマチャンバ102を含むことができる。プラズマチャンバ102は、例示するように、プラズマ104を収容することができる。装置100は、さらに、プロセスチャンバ106を含むことができる。装置100は、作動ガス(以下に説明する)をプラズマチャンバ102へ供給するために、少なくとも1つのガス源108を含むことができる。装置100は、さらに、プラズマ104を点火し持続するための電力を生成するために、プラズマ電源114として示す電源を含むことができる。プラズマ電源114は、RF電源、誘導結合プラズマ(ICP)源、容量結合プラズマ(CCP)源、ヘリコン源、電子サイクロトロン共鳴(ECR)源、傍熱型陰極(IHC)源、グロー放電源、又は、当業者に既知の他のプラズマ源にすることができる。以下で更に説明するように、装置100は、さらに、残留物除去ガスをプロセスチャンバ106に導入するために、ガス圧入システム115を含むことができる。装置100は、さらに、プラズマチャンバ102に連結するバイアス電源116を含むことができる。
バイアス電源116は、プラズマチャンバ102とプロセスチャンバ106に配置された基板ステージ124との間の電圧差を生成するように、構成することができる。図1の実施形態において、バイアス電源116は、プラズマチャンバ102に、接地電位に対して、正にバイアスをかけることができ、一方、プロセスチャンバ106及び基板ステージ124は接地電位に維持される。プラズマ104がプラズマチャンバ102に存在し、バイアス電源116がプラズマチャンバ102に、接地電位に対して、正にバイアスをかけるとき、正のイオンを含むイオンビーム120をプラズマ104から引出すことができる。装置100の他の実施形態において、プラズマチャンバ102を接地電位に維持することができ、基板122及び基板ステージ124に、接地電位に対して、正にバイアスをかけることができる。
イオンビーム120は、引出しプレート118を通って引出すことができ、プロセスチャンバ10の中へ、基板ステージ124の上に保持された基板122へ向けることができる。様々な実施形態において、基板ステージ124は、引出しプレート118に対して、可動にすることができる。例えば、基板ステージ124は、矢印125により示すように、デカルト座標系のZ軸に平行な方向に可動にすることができる。このように、基板122の表面と引出しプレート118との間の距離を変えることができる。様々な実施形態において、基板ステージ124は、引出しプレート118に対して、基板122の平面162に平行な方向に基板122をスキャンするように構成することができる。例えば、図1に示すように、基板ステージ124は、矢印126により示すように、Y軸に平行に、垂直方向に、可動にすることができる。さらに、図1に示すように、基板ステージ124は基板122を加熱するためのヒーター128を含むことができる。
本発明の様々な実施形態により、装置100のガス源108は、プラズマ104を生成するのに用いるために、1つ以上の供給ガスをプラズマチャンバ102へ供給することができる。そのような供給ガスは、ネオンガス、キセノンガス、クリプトンガス及びアルゴンガスを含むことができる。1つ以上の前記の希ガスから形成されたプラズマから引出されたイオンビームは、シリコンを含む様々な基板材料をエッチングするために、有効であることが分った。
図2を参照するに、装置100の例示的ガス圧入システム115を例示する斜視図が示される。ガス圧入システム115は、イオンビーム120(図1)の通過を可能にするため、それを通して形成された引出しアパーチャ140を有する引出しプレート118を含むことができる。引出しアパーチャ140は、X軸に沿う幅及びY軸に沿う高さを有することができ、幅は高さより大きい。いくつかの例において、幅は150mmから450mm以上の範囲の値を有することができ、一方、高さは3mmから30mmの範囲の値を有することができる。本発明の実施形態は本文脈に限定されない。したがって、イオンビーム120(図1)は、ビームの高さより大きいビームの幅を有するリボンビームとして、引出しアパーチャ140を通って引出すことができる。
引出しプレート118には、1つ以上の残留物除去ガスをプロセスチャンバ106の中へ放出するため、引出しアパーチャ140の上に及び下に、それぞれ配置された第1の及び第2の細長い水平方向のガススロット177a、177bを設けることができる。ガススロット177a、177bは、管のネットワークに流体連結することができ、管のネットワークは、引出しプレート118(以下に詳細に説明する)の内部を通って伸び、第1及び第2のガススロット177a、177bを引出しプレート118の後部に取り付けたガス多岐管182に接続する。ガス多岐管182は、加圧ガス源188(図1)からガス多岐管182へ残留物除去ガスを供給するために、ガス供給ライン186に接続することができる。ガス源188は、基板122(図1)のエッチングされた表面192からスパッタ―された原子と反応し、装置100のプロセスチャンバ106から後続の除去のための揮発性の分子を形成するための機能のために選択される、1つ以上の残留物除去ガスを含むことができる。そのような残留物除去ガスは、限定されないが、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、亜酸化窒素、エチレングリコール、塩素、フッ素、三フッ化窒素、及び、シアン化水素を含むことができる。
図3A及び3Bを見るに、引き出しプレート118を通って伸びる様々な内部ガス管を例示する斜視切断図及び詳細切断図が示される。これらは、ガススロット177a、177b(例えば、ガススロット177a、177bは、スロット管194a、194bの引き出しプレート118の前面との交差により形成することができる。)に隣接して下に、及び、上に配置されて、引き出しプレート118の面に平行に伸びる、水平方向のスロット管194a、194bを含むことができる。引き出しプレート118は、さらに、スロット管194a、194bの上に、及び、下にそれぞれ配置されて、引き出しプレート118の面に平行に伸びる、水平方向の多岐管196a、196bを含むことができる。スロット管194a、194bは、引き出しプレート118の上端及び底端からそれぞれ伸びる、それぞれの一連の垂直方向の水平に離隔した相互接続管198a、198bにより、多岐管196a、196bに接続することができる。
以下に、より詳細に説明するように、残留物除去ガスは、図3Bに示す破線の矢印204により示すように、多岐管196a、196bから相互接続管198a、198bを通ってスロット管194a、194bへ流れることができ、引き出しプレート118からガススロット177a、177bを通って放出することができる。特に、スロット管194a、194bのそれぞれ上の及び下の多岐管196a、196bの配置により、残留物除去ガスは、ガススロット177a、177bからそれぞれ斜め上向きの及び斜め下向きの経路に沿って、引き出しアパーチャ140から離れて垂直に、放出することができる。したがって、残留物除去ガスが基板122(図1)の表面192を突き当てるとき、残留物除去ガスは、引き出しアパーチャ140から離れて垂直に、表面192から吹き飛ばされ得る。したがって、残留物が引き出しアパーチャ140の方へ及び通ってプラズマチャンバ102の中へ流れ、残留物が望ましくない方法でプラズマ104と反応し得るのを防ぐ。
多岐管196a、196bとスロット管194a、194bとのそれぞれの間で伸びる相互接続管198a、198bの部分は、望ましい方法でガスの供給を制御する(例えば、ガス圧)ために、切ることができる(例えば、特定の直径で形成することができる)。いくつかの実施形態において、異なる直径の口を有するノズル又はジェット装置を実装することにより、ガス供給の選択の変化を容易にするために、多岐管196a、196bとスロット管194a、194bとの間で伸びる相互接続管198a、198bの部分内に、交換可能なノズル又はジェット装置を配置することができる。
引き出しプレート118のいくつかの実施形態において、スロット管194a、194b、多岐管196a、196b、及び、相互接続管198a、198bは、引き出しプレート118の水平端及び垂直端から引き出しプレート118にドリルで十字形に穴を開けることにより、形成することができる。管のいくつかは、ガスが引き出しプレート118から漏れ出るのを防ぐために、塞ぐことができる。例えば、図3Bに最も良く示されるように、図3Aに示す全ての相互接続管198aを代表する相互接続管198aは、引き出しプレート118の上端から相互接続管198aの中へ伸びる取り外し可能な栓200で塞ぐことができる。相互接続管198bには、同様の栓を設けることができる。
引き出しプレート118の様々な代替の実施形態において、ガススロット177a、177b、スロット管194a、194b、多岐管196a、196b、及び、相互接続管198a、198bは、ドリルで十字形に穴を開けること以外の製造技術を用いて、形成することができる。例えば、図4に示す断面図を見るに、ガススロット177a、177b、スロット管194a、194b、多岐管196a、196b、及び、相互接続管198a、198bは、引き出しプレート118の前面及び後面の中へ管の経路を決定することにより、形成することができる。経路を決定した管は、引き出しプレート118の後部に接合された(例えば、溶接された)密閉プレート202で密閉することができる。管を通るガスの流れは破線206により示される。図4に例示する引き出しプレート118の代替の実施形態の下部のガススロット177b、スロット管194b、多岐管196b、及び、相互接続管198bは、ガススロット177a、スロット管194a、多岐管196a、及び、相互接続管198aと同様である。
図5及び6を参照するに、残留物除去ガスは、引き出しプレート118の後部に取り付けられたガス多岐管182を通って多岐管196a、196b(図3A)へ供給することができる。特に、残留物除去ガスは、ガス供給ライン186を通ってガス多岐管182に入ることができ、ガス多岐管182内の管を通って引き出しプレート118の多岐管196a、196b(図3A)へ通すことができる。多岐管カバー208は、ガス多岐管182に取り付けることができ、さらに以下に説明するように、多岐管カバー208は、ガス多岐管182内のそれぞれのバルブ210a、210bに連結された1つ以上の電子的に制御可能な駆動機構209a、209b(例えば、サーボモータ)を収納することができる。多岐管カバー208の内部は、大気圧に維持することができ、多岐管カバー208は、電力及び制御ラインを駆動機構209a、209bへの経路の設定のための多岐管カバー208の裏側に連結された管211を含むことができる。
図6を参照するに、ガス多岐管182のバルブ210a、210bは、第1の位置と第2の位置との間の選択的調整機能(例えば、上記の駆動機構209a、209bの動作による)のために適合された3段階バルブにすることができる。第1の位置において、バルブ210a、210bは、残留物除去ガスを、矢印212a、212bにより示すように、ガス供給ライン186から引き出しプレート118へ流出させることができる。第2の位置において、バルブ210a、210bは、残留物除去ガスを、矢印214a、214bにより示すように、引き出しプレート118から真空へ流出させることができる。第2の位置は、残りの残留物除去ガスを引き出しプレート118から放出するために適切となり得る。
再び、図1を参照するに、装置100は、ガス源188に動作可能なように接続されて、残留物除去ガスを、所定の(例えば、前もってプログラムされた)方法で、引き出しプレート118へ配ることを制御するためのコントローラ198を含むことができる。例えば、コントローラ198は、基板122のスキャン中に、(支持アーム199により)基板ステージ124を駆動するための駆動機構197に動作可能なように接続することができる。コントローラ198は、残留物除去ガスを引き出しプレート118へ配ることを調整するために、したがって、望ましい方法で、残留物除去ガスを基板122へ配るように、ガススロット177a、177bから残留物除去ガスを放出することを、基板ステージ124の位置と動きと共に調整するために、プログラムすることができる。一例において、コントローラ198は、ガススロット177a、177bから放出される残留物除去ガスの圧力を変えるために、引き出しプレート118へ配られる残留物除去ガスの割合を制御することができる。
ガス圧入システム115の実施形態は、引き出しプレート118には、上記よりもより多い又はより少ない数のガススロットを設ける場合が熟考される。例えば、引き出しプレート118のガススロット177a、177bの内の1つを省略することができる。他の実施形態において、引き出しプレート118は引き出しアパーチャ140の上に及び/又は下に配置された複数のガススロットを含むことができる。他の実施形態において、引き出しプレート118は引き出しアパーチャ140に隣接して水平に配置された1つ以上のガススロットを含むことができる。上記のスロット管194a、194b、多岐管196a、196b及び相互接続管198a、198bの数、構成及び配置は同様に変えることができる。さらに、様々な代替の実施形態において、引き出しプレート118は、異なる残留物除去ガスを引き出しプレート118に供給するための1つ以上のガス源に連結することができる。例えば、図7に概略的に示されるガス圧入システム115の代替の実施形態を参照するに、多岐管196aは、第1の残留物除去ガスを含む第1のガス源188に接続された第1のガス供給ライン186に連結することができる。多岐管196bは、第1の残留物除去ガスとは異なる第2の残留物除去ガスを含む第2のガス源189に接続された第2のガス供給ライン187に連結することができる。
図1に示すように、基板ステージ124上に配置された基板122のエッチングのためなどの装置100の動作中に、基板ステージ124を上記の方法で引き出しプレート118に対して、スキャンすることができる。例えば、基板122を引き出しアパーチャ140を通って放射されたイオンビーム120にさらすために、基板ステージ124を、引き出しプレート118に対して垂直に、スキャンすることができる。このように基板ステージ124をスキャンするとき、ガス源188により供給される残留物除去ガスは、ガス供給ライン186及びガス多岐管182を通って、引き出しプレート118の多岐管196a、196b(図3A)へ、制御可能に供給することができる。残留物除去ガスは、次いで、相互接続管198a、198bを通って、スロット管194a、194bへ流れることができ、その後、残留物除去ガスは、ガススロット177a、177bから放射することができる。したがって、残留物除去ガスは、基板122の動く表面192に直接スプレーをかけることができ、その表面192は、残留物除去ガスが表面192に加えられるときに、ガススロット177a、177bにごく接近して(例えば、5~25ミリメートル)位置づけられている。
図8を参照するに、本発明によるガス圧入システムの引き出しプレートを製造するための例示的方法を例示するフロー図が示される。本方法は、図1~7に示す本発明の実施形態を参照して、詳細に説明される。
例示的方法のブロック300において、引き出しアパーチャ140は、イオンビーム120を通過させるために、引き出しプレート118において形成することができる。方法のブロック310において、ガススロット177a、177bは、それぞれ、引き出しアパーチャ140の上に、又は、下に、引き出しプレート118の第1の前面側に形成することができる。方法のブロック320において、管のネットワークは、残留物除去ガスをガススロット177a、177bへ配ることを容易にするために、引き出しプレート118において形成することができる。
アパーチャプレート118において管のネットワークを形成することは、例示的方法のブロック320aにおいて、引き出しプレート118を通って伸び、それぞれ、ガススロット177a、177bに隣接する、スロット管194a、194bを形成することを含むことができる。アパーチャプレート118において管のネットワークを形成することは、例示的方法のブロック320bにおいて、それぞれ、スロット管194a、194bに隣接して配置され、ガス多岐管182に連結するため引き出しプレート118の1つ以上のエッジへ伸びる、多岐管196a、196bを形成することを、さらに、含むことができる。アパーチャプレート118において管のネットワークを形成することは、例示的方法のブロック320cにおいて、多岐管196a、196bとスロット管194a、194bとの間に伸びて、それらの間に流体連結を提供するための、相互接続管198a、198bを形成することを、さらに、含むことができる。
上記のように、相互接続管198a、198b、多岐管196a、196b及びスロット管194a、194bを含む管のネットワークは、アパーチャプレート118の対応するエッジからアパーチャプレート118の第1の前面側に平行な方向に、アパーチャプレート118にドリルで十字形の穴を開けることにより形成することができる。管のネットワークがこのように形成される場合、一定のドリルで十字形に開けられた穴(例えば、相互接続管198a、198bを形成するドリルで十字形に開けられた穴)を、例示的方法のブロック330aにおいて、ガスがアパーチャプレート118から漏れ出るのを防ぐために、続いて、塞ぐことができる。別の熟考した実施形態において、相互接続管198a、198b、多岐管196a、196b及びスロット管194a、194bは、図4に示すように、アパーチャプレート118の第1の前面側を、及び、アパーチャプレート118の第2の反対の後面側を横断する経路を設定することにより、形成することができる。管のネットワークがこのように形成される場合、密閉するプレート202は、例示的方法のブロック330bにおいて、図4に示すように、管のネットワークを密閉するために、アパーチャプレート118の後面側に連結することができる。
図1を再び参照するに、ガススロット177a、177bと基板122の表面192との間の比較的短い距離により、ガス圧入システム115は、従来のシャワーヘッドガス配送システムに対して、より低い流速及びより高い圧力で、残留物除去ガスを表面192へ当てることができる。有利なことに、ガス圧入システム115のガススロット177a、177bから放射される残留物除去ガスは、表面192により受けるときは、比較的、集中しており、拡散していない。本発明の構成は、したがnって、より高い表面のカバレージ及びより高いガスと表面の衝突率を提供し、したがって、従来のシャワーヘッドガス配送システムに対して、残留物除去ガスのもっと効果的かつもっと効率的な適用を提供する。したがって、基板を処理するために必要な残留物除去ガスの全量は、低減することができ、一方、残留物除去ガスの有効性は、従来のシャワーヘッドガス配送システムに対して、増強される。
追加の優位性として、プロセスチャンバ106において、別個のシャワーヘッド構造の必要性がないため、プロセスチャンバ106は、より小さく作ることができ、装置100は、したがって、従来のシャワーヘッドガス配送システムを採用するイオンビーム装置より、より小さい形状因子を有することができる。別の優位性として、残留物除去ガスは、集中した蒸気で、ガススロット177a、177bから、直接、基板122の表面192へ放射され、残留物除去ガスは、基板122のエッチングの前に、中に、及び/又は、後に、正確な目標とした方法で、表面192に当てることができる。一例において、引き出しアパーチャ140の下に位置づけられた基板122から始めて、基板122を、エッチングプロセス中、垂直に上方に、基板ステージ124がスキャンする場合、表面192がイオンビーム120にさらされる前に、ガススロット177aから放射される残留物除去ガスを、基板122の表面192へ当てることができる。第2のガス分配器172aのガススロット177bから放射される残留物除去ガスは、表面192がイオンビーム120にさらされた後に、基板122の表面192へ当てることができる。ガススロット177a、177bから放射される残留物除去ガスが異なる残留物除去ガスである場合、この動作は、特に、有利にすることができる。
本発明は、本明細書に記載された特定の実施形態によって範囲を限定されるものではない。実際に、本明細書に記載された実施形態に加えて、本発明の他の様々な実施形態および変更は、前述の記載および添付図面から当業者には明らかであろう。したがって、このような他の実施形態および変更は、本発明の範囲内に含まれるものと意図している。さらに、本発明は、特定の環境における特定の目的のための特定の実装の文脈にて本明細書中で説明したが、当業者は、その有用性はそれらに限定されるものではないことを認識するであろう。本発明の実施形態はいくつかの環境におけるいくつかの目的のために有益に実装し得る。従って、以下に記載する請求項は本明細書に記載された本発明の全範囲及び精神に鑑みて解釈されるべきである。

Claims (15)

  1. イオンビーム装置のためのガス圧入システムであって、
    該ガス圧入システムは、引出しプレートを通ってのイオンビームの通過を可能にするための引出しアパーチャを有する引出しプレートを備え、
    該引き出しプレートは、さらに、該引き出しプレートからの残留物除去ガスの排出を容易にするための前記引き出しプレートに形成されたガススロットを有する、ガス圧入システム。
  2. 前記ガススロットと前記引き出しプレートに取り付けたガス多岐管との間の前記引き出しプレートを通って伸びる、ガス管を、さらに、備える、請求項1記載のガス圧入システム。
  3. 前記ガス多岐管に流体連結して接続された第1のガス源を、さらに、備え、該第1のガス源は、第1の残留物除去ガスを含む、請求項2記載のガス圧入システム。
  4. 前記ガス多岐管に流体連結して接続された第2のガス源を、さらに、備え、該第2のガス源は、前記第1の残留物除去ガスと異なる第2の残留物除去ガスを含む、請求項3記載のガス圧入システム。
  5. 前記ガス管は、前記引き出しプレートを通って、前記引き出しプレートのエッジから伸びる穴により画定される、請求項2記載のガス圧入システム。
  6. 前記ガス管は、前記引き出しプレートの前面及び後面のうちの少なくとも1つに形成される経路により画定される、請求項2記載のガス圧入システム。
  7. 前記ガス多岐管は、第1の位置と第2の位置との間の選択的に調整できるバルブを含み、前記第1の位置において、前記残留物除去ガスは前記引き出しプレートの中へ流れることができ、前記第2の位置において、前記残留物除去ガスは前記引き出しプレートから周囲の外気へ排気することができる、請求項2記載のガス圧入システム。
  8. 前記ガス多岐管に連結された多岐管カバーを、さらに、備え、該多岐管カバーは、前記バルブに連結され、前記バルブを前記第1の位置と前記第2の位置との間を動かすように適合された電子的に制御可能な駆動機構を含む、請求項7記載のガス圧入システム。
  9. 前記ガススロットは、前記引き出しアパーチャの第1の側に配置された第1のガススロットであり、前記ガス圧入システムは、さらに、前記引き出しアパーチャの前記第1の側とは反対の第2の側に配置された第2のガススロットを備える、請求項1記載のガス圧入システム。
  10. ガス圧入システムのための引出しプレートを製造する方法であって、該方法は、
    細長い引出しアパーチャをプレートに形成するステップと、
    前記プレートの第1の側の前記引出しアパーチャの第1の側にガススロットを形成するステップと、
    前記ガススロットを残留物除去ガス源に流体連結して中に入れるための管のネットワークを前記プレートに形成するステップであって、該管のネットワークは前記ガススロットと交差するスロット管を含むステップと、を有する、方法。
  11. 前記管のネットワークは、
    前記プレートのエッジから伸びる多岐管と、
    前記多岐管と前記スロット管との間を伸びる相互接続管とを、さらに、備える、請求項10記載の方法。
  12. 前記管のネットワークを形成するステップは、前記プレートの前記第1の側に平行な方向に、前記プレートにドリルで十字形の穴を開けるステップを有する、請求項10記載の方法。
  13. 前記管のネットワークを形成するステップは、前記プレートの前記第1の側、及び、前記第1の側の反対の前記プレートの第2の側のうちの少なくとも1つに経路を設定するステップを有する、請求項10記載の方法。
  14. 前記ガススロットは第1のガススロットであり、前記方法は、前記プレートの第1の側の、前記引出しアパーチャの前記第1の側とは反対の前記引出しアパーチャの第2の側に第2のガススロットを形成するステップを、さらに、有する、請求項10記載の方法。
  15. 前記残留物除去ガス源は第1の残留物除去ガス源であり、前記管のネットワークは第1の管のネットワークであり、前記方法は、前記第2のガススロットを前記第1の残留物除去ガス源と異なる第2の残留物除去ガス源に流体連結して中に入れるための第2の管のネットワークを前記プレートに形成するステップを、さらに、有する、請求項14記載の方法。
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