JP7003570B2 - スタッドレスタイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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本発明は、主にスタッドレスタイヤのトレッド部に用いることを意図したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に関する。
氷雪路面の走行を意図したスタッドレスタイヤでは、氷上性能を高めるために比較的柔軟なゴムを用いる傾向があるため、耐摩耗性能を良好に維持して、氷上性能と耐摩耗性能とを両立することが求められる。一般的なスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ポリブタジエン、天然ゴム、シリカ、カーボンブラックが配合されるが、更に、クマロンインデン樹脂を配合することで氷上性能と耐摩耗性能とを両立することが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、この提案であっても、氷上性能の向上効果が必ずしも充分でなく、また、耐摩耗性を充分に良好に維持することも難しく、これら性能を高次元で両立するための更なる対策が求められている。
特開2013‐139522号公報
本発明の目的は、主にスタッドレスタイヤのトレッド部に用いることを意図したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物であって、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立したスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、ブタジエンゴムを30質量%以上および天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、クマロン、インデン、およびスチレンの共重合体の酸変性物である共重合樹脂(a)が1~40質量部、無機充填材が10~150質量部配合され、前記共重合樹脂(a)の変性率が10%~100%であることを特徴とする。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、酸変性された共重合樹脂(a)を含むことで氷雪路面上の水との親和性が高まり氷上性能を向上することができる。また、酸変性された共重合樹脂(a)を含むことでゴム硬度を確保することもでき、耐摩耗性を良好に維持することができる。更に、ゴム硬度が高まることで氷雪路面に対して引っ掛かる効果も見込めるので、氷上性能を向上するには有利になる。その結果、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
本発明においては、共重合樹脂(a)のガラス転移温度が15℃以下であることが好ましい。これにより、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の物性が更に良好になり、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
本発明においては、前述のように共重合樹脂(a)の変性率が10%~100%である。このように共重合樹脂(a)を充分に変性することで、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の物性が更に良好になり、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
本発明においては、共重合樹脂(a)における酸変性基が無水マレイン酸であることが好ましい。これにより、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の物性が更に良好になり、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
本発明においては、ブタジエンゴムが変性ブタジエンゴムであることが好ましい。これにより、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物の物性が更に良好になり、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部に用いることが好ましく、本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いたスタッドレスタイヤは、氷上性能および耐摩耗性能を共に良好に発揮することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、ブタジエンゴムおよび天然ゴムを必ず含む。天然ゴムおよびブタジエンゴムを主成分にすることにより、氷上性能を高くすることができる。天然ゴムおよびブタジエンゴムは、それぞれタイヤ用ゴム組成物に通常用いられるゴムを使用することができる。
本発明で使用するブタジエンゴムは、変性ブタジエンゴムであってもよい。変性ブタジエンゴムとは、その分子末端の両方または片方をシリカ表面のシラノール基と反応性を有する官能基で変性したブタジエンゴムである。ブタジエンゴムとして変性ブタジエンゴムを用いることで、氷上性能を高いレベルで維持しながら耐摩耗性を更に改善することができる。シラノール基と反応する官能基としては、好ましくはポリオルガノシロキサン基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。変性ブタジエンゴムを用いる場合、そのビニル単位含有量を好ましくは3質量%~70質量%、より好ましくは5質量%~50質量%にするとよい。変性ブタジエンゴムのビニル単位含有量が3質量%未満であると加工性が低下する。変性ブタジエンゴムのビニル単位含有量が70質量%を超えると氷上性能が低下する。尚、変性ブタジエンゴムのビニル単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。変性ブタジエンゴムにおけるビニル単位含有量の増減は、触媒等、通常の方法で適宜調製することができる。変性ブタジエンゴムを調製する方法は、特に限定されるものではなく、通常の製造方法を適用することができる。
ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中に30質量%以上、好ましくは30質量%~70質量%である。ブタジエンゴムの含有量が30質量%未満であると、氷上性能が低下する。また、天然ゴムの含有量は特に限定されないが、例えば、ジエン系ゴム100質量%中に好ましくは30質量%~70質量%、より好ましくは50質量%~70質量%にするとよい。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、天然ゴムおよびブタジエンゴムで100質量%になるように組成するとよいが、ジエン系ゴムとして天然ゴム、ブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを配合することもできる。他のジエン系ゴムとしては、例えばイソプレンゴム、スチレン‐ブタジエンゴム、アクリロニトリル‐ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム等を例示することができる。これらジエン系ゴムは、単独または任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、本発明の課題の達成を阻害しない範囲内であるものとし、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下するとよい。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、クマロン、インデン、およびスチレンの共重合体の酸変性物である共重合樹脂(a)が必ず配合される。共重合樹脂(a)は、樹脂の骨格(主鎖)を構成するモノマー成分として炭素数8のクマロンおよび炭素数9のインデンを含み、クマロンおよびインデン以外に骨格に含まれるモノマー成分としてスチレンを含むクマロンインデン樹脂を、例えば無水マレイン酸等で酸変性して得ることができる。酸変性された共重合樹脂(a)を配合することで、氷雪路面上の水との親和性を高めて氷上性能を向上することができる。また、酸変性された共重合樹脂(a)を含むことで、ゴム硬度を確保することができ、耐摩耗性を良好に維持することができる。共重合樹脂(a)の配合量はジエン系ゴム100質量部に対して1質量部~40質量部、好ましくは5質量部~30質量部である。共重合樹脂(a)の配合量が1質量部未満であると、氷上性能および耐摩耗性能を向上する効果が得られない。共重合樹脂(a)の配合量が40質量部を超えると、ゴム組成物の加工性が著しく悪化して、実用に供することができなくなる。
本発明で使用する共重合樹脂(a)は、ガラス転移温度が好ましくは15℃以下、より好ましくは10℃以下であるとよい。このようにガラス転移温度が低い共重合樹脂(a)を用いることで、ゴム組成物の低温での弾性率を低減し、優れた氷上性能が得られると共に、良好な耐摩耗性を得ることができる。共重合樹脂(a)のガラス転移温度が15℃を超えると、ゴム組成物の低温での硬さが高くなり、氷上性能が低下する虞がある。尚、本発明において、ガラス転移温度は示差走査熱量分析(DSC)により測定することができる。
本発明で使用する共重合樹脂(a)は、重量平均分子量Mwが好ましくは500以下、より好ましくは200~500であるとよい。このように低分子量の共重合樹脂(a)を用いることで、氷上性能を改善することができる。共重合樹脂(a)の重量平均分子量Mwが500を超えると、氷上性能向上の効果が低下する。
本発明で使用する共重合樹脂(a)は、変性率が好ましくは10%~100%、より好ましくは30%~80%であるとよい。このように充分に酸変性された共重合樹脂(a)を用いることで、ゴム組成物の硬度を確保することができ、耐摩耗性を向上することができる。また、ゴム硬度が高まることで氷雪路面に対して引っ掛かる効果も見込めるので、氷上性能を向上するには有利になる。共重合樹脂(a)の変性率が10%未満であると、ゴム組成物の硬度を充分に確保することができず、耐摩耗性を良好に維持することが難しくなる。尚、本発明において、共重合樹脂(a)の変性率とは、共重合樹脂(a)を構成するすべてのポリマー分子のうち酸変性されたポリマー分子の割合(%)を表し、共重合樹脂(a)を構成するすべてのポリマー分子がそれぞれ1つ以上の変性基を有する状態が変性率100%である。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、無機充填材が必ず配合される。無機充填材を配合することでゴム組成物の強度を高めることができる。無機充填材の配合量はジエン系ゴム100質量部に対して10質量部~150質量部、好ましくは20質量部~120質量部である。無機充填材の配合量が10質量部未満であると、ゴム組成物の硬度が低下し、耐摩耗性を良好に維持することができない。無機充填材の配合量が150質量部を超えると、ゴム組成物の加工性が著しく悪化して、実用に供することができなくなる。無機充填材としては、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウムを例示することができる。これら無機充填材は単独または任意のブレンドとして使用することができる。なかでもカーボンブラック、シリカが好ましく、これらを併用することが好ましい。無機充填材としてカーボンブラックおよびシリカを併用する場合、カーボンブラックの配合量をジエン系ゴム100質量部に対して好ましくは10質量部~70質量部、シリカの配合量をジエン系ゴム100質量部に対して好ましくは10質量部~70質量部にするとよい。
無機充填材としてシリカを用いる場合、シリカのCTAB吸着比表面積が好ましくは100m2 /g~300m2 /g、より好ましくは150m2 /g~250m2 /gであるとよい。シリカのCTAB吸着比表面積が100m2 /g未満であるとゴム強度が低下する。シリカのCTAB吸着比表面積が300m2 /gを超えると加工性が悪化する。尚、本発明において、シリカのCTAB吸着比表面積は、ISO 5794に準拠して測定するものとする。
無機充填材としてカーボンブラックを用いる場合、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAが好ましくは30m2 /g~150m2 /g、より好ましくは60m2 /g~120m2 /gであるとよい。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAが30m2 /g未満であるとゴム強度が低下する。カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAが150m2 /gを超えると発熱性が悪化する。尚、本発明において、カーボンブラックの窒素吸着比表面積N2 SAは、JIS6217‐2に準拠して測定するものとする。
本発明のタイヤ用ゴム組成物には、上記以外の他の配合剤を添加することができる。他の配合剤としては、加硫または架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂など、一般的に空気入りタイヤに使用される各種配合剤を例示することができる。これら配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量にすることができる。また混練機としは、通常のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用することができる。
本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、上述の配合や物性により、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。具体的には、酸変性された共重合樹脂(a)を含むことで氷雪路面上の水との親和性が高まり氷上性能を向上することができ、且つ、ゴム硬度を確保して耐摩耗性を良好に維持することができる。そのため、本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、スタッドレスタイヤのトレッド部に好適に用いることができる。本発明のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いたスタッドレスタイヤでは、上述のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の特性によって、氷上性能と耐摩耗性能とを高度に両立することができる。
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表1に示す配合からなる16種類のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物(標準例1、比較例1~6、実施例1~9)を、それぞれ加硫促進剤および硫黄を除く配合成分を秤量し、1.8Lの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、温度150℃でマスターバッチを放出し室温冷却した。その後、このマスターバッチを1.8Lの密閉式バンバリーミキサーに供し、加硫促進剤及び硫黄を加え2分間混合してスタッドレスタイヤ用ゴム組成物を調製した。次に、得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を作製した。尚、表1の「無機充填材」の欄の値は、これらスタッドレスタイヤ用ゴム組成物に使用された無機充填材、即ち、カーボンブラックおよびシリカの配合量の合計である。
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物について、下記に示す方法により、加工性、氷上性能、耐摩耗性能の評価を行った。
加工性
加硫ゴム試験片を作製する際の加工性を評価した。加硫ゴム試験片を作製できた場合を「〇」とし、加硫ゴム試験片を作製できなかった場合を「×」として、表1の「加工性」の欄に示した。評価結果が「×」である場合は、スタッドレスタイヤ用ゴム組成物を実用に供することができないことを意味する。
氷上性能
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の試験片(シート)について、シートを偏平円柱状の台ゴムにはりつけ、インサイドドラム型氷上摩擦試験機にて、測定温度-3.0℃及び-1.5℃、荷重5.5kg/cm2 (約0.54MPa)、ドラム回転速度25km/hで測定した。得られた結果は、標準例の値を100とする指数として表1の「氷上性能」の欄に示した。この指数値が大きいほどスタッドレスタイヤの氷上性能が優れることを意味する。
耐摩耗性能
得られたスタッドレスタイヤ用ゴム組成物の試験片について、ランボーン摩耗試験機を用いてJIS K6264に準拠し、荷重4.0kg(=39N)、スリップ率30%の条件にて摩耗量を測定した。得られた結果は、各試験片の摩耗量の逆数を算出し、標準例の値を100とする指数として表1の「耐摩耗性」の欄に示した。この指数値が大きいほど耐摩耗性が優れることを意味する。
Figure 0007003570000001
表1において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、TSR20
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製 NIPOL BR1220
・変性BR:下記「変性ブタジエンゴムの合成」に記載の方法で作製した。
・CB:カーボンブラック、キャボットジャパン社製ショウブラックN339
・シリカ:ローディア社製ZEOSIL 1165MP
・オイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
・樹脂1:無水マレイン酸変性クマロンインデン樹脂、ルトガース社製(変性率:33%、ガラス転移温度Tg=-15℃、重量平均分子量Mw=400)
・樹脂2:無水マレイン酸変性クマロンインデン樹脂、ルトガース社製(変性率:67%、ガラス転移温度Tg=0℃、重量平均分子量Mw=400)
・樹脂3:無水マレイン酸変性クマロンインデン樹脂、ルトガース社製(変性率:100%、ガラス転移温度Tg=14℃、重量平均分子量Mw=400)
・樹脂4:クマロンインデン樹脂(未変性)、ルトガース社製(ガラス転移温度Tg=-30℃、重量平均分子量Mw=400)
・樹脂5:マレイン酸変性石油系樹脂、日石エネルギー社製 ネオポリマー160(軟化点=165℃、重量平均分子量Mw=3500)
・老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス 6PPD
・ワックス:大内新興化学社製サンノック
・カップリング剤:エボニックデグッサ社製Si69(ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
・ステアリン酸:日油社製ビーズステアリン酸
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・加硫促進剤1:大内新興科学工業株式会社製ノクセラー CZ‐G
・加硫促進剤2:住友化学株式会社製ソクシノール D‐G
・硫黄:四国化成工業社製ミュークロン OT-20
<変性ブタジエンゴムの合成>
攪拌機付きオートクレーブに、窒素雰囲気下、シクロヘキサン5670g、1,3‐ブタジエン700gおよび、テトラメチルエチレンジアミン0.17mmolを仕込んだ後、n‐ブチルリチウムをシクロヘキサンと1,3‐ブタジエンとに含まれる重合を阻害する不純物の中和に必要な量を添加し、更に、n‐ブチルリチウムを重合反応に用いる分として8.33mmolを加え、50℃で重合を開始した。重合を開始してから20分経過後、1,3‐ブタジエン300gを30分間かけて連続的に添加した。重合反応中の最高温度は80℃であった。連続添加終了後、更に15分間重合反応を継続し、重合転化率が95%から100%の範囲になったことを確認してから、少量の重合溶液をサンプリングした。サンプリングした少量の重合溶液は、過剰のメタノールを添加して反応停止した後、風乾して、重合体を取得し、GPC分析の試料とした。その試料を用いて、重合体(活性末端を有する共役ジエン系重合体鎖に該当)のピークトップ分子量および分子量分布を測定したところ、それぞれ、「23万」および「1.04」であった。
少量の重合溶液をサンプリングした直後、重合溶液に、1,6‐ビス(トリクロロシリル)ヘキサン0.288mmol(重合に使用したn-ブチルリチウムの0.0345倍モルに相当)を40重量%シクロヘキサン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。更に、その後、ポリオルガノシロキサンA0.0382mmol(重合に使用したn‐ブチルリチウムの0.00459倍モルに相当)を20重量%キシレン溶液の状態で添加し、30分間反応させた。その後、重合停止剤として、使用したn‐ブチルリチウムの2倍モルに相当する量のメタノールを添加した。これにより、変性ブタジエンゴムを含有する溶液を得た。この溶液に、ゴム成分100部あたり、老化防止剤として2,4‐ビス(n‐オクチルチオメチル)‐6‐メチルフェノール0.2部を添加した後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、60℃で24時間真空乾燥して、固形状の変性ブタジエンゴムを得た。この変性ブタジエンゴムについて、重量平均分子量、分子量分布、カップリング率、ビニル結合含有量、および、ムーニー粘度を測定したところ、それぞれ、「51万」、「1.46」、「28%」、「11質量%」および「46」であった。
表1から明らかなように、実施例1~10のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、標準例1に対して氷上性能および耐摩耗性能をバランスよく向上した。
一方、比較例1のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂4(未変性のクマロンインデン樹脂)が配合されているため、氷上性能および耐摩耗性を向上する効果が得られなかった。比較例2のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂5(酸変性石油系樹脂)が配合されているため、氷上性能を向上する効果が得られなかった。比較例3のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂2(酸変性クマロンインデン樹脂)の配合量が過少であるため、氷上性能および耐摩耗性を向上する効果が得られなかった。比較例4のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、樹脂2(酸変性クマロンインデン樹脂)の配合量が過多であるため、加工性が悪化した(そのため、試験片を作製することができず、氷上性能および耐摩耗性の評価が行えなかった)。比較例5のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、無機充填材(カーボンブラックおよびシリカ)の配合量が過少であるため、耐摩耗性が悪化した。比較例6のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物は、無機充填材(カーボンブラックおよびシリカ)の配合量が過多であるため、加工性が悪化した(そのため、試験片を作製することができず、氷上性能および耐摩耗性の評価が行えなかった)。

Claims (5)

  1. ブタジエンゴムを30質量%以上および天然ゴムを含むジエン系ゴム100質量部に対し、クマロン、インデン、およびスチレンの共重合体の酸変性物である共重合樹脂(a)が1~40質量部、無機充填材が10~150質量部配合され、前記共重合樹脂(a)の変性率が10%~100%であることを特徴とするスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  2. 前記共重合樹脂(a)のガラス転移温度が15℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記共重合樹脂(a)における酸変性基が無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ブタジエンゴムが変性ブタジエンゴムであることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物。
  5. 請求項1~のいずれかに記載のスタッドレスタイヤ用ゴム組成物をトレッド部に用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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