JP6868165B2 - 被覆された植物種子の製造方法および被覆された植物種子 - Google Patents
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Description
体質材、結合材およびPVAから選択される結合助剤を含む混合物を製造する工程と、
前記混合物に植物種子を投入して混合し第2の混合物を製造する工程と、
前記第2の混合物に水を添加しながら混合して前記第2の混合物の被膜を前記植物種子の表面に形成する工程と
を含む、製造方法が提供される。
(1)過酸化カルシウム−焼石膏系システム
(2)還元鉄粉−焼石膏系システム
(3)三酸化モリブデン−酸化鉄粉−PVA系システム
(4)酸化鉄粉−消石灰系システム
<体質材の検討>
異なる結合材の一定質量に対し、粒径の異なる体質材を使用した場合の強度変化を調べた。表1は、その結果であり試験は指圧テストで行った。結合材は焼石膏(家庭化学工業(株)、β型半水石膏と推定)と、消石灰(片柳石灰工業(株)アルカリ分70%)を使用し、体質材は粒径の小さいHY−330(個数平均粒径約25μm、マグネタイト、(株)華玉)と粒径の大きいHY−335(個数平均粒径約45μm、マグネタイト、((株)華玉)を使用した。乾燥籾(栃木産コシヒカリ)と予備混合し、水を適量添加しながらさらに混合して種子相互に付着しないレベルで終了し、3日間自然乾燥して強度テストを行った。表1中の数字は、使用した材料の質量(kg)である。
<結合材の検討>
種籾と結合材の質量割合を一定にし、体質材の割合および結合材の種類を変えた場合の強度変化を調べた。結果を表2に示す。
<強度改善の検討>
強度を上げるために消石灰と無機化合物を一部反応させることを考えたが硫酸は石膏となり、塩酸は塩化カルシウム、リン酸はリン酸カルシウム等になり、いずれも酸が危険物であり使用は無理である。肥料として使用されるリン酸アンモニウムを実験したが、大量のアンモニアガスが発生し実用に供しえないことが判明した。この他、有機酸、例えば酢酸、クエン酸、フミン酸、フルボン酸等を一定量添加して造粒し、試験をしたが強度の改善は見られなかったが、この理由は、生じたカルシウム塩が水溶性であり、耐水性が十分ではないためと推定された。
などが一部架橋した構造体になるものと推定される。
<被覆種子の発芽特性の検討>
乾籾と、体質材HY−335との混合比率を変え、それに結合材として消石灰、結合助剤として2%のPVA B−17を予備混合し、この混合物一定量に対して水を添加しながら混合し被覆種籾を製造した。比較資料として(株)クボタの焼石膏を使用した同比率の被覆種籾、および無処理の種籾を使用して発芽性を調べた。種籾は、栃木産コシヒカリとし、試験期間は8月2日から8月20日、平均水温および結果を表5に示す。なお、表中の数値は、20粒中で発芽した種籾の数である。被覆種子として使用した被覆種籾は、各20粒であった。使用した種籾は、試験開始日の2年前に収穫したものであり、常温開放系で蔵置していた。
PVA B−17は、重合度が約1700であるが重合度がさらに大きく、約2400のPVA B−24YSを使用して異なる組成の被膜を作り発芽性を検討した。PVA B−17の添加率は、消石灰に対し2%と5%、種籾:体質材(酸化鉄):結合材(消石灰)=10:5:1とし、実験日を10月とし、その他の条件は、実験例4と同様にした。その結果を表6に示す。
本発明は消石灰とPVAとを結合材として使用するが、最終的に消石灰は、炭酸ガスで炭酸化され炭酸カルシウムとなる。よって皮膜中の消石灰は反応途中では炭酸カルシウムと混在した状態となって保管される。このため、表7に示す消石灰と、炭酸カルシウムとの組合わせを結合材として使用して造粒し、指圧強度をしらべた。PVA B−24YSを消石灰・炭酸カルシウムの全質量に対し3%添加した。軽質炭酸カルシウム(軽炭)と重質炭酸カルシウム(重炭)の二種類(トーテク(株)提供)を別々に試験した。
(混合工程の検討)
試験条件 籾:体質材(HY−335):消石灰(結合材)=10:5:1
PVA B−24YS各6%、10%を消石灰に添加
籾=新潟コシヒカリ(農研機構中農研試供品)
実験
6月24日 B−24YSを6%および10%添加混合して造粒
6月26日 指圧テスト、強度は5問題なし。そのまま室温で放置。
7月16日 一部を水中に落下、すべて沈降 浮遊物無し。
9月18日 28℃の水に落下、すべて沈降。浸種続行(300粒)
9月21日 約10%発芽
9月25日 全て発芽。
(体質材の粒径依存性の検討)
表1で示したように、結合材として消石灰のみを使用した場合、粒径の小さいHY−330は、粒径の大きいHY−335より強度が弱い。本実施形態でPVAを消石灰に添加することにより、例えばHY−330のように粒径が小さくても強度が増加するかどうか試験を行った。比較の為に同等粒径325メッシュ(45μm)メッシュパスの赤色酸化鉄HY−820((株)華玉)およびHY−330を体質材として使用し、乾籾:体質材:結合材=10:5:1、10:3:1、10:2:1の質量比率で混合し、水を添加しながら造粒し、常温乾燥3日後に指圧及び紙面テストを行なった。なお、結合助剤としては、消石灰の質量に対してPVAB−24YSを質量で3%添加混合した。表8にその結果を示す。なお、カッコ内の値は、紙テストによる強度値である。
Claims (6)
- 酸化鉄を含む体質材、結合材、及びPVAを含む結合助剤を混合して第1の混合物を製造する工程と、
前記第1の混合物に植物種子を投入して混合し第2の混合物を製造する工程と、
前記第2の混合物に水を添加しながら混合して前記第1の混合物の被膜を前記植物種子の表面に形成する被膜形成工程と、を含み、
前記結合材は、アルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩またはそれらの1種、2種または3種の混合物からなる群から選択され、
前記第1の混合物に含まれる結合助剤としてのPVAが、前記結合材に対し、2質量%〜10質量%であり、
前記被膜形成工程において、前記結合助剤としてのPVAは、前記結合剤と反応することで前記被膜の強度を向上することを特徴とする被覆された植物種子の製造方法。
- 前記体質材、前記結合材、及び前記結合助剤は、それぞれ所定の粒径を有する粉末から成り、
前記第1の混合物を製造する工程において、前記結合材と前記結合助剤を混合した後、体質材を混合して第1の混合物を製造することを特徴とする請求項1に記載の被覆された植物種子の製造方法。
- 前記結合材は、消石灰、及び/又は、炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の被覆された植物種子の製造方法。
- 前記PVAは、ケン化度が80モル%〜90モル%、重合度が500〜2500であり、粒径が250μm以下の粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の被覆された植物種子の製造方法。
- 前記体質材は、Fe2O3、Fe3O4、Fe2O3・H2O、またはそれらの1種、2種または3種の混合物からなる群から選択される酸化鉄粉であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の被覆された植物種子の製造方法。
- 前記体質材は、平均粒径が45μm以下の粉末であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆された植物種子の製造方法。
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