JP2021109979A - スパッタリングターゲット材 - Google Patents

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Abstract

【課題】スパッタリング時のパーティクル発生が低減されたターゲット材の提供。【解決手段】このスパッタリングターゲット材の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金である。この合金の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、33at.%以上50at.%以下である。この合金の金属組織は、(a)CoFe相、Co相又はFe相からなる非B合金相、(b)(CoFe)2B相、及び(c)(CoFe)B相を含んでいる。この非B合金相は、(I)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%未満であるCoFe相と、Fe相からなる第1の相、又は(II)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%以上であるCoFe相と、Co相からなる第2の相から形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、スパッタリングターゲット材に関する。詳細には、本発明は、磁性層の製造に用いるスパッタリングターゲット材に関する。
磁気ヘッド、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM)等の磁気デバイスには、磁気トンネル接合(MTJ)素子が採用されている。MTJ素子は、高いトンネル磁気抵抗(TMR)信号、低いスイッチング電流密度(Jc)等の特徴を示す。
磁気トンネル接合(MTJ)素子は、通常、Co−Fe−B系合金からなる2枚の磁性層で、MgOからなる遮蔽層を挟んだ構造を有している。この磁性層は、その材質がCo−Fe−B系合金であるターゲット材を用いたスパッタリングにより得られる薄膜である。ターゲット材をなすCo−Fe−B系合金中のホウ素(B)含量を増加することにより、得られる磁性層の磁気性能が向上して、MTJ素子の高いTMR信号が達成される。
一方、ホウ素含量の増加に従って、スパッタリング時にパーティクルの発生頻度が高くなる。特に、ホウ素含量33at.%以上の合金からなるターゲット材の使用時に、パーティクルの発生が顕著である。パーティクルの発生は、得られる磁性膜の品質劣化の原因となる。品質が劣化した磁性膜は、磁気デバイスの性能を不安定化させる。そのため、歩留まりが低下するという問題があった。
特開2004−346423公報(特許文献1)には、断面ミクロ組織においてホウ化物相を微細分散化させたCo−Fe−B系合金ターゲット材が開示されている。特開2017−057477公報(特許文献2)では、(CoFe)B、CoB及びFeBの形成を低減したスパッタリングターゲット材が提案されている。国際公開WO2016−140113公報(特許文献3)には、酸素含有量が100massppm以下の磁性材スパッタリングターゲットが開示されている。
特開2004−346423公報 特開2017−057477公報 国際公開WO2016−140113公報
近年、MTJ素子の性能向上のために、Co−Fe−B系合金中のホウ素含量のさらなる増加が要望されている。特許文献1は、ホウ素含量が30at.%を超えるターゲット材を開示していない。特許文献2では、ターゲット原料であるCo−Fe−B系合金粉末から、微粉が除去されている。特許文献3では、Co−Fe−B系合金のインゴットから酸化物の多い部分が切除されている。特許文献2及び3に開示されたターゲット材は、いずれも製造効率上、好ましいものではない。
本発明の目的は、スパッタリング時のパーティクルの発生が少なく、かつ、効率的な製造が可能なターゲット材の提供である。
本発明者等の知見によれば、Co−Fe−B系合金粉末を焼結してなるターゲット材に形成される金属組織の構成相は、ホウ素含量33at.%を境界として変化する。詳細には、ホウ素含量33at.%未満の領域では、合金相であるCoFe相と、ホウ化物相である(CoFe)B相又は(CoFe)B相が形成されるが、ホウ素含量33at.%以上の領域では、合金相であるCoFe相が消失し、ホウ化物相である(CoFe)B相又は(CoFe)B相が形成される。本発明者等は、この合金相の消失が、パーティクル発生の増加に作用することに着目して、本発明を完成した。
即ち、本発明に係るスパッタリングターゲット材の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金である。この合金の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、33at.%以上50at.%以下である。この合金の金属組織は、
(a)CoFe相、Co相又はFe相からなる非B合金相
(b)(CoFe)B相
及び
(c)(CoFe)B相
を含んでいる。この非B合金相は、
(I)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%未満であるCoFe相と、Fe相からなる第1の相、
又は
(II)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%以上であるCoFe相と、Co相からなる第2の相
から形成されている。
好ましくは、X線回折法により求められた、第1の相のbcc(110)面の回折ピーク強度がIaであり、第2の相のfcc(111)面のピーク強度がIbであり、(CoFe)B相の(211)面の回折ピーク強度がIcであるとき、ピーク強度Iaとピーク強度Ibとの合計(Ia+Ib)の、ピーク強度Icに対する比(Ia+Ib)/Icは、0.02以上である。
本発明に係るスパッタリングターゲット材の材質は、ホウ素含量が33at.%以上50at.%以下のCo−Fe−B系合金である。このターゲット材を用いて得られる磁性膜の磁気性能は、高い。このターゲット材中に形成された金属組織は、非B合金相を含む。このターゲット材によれば、スパッタリング時のパーティクルの発生が低減され、磁性膜製造の歩留まりが向上する。このターゲット材によれば、高性能かつ高品質の磁性膜を効率良く製造することができる。このターゲット材は、磁気ヘッド、MRAM等の磁気デバイスに用いる磁性膜の製造に適している。
図1は、実施例のスパッタリングターゲット材のX線回折により得られた回折パターンである。 図2は、比較例のスパッタリングターゲット材のX線回折により得られた回折パターンである。
以下、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、本願明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。
本発明に係るスパッタリングターゲット材の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金である。本発明の効果が阻害されない限り、この合金は、任意成分として他の金属元素を含みうる。
この合金の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率(以下、ホウ素含量とも称する)は、33at.%以上50at.%以下である。Bの比率を33at.%以上とすることにより、得られる磁性膜の磁気性能が向上する。この磁性膜を組み込むことにより、MTJ素子の高いTMR信号が達成される。Bの比率が50at.%を超える合金組成では、純B相が形成されるため、後述する金属組織が得られない。
このスパッタリングターゲット材には、
(a)CoFe相、Co相又はFe相からなる非B合金相
(b)(CoFe)B相
及び
(c)(CoFe)B相
を含む金属組織が形成されている。この非B合金相は、
(I)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%未満であるCoFe相と、Fe相からなる第1の相、
又は
(II)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%以上であるCoFe相と、Co相からなる第2の相
から形成されている。この非B合金相とは、換言すれば、本質的にホウ素を含まない相を意味する。
本発明の特徴は、その材質が、ホウ素含量33at.%以上の合金であるにも関わらず、金属組織に合金相であるCoFe相を含む非B合金相が存在していることにある。この金属組織を有するターゲット材によれば、スパッタリング時のパーティクルの発生が顕著に低減される。
(CoFe)B相及び(CoFe)B相は、Co、Fe及びBの反応によって形成されるホウ化物相である。好ましくは、金属組織における非B合金相の、(CoFe)B相に対する存在比率が制御される。この存在比率は、X線回折法により求められる各相の回折ピーク強度を指標として、制御される。具体的には、X線回折法により得られる回折パターンから、第1の相のbcc(110)面のピーク強度Ia、第2の相のfcc(111)面のピーク強度Ib及び(CoFe)B相の(211)面のピーク強度Icを求める。第1の相のbcc(110)面の回折ピーク、第2の相のfcc(111)面の回折ピーク及び(CoFe)B相の(211)面の回折ピークは、他の化合物のピークと重複せず、独立していることから、各ピーク強度を精度よく求めることができる。
ここで、第1の相のbcc(110)面のピーク強度Iaと第2の相のfcc(111)面のピーク強度Ibとの合計(Ia+Ib)の、(CoFe)B相の(211)面のピーク強度Icに対する比(Ia+Ib)/Icは、0.02以上が好ましい。比(Ia+Ib)/Icが0.02以上のターゲット材をスパッタリングに用いることにより、パーティクルの発生が低減され、得られる磁性膜の性能が向上する。この観点から、比(Ia+Ib)/Icは、0.05以上がより好ましく、0.10以上が特に好ましい。
このスパッタリングターゲット材は、いわゆる粉末冶金により製造される。粉末冶金では、原料である粉末を高圧下で加熱して固化成形することにより焼結体を形成する。この焼結体を、機械的手段等で適正な形状に加工することにより、ターゲット材が得られる。
このスパッタリングターゲット材の原料粉末(即ち、ターゲット材用粉末)は、第一粉末と第二粉末との混合粉末である。第一粉末及び第二粉末は、それぞれ、多数の粒子からなる。
第一粉末をなす各粒子の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金M1である。この合金M1の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、33at.%以上50at.%以下である。この合金M1の金属組織は、非B合金相を含まない。
第二粉末をなす各粒子の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金M2である。この合金M2の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、15at.%以上33at.%未満である。この合金M2の金属組織は、非B合金相を含む。
この第一粉末と第二粉末との混合粉末であるターゲット材用粉末において、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、33at.%以上50at.%以下である。
このターゲット材用粉末は、これを原料粉末として得られるターゲット材に、非B合金相を含む金属組織を形成することができる。詳細には、このターゲット材用粉末は、非B合金相と、(CoFe)B相と、(CoFe)B相とを含む金属組織を形成することができる。この金属組織において、X線回折法により求められた、第1の相のbcc(110)面のピーク強度Iaと第2の相のfcc(111)面のピーク強度Ibとの合計(Ia+Ib)の、(CoFe)B相の(211)面のピーク強度Icに対する比(Ia+Ib)/Icは、0.02以上である。
第一粉末及び第二粉末は、それぞれ、アトマイズ法により製造されうる。アトマイズ法の種類は特に限定されず、ガスアトマイズ法であってもよく、水アトマイズ法であってもよく、遠心力アトマイズ法であってもよい。アトマイズ法の実施に際しては、既知のアトマイズ装置及び製造条件が適宜選択されて用いられる。
このターゲット材用粉末において、第一粉末と第二粉末との混合比は特に限定されない。第一粉末及び第二粉末の組成に応じて、混合後に前述した組成が得られるように、適宜調節される。第一粉末と第二粉末との混合には、既知の混合器が用いられうる。本発明の効果が阻害されない限り、第一粉末及び第二粉末に加えて、さらに他の組成の粉末を混合してもよい。
前述した通り、このターゲット材用粉末を固化成形して得られる焼結体を加工することにより、スパッタリングターゲット材が製造される。好ましくは、固化成形前に、このターゲット材用粉末が篩分級される。第一粉末及び第二粉末の混合前に、各粉末を篩分級してもよい。この篩分級の目的は、焼結を阻害する粒子径500μm以上の粒子(粗粉)を除去することにある。このターゲット材用粉末では、粗粉除去以外の粒度調整をしない場合でも、本発明の効果が得られる。
ターゲット材の製造に際し、このターゲット材用粉末を固化成形する方法及び条件は、特に限定されない。例えば、熱間静水圧法(HIP法)、ホットプレス法、放電プラズマ焼結法(SPS法)、熱間押出法等が適宜選択される。また、固化成形して得られた焼結体を加工する方法も、特に限定されず、既知の機械的加工手段が用いられ得る。
このターゲット材用粉末を用いて得られるターゲット材は、例えば、MTJ素子に使用されるCo−Fe−B系合金の薄膜を形成するためのスパッタリングに好適に使用される。このターゲット材によれば、従来困難であった高いホウ素含量において、スパッタリング時のパーティクルの発生が顕著に低減される。これにより、性能に優れた磁性膜を効率良く得ることが可能になり、製造の歩留まりが向上する。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[第一粉末及び第二粉末の製造]
表1−2に、第一粉末及び第二粉末として示される組成となるように、各原料を秤量して、耐火物からなる坩堝に投入して、減圧下、Arガス雰囲気で、誘導加熱により溶解した。その後、溶解した溶湯を、坩堝下部に設けられた小孔(直径8mm)から流出させ、高圧のArガスを用いてガスアトマイズすることにより、ターゲット材製造用の原料粉末を得た。
[スパッタリングターゲット材の製造]
得られた第一粉末及び第二粉末を用いて、以下の手順により、実施例のターゲット材No.1−13及び比較例のターゲット材No.14−17を製造した。
始めに、ガスアトマイズ法で得た第一粉末及び第二粉末をそれぞれ篩分級して、直径500μm以上の粗粉を除去した。次に、篩分級後の第一粉末(A)及び第二粉末(B)を、表1−2に示される混合比A:B(mass%)となるように、V型混合器に投入して、30〜60分間混合して、混合粉末を得た。得られた混合粉末を、炭素鋼で形成された缶(外径220mm、内径210mm、長さ200mm)に充填して真空脱気した後、HIP装置を用いて、温度800〜1200℃、圧力100〜150MPa、保持時間1〜5時間の条件で、焼結体を作製した。得られた焼結体を、ワイヤーカット、旋盤加工及び平面研磨により、直径180mm、厚さ7mmの円盤状に加工して、スパッタリングターゲット材とした。
V型混合器による混合を実施しなかったこと以外は、同様の手順により、比較例のターゲット材No.18−19を製造した。
[比(Ia+Ib)/Ic]
実施例及び比較例の各ターゲット材から試験片を採取し、この試験片をガラス板に両面テープで貼り付け、X線回折装置で測定することにより回折パターンを得た。回折条件は、下記の通りである。
X線源:Cu−α線
スキャンスピード:4°/min
回折角2θ:20〜80°
この回折パターンにて、第1の相のbcc(110)面のピーク強度Ia、第2の相のfcc(111)面のピーク強度Ib、及び(CoFe)B相の(211)面のピーク強度Icを求め、比(Ia+Ib)/Icを算出した。得られた比(Ia+Ib)/Icが、下表1−2に示されている。
[パーティクル評価]
実施例及び比較例のターゲット材を用いて、DCマグネトロンスパッタにて、スパッタリングをおこなった。スパッタリング条件は、以下の通りである。
基板:アルミ基板(直径95mm、厚み1.75mm)
チャンバー内雰囲気:アルゴンガス
チャンバー内圧:圧力0.9Pa
スパッタリング後、Optical Surface Analyzerにて、直径95mmのアルミ基板上に付着した直径0.1μm以上のパーティクルを係数し、下記の基準に基づき、格付けを行った。この結果が、パーティクル評価として、下表1−2に示されている。
A:パーティクル数10個以下
B:パーティクル数10個超200個以下
C:パーティクル数200超



Figure 2021109979
Figure 2021109979
実施例No.2のターゲット材で得られた回折パターンが、図1に示されている。図1には、第1の相のbcc(110)面の回折ピークと、(CoFe)B相の(211)面の回折ピークとが示されている。実施例No.2では、第2の相のfcc(111)面の回折ピークは検出されなかった。
比較例No.16のターゲット材で得られた回折パターンが、図2に示されている。図2から、比較例No.16では、第1の相のbcc(110)面の回折ピーク及び第2の相のfcc(111)面の回折ピークは検出されなかった。
実施例No.1及びNo.3−13並びに比較例No.19のターゲット材で得られた回折パターンでは、No.2と同様に、第1の相のbcc(110)面の回折ピークが検出された。一方、比較例No.14−17のターゲット材で得られた回折パターンでは、No.18と同様に、第1の相のbcc(110)面の回折ピーク及び第2の相のfcc(111)面の回折ピークは検出されなかった。
表1に示される通り、合金相である非B合金相を含む金属組織が形成された実施例No.1−13では、その材質が、ホウ素含量33at.%以上のCo−Fe−B系合金であるにも関わらず、パーティクルの発生が低減された。一方、表2に示される通り、ホウ素含量が多く、金属組織に非B合金相を含まない比較例No.14−18では、多数のパーティクルが発生した。比較例No.19では、金属組織に非B合金相を含むことによりパーティクルの発生が低減されたが、その材質が、ホウ素含量33at.%未満のCo−Fe−B系合金であるため、得られる磁性膜の性能向上効果が見込めない。
以上説明された通り、実施例のターゲット材は、比較例のターゲット材に比べて評価が高い。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
以上説明されたスパッタリングターゲット材は、Co−Fe−B系合金からなる薄膜を用いる種々の用途に適用されうる。
本発明者等の知見によれば、Co−Fe−B系合金粉末を焼結してなるターゲット材に形成される金属組織の構成相は、ホウ素含量33at.%を境界として変化する。詳細には、ホウ素含量33at.%未満の領域では、合金相であるCoFe相と、ホウ化物相である(CoFe)B相及び/又は(CoFe)B相が形成されるが、ホウ素含量33at.%以上の領域では、合金相であるCoFe相が消失し、ホウ化物相である(CoFe)B相及び/又は(CoFe)B相が形成される。本発明者等は、この合金相の消失が、パーティクル発生の増加に作用することに着目して、本発明を完成した。
即ち、本発明に係るスパッタリングターゲット材の材質は、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、残部が不可避的不純物からなる合金である。この合金の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率は、33at.%以上50at.%以下である。この合金の金属組織は、
(a)第1の相又は第2の相から形成されている非B合金相
(b)(CoFe)B相
及び
(c)(CoFe)B相
を含んでいる。第1の相は、Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%未満であるCoFe相からなる。第2の相は、Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%以上であるCoFe相からなる。これらCoFe相、(CoFe) B相及び(CoFe)B相のそれぞれについて、Co又はFeの比率が0at.%の場合を含む。

Claims (2)

  1. その材質が、Bと、Co及び/又はFeと、を含み、その残部が不可避的不純物からなる合金であり、この合金の、Co、Fe及びBの合計に対するBの比率が、33at.%以上50at.%以下であり、
    上記合金の金属組織が、
    (a)CoFe相、Co相又はFe相からなる非B合金相
    (b)(CoFe)B相
    及び
    (c)(CoFe)B相
    を含んでおり、
    上記非B合金相が、
    (I)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%未満であるCoFe相と、Fe相からなる第1の相、
    又は
    (II)Co及びFeの合計に対するCoの比率が80at.%以上であるCoFe相と、Co相からなる第2の相
    から形成されている、スパッタリングターゲット材。
  2. X線回折法により求められた、上記第1の相のbcc(110)面のピーク強度がIaであり、上記第2の相のfcc(111)面のピーク強度がIbであり、上記(CoFe)B相の(211)面のピーク強度がIcであるとき、ピーク強度Iaとピーク強度Ibとの合計(Ia+Ib)の、ピーク強度Icに対する比(Ia+Ib)/Icが、0.02以上である請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
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