JPH07133179A - 改良された崩壊膜被覆粒状肥料 - Google Patents

改良された崩壊膜被覆粒状肥料

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JPH07133179A
JPH07133179A JP5302350A JP30235093A JPH07133179A JP H07133179 A JPH07133179 A JP H07133179A JP 5302350 A JP5302350 A JP 5302350A JP 30235093 A JP30235093 A JP 30235093A JP H07133179 A JPH07133179 A JP H07133179A
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fertilizer
granular fertilizer
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Toshio Fujita
利雄 藤田
Shigemitsu Yoshida
重光 吉田
Yoshitatsu Yamashita
吉達 山下
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    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
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    • C05G5/00Fertilisers characterised by their form
    • C05G5/30Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings
    • C05G5/37Layered or coated, e.g. dust-preventing coatings layered or coated with a polymer

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 分解性にすぐれ、長期保存後でも溶出の変動
をおこさない機能を有する被覆粒状肥料の提供。 【構成】 酸化分解層(昇華性微粒子+熱可塑性樹脂)
の上に保護層(生分解性または水溶性樹脂)を設けた被
膜で被覆した被覆粒状肥料。 【効果】 保存による溶出変動率および被覆の上中崩壊
率は、実施例の4〜15%、79〜90%に対し、比較
例では6〜90%、1〜90%であった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は分解性被膜で粒状肥料を被覆して
溶出コントロールする肥効調節型肥料に関する。更に詳
しくは昇華性微粒子と熱可塑性樹脂を有効成分とする酸
化分解層の上に生分解性樹脂及び/または水溶性樹脂の
一種以上を有効成分とする保護層を設けた被膜で粒状肥
料を被覆して成る被覆粒状肥料に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】近年、省力化による低コス
ト栽培や施肥窒素による環境汚染対策が肥料の技術的な
重要課題とされている。作物の吸収に合わせて肥料を溶
出させることにより1回の施肥で済むと云った施肥の省
力化、及び施用肥料の高利用率による環境への影響の軽
減を可能にする肥効調節型肥料が実用化され、注目され
ている。これらの肥料の素晴らしい機能はぜひ必要であ
るが、出来れば被膜は欲しくないと指摘されているよう
に、第1に溶出速度を任意にコントロール出来る材料、
第2に被膜が施肥目的達成後速やかに土壌中に分解還元
される機能が望まれている。第1の課題については種々
の公知の技術が開示されているが、本発明者らはポリオ
レフィン系樹脂を主成分とする肥料の被覆技術(特公昭
54−3104号)、ポリオレフィン系樹脂とエチレン
・酢酸ビニル共重合体を被覆材料で被覆する溶出コント
ロール技術(特公昭60−21952号、特公昭60−
37074号)、更に該被膜にタルクを分散させて溶出
速度の温度依存性をコントロールする技術(特公昭60
−3040号)を開示し、希望する任意の肥効コントロ
ールが可能であることを示した。第2の課題について本
発明者らは前記第1の課題に連系した技術開発を行な
い、エチレン・一酸化炭素共重合体(特公平2−235
16号)、エチレン・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体
(特公平2−23515号)、等の光分解性の共重合体
を主要な被覆材とし、任意に溶出がコントロールできる
技術を開発した。この技術による被覆肥料は土壌中に光
が届かない暗黒状態では分解が遅く、表層に露出した機
会に分解・崩壊化が起るため、連用して行く場合常時数
年または十数年分の被膜が残留する可能性があった。従
って第2の課題の解決には光の届かない土壌中でも分解
する被膜が望まれていた。本発明者らは生分解性樹脂で
あるポリエステル類により被覆し、溶出コントロールと
被膜の土壌分解性ともに付与された被覆技術(特公平2
−23517号)を開示した。この種のものは被膜が土
壌中で微生物分解を受けるため土壌中における安定した
溶出コントロールを確保することが困難であり、また現
在は材料費が高価で肥料へ適用するには経済性の範囲外
で実用化までには課題が多い。材料費も安値で経済的に
肥料に適用できる土中分解性の被膜として本発明者ら
は、熱可塑性樹脂被膜に硫黄を分散する事によって被膜
に分解性を賦与する技術(特公平1−39995号)を
開示した。この被覆粒状肥料によって土壌中における実
用上充分な崩壊性が得られる様になった。しかし、この
被覆粒状肥料には長期間の保存によって溶出速度が変動
すると言った欠点があり、製造から流通、使用までの期
間に制約があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】公知技術の上記問題に
鑑み、本発明者らは優れた土中分解能を有し、且つ長期
保存の後でも溶出の変動を起こさない土中分解性の被覆
粒状肥料の研究を鋭意行った。前記の硫黄をはじめとす
る昇華性微粒子を分散させた熱可塑性樹脂被膜の上に、
保存中には完全な被覆状態を保ち、土壌中または水中に
施用後は速やかに無くなるか、被膜の一部が分解または
溶解することによって不完全な被膜となる機能を有する
被膜を被覆する事によって、優れた分解性を有し、且つ
長期保存の後でも溶出の変動を起こさない機能が得られ
ることを認めて本発明を完成した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)な
いし(5)の構成を有する。 (1)昇華性微粒子と熱可塑性樹脂を有効成分とする酸
化分解層の上に生分解性樹脂及び/または水溶性樹脂の
一種以上を有効成分とする保護層を設けた被膜で粒状肥
料を被覆して成る被覆粒状肥料。 (2)昇華性微粒子が樟脳、ナフタリン、硫黄である前
記第1項記載の被覆粒状肥料。 (3)昇華性物質を被膜材料の5〜90wt%の割合で
分散させた前記第1項記載の被覆粒状肥料。 (4)被膜中に水難溶性若しくは水不溶性の充填材を混
合してなる前記第1項に記載の被覆粒状肥料。 (5)充填材がタルク、クレイ、ケイソウ土、シリカ、
炭酸カルシウム、ゼオライトから選ばれた一種以上であ
る前記第4項に記載の被覆粒状肥料。
【0005】本発明の構成と効果について以下に詳述す
る。本発明は2つの技術によって成り、第1の技術は土
壌中で被膜を分解させる技術であり、この効果は主に酸
化分解層が担う。第2の技術は長期保存後の溶出の安定
性を確保する技術であり、この効果は保護層が担う。該
酸化分解層の土壌中における分解作用は熱可塑性樹脂中
に分散された昇華性微粒子が徐々に昇華した結果、膜内
に微細な空隙が生成し、空気との接触面積を著しく増加
し、また熱可塑性樹脂被膜の隔壁が極薄化して酸化分解
を受けて崩壊し易くなることにより得られる。従って昇
華性微粒子の昇華性の程度は、施肥後空隙が完成するま
での期間に影響を与える。熱可塑性樹脂の酸化分解速度
と、空隙の界面(空隙、高分子間)は比例し、空隙界面
は昇華性微粒子の割合に比例し、粒径に反比例する。即
ち、添加割合が多いほど、また粒子径が小さいほど酸化
分解は進行し、被膜設計に際してはこれらの組合せを充
分に検討し計画される。
【0006】該酸化分解層に必須の構成成分である熱可
塑性樹脂とはポリ塩化ビニリデン及びその重合体、ポリ
オレフィン系の樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、
エチレン・一酸化炭素共重合体、エチレン・酢酸ビニル
・一酸化炭素共重合体、エチレン・アクリレート共重合
体、エチレン・メタクリル酸共重合体、ゴム系樹脂、ポ
リスチレン、ポリメチルメタアクリレート等から選ばれ
た一種以上であるがこれに限るものではない。同じく該
酸化分解層に必須の構成成分である昇華性物質とは常温
に於て個体で、且つ水に不溶または難溶性で、粒径が
0.01〜30μm、好ましくは0.1〜20μmのも
ので、好ましい昇華性微粒子の材料としてはナフタレ
ン、樟脳、硫黄の単独または混合物が挙げられる。ま
た、該昇華性微粒子の該酸化分解層への添加量は被膜重
量の5〜90%、好ましくは10〜80%分散される。
更に酸化分解速度を早める方法としては、酸化分解促進
剤を加える方法が推奨される。酸化促進剤として有効な
ものは−C=C−の不飽和結合を有する有機化合物また
は高分子で、有機化合物としては不飽和脂肪酸、油脂類
等が挙げられ、高分子としては、ジエン系重合体等が挙
げられる。また、この他の酸化促進剤としては遷移金属
或は遷移金属化合物があり、Cu、Ag、Zn、Cd、
Cr、Mo、Mn、Fe、Co、Niなどの微細粉末状
金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、無機酸金属塩、
有機酸金属塩等が挙げられる。これらの酸化促進剤は被
膜に添加することにより、分解速度が早くなるだけでな
く、溶出速度を早める作用も合わせ持つので、溶出速度
との関係も充分考慮したうえで添加量を決定しなくては
ならない。
【0007】上記酸化分解機構を想定されるあらゆる場
面において使用可能にするためには、保存中の昇華性微
粒子の昇華・飛散を防ぎ、土壌等に施用後は被膜の分解
を進めるために昇華性微粒子の昇華・飛散を妨げない構
造のカプセルにする必要がある。昇華と言う作用は物質
固有のものであり、肥料が通常晒される温度範囲におい
ては昇華自体を完全に抑える事は基本的に出来ないが、
樹脂による保護膜で完全に被覆し昇華性物質気体の膜外
への透過速度を下げる事によって、微小局部における昇
華性物質気体の濃度を飽和に近い状態に保ち、昇華及び
昇華による被膜内からの飛散を遅らせる事が出来る。昇
華・飛散を抑えるための保護層は汎用の熱可塑性樹脂に
よる被覆によっても可能であるが、分解性や水への溶解
性が無いため土壌に施用後も保護効果が持続し、かえっ
て優れた分解性を損なう事になる。そこで本発明の保護
膜は土壌中や水田中に施用後、分解または溶解等の作用
で完全に無くなるか、また、無くならないまでも穴があ
くか、多孔状になるか、または極めて薄くなる事によっ
て昇華を抑えない状態になるものでなくてはならない。
【0008】該保護層に供試し得る生分解性及び水溶性
の樹脂は、種類によってその保護効果に多少の差はある
ものの、被膜を形成し、上記崩壊膜を完全に被覆する事
の出来るものであれば何れのものでも良い。該保護層に
必須の生分解性樹脂は土壌中で微生物の資化作用によっ
て分解される機能を有する高分子であれば特に限定する
ものではない。生分解性を示す樹脂としては、種々の構
造を持つ重合体が知られている。その多くは分子構造中
にエステル結合、オルソエステル結合、アセタール結
合、ケタール結合、酸無水物結合、カーボネート結合、
等の加水分解や酵素分解され易い結合(易分解性結合)
をもつ重合体である。該保護層に使用される生分解性樹
脂としては例えば、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ
−β−プロピオラクトン、ポリ−γ−ブチロラクトン、
ポリ−δ−バレロラクトン、ポリ−ε−カプロラクトン
等のポリラクトン類、ポリ−3−ヒドロキシブチレー
ト、ポリ−3−ヒドロキシビリレート等のポリヒドロキ
シアルカノエート類、キチン、キトサン、ポリ−p−ジ
オキサノン、トリメリレンカボネート重合体、ポリリン
ゴ酸、酸無水物重合体、ポリアルキルシアノアクリレー
ト、アミロース、澱粉、デキストラン等の多糖類及びこ
れらの共重合体等が挙げられる。この他にポリグリコー
ル酸/ポリアルキレンブロック共重合体(特開昭59−
100130号)、ウレタンポリマー(特開昭63−2
78924号)、β−マロラクトン重合体(特開昭56
−26929号)、ポリエーテルグリコール系重合体
(特開平1−195862号)、ポリペプチド(公表特
許昭63−502039号)、ポリイミノカーボネート
(Macromolecules,22巻5号,P.2
029)、ポリデプシペプチド(特公平1−21157
4号)、ポリエチレングリコールサクシネート(特開昭
50−47492号)、リグニン類似重合体(特公昭5
4−8502号)等、多種多岐にわたる重合体が知られ
ている。また、これらの他にロウも生分解性の高分子と
して本発明の保護膜に供試する事が出来る。ロウとは例
えば木ロウ、ベイベリーロウ、オウリキュリーロウ等の
植物ロウ、例えば蜜ロウ、昆虫ロウ、鯨ロウ等の動物ロ
ウ、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリン
ワックス等の石油ロウである。該保護層に必須の水溶性
樹脂は水中または、土壌中のように水分が高い環境下に
あって溶解する機能を有するものであれば特に限定する
ものではなく、植物系及び動物系の天然水溶性高分子、
半合成水溶性高分子、合成水溶性高分子の何れであって
も良い。該保護層に供試される水溶性高分子として例え
ば、可溶性デンプン、カルボキシメチルデンプン、デキ
ストリン等のデンプン系天然物、アルギン酸ナトリウ
ム、アラビアガム、ゼラチン、カゼイン等の天然物質、
メチルセルロール等のセルロース誘導体、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロ
リドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリエチレ
ンオキシド、及びアクリル酸、メタクリル酸もしくはこ
れらのエステルまたは塩の重合体またはこれらの共重合
体等が挙げられる。
【0009】また、該保護層には上記生分解性及び水溶
性の樹脂の他に、該酸化分解層に使用の非分解性の熱可
塑性樹脂も分解性、溶解性を損なわない範囲で共用でき
る。保護膜の膜厚を厚くしてやればその分保護効果は高
まるものの、膜が厚くなるに従って相対的に肥料成分の
割合が低くなり、また使用する樹脂量も増えるため経済
的観点から厚くするにも限度がある。保護効果を向上さ
せる上記以外の方法としては高分子から成る被膜にロウ
等の比較的低分子の樹脂を添加する方法があり、その作
用機構は現在の所不明であるが、保護効果の向上に顕著
な効果が認められ好ましい方法である。
【0010】本発明では更に被膜物性や、溶出コントロ
ール機能が損なわれない範囲でフィラーや、界面活性剤
等の添加物が使用できる。本発明で使用されるフィラー
としての粉体は、難水溶性または不水溶性の粉体であ
り、その粒径は被膜厚みの半分以下、好ましくは1/2
以下のものが良い。これらのフィラーは被膜内に均一に
分散されるが、分散性不良のものはシリコン等による表
面処理や界面活性剤等で分散し易くする等の分散性改良
処理が必要である。これらフィラーの好ましい材料とし
ては、タルク、炭酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、
シリカ及びその塩等が挙げられる。これらを使用した場
合、該使用量が増えるといづれの粉体を使用した場合で
あっても被膜強度が低下する傾向がある。本発明に使用
し得る界面活性剤は陽イオン性のもの、陰イオン性のも
の、両性のもの、非イオン性のもの何れも使用し得る
が、界面活性剤の親水性疎水性のバランスが重要であ
る。親水性が強すぎる場合は被膜内に均一に分散せずに
凝集して被膜欠陥生成の原因になる。親油性の強いもの
は被膜への影響はないが、溶出促進効果がやや劣る傾向
がある。これら界面活性剤のHLBは15以下、好まし
くは11から13の範囲にある。
【0011】本発明はあらゆる肥料成分を含む粒状物に
適用できる。例えば硫安、塩安、硝安、尿素、塩化加
里、硝酸加里、硝酸ソーダ、燐酸アンモニア、燐酸加
里、燐酸石灰等の水溶性肥料、及びキレート鉄、酸化
鉄、塩化鉄、ホウ酸、ホウ砂、硫酸マンガン、塩化マン
ガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、モ
リブデン酸アンモニウム等の水溶性微量要素の単体また
は2種以上の成分を含む肥料に対しては特に有効であ
る。また、OMUP(クロチリデンジウレア)、IBD
U(イソブチリデンジウレア)やオキザマイド等の難水
溶性肥料に適用すると、これらの肥料の有効期間を延ば
すことが出来る。
【0012】本発明の崩壊膜を得る製造法としては公知
の方法を適用することが出来る。例えば本発明者が開示
した前述の特公昭54−3104号、特公昭60−21
952号、特公昭60−37074号或は特公昭60−
3040号等の溶液法に於て、昇華性微粒子を分散また
は溶解させて被覆操作を進め、結果として被膜内に分散
し得ることが出来れば方法自体は限定されない。更に本
発明者らの開示による特公昭63−23160号の方
法、即ち被覆用の樹脂溶液を用いる噴流被覆法に於て、
乾燥熱風中に昇華性微粒子を分散させて被覆を進行させ
ることにより、被膜中に該微粒子を分散させる方法も極
めて有効な方法として推賞できる。この場合は当該昇華
性微粒子は危険物であり充分な安全対策が必要である。
また、本発明の保護膜を得る製造法としては公知の方法
を適用する事が出来る。例えば上記の噴流被覆法でも良
く、また噴流被覆法と同様に有機溶剤もしくは無機の溶
剤に溶解後、該溶液を回転パン、回転ドラム等で運動し
ている被覆肥料に添加しつつ、熱風を吹き付け同時に乾
燥させて被膜を形成・成長させる方法でも本発明の保護
膜は得られる。
【0013】以下実施例、比較例によって本発明を説明
する。
【実施例】
実施例1〜18、比較例1〜5 1.本発明肥料の製造例−I 図1は製造例−Iにおいて用いた噴流カプセル化装置を
示す。1は噴流塔で塔径250mm、高さ2000m
m、窒素ガス噴出口径50mm、円錐角50度で肥料投
入口2、排ガス出口3を有する。噴流用窒素ガスはブロ
アー10から送られ、オリフィス流量計9、熱交換器8
を経て噴流塔に至るが、流量は流量計、温度は熱交換器
で管理され、排気は排ガス出口3から塔外に導き出され
る。カプセル化処理に使用される粒状肥料は肥料投入口
2から所定の熱風(N2 ガス)を通し乍ら投入し噴流を
形成させる。熱風温度はT1 、カプセル化中の粒子温度
はT3 、排気温度はT3 の温度計により検出される。T
2 が所定の温度になったら、カプセル化液を一流体ノズ
ル4を通して噴霧状で噴粒に向かって吹き付ける。被覆
液は液タンク11で撹拌しておき、粉体使用の場合は粉
体が被覆液中に均一に分散されているように撹拌してお
く。所定の被覆率に達したらブロアーを止め、被覆され
た肥料を抜き出し口7より排出する。本製造例では下記
の基本条件を維持しつつ所定の被覆率になるまで被覆を
行なった。なお、比較各例では、保護層の被覆を行わな
い以外は同様に実施した。 一流体ノズル:開口0.8mmフルコン型 熱風量:4m3 /min 熱風温度:100±2℃ 肥料の種類:6〜7meshの粒状尿素 肥料投入量:10kg 供試溶剤:トルエン 被覆液濃度:固形分2.5重量% 被覆液供給量:0.3kg/min *被覆液はポンプ5より送られてノズルに至るが、80
℃以下に温度が低下しないように配管を二重管にして蒸
気を流しておく。
【0014】2.本発明肥料の製造例−II 図2は製造例IIに於て用いた被覆粒状装置を示す。被覆
液調整は撹拌機付き溶解槽に水と被覆材を入れ、溶剤を
加熱(沸点の5から10℃以下を目安とする)、撹拌し
て溶解し、固形分1重量%の樹脂溶液とする。この溶液
は溶解後も常時撹拌され、フィラーが入った場合でも均
一な分散状態を保持されている。肥料の被覆は回転パン
中に粒状肥料を入れて転動させ、該肥料粒子に熱風と該
被覆液を噴霧状で添加し、溶剤を蒸発させて所定の被覆
率に至るまで被覆を形成させて被覆粒状肥料を得る。回
転パンとして直径30cmの糖衣機を使用するが、この
中に6〜7meshの粒状尿素を入れ30rpmにて回
転させ、径5cmの熱風噴出口より200m3 /HRの
100±2℃(出口温度)の熱風を粒子転動面より約2
0cmのところから吹き付ける。被覆液は溶解槽にて溶
解・分散した後撹拌を継続しながら約50℃に保持し、
被覆液をポンプで糖衣機に付設したスプレーノズルに送
り、圧縮空気にて粉霧状で転動粒子に2L/HRの供給
速度で粒子温度が50〜55℃の範囲で操作できる様に
継続的に添加し、所定の被覆率に至るまで被覆操作を行
なった。
【0015】3.本発明肥料保存後の溶出速度変動の測
定 製造直後の本発明のサンプルと2年間屋外放置した本発
明のサンプルについて50%溶出日数を求め、溶出変動
率を下記式により求め表1〜2に表示した。 *A:製造直後サンプルの50%溶出日数 B:2年間屋外放置後サンプルの50%溶出日数 屋外放置方法:本発明のサンプル3kgを厚さ200μ
mのLDPE製の樹脂袋に入れ直射日光のあたる屋外に
放置した。 50%溶出日数測定方法:本発明のサンプル10gを2
00ml水中に浸漬して25℃に静置し、所定期間後肥
料と水に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により求
める。肥料には新水を200ml入れて再び25℃に静
置、所定期間後同様な分析を行なう。この様な操作を反
復して水中に溶出した尿素の溶出累計と日数の関係をグ
ラフ化して溶出速度曲線を作成し、50%溶出率に至る
日数を求める。
【0016】4.本発明肥料のカプセル崩壊度測定 本発明のサンプル5gを一粒ずつ先の鋭い針を用いてピ
ンホールを作り、30℃水中にて2週間静置して中の尿
素を溶出させて空カプセルを作る。溶出液から分離した
空カプセルを樹脂製ネットに入れ土壌中(北九州市若松
区、砂壌土)に埋設。3年間放置後カプセルの状態を観
察し、明かにカプセルの原型を止めているサンプルにつ
いて、カプセルの全量を回転羽付きV型混合機に入れて
30分間撹拌混合する。その後10mesh篩を通し、
通過したカプセルの供試カプセルに対する百分率を求め
て崩壊度として表1〜3に表示した。原型をとどめず痕
跡のみ、或は痕跡も認められないものについては上記操
作を行なわず崩壊度100%とした。
【0017】
【表1】
【0018】*1 低密度ポリエチレン MI=20 d=0.92 *2 エチレン・酢酸ビニル共重合体 MI=20 VAc=33重
量% *3 平均粒径5μm *4 平均粒径10μm *5 エチレン・一酸化炭素共重合体 CO=1.0重量%
MI=0.9 *6 スチレン・イソプレンブロック共重合体 スチレン/イソプレン=14/86 MI=9 d=0.92 *7 平均粒径10μm *8 エチレン・一酸化炭素・酢酸ビニル共重合体 MI=30 VAc=30重量% CO=12重量% *9 平均粒径10μm *10 塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体 VCl=10重
量% *11 スチレン・ブタジエンブロック共重合体 スチレン/ブタジエン=17/83 MI=0.3 d=0.93
【0019】
【表2】
【0020】
【表3】
【0021】*12 ポリ(3−ハイドロキシ−3−メチ
ルプロピオン酸) Mw=750,000 *13 ポリ(L−2−ハイドロオキシ−2−メチル酢
酸) Mw=150,000 *14 ε−ポリカプロラクトン Mw=60,000 *15 ポリ(D,L−2−ハイドロオキシ−2−メチル
酢酸) Mw=150,000 平均径15μmまで粉砕したもの *16 平均粒径5μm *17 アクリロニトリル・ブタジエン共重合体 アクリロニトリル含量=20重量% d=0.95 *18 ポリ(2−ハイドロオキシ酢酸) Mw=130,000 平均径15μmまで粉砕したもの *19 平均粒径5μm *20 2−ハイドロオキシ酢酸・L−2−ハイドロオキ
シ−2−メチル酢酸共重合体 2−ハイドロオキシ酢酸/L−2−ハイドロオキシ−2
−メチル酢酸=30:70 Mw=100,000 平均径15μmまで粉砕したもの *21 平均粒径5μm *22 エチレン3%を含むコポリマー型アタクチックポ
リプロピレン Mw=60,000 *23 試薬品 *24 2−ハイドロオキシ酢酸・L−2−ハイドロオキ
シ−2−メチル酢酸共重合体 2−ハイドロオキシ酢酸/L−2−ハイドロオキシ−2
−メチル酢酸=50:50 Mw=100,000 平均径15μmまで粉砕したもの *25 平均粒径10μm *26 試薬品 *27 m.p=81〜84℃ *28 試薬品 *29 m.p=69〜73℃ワックス *30 メチルセルロース 置換度=0.7 *31 ポリビニルアルコール 重合度=1,000 鹸化度=
86.5(mol%) *32 ポリビニルピロリドン Mw=40,000 *33 ポリエチレンオキサイド Mw=150,000〜400,000 *34 可溶性澱粉(試薬品)
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造例Iで使用した噴流カプセル化装
置のフローシートである。 [1] 噴流塔 [2] 肥料投入口 [3] 排ガス出口 [4] 一流体ノズル [6] ポンプ [7] 肥料抜出し口 [8] 熱交換器 [9] オリフィス流量計 [10] ブロアー [11] 液タンク
【図2】本発明の製造例IIで使用した被覆粒状装置のフ
ローシートである。 [1] 液タンク [2] 送液管 [3] ポンプ [4] 回転パン [5] スプレーノズル [6] 熱風導入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性微粒子と熱可塑性樹脂を有効成分
    とする酸化分解層の上に生分解性樹脂及び/または水溶
    性樹脂の一種以上を有効成分とする保護層を設けた被膜
    で粒状肥料を被覆して成る被覆粒状肥料。
  2. 【請求項2】 昇華性微粒子が樟脳、ナフタリン、硫黄
    である請求項第1項記載の被覆粒状肥料。
  3. 【請求項3】 昇華性物質を被膜材料の5〜90wt%
    の割合で分散させた請求項第1項記載の被覆粒状肥料。
  4. 【請求項4】 被膜中に水難溶性若しくは水不溶性の充
    填材を混合してなる請求項第1項に記載の被覆粒状肥
    料。
  5. 【請求項5】 充填材がタルク、クレイ、ケイソウ土、
    シリカ、炭酸カルシウム、ゼオライトから選ばれた一種
    以上である請求項第4項に記載の被覆粒状肥料。
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