JPH1069628A - コンピュータデータ記録用磁気テープ - Google Patents
コンピュータデータ記録用磁気テープInfo
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- JPH1069628A JPH1069628A JP24573096A JP24573096A JPH1069628A JP H1069628 A JPH1069628 A JP H1069628A JP 24573096 A JP24573096 A JP 24573096A JP 24573096 A JP24573096 A JP 24573096A JP H1069628 A JPH1069628 A JP H1069628A
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- magnetic
- magnetic tape
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- tape
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 製造後のテープの巻き締まりを防止し、これ
による磁気テープの変形を抑制することにより、更に再
生出力の低下の少ないコンピュータデータ記録用磁気テ
ープを提供する。 【解決手段】 長尺状の非磁性支持体の一方の側に、厚
さ0.5〜2.5μmの非磁性層と、該非磁性層の上に
設けた厚さ0.05〜0.5μmの磁性層、そして他方
の側にバックコート層を有する磁気テープであって、該
磁気テープを70℃、5%RHで24時間保存した時の
磁気テープの長さ方向の熱収縮率が0.08%以下であ
り、かつ全厚が5.0〜10.5μmの範囲にあること
を特徴とするコンピュータデータ記録用磁気テープ。
による磁気テープの変形を抑制することにより、更に再
生出力の低下の少ないコンピュータデータ記録用磁気テ
ープを提供する。 【解決手段】 長尺状の非磁性支持体の一方の側に、厚
さ0.5〜2.5μmの非磁性層と、該非磁性層の上に
設けた厚さ0.05〜0.5μmの磁性層、そして他方
の側にバックコート層を有する磁気テープであって、該
磁気テープを70℃、5%RHで24時間保存した時の
磁気テープの長さ方向の熱収縮率が0.08%以下であ
り、かつ全厚が5.0〜10.5μmの範囲にあること
を特徴とするコンピュータデータ記録用磁気テープ。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンピュータデー
タを記録するために外部記録媒体として用いられる磁気
テープに関するものである。
タを記録するために外部記録媒体として用いられる磁気
テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ミニコンピュータ、パーソナルコ
ンピュータ、ワークステーションなどのオフィスコンピ
ュータの普及に伴って、外部記憶媒体としてコンピュー
タデータを記録するための磁気テープ(所謂、バックア
ップテープ)の研究が盛んに行われている。このような
用途の磁気テープの実用化に際しては、特にコンピュー
タの小型化、情報処理能力の増大と相まって、記録の大
容量化、小型化を達成するために記録容量の向上が強く
要求される。また磁気テープの使用環境の広がりによる
幅広い環境条件下(特に、変動の激しい温湿度条件下な
ど)での使用、データ保存に対する信頼性、更に高速で
の繰り返し使用による多数回走行におけるデータの安定
した記録、読み出し等の性能に対する信頼性なども従来
に増して要求される。
ンピュータ、ワークステーションなどのオフィスコンピ
ュータの普及に伴って、外部記憶媒体としてコンピュー
タデータを記録するための磁気テープ(所謂、バックア
ップテープ)の研究が盛んに行われている。このような
用途の磁気テープの実用化に際しては、特にコンピュー
タの小型化、情報処理能力の増大と相まって、記録の大
容量化、小型化を達成するために記録容量の向上が強く
要求される。また磁気テープの使用環境の広がりによる
幅広い環境条件下(特に、変動の激しい温湿度条件下な
ど)での使用、データ保存に対する信頼性、更に高速で
の繰り返し使用による多数回走行におけるデータの安定
した記録、読み出し等の性能に対する信頼性なども従来
に増して要求される。
【0003】従来からデジタルデータ記録方式に用いら
れているコンピュータ用磁気テープは、記録再生システ
ム毎に決められており、所謂D8型、DLT型、あるい
はDDS型対応の磁気テープが知られている。そしてこ
れらの磁気テープは、非磁性支持体上に膜厚が2.0〜
3.0μm程度と比較的厚い単層構造の強磁性粉末、及
び結合剤を含む磁性層が設けられており、また他方の側
には、巻き乱れの防止や良好な走行耐久性を保つために
バックコート層が設けられている。しかし一般に上記の
ような比較的厚い単層構造の磁性層においては、再生出
力が低下するとの厚み損失の問題がある。
れているコンピュータ用磁気テープは、記録再生システ
ム毎に決められており、所謂D8型、DLT型、あるい
はDDS型対応の磁気テープが知られている。そしてこ
れらの磁気テープは、非磁性支持体上に膜厚が2.0〜
3.0μm程度と比較的厚い単層構造の強磁性粉末、及
び結合剤を含む磁性層が設けられており、また他方の側
には、巻き乱れの防止や良好な走行耐久性を保つために
バックコート層が設けられている。しかし一般に上記の
ような比較的厚い単層構造の磁性層においては、再生出
力が低下するとの厚み損失の問題がある。
【0004】前記のような磁性層の厚み損失による再生
出力の低下を改良するために磁性層を薄膜化することが
知られている。例えば、特開平5−182178号公報
には、非磁性支持体上に無機質粉末を結合剤に分散して
なる下層非磁性層と、該非磁性層が湿潤状態にあるうち
に強磁性粉末を結合剤に分散してなる1.0μm以下の
厚みの上層磁性層を設けた磁気記録媒体が開示されてい
る。また、このような薄膜磁性層を有する磁気テープ
は、コンピュータ用として既に商品化されており、例え
ば、上記DLT型、及びD8型システム対応の磁気テー
プとして利用されている。
出力の低下を改良するために磁性層を薄膜化することが
知られている。例えば、特開平5−182178号公報
には、非磁性支持体上に無機質粉末を結合剤に分散して
なる下層非磁性層と、該非磁性層が湿潤状態にあるうち
に強磁性粉末を結合剤に分散してなる1.0μm以下の
厚みの上層磁性層を設けた磁気記録媒体が開示されてい
る。また、このような薄膜磁性層を有する磁気テープ
は、コンピュータ用として既に商品化されており、例え
ば、上記DLT型、及びD8型システム対応の磁気テー
プとして利用されている。
【0005】ところで、磁気テープは、一般に各層の塗
布液を調製する工程、得られた塗布液を非磁性支持体上
に塗布する工程、乾燥工程、カレンダー処理(平滑化処
理)工程、所定の寸法に裁断する加工工程、そして得ら
れたテープをカートリッジに巻き込む包装工程を経て製
造される。そして塗布工程、乾燥工程、あるいはカレン
ダー処理工程においては、原反ロールから引き出された
フィルム(長尺状支持体)の処理がその処理工程に応じ
て一定の張力(例えば、塗布工程や乾燥工程では、10
kg/m前後の張力)下で実施されるため、フィルムが
長さ方向に伸ばされ易く、また製造後時間の経過と共
に、カートリッジに巻き込まれた磁気テープが徐々に収
縮して巻き締まりが生じ、テープが変形し易いとの問題
がある。このような問題に対しては、熱収縮率を低く抑
えることが有効であり、例えば、上記の特開平5−18
2178号公報には、8mmビデオテープの例である
が、この磁気テープの熱収縮率(70℃、48時間保存
後)は、0.1〜0.3%の範囲にあることが好ましい
との記載がある。
布液を調製する工程、得られた塗布液を非磁性支持体上
に塗布する工程、乾燥工程、カレンダー処理(平滑化処
理)工程、所定の寸法に裁断する加工工程、そして得ら
れたテープをカートリッジに巻き込む包装工程を経て製
造される。そして塗布工程、乾燥工程、あるいはカレン
ダー処理工程においては、原反ロールから引き出された
フィルム(長尺状支持体)の処理がその処理工程に応じ
て一定の張力(例えば、塗布工程や乾燥工程では、10
kg/m前後の張力)下で実施されるため、フィルムが
長さ方向に伸ばされ易く、また製造後時間の経過と共
に、カートリッジに巻き込まれた磁気テープが徐々に収
縮して巻き締まりが生じ、テープが変形し易いとの問題
がある。このような問題に対しては、熱収縮率を低く抑
えることが有効であり、例えば、上記の特開平5−18
2178号公報には、8mmビデオテープの例である
が、この磁気テープの熱収縮率(70℃、48時間保存
後)は、0.1〜0.3%の範囲にあることが好ましい
との記載がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】磁性層及び非磁性層を
持つ二層構造の磁気テープにおいては、その下層の非磁
性層は、磁性材料を含まないため粒子の凝集が起りにく
く、従って比較的均一に分散されるため空隙の少ない状
態で形成される。そのため、二層構造の磁気テープは、
テープの巻き締まりによって厚み方向に圧縮力が加わっ
ても変形しにくいと言う特性を持っている。しかし、大
きな記録容量が求められている昨今では、磁気テープの
薄型化が進んでおり、二層構造の磁気テープであっても
非常に変形し易くなっている。特に、薄型二層構造の磁
気テープを長期間保存したり、あるいは高温環境下で保
存した場合には、例えば、DLT型システム対応の磁気
テープにおいては、リールの芯側で巻き締まりが生じ、
テープのEOTホール(エンド検出孔)がその上に巻か
れたテープに写ったり、またD8型やDDS型システム
対応の磁気テープにおいては、リーダーテープ(リール
に巻くためにテープの端部に設けられた部分)と磁気テ
ープとの接合部の段差やリールクランプ部の段差がテー
プに写り、これらによりテープが変形し易かった。その
結果、ヘッドとの接触状態が悪化し、再生出力が低下し
易いことがわかった。なお、従来DLT型対応の磁気テ
ープにおいては、その熱収縮率(70℃、5%RHで2
4時間保存後)を0.15%程度まで抑えていたが、テ
ープの変形を充分に抑制するまでには至っていなかっ
た。
持つ二層構造の磁気テープにおいては、その下層の非磁
性層は、磁性材料を含まないため粒子の凝集が起りにく
く、従って比較的均一に分散されるため空隙の少ない状
態で形成される。そのため、二層構造の磁気テープは、
テープの巻き締まりによって厚み方向に圧縮力が加わっ
ても変形しにくいと言う特性を持っている。しかし、大
きな記録容量が求められている昨今では、磁気テープの
薄型化が進んでおり、二層構造の磁気テープであっても
非常に変形し易くなっている。特に、薄型二層構造の磁
気テープを長期間保存したり、あるいは高温環境下で保
存した場合には、例えば、DLT型システム対応の磁気
テープにおいては、リールの芯側で巻き締まりが生じ、
テープのEOTホール(エンド検出孔)がその上に巻か
れたテープに写ったり、またD8型やDDS型システム
対応の磁気テープにおいては、リーダーテープ(リール
に巻くためにテープの端部に設けられた部分)と磁気テ
ープとの接合部の段差やリールクランプ部の段差がテー
プに写り、これらによりテープが変形し易かった。その
結果、ヘッドとの接触状態が悪化し、再生出力が低下し
易いことがわかった。なお、従来DLT型対応の磁気テ
ープにおいては、その熱収縮率(70℃、5%RHで2
4時間保存後)を0.15%程度まで抑えていたが、テ
ープの変形を充分に抑制するまでには至っていなかっ
た。
【0007】本発明の目的は、製造後のテープの巻き締
まりを防止し、これによる磁気テープの変形を抑制する
ことにより、更に再生出力の低下の少ないコンピュータ
データ記録用磁気テープを提供することである。
まりを防止し、これによる磁気テープの変形を抑制する
ことにより、更に再生出力の低下の少ないコンピュータ
データ記録用磁気テープを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、長尺状の非磁
性支持体の一方の側に、非磁性粉末及び結合剤を含む実
質的に非磁性である厚さ0.5〜2.5μmの非磁性層
と、該非磁性層の上に設けた強磁性粉末および結合剤を
含有する厚さ0.05〜0.5μmの磁性層、そして他
方の側にバックコート層を有する磁気テープであって、
該磁気テープを70℃、5%RHで24時間保存した時
の磁気テープの長さ方向の熱収縮率が、0.08%以下
であり、かつ全厚が5.0〜10.5μmであることを
特徴とするコンピュータデータ記録用磁気テープにあ
る。
性支持体の一方の側に、非磁性粉末及び結合剤を含む実
質的に非磁性である厚さ0.5〜2.5μmの非磁性層
と、該非磁性層の上に設けた強磁性粉末および結合剤を
含有する厚さ0.05〜0.5μmの磁性層、そして他
方の側にバックコート層を有する磁気テープであって、
該磁気テープを70℃、5%RHで24時間保存した時
の磁気テープの長さ方向の熱収縮率が、0.08%以下
であり、かつ全厚が5.0〜10.5μmであることを
特徴とするコンピュータデータ記録用磁気テープにあ
る。
【0009】本発明は以下の態様であることが好まし
い。 (1)70℃、5%RHで24時間保存した時の磁気テ
ープの長さ方向の熱収縮率が、0.06%以下である。 (2)非磁性支持体が、芳香族ポリアミド(更に好まし
くは、全芳香族ポリアミド(アラミド))である。 (3)非磁性支持体の厚みが、3.0〜6.0μm(更
に好ましくは、3.5〜5.5μm、特に、4.0〜
5.0μm)の範囲にある。 (4)全厚が、5.5〜9.0μmの範囲にある磁気テ
ープである。
い。 (1)70℃、5%RHで24時間保存した時の磁気テ
ープの長さ方向の熱収縮率が、0.06%以下である。 (2)非磁性支持体が、芳香族ポリアミド(更に好まし
くは、全芳香族ポリアミド(アラミド))である。 (3)非磁性支持体の厚みが、3.0〜6.0μm(更
に好ましくは、3.5〜5.5μm、特に、4.0〜
5.0μm)の範囲にある。 (4)全厚が、5.5〜9.0μmの範囲にある磁気テ
ープである。
【0010】(5)バックコート層が、カーボンブラッ
ク、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末及びモース硬
度5〜9の硬質無機粉末を含む。 (6)カーボンブラックが、10〜20mμの微粒子状
カーボンブラックと230〜300mμの粗粒子状カー
ボンブラックの異なる平均粒子サイズを持つ二種類のカ
ーボンブラックを含む。 (7)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末が、30〜
50mμの平均粒子サイズを有する。 (8)モース硬度5〜9の硬質無機粉末が、80〜25
0mμの平均粒子サイズを有する。 (9)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末が、炭酸カ
ルシウムである。 (10)モース硬度5〜9の硬質無機粉末が、α−アル
ミナ又はα−酸化鉄である。 (11)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末と、モー
ス硬度5〜9の硬質無機粉末との硬さの差が2以上(更
に好ましくは、2.5以上、特に、3以上)である。 (12)バックコート層の厚さが、0.2〜0.8μm
の範囲にある。 (13)バックコート層の表面粗さRa(カットオフ
値:0.08mm)が、0.003〜0.06μmの範
囲にある。
ク、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末及びモース硬
度5〜9の硬質無機粉末を含む。 (6)カーボンブラックが、10〜20mμの微粒子状
カーボンブラックと230〜300mμの粗粒子状カー
ボンブラックの異なる平均粒子サイズを持つ二種類のカ
ーボンブラックを含む。 (7)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末が、30〜
50mμの平均粒子サイズを有する。 (8)モース硬度5〜9の硬質無機粉末が、80〜25
0mμの平均粒子サイズを有する。 (9)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末が、炭酸カ
ルシウムである。 (10)モース硬度5〜9の硬質無機粉末が、α−アル
ミナ又はα−酸化鉄である。 (11)モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末と、モー
ス硬度5〜9の硬質無機粉末との硬さの差が2以上(更
に好ましくは、2.5以上、特に、3以上)である。 (12)バックコート層の厚さが、0.2〜0.8μm
の範囲にある。 (13)バックコート層の表面粗さRa(カットオフ
値:0.08mm)が、0.003〜0.06μmの範
囲にある。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のコンピュータデ
ータ記録用磁気テープについて説明する。本発明の磁気
テープは、コンピュータデータ記録用として採用されて
いる様々なシステムに適用できる。従って、本発明の磁
気テープは、用いる磁気記録システムに対応した態様と
することができる。中でも好ましい磁気テープの態様と
しては、例えば、固定記録ヘッド方式を採用しているD
LT型システム対応の1/2インチ幅の磁気テープ、あ
るいは回転記録ヘッド方式を採用しているDDS型シス
テム対応の3.8ミリ幅の磁気テープを挙げることがで
きる。これらのシステムにおいては、採用されている磁
気記録ヘッドの形態が異なるが、本発明のように極めて
低い熱収縮率を有する磁気テープを使用することによ
り、ヘッド当りが改良され、出力の低下が少なく、良好
な走行耐久性を得ることができる。また非磁性支持体と
して芳香族ポリアミドを使用することでテープ自体に機
械的強度を付与することができ、走行に伴うテープのエ
ッジ折れなどの損傷の発生の少ないテープを得ることが
できる。
ータ記録用磁気テープについて説明する。本発明の磁気
テープは、コンピュータデータ記録用として採用されて
いる様々なシステムに適用できる。従って、本発明の磁
気テープは、用いる磁気記録システムに対応した態様と
することができる。中でも好ましい磁気テープの態様と
しては、例えば、固定記録ヘッド方式を採用しているD
LT型システム対応の1/2インチ幅の磁気テープ、あ
るいは回転記録ヘッド方式を採用しているDDS型シス
テム対応の3.8ミリ幅の磁気テープを挙げることがで
きる。これらのシステムにおいては、採用されている磁
気記録ヘッドの形態が異なるが、本発明のように極めて
低い熱収縮率を有する磁気テープを使用することによ
り、ヘッド当りが改良され、出力の低下が少なく、良好
な走行耐久性を得ることができる。また非磁性支持体と
して芳香族ポリアミドを使用することでテープ自体に機
械的強度を付与することができ、走行に伴うテープのエ
ッジ折れなどの損傷の発生の少ないテープを得ることが
できる。
【0012】本発明の磁気テープは、長尺状の非磁性支
持体の一方の側に、厚さ0.5〜2.5μmの非磁性層
と該非磁性層の上に設けた厚さ0.05〜0.5μmの
磁性層、及び他方の側にバックコート層を有する。そし
てその全厚は、5.0〜10.5μm(好ましくは、
5.5〜9.0μm)の範囲にある。特に、DLT型シ
ステム対応の磁気テープにおいては、その全厚は、6.
0〜9.0μmの範囲にあることが好ましい。またDD
S型システム対応の磁気テープにおいては、その全厚
は、好ましくは、5.5〜7.5μmの範囲、更に好ま
しくは、5.0〜7.0μmの範囲にある。
持体の一方の側に、厚さ0.5〜2.5μmの非磁性層
と該非磁性層の上に設けた厚さ0.05〜0.5μmの
磁性層、及び他方の側にバックコート層を有する。そし
てその全厚は、5.0〜10.5μm(好ましくは、
5.5〜9.0μm)の範囲にある。特に、DLT型シ
ステム対応の磁気テープにおいては、その全厚は、6.
0〜9.0μmの範囲にあることが好ましい。またDD
S型システム対応の磁気テープにおいては、その全厚
は、好ましくは、5.5〜7.5μmの範囲、更に好ま
しくは、5.0〜7.0μmの範囲にある。
【0013】本発明の磁気テープにおいては、その非磁
性層の厚さは、1.0〜2.3μmの範囲にあることが
好ましく、更に好ましくは、1.5〜2.2μmの範囲
である。また磁性層の厚みは、0.1〜0.4μmの範
囲にあることが好ましい。更に、バックコート層の厚さ
は、0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の磁気テープは、70℃、5%RHで24時間保
存した時の磁気テープの長さ方向の熱収縮率が0.08
%以下(更に好ましくは、0.06%以下)であること
を特徴とする。なお、一般に磁気テープの熱収縮率は、
その厚み構成から見て非磁性支持体に負うところが大き
いとされるが、本発明のように全厚が非常に薄いテープ
になると塗布、乾燥、表面形成(カレンダー処理)等の
各工程での影響を受け易くなるため、非磁性支持体自体
の影響は比較的少なくなり、磁性層やバックコート層の
影響を受ける割合が高くなると考えられる。特に、後述
するように特定の構成のバックコート層にすると、その
影響は大きくなる。
性層の厚さは、1.0〜2.3μmの範囲にあることが
好ましく、更に好ましくは、1.5〜2.2μmの範囲
である。また磁性層の厚みは、0.1〜0.4μmの範
囲にあることが好ましい。更に、バックコート層の厚さ
は、0.2〜0.8μmの範囲にあることが好ましい。
本発明の磁気テープは、70℃、5%RHで24時間保
存した時の磁気テープの長さ方向の熱収縮率が0.08
%以下(更に好ましくは、0.06%以下)であること
を特徴とする。なお、一般に磁気テープの熱収縮率は、
その厚み構成から見て非磁性支持体に負うところが大き
いとされるが、本発明のように全厚が非常に薄いテープ
になると塗布、乾燥、表面形成(カレンダー処理)等の
各工程での影響を受け易くなるため、非磁性支持体自体
の影響は比較的少なくなり、磁性層やバックコート層の
影響を受ける割合が高くなると考えられる。特に、後述
するように特定の構成のバックコート層にすると、その
影響は大きくなる。
【0014】以下、非磁性層、及び磁性層、バックコー
ト層、そして非磁性支持体について順に詳述する。 [非磁性層]非磁性層は、非磁性粉末及び結合剤を含む
実質的に非磁性の層からなる。この非磁性層は、その上
の磁性層の電磁変換特性に影響を与えないように実質的
に非磁性であることが必要であるが、磁性層の電磁変換
特性に影響を与えない程度に少量の磁性粉末が含まれて
いても特に問題とはならない。また非磁性層には、通常
はこれらの成分以外に潤滑剤が含まれている。非磁性層
で用いられる非磁性粉末としては、例えば、非磁性無機
粉末、カーボンブラックを挙げることができる。非磁性
無機粉末は、比較的硬いものが好ましく、モース硬度が
5以上(更に好ましくは、6以上)のものが好ましい。
これらの非磁性無機粉末の例としては、α−アルミナ、
β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化
ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
及び硫酸バリウムを挙げることができる。これらは単独
でまたは組合せて使用することができる。これらのうち
では、酸化チタン、α−アルミナ、α−酸化鉄、又は酸
化クロムが好ましい。非磁性無機粉末の平均粒子径は、
0.01〜1.0(好ましくは、0.01〜0.5、特
に、0.02〜0.1)μmの範囲にあることが好まし
い。非磁性無機粉末のうち、3〜25重量%(好ましく
は、3〜20重量%)は、モース硬度が5以上(好まし
くは、6以上)の所謂研磨剤として機能し得るものを使
用することが好ましい。
ト層、そして非磁性支持体について順に詳述する。 [非磁性層]非磁性層は、非磁性粉末及び結合剤を含む
実質的に非磁性の層からなる。この非磁性層は、その上
の磁性層の電磁変換特性に影響を与えないように実質的
に非磁性であることが必要であるが、磁性層の電磁変換
特性に影響を与えない程度に少量の磁性粉末が含まれて
いても特に問題とはならない。また非磁性層には、通常
はこれらの成分以外に潤滑剤が含まれている。非磁性層
で用いられる非磁性粉末としては、例えば、非磁性無機
粉末、カーボンブラックを挙げることができる。非磁性
無機粉末は、比較的硬いものが好ましく、モース硬度が
5以上(更に好ましくは、6以上)のものが好ましい。
これらの非磁性無機粉末の例としては、α−アルミナ、
β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロ
ム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪
素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化
ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
及び硫酸バリウムを挙げることができる。これらは単独
でまたは組合せて使用することができる。これらのうち
では、酸化チタン、α−アルミナ、α−酸化鉄、又は酸
化クロムが好ましい。非磁性無機粉末の平均粒子径は、
0.01〜1.0(好ましくは、0.01〜0.5、特
に、0.02〜0.1)μmの範囲にあることが好まし
い。非磁性無機粉末のうち、3〜25重量%(好ましく
は、3〜20重量%)は、モース硬度が5以上(好まし
くは、6以上)の所謂研磨剤として機能し得るものを使
用することが好ましい。
【0015】カーボンブラックは、磁性層に導電性を付
与して帯電を防止すると共に、非磁性層上に形成される
磁性層の平滑な表面性を確保する目的で添加される。カ
ーボンブラックは、その平均粒子径が35mμ以下(更
に好ましくは、10〜35mμ)であることが好まし
い。またその比表面積は、5〜500m2 /g(更に好
ましくは、50〜300m2 /g)であることが好まし
い。DBP吸油量は、10〜1000ml/100g
(更に好ましくは、50〜300ml/100g)の範
囲にあることが好ましい。またpHは、2〜10、含水
率は、0.1〜10%、そしてタップ密度は、0.1〜
1g/ccであることが好ましい。なお、DBP吸油量
は、カーボンブラックにブチルフタレートを少しずつ加
え、練り合わせながらカーボンブラックの状態を観察
し、ばらばらに分散した状態から一つの固まりをなす点
を見出した時のブチルフタレートの添加量(ml)を意
味し、カーボンブラックの表面特性の評価に一般に用い
られている値である。
与して帯電を防止すると共に、非磁性層上に形成される
磁性層の平滑な表面性を確保する目的で添加される。カ
ーボンブラックは、その平均粒子径が35mμ以下(更
に好ましくは、10〜35mμ)であることが好まし
い。またその比表面積は、5〜500m2 /g(更に好
ましくは、50〜300m2 /g)であることが好まし
い。DBP吸油量は、10〜1000ml/100g
(更に好ましくは、50〜300ml/100g)の範
囲にあることが好ましい。またpHは、2〜10、含水
率は、0.1〜10%、そしてタップ密度は、0.1〜
1g/ccであることが好ましい。なお、DBP吸油量
は、カーボンブラックにブチルフタレートを少しずつ加
え、練り合わせながらカーボンブラックの状態を観察
し、ばらばらに分散した状態から一つの固まりをなす点
を見出した時のブチルフタレートの添加量(ml)を意
味し、カーボンブラックの表面特性の評価に一般に用い
られている値である。
【0016】カーボンブラックは様々な製法で得たもの
を使用できる。使用できるものの例としては、ファーネ
スブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、
チャンネルブラック及びランプブラックを挙げることが
できる。カーボンブラックの具体的な商品例としては、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800、700、VULCAN XC−7
2(以上、キャボット社製)、#35、#50、#5
5、#60及び#80(以上、旭カ−ボン(株)製)、
#3950B、#3750B、#3250B、#240
0B、#2300B、#1000、#900、#40、
#30、及び#10B(以上、三菱化成工業(株)
製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、15
0、50、40、15(以上、コンロンビアカ−ボン社
製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックE
CDJ−500およびケッチェンブラックECDJ−6
00(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げることが
できる。
を使用できる。使用できるものの例としては、ファーネ
スブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、
チャンネルブラック及びランプブラックを挙げることが
できる。カーボンブラックの具体的な商品例としては、
BLACKPEARLS 2000、1300、100
0、900、800、700、VULCAN XC−7
2(以上、キャボット社製)、#35、#50、#5
5、#60及び#80(以上、旭カ−ボン(株)製)、
#3950B、#3750B、#3250B、#240
0B、#2300B、#1000、#900、#40、
#30、及び#10B(以上、三菱化成工業(株)
製)、CONDUCTEX SC、RAVEN、15
0、50、40、15(以上、コンロンビアカ−ボン社
製)、ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックE
CDJ−500およびケッチェンブラックECDJ−6
00(以上、ライオンアグゾ(株)製)を挙げることが
できる。
【0017】カーボンブラックの通常の添加量は、非磁
性無機粉末100重量部に対して、3〜20重量部であ
り、好ましくは、4〜18重量部、更に好ましくは、5
〜15重量部である。
性無機粉末100重量部に対して、3〜20重量部であ
り、好ましくは、4〜18重量部、更に好ましくは、5
〜15重量部である。
【0018】潤滑剤は、磁性層表面ににじみ出ることに
よって、磁性層表面と磁気ヘッド、ドライブのガイドポ
ールとシリンダとの間の摩擦を緩和し、円滑に摺接状態
を維持させるために添加される。潤滑剤としては、例え
ば、脂肪酸及び脂肪酸エステルを挙げることができる。
脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン
酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸または
これらの混合物を挙げることができる。
よって、磁性層表面と磁気ヘッド、ドライブのガイドポ
ールとシリンダとの間の摩擦を緩和し、円滑に摺接状態
を維持させるために添加される。潤滑剤としては、例え
ば、脂肪酸及び脂肪酸エステルを挙げることができる。
脂肪酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、オクタ
ン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン
酸、及びパルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸または
これらの混合物を挙げることができる。
【0019】また脂肪酸エステルとしては、例えば、ブ
チルステアレート、sec-ブチルステアレート、イソプロ
ピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレ
ート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキ
シルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、
ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステー
ト、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合
物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。こ
れらのものは、単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができる。
チルステアレート、sec-ブチルステアレート、イソプロ
ピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレ
ート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキ
シルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、
ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステー
ト、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合
物、オレイルオレエート、ブトキシエチルステアレー
ト、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロ
ピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸で
アシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテー
ト、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化
してジオールとしたもの、そしてグリセリンのオレエー
ト等の種々のエステル化合物を挙げることができる。こ
れらのものは、単独で、あるいは組み合わせて使用する
ことができる。
【0020】潤滑剤の通常の添加量は、非磁性層の全非
磁性粉末100重量部に対して、0.2〜20重量部の
範囲である。
磁性粉末100重量部に対して、0.2〜20重量部の
範囲である。
【0021】[磁性層]磁性層は、強磁性粉末及び結合
剤を含む層である。また、磁性層には、通常更に潤滑
剤、導電性粉末(例、カーボンブラック)、及び研磨剤
が含まれている。強磁性粉末としては、例えば、γ−F
e2 O3 、Fe3 O4 、FeOx (x=1.33〜1.
5)、CrO2 、Co含有γ−Fe2 O3 、Co含有F
eOx (x=1.33〜1.5)、強磁性金属粉末、及
び板状六方晶フェライト粉末を挙げることができる。本
発明においては、強磁性粉末として、強磁性金属粉末、
あるいは板状六方晶フェライト粉末の使用が好ましい。
特に、強磁性金属粉末が好ましい。
剤を含む層である。また、磁性層には、通常更に潤滑
剤、導電性粉末(例、カーボンブラック)、及び研磨剤
が含まれている。強磁性粉末としては、例えば、γ−F
e2 O3 、Fe3 O4 、FeOx (x=1.33〜1.
5)、CrO2 、Co含有γ−Fe2 O3 、Co含有F
eOx (x=1.33〜1.5)、強磁性金属粉末、及
び板状六方晶フェライト粉末を挙げることができる。本
発明においては、強磁性粉末として、強磁性金属粉末、
あるいは板状六方晶フェライト粉末の使用が好ましい。
特に、強磁性金属粉末が好ましい。
【0022】上記強磁性金属粉末は、その粒子の比表面
積が好ましくは30〜70m2 /gであって、X線回折
法から求められる結晶子サイズは、50〜300Aであ
る。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応で
きなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、
従って平滑な面の磁性層が形成できなくなるため同様に
高密度記録に対応できなくなる。強磁性金属粉末は、少
なくともFeを含む。具体的には、Fe、Fe−Co、
Fe−Ni、Fe−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを
主体とした金属単体あるいは合金である。またこれらの
強磁性金属粉末の磁気特性については、高い記録密度を
達成するために、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σ
s )は110emu/g以上、好ましくは120emu
/g以上、170emu/g以下である。又保磁力(H
c)は、1400〜2500エルステッド(Oe)(好
ましくは、1500〜2400Oe)の範囲である。ま
た透過型電子顕微鏡により求められる粉末の長軸長(す
なわち、平均粒子径)は、0.5μm以下、好ましく
は、0.01〜0.3μmで軸比(長軸長/短軸長、針
状比)は、5〜20、好ましくは、5〜15である。更
に特性を改良するために、組成中にB、C、Al、S
i、P等の非金属、もしくはその塩、酸化物が添加され
ることもある。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学
的に安定させるために酸化物の層が形成されている。
積が好ましくは30〜70m2 /gであって、X線回折
法から求められる結晶子サイズは、50〜300Aであ
る。比表面積が余り小さいと高密度記録に充分に対応で
きなくなり、又余り大き過ぎても分散が充分に行えず、
従って平滑な面の磁性層が形成できなくなるため同様に
高密度記録に対応できなくなる。強磁性金属粉末は、少
なくともFeを含む。具体的には、Fe、Fe−Co、
Fe−Ni、Fe−Zn−Ni又はFe−Ni−Coを
主体とした金属単体あるいは合金である。またこれらの
強磁性金属粉末の磁気特性については、高い記録密度を
達成するために、その飽和磁化量(飽和磁束密度)(σ
s )は110emu/g以上、好ましくは120emu
/g以上、170emu/g以下である。又保磁力(H
c)は、1400〜2500エルステッド(Oe)(好
ましくは、1500〜2400Oe)の範囲である。ま
た透過型電子顕微鏡により求められる粉末の長軸長(す
なわち、平均粒子径)は、0.5μm以下、好ましく
は、0.01〜0.3μmで軸比(長軸長/短軸長、針
状比)は、5〜20、好ましくは、5〜15である。更
に特性を改良するために、組成中にB、C、Al、S
i、P等の非金属、もしくはその塩、酸化物が添加され
ることもある。通常、前記金属粉末の粒子表面は、化学
的に安定させるために酸化物の層が形成されている。
【0023】上記板状六方晶フェライト粉末は、その比
表面積が25〜65m2 /g、板状比(板径/板厚)が
2〜15、そして粒子サイズ(板径)が0.02〜1.
0μmである。板状六方晶フェライト粉末は、強磁性金
属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小
さすぎても高密度記録が難しくなる。板状六方晶フェラ
イトとしては、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化
容易軸がある強磁性体であって、具体的には、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライト、及びそれらのコバルト置換
体等を挙げることができる。これらの中では、特にバリ
ウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェ
ライトのコバルト置換体が好ましい。本発明で用いる板
状六方晶フェライトには、更に必要に応じてその特性を
改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を
添加してもよい。またこれらの板状六方晶フェライト粉
末の磁気特性については、高い記録密度を達成するため
に、前記のような粒子サイズが必要であると同時に飽和
磁化(σs )は少なくとも50emu/g以上、好まし
くは53emu/g以上である。又保磁力(Hc)は、
700〜2000エルステッド(Oe)の範囲であり、
900〜1600Oeの範囲であることが好ましい。
表面積が25〜65m2 /g、板状比(板径/板厚)が
2〜15、そして粒子サイズ(板径)が0.02〜1.
0μmである。板状六方晶フェライト粉末は、強磁性金
属粉末と同じ理由からその粒子サイズが大きすぎても小
さすぎても高密度記録が難しくなる。板状六方晶フェラ
イトとしては、平板状でその平板面に垂直な方向に磁化
容易軸がある強磁性体であって、具体的には、バリウム
フェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライ
ト、カルシウムフェライト、及びそれらのコバルト置換
体等を挙げることができる。これらの中では、特にバリ
ウムフェライトのコバルト置換体、ストロンチウムフェ
ライトのコバルト置換体が好ましい。本発明で用いる板
状六方晶フェライトには、更に必要に応じてその特性を
改良するためにIn、Zn、Ge、Nb、V等の元素を
添加してもよい。またこれらの板状六方晶フェライト粉
末の磁気特性については、高い記録密度を達成するため
に、前記のような粒子サイズが必要であると同時に飽和
磁化(σs )は少なくとも50emu/g以上、好まし
くは53emu/g以上である。又保磁力(Hc)は、
700〜2000エルステッド(Oe)の範囲であり、
900〜1600Oeの範囲であることが好ましい。
【0024】上記強磁性粉末の含水率は0.01〜2重
量%とすることが好ましい。また結合剤の種類によって
含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末のpH
は用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが
好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、好ま
しくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要に応
じて、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処
理を施してもよい。表面処理を施す際のその使用量は、
通常強磁性粉末に対して、0.1〜10重量%である。
表面処理を施すことにより、脂肪酸などの潤滑剤の吸着
を100mg/m2 以下に抑えることができる。強磁性
粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、及びSrな
どが無機イオンとして含まれる場合があるが、その含有
量は5000ppm以下であれば特性に影響を与えるこ
とはない。
量%とすることが好ましい。また結合剤の種類によって
含水率を最適化することが好ましい。強磁性粉末のpH
は用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが
好ましく、そのpHは通常4〜12の範囲であり、好ま
しくは5〜10の範囲である。強磁性粉末は、必要に応
じて、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処
理を施してもよい。表面処理を施す際のその使用量は、
通常強磁性粉末に対して、0.1〜10重量%である。
表面処理を施すことにより、脂肪酸などの潤滑剤の吸着
を100mg/m2 以下に抑えることができる。強磁性
粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、及びSrな
どが無機イオンとして含まれる場合があるが、その含有
量は5000ppm以下であれば特性に影響を与えるこ
とはない。
【0025】潤滑剤は、前述した非磁性層に含有させる
ことができる潤滑剤を使用することができる。潤滑剤の
通常の添加量は、強磁性粉末100重量部に対して、
0.2〜20重量部の範囲である。
ことができる潤滑剤を使用することができる。潤滑剤の
通常の添加量は、強磁性粉末100重量部に対して、
0.2〜20重量部の範囲である。
【0026】カーボンブラックとしては、前述した非磁
性層に含有させることができるカーボンブラックを使用
することができる。但し、磁性層で使用するカーボンブ
ラックは、その平均粒子径が、5mμ〜350mμ(更
に好ましくは、10mμ〜300mμ)の範囲にあるこ
とが好ましい。カーボンブラックは、平均粒子径の異な
るものを二種以上使用することができる。カーボンブラ
ックの添加量は、通常強磁性粉末100重量部に対し
て、0.1〜30重量部(好ましくは、0.2〜15重
量部)の範囲である。
性層に含有させることができるカーボンブラックを使用
することができる。但し、磁性層で使用するカーボンブ
ラックは、その平均粒子径が、5mμ〜350mμ(更
に好ましくは、10mμ〜300mμ)の範囲にあるこ
とが好ましい。カーボンブラックは、平均粒子径の異な
るものを二種以上使用することができる。カーボンブラ
ックの添加量は、通常強磁性粉末100重量部に対し
て、0.1〜30重量部(好ましくは、0.2〜15重
量部)の範囲である。
【0027】上記研磨剤としては、例えば、溶融アルミ
ナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr203 )、コランダ
ム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)を挙げることができる。これらの研磨剤は、モース
硬度5以上(好ましくは、6以上)であり、平均粒子径
が、0.05〜1μmの大きさのもの(更に好ましく
は、0.2〜0.8μm、特に0.2〜0.5μm)が
好ましい。研磨剤の添加量は、通常強磁性粉末100重
量部に対して、3〜25重量部(好ましくは、3〜20
重量部)の範囲である。
ナ、炭化珪素、酸化クロム(Cr203 )、コランダ
ム、人造コランダム、ダイアモンド、人造ダイアモン
ド、ザクロ石、エメリー(主成分:コランダムと磁鉄
鉱)を挙げることができる。これらの研磨剤は、モース
硬度5以上(好ましくは、6以上)であり、平均粒子径
が、0.05〜1μmの大きさのもの(更に好ましく
は、0.2〜0.8μm、特に0.2〜0.5μm)が
好ましい。研磨剤の添加量は、通常強磁性粉末100重
量部に対して、3〜25重量部(好ましくは、3〜20
重量部)の範囲である。
【0028】[バックコート層]一般に、本発明のよう
なコンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテ
ープ、オーディオテープに比較して、繰り返し走行性が
強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させ
るために、バックコート層には、カーボンブラックと無
機粉末が含有されている。カーボンブラックは、平均粒
子サイズの異なる二種類のものを組み合わせて使用する
ことが好ましい。この場合、平均粒子サイズが10〜2
0mμの微粒子状カーボンブラックと平均粒子サイズが
230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックを組み
合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のよう
な微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコ
ート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も
低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光
透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多く
あるため、このような場合には特に微粒子状のカーボン
ブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブ
ラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用
時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、粒子サイズが
230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックは、固
体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表
面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係
数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラッ
クは、過酷な走行系では、テープ摺動により、バックコ
ート層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大に
つながる欠点を有している。
なコンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテ
ープ、オーディオテープに比較して、繰り返し走行性が
強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させ
るために、バックコート層には、カーボンブラックと無
機粉末が含有されている。カーボンブラックは、平均粒
子サイズの異なる二種類のものを組み合わせて使用する
ことが好ましい。この場合、平均粒子サイズが10〜2
0mμの微粒子状カーボンブラックと平均粒子サイズが
230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックを組み
合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のよう
な微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコ
ート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も
低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光
透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多く
あるため、このような場合には特に微粒子状のカーボン
ブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブ
ラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用
時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、粒子サイズが
230〜300mμの粗粒子状カーボンブラックは、固
体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表
面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係
数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラッ
クは、過酷な走行系では、テープ摺動により、バックコ
ート層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大に
つながる欠点を有している。
【0029】微粒子状カーボンブラックの具体的な商品
としては、以下のものを挙げることができる。RAVE
N2000B(18mμ)、RAVEN1500B(1
7mμ)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP80
0(17mμ)(キャボット社製)、PRINNTEX
90(14mμ)、PRINTEX95(15mμ)、
PRINTEX85(16mμ)、PRINTEX75
(17mμ)(以上、デグサ社製)、#3950(16
mμ)(三菱化成工業(株)製)。また粗粒子カーボン
ブラックの具体的な商品の例としては、サーマルブラッ
ク(270mμ)(カーンカルブ社製)、RAVEN
MTP(275mμ)(コロンビアカーボン社製)を挙
げることができる。
としては、以下のものを挙げることができる。RAVE
N2000B(18mμ)、RAVEN1500B(1
7mμ)(以上、コロンビアカーボン社製)、BP80
0(17mμ)(キャボット社製)、PRINNTEX
90(14mμ)、PRINTEX95(15mμ)、
PRINTEX85(16mμ)、PRINTEX75
(17mμ)(以上、デグサ社製)、#3950(16
mμ)(三菱化成工業(株)製)。また粗粒子カーボン
ブラックの具体的な商品の例としては、サーマルブラッ
ク(270mμ)(カーンカルブ社製)、RAVEN
MTP(275mμ)(コロンビアカーボン社製)を挙
げることができる。
【0030】バックコート層において、平均粒子サイズ
の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20mμ
の微粒子状カーボンブラックと230〜300mμの粗
粒子状カーボンブラックの含有比率(重量比)は、前
者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲
である。バックコート層中のカーボンブラック(二種類
のものを使用する場合は、その全量)の含有量は、結合
剤100重量部に対して、通常30〜80重量部の範囲
であり、好ましくは、45〜65重量部の範囲である。
の異なる二種類のものを使用する場合、10〜20mμ
の微粒子状カーボンブラックと230〜300mμの粗
粒子状カーボンブラックの含有比率(重量比)は、前
者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好
ましく、更に好ましくは、95:5〜85:15の範囲
である。バックコート層中のカーボンブラック(二種類
のものを使用する場合は、その全量)の含有量は、結合
剤100重量部に対して、通常30〜80重量部の範囲
であり、好ましくは、45〜65重量部の範囲である。
【0031】無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを
併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜
4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉
末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.
5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行によ
る摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範
囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもな
い。またこの無機粉末の平均粒子サイズは、30〜50
mμの範囲にあることが好ましい。モース硬度が3〜
4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げるこ
とができる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組
み合わせて使用することができる。これらの中では、特
に、炭酸カルシウムが好ましい。
併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜
4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉
末とを使用することが好ましい。モース硬度が3〜4.
5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行によ
る摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範
囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもな
い。またこの無機粉末の平均粒子サイズは、30〜50
mμの範囲にあることが好ましい。モース硬度が3〜
4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウ
ム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げるこ
とができる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組
み合わせて使用することができる。これらの中では、特
に、炭酸カルシウムが好ましい。
【0032】バックコート層内の軟質無機粉末の含有量
は、カーボンブラック100重量部に対して10〜14
0重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましく
は、35〜100重量部である。
は、カーボンブラック100重量部に対して10〜14
0重量部の範囲にあることが好ましく、更に好ましく
は、35〜100重量部である。
【0033】モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加
することにより、バックコート層の強度が強化され、走
行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラ
ックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺
動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層とな
る。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付
与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減
する。特に軟質無機粉末(中でも、炭酸カルシウム)と
併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特
性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図る
ことができる。硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが
80〜250mμ(更に好ましくは、100〜210m
μ)の範囲にあることが好ましい。
することにより、バックコート層の強度が強化され、走
行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラ
ックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺
動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層とな
る。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付
与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減
する。特に軟質無機粉末(中でも、炭酸カルシウム)と
併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特
性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図る
ことができる。硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが
80〜250mμ(更に好ましくは、100〜210m
μ)の範囲にあることが好ましい。
【0034】モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末とし
ては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化ク
ロム(Cr2 O3 )を挙げることができる。これらの粉
末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用し
ても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミ
ナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラ
ック100重量部に対して通常3〜30重量部であり、
好ましくは、3〜20重量部である。
ては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化ク
ロム(Cr2 O3 )を挙げることができる。これらの粉
末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用し
ても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミ
ナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラ
ック100重量部に対して通常3〜30重量部であり、
好ましくは、3〜20重量部である。
【0035】バックコート層に前記軟質無機粉末と硬質
無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉
末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以
上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無
機粉末とを選択して使用することが好ましい。
無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉
末との硬さの差が、2以上(更に好ましくは、2.5以
上、特に、3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無
機粉末とを選択して使用することが好ましい。
【0036】バックコート層には、前記それぞれ特定の
平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無
機粉末と、上記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボ
ンブラックとが含有されていることが好ましい。特に、
この組み合わせにおいて、軟質無機粉末として炭酸カル
シウムが含有されていることが好ましい。
平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無
機粉末と、上記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボ
ンブラックとが含有されていることが好ましい。特に、
この組み合わせにおいて、軟質無機粉末として炭酸カル
シウムが含有されていることが好ましい。
【0037】バックコート層には、潤滑剤を含有させる
ことができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは
磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から
適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤
滑剤は、結合剤100重量部に対して通常1〜5重量部
の範囲で添加される。
ことができる。潤滑剤は、前述した非磁性層、あるいは
磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から
適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤
滑剤は、結合剤100重量部に対して通常1〜5重量部
の範囲で添加される。
【0038】[結合剤]磁性層、非磁性層及びバックコ
ート層の形成に使用される結合剤としては、例えば、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物を挙げることができる。熱可塑性樹脂の例としては、
塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン
酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エ
ステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチ
ラール、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成
単位として含む重合体、あるいは共重合体を挙げること
ができる。共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリルニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリ
ルニトリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン
共重合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸
エステル共重合体を挙げることができる。上記の他に、
ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニ
ル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂なども利用することができる。
ート層の形成に使用される結合剤としては、例えば、熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合
物を挙げることができる。熱可塑性樹脂の例としては、
塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン
酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エ
ステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチ
ラール、ビニルアセタール、及びビニルエーテルを構成
単位として含む重合体、あるいは共重合体を挙げること
ができる。共重合体としては、例えば、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニル−アクリルニトリル共重合体、アクリル
酸エステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステル
−スチレン共重合体、メタアクリル酸エステル−アクリ
ルニトリル共重合体、メタアクリル酸エステル−塩化ビ
ニリデン共重合体、メタアクリル酸エステル−スチレン
共重合体、塩ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体、クロロビニルエーテル−アクリル酸
エステル共重合体を挙げることができる。上記の他に、
ポリアミド樹脂、繊維素系樹脂(セルロースアセテート
ブチレート、セルロースダイアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロースなど)、ポリ弗化ビニ
ル、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系
樹脂なども利用することができる。
【0039】また熱硬化性樹脂または反応型樹脂として
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げること
ができる。
は、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹
脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリ
コーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル
樹脂とポリイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリ
エステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポ
リウレタンとポリイソシアネートの混合物を挙げること
ができる。
【0040】上記ポリウレタン樹脂は、ポリエステルポ
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及
びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する
公知のものが使用できる。
リウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテル
ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレ
タン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、及
びポリカプロラクトンポリウレタンなどの構造を有する
公知のものが使用できる。
【0041】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2−トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネ
ート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールと
の生成物、及びイソシアネート類の縮合によって生成し
たポリイソシアネ−トを挙げることができる。
ば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,2−トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ト
リフェニルメタントリイソシアネートなどのイソシアネ
ート類、これらのイソシアネート類とポリアルコールと
の生成物、及びイソシアネート類の縮合によって生成し
たポリイソシアネ−トを挙げることができる。
【0042】本発明においては、その磁性層及び非磁性
層の結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、及びニトロセルロースの中から選ばれる少な
くとも1種の樹脂と、ポリウレタン樹脂との組合せ、ま
たはこれらに更にポリイソシアネートを組み合わて構成
することが好ましい。
層の結合剤は、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコー
ル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸
共重合体、及びニトロセルロースの中から選ばれる少な
くとも1種の樹脂と、ポリウレタン樹脂との組合せ、ま
たはこれらに更にポリイソシアネートを組み合わて構成
することが好ましい。
【0043】なお、結合剤としては、より優れた分散性
と得られる層の耐久性を得るために必要に応じて、−C
OOM、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)
2 、−O−P=O(OM)2 (Mは水素原子、またはア
ルカリ金属を表わす。)、−OH、−NR2 、−N+ R
3 (Rは炭化水素基を表わす。)、エポキシ基、−S
H、−CNなどから選ばれる少なくともひとつの極性基
を共重合または付加反応により導入したものを用いるこ
とが好ましい。このような極性基は、結合剤に、10-1
〜10-8モル/g(更に好ましくは、10-2〜10-6モ
ル/g)の量で導入されていることが好ましい。
と得られる層の耐久性を得るために必要に応じて、−C
OOM、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)
2 、−O−P=O(OM)2 (Mは水素原子、またはア
ルカリ金属を表わす。)、−OH、−NR2 、−N+ R
3 (Rは炭化水素基を表わす。)、エポキシ基、−S
H、−CNなどから選ばれる少なくともひとつの極性基
を共重合または付加反応により導入したものを用いるこ
とが好ましい。このような極性基は、結合剤に、10-1
〜10-8モル/g(更に好ましくは、10-2〜10-6モ
ル/g)の量で導入されていることが好ましい。
【0044】結合剤は、磁性層の強磁性粉末、あるいは
非磁性層の非磁性粉末100重量部に対して、通常5〜
50重量部(好ましくは10〜30重量部)の範囲で用
いられる。なお、磁性層、あるいは非磁性層に結合剤と
して塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイ
ソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中
に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレタン
樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネートが2
〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いることが
好ましい。バックコート層において上記結合剤はバック
コート層のカーボンブラック100重量部に対して、通
常5〜250重量部(好ましくは10〜200重量部)
の範囲で用いられる。
非磁性層の非磁性粉末100重量部に対して、通常5〜
50重量部(好ましくは10〜30重量部)の範囲で用
いられる。なお、磁性層、あるいは非磁性層に結合剤と
して塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、及びポリイ
ソシアネートを組み合わせて用いる場合は、全結合剤中
に、塩化ビニル系樹脂が5〜70重量%、ポリウレタン
樹脂が2〜50重量%、そしてポリイソシアネートが2
〜50重量%の範囲の量で含まれるように用いることが
好ましい。バックコート層において上記結合剤はバック
コート層のカーボンブラック100重量部に対して、通
常5〜250重量部(好ましくは10〜200重量部)
の範囲で用いられる。
【0045】[任意成分]磁気テープの磁性層、非磁性
層、そしてバックコート層を形成するための塗布液に
は、磁性粉末、あるいは非磁性粉末等を結合剤中に良好
に分散させるために、分散剤を添加することができる。
また必要に応じて、各層には、可塑剤、カーボンブラッ
ク以外の導電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤なども添加
することができる。分散剤としては、例えば、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭
素数12〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数1
1〜17個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂
肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属
石けん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合
物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素
数1〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンな
ど)、硫酸塩、及び銅フタロシアニン等を使用すること
ができる。これらは、単独でも組み合わせて使用しても
良い。特に、バックコート層には、オレイン酸銅、銅フ
タロシアニン、及び硫酸バリウムを組み合わせて使用す
ることが好ましい。分散剤は、いずれの層においても結
合剤100重量部に対して通常、0.5〜20重量部の
範囲で添加される。
層、そしてバックコート層を形成するための塗布液に
は、磁性粉末、あるいは非磁性粉末等を結合剤中に良好
に分散させるために、分散剤を添加することができる。
また必要に応じて、各層には、可塑剤、カーボンブラッ
ク以外の導電性粒子(帯電防止剤)、防黴剤なども添加
することができる。分散剤としては、例えば、カプリル
酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジ
ン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等の炭
素数12〜18個の脂肪酸(RCOOH、Rは炭素数1
1〜17個のアルキル基、又はアルケニル基)、前記脂
肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属からなる金属
石けん、前記の脂肪酸エステルのフッ素を含有した化合
物、前記脂肪酸のアミド、ポリアルキレンオキサイドア
ルキルリン酸エステル、レシチン、トリアルキルポリオ
レフィンオキシ第四級アンモニウム塩(アルキルは炭素
数1〜5個、オレフィンは、エチレン、プロピレンな
ど)、硫酸塩、及び銅フタロシアニン等を使用すること
ができる。これらは、単独でも組み合わせて使用しても
良い。特に、バックコート層には、オレイン酸銅、銅フ
タロシアニン、及び硫酸バリウムを組み合わせて使用す
ることが好ましい。分散剤は、いずれの層においても結
合剤100重量部に対して通常、0.5〜20重量部の
範囲で添加される。
【0046】[非磁性支持体]非磁性支持体の材質は、
従来から磁気テープの支持体として用いられていたもの
を使用することができる。具体的には、ポリエステル類
(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタ
レートとポリエチレンナフタレートとの混合物、エチレ
ンテレフタレート成分とエチレンナフタレート成分を含
む共重合物)、ポリオレフィン類(例、ポリプロピレ
ン)、セルロース誘導体類(セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート)、ポリカーボネート、ポリ
アミド(中でも芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイ
ミド(中でも全芳香族ポリイミド)などの合成樹脂のフ
イルムから選んで使用することができる。非磁性支持体
は、磁気テープの態様に応じて選ぶことができるが、例
えば、DDS型システム対応の磁気テープにおいては、
芳香族ポリアミドフィルム(特に、アラミドフィルム)
を使用することが好ましい。また、この場合、芳香族ポ
リアミド支持体としては、その長さ方向のヤング率が、
900〜1700kg/mm2 (更に好ましくは、10
00〜1400kg/mm2 )の範囲にあることが好ま
しい。また、その幅方向のヤング率が、1200〜20
00kg/mm2 (更に好ましくは、1500〜190
0kg/mm2 )の範囲にあることが好ましい。更に用
いる非磁性支持体の厚みは、3.0〜6.0μm(更に
好ましくは、3.5〜5.5μm、特に4.0〜5.0
μm)の範囲にあることが好ましい。また、DLT型シ
ステム対応の磁気テープにおいては、支持体としてポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いるこ
とが好ましい。また、DLT型システム対応の磁気テー
プにおいては、その支持体の厚みは、3.0〜6.5μ
m(更に好ましくは、4.0〜6.0μm)の範囲にあ
ることが好ましい。
従来から磁気テープの支持体として用いられていたもの
を使用することができる。具体的には、ポリエステル類
(例、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエ
チレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタ
レートとポリエチレンナフタレートとの混合物、エチレ
ンテレフタレート成分とエチレンナフタレート成分を含
む共重合物)、ポリオレフィン類(例、ポリプロピレ
ン)、セルロース誘導体類(セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート)、ポリカーボネート、ポリ
アミド(中でも芳香族ポリアミド、アラミド)、ポリイ
ミド(中でも全芳香族ポリイミド)などの合成樹脂のフ
イルムから選んで使用することができる。非磁性支持体
は、磁気テープの態様に応じて選ぶことができるが、例
えば、DDS型システム対応の磁気テープにおいては、
芳香族ポリアミドフィルム(特に、アラミドフィルム)
を使用することが好ましい。また、この場合、芳香族ポ
リアミド支持体としては、その長さ方向のヤング率が、
900〜1700kg/mm2 (更に好ましくは、10
00〜1400kg/mm2 )の範囲にあることが好ま
しい。また、その幅方向のヤング率が、1200〜20
00kg/mm2 (更に好ましくは、1500〜190
0kg/mm2 )の範囲にあることが好ましい。更に用
いる非磁性支持体の厚みは、3.0〜6.0μm(更に
好ましくは、3.5〜5.5μm、特に4.0〜5.0
μm)の範囲にあることが好ましい。また、DLT型シ
ステム対応の磁気テープにおいては、支持体としてポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いるこ
とが好ましい。また、DLT型システム対応の磁気テー
プにおいては、その支持体の厚みは、3.0〜6.5μ
m(更に好ましくは、4.0〜6.0μm)の範囲にあ
ることが好ましい。
【0047】[製造方法]本発明の磁気テープは、従来
の製造工程に更に所定の熱収縮率に調節するための工程
を導入することにより、製造することができる。所定の
熱収縮率に調節するための好ましい方法としては、例え
ば、加熱処理法を挙げることができる。そしてこの加熱
処理法による工程は、磁気テープの製造工程において、
カレンダ処理工程の前(乾燥工程の後)、カレンダ処理
工程の後、あるいはカレンダ処理工程の前後に導入する
ことが好ましい。
の製造工程に更に所定の熱収縮率に調節するための工程
を導入することにより、製造することができる。所定の
熱収縮率に調節するための好ましい方法としては、例え
ば、加熱処理法を挙げることができる。そしてこの加熱
処理法による工程は、磁気テープの製造工程において、
カレンダ処理工程の前(乾燥工程の後)、カレンダ処理
工程の後、あるいはカレンダ処理工程の前後に導入する
ことが好ましい。
【0048】以下、本発明の磁気テープの製造法を工程
順に簡単に説明する。 (工程1) i )まず、各層の塗布液を調製する。 ii) 調製した非磁性層及び磁性層形成用塗布液を長尺状
の非磁性支持体の一方の側に塗布し、非磁性層及び磁性
層を形成する。磁性層及び非磁性層の形成方法は特に限
定されないが、磁性層は、非磁性層用塗布液を支持体上
に塗布後、形成された塗布層(非磁性層)が湿潤状態に
あるうちにこの上に磁性層用塗布液を塗布する、所謂ウ
エット・オン・ウエット方式による塗布方法を利用して
形成されたものであることが好ましい。
順に簡単に説明する。 (工程1) i )まず、各層の塗布液を調製する。 ii) 調製した非磁性層及び磁性層形成用塗布液を長尺状
の非磁性支持体の一方の側に塗布し、非磁性層及び磁性
層を形成する。磁性層及び非磁性層の形成方法は特に限
定されないが、磁性層は、非磁性層用塗布液を支持体上
に塗布後、形成された塗布層(非磁性層)が湿潤状態に
あるうちにこの上に磁性層用塗布液を塗布する、所謂ウ
エット・オン・ウエット方式による塗布方法を利用して
形成されたものであることが好ましい。
【0049】上記ウエット・オン・ウエット方式による
塗布方法としては、例えば以下の方法を挙げることがで
きる。 (1)グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ある
いはエクストルージョン塗布装置などを用いて、支持体
上にまず非磁性層を形成し、該非磁性層が湿潤状態にあ
るうちに、支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、磁性層を形成する方法(特開昭60−23817
9号、特公平1−46186号、及び特開平2−265
672号公報参照)。 (2)二つの塗布液用スリットを備えた単一の塗布ヘッ
ドからなる塗布装置を用いて支持体上に磁性層、及び非
磁性層をほぼ同時に形成する方法(特開昭63−880
80号、特開平2−17921号、及び特開平2−26
5672号各公報参照)。 (3)バックアップローラ付きエクストルージョン塗布
装置を用いて、支持体上に磁性層及び非磁性層をほぼ同
時に形成する方法(特開平2−174965号公報参
照)。非磁性層及び磁性層は同時重層塗布法を利用して
形成することが好ましい。 iii)非磁性層及び磁性層を形成後、乾燥する。
塗布方法としては、例えば以下の方法を挙げることがで
きる。 (1)グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、ある
いはエクストルージョン塗布装置などを用いて、支持体
上にまず非磁性層を形成し、該非磁性層が湿潤状態にあ
るうちに、支持体加圧型エクストルージョン塗布装置に
より、磁性層を形成する方法(特開昭60−23817
9号、特公平1−46186号、及び特開平2−265
672号公報参照)。 (2)二つの塗布液用スリットを備えた単一の塗布ヘッ
ドからなる塗布装置を用いて支持体上に磁性層、及び非
磁性層をほぼ同時に形成する方法(特開昭63−880
80号、特開平2−17921号、及び特開平2−26
5672号各公報参照)。 (3)バックアップローラ付きエクストルージョン塗布
装置を用いて、支持体上に磁性層及び非磁性層をほぼ同
時に形成する方法(特開平2−174965号公報参
照)。非磁性層及び磁性層は同時重層塗布法を利用して
形成することが好ましい。 iii)非磁性層及び磁性層を形成後、乾燥する。
【0050】(工程2) iv)次に、非磁性支持体の他方の側にバックコート層形
成用塗布液を塗布し、バックコート層を形成する。 v )バックコート層を形成後、乾燥する。
成用塗布液を塗布し、バックコート層を形成する。 v )バックコート層を形成後、乾燥する。
【0051】(工程3) vi)所定の熱収縮率に調節するための加熱処理を行う。
加熱処理条件は、連続走行する磁気テープ(磁気記録積
層体)の張力が、1〜5kg/mで温度80〜150℃
(更に好ましくは、85〜130℃)の範囲であること
が好ましい。但し、ここでの加熱処理は、加熱温度によ
るが、各層が硬化し過ぎることのないように短時間で行
うことが好ましい。具体的には、その時間は、1秒〜1
分(更に好ましくは、1秒〜30秒)の範囲にあること
が好ましい。 vii)磁気記録積層体をロールに巻き取る。 viii)カレンダ処理を行う。
加熱処理条件は、連続走行する磁気テープ(磁気記録積
層体)の張力が、1〜5kg/mで温度80〜150℃
(更に好ましくは、85〜130℃)の範囲であること
が好ましい。但し、ここでの加熱処理は、加熱温度によ
るが、各層が硬化し過ぎることのないように短時間で行
うことが好ましい。具体的には、その時間は、1秒〜1
分(更に好ましくは、1秒〜30秒)の範囲にあること
が好ましい。 vii)磁気記録積層体をロールに巻き取る。 viii)カレンダ処理を行う。
【0052】(工程4) ix)所定の熱収縮率に調節するための加熱処理を行う。
この場合の加熱処理は、ロールに巻かれた状態で、比較
的低い加熱温度で長時間保存することにより、行われ
る。具体的な処理条件は、ロールの状態(張力として
は、2〜5kg/m)で温度30〜80℃の範囲にある
ことが好ましく、加熱処理時間は、15時間〜50時間
(更に好ましくは、20〜30時間)の範囲にあること
が好ましい。なお、所定の熱収縮率を得るためには、上
記(vi)及び(ix)の工程のうちのいずれか一方の工程
を導入すれば良いが、熱収縮率を更に低下(0.06%
以下)させるためには、両工程を導入することが好まし
い。 x )所定の幅に裁断する。 xi)所定のカートリッジに巻き込み、磁気テープを作製
する。
この場合の加熱処理は、ロールに巻かれた状態で、比較
的低い加熱温度で長時間保存することにより、行われ
る。具体的な処理条件は、ロールの状態(張力として
は、2〜5kg/m)で温度30〜80℃の範囲にある
ことが好ましく、加熱処理時間は、15時間〜50時間
(更に好ましくは、20〜30時間)の範囲にあること
が好ましい。なお、所定の熱収縮率を得るためには、上
記(vi)及び(ix)の工程のうちのいずれか一方の工程
を導入すれば良いが、熱収縮率を更に低下(0.06%
以下)させるためには、両工程を導入することが好まし
い。 x )所定の幅に裁断する。 xi)所定のカートリッジに巻き込み、磁気テープを作製
する。
【0053】本発明の磁気テープのバックコート層の表
面は、テープが巻かれた状態で磁性層の表面に転写され
る傾向にある。このためバックコート層の表面も比較的
高い平滑性を有していることが好ましい。本発明の磁気
テープのバックコート層の表面は、その表面粗さRa
(カットオフ0.08mmの中心線平均粗さ)が、0.
003〜0.060μmの範囲にあるように調整されて
いることが好ましい。なお、表面粗さは、通常塗膜形成
後、カレンダによる表面処理工程において、用いるカレ
ンダロールの材質、その表面性、そして圧力等により、
調節することができる。
面は、テープが巻かれた状態で磁性層の表面に転写され
る傾向にある。このためバックコート層の表面も比較的
高い平滑性を有していることが好ましい。本発明の磁気
テープのバックコート層の表面は、その表面粗さRa
(カットオフ0.08mmの中心線平均粗さ)が、0.
003〜0.060μmの範囲にあるように調整されて
いることが好ましい。なお、表面粗さは、通常塗膜形成
後、カレンダによる表面処理工程において、用いるカレ
ンダロールの材質、その表面性、そして圧力等により、
調節することができる。
【0054】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を記載し、本発明
を更に具体的に説明する。尚、以下に示す「部」は、特
に断らない限り「重量部」を表わす。
を更に具体的に説明する。尚、以下に示す「部」は、特
に断らない限り「重量部」を表わす。
【0055】[実施例1] [非磁性層形成用塗布液及び磁性層形成用塗布液の調製] (非磁性層形成用成分) 非磁性粉末 二酸化チタンTiO2 (ルチル型) 90部 [TiO2 含有量:90%以上 平均一次粒子径:0.035μm BET法による比表面積:40m2 /g pH:7.0 DBP吸油量:27〜38g/100g モース硬度:6.0 表面処理剤(A12 03 )] カーボンブラック(三菱カーボン(株)製) 10部 [平均一次粒子径:16mμ DBP吸油量:80ml/100g pH:8.0 BET法による比表面積:250m2 /g 揮発分:1.5%] 極性基(−SO3 Na基、エポキシ基)含有塩化ビニル樹脂 12部 [(MR−110、日本ゼオン(株)製)] 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 5部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基1×10-4モル/g含有] ポリイソシアネート 3部 [(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)] ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部 トルエン 40部
【0056】 (磁性層形成用成分) 強磁性金属粉末 100部 [保磁力(Hc):1800エルステッド(Oe) BET法による比表面積:58m2 /g 結晶子サイズ:175Å 飽和磁化量(σs):130emu/g 粒子サイズ(平均長軸径):0.1μm 針状比:7 pH:8.2 水溶性Na:70pm 水溶性Ca:10ppm 水溶性Fe:10ppm] 磁性体表面処理剤[(フェニルホスホン酸)] 3部 極性基(−SO3 Na基)含有塩化ビニル系共重合体 10部 [−SO3 Na基含有量:5×10-6モル/g、重合度350 エポキシ基含有量:モノマー単位で3.5重量% (MR−110、日本ゼオン(株)製)] 極性基(−SO3 Na基)含有ポリエステルポリウレタン樹脂 2.5部 [ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/ MDI=0.9/2.6/1(重量比) −SO3 Na基含有量:1×10-4モル/g] ポリイソシアネート 2.5部 [(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)] α−アルミナ[(粒子サイズ:0.3μm)] 10部 三酸化二クロム 1部 カ−ボンブラック[(粒子サイズ:0.10μm)] 3部 ブチルステアレート 1部 ステアリン酸 2部 オレイン酸 1部 メチルエチルケトン 150部 シクロヘキサノン 50部 トルエン 40部
【0057】上記非磁性層又は磁性層を形成する各成分
をそれぞれ連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用
いて分散させた。得られたそれぞれの分散液に上記ポリ
イソシアネートを非磁性層の分散液には2.5部、そし
て磁性層の分散液には3部を加え、更にそれぞれに酢酸
ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィル
タを用いて濾過し、非磁性層形成用塗布液および磁性層
形成用塗布液をそれぞれ調製した。
をそれぞれ連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用
いて分散させた。得られたそれぞれの分散液に上記ポリ
イソシアネートを非磁性層の分散液には2.5部、そし
て磁性層の分散液には3部を加え、更にそれぞれに酢酸
ブチル40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィル
タを用いて濾過し、非磁性層形成用塗布液および磁性層
形成用塗布液をそれぞれ調製した。
【0058】 [バックコート層形成用塗布液の調製] (バックコート層形成用成分) 微粒子状カーボンブラック粉末 100部 [(キャボット社製、BP−800、平均粒子サイズ:17mμ)] 粗粒子状カーボンブラック粉末 10部 [(カーンカルブ社製、サーマルブラック、 平均粒子サイズ:270mμ)] 炭酸カルシウム(軟質無機粉末) 80部 [(白石工業(株)製、白艶華O、平均粒子サイズ:40mμ、 モース硬度:3)] α−アルミナ(硬質無機粉末) 5部 [(平均粒子サイズ:200mμ、モース硬度:9)] ニトロセルロース樹脂 140部 ポリウレタン樹脂 15部 ポリイソシアネート 40部 [(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)] ポリエステル樹脂 5部 分散剤:オレイン酸銅 5部 銅フタロシアニン 5部 硫酸バリウム 5部 [BF−1、平均粒子径:50mμ、モース硬度3、 堺化学工業(株)製] メチルエチルケトン 2200部 酢酸ブチル 300部 トルエン 600部
【0059】上記バックコート層を形成する各成分を連
続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させ
た。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィル
ターを用いて濾過し、バックコート層形成用塗布液を調
製した。
続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させ
た。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィル
ターを用いて濾過し、バックコート層形成用塗布液を調
製した。
【0060】[磁気テープの作製]得られた非磁性層形
成用塗布液と磁性層形成用塗布液を、乾燥後の非磁性層
の厚さが2.0μmとなるように、またこの上に乾燥後
の磁性層の厚さが0.3μmとなるように長尺状のポリ
エチレンテレフタレート(PET)支持体(厚さ:6.
0μm、長さ(MD)方向のヤング率800kg/mm
2 、幅(TD)方向のヤング率450kg/mm2 、磁
性層塗布面の中心線平均表面粗さRa(カットオフ値:
0.25mm)8nm)上に同時重層塗布を行った。次
いで、両層がまだ湿潤状態にあるうちに、3000ガウ
スの磁束密度を持つコバルト磁石と1500ガウスの磁
束密度を持つソレノイドを用いて配向処理を行った。そ
の後、乾燥させることにより、非磁性層及び磁性層を形
成した(工程1)。
成用塗布液と磁性層形成用塗布液を、乾燥後の非磁性層
の厚さが2.0μmとなるように、またこの上に乾燥後
の磁性層の厚さが0.3μmとなるように長尺状のポリ
エチレンテレフタレート(PET)支持体(厚さ:6.
0μm、長さ(MD)方向のヤング率800kg/mm
2 、幅(TD)方向のヤング率450kg/mm2 、磁
性層塗布面の中心線平均表面粗さRa(カットオフ値:
0.25mm)8nm)上に同時重層塗布を行った。次
いで、両層がまだ湿潤状態にあるうちに、3000ガウ
スの磁束密度を持つコバルト磁石と1500ガウスの磁
束密度を持つソレノイドを用いて配向処理を行った。そ
の後、乾燥させることにより、非磁性層及び磁性層を形
成した(工程1)。
【0061】その後、支持体の他方の側(磁性層とは反
対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の
厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバッ
クコート層を形成した。支持体の一方の面に非磁性層と
磁性層とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞ
れ設けられた磁気記録積層体ロールを得た(工程2)。
対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の
厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバッ
クコート層を形成した。支持体の一方の面に非磁性層と
磁性層とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞ
れ設けられた磁気記録積層体ロールを得た(工程2)。
【0062】得られた磁気記録積層体ロールを温度11
0℃の熱処理ゾーン中をテンション3.0kg/mで5
秒間走行させ、加熱処理を行った。その後、更に加熱処
理後のロールを金属ロールのみから構成される7段のカ
レンダー処理機(温度90℃、線圧300kg/cm
2 )に通してカレンダー処理を行い、テンション5kg
/mで巻き取った(工程3)。
0℃の熱処理ゾーン中をテンション3.0kg/mで5
秒間走行させ、加熱処理を行った。その後、更に加熱処
理後のロールを金属ロールのみから構成される7段のカ
レンダー処理機(温度90℃、線圧300kg/cm
2 )に通してカレンダー処理を行い、テンション5kg
/mで巻き取った(工程3)。
【0063】次いで該ロールを1/2インチ幅にスリッ
トし、スリット後のテープをDLT型システム対応のカ
ートリッジ(Compact TapeIV)に557m巻き込み、本
発明に従うDLT4000用コンピュータデータ記録用
磁気テープを製造した(工程4)。なお、得られたバッ
クコート層の表面粗さ(Ra:カットオフ0.08mm
の中心線平均粗さ)は、0.04μmであった。
トし、スリット後のテープをDLT型システム対応のカ
ートリッジ(Compact TapeIV)に557m巻き込み、本
発明に従うDLT4000用コンピュータデータ記録用
磁気テープを製造した(工程4)。なお、得られたバッ
クコート層の表面粗さ(Ra:カットオフ0.08mm
の中心線平均粗さ)は、0.04μmであった。
【0064】[実施例2]実施例1の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度120℃の熱処理ゾーン中を同じ
テンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと
以外は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例1と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度120℃の熱処理ゾーン中を同じ
テンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと
以外は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例1と同じであった。
【0065】[実施例3]実施例1の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、その後、同じ条件でカレンダ処理を行い、次い
で、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロールを
スリットするまでの間に(工程4)、該ロールを温度7
0℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以外は、同様に
して本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1
と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、その後、同じ条件でカレンダ処理を行い、次い
で、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロールを
スリットするまでの間に(工程4)、該ロールを温度7
0℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以外は、同様に
して本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1
と同じであった。
【0066】[実施例4]実施例1の磁気テープの作製
において、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロ
ールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを
温度70℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以外は、
同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。なお、
得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実
施例1と同じであった。
において、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロ
ールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを
温度70℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以外は、
同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。なお、
得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実
施例1と同じであった。
【0067】[実施例5]実施例1において、非磁性層
の厚みが0.7μmとなるように塗布したこと及び非磁
性支持体として、その厚みが3.5μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)を用いたこと以外は、同様に
して本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1
と同じであった。
の厚みが0.7μmとなるように塗布したこと及び非磁
性支持体として、その厚みが3.5μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)を用いたこと以外は、同様に
して本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1
と同じであった。
【0068】[実施例6]実施例1において、非磁性支
持体として、その厚みが7.7μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)を用いたこと以外は、同様にして
本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた磁
気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同
じであった。
持体として、その厚みが7.7μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)を用いたこと以外は、同様にして
本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた磁
気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同
じであった。
【0069】[比較例1]実施例1の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行わな
かった以外は、同様にして比較用の磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例1と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行わな
かった以外は、同様にして比較用の磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例1と同じであった。
【0070】[比較例2]実施例1の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度70℃の熱処理ゾーン中を同じテ
ンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと以
外は、同様にして比較用の磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例1と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度70℃の熱処理ゾーン中を同じテ
ンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと以
外は、同様にして比較用の磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例1と同じであった。
【0071】[比較例3]実施例1の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダー処理後、得られた磁気記録積層体ロ
ールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを
温度40℃の熱処理ゾーンに12時間保存した以外は、
同様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得ら
れた磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例
1と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダー処理後、得られた磁気記録積層体ロ
ールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを
温度40℃の熱処理ゾーンに12時間保存した以外は、
同様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得ら
れた磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例
1と同じであった。
【0072】[比較例4]実施例1において、非磁性層
の厚みが0.7μmとなるように塗布したこと及び非磁
性支持体として、その厚みが2.5μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)を用いたこと以外は、同様に
して比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁
気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同
じであった。
の厚みが0.7μmとなるように塗布したこと及び非磁
性支持体として、その厚みが2.5μmのポリエチレン
テレフタレート(PET)を用いたこと以外は、同様に
して比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁
気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同
じであった。
【0073】[比較例5]実施例1において、非磁性支
持体として、その厚みが8.7μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)を用いたこと以外は、同様にして
比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テ
ープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同じで
あった。
持体として、その厚みが8.7μmのポリエチレンテレ
フタレート(PET)を用いたこと以外は、同様にして
比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テ
ープのバックコート層の表面粗さは、実施例1と同じで
あった。
【0074】[磁気テープとしての評価]得られたサン
プルを下記の評価方法にて評価した。 (1)磁気テープの熱収縮率 サンプル(長さ100mmの磁気テープ)にその長さ
(MD)方向に70mgの重りを下げ、これを70℃、
5%RH環境下にて24時間保存した。保存前後のサン
プルのMD方向の長さをコンパレータで測定し、下記式
より磁気テープの熱収縮率(%)を求めた。 磁気テープの熱収縮率(%)=(保存前のサンプル長−
保存後のサンプル長)/保存前のサンプル長×100
プルを下記の評価方法にて評価した。 (1)磁気テープの熱収縮率 サンプル(長さ100mmの磁気テープ)にその長さ
(MD)方向に70mgの重りを下げ、これを70℃、
5%RH環境下にて24時間保存した。保存前後のサン
プルのMD方向の長さをコンパレータで測定し、下記式
より磁気テープの熱収縮率(%)を求めた。 磁気テープの熱収縮率(%)=(保存前のサンプル長−
保存後のサンプル長)/保存前のサンプル長×100
【0075】(2)初期出力及び保存後の出力 QUANTUM社製DLT4000型ドライブを使用
し、磁気テープのBOT(Beginning of tape )とEO
T(End of tape )間のテープ長を100%とした時、
テープのBOTより93%〜98%の位置の2F出力を
測定した。測定値は、実施例1の保存前の出力(初期出
力)を100%として相対値で示した。更に60℃、9
0%RH環境下に1週間保存した後(保存後)、初期出
力の測定と同様にして2F出力を測定した。
し、磁気テープのBOT(Beginning of tape )とEO
T(End of tape )間のテープ長を100%とした時、
テープのBOTより93%〜98%の位置の2F出力を
測定した。測定値は、実施例1の保存前の出力(初期出
力)を100%として相対値で示した。更に60℃、9
0%RH環境下に1週間保存した後(保存後)、初期出
力の測定と同様にして2F出力を測定した。
【0076】(3)保存後の磁気テープの変形 保存後の磁気テープの変形は、主にBOTホールの写り
による変形である。BOTホールの写りがBOTホール
からEOTホールに向けてどの位置までに発生している
かを目視で観察し、そのBOTからの距離を測定した。
による変形である。BOTホールの写りがBOTホール
からEOTホールに向けてどの位置までに発生している
かを目視で観察し、そのBOTからの距離を測定した。
【0077】(4)走行後の磁気テープのエッッジの変
形 QUANTUM社製DLT4000ドライブを使用し
て、サンプルを100パス走行させた後の磁気テープの
エッジの変形を目視で観察し、評価した。 A:変形が認められた。 B:磁気テープの長さ方向にテンションをかけると変形
がなくなる程度の軽度の変形が認められた。 C:磁気テープの長さ方向にテンションをかけても変形
が消えない程強い変形が認められた。 以上の評価結果を表1に示す。なお、表1において、
「保存後のテープの変形」は、BOTホールから変形が
認められるまでの長さ(m)を示す。
形 QUANTUM社製DLT4000ドライブを使用し
て、サンプルを100パス走行させた後の磁気テープの
エッジの変形を目視で観察し、評価した。 A:変形が認められた。 B:磁気テープの長さ方向にテンションをかけると変形
がなくなる程度の軽度の変形が認められた。 C:磁気テープの長さ方向にテンションをかけても変形
が消えない程強い変形が認められた。 以上の評価結果を表1に示す。なお、表1において、
「保存後のテープの変形」は、BOTホールから変形が
認められるまでの長さ(m)を示す。
【0078】
【表1】
【0079】上記表1の結果から、熱収縮率を0.08
%以下に抑えた本発明に従う磁気テープ(実施例1〜
6)は、保存後においても磁気テープの変形に伴う再生
出力の低下は少なく、良好な値を示しており、また走行
後のテープのエッジ変形も発生していないことがわか
る。一方、磁気テープの製造後、熱処理を行わなかった
場合(比較例1)には、磁気テープの変形もかなりあ
り、再生出力の低下も大きかった。また加熱処理を行っ
た場合でもその熱収縮率が本発明で規定する範囲を超え
るような場合(比較例2及び3)では、保存後の磁気テ
ープには、変形が見られ、再生出力も充分な値とはなら
なかった。また比較例4及び5に見られるように、磁気
テープの全厚が、本発明で規定する範囲以外の場合に
は、ヘッド当りが悪くなるためか、充分な初期出力を得
ることができず、更に比較例4のようにテープの厚みが
薄過ぎるためか、テープのエッジ変形が強く発生してい
た。
%以下に抑えた本発明に従う磁気テープ(実施例1〜
6)は、保存後においても磁気テープの変形に伴う再生
出力の低下は少なく、良好な値を示しており、また走行
後のテープのエッジ変形も発生していないことがわか
る。一方、磁気テープの製造後、熱処理を行わなかった
場合(比較例1)には、磁気テープの変形もかなりあ
り、再生出力の低下も大きかった。また加熱処理を行っ
た場合でもその熱収縮率が本発明で規定する範囲を超え
るような場合(比較例2及び3)では、保存後の磁気テ
ープには、変形が見られ、再生出力も充分な値とはなら
なかった。また比較例4及び5に見られるように、磁気
テープの全厚が、本発明で規定する範囲以外の場合に
は、ヘッド当りが悪くなるためか、充分な初期出力を得
ることができず、更に比較例4のようにテープの厚みが
薄過ぎるためか、テープのエッジ変形が強く発生してい
た。
【0080】[実施例7] [非磁性層形成用塗布液及び磁性層形成用塗布液の調
製]実施例1と同じ組成で同様にして非磁性層形成用塗
布液を調製した。実施例1において、磁性層の強磁性金
属粉末として、下記の粉末を使用した以外は、同じ組成
で磁性層形成用塗布液を調製した。 強磁性金属粉末 保磁力(Hc):2300エルステッド(Oe) BET法による比表面積:57m2 /g 結晶子サイズ:180Å 飽和磁化量(σs):140emu/g 粒子サイズ(平均長軸径):0.08μm 針状比:7.5 pH:9.6 水溶性Na: 5pm 水溶性Ca:10ppm 水溶性Fe:10ppm
製]実施例1と同じ組成で同様にして非磁性層形成用塗
布液を調製した。実施例1において、磁性層の強磁性金
属粉末として、下記の粉末を使用した以外は、同じ組成
で磁性層形成用塗布液を調製した。 強磁性金属粉末 保磁力(Hc):2300エルステッド(Oe) BET法による比表面積:57m2 /g 結晶子サイズ:180Å 飽和磁化量(σs):140emu/g 粒子サイズ(平均長軸径):0.08μm 針状比:7.5 pH:9.6 水溶性Na: 5pm 水溶性Ca:10ppm 水溶性Fe:10ppm
【0081】[バックコート層形成用塗布液の調製]実
施例1と同じ組成でバックコート層形成用塗布液を調製
した。
施例1と同じ組成でバックコート層形成用塗布液を調製
した。
【0082】[磁気テープの作製]得られた非磁性層形
成用塗布液と磁性層形成用塗布液を、乾燥後の非磁性層
の厚さが1.7μmとなるように、またこの上に乾燥後
の磁性層の厚さが0.2μmとなるように長尺状のアラ
ミド支持体(厚さ:4.4μm、長さ(MD)方向のヤ
ング率1100kg/mm2 、幅(TD)方向のヤング
率1600kg/mm2 、磁性層塗布面の中心線平均粗
さ(カットオフ値:0.25mm)6.8nm)上に同
時重層塗布を行った。次いで、両層がまだ湿潤状態にあ
るうちに、3000ガウスの磁束密度を持つコバルト磁
石と1500ガウスの磁束密度を持つソレノイドを用い
て配向処理を行った後、乾燥させ、非磁性層及び磁性層
を設けた(工程1)。
成用塗布液と磁性層形成用塗布液を、乾燥後の非磁性層
の厚さが1.7μmとなるように、またこの上に乾燥後
の磁性層の厚さが0.2μmとなるように長尺状のアラ
ミド支持体(厚さ:4.4μm、長さ(MD)方向のヤ
ング率1100kg/mm2 、幅(TD)方向のヤング
率1600kg/mm2 、磁性層塗布面の中心線平均粗
さ(カットオフ値:0.25mm)6.8nm)上に同
時重層塗布を行った。次いで、両層がまだ湿潤状態にあ
るうちに、3000ガウスの磁束密度を持つコバルト磁
石と1500ガウスの磁束密度を持つソレノイドを用い
て配向処理を行った後、乾燥させ、非磁性層及び磁性層
を設けた(工程1)。
【0083】その後、支持体の他方の側(磁性層とは反
対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の
厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバッ
クコート層を設けて、支持体の一方の面に非磁性層と磁
性層とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞれ
設けられた磁気記録積層体ロールを得た(工程2)。
対側)に、上記バックコート層形成用塗布液を乾燥後の
厚さが、0.5μmとなるように塗布し、乾燥してバッ
クコート層を設けて、支持体の一方の面に非磁性層と磁
性層とが、そして他方の面にバックコート層がそれぞれ
設けられた磁気記録積層体ロールを得た(工程2)。
【0084】得られた磁気記録積層体ロールを温度11
0℃の熱処理ゾーン中をテンション3.0kg/mで走
行させた(熱処理ゾーンの滞在時間は5秒である)。次
いで、金属ロールのみから構成される7段のカレンダ処
理機(温度90℃、線圧300kg/cm2 )に通して
カレンダ処理を行い、テンション5kg/mで巻き取っ
た(工程3)。
0℃の熱処理ゾーン中をテンション3.0kg/mで走
行させた(熱処理ゾーンの滞在時間は5秒である)。次
いで、金属ロールのみから構成される7段のカレンダ処
理機(温度90℃、線圧300kg/cm2 )に通して
カレンダ処理を行い、テンション5kg/mで巻き取っ
た(工程3)。
【0085】巻き取ったロールを次に、3.8mm幅に
スリットし、DDS型カートリッジに125m巻き込
み、本発明に従うDDS型システム対応コンピュータデ
ータ記録用磁気テープを製造した(工程4)。なお、磁
気テープの得られたバックコート層の表面粗さ(Ra:
カットオフ0.08mmの中心線平均粗さ)は、0.0
4μmであった。
スリットし、DDS型カートリッジに125m巻き込
み、本発明に従うDDS型システム対応コンピュータデ
ータ記録用磁気テープを製造した(工程4)。なお、磁
気テープの得られたバックコート層の表面粗さ(Ra:
カットオフ0.08mmの中心線平均粗さ)は、0.0
4μmであった。
【0086】[実施例8]実施例7の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度120℃の熱処理ゾーン中を同じ
テンションで同じ時間走行させて加熱処理を行った以外
は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度120℃の熱処理ゾーン中を同じ
テンションで同じ時間走行させて加熱処理を行った以外
は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
【0087】[実施例9]実施例7の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダ処理後、次いで、得られた磁気記録積
層体ロールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロ
ールを温度70℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以
外は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。
なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダ処理後、次いで、得られた磁気記録積
層体ロールをスリットするまでの間に(工程4)、該ロ
ールを温度70℃の熱処理ゾーンに24時間保存した以
外は、同様にして本発明に従う磁気テープを作製した。
なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
【0088】[実施例10]実施例7の磁気テープの作
製において、カレンダー処理後、次いで、得られた磁気
記録積層体ロールをスリットするまでの間に(工程
4)、該ロールを温度70℃の熱処理ゾーンに24時間
保存した以外は、同様にして本発明に従う磁気テープを
作製した。なお、得られた磁気テープのバックコート層
の表面粗さは、実施例7と同じであった。
製において、カレンダー処理後、次いで、得られた磁気
記録積層体ロールをスリットするまでの間に(工程
4)、該ロールを温度70℃の熱処理ゾーンに24時間
保存した以外は、同様にして本発明に従う磁気テープを
作製した。なお、得られた磁気テープのバックコート層
の表面粗さは、実施例7と同じであった。
【0089】[実施例11]実施例7において、非磁性
層の厚みが0.8μmとなるように塗布したこと及び非
磁性支持体として、その厚みが3.5μmのアラミド
(全芳香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にし
て本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた
磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と
同じであった。
層の厚みが0.8μmとなるように塗布したこと及び非
磁性支持体として、その厚みが3.5μmのアラミド
(全芳香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にし
て本発明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた
磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と
同じであった。
【0090】[実施例12]実施例7において、非磁性
支持体として、その厚みが8.1μmのアラミド(全芳
香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にして本発
明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テ
ープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じで
あった。
支持体として、その厚みが8.1μmのアラミド(全芳
香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にして本発
明に従う磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テ
ープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じで
あった。
【0091】[比較例6]実施例7の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行わな
かった以外は、同様にして比較用の磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例7と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行わな
かった以外は、同様にして比較用の磁気テープを作製し
た。なお、得られた磁気テープのバックコート層の表面
粗さは、実施例7と同じであった。
【0092】[比較例7]実施例7の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度70℃の熱処理ゾーン中を同じテ
ンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと以
外は、同様にして比較用の磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前に、得られた磁気記
録積層体ロールを温度70℃の熱処理ゾーン中を同じテ
ンションで同じ時間走行させて加熱処理を行ったこと以
外は、同様にして比較用の磁気テープを作製した。な
お、得られた磁気テープのバックコート層の表面粗さ
は、実施例7と同じであった。
【0093】[比較例8]実施例7の磁気テープの作製
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロー
ルをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを温
度40℃の熱処理ゾーンに12時間保存した以外は、同
様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7
と同じであった。
において、工程3のカレンダ処理前の加熱処理を行うこ
となく、カレンダ処理後、得られた磁気記録積層体ロー
ルをスリットするまでの間に(工程4)、該ロールを温
度40℃の熱処理ゾーンに12時間保存した以外は、同
様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7
と同じであった。
【0094】[比較例9]実施例7の磁気テープの作製
において、非磁性層を形成することなく、磁性層のみを
1.9μmの厚さで形成したこと及び工程3のカレンダ
処理前の加熱処理を行わなかったこと以外は、同様にし
て比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気
テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じ
であった。
において、非磁性層を形成することなく、磁性層のみを
1.9μmの厚さで形成したこと及び工程3のカレンダ
処理前の加熱処理を行わなかったこと以外は、同様にし
て比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気
テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じ
であった。
【0095】[比較例10]実施例7の磁気テープの作
製において、非磁性層を形成することなく、磁性層のみ
を1.9μmの厚さで形成したこと及び工程3のカレン
ダ処理前の加熱処理を110℃で行ったこと以外は、同
様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7
と同じであった。
製において、非磁性層を形成することなく、磁性層のみ
を1.9μmの厚さで形成したこと及び工程3のカレン
ダ処理前の加熱処理を110℃で行ったこと以外は、同
様にして比較用の磁気テープを作製した。なお、得られ
た磁気テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7
と同じであった。
【0096】[比較例11]実施例7において、非磁性
層の厚みが0.8μmとなるように塗布したこと及び非
磁性支持体として、その厚みが2.5μmのアラミド
(全芳香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にし
て比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気
テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じ
であった。
層の厚みが0.8μmとなるように塗布したこと及び非
磁性支持体として、その厚みが2.5μmのアラミド
(全芳香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にし
て比較用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気
テープのバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じ
であった。
【0097】[比較例12]実施例7において、非磁性
支持体として、その厚みが9.1μmのアラミド(全芳
香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にして比較
用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テープ
のバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じであっ
た。
支持体として、その厚みが9.1μmのアラミド(全芳
香族ポリアミド)を用いたこと以外は、同様にして比較
用の磁気テープを作製した。なお、得られた磁気テープ
のバックコート層の表面粗さは、実施例7と同じであっ
た。
【0098】[磁気テープとしての評価]得られたサン
プルを下記の評価方法にて評価した。 (1)磁気テープの熱収縮率 前記と同様な方法で得られた磁気テープの熱収縮率を測
定した。 (2)初期出力及び保存後の出力 メディアアロジック社製のDDS評価機ML4500を
使用して、磁気テープの全長を100%とし、磁気テー
プの先端のスプライス部より93〜98%の位置の1
3.5Hz出力の平均値を読み取った。出力の測定値と
しては、実施例5の保存前の出力(初期出力)を100
%とした。更に60℃、90%RH環境下に1週間保存
した後の出力も同じ条件で測定した(保存後の出力)。
プルを下記の評価方法にて評価した。 (1)磁気テープの熱収縮率 前記と同様な方法で得られた磁気テープの熱収縮率を測
定した。 (2)初期出力及び保存後の出力 メディアアロジック社製のDDS評価機ML4500を
使用して、磁気テープの全長を100%とし、磁気テー
プの先端のスプライス部より93〜98%の位置の1
3.5Hz出力の平均値を読み取った。出力の測定値と
しては、実施例5の保存前の出力(初期出力)を100
%とした。更に60℃、90%RH環境下に1週間保存
した後の出力も同じ条件で測定した(保存後の出力)。
【0099】(3)保存後の磁気テープの変形 保存後の磁気テープの変形は、主にリーダーテープと磁
気テープのスプライス部の段差やリールクランプ部の段
差による変形である。変形は、サプライリール側の磁気
テープとリーダテープの接合部を起点にテイクアップ側
に向けてテープを目視で観察し、最後の変形が認められ
た位置までの前記接合部起点からの長さをもって変形の
測定値とした。
気テープのスプライス部の段差やリールクランプ部の段
差による変形である。変形は、サプライリール側の磁気
テープとリーダテープの接合部を起点にテイクアップ側
に向けてテープを目視で観察し、最後の変形が認められ
た位置までの前記接合部起点からの長さをもって変形の
測定値とした。
【0100】(4)走行後の磁気テープのエッッジの変
形 C1533型ドライブ(ヒューレットパッカード社製)
を使用して、サンプルを100パス走行させた後の磁気
テープのエッジの変形を目視で観察し、前記と同様な方
法で評価した。以上の評価結果を表2に示す。なお、表
2において、「保存後のテープの変形」は、接合部起点
から変形が認められるまでの長さ(m)を示す。
形 C1533型ドライブ(ヒューレットパッカード社製)
を使用して、サンプルを100パス走行させた後の磁気
テープのエッジの変形を目視で観察し、前記と同様な方
法で評価した。以上の評価結果を表2に示す。なお、表
2において、「保存後のテープの変形」は、接合部起点
から変形が認められるまでの長さ(m)を示す。
【0101】
【表2】
【0102】上記表2の結果から、熱収縮率を0.08
%以下に抑えた本発明に従う磁気テープ(実施例7〜1
2)は、保存後においても磁気テープの変形は少なく、
また磁気テープの変形に伴う再生出力の低下も少なく、
良好な値を示しており、更に走行後のテープのエッジ変
形も発生していないことがわかる。一方、磁気テープの
製造後、熱処理を行わなかった場合(比較例6)には、
磁気テープの変形も大きく、再生出力の低下も大きかっ
た。また加熱処理を行った場合でもその熱収縮率が本発
明で規定する範囲を越えるような場合(比較例7及び
8)では、保存後の磁気テープの変形も強く残り、再生
出力も充分な値とならなかった。また、単層構造の磁気
テープを用いた場合(比較例9及び10)には、再生出
力自体が低く、熱収縮率を比較的低く抑えた場合でも再
生出力は大きく低下した。また比較例11及び12に見
られるように、磁気テープの全厚が、本発明で規定する
範囲以外の場合には、ヘッド当りが悪くなるためか、充
分な初期出力を得ることができず、更に比較例11のよ
うにテープの厚みが薄過ぎるためか、テープのエッジ変
形が強く発生していた。
%以下に抑えた本発明に従う磁気テープ(実施例7〜1
2)は、保存後においても磁気テープの変形は少なく、
また磁気テープの変形に伴う再生出力の低下も少なく、
良好な値を示しており、更に走行後のテープのエッジ変
形も発生していないことがわかる。一方、磁気テープの
製造後、熱処理を行わなかった場合(比較例6)には、
磁気テープの変形も大きく、再生出力の低下も大きかっ
た。また加熱処理を行った場合でもその熱収縮率が本発
明で規定する範囲を越えるような場合(比較例7及び
8)では、保存後の磁気テープの変形も強く残り、再生
出力も充分な値とならなかった。また、単層構造の磁気
テープを用いた場合(比較例9及び10)には、再生出
力自体が低く、熱収縮率を比較的低く抑えた場合でも再
生出力は大きく低下した。また比較例11及び12に見
られるように、磁気テープの全厚が、本発明で規定する
範囲以外の場合には、ヘッド当りが悪くなるためか、充
分な初期出力を得ることができず、更に比較例11のよ
うにテープの厚みが薄過ぎるためか、テープのエッジ変
形が強く発生していた。
【0103】
【発明の効果】本発明のコンピュータデータ記録用磁気
テープは、製造後の磁気テープの収縮が少なく、従って
テープの巻き締まりによるテープの変形を抑制すること
ができる。このため、製造後、長期間保存しておいた場
合でも再生出力の低下は非常に僅かであり、良好な性能
を維持している。
テープは、製造後の磁気テープの収縮が少なく、従って
テープの巻き締まりによるテープの変形を抑制すること
ができる。このため、製造後、長期間保存しておいた場
合でも再生出力の低下は非常に僅かであり、良好な性能
を維持している。
Claims (3)
- 【請求項1】 長尺状の非磁性支持体の一方の側に、非
磁性粉末及び結合剤を含む実質的に非磁性である厚さ
0.5〜2.5μmの非磁性層と、該非磁性層の上に設
けた強磁性粉末および結合剤を含有する厚さ0.05〜
0.5μmの磁性層、そして他方の側にバックコート層
を有する磁気テープであって、該磁気テープを70℃、
5%RHで24時間保存した時の磁気テープの長さ方向
の熱収縮率が0.08%以下であり、かつ全厚が5.0
〜10.5μmの範囲にあることを特徴とするコンピュ
ータデータ記録用磁気テープ。 - 【請求項2】 非磁性支持体が、芳香族ポリアミドであ
る請求項1に記載の磁気テープ。 - 【請求項3】 バックコート層が、カーボンブラック、
モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末、及びモース硬度
5〜9の硬質無機粉末を含む請求項1に記載の磁気テー
プ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24573096A JPH1069628A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | コンピュータデータ記録用磁気テープ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24573096A JPH1069628A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | コンピュータデータ記録用磁気テープ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1069628A true JPH1069628A (ja) | 1998-03-10 |
Family
ID=17137957
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24573096A Withdrawn JPH1069628A (ja) | 1996-08-28 | 1996-08-28 | コンピュータデータ記録用磁気テープ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1069628A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2237273A1 (en) | 2009-03-31 | 2010-10-06 | FUJIFILM Corporation | Magnetic tape cartridge |
JP2020166919A (ja) * | 2019-10-23 | 2020-10-08 | ソニー株式会社 | 磁気記録媒体 |
-
1996
- 1996-08-28 JP JP24573096A patent/JPH1069628A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2237273A1 (en) | 2009-03-31 | 2010-10-06 | FUJIFILM Corporation | Magnetic tape cartridge |
US8460806B2 (en) | 2009-03-31 | 2013-06-11 | Fujifilm Corporation | Magnetic tape cartridge |
JP2020166919A (ja) * | 2019-10-23 | 2020-10-08 | ソニー株式会社 | 磁気記録媒体 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031104 |