<印刷システム1の概要>
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。印刷システム1は、熱転写型の印刷を行うためのシステムである。印刷システム1は、外部機器8(図3参照)によって搬送される印刷媒体P(図2参照)に対して印刷を行う。外部機器8の具体例として、包材を搬送する包装機が挙げられる。この場合、例えば印刷システム1は、包装機によって印刷媒体Pが搬送される搬送ラインの一部に組み込まれて使用される。
図1に示すように、印刷システム1は、印刷装置2、ブラケット6、コントローラ7(図3参照)、及びプラテンローラQを有する。以下、図の説明の理解を助けるため、印刷システム1に含まれる各構成の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方を定義する。印刷装置2及びブラケット6の上方、下方、左方、右方、前方、及び後方は、それぞれ、図1の上方、下方、左斜め上方、右斜め下方、左斜め下方、及び右斜め上方にそれぞれ対応する。図1において、印刷媒体Pの搬送方向は、左右方向と一致する。印刷媒体Pは、外部機器8によって左方(矢印Y1の方向)に搬送される。
<カセット9>
印刷システム1では、印刷装置2のカセット装着部20にカセット9が装着された状態で、印刷媒体Pに対する印刷が行われる。印刷装置2は、カセット9のインクリボン9A(図2参照)を加熱することで印刷を実行する。図2に示すように、カセット9は、蓋91、シャフト92A~92F、供給ロール90A、及び巻取ロール90Bを有する。シャフト92A~92Fは、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能なスピンドルである。シャフト92A~92Fは、蓋91の後面から後方に延びる。
シャフト92A、92Fは、蓋91の上下方向の中心よりも上方において左右方向に並ぶ。シャフト92Aには、長尺状のインクリボン9Aの一端が接続されたスプール921が装着される。シャフト92Fには、インクリボン9Aの他端が接続されたスプール922が装着される。スプール921、922は、それぞれ、インクリボン9Aがロール状に巻回される。スプール921にインクリボン9Aが巻回されることにより、供給ロール90Aが構成される。スプール922にインクリボン9Aが巻回されることにより、巻取ロール90Bが構成される。
インクリボン9Aは、印刷装置2によって供給ロール90Aから繰り出され、巻取ロール90Bに巻き取られる。シャフト92Bは、蓋91の右上の隅に設けられる。シャフト92Cは、蓋91の右下の隅に設けられる。シャフト92Dは、蓋91の左下の隅に設けられる。シャフト92Eは、蓋91の左上の隅に設けられる。シャフト92B~92Eのそれぞれの周面の一部に、供給ロール90Aと巻取ロール90Bとの間に張り渡されるインクリボン9Aが接触する。
<プラテンローラQ>
図1及び図2に示すように、プラテンローラQは円柱状である。プラテンローラQは、前後方向に延びる回転軸を中心として回転可能である。プラテンローラQの上方に、印刷装置2が配置される。プラテンローラQは、印刷装置2のサーマルヘッド24との間に、印刷媒体P及びインクリボン9Aを挟む。プラテンローラQは、外部機器8により搬送される印刷媒体Pに対して下方から接触し、インクリボン9Aに印刷媒体Pを押し付ける。
<印刷装置2>
印刷装置2は、熱転写型の印刷装置である。図2及び図3に示すように、印刷装置2は、供給部22、巻取部23、サーマルヘッド24、非図示の制御基板、第一モータ26、27、第三モータ28等を備える。図2に示すカセット9が印刷装置2のカセット装着部20に装着された場合、シャフト92Aは供給部22に接続され、シャフト92Fは巻取部23に接続される。シャフト92Aのスプール921に巻回された供給ロール90Aは、供給部22に装着される。シャフト92Fのスプール922に巻回された巻取ロール90Bは、巻取部23に装着される。
第一モータ26、27は、ステッピングモータである。第一モータ26は、供給部22を回転駆動することで、供給部22に装着された供給ロール90Aを回転可能である。第一モータ27は、巻取部23を回転駆動することで、巻取部23に装着された巻取ロール90Bを回転可能である。印刷装置2にカセット9が装着された状態で第一モータ26、27が回転した場合、インクリボン9Aは供給ロール90A及び巻取ロール90B間で、シャフト92B~92Eに接触して案内されながら、印刷装置2内を搬送される。
詳細には、供給ロール90A及び巻取ロール90Bが、図2における印刷装置2を前方から見た状態で反時計回り方向である正転方向に回転するとき、インクリボン9Aは供給ロール90Aから繰り出され、巻取ロール90Bに巻き取られる。供給ロール90A及び巻取ロール90Bが、図2における印刷装置2を前方から見た状態で時計回り方向である反転方向に回転するとき、インクリボン9Aは巻取ロール90Bから繰り出され、供給ロール90Aに巻き取られる。
サーマルヘッド24は、前後方向に直線状に並んだ複数の発熱体を有するラインサーマルヘッドである。サーマルヘッド24は、供給部22から繰り出されてから、巻取部23で巻き取られるまでのインクリボン9Aの搬送経路Fに隣接する。サーマルヘッド24は、カセット9の供給ロール90Aから巻取ロール90Bに向けて搬送されるインクリボン9Aのうち、シャフト92C、92D間に張り渡された部分に上側から接触する。サーマルヘッド24は、印刷装置2の下方に配置されたプラテンローラQとの間に、印刷媒体P及びインクリボン9Aを挟む。サーマルヘッド24は、印刷媒体Pにインクリボン9Aを押し付けながらインクリボン9Aを加熱することによって、印刷媒体Pに対する印刷を行う。
第三モータ28は、ステッピングモータである。第三モータ28は、ギアを介して、サーマルヘッド24をヘッド位置24A、24B間で上下方向に移動させる。サーマルヘッド24は、下方に移動することによってプラテンローラQに接近し、上方に移動することによってプラテンローラQから離れる。サーマルヘッド24の移動方向(上下方向)は、シャフト92C、92D間で搬送されるインクリボン9Aの搬送方向(左右方向)と直交する。ヘッド位置24Bは、サーマルヘッド24がインクリボン9Aから接触して、インクリボン9AをプラテンローラQに向けて付勢する位置である。ヘッド位置24Aは、サーマルヘッド24がヘッド位置24Bよりも上方に配置され、プラテンローラQに対するインクリボン9Aの付勢を解除する位置である。
<ブラケット6>
図1に示すように、ブラケット6は、インクリボン9Aの幅方向Y2、即ち、印刷媒体P(図2参照)の搬送方向である左右方向と直交する前後方向に印刷装置2を移動させる。ブラケット6は、第二モータ62、第一センサ63、第二センサ64、及びスイッチ65を有する。支持部61は、前後方向に長い略箱状を有する。リードスクリューは、支持部61の内部に配置され、前後方向に延びる。支持部61は其の内部に、非図示のリードスクリュー及びボールねじを有する。ボールねじは、リードスクリューに螺合し、リードスクリューの回転に応じて前後方向に移動する。ボールねじは、印刷装置2の右端に設けられた連結部21に接続する。第二モータ62は、ステッピングモータであり、回転軸は、リードスクリューの後端部と連結する。印刷装置2は、第二モータ62を駆動源とするリードスクリューの回転によってボールねじが前後方向に移動することに応じ、前後方向に移動する。第一センサ63は、印刷装置2の可動範囲Rの一端部(前端部)に設けられたアブソリュートセンサである。第一センサ63の出力値は、基準となる原点Bから、第二モータ62の回転量に基づき、印刷装置2の現在位置を検出する処理に用いられる。第二センサ64は印刷装置2の可動範囲Rの他端部(後端部)に設けられた近接センサである。スイッチ65は、ブラケット6の前面に設けられた、ブラケット6に対する指示が入力される押しボタンスイッチである。
<コントローラ7>
図3に示すように、コントローラ7は印刷装置2及び外部機器8の間のデータの送受信を仲介する。コントローラ7は、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータを、印刷装置2に出力する。コントローラ7から印刷装置2に出力されるデータの具体例として、印刷イメージ(画像)のデータが挙げられる。コントローラ7は、外部機器8から出力される信号を印刷装置2に伝達する。外部機器8から出力される信号として、印刷媒体Pの搬送開始信号/搬送停止信号、印刷媒体Pの搬送速度を示す速度信号、印刷媒体Pに対する印刷時期を通知するための印刷信号が挙げられる。
<電気的構成>
図3を参照し、印刷システム1の電気的構成について説明する。印刷装置2は、制御部2A、記憶部2B、通信インタフェース2C、サーマルヘッド24、第一モータ26、27、及び第三モータ28を有する。制御部2A、記憶部2B、及び通信インタフェース2Cは、非図示の制御基板に実装される。制御部2Aは、記憶部2B、通信インタフェース2C、サーマルヘッド24、第一モータ26、27、第三モータ28と電気的に接続する。
制御部2Aは、記憶部2Bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、メイン処理(図4参照)を実行する。記憶部2Bには、制御部2Aがメイン処理を実行するためのプログラムが記憶される。通信インタフェース2Cは、印刷装置2とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース2Cは、通信ケーブルを介してコントローラ7に接続される。
サーマルヘッド24は、制御部2Aからの制御信号に応じて、発熱体に通電して発熱させる。第一モータ26は、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転することで、供給部22を回転させる。第一モータ27は、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転することで、巻取部23を回転させる。第三モータ28は、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転することで、サーマルヘッド24を上下方向に移動させる。
ブラケット6の第二モータ62、センサ63、64は及びスイッチ65は、制御部2Aと電気的に接続する。第二モータ62は、制御部2Aから出力されるパルス信号に応じて回転することで、印刷装置2を前後方向に移動させる。センサ63、64は各々、制御部2Aに、検出結果を入力する。スイッチ65は、ブラケット6に対する指示を制御部2Aに入力する。
コントローラ7は、制御部2A、記憶部7B、通信インタフェース7C、7Dを有する。通信インタフェース7Cは、印刷装置2とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース7Cは、通信ケーブルを介して印刷装置2に接続される。通信インタフェース7Dは、外部機器8とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース7Dは、通信ケーブルを介して外部機器8に接続される。記憶部7Bには、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータが記憶される。制御部2Aは、記憶部7B及び通信インタフェース7C、7Dと電気的に接続する。制御部2Aは、印刷装置2が印刷を実行するために必要なデータを記憶部7Bから読み出し、通信インタフェース7Cを介して印刷装置2に出力する。制御部2Aは、通信インタフェース7Dを介して外部機器8から取得された信号を検出し、通信インタフェース7Cを介して印刷装置2に出力する。
外部機器8は、制御部8A、操作パネル8B、通信インタフェース8Cを有する。操作パネル8Bは、外部機器8に対する指示が入力される。通信インタフェース8Cは、外部機器8とコントローラ7との間で通信を行うためのインタフェース素子である。通信インタフェース8Cは、通信ケーブルを介してコントローラ7に接続する。制御部8Aは、操作パネル8B及び通信インタフェース8Cと電気的に接続する。制御部8Aは、操作パネル8Bに対して入力された指示を受け付ける。制御部8Aは、通信インタフェース8Cを介して各種信号をコントローラ7に出力する。
制御部2Aによって実行される、図4に示すメイン処理を、インクリボン9Aの幅方向Y2に4つの使用領域を設定し、印刷媒体Pに対してインクリボン9Aの幅方向Y2の同じ位置に、一の画像を順に印刷する具体例を用いて説明する。メイン処理を実行するための指示を含むプログラムは記憶部2Bに記憶されている。制御部2Aは、印刷装置2の起動後、該プログラムを記憶部2BのRAM上で展開し、以下の処理を実行する。印刷装置2の移動速度は、厳密には、第二モータ62の駆動開始時において、印刷装置2の移動速度は徐々に加速後、略一定の目標値になる。モータの駆動停止時において、印刷装置2は徐々に減速後完全に停止する。以下の説明では、第二モータ62による印刷装置2の移動速度は目標値を示す。印刷装置2の前後方向の位置を連結部21の後端位置を基準に表す。制御部2Aは、印刷装置2を、準備モードM1、設定モードM2及び印刷モードM3の3つの運転モードの何れかで駆動し、処理を実行する。
図4に示すように、制御部2Aは、電源がONになった後、準備モードM1で駆動し、インクリボン9Aの幅方向Y2において、印刷装置2の原点が検出済みであるかを判断する(S1)。制御部2Aは例えば原点検出フラグがOFFである時に、原点が検出済みでないと判断する。原点検出フラグの初期値はOFFである。印刷装置2の原点が検出済みではない時(S1:NO)、制御部2Aは、原点検出処理を実行する(S2)。具体的には、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2を後述の第二速度以上の第四速度で可動範囲Rの一端部(前端部)に向けて移動させる。図5(A)に示すように、制御部2Aは、第一センサ63が検出された場合に、原点B(前側可動限界)を検出し、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止する。制御部2Aは原点検出フラグをONに設定する。
原点検出済みである場合(S1:YES)、又はS2の次に、制御部2Aはインクリボン9Aの幅方向Y2における、印刷装置2の可動範囲Rが検出済みであるかを判断する(S3)。制御部2Aは例えば可動範囲検出フラグがOFFである時に、可動範囲Rが検出済みでないと判断する。可動範囲検出フラグの初期値はOFFである。印刷装置2の可動範囲Rが検出済みではない場合(S3:NO)、制御部2Aは可動範囲検出処理を実行する(S4)。具体的には、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2を第四速度で印刷装置2の可動範囲Rの他端部(後側可動限界、可動限界W)に向けて移動させる。図5(B)に示すように、制御部2Aは、第二センサ64が検出された場合に、印刷装置2の可動範囲Rを検出し、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止する。制御部2Aは、S4で検出された原点Bからの、第二モータ62の駆動量を可動範囲Rの長さとして取得する。制御部2Aは可動範囲検出フラグをONに設定し、可動範囲Rの長さを記憶する。
制御部2Aは、記憶部2Bに記憶された印刷装置2の現在位置及び印刷装置2のホームポジションDの設定情報を参照し、印刷装置2がホームポジションDに位置するかを判断する(S5)。ホームポジションDは、インクリボン9Aの幅方向Y2における印刷装置2の可動範囲R内に設定された、可動範囲R内よりも狭く、且つ、連続した使用可能範囲Jの一端部(後端部)である。ホームポジションDは、予め設定され記憶部2Bに記憶されてもよいし、ユーザにより設定されてもよい。可動範囲R検出後は、印刷装置2は可動限界Wにあり、ホームポジションDには位置しない(S5:NO)。この場合制御部2Aは、図5(C)に示すように、第二モータ62を制御して、印刷装置2を第四速度でホームポジションDに向けて移動させる(S6)。制御部2Aは、印刷装置2の現在位置を第二モータ62の駆動量に応じて更新し、更新された現在位置が、印刷装置2がホームポジションDに達した場合に、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止する。
印刷装置2がホームポジションDにいる場合(S5:YES)、又はS6の次に、制御部2Aは、運転モードを準備モードM1から設定モードM2に切り替える。制御部2Aは、エラーの発生を検出したかを判断する(S7)。エラーは、例えば、図示しないセンサの検出結果に基づき、印刷装置2に対してカセット9が適切に装着されていない場合、インクリボン9Aが適切に装着されていない場合、及びインクリボン9Aの残量が規定量よりも少ない場合等に検出される。エラーの発生が検出された場合(S7:YES)、制御部2Aは、検出されたエラーが解除されたかを判断する(S8)。制御部2Aは、例えば、検出されたエラーに応じた図示しないセンサの検出結果に基づき、エラーが解除されたかを判断する。エラーが解除されていない場合(S8:NO)、制御部2Aは、エラーが解除されるまでS8の判断を継続する。エラーが解除された場合(S8:YES)、制御部2Aは処理をS1に戻して、運転モードを設定モードM2から準備モードM1に切り替える。
エラーの発生が検出されていない場合(S7:NO)、制御部2Aは、スイッチ65のONを検出したかを判断する(S9)。作業者は、例えば、プラテンローラQの掃除、及びインクリボン9Aの交換等の印刷システム1のメンテナンス時にスイッチ65を操作し、印刷装置2を印刷装置2の可動範囲Rの他端部(後端部)側に移動させる。スイッチ65のONが検出された場合(S9:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、インクリボンの幅方向Y2に印刷装置2を後述の第一速度よりも速い第二速度で移動する処理を開始する(S10)。制御部2Aは、エラーの発生を検出したかを判断する(S12)。エラーの発生が検出された場合(S12:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S13)、処理をS8に移行させる。エラーの発生が検出されていない場合(S12:NO)、制御部2Aは、第一センサ63の検出結果に基づき、印刷装置2が、印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達したかを判断する(S14)。印刷装置2が、印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達していない時(S14:NO)、制御部2Aは、スイッチ65のOFFを検出したかを判断する(S15)。本例の制御部2Aは、スイッチ65が作業者により押されている間、印刷装置2を移動させる。
印刷装置2が印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達した場合(S14:YES)、又はスイッチ65のOFFが検出された場合(S15:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S16)、処理をS7に戻す。スイッチ65のOFFが検出されない場合(S15:NO)、制御部2Aは、印刷開始指示を取得したかを判断する(S17)。外部機器8は、印刷媒体Pの搬送を開始する搬送開始信号、及び印刷媒体Pの搬送速度を示す速度信号をコントローラ7に出力する。印刷装置2は、コントローラ7を介して、搬送開始信号を印刷開始指示として取得して記憶部2Bに記憶する。印刷開始指示が取得された場合(S17:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S18)、処理を後述のS22に移行させて、運転モードを設定モードM2から印刷モードM3に切り替える。印刷開始指示が取得されていない場合(S17:NO)、準備モードM1に移行する指示が取得されたかを判断する(S19)。作業者は、例えば、現在位置の校正を行う場合に、準備モードM1に移行する指示を入力する。準備モードM1に移行する指示が取得された場合(S19:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S20)、処理をS1に戻して、運転モードを設定モードM2から準備モードM1に切り替える。準備モードM1に移行する指示が取得されない場合(S19:NO)、制御部2Aは、処理をS12に戻す
スイッチ65のONが検出されない場合(S9:NO)、制御部2Aは、準備モードM1に移行させる指示を取得したかを判断する(S11)。準備モードM1に移行させる指示が取得された場合(S11:YES)、制御部2Aは、処理をS1に戻して、運転モードを設定モードM2から準備モードM1に切り替える。準備モードM1に移行させる指示が取得されていない場合(S11:NO)、制御部2Aは、印刷開始指示を取得したかを判断する(S21)。印刷開始指示が取得されない場合(S21:NO)、制御部2Aは処理をS7に戻す。印刷開始指示が取得された場合(S21:YES)、制御部2Aは運転モードを設定モードM2から印刷モードM3に切り替えて、印刷モード処理を実行する(S22)。
図6に示すように、印刷モード処理では、制御部2Aは初期設定を行う(S30)。制御部2Aは、例えば、S30にて、印刷イメージ(画像)のデータ、インクリボン9Aの幅方向Y2に並ぶ領域数を規定する所定値、印刷装置2の移動方向、及び領域数の初期値を設定する。印刷イメージのデータ、及び所定値は、コントローラ7から出力されるデータに基づき設定される。印刷装置2の移動方向は前方に設定される。領域数の初期値は0に設定される。制御部2Aは、エラーの発生を検出したかを判断する(S31)。エラーの発生が検出された場合(S31:NO)、制御部2Aは、図4のS8に処理を戻して、運転モードを印刷モードM3から設定モードM2に切り替える。エラーの発生が検出されていない場合(S31:YES)、制御部2Aは、印刷指示を取得したか否かを判断する(S32)。
外部機器8は、印刷媒体Pに対する印刷時期を通知する印刷指示をコントローラ7に繰り返し出力する。印刷装置2は、コントローラ7を介して印刷指示を繰り返し取得する。コントローラ7を介して印刷指示が取得された場合(S32:YES)、制御部2AはS30で設定されたデータに基づく画像の印刷を開始する(S33)。具体的には、制御部2Aは、印刷指示の取得に応じて、速度信号で示される搬送速度と同じ速度でインクリボン9Aが搬送されるように、第一モータ26、27を回転駆動して供給ロール90A及び巻取ロール90Bを正転方向に回転させる。制御部2Aは、第三モータ28を制御して、サーマルヘッド24を、ヘッド位置24Aからヘッド位置24Bに移動する。同時に、制御部2Aは、印刷データに基づきサーマルヘッド24を加熱し、インクリボン9Aの使用領域Eのインクを印刷媒体Pの印刷面に転写する。図5(C)に示すように、印刷順序が最初の画像の印刷は、印刷装置2がホームポジションDに位置する状態で、インクリボン9Aの内の最も前側に位置する使用領域が使用されて実行される。図7では、インクリボン9Aにおける今回の使用領域Eを黒色で示し、使用済領域を斜線、縦線及び格子状の網掛けされた実線で囲まれた領域で示し、未使用領域を点線で囲まれた白色の領域で示す。図7に示す具体例では、一の画像の印刷で加熱使用されるインクリボン9Aの使用領域(画像領域)Eは矩形状であり、使用領域Eの幅方向Y2長さは、インクリボン9Aの幅方向Y2長さの四分の一よりも小さい。画像の印刷は、S33で印刷装置2において印刷指示が取得される毎に繰り返し実行される。
制御部2Aはエラーの発生が検出されたかを判断する(S34)。エラーの発生が検出された場合(S34:YES)、制御部2Aは、印刷を停止する(S35)。具体的には、制御部2Aは、サーマルヘッド24の加熱を停止し、第三モータ28を制御して、サーマルヘッド24を、ヘッド位置24Bからヘッド位置24Aに移動する。制御部2Aは、第一モータ26、27の回転駆動を停止させる。制御部2Aは、処理を図4のS8に戻して、印刷モードM3から設定モードM2に切り替える。エラーの発生が検出されない場合(S34:NO)、制御部2Aは印刷が終了したかを判断する(S36)。印刷が終了していない場合(S36:NO)、制御部2Aは処理をS34に戻す。印刷が終了した場合(S36:YES)、制御部2Aは、印刷を終了する(S37)。制御部2Aは、サーマルヘッド24の加熱を停止し、第三モータ28を制御して、サーマルヘッド24を、ヘッド位置24Bからヘッド位置24Aに移動する。制御部2Aは、第一モータ26、27の回転駆動を停止させる。
本実施形態の印刷システム1は、インクリボン9Aの幅方向Y2の未使用領域を減らして印刷することが可能なラジアルリボンセーブ(RRS)機能を有する。印刷システム1では、一の画像の印刷後、次の画像の印刷開始までに、印刷装置2がインクリボン9Aの幅方向Y2(前後方向)に移動されることで、印刷装置2はインクリボン9Aの幅方向Y2の未使用領域を使用して次の画像の印刷を行う。具体的には、制御部2Aは領域数を1だけインクリメントする(S49)。制御部2AはS49でインクリメントされた領域数がS30で設定された所定値と等しいかを判断する(S50)。具体例の所定値は4であり、状態(a)で印刷後の領域数は1である(S50:NO)。この場合制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2を移動方向に後述の第一速度よりも速い第三速度で距離K移動させる(S51)。距離Kは、使用領域Eの前後方向長さと、所定の余白分の前後方向長さとを加えた距離である。状態(a)で印刷後、制御部2Aは、51の処理により状態(b)に示すように、印刷媒体Pに対するインクリボン9Aの位置が、距離Kだけ前方に相対移動する。制御部2Aは、第一モータ26、27を回転駆動して供給ロール90A及び巻取ロール90Bを反転方向に回転させることで、インクリボン9Aを使用領域Eの搬送方向長さ、及びインクリボン9Aの加速、減速分だけ供給ロール90A側に巻き戻す(S52)。
制御部2Aは、印刷停止指示を取得したかを判断する(S56)。印刷停止指示が取得されていない場合(S56:NO)、制御部2Aは、処理をS31に戻す。状態(b)において、印刷指示が取得されると(S32:YES)、制御部2Aは状態(a)で印刷媒体Pに印刷された一の画像と同じ前後方向位置で、画像の印刷を実行する。制御部2Aは、状態(a)の使用済領域の後方にある未使用領域を使用して、画像の印刷を実行する(S33)。その後、制御部2Aは、S51の処理によって印刷媒体Pに対するインクリボン9Aの位置が距離Kだけ前方に相対移動する。以下同様に、制御部2Aは、状態(c)に示すように、状態(b)の使用済領域の後方にある未使用領域を使用して、画像の印刷を実行する。制御部2Aは、状態(d)に示すように、状態(c)の使用済領域の後方にある未使用領域を使用して、画像の印刷を実行する。これにより制御部2Aは、インクリボン9Aの幅方向Y2に並ぶ4つの未使用領域を使用して、4つの画像を順に印刷を実行できる。
状態(d)で画像が印刷された後(S37)、領域数が所定値と等しいと判断される(S50:YES)。この場合制御部2Aは、印刷装置2をインクリボン9Aの幅方向Y2には移動せず、領域数に0を設定する(S53)。制御部2Aは、移動方向を変更する(S54)。制御部2Aは、現在の移動方向が前方向である場合、新たな移動方向に後方向を設定する。制御部2Aは、現在の移動方向が後方向である場合、新たな移動方向に前方向を設定する。制御部2Aは第一モータ26、27を回転駆動して供給ロール90A及び巻取ロール90Bを反転方向に回転させることで、インクリボン9Aの加速、減速分から使用領域の搬送方向の余白分を差し引いた分だけ供給ロール90A側に巻き戻す(S55)。状態(e)において、印刷停止指示が取得されず(S56:NO)、印刷指示が取得された場合(S32:YES)、状態(a)での使用領域と同じ前後方向位置で、画像の印刷を実行する。制御部2Aは、状態(d)の使用済領域の右方(搬送方向上流側)にある未使用領域を使用して、画像の印刷を実行する(S33)。以下同様に、印刷装置2の移動方向が後方に設定された条件で、印刷媒体Pに対してインクリボン9Aの幅方向Y2に並ぶ領域が使用され、4つの画像の印刷が順に実行される。
印刷指示が取得されていない場合(S32:NO)、制御部2Aは、スイッチ65のONが検出されたかを判断する(S38)。作業者は、例えば、インクリボン9Aの幅方向Y2における、印刷媒体Pへの印刷位置を調整する場合に、スイッチ65を操作して、印刷装置2の移動を指示する。状態(d)において作業者がスイッチ65を押下した場合、制御部2Aは、スイッチ65のONを検出する(S38:YES)。この場合、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の第一速度での移動を開始させる(S39)。印刷装置2の移動方向は、スイッチ65によって出力される信号に因って規定されてもよいし、現在設定されている印刷装置2の移動方向としてもよい。制御部2Aは、エラーの発生を検出したかを判断する(S40)。エラーの発生が検出された場合(S40:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S41)、処理を図4のS8に移行させて、運転モードを印刷モードM3から設定モードM2に切替える。エラーの発生が検出されていない場合(S40:NO)、制御部2Aは、印刷停止指示を取得したかを判断する(S42)。外部機器8による印刷媒体Pの搬送が停止されることに応じ、印刷媒体Pの搬送を停止する搬送停止信号が外部機器8から出力される。印刷装置2は、コントローラ7を介して搬送停止信号を印刷停止信号として取得する。印刷停止指示が取得された場合(S42:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S43)、処理を図4のメイン処理に戻す。
印刷停止指示が取得されていない場合(S42:NO)、制御部2Aは、印刷指示が取得されたかを判断する(S44)。印刷指示が取得された場合(S44:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止し(S45)、処理をS33に移行させる。印刷指示が取得されていない場合(S44:NO)、制御部2Aは、第一センサ63の検出結果に基づき、印刷装置2が、印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達したかを判断する(S46)。印刷装置2が、印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達していない時(S46:NO)、制御部2Aは、スイッチ65のOFFを検出したかを判断する(S47)。本例の制御部2Aは、スイッチ65が押されている間、印刷装置2を移動させる。スイッチ65のOFFが検出されていない場合(S47:NO)、制御部2Aは処理をS40に戻す。
印刷装置2の可動範囲Rの一端部又は他端部に達した時(S46:YES)、又はスイッチ65のOFFが検出された場合(S47:YES)、制御部2Aは、第二モータ62を制御して、印刷装置2の移動を停止する(S48)。状態(d)において作業者がスイッチ65を押下した後、図5(G)の位置でスイッチ65の押下が解除された場合、制御部2Aは、図5(G)の位置で印刷装置2の移動を停止する。S39の処理により印刷装置2は、状態(d)の位置から、距離Lだけ前方に移動する。S48の次に、制御部2Aは、印刷停止指示を取得したかを判断する(S56)。印刷停止指示が取得されていない場合(S56:YES)、制御部2Aは、処理をS31に戻す。印刷停止指示が取得された場合(S56:YES)、制御部2Aは以上で印刷モード処理を終了し、処理を図4のメイン処理に戻す。図4のS22の処理の後、制御部2Aは、処理をS7に戻して、運転モードを印刷モードM3から設定モードM2に切り替える。メイン処理は、電源をOFFにする指示が取得される場合に、終了する。
上記実施形態の印刷システム1において、供給部22、巻取部23、サーマルヘッド24、及び印刷装置2は各々、本発明の第一装着部、第二装着部、サーマルヘッド、及び印刷装置の一例である。第一モータ26、27は、本発明の第一モータの一例である。第二モータ62、ブラケット6、制御部2A、第一センサ63、及び第二センサ64は各々、本発明の第二モータ、移動機構、制御部、第一センサ、及び第二センサの一例である。図6のS33を実行する制御部2Aは、本発明の印刷制御部の一例である。S38の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第一指示取得部の一例である。S39の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第一移動制御部の一例である。図4のS9の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第二指示取得部の一例である。S10の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第二移動制御部の一例である。S51の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第三移動制御部の一例である。S2、S4の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第四移動制御部の一例である。S4の処理を実行する制御部2Aは、本発明の範囲取得部の一例である。S6の処理を実行する制御部2Aは、本発明の第五移動制御部の一例である。
上記実施形態の印刷システム1は、印刷期間の内の待機期間中に取得された第一指示に応じて、印刷装置2を、インクリボン9Aの幅方向Y2に第一速度で移動できる(S39)。S39における指示は、例えば、印刷媒体Pに対する画像の印刷位置を調整する場合に取得される。印刷期間中における印刷装置2の、インクリボン9Aの幅方向Y2の移動に際しては、印刷装置2の移動時間を短縮することよりも、印刷装置2を所望の位置で停止させたいという要望がある。印刷システム1は、印刷装置2を、インクリボン9Aの幅方向Y2に第二速度よりも遅い第一速度で移動することで、印刷媒体Pに対する画像の印刷位置を調整する作業の利便性を向上でき、印刷指示に対して迅速に印刷装置2の移動制御を停止できる。印刷システム1は、非印刷期間のS9に取得された指示に応じて、印刷装置2を、インクリボン9Aの幅方向Y2に第二速度で移動できる。S9の指示は、例えば、インクリボン9Aの交換、プラテンローラQの掃除等の印刷装置2のメンテナンスを実行する際に実行される。メンテナンス時における印刷装置2の、インクリボン9Aの幅方向Y2の移動に際しては、印刷装置2を所望の位置で停止させることよりも、印刷装置2を所定の位置まで短時間に移動させたいという要望がある。印刷システム1は、印刷装置2をインクリボン9Aの幅方向Y2に第一速度よりも速い第二速度で移動することで、作業者によるメンテナンス作業の利便性を向上できる。つまり、印刷システム1は、印刷装置2をインクリボン9Aの幅方向Y2に移動させる際の状況に応じて、印刷装置2の移動速度を適切に設定できる。
制御部2Aは、印刷期間の内の、待機期間中に、作業者によって入力される指示によらずに第二モータ62を制御して、印刷装置2を第一速度よりも速い第三速度でインクリボン9Aの幅方向Y2のインクリボン9Aの未使用領域を使用する位置まで移動させる(S51)。故に印刷システム1は、待機期間中に印刷装置2をインクリボン9Aの未使用領域を使用する位置に移動する際の移動速度を第一速度とする構成に比べ、一の画像の印刷が終わってから次の画像の印刷が可能になるまでの時間を短縮できる。
印刷システム1は、印刷装置2の可動範囲Rの一端部に設けた第一センサ63と、印刷装置2の可動範囲Rの他端部に設けた第二センサ64とを備える。制御部2Aは、印刷装置2の電源が投入されたとき、作業者によって入力される指示によらずに第二モータ62を制御して、印刷装置2を第二速度以上の第四速度で可動範囲Rの一端部(前端部)に移動して第一センサ63を検出した後、印刷装置2を第四速度で可動範囲Rの他端部(後端部)側に他端部の第二センサ64を検出するまで移動させる(S4、S6)。制御部2Aは、第一センサ63が検出された後、可動範囲Rの他端部の第二センサ64を検出するまでの第二モータ62の駆動量によって、印刷装置2の可動範囲Rを取得する(S4)。故に印刷システム1は、印刷装置2を第一速度で移動させることで可動範囲Rを取得する構成に比べ、印刷装置2の可動範囲Rを取得する時間を短縮できる。
制御部2Aは、印刷開始前に、作業者によって入力される指示によらずに第二モータ62を制御して、印刷装置2を第四速度で、印刷装置2の幅方向Y2の可動範囲R内に設定された、可動範囲R内よりも狭く、且つ、連続した使用可能範囲Jの一端部(後端部)に移動する(S6)。制御部2Aは、S6で移動された使用可能範囲Jの一端部に印刷装置2がある状態で印刷順序が最初の画像の印刷を行う(S33)。故に印刷システム1は、印刷装置2を第一速度で移動させることで使用可能範囲Jの一端部へ印刷装置2を移動する構成に比べ、印刷開始可能となるまでの時間を短縮できる。
本発明の印刷システムは、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更が加えられてもよい。例えば、以下の変形が適宜加えられてもよい。
印刷システムは、印刷装置、移動機構、及び制御部を備えればよく、適宜構成を変更されてもよい。例えば、印刷装置2は印刷媒体Pを搬送する印刷媒体搬送装置を備えてもよいし、プラテンローラQを備えてもよい。印刷装置2は、コントローラ7及びブラケット6の少なくともいずれかを備えてもよい。印刷装置2の構成は適宜変更されてよい。例えば、印刷装置2に装着されるインクリボン9Aの搬送経路は適宜変更されてよい。第一装着部及び第二装着部は各々、インクリボンが巻回された第一ロール及び第一ロールから繰り出されたインクリボンが巻き取られる第二ロールを装着可能であればよい。印刷装置は、印刷時にインクリボン9A及び印刷媒体Pの搬送が停止され、サーマルヘッド24をインクリボン9Aに沿って移動させることで印刷するタイプの印刷装置であってもよい。移動機構は印刷装置をインクリボンの幅方向に移動可能であればよい。移動機構は、第一センサ、第二センサの少なくとも一方を備えなくてもよいし、移動機構は、機械式のセンサ等により可動範囲Rを取得してもよい。各部材を移動させる駆動源は適宜変更されてよい。印刷システムと通信可能な外部機器は、例えばPC、携帯端末等であってもよい。
印刷システムは、メイン処理を実行させるプロセッサとして、CPU、マイクロコンピュータ、ASIC (Application Specific Integrated Circuits)、FPGA (Field Programmable Gate Array)などを備えてもよい。メイン処理は、印刷システム内の複数のプロセッサによって分散処理されてもよい。上記実施形態のメイン処理の各ステップは、必要に応じて順序の変更、ステップの省略、及び追加が可能である。
インクリボン9Aの使用領域(画像領域)は、印刷毎に異なっていてもよい。インクリボン9Aの使用領域の形状は、C状、三角形状等適宜変更されてよい。一の画像の印刷の使用領域と、次の画像の使用領域とは、互いに重ならない位置であればよく、両者の延設範囲は、インクリボン9Aの幅方向Y2において部分的に重なってもよい。インクリボン9Aに対する画像及び使用領域間の幅方向の距離は適宜変更されてよい。印刷装置の初期位置(ホームポジションD)は、原点B、可動限界W等適宜変更されてよい。所定値が1である時等、S51の処理は省略されてよい。S51における印刷装置の移動速度は適宜変更されてよい。印刷装置は、電源が投入されたとき、指示があった場合にのみ、可動範囲を検出してもよい。印刷装置は、指示によらずに第二モータを制御して、印刷装置を第四速度以外の速度で移動して印刷装置の可動範囲を取得してもよい。印刷装置は、可動範囲内に使用可能範囲を設定しなくてもよく、S5、S6の処理は適宜省略されてよい。S6における印刷装置の移動速度は適宜変更されてよい。S9及びS38の少なくとも何れかで取得される指示は、スイッチ65の押下により入力される例に限らず、例えば、外部機器8からコントローラ7を介して取得されてもよい。S9及びS38の少なくとも何れかで取得される指示は、タッチパネル、ダイヤル等のスイッチ65以外の操作部の操作に応じて入力されてもよい。