JP7291026B2 - 区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材 - Google Patents

区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材 Download PDF

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Description

本発明は、建築物などの仕切り部に用いる区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材に関する。
集合住宅、オフィスビル、学校等の建築物において、壁等の仕切り部には、ケーブル類、配管類などの長尺の挿通体を通すために、区画貫通部が設けられることがある。区画貫通部は、いずれかの区画で火災が発生した際に、他の区画への延焼を防止するために、防火措置を施した構造(防火構造)にすることが求められている。仕切り部は、2枚の壁部からなり、壁部間が中空部となっている中空壁が一般的である。
区画貫通部を防火構造とする方法は、例えば、長尺の挿通体と貫通孔の間隙に、耐火パテや、耐火パテを袋体内部に詰めた耐火パックなどの不定形充填材を充填する方法が知られている。不定形充填材を使用する場合、各壁部の貫通孔内部と、挿通体の間には、耐火材よりなる筒状部材などが合わせて配設されることもある(例えば、特許文献1、2参照)。
しかし、特許文献1に示されるように、各壁部の貫通孔の内周面と、挿通体の間を耐火パテによって塞ぐ場合には、作業性が悪く、作業者によって性能にばらつきが生じるという問題がある。特許文献2に示す耐火パックを使用すると、作業性は向上するものの、不定形充填材の容積が一定となってしまい、貫通孔の大きさによっては、貫通孔と挿通体の間を適切に塞ぐことができなくなるおそれがある。さらに、不定形充填材により貫通孔と挿通体の間を塞ぐ場合、中空壁においては、各壁部の貫通孔と挿通体の間を充填するために、中空壁の両側から作業を行う必要があり、作業性が低下する。
そこで、上記種々の問題を抱えている不定形充填材を充填する方法に代えて、スプレー及びコーキングガン等の液状の充填材を吐出し、貫通孔と挿通体の間を充填して塞ぐ方法(以下、「吐出充填法」と称す。)が提案されている(例えば、特許文献3参照)。スプレー及びコーキングガン等による吐出充填法によって、区画貫通部の充填が容易となり、作業性が向上する。
特許第6150933号公報 特許第6348320号公報 特許第6480775号公報
しかし、スプレー及びコーキングガン等により充填材を吐出する吐出充填法においては、充填対象である箇所以外にも充填材が飛散してしまうことがあり、充填対象周辺を汚してしまう問題がある。充填材が飛散して充填対象周辺を汚した場合は、汚した箇所を掃除しなければならず、掃除する作業が増えてしまうことによる作業性の低下が生じる。また、シート及びテープ等で養生することで、充填材が飛散して区画貫通部の開口周辺を汚すことを防止することはできるが、養生に費やす作業が増えることで作業性が低下してしまう問題がある。
そこで、本発明は、吐出充填法における区画貫通部の開口周辺の汚れを防ぎ、かつ作業性を低下させない区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造の施工方法であって、前記区画貫通部の一方の開口の周辺にシート状カバー材を広げる工程と、前記シート状カバー材が周辺に広げられた前記開口より前記区画貫通部の内部に充填材を充填する工程と、前記区画貫通部の内部を前記充填材で充填した後、前記シート状カバー材を前記挿通体の外周に固定する、又は、前記シート状カバー材を前記区画貫通部内に収納する工程とを含む区画貫通処理構造の施工方法。
[2]前記区画貫通部の内部に挿入部材を配置する工程をさらに含み、前記充填材が前記挿入部材の内部を充填する[1]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[3]前記挿入部材が、前記挿通体の軸方向において、前記充填材を受け止める受け部を有する[2]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[4]前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている[2]又は[3]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[5]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[2]~[4]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[6]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[2]~[5]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[7]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[1]~[6]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[8]前記充填材で前記区画貫通部の内部を充填する工程は、液状の前記充填材を吐出する工程を含む[1]~[7]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[9]前記充填材を充填する工程は、前記充填材をスプレーにより吐出することで充填する[1]~[8]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[10]前記充填材を充填する工程は、液状の前記充填材が硬化又は乾燥することで充填する[1]~[9]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[11]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造であって、前記区画貫通部の内部に充填された充填材と、前記区画貫通部の一方の開口の周囲に広げることが可能なシート状カバー材とを備え、前記シート状カバー材が、前記充填材を覆うように配置されて、前記挿通体の外周に固定され又は前記区画貫通部内部に収納される区画貫通処理構造。
[12]前記区画貫通部の内部に配置された挿入部材をさらに備える[11]に記載の区画貫通処理構造。
[13]前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている[12]に記載の区画貫通処理構造。
[14]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[12]又は[13]に記載の区画貫通処理構造。
[15]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[12]~[14]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[16]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[11]~[15]のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
[17]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするための区画貫通処理材であって、前記区画貫通部に挿入可能な挿入部材と、前記挿入部材に一体に形成され、前記挿入部材の外側に広げることが可能なシート状カバー材とを備える区画貫通処理材。
[18]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[17]に記載の区画貫通処理材。
[19]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[17]又は[18]に記載の区画貫通処理材。
[20]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[17]~[19]のいずれかに記載の区画貫通処理材。
本発明によれば、吐出充填法における区画貫通部の開口周辺の汚れを防ぎ、かつ作業性を低下させない区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法におけるシート状カバー材を広げる工程を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法における充填材を充填する工程を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法における充填材を充填する工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法におけるシート状カバー材を挿通体の外周に固定する工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法におけるシート状カバー材を区画貫通部内に収納する工程を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処理材を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法における充填材を充填する工程を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法における充填材を充填する工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法におけるシート状カバー材を挿通体の外周に固定する工程を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法におけるシート状カバー材を区画貫通部内に収納する工程を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る区画貫通処理構造の被覆機能部材を示す斜視図(その1)である。 本発明の第5の実施形態に係る区画貫通処理構造の被覆機能部材を配置した状態を示す断面図である。 本発明の第5の実施形態に係る区画貫通処理構造の被覆機能部材を示す斜視図(その2)である。 本発明のその他の実施形態に係る区画貫通処理構造の施工方法における施工対象を示す斜視図である。
以下、本発明について実施形態を用いてより詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、図1に示すように、仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15に設置した区画貫通処理構造の施工方法である。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で施工する仕切り部11は、建築物の壁面において区画間(第1の区画Aと、第2の区画B)を仕切る部材であり、仕切り部11の一方の外面11A側から他方の外面11B側に貫通する区画貫通部15を有する。本実施形態における仕切り部11は、中空壁であり、間隔(中空部13)を介して配置される2枚の壁材(仕切り材)12A,12Bから構成される。そのため、区画貫通部15は、一方の壁材12Aに形成された貫通孔13Aと、他方の壁材12Bに形成された貫通孔13Bと、これらの間にある中空部13によって構成される。そして、一方の壁材12Aの外面が仕切り部11の外面11Aを構成し、他方の壁材12Bの外面が仕切り部11の外面11Bを構成する。貫通孔13A、13Bは、後述する挿入部材2が挿入されたときに、挿入部材2の外周面が、貫通孔13A、13Bの内周面の形状に適合できるように、円形、楕円形、又は、これらに近似する形状を有すればよい。なお、外面11A、11Bそれぞれにおいて貫通孔13A、13Bは、仕切り部11に設けられた区画貫通部15の開口13C,13Dを構成する。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、まず、図1に示すように、区画貫通部15の一方の開口13Cの周辺にシート状カバー材3を広げる工程を経る。
区画貫通部15の一方の開口13Cの周辺にシート状カバー材3を広げることで、充填対象である箇所以外に飛散した充填材が仕切り部11に付着することを防止することができる。シート状カバー材3は、後述するように、挿入部材2とともに区画貫通材1として、区画貫通部15に取り付けられるとよい。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で用いるシート状カバー材3についての詳細を説明する。
シート状カバー材3は、充填対象である箇所以外に飛散した充填材が仕切り部11に付着することを防止することができる材質であれば特に制限はなく、例えば、金属系シート、繊維系シート及び樹脂系シート等が挙げられる。
金属系シートとしては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼及び銅等が挙げられ、これらの単体及びその合金を含む。
繊維系シートとしては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙及び板紙等が挙げられる。
樹脂系シートとしては、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。
シート状カバー材3は、上記のうちの2種以上のシートが積層された複合シートであってもよい。
シート状カバー材3は、後述するように吐出充填法により区間挿通部15を充填した後にも、区間挿通部15に留まることになることから、区間挿通部15に機能を付与することができる不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかを採用することが好ましい。シート状カバー材3は、機能を付与可能な材料からなる単層シートであってもよく、上記の金属系シート、繊維系シート及び樹脂系シート等のシートと組み合わせた複合シートであってもよい。
シート状カバー材3は、不燃材料を採用することで、区画貫通部15の難燃性を向上させることができ、防火構造をより強固なものとすることができる。シート状カバー材3における不燃材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。不燃材料としては、具体的には、アルミニウム箔などの金属箔、ガラスクロス、アルミガラスクロスなどの金属箔とガラスクロスの複合体などが挙げられる。これらのなかでは、防火性の観点からアルミガラスクロスが好ましい。
シート状カバー材3は、吸音材料、遮音材料を採用することで、区画貫通部15を介して他の区画で生じた音の伝播を減少させることができる。吸音材料、遮音材料としては、具体的には、グラスウール、ロックウール、フェルト、木毛板、ゴム状マット、ミネラル成分含有樹脂物及び発泡多孔質材などが挙げられる。これらのなかでは、遮音性の観点から発泡多孔質材が好ましい。
シート状カバー材3は、断熱材料を採用することで、区画貫通部15を介して他の区画からの熱移動、熱伝達を減少させることができる。断熱材料としては、具体的には、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、エアロゲル及びヒュームドシリカなどが挙げられる。これらのなかでは、断熱性の観点からウレタンフォームが好ましい。
シート状カバー材3の厚さは、後述するように吐出充填法により区間挿通部15を充填した後に、区間挿通部15の近傍に収納することになることから、屈曲ないし湾曲できるような柔軟性を発揮できる厚さであることが好ましい。
シート状カバー材3の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましく、0.05mm以上5mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがさらに好ましい。
シート状カバー材3の外面11A上での延在面積は、充填対象である箇所以外に飛散した充填材が仕切り部11に付着することを防止することができる大きさであれば特に制限はない。スプレーによる吐出充填法においては、飛散する充填材の範囲が比較的大きくなるので、シート状カバー材3の外面11A上での延在面積は、例えば、0.2m以上4.8m以下であることが好ましく、0.4m以上2.4m以下であることがより好ましく、0.8m以上1.2m以下であることがさらに好ましい。また、コーキングガンによる吐出充填法においては、飛散する充填材の範囲が比較的小さく抑えることができるので、シート状カバー材3の外面11A上での延在面積は、例えば、0.3m以上1.7m以下であることが好ましく、0.6m以上1.4m以下であることがより好ましく、0.9m以上1.1m以下であることがさらに好ましい。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、次いで、図2に示すように、シート状カバー材3が周辺に広げられた開口13Cより区画貫通部15の内部に充填材5を充填する工程を経る。図3に示すように、区画貫通部15の内部に充填材5を充填することで、区間挿通部15を充填材で充填して防火構造とする。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法において、区画貫通部15の内部に充填材5を充填する方法としては、液状の充填材5を吐出する吐出充填法が好適であり、具体的には、スプレー及びコーキングガンを用いた吐出充填法が好ましく、スプレーを用いた吐出充填法がより好ましい。区画貫通部15の内部に吐出された液状の充填材5は、硬化又は乾燥することで区画貫通部15の内部を充填することができる。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で用いる充填材5についての詳細を説明する。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で用いる充填材5は、区間挿通部15を充填して防火構造とすることが可能な材料であれば特に限定はなく、例えば、熱膨張性材料及び不燃発泡ウレタン等が挙げられる。充填材5としては、火災等により加熱されたときに、区間挿通部15内で膨張することにより、耐火性を向上させることができる熱膨張性材料を採用することが好ましい。
熱膨張性材料としては、加熱することにより発泡する発泡剤、バーミキュライト、熱膨張性黒鉛などの熱膨張性層状無機物が挙げられ、中でも熱膨張性黒鉛が好ましい。熱膨張性黒鉛を使用することで、火災の加熱により適切に膨張され、また、膨張後の膨張残渣の機械強度が優れ、耐火性を良好にしやすくなる。
熱膨張性材料の膨張開始温度は、特に限定されないが、例えば、150~350℃であることが好ましく、170~300℃であることがより好ましく、180~280℃であることが更に好ましい。これら下限値以下とすることで、火災以外の加熱により、熱膨張性材料が誤って膨張することを防止する。また、上限値以下とすることで、火災の加熱により確実に熱膨張性材料を膨張させやすくなる。
また、熱膨張性材料の膨張開始温度は、所定量(例えば、100mg)の熱膨張性材料を一定の昇温速度(例えば、10℃/分)で昇温させ、法線方向の力が立ち上がる温度を計測することにより測定可能である。測定装置としては測定温度制御が可能であり、かつ法線方向の応力を測定できるものであればよく、例えばレオメーターを使用すればよい。
熱膨張性部材の膨張倍率は3倍以上であることが好ましく、10倍以上が好ましい。膨張倍率の上限は、特に限定されないが、例えば50倍である。なお、膨張倍率は、熱膨張性部材を電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)により算出するとよい。
以下、熱膨張性材料が、熱膨張性黒鉛である場合の熱膨張性樹脂組成物について詳細に説明する。熱膨張性樹脂組成物は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含有する。熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマーが挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリオレフィン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン-プロピレン-ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
エラストマーの例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、およびフッ素ゴム等のゴムが挙げられる。また、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、スチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、および塩化ビニル系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマーも挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分は、1種であってもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
熱膨張性樹脂組成物は、可塑剤を含有してもよい。可塑剤は、樹脂成分がポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂である場合に好ましく使用される。可塑剤の具体的としては、例えば、ジ-2-エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘプチルフタレート(DHP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)等のフタル酸エステル可塑剤、ジ-2-エチルヘキシルアジペート(DOA)、ジイソブチルアジペート(DIBA)、ジブチルアジペート(DBA)等のアジピン酸エステルや、アジピン酸ポリエステルなどの脂肪酸エステル可塑剤、エポキシ化大豆油等のエポキシ化エステル可塑剤、トリー2-エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリイソノニルトリメリテート(TINTM)等のトリメリット酸エステル可塑剤、トリメチルホスフェート(TMP)、トリエチルホスフェート(TEP)等の燐酸エステル可塑剤、鉱油等のプロセスオイルなどが挙げられる。
可塑剤は1種もしくは2種以上を使用することができる。
熱膨張性樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば0.3質量部以上150質量部以下の範囲であり、好ましくは10質量部以上100質量部以下の範囲である。可塑剤は、これら下限値以上とすると、柔軟性が良好になりやすく、上限値以下となると、充填部に適度な強度が付与される。
樹脂成分と可塑剤の合計含有量は、樹脂組成物全量基準で、10質量%以上90質量%以下が好ましく、25質量%以上80質量%以下がより好ましく、40質量%以上70質量%以下がさらに好ましい。これら下限値以上とすることで、柔軟性を確保して、充填を容易にすることができる。また、上限値以下とすることで、熱膨張性黒鉛、無機充填剤などの成分を十分な量配合することが可能になる。
なお、樹脂成分と可塑剤の合計含有量とは、樹脂成分と可塑剤の両方が含有される場合には、これらの合計含有量を意味し、可塑剤を含有しない場合には樹脂成分単独の含有量を意味する。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗片状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とにより処理してグラファイト層間化合物を生成させたものである。生成された熱膨張性黒鉛は炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
本発明に使用される熱膨張性黒鉛は、酸処理して得られた熱膨張性黒鉛がアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和されたものなども使用することもできる。
脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
熱膨張性黒鉛の粒度は、特に限定されないが、20~200メッシュの範囲のものが好ましい。粒度は、下限値以上となると黒鉛の膨張度が大きくなりやすく、発泡性が良好になる。また、上限値以下とすることで、樹脂と混練する際の分散性が良好となる。
熱膨張性樹脂組成物における熱膨張性黒鉛の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば3質量部以上300質量部以下である。熱膨張性黒鉛の含有量は、3質量部以上となることで、熱膨張性が良好となる。また、300質量部以下となることで、充填容易性が向上する。これら観点から、熱膨張性黒鉛の含有量は、好ましくは10質量部以上200質量部以下の範囲であり、より好ましくは15質量部以上100質量部以下の範囲である。
熱膨張性樹脂組成物は、さらに無機充填材を含有してもよい。無機充填材は、一般に熱膨張性樹脂組成物に使用されている無機充填材であれば、特に限定はない。具体的には、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーンナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイ力、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セビオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカバルン、窒化アルミニウム、亜リン酸アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコニア鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。無機充填材は一種もしくは二種以上を使用することができる。
無機充填剤を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における無機充填材の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましく3質量部以上200質量部以下の範囲であり、より好ましくは10質量部以上150質量部以下の範囲である。
また本発明に使用する熱膨張性樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等の熱膨張性樹脂組成物に一般的に使用される添加剤が添加されてもよい。これらの中では加工助剤を使用することが好ましい。
熱膨張性部材は、例えば以下のようにして製造することができる。まず、所定量の樹脂成分、熱膨張性材料、及びその他の必要に応じて配合される添加剤を、混練ロールなどの混合機で混合して、熱膨張性樹脂組成物を得る。熱膨張性樹脂組成物は、適宜溶剤が添加されて、希釈されてもよい。
不燃発泡ウレタンは、難燃性のウレタン樹脂組成物からなり、吐出充填法によりウレタン樹脂組成物を区画貫通部15に吐出すると、ウレタン樹脂組成物はすぐに発泡し、時間が経つと発泡した状態で硬化し、区画貫通部15内を充填する。ウレタン樹脂組成物は、難燃性かつ発泡性のウレタン樹脂組成物であり、好ましくは硬化性ウレタン樹脂組成物である。
ウレタン樹脂組成物は、主剤としてのポリイソシアネート化合物、硬化剤としてのポリオール化合物、触媒、発泡剤、整泡剤および添加剤を含む。添加剤としては、リン酸エステル、リン酸塩含有難燃剤、ハロゲン含有難燃剤および金属水酸化物からなる群より選ばれる少なくとも一つの難燃剤を使用するとよい。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する触媒としては、泡化触媒、三量化触媒及び樹脂化触媒等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、エーテル化合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン整泡剤、シリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
本発明に使用するウレタン樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、必要に応じて、熱安定剤、滑剤、加工助剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料、架橋剤、架橋促進剤等のウレタン樹脂組成物に一般的に使用される添加剤が添加されてもよい。
ウレタン樹脂組成物を使用する場合、ポリイソシアネート化合物を含む1液と、ポリオール化合物を含む2液とを別の収納室に収納して、各収納室から供給された1液と2液とを、混合部などで混合して得たウレタン樹脂組成物を吐出させるとよい。各収納室は、別々の容器に設けられてもよいし、1つの容器内に2つの収納室が設けられてもよい。ポリオール化合物を含む2液には、通常、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、その他の添加剤が含まれる。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、次いで、図4及び図5に示すように、区画貫通部15の内部を充填材15で充填した後、シート状カバー材3を挿通体21の外周に固定する、又は、シート状カバー材3を区画貫通部15内に収納する工程を経る。
シート状カバー材3を挿通体21の外周に固定する工程は、図4に示すように、区画貫通部15の内部を充填材15で充填した後のシート状カバー材3を束ねるようにして挿通体21の外側から挿通体21の外周に密接して包囲し、次いで、シート状カバー材3を紐状部材22により挿通体21に固定する。
紐状部材22は、曲げることができる部材であればよく、ワイヤを含むワイヤ部材であることが好ましい。ワイヤ部材は、金属製のワイヤ単独でもよいし、ねじりっこ(登録商標)などの金属製のワイヤを樹脂で被覆した樹脂被覆ワイヤ、モールなどと呼ばれるワイヤと繊維を絡ませたものなどでもよい。ワイヤ部材を使用すると、ひねったり、ねじったりするだけで、シート状カバー材3を挿通体21に固定できる。
シート状カバー材3を区画貫通部15内に収納する工程は、図5に示すように、区画貫通部15の内部を充填材15で充填した後のシート状カバー材3を折りたたんで区画貫通部15内に入れ込み、次いで、入れ込んだシート状カバー材3を接着剤、粘着剤及び粘着テープなどにより固定する。ここで、接着剤、粘着剤、及び粘着テープは、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料のいずれかであることが好ましく、接着剤、粘着剤などに難燃剤などを配合するとよい。粘着テープは、基材と、基材の一方の面に設けられた粘着剤層とを備えるが、基材及び粘着剤層それぞれが、不燃材料、準不燃材料又は難燃材料のいずれかで構成されるとよい。
以上の工程により、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造が得られる。本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造は、仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15に設置した区画貫通処理構造である。区画貫通処理構造は、区画貫通部15の内部に充填された充填材5と、区画貫通部15の一方の開口の周囲に広げることが可能なシート状カバー材3とを備え、シート状カバー材3が、充填材5を覆うように配置されて、挿通体21の外周に固定され(図4参照)又は区画貫通部内部に収納される(図5参照)。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法に用いる区画貫通処理材1の一例を示す。区画貫通処理材1は、図6に示すように、仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15を防火構造とするための区画貫通処理材であって、区画貫通部15に挿入可能な挿入部材2と、挿入部材2に一体に形成され、挿入部材2の外側に広げることが可能なシート状カバー材3とを備える。
挿入部材2は、中空部13と仕切り部11の外部が連通することが防止されるとともに、区画貫通部15の一方の開口13Cが、シート状カバー材3によって覆われるので、区画貫通部15の一方の開口13Cと他方の開口13Dとが連通するのも防止される。そのため、第1の実施形態に係る区画貫通処構造により、区画貫通部15に適切な防火構造を形成することができる。また、シート状カバー材3が不燃材料、遮音材料及び断熱材料等の機能を付与可能な材料である場合は、シート状カバー材3により開口13Cを覆うことでさらに機能を付与することができる。
挿入部材2は、充填材5を受け止める受け具としての機能も有する。
区画貫通処理材1が挿入部材2を有する場合、第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、図6に示すように、区画貫通部15の内部に挿入部材2を配置する工程をさらに含む。区画貫通部15の内部に挿入部材2を配置する工程としては、挿入部材2の内部に挿通体21を通し、区画貫通部15に挿入することで、区画貫通部15に取り付けられる。区画貫通処理材1が挿入部材2を有する場合は、充填材5が挿入部材2の内部を充填することになる(図3~図5参照)。この場合、充填材5は、挿入部材2の内周面に積層されるようにして充填されるとよい。
挿入部材2は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である。挿入部材2がスリーブ状に変形可能なものとは、シート状若しくはロール状のものを、図1に示すように端部と端部とを向かい合わせてスリーブ状にして区画貫通部15に挿入するものをいう。シート状若しくはロール状の挿入部材2の厚さは特に限定されないが、例えば0.01~10mm、好ましくは0.05~5mmである。挿入部材2は、スリーブ状に変形可能なように、柔軟性を有するとよい。
挿入部材2は、耐火材及び不燃材料の少なくともいずれかより構成される。耐火材は、加熱により膨張する熱膨張性部材、又は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸化物、酸化マグネシウム等の酸化物、リン及びリン化合物等の無機材料を含む樹脂組成物であるパテ状混合物であることが好ましい。挿入部材2としては、例えば、充填材として上述した熱膨張性材料と同等のものを用いることができる。熱膨張性部材は、火災時に膨張することで火災の延焼を防止する。挿入部材2としての熱膨張部材は、熱膨張性樹脂組成物より形成される。熱膨張性樹脂組成物は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含有する。熱膨張性部材が、樹脂成分を含有する熱膨張性樹脂組成物により形成されることで、挿入部材2の湾曲や変形が容易となり、上記のとおりにスリーブ状に丸めることができる。
挿入部材2における不燃材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。挿入部材2における不燃材料としては、モルタル、鋼製スリーブなどの金属管、無機繊維やその成形体などが挙げられる。
挿入部材2とシート状カバー材3とを一体にする手段としては、様々な手段を取りうる。例えば、挿入部材2がスリーブ状のものである場合、別々に用意した挿入部材2とシート状カバー材3とを粘着剤、接着剤などの公知の固定手段によって固定する手段が挙げられる。挿入部材2とシート状カバー材3の固定は、予め固定して一体としていてもよいし、施工前に施工現場で固定して一体としてもよい。
また、挿入部材2がシート状若しくはロール状等のスリーブ状に変形可能なものである場合、挿入部材2をスリーブ状にした後に、別に用意したシート状カバー材3を粘着剤、接着剤などの公知の固定手段によって固定してもよい。
さらに、挿入部材2がスリーブ状に変形可能なものであり、挿入部材2とシート状カバー材3とが予め一体である場合には、挿入部材2をスリーブ状に形状変化した際に、シート状カバー材3が挿入部材2の外側に広げられる構成であることを要する。シート状カバー材3の構成としては、例えば、シート状カバー材3に切れ込み及び襞などの機構を形成する、又は伸縮可能な材料でシート状カバー材3を形成するなどが挙げられる。
挿入部材2とシート状カバー材3とを一体として挿入することで、シート状カバー材3の施工忘れなどを防止しやすくなる。
挿入部材2は、シート状カバー材3と一体に設けられていることで、図1に示すように、挿入部材2がスリーブ状で区画貫通部15に挿入され仕切り部11に取り付けられると、シート状カバー材3も同様に仕切り部11に取り付けられた状態となる。仕切り部11に取り付けられたシート状カバー材3は、挿入部材2の一端部2Aより径方向外側に向かって外面11A上に広げることができる。即ち、シート状カバー材3が挿入部材2の一端部2Aより径方向外側に向かって外面11A上に広がっている状態で、図2に示すように、区間挿通部15を吐出充填法により充填することで、充填対象である箇所以外に飛散した充填材5を確実にシート状カバー材3が受け止め、充填材5で周辺を汚すことを防止することができる。
以上説明した第1の実施形態では、区画貫通部15の一方の貫通孔13Aが、充填材5及びシート状カバー材3によって覆われるので、区画貫通部15の一方の貫通孔13Aと他方の貫通孔13Bとが連通するのを防止する。また、区画貫通部において、挿入部材2が一方の貫通孔13Aから他方の貫通孔13Bまで通されることで、中空部13と仕切り部11の外部が連通することも防止でき、防火構造を形成できる。
さらに、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造は、充填対象である箇所以外に飛散した充填材を受け止めたシート状カバー材3を、区画貫通部15に収納することで、汚れを防止したシート状カバー材3を廃棄物として創出することなく、区画貫通処構造を容易に施工することができる。
加えて、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造は、吐出充填法により区間挿通部15を充填した後にも、シート状カバー材3が区間挿通部15に留まることになるので、シート状カバー材3として不燃材料、遮音材料及び断熱材料等を採用した場合には区間挿通部15に機能を付与することができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図7に示すように、挿入部材2が、挿通体21の軸方向において、充填材5を受け止める受け部6を有する点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
挿入部材2が有する受け部6は、挿通体21の軸方向において、区画貫通部15の開口13Aから吐出される充填材5を受け止める。受け部6は、挿入部材2の一端部2A側より吐出される充填材5を受け止め、区画貫通部15を充填材5で充填することに寄与する。受け部6は、挿通体21の軸方向に対して、傾斜する面、軸方向に垂直な面、又はこれらの組み合わせであることが好ましく、充填材5を良好に受け止める観点から、垂直な面を含むことがより好ましい。
受け部6は、挿入部材2と一体に設ける形態であってもよく、挿入部材2と別体に設ける形態であってもよい。
受け部6は、底部の中央近傍に孔6Aが開いており、孔6Aを通って挿通体21が区画貫通処材1の軸方向に貫通している。孔6Aは、円形でもよいが、挿通体21の形状に応じて円形以外のいかなる形状でもよい。孔6Aは、挿通体21のサイズより小さいものでもよい。また、孔6Aの代わりに切り込みであってもよい。孔6Aのサイズが挿通体21より小さくても、また、孔6Aの代わりに切り込みが設けられても、受け部6がゴム、樹脂材料で形成される場合には、挿通体21が孔6A(又は切り込み)に挿入されると、底部が撓んで孔6A(又は切り込み)内部に挿通体21を挿入できる。
受け部6としては、充填材5を受け止めることが可能な材料であれば特に限定はなく、例えば、樹脂系材料、繊維系材料、金属系材料、ガラス及び木材等が挙げられる。
樹脂系材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。
繊維系材料としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙及び板紙等が挙げられる。
金属系材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼及び銅等が挙げられ、これらの単体及びその合金を含む。
受け部6は、上記のうちの2種以上の部材を複合した複合部材であってもよい。
[第3の実施形態]
第3の実施形態において第2の実施形態と相違する点は、図8に示すように、挿入部材2の一端部が、挿通体21の軸方向において、充填材5を受け止める受け面2Aとなっている点である。以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
受け面2Aは、挿入部材2の底面となり、挿通体21の軸方向において充填材5を受け止める受け部となる。受け面2Aは、図8の例では、挿入部材2の軸方向に対して、垂直な面であるが、傾斜面であってもよいし、傾斜面と垂直な面の組み合わせであってもよい。
挿入部材2が受け面2Aを備えることで、挿通体21の軸方向における充填材5を良好に受け止めることができる。また、挿入部材2が受け面2Aを備えることで、部品点数を少なくし、作業性を向上させることができる。
また、第3の実施形態では、例えば、図8に示すように、中空壁の壁材12A,12Bのそれぞれの貫通孔13A、13Bに挿入部材2を挿入して、その内部に充填材5を充填するとよい。これにより、貫通孔13A,13Bのそれぞれが充填材5によって覆われるので、区画貫通部15の一方の貫通孔13Aと他方の連通孔13Bとが連通するのを防止することができる。また、貫通孔13A,13Bのそれぞれが充填材5によって覆われることで、中空部13と仕切り部11の外部が連通することも防止でき、防火構造を形成できる。よって、本発明の実施形態に係る区画貫通処理構造により、区画貫通部15に適切な防火構造を形成することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図9及び図10に示すように、挿入部材2とは別の挿入部材として、区画貫通部15に設置する充填材受け具4をさらに備え、充填材受け具4によって、区画貫通部15に吐出される充填材5を受け止める点である。以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
充填材受け具4は、挿入部材2の内側に設けられ、区画貫通部15の開口13Aから吐出される充填材5を受け止める。充填材受け具4が区画貫通部15に設置されることで、充填材5を区画貫通部15の適した箇所に留めることができ、区画貫通部15を充填材5で適切に充填することができる。
充填材受け具4は、底部の中央近傍に孔4Aが開いており、孔4Aを通って挿通体21が区画貫通処材1の軸方向に貫通している。孔4Aは、円形でもよいが、挿通体21の形状に応じて円形以外のいかなる形状でもよい。孔4Aは、挿通体21のサイズより小さいものでもよい。また、孔4Aの代わりに切り込みであってもよい。孔4Aのサイズが挿通体21より小さくても、また、孔4Aの代わりに切り込みが設けられても、充填材受け具4がゴム、樹脂材料で形成される場合には、挿通体21が孔4A(又は切り込み)に挿入されると、底部が撓んで孔4A(又は切り込み)内部に挿通体21を挿入できる。
充填材受け具4の底部は、挿通体21の軸方向において充填材5を受け止める受け部となる。底部は、図9の例では、挿通体21の軸方向に対して、垂直な面であるが、傾斜面であってもよいし、傾斜面と垂直な面の組み合わせであってもよい。
充填材受け具4としては、充填材5を受け止めることが可能な材料であれば特に限定はなく、上述の受け部6同様の樹脂系部材、繊維系部材、金属系部材、ガラス及び木材等が挙げられる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図11に示すように、被覆機能部材50をさらに備える点である。以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
被覆機能部材50は、区画貫通部15の開口を覆うシート状カバー材3をさらに覆う部材である。被覆機能部材50は、金属、樹脂材料、ゴム材料などにより形成される。被覆機能部材50は、例えば、図11に示すように、2つに分割されて一対の分割片50A,50Bからなり、分割片50A,50Bが突き合わされた状態で構成される。分割片50A,50Bは、例えば、互いの突き合わせ面それぞれに凸部、凹部などが設けられ、それらが嵌め合わされることなどで、互いに固定されてもよい。
被覆機能部材50は、キャップ状であり、天面51と、天面51に立設される側面52とを有し、側面52はシート状カバー材3を内部に収納できるように一定の高さを有する。被覆機能部材50(側面52)の内径は、貫通孔13Aの直径よりも大きくなる。また、天面51には、挿通体21が通されるための孔51Aが設けられる。
孔51Aは、円形でもよいが、挿通体21の形状に応じて円形以外のいかなる形状でもよい。孔51Aは、挿通体21のサイズより小さいものでもよい。また、孔51Aの代わりに切り込みであってもよい。孔51Aのサイズが挿通体21より小さくても、また、孔51Aの代わりに切り込みが設けられても、被覆機能部材50がゴム、樹脂材料で形成される場合には、挿通体21が孔51A(又は切り込み)に挿入されると、天面51が撓んで孔51A(又は切り込み)内部に挿通体21を挿入できる。
被覆機能部材50は、シート状カバー材3によって貫通孔13Aが覆われた後に、図12に示すように、仕切り部11の外面11Aに取り付けられる。ここで、被覆機能部材50は、上記のように2つの分割片50A,50Bに分割されていることで、挿通体21を両側から挟み込むようにして突き合わされて外面11Aに取り付けるとよい。
また、被覆機能部材50は、仕切り部11の外面11Aに粘着剤、接着剤、ビス、タッカーなどの公知の固定手段によって固定されてもよいし、外面11Aに凹部や凸部などが設けられ、被覆機能部材50は嵌合などにより外面11Aに固定されてもよい。
シート状カバー材3は、曲げられたり、折られたりして皺などが形成され、見栄えが良くないことがあるが、本実施形態のように、シート状カバー材3を被覆機能部材50によりさらに覆うことで、区画貫通処理構造の外観が良好となる。すなわち、被覆機能部材50は、化粧材としての機能を発揮するものである。また、被覆機能部材50は、シート状カバー材3及び挿入部材2によって区画される領域の外側に配置され、防火構造の形成を阻害しない。
ただし、被覆機能部材50は、化粧材としての機能に限定されず、様々な機能を区画貫通処理構造に付与することができる。例えば、被覆機能部材50は、区画貫通処理構造55に遮音、防臭、制振などの機能を付与してもよい。なお、遮音性能、防臭性能とは、一方の外面11A(又は11B)側から他方の外面11B(又は11A)に音漏れや、臭い漏れなどが生じることを防止する機能である。また、制振性能は、挿通体21が振動することを防止する機能である。
被覆機能部材50は、貫通孔13Aを覆うことで、一定の遮音性能、及び防臭性能を発揮し、また、挿通体21を孔51Aの内周面により支持することで一定の制振性能を発揮するが、被覆機能部材50は、所望する機能に応じて材料を適宜選択すればよい。例えば、被覆機能部材50は、遮音機能を付与したい場合には、発泡体、ゴム材料などの遮音材により形成するとよいし、防臭機能を付与したい場合には、被覆機能部材50を構成する樹脂材料、ゴム材料などに防臭剤、脱臭剤などを配合するとよい。また、被覆機能部材50は、制振機能を付与したい場合には、ゴム材料などにより形成するとよい。さらに、被覆機能部材50には、付与したい機能に応じて、その内面(例えば、天面51の内面)などに追加的な部材を取り付けてもよく、例えば、遮音材、防臭剤、脱臭剤などを取り付けてもよい。
以上のように、本実施形態では、区画貫通処理構造に被覆機能部材50を設けることで、区画貫通部15に適切な防火構造を形成しつつ、様々な機能を付与することができる。また、被覆機能部材50を取り付ける場合でも、部品点数の増加を防止でき、また、全ての作業を仕切り部11の一方側(外面11A側)から行うことができるので作業性が向上する。
なお、上記のように、貫通孔13Aを覆うシート状カバー材3をさらに覆う被覆機能部材は、上記した構成に限定されず、シート状カバー材を覆うことができる部材であればいかなる形状であってもよい。例えば、被覆機能部材57は、図13に示すように、2つに分割しておらず、1体型のものであってもよい。被覆機能部材57は、上記した被覆機能部材50と同様に、キャップ状であり、天面58と側面59とを有し、天面58に孔58Aが設けられる。また、被覆機能部材57には、孔58Aから外周面に向かうスリット57Aを有しており、スリット57Aは、天面58及び側面59にわたって形成される。被覆機能部材57はスリット57Aを有することで、2つに分割されなくても、挿通体21をスリット57Aを介して孔58Aの内部に挿入させることができる。なお、被覆機能部材57においても上記した被覆機能部材50と同様に、孔58Aの代わりに天面58に切り込みが設けられてもよい。
なお、シート状カバー材をさらに覆う被覆機能部材は、上記構成に限定されず、他のいかなる構成であってもよく、例えば、3つ以上に分割されてもよい。また、例えば、被覆機能部材は、仕切り部11(すなわち、外面11A)に固定されていたが、仕切り部11に固定される必要はなく、例えば、シート状カバー材及び挿入部材のいずれかに固定されてもよい。この場合、被覆機能部材は、外周側からシート状カバー材及び挿入部材のいずれかに接着剤、粘着剤、ビス、タッカーなどの公知の固定手段によって固定されてもよいし、これらに嵌合などされることで固定されてもよい。
[その他の実施形態]
例えば、以上の説明では、仕切り部11は、内部に中空部13がある中空壁であったが、中空壁に限定されず、中空が設けられない壁であってもよく、図14に示すように、例えば1枚の壁材からなるものでもよい。また、仕切り部11は、建築物の壁に限定されず、建築物の天井、床であってもよい。仕切り部は、天井、床の場合でも、2枚の仕切り材の間に中空部を有する構造であってもよいし、中空部がない構造であり、例えば1枚の仕切り材から構成されてもよい。
さらに、以上の説明では、シート状カバー材3が挿入部材2と一体として示したが、シート状カバー材3と挿入部材とは別々の部材としてもよい。例えば、上記各実施形態において、挿入部材2とシート状カバー材3とを、別々に施工すればよく、挿入部材2を区画貫通部の内部に挿入する一方で、シート状カバー材3を粘着テープなどにより仕切り壁の外面に貼付すればよい。
また、挿入部材2は、省略してもよい。この場合、充填材を、貫通孔の内周面に直接積層するようにして貫通孔を充填材により充填するとよい。
1…区画貫通処理材
2…挿入部材
3…シート状カバー材
4…充填材受け具
5…充填材
6…受け部
11…仕切り部
13…中空部
15…区画貫通部
21…挿通体
22…紐状部材
50,57…被覆機能部材

Claims (20)

  1. 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造の施工方法であって、
    前記区画貫通部の一方の開口の周辺を被覆するようにシート状カバー材を広げる工程と、
    前記シート状カバー材が周辺に広げられた前記開口より前記区画貫通部の内部に充填材を充填する工程と、
    前記区画貫通部の内部を前記充填材で充填した後、前記シート状カバー材を前記挿通体の外周に固定する、又は、前記シート状カバー材を前記区画貫通部内に収納する工程
    とを含む区画貫通処理構造の施工方法。
  2. 前記区画貫通部の内部に挿入部材を配置する工程をさらに含み、
    前記充填材が前記挿入部材の内部を充填する請求項1に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  3. 前記挿入部材が、前記挿通体の軸方向において、前記充填材を受け止める受け部を有する請求項2に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  4. 前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている請求項2又は3に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  5. 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項2~4のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  6. 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項2~5のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  7. 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項1~6のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  8. 前記充填材で前記区画貫通部の内部を充填する工程は、液状の前記充填材を吐出する工程を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  9. 前記充填材を充填する工程は、前記充填材をスプレーにより吐出することで充填する請求項1~8のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  10. 前記充填材を充填する工程は、液状の前記充填材が硬化又は乾燥することで充填する請求項1~9のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
  11. 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造であって、
    前記区画貫通部の内部に充填された充填材と、
    前記区画貫通部の一方の開口の周囲を被覆するように広げることが可能なシート状カバー材とを備え、
    前記シート状カバー材が、前記充填材を覆うように配置されて、前記挿通体の外周に固定され又は前記区画貫通部内部に収納される区画貫通処理構造。
  12. 前記区画貫通部の内部に配置された挿入部材をさらに備える請求項11に記載の区画貫通処理構造。
  13. 前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている請求項12に記載の区画貫通処理構造。
  14. 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項12又は13に記載の区画貫通処理構造。
  15. 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項12~14のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
  16. 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項11~15のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
  17. 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするための区画貫通処理材であって、
    前記区画貫通部に挿入可能な挿入部材と、
    前記挿入部材に一体に形成され、前記挿入部材の外側に広げることが可能なシート状カバー材とを備え
    前記シート状カバー材を広げた際の延在面積は、0.2m 以上4.8m 以下である区画貫通処理材。
  18. 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項17に記載の区画貫通処理材。
  19. 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項17又は18に記載の区画貫通処理材。
  20. 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項17~19のいずれか1項に記載の区画貫通処理材。
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