JP4084564B2 - 生分解性被膜で被覆された粒状肥料 - Google Patents

生分解性被膜で被覆された粒状肥料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生分解性被膜で被覆された粒状肥料に関する。さらに詳しくは、本発明は、生分解性に優れた被膜を用いながら、優れた肥料溶出性を示す被覆粒状肥料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、粒状肥料の表面を、オレフィン系樹脂、硫黄、ワックス等の被膜材で覆って肥料の溶出速度の制御を可能にした被覆粒状肥料が数多く開発され、すでに市販されている。これらの被覆粒状肥料の使用により、作物の生育経過に応じた肥効が発現して、施肥の省力が可能になること、肥料成分の作物への利用率が向上して、地下水への流出を低減することが可能となり環境保全効果があることなどの点で高性能肥料として近年重要性が増している。しかしながら、被覆粒状肥料の利用量の増加につれて、肥料成分溶出後に地表あるいは地中に残留する被膜が環境へ及ぼす影響が危惧され始めている。すなわち、通常の粒状肥料被膜は生分解性に乏しいため、長期間にわたって地表あるいは地中で分解されずに残留する傾向がある。また、田畑の表面に残留している白色斑点状被膜は、田畑の景観を損ねるので望ましくない。
【0003】
被覆肥料の被膜の長期残留を防ぐための解決策として、生分解性材料を被覆粒状肥料の被膜材料に用いる方法が案出され、これまでに下記のような様々な化学組成を利用する生分解性被覆肥料の発明が報告されている。
【0004】
特開平7−315976号公報には、粒状肥料を生分解性の脂肪族ポリエステルを有効成分とする被膜で被覆することが開示されている。
【0005】
特開平9−194280号公報には、粒状肥料を、酸化分解性ポリエステルとポリオレフィン又は塩化ビニリデンからなる樹脂で被覆し、さらに被覆面を該ポリエステルで被覆することが開示されている。
【0006】
特開平9−194281号公報には、粒状肥料を、生分解性ポリエステルとポリオレフィン又は塩化ビニリデンからなる樹脂で被覆し、さらに被覆面を該ポリエステルで被覆することが開示されている。
【0007】
特開平9−249477号公報には、粒状肥料を、脂肪族ポリエステル樹脂を有効成分とする崩壊性被膜で被覆することが開示されている。
【0008】
特開平9−263476号公報には、粒状肥料を、脂肪族ポリエステルとポリオレフィンワックスとを含有する組成物で被覆することが開示されている。
【0009】
特開平9−309784号公報には、粒状肥料を、熱可塑性樹脂(高分子の酸化分解反応促進物質含有)と生分解性ポリエステルからなる組成物で被覆することが開示されている。
【0010】
特開平11−43391号公報には、粒状肥料を、脂肪族ポリエステル、ポリオレフィン、及び光分解剤からなる組成物で被覆することが開示されている。
【0011】
特開平11−263689号公報には、粒状肥料を、脂肪族ポリエステルとマイクロワックスとを含む被覆材で被覆することが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者の研究によると、従来利用されている、粒状粒子の表面に生分解性ポリエステル樹脂とポリオレフィン(樹脂)とから被覆層を形成させた粒状被覆粒子は、生分解性ポリエステル樹脂の使用に起因すると推測される被覆操作時のブロッキングの発生、そして粒子表面に形成される被覆層の肥料成分溶出調節作用の不充分さなどの問題があった。
従って、本発明が解決しようとする主たる課題は、噴霧乾燥による被覆粒状肥料の製造時の噴霧操作性に優れ、肥料溶出後の被膜が環境中で速やかに分解もしくは崩壊するなどの優れた特性を有し、さらに肥料成分の溶出速度の制御が容易に実現できる被覆粒状肥料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、粒状肥料の表面に、エチレン・アクリル酸エチル共重合体含有連続相中にエチレングリコールとセバシン酸との数平均分子量が1500〜11500の範囲にある生分解性のオリゴエステルを含む数平均分子量が1500〜11500の範囲にある生分解性エステルオリゴマーを含有する不連続相が分散された被覆層が形成されてなる粒状被覆肥料にある。この被覆層は、50〜90重量%の連続相と50〜10重量%の不連続相とからなることが好ましい。
【0014】
本発明の粒状被覆肥料は、田畑の環境水に接触する表面に施肥される。その状態で、水分は徐々に、被覆肥料の透湿性被覆層を透過して内部に進入し、肥料成分を溶解させる。このようにして生成した肥料成分水溶液は、今度は、主として生分解性エステルオリゴマーの存在領域を透過しながら、被覆肥料の外部に溶出していく、肥料成分水溶液がほぼ外部へ溶出すると、被覆層(被膜)内部の生分解生エステルオリゴマーが占めていた部分は、環境水の存在下での加水分解による低分子化、その後の生分解によって空隙となり、従って、被膜は僅かな衝撃で容易に崩壊するようになり、例えば、肥料成分溶出後の土の鋤き込みなどの作業によって簡単に崩壊し、微細片となる。このため、被膜の田畑表面での残留が少なくなり、また比表面積が増加するため、生分解性も向上する。
【0015】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層の連続相の形成に用いられるのはエチレン・アクリル酸エチル共重合体(以後、透湿性オレフィン共重合体ということがある)である。
【0016】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層の形成に用いられる生分解性エステルオリゴマーは、エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルを、好ましくは10重量%以上、さらに好ましくは30重量%以上、含有する生分解性エステルオリゴマーである。従って、任意に別の生分解性エステルオリゴマーを併用してもよい。
【0017】
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル、及び任意に併用してもよい別の生分解性エステルオリゴマーは共に、数平均分子量が1500〜11500の範囲にあることが好ましく、また後者は、炭素原子数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素原子数2〜12の脂肪族ジアルコールとのオリゴエステルであることが好ましい。生分解性エステルオリゴマーは、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジアルコールとの脱水反応、脂肪族ジカルボン酸アルキルエステルと脂肪族ジアルコールとのエステル交換反応、その他の脂肪族ジカルボン酸誘導体と脂肪族ジアルコールとの反応などによって製造することができる。
【0018】
任意に併用してもよい生分解性エステルオリゴマーは、数平均分子量が1500〜11500の範囲にあって、炭素原子数3〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素原子数2〜12の脂肪族ジアルコールとのオリゴエステルと、数平均分子量が1500〜15000の範囲にある、シュウ酸と炭素原子数2〜12の脂肪族ジアルコールとのオリゴエステルとの混合物であってもよい。
【0019】
被覆層には、ロジン変性アルキド樹脂が含まれていてもよく、このロジン変性アルキド樹脂は、生分解性エステルオリゴマーが不連続相を形成する場合には、その不連続相に生分解性エステルオリゴマーと共に存在する。このロジン変性アルキド樹脂含有被覆層には、さらにワックスが含まれていてもよく、このワックスは、透湿性オレフィン共重合体が連続相を形成する場合には、その連続相に存在する。
【0020】
本発明の粒状被覆肥料の肥料成分溶出パターンは通常、リニア型(施肥後、速やかに、略直線状のカーブにて肥料成分が溶出するパターン)を示すが、肥料成分溶出パターンをシグモイド型(施肥後、一定期間は殆ど肥料成分の溶出が行なわれず、その後速やかに肥料成分が溶出するパターン)としたい場合には、上記被覆層と粒状肥料との間にアルカリ材料層を付設することによって、シグモイド型粒状被覆肥料が得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の粒状被覆肥料は、粒状肥料に、透湿性のエチレン・アクリル酸エチル共重合体、及びエチレングリコールとセバシン酸との生分解性のオリゴエステルを含有する生分解性エステルオリゴマーを含む組成物を被覆することによって形成される。この被覆層は、透湿性のエチレン・アクリル酸エチル共重合体含有連続相中に生分解性エステルオリゴマー含有不連続相が分散してなる被覆層(いわゆる海島構造の被覆層)である。
【0022】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層形成用組成物は、固形物換算で10〜90重量%の透湿性のエチレン・アクリル酸エチル共重合体及び90〜10重量%のエチレングリコールとセバシン酸との生分解性のオリゴエステルを含有する生分解性エステルオリゴマーを含む組成物であることが好ましい。
【0023】
粒状肥料としては、尿素、硫安、硝酸ソーダ、オキサミド、アセトアルデヒド縮合尿素、ホルムアルデヒド縮合尿素、そしてイソブチルアルデヒド縮合尿素などの窒素肥料の粒状物、焙成りん肥、焼成りん肥、加工リン酸肥料、混合リン酸肥料、そして腐食酸リン肥料などのリン肥料の粒状物、硫酸カリ、塩化カリ、硫酸カリ苦土、重炭酸カリ、そしてケイ酸カリ肥料などのカリ肥料の粒状物、リン酸カリ肥料や硝酸カリ肥料などの化成肥料の粒状物、粒状有機質肥料、硝酸アンンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウムなどのカルシウム塩、硝酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムなどのマグネシウム塩、ならびにこれらの混合物を、それ自体公知の方法によって造粒した粒状肥料などが利用される。本発明の粒状被覆肥料で用いる粒状肥料として好ましいのは、粒状窒素肥料であり、特に粒状尿素肥料や粒状硫安が好ましい。
【0024】
粒状肥料の粒径、粒度分布および形状については、製造時の噴霧工程や施肥作業に不具合が生じない限りにおいて、特に制限はないが、粒径は0.5mm以上で、10mm以下であることが好ましい。粒径が0.5mmより小さいと粒状肥料単位重量当たりの被覆表面積が大きくなり、溶出速度を制御できる被膜厚で噴霧を施すと肥料の有効成分量を確保するのが難しくなりやすい。粒径が10mmより大きいと、施肥作業が難しくなる。また、粒状肥料に対する被膜材料の被覆率(対肥料重量%)は、0.5重量%以上で、30重量%以下、特に1重量%以上で、20重量%以下、さらに2重量%以上で、15重量%以下程度の範囲にあることが好ましい。
【0025】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層の形成に用いられる透湿性オレフィン共重合体は、前述のように、分子量が等しいポリエチレンに比較して高い透湿性を有するオレフィン共重合体であり、好ましい透湿性オレフィン共重合体は、側鎖に親水性基(例、メチルエステルやエチルエステルなどの低級アルキルエステル基、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基)を有するオレフィン共重合体である。透水成オレフィン共重合体の具体例としては、エチレン・アクリル酸メチル共重合体やエチレン・アクリル酸エチル共重合体などのエチレン・アクリル酸アルキル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、プロピレン・アクリル酸エステル共重合体を挙げることができる。
【0026】
エチレン・アクリル酸エチル共重合体は、共重合体成分であるアクリル酸エチル成分のエチレン成分に対する含有量を変化させることにより、被膜の透湿性を制御することが可能であり、アクリル酸エチル成分の含有量が高いほど透湿性が高い。
【0027】
エチレン・アクリル酸エチル共重合体において、共重合成分(アクリル酸エチル)のエチレンに対する含有量は、5重量%以上で、41重量%以下が好ましく、9重量%以上で、25重量%以下がより好ましい。共重合成分の含有量が5重量%より少ないと、該共重合体を溶解させ得る有機溶剤の種類に制限がでてきて、被膜材溶液を粒状肥料に噴霧して製造する際の制限になる場合がある。また、共重合成分の含有量が41重量%より多いと該共重合体の融点が低下し、製造時の噴霧操作性および被覆粒状肥料の保管等に問題が発生する場合がある。
【0028】
エチレン・アクリル酸エチル共重合体の分子量、あるいは分子量の指標であるメルトフローインデックスには特に制限はないが、有機溶剤への溶解性、融点、被覆粒状肥料の被膜強度等を考慮し、適切に選ぶのが望ましい。
【0029】
連続相の形成に際しては、所望によって、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンンなどのポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共重合体、プロピレン・ブテン共重合体、プロピレン・アクリル酸エステル共重合体等を併用することもできる。また適宜、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン・スチレン共重合体、EPDM共重合体、イソプレン・スチレン共重合体などのジエン系重合体を併用することができる。これらを適切に組み合わせることによっても、肥料の溶出速度の制御が可能である。
【0030】
本発明において、被覆層の不連続相の形成に用いられるエチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルを含む生分解性エステルオリゴマーは、数平均分子量が1500〜11500の範囲にある。
【0031】
エステルオリゴマー(オリゴエステル)は、いずれも、下記一般式で表わされる両末端が水酸基の脂肪族オリゴエステルであることが望ましい。
【0032】
【化1】
Figure 0004084564
【0033】
[式中、kとpとは、脂肪族オリゴエステルを構成するジアルコールユニットのメチレン基の数、mは脂肪族オリゴエステル化合物を構成するジカルボン酸ユニットのメチレン基の数、そしてnは脂肪族オリゴエステルの繰り返し単位の数を意味し、それぞれ、2≦k≦12、0≦m≦10、n≧1、そして2≦p≦12を満足する整数である]。
【0034】
脂肪族オリゴエステルの数平均分子量(Mn)は、2000以上、かつ11500以下であることが特に好ましく、また重量平均分子量(Mw)は5000以上、かつ50000以下であることが好ましい。そして、脂肪族オリゴエステルのカルボキシル末端基濃度[COOH]は、1.0×10-5(モル/g)もしくはそれ以下であることが好ましい。
【0035】
ジアルコールユニットのメチレン基の数は上記式中のkとpとで表わされ、いずれも2〜12(好ましくは2〜6)の範囲の整数である。このようなジアルコールユニットを形成する脂肪族ジアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールがあげられる。これらの脂肪族ジアルコール化合物を二種類以上併用してもよい。
【0036】
脂肪族ジカルボン酸ユニットのメチレン基の数は上記式中のmで表わされ、0〜12(好ましくは、0もしくは4〜10、さらに好ましくは0もしくは6〜10)の範囲の整数である。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、及びドデカン二酸が挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸の反応性誘導体(例、ハロゲン化物、エステル、無水物)を用いてもよい。また、脂肪族ジカルボン酸もしくはその反応性誘導体を二種類以上併用してもよい。この場合には、上述の脂肪族ジカルボン酸の一部(50モル%未満、特に30モル%未満)を芳香族ジカルボン酸化合物で置き換えてもよい。芳香族ジカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸があげられる。
【0037】
前記式で表される脂肪族オリゴエステルの数平均分子量Mn(g・モル-1)は、脂肪族ジカルボン酸がシュウ酸の場合には、1500≦Mn≦15000を満足することが好ましく、2000≦Mn≦15000を満足することがさらに好ましい。また、脂肪族ジカルボン酸がシュウ酸以外の場合には、1500≦Mn≦11500を満足することが好ましく、2000≦Mn≦11000を満足することがさらに好ましい。Mnが1500より小さいと、融点が低下したり、形成される被覆粒状肥料の被膜強度が低下したりする可能性があり、保管や施肥作業の際の負荷に耐えられない場合がある。一方、Mnが大きくなりすぎると、被膜材の有機溶剤溶液の粘度が高くなり、粒状肥料の被覆の際の噴霧操作性が悪化する傾向がある。また、該脂肪族オリゴエステルのカルボキシル末端基濃度[COOH]は、1.0×10-5(モル/g)、あるいはそれより少ないことが好ましい。[COOH]が1.0×10-5(モル/g)より高い、すなわち水酸基末端の濃度が低下すると、該脂肪族オリゴエステル化合物を有効成分として含む被膜の透湿性が低下する傾向がある。
【0038】
前記式で表される両末端が水酸基のオリゴエステルは、例えば、上記のような脂肪族ジアルコールと脂肪族ジカルボン酸(もしくは、そのエステル、ハロゲン化物などの反応性誘導体)とを脱水縮合反応させることにより製造することができる。脂肪族ジアルコールおよび脂肪族ジカルボン酸(もしくはその反応性誘導体)の組み合わせは、融点や結晶性等を考慮して、それぞれ一種もしくは二種以上を選ぶ。被覆粒状肥料が流通あるいは保管時に曝される環境から、特に生成するオリゴエステルの融点には留意すべきであり、生成物の融点が60℃以上になるように組み合わせるのが好ましい。脂肪族ジアルコールの仕込みモル比は、脂肪族ジアルコールを過剰にして、脂肪族ジカルボン酸1モルに対して、1.01モル以上で、2モル以下、より好ましくは1.05モル以上で、1.2モル以下とする。
【0039】
脂肪族オリゴエステルの製造のための脱水(もしくはアルコール)縮合反応の反応温度および圧力は、上記目的物が得られる条件であれば、特に制限されないが、反応温度は120℃以上で、350℃以下であることが好ましく、反応時の圧力は1mmHg以上で、760mmHg以下であることが好ましい。脱水縮合反応が速やかに進行して上記目的物が得られるよう、反応中に温度、圧力条件を変動させることができる。また、上記脱水縮合反応には既に公知の触媒を添加して反応を促進させることができる。使用できる触媒としては、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、鉄、スズ等の金属化合物であり、特にチタンテトラブトキシド等が好適である。触媒添加量および反応過程における触媒添加時期は、上記目的物をすみやかに得られる条件であれば特に制限されるものではない。
【0040】
前記一般式において、mが0の場合には、シュウ酸と脂肪族ジアルコールとのオリゴエステル(シュウ酸単位と脂肪族ジアルコール単位とが交互に配列しているオリゴエステル、本明細書においてはシュウ酸オリゴエステルという。)となる。このシュウ酸オリゴエステルの数平均分子量は、2000以上で、15000以下であることが特に好ましく、また重量平均分子量は5000以上で、50000以下であることが好ましい。シュウ酸オリゴエステルのカルボキシル末端基濃度は、1.0×10-5(モル/g)以下であることが好ましい。
【0041】
両末端が水酸基のシュウ酸オリゴエステルは、上記のような脂肪族ジアルコールとシュウ酸ジエステルとを脱アルコール縮合反応させることにより容易に製造することができる。脂肪族ジアルコールとシュウ酸ジエステルとの組合せは、融点や結晶性等を考慮してそれぞれ一種もしくは二種以上を選ぶ。被覆粒状肥料が流通あるいは保管時に曝される環境を考慮して、特に生成するシュウ酸オリゴエステルの融点には留意すべきであり、生成物の融点が60℃以上になるように組み合わせるのが好ましい。脂肪族ジアルコールの仕込みモル比は、脂肪族ジアルコールを過剰にして、シュウ酸もしくはその反応性誘導体(例、ジエステル)1モルに対し1.01モル以上で、2モル以下、より好ましくは1.05モル以上で、1.2モル以下とする。
【0042】
シュウ酸オリゴエステルの製造のための脱水(アルコール)縮合反応の反応温度と圧力は、上記目的物を得られる条件であれば特に制限されないが、反応温度は120℃以上で、350℃以下であることが好ましく、反応時の圧力は1mmHg以上で、760mmHg以下であることが好ましい。脱水縮合反応がすみやかに進行して上記目的物が得られるよう、反応中に温度、圧力条件を変動させることができる。また、脱水(アルコール)縮合反応には既に公知の触媒を添加して反応を促進させることができる。使用できる触媒としては、チタン、亜鉛、ゲルマニウム、鉄、スズ等の金属化合物であり、特にチタンテトラブトキシド等が好適である。触媒添加量および反応過程における触媒添加時期は、上記目的物をすみやかに得られる条件であれば特に制限されるものではない。
【0043】
本発明の被覆粒状肥料の被覆層の不連続相を形成する生分解性エステルオリゴマーは、前記のように、エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルを含有する生分解性エステルオリゴマーであって、エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル単独、あるいはエチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルと、他のエステルオリゴマーとを組合せたものであることが好ましい。この場合、エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルは、通常は、生分解性エステルオリゴマーの1重量%以上、好ましくは10重量%以上で、さらに好ましくは30重量%以上の量にて用いる。
【0044】
被覆粒状肥料の被覆層には、ロジン変性アルキド樹脂が含まれていてもよく、このロジン変性アルキド樹脂は、生分解性エステルオリゴマーが不連続相を形成する場合には、その不連続相に生分解性エステルオリゴマーと共に存在する。ロジン変性アルキド樹脂は、生分解性成分としても機能する。
【0045】
ロジン変性アルキド樹脂含有被覆層には、さらにワックスが含まれていてもよく、このワックスは、透湿性オレフィン共重合体が連続相を形成する場合には、その連続相に存在する。
【0046】
ロジン変性アルキド樹脂は、松脂から採取されるロジン、不飽和多価カルボン酸および多価アルコールを反応させて得ることができ、市販されている。さらに詳しく云えば、ロジンは、松脂から水蒸気蒸留を利用してテレピン油を除いて得られ、室温では結晶性の黄褐色固体である。ロジンの主成分としては、アビエチン酸、ネオアビエチン酸、レボピマル酸、ピマル酸、及びデキストロピマル酸などのジテルペン型カルボン酸の異性体を数種類含む混合物である。
【0047】
代表的なロジン変性アルキド樹脂は、ロジンに、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸などの不飽和多価カルボン酸をディールス・アルダー反応により付加し、さらにグリセリンやペンタエリスリトールなどの多価アルコールと脱水縮合反応させて得ることができる。
【0048】
ロジン変性アルキド樹脂は、ロジンと反応させる不飽和多価カルボン酸および多価アルコールの種類や量を変化させることにより、分子量や各種溶剤への溶解度を制御することができる。たとえば、不飽和多価カルボン酸の付加量を少なくすることにより、乾性油やベンゼンなどの非極性溶媒への溶解性を高めることができる。また逆に、多価アルコールの使用量を少なくして、遊離カルボキシル基の量を多くしたり、エステル化の進行を抑制することにより、遊離水酸基の量を増加させ、アルコールなどの極性溶媒への溶解性を高くすることもできる。
【0049】
本発明の被覆粒状肥料において、被覆層に導入することのできるロジン変性アルキド樹脂は、形成される被膜の生分解性や透湿性を低下させないようにするために、水との濡れ性が良いアルコール可溶性のものが好ましい。なかでも、JIS K−5903に規定された方法に沿って測定される酸価が10以上、特に100以上のロジン変性アルキド樹脂が好ましく使用できる。また、本発明の被覆粒状肥料の流通時あるいは保管時にさらされる温度条件を考えると、軟化点が60℃以上で、数平均分子量が300から1500の範囲にあるロジン変性アルキド樹脂が好ましい。
【0050】
本発明の被覆粒状肥料において、被覆層に導入することのできるワックス類としては、融点が50℃以上で、120℃以下、特に60℃以上で100℃以下程度のものが好ましく、例えば、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、蜜ロウ、木ロウ、カルナウバワックス等が挙げられるが、パラフィンワックスおよびマイクロクリスタリンワックスが特に好適な物質である。パラフィンワックスはノルマルパラフィンを主成分とする室温で固体の炭化水素であり、マイクロクリスタリンワックスはイソパラフィンおよびシクロパラフィンを主成分とする室温で固体の炭化水素である。パラフィンワックスやマイクロクリスタリンワックスは極性基を含まないため、本発明の分解性被覆粒状肥料で被膜材の透湿性を抑制するためにも効果的である。分子量は含まれる炭素数として30から100程度のものが好ましい。
【0051】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層を形成する各成分の好ましい比率は次の通りである。
【0052】
【表1】
────────────────────────────────────
被覆層形成材料 好ましい範囲 特に好ましい範囲
────────────────────────────────────
透湿性オレフィン共重合体 15〜80重量% 20〜60重量%
生分解性エステルオリゴマー総量 15〜70重量% 20〜60重量%
ロジン変性アルキド樹脂 1〜30重量% 3〜25重量%
ワックス 0〜50重量% 0〜40重量%
────────────────────────────────────
【0053】
本発明の粒状被覆肥料の被覆層を形成する各成分の好ましい使用量を、透湿性オレフィン共重合体100重量部に対する重量部で表わすと、次の通りである。
【0054】
【表2】
────────────────────────────────────
被覆層形成材料 好ましい範囲 特に好ましい範囲
────────────────────────────────────
透湿性オレフィン共重合体 100重量部 100重量部
生分解性エステルオリゴマー(総量)19〜466重量部 33〜300重量部
ロジン変性アルキド樹脂 1〜200重量部 5〜125重量部
ワックス 0〜333重量部 0〜200重量部
────────────────────────────────────
【0055】
本発明の被覆粒状肥料の被覆層には、透湿性、分解性などの性質を調整するために、肥料成分の溶出制限機能を損なわない範囲で、他の添加剤成分を含有させることができる。例えば、肥料成分の溶出速度を遅延あるいは促進させる効果のある添加剤として、タルク、クレイ、シリカ、ゼオライト、ゾノトライト、カオリン、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土などの無機充てん剤、澱粉、キチンなどの有機充てん剤を添加することができる。また、被覆層形成材料間の相溶性を高めることによって、肥料成分の溶出速度を調整することもできる。使用できる添加剤の例としては、長鎖の飽和または不飽和脂肪酸、およびそれらの誘導体からなる界面活性剤、無水マレイン酸変性ポリオレフィン、無水マレイン酸変性ポリスチレン、変性ワックス、スチレン系熱可塑性ストラマー、エチレン・プロピレンラバーなどの相溶化剤があげられる。
【0056】
上記の添加剤成分は被膜材料(被覆層形成材料)の有機溶剤溶液に同時に溶解させ、熱風流動下で粒状肥料に噴霧することにより被膜中に導入される。該添加剤成分が有機溶剤に溶解しない場合は、溶剤中に分散させたまま噴霧することができるが、配管、ポンプ、ノズル等にて詰まる危険があるため、全被膜材に対する使用量を適宜加減すべきである。添加剤成分の全被膜材料に対する好ましい量は、0.01重量%以上、50重量%以下である。
【0057】
本発明の被覆粒状肥料の製造は、熱風を利用して、粒状肥料を流動させながら被膜材料の有機溶液を噴霧する公知の方法で行なうことができるが、有機溶剤の選定には沸点、被膜材料の溶解性等を考慮する必要がある。使用できる有機溶剤の代表例としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、そしてクロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等で代表される塩化炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、オルトジクロロベンゼン等で代表される芳香族系溶剤、あるいはそれらを二種以上含んだ混合溶剤があげられる。
【0058】
被膜材料溶液濃度は、5重量%以上で、15重量%以下程度が好ましい。15重量%より高い濃度にすると、溶液粘度が高くなったり、固形分の析出による配管、ポンプ、ノズルの詰まりが発生しやすくなる。また、5重量%より低い濃度にすると、有機溶剤を多量に使用することになり、溶剤回収、環境汚染対策のための大型設備が必要となる。
【0059】
前述のように、本発明の粒状被覆肥料は、粒状肥料と被覆層との間にアルカリ材料層を付設することによりシグモイド型被覆肥料とすることができる。アルカリ材料は、水溶液中でアルカリ性を示す無機化合物もしくは有機化合物であり、特に水と穏和に反応するアルカリ物質が好ましい。アルカリ材料としては、アルカリ土類金属の炭酸塩、水酸化物、もしくは酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、リン酸塩、もしくはケイ酸塩、アルカリ金属の有機酸塩、アルキルアミドが好ましい。それらの材料の具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、ケイ酸三カリウム、ケイ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、アセトアミド、プロピオンアミド、そしてブチルアミドを挙げることができる。
【0060】
なお、アルカリ材料層は、通常、上記のアルカリ材料に、結合剤としての機能を果たす樹脂材料とから形成する。アルカリ材料層において結合剤として用いる樹脂材料は、例えば、前記の被覆層を形成する材料として挙げた各種樹脂材料を挙げることができる。アルカリ材料層には特に、透湿性オレフィン共重合体、生分解性エステルオリゴマー、ロジン変性アルキド樹脂、及び/又はワックス等を全体量の20〜80重量%の量で含有していることが好ましい。
【0061】
被覆層とアルカリ材料中間被覆層とで粒状肥料を被覆してなるシグモイド型の粒状被覆肥料自体は既に知られており、本発明に従うシグモイド型の粒状被覆肥料の構成および製造については、それらの公知方法を利用できる。
【0062】
本発明で製造した被覆粒状肥料からの肥料溶出特性は、水中での肥料溶出試験により調べることができる。この方法は、水田や水耕栽培での肥料溶出をシミュレートするだけでなく、畑の土中での肥料放出性を予測するためにも有効であることが知られている。
【0063】
また、被覆層の生分解性は、長時間の土壌中埋設試験や堆肥中での促進試験によって調べることができる。
【0064】
以下、実施例および比較例に基づき、本発明をさらに具体的に説明する。
【0065】
【実施例】
(1)エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)の製造
セバシン酸1モルとエチレングリコール1.1モルとを500mLのフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素置換した。フラスコを160℃に加熱し、常圧で1時間攪拌の後、170℃で2時間、180℃でさらに2時間攪拌した。その後、フラスコ内を100mmHgに減圧して、0.5時間、次に50mmHgで0.5時間、さらに10mmHgで2時間攪拌した。常圧に戻した後、チタンテトラブトキシド9.5mgを加え、再び10mmHgの減圧下で8時間攪拌し、脱水縮合反応を完了して、EG−SEA(数平均分子量:5100、重量平均分子量:15000、融点:72.5℃)を得た。
【0066】
(2)1,6−ヘキサンジオールとシュウ酸とのオリゴエステル(HD−OD)の製造
シュウ酸ジメチル3.15モル、1,6−ヘキサンジオール4.5モル、そしてチタンテトラブトキシド0.078ミリモルを、冷却器付き還流分留器を取り付けた1000mLのフラスコに仕込み、フラスコ内を窒素置換した。フラスコを160℃に加熱し、常圧で3時間攪拌の後、フラスコ内を300mmHgに減圧し、170℃で1時間攪拌した。その後フラスコ内を100mmHgに減圧して、180℃で5時間、次に5mmHgに減圧して2時間攪拌して、脱メタノール縮合反応を完了して、HD−ODを得た。
【0067】
(3)溶出率の測定
各種の被膜材料で被覆した粒状尿素を用い、尿素成分の溶出率(%)の変化を測定した。測定は、恒温槽の温度を35±1℃で制御したことを除いて、「尿素の溶出試験法」(『肥料分析法』平成4年12月25日農林水産省農業環境技術研究所発行、5.33項に記載の溶出率。)に準じて行った。
【0068】
(4)生分解性評価試験
被覆粒状尿素一粒ずつに針でピンホールを開け、水中に静置して内部の尿素を完全に溶出させた。乾燥の後に得られた中空状の被膜カプセル20粒を、あらかじめ重量測定した。容量200mLのカップに堆肥を3cm程度の厚さになるように入れ、その上に該中空状被膜カプセル20粒をのせた。さらにその上から堆肥を2.5cm程度の深さになるように静かに入れ、そのまま30℃の恒温槽中に静置した。所定時間埋設処理を行った後、スパチュラで堆肥を取り除き、該中空状被膜カプセルを丁寧に取り出した。処理後の該中空状被膜カプセルを穏やかに水洗して付着した堆肥を除いて乾燥し、重量測定から重量残存率(%)で評価した。計算方法は下記の通りである。
【0069】
【数1】
重量残存率(%)=W/WO×100
【0070】
上記計算式において、Wは埋設処理後の被膜カプセル重量(mg)、WOは埋設処理前の被膜カプセル重量(mg)である。
【0071】
[実施例1]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、そしてロジン変性アルキド樹脂(荒川化学工業(株)製、マルキードNo.31、酸価185、軟化点140℃、MAR)を生分解性有効成分として使用した。
冷却管の付いた2000mL平底セパラブルフラスコに、トルエン/メチルエチルケトン(1/1重量比)混合溶媒を880重量部、EG−SEAを31.2重量部、MARを7.8重量部、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(三井デュポンポリケミカル(株)製、A702、アクリル酸エチル含有量19重量%、MI=5、EEA−1)を31.2重量部、そしてマイクロクリスタリンワックス(日本精蝋(株)製、Hi−Mic−3090、WAX)を11.7重量部加え、加熱下で攪拌して溶解させた。被膜材料溶液濃度は8.5重量%である。高さ1500mm、直径230mmのアクリル樹脂製噴霧流動槽に6メッシュアンダー・9メッシュオンの粒状尿素1300重量部を仕込み、ブロワーからの熱風により流動槽下部から流動させた。被膜材料の有機溶剤溶液をポンプにより送液し、流動槽下部からスプレー状に噴霧した。流動槽内部の温度が52℃から53℃になるよう、熱風の温度を制御した。噴霧工程時間はおよそ15分とした。
噴霧終了後の30分間はブロワーからの熱風で流動させ続け、乾燥し、冷却して、被覆率6.3重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
得られた粒状被覆肥料の被覆層は、エチレン・アクリル酸エチル共重合体からなる連続相中にエチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルとロジン変性アルキド樹脂とを含む不連続相が分散した構造となっていた。
【0072】
[実施例2]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、1,6−ヘキサンジオールとシュウ酸とのオリゴエステル(HD−OD)、そしてロジン変性アルキド樹脂(MAR)を生分解性有効成分として使用した。
EG−SEAを15.6重量部、HD−ODを15.6重量部、MARを7.8重量部、そしてEEA−1を31.2重量部とした被覆材料を用いた以外は、実施例1と同じ条件で被覆操作を行ない、被覆率6.3重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0073】
[実施例3]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)を生分解性有効成分として使用した。
冷却管の付いた2000mL平底セパラブルフラスコに、トルエン/メチルエチルケトン(1/1重量比)混合溶媒を1008重量部、EG−SEAを39重量部、EEA−1を39重量部、そしてWAXを15.6重量部加え、加熱下で攪拌して溶解させた。被膜材料溶液濃度は8.5重量%である。高さ1500mm、直径230mmのアクリル樹脂製噴霧流動槽に6メッシュアンダー・9メッシュオンの粒状尿素1300重量部を仕込み、ブロワーからの熱風により、流動槽下部から流動させた。被膜材料の有機溶剤溶液をポンプにより送液し、流動槽下部からスプレー状に噴霧した。流動槽内部の温度が52℃から53℃になるよう、熱風の温度を制御した。噴霧工程時間はおよそ15分とした。
噴霧終了後の30分間はブロワーからの熱風で流動させ続け、乾燥し、冷却して、被覆率7.2重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
得られた粒状被覆肥料の被覆層は、エチレン・アクリル酸エチル共重合体からなる連続相中にエチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステルの不連続相が分散した構造となっていた。
【0074】
[実施例4]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)を生分解性有効成分として使用した。
EG−SEAの使用量を52重量部とし、EEA−1の使用量を26重量部とした以外は、実施例3と同じ条件で被覆操作を行ない、被覆率7.2重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0075】
[実施例5]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、そしてロジン変性アルキド樹脂(MAR)を生分解性有効成分として使用した。
冷却管の付いた2000mL平底セパラブルフラスコに、トルエン/メチルエチルケトン(1/1重量比)混合溶媒を980重量部、EG−SEAを27.3重量部、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA−1)を18.2重量部、パラフィンワックス(日本精蝋(株)製、FT−0165、WAX−1)を45.4重量部、そしてMARを5.0重量部加え、これを加熱下で攪拌して溶解させることにより、外側被膜層形成材料溶液を調製した。
冷却管の付いた2000mL平底セパラブルフラスコに、トルエン/メチルエチルケトン(1/1重量比)混合溶媒を130重量部、水酸化カルシウムを5.9重量部、EG−SEAを27.3重量部、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(日本ユニカー(株)製、NUC6570、アクリル酸エチル含有量25重量%、EEA−2)を5.9重量部加え、これを加熱下で攪拌して溶解させることにより、アルカリ材料層(中間被膜層)形成材料溶液を調製した。
高さ1500mm、直径230mmのアクリル樹脂製噴霧流動槽に6メッシュアンダー・9メッシュオンの粒状尿素1300重量部を仕込み、ブロワーからの熱風により流動槽下部から流動させた。まず、アルカリ材料層形成材料溶液をポンプにより送液し、流動槽下部からスプレー状に噴霧した。流動槽内部の温度が52℃から53℃になるよう、熱風の温度を制御した。次いで、外側被膜層形成材料溶液をポンプにより送液し、流動槽下部からスプレー状に噴霧した。流動槽内部の温度が52℃から53℃になるよう、熱風の温度を制御した。
外側被膜層形成材料溶液の噴霧終了後の30分間はブロワーからの熱風で流動させ続け、乾燥し、冷却して、被覆率(中間被覆層と外側被覆層との合計)8.3重量%の被覆粒状尿素を製造した。
噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0076】
[実施例6]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、1,6−ヘキサンジオールとシュウ酸とのオリゴエステル(HD−OD)、そしてロジン変性アルキド樹脂(MAR)を生分解性有効成分として使用した。
3重量部のHD−ODを追加し、ワックスとしてマイクロクリスタリンワックス(WAX)を同量用いた以外は、実施例5と同じ条件にて被覆操作を行ない、被覆率8.5重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0077】
[実施例7]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、そしてロジン変性アルキド樹脂(MAR)を生分解性有効成分として使用した。
ワックスとして、中国製油株式会社製のMPS−2(WAX−2)を同量用いた以外は、実施例5と同じ条件で被覆操作を行ない、被覆率8.3重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0078】
[実施例8]
エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、1,6−ヘキサンジオールとシュウ酸とのオリゴエステル(HD−OD)、そしてロジン変性アルキド樹脂(MAR)を生分解性有効成分として使用した。
エチレン・アクリル酸エチル共重合体として日本ユニカー(株)製、NUC6170、アクリル酸エチル含有量:18重量%、EEA−2)を同量用いた以外は、実施例6と同じ条件で被覆操作を行ない、被覆率8.5重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に良く、ブロッキングも生じなかった。
【0079】
[比較例1]
EG−SEAの代わりに、ポリブチレンサクシネート(市販の脂肪族ポリエステル:昭和高分子(株)製、ビオノーレ#1020、以下、Bio−1と云う、融点114℃)を同量使用した以外は、実施例1と同じの条件で被覆操作を行ない、被覆率6.3重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に悪かった。但し、ブロッキングは生じなかった。
【0080】
[比較例2]
EG−SEAの代わりに、ポリブチレンサクシネート(Bio−1)を同量使用した以外は、実施例3と同じの条件で被覆操作を行ない、被覆率7.2重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に悪く、ロッキングも生じた。
【0081】
[比較例3]
EG−SEAの代わりに、ポリブチレンサクシネート(Bio−1)を同量使用した以外は、実施例4と同じの条件で被覆操作を行ない、被覆率7.2重量%の被覆粒状尿素を製造した。噴霧工程における粒状尿素の流動性は非常に悪かった。但し、ブロッキングは生じなかった。
【0082】
[被膜の生分解性評価試験結果]
実施例と比較例で製造された被覆粒状尿素の被覆層の生分解性評価の試験結果を、図1(実施例1、実施例2、比較例1、比較例2)、図2(実施例3、比較例5)、そして図3(実施例4、比較例3)に示す。
【0083】
[被覆粒状尿素の溶出率変化]
実施例と比較例で製造された被覆粒状尿素の溶出率変化を図4(実施例1、実施例2、実施例4、比較例2、比較例3)に示す。
【0084】
図1乃至図4に示されている結果から明らかなように、本発明の被覆材料を用いた被覆粒状肥料は、その生分解性に優れ、かつ溶出も速やかに行なわれる。
【0085】
本発明で用いる生分解性オリゴマーに含有させるエチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、そして1,6−ヘキサンジオールとドデカン二酸とのオリゴエステル(HD−DDA)、およびエチレングリコールとドデカン二酸とのオリゴエステル(EG−DDA)の生分解性の傾向を示すグラフを図5に示す。図5に示されている結果から、エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)が生分解性に特に優れていることが分る。
【0086】
【発明の効果】
本発明の粒状被覆肥料は、公知の被覆粒状肥料よりも製造時の噴霧操作性および生分解性に優れ、かつ、肥料の溶出速度の制御が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、及び比較例1、2の被覆粒状肥料の被膜の生分解性の試験データを示すグラフである。
【図2】実施例3及び比較例2の被覆粒状肥料の被膜の生分解性の試験データを示すグラフである。
【図3】実施例4及び比較例3の被覆粒状肥料の被膜の生分解性の試験データを示すグラフである。
【図4】実施例1、2、4及び比較例2、3の被覆粒状肥料の水中溶出特性の変化を示すグラフである。
【図5】エチレングリコールとセバシン酸とのオリゴエステル(EG−SEA)、1,6−ヘキサンジオールとドデカン二酸とのオリゴエステル(HD−DDA)、およびエチレングリコールとドデカン二酸とのオリゴエステル(EG−DDA)の生分解性の傾向を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 粒状肥料の表面に、エチレン・アクリル酸エチル共重合体含有連続相中にエチレングリコールとセバシン酸との数平均分子量が1500〜11500の範囲にある生分解性のオリゴエステルを含む数平均分子量が1500〜11500の範囲にある生分解性エステルオリゴマーを含有する不連続相が分散された被覆層が形成されてなる粒状被覆肥料。
  2. 被覆層が、50〜90重量%の連続相と50〜10重量%の不連続相とからなる請求項1に記載の粒状被覆肥料。
  3. 不連続相がさらに、ロジン変性アルキド樹脂を含有している請求項1もしくは2に記載の粒状被覆肥料。
  4. 連続相がさらにワックスを含有し、そして不連続相がさらにロジン変性アルキド樹脂を含有している請求項1もしくは2に記載の粒状被覆肥料。
  5. 上記被覆層と粒状肥料との間にアルカリ材料層が付設されている請求項1乃至4のうちのいずれかの項に記載の粒状被覆肥料。
  6. 粒状肥料が粒状窒素肥料である請求項1乃至5のうちのいずれかの項に記載の粒状被覆肥料。
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