JP6998431B2 - 磁気記録媒体の軟磁性層用Co系合金 - Google Patents
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Description
Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:11at%以上25at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:0.4at%以上10at%以下
を含有する。この合金の残部は、Co、Fe及び不可避的不純物である。元素XAと元素XBとの合計含有率は、30at%未満である。
Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:11at%以上25at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:0.4at%以上10at%以下
を含有する。この合金の残部は、Co、Fe及び不可避的不純物である。このCo系合金における、元素XAと元素XBとの合計含有率は、30at%未満である。
Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:11at%以上25at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni、Cu及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:0.4at%以上10at%以下
を含有する。この合金の残部は、Co、Fe及び不可避的不純物である。このCo系合金における、元素XAと元素XBとの合計含有率は、30at%未満である。
本発明に係る磁気記録媒体の軟磁性層用Co系合金は、スパッタリングターゲットに適している。このCo系合金の組成は、
元素XA:11at%以上25at%以下
元素XB:0.4at%以上10at%以下
及び
残部:Co、Fe及び不可避的不純物
である。
Co系合金の基材は、Fe及びCoである。Fe及びCoを含有する軟磁性層では、十分な磁性が発揮される。この軟磁性層により、磁気記録層の磁化が安定する。Feの含有率(at%)とCoの含有率(at%)との比は、10:90以上90:10以下が好ましい。この比が10:90以上である合金からなる軟磁性層では、飽和磁束密度が抑制されうる。この観点から、この比は20:80以上が特に好ましい。この比が90:10以下である合金からなる軟磁性層は、磁気記録媒体の高記録密度に寄与しうる。この観点から、この比は80:20以下が特に好ましい。
元素XAは、Nb、Mo、Ta及びWからなる群Aから選択される。元素XAとして、群Aから、1種の元素が選択されてもよく、2種以上の元素が選択されてもよい。元素XAは、軟磁性層のアモルファス性に寄与しうる。元素XAはさらに、飽和磁束密度の抑制に寄与しうる。これらの観点から、Co系合金における元素XAの含有率は11at%以上が好ましく、13at%以上がより好ましく、15at%以上が特に好ましい。元素XAは、Fe又はCoと共に、金属間化合物を形成する。この金属間化合物は、脆い。この金属間化合物を含有する合金から得られたターゲットは、スパッタリング時に割れやすい。ターゲットの耐割れ性の観点から、元素XAの含有率は25at%以下が好ましく、23at%以下がより好ましく、21at%以下が特に好ましい。
元素XBは、V、Cr、Mn、Ni、Cu及びZnからなる群Bから選択される。元素XBとして、群Bから、1種の元素が選択されてもよく、2種以上の元素が選択されてもよい。元素XBは、飽和磁束密度を抑制しうる。元素XBは、第4周期元素である。一方、ベースであるFe及びCoも、第4周期元素である。従って、元素XBが添加されても、Feと元素XBとの金属間化合物はほとんど生成せず、Coと元素XBとの金属間化合物もほとんど生成しない。元素XBは、ターゲットを脆化させにくい。元素XBの添加により、低い飽和磁束密度と高強度なターゲットとが、両立されうる。
飽和磁束密度が過小ではないとの観点から、元素XAの含有率と元素XBの含有率との合計は、30at%未満が好ましく、28at%以下がより好ましく、26at%以下が特に好ましい。
本発明に係る合金からなる粉末は、アトマイズによって得られうる。好ましいアトマイズは、ガスアトマイズである。この粉末に、必要に応じ、分級(例えば粒子径が500μm以下の粒子を抽出)がなされる。分級後の粉末が、炭素鋼製の缶に充填される。この缶が真空脱気され、封止されてビレットが得られる。このビレットに、HIP成形(熱間等方圧プレス)が施される。HIP成形の、好ましい圧力は50MPa以上300MPa以下であり、好ましい焼結温度は800℃以上1350℃以下である。HIP成形により、成形体が得られる。この成形体に加工が施され、ターゲットが得られる。このターゲットにスパッタリングが施されることで、このターゲットの成分と同じ成分を有する軟磁性層が得られる。磁気記録媒体には、この軟磁性層が組み込まれる。
下記の表1及び2に示された組成となるように秤量した30gの原料を、直径が10mmであり長さが40mmである水冷銅鋳型に投入した。この鋳型を減圧し、アルゴンガス雰囲気中でアーク溶解し、溶解母材を得た。この母材を直径が15mmである石英缶中に投入し、ノズルから出湯させ、単ロール法に供して試験片を得た。この単ロール法の条件は、以下の通りである。
出湯ノズルの直径:1mm
雰囲気の気圧:61kPa
噴霧差圧:69kPa
ロールの材質:銅
ロールの直径:300mm
ロールの回転速度:3000rpm
ロールと出湯ノズルとのギャップ:0.3mm
なお、各表に記載された合金の残部は、不可避的不純物である。
X線源:Cu-Kα線
スキャンスピード:4°/min
アモルファス材料のX線回折パターンでは、回折ピークが見られず、特有のハローパターンが得られる。不完全なアモルファス材料のX線回折パターンでは、回折ピークは見られるが、結晶材料のピークと比較するとピークの高さが低く、かつハローパターンも見られる。そこで、下記の基準に基づき、格付けを行った。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
A:ハローパターンが見られる
C:ハローパターンが見られない
前述のアモルファス性の評価で述べた方法と同様の方法により、試験片を得た。この試験片の飽和磁束密度を、振動試料型磁力計(VSM)にて測定した。測定条件は、以下の通りである。
印加磁場:1200kA/m
試験片の質量:約15mg
下記の基準に基づき、格付けを行った。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
A:0.3T以上1.0T未満
B:1.0T以上1.3T以下
C:0.3T未満又は1.3T超
下記の表1及び2に示された組成となるように秤量した30gの原料を、直径が40mmであり長さが50mmである水冷銅鋳型に投入した。この鋳型を減圧し、アルゴンガス雰囲気中でアーク溶解し、溶解母材を得た。この溶解母材を直径が8mmであるノズルから出湯し、直後にこの溶解母材に高圧のArガスを噴霧し、粉末を得た。この粉末を、500μm以下に分級した。分級後の粉末を、炭素鋼製の缶に充填した。この缶を真空脱気し、封止して、ビレットを得た。このビレットに、HIP成形(熱間等方圧プレス)を施した。HIP成形の条件は、以下の通りである。
温度:1000℃
圧力:120MPa
保持時間:2時間
得られた成形体から、縦が20mmであり、横が1.8mmであり、高さが1.8mmである試験片を採取した。この試験片を、3点曲げ試験に供した。試験片が破断したとき又は曲がったときの荷重から、抗折力を算出した。この抗折力に基づき、下記の基準に従って、格付けを行った。この結果が、下記の表1及び2に示されている。
A:抗折力が600MPa以上
B:抗折力が450MPa以上600MPa未満
C:抗折力が450MPa未満
Claims (5)
- Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:15at%以上21at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:3at%以上10at%以下
を含有し、かつ残部がCo、Fe及び不可避的不純物であり、
上記元素XAと上記元素XBとの合計含有率が30at%未満である、磁気記録媒体の軟磁性層のためのスパッタリングターゲットを得るためのCo系合金。 - その材質がCo系合金であり、
上記Co系合金の組成が、
Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:15at%以上21at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:3at%以上10at%以下
を含有し、かつ残部がCo、Fe及び不可避的不純物であり、
このCo系合金における、上記元素XAと上記元素XBとの合計含有率が30at%未満である、磁気記録媒体の軟磁性層用スパッタリングターゲット。 - 軟磁性層を有する磁気記録媒体であって、
上記軟磁性層の材質がCo系合金であり、
上記Co系合金の組成が、
Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XA:15at%以上21at%以下
並びに
V、Cr、Mn、Ni及びZnからなる群から選択される1種又は2種以上の元素XB:3at%以上10at%以下
を含有し、かつ残部がCo、Fe及び不可避的不純物であり、
このCo系合金における、上記元素XAと上記元素XBとの合計含有率が30at%未満である磁気記録媒体。 - 縦が20mmであり、横が1.8mmであり、高さが1.8mmである試験片が用いられた3点曲げ試験で測定される抗折力が、450MPa以上である請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
- 上記軟磁性層の、印加磁場が1200kA/mであり試験片の質量が15mgである条件で、振動試料型磁力計にて測定された飽和磁束密度が、0.3T以上1.3T以下である請求項3に記載の磁気記録媒体。
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