JP7031579B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本技術は、磁気記録媒に関する。詳しくは、強化層を備える磁気記録媒に関する。
近年、インターネットの普及やビッグデータ解析により情報量が爆発的に増大しており、それら情報をデータとしてバックアップおよびアーカイブしておくための記録媒体には、さらなる高容量化が望まれている。数あるストレージシステムの中でも、磁気テープは低ビットコストとグリーンストレージとして、最近見直されつつある。磁気テープの高密度化は、近年148ギガビット毎平方インチの世界記録が樹立されとどまるところを知らない。
リールに巻かれた状態でカートリッジに収納される磁気テープにおいては、高容量化のために磁気抵抗型ヘッドを多数配した固定ヘッドを用い、テープの長手方向に記録再生が行われるリニア記録方式のLTO(Linear-Tape-Open)などのシステムが実用化されている。さらなる高容量化に向けて、塗布型磁性記録層の磁性粉開発やスパッタ磁性層などの記録層の開発が活発に行われている。これによって、記録ビット長を狭くしてテープの長手方向の記録密度(一般には線記録密度)を向上させることが可能となる。
一方、磁気テープは磁気ディスクと比較して、フレキシブルなフィルム状の基体を用いるため、記録トラック幅が非常に広い。磁気テープの高密度化は前述の記録層の開発とともに、テープ幅方向のトラック密度の向上ができれば、飛躍的に記録密度が向上する。この場合、線記録密度がかわらないため、磁性記録層とヘッドとのわずかなスペーシングにより出力が小さくなることが緩和されるなど、高トラック密度化の技術開発はテープドライブの開発にメリットが大きいと思われる。
現在の磁気テープにおいて、テープ幅方向のトラック密度を上げると、テープ走行時の幅方向の変動や温度湿度などの環境要因によるテープ自体の寸法変化により、本来磁気ヘッドが読み取るべきトラック位置にトラックが存在しない、もしくはずれたトラック位置を読み取るなどのいわゆるオフトラックが発生してしまう。高密度化のためにテープの厚みが薄くなるに伴い、テンション要因によるテープ幅の変化がさらに大きくなるので、オフトラックの影響が顕著になりテープ走行性が不安定になっていく可能性もある。
これに対して、片面または両面に金属、合金、またはその酸化物からなる強化層を基体に設けて、基体を補強する技術が提案されている(例えば、特許文献1~6参照。)。
特開昭61-13433号公報 特開平11-339250号公報 特開2000-11364号公報
特開2002-304720号公報 特開2002-304721号公報 特開2003-132525号公報
強化層を基体の片面に設けた場合には、テープの形状が幅方向に湾曲するいわゆるカッピングが発生するため、ヘッド-テープ間に空隙が生じ、著しい電磁変換特性の劣化を招くことがある。このような特性劣化を抑制するために、基体の両面に強化層を設けることが検討されている。しかしながら、基体の両面に強化層を設けると、磁気テープの製造工程において、強化層を設けた基体をロール状に巻き取った際に、両面の強化層同士が密着し、金属凝着が発生する虞がある。このような凝着は、両面の強化層が同一金属で構成されている場合のみならず、異種の金属で構成されている場合にも発生する虞がある。
また、フレキシブルデバイスなどにおいても、基体の両面に強化層を設けた場合には、基体をロール状に巻き取った際に、両面の強化層同士が密着し、金属凝着が発生する虞がある。
したがって、本技術の目的は、巻き取り際に、基体の両面に設けられた強化層同士が金属凝着することを抑制できる気記録媒を提供することにある。
上述の課題を解決するために、第1の技術は、第1面および第2面を有する長尺状の基体と、第1面上に設けられた第1強化層と、第2面上に設けられた第2強化層と、第2強化層上に設けられた凝着抑制層と、第1強化層に設けられた記録層と、第1強化層と記録層との間に設けられた下地層と、凝着抑制層上に設けられたバック層とを備える磁気記録媒体である。
第2の技術は、第1面および第2面を有する長尺状の基体と、第1面上に設けられた第1強化層と、第2面上に設けられた第2強化層と、第2強化層上に設けられた凝着抑制層と、凝着抑制層上に設けられた記録層と、凝着抑制層と記録層との間に設けられた下地層と、第1強化層上に設けられたバック層とを備える磁気記録媒体である。
以上説明したように、本技術によれば、巻き取り際に、基体の両面に設けられた強化層同士が金属凝着することを抑制できる積層体を実現できる。
図1は、本技術の第1の実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、本技術の第1の実施形態の変形例に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。 図3Aは、本技術の第2の実施形態に係るディスプレイの構成の一例を示す概略断面図である。図3Bは、図3Aの一部を拡大して表す断面図である。 図4A、図4Bはそれぞれ、積層体の変形例を示す断面図である。 図5は、本技術の第1の実施形態の変形例に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。 図6は、本技術の第3の実施形態に係る磁気記録媒体の構成の一例を示す概略断面図である。
本技術の実施形態について以下の順序で説明する。
1 第1の実施形態(磁気記録媒体の例)
1.1 磁気記録媒体の構成
1.2 磁気記録媒体の製造方法
1.3 効果
1.4 変形例
2 第2の実施形態(ディスプレイの例)
2.1 ディスプレイの構成
2.2 効果
2.3 変形例
3 第3の実施形態(磁気記録媒体の例)
3.1 磁気記録媒体の構成
3.2 効果
3.3 変形例
<1 第1の実施形態>
[1.1 磁気記録媒体の構成]
本技術の第1の実施形態に係る磁気記録媒体は、いわゆる塗布型の垂直磁気記録媒体であり、図1に示すように、長尺状の基体11と、基体11の一方の面上に設けられた第1強化層12と、第1強化層12上に設けられた下地層13と、下地層13上に設けられた記録層14と、基体11の他方の面上に設けられた第2強化層15と、第2強化層15上に設けられた凝着抑制層16と、凝着抑制層16上に設けられたバック層17とを備える。また、磁気記録媒体が、必要に応じて、記録層14上に設けられた保護層および潤滑剤層などをさらに備えるようにしてもよい。基体11、第1強化層12、第2強化層15および凝着抑制層16により積層体10が構成される。
磁気記録媒体は、長尺状を有する。磁気記録媒体の長手方向のヤング率が、好ましくは7GPa以上14GPa以下である。ヤング率が7GPa以上であると、良好な磁気ヘッド当たりを得ることができ、かつ、エッジダメージを抑制することができる。一方、ヤング率が14GPa以下であると、良好な磁気ヘッド当たりを得ることができる。
磁気記録媒体の湿度膨張係数が、好ましくは0ppm/%RH以上、4.8ppm/%RH以下である。湿度膨張係数が上記範囲であると、磁気記録媒体の寸法安定性をさらに向上できる。
(基体)
基体11は、いわゆる非磁性支持体であり、具体的には、可撓性を有する長尺状のフィルムである。基体11の厚みは、例えば、10μm以下である。基体11は、例えば、ポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類、およびポリカーボネートのうちの少なくとも1種を含んでいる。なお、基体11は、単層構造を有していてもよいし、積層構造を有していてもよい。
(下地層)
下地層13は、非磁性粉および結着剤を含む非磁性層である。下地層13が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、研磨剤、硬化剤および防錆剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
非磁性粉は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラックなども使用できる。無機物質としては、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物などが挙げられる。非磁性粉の形状としては、例えば、針状、球状、板状などの各種形状が挙げられるが、これに限定されるものではない。
結着剤としては、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などに架橋反応を付与した構造の樹脂が好ましい。しかしながら結着剤はこれらに限定されるものではなく、磁気記録媒体に対して要求される物性などに応じて、その他の樹脂を適宜配合してもよい。配合する樹脂としては、通常、塗布型の磁気記録媒体において一般的に用いられる樹脂であれば、特に限定されない。
例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル-塩化ビニル共重合体、メタクリル酸エステル-エチレン共重合体、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン-アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイアセテート、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネート、ニトロセルロース)、スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、合成ゴムなどが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂、または反応型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。
また、上述した各結着剤には、磁性粉の分散性を向上させる目的で、-SO3M、-OSO3M、-COOM、P=O(OM)2などの極性官能基が導入されていてもよい。ここで、式中Mは、水素原子、あるいはリチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属である。
更に、極性官能基としては、-NR1R2、-NR1R2R3+-の末端基を有する側鎖型のもの、>NR1R2+-の主鎖型のものが挙げられる。ここで、式中R1、R2、R3は、水素原子、または炭化水素基であり、X-は弗素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン元素イオン、または無機もしくは有機イオンである。また、極性官能基としては、-OH、-SH、-CN、エポキシ基なども挙げられる。
また、樹脂にポリイソシアネートを併用して、これを架橋硬化させるようにしてもよい。ポリイソシアネートとしては、例えば、トルエンジイソシアネート、およびこれらの付加体、アルキレンジイソシアネート、およびこれらの付加体などが挙げられる。
導電性粒子としては、炭素を主成分とする微粒子、例えば、カーボンブラックを用いることができる。カーボンブラックとしては、例えば、旭カーボン社の旭#15、#15HSなどを用いることができる。また、シリカ粒子表面にカーボンを付着させたハイブリッドカーボンを用いてもよい。
潤滑剤としては、例えば、炭素数10~24の一塩基性脂肪酸と、炭素数2~12の1価~6価アルコールのいずれかとのエステル、これらの混合エステル、またはジ脂肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを適宜用いることができる。潤滑剤の具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチルなどが挙げられる。
研磨剤としては、例えば、α化率90%以上のα-アルミナ、β-アルミナ、γ-アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α-酸化鉄、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、2硫化モリブデン、磁性酸化鉄の原料を脱水、アニール処理した針状α酸化鉄、および必要によりそれらをアルミおよび/またはシリカで表面処理したものなどが、単独または組み合せで使用される。
(記録層)
記録層14は、例えば、短波長記録または超短波超記録が可能な垂直記録層である。記録層14は、記録層14の厚さ方向に磁気異方性を有する磁性層である。すなわち、記録層14の磁化容易軸は、記録層14の厚さ方向に向いている。記録層14の平均厚さは、好ましくは30nm以上100nm以下、より好ましくは50nm以上70nm以下である。
記録層14は、例えば、磁性粉および結着剤を含む磁性層である。記録層14が、必要に応じて、導電性粒子、潤滑剤、研磨剤、硬化剤および防錆剤などの各種添加剤をさらに含んでいてもよい。
磁性粉は、例えば、六方晶フェライト磁性粉または立方晶フェライト磁性粉である。六方晶フェライト磁性粉は、六方晶フェライトを主相とする鉄酸化物の磁性粒子(以下「六方晶フェライト磁性粒子」という。)からなる。六方晶フェライトは、例えば、Ba、Sr、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上を含んでいる。六方晶フェライトは、好ましくは、Baを含むバリウムフェライトである。バリウムフェライトが、Ba以外にSr、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいてもよい。
より具体的には、六方晶フェライトは、一般式MFe1219で表される平均組成を有する。但し、Mは、例えば、Ba、Sr、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上の金属である。Mは、好ましくは、Baである。Mが、Baと、Sr、PbおよびCaからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせであってもよい。上記一般式においてFeの一部が他の金属元素で置換されていてもよい。
六方晶フェライト磁性粒子の平均粒径(平均板径)は、好ましくは32nm以下、より好ましくは15nm以上32nm以下である。六方晶フェライト磁性粒子の平均粒子厚は、好ましくは9nm以下、より好ましくは7nm以上9nm以下である。六方晶フェライト磁性粒子の平均アスペクト比(平均粒径/平均粒子厚)は、好ましくは3.9以下、より好ましくは1.9以上3.9以下である。
立方晶フェライト磁性粉は、立方晶フェライトを主相とする鉄酸化物の磁性粒子(以下「立方晶フェライト磁性粒子」という。)からなる。立方晶フェライトは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上を含んでいる。好ましくは、立方晶フェライトは、Coを少なくとも含み、Co以外にNi、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上をさらに含んでいる。より具体的には例えば、立方晶フェライトは、一般式MFe24で表される平均組成を有する。但し、Mは、Co、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属である。好ましくは、Mは、Coと、Ni、Mn、Al、CuおよびZnからなる群より選ばれる1種以上の金属との組み合わせである。
立方晶フェライト磁性粒子の平均板径(平均粒子サイズ)は、好ましくは14nm以下、より好ましくは10nm以上14nm以下である。立方晶フェライト磁性粒子の平均板状比(平均アスペクト比(平均板径LAM/平均板厚LBM))は、0.75以上1.25以下であることが好ましい。
結着剤は、上述の下地層13と同様である。導電性粒子、潤滑剤および研磨剤も、上述の下地層13と同様である。
記録層14は、非磁性補強粒子として、酸化アルミニウム(α、βまたはγアルミナ)、酸化クロム、酸化珪素、ダイヤモンド、ガーネット、エメリー、窒化ホウ素、チタンカーバイト、炭化珪素、炭化チタン、酸化チタン(ルチル型またはアナターゼ型の酸化チタン)などをさらに含んでいてもよい。
(第1、第2強化層)
第1、第2強化層12、15は、磁気記録媒体の機械的強度を高めて、優れた寸法安定性を得るためのものである。第1、第2強化層12、15は、例えば、金属および金属化合物のうちの少なくとも1種を含んでいる。ここで、金属には、半金属が含まれるものと定義する。金属は合金であってもよい。金属は、例えば、アルミニウム、銅およびコバルトのうちの少なくとも1種であり、好ましくは銅である。銅は、安価で蒸気圧が比較的低いため、蒸着法などにより安価に第1、第2強化層12、15を成膜が可能であるからである。第1、第2強化層12、15は、例えば、真空斜方蒸着法により形成される蒸着膜であってもよいし、スパッタ法により形成されるスパッタ膜であってもよい。なお、第1、第2強化層12、15の材料は同一の材料であってもよいし、異なる材料であってもよい。
第1、第2強化層12、15はそれぞれ、2層以上の積層構造を有していることが好ましい。第1、第2強化層12、15の厚みを厚くしていくと、外力に対する基体11の伸縮をより抑えることができる。しかしながら、蒸着法やスパッタリングなどの真空薄膜の作製技術を用いて第1、第2強化層12、15を形成する場合、上記のように第1、第2強化層12、15の厚みを厚くしていくと、第1、第2強化層12、15中に空隙が生じやすくなる虞がある。上記のように第1、第2強化層12、15を2層以上の積層構造とすることで、真空薄膜の作製技術を用いて第1、第2強化層12、15を形成する際に第1、第2強化層12、15中に生じる空隙を抑制し、第1、第2強化層12、15の緻密性を向上できる。したがって、第1、第2強化層12、15の水蒸気透過率を低減できるので、基体11の膨張をさらに抑制し、磁気記録媒体の寸法安定性をさらに向上できる。第1、第2強化層12、15が2層以上の積層構造を有する場合、各層の材料は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第1、第2強化層12、15の平均厚みは、好ましくは75nm以上300nm以下である。第1、第2強化層12、15の平均厚みが75nm以上であると、第1、第2強化層12、15として良好な機能(すなわち磁気記録媒体の良好な寸法安定性)が得られる。一方、第1、第2強化層12、15の平均厚みを300nmを超えて厚くすると、磁気記録媒体の厚みが厚くなってしまう虞がある。また、第1、第2強化層12、15の平均厚みを300nmを超えて厚くしなくとも、第1、第2強化層12、15として十分な機能が得られる。
第1、第2強化層12、15の平均厚みは以下のようにして求められる。まず、磁気記録媒体をその主面に対して垂直に切り出し、その断面を透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)により観察する。
以下に、TEMの測定条件を示す。
装置:TEM(日立製作所製、H9000NAR)
加速電圧:300kV
倍率:100000倍
次に、観察したTEM像から第1、第2強化層12、15の平均厚みを算出する。具体的には、一般財団法人材料科学技術振興財団作製のSEM/TEM測長ソフト、Image Measuring Toolを用いてヒストグラムをとって第1、第2強化層12、15の平均厚みを算出する。
第1、第2強化層12、15は、内部応力として引っ張り応力が働くものである。具体的には、第1強化層12は、基体11の一方の面側を凹形状に変形させる応力が働くものであり、第2強化層15は、基体11の他方の面側を凹形状に変形させる応力が働くものである。したがって、第1、第2強化層12、15の内部応力が相殺し合って、磁気記録媒体にカッピングが発生することを抑制できる。ここで、カッピングとは、長尺状の基体11の幅方向に発生する湾曲を意味する。
第1、第2強化層12、15の平均厚みは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。第1、第2強化層12、15の平均厚みは、同一またはほぼ同一であることが好ましい。基体11の両面に設けられた第1、第2強化層12、15の内部応力(引っ張り応力)が同一またはほぼ同一となり、カッピングの発生をより抑制できるからである。ここで、第1、第2強化層12、15の平均厚みがほぼ同一とは、第1、第2強化層12、15の平均厚み差が5nm以内であることを意味する。
(凝着抑制層)
凝着抑制層16は、積層体10をロール状に巻き取った場合に、第1、第2強化層12、15が金属凝着して貼り付くことを抑制するためのものである。凝着抑制層16は、導電性を有していてもよいし、絶縁性を有していてもよい。凝着抑制層16は、内部応力として圧縮応力(すなわち基体11の他方の面側を凸形状に変形させる応力)が働くものであってもよいし、内部応力として引っ張り応力(すなわち基体11の他方の面側を凹形状に変形させる応力)が働くものであってもよい。第2強化層15の引っ張り応力(内部応力)が第1強化層12の引っ張り応力(内部応力)より大きい場合には、凝着抑制層16は内部応力として圧縮応力が働くものが好ましい。第1、第2強化層12、15の引っ張り応力の違いにより相殺仕切れなかった引っ張り応力を、凝着抑制層16の圧縮応力により相殺することができるからである。
凝着抑制層16の平均厚みは、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上25nm以下、さらにより好ましくは2nm以上20nm以下である。凝着抑制層16の平均厚みが1nm以上であると、凝着抑制層16の平均厚みが薄くなりすぎ、凝着抑制層16としての機能が低下することを抑制できる。一方、凝着抑制層16の平均厚みが100nm以下であると、凝着抑制層16の平均厚みが厚くなりすぎる、すなわち凝着抑制層16の内部応力が大きくなりすぎることを抑制できる。凝着抑制層16の平均厚みは、上述の第1、第2強化層12、15の平均厚みの算出方法と同様にして求められる。
第2強化層15の平均厚みD2が75nm以上300nm以下である場合、第2強化層15の平均厚みD2に対する凝着抑制層16の平均厚みD4の比率(D4/D2)が、0.005以上0.35以下であることが好ましい。比率(D4/D2)が0.005以上であると、第2強化層15の平均厚みD2に対して凝着抑制層16の平均厚みD4が薄くなりすぎ、凝着抑制層16としての機能が低下することを抑制できる。一方、比率(D4/D2)が0.35以下であると、第2強化層15の平均厚みD2に対して凝着抑制層16の平均厚みD4が厚くなりすぎる、すなわち第2強化層15の引っ張り応力に対して凝着抑制層16の圧縮応力が大きくなりすぎることを抑制できる。したがって、カッピングの発生をより抑制できる。
凝着抑制層16は、例えば、炭素および金属酸化物のうちの少なくとも1種を含んでいる。凝着抑制層16は、炭素を主成分とする炭素薄膜または金属酸化物を主成分とする金属酸化物膜であることが好ましい。炭素は、ダイヤモンドライクカーボン(以下「DLC」という。)であることが好ましい。金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化銅および酸化コバルトのうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。凝着抑制層16は、例えば、化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により形成されるCVD膜であってもよいし、スパッタ法により形成されるスパッタ膜であってもよい。
凝着抑制層16は、2層以上の積層構造を有していることが好ましい。磁気記録媒体の寸法安定性をさらに向上できるからである。なお、その原理は、第1、第2強化層12、15をそれぞれ2層以上の積層構造とする場合と同様である。凝着抑制層16が2層以上の積層構造を有する場合、各層の材料は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(バック層)
バック層17は、結着剤、無機粒子および潤滑剤を含んでいる。バック層17が、必要に応じて硬化剤および帯電防止剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。結着剤、無機粒子および潤滑剤は、上述の下地層13と同様である。
[1.2 磁気記録媒体の製造方法]
次に、上述の構成を有する磁気記録媒体の製造方法の一例について説明する。
(塗料の調整工程)
まず、非磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、下地層形成用塗料を調製する。次に、磁性粉および結着剤などを溶剤に混練、分散させることにより、記録層形成用塗料を調製する。次に、結着剤、無機粒子および潤滑剤などを溶剤に混練、分散させることにより、バック層形成用塗料を調製する。下地層形成用塗料、記録層形成用塗料およびバック層形成用塗料の調製には、例えば、以下の溶剤、分散装置および混練装置を適用することができる。
上述の塗料調製に用いられる溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸プロピル、乳酸エチル、エチレングリコールアセテートなどのエステル系溶媒、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2-エトキシエタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、適宜混合して用いてもよい。
上述の塗料調製に用いられる混練装置としては、例えば、連続二軸混練機、多段階で希釈可能な連続二軸混練機、ニーダー、加圧ニーダー、ロールニーダーなどの混練装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。また、上述の塗料調製に用いられる分散装置としては、例えば、ロールミル、ボールミル、横型サンドミル、縦型サンドミル、スパイクミル、ピンミル、タワーミル、パールミル(例えばアイリッヒ社製「DCPミル」など)、ホモジナイザー、超音波分散機などの分散装置を用いることができるが、特にこれらの装置に限定されるものではない。
(第1、第2強化層の形成工程)
次に、Roll to Roll方式の真空成膜装置を用いて、基体11の一方の面上に第1強化層12を形成する。次に、Roll to Roll方式の真空成膜装置を用いて、基体11の他方の面上に第2強化層15を形成する。第1、第2強化層12、15の平均厚みは、基体11の巻取り速度、導入ガス流量、放電電圧などの成膜条件を変えることで調整可能である。第1、第2強化層12、15を形成するための真空成膜装置としては、例えば、蒸着装置(例えば斜方蒸着装置)、スパッタ装置、CVD装置などを用いることができる。
(凝着抑制層の形成工程)
次に、Roll to Roll方式の真空成膜装置を用いて、第2強化層15上に凝着抑制層16を形成する。凝着抑制層16の平均厚みは、基体11の巻取り速度、導入ガス流量、放電電圧などの成膜条件を変えることで調整可能である。凝着抑制層16を形成するための真空成膜装置としては、例えば、蒸着装置、スパッタ装置、CVD装置などを用いることができる。以上により、積層体10が得られる。
(下地層の形成工程)
次に、第1強化層12上に下地層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、下地層13を第1強化層12上に形成する。
(記録層の形成工程)
次に、下地層13上に記録層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、記録層14を下地層13上に形成する。なお、乾燥の際に、必要に応じて、塗料に含まれる磁性粉を磁場配向させることにより、磁性粉の磁化容易軸を記録層14の厚さ方向に向けるようにしてもよい。
(熱処理の工程)
次に、必要に応じて、上記の各層が積層された基体11に対して熱処理を施して、基体11を熱収縮させるようにしてもよい。このように熱収縮させることで、カッピングを更に抑制できる。熱処理の温度は、例えば、80℃以上120℃以下である。熱処理の保持時間は、例えば、3時間以上72時間以下である。
(バック層の形成工程)
次に、凝着抑制層16上にバック層形成用塗料を塗布して乾燥させることにより、バック層17を形成する。これにより、幅広の磁気記録媒体が得られる。なお、凝着抑制層16が炭素薄膜である場合には、記録層14の形成工程後(または熱処理の工程後)、バック層17の形成工程前において、表面改質処理により凝着抑制層16の表面の濡れ性を改善することが好ましい。炭素薄膜に対するバック層形成用塗料の塗布性を改善できるからである。表面改質処理としては、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、UVオゾン処理または電子線処理などを用いることができる。
(カレンダー処理および裁断の工程)
次に、得られた幅広の磁気記録媒体を大径コアに巻き直し、硬化処理を行う。次に、幅広の磁気記録媒体に対してカレンダー処理を行った後、所定の幅に裁断する。これにより、目的とする磁気記録媒体が得られる。なお、バック層17を形成する工程は、カレンダー処理後であってもよい。
[1.3 効果]
本技術の第1の実施形態に係る磁気記録媒体は、基体11の一方の面上に設けられた第1強化層12と、基体11の他方の面上に設けられた第2強化層15と、第2強化層15上に設けられた凝着抑制層16とを備えている。これにより、第1、第2強化層12、15の内部応力(引っ張り応力)が相殺し合って、磁気記録媒体にカッピングが発生することを抑制できる。したがって、磁気ヘッドと磁気記録媒体との接触状態を良好な状態に保持でき、かつトラック幅方向における高い寸法安定性を有する、オフトラック特性に優れた高SNの磁気記録媒体を提供できる。また、磁気記録媒体の製造工程において、積層体10をロール状に巻き取った際に、凝着抑制層16が第1、第2強化層12、15の間に介在するため、第1、第2強化層12、15の金属凝着を抑制することができる。
[1.4 変形例]
磁気記録媒体が、第2強化層15上に凝着抑制層16を備える代わりに、図2に示すように、第1強化層12上に凝着抑制層16を備えるようにしてもよい。この場合、凝着抑制層16が炭素薄膜である場合には、表面改質処理により凝着抑制層16の表面の濡れ性を改善することが好ましい。炭素薄膜に対する下地層形成用塗料の塗布性を改善できるからである。
磁気記録媒体が、図5に示すように、第1強化層12上に凝着抑制層18をさらに備えるようにしてもよい。凝着抑制層18は、第1の実施形態における凝着抑制層16と同様の構成を有する。この場合、基体11の両面に同様の積層構造(第1強化層12、凝着抑制層18の積層構造、第2強化層15、凝着抑制層16の積層構造)が設けられるので、カッピングを更に抑制できる。したがって、磁気記録媒体を更に安定化し、より平滑にできる。また、基体11の両面に凝着抑制層16、18を設けると、積層体10の巻き取り時に凝着抑制層16と凝着抑制層18とが接するため、第1の実施形態におけるように第1強化層12と凝着抑制層16とが接する場合に比べて、より金属凝着を抑制できる。
第1、第2強化層12、15の引っ張り応力(内部応力)が異なる場合には、第1、第2強化層12、15のうち、より引っ張り応力が大きい強化層上に、内部応力として圧縮応力が働く凝着抑制層16を設けるようにしてもよい。第1、第2強化層12、15の引っ張り応力の違いにより相殺仕切れなかった引っ張り応力を、凝着抑制層16の圧縮応力により相殺することができるからである。
上述の第1の実施形態では、磁気記録媒体が垂直磁気記録媒体である場合を例として説明したが、磁気記録媒体が水平磁気記録媒体であってもよい。
上述の第1の実施形態では、記録層14に含まれる磁性粉として六方晶フェライト磁性粉または立方晶フェライト磁性粉を用いる例について説明したが、磁性粉はこの例に限定されるものではなく、垂直磁気記録媒体または水平磁気記録媒体にて一般的に用いられているものを使用可能である。具体的には例えば、磁性粉としては、Fe系、およびFe-Co系の金属粉末、炭化鉄、酸化鉄などが挙げられる。なお、副元素として、Co、Ni、Cr、Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Ti、Mo、Ag、Cu、Na、K、Li、Al、Si、Ge、Ga、Y、Nd、La、Ce、Zrなどの金属化合物が共存していてもよい。
上述の第1の実施形態では、下地層13および記録層14が塗布工程(ウエットプロセス)により作製される薄膜である例について説明したが、下地層13および記録層14は、スパッタリングなどの真空薄膜の作製技術(ドライプロセス)により作製される薄膜であってもよい。
上述の第1の実施形態では、磁気記録媒体が下地層およびバック層を備える場合を例として説明したが、磁気記録媒体が下地層およびバック層のうちの少なくとも一方を備えないようにしてもよい。
<2 第2の実施形態>
[2.1 ディスプレイの構成]
本技術の第2の実施形態に係るディスプレイは、フレキシブル性を有するマイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーであり、図3Aに示すように、第1の導電性素子110と、第1の導電性素子110と対向配置された第2の導電性素子120と、これらの両素子間に設けられたマイクロカプセル層(媒質層)130とを備える。このディスプレイは、フレキシブルデバイスの一例である。ここでは、マイクロカプセル電気泳動方式の電子ペーパーに対して本技術を適用した例について説明するが、電子ペーパーはこの例に限定されるものではなく、ツイストボール方式、サーマルリライタブル方式、トナーディスプレイ方式、In-Plane型電気泳動方式または電子粉粒方式などの電子パーパーにも本技術は適用可能である。また、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどにも本技術は適用可能である。
(マイクロカプセル層)
マイクロカプセル層130は、多数のマイクロカプセル131を含んでいる。マイクロカプセル131内には、例えば、黒色粒子おび白色粒子が分散された透明な液体(分散媒)が封入されている。
(第1、第2の導電性素子)
第1の導電性素子110は、積層体111と、積層体111の一方の面上に設けられた電極112とを備える。第2の導電性素子120は、積層体121と、積層体121の一方の面上に設けられた電極122とを備える。第1、第2の導電性素子110、120は、電極112、122が対向するように所定の間隔離して配置されている。
電極112、122は、ディスプレイの駆動方式に応じて所定の電極パターン状に形成されている。駆動方式としては、例えば単純マトリックス駆動方式、アクティブマトリックス駆動方式、セグメント駆動方式などが挙げられる。
積層体111は、図3Bに示すように、基体111aと、基体111aの一方の面上に設けられた第1強化層111bと、第1強化層111b上に設けられた凝着抑制層111cと、基体111aの他方の面上に設けられた第2強化層111dとを備える。基体111a、第1強化層111b、凝着抑制層111cおよび第2強化層111dは、可視光に対して透明性を有するものであってもよいし、不透明性を有するものであってもよい。
基体111aは、フィルム状を有する。ここで、フィルムには、シートも含まれるものとする。基体111aの厚さは、例えば、10μm以下である。基体111aの材料としては、例えば、高分子樹脂を用いることができる。高分子樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリイミド(PI)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル、ポリアミド(PA)、アラミド、ポリエチレン(PE)、ポリアクリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン(PP)、ジアセチルセルロース、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、尿素樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、環状オレフィンポリマー(COP)およびノルボルネン系熱可塑性樹脂のうちの少なくとも1種を用いることができる。
第1、第2強化層111b、111dはそれぞれ、第1の実施形態における第1、第2強化層12、15と同様である。
凝着抑制層111cは、絶縁性を有しているものに限られる点において、第1の実施形態における凝着抑制層16とは異なっている。
第2強化層111dが設けられた側における第1の導電性素子110の表面抵抗は、好ましくは0.4Ω/□以下である。ここで、表面抵抗は、4端子法にて測定された値である。
積層体111の湿度膨張係数が、好ましくは0ppm/%RH以上、4.8ppm/%RH以下である。湿度膨張係数が上記範囲であると、第1の導電性素子110の寸法安定性をさらに向上できる。
積層体121は、積層体111と同様の構成を有するので、説明を省略する。但し、積層体121に備えられる基体、第1強化層、凝着抑制層、絶縁層、第2強化層としては、可視光に対して透明性を有するものが用いられる。
[2.2 効果]
第2の実施形態に係るディスプレイでは、電極112、122が対向するように配置されている第1、第2の導電性素子110、120を備える。第1の導電性素子110は、
基体111aの一方の面上に設けられた第1強化層111bと、第1強化層111b上に設けられた凝着抑制層111cと、基体111aの他方の面上に設けられた第2強化層111dとを備えている。これにより、第1、第2強化層111b、111dにより基体111aを強化し、かつ、第1、第2強化層111b、111dの内部応力(引っ張り応力)同士を相殺させることができる、したがって、寸法安定性に優れ、かつ、湾曲を抑制できる第1の導電性素子110が得られる。よって、第1の導電性素子110の形状安定性を向上できる。第2の導電性素子120も第1の導電性素子110と同様の構成を有するため、第2の導電性素子120の形状安定性も向上できる。
上述のように第1、第2の導電性素子110、120の形状安定を向上できるので、電極112、122を高集積化した場合であっても、電極112、122のパターン同士の重ね合わせ精度の劣化を抑制できる。したがって、高品質のディスプレイの提供が可能となる。
また、ディスプレイの製造工程において、積層体111をロール状に巻き取った際に、凝着抑制層111cが第1、第2強化層111b、111dの間に介在するため、第1、第2強化層111b、111dの凝着を抑制することができる。第2の導電性素子120も第1の導電性素子110と同様の構成を有するため、第1、第2強化層の凝着も抑制することができる。
[2.3 変形例]
上述の第2の実施形態では、本技術をディスプレイおよびそれに備えられる第1、第2の導電性素子110、120に本技術を適用する例について説明したが、本技術はこれに限定されるものではない。例えば、電磁シールド、タッチパネル、各種のウェアラブルデバイスにも本技術は適用可能である。本技術をタッチパネルやウェアラブルデバイスに適用した場合には、例えば、高集積化された電極パターンや配線パターン同士の重ね合わせ精度の劣化を抑制することができる。
上述の第2の実施形態では、フレキシブルデバイス(フレキシブルディスプレイ)に本技術を適用する例について説明したが、本技術はフレキシブル性を有していないデバイスにも適用可能である。
凝着抑制層111cが導電性を有している場合には、図4Aに示すように、積層体111と電極112との間に絶縁層113を備えるようにすればよい。
絶縁層113の材料としては、無機材料および有機材料のいずれを用いてもよい。無機材料としては、例えば、SiO2、SiNx、SiON、Al23、Ta25、Y23、HfO2、HfAlO、ZrO2、TiO2などを用いることができる。有機材料としては、例えば、PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのポリアクリレート、PVA(ポリビニルアルコール)、PS(ポリスチレン)、透明性ポリイミド、ポリエステル、エポキシ、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコールなどの高分子樹脂を用いることができる。
積層体111が、第1強化層111b上に凝着抑制層111cを備える代わりに、図4Bに示すように、第2強化層111d上に凝着抑制層111cを備えるようにしてもよい。この場合、第1強化層111bと電極112との間に絶縁層113が備えられる。
第1、第2強化層111b、111dの平均厚みが異なる場合には、第1、第2強化層111b、111dのうち、より平均厚みが厚い強化層上に凝着抑制層111cを設けるようにしてもよい。第1、第2強化層111b、111dの平均厚みの違いにより相殺仕切れなかった内部応力(引っ張り応力)を、凝着抑制層111cの内部応力(圧縮応力)により相殺することができるからである。
<3.第3の実施形態>
[3.1 磁気記録媒体の構成]
本技術の第3の実施形態に係る磁気記録媒体は、図6に示すように、長尺状の基体11と、基体11の一方の面上に設けられた第1強化層21と、第1強化層21上に設けられた下地層13と、下地層13上に設けられた記録層14と、基体11の他方の面上に設けられた第2強化層15と、第2強化層15上に設けられたバック層17とを備える。基体11、第1強化層21および第2強化層15により積層体20が構成される。なお、第3の実施形態において第1の実施形態と同様の箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
第1強化層21は、金属および酸素を含み、その厚み方向に酸素濃度が変化する濃度分布を有する。第1強化層21の両面のうち、下地層13側となる面(すなわち基体11側とは反対側となる面)における酸素濃度が、第1強化層21の内部における酸素濃度に比して高い。第1強化層21の酸素濃度が、下地層13側となる面から内部に向かって減少していてもよい。この場合、酸素濃度の変化は、連続的であってもよいし、不連続的であってもよい。
第1強化層21の両面のうち、基体11側となる面における酸素濃度が、第1強化層21の内部における酸素濃度に比して高くてもよい。蒸着法やスパッタリングなどの真空薄膜の作製技術を用いて第1強化層21を形成する場合、基体11の材質や表面の状態などによっては、上記のように第1強化層21の両面のうち、基体11側となる面における酸素濃度が、第1強化層21の内部における酸素濃度に比して高くなる場合があるからである。なお、第1強化層21の酸素濃度が、基材11側となる面から内部に向かって減少していてもよい。
第1強化層21に含まれる金属は、第1の実施形態の第1強化層12に含まれる金属と同様である。
上記の濃度分布を有する第1強化層21は、例えば、蒸着法やスパッタリングなどの真空薄膜の作製技術を用いて第1強化層21を形成する際に、プロセスガスに含まれる酸素濃度を変化させることにより作製することができる。
[3.2 効果]
本技術の第1の実施形態に係る磁気記録媒体では、第1強化層21は、金属および酸素を含み、その厚み方向に酸素濃度が変化する濃度分布を有する。第1強化層21の両面のうち、下地層13側となる面における酸素濃度が、第1強化層21の内部における酸素濃度に比して高い。これにより、磁気記録媒体の製造工程において、積層体20をロール状に巻き取った際に、第1、第2強化層21、15が、金属および酸素を含む第1強化層21の表面を介して接するため、第1、第2強化層21、15の金属凝着を抑制することができる。
[3.3 変形例]
磁気記録媒体が、金属および酸素を含み、その厚み方向に酸素濃度が変化する濃度分布を有する第2強化層15を備えるようにしてもよい。この場合、第2強化層15の両面のうち、バック層17側となる面(すなわち基体11側とは反対側となる面)における酸素濃度が、第2強化層15の内部における酸素濃度に比して高い。第2強化層15の酸素濃度が、バック層17側となる面から内部に向かって減少していてもよい。第2強化層15の両面のうち、基体11側となる面における酸素濃度が、第2強化層15の内部における酸素濃度に比して高くてもよい。上記構成を採用した場合、基体11の両面の第1、第2強化層21、15が同一またはほぼ同一の構成となるので、カッピングを更に抑制できる。したがって、磁気記録媒体を更に安定化し、より平滑にできる。また、第1、第2強化層21、15が、金属および酸素を含む第1、第2強化層21、15の表面を介して接するため、第1、第2強化層21、15の金属凝着を更に抑制できる。
磁気記録媒体が、上記構成の第2強化層15を備える場合、第1強化層21に代えて、第1の実施形態における第1強化層12を備えるようにしてもよい。
第2の実施形態に係るディスプレイが、積層体111に代えて、第3の実施形態における積層体20を備えるようにしてもよい。
以下、実施例により本技術を具体的に説明するが、本技術はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、第1、第2強化層および凝着抑制層の平均厚みは、第1の実施形態にて説明した方法と同様にして求めた。
本実施例について以下の順序で説明する。
i 磁気テープについての実施例、比較例
ii 電磁シールドについての実施例、比較例
<i 磁気テープについての実施例、比較例>
[実施例1~16]
(記録層形成用塗料の調製工程)
まず、記録層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記原料をエクストルーダで混練して混練物を得た。
CoNiフェライト結晶磁性粉:100質量部
(形状:ほぼ立方体形状、平均板径:11nm、平均板状比:0.95)
塩化ビニル系樹脂(シクロヘキサノン溶液30質量%):55.6質量部
(重合度300、Mn=10000、極性基としてOSO3K=0.07mmol/g、2級OH=0.3mmol/gを含有する。)
酸化アルミニウム粉末:5質量部
(α-Al23、平均粒径0.2μm)
カーボンブラック:2質量部
(東海カーボン社製、商品名:シーストTA)
次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練物と、下記原料とを加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、記録層形成用塗料を調製した。
塩化ビニル系樹脂:27.8質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
ポリイソシアネート:4質量部
(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)
ミリスチン酸:2質量部
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:121.3質量部
トルエン:121.3質量部
シクロヘキサノン:60.7質量部
(下地層形成用塗料の調製工程)
次に、下地層形成用塗料を以下のようにして調製した。まず、下記原料をエクストルーダで混練して混練物を得た。
針状酸化鉄粉末:100質量部
(α-Fe23、平均長軸長0.15μm)
塩化ビニル系樹脂:55.6質量部
(樹脂溶液:樹脂分30質量%、シクロヘキサノン70質量%)
カーボンブラック:10質量部
(平均粒径20nm)
次に、ディスパーを備えた攪拌タンクに、混練物と、下記原料とを加えて予備混合を行った。その後、さらにサンドミル混合を行い、フィルター処理を行い、下地層形成用塗料を調製した。
ポリウレタン系樹脂UR8200(東洋紡績製):18.5質量部
ポリイソシアネート:4質量部
(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン社製)
ミリスチン酸:2質量部
n-ブチルステアレート:2質量部
メチルエチルケトン:108.2質量部
トルエン:108.2質量部
シクロヘキサノン:18.5質量部
(バック層形成用塗料の調製工程)
次に、バック層形成用塗料を以下のようにして調製した。下記原料を、ディスパーを備えた攪拌タンクで混合を行い、フィルター処理を行うことで、バック層形成用塗料を調製した。
カーボンブラック(旭社製、商品名:#80):100質量部
ポリエステルポリウレタン:100質量部
(日本ポリウレタン社製、商品名:N-2304)
メチルエチルケトン:500質量部
トルエン:400質量部
シクロヘキサノン:100質量部
(第1強化層の形成工程)
次に、Roll to Roll方式の真空蒸着装置を用いて、厚さ6.2μm、帯状のPENフィルム(基体)の一方の面上にCu層(第1強化層)を形成した。この際、フィルム巻取り速度などの成膜条件を調整することで、表1に示すようにCu層の平均厚みを設定した。
(第2強化層の形成工程)
次に、Roll to Roll方式の真空蒸着装置を用いて、上記PENフィルムの他方の面上にCu層(第2強化層)を形成した。この際、フィルム巻取り速度などの成膜条件を調整することで、表1に示すようにCu層の平均厚みを設定した。
(凝着抑制層の形成工程)
次に、Roll to Roll方式のCVD装置を用いて、DLC層(凝着抑制層)を第2強化層としてのCu層上に形成した。この際、フィルム巻取り速度、導入ガス流量および放電電圧などの成膜条件を調整することで表1に示すようにDLC層の平均厚みを設定した。以上により、積層体が得られた。そして、得られた積層体とロール状に巻き取った。この際、DLC層(凝着抑制層)により第1、第2強化層同士の金属凝着が抑制されたため、第1、第2強化層同士の貼り付きは発生しなかった。なお、以下に説明する実施例17~25でも同様に凝着抑制層を設けたため、金属凝着による第1、第2強化層同士の貼り付きは発生しなかった。
(下地層の形成工程)
次に、第1強化層としてのCu層上に下地層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、Cu層上に厚さ1μmの下地層を形成した。
(記録層の形成工程)
次に、下地層上に記録層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、下地層上に厚さ70nmの記録層を形成した。
(バック層の形成工程)
次に、表面改質によりDLC層の表面の濡れ性を改善した後、DLC層上にバック層形成用塗料を塗布し、乾燥させることにより、DLC層上に厚さ0.6μmのバック層を形成した。これにより、幅広の磁気テープを得た。
(カレンダー処理および裁断の工程)
次に、磁気テープに対して、金属ロールによるカレンダー処理を行い、記録層表面を平滑化した。次に、幅広の磁気テープを1/2インチ(12.65mm)幅に裁断して、目的とする磁気テープを得た。
[実施例17]
第1、第2強化層としてCu層に代えてAl層を形成すること以外は実施例7と同様にして磁気テープを得た。
[実施例18]
第1、第2強化層としてCu層に代えてCo層を形成すること以外は実施例17と同様にして磁気テープを得た。
[実施例19]
第1、第2強化層の平均厚みが表3に示す値となるように第1、第2強化層の成膜条件を調整すること以外は実施例18と同様にして磁気テープを得た。
[実施例20]
第2強化層としてAl層に代えてCo層を形成すること以外は実施例17と同様にして磁気テープを得た。
[実施例21]
凝着抑制層としてDLC層に代えてCoO層を形成すること以外は実施例8と同様にして磁気テープを得た。
[実施例22]
凝着抑制層としてDLC層に代えてAl23層を形成すること以外は実施例8と同様にして磁気テープを得た。
[実施例23~25]
DLC層を第2強化層としてのCu層上に形成する代わりに、第1強化層としてのCu層上に形成すること以外は実施例8、21、22と同様にして磁気テープを得た。
[実施例26]
凝着抑制層として平均厚み5nmのDLC層をバック層側のCo層上に形成する代わりに、第1凝着抑制層として平均厚み10nmのCoO層をバック層側のCo層上に形成し、かつ、第2凝着抑制層として平均厚み10nmのCoO層を記録層側のCo層上に形成すること以外は実施例19と同様にして磁気テープを得た。
[実施例27]
第1、第2強化層それぞれの平均厚みを50nmとし、かつ、第1、第2凝着抑制層それぞれの平均厚みを100nmとすること以外は実施例26と同様にして磁気テープを得た。
[実施例28]
第1、第2強化層として平均厚み50nmのCo層に代えて平均厚み50nmのCu層を形成し、第1、第2凝着抑制層として平均厚み100nmのCoO層に代えて平均厚み200nmのCuO層を形成すること以外は実施例27と同様にして磁気テープを得た。
[実施例29]
第1、第2強化層として平均厚み50nmのCo層に代えて平均厚み50nmのAl層を形成し、第1、第2凝着抑制層として平均厚み100nmのCoO層に代えて平均厚み250nmのAl23層を形成すること以外は実施例27と同様にして磁気テープを得た。
[実施例30]
第1、第2凝着抑制層として平均厚み100nmのCoO層に代えて平均厚み150nmのCo23層を形成すること以外は実施例27と同様にして磁気テープを得た。
[比較例1~4]
凝着抑制層の形成を省略すること、および第1、第2強化層の平均厚みが表3に示す値となるように第1、第2強化層の成膜条件を調整すること以外は実施例1と同様にして積層体を得た。なお、得られた積層体をロール状に巻き取った段階で第1、第2強化層同士が金属凝着し貼り付いたため、磁気テープを作製することはできなかった。
[比較例5、6]
凝着抑制層の形成を省略すること以外は実施例17、18と同様にして積層体を得た。なお、得られた積層体をロール状に巻き取った段階で第1、第2強化層同士が金属凝着し貼り付いたため、磁気テープを作製することはできなかった。
[比較例7、8]
第2強化層および凝着抑制層の形成を省略すること、および第1強化層の平均厚みが表3に示す値となるように第1強化層の成膜条件を調整すること以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[比較例9、10]
第2強化層の形成を省略すること、および第1強化層および凝着抑制層の平均厚みが表3に示す値となるように第1強化層および凝着抑制層の成膜条件を調整すること以外は実施例1と同様にして磁気テープを得た。
[評価]
上述のようにして得られた実施例1~30、比較例7~10の磁気テープについて以下の評価を行った。なお、比較例7~10の磁気テープについてはカッピングの評価のみを行った。
(カッピング)
カッピング測定装置を用い、温度23℃、相対湿度60%の環境下において、スリット後のテープ1mを24時間放置した後、カッピングの量を測定した。記録層を上側にして記録層側が凸になるカッピングをマイナス(-)、バック層側が凸になるカッピングをプラス(+)として、カッピングの量を測定し、以下の基準で判定した。
○:カッピング量が0.0~-0.5mmの範囲内
△:カッピング量が-0.5~-1.5mmの範囲内
×:カッピング量が0.0~-1.5mmの範囲外
なお、測定サンプル長は1±0.1mとする。
(湿度膨張係数)
まず、恒温槽を環境条件1(温度16℃、相対湿度10%)から環境条件2(温度29℃、相対湿度80%)まで変化させた場合の寸法変化を、キーエンス社製レーザー変位計LS-7000を用いて測定した。次に、以下の式により湿度膨張係数を求めた。
TDS(湿度)[ppm]=((温度29℃、相対湿度80%のテープ幅)-(温度16℃、相対湿度10%のテープ幅))/(温度16℃、相対湿度10%のテープ幅)
湿度膨張係数[ppm/%RH]=TDS(湿度)/(80-10)
(SNR)
まず、市販のMountain Engineering社製のテープ走行系にて磁気テープを走行させ、1/2インチ固定ヘッド型ドライブの磁気ヘッドを用いて記録再生を行うことにより、SNRを求めた。次に、求めたSNRを以下の基準で判定した。
○:SNRがLTO5メディアのリファレンステープ(MSRT)に対して-1.5dB以内となる
△:SNRがLTO5メディアのリファレンステープ(MSRT)に対して-1.5dBを超え、-2.5dB以下となる
×:SNRがLTO5メディアのリファレンステープ(MSRT)に対して-2.5dBを超える
(結果)
表1、表2は、実施例1~16の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0007031579000001
Figure 0007031579000002
表3、表4は、実施例17~25、比較例1~10の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0007031579000003
Figure 0007031579000004
表5、表6は、実施例26~30の磁気テープの構成および評価結果を示す。
Figure 0007031579000005
Figure 0007031579000006
表1~表4から以下のことがわかる。
第1強化層または第2強化層上に凝着抑制層を設けることで、第1、第2強化層の凝着を抑制することができる(実施例1~25、比較例1~6参照)。
基体の一方の面に第1強化層を設け、基体の他方の面に第2強化層を設けることで、カッピングの発生を抑制できる(実施例1~25、比較例7~10参照)。
凝着抑制層の材料としてはDLCなどの炭素材料以外に、酸化コバルトや酸化アルミニウムなどの金属酸化物を用いることができる(実施例21、22、24、25参照)。
第2強化層の平均厚みD2に対する凝着抑制層の平均厚みD4の割合(D4/D2)が0.35を超えると、第2強化層の平均厚みD2に対して凝着抑制層の平均厚みD4が厚くなりすぎる。このため、第1、第2強化層の平均厚みD1、D2が同一またはほぼ同一であっても、カッピングが発生する傾向がある(実施例1参照)。したがって、第1、第2強化層の平均厚みD1、D2が同一またはほぼ同一である場合には、第2強化層の平均厚みD2に対する凝着抑制層の平均厚みD4の割合(D4/D2)が0.35以下であると、カッピングの発生を抑制できる。なお、第1強化層の平均厚みD1に対する凝着抑制層の平均厚みD3の割合(D3/D1)についても同様のことが言える。
第1、第2強化層上にそれぞれ第1、第2凝着抑制層を設けることで、第1、第2強化層の凝着を抑制することができる(実施例26~30参照)。
<ii 電磁シールドについての実施例、比較例>
[実施例31、比較例11]
Cu層およびDLC層の平均厚みが表7に示す値となるように、Cu層およびDLC層の成膜条件を調整したこと以外は実施例1、比較例1と同様にして積層体を形成し、積層体をロール状に巻き取った。これにより、目的とする電磁シールドが得られた。
[評価]
上述のようにして得られた実施例31、比較例11の磁気シールドについて、金属凝着の有無および湿度膨張係数を評価した。
(金属凝着の有無)
ロール状に巻き取った積層体の第1強化層(Cu層)-第2強化層(Cu層)間に金属凝着が発生しているか否かを確認した。
(湿度膨張係数)
上述の実施例1~30と同様にして湿度膨張係数を求めた。
(電磁波透過率)
磁気シールドの電磁波透過率をアドバンテスト法により測定した。
表7は、実施例31、比較例11の積層体の構成および評価結果を示す。
Figure 0007031579000007
表7から以下のことがわかる。
第1強化層または第2強化層上に凝着抑制層を設けることで、第1、第2強化層の凝着を抑制することができる。
以上、本技術の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本技術は、上述の実施形態および実施例に限定されるものではなく、本技術の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態および実施例の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本技術の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本技術は以下の構成を採用することもできる。
(1)
第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と、
前記第2強化層上に設けられた凝着抑制層と、
前記第1強化層または前記凝着抑制層上に設けられた記録層と
を備える磁気記録媒体。
(2)
前記第2強化層の平均厚みが75nm以上300nm以下であり、
前記第2強化層に対する前記凝着抑制層の平均厚みの比率が、0.005以上0.35以下である(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)
前記第1強化層および前記第2強化層は、金属および金属化合物のうちの少なくとも1種を含む(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
(4)
前記金属は、アルミニウム、銅、コバルトおよびケイ素のうちの少なくとも1種を含み、
前記金属化合物は、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化コバルトおよび酸化ケイ素のうちの少なくとも1種を含む(3)に記載の磁気記録媒体。
(5)
前記凝着抑制層が、炭素を含む(1)から(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(6)
前記炭素が、ダイヤモンドライクカーボンである(5)に記載の磁気記録媒体。
(7)
前記凝着抑制層が、金属酸化物を含む(1)から(4)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(8)
前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化銅および酸化コバルトのうちの少なくとも1種を含む(7)に記載の磁気記録媒体。
(9)
前記記録層は、前記第1強化層上に設けられ
前記第1強化層と前記記録層との間に設けられた下地層と、
前記凝着抑制層上に設けられたバック層と
をさらに備える(1)から(8)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(10)
前記記録層は、前記凝着抑制層上に設けられ
前記凝着抑制層と前記記録層との間に設けられた下地層と、
前記第1強化層上に設けられたバック層と
をさらに備える(1)から(8)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(11)
前記第1強化層および前記第2強化層は、同一またはほぼ同一の平均厚みを有する(1)から(10)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(12)
前記第1強化層および前記第2強化層は、内部応力として引っ張り応力が働くものである(1)から(11)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(13)
前記第2強化層の引っ張り応力は、前記第1強化層の引っ張り応力よりも大きく、
前記凝着抑制層は、内部応力として圧縮応力が働くものである(12)に記載の磁気記録媒体。
(14)
湿度膨張係数が0ppm/%RH以上、4.8ppm/%RH以下である(1)から(13)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(15)
前記基体の厚みが10μm以下である(1)から(14)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(16)
前記凝着抑制層の平均厚みは、1nm以上100nm以下である(1)から(15)のいずれかに記載の磁気記録媒体。
(17)
第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と、
前記第2強化層上に設けられた炭素薄膜と、
前記第1強化層または前記炭素薄膜上に設けられた記録層と
を備える磁気記録媒体。
(18)
第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第1強化層上に設けられた第1凝着抑制層と、
前記第1凝着抑制層上に設けられた記録層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と、
前記第2強化層上に設けられた第2凝着抑制層と
を備える磁気記録媒体。
(19)
第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と
を備え、
前記第1強化層および前記第2強化層の少なくとも一方の層が、金属および酸素を含む強化層であり、
前記強化層の両面のうち、前記基体とは反対側となる面における酸素濃度が、前記強化層の内部における酸素濃度に比して高い磁気記録媒体。
(20)
前記強化層の両面の酸素濃度が、前記強化層の内部における酸素濃度に比して高い請求項19に記載の磁気記録媒体。
(21)
第1面および第2面を有する基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と、
前記第2強化層上に設けられた凝着抑制層と
を備える積層体。
(22)
第1面および第2面を有する基体と、
前記第1面上に設けられた第1強化層と、
前記第2面上に設けられた第2強化層と、
前記第2強化層上に設けられた炭素薄膜と
を備える積層体。
(23)
(21)または(22)に記載の積層体を備えるフレキシブルデバイス。
10、111、121 積層体
11、111a 基体
12、21、111b 第1強化層
13 下地層
14 記録層
15、111d 第2強化層
16、18、111c 凝着抑制層
17 バック層
110 第1の導電性素子
112、122 電極
120 第2の導電性素子
130 マイクロカプセル層
131 マイクロカプセル

Claims (15)

  1. 第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
    前記第1面上に設けられた第1強化層と、
    前記第2面上に設けられた第2強化層と、
    前記第2強化層上に設けられた凝着抑制層と、
    前記第1強化層に設けられた記録層と
    前記第1強化層と前記記録層との間に設けられた下地層と、
    前記凝着抑制層上に設けられたバック層と
    を備える磁気記録媒体。
  2. 第1面および第2面を有する長尺状の基体と、
    前記第1面上に設けられた第1強化層と、
    前記第2面上に設けられた第2強化層と、
    前記第2強化層上に設けられた凝着抑制層と、
    記凝着抑制層上に設けられた記録層と
    前記凝着抑制層と前記記録層との間に設けられた下地層と、
    前記第1強化層上に設けられたバック層と
    を備える磁気記録媒体。
  3. 前記第2強化層の平均厚みが75nm以上300nm以下であり、
    前記第2強化層に対する前記凝着抑制層の平均厚みの比率が、0.005以上0.35以下である請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記第1強化層および前記第2強化層は、金属および金属化合物のうちの少なくとも1種を含む請求項1から3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 前記金属は、アルミニウム、銅およびコバルトのうちの少なくとも1種を含む請求項に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記凝着抑制層が、炭素を含む請求項1からのいずれかに記載の磁気記録媒体。
  7. 前記炭素が、ダイヤモンドライクカーボンである請求項に記載の磁気記録媒体。
  8. 前記凝着抑制層が、金属酸化物を含む請求項1からのいずれかに記載の磁気記録媒体。
  9. 前記金属酸化物は、酸化アルミニウム、酸化銅および酸化コバルトのうちの少なくとも1種を含む請求項に記載の磁気記録媒体。
  10. 前記第1強化層および前記第2強化層は、同一またはほぼ同一の平均厚みを有する請求項1からのいずれかに記載の磁気記録媒体。
  11. 前記第1強化層および前記第2強化層は、内部応力として引っ張り応力が働くものである請求項1から10のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  12. 前記第2強化層の引っ張り応力は、前記第1強化層の引っ張り応力よりも大きく、
    前記凝着抑制層は、内部応力として圧縮応力が働くものである請求項11に記載の磁気記録媒体。
  13. 湿度膨張係数が0ppm/%RH以上、4.8ppm/%RH以下である請求項1から12のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  14. 前記基体の厚みが10μm以下である請求項1から13のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  15. 前記凝着抑制層の平均厚みは、1nm以上100nm以下である請求項1から14のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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