JP7029210B1 - 肥料粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、肥料成分の溶出制御性が良好な、生分解性樹脂含有肥料粒子を提供することである。【解決手段】本発明は、肥料成分が樹脂組成物に被覆された肥料粒子であって、前記樹脂組成物が、生分解性樹脂及び無機物質を含み、前記生分解性樹脂が、少なくともポリブチレンアジペートテレフタレートを含み、前記生分解性樹脂と前記無機物質との質量比が、10:90~70:30であり、前記無機物質が、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトである、肥料粒子を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、肥料粒子に関する。
肥料成分の施肥方法として、樹脂等で被覆された肥料粒子の使用が知られる。このような肥料粒子によれば、肥料成分が長期にわたって徐放され、施肥の効率化を図ることができる。
しかし、このような肥料粒子から肥料成分が溶出した後は、樹脂等の被覆材が分解されずに、田畑や水域に蓄積してしまう可能性がある。このような蓄積は、環境汚染(海域等の汚染、マイクロプラスチックの生物濃縮等)の問題を引き起こし得る。
上記の問題を解消する方法として、被覆材として生分解性樹脂を用いる方法が考えられる(例えば、特許文献1及び2)。
特表2017-517471号公報 特開2003-55079号公報
しかし、本発明者は、生分解性樹脂の使用によって環境汚染等の問題を低減できるものの、肥料成分の溶出制御性が損なわれ得ることを見出した。肥料成分の溶出制御性が低ければ、肥料成分の多くが短期間で溶出してしまい、施肥の効率化を図ることはできない。
本発明は以上の実情に鑑みて完成されたものであり、肥料成分の溶出制御性が良好な、生分解性樹脂含有肥料粒子の提供を目的とする。
本発明者は、肥料成分の被覆材に、少なくともポリブチレンアジペートテレフタレートを含む生分解性樹脂とともに、所定の無機物質を配合することで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下を提供する。
(1) 肥料成分が樹脂組成物に被覆された肥料粒子であって、
前記樹脂組成物が、生分解性樹脂及び無機物質を含み、
前記生分解性樹脂が、少なくともポリブチレンアジペートテレフタレートを含み、
前記生分解性樹脂と前記無機物質との質量比が、10:90~70:30であり、
前記無機物質が、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトである、
肥料粒子。
(2) 前記樹脂組成物中の樹脂が、前記生分解性樹脂からなる、(1)に記載の肥料粒子。
(3) 前記生分解性樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレートからなる、(1)又は(2)に記載の肥料粒子。
(4) 前記生分解性樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレート及びポリ乳酸からなり、
前記ポリブチレンアジペートテレフタレートと前記ポリ乳酸との質量比が、50:50~90:10である、(1)又は(2)に記載の肥料粒子。
(5) 前記生分解性樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレート及び酢酸セルロースからなり、
前記ポリブチレンアジペートテレフタレートと前記酢酸セルロースとの質量比が、50:50~90:10である、(1)又は(2)に記載の肥料粒子。
(6) 前記酢酸セルロースの酢化度が、50%以上65%以下である、(5)に記載の肥料粒子。
(7) 前記炭酸カルシウムが、重質炭酸カルシウムである、(1)から(6)のいずれかに記載の肥料粒子。
(8) 前記無機物質の平均粒子径が、0.7μm以上6.0μm以下である、(1)から(7)のいずれかに記載の肥料粒子。
(9) 前記樹脂組成物が、セルロースパウダー、木粉、デンプン、モミ殻、オカラ、及びフスマからなる群から選択される1以上の天然有機物を含み、
前記天然有機物の含有量が、前記樹脂組成物に対して、2.0質量%以上30.0質量%以下である、(1)から(8)のいずれかに記載の肥料粒子。
(10) 前記樹脂組成物が、クエン酸アセチルトリブチルを含み、
前記クエン酸アセチルトリブチルの含有量が、前記樹脂組成物に対して、2.0質量%以上20.0質量%以下である、(1)から(9)のいずれかに記載の肥料粒子。
本発明によれば、肥料成分の溶出制御性が良好な、生分解性樹脂含有肥料粒子が提供される。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
<本発明の肥料粒子>
本発明の肥料粒子は、肥料成分が樹脂組成物に被覆された肥料粒子であって、
該樹脂組成物が、生分解性樹脂及び無機物質を含み、
該生分解性樹脂が、少なくともポリブチレンアジペートテレフタレートを含み、
該生分解性樹脂と該無機物質との質量比が、10:90~70:30であり、
該無機物質が、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトであるものである。
ポリブチレンアジペートテレフタレート(以下、「PBAT」ともいう。)は、良好な生分解性を有する。したがって、PBATを被覆された肥料粒子は、環境汚染等の問題を生じにくい。
他方で、本発明者は、PBATのみを被覆した肥料粒子は、肥料成分の多くが短期間で溶出してしまい、肥料成分の徐放が難しいことを見出した。
そこで、本発明者が更に検討した結果、PBATを含む生分解性樹脂とともに、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトを所定比で配合した樹脂組成物を被覆材として用いることで、意外にも、環境への負荷を低減しつつも上記問題を解決できることを見出した。
したがって、本発明の肥料粒子は、環境汚染を引き起こしにくいだけではなく、肥料成分の溶出制御性が良好である。
本発明において「肥料成分の溶出制御性」とは、施肥された肥料粒子中の肥料成分の溶出割合や溶出速度が制御されていることを包含する。
例えば、肥料成分の溶出制御性が良好な肥料粒子によれば、溶出率が高い値(例えば、50%以上、60%以上、80%以上)に到達するまでの日数が長くなる(例えば、70日以上、80日以上、90日以上)。
本発明において「溶出率」とは、肥料粒子に配合した肥料成分の総量に対する、肥料粒子から溶出した肥料成分の総量の割合(単位:%)を意味する。
「溶出制御性」は、実施例に示した溶出試験により評価できる。
「溶出率」は、比色法に基づき算出できる。
以下、本発明の肥料粒子の構成について詳述する。
(樹脂組成物)
本発明における樹脂組成物は、ポリブチレンアジペートテレフタレートを含む生分解性樹脂、並びに、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトである無機物質を少なくとも含む。
[生分解性樹脂]
本発明における生分解性樹脂は、PBATを含んでいれば良く、PBAT以外の生分解性樹脂を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
PBAT以外の生分解性樹脂としては、ポリ乳酸、酢酸セルロース、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(3-ヒドロキシブチレート-コ-3-ヒドロキシヘキサノエート)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2-オキセタノン)等が挙げられる。
上記のうち、本発明の効果が奏され易いという観点から、ポリ乳酸、及び酢酸セルロースが好ましい。
本発明において「酢酸セルロース」とは、酢酸でエステル化されたモノマー単位を有するポリマーを包含する。酢酸セルロースは、酢酸の他にプロピオン酸や酪酸でエステル化されたモノマー単位を含むものであっても良い。
代表的な酢酸セルロースとしては、三酢酸セルロース(トリアセチルセルロース)、二酢酸セルロース等が挙げられる。
本発明における酢酸セルロースは、本発明の効果が奏され易いという観点から、酢化度が、好ましくは50%以上65%以下、より好ましくは53%以上60%以下である。
本発明において「酢化度」とは、ポリマー中のアセチル基を酢酸換算した割合を意味する。酢化度は、ASTM:D-817-91に基づき特定される。
本発明の好ましい態様のひとつにおいて、生分解性樹脂は、PBATからなる(つまり、PBATの含有量が、生分解性樹脂に対して100質量%である。)。
本発明の好ましい態様のひとつにおいて、生分解性樹脂は、PBAT及びポリ乳酸からなる。
かかる態様において、PBATと、ポリ乳酸との質量比は、好ましくはPBAT:ポリ乳酸=50:50~90:10、より好ましくはPBAT:ポリ乳酸=60:40~80:20である。
本発明の好ましい態様のひとつにおいて、生分解性樹脂は、PBAT及び酢酸セルロースからなる。
かかる態様において、PBATと、酢酸セルロースとの質量比は、好ましくはPBAT:酢酸セルロース=50:50~90:10、より好ましくはPBAT:酢酸セルロース=60:40~80:20である。
本発明の肥料粒子には、樹脂成分として、上記生分解性樹脂以外の成分を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
ただし、環境への負荷を低減する観点から、本発明の肥料粒子は、樹脂成分として、上記生分解性樹脂以外を含まないことが好ましい(つまり、樹脂組成物中の樹脂が、上記生分解性樹脂からなることが好ましい。)。
[無機物質]
本発明における樹脂組成物は、炭酸カルシウム及びドロマイトからなる群から選択される1以上の無機物質を含む。
本発明において「炭酸カルシウム」とは、「重質炭酸カルシウム」及び「軽質炭酸カルシウム」を包含する。炭酸カルシウムは、合成物でも良く、天然鉱物由来のものでも良い。
「重質炭酸カルシウム」とは、天然炭酸カルシウムを機械的に粉砕等することで得られるものであり、化学的沈殿反応等によって製造される合成炭酸カルシウム(すなわち、軽質炭酸カルシウム)とは明確に区別される。
本発明の効果が奏され易いという観点から、炭酸カルシウムとしては重質炭酸カルシウムが好ましい。
本発明において「ドロマイト」とは、苦灰石(CaMg(CO)を意味する。
本発明における樹脂組成物には、炭酸カルシウム及びドロマイト以外の無機物質が含まれていても良く、含まれていなくても良い。
炭酸カルシウム及びドロマイト以外の無機物質としては、例えば、金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛等)の塩(炭酸塩、硫酸塩、珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩)、酸化物、及びこれらの水和物等が挙げられる。
具体的には、例えば、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、カオリン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪砂、カーボンブラック、ゼオライト、モリブデン、珪藻土、セリサイト、シラス、亜硫酸カルシウム、硫酸ナトリウム、チタン酸カリウム、ベントナイト、ウォラストナイト、ドロマイト、黒鉛等が挙げられる。
これらの無機物質は、合成物でも良く、天然鉱物由来のものでも良い。
これらの無機物質は、1種単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明における無機物質の形態は、特に限定されないが、利用のし易さから、通常は粉末である。
本発明における無機物質の形状は、特に限定されないが、粒子状(球形、不定形等)、フレーク状、顆粒状、繊維状等が挙げられる。
本発明における無機物質(ドロマイト以外)は、本発明の効果が奏され易いという観点から、平均粒子径が、好ましくは0.1μm以上6.0μm以下、より好ましくは0.2μm以上4.0μm以下である。
本発明におけるドロマイトは、本発明の効果が奏され易いという観点から、平均粒子径が、好ましくは10μm以上30μm以下、より好ましくは15μm以上25μm以下である。
本発明において「平均粒子径」とは、JIS M-8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値を意味する。
平均粒子径の測定機器としては、例えば、島津製作所社製の比表面積測定装置「SS-100型」を好ましく用いることができる。
本発明における無機物質は、以下の態様を全て包含する。
(態様1)無機物質が、炭酸カルシウム及びドロマイトのいずれかのみからなる。
(態様2)無機物質が、炭酸カルシウム及びドロマイトの両方のみからなる。
(態様3)無機物質が、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトと、炭酸カルシウム及びドロマイト以外の無機物質と、からなる。
上記態様のうち、本発明の効果が奏され易いという観点から、(態様1)及び(態様2)が好ましく、(態様2)がより好ましい。
(態様2)において、炭酸カルシウム及びドロマイトの割合は特に限定されないが、本発明の効果が奏され易いという観点から、炭酸カルシウムの割合が過半であることが好ましい。
炭酸カルシウムとドロマイトとの質量比(炭酸カルシウム:ドロマイト)は、好ましくは51:49~80:20、より好ましくは60:40~70:30である。
(態様3)において、各無機物質の割合は特に限定されないが、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトの割合が高いほど本発明の効果が奏され易い。
各無機物質の質量比(炭酸カルシウム及びドロマイトの総量:炭酸カルシウム及びドロマイト以外の無機物質の総量)は、好ましくは99:1~80:20、より好ましくは99:1~90:10である。
[その他の成分]
本発明における樹脂組成物には、上記以外の成分が含まれていても良く、含まれていなくても良い。ただし、環境への負荷を低減する観点から、樹脂組成物は、生分解性が低い成分を含まないことが好ましい。
本発明における樹脂組成物に含まれ得る成分としては、天然有機物、可塑剤等が挙げられる。これらの成分の種類や量は、得ようとする効果等に応じて適宜設定できる。
天然有機物としては、本発明の効果を高め易いという観点から、セルロースパウダー、木粉、デンプン、モミ殻、オカラ、及びフスマからなる群から選択される1以上が好ましい。
本発明において「セルロースパウダー」とは、粉末状のセルロースであれば特に限定されない。
セルロースパウダーの平均粒子径は、好ましくは5μm以上45μm以下、より好ましくは10μm以上30μm以下である。
セルロースパウダーとしては市販品を使用しても良い。
本発明において「木粉」とは、任意の樹木(ヒノキ、スギ等)から得られた粉末であれば特に限定されない。
木粉の平均粒子径は、好ましくは20μm以上300μm以下、より好ましくは20μm以上45μm以下である。
木粉としては、例えば、「おがくず」として知られるものを使用できる。
本発明において「デンプン」とは、樹脂とともに配合され得る任意の形態のものを使用できる。デンプンは、例えば粉末状であっても良い。
本発明において「モミ殻」とは籾の最外皮を意味し、樹脂とともに配合され得る任意の形態のものを使用できる。モミ殻は、例えば粉末状であっても良い。
本発明において「オカラ」とは豆乳の搾り滓を意味し、樹脂とともに配合され得る任意の形態のものを使用できる。オカラは、乾燥物が好ましく、粉末乾燥物がより好ましい。
本発明において「フスマ」とは小麦の製粉時に除かれる皮(外皮部、胚芽等)を意味し、樹脂とともに配合され得る任意の形態のものを使用できる。フスマは、例えば粉末状であっても良い。
天然有機物の含有量(総量)の上限は、樹脂組成物に対して、好ましくは30.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。
天然有機物の含有量(総量)の下限は、樹脂組成物に対して、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上である。
可塑剤としては、例えば、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジアリール、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ-2-メトキシエチル、酒石酸ジブチル、o-ベンゾイル安息香酸エステル、ジアセチン、エポキシ化大豆油等が挙げられる。
これらのうち、本発明の効果が奏され易いという観点から、クエン酸アセチルトリブチルが好ましい。
可塑剤としてクエン酸アセチルトリブチルを用いる場合、その含有量の上限は、本発明の樹脂組成物に対して、好ましくは20.0質量%以下、より好ましくは15.0質量%以下である。
可塑剤としてクエン酸アセチルトリブチルを用いる場合、その含有量の下限は、本発明の樹脂組成物に対して、好ましくは2.0質量%以上、より好ましくは5.0質量%以上である。
[樹脂組成物の組成]
本発明における樹脂組成物の組成は、生分解性樹脂と無機物質との質量比が、生分解性樹脂:無機物質=10:90~70:30を満たせば特に限定されない。
生分解性樹脂と無機物質との質量比(生分解性樹脂:無機物質)は、好ましくは20:80~60:40、より好ましくは30:70~50:50である。
生分解性樹脂の含有量(総量)の上限は、樹脂組成物に対して、好ましくは95質量%以下、より好ましくは92質量%以下である。
生分解性樹脂の含有量(総量)の下限は、樹脂組成物に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。
無機物質の含有量(総量)の上限は、樹脂組成物に対して、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
無機物質の含有量(総量)の下限は、樹脂組成物に対して、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上である。
[樹脂組成物の製造方法]
樹脂組成物は、上記の成分を用いて、樹脂組成物の製造方法として従来知られる方法に基づき製造できる。
樹脂組成物は、例えば、成分の混合及び溶融混練等を経て得られる。
溶融混練は、例えば、二軸混練機等によって行っても良い。
本発明の樹脂組成物の形態は特に限定されないが、例えば、任意の大きさ及び形状のペレットであり得る。
(肥料成分)
肥料成分としては、従来知られる任意の成分を採用し得る。
具体的には、
尿素、
アルデヒド縮合尿素類(ホルムアルデヒド縮合尿素、イソブチルアルデヒド縮合尿素等)、
硫酸グアニル尿素類、
石灰窒素、
アンモニウム化合物(硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等)、
カリウム塩(硝酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム等)、
カルシウム塩(リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム等)、
マグネシウム塩(硝酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸マグネシウム等)、及び
鉄塩(硝酸第一鉄、硝酸第二鉄、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、塩酸第一鉄、塩酸第二鉄等)、
並びにこれらの複塩等が挙げられる。
これらの肥料成分は、1種単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
肥料成分の形状は、特に限定されないが、粒子状(球形、不定形等)、フレーク状、顆粒状、繊維状等が挙げられる。
肥料成分の平均粒子径は、好ましくは2mm以上7mm以下、より好ましくは3mm以上5mm以下である。
<本発明の肥料粒子の製造方法>
従来知られる任意の方法によって、肥料成分の表面を樹脂組成物で被覆することで本発明の肥料粒子が得られる。
被覆の方法としては、例えば、以下の方法を採用できる。
(1)樹脂組成物を溶剤に溶解させ、樹脂溶液を得る。溶剤としては、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等が挙げられる。
(2)樹脂溶液を、肥料成分の表面に塗布する。塗布の方法としては噴霧等が挙げられる。
(3)噴霧後、適宜乾燥し、樹脂組成物に被覆された肥料粒子が得られる。
肥料成分に被覆する樹脂組成物の量は特に限定されないが、肥料成分に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。
肥料成分に被覆する樹脂組成物の量は過度でなくとも良く、肥料成分に対して、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下である。
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<樹脂組成物の作製>
表1乃至18に示す各成分を含む樹脂組成物を準備した。なお、表中の組成の数値の単位は「質量%」である。
樹脂組成物中の各成分の詳細は下記の通りである。なお、以下、「平均粒子径」とは、島津製作所社製の比表面積測定装置「SS-100型」を用い、JIS M-8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から計算した値である。
(生分解性樹脂)
生分解性樹脂1:ポリブチレンアジペートテレフタレートのみからなる。
生分解性樹脂2:ポリブチレンアジペートテレフタレート70質量%、及びポリ乳酸30質量%からなる。
生分解性樹脂3:ポリブチレンサクシネートアジペート70質量%、及び酢酸セルロース(トリアセチルセルロース、酢化度=約55%)30質量%からなる。
(無機物質)
炭カル1:重質炭酸カルシウム粒子(平均粒子径:2.2μm、表面処理なし)
炭カル2:軽質炭酸カルシウム粒子(平均粒子径:1.5μm、表面処理なし)
ドロマイト:ドロマイト粒子(平均粒子径:20μm、表面処理なし)
炭マグ:炭酸マグネシウム粒子(平均粒子径:0.3μm、表面処理なし)
タルク:タルク粒子(平均粒子径:3.0μm、表面処理なし)
(天然有機物)
セルロースパウダー:平均粒子径20μm
木粉:平均粒子径30μm、ヒノキ由来
デンプン:粉末状
モミ殻:粉末状
オカラ:粉末乾燥物
フスマ:粉末状
(その他)
可塑剤:クエン酸アセチルトリブチル
<肥料粒子の作製>
作製した各樹脂組成物を、溶剤(テトラクロロエチレン)に溶解させ、樹脂溶液を得た。
得られた樹脂溶液を、市販の噴霧装置を用いて、肥料成分(平均粒子径約3mmの粒状尿素)に噴霧し、樹脂組成物に被覆された肥料粒子を得た。
なお、各樹脂組成物の噴霧量は、肥料成分に対して15質量%程度に設定した。
<肥料粒子の評価>
特開2003-055079号公報に記載された方法に準じて、溶出試験を行った。
具体的には、各樹脂組成物に被覆された肥料粒子(10g)を、脱イオン水(200g)に浸漬させ、25℃の恒温槽に入れ、90日保管した。
保管開始10日後、40日後、及び90日後の各時点で溶出率を算出した。
溶出率は、脱イオン水中に溶出した肥料成分に基づいて比色法を用いて測定した。
得られた溶出率に基づき、肥料粒子の溶出性を以下の基準で評価した。
(評価基準)
A:保管開始10日後の溶出率が20%未満であり、保管開始40日後の溶出率が40%未満であり、保管開始90日後の溶出率が60%未満だった。
B:保管開始10日後の溶出率が20%未満であり、保管開始40日後の溶出率が40%未満であり、保管開始90日後の溶出率が80%未満だった。
C:保管開始10日後の溶出率が20%未満であり、保管開始40日後の溶出率が40%未満であり、保管開始90日後の溶出率が80%超だった。
D:保管開始10日後の溶出率が20%未満であり、保管開始40日後の溶出率が40%超だった。
E:保管開始10日後の溶出率が20%超だった。
本例において、溶出率は経時的に高くなるが、溶出率が高い値(例えば80%)に到達するまでの日数が長いほど、溶出制御性が高いことを意味する。
Figure 0007029210000001
Figure 0007029210000002
Figure 0007029210000003
Figure 0007029210000004
Figure 0007029210000005
Figure 0007029210000006
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Figure 0007029210000008
Figure 0007029210000009
Figure 0007029210000010
Figure 0007029210000011
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Figure 0007029210000014
Figure 0007029210000015
Figure 0007029210000016
Figure 0007029210000017
Figure 0007029210000018
上記表に示される通り、本発明の要件を満たす肥料粒子は、長期にわたって肥料成分が溶出しており、溶出制御性が高かった。
他方で、本発明の要件を満たさない肥料粒子は、初期溶出率(本例では保管開始10日後の溶出率)が高く、溶出制御性が低かった。
肥料粒子の溶出制御性は、樹脂組成物に炭酸カルシウム及びドロマイトの両方が含まれている場合、樹脂組成物に含まれる無機物質が重質炭酸カルシウムである場合、又は、樹脂組成物に天然有機物が含まれている場合に、より向上し易い傾向にあった。
なお、本例で用いた樹脂組成物は、いずれも良好な生分解性を有していた。

Claims (7)

  1. 肥料成分が樹脂組成物に被覆された肥料粒子であって、
    前記樹脂組成物が、生分解性樹脂及び無機物質を含み、
    前記生分解性樹脂が、ポリブチレンアジペートテレフタレート及び酢酸セルロースからなり、
    前記生分解性樹脂と前記無機物質との質量比が、10:90~70:30であり、
    前記無機物質が、炭酸カルシウム及び/又はドロマイトであり、
    前記ポリブチレンアジペートテレフタレートと前記酢酸セルロースとの質量比が、50:50~90:10である、
    肥料粒子。
  2. 前記樹脂組成物中の樹脂が、前記生分解性樹脂からなる、請求項1に記載の肥料粒子。
  3. 前記酢酸セルロースの酢化度が、50%以上65%以下である、請求項1又は2に記載の肥料粒子。
  4. 前記炭酸カルシウムが、重質炭酸カルシウムである、請求項1からのいずれかに記載の肥料粒子。
  5. 前記無機物質の平均粒子径が、0.7μm以上6.0μm以下である、請求項1からのいずれかに記載の肥料粒子。
  6. 前記樹脂組成物が、セルロースパウダー、木粉、デンプン、モミ殻、オカラ、及びフスマからなる群から選択される1以上の天然有機物を含み、
    前記天然有機物の含有量が、前記樹脂組成物に対して、2.0質量%以上30.0質量%以下である、請求項1からのいずれかに記載の肥料粒子。
  7. 前記樹脂組成物が、クエン酸アセチルトリブチルを含み、
    前記クエン酸アセチルトリブチルの含有量が、前記樹脂組成物に対して、2.0質量%以上20.0質量%以下である、請求項1からのいずれかに記載の肥料粒子。
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