JP6999853B1 - 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 - Google Patents
区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6999853B1 JP6999853B1 JP2021128372A JP2021128372A JP6999853B1 JP 6999853 B1 JP6999853 B1 JP 6999853B1 JP 2021128372 A JP2021128372 A JP 2021128372A JP 2021128372 A JP2021128372 A JP 2021128372A JP 6999853 B1 JP6999853 B1 JP 6999853B1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- shaped member
- tape
- partition
- cover member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Installation Of Indoor Wiring (AREA)
- Building Environments (AREA)
Abstract
Description
[1]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造であって、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐシート状部材、及び、前記挿通体に一周以上巻き付けて配置されるテープ状部材の少なくともいずれかと、前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかを覆うカバー部材とを備え、前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有する、区画貫通処理構造。
[2]前記カバー部材が、前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかに連結し、金属箔及び金属箔複合体の少なくともいずれかである、[1]に記載の区画貫通処理構造。
[3]前記区画貫通部の内部に挿通体以外に、何も設けられず、また前記シート状部材、前記テープ状及び前記カバー部材以外の部材が単独で設けられない、[1]又は[2]に記載の区画貫通処理構造。
[4]前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが、内側に配置された粘着剤層又は耐火材層、外側から巻かれた紐状部材又は粘着テープ、及び、外側から設置された固定部材の少なくともいずれかによって前記挿通体及び前記仕切り部の少なくともいずれかに固定される、[1]~[3]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[5]前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかと前記カバー部材とを備える区画貫通処理材が、前記仕切り部の両側に設けられる[1]~[4]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[6]前記シート状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが、前記挿通体及び前記仕切り部に接する、[1]~[5]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[7]前記シート状部材の前記対向する面と反対側の面に金属箔複合体が積層されている、[1]~[6]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[8]前記シート状部材の前記対向する面と反対側の面、及び前記テープ状部材の少なくともいずれかが、前記カバー部材で覆われ、外部から視認不可能である、[1]~[7]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[9]前記シート状部材と前記カバー部材との間に空隙がある、[1]~[8]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[10]前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが吸音層を有する、[1]~[9]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[11]前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが遮音層を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[12]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を耐火構造とする区画貫通処理構造であって、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙を塞ぐ多層構造を備え、前記多層構造は、前記区画貫通部の前記開口を通る前記挿通体の軸方向における断面において、基材層、耐火材層及び空気層を含み、少なくとも3層積層されていている、区画貫通処理構造。
[13]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするために用いる区画貫通処理材であって、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐシート状部材、及び、前記挿通体に一周以上巻き付けて配置されるテープ状部材の少なくともいずれかと、前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかを覆うカバー部材とを備え、前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有する、区画貫通処理材。
[14]前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが吸音層を有する、[13]に記載の区画貫通処理材。
[15]前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが遮音層を有する、[13]又は[14]に記載の区画貫通処理材。
[16]建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造の施工方法であって、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐようにシート状部材を設置する工程、及び、前記挿通体に一周以上テープ状部材を巻き付ける工程の少なくともいずれかと、前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかをカバー部材により覆う工程とを含み、前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有する、区画貫通処理構造の施工方法。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造は、図1に示すように、建築物の仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15を防火構造とする区画貫通処理構造である。
そして、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造に用いる区画貫通処理部材は、シート状部材3と、カバー部材5とを備える。
また、以下では、仕切り部13の一方の開口13C側における区画貫通処理構造の構成について説明するが、本実施形態では、他方の開口13D側における区画貫通処理構造の構成も同様であるのでその説明は省略する。
シート状部材3は、図1に示すように、挿通体21が内部に挿通されるためのスリット30を有し、スリット30の少なくとも1つがシート状部材3の外縁まで延在する。スリット30は、切込みにより形成される。シート状部材3は、外縁まで延在するスリット30を介して、挿通体21をシート状部材3の内部に挿入させることが可能である。なお、スリット30は、挿通体21が内部に挿通されるための孔と、孔からシート状部材3の外縁まで延在するスリット30とを有する形態であってもよい。
スリット30によって挿通体21が挿入されたシート状部材3は、図2に示すように、仕切り部11の外側から、開口13Cと挿通体21の間の間隙13Eを覆うように、外面11A上に配置され、それにより、開口13Cと挿通体21の間の間隙13Eがシート状部材3により塞がれる。シート状部材3は、仕切り部11の外面11A及び挿通体21の外周の両方に接するように配置される。
なお、耐火材層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmである。耐火材層がこれら上限値以下の厚みを有することで、シート状部材3に柔軟性が付与される。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
以上の構成により、シート状部材3とは別部材としての固定部材を使用しなくても、シート状部材3を仕切り部11に固定させることができる。また、耐火材層自体に粘着性を持たせることで、粘着剤層を設けなくてもよいので、シート状部材3の構成をより簡素化できる。
なお、シート状部材3は、その最外面に粘着性を有する耐火材層、又は粘着剤層が設けられる場合、その最外面に剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に最外面から剥離されるとよい。
不燃材料層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。不燃材料層がこれら上限値以下の厚みを有することで、シート状部材3に柔軟性が付与される。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
粘着剤層は、粘着剤により形成されるとよく、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。粘着剤層は、不燃性、準不燃性、又は難燃性であってもよく、使用する粘着剤に難燃剤などを配合してもよい。粘着剤層の厚みは、例えば5~400μm、好ましくは10~150μmである。
また、3層構造は、粘着剤層を有するものとして、不燃材料層/耐火材層/粘着剤層、基材/耐火材層/粘着剤層、基材/不燃材料層/粘着剤層などが挙げられる。また、3層構造としては、不燃材料層/基材/耐火材層、基材/不燃材料層/耐火材層、基材/耐火材層/不燃材料層などの粘着剤層が設けられないものも挙げられる。
また、4層以上の構造としては、上記粘着剤層が設けられない3層構造の最外層としてさらに粘着剤層が設けられたものなどが挙げられる。代表的には、粘着剤層/不燃材料層/基材/耐火材層、不燃材料層/基材/耐火材層/粘着剤層、基材/不燃材料層/耐火材層/粘着剤層、基材/耐火材層/不燃材料層/粘着剤層などが挙げられる。
また、以上の多層構造においては、互いに隣接する、不燃材料層と耐火材層、不燃材料層と基材、耐火材層と基材は、公知の接着剤により接着されてもよく、したがって、上記各積層構造において、上記各層の間には接着剤層が設けられてもよい。
なお、多層構造において、シート状部材3は、その全体において同じ層構成を有していてもよいが、部分的に異なる構造を有してもよい。例えば、粘着剤層が、シート状部材3の一部に設けられ、一部が単層構造で、一部が多層構造でもよい。
カバー部材5は、シート状部材3に連結するように設けられ、仕切り部11に設けられたシート状部材3を覆う部材である。カバー部材5がシート状部材3の少なくとも一部に連結するように設けられる手段としては、例えば、接着剤、粘着剤及び粘着テープ、並びに、タッカー、ビス等の固定部材などの公知の固定手段によって固定される手段が挙げられる。ここで、接着剤、粘着剤及び粘着テープは、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料のいずれかであることが好ましく、接着剤、粘着剤などに難燃剤などを配合するとよい。
カバー部材5は、シート状であり、かつ、変形できることで、シート状部材3を容易に覆うことが可能である。
また、カバー部材5は、区画貫通部15の開口13Cを覆う部分が、挿通体21を接するように包囲し、かつ外側から巻かれた粘着テープによって挿通体21に固定される。粘着テープは、テープ基材とテープ基材の一方の面に設けられた粘着剤層を有するとよい。テープ基材としては、紙、樹脂フィルム、布などが使用できるし、上記した不燃材料を使用してもよい。また、粘着剤層としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。また、粘着剤には、公知の難燃剤などを配合してもよい。
カバー部材5は、区画貫通部15の開口13Cを覆う部分が、挿通体21を接するように包囲し、かつ外側から設置されたタッカー、ビスなどの固定部材によって挿通体21に固定されてもよい。
シート状部材3とカバー部材5との間に空隙40があり、カバー部材5が挿通体21の軸方向の動きに対して裕度を持って固定される構成としては種々の形態を取り得る。例えば、カバー部材5の少なくとも一部が屈曲ないし湾曲できるような柔軟性や伸縮性を有する材料による構成、及び、カバー部材5の少なくとも一部が挿通体21に対してたるみを有するように固定する構成等が挙げられる。
なお、耐火材層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmである。耐火材層がこれら上限値以下の厚みを有することで、カバー部材5に柔軟性が付与される。したがって、カバー部材5が耐火材層を有していても、挿通体21の外周に巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
以上の構成により、カバー部材5とは別部材としての固定部材を使用しなくても、カバー部材5を仕切り部11又は挿通体21に固定させることができる。また、耐火材層自体に粘着性を持たせることで、粘着剤層を設けなくてもよいので、カバー部材5の構成をより簡素化できる。
なお、カバー部材5は、その最外面に粘着性を有する耐火材層、又は粘着剤層が設けられる場合、その最外面に剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に最外面から剥離されるとよい。
カバー部材5としては、具体的には、アルミニウム箔などの金属箔、ガラスクロス、アルミガラスクロスなどの金属箔とガラスクロスの複合体である金属箔複合体などが挙げられる。これらのなかでは、防火性の観点からアルミガラスクロスが好ましい。
不燃材料層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。不燃材料層がこれら上限値以下の厚みを有することで、カバー部材5に柔軟性が付与される。したがって、カバー部材5は、例えば、不燃材料層を有していても、挿通体21の外周に密着させながら巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
以下、耐火材層などの耐火材に使用される熱膨張性樹脂組成物についてより詳細に説明する。熱膨張性樹脂組成物は、樹脂成分と、熱膨張性材料を含有する。熱膨張性部材が、樹脂成分を含有する熱膨張性樹脂組成物により形成されることで、シート状部材3、カバー部材5、及び後述するテープ状部材4の湾曲や変形が容易となる。
熱膨張性材料としては、加熱することにより発泡する発泡剤、バーミキュライト、熱膨張性黒鉛などの熱膨張性層状無機物が挙げられ、中でも熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性黒鉛を使用することで、火災の加熱により適切に膨張され、また、膨張後の膨張残渣の機械強度が優れ、耐火性を良好にしやすくなる。なお、ここでいう熱膨張性材料とは、後述する成形などによって実質的に膨張せず、熱膨張性樹脂組成物は、耐火材において熱膨張性が維持される。
また、熱膨張性材料の膨張開始温度は、所定量(例えば、100mg)の熱膨張性材料を一定の昇温速度(例えば、10℃/分)で昇温させ、法線方向の力が立ち上がる温度を計測することにより測定可能である。測定装置としては測定温度制御が可能であり、かつ法線方向の応力を測定できるものであればよく、例えばレオメーターを使用すればよい。
熱膨張性部材の膨張倍率は3倍以上であることが好ましく、10倍以上が好ましい。膨張倍率の上限は、特に限定されないが、例えば50倍である。なお、膨張倍率は、熱膨張性部材を電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)により算出するとよい。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリオレフィン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン-プロピレン-ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げられる。
硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分は、1種であってもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
可塑剤は一種もしくは二種以上を使用することができる。
熱膨張性樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば0.3質量部以上150質量部以下の範囲であり、好ましくは10質量部以上100質量部以下の範囲である。
可塑剤は、これら下限値以上とすると、成形性が良好になりやすく、上限値以下となると、成形体に適度な強度が付与される。
なお、樹脂成分と可塑剤の合計含有量とは、樹脂成分と可塑剤の両方が含有される場合には、これらの合計含有量を意味し、可塑剤を含有しない場合には樹脂成分単独の含有量を意味する。
本発明に使用される熱膨張性黒鉛は、酸処理して得られた熱膨張性黒鉛がアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和されたものなども使用することもできる。
脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
無機充填材を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における無機充填材の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましく3質量部以上200質量部以下の範囲であり、より好ましくは10質量部以上150質量部以下の範囲である。
また本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等の熱膨張性樹脂組成物に一般的に使用される添加剤が添加されてもよい。これらの中では加工助剤を使用することが好ましい。
必要に応じて希釈された熱膨張性樹脂組成物は、基材、不燃材料、剥離シートなどの支持体に塗布し、適宜乾燥、硬化などされて、支持体の一方の面上に耐火材層(熱膨張性部材)が形成されるとよい。また、押出成形など公知の方法により支持体の一方の面上に耐火材層が形成されてもよい。剥離シート上に形成された耐火材層は、剥離シートから剥離することで、耐火材層単層からなるシート状部材、テープ状部材とするとよい。また、剥離シートから剥離した後に別の層上に積層することで、多層構造のシート状部材、テープ状部材を得るとよい。また、剥離シート上、又は他の支持体上に積層された状態のまま、他の層に積層されてもよい。
また、上記で説明した通り、区画貫通処理構造10は、図1に示すように、シート状部材3とカバー部材5の一体物を用意して、その一体物におけるシート状部材3により区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐように設置する。次いで、シート状部材3をカバー部材5により覆い、カバー部材5の一部を挿通体21に固定することで施工できる。したがって、その施工が容易である。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、シート状部材3及びカバー部材5により防火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
すなわち、シート状部材3が、耐火材層を有する場合には、耐火材層として機能し、シート状部材3が不燃材料層又は基材を有する場合には、シート状部材3が基材層として機能する。また、シート状部材3が耐火材層及び不燃材料層又は基材の両方を備える場合には、シート状部材3は、耐火材層及び基材層として機能する。
また、カバー部材5が基材層(すなわち、不燃材料層又は不燃材料以外の基材)を有する場合には、カバー部材5が基材層として機能する。また、カバー部材5が耐火材層を有する場合、カバー部材5は耐火材層として機能する。また、カバー部材5が耐火材層及び基材層を有する場合には、カバー部材5が耐火剤層及び基材層として機能する。そして、シート状部材3とカバー部材5との間の空隙40が空気層として機能する。
本実施形態では、上記の多層構造を有することで、耐火材層が膨張することで耐火性を発揮し、基材層が耐火材層を支持して区画貫通処理構造10における耐火材層の膨張残渣等の位置を維持することで耐火性を保持する。また、空気層が断熱性を向上させたり、耐火剤層が膨らんだときの裕度を持たせたりする機能を発揮する。
図2及び図3で示した区画貫通処理構造10では、カバー部材5は、シート状部材3から外側に向かって延在する4つの延在部とする態様を示したが、図3に示すように、これらは一体的に設けられ、シート状部材3よりも一回り大きいシート状の部材でもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。第2の実施形態において、第1の実施形態と相違する点は、図5及び図6に示すように、区画貫通処理材がテープ状部材4及びカバー部材5を備える構成である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、説明を省略する部分は、第1の実施形態と同様である。また、以下の説明では、上記第1の実施形態と同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
なお、カバー部材5そのものの構造の詳細は、第1の実施形態と同様であり、テープ状部材4及びカバー部材5は、少なくともいずれか一方が耐火材を有する。
テープ状部材4は、図5及び図6に示すように、挿通体21の外周に一周以上巻き付けられた状態となる。これにより、テープ状部材4には端面4Aが形成され、端面4Aは、開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐことが可能となる。
なお、耐火材層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmである。耐火材層がこれら上限値以下の厚みを有することで、テープ状部材4に柔軟性が付与される。したがって、例えば、テープ状部材4が耐火材層を有していても、挿通体21の外周に密着させながら巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
以上の構成により、テープ状部材4とは別部材としての固定部材を使用しなくても、テープ状部材4を挿通体21に固定させることができる。また、耐火材層自体に粘着性を持たせることで、粘着剤層を設けなくてもよいので、テープ状部材4の構成をより簡素化できる。
なお、テープ状部材4は、その最外面に粘着性を有する耐火材層、又は粘着剤層が設けられる場合、その最外面に剥離シートが貼付されてもよい。剥離シートは、使用時に最外面から剥離されるとよい。
不燃材料層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。不燃材料層がこれら上限値以下の厚みを有することで、テープ状部材4に柔軟性が付与される。したがって、テープ状部材4は、例えば、不燃材料層を有していても、挿通体21の外周に密着させながら巻き付けることができる。また、下限値以上の厚みを有することで、防火性能を確保しやすくなる。
粘着剤層は、粘着剤により形成されるとよく、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。粘着剤層は、不燃性、準不燃性、又は難燃性であってもよく、使用する粘着剤に難燃剤などを配合してもよい。粘着剤層の厚みは、例えば5~400μm、好ましくは10~150μmである。
また、3層構造は、粘着剤層を有するものとして、不燃材料層/耐火材層/粘着剤層、基材/耐火材層/粘着剤層、基材/不燃材料層/粘着剤層などが挙げられる。また、3層構造としては、不燃材料層/基材/耐火材層、基材/不燃材料層/耐火材層、基材/耐火材層/不燃材料層などの粘着剤層が設けられないものも挙げられる。
また、4層以上の構造としては、上記粘着剤層が設けられない3層構造の最外層としてさらに粘着剤層が設けられたものなどが挙げられる。代表的には、粘着剤層/不燃材料層/基材/耐火材層、不燃材料層/基材/耐火材層/粘着剤層、基材/不燃材料層/耐火材層/粘着剤層、基材/耐火材層/不燃材料層/粘着剤層などが挙げられる。
また、以上の多層構造においては、互いに隣接する、不燃材料層と耐火材層、不燃材料層と基材、耐火材層と基材は、公知の接着剤により接着されてもよく、したがって、上記各積層構造において、上記各層の間には接着剤層が設けられてもよい。
なお、多層構造において、テープ状部材4は、その全体において同じ層構成を有していてもよいが、部分的に異なる構造を有してもよい。例えば、粘着剤層が、テープ状部材4の一部に設けられ、一部が単層構造で、一部が多層構造でもよい。
カバー部材5は、テープ状部材4に連結するように設けられ、仕切り部11に設けられたテープ状部材4を覆う部材である。カバー部材5がテープ状部材4の少なくとも一部に連結するように設けられる手段としては、例えば、接着剤、粘着剤及び粘着テープ、並びに、タッカー、ビス等の固定部材などの公知の固定手段によって固定される手段が挙げられる。ここで、接着剤、粘着剤及び粘着テープは、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料のいずれかであることが好ましく、接着剤、粘着剤などに難燃剤などを配合するとよい。
カバー部材5は、シート状であり、かつ、変形することで、シート状部材3を容易に覆うことが可能である。
以上の構成により、カバー部材5と挿通体21の間には、隙間が設けられることがあるが、そのような隙間はテープ状部材4により塞がれる。そのため、区画貫通部15の開口13Cと、挿通体21の間の隙間13Eは、その全体が、テープ状部材4及びカバー部材5により塞がれることになる。
また、上記で説明した通り、区画貫通処理構造10は、挿通体21に一周以上テープ状部材4を巻き付け、テープ状部材4によって、区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐように設置し、次いで、テープ状部材4を覆うようにカバー部材5を設置し、カバー部材5の一部を挿通体21に固定することで施工できる。したがって、その施工が容易である。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、テープ状部材4及びカバー部材5により防火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
すなわち、テープ状部材4が、耐火材層を有する場合には、耐火材層として機能し、テープ状部材4が不燃材料層又は基材を有する場合には、テープ状部材4が基材層を構成する。また、テープ状部材4が耐火材層及び不燃材料層又は基材を備える場合には、テープ状部材4は、耐火材層及び基材層として機能する。
また、カバー部材5が基材層(すなわち、不燃材料層又は不燃材料以外の基材)を有する場合には、カバー部材5が基材層として機能する。また、カバー部材5が耐火材層を有する場合、カバー部材5は耐火材層として機能する。また、カバー部材5が耐火材層及び基材層を有する場合には、カバー部材5が耐火剤層及び基材層として機能する。そして、テープ状部材4とカバー部材5との間の空隙40が空気層として機能する。
本実施形態では、多層構造を有することで、耐火材層が膨張することで耐火性を発揮し、基材層が耐火材層を支持して区画貫通処理構造10における耐火材層の残渣等の位置を維持することで耐火性を保持し、空気層が断熱性を向上させたり、耐火剤層が膨らんだときの裕度を持たせたりする機能を発揮する。
また、図5及び図6で示した区画貫通処理構造10では、テープ状部材4の端面4Aが、開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐ態様を示したが、図7に示すように、テープ状部材4の端面4Aが、間隙13Eを塞ぐことがない態様であってもよい。この態様においては、テープ状部材4は、熱膨張性部材からなる層を有し、テープ状部材4が加熱された際には膨張したテープ状部材4の端面4Aが間隙13Eを塞ぐ態様であることが好ましい。
また、図5及び図6で示した区画貫通処理構造10では、テープ状部材4とカバー部材5が別体である態様を示したが、図8に示すように、テープ状部材4とカバー部材5とは一体物であってもよい。すなわち、カバー部材5の一方の面上に、テープ状部材4が積層される構造を有してもよい。このような構造においては、テープ状部材4が耐火材層を有することが好ましく、カバー部材5が不燃材料層を有することが好ましい。テープ状部材4とカバー部材5が不燃材料層及び耐火材層の組み合わせとすることにより、テープ状部材4とカバー部材5を一体的に容易に製造できる。また、カバー部材5のテープ状部材4が設けられる側の面には、粘着剤層が設けられてもよく、この粘着剤層により容易に挿通体21に固定可能となる。
第2の実施形態の第2の変形例における区画貫通処理構造10は、テープ状部材4は、挿通体21の外周に一周以上巻き付けられた状態とすることで、テープ状部材4の仕切り部11側に形成される端面によって、開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐことが可能となる。そして、テープ状部材4と一体に設けられたカバー部材5を、挿通体21に接するように包囲し、挿通体21に固定することで、カバー部材5は、テープ状部材4を覆うことになり、テープ状部材4を外部から視認不可能とする。
次に、本発明の第3の実施形態について詳細に説明する。第3の実施形態において、第1,2の実施形態と相違する点は、図9及び図10に示すように、区画貫通処理材が、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5を備える構成である。以下、第3の実施形態について、第1,2の実施形態との相違点を説明する。また、説明を省略する部分は、第1,2の実施形態と同様である。また、以下の説明では、上記第1,2の実施形態と同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
なお、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5そのものの構造の詳細は、第1,2の実施形態と同様であり、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5は、少なくともいずれかが耐火材を有する。
以上の構成により、シート状部材3と挿通体21の間には、隙間が設けられることがあるが、そのような隙間はテープ状部材4により塞がれる。そのため、区画貫通部15の開口13Cと、挿通体21の間の隙間13Eは、その全体が、シート状部材18及びテープ状部材19により塞がれることになる。
また、上記で説明した通り、区画貫通処理構造10は、区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐようにシート状部材3を設置する。次いで、挿通体21に一周以上テープ状部材4を巻き付け、テープ状部材4によって、区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐように設置する。次いで、シート状部材3及びテープ状部材4の両方をカバー部材5により覆い、カバー部材5の一部を挿通体21に固定することで施工できる。したがって、その施工が容易である。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5により防火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
すなわち、シート状部材3、テープ状部材4、及びカバー部材5それぞれは、上記の通り、耐火材層を有する場合には、耐火材層として機能し、不燃材料層又は基材を有する場合には基材層として機能し、また、耐火材層及び不燃材料層又は基材の両方を備える場合には、耐火材層及び基材層として機能する。そして、シート状部材3及びテープ状部材4とカバー部材5との間の空隙40が空気層として機能する。
本実施形態でも、多層構造を有することで、耐火材層が膨張することで耐火性を発揮し、基材層が耐火材層を支持して区画貫通処理構造10における耐火材層の残渣等の位置を維持することで耐火性を保持し、空気層が断熱性を向上させたり、耐火剤層が膨らんだときの裕度を持たせたりする機能を発揮する。
本発明は、以上の第1~第3の実施形態の構成に限定されず、本発明の技術思想を逸脱しない限りいかなる改良、変更を行ってもよい。
例えば、上記第1~第3の実施形態において区画貫通処理材は、シート状部材3及びテープ状部材4の少なくともいずれかに連結し、区画貫通部15の内部に配置される部材を有してもよい。そのような部材として、例えば、耐火材、付属品が挙げられる。
その具体例として、第1の実施形態の変形例を図11に示し、第2の実施形態の変形例を図12に示す。耐火材としては、図11及び図12に示すようなブロック状の耐火材60が例えば使用され、そのブロック状の耐火材60が、シート状部材3又はテープ状部材4に連結するとよい。連結する態様は、特に限定されないが、例えば、シート状部材3又はテープ状部材4の一方の面に積層されてもよいし、シート状部材3又はテープ状部材4の端面に連結されてもよい。耐火材60は、上記の通り、加熱により膨張する熱膨張性部材からなることが好ましく、中でも熱膨張性樹脂組成物より形成されることが好ましい。
吸音層は、グラスウール、ロックウール、軟質ウレタンフォーム、セラミックファイバー、セルロースファイバー、及びニードルパンチマットなどにより構成することができる。
吸音層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmである。吸音層がこれら上限値以下の厚みを有することで、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5の設置を容易にすることができる。また、吸音層がこれら下限値以上の厚みを有することで、吸音性能を確保しやすくなる。
遮音層は、アスファルトシート、オレフィンシート、及び鉄系軟質シートなどにより構成することができる。また、遮音層は、炭酸カルシウムなどの無機フィラーを高充填した樹脂材料によっても構成することができる。具体的には、オレフィン系樹脂100質量部に対して、無機フィラーを300~600質量部含有する樹脂組成物から構成されることが好ましく、350~550質量部含有する樹脂組成物から構成されることがより好ましく、400~500質量部含有する樹脂組成物から構成されることがさらに好ましい。このように、無機フィラーを高充填した樹脂材料は、単位体積当たりの質量が大きくなることによって、遮音効果を効果的に発揮する。
遮音層の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1~10mm、好ましくは0.5~5mmである。遮音層がこれら上限値以下の厚みを有することで、シート状部材3、テープ状部材4及びカバー部材5の設置を容易にすることができる。また、遮音層がこれら下限値以上の厚みを有することで、遮音性能を確保しやすくなる。
本発明の第4の実施形態に係る区画貫通処理構造10は、図13~15に示すように、仕切り部11に設けられる区画貫通部15の開口13Cと挿通体21との間の間隙13Eを塞ぐ多層構造100を備える。
多層構造100は、区画貫通部15の開口13Cを通る挿通体21の軸方向Dにおける断面において、基材層110、耐火材層120及び空気層130を含み、少なくとも3層積層された構造である。
基材層110は、図13及び図14に示すように、空気層130を介して耐火材層120上に配置され、耐火材層120を覆う層とすることができる。また、基材層110は、図15に示すように、耐火材層120上に積層し、かつ耐火材層120を覆い、さらに、耐火材層120を支持する層の構成とすることができる。
基材層110は、耐火材層120を覆い、耐火材層120を外部から視認不可能とすることが好ましい。基材層110を設置することで、開口13Cを覆うことになり、区画貫通部15のデザイン性を良好とすることができ、かつ、区画貫通部15の耐火性能を向上させることができる。さらに、基材層110は、耐火材層120が熱膨張した際に、膨張残渣を保持する機能を有する。
基材層110は、単層に限られず、複数層からなるものでもよい。複数層からなる基材層110は、同種のものが複数積層するものでもよく、異種のものが複数積層するものでもよい。
基材層110の厚みは、例えば0.01~1mm、好ましくは0.05~0.5mmである。
また、基材層110は、区画貫通部15の開口13Cを覆う部分が、挿通体21を接するように包囲し、かつ外側から巻かれた粘着テープによって挿通体21に固定される。粘着テープは、基材と基材の一方の面に設けられた粘着剤層を有するとよい。基材としては、紙、樹脂フィルム、布などが使用できるし、上記した不燃材料を使用してもよい。また、粘着剤層としては、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン樹脂系粘着剤等を用いることができる。また、粘着剤には、公知の難燃剤などを配合してもよい。
基材層110は、区画貫通部15の開口13Cを覆う部分が、挿通体21を接するように包囲し、かつ外側から設置されたタッカー、ビスなどの固定部材によって挿通体21に固定されてもよい。
耐火材層120は、耐火材層単層からなってもよいが、複数層の耐火剤層からなってもよいし、耐火材層以外の層が積層されてもよい。例えば、耐火剤層に不燃材料層などの基材層が積層されてもよいし、粘着剤層などが積層されてもよい。
空気層130は、区画貫通処理構造10における断熱性を付与する機能を発揮する。また、耐火材層120の耐火性を発揮するための裕度を保持することもできる。
本明細書における空気層130とは、区画貫通部15の開口13Cを通る挿通体21の軸方向Dにおける断面において、基材層110と、耐火材層120との間に設けられた空間(図13、14参照)、又は、基材層110及び耐火材層120と、仕切り部11の外面11Aとの間に設けられた空間(図15参照)のことをいう。
また、本実施形態では、区画貫通部15の開口13C内部の間隙13Eが多層構造により塞がれ、かつ多層構造を構成する耐火材層が少なくとも耐火性を有することで区画貫通部処理構造10に適切な防火性能を付与できる。
また、本実施形態では、耐火パテ、ロックウールなどの充填材を区画貫通部15の内部に配置することなく、多層構造により防火構造が形成されるので、作業者によるバラつきが生じることもない。
さらに、第4の実施形態では、基材層110及び耐火材層120の少なくともいずれかが吸音層又は遮音層を有する構成とすることもできる。吸音層及び遮音層の詳細は、上記の通りである。
4 テープ状部材
5 カバー部材
11 仕切り部
12A,12B 壁材
13 中空部
13A,13B 貫通孔
13C,13D 開口
13E 間隙
15 区画貫通部
21 挿通体
22 紐状部材
30 スリット
40 空隙
50 スリット
60 耐火材
100 多層構造
110 基材層
120 耐火材層
130 空気層
Claims (15)
- 建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造であって、
前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐシート状部材、及び、前記挿通体に一周以上巻き付けて配置されるテープ状部材の少なくともいずれかと、
前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかを覆うカバー部材とを備え、
前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有し、
前記カバー部材が、前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかに連結し、金属箔及び金属箔複合体の少なくともいずれかである、区画貫通処理構造。 - 前記区画貫通部の内部に挿通体以外に、何も設けられず、また前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材以外の部材が単独で設けられない、請求項1に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが、内側に配置された粘着剤層又は耐火材層、外側から巻かれた紐状部材又は粘着テープ、及び、外側から設置された固定部材の少なくともいずれかによって前記挿通体及び前記仕切り部の少なくともいずれかに固定される、請求項1又は2に記載の区画貫通処理構造。
- 前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかと前記カバー部材とを備える区画貫通処理材が、前記仕切り部の両側に設けられる請求項1~3のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが、前記挿通体及び前記仕切り部に接する、請求項1~4のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材の前記仕切り部と対向する面と反対側の面に金属箔複合体が積層されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材の前記仕切り部と対向する面と反対側の面、及び前記テープ状部材の少なくともいずれかが、前記カバー部材で覆われ、外部から視認不可能である、請求項1~6のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材と前記カバー部材との間に空隙がある、請求項1~7のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが吸音層を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが遮音層を有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を耐火構造とする区画貫通処理構造であって、
前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙を塞ぐ多層構造を備え、
前記多層構造は、前記区画貫通部の前記開口を通る前記挿通体の軸方向における断面において、基材層、耐火材層及び空気層を含み、少なくとも3層積層されてなり、
前記多層構造は、前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐシート状部材、及び、前記挿通体に一周以上巻き付けて配置されるテープ状部材の少なくともいずれかと、前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかを覆うカバー部材とにより構成され、
前記カバー部材が、前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかに連結し、金属箔及び金属箔複合体の少なくともいずれかである、区画貫通処理構造。 - 建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするために用いる区画貫通処理材であって、
前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐシート状部材、及び、前記挿通体に一周以上巻き付けて配置されるテープ状部材の少なくともいずれかと、
前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかを覆うカバー部材とを備え、
前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有し、
前記カバー部材が、前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかに連結し、金属箔及び金属箔複合体の少なくともいずれかである、区画貫通処理材。 - 前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが吸音層を有する、請求項12に記載の区画貫通処理材。
- 前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが遮音層を有する、請求項12又は13に記載の区画貫通処理材。
- 建築物の仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とする区画貫通処理構造の施工方法であって、
前記仕切り部に設けられる前記区画貫通部の開口と前記挿通体との間の間隙の少なくとも一部を塞ぐようにシート状部材を設置する工程、及び、前記挿通体に一周以上テープ状部材を巻き付ける工程の少なくともいずれかと、
前記シート状部材及び前記テープ状部材の少なくともいずれかをカバー部材により覆う工程とを含み、
前記シート状部材、前記テープ状部材及び前記カバー部材の少なくともいずれかが耐火材を有し、
前記カバー部材が、前記テープ状部材及び前記シート状部材の少なくともいずれかに連結し、金属箔及び金属箔複合体の少なくともいずれかである、区画貫通処理構造の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021208632A JP2022044595A (ja) | 2020-08-06 | 2021-12-22 | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020133752 | 2020-08-06 | ||
JP2020133752 | 2020-08-06 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021208632A Division JP2022044595A (ja) | 2020-08-06 | 2021-12-22 | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP6999853B1 true JP6999853B1 (ja) | 2022-01-19 |
JP2022031218A JP2022031218A (ja) | 2022-02-18 |
Family
ID=80323733
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021128372A Active JP6999853B1 (ja) | 2020-08-06 | 2021-08-04 | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 |
JP2021208632A Pending JP2022044595A (ja) | 2020-08-06 | 2021-12-22 | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 |
Family Applications After (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021208632A Pending JP2022044595A (ja) | 2020-08-06 | 2021-12-22 | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6999853B1 (ja) |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007002944A (ja) | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Cci Corp | 防音管体及びその防音管体の配設方法 |
JP2007154566A (ja) | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Sekisui Chem Co Ltd | 防火区画貫通部構造 |
JP2007312599A (ja) | 2004-11-17 | 2007-11-29 | Sekisui Chem Co Ltd | 区画体の貫通部構造 |
JP2011052448A (ja) | 2009-09-01 | 2011-03-17 | Sekisui Chem Co Ltd | 防火区画貫通部構造 |
JP2015057560A (ja) | 2013-08-13 | 2015-03-26 | 三菱重工業株式会社 | シール構造、このシール構造を備える原子炉建屋、この原子炉建屋を備える原子力発電プラント、及び、シール構造の施工方法 |
JP2017172748A (ja) | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 三菱重工業株式会社 | 建屋貫通部のシール構造、該シール構造を備えた建屋、及び該建屋を備えた発電プラント |
-
2021
- 2021-08-04 JP JP2021128372A patent/JP6999853B1/ja active Active
- 2021-12-22 JP JP2021208632A patent/JP2022044595A/ja active Pending
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007312599A (ja) | 2004-11-17 | 2007-11-29 | Sekisui Chem Co Ltd | 区画体の貫通部構造 |
JP2007002944A (ja) | 2005-06-24 | 2007-01-11 | Cci Corp | 防音管体及びその防音管体の配設方法 |
JP2007154566A (ja) | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Sekisui Chem Co Ltd | 防火区画貫通部構造 |
JP2011052448A (ja) | 2009-09-01 | 2011-03-17 | Sekisui Chem Co Ltd | 防火区画貫通部構造 |
JP2015057560A (ja) | 2013-08-13 | 2015-03-26 | 三菱重工業株式会社 | シール構造、このシール構造を備える原子炉建屋、この原子炉建屋を備える原子力発電プラント、及び、シール構造の施工方法 |
JP2017172748A (ja) | 2016-03-25 | 2017-09-28 | 三菱重工業株式会社 | 建屋貫通部のシール構造、該シール構造を備えた建屋、及び該建屋を備えた発電プラント |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2022044595A (ja) | 2022-03-17 |
JP2022031218A (ja) | 2022-02-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004232452A (ja) | 防火区画貫通部構造、及び防火区画貫通部の施工方法 | |
JP7016922B2 (ja) | 防火性建具 | |
JP3148209U (ja) | 区画体の貫通部構造 | |
JP2024060008A (ja) | 区画貫通処理構造及び区画貫通処理材 | |
JP2023174673A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP6999853B1 (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP6999854B1 (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2017020205A (ja) | 熱膨張性耐火材、開口枠体、および建具 | |
JP2022108673A (ja) | 耐火性樹脂組成物 | |
JP2022054093A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2017207155A (ja) | 防火材及び区画貫通部の防火構造 | |
JP2023143163A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2023143164A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2023036480A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、区画貫通処理構造の施工方法及びカバー部材 | |
JP2022126531A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2023143165A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2024034787A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2021145868A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理部材及び区画貫通処理方法 | |
JP2024021733A (ja) | 区画貫通処理構造、区画貫通処理材、及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP2020191694A (ja) | 区画貫通構造、その施工方法、及び区画貫通構造キット | |
JP7243997B2 (ja) | 耐火材、及び構造部材の耐火構造 | |
JP7291026B2 (ja) | 区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材 | |
JP6832055B2 (ja) | 熱膨張性ブッシング | |
JP7377019B2 (ja) | 区画貫通処理充填部材、区画貫通処理構造及び区画貫通処理構造の施工方法 | |
JP7312047B2 (ja) | 区画貫通処理構造及び区画貫通処理構造の施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20210917 |
|
A871 | Explanation of circumstances concerning accelerated examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871 Effective date: 20210917 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20211026 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20211116 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20211130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211222 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6999853 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |