JP3454298B2 - 分解性被膜を有する被覆粒状肥料 - Google Patents

分解性被膜を有する被覆粒状肥料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肥料に関する。更に
詳しくは、分解性被膜を有する被覆粒状肥料に関する。
【0002】
【従来の技術とその問題点】粒状肥料に関しては、土壌
中に施用された該粒状肥料の肥効成分の溶出を、作物の
生育に伴う要求と合致させるため、または粒状肥料の流
通過程における吸湿または固結を防止するため種々の研
究がなされてきた。粒状肥料の表面を高分子重合体で被
覆する方法もその一つである。この被膜には熱硬化性、
または熱可塑性の何れも使用されている。しかしなが
ら、この様な高分子重合体による被膜にも後述のような
種々の問題がある。被膜材料に熱硬化性樹脂を用いる方
法としては、例えばスチレン化アルキッド樹脂とフェノ
ール樹脂(英国特許594555号)脂肪油変性アルキ
ッド樹脂、脂肪油ジシクロペンタジエン共重合体、ジイ
ソシアネート変性脂肪油共重合体(特公昭40−289
27号)若しくはフェノール樹脂等(特公昭44−28
457号)が示されている。また、熱可塑性樹脂を用い
る方法としては、例えばポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリ
エチレン、及びポリフッ化アルカンまたはこれらの構成
単位単量体の二以上からなる共重合体(英国特許第81
5829号)、酢酸ビニル乳化重合液(特公昭37−1
5832号)が示されている。高分子重合体、特に熱可
塑性樹脂液、或はその乳化重合液を被覆材として、用い
たときの問題点として、特公昭42−13681号公報
には粒状物表面に液状または曳糸性樹脂を被覆させる
と、樹脂の曳糸性のためわずか数%樹脂が被覆されるだ
けで粒子は粘着しあってブロックを作ってしまい、個々
の粒状物にならず均一に厚く被覆することは困難である
ことが示されている。特開昭50−99858号公報、
特開昭51−75674号公報、特開昭53−8826
5号公報は本発明者らによって発明された粒状肥料の被
覆方法に関するものであるが、これら公報には樹脂溶液
の性質と乾燥条件の選択によって被覆工程でブロッキン
グを起こすことなく、一工程で能率よく被覆できる方法
が示されている。特開昭50−93858号公報にはポ
リオレフィンを主成分とする被覆材で粒状肥料を被覆す
るに際し、粒状肥料に被覆材料の溶液を噴霧し、被覆す
ると同時に高速熱風流により乾燥し、粒状肥料を被覆す
る方法が示されている。この技術の特徴は、極めて薄
い被膜で均一に被覆できる点と、界面活性剤を溶出調
整剤として被膜に分散させ溶出速度を調節できる点にあ
る。特開昭51−75874号公報には、ポリ塩化ビニ
リデン系の樹脂、及び酢酸ビニル部分が5重量%以下の
エチレン・酢酸ビニル共重合体がポリオレフィン樹脂と
同時に極めて薄い被膜として粒状肥料を均一に被覆でき
ることを開示している。特公昭60−37074号公報
では、ポリオレフィン系樹脂とエチレン酢酸ビニル共重
合体及び界面活性剤による該被膜が、安定性の高い溶出
コントロールをもたらすことが可能であることを開示し
ている。特公昭60−3040号公報及び特開昭55−
1872号公報ではタルク等の無機粉体を前記ポリオレ
フィン系樹脂等の被膜中に分散させることにより、溶出
コントロール機能を維持し、併せて溶出後の残留カプセ
ルの崩壊や分解が促進されることが開示されている。更
に本発明者らは、エチレン・一酸化炭素共重合体(特公
平2−23516号)、エチレン・酢酸ビニル・一酸化
炭素共重合体(特公平2−23515号)等の光分解性
の共重合体を主要な被覆材とし、任意に溶出がコントロ
ールできる技術を開発した。この技術による被覆粒状肥
料は土壌中に光が届かない暗黒状態では分解が極めて遅
く、表層に露出した機会に分解・崩壊化が起るため、連
用して行く場合常時数年または十数年分の被膜が残留す
る可能性があった。これら光分解性を有する被覆粒状肥
料の欠点を克服するために、これまで光の届かない土壌
中でも分解が進行する生分解性樹脂である脂肪族ポリエ
ステル類に注目し、ポリ−3−ハイドロオキシ−3−ア
ルキルプロピオン酸による被覆技術が開示されている
(特公平2−23517号)。この発明は土壌中で分解
可能な微生物分解性カプセルとして画期的な発明ではあ
ったが、微生物活性の比較的高い土壌においては分解が
速いため溶出期間中に被膜が崩壊し、溶出期間内におけ
る溶出調整機能の維持が不可能であった。また、ポリ−
3−ハイドロオキシ−3−アルキルプロピオン酸に限っ
たことではないが、一般に生分解性を有する脂肪族ポリ
エステルによる被覆膜は、微生物の影響を受けない無菌
の水中であっても極めて溶出期間の短いものしか得られ
ないと云った欠点も有していた。これらの欠点の克服の
ために、特開平7−61884号の発明においては、生
分解性脂肪族ポリエステルであるポリ−2−ハイドロキ
シ−2−アルキル酢酸と、ポリエチレンに代表されるポ
リオレフィンをブレンドした被膜組成によって、溶出期
間の延長と分解速度の低下が達成された。しかしなが
ら、上記生分解性脂肪族ポリエステルとポリオレフィン
のブレンドは、それぞれの樹脂材料の極性が余りにも隔
絶しているため、相溶性が悪く、その被膜は非常に脆
い、強度の低いものであって、製造、保管、流通、施肥
の過程において受ける物理的な負荷に耐え得るものでは
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術において開示
されている生分解性脂肪族ポリエステルは、生分解を受
けやすいエステルユニット含量が非常に大きいが故に速
やかな分解を受けること、更に、含量が大きいが故に極
性が大きくなり、親水性が強くなって溶出が速い。被膜
強度の低下は極性の異なる樹脂のブレンドによるもので
あり、分解速度の低下(分解速度の最適化)と溶出期間
の延長を達成する方法として、ブレンドは最良の方法と
は言い難い。本発明者は上記従来技術の問題点に鑑み鋭
意研究を重ねた結果、驚くべき事に、粒状肥料の表面を
エステル含量が0.5重量%以上10重量%以下である
コポリエステルエチレンで被覆したことを特徴とする分
解性被膜を有する被覆粒状肥料に、極めて優れた効果が
あることを知見し本発明を完成させた。以上の記述から
も明らかなように本発明の目的は、土壌中において微生
物分解によって分解作用を受ける被膜を有する被覆粒状
肥料であって、被覆肥料として実用に耐える充分な長さ
の溶出期間を有し、土壌中においても溶出期間中に被膜
が微生物分解による破損を起こすことが無く、更に製
造、保管、流通、施肥の過程において受ける物理的な負
荷に耐える被膜強度を有する被覆粒状肥料を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以下に記載の
(1)ないし(2)の構成を有する。
【0005】(1)粒状肥料の表面を、エステル単位の
含量が0.5重量%以上10重量%以下である下式
(1)に示した繰り返し単位を有するコポリエステルエ
チレンからなる分解性被膜で被覆したことを特徴とする
被覆粒状肥料。
【0006】 (但し、mは28〜625である。)
【0007】(2)粒状肥料の表面を、エステル単位の
含量が1重量%以上6重量以下である下式(2)に示し
繰り返し単位を有するコポリエステルエチレンからな
る分解性被膜で被覆したことを特徴とする被覆粒状肥
料。 (但し、mは49〜311である。)
【0008】以下に本発明の構成を詳述する。本発明に
おいて必須のコポリエステルエチレンとは、エチレンポ
リマー中にエステルユニット(−COO−)を有するも
のである。生分解性被膜を有する被覆粒状肥料において
は、被覆肥料としての実用充分な溶出期間と、その溶出
期間中には生分解により被膜が破損し溶出機能が損なわ
れることのない機能が求められる。更に溶出期間経過後
には、速やかに被膜が崩壊、若しくは分解を受けるもの
が好ましく、この溶出期間の確保と分解機能とのバラン
スの面から、本発明においてはエステルユニットの含有
量が0.5重量%以上10重量%以下のものであること
が望ましい。この範囲未満の場合には肥料成分の溶出は
遅くなり長期の溶出期間が達成されるものの、土壌中に
おける生分解機能が不充分となる。この範囲を超える場
合には生分解は速くなり分解機能のみ見れば良好な機能
と云えるが、微生物活性の高い土壌においては溶出期間
中に被膜が損傷し、溶出機能が維持できなくなる確率が
高い。
【0009】また、エステルユニット含有量は樹脂の物
性にも影響し、エステルユニット含量が増加するほど樹
脂自体の融点が低下する。一般に肥料製品の保存は屋内
だけでなく、屋外にも保管される場合が多く、直射日光
に曝される屋外の場合物温が80℃にも達する。該コポ
リエステルエチレンの融点が80℃以下の場合には、保
存中に膜構造が変化し保存後の溶出が変動する場合があ
る。保存安定性確保の面、及び上述の溶出期間の確保と
分解機能とのバランスの面から、エステルユニットの含
有量は1重量%以上6重量%以下のものであることが更
に望ましい。被覆粒状肥料として実用充分な溶出期間と
は、特に限定するものではないが、崩壊を受けない現状
の被覆肥料とほぼ同じレンジの溶出期間を指す。具体的
には25℃水中における溶出が、短いものでは30日程
度から長いものでは200日程度のものである。
【0010】本発明の被覆粒状肥料においてその溶出期
間の調整は、エステルユニット含量の選択によって達成
できる。しかしながら、エステルユニット含量の変動は
分解速度や樹脂物性にも影響するため、エステルユニッ
トの含量は溶出期間、分解速度、被膜物性とのバランス
から実施者が任意に最適なポイントを選択すべきであ
る。基本的には長い溶出期間を得ようとすればエステル
ユニット含量は減少し、分解速度も低下する傾向にあ
り、短い溶出期間を得ようとすればエステルユニット含
量は増加し、分解速度は速くなる傾向にある。本発明に
開示のエステルユニット含量最小限度の0.5重量%で
あれば、その溶出制御機能において汎用のポリエチレン
とほぼ同等の機能を示し、相当長期間の溶出機能が得ら
れるが、エステルユニット含量最大限度の10重量%の
コポリエステルエチレンを用いた場合には、30日程度
の極めて短い溶出期間を得ることは難しい。この場合に
は、本発明の効果である生分解機能を損なわない範囲
で、溶出を促進させる極性が高く親水性の強い樹脂を適
量混合して用いても良い。本発明においては溶出を促進
させる樹脂を特に限定するものではないが、エチレン・
酢酸ビニル共重合体等を挙げることが出来る。但し、本
発明のコポリエステルエチレンは、エステルユニットの
含量が通常の生分解性脂肪族ポリエステルと比べると非
常に少ないため、極性が小さくなっている。極性の高い
樹脂を用いる場合には、実用上必要な被膜強度を下回ら
ないように充分注意を払う必要がある。
【0011】以上のように本発明においては、単一の樹
脂材料であっても生分解機能を維持しつつ、溶出期間の
長期化と溶出期間内の生分解による被膜の破損防止が可
能であることから、基本的には極性が極端に違う樹脂材
料をブレンドする必要がない、若しくはあったとしても
極少量で目的の機能が得られるため、製造、保管、流
通、施肥の過程において受ける物理的な負荷に耐える充
分な被膜強度を得ることが出来る。
【0012】更に本発明においては溶出速度の調整にあ
たって、界面活性剤やフィラーを被膜内に分散させると
良い。溶出促進の程度はその分散量によって調節するこ
とが出来る。本発明で使用されるフィラーとしての粉体
は、難水溶性または不水溶性の粉体であり、無機質若し
くは有機質の何れのものも使用し得るが、その粒径は被
膜厚みの半分、好ましくは1/2以下のものが良い。こ
れらのフィラーは被膜内に均一に分散されるが、分散性
不良のものはシリコン等による表面処理や界面活性剤等
で分散し易くする等の分散性改良処理が必要である。こ
れらの無機質粉体の好ましい材料としては、タルク、炭
酸カルシウム、クレイ、ケイソウ土、シリカ及びその
塩、金属酸化物、イオウ等が挙げられる。これら無機質
粉体の内イオウは微生物分解を受ける材料であり、被膜
の複合材料の成分として土壌中での分解を受け易くする
等の利点がある。一方、有機質の粉体は微生物によって
分解を受けるものが多く、複合材料としての土壌分解は
イオウより優れた点があり、例えば澱粉その他澱粉質の
材料や、土壌中で微生物分解によってNH4 を生成する
クロチリデンジウレア等の緩効性窒素肥料が好ましい材
料である。これら粉体をフィラーとして使用した場合、
該使用量が増えるといづれの粉体を使用した場合であっ
ても被膜強度が低下する傾向がある。
【0013】本発明に使用し得る界面活性剤は陽イオン
性のもの、陰イオン性のもの、両性のもの、非イオン性
のもの何れも使用し得るが、界面活性剤の親水性疎水性
のバランスが重要である。親水性が強すぎる場合は被膜
内に均一に分散せずに凝集して被膜欠陥生成の原因にな
る。親油性の強いものは被膜への影響はないが、溶出促
進効果がやや劣る傾向がある。これら界面活性剤のHL
Bは15以下、好ましくは11から13の範囲にある。
【0014】本発明はあらゆる肥料成分を含む粒状物に
適用できる。例えば硫安、塩安、硝安、尿素、塩化加
里、硝酸加里、硝酸ソーダ、燐酸アンモニア、燐酸加
里、燐酸石灰等の水溶性肥料、及びキレート鉄、酸化
鉄、塩化鉄、ホウ酸、ホウ砂、硫酸マンガン、塩化マン
ガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、モリブデン酸ナトリウム、モ
リブデン酸アンモニウム等の水溶性微量要素の単体また
は2種以上の成分を含む肥料に対しては特に有効であ
る。また、OMUP(クロチリデンジウレア)、IBD
U(イソブチリデンジウレア)やオキザマイド等の難水
溶性肥料に適用すると、これらの肥料の有効期間を延ば
すことが出来る。
【0015】本発明に係る被覆材は、有機溶剤に溶解ま
たは分散して使用される。この時使用される溶剤として
は、トルエンに代表されるような高分子材料やワックス
類を溶解するもので、本発明に必須の該脂肪族ポリエス
テルに対し、熱時は可溶であるが冷時は該脂肪族ポリエ
ステルを微細な結晶として析出して白濁するか、若しく
はゼリー状になる有機溶剤群から選択されたものであ
る。これら被覆のための溶液又はこれにフィラーを分散
させた溶液を、転動状態若しくは流動状態にある肥料粒
子に噴霧状で高速熱風流と共に吹き付け、溶剤を瞬時に
乾燥する事によって本発明の被覆粒状肥料を得ることが
出来る。本発明の被覆粒状肥料の製造法において、溶剤
の選択は被覆中高分子材料の粘着性によって肥料粒子同
士がブロック化してケーキ状にならないために必要な条
件であり、また高速熱風流による瞬時の乾燥は、溶剤が
蒸発して冷却又は濃縮過程で高分子が析出し、高分子本
来の被膜形を阻害されることを避けるために必要な条件
である。本発明の被膜にフィラーとして粉体を使用する
場合、粉体が有機溶剤中で沈降や浮上せず均一に混合す
る様に、溶解槽等では強制的に攪拌する必要がある。
【0016】
【発明の効果】以上の記述からも明らかなように本発明
は、粒状肥料の表面をエステル含量が0.5重量%以上
10重量%以下であるコポリエステルエチレンで被覆し
たことを特徴とする分解性被膜を有する被覆粒状肥料で
ある。該被覆粒状肥料は、土壌中において微生物分解に
よって分解作用を受ける被膜を有する被覆粒状肥料であ
って、被覆肥料として実用に耐える充分な長さの溶出期
間を有し、土壌中においても溶出期間中に被膜が微生物
分解による破損を起こすことが無く、更に製造、保管、
流通、施肥の過程において受ける物理的な負荷に耐える
被膜強度を有する。
【0017】
【実施例】以下実施例によって本発明を説明するが、実
施例の記載によって本発明が限定されるものではない。
【0018】1.本発明肥料の製造例 図1は製造例において用いた噴流カプセル化装置を示
す。1は噴流塔で塔径250mm、高さ2000mm、
窒素ガス噴出口径50mm、円錐角50度で肥料投入口
2、排ガス出口3を有する。噴流用窒素ガスはブロアー
10から送られ、オリフィス流量計9、熱交換器8を経
て噴流塔に至るが、流量は流量計、温度は熱交換機で管
理され、排気は排ガス出口3から塔外に導き出される。
カプセル化処理に使用される粒状肥料は肥料投入口2か
ら所定の熱風を(N2 ガス)を通し乍ら投入し噴流を形
成させる。熱風温度はT1 、カプセル化中の粒子温度は
2、排気温度はTa の温度計により検出される。T2
が所定の温度になったら、カプセル化液を一流体ノズル
4を通して噴霧状で噴粒に向かって吹き付ける。被覆液
は液タンク11で攪拌しておき、粉体使用の場合は粉体
が被覆液中に均一に分散されているように攪拌してお
く。所定の被覆率に達したらブロアーを止め、被覆され
た肥料を抜き出し口7より排出する。
【0019】本製造例では下記の基本条件を維持しつつ
サンプルの試作を行なった。被膜組成を表1に示す。
【0020】一流体ノズル:開口0.8mmフルコン型 熱風量:4m3 /min 熱風温度:80±2℃ 肥料の種類:6〜7meshの粒状尿素 肥料投入量:10kg 供試溶剤:トルエン 被覆液濃度:固形分5.0重量% 被覆液供給量:0.25kg/min *被覆液はポンプ5より送られてノズルに至るが、80
℃以下に温度が低下しないように蒸気で加熱しておく。 カプセル化率(対肥料):10% *所定の被覆率になるまで上記条件を維持しつつ被覆を
行う。
【0021】
【表1】
【0022】*表中の単位は重量部 *1:ポリ−3−ハイドロオキシ−3−メチルプロピオ
ン酸 Mw =750,000 *2:ポリ−L−2−ハイドロオキシ−2−メチル酢酸
w =150,000 *3:平均粒径10μm *4:低密度ポリエチレン、MI=20、d=0.92
2 *5:コポリエステルエチレン、エステルユニット含
量:5重量% *6:コポリエステルエチレン、エステルユニット含
量:0.5重量% *7:コポリエステルエチレン、エステルユニット含
量:1重量% *8:コポリエステルエチレン、エステルユニット含
量:10重量% *9:エチレン・酢酸ビニル共重合体 MI=20、V
Ac=33重量%
【0023】2.破損処理試験 試作した被覆粒状肥料被膜の耐衝撃性を比較するための
装置を図2に示した。別途圧縮機で加圧された圧縮空気
10は弁1で調節され、オリフィス流量計2を経て配管
5に供給される配管の内径は100mm、長さLは5m
で、配管内の風速は50m/secである。試作被覆粒
状肥料はホッパー3に投入され、ロータリーバルブ4を
経て配管内に供給される。試作被覆粒状肥料は風に乗っ
て運ばれその一部は配管内に設けられた衝突板6(図3
に示す)に衝突し、受器7に貯まり、残りの試作被覆粒
状肥料は捕集器8で除かれ空気は排出口9より大気中に
放出される。受器に貯まった試作被覆粒状肥料を取り出
し破損処理サンプルとした。破損処理前及び破損処理後
の試作被覆粒状肥料それぞれ10gを、200ml水中
に浸漬して25℃に静置する。24時間経過後肥料と水
に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により求めるこ
とにより、破損処理による被膜の損傷の程度を評価し
た。結果を表1に示す。
【0024】3.水中溶出率測定 試作サンプル(破損処理無し品)それぞれ10gを、2
00ml水中に浸漬して25℃に静置する。所定期間後
肥料と水に分け、水中に溶出した尿素を定量分析により
求める。肥料には新水を200ml入れて再び25℃に
静置、所定期間後同様な分析を行なう。この様な操作を
反復して水中に溶出した尿素及び加里の溶出累計と日数
の関係をグラフ化して溶出速度曲線を作成し、80%溶
出率に至る日数を知ることが出来る。溶出の結果を図
4、5に示す。
【0025】4.土中溶出率測定 水田土壌(熊本県水俣市袋、第3紀土壌)を風乾して1
0mesh篩で篩分けして篩下を供試した。乾土250
gに最大容水量の60%の水と試作サンプル(破損処理
無し品)2gを入れ、混合した後500mlのポリビン
に入れて25℃に静置する。所定期間後サンプルを含む
土壌の全量を10mesh篩上に移し、水中にてサンプ
ルと土壌を分離する。篩上に残ったサンプルは一粒ずつ
丁寧に拾い上げ、全量乳鉢に移しすりつぶしメスアップ
した後乾燥濾過を行い、濾液中の尿素を分析して被膜内
に残存する全尿素量を求める。土壌中の溶出率は下式に
て求め図6、7に示す。
【0026】5.カプセル崩壊度測定 本発明のサンプル5gを一粒ずつ先の鋭い針を用いてピ
ンホールを作り、30℃水中にて2週間静置して中の尿
素を溶出させて空カプセルを作る。溶出液から分離した
空カプセルを樹脂製ネットに入れ畑(熊本県水俣市袋、
第3紀土壌)に埋設。12ヶ月、24ヶ月放置後カプセ
ルの状態を観察し、明かにカプセルの原型を止めている
サンプルについて、カプセルの全量を回転羽付きV型混
合機に入れて30分間攪拌混合する。その後10mes
h篩を通し、通過したカプセルの供試カプセルに対する
百分率を求めて崩壊度として表1、2に表示した。原型
をとどめず痕跡のみ、或は痕跡も認められないものにつ
いては上記操作を行なわず崩壊度100%とした。結果
を表1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆粒状肥料の製造工程図である。
【符号の説明】
1 噴流塔 2 肥料投入口 3 排ガス出口 4 一流体ノズル 5 ポンプ 6 配管 7 配管 8 熱交換器 9 オリフィス流量計 10 ブロアー 11 液タンク 12 ポンプ 13 液タンク T1 温度計 T2 温度計 T3 温度計
【図2】本発明に係る被覆粒状肥料の被膜の耐衝撃性の
試験装置である。
【符号の説明】
1 弁 2 オリフィス流量計 3 ホッパー 4 ロータリーバルブ 5 配管 6 衝突板 7 受器 8 捕集器 9 排出口 10 圧縮空気
【図3】図2の試験装置の部分拡大横断面図である。
【符号の説明】
5 配管 6 衝突板
【図4】実施例1(および比較例1〜4)の水中溶出日
数と累積溶出率の関係を示す曲線図である。
【図5】実施例2〜6の水中溶出日数と累積溶出率の関
係を示す曲線図である。
【図6】実施例1(および比較例1〜4)の土中溶出日
数と累積溶出率の関係を示す曲線図である。
【図7】実施例2〜6の土中溶出日数と累積溶出率の関
係を示す曲線図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状肥料の表面を、エステル単位の含量
    が0.5重量%以上10重量%以下である下式(1)に
    示した繰り返し単位を有するコポリエステルエチレンか
    らなる分解性被膜で被覆したことを特徴とする被覆粒状
    肥料。 (但し、mは28〜625である。)
  2. 【請求項2】 粒状肥料の表面を、エステル単位の含量
    が1重量%以上6重量以下である下式(2)に示した
    り返し単位を有するコポリエステルエチレンからなる分
    解性被膜で被覆したことを特徴とする被覆粒状肥料。 (但し、mは49〜311である。)
JP19576796A 1996-07-05 1996-07-05 分解性被膜を有する被覆粒状肥料 Expired - Lifetime JP3454298B2 (ja)

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