JP7002390B2 - 赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法 - Google Patents

赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法に関する。
一般に、赤外線センサは、第1基板と、赤外線検出素子と、第2基板とが備えられる。赤外線検出素子は第1基板の上面に設けられており、赤外線を検出する。第2基板は蓋状に形成されており、赤外線検出素子を覆った状態で第1基板の上面に接合されている。また、第2基板は、赤外線を透過可能に形成されている。
赤外線センサに使用されているパッケージは、通常、有機物によるガスの発生を低減するため、減圧雰囲気で封止されている。このような、減圧雰囲気で封止するパッケージにおいては、一般的に製造コストが高いという問題がある。この問題を解決するため、蓋状の第2基板の接合部の構造を、突起部を有する凸形状構造とし、第1基板側に形成される金属配線に埋設するように接合することにより、高い製造歩留りと、接合による高い封止気密性を実現し、信頼性の高いウエハーレベルのパッケージを得ることが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2016-082060号公報
しかしながら、ウエハーレベルのパッケージにおいて、蓋状の第2基板に適切な凸形状構造を形成するためには複雑な工程が必要となる。即ち、複雑な形状を有する凸形状構造を形成するためのパターニングやエッチング条件といった工程管理が必要になる。また、封止気密性を高める必要があることから、第1基板と第2基板との間の位置決めに高価なアライメント装置を用いる必要がある。このため、大きな労力を要するとともに、製造コストが増大するという問題があった。
さらに、従来の方法では、パッケージを形成して加熱による脱ガス処理を行った後、この脱ガス処理に用いたスペーサを引き抜く際にアライメントずれが生じる場合があり、封止気密性が低下してウエハーとしての歩留まりが低下するという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージが実現できるとともに、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能な赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の赤外線センサは、
一面側に第1凸部を有する、シリコン基板からなる第1基板と、前記第1基板の前記一面側に接合され、接合面である下面側に、先端部に凹状領域が形成された第2凸部を有する、シリコン基板からなる第2基板と、前記第1凸部の側壁を覆うように設けられる第1金属配線と、前記第2凸部における前記凹状領域の側壁を覆うように設けられる第2金属配線と、前記第1基板の一面側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、を備え、前記第1凸部の側壁、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁が、前記シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで形成される傾斜面とされており、前記第1凸部が前記第2凸部の前記凹状領域の内部に収容され、前記第1金属配線と前記第2金属配線とが金属拡散接合することで、前記第1金属配線が、前記凹状領域内に配置された前記第2金属配線に埋め込まれるように配置されることにより、前記第1基板と前記第2基板とが接合されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1凸部の側壁、及び、第2凸部に設けられる凹状領域の側壁がウェットエッチングによって形成される傾斜面とされ、第1凸部が凹状領域の内部に収容され、第1金属配線と第2金属配線とが金属拡散接合することによって第1基板と第2基板とが接合されていることで、傾斜面からなる互いの側壁に形成された第1金属配線と第2金属配線とが、加圧による摩擦で安定した金属拡散接合を発現し、封止気密性が向上する。
また、第1金属配線が、凹状領域内に配置された第2金属配線に埋め込まれることで、凹状領域内における加工精度に起因する凹凸等が吸収され、封止気密性及び内部における電気的特性がより良好になる。
また、第1凸部が凹状領域の内部に収容されていることから、脱ガス処理に用いたスペーサを引き抜く際にアライメントずれが生じるのを防止できる。
従って、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサが実現できるとともに、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記第1凸部の側壁、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁が、前記シリコン基板の(111)面とされていることが好ましい。
本発明によれば、第1凸部の側壁の表面、及び、第2凸部に設けられる凹状領域の側壁の表面が、良好な傾斜面となるので、第1金属配線と第2金属配線との金属拡散接合がより安定して発現され、封止気密性がさらに向上する。
また、本発明の赤外線センサは、上記構成において、前記第1凸部の側壁の傾斜角度、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁の傾斜角度が、シリコン基板の結晶異方性に由来する角度とすることができる。
本発明によれば、第1凸部の側壁の傾斜角度、及び、凹状領域の側壁の傾斜角度が、シリコン基板の結晶異方性に由来する角度であることで、ウェットエッチングで傾斜面を形成する際の加工性及び角度精度が向上し、第1金属配線と第2金属配線との金属拡散接合がさらに安定して発現され、封止気密性が顕著に向上する。
本発明の赤外線センサの製造方法は、少なくとも、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、側壁が傾斜面とされた第1凸部を形成して第1基板を得る工程(1)と、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、先端部に、側壁が傾斜面である凹状領域とされた第2凸部を形成して第2基板を得る工程(2)と、前記第1凸部の側壁を覆うように第1金属配線を形成する工程(5)と、前記第2凸部における前記凹状領域の側壁を覆うように第2金属配線を形成する工程(6)と、前記第1基板の一面側に赤外線検出素子を配置する工程(3)と、前記第1基板と前記第2基板との間に前記赤外線検出素子が配置されるように前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせ、前記第1凸部が前記第2凸部の前記凹状領域に収容された状態で、前記第1金属配線と前記第2金属配線とを互いに加圧して金属拡散接合させることで、前記第1金属配線を、前記凹状領域内に配置された前記第2金属配線に埋め込みながら、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程(4)と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、上記のように、ウェットエッチングにより、側壁が傾斜面とされた第1凸部を形成して第1基板を得るとともに、側壁が傾斜面とされた凹状領域を有する第2凸部を形成して第2基板を得たうえで、第1凸部が凹状領域に収容された状態で、第1金属配線と第2金属配線とを金属拡散接合することで、第1金属配線を、凹状領域内に配置された第2金属配線に埋め込む方法を採用することで、第1基板と第2基板とを、精度よく位置決めしながら、高い封止気密性で接合することができる。また、第1凸部を凹状領域の内部に収容することから、脱ガス処理に用いたスペーサを引き抜く際にアライメントずれが生じるのを防止できる。従って、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサを、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法は、上記構成において、さらに、前記工程(1)が、ウェットエッチングにより、前記第1基板の一面側に、前記赤外線検出素子を収容するためのデバイス領域を形成する工程を含み、前記工程(2)が、ウェットエッチングにより、前記第2基板における接合面である下面側に、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するためのキャビティ領域を形成する工程を含む方法とすることができる。
本発明によれば、上記工程を採用することにより、第1基板に設けられる第1凸部と、第2基板の第2凸部に設けられる凹状領域との位置決めがさらに容易になり、生産性が向上するとともに封止気密性も高められる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法は、上記構成において、前記工程(1)及び前記工程(2)が、前記シリコン基板の(100)面に、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成した後、ウェットエッチングを行う工程を含むことが好ましい。
本発明によれば、第1基板及び第2基板に第1凸部又は第2凸部をウェットエッチングで形成するにあたり、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成することで、第1凸部及び第2凸部を精度よく形成できるとともに、加工性・生産性も高められる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法は、上記構成において、さらに、前記工程(1)及び前記工程(2)の後に、前記第1凸部の側壁を覆うように第1金属配線を形成する工程(5)と、前記第2凸部における前記凹状領域の側壁を覆うように第2金属配線を形成する工程(6)と、を備え、前記工程(4)は、前記工程(3)、前記工程(5)及び前記工程(6)の後に、前記第1金属配線を、前記凹状領域内に配置された前記第2金属配線に埋め込みながら、前記第1基板と前記第2基板とを接合する方法とすることができる。
本発明によれば、さらに、上記の工程(5)及び工程(6)を備え、第1金属配線を、凹状領域内の第2金属配線に埋め込みながら、第1基板と第2基板とを接合することで、凹状領域内における加工精度に起因する凹凸等が吸収され、封止気密性及び電気的特性がより良好になるので、優れた特性を有する赤外線センサを製造することができる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法は、上記構成において、前記工程(4)は、前記第1凸部を、前記第2凸部の凹状領域に入り込ませることで、セルフアライメントによって前記第1基板と前記第2基板との間の位置決めを行うことが好ましい。
本発明によれば、高価で複雑な機構を有するアライメント装置を用いることなく、セルフアライメントで第1基板と第2基板との間の位置決めを行うことができるので、生産性がより高められるとともに、封止気密性に優れた赤外線センサを製造することが可能になる。
本発明の赤外線センサによれば、上記構成を備えることにより、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージが実現できるとともに、生産性及び歩留まりが高められた赤外線センサが実現できる。
また、本発明の赤外線センサの製造方法によれば、上記方法を採用することにより、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサを、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する平面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図1中に示すI-I断面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図2中の要部を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサの製造方法を模式的に説明する図であり、第2基板を得るステップを示す工程図である。 本発明の第1の実施形態である赤外線センサの製造方法を模式的に説明する図であり、第1基板と第2基板とを接合して赤外線センサを得るステップを示す工程図である。 本発明の第2の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する平面図である。 本発明の第2の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図6中に示すII-II断面図である。 本発明の第2の実施形態である赤外線センサを模式的に説明する図であり、図7中の要部を示す拡大断面図である。
以下、本発明の赤外線センサ及び赤外線センサの製造方法の実施形態を挙げ、その構成について図1~図8を適宜参照しながら詳述する。なお、以下の説明で用いる各図面は、本発明の赤外線センサの特徴をわかりやすくするため、便宜上、特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率等は実際とは異なる場合がある。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態について、図1~図5を参照しながら詳述する。
図1は、第1の実施形態の赤外線センサ1を模式的に説明する平面図であり、図2は、図1中に示す赤外線センサ1のI-I断面図、図3は、図2の赤外線センサ1の要部を示す拡大断面図である。また、図4及び図5は、第1の実施形態の赤外線センサ1の製造方法を模式的に説明する図であり、図4は、第2基板3を得るステップを示す工程図であり、図5は、第1基板2と第2基板3とを接合して赤外線センサを得るステップを示す工程図である。
図1に示すように、第1の実施形態の赤外線センサ1は、第1基板2(ベース基板)と、赤外線検出素子4と、第2基板3(リッド基板)とを備える。
より詳細には、本実施形態の赤外線センサ1は、上面2a側(一面側)に第1凸部21を有する、シリコン基板からなる第1基板2と、第1基板2の上面2a側に接合され、接合面である下面3a側に、先端部に凹状領域31Aが形成された第2凸部31を有する、シリコン基板からなる第2基板3と、第1凸部21の側壁を覆うように設けられる第1金属配線5と、第2凸部31における凹状領域31Aの側壁を覆うように設けられる第2金属配線6と、第1基板の上面2a側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子4と、を備えて概略構成される。図1に示すように、本実施形態の赤外線センサ1には、検出信号を出力するための電極8a,8bが備えられている。また、図示例においては、赤外線センサ1の内部で、赤外線検出素子4と電極8a,8bとを電気的に接続するための内部配線7a,7bの一部も示している。
以下、本実施形態の赤外線センサ1の構成について説明する。
第1基板2は、シリコン基板からなり、図1に示すように,平面視で矩形状に形成されている。また、第1基板2の上面2aには、後述する赤外線検出素子4を配置するためのデバイス領域22が凹状に形成されており、図示例においては、平面視で概略中央にデバイス領域22が設けられている。
第1基板2は、上記のように、上面2a側に第1凸部21を有している。本実施形態において、第1基板2に設けられる第1凸部21は、側壁21aが、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで形成される傾斜面とされている。また、第1凸部21は、図1中に示すように、平面視において、第1基板2の内側を囲むような矩形状として形成されている。
第1凸部21の大きさとしては、特に限定されないが、後述する第1基板2と第2基板3とを接合した後の封止気密性や、アライメントのし易さ、ウェットエッチングによる基板加工性等を総合的に考慮し、例えば、高さが33~50μm、幅が50~100μmであることが好ましい。
赤外線検出素子4は、上述のように、第1基板2の上面2a側に形成された凹状のデバイス領域22に収容されるように設けられている。赤外線検出素子4は、後述の第2基板3を透過して入射する赤外線を検出し、電極8a,8bから外部に向けて検出信号を出力する。
また、図1~図5においては図示を省略しているが、本実施形態の赤外線センサ1においては、第1基板2における第1凸部21の周囲に絶縁層が設けられる。具体的には、図視略の絶縁層は、第1基板2の上面2a側のうち、赤外線検出素子4よりも外側の領域に、第1凸部21に沿いながら、平面視で赤外線検出素子4を囲むように設けられている。この絶縁層は、絶縁性を有する材料により形成されており、例えば、二酸化ケイ素(SiO)等のシリコン酸化膜や、シリコン窒化膜(SiN)等から形成される。
第2基板3は、シリコン基板からなり、第1基板2と同様、平面視で矩形状に形成されている。また、第2基板3は、縁部近傍に第2凸部31を有し、概略で蓋状に形成され、赤外線を透過することが可能に構成されている。さらに、第2基板3における第2凸部31よりも平面視で内側の領域は、詳細を後述するように、第1基板2の上面2a側に設けられた第1凸部21と、第2基板3の下面3a側に設けられた第2凸部31とを組み合わせて接合した際に、キャビティ領域32によるキャビティCを形成する。
第2基板3は、上記のように、第1基板2の上面2a側に接合される下面3a側に、先端部に凹状領域31Aが形成された第2凸部31を有する。本実施形態において、第2基板3に設けられる第2凸部31は、凹状領域31aの側壁31aが、第1基板2に設けられる第1凸部21と同様、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで形成される傾斜面とされている。また、図2及び図3に示す例においては、第2凸部31の外壁31bも、側壁31aと同様、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで形成される傾斜面とされている。
また、第2凸部31は、図1中に示すように、第1基板2に設けられる第1凸部21と同様、平面視において、第2基板3の内側を囲むような矩形状として形成されている。
第2凸部31の大きさとしても、特に限定されず、第1凸部21の場合と同様、第1基板2と第2基板3とを接合した後の封止気密性や、アライメントのし易さ、ウェットエッチングによる基板加工性等を総合的に考慮して決定することができる。具体的には、第2凸部31の大きさは、例えば、高さが30~100μm、幅が100~200μmであることが好ましい。
また、第2凸部31の先端部に形成される凹状領域31Aの大きさとしても、特に限定されず、内部に収容される第1凸部21の大きさを考慮して決定することが好ましく、例えば、深さを30~100μm、幅を100~200μmとすることができる。
第2基板3は、赤外線検出素子4を覆った状態で第1基板2と接合されている。本実施形態の赤外線センサ1においては、第1凸部21が第2凸部31の凹状領域31Aの内部に収容され、第1金属配線5と第2金属配線6とが金属拡散接合することで、第1金属配線5が、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込まれるように配置されることにより、第1基板2と第2基板3とが接合されている。即ち、図2及び図3に示す例においては、第1凸部21の側壁21aと凹状領域31Aの側壁31aとが、後述する第1金属配線5及び第2金属配線6を挟み込むように接合されている。
第1金属配線5は、図2及び図3中に示すように、第1基板2の第1凸部21の側壁21aを覆うように設けられている。図示例の第1金属配線5は、第1凸部21の先端部も覆うように配置されている。
また、第1金属配線5は、導電性を有する金属材料によって薄膜状に形成されている。第1金属配線5の材料としては、特に限定されないが、例えば、タンタル層(Ta層)の上に金層(Au層)が重ねられてなる薄膜、窒化チタン層(TiN層)の上にアルミ層(Al層)が重ねられてなる薄膜等が挙げられる。第1金属配線5は、図視略のグラウンドに接続されている。このグラウンドは、例えば、第1基板2の他面(下面・外面)2b側に設けることができるが、第1基板2の上面2a側に設けられてもよい。
第1金属配線5を、上記のような、Ta層の上にAu層が積層された薄膜から構成した場合、各層の厚さは特に限定されないが、電気的特性や接合時の強度等を勘案し、例えば、{Au層:0.5nm~2μm/Ta層:0.05~0.2μm}の範囲とすることが好ましい。同様に、第1金属配線5を、TiN層の上にAl層が積層された薄膜から構成した場合には、例えば、{Al層:1~3μm/TiN層:0.05~0.5μm}の範囲とすることが好ましい。
第2金属配線6は、図2及び図3中に示すように、第2基板3に設けられた第2凸部31の凹状領域31Aの側壁31aを覆うように形成されている。より具体的には、第2金属配線6は、凹状領域31Aの側壁31aの表面に、断面略V字状に形成されている。
第2金属配線6も、第1金属配線5と同様、導電性を有する金属材料によって薄膜状に形成されている。また、第2金属配線6の材料としても、特に限定されないが、第1金属配線5と同じ材料により形成される。例えば、第1金属配線5がタンタル層及び金層からなる場合には、第2金属配線6もタンタル層及び金層から構成する。この場合には、第1金属配線5の金層と第2金属配線6の金層とが接合するように、各層が積層される。また、例えば、第1金属配線5が窒化チタン層及びアルミ層からなる場合には、第2金属配線6も窒化チタン層及びアルミ層から構成する。この場合には、第1金属配線5のアルミ層と第2金属配線6のアルミ層とが接合するように、各層が積層される。
第2金属配線6を、上記のような、Ta層の上にAu層が積層された薄膜から構成した場合においても、各層の厚さは特に限定されないが、第1金属配線層5の場合と同様、例えば、{Au層:0.5nm~数μm/Ta層:数百nm}程度とすることが好ましい。同様に、第2金属配線6を、TiN層の上にAl層が積層された薄膜から構成した場合には、例えば、{Al層:数μm/TiN層:数百nm}程度とすることが好ましい。
第1基板2の上面2aには、図視略の絶縁層の上に、内部配線7a,7bと、電極8a,8bとが設けられている。
内部配線7a,7bは、上述したように、赤外線検出素子4と電極8a,8bとを電気的に接続するものであり、図1~図3においては、内部配線7a,7bの一部のみを示している。また、内部配線7a,7bは、赤外線検出素子4に対して、図視略の配線によって電気的に接続されている。
電極8a,8bは、上述したように、赤外線検出素子4による検出信号を外部に出力するためのものである。電極8a,8bは、第1基板2の上面2a上において、それぞれ対向する縁部に沿って設けられており、図示例においては、電極8aと電極8bとが、それぞれ対向して4カ所に設けられている。また、電極8a,8bは、平面視で第2基板3よりも外側に設けられている。電極8a,8bは、例えば、赤外線検出信号を必要とする種々の外部機器に対して電気的に接続可能に設けられる。
上記の内部配線7a,7b及び電極8a,8bを構成する材料としては、優れた導電性を有する配線材料又は電極材料であれば、特に限定されず、従来からこの分野で用いられている金属材料を何ら制限無く用いることができる。例えば、内部配線7a,7b及び電極8a,8bとして、窒化チタン(TiN)、アルミシリコン合金(AlSi)、及び窒化チタン(TiN)を、スパッタリング法によって順次積層したもの等を用いることが可能である。
以下に、本実施形態の赤外線センサ1における、第1凸部21の側壁21aを覆うように設けられる第1金属配線5と、第2凸部31における凹状領域31Aの側壁31aを覆うように設けられる第2金属配線6との金属拡散接合について、図2の断面図、及び図3の部分拡大図を参照しながら、さらに詳しく説明する。
図2に示すように、第2基板3の下面3aには、上述した第2凸部31が下方に突出するように設けられ、図示例では、第2凸部31が、第2基板3の下面3aにおいて、赤外線検出素子4を囲むように設けられている(図1も参照)。即ち、第2凸部31は、赤外線検出素子4を囲む矩形の枠状に形成されている。また、上述したように、第2凸部31の先端部に形成された凹状領域31A内には、側壁31aを覆うように第2金属配線6が設けられている。
また、第1基板2の上面2aには、上述した第2凸部31が上方に突出するように設けられ、第1基板2の上面2aにおいて、赤外線検出素子4を囲むように設けられている。即ち、第1凸部21も、上記の第2凸部31と同様、赤外線検出素子4を囲む矩形の枠状に形成されている。また、上述したように、第1凸部21には、側壁21を覆うように第1金属配線5が設けられている。
上述したように、本実施形態では、第1凸部21の側壁21aと凹状領域31Aの側壁31aとが、第1金属配線5及び第2金属配線6を挟み込みながら金属拡散接合することで、第1基板2と第2基板3とが接合されている(図3の部分拡大図を参照)。
また、図2に示すように、第1基板2と第2基板3との間には、第2基板3に形成されたキャビティ領域32によってキャビティ(減圧空間)Cが確保されている。キャビティCは、所定以下の圧力で減圧雰囲気とされており、このキャビティC内に露出するように赤外線検出素子4が配置されている。
本実施形態においては、上記のように、第1凸部21の側壁21a、及び、第2凸部31に設けられる凹状領域31Aの側壁31aが、ウェットエッチングによって形成される傾斜面とされている。具体的には、シリコン基板をKOH等のエッチング液を用い、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで、シリコンの有する結晶異方性により、深さ方向に向けて斜面が形成され、側壁21a及び側壁31aが約54.7度の斜面として形成される。
そして、第1凸部21が凹状領域31Aの内部に収容され、斜面状に形成された第1凸部21の側壁21aと凹状領域31Aの側壁31aとが、第1金属配線5と第2金属配線6とを挟み込みながら加圧されることで、第1金属配線5と第2金属配線6との間に摩擦力が発生し、各金属配線同士が金属拡散接合され、第1基板2と第2基板3とが接合される。この際、従来のような加熱や加圧のみで接合を行う場合に比べて、摩擦によって各金属配線の表面の金属酸化膜が破壊されることで、安定した金属拡散接合を発現するので、接合品質が向上し、赤外線センサ1の封止気密性が顕著に向上する効果が得られる。
また、第1凸部21が凹状領域31Aの内部に収容されていることから、赤外線センサ1の製造時、脱ガス処理に用いたスペーサを引き抜く際に、傾斜面からなる側壁同士でアライメントずれを吸収するセルフアライメント効果が得られるので、接合時のアライメント精度が確保される。
これにより、本実施形態によれば、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサ1が実現できるとともに、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
さらに、本実施形態においては、上記構成のように、第1凸部21の側壁21aを覆う第1金属配線5が、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込まれることで、凹状領域31内における加工精度に起因する凹凸等が吸収される。これにより、封止気密性及び内部における電気的特性がより良好になるので、優れたセンサ特性が実現できる。
なお、本実施形態の赤外線センサ1においては、第1凸部21の側壁21a、及び、第2凸部31に設けられる凹状領域31Aの側壁31aが、シリコン基板の(111)面とされていることが好ましい。このように、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで得られる斜面(側壁21a及び側壁31a)が、シリコン基板の(111)面であることで、これらの表面が良好な傾斜面となるので、第1金属配線5と第2金属配線6との間でより安定した金属拡散接合が発現され、封止気密性がさらに向上する効果が得られる。
また、本実施形態においては、第1凸部21の側壁21aの傾斜角度、及び、第2凸部31に設けられる凹状領域31Aの側壁31aの傾斜角度を、シリコン基板の結晶異方性に由来する角度とすることができる。このように、各側壁21a,31aの傾斜角度を、シリコン基板の結晶異方性に由来する角度とすることで、ウェットエッチングで傾斜面を形成する際の加工性が向上し、傾斜角度を安定的に約54.7度として精度よく加工することができる。また、各側壁21a,31aの傾斜角度が上記角度であることで、第1金属配線5と第2金属配線6との間でさらに安定した金属拡散接合が発現され、封止気密性が顕著に向上する効果が得られる。
また、本実施形態で説明する例のように、赤外線検出素子4が第1凸部21を備える第1基板2側に配置され、凹状領域31Aを有する第2凸部31が備えられた第2基板3側にキャビティC(キャビティ領域32)が設けられた構成を採用することが、第1凸部2と凹状領域31Aとの位置決めが容易になり、生産性が向上するとともに封止気密性も高められる観点からより好ましい。
また、本実施形態においては、第2基板3に備えられる第2凸部31に凹状領域31Aを設けた例を説明しているが、これには限定されない。例えば、第1基板に備えられる第1凸部に凹状領域を設け、この中に、第2基板に備えられる第2凸部が収容される構成を採用してもよい。
次に、本実施形態の赤外線センサ1を用いた、赤外線の検出に係る処理について説明する。
まず、赤外線が上面3b側から入射して第2基板3を透過すると、赤外線検出素子4は、その赤外線を検出して検出信号を出力する。赤外線検出素子4から出力された検出信号は、内部配線7a,7b等を通り、複数の電極8a,8bから出力される。複数の電極8a,8bから出力された検出信号は、外部機器に送信されて所定の動作が行われる。
次に、本実施形態の赤外線センサ1を製造する方法について、図4及び図5を参照しながら詳述する(赤外線センサ1の構成については図1~図3も適宜参照)。
本実施形態の赤外線センサ1の製造方法は、少なくとも以下の工程(1)~(6)を備える方法である。
工程(1):シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、側壁21aが傾斜面とされた第1凸部21を形成して第1基板2を得る。
工程(2):シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、先端部に、側壁31aが傾斜面である凹状領域31Aとされた第2凸部31を形成して第2基板3を得る。
工程(5):第1凸部21の側壁21aを覆うように第1金属配線5を形成する。
工程(6):第2凸部31における凹状領域31Aの側壁31aを覆うように第2金属配線6を形成する。
工程(3):第1基板2の上面2a側に赤外線検出素子4を配置する。
工程(4):第1基板2と第2基板3との間に赤外線検出素子4が配置されるように第1基板2と第2基板3とを重ね合わせ、第1凸部21が第2凸部31の凹状領域31Aに収容された状態で、第1金属配線5と第2金属配線6とを互いに加圧して金属拡散接合させることで、第1金属配線5を、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込みながら、第1基板2と第2基板3とを接合する。
なお、本実施形態で説明する例においては、上記の工程(1)が、ウェットエッチングにより、赤外線検出素子4を収容するためのデバイス領域22を形成する工程を含み、また、工程(2)が、ウェットエッチングにより、赤外線検出素子4上にキャビティ(減圧空間)Cを確保するためのキャビティ領域32を形成する工程を含む例を説明する。
まず、工程(1)において、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングし、側壁21aが傾斜面とされた第1凸部21を形成して、図5(a)中に示すような第1基板2を作製する。
具体的には、工程(1)では、まず、基板材料となるシリコン基板の(100)面に、フォトリソグラフィ法により、凸状の第1凸部21、及び、凹状のデバイス領域22をウェットエッチングで形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。
次いで、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、第1凸部21を形成する。これに引き続き、さらに、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、凹状のデバイス領域22を形成する。
その後、第1基板2からレジストパターンを剥離する。
本実施形態では、上記工程(1)を実施するとともに、工程(2)において、シリコン基板の(100)面をウェットエッチングし、先端部に、側壁31aが傾斜面である凹状領域31Aとされた第2凸部31を形成して第2基板3を作製する。
即ち、工程(2)においては、図4(a)に示すように、まず、基板材料となるシリコン基板3Aの(100)面に、フォトリソグラフィ法により、先端部に凹状領域31Aを有する第2凸部31をウェットエッチングで形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。
次いで、図4(b)に示すように、シリコン基板3Aの(100)面をウェットエッチングすることにより、凹状領域31Aを有する第2凸部31を形成する。この際、図1にも示すように、第2凸部31に囲まれた領域、即ち、キャビティ領域32に対応する領域がキャビティCとなる。
その後、第2基板3からレジストパターンを剥離する。
工程(1)及び工程(2)においては、フォトリソグラフィ法によってレジストパターンを形成するにあたり、従来公知の条件でレジストパターンを形成することができる。
また、工程(1)及び工程(2)におけるウェットエッチング条件としても、特に限定されず、例えば、従来からシリコン基板のエッチングに用いられているエッチング液を用いることができる。また、エッチング液の温度やエッチング時間等の各条件についても、従来公知の条件を何ら制限無く採用できる。
次に、工程(5)において、図5(a)中に示すように、第1凸部21の側壁21aを覆うように第1金属配線5を形成する。
具体的には、第1基板2の第1凸部21の側面21a及び先端部の全体に、例えば、スパッタリング法又は蒸着法により、第1金属配線5を形成する。この際、材料及び積層順を適宜選択することにより、上述したような{Au層/Ta層}構造、又は、{Al層/TiN層}構造の薄膜からなる第1金属配線5を形成することができる。
また、本実施形態においては、図5(a)中に示すように、第1基板2の上面2aに、スパッタリング法によって導電性材料を積層することにより、内部配線7a,7b及び電極8a,8bを形成する。この際、内部配線7a,7bに用いられる配線材料、及び、電極8a,8bに用いられる電極材料としては、特に限定されないが、例えば、上述したような、TiN、AlSi、及びTiNを順次積層することで形成することができる。
一方、本実施形態では、上記工程(5)を実施するとともに、工程(6)において、第2凸部31における凹状領域31Aの側壁31aを覆うように第2金属配線6を形成する。
具体的には、まず、凹状領域31Aを含む第2凸部3が形成された第2基板3の下面3a上に、フォトリソグラフィ法、具体的にはスプレーコート方式によって、第1金属配線5を形成するための、図視略のレジストパターンを形成する。この際、第2基板3の下面3aにおける、凹状領域31Aの部分を除いた全面にレジストパターンを形成する。
次いで、図4(c)に示すように、例えば、スパッタリング法又は蒸着法により、凹状領域31A内の側壁31a全体に第2金属配線6を形成する。
工程(6)においては、材料及び積層順を適宜選択することにより、上述したような{Au層/Ta層}構造、又は、{Al層/TiN層}構造の薄膜からなる第2金属配線6を形成することができる。また、この際、第1金属配線5が{Au層/Ta層}からなる場合には、第2金属配線6も同様の材料から形成する。この場合には、第1金属配線5のAu層と第2金属配線6のAu層とが接合するように、各層の積層順を調整する。また、第1金属配線5が{Al層/TiN層}からなる場合には、第2金属配線6も同様の材料から形成する。この場合には、第1金属配線5のAl層と第2金属配線6のAl層とが接合するように、各層の積層順を調整する。
その後、第2基板3からレジストパターンを剥離する。
次に、工程(3)において、第1基板2の上面2aに形成された凹状のデバイス領域22に、赤外線検出素子4を配置する(図5(a)等を参照)。
次に、工程(4)において、図5(b)に示すように、第1基板2と第2基板3との間に赤外線検出素子4が配置されるように第1基板2と第2基板3とを重ね合わせ、第1基板2と第2基板3とを接合する。即ち、第1凸部21が第2凸部31の凹状領域31Aに収容された状態で、第1金属配線5と第2金属配線6とを互いに加圧して金属拡散接合させることで、第1金属配線5を、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込みながら、第1基板2と第2基板3とを接合する。
具体的には、まず、図5(b)に示すように、第1凸部21が第2凸部31の凹状領域31Aに入り込むように、第1基板2と第2基板3とを重ね合わせる。
次いで、第1基板2と第2基板3とを互いに加圧することにより、第1凸部21と第2凸部31とを互いに加圧し、第1金属配線5と第2金属配線6とを摩擦することで金属拡散接合を発現させ、この部分を接合する。
上記の金属拡散接合を行う際の条件、即ち、赤外線センサ1のキャビティCを封止する条件としては、特に限定されないが、例えば、第1凸部21の側壁21aを覆う第1金属配線層5、及び、第2凸部31における凹状領域31Aの側壁31aを覆う第2金属配線層6が{Au層/Ta層}である場合には、例えば、温度条件を300~350℃の範囲とし、加圧力を450~900kPaの範囲とすることが好ましい。
一方、第1金属配線層5及び第2金属配線層6が{Al層/TiN層}である場合には、例えば、温度条件を350~400℃の範囲とし、加圧力を27~60MPaの範囲とすることが好ましい。
また、第1基板2と第2基板3とを接合する際の封止幅(接合幅)、即ち、第1金属配線層5で覆われた状態の第1凸部21の側壁21a、及び、第2金属配線層6で覆われた状態の凹状領域31Aの最大幅も、特に限定されない。一方、封止気密性の向上等を考慮した場合、上記の封止幅は、第1金属配線層5及び第2金属配線層6が{Au層/Ta層}である場合には、例えば、0.15~0.30mmの範囲であることが好ましい。また、第1金属配線層5及び第2金属配線層6が{Al層/TiN層}である場合には、上記の封止幅は、例えば、0.03~0.1mmの範囲であることが好ましい。
なお、上記の封止幅は、第1金属配線層5で覆われた状態の第1凸部21の幅寸法と、第2金属配線層6で覆われた状態の凹状領域31Aの幅寸法を、第1凸部21が凹状領域31A内に収容可能となるように、上記範囲内で調整して決定される。
そして、本実施形態では、上記の工程(4)の後、図5(c)に示すように、ダイシングラインLに沿って、第2基板3において対向する一対の縁部をダイシングすることにより、電極8a,8bを露出させる。
以上の各工程により、本実施形態の赤外線センサ1を製造することができる。
なお、上記の各工程は、可能な範囲で、その工程順を変更したり、あるいは、同じ工程として行ったりすることも可能である。
本実施形態の赤外線センサ1の製造方法によれば、上記のように、ウェットエッチングにより、側壁21aが傾斜面とされた第1凸部21を形成して第1基板2を得るとともに、側壁31aが傾斜面とされた凹状領域31Aを有する第2凸部31を形成して第2基板3を得たうえで、第1凸部21が凹状領域31Aに収容された状態で、第1金属配線5と第2金属配線6とを金属拡散接合することで、第1金属配線5を、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込む方法を採用することで、第1基板2と第2基板3とを、精度よく位置決めしながら、高い封止気密性で接合することができる。また、第1凸部21を凹状領域31Aの内部に収容することから、脱ガス処理に用いたスペーサを引き抜く際にアライメントずれが生じるのを防止できる。従って、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサ1を、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
また、本実施形態においては、第1凸部2の側壁21aに形成された第1金属配線5を、凹状領域31A内の第2金属配線に埋め込みながら、第1基板2と第2基板3とを接合する方法とすることで、凹状領域31A内における加工精度に起因する凹凸等が吸収され、封止気密性及び電気的特性がより良好になるので、優れた特性を有する赤外線センサ1を製造することができる。
また、本実施形態では、第1基板2及び第2基板3に第1凸部21又は第2凸部31をウェットエッチングで形成するにあたり、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成することで、第1凸部21及び第2凸部31を精度よく形成できるとともに、加工性・生産性も高められる。
また、本実施形態では、工程(1)が、赤外線検出素子4を収容するためのデバイス領域22を形成する工程を含み、前記工程(2)が、赤外線検出素子4上にキャビティ(減圧空間)Cを確保するためのキャビティ領域32を形成する工程を含むことで、工程(4)における第1凸部21と第2凸部31に設けられる凹状領域31Aとの位置決めも容易になるので、生産性が向上するとともに封止気密性も高められる。
また、本実施形態では、第1凸部21を、第2凸部31の凹状領域31Aに入り込ませることで、セルフアライメントによる位置決めを行うことで、高価で複雑な機構を有するアライメント装置を用いることなく第1基板2と第2基板3との間の位置決めを正確に行うことができる。これにより、生産性がより高められるとともに、封止気密性に優れた赤外線センサ1を製造することが可能になる。
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態の赤外線センサ10について、図6~8を適宜参照しながら詳述する。
なお、以下に説明する第2の実施形態の赤外線センサ10において、上述した第1の実施形態の赤外線センサ1と共通する構成については、図中において同じ符号を付与するとともに、その詳細な説明を省略する場合がある。
図6は、第2の実施形態の赤外線センサ10を模式的に説明する平面図であり、図7は、図6中に示すII-II断面図である。また、図8は、図7中の要部を示す拡大断面図である。
図6~図8に示すように、第2の実施形態の赤外線センサ10は、第1基板12(ベース基板)と、赤外線検出素子4と、第2基板3(リッド基板)とを備える。そして、本実施形態の赤外線センサ10は、第1基板12に設けられる第1凸部121が、先端部に凹状領域121Aを備えており、ともに凹状領域121A,31Aを有する第1凸部121と第2凸部31とが組み合わせられる点で、上述した第1の実施形態の赤外線センサ1とは異なる。
即ち、本実施形態の赤外線センサ10は、第1凸部121及び第2凸部31の両方が、実質的に計2本の凸部が平行して配列されるように形成されている。そして、図7及び図8に示すように、第1凸部121と第2凸部31とは、凹状領域121A又は凹状領域31Aに、他方の側の凸部の一部が入り込んで収容されるように構成されている。
本実施形態の赤外線センサ10によれば、上記構成を採用することにより、凹状領域121Aの内部、及び、凹状領域31Aの内部の両方に各凸部が収容されることで接合箇所が増加するため、封止気密性が顕著に向上する効果が得られる。
なお、本実施形態の赤外線センサ10においては、セルフアライメントによる第1基板12と第2基板3との位置決めについては、第1凸部121に備えられる凹状領域121A又は第2凸部31に備えられる凹状領域31Aの何れか一方で行えばよい。
さらに、本実施形態においては、詳細な図示については省略するが、例えば、第1基板に備えられる第1凸部、又は、第2基板に備えられる第2凸部の何れか一方あるいは両方が、先端部に複数の凹状領域を備える構成を採用してもよい。例えば、第1凸部又は第2凸部の先端部に2カ所(2本)の凹状領域が設けられた場合には、実質的に計3本の凸部が平行して配列されるように構成される。このように、第1凸部又は第2凸部に複数の凹状領域を設けた場合には、封止気密性がより顕著に向上するとともに、アライメントずれをより効果的に防止できる効果が得られる。
[作用効果]
以上説明したように、本発明に係る赤外線センサ1によれば、上記のように、第1凸部21が凹状領域31Aの内部に収容され、第1金属配線5と第2金属配線6とが金属拡散接合されることで第1基板2と第2基板3とが接合された構成を採用している。これにより、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージが実現できるとともに、生産性及び歩留まりが高められた赤外線センサ1が実現できる。
また、本発明に係る赤外線センサ1の製造方法によれば、上記のように、ウェットエッチングにより、側壁21aが傾斜面とされた第1凸部21を形成して第1基板2を得るとともに、側壁31aが傾斜面とされた凹状領域31Aを有する第2凸部31を形成して第2基板3を得たうえで、第1凸部21が凹状領域31Aに収容された状態で、第1金属配線5と第2金属配線6とを金属拡散接合させることで、第1金属配線5を、凹状領域31A内に配置された第2金属配線6に埋め込み、第1基板2と第2基板3とを接合する方法を採用している。これにより、第1基板2と第2基板3とを、精度よく位置決めしながら、高い封止気密性で接合できるので、ウエハーレベルのパッケージを有する赤外線センサを、簡便な工程によって高い歩留りで製造することが可能になる。
本発明の赤外線センサは、上述したように、封止気密性に優れたウエハーレベルのパッケージが実現できるとともに、生産性及び歩留まりが高められたものなので、例えば、信頼性の高い赤外線検出精度が要求される各種電子機器等における用途で非常に好適である。
1,10…赤外線センサ
2,12…第1基板
2a…上面(一面)
2b…他面
21…第1凸部
21a…側壁
22…デバイス領域
2A…シリコン基板
3…第2基板
3a…下面
3b…上面
31…第2凸部
31A…凹状領域
31a…側壁
31b…外壁
32…キャビティ領域
4…赤外線検出素子
5…第1金属配線層
6…第2金属配線層
7a,7b…内部配線
8a,8b…電極
C…キャビティ(減圧空間)
L…ダイシングライン

Claims (7)

  1. 一面側に第1凸部を有する、シリコン基板からなる第1基板と、
    前記第1基板の前記一面側に接合され、接合面である下面側に、先端部に凹状領域が形成された第2凸部を有する、シリコン基板からなる第2基板と、
    前記第1凸部の側壁を覆うように設けられる第1金属配線と、
    前記第2凸部における前記凹状領域の側壁を覆うように設けられる第2金属配線と、
    前記第1基板の一面側に設けられ、赤外線を検出する赤外線検出素子と、
    を備え、
    前記第1凸部の側壁、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁が、前記シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることで形成される傾斜面とされており、
    前記第1凸部が前記第2凸部の前記凹状領域の内部に収容され、前記第1金属配線と前記第2金属配線とが金属拡散接合することで、前記第1金属配線が、前記凹状領域内に配置された前記第2金属配線に埋め込まれるように配置されることにより、前記第1基板と前記第2基板とが接合されていることを特徴とする赤外線センサ。
  2. 前記第1凸部の側壁、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁が、前記シリコン基板の(111)面とされていることを特徴とする請求項1に記載の赤外線センサ。
  3. 前記第1凸部の側壁の傾斜角度、及び、前記第2凸部に設けられる前記凹状領域の側壁の傾斜角度が、シリコン基板の結晶異方性に由来する角度とされていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の赤外線センサ。
  4. 少なくとも、
    シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、側壁が傾斜面とされた第1凸部を形成して第1基板を得る工程(1)と、
    シリコン基板の(100)面をウェットエッチングすることにより、先端部に、側壁が傾斜面である凹状領域とされた第2凸部を形成して第2基板を得る工程(2)と、
    前記第1凸部の側壁を覆うように第1金属配線を形成する工程(5)と、
    前記第2凸部における前記凹状領域の側壁を覆うように第2金属配線を形成する工程(6)と、
    前記第1基板の一面側に赤外線検出素子を配置する工程(3)と、
    前記第1基板と前記第2基板との間に前記赤外線検出素子が配置されるように前記第1基板と前記第2基板とを重ね合わせ、前記第1凸部が前記第2凸部の前記凹状領域に収容された状態で、前記第1金属配線と前記第2金属配線とを互いに加圧して金属拡散接合させることで、前記第1金属配線を、前記凹状領域内に配置された前記第2金属配線に埋め込みながら、前記第1基板と前記第2基板とを接合する工程(4)と、
    を備えることを特徴とする赤外線センサの製造方法。
  5. さらに、前記工程(1)は、ウェットエッチングにより、前記第1基板の一面側に、前記赤外線検出素子を収容するためのデバイス領域を形成する工程を含み、
    前記工程(2)は、ウェットエッチングにより、前記第2基板における接合面である下面側に、前記赤外線検出素子上に減圧空間を確保するためのキャビティ領域を形成する工程を含むことを特徴とする請求項4に記載の赤外線センサの製造方法。
  6. 前記工程(1)及び前記工程(2)は、前記シリコン基板の(100)面に、フォトリソグラフィによってレジストパターンを形成した後、ウェットエッチングを行う工程を含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の赤外線センサの製造方法。
  7. 前記工程(4)は、前記第1凸部を、前記第2凸部の凹状領域に入り込ませることで、セルフアライメントによって前記第1基板と前記第2基板との間の位置決めを行うことを特徴とする請求項4~請求項6の何れか一項に記載の赤外線センサの製造方法。
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