JP7026553B2 - 赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法 - Google Patents

赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法に関する。
一般に、赤外線センサは、第1基板と、赤外線検出素子と、第2基板とが備えられる。赤外線検出素子は第1基板の上面に設けられており、赤外線を検出する。第2基板は蓋状に形成されており、赤外線検出素子を覆った状態で第1基板の上面に接合されている。また、第2基板は、赤外線を透過可能に形成されている。
赤外線センサに使用されているパッケージは、通常、赤外線検出素子が配置される領域が、減圧雰囲気で封止されている必要がある。このため、第1基板と第2基板との接合面を、例えば、エッチバック法や、CMP法(化学機械研磨法:Chemical Mechanical Polishing)等の技術を用いて平坦化し、封止性を高めながら接合することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2008-292310号公報
一般的に、特許文献1に記載されたようなエッチバック法においては、まず、CVD法(化学気相成長法:Chemical Vapor Deposition)によって基板上に絶縁膜を堆積させた後、粘度の低いレジストを塗布し、レジストと絶縁膜の選択比がほぼ等しい条件で全面をドライエッチングする。その後、基板からレジストを剥離して、再度、CVD法によって絶縁膜を堆積し、平坦化する方法が採用されている。さらに、必要に応じて、上記のCMP法を用いて絶縁膜表面の平坦化を行うこともある。このため、従来の方法で、パッケージ内に減圧空間を確保しながら赤外線センサを製造するプロセスにおいては、絶縁膜の平坦化のための工程数が多くなり、製造コストが増大するという問題があった。
また、上記のエッチバック法では、工程上において発塵する等の問題が生じることから、デバイスの歩留まりが低下するおそれがあった。
また、CMP法では、マイクロスクラッチという小さな傷が発生することがあり、封止気密性の観点から品質が低下するおそれがあった。さらに、CMP法は、使用する研磨剤が高価であることから、コストアップの大きな要因となっていた。
ここで、特に、絶縁膜中に信号線等の配線が埋設されているパッケージにおいては、絶縁膜の表面に大きな凹凸が表出することがあることから、平坦化するための工程数が非常に多くなる場合がある。このように、工程数が非常に多くなった場合には、上記のような、発塵による歩留まり低下や、マイクロスクラッチによる封止気密性の低下、製造コストが増大する問題がさらに顕著になる。このため、工程数を増大させることなく、且つ、複雑な構造とすることなく、高い封止気密性が得られるパッケージが切に求められていた。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の赤外線センサは、第1基板と、前記第1基板の上面側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、前記第1基板において、前記赤外線検出素子が設けられるデバイス領域を除く位置に設けられた絶縁層と、前記赤外線検出素子を覆った状態で前記第1基板の上面側に接合層を介して接合され、前記第1基板に接合される凸部と、平面視で前記凸部に囲まれるように形成され、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するための凹状のキャビティ領域と、を有し、赤外線を透過可能とされた第2基板と、前記絶縁層に埋設され、前記赤外線検出素子に電気的に接続されている信号線と、前記第2基板より外側に設けられ、前記信号線に電気的に接続される出力端子と、を備え、前記絶縁層には、前記第2基板に設けられる前記凸部に対応する位置で、少なくとも一部が前記信号線と直交する凹状領域が設けられており、前記接合層は、前記第1基板における前記絶縁層上に設けられる第1金属配線と、前記第2基板における前記凸部の先端に設けられる第2金属配線とからなり、前記第1金属配線は、少なくとも一部が、前記凹状領域の表面を覆うように凹状に形成され、前記第2金属配線は、少なくとも一部が、凹状に形成された前記第1金属配線に入り込むように接合されることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁層における第2基板の凸部に対応する位置で、信号線と直交する凹状領域が設けられるとともに、この凹状領域の表面を覆うように凹状の第1金属配線が設けられ、第2基板の凸部の先端に設けられた第2金属配線が、凹状に形成された第1金属配線に入り込むように接合されていることで、発塵が生じたり、工程数を増加させたりすることなく、接合部における封止気密性が高められる。これにより、絶縁層中に信号線等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止でき、歩留まりが向上するとともに、優れたセンサ特性が得られる。
従って、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサが実現できる。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記絶縁層に形成された前記凹状領域が、少なくとも一部に斜面を有する断面形状とされていることが好ましい。
本発明によれば、凹状領域が、斜面を有する断面形状に形成されていることにより、第1金属配線も斜面を有して形成されるので、第1金属配線と第2金属配線との接合状態が良好となり、歩留まりが向上するとともに、センサ特性も良好になる。さらに、第1金属配線と第2金属配線とを対向させた際、第2金属配線が、凹状に形成された第1金属配線に容易に入り込むので、生産性も高められる。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記絶縁層に形成された前記凹状領域が、断面円弧状に形成されるとともに、前記第1金属配線が断面円弧状に形成されていることがより好ましい。
本発明によれば、凹状領域並びに第1金属配線が断面円弧状に形成されていることにより、第2金属配線が、断面円弧状に形成された第1金属配線に容易に入り込み、また、第1金属配線と第2金属配線との接合状態がより良好になる。これにより、封止気密性がより高められ、歩留まりが向上するとともに、センサ特性も良好になり、さらに、生産性もより高められる。
本発明の赤外線センサの製造方法は、少なくとも、基板材料の表面をエッチングすることにより、赤外線検出素子を収容する凹状のデバイス領域を形成して第1基板を得る工程(1)と、基板材料の表面をエッチングすることにより、凸部と、平面視で前記凸部に囲まれるように形成され、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するための凹状のキャビティ領域と、を形成して第2基板を得る工程(2)と、前記第1基板における前記デバイス領域を除く位置に、少なくとも信号線が埋設された絶縁層を設ける工程(3)と、前記第1基板における前記絶縁層に、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに該第2基板の前記凸部と対応する位置で、少なくとも一部が前記信号線と直行する方向で延在するように凹状領域を形成する工程(4)と、前記第1基板における前記絶縁層の前記凹状領域の少なくとも一部を覆うように、凹状の第1金属配線を形成する工程(5)と、前記第2基板における前記凸部の先端に第2金属配線を形成する工程(6)と、前記第1基板に形成された前記デバイス領域に赤外線検出素子を配置する工程(7)と、前記第1基板と前記第2基板との間に前記赤外線検出素子が配置されるように前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせ、凹状に形成された前記第1金属配線に入り込むように、前記第2基板の前記凸部に設けられた前記第2金属配線を接合することにより、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程(8)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記のように、少なくとも、第1基板における絶縁層に、信号線と直行する方向で延在するように凹状領域を形成する工程(4)と、絶縁層の凹状領域を覆うように凹状の第1金属配線を形成する工程(5)と、凹状に形成された第1金属配線に入り込むように第2金属配線を接合することにより、第1基板と第2基板とを接合する工程(8)とを備える方法を採用することで、発塵が生じたりすることがなく、また、平面同士で接合する場合に比べて、接合部における封止気密性を高めることができる。また、絶縁層に凹状領域を形成するステップが追加されるだけなので、工程が増加するのを抑制することができる。
従って、絶縁層中に信号線等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止できるので、高い封止気密性を備え、信頼性に優れる赤外線センサを、簡便な工程によって低コスト且つ歩留まりよく製造することが可能になる。
本発明の赤外線センサによれば、上記構成を備えることにより、絶縁層中に信号線等が埋設され、絶縁層の表面に凹凸が生じている場合であっても、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサが実現できる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法によれば、上記方法を採用することにより、絶縁層中に信号線等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止できる。従って、高い封止気密性を備え、信頼性に優れる赤外線センサを、簡便な工程によって低コスト且つ歩留まりよく製造することが可能になる。
本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する平面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図1中に示すI-I断面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図3(a)は、絶縁層中に埋め込まれた信号線と凹状領域との配置関係を示す平面図、図3(b)は、図3(a)中に示すII-II断面図、図3(c)は、図3(a)中に示すIII-III断面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサの製造方法を模式的に説明する図であり、基板をエッチングすることで第2基板を得た後、凸部に第2金属配線を形成するステップを示す工程図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサの製造方法を模式的に説明する図であり、第1基板と第2基板とを接合するステップを示す工程図である。 本発明の第2の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する断面図である。
以下、本発明の赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法の実施形態を挙げ、その構成について図1~図6を適宜参照しながら詳述する。なお、以下の説明で用いる各図面は、本発明の赤外線センサの特徴をわかりやすくするため、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態について、図1~図5を参照しながら詳述する。
図1は、第1の実施形態の赤外線センサ1を模式的に説明する平面図であり、図2は、図1中に示す赤外線センサ1のI-I断面図である。また、図3は、第1の実施形態の赤外線センサ1における、絶縁層6に埋め込まれた信号線7a,7bと、第2基板3の凸部31及び接合層5との配置関係を説明する図である。また、図4,図5は、第1の実施形態の赤外線センサ1の製造方法を模式的に説明する図であり、図4は、基板材料をエッチングすることで第2基板3を得た後、凸部31に第2金属配線52を形成するステップを示す工程図、図5は、第1基板2と第2基板3とを接合するステップを示す工程図である。
図1に示すように、第1の実施形態の赤外線センサ1は、第1基板2(ベース基板)と、赤外線検出素子4と、第2基板3(リッド基板)とを備える。
より詳細には、本実施形態の赤外線センサ1は、第1基板2と、第1基板2の上面2a側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子4と、第1基板2において、赤外線検出素子4が設けられるデバイス領域を除く位置に設けられた絶縁層6と、赤外線検出素子4を覆った状態で第1基板2の上面2a側に接合層5を介して接合され、第1基板2に接合される凸部31と、平面視で凸部31に囲まれるように形成され、赤外線検出素子4上にキャビティ(減圧空間)Cを確保するための凹状のキャビティ領域22と、を有し、赤外線を透過可能とされた第2基板3と、絶縁層6に埋設され、赤外線検出素子4に電気的に接続されている信号線7a,7bと、第2基板3より外側に設けられ、信号線7a,7bに電気的に接続される出力端子8a,8bと、を備えて概略構成される。
そして、本実施形態の赤外線センサ1は、絶縁層6に、第2基板3に設けられる凸部31に対応する位置で、少なくとも一部が信号線7a,7bと直交する凹状領域61が設けられている。また、接合層5は、第1基板2における絶縁層6上に設けられる第1金属配線51と、第2基板3における凸部31の先端に設けられる第2金属配線52とからなる。そして、第1金属配線51は、少なくとも一部が、凹状領域61の表面を覆うように凹状に形成され、第2金属配線52は、少なくとも一部が、凹状に形成された第1金属配線51に入り込むように接合される。
また、図示例においては、赤外線センサ1の内部で、赤外線検出素子4と電極8a,8bとを電気的に接続するために設けられる接続端子81a,81bの一部も示している。
以下、本実施形態の赤外線センサ1の構成について説明する。
第1基板2は、例えば、シリコン基板からなり、図1に示すように,平面視で矩形状に形成されている。また、第1基板2の上面2aには、後述する赤外線検出素子4を配置するためのデバイス領域22が凹状に形成されており、図示例においては、平面視で概略中央にデバイス領域22が設けられている。また、第1基板2には、平面視でデバイス領域22の周囲を囲むように、絶縁層6を設けるための絶縁層領域23が設けられている。
第1基板2は、シリコン基板をウェットエッチングすることにより、デバイス領域22及び絶縁層領域23を形成して得ることができる。デバイス領域22は、例えば、平面視矩形状に形成される領域である。また、絶縁層領域23は、例えば、平面視でデバイス領域22の周囲を取り囲むように形成される領域である。
絶縁層6は、第1基板2における、赤外線検出素子4が備えられる領域、即ち、上記の絶縁層領域23に設けられる。具体的には、絶縁層6は、第1基板2の上面2aのうち、赤外線検出素子4よりも外側の領域に、この赤外線検出素子4の周囲を取り囲むように設けられている。絶縁層6は、絶縁性を有する材料から形成されており、例えば、二酸化ケイ素(SiO)等のシリコン酸化膜や、シリコン窒化膜(SiN)等から形成される。
また、絶縁層6には、上述したように、第2基板3に設けられる凸部31に対応する位置で、少なくとも一部が後述の信号線7a,7bと直交するように、凹状領域61が設けられている。図示例では、平面視で矩形の枠状に形成された接合層6及び凹状領域61のうち、対向する2辺の位置においてのみ、信号線7a,7bと直交している(図1中における横幅方向左右側)。
また、本実施形態においては、絶縁層6に設けられる凹状領域61を、少なくとも一部に斜面を有する断面形状とすることができる。図2に示す例においては、凹状領域61の表面が斜面状であるとともに、断面円弧状に形成されている。これに伴い、図示例においては、凹状領域61の表面を覆うように形成される、詳細を後述する第1金属配線51も、断面円弧状に形成されている。
なお、図2中に示す絶縁層6は、第1基板2の上面2aよりも若干盛り上がるように形成されている。
凹状領域61の深さとしては、特に限定されず、凹状領域61の表面に形成される第1金属配線51に、後述の第2金属配線52を収容可能な深さで適宜設定すればよく、例えば、数百nm~1μm程度とすることができる。これは、埋設された信号線7a,7bによる凹凸が絶縁層6の表面に生じたとき、例えば、信号線7a,7bがポリシリコン配線からなる場合には凹凸が最大で数百nm程度となり、また、信号線7a,7bがAl配線からなる場合には凹凸が最大で1μm程度となることに基づき、これらの凹凸を吸収できる深さである。
赤外線検出素子4は、上述のように、第1基板2の上面2a側に形成された凹状のデバイス領域22に収容されるように設けられている。赤外線検出素子4は、後述の第2基板3を透過して入射する赤外線を検出し、電極8a,8bから外部に向けて検出信号を出力する。赤外線検出素子4は、第1基板2のデバイス領域22に設置された状態において、その上面側が、減圧空間とされたキャビティCに露出するように設けられる。
第2基板3は、例えば、シリコン基板からなり、第1基板2と同様、平面視で矩形状に形成されている。また、第2基板3は、縁部近傍に凸部31を有し、概略で蓋状に形成され、赤外線を透過することが可能に構成されている。さらに、第2基板3における凸部31よりも平面視で内側の領域は、詳細を後述するように、第1基板2の上面2aと、第2基板3の下面3a側に設けられた凸部31とを組み合わせて接合した際に、キャビティ領域32によるキャビティCを形成する。
第2基板3は、赤外線検出素子4を覆った状態で、凸部31が、絶縁層6の上面に接合層5を介して接合されている。これにより、第2基板3は、接合層5を介して第1基板2に接合されている。
接合層5は、導電性を有した金属材料からなり、以下に説明するような、第1基板2における絶縁層6上に設けられる第1金属配線51と、第2基板3における凸部31の先端に設けられる第2金属配線52とから構成される。そして、第1金属配線51は、少なくとも一部が、凹状領域61の表面を覆うように凹状に形成され、第2金属配線52は、少なくとも一部が、凹状に形成された第1金属配線51に入り込むように接合される。
第1金属配線51は、図2中に示すように、第1基板2の上面2aに、第2基板3に設けられる凸部31に対応する位置で設けられている。即ち、第1金属配線51は、第1基板2における絶縁層6に設けられた凹状領域61の表面を覆うように形成されている。図示例においては、第1金属配線51の縁部が、凹状領域61から若干はみ出すように形成されている。また、第1金属配線51は、第1基板2を平面視して概略矩形の枠状に形成されている。
また、第1金属配線51は、上述したように、導電性を有する金属材料により、絶縁層6の凹状領域61の表面を覆うように薄膜状に形成されている。第1金属配線51の材料としては、特に限定されないが、例えば、タンタル層(Ta層)の上に金層(Au層)が重ねられてなる薄膜、窒化チタン層(TiN層)の上にアルミ層(Al層)が重ねられてなる薄膜等が挙げられる。第1金属配線51は、図視略のグラウンドに接続されている。このグラウンドは、例えば、第1基板2の他面(下面・外面)2b側に設けることができるが、第1基板2の上面2a側に設けられてもよい。
第1金属配線51を、上記のような、Ta層の上にAu層が積層された薄膜から構成した場合、各層の厚さは特に限定されないが、電気的特性や接合時の強度等を勘案し、例えば、{Au層:0.5nm~2μm/Ta層:0.05~0.2μm}の範囲とすることが好ましい。同様に、第1金属配線51を、TiN層の上にAl層が積層された薄膜から構成した場合には、例えば、{Al層:1~3μm/TiN層:0.05~0.5μm}の範囲とすることが好ましい。
第2金属配線52は、図2中に示すように、第2基板3に設けられた凸部31の先端を覆うように形成されている。より具体的には、第2金属配線52は、凸部31と同様、第2基板3の下面3a側において、平面視で概略矩形の枠状に形成されている。
第2金属配線52も、第1金属配線5と同様、導電性を有する金属材料によって薄膜状に形成されるか、あるいは、凸状の配線として形成される。また、第2金属配線52の材料としても、特に限定されないが、第1金属配線51と同じ材料により形成される。例えば、第1金属配線51がタンタル層及び金層からなる場合には、第2金属配線52もタンタル層及び金層から構成する。この場合には、第1金属配線51の金層と第2金属配線52の金層とが接合するように、各層が積層される。また、例えば、第1金属配線51が窒化チタン層及びアルミ層からなる場合には、第2金属配線52も窒化チタン層及びアルミ層から構成する。この場合には、第1金属配線51のアルミ層と第2金属配線52のアルミ層とが接合するように、各層が積層される。
第2金属配線52を、上記のような、Ta層の上にAu層が積層された薄膜から構成した場合においても、各層の厚さは特に限定されないが、第1金属配線51の場合と同様、例えば、{Au層:0.5nm~数μm/Ta層:数百nm}程度とすることが好ましい。同様に、第2金属配線52を、TiN層の上にAl層が積層された薄膜から構成した場合には、例えば、{Al層:数μm/TiN層:数百nm}程度とすることが好ましい。
第1基板2の上面2aには、絶縁層6の上に、接続端子81a,81bと、電極8a,8bと、が設けられている。
接続端子81a,81bは、上述したように、赤外線検出素子4と電極8a,8bとを電気的に接続するものであり、図2においては、接続端子81a,81bの一部のみを示している。また、接続端子81a,81bは、赤外線検出素子4に対して、図視略の配線によって電気的に接続されている。また、各接続端子81a,81bは、詳細を後述する信号線7a,7bの一端に電気的に接続されている。
電極8a,8bは、上述したように、赤外線検出素子4による検出信号を外部に出力するためのものである。電極8a,8bは、第1基板2の上面2a上において、それぞれ対向する縁部に沿って設けられており、図示例においては、電極8aと電極8bとが、それぞれ対向して5カ所に設けられている。また、電極8a,8bは、平面視で第2基板3よりも外側に設けられている。
電極8a,8bの入力側は、詳細を後述する信号線7a,7bの他端に電気的に接続されている。また、電極8a,8bは、例えば、赤外線検出信号を必要とする種々の外部機器に対して電気的に接続可能に設けられる。
電極8a,8bを構成する材料としては、優れた導電性を有する配線材料又は電極材料であれば、特に限定されず、従来からこの分野で用いられている金属材料を何ら制限無く用いることができる。
図2に示すように、絶縁層6には、複数の信号線7a,7bが埋設されている。具体的には、複数の信号線7a,7bは、第1基板2の厚さ方向において、中央部よりも上方に埋設されている。信号線7a,7bは、接続端子81a,81b、第1金属配線51及び電極8a,8bの下方にわたるように配置されている。信号線7a,7bは、例えば、ポリシリコン配線やアルミニウム(Al)配線等、一般に埋め込み配線に用いられる導電性材料を何ら制限無く用いることができる。
また、絶縁層6には、信号線7a,7bの一端と接続端子81a,81bとを繋ぐ部分にビア9bが設けられている。これにより、信号線7a,7bの一端が、ビア9bを介して接続端子81a,81bに電気的に接続されている。
また、絶縁層6には、信号線7a,7bの他端と電極8a,8bとを繋ぐ部分にビア9aが設けられている。これにより、信号線7a,7bの他端は、ビア9aを介して電極8a,8bに電気的に接続されている。
上記により、これにより赤外線検出素子4は、複数の配線、複数の接続端子81a,81b、複数のビア9a,9b及び信号線信号線7a,7bを介して、複数の電極8a,8bに電気的に接続されている。
接続端子81a,81b及びビア9a,9bを構成する材料としては、優れた導電性を有する配線材料又は電極材料であれば、特に限定されず、従来からこの分野で用いられている金属材料を何ら制限無く用いることができる。
図3(a)は、図1中に示すA部の拡大図であり、図3(b)は、図3(a)中に示すII-II断面図、図3(c)は、図3(a)中に示すIII-III断面図である。以下の説明においては、絶縁層6中に埋設された信号線7a,7bのうち、電極8aに接続された信号線7aを例に挙げて説明する。
図3(a)~(c)に示すように、絶縁層6には、複数の信号線7aが、それぞれ並列に埋設されている。具体的には、複数の信号線7aが、概略平行に並べられるように配置されている。また、各信号線7aは、それぞれ、複数の電極8aに向かって長尺に延設されている。
図3(c)に示すように、絶縁層6に信号線7aが埋め込まれていると、通常、絶縁層6の表面には、信号線7aの厚さ方向の寸法等に起因する凹凸が生じる。
一方、図3(b)に示すように、本実施形態の赤外線センサ1においては、第1基板2と第2基板3との接合層5が設けられる位置で凹状領域61が設けられている。これにより、絶縁層6の表面の凹凸に左右されることなく、第1金属配線51と第2金属配線52とが、強固且つ安定した状態で良好に接続される。
本実施形態の赤外線センサ1によれば、絶縁層6における第2基板3の凸部に対応する位置で、信号線7a,7bと直交する凹状領域61が設けられるとともに、この凹状領域61の表面を覆うように凹状の第1金属配線51が設けられ、第2基板3の凸部31の先端に設けられた第2金属配線52が、凹状に形成された第1金属配線51に入り込むように接合されている。即ち、信号線7a,7b等に起因する絶縁層6の表面の凹凸を吸収できる深さで、絶縁層6に凹状領域61を形成し、この内面に形成された凹状の第1金属配線51と、この中に埋め込まれるように配置された第2金属配線52との間が金属拡散接合されていることで、発塵が生じたり、工程数を増加させたりすることなく、接合層5における封止気密性が高められる。これにより、絶縁層6中に信号線7a,7b等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止でき、歩留まりが向上するとともに、優れたセンサ特性が得られる。従って、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサ1が実現できる。
また、絶縁層6に設けられる凹状領域61を、斜面を有する断面形状とすることで、凹状領域61の表面に形成される第1金属配線51も斜面を有するものとなるので、第1金属配線51と第2金属配線52との金属拡散接合による接合状態が良好になる。また、第1金属配線51と第2金属配線52とを対向させた際、第2金属配線52が、凹状に形成された第1金属配線51に容易に入り込むので、生産性も高められる。
また、絶縁層6に設けられた凹状領域61が断面円弧状に形成されるとともに、その表面に形成された第1金属配線51も断面円弧状に形成されていることで、第2金属配線52が断面円弧状の第1金属配線51に容易に入り込み、また、第1金属配線51と第2金属配線52との間の金属拡散接合が効果的に発現され、接合状態がより良好になる。従って、第1基板2と第2基板3との間のキャビティCにおける封止気密性がより高められ、歩留まりが向上するとともに、センサ特性も良好になり、さらに、生産性もより高められる。
次に、本実施形態の赤外線センサ1を用いた、赤外線の検出に係る処理について説明する。
まず、赤外線が上面3b側から入射して第2基板3を透過すると、赤外線検出素子4は、その赤外線を検出して検出信号を出力する。赤外線検出素子4から出力された検出信号は、複数の配線や複数の接続端子81a,81b、複数のビア9a,9b、複数の信号線7a,7bを通り、複数の電極8a、8bから出力される。複数の電極8a,8bから出力された検出信号は、外部機器に送信されて所定の動作が行われる。
次に、本実施形態の赤外線センサ1を製造する方法について、図4及び図5を参照しながら詳述する(赤外線センサ1の構成については図1~図3も適宜参照)。
本実施形態の赤外線センサ1の製造方法は、上述した本実施形態の赤外線センサ1を製造する方法であり、少なくとも以下の工程(1)~(8)を備える方法である。
工程(1):基板材料の表面をエッチングすることにより、赤外線検出素子4を収容する凹状のデバイス領域22を形成して第1基板を得る。
工程(2):基板材料の表面をエッチングすることにより、凸部31と、平面視で凸部31に囲まれるように形成され、赤外線検出素子4上にキャビティ(減圧空間)Cを確保するための凹状のキャビティ領域32とを形成して第2基板を得る。
工程(3):第1基板2におけるデバイス領域22を除く位置に、少なくとも信号線7a,7bが埋設された絶縁層6を設ける。
工程(4):第1基板2における絶縁層6に、第1基板2と第2基板3とを重ね合わせたときに該第2基板3の凸部31と対応する位置で、少なくとも一部が信号線7a,7bと直行する方向で延在するように凹状領域61を形成する。
工程(5):第1基板2における絶縁層6の凹状領域61の少なくとも一部を覆うように、凹状の第1金属配線51を形成する。
工程(6): 第2基板3における凸部31の先端に第2金属配線52を形成する。
工程(7):第1基板2に形成されたデバイス領域22に赤外線検出素子4を配置する。
工程(8):第1基板2と第2基板3との間に赤外線検出素子4が配置されるように第1基板2と第2基板3とを重ね合わせ、凹状に形成された第1金属配線31に入り込むように、第2基板3の凸部31に設けられた第2金属配線52を接合することにより、第1基板2と第2基板3とを接合する。
まず、工程(1)において、基板材料、例えばシリコン基板の表面をウェットエッチングし、赤外線検出素子4を収容する凹状のデバイス領域22を形成して第1基板2を作製する(図5(a)を参照)。
具体的には、工程(1)では、まず、基板材料となるシリコン基板の表面に、フォトリソグラフィ法により、凹状のデバイス領域22をウェットエッチングで形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。
次いで、シリコン基板の表面をウェットエッチングすることにより、凹状のデバイス領域22を形成する。
その後、第1基板2からレジストパターンを剥離する。
また、本実施形態では、上記工程(1)を実施するとともに、工程(2)において、基板材料、例えばシリコン基板の表面をエッチングすることにより、凸部31と、平面視で凸部31に囲まれるように形成され、赤外線検出素子4上にキャビティCを確保するための凹状のキャビティ領域32とを形成して第2基板3を作製する。
即ち、工程(2)においては、まず、基板材料となるシリコン基板を準備する。
そして、シリコン基板の表面に、フォトリソグラフィ法により、凸部31、キャビティ領域32をウェットエッチングで形成するための図視略のレジストパターンを形成する。
次いで、シリコン基板の表面をウェットエッチングすることにより、図4(a)に示すように、凸部31を形成するとともに、凸部31に囲まれたキャビティ領域32を形成する。本実施形態の製造方法で得られる赤外線センサ1は、上記のキャビティ領域32に対応する領域がキャビティCとなる。
その後、第2基板3から図視略のレジストパターンを剥離する。
工程(1)及び工程(2)においては、フォトリソグラフィ法によってレジストパターンを形成するにあたり、例えばスピンコート法等を用いて、従来公知の条件でレジストパターンを形成することができる。
また、工程(1)及び工程(2)におけるウェットエッチング条件としても、特に限定されず、例えば、従来からシリコン基板のエッチングに用いられているKOH等のエッチング液を用いることができる。また、エッチング液の温度やエッチング時間等の各条件についても、従来公知の条件を何ら制限無く採用できる。
次に、工程(3)において、第1基板2におけるデバイス領域22を除く位置に、少なくとも信号線7a,7bが埋設された絶縁層6を設ける(図5(a)を参照)。
具体的には、第1基板2における、赤外線検出素子4が備えられる領域、即ち、第1基板2の上面2aのうち、赤外線検出素子4よりも外側に位置する絶縁層領域23に、この赤外線検出素子4の周囲を取り囲むように絶縁層6を形成する。
一般的に、絶縁層は、例えば、シリコン基板の表面に対して酸化処理あるいは窒化処理を行うことにより、この部分を、絶縁材料である二酸化ケイ素(SiO)等のシリコン酸化膜や、シリコン窒化膜(SiN)等に改質することで形成することが可能である。
一方、本実施形態の工程(3)においては、信号線7a,7bが埋設された状態で絶縁層6を形成することから、例えば、まず、上記の工程(1)において、ウェットエッチングにより、デバイス領域22と同時に凹状の絶縁層領域23を形成しておく。
そして、本工程(3)において、上記のような絶縁材料を絶縁層領域23に堆積させるとともに、内部に導電材料からなる信号線7a,7b、及びビア9a,9bを形成しながら、絶縁層6を形成することができる。
次に、工程(4)において、絶縁層6に、第1基板2と第2基板3とを重ね合わせたときに該第2基板3の凸部31と対応する位置で、少なくとも一部が信号線7a,7bと直行する方向で延在するように凹状領域61を形成する(図5(a)を参照)。
具体的には、絶縁層6に対してウェットエッチングを施すことにより、デバイス領域22の周囲を取り囲むように、枠状の凹状領域61を形成する。本実施形態では、図1に示す例のように、枠状に形成された凹状領域61(絶縁層6)のうち、対向する2辺の位置のみが信号線7a,7bと直交するように、凹状領域61を形成する。
絶縁層6をウェットエッチングする際の条件としては、特に限定されず、例えば、フッ化水素酸(HF)やバッファードフッ酸(BHF)等をエッチング液に用いて、従来公知の条件でウェットエッチングを行い、凹状領域61を形成することができる。
本実施形態の製造方法は、従来の方法に対し、ウェットエッチングによって凹状領域61を形成するステップのみが追加された方法なので、大幅な工程の増加を伴うことがなく、製造コストを抑制することができる。
次に、工程(5)において、絶縁層6の凹状領域61の少なくとも一部を覆うように、凹状の第1金属配線51を形成する(図5(a)を参照)。図示例においては、凹状領域61の表面の全体に第1金属配線51を形成するとともに、第1金属配線51の幅方向の端部が、凹状領域61から若干はみ出るように形成している。
具体的には、まず、デバイス領域22が形成された第1基板2の上面2aに配置された絶縁層6上に、上記同様、スプレーコート法等のフォトリソグラフィ法により、第1金属配線51を形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。この際、絶縁層6上における、凹状領域61に対応する部分を除いた全面にレジストパターンを形成する。
その後、第1基板2から図視略のレジストパターンを剥離する。
次いで、例えば、スパッタリング法、蒸着法又はめっき法等の方法により、凹状領域61の内面に第1金属配線51を形成する。
工程(5)においては、材料及び積層順を適宜選択することにより、上述したような{Au層/Ta層}構造、又は、{Al層/TiN層}構造の薄膜からなる第1金属配線51を形成することができる。
その後、第1基板2から図視略のレジストパターンを剥離する。
また、本実施形態においては、図5(a)中に示すように、第1基板2の上面2aに、スパッタリング法によって導電性材料を積層することにより、電極8a,8b及び接続端子81a,81bを形成する。この際、電極8a,8b及び接続端子81a,81bに用いられる材料としては、特に限定されないが、例えば、上述したような、TiN、AlSi、及びTiNを順次積層することで形成することができる。
次に、工程(6)において、第2基板3における凸部31の先端に第2金属配線52を形成する。
具体的には、まず、図4(a)に示すような、工程(2)で得られた第2基板3の下面3a側に、スプレーコート法等のフォトリソグラフィ法により、第2金属配線52を形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。この際、第2基板3の下面3aにおける、凸部31の部分を除いた全面にレジストパターンを形成する。
次いで、例えば、スパッタリング法、蒸着法又はめっき法等の方法により、図4(b)に示すように、凸部31の先端に第2金属配線52を形成する。この際、材料及び積層順を適宜選択することにより、上述したような{Au層/Ta層}構造、又は、{Al層/TiN層}構造の薄膜からなる第2金属配線52を形成することができる。
また、この際、第1金属配線51が{Au層/Ta層}からなる場合には、第2金属配線52も同様の材料から形成する。この場合には、第1金属配線5のAu層と第2金属配線52のAu層とが接合するように、各層の積層順を調整する。また、第1金属配線51が{Al層/TiN層}からなる場合には、第2金属配線52も同様の材料から形成する。この場合には、第1金属配線5のAl層と第2金属配線52のAl層とが接合するように、各層の積層順を調整する。
その後、第1基板2から図視略のレジストパターンを剥離する。
次に、工程(7)において、第1基板2の上面2aに形成された凹状のデバイス領域22に、赤外線検出素子4を配置する(図5(a)等を参照)。
次に、工程(8)において、図5(b)に示すように、第1基板2と第2基板3との間に赤外線検出素子4が配置されるように第1基板2と第2基板3とを重ね合わせ、凹状に形成された第1金属配線31に入り込むように、第2基板3の凸部31に設けられた第2金属配線52を接合することにより、第1基板2と第2基板3とを接合する。即ち、第2基板3の凸部31の先端に形成された第2金属配線52を、凹状の第1金属配線51内に収容した状態で、互いに加圧することで金属拡散接合を発現させることにより、第1基板2と第2基板3とを接合する。
具体的には、まず、図5(b)に示すように、第2金属配線52が凹状の第1金属配線51に入り込むように、第1基板2と第2基板3とを重ね合わせる。
次いで、第1基板2と第2基板3とを互いに加圧することにより、第1金属配線5と第2金属配線52との間に金属拡散接合を発現させ、この部分を接合する。
上記の拡散接合を行う際の条件、即ち、赤外線センサ1のキャビティCを封止する条件としては、特に限定されないが、例えば、第1基板2側の第1金属配線51、及び、第2基板3側の第2金属配線52が{Au層/Ta層}である場合には、例えば、温度条件を300~350℃の範囲とし、加圧力を450~900kPaの範囲とすることが好ましい。
一方、第1金属配線51及び第2金属配線52が{Al層/TiN層}である場合には、例えば、温度条件を350~400℃の範囲とし、加圧力を27~60MPaの範囲とすることが好ましい。
また、第1基板2と第2基板3とを接合する際の封止幅(接合幅)、即ち、図5(b)中に示す第1金属配線51と第2金属配線52との接触幅も、特に限定されない。一方、封止気密性の向上等を考慮した場合、上記の封止幅は、第1金属配線51及び第2金属配線52が{Au層/Ta層}である場合には、例えば、0.15~0.30mmの範囲であることが好ましい。また、第1金属配線51及び第2金属配線52が{Al層/TiN層}である場合には、上記の封止幅は、例えば、0.03~0.1mmの範囲であることが好ましい。
そして、本実施形態では、上記の工程(8)の後、図5(b)に示すように、ダイシングラインLに沿って、第2基板3において対向する一対の縁部をダイシングすることにより、電極8a,8bを露出させる。
以上の各工程により、本実施形態の赤外線センサ1を製造することができる。
なお、上記の各工程は、可能な範囲で、その工程順を変更したり、あるいは、同じ工程として行ったりすることも可能である。
本実施形態の製造方法においては、上記のように、少なくとも、第1基板2における絶縁層6に、信号線7a,7bと直行する方向で延在するように凹状領域61を形成する工程(4)と、絶縁層6の凹状領域61を覆うように凹状の第1金属配線51を形成する工程(5)と、凹状に形成された第1金属配線51に入り込むように第2金属配線52を接合することにより、第1基板2と第2基板3とを接合する工程(8)とを備える方法を採用している。
これにより、発塵が生じたりすることがなく、また、平面同士で基板同士を接合する場合に比べて、接合部5における封止気密性を高めることができる。また、第1基板2及び第2基板3における凹凸等も吸収されるので、封止気密性の向上に加え、内部における電気的特性もより良好になる。
また、従来の方法に比べ、第1基板2における絶縁層6の表面を平坦化するための工程を省略できるので、製造コストをより低減することが可能になる。さらに、本実施形態においては、絶縁層6に凹状領域61を形成するステップが追加されるだけなので、工程が増加するのを抑制できる。
従って、絶縁層6中に信号線7a,7b等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止できるので、高い封止気密性を備え、信頼性に優れる赤外線センサ1を、簡便な工程によって低コスト且つ歩留まりよく製造することが可能になる。
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態の赤外線センサ10について、図6を適宜参照しながら詳述する。
なお、以下に説明する第2の実施形態の赤外線センサ10において、上述した第1の実施形態の赤外線センサ1と共通する構成については、図中において同じ符号を付与するとともに、その詳細な説明を省略する場合がある。
図6は、第2の実施形態の赤外線センサ10を模式的に説明する断面図である。
図67に示すように、第2の実施形態の赤外線センサ10は、第1の実施形態の赤外線センサ1と同様、第1基板12(ベース基板)と、赤外線検出素子4と、第2基板3(リッド基板)とを備える。
本実施形態の赤外線センサ10においては、第2基板3の凸部31の全体にわたって第2金属配線152が形成されている。また、第1基板2側の絶縁層106に形成された凹状領域161は幅広に構成され、側面側が斜面に形成されている一方、下面側の一部は概略平坦面とされており、この凹状領域161を覆うように第2金属配線151が形成されている。そして、本実施形態においては、第2金属配線152が、第2基板3の凸部31の全幅にわたって凹状領域161に収容されるように構成されている点で、上記の第1の実施形態の赤外線センサ1とは異なる。
本実施形態の赤外線センサ10によれば、上記構成を採用することにより、信号線7a,7b等に起因する絶縁層106の表面の凹凸を吸収できる深さで、絶縁層106に凹状領域161を形成し、この内面に形成された凹状の第1金属配線151と、この中に埋め込まれるように配置された第2金属配線152との間が金属拡散接合されていることで、発塵が生じたり、工程数を増加させたりすることなく、接合層105における封止気密性が高められる。これにより、絶縁層106中に信号線7a,7b等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止でき、歩留まりが向上するとともに、優れたセンサ特性が得られる。
従って、第1の実施形態の場合と同様、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサ10が実現できる。
[作用効果]
以上説明したように、本実施形態の赤外線センサ1によれば、上記構成を備えることにより、絶縁層6中に信号線7a,7b等が埋設され、絶縁層6の表面に凹凸が生じている場合であっても、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能な赤外線センサ1が実現できる。
また、本発明に係る赤外線センサ1の製造方法によれば、上記方法を採用することにより、絶縁層6中に信号線信号線7a,7b等が埋設されている場合であっても、表面の凹凸等によって封止気密性が低下するのを防止できる。従って、高い封止気密性を備え、信頼性に優れる赤外線センサ1を、簡便な工程によって低コスト且つ歩留まりよく製造することが可能になる。
本発明の赤外線センサは、上述したように、絶縁層中に信号線等が埋設されている場合であっても、簡便な構成で高い封止気密性が得られ、信頼性に優れるとともに、簡便な工程によって低コストで製造することが可能なものなので、例えば、信頼性の高い赤外線検出精度が要求される各種電子機器等における用途で非常に好適である。
1,10…赤外線センサ
2…第1基板
2a…一面
2b…他面
22…デバイス領域
23…絶縁層領域
3…第2基板
3a…下面
3b…上面
31…凸部
32…キャビティ領域
4…赤外線検出素子
5…接合層
51…第1金属配線
52…第2金属配線
6…絶縁層
7a,7b…信号線
71…ダミー線
8a,8b…電極
81a,81b…接続端子
9a,9b…ビア
C…キャビティ(減圧空間)
L…ダイシングライン

Claims (4)

  1. 第1基板と、
    前記第1基板の上面側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、
    前記第1基板において、前記赤外線検出素子が設けられるデバイス領域を除く位置に設けられた絶縁層と、
    前記赤外線検出素子を覆った状態で前記第1基板の上面側に接合層を介して接合され、前記第1基板に接合される凸部と、平面視で前記凸部に囲まれるように形成され、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するための凹状のキャビティ領域と、を有し、赤外線を透過可能とされた第2基板と、
    前記絶縁層に埋設され、前記赤外線検出素子に電気的に接続されている信号線と、
    前記第2基板より外側に設けられ、前記信号線に電気的に接続される出力端子と、を備え、
    前記絶縁層には、前記第2基板に設けられる前記凸部に対応する位置で、少なくとも一部が前記信号線と直交する凹状領域が設けられており、
    前記接合層は、前記第1基板における前記絶縁層上に設けられる第1金属配線と、前記第2基板における前記凸部の先端に設けられる第2金属配線とからなり、
    前記第1金属配線は、少なくとも一部が、前記凹状領域の表面を覆うように凹状に形成され、
    前記第2金属配線は、少なくとも一部が、凹状に形成された前記第1金属配線に入り込むように接合されることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記絶縁層に形成された前記凹状領域が、少なくとも一部に斜面を有する断面形状とされていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記絶縁層に形成された前記凹状領域が、断面円弧状に形成されるとともに、前記第1金属配線が断面円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  4. 少なくとも、
    基板材料の表面をエッチングすることにより、赤外線検出素子を収容する凹状のデバイス領域を形成して第1基板を得る工程(1)と、
    基板材料の表面をエッチングすることにより、凸部と、平面視で前記凸部に囲まれるように形成され、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するための凹状のキャビティ領域と、を形成して第2基板を得る工程(2)と、
    前記第1基板における前記デバイス領域を除く位置に、少なくとも信号線が埋設された絶縁層を設ける工程(3)と、
    前記第1基板における前記絶縁層に、前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせたときに該第2基板の前記凸部と対応する位置で、少なくとも一部が前記信号線と直行する方向で延在するように凹状領域を形成する工程(4)と、
    前記第1基板における前記絶縁層の前記凹状領域の少なくとも一部を覆うように、凹状の第1金属配線を形成する工程(5)と、
    前記第2基板における前記凸部の先端に第2金属配線を形成する工程(6)と、
    前記第1基板に形成された前記デバイス領域に赤外線検出素子を配置する工程(7)と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に前記赤外線検出素子が配置されるように前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせ、凹状に形成された前記第1金属配線に入り込むように、前記第2基板の前記凸部に設けられた前記第2金属配線を接合することにより、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程(8)と、
    を備えることを特徴とする赤外線センサの製造方法。
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