(第1の実施形態)
図1は、本実施形態にかかるプローブ情報処理システムSの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、プローブ情報処理システムSは、管理サーバ9と、管理サーバ9とプローブ車両1との間で情報の送受信を行う無線通信の基地局8とを備える。
図1に示す道路90は、トラムの走行する軌道(トラム走行車線)と同じ進行方向の複数の車線を含む。また、各車線で停止している複数の停止車両20は、道路90の路面に引かれた信号停止線(以下、単に停止線という)39から始まる信号待ち停止車列2a~2c(以下、個々の信号待ち停止車列2a~2cを区別しない場合には、単に信号待ち停止車列2という)である。信号待ち停止車列2は、信号が赤信号(停止信号)から青信号(進行信号)に変化するのを待機するために停止している複数の停止車両20を含む車列である。本実施形態においては、単に停止車両20が連続しているだけではなく、信号待ちのために停止している停止車両20の車列を、信号待ち停止車列2とする。
プローブ車両1は、停止車両20の検出結果や、自車の位置等の情報を管理サーバ9に送信する。本実施形態のプローブ車両1は、具体的にはトラム(路面電車)であり、軌道(車線)上を予め定められたルートで走行する。図1に示すトラム走行車線およびトラム対応車線は、プローブ車両1であるトラムが走行する専用レーンである。
プローブ車両1は、前方を撮像する撮像装置11と、後方を撮像する撮像装置12と、撮像装置や、GPS(Global Positioning System)衛星5から電波を受信するGPSアンテナ等を搭載した車両であり、道路上を走行しながら撮像した撮像画像から道路上で停止している停止車両20a~20k(以下、個々の停止車両20a~20kを区別しない場合には、単に停止車両20という)を検出する。本実施形態においては、停止車両20は、道路90上で停止しているが、停止時間が所定の時間(例えば5分)未満の車両である。
管理サーバ9は、プローブ車両1から受信した停止車両20の検出結果や、プローブ車両1の位置等に基づいて、信号待ち停止車列2の長さを特定する。また、管理サーバ9は、特定した信号待ち停止車列2の長さを、交通情報提供業者100や、交通管制センター200に送信する。管理サーバ9は、本実施形態におけるプローブ情報処理装置の一例である。
交通情報提供業者100は、管理サーバ9から受信した情報に基づく交通情報をドライバや企業に提供する。また、交通管制センター200は、管理サーバ9から受信した情報に基づいて、信号機の制御や交通流の管理等を行う。交通情報提供業者100と交通管制センター200は、本実施形態における外部装置の一例である。
まず、プローブ車両1の構成例について、説明する。
図2は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車内のコックピット(運転席)周辺の構成の一例を示す図である。プローブ車両1のコックピットには、車載制御装置10と、撮像装置11a,11bと、GPSアンテナ13とが設置される。
撮像装置11a,11bは、ステレオカメラを構成し、プローブ車両1の前方に位置する車両を、互いに異なるアングルから撮像する。以下、撮像装置11a,11bを特に区別しない場合は、撮像装置11という。プローブ車両1の後方に設置される撮像装置12も、撮像装置11と同様の構成であるものとする。本実施形態の撮像装置11は撮像画像として動画像を撮像するが、静止画を撮像しても良い。撮像装置11の台数および設置位置は図2に示す例に限定されるものではない。撮像装置11は単眼カメラや360度を撮像可能なカメラであっても良い。
車載制御装置10は、プローブ車両1全体を制御する。車載制御装置10は、本実施形態における車載装置の一例である。
図3は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車載制御装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。車載制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)101と、メモリ102と、HDD(Hard Disk Drive)103と、ツールインタフェース(I/F)104と、GPSモジュール105と、計時回路106と、通信インタフェース(I/F)107とを備える。車載制御装置10は、HDD103の代わりに、フラッシュメモリ等の記憶媒体を備えても良い。
ツールインタフェース104は、プローブ車両1が備える各種のツールと接続するためのインタフェースである。ツールは、撮像装置11、プローブ車両1の運転制御装置、車輪速センサ等の各種センサ等である。
GPSモジュール105は、GPSアンテナ13を介して複数のGPS衛星5から受信した電波に基づいて、プローブ車両1の現在位置(緯度、経度)を算出する。また、計時回路106は、計時機能を有する回路である。計時回路106は、例えばRTC(Real Time Clock)であるが、これに限定されるものではない。
通信インタフェース107は、ネットワーク等を介して情報の送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース107は、例えば、無線ネットワークを介して無線通信の基地局8と接続し、管理サーバ9との間で情報の送受信を行う。
図4は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車載制御装置10が有する機能と、プローブ情報処理システムS側の管理サーバ9が有する機能の一例を示すブロック図である。
まず、プローブ車両1に設けられる車載制御装置10は、取得部110と、車両検出部111と、距離計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、物体検出部115と、送信部116とを備える。
取得部110は、ツールインタフェース104を介して各種の情報を取得する。より具体的には、取得部110は、撮像装置11,12が撮像した撮像画像を、ツールインタフェース104を介して一定時間ごとに取得する。本実施形態の取得部110は、1度の取得にあたり、複数フレームを含む動画像を撮像画像として取得するが、1度の取得にあたり1フレームの静止画像を取得しても良い。
また、取得部110は、撮像画像を取得する際に、計時回路106から、当該撮像画像が撮像された時刻(撮像時刻)として、現在時刻を取得する。さらに、取得部110は、GPSモジュール105から、撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置(緯度、経度)を示す位置情報を取得する。撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置は、撮像位置ともいう。また、取得部110は、プローブ車両1の運転制御装置から、プローブ車両1の車速を取得する。また、取得部110は、プローブ車両1に設置された車輪速センサからプローブ車両1の車輪速を取得しても良い。
取得部110は、取得した撮像画像と、撮像時刻と、撮像時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報と、車速と、を車両検出部111に送出する。
車両検出部111は、取得部110が取得した撮像画像から、車両を検出する。具体的には、車両検出部111は、撮像画像を構成するフレームに対してパターン認識等の画像処理を行って、当該フレームに含まれる車両を検出する。車両検出の手法はこれに限定されるものではない。車両検出部111は、撮像画像と、撮像画像のうち車両が映り込んでいる画像範囲を特定する情報と、撮像時刻と、撮像時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報と、車速と、を距離計測部112に送出する。
距離計測部112は、撮像画像に含まれるフレームごとに、プローブ車両1と車両検出部111によって検出された車両との車間距離(前後方向の距離)と、プローブ車両1と車両検出部111によって検出された車両との横方向の距離と、車両検出部111によって検出された車両の車幅とを計測する。
図5は、本実施形態にかかる距離の計測について説明するための図である。図5に示す例では、車両検出部111は、撮像画像から車両21を検出したものとする。なお、車両検出部111が車両21を検出した時点では、車両21が停止しているか否かは判断されていない。
図5に示すように、プローブ車両1と車両21との車間距離4は、プローブ車両1の先端(プローブ車両1の両端部のうち、車両21に近い側の端部)から、車両21の後端(車両21の両端部のうち、プローブ車両1に近い側の端部)までの距離である。また、プローブ車両1と車両21との横方向の距離37は、プローブ車両1の車幅38の中心から車両21の車幅の中心までの距離とする。
距離計測部112は、例えば、撮像装置11a,11bのステレオ視差に基づいて車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38とを計測するが、他の公知の手法を用いても良い。距離計測部112は、計測した車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38とを、車速算出部113に送出する。
図4に戻り、プローブ車両1の車載制御装置10に設けられる車速算出部113は、車両検出部111によって検出された車両21の車速を算出する。より詳細には、車速算出部113は、プローブ車両1と車両21との車間距離4の一定時間内における変化量から車両21の相対速度を算出し、車両21の相対速度とプローブ車両1の車速から車両21の車速を算出する。車速算出部113は、取得部110が取得した車速をそのまま使用しても良いし、取得部110から取得した車輪速からプローブ車両1の車速を算出しても良い。
走行判断部114は、車両21の車速が予め定められた閾値以下である場合に、車両21が停止している(走行していない)と判断する。停止判断の閾値は、例えば時速2km等であるが、これに限定されるものではなく、時速0kmとしても良い。本実施形態においては、走行判断部114によって停止していると判断された車両21を、停止車両20とする。
物体検出部115は、走行判断部114によって車両21が停止していると判断された場合に、取得部110が取得した撮像画像から、走行判断部114によって停止していると判断された車両21(停止車両20)の前方に位置する所定の大きさ以上の物体を検出する。所定の大きさは、例えば、通常の車両21の車体の3分の1程度の大きさとするが、これに限定されるものではない。物体検出部115は、撮像画像のうち、停止車両20が映り込んでいる画像範囲よりも停止車両20の前方方向に位置する画像範囲に対してエッジ検出等の画像処理を行って、停止車両20の前方に位置する所定の大きさ以上の物体を検出する。物体を検出する手法はこれに限定されるものではない。物体検出部115は、検出した物体が車両21であるか否かを厳密に判断しなくとも良いため、車両検出部111よりも簡易な検出手法を用いることができる。
送信部116は、走行判断部114によって車両21(停止車両20)が停止していると判断された場合に、車両21(停止車両20)が検出された時刻と、当該時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、車両21(停止車両20)の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたか否かを示す情報と、車両21(停止車両20)が検出された撮像画像と、を対応付けて、管理サーバ9に送信する。送信部116は、停止車両20の検出ごとに送信処理を行っても良いし、一定の時間間隔(例えば2秒間隔)で送信処理を行うものとしても良い。
本実施形態においては、送信部116が管理サーバ9に送信する情報、つまり停止車両20が検出された時刻(撮像時刻)と、当該時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報(撮像位置)と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたか否かを示す情報と、停止車両20が検出された撮像画像と、を総称して停止車両情報という。また、本実施形態においては、送信部116は、車両検出部111によって検出された車両が、走行判断部114によって車両21が停止していると判断されることを、車載制御装置10が停止車両20を検出するという。換言すれば、送信部116は、停止車両20が検出された場合に、管理サーバ9に対して停止車両情報を送信する。
車両21(停止車両20)が検出された時刻は、例えば、車両21(停止車両20)が検出された撮像画像の撮像時刻とする。
次に、図4を用いて、プローブ情報処理システムS側の構成例について説明する。
プローブ情報処理システムSに設けられる管理サーバ9の詳細を説明する。管理サーバ9は、CPUと、メモリと、HDDと、通信インタフェース(I/F)等を備える通常のコンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
管理サーバ9は、取得部911と、位置補正部912と、車列特定部913と、受信部914と、送信部915と、記憶部950とを備える。
記憶部950は、車線データベース(DB)951と、デジタルマップ952と、電停位置データベース(DB)953と、信号位置データベース(DB)954と、履歴データベース(DB)955とを記憶する。記憶部950は、例えば、HDDである。
車線データベース951は、道路90に含まれる車線の位置(緯度、経度)の情報が登録されたデータベースである。車線データベース951は、本実施形態における車線の位置情報の一例である。また、デジタルマップ952は、デジタルデータ化された地図情報である。
電停位置データベース953は、トラム(プローブ車両1)の電停(停留所)の位置(緯度、経度)が登録されたデータベースである。
信号位置データベース954は、信号機の位置(緯度、経度)と、当該信号機が設置された交差点の停止線の位置(緯度、経度)と、当該信号機が設置された交差点の識別情報とが対応付けられて登録されたデータベースである。交差点の識別情報は、例えば交差点の名称であるが、これに限定されるものではない。
履歴データベース955は、後述する車列特定部913によって特定された信号待ち停止車列2の位置と、長さと、信号待ち停止車列2が停止している車線と、当該信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、後述する位置補正部912によって補正された撮像位置と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の撮像画像と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20が検出された時刻と、を対応付けて記憶する。履歴データベース955の情報の持ち方の詳細については後述する。
信号待ち停止車列2の位置は、信号待ち停止車列2の開始位置の緯度および経度と、信号待ち停止車列2の終了位置の緯度および経度とする。また、信号待ち停止車列2の位置は、信号待ち停止車列2の開始位置または終了位置のいずれか一方の緯度および経度であっても良い。
取得部911は、車載制御装置10から、停止車両情報を取得する。より詳細には、取得部911は、車載制御装置10から、車両21(停止車両20)が検出された時刻と、当該時刻におけるプローブ車両1の位置(撮像位置)を示す位置情報と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、車両21(停止車両20)の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたか否かを示す情報と、車両21(停止車両20)が検出された撮像画像と、を取得(受信)する。取得部911は、取得した停止車両情報を、位置補正部912に送出する。
位置補正部912は、取得部911が取得した撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置(撮像位置)を、車線データベース951とデジタルマップ952とに基づいて、道路の各車線上の位置に補正する。
例えば、プローブ車両1が高い建物が多い場所を走行している場合等に、GPSで取得した位置情報に誤差が生じる場合がある。このような場合、取得部911が取得した撮像位置の緯度および経度が、デジタルマップ952上の車線の位置とずれる場合がある。このような場合に、位置補正部912は、撮像位置の緯度と経度とを、車線データベース951に登録された車線の緯度および経度のうち、最も近い緯度および経度に変換する。そして、位置補正部912は、変換後の撮像位置の緯度と経度とを、撮像画像の撮像時刻におけるプローブ車両1の位置としてデジタルマップ952上に対応付ける。撮像位置の補正の手法はこれに限定されるものではない。
位置補正部912は、補正後の撮像位置と、撮像時刻と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、物体70が検出されたか否かを示す情報と、撮像画像とを車列特定部913に送出する。
車列特定部913は、取得部911によって取得された情報に基づいて、道路90上に停止している停止車両20の停止位置から停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が所定の閾値以下であるか否かと、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたか否かと、を判断する。また、車列特定部913は、道路90上に停止している停止車両20の停止位置から停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が所定の閾値以下であり、かつ、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたと判断した場合に、停止車両20の停止位置から信号機が設置された交差点の停止線の位置までを信号待ち停止車列2の長さとして特定する。
より詳細には、車列特定部913は、取得部911が車載制御装置10から停止車両情報を取得した場合、つまり停止車両20が検出された場合に、位置補正部912によって補正された撮像位置と、車間距離4と、横方向の距離37とに基づいて、停止車両20の停止位置(緯度、経度)を特定する。本実施形態においては、停止車両20の停止位置は、停止車両20の後端部を基準とする。
また、本実施形態においては、車列特定部913は、道路90に含まれる車線ごとに、信号待ち停止車列2が存在する範囲と、信号待ち停止車列長3とを特定する。具体的には、車列特定部913は、特定した停止車両20の位置と一致する車線を車線データベース951から取得し、停止車両20が停止している車線を、信号待ち停止車列2が存在する車線として特定する。
また、車列特定部913は、信号位置データベース954に登録された信号機の位置のうち、停止車両20の前方に位置する信号機と、停止車両20の停止位置との距離を算出し、停止車両20の停止位置から当該信号機までの距離が予め定められた所定の閾値以下であるか否かを判断する。車列特定部913は、停止車両20の停止位置から当該信号機までの距離が予め定められた所定の閾値以下であると判断した場合であって、取得部911が停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたことを示す情報を取得した場合に、停止車両20の停止位置から信号機が設置された交差点の停止線の位置までを信号待ち停止車列2が存在する範囲として特定する。また、車列特定部913は、停止車両20の停止位置から信号機が設置された交差点の停止線の位置までの距離を、信号待ち停止車列2の長さとして特定する。本実施形態においては、信号待ち停止車列2の長さを、信号待ち停止車列長という。
図5に示した例では、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体70が存在する。この場合、車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止線39まで信号待ち停止車列2が存在すると特定する。そして、車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止線39までの距離を、信号待ち停止車列長3として特定する。
一般に、信号機から所定の閾値以下の距離に1台の停止車両20が存在する場合、停止線39まで信号待ちの複数の停止車両20が連鎖して停止している場合が多い。このため、車列特定部913は、信号機までの距離が予め定められた所定の閾値以下の位置に停止している停止車両20の前方に何らかの物体70が検出された場合に、当該停止車両20を含む信号待ち停止車列2が停止線39まで継続していると判断する。
また、車列特定部913は、信号位置データベース954から、信号待ち停止車列2の先頭位置(開始位置)と最も近い信号機が設置された交差点の識別情報を取得する。当該交差点を、信号待ち停止車列2が停止している交差点とする。
車列特定部913は、特定した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2が停止している車線と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20が検出された時刻(撮像時刻)と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の撮像画像と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて、履歴情報として履歴データベース955に保存する。
信号待ち停止車列2の位置は、信号待ち停止車列2の最後尾(終了位置)と先頭位置(開始位置)を示す位置情報(緯度、経度)である。
図6は、本実施形態にかかる信号待ち停止車列2の位置と補正された撮像位置の保存の手法の一例を示す図である。図6に示す走行マップ900は、位置情報を1m単位のグリッド(格子)で表す表である。走行マップ900は、履歴データベース955の一例である。
図6の(a)は、図5で説明したプローブ車両1と信号待ち停止車列2の位置を示す。車列特定部913は、図6の(a)のプローブ車両1と信号待ち停止車列2との位置を、図6の(b)のように、走行マップ900上のセルに対応付ける。これにより、車線ごとに、車間距離4と、横方向の距離37と、信号待ち停止車列長3とが走行マップ900上に記録される。
車列特定部913が、時系列に取得された停止車両情報に基づいて特定した情報を随時追加することにより、図6の(c)に示すように、プローブ車両1の走行経路および特定された信号待ち停止車列2の履歴が蓄積される。
図6ではグリッドとして図示しているが、内部的には、グリッドに含まれる各セルを特定する識別情報と、各セルにおける車列の有無と、撮像位置と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20が検出された時刻と、が対応付けされて保存される。さらに、車列特定部913は、グリッドに含まれる各セルを特定する識別情報と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の撮像画像と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて保存する。履歴データベース955は1つのデータベースとして構成されても良いし、複数のデータベースが対応付けられて構成されても良い。
受信部914は、交通情報提供業者100から、信号待ち停止車列2に関する情報の送信要求を受信する。送信要求は、例えば、交通情報提供業者100が要求する信号待ち停止車列2の位置、または、交差点の識別情報を含むものとする。受信部914は、交通情報提供業者100から、信号待ち停止車列2に関する情報の送信要求を受信したことを、送信部915に通知(送出)する。
送信部915は、受信部914が信号待ち停止車列2に関する情報の送信要求を受信した場合に、送信要求によって指定された信号待ち停止車列2の位置、または、交差点の識別情報で履歴データベース955を検索し、該当する履歴情報を交通情報提供業者100に送信する。送信部915は、履歴情報の全てを送信しなくとも良いが、少なくとも、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2の位置と、信号機が設置された交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて送信するものとする。また、送信部915は、交通管制センター200に対して、一定時間ごとに、信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて送信する。
次に、上述のように構成された車載制御装置10による停止車両20の検出処理の手順を説明する。
図7は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車載制御装置10で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
プローブ車両1の車載制御装置10の取得部110は、撮像装置11,12が撮像した撮像画像と、当該撮像画像が撮像された時刻(撮像時刻)と、撮像時刻におけるプローブ車両1の位置(撮像位置)と、プローブ車両1(自車)の車速とを取得する(S1)。取得部110は、取得した情報を、車両検出部111に送出する。
次に、車両検出部111は、取得部110が取得した撮像画像に対してパターン認識等の画像処理を行って、撮像画像から車両21を検出する(S2)。車両検出部111は、撮像画像と、撮像画像のうち車両21が映り込んでいる画像範囲を特定する情報と、撮像時刻と、撮像位置と、プローブ車両1の車速と、を距離計測部112に送出する。
次に、距離計測部112は、撮像装置11a,11bのステレオ視差に基づいて、検出された車両21とプローブ車両1(自車両)との車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38とを計測する(S3)。距離計測部112は、計測した車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、撮像画像と、撮像時刻と、撮像位置と、プローブ車両1の車速と、を車速算出部113に送出する。
次に、車速算出部113は、プローブ車両1と車両21との車間距離4の一定時間内における変化量から車両21の相対速度を算出する。そして、車速算出部113は、車両21の相対速度とプローブ車両1の車速から車両21の車速を算出する(S4)。車速算出部113は、車両21の車速と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、撮像画像と、撮像時刻と、撮像位置とを走行判断部114に送出する。
そして、走行判断部114は、車両21の車速が予め定められた閾値以下であるか否かを判断する(S5)。走行判断部114は、車両21の車速が予め定められた閾値以下であると判断した場合に(S5“Yes”)、車両21が停止車両20であると判断する(S6)。走行判断部114は、判断結果と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、撮像画像と、撮像時刻と、撮像位置とを物体検出部115に送出する。
次に、物体検出部115は、撮像画像に対してエッジ検出等の画像処理を行って、撮像画像から停止車両20の前方に位置する所定の大きさ以上の物体70の有無を検出する(S7)。物体検出部115は、物体70を検出した場合は停止車両20の前方に物体70を検出したことを示す情報、物体70を検出しなかった場合は停止車両20の前方に物体70を検出しなかったことを示す情報を、送信部116に送出する。また、物体検出部115は、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、撮像画像と、撮像時刻と、撮像位置とを送信部116に送出する。
そして、送信部116は、停止車両情報(撮像時刻、撮像位置、車間距離4、横方向の距離37、車両21の車幅38、物体70が検出されたか否かを示す情報、撮像画像)を、管理サーバ9に対して送信する(S8)。
また、走行判断部114は、車両21の車速が予め定められた閾値より速いと判断した場合(S5“No”)、車両21は停止車両20ではないと判断する(S9)。この場合、送信部116は管理サーバ9に対して情報送信を行なわず、このフローチャートの処理は終了する。
次に、上述のように構成されたプローブ情報処理システムSの管理サーバ9による信号待ち停止車列2の特定処理の手順を説明する。
図8は、本実施形態にかかる管理サーバ9で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
プローブ情報処理システムSの管理サーバ9に設けられる取得部911は、プローブ車両1の車載制御装置10から、停止車両情報を取得(受信)したか否かを判断する(S21)。取得部911は、車載制御装置10から、停止車両情報を取得していないと判断した場合(S21“No”)、S21の処理を繰り返す。また、取得部911は、車載制御装置10から、停止車両情報を取得したと判断した場合(S21“Yes”)、取得した停止車両情報を位置補正部912に送出する。
次に、位置補正部912は、停止車両情報に含まれる撮像位置を、車線データベース951とデジタルマップ952とに基づいて、道路の各車線上の位置に補正する(S22)。位置補正部912は、補正後の撮像位置と、撮像時刻と、車間距離4と、横方向の距離37と、車両21の車幅38と、物体70が検出されたか否かを示す情報と、撮像画像とを車列特定部913に送出する。
次に、車列特定部913は、補正された撮像位置と、車間距離4と、横方向の距離37とに基づいて、停止車両20の停止位置を特定する(S23)。また、このとき、車列特定部913は、補正された撮像位置と、車間距離4と、横方向の距離37と車線データベース951とに基づいて、信号待ち停止車列2が停止している車線を特定する。
そして、車列特定部913は、信号位置データベース954から、停止車両20の停止位置の前方に位置する信号機のうち、停止車両20の停止位置と最も近い距離に位置する信号を検索する。車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止車両20の前方の信号機までの距離が、所定の閾値以下であるか否かを判断する(S24)。
車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が、所定の閾値以下であると判断した場合(S24“Yes”)、取得部911が取得した物体70が検出されたか否かを示す情報に基づいて、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体70が検出されているか否かを判断する(S25)。
そして、車列特定部913は、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体70が検出されていると判断した場合(S25“Yes”)、停止車両20が停止していると特定した車線において、停止車両20の停止位置から、停止車両20の前方の信号機が設置された交差点の停止線の位置までを、信号待ち停止車列2が存在する範囲として特定する(S26)。また、この際、車列特定部913は、信号待ち停止車列2の最後尾(終了位置)と先頭位置(開始位置)を示す位置情報(緯度、経度)を、信号待ち停止車列2の位置として特定する。
そして、車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止車両20の前方の信号機が設置された交差点の停止線の位置までの距離を、信号待ち停止車列長3として特定する(S27)。
そして、車列特定部913は、特定した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2が停止している車線と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、撮像時刻と、撮像画像と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて、履歴情報として履歴データベース955に保存する(S28)。
次に、受信部914は、交通情報提供業者100から、信号待ち停止車列2に関する情報の送信要求を受信したか否かを判断する(S29)。受信部914は、送信要求を受信していないと判断した場合は(S29“No”)、処理を終了する。
また、送信部915は、送信要求を受信したと判断した場合は(S29“Yes”)、履歴データベース955から送信要求で指定された信号待ち停止車列2の位置、または、交差点の識別情報に対応付けられた履歴情報を取得して、交通情報提供業者100に対して送信する(S30)。また、送信部915は、交通管制センター200に対して、一定時間ごとに、信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて送信しても良い。
また、車列特定部913は、停止車両20の停止位置から、停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が、所定の閾値より長いと判断した場合(S24“No”)、検出された停止車両20は信号待ち停止車列2の最後尾の停止車両20ではないと判断する。この場合、車列特定部913は、停止車両20停止位置と、撮像時刻と、撮像画像と、補正後の撮像位置とを対応付けて、履歴データベース955に保存する(S31)。
また、車列特定部913は、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体70が検出されていないと判断した場合(S25“No”)、停止車両20の前方に他の停止車両20が存在しない可能性が高いため、検出された停止車両20は信号待ち停止車列2の最後尾の停止車両20ではないと判断する。この場合も、車列特定部913は、S31の処理に進む。
このフローチャートの処理が繰り返されることにより、図6に示したように、プローブ車両1の走行に伴って検出された停止車両20および信号待ち停止車列2の位置が記録される。
このように、本実施形態の管理サーバ9は、道路90上に停止している停止車両20の停止位置から停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が所定の閾値以下であり、かつ、停止車両20の前方に所定の大きさ以上の物体が検出されたと判断した場合に、停止車両20の停止位置から信号機が設置された交差点の停止線の位置までの距離を信号待ち停止車列長3として特定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、信号待ち停止車列2に含まれる個々の停止車両20を検出することが困難な場合においても、信号待ち停止車列長3を特定することができる。
例えば、信号待ち停止車列2においては、停止車両20同士の車間距離が短いことが多いために、停止車両20が他の停止車両20で隠蔽されて撮像画像上に車体全体が写り込まない場合がある。このような場合に、本実施形態の管理サーバ9では、停止車両20の前方に位置する他の停止車両20の車体全体が撮像画像に映り込んでいなくとも、車体の一部分が物体70として撮像画像から検出されれば、停止車両20から前方方向に信号待ち停止車列2が継続していることを把握することができるため、信号待ち停止車列長3を特定することができる。
また、本実施形態の管理サーバ9は、プローブ車両1に搭載された車載制御装置10から、車載制御装置10が停止車両20を検出した時刻と、当該時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報と、プローブ車両1から停止車両20までの車間距離4と、プローブ車両1と、停止車両20の前方に物体70が検出されたか否かを示す情報とを取得し、取得した情報に基づいて、停止車両20の停止位置を特定し、特定した停止位置と、予め記憶された信号機の位置とに基づいて、停止車両20の停止位置から停止車両20の前方に位置する信号機までの距離が所定の閾値以下であるか否かを判断する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、プローブ車両1に搭載された車載制御装置10が収集した情報から、信号待ち停止車列長3を特定することができる。
また、本実施形態の管理サーバ9は、さらに、車線データベース951を予め記憶している。本実施形態の管理サーバ9は、プローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得した横方向の距離37と、車線データベース951に登録された車線の位置情報と、プローブ車両1の位置を示す位置情報と、に基づいて、停止車両20が停止している車線を特定し、前記車線ごとに、信号待ち停止車列長3を特定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、車線ごとの交通状態をより詳細に特定することができる。例えば、管理サーバ9は、車線ごとに信号待ち停止車列長3を特定することで、直進車線と、右折車線のいずれの信号待ち停止車列長3が長いかを判別することもできる。例えば、交通情報提供業者100は、このような車線ごとの信号待ち停止車列長3の長さの情報を取得することにより、目的地により速く到着する経路をドライバへ提供することができる。
本実施形態の管理サーバ9は、さらに、特定した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて交通情報提供業者100または交通管制センター200へ送信する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、交通情報提供業者100がより高精度な渋滞情報や混雑情報をドライバや企業に提供することや、交通管制センター200が適切な信号制御をすることを支援することができる。
例えば、交通情報提供業者100は、管理サーバ9から取得した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、交差点を特定可能な識別情報とに基づいて、信号待ち停止車列長3が長い交差点を避けて目的に着くルートを特定し、車両21のカーナビゲーションシステムに送信することにより、ドライバが目的地により速く到着することを支援することができる。また、交通管制センター200は、管理サーバ9から取得した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、交差点を特定可能な識別情報とに基づいて、交通流を適切に制御するための信号制御を実施することができる。例えば、交通管制センター200は、信号待ち停止車列長3から、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の台数を推定し、当該台数の停止車両20が交差点を通過するために必要な青信号の点灯時間を推定することができる。また、交通管制センター200は、さらに、他システムから取得した交差点の通過車両の台数に基づいて、信号待ち停止車列2の内、1回の青信号で通過した車両21台数と、通過せずに残った停止車両20の台数とを把握することにより、より適切に信号制御を行うことができる。
なお、本実施形態においては、送信部915が交通情報提供業者100または交通管制センター200に送信する信号待ち停止車列2の位置は、信号待ち停止車列2の開始位置と終了位置の緯度および経度としたが、送信部915は、信号待ち停止車列2が存在する車線の情報を信号待ち停止車列2の位置として送信しても良い。図6で説明したように、本実施形態の履歴データベース955では、道路90の車線の位置と、信号待ち停止車列2の位置とを対応付けて記憶しているため、送信部915は、車線ごとの信号待ち停止車列2の開始位置と終了位置、および車線ごとの信号待ち停止車列長3を送信することができる。
なお、本実施形態においては、管理サーバ9をプローブ情報処理装置の一例としたが、プローブ車両1に搭載された車載制御装置10を、プローブ情報処理装置の一例としても良い。また、上述した車載制御装置10の機能の一部を管理サーバ9が実施するものとしても良いし、管理サーバ9の機能の一部を車載制御装置10が実施するものとしても良い。また、プローブ情報処理システムSの構成は上述の例に限定されるものではない。プローブ情報処理システムSは、管理サーバ9と、プローブ車両1とを備えるものとしても良い。
(第2の実施形態)
この第2の実施形態は、管理サーバ9が、さらに、過去に信号待ち停止車列2が特定された回数に基づいて、特定した信号待ち停止車列2の位置の信頼度を判断する実施の形態である。
本実施形態におけるプローブ情報処理システムSの全体構成、および、車載制御装置10と管理サーバ9のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態のプローブ車両1の車載制御装置10は、図4で説明した第1の実施形態と同様に、取得部110と、車両検出部111と、距離計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、物体検出部115と、送信部116とを備える。本実施形態の車載制御装置10は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の管理サーバ9は、第1の実施形態と同様に、取得部911と、位置補正部912と、車列特定部913と、受信部914と、送信部915と、記憶部950とを備える。取得部911と、位置補正部912と、受信部914とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の車列特定部913は、第1の実施形態の機能を備えた上で、信号待ち停止車列2が存在すると特定した位置において過去に信号待ち停止車列2が特定された回数に基づいて、特定した信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3の信頼度を判定する。本実施形態における信用度は、例えば、“高”、“中”、“低”とする。特定した信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3の信頼度が高いほど、当該位置と長さで定義される道路90上の範囲に実際に信号待ち停止車列2が存在する可能性が高いことを意味する。
また、以下、本実施形態においては、信号待ち停止車列2の開始位置または終了位置と、信号待ち停止車列長3とによって定義される道路90上の範囲を、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲という。信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度は、特定した信号待ち停止車列2の位置と信号待ち停止車列長3の信頼度である。
また、本実施形態の車列特定部913は、履歴データベース955を検索して、過去に信号待ち停止車列2が特定された回数を取得する。例えば、車列特定部913は、現在の処理で特定した信号待ち停止車列2の開始位置または終了位置と、開始位置または終了位置が一致する信号待ち停止車列2を履歴データベース955から検索し、検索結果の件数を、当該範囲において過去に信号待ち停止車列2が特定された回数として取得する。また、検索対象の過去は、現在時刻から所定の時間(例えば2分)以内の過去に限定されても良い。
図9は、本実施形態にかかる信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲の信頼度の変化の一例を示す図である。図9の左側に示す信号待ち停止車列2の位置および範囲は、時刻t1においてプローブ車両1の撮像装置11が撮像した撮像画像に基づいて、特定されたものである。当該範囲において過去に信号待ち停止車列2が特定された回数は0回であり、時刻t1において初めて信号待ち停止車列2が特定されたものとする。この場合、車列特定部913は、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を“低”とする。
また、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度が低い場合、信号待ち停止車列長3の信頼度も同様に低い。このため、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度は、信号待ち停止車列長3の信頼度でもある。
時刻t1の時点では、プローブ車両1と信号待ち停止車列2との距離が遠い。このため、時刻t1の時点では、最後尾の停止車両20lと、停止車両20lの前方に存在する物体70が検出されているが、物体70よりも前方の停止車両20については検出されていない。
これに対して、図9の右側に示すように、時刻t1よりも後の時刻である時刻t2においては、プローブ車両1の進行に伴って撮像装置11によって信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20l~20pが撮像される。複数回にわたって撮像された撮像画像から、同じ範囲に位置する信号待ち停止車列2が特定されている場合は、実際に信号待ち停止車列2が当該範囲に存在する可能性が高い。
本実施形態の車列特定部913は、同じ範囲において第1の基準回数(例えば、2回)以上信号待ち停止車列2を特定した場合、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を“中”とする。また、車列特定部913は、同じ範囲において第2の基準回数(例えば、4回)以上信号待ち停止車列2を特定した場合、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を“高”とする。図9示す時刻t4においては、車列特定部913は、同じ範囲において第2の基準回数以上信号待ち停止車列2を特定したため、信頼度を“高”としている。
本実施形態の車列特定部913は、判定した信頼度と、信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20が検出された時刻(撮像時刻)と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の撮像画像と、信号待ち停止車列2が並んでいる交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて、履歴情報として履歴データベース955に保存する。
また、本実施形態の車列特定部913は、信号待ち停止車列2が特定された時刻から現在時刻までの時間が長くなるほど、信頼度を低く判定する。より詳細には、車列特定部913は、一定時間ごとに履歴データベース955を検索し、現在時刻よりも所定の時間(例えば、2分)以上前の撮像時刻に対応付けられた信頼度のレベルを変更して低くする。車列特定部913は、例えば2分以上前の時点で信頼度が“高”であった場合は、信頼度を“中”にする。
図10は、本実施形態にかかる信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲の信頼度の変化の他の一例を示す図である。図10に示す時刻t3は、図9に示した時刻t2よりも所定の時間以上後の時刻であるとする。このため、車列特定部913は、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を“高”から“中”に低下させている。
また、図10に示す例では、プローブ車両1の後方に設置された撮像装置12によって撮像された撮像画像から停止車両20l,20qが検出されている。停止車両20m~20pは、時刻t2においてはプローブ車両1の後方に設置された撮像装置11によって撮像されていたが、最後に撮像されてから時間が経過しているため、信号待ち停止車列2の先頭付近の停止車両20は、既に動き始めている可能性がある。このため、信号待ち停止車列2全体としては、信頼度が時刻t2の時点よりも低くなる。
これに対して、時刻t4の時点では、信号待ち停止車列2は、撮像装置12によって複数回撮像されている。このため、信頼度が時刻t3の時点よりも高くなり、“高”となっている。本実施形態においては、図10に示すように、プローブ車両1の前方に設置された撮像装置11だけではなく、プローブ車両1の後方に設置された撮像装置12によって撮像された撮像画像からも停止車両20を検出することにより、撮像の頻度を高めて、より確実に停止車両20を検出することができる。例えば、時刻t3の時点では、時刻t2の時点と比べて停止車両20qが新たに増加しているが、撮像の頻度を高めることにより、車列特定部913が新たな停止車両20qをより迅速に特定することができる。
また、本実施形態の管理サーバ9に設けられる記憶部950は、第1の実施形態と同様に、車線データベース951と、デジタルマップ952と、電停位置データベース953と、信号位置データベース954と、履歴データベース955とを記憶する。車線データベース951と、デジタルマップ952と、電停位置データベース953と、信号位置データベース954とは、第1の実施形態と同様である。
本実施形態の履歴データベース955は、第1の実施形態と同様の情報に加えて、車列特定部913によって判定された信頼度を保存する。より詳細には、本実施形態の履歴データベース955は、信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2が停止している車線と、当該信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲の信頼度と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20の撮像画像と、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20が検出された時刻と、を対応付けて記憶する。本実施形態の履歴情報は、第1の実施形態と同様の情報に加えて、車列特定部913によって判定された信頼度をさらに含むものとする。
本実施形態の送信部915は、第1の実施形態の機能を備えた上で、信号待ち停止車列長3と、信号待ち停止車列2の位置と、信頼度と、信号機が設置された交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて交通情報提供業者100へ送信する。また、送信部915は、交通管制センター200に対して、一定時間ごとに、信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信頼度と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて送信する。
本実施形態にかかる車載制御装置10で実行される処理の流れは、第1の実施形態と同様であるものとする。
次に、本実施形態にかかる管理サーバ9で実行される処理の流れについて説明する。
図11は、本実施形態にかかる管理サーバ9で実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。S21の停止車両情報の受信(取得)の処理から、S27の信号待ち停止車列長3の特定の処理までは、図8で説明した第1の実施形態と同様である。
S27の信号待ち停止車列長3の特定の処理の後、本実施形態の車列特定部913は、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲において、過去に信号待ち停止車列2が検出された回数を、履歴データベース955から検索する(S201)。
そして、車列特定部913は、過去に信号待ち停止車列2が検出された回数に基づいて、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を判定する(S202)。例えば、車列特定部913は、過去に信号待ち停止車列2が特定された回数が0回であれば信頼度を“低”、第1の基準回数(例えば、2回)以上であれば信頼度を“中”、第2の基準回数(例えば、4回)以上であれば信頼度を“高”とする。
そして、車列特定部913は、特定した信号待ち停止車列2の位置と、信号待ち停止車列長3と、信頼度と、信号待ち停止車列2が停止している車線と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、撮像時刻と、撮像画像と、信号待ち停止車列2が停止している交差点を特定可能な識別情報と、を対応付けて、履歴情報として履歴データベース955に保存する(S28)。
S29の送信要求の受信の有無の判断の処理は、第1の実施形態と同様である。送信部915は、送信要求を受信したと判断した場合は(S29“Yes”)、履歴データベース955から送信要求で指定された信号待ち停止車列2の位置、または、交差点の識別情報に対応付けられた履歴情報を取得して、交通情報提供業者100に対して送信する(S30)。本実施形態においては、履歴情報は、信頼度を含むものとする。
S31の停止車両の停止位置等の保存の処理は、第1の実施形態と同様である。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
このように、本実施形態の管理サーバ9では、信号待ち停止車列2が存在すると特定した位置において過去に信号待ち停止車列2が特定された回数に基づいて、特定した信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3の信頼度を判定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3の信頼度を交通情報提供業者100や交通管制センター200に対して提供することができ、交通情報提供業者100や交通管制センター200がより有効に情報を活用することを支援することができる。例えば、用途によっては、信頼度が低くとも、信号待ち停止車列長3を迅速に把握することが求められる場合がある。管理サーバ9が信頼度の判定を行うことにより、交通情報提供業者100や交通管制センター200は、用途に応じて各情報を利用するか否かを、信頼度に基づいて判断することができる。
また、本実施形態の管理サーバ9では、信号待ち停止車列2が特定された時刻から現在時刻までの時間が長くなるほど、信頼度を低く判定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、時間の経過によって信号待ち停止車列長3が変化している可能性を示すことができる。
なお、信頼度の評価の手法は、上述の例に限定されるものではない。また、信頼度は、“高”“中”“低”ではなく、数値によってより詳細に定義されても良い。
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、プローブ車両1の車載制御装置10は、プローブ車両1の走行車線と進行方向が同じ車線(並行車線)上の停止車両20を検出していた。これに対して、この第3の実施形態は、プローブ車両1の車載制御装置10が、さらに、対向車線上の停止車両20を検出する実施形態である。
本実施形態におけるプローブ情報処理システムSの全体構成、および、車載制御装置10と管理サーバ9のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態の車載制御装置10は、図4で説明した第1の実施形態と同様に、取得部110と、車両検出部111と、距離計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、物体検出部115と、送信部116とを備える。本実施形態の車載制御装置10は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の管理サーバ9は、第1の実施形態と同様に、取得部911と、位置補正部912と、車列特定部913と、受信部914と、送信部915と、記憶部950とを備える。位置補正部912と、受信部914と、送信部915とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の取得部911は、第1の実施形態の機能を備えた上で、停止車両20が停止している車線と進行方向が同じ並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10だけではなく、停止車両20が停止している車線の対向車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10からも停止車両情報を取得する。
本実施形態の車列特定部913は、第1の実施形態の機能を備えた上で、位置補正部912によって補正された撮像位置と、車線データベース951に保存された車線の位置情報とに基づいて、プローブ車両1が停止車両20と進行方向が同じ並行車線を走行しているか、停止車両20と進行方向が逆方向の対向車線を走行しているかを判断する。
図12は、本実施形態にかかる信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲の信頼度の変化の一例を示す図である。図12に示す例では、プローブ車両1は、停止車両20pと、停止車両20oとが停止している車線と進行方向が逆方向のトラム対向車線上を走行している。
また、図12に示すように、プローブ車両1が停止車両20の対向車線を走行している場合は、車載制御装置10は、信号待ち停止車列2の先頭位置にある停止車両20pから順に検出する。例えば、時刻t10の時点では、停止線39の前に停止した停止車両20pと、停止車両20oとがプローブ車両1の撮像装置11によって撮像されているが、停止車両20oの後方については撮像範囲に含まれないものとする。
このため、車列特定部913は、プローブ車両1が停止車両20の対向車線を走行していると判断した場合であって、プローブ車両1の前方に設置された撮像装置11によって撮像された撮像画像から停止車両が検出された場合は、停止線39から、検出された停止車両20のうち最も停止線39から遠い停止車両20oの停止位置までを、信号待ち停止車列2が存在する範囲として特定する。また、車列特定部913は、プローブ車両1が停止車両20の対向車線を走行していると判断した場合は、停止線39から、検出された停止車両20のうち最も停止線39から遠い停止車両20oの停止位置までの距離を、信号待ち停止車列長3として特定する。
車列特定部913は、プローブ車両1の前方に設置された撮像装置11によって撮像された撮像画像から停止車両が検出されたか否かを、撮像位置と停止線39との位置関係から判断する。あるいは、取得部911が撮像画像を撮像した撮像装置11または撮像装置12の識別情報を車載制御装置10から取得して、車列特定部913に送出するものとしても良い。
また、車列特定部913は、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲において過去に信号待ち停止車列2が存在すると測定されていない場合は、当該範囲の信頼度を“低”と判定する。
これに対して、時刻t10よりも後の時刻t11の時点では、停止車両20p~20lがプローブ車両1の撮像装置11によって撮像されている。この場合、停止線39から停止車両20lまでの信号待ち停止車列2が存在する範囲が複数回にわたって特定されているため、車列特定部913は、当該範囲の信頼度を“高”と判定する。
また、車列特定部913は、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度は、対向車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列が存在すると特定した範囲の信頼度よりも高いと判定する。例えば、同じ“高”であっても、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて判定された場合は、対向車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて判定された場合よりも信頼度が高いものとする。
これは、並行車線から撮像された場合の方が、対向車線から撮像された場合よりも停止車両20とプローブ車両1との距離が近くなるため、検出の精度がより高くなるためである。また、プローブ車両1が対向車線を走行している場合は、停止車両20とプローブ車両1との間に他のプローブ車両1が入る場合があり、撮像画像上で停止車両20が隠蔽される場合もある。このため、車列特定部913は、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を、より高く判定するものとする。
また、本実施形態においては、図10で説明した第2の実施形態と同様に、プローブ車両1の後方に設置された撮像装置12も停止車両20を撮像する。
図13は、本実施形態にかかる信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲の信頼度の変化の他の一例を示す図である。
図13に示す時刻t12は、図12の時刻t11よりも後の時刻とする。時刻t12および時刻t13においては、撮像装置12によって撮像された撮像画像に基づいて、信号待ち停止車列2が存在する範囲および信号待ち停止車列長3が特定される。なお、図13に示した例では、車列特定部913は、時刻t12の時点においては、撮像装置12によって撮像された撮像画像から検出された停止車両20pの停止位置に基づいて信号待ち停止車列2が存在する範囲を特定しているが、その前の時刻t11において特定した信号待ち停止車列2が存在する範囲を使用しても良い。この場合、車列特定部913は、時刻t11から時刻t12の時間の経過に応じて信頼度を低下させる。
このように、本実施形態の管理サーバ9によれば、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10と、対向車線とを走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10の両方から停止車両情報を取得可能であるため、信号待ち停止車列2を複数の方向から検出することができ、より高精度に信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3を特定することができる。
また、本実施形態の管理サーバ9では、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度は、対向車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列が存在すると特定した範囲の信頼度よりも高いと判定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、迅速に信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3を特定すると共に、検出の精度に応じた信頼度の程度を交通情報提供業者100または交通管制センター200に滞京することができる。
なお、車列特定部913は、信頼度を数値で示すものとしても良い。また、この場合、車列特定部913は、信号待ち停止車列2が存在すると特定する度に、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度を加算するものとしても良い。当該構成を採用する場合は、車列特定部913は、並行車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列2が存在すると特定した場合は、対向車線を走行するプローブ車両1に搭載された車載制御装置10から取得された停止車両情報に基づいて信号待ち停止車列が存在すると特定した場合よりも、より多く信頼度を加算するものとする。
(第4の実施形態)
この第4の実施形態は、信号待ち停止車列2が存在すると特定された範囲において、停止車両20の進行方向に対して交差する方向に移動する車両21が検出された場合に、信号待ち停止車列2が中断したものと判断する実施形態である。
本実施形態におけるプローブ情報処理システムSの全体構成、および、プローブ車両1の車載制御装置10と管理サーバ9のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態のプローブ車両1の車載制御装置10は、図4で説明した第1の実施形態と同様に、取得部110と、車両検出部111と、距離計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、物体検出部115と、送信部116とを備える。取得部110と、走行判断部114と、物体検出部115とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の車両検出部111は、第1の実施形態の機能を備えた上で、撮像画像から、道路90上で停止車両20の進行方向に対して交差する方向に移動する車両21を検出する。
図14は、本実施形態にかかる検出対象の車両21の一例を示す図である。図14に示すように、車両21aおよび車両21bは、停止車両20の進行方向に対して交差する方向を向いている。車両検出部111は、例えばパターン認識等の公知の画像処理によって、車両21aおよび車両21bを検出する。また、車両検出部111は、時系列に撮像された複数の撮像画像上における車両21aおよび車両21bの位置の変化を画像処理によって認識し、停止車両20の進行方向に対して交差する方向に移動しているか否かを判断する。
本実施形態の距離計測部112は、第1の実施形態の機能を備えた上で、車両検出部111が検出した車両21aおよび車両21bとプローブ車両1との距離を計測する。
本実施形態の送信部116は、第1の実施形態の機能を備えた上で、車両検出部111が検出した車両21aおよび車両21bとプローブ車両1との距離を、プローブ車両1の位置を示す位置情報と対応付けて、管理サーバ9に送信する。送信されるプローブ車両1の位置は、交差する方向に移動する車両21aおよび車両21bが検出された時刻におけるプローブ車両1の位置である。
本実施形態の管理サーバ9は、第1の実施形態と同様に、取得部911と、位置補正部912と、車列特定部913と、受信部914と、送信部915と、記憶部950とを備える。受信部914と、送信部915とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の取得部911は、第1の実施形態の機能を備えた上で、車両検出部111が検出した車両21aおよび車両21bとプローブ車両1との距離と、プローブ車両1の位置とを取得(受信)する。
本実施形態の位置補正部912は、第1の実施形態の機能を備えた上で、取得部911が取得したプローブ車両1の位置を補正する。
本実施形態の車列特定部913は、位置補正部912によって補正されたプローブ車両1の位置と、第1の実施形態の機能を備えた上で、取得部911が取得した停止車両20の進行方向に対して交差する方向に移動している車両21aおよび車両21bとプローブ車両1との距離とに基づいて、車両21aおよび車両21bの位置を特定する。
そして、車列特定部913は、特定した交差する方向に移動する車両21aおよび車両21bの位置が、信号待ち停止車列2が存在すると判定した範囲に含まれるか否かを判断する。信号待ち停止車列2が存在すると判定した範囲に含まれる場合、車列特定部913は、特定された交差する方向に移動する車両21aおよび車両21bの位置で、信号待ち停止車列2が中断していると判定する。
図14に示す例では、最後尾の停止車両20vから停止線39まで継続していた信号待ち停止車列2に対して、車両21bが停止車両20vと交差する方向に進行することによって、信号待ち停止車列2が中断している。このような場合、車列特定部913は、車両21bの周囲の所定の範囲22bには信号待ち停止車列2が存在しないものと判断する。具体的には、車列特定部913は、信号待ち停止車列2を、最後尾の停止車両20vから車両21bまでの範囲に存在する信号待ち停止車列2aと、車両21bよりも停止線39に近い側に停止している停止車両20tから停止線39までの範囲に存在する信号待ち停止車列2bとに分割する。また、車列特定部913は、信号待ち停止車列2aの長さである信号待ち停止車列長3aと、信号待ち停止車列長3bとを特定する。
また、車列特定部913は、停止線39の位置の特定が困難な場合、例えば、信号位置データベース954に当該交差点の停止線39の位置が登録されていない場合などにおいて、停止車両20と交差する方向に移動する車両21aから周囲の所定の範囲22aを除いた位置を、信号待ち停止車列2の先頭位置としても良い。
このように、本実施形態の管理サーバ9は、車載制御装置10から取得したプローブ車両1から道路90上で停止車両20の進行方向に対して交差する方向に移動する車両までの距離と、交差する方向に移動する車両を検出した時刻におけるプローブ車両1の位置を示す位置情報とに基づいて、停止車両20と交差する方向に移動する車両21の位置を特定し、車両21の位置が、信号待ち停止車列2が存在すると判定した範囲に含まれる場合、特定された交差する方向に移動する車両21の位置で、信号待ち停止車列2が中断していると判定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、より正確に信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3を特定することができる。
なお、車列特定部913は、信号待ち停止車列2が、停止車両20と交差する方向に移動する車両21によって中断していると判定した場合、中断した信号待ち停止車列2のうち、停止線39と接続しているもの(図14に示す例では信号待ち停止車列2b)のみを信号待ち停止車列2として特定しても良い。
(第5の実施形態)
この第5の実施形態は、管理サーバ9が、さらに、道路90上で所定の時間以上駐車している駐車車両を特定する実施形態である。
本実施形態におけるプローブ情報処理システムSの全体構成、および、車載制御装置10と管理サーバ9のハードウェア構成は第1の実施形態と同様である。
図15は、本実施形態にかかるプローブ車両1の車載制御装置10が有する機能と、管理サーバ9が有する機能の一例を示すブロック図である。
本実施形態の車載制御装置10は、第1の実施形態と同様に、取得部110と、車両検出部111と、距離計測部112と、車速算出部113と、走行判断部114と、物体検出部115と、送信部116とを備える。本実施形態の車載制御装置10は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の管理サーバ9は、取得部911と、位置補正部912と、車列特定部1913と、受信部914と、送信部1915と、記憶部1950とを備える。取得部911と、位置補正部912と、受信部914とは、第1の実施形態と同様の機能を備える。
本実施形態の記憶部1950は、車線データベース951と、デジタルマップ952と、電停位置データベース953と、信号位置データベース954と、履歴データベース1955と、駐車可能区間データベース(DB)956とを記憶する。車線データベース951と、デジタルマップ952と、電停位置データベース953と、信号位置データベース954とは、第1の実施形態と同様である。
駐車可能区間データベース956は、道路90上で車両21が駐車可能な位置(駐車可能区間)、例えばパーキングメータの位置等が登録されたデータベースである。
また、本実施形態の履歴データベース1955には、第1の実施形態と同様の情報に加えて、さらに、駐車車両についての情報が登録される。
本実施形態の車列特定部1913は、第1の実施形態の機能を備えた上で、停止車両20の停止位置が駐車可能区間データベース956に登録された駐車可能区間であるか否かを判断する。
本実施形態においては、駐車車両は、所定の時間(例えば5分)以上同一の位置で停止している車両21である。また、例えば、停止車両20が駐車可能区間で停止しているのであれば、駐車車両である可能性が高い。このため、車列特定部1913は、停止車両20の停止位置が駐車可能区間であると判断した場合に、停止車両20を、駐車車両として特定する。
また、車列特定部1913は、停止車両20の停止位置が駐車可能区間ではないと判断した場合においても、車載制御装置10によって時系列に取得された停止車両情報に基づいて、停止車両20が所定の時間(例えば5分)以上同一の位置で検出されている場合は、当該停止車両20を駐車車両として特定する。
図16は、本実施形態にかかる駐車車両23の一例を示す図である。図16に示す例では、道路90上の駐車可能区間91a、91bに、停止している2台の車両21が検出されている。この場合、車列特定部1913は、駐車可能区間91a、91bに、停止している2台の車両21を、駐車車両23a、23bとして特定する。
また、図16に示す駐車車両23aの前方に停止している2台の車両21は、最初に検出されてから、所定の時間(例えば5分)が既に経過しているものとする。車列特定部1913は、例えば、履歴データベース955から、これらの車両21が検出された位置で過去に特定された停止車両20を検索し、検索結果が所定の時間以上前の検出時間に対応付けられた情報が検索結果に含まれる場合に、これらの車両21を、駐車車両23c、23dとして特定する。また、車列特定部1913は、履歴データベース955に登録された所定の時間以上前の検出時間に対応付けられた撮像画像に含まれる停止車両20と、最新の撮像画像に含まれる停止車両20とをパターン認識等の公知の画像処理によって比較して、同一の車両21であるか否かを判断しても良い。
また、車列特定部1913は、特定した駐車車両23の位置と、位置補正部912によって補正された撮像位置と、駐車車両23が検出された時刻(撮像時刻)と、駐車車両23の撮像画像と、を対応付けて、履歴データベース1955に保存する。
また、車列特定部1913は、駐車可能区間外で駐車している駐車車両23が特定された場合に、違法駐車車両として判定し、当該駐車車両23が違法駐車車両であることを履歴データベース1955に登録する。また、車列特定部1913は、撮像画像から画像処理によって駐車車両23の形状が変形や欠損しているか否かを判断し、変形や欠損がある場合は、当該駐車車両23が事故車両または故障車両であることを履歴データベース1955に登録する。
図17は、本実施形態にかかる駐車車両23に関する情報の保存の手法の一例を示す図である。図17に示す駐車マップ901は、位置情報を1m単位のグリッドで表す表である。駐車マップ901は、履歴データベース1955の一例である。図17の時刻Ta~Tdの駐車情報とは、時刻Ta~Tdに撮像された撮像画像から検出された駐車車両23の位置と、当該駐車車両23が違法駐車車両であるか否かと、当該駐車車両23が事故車両または故障車両であるか否かと、を含む情報である。また、当該駐車車両23が違法駐車車両であるか否かと、当該駐車車両23が事故車両または故障車両であるか否かとを総称して駐車車両23の属性情報という。
図17においては、車列特定部1913は、車載制御装置10から時系列に取得された情報に基づいて、駐車車両23の位置と、駐車情報とを、駐車マップ901上のセルに対応付ける。これにより、車線ごとに、駐車車両23の位置と、駐車車両23の属性情報とが駐車マップ901上に記録される。
図17ではグリッドとして図示しているが、内部的には、グリッドに含まれる各セルを特定する識別情報と、各セルにおける駐車車両23の有無と、駐車車両23の属性情報と、が対応付けられて保存される。また、履歴データベース1955には、駐車マップ901だけではなく、図6で説明した走行マップ900も保存されているものとする。履歴データベース1955は1つのデータベースとして構成されても良いし、複数のデータベースが対応付けられて構成されても良い。
図15に戻り、送信部1915は、第1の実施形態の機能を備えた上で、車列特定部1913によって特定された駐車車両23の位置と、車列特定部1913が検出された時刻(車列特定部1913が検出された撮像画像の撮像時刻)と、駐車車両23が検出された撮像画像と、を交通情報提供業者100に送信する。
また、送信部1915は、駐車可能区間外で駐車している駐車車両23が特定された場合に、違法駐車車両として交通情報提供業者100に対して報知しても良い。また、送信部1915は、履歴データベース955から同一の位置において駐車車両23が最初に特定された時刻を検索し、当該時刻から現在時刻までの時間の長さを当該駐車車両23の駐車時間として交通情報提供業者100に対して送信しても良い。
このように、本実施形態の管理サーバ9は、停止車両20の位置が駐車可能区間である場合、または、停止車両20が所定の時間以上同一の位置で検出されている場合は、停止車両20を駐車車両23として特定する。このため、本実施形態の管理サーバ9によれば、信号待ち停止車列2だけではなく、駐車車両23についても交通情報提供業者100に情報を提供することができる。
(変形例1)
車列特定部913は、信号待ち停止車列2に含まれる停止車両20同士の車間距離が所定の距離以上離れた場合には、信号待ち停止車列2が中断したものと判断しても良い。
具体的には、本変形例の車列特定部913は、取得部911が車載制御装置10からプローブ車両1の進行に伴って時系列に取得した停止車両情報に基づいて、複数の停止車両20の停止位置を連続的に特定して、信号待ち停止車列2が継続しているか否かを判断する。そして、車列特定部913は、最後に検出された停止車両20の停止位置から所定の距離以上、他の停止車両20が検出されない場合に、最後に検出された停止車両20の停止位置を、信号待ち停止車列2の先頭位置(開始位置)と特定する。
例えば、時間の経過によって信号が変わり、信号待ち停止車列2の先頭の車両21が動き出す場合がある。このような場合、信号待ち停止車列2が停止線39よりも手前で中断することとなる。この場合、車列特定部913は、信号待ち停止車列長3を、信号待ち停止車列2の最後尾の停止車両20の停止位置から、最後に検出された停止車両20の停止位置までの距離に修正する。
このように、本件変形例の管理サーバ9によれば、最後に検出された停止車両20の停止位置から所定の距離以上、他の停止車両20が検出されない場合に、最後に検出された停止車両20の停止位置を、信号待ち停止車列2の先頭位置と特定するため、時間の経過によって信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3が変化した場合にも、より正確な信号待ち停止車列2の位置および信号待ち停止車列長3を特定することができる。
(変形例2)
上述の実施形態では、プローブ車両1の車載制御装置10は、GPS衛星から取得した電波に基づいて、自車の位置を取得するものとしたが、自車の位置を取得する手法はこれに限定されるものではない。例えば、車載制御装置10の取得部110は、高速道路の高架下や、高層ビルに周囲を囲まれたエリアにおいては、撮像装置11、12によって撮像された撮像画像から、位置を特定可能なランドマークを検出することによって、自車の位置を取得しても良い。
また、プローブ車両1が専用レーンを走行するトラムである場合は、プローブ車両1が停止する位置は、信号機の手前に引かれた停止線39か、電停の停止線である。このため、取得部110は、プローブ車両1が停止した信号機の停止線39または電停の停止線を基準として、プローブ車両1の走行速度と走行時間とに基づいて移動距離を算出することによって自車の位置を取得しても良い。また、この他に、プローブ車両1の車載制御装置10は、地上子(トランスポンダ)を用いた位置特定手法や、Blutoothを用いた公知の位置特定手法を採用しても良い。
(変形例3)
また、上述の実施形態では、管理サーバ9は、車線データベース951およびデジタルマップ952に基づいてプローブ車両1の位置情報を補正してしたが、位置を補正する手法はこれに限定されるものではない。例えば、管理サーバ9の位置補正部912は、時系列に数秒間隔で取得されたプローブ車両1の位置情報に基づいて、プローブ車両1の位置情報を補正しても良い。当該構成を採用する場合、管理サーバ9は、プローブ車両1の進行方向をより正確に特定することができる。
また、管理サーバ9は、車載制御装置10から、プローブ車両1に搭載されたカーナビゲーションシステムによって予め補正されたプローブ車両1の位置情報を取得しても良い。また、管理サーバ9の位置補正部912は、補正後のプローブ車両1の位置と、補正前のGPS位置座標との差異の傾向を特定し、他のGPS位置座標の補正の際にも当該差異の傾向に基づいて補正後のプローブ車両1の位置を特定するDGPS等の手法を採用しても良い。また、管理サーバ9の車列特定部913は、補正されたプローブ車両1の位置ではなく、車載制御装置10から取得されたGPS座標に基づいて、停止車両20の位置を特定しても良い。
(変形例4)
管理サーバ9が交通情報提供業者100または交通管制センター200に送信する情報は、上述した例に限定されるものではない。例えば、送信部915は、各交差点における信号待ち停止車列長3または、駐車車両23の検出結果を集計した統計データを、交通情報提供業者100に送信しても良い。統計データの算出のタイミングは、受信部914が送信要求を受信したタイミングでもよいし、夜間等の所定のタイミングでも良い。
また、管理サーバ9は、信号待ち停止車列2が存在すると特定した範囲の信頼度に応じて、当該範囲を地図上に異なる表示態様で表示する画像を生成する画像生成部をさらに備えても良い。異なる表示態様は、例えば色や透明度が異なるものとする。例えば、画像生成部は、図9、11、12、13、14に示した信号待ち停止車列2の範囲を、信頼度に応じて異なる色で表示する画像を生成する。また、当該画像上では、個々の停止車両20や、プローブ車両1は表示されなくとも良い。また、当該構成を採用する場合、送信部915は、交通情報提供業者100に対して、当該画像を送信しても良い。
(変形例5)
また、管理サーバ9の記憶部950に保存される各種のデータは、外部の記憶装置や、クラウド環境に保存されても良い。また、記憶部950に保存されるデジタルマップ952等の各種のデータは、定期的に更新されるものとしても良い。
(変形例6)
プローブ車両1と管理サーバ9との通信方法は、特に限定されるものではなく、プローブ車両1は、Wi-Fiのモバイルルータや、スマートフォン等のモバイル端末の通信機能等を利用して情報を送信しても良い。
(変形例7)
プローブ車両1は、トラムに限定されるものではなく、自動車や、自動二輪車、自動運転車両等であっても良い。また、特定対象である停止車両20も、自動車に限定されるものではなく、トラム車両等であっても良い。
以上説明したとおり、第1から第5の実施形態の管理サーバ9によれば、信号待ち停止車列2に含まれる個々の停止車両20を検出することが困難な場合においても、信号待ち停止車列長3を特定することができる。
本実施形態の車載制御装置10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の車載制御装置10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の車載制御装置10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態の車載制御装置10で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態の車載制御装置10で実行されるプログラムは、上述した各部(取得部、車両検出部、距離計測部、車速算出部、走行判断部、物体検出部、送信部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ取得部、車両検出部、距離計測部、車速算出部、走行判断部、物体検出部、送信部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本実施形態の管理サーバ9で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、本実施形態の管理サーバ9で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の管理サーバ9で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、本実施形態の管理サーバ9で実行されるプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態の管理サーバ9で実行されるプログラムは、上述した各部(取得部、位置補正部、車列特定部、受信部、送信部)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体から~プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、取得部、位置補正部、車列特定部、受信部、送信部が主記憶装置上に生成されるようになっている。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。