JP7291026B2 - 区画貫通処理構造の施工方法、区画貫通処理構造及び区画貫通処理材 - Google Patents
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Description
[1]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造の施工方法であって、前記区画貫通部の一方の開口の周辺にシート状カバー材を広げる工程と、前記シート状カバー材が周辺に広げられた前記開口より前記区画貫通部の内部に充填材を充填する工程と、前記区画貫通部の内部を前記充填材で充填した後、前記シート状カバー材を前記挿通体の外周に固定する、又は、前記シート状カバー材を前記区画貫通部内に収納する工程とを含む区画貫通処理構造の施工方法。
[2]前記区画貫通部の内部に挿入部材を配置する工程をさらに含み、前記充填材が前記挿入部材の内部を充填する[1]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[3]前記挿入部材が、前記挿通体の軸方向において、前記充填材を受け止める受け部を有する[2]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[4]前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている[2]又は[3]に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[5]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[2]~[4]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[6]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[2]~[5]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[7]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[1]~[6]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[8]前記充填材で前記区画貫通部の内部を充填する工程は、液状の前記充填材を吐出する工程を含む[1]~[7]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[9]前記充填材を充填する工程は、前記充填材をスプレーにより吐出することで充填する[1]~[8]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[10]前記充填材を充填する工程は、液状の前記充填材が硬化又は乾燥することで充填する[1]~[9]のいずれかに記載の区画貫通処理構造の施工方法。
[11]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造であって、前記区画貫通部の内部に充填された充填材と、前記区画貫通部の一方の開口の周囲に広げることが可能なシート状カバー材とを備え、前記シート状カバー材が、前記充填材を覆うように配置されて、前記挿通体の外周に固定され又は前記区画貫通部内部に収納される区画貫通処理構造。
[12]前記区画貫通部の内部に配置された挿入部材をさらに備える[11]に記載の区画貫通処理構造。
[13]前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている[12]に記載の区画貫通処理構造。
[14]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[12]又は[13]に記載の区画貫通処理構造。
[15]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[12]~[14]のいずれかに記載の区画貫通処理構造。
[16]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[11]~[15]のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
[17]仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするための区画貫通処理材であって、前記区画貫通部に挿入可能な挿入部材と、前記挿入部材に一体に形成され、前記挿入部材の外側に広げることが可能なシート状カバー材とを備える区画貫通処理材。
[18]前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である[17]に記載の区画貫通処理材。
[19]前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される[17]又は[18]に記載の区画貫通処理材。
[20]前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである[17]~[19]のいずれかに記載の区画貫通処理材。
本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法は、図1に示すように、仕切り部11に形成され、かつ内部に長尺の挿通体21が挿通される区画貫通部15に設置した区画貫通処理構造の施工方法である。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で施工する仕切り部11は、建築物の壁面において区画間(第1の区画Aと、第2の区画B)を仕切る部材であり、仕切り部11の一方の外面11A側から他方の外面11B側に貫通する区画貫通部15を有する。本実施形態における仕切り部11は、中空壁であり、間隔(中空部13)を介して配置される2枚の壁材(仕切り材)12A,12Bから構成される。そのため、区画貫通部15は、一方の壁材12Aに形成された貫通孔13Aと、他方の壁材12Bに形成された貫通孔13Bと、これらの間にある中空部13によって構成される。そして、一方の壁材12Aの外面が仕切り部11の外面11Aを構成し、他方の壁材12Bの外面が仕切り部11の外面11Bを構成する。貫通孔13A、13Bは、後述する挿入部材2が挿入されたときに、挿入部材2の外周面が、貫通孔13A、13Bの内周面の形状に適合できるように、円形、楕円形、又は、これらに近似する形状を有すればよい。なお、外面11A、11Bそれぞれにおいて貫通孔13A、13Bは、仕切り部11に設けられた区画貫通部15の開口13C,13Dを構成する。
区画貫通部15の一方の開口13Cの周辺にシート状カバー材3を広げることで、充填対象である箇所以外に飛散した充填材が仕切り部11に付着することを防止することができる。シート状カバー材3は、後述するように、挿入部材2とともに区画貫通材1として、区画貫通部15に取り付けられるとよい。
シート状カバー材3は、充填対象である箇所以外に飛散した充填材が仕切り部11に付着することを防止することができる材質であれば特に制限はなく、例えば、金属系シート、繊維系シート及び樹脂系シート等が挙げられる。
金属系シートとしては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼及び銅等が挙げられ、これらの単体及びその合金を含む。
繊維系シートとしては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙及び板紙等が挙げられる。
樹脂系シートとしては、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。
シート状カバー材3は、上記のうちの2種以上のシートが積層された複合シートであってもよい。
シート状カバー材3は、不燃材料を採用することで、区画貫通部15の難燃性を向上させることができ、防火構造をより強固なものとすることができる。シート状カバー材3における不燃材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。不燃材料としては、具体的には、アルミニウム箔などの金属箔、ガラスクロス、アルミガラスクロスなどの金属箔とガラスクロスの複合体などが挙げられる。これらのなかでは、防火性の観点からアルミガラスクロスが好ましい。
シート状カバー材3は、吸音材料、遮音材料を採用することで、区画貫通部15を介して他の区画で生じた音の伝播を減少させることができる。吸音材料、遮音材料としては、具体的には、グラスウール、ロックウール、フェルト、木毛板、ゴム状マット、ミネラル成分含有樹脂物及び発泡多孔質材などが挙げられる。これらのなかでは、遮音性の観点から発泡多孔質材が好ましい。
シート状カバー材3は、断熱材料を採用することで、区画貫通部15を介して他の区画からの熱移動、熱伝達を減少させることができる。断熱材料としては、具体的には、グラスウール、ロックウール、セルロースファイバー、炭化コルク、羊毛断熱材、ウレタンフォーム、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、エアロゲル及びヒュームドシリカなどが挙げられる。これらのなかでは、断熱性の観点からウレタンフォームが好ましい。
シート状カバー材3の厚さは、0.01mm以上10mm以下であることが好ましく、0.05mm以上5mm以下であることがより好ましく、0.1mm以上1mm以下であることがさらに好ましい。
第1の実施形態に係る区画貫通処構造の施工方法で用いる充填材5は、区間挿通部15を充填して防火構造とすることが可能な材料であれば特に限定はなく、例えば、熱膨張性材料及び不燃発泡ウレタン等が挙げられる。充填材5としては、火災等により加熱されたときに、区間挿通部15内で膨張することにより、耐火性を向上させることができる熱膨張性材料を採用することが好ましい。
また、熱膨張性材料の膨張開始温度は、所定量(例えば、100mg)の熱膨張性材料を一定の昇温速度(例えば、10℃/分)で昇温させ、法線方向の力が立ち上がる温度を計測することにより測定可能である。測定装置としては測定温度制御が可能であり、かつ法線方向の応力を測定できるものであればよく、例えばレオメーターを使用すればよい。
熱膨張性部材の膨張倍率は3倍以上であることが好ましく、10倍以上が好ましい。膨張倍率の上限は、特に限定されないが、例えば50倍である。なお、膨張倍率は、熱膨張性部材を電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)により算出するとよい。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル樹脂(CPVC)、フッ素樹脂、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリブタジエン、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエチレン(PE)およびポリプロピレン(PP)、エチレン酢酸ビニル(EVA)等のポリオレフィン、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体(EPDM)、クロロプレン(CR)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル-スチレン-アクリロニトリル共重合体(ASA)、アクリロニトリル/エチレン-プロピレン-ジエン/スチレン共重合体(AES)等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。
熱膨張性樹脂組成物の樹脂成分は、1種であってもよいし2種以上を組み合わせてもよい。
可塑剤は1種もしくは2種以上を使用することができる。
熱膨張性樹脂組成物が可塑剤を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における可塑剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、例えば0.3質量部以上150質量部以下の範囲であり、好ましくは10質量部以上100質量部以下の範囲である。可塑剤は、これら下限値以上とすると、柔軟性が良好になりやすく、上限値以下となると、充填部に適度な強度が付与される。
なお、樹脂成分と可塑剤の合計含有量とは、樹脂成分と可塑剤の両方が含有される場合には、これらの合計含有量を意味し、可塑剤を含有しない場合には樹脂成分単独の含有量を意味する。
本発明に使用される熱膨張性黒鉛は、酸処理して得られた熱膨張性黒鉛がアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和されたものなども使用することもできる。
脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。
アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
無機充填剤を含有する場合、熱膨張性樹脂組成物における無機充填材の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、好ましく3質量部以上200質量部以下の範囲であり、より好ましくは10質量部以上150質量部以下の範囲である。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、芳香族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート等が挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えばポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、芳香族ポリオール、脂環族ポリオール、脂肪族ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリマーポリオール、ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する発泡剤としては、例えば、水、低沸点の炭化水素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、エーテル化合物等の有機系物理発泡剤、窒素ガス、酸素ガス、アルゴンガス、二酸化炭素ガス等の無機系物理発泡剤等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物に使用する整泡剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン整泡剤、シリコーン整泡剤等の界面活性剤等が挙げられる。
ウレタン樹脂組成物を使用する場合、ポリイソシアネート化合物を含む1液と、ポリオール化合物を含む2液とを別の収納室に収納して、各収納室から供給された1液と2液とを、混合部などで混合して得たウレタン樹脂組成物を吐出させるとよい。各収納室は、別々の容器に設けられてもよいし、1つの容器内に2つの収納室が設けられてもよい。ポリオール化合物を含む2液には、通常、触媒、発泡剤、整泡剤、難燃剤、その他の添加剤が含まれる。
紐状部材22は、曲げることができる部材であればよく、ワイヤを含むワイヤ部材であることが好ましい。ワイヤ部材は、金属製のワイヤ単独でもよいし、ねじりっこ(登録商標)などの金属製のワイヤを樹脂で被覆した樹脂被覆ワイヤ、モールなどと呼ばれるワイヤと繊維を絡ませたものなどでもよい。ワイヤ部材を使用すると、ひねったり、ねじったりするだけで、シート状カバー材3を挿通体21に固定できる。
挿入部材2は、中空部13と仕切り部11の外部が連通することが防止されるとともに、区画貫通部15の一方の開口13Cが、シート状カバー材3によって覆われるので、区画貫通部15の一方の開口13Cと他方の開口13Dとが連通するのも防止される。そのため、第1の実施形態に係る区画貫通処構造により、区画貫通部15に適切な防火構造を形成することができる。また、シート状カバー材3が不燃材料、遮音材料及び断熱材料等の機能を付与可能な材料である場合は、シート状カバー材3により開口13Cを覆うことでさらに機能を付与することができる。
挿入部材2は、充填材5を受け止める受け具としての機能も有する。
挿入部材2における不燃材料とは、建築基準法及び建築基準法施行令において定められるものである。挿入部材2における不燃材料としては、モルタル、鋼製スリーブなどの金属管、無機繊維やその成形体などが挙げられる。
また、挿入部材2がシート状若しくはロール状等のスリーブ状に変形可能なものである場合、挿入部材2をスリーブ状にした後に、別に用意したシート状カバー材3を粘着剤、接着剤などの公知の固定手段によって固定してもよい。
さらに、挿入部材2がスリーブ状に変形可能なものであり、挿入部材2とシート状カバー材3とが予め一体である場合には、挿入部材2をスリーブ状に形状変化した際に、シート状カバー材3が挿入部材2の外側に広げられる構成であることを要する。シート状カバー材3の構成としては、例えば、シート状カバー材3に切れ込み及び襞などの機構を形成する、又は伸縮可能な材料でシート状カバー材3を形成するなどが挙げられる。
挿入部材2とシート状カバー材3とを一体として挿入することで、シート状カバー材3の施工忘れなどを防止しやすくなる。
さらに、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造は、充填対象である箇所以外に飛散した充填材を受け止めたシート状カバー材3を、区画貫通部15に収納することで、汚れを防止したシート状カバー材3を廃棄物として創出することなく、区画貫通処構造を容易に施工することができる。
加えて、本発明の第1の実施形態に係る区画貫通処構造は、吐出充填法により区間挿通部15を充填した後にも、シート状カバー材3が区間挿通部15に留まることになるので、シート状カバー材3として不燃材料、遮音材料及び断熱材料等を採用した場合には区間挿通部15に機能を付与することができる。
第2の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図7に示すように、挿入部材2が、挿通体21の軸方向において、充填材5を受け止める受け部6を有する点である。以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
受け部6は、挿入部材2と一体に設ける形態であってもよく、挿入部材2と別体に設ける形態であってもよい。
樹脂系材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)系やポリプロピレン(PP)系等のポリオレフィン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS)樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、エチレン-ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、各種ナイロン(Ny)等のポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂(PVDC)等が挙げられる。
繊維系材料としては、例えば、薄葉紙、クラフト紙、チタン紙、リンター紙及び板紙等が挙げられる。
金属系材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、チタン、マグネシウム、ステンレス鋼及び銅等が挙げられ、これらの単体及びその合金を含む。
受け部6は、上記のうちの2種以上の部材を複合した複合部材であってもよい。
第3の実施形態において第2の実施形態と相違する点は、図8に示すように、挿入部材2の一端部が、挿通体21の軸方向において、充填材5を受け止める受け面2Aとなっている点である。以下、第3の実施形態について、第2の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
受け面2Aは、挿入部材2の底面となり、挿通体21の軸方向において充填材5を受け止める受け部となる。受け面2Aは、図8の例では、挿入部材2の軸方向に対して、垂直な面であるが、傾斜面であってもよいし、傾斜面と垂直な面の組み合わせであってもよい。
第4の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図9及び図10に示すように、挿入部材2とは別の挿入部材として、区画貫通部15に設置する充填材受け具4をさらに備え、充填材受け具4によって、区画貫通部15に吐出される充填材5を受け止める点である。以下、第4の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
充填材受け具4の底部は、挿通体21の軸方向において充填材5を受け止める受け部となる。底部は、図9の例では、挿通体21の軸方向に対して、垂直な面であるが、傾斜面であってもよいし、傾斜面と垂直な面の組み合わせであってもよい。
第5の実施形態において第1の実施形態と相違する点は、図11に示すように、被覆機能部材50をさらに備える点である。以下、第5の実施形態について、第1の実施形態との相違点を説明する。また、以下では、異なる実施形態の説明でも、同一の構成を有する部材には同一の符号を付す。
被覆機能部材50は、キャップ状であり、天面51と、天面51に立設される側面52とを有し、側面52はシート状カバー材3を内部に収納できるように一定の高さを有する。被覆機能部材50(側面52)の内径は、貫通孔13Aの直径よりも大きくなる。また、天面51には、挿通体21が通されるための孔51Aが設けられる。
孔51Aは、円形でもよいが、挿通体21の形状に応じて円形以外のいかなる形状でもよい。孔51Aは、挿通体21のサイズより小さいものでもよい。また、孔51Aの代わりに切り込みであってもよい。孔51Aのサイズが挿通体21より小さくても、また、孔51Aの代わりに切り込みが設けられても、被覆機能部材50がゴム、樹脂材料で形成される場合には、挿通体21が孔51A(又は切り込み)に挿入されると、天面51が撓んで孔51A(又は切り込み)内部に挿通体21を挿入できる。
また、被覆機能部材50は、仕切り部11の外面11Aに粘着剤、接着剤、ビス、タッカーなどの公知の固定手段によって固定されてもよいし、外面11Aに凹部や凸部などが設けられ、被覆機能部材50は嵌合などにより外面11Aに固定されてもよい。
ただし、被覆機能部材50は、化粧材としての機能に限定されず、様々な機能を区画貫通処理構造に付与することができる。例えば、被覆機能部材50は、区画貫通処理構造55に遮音、防臭、制振などの機能を付与してもよい。なお、遮音性能、防臭性能とは、一方の外面11A(又は11B)側から他方の外面11B(又は11A)に音漏れや、臭い漏れなどが生じることを防止する機能である。また、制振性能は、挿通体21が振動することを防止する機能である。
例えば、以上の説明では、仕切り部11は、内部に中空部13がある中空壁であったが、中空壁に限定されず、中空が設けられない壁であってもよく、図14に示すように、例えば1枚の壁材からなるものでもよい。また、仕切り部11は、建築物の壁に限定されず、建築物の天井、床であってもよい。仕切り部は、天井、床の場合でも、2枚の仕切り材の間に中空部を有する構造であってもよいし、中空部がない構造であり、例えば1枚の仕切り材から構成されてもよい。
また、挿入部材2は、省略してもよい。この場合、充填材を、貫通孔の内周面に直接積層するようにして貫通孔を充填材により充填するとよい。
2…挿入部材
3…シート状カバー材
4…充填材受け具
5…充填材
6…受け部
11…仕切り部
13…中空部
15…区画貫通部
21…挿通体
22…紐状部材
50,57…被覆機能部材
Claims (20)
- 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造の施工方法であって、
前記区画貫通部の一方の開口の周辺を被覆するようにシート状カバー材を広げる工程と、
前記シート状カバー材が周辺に広げられた前記開口より前記区画貫通部の内部に充填材を充填する工程と、
前記区画貫通部の内部を前記充填材で充填した後、前記シート状カバー材を前記挿通体の外周に固定する、又は、前記シート状カバー材を前記区画貫通部内に収納する工程
とを含む区画貫通処理構造の施工方法。 - 前記区画貫通部の内部に挿入部材を配置する工程をさらに含み、
前記充填材が前記挿入部材の内部を充填する請求項1に記載の区画貫通処理構造の施工方法。 - 前記挿入部材が、前記挿通体の軸方向において、前記充填材を受け止める受け部を有する請求項2に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている請求項2又は3に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項2~4のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項2~5のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項1~6のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記充填材で前記区画貫通部の内部を充填する工程は、液状の前記充填材を吐出する工程を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記充填材を充填する工程は、前記充填材をスプレーにより吐出することで充填する請求項1~8のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 前記充填材を充填する工程は、液状の前記充填材が硬化又は乾燥することで充填する請求項1~9のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造の施工方法。
- 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部に設置した区画貫通処理構造であって、
前記区画貫通部の内部に充填された充填材と、
前記区画貫通部の一方の開口の周囲を被覆するように広げることが可能なシート状カバー材とを備え、
前記シート状カバー材が、前記充填材を覆うように配置されて、前記挿通体の外周に固定され又は前記区画貫通部内部に収納される区画貫通処理構造。 - 前記区画貫通部の内部に配置された挿入部材をさらに備える請求項11に記載の区画貫通処理構造。
- 前記挿入部材が、前記シート状カバー材と一体に設けられている請求項12に記載の区画貫通処理構造。
- 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項12又は13に記載の区画貫通処理構造。
- 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項12~14のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項11~15のいずれか1項に記載の区画貫通処理構造。
- 仕切り部に形成され、かつ内部に長尺の挿通体が挿通される区画貫通部を防火構造とするための区画貫通処理材であって、
前記区画貫通部に挿入可能な挿入部材と、
前記挿入部材に一体に形成され、前記挿入部材の外側に広げることが可能なシート状カバー材とを備え、
前記シート状カバー材を広げた際の延在面積は、0.2m 2 以上4.8m 2 以下である区画貫通処理材。 - 前記挿入部材は、スリーブ状である、又は、シート状若しくはロール状でありスリーブ状に変形可能である請求項17に記載の区画貫通処理材。
- 前記挿入部材は、樹脂成分と熱膨張性材料とを含む熱膨張性樹脂組成物から形成される請求項17又は18に記載の区画貫通処理材。
- 前記シート状カバー材が、不燃材料、吸音材料、遮音材料及び断熱材料の少なくともいずれかである請求項17~19のいずれか1項に記載の区画貫通処理材。
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