JP6996279B2 - 熱転写受像シート - Google Patents

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Description

本発明は、熱転写受像シートに関する。
従来、種々の印字方法が知られているが、その中でも昇華型熱転写方式は、濃度階調を自由に調整でき、中間色や階調の再現性にも優れ、銀塩写真に匹敵する高品質の画像形成が可能である。
この昇華型熱転写方式は、昇華性染料を含有する染料層を備える熱転写シートと、受容層を備える熱転写受像シートとを重ね合わせ、次いで、熱転写プリンタが備えるサーマルヘッドにより、熱転写シートを加熱することで、染料層中の昇華性染料を熱転写受像シートが備える受容層に移行させ、画像形成を行い、印画物を得るものである。
昇華型熱転写方式による画像形成において、熱転写シートが備える染料層と、熱転写受像シートが備える受容層との離型性が良好ではない場合、染料層が受容層側に転写してしまう、又は染料層と受容層とが密着したまま剥離しない(いわゆる、異常転写)おそれがあり、印画物の品質及び生産効率を著しく低下させていた。
特許文献1においては、染料層との離型性向上を目的として、熱転写受像シートが備える受容層にシリコーンオイルを含有させることが提案されている。しかしながら、その離型性は十分ではなく、より離型性の高い受容層を備える熱転写受像シートが求められていた。
ところで、近年、多種多様な意匠性を有する印画物の開発が求められており、例えば、特許文献2では、高い光沢度を有する受容層を備え、高級感のある印画物を提供することのできる熱転写受像シートが提案されている。
特開2012-187853号公報 特開2016-22631号公報
今般、本発明者らは、熱転写受像シートが備える受容層に、バインダー樹脂とケイ素含有材料を含有させ、かつ該受容層表面における炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合を特定の数値範囲内とすることにより、該受容層の離型性を顕著に改善することができる、との知見を得た。また、高級感のある印画物を得ることができる、との知見を得た。
したがって、本発明の目的は、熱転写シートが備える染料層との離型性の高い受容層を備え、異常転写の発生を防止できると共に、高級感のある印画物を提供できる、熱転写受像シートを提供することである。
本発明の熱転写受像シートは、基材及び受容層を少なくとも備え、
受容層は、少なくともバインダー樹脂とケイ素含有材料を含有し、
受容層の表面を、X線光電子分光法により測定した際における炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合が、9.1atomic%以上、11.1atomic%以下であることを特徴とする。
一実施形態において、上記ケイ素含有材料は、シリコーンオイルである。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える受容層表面の、光線反射角度45°における光沢度は、70%以上である。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂を含む。
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、イソシアネート化合物を含む。
本発明の上記熱転写受像シートの製造方法は、基材を準備する工程と、基材上に、少なくともバインダー樹脂とケイ素含有材料を含有する受容層形成用塗工液を塗布して、塗膜を形成させ、塗膜を85℃以上、100℃以下の温度で乾燥させ、受容層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、熱転写シートが備える染料層との離型性(以下、場合により、単に離型性という。)の高い受容層を備え、異常転写の発生を防止できると共に、高級感のある印画物を提供できる、熱転写受像シートを提供することができる。
一実施形態における熱転写受像シートの模式断面図である。 一実施形態における熱転写受像シートの模式断面図である。 一実施形態における熱転写受像シートの模式断面図である。
(熱転写受像シート)
本発明の熱転写受像シート10は、図1に示すように、基材11と、受容層12とを少なくとも備える。
また、一実施形態において、図2に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、基材11と、受容層12との間に、多孔質層13を備える。
また、一実施形態において、図3に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、基材11と、受容層12との間に、中間層14を備える。
また、一実施形態において、図3に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、基材11と、受容層12との間に、目止め層15を備える。
また、一実施形態において、図3に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、基材11の受容層12が設けられた面とは反対の面に、裏面層16を備える。
さらに、一実施形態において、図3に示すように、本発明の熱転写受像シート10は、基材11と、裏面層16との間に、裏面プライマー層17を備える。
以下、本発明の熱転写受像シートが備える各層について説明する。
(基材)
基材は、熱転写時に加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、基材上に設けられる受容層等を支持できる機械的強度を有する。
基材として、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のポリイミド系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース系樹脂、ポリスチレン(PS)等のポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、並びにアイオノマー系樹脂等から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムを使用することが好ましい。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」には「アクリル」と「メタクリル」の両方が包含される。
また、本発明において、「(メタ)アクリレート」には「アクリレート」と「メタクリレート」の両方が包含される。
また、上記した紙基材単独からなる積層体、樹脂フィルム単独からなる積層体、又は紙基材と樹脂フィルムとの積層体を基材として使用することもできる。
これら積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用することにより作製できる。
基材の厚さは、特に限定されるものではなく、例えば、1μm以上、300μm以下とすることができる。
(受容層)
受容層は、熱転写シートが備える染料層から移行してくる昇華性染料を受容し、形成された画像を維持する層であり、少なくともバインダー樹脂とケイ素含有材料を含有する。
バインダー樹脂としては、例えば、PE、PP等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びPVP、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、CAP及びCAB等のセルロース系樹脂、PET、PBT、PEN、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート-イソフタレート共重合体及びテレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル系樹脂、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、並びにポリウレタン系樹脂等が挙げられる。
本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、上記バインダー樹脂を2種以上含むことができる。
上記バインダー樹脂の中でも、受容層の耐光性という観点からは、(メタ)アクリル系樹脂が好ましく、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂がより好ましい。
なお、本発明において、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂には、エチレン性不飽和二重結合及び水酸基を有するモノマー(以下、場合により、単に水酸基含有モノマーという。)のみからなる重合体だけではなく、該モノマーと、エチレン性不飽和二重結合を有し、水酸基を有していないモノマー(以下、場合により、その他のモノマーという。)との共重合体も含まれる。
水酸基含有モノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール及びメトキシ(メタ)アクリル酸テトラエチレングリコール等の(ポリ)オキシエチレン(メタ)アクリレート、並びに(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、メトキシ(メタ)アクリル酸ジプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール及びメトキシ(メタ)アクリル酸テトラプロピレングリコール等の(ポリ)オキシプロピレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
その他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸マレイン酸等のカルボキシル基を含有するモノマー及びそれらの塩、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート及びブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及び(メタ)アクリロニトリル等の窒素含有モノマー、スチレン、α-メチルスチレン、ジビニルベンゼン及びビニルトルエン等の各種スチレン誘導体、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のケイ素含有重合性モノマー、リン含有ビニル系モノマー、塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン化ビニル系モノマー、並びにブタジエン等の共役ジエンモノマー等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の中でも、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと、(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体が好ましく、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートと、エチル(メタ)アクリレートとの共重合体がより好ましく、2-ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレートと、エチル(メタ)アクリレートとのブロック共重合体が特に好ましい。
受容層がこのような水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂を含むことにより、受容層形成コストを抑えつつ、受容層の離型性及び染料受容性を向上できる。
なお、上記共重合体には、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーが含まれていてもよい。
上記共重合体におけるヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの割合は、5質量%以上、25質量%以下であることが好ましい。ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの割合を上記数値範囲内とすることにより、受容層の離型性を向上させることができる。
水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価は、10mgKOH/g以上、50mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下であることがより好ましい。水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の水酸基価を上記数値範囲内とすることにより、受容層の耐熱性及び染料受容性を向上させることができると共に、画像形成時にシワ等が発生してしまうこと防止することができる。
なお、本発明において、水酸基価は、JIS K 1557-1(2007年発行)に準拠した方法により測定できる。
受容層における水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の含有量は、80質量%以上、98質量%以下であることが好ましく、85質量%以上、98質量%以下であることがより好ましい。水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の含有量を上記数値範囲内とすることにより、受容層の耐光性をより向上できる。また、受容層の染料受容性を向上できると共に、高級感のある印画物を得ることができる。
受容層が、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂を含む場合、受容層は、イソシアネート化合物を併せて含むことが好ましい。イソシアネート化合物は、特に限定されるものではなく、例えば、ジイソシアネート及びトリイソシアネート等のポリイソシアネートを挙げることができ、受容層の透明性という観点から、芳香族系ポリイソシアネートが好ましい。
芳香族系ポリイソシネートは、過剰量のジイソシアネート化合物と、多価アルコールとを反応させることにより得ることができる末端イソシアネート基含有化合物(芳香族ジイソシアネートの多価アルコール付加体)である。ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレン-2,6-ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられ、多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン及びジペンタエリスリトール等が挙げられる。
受容層は、上記イソシアネート化合物を2種以上含むことができる。
イソシアネート化合物のイソシアネート基と、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の水酸基とのモル当量比(-NCO/-OH)は、0.2以上、0.3以下であることが好ましい。モル当量比を上記数値範囲内とすることにより、受容層の離型性を向上させることができる。
受容層に含まれるケイ素含有材料は、固体であっても、液体であってもよく、例えば、シリコーンオイル、シリコーンゴムや合成非晶質シリカ、コロダイルシリカ及びケイ酸アルニウム等のケイ素含有粒子等が挙げられる。
これらの中でも、シリコーンオイルが特に好ましい。シリコーンオイルを使用することにより、受容層の離型性を向上できると共に、高級感のある印画物を得ることができる
なお、受容層は、上記ケイ素含有材料を2種以上含むことができる。
シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル及びメチルフェニルシリコーンオイル等のストレートシリコーンオイル、並びにアミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが挙げられる。
上記した中でも、受容層の離型性をより向上させることができるため、変性シリコーンオイルが好ましい。変性シリコーンオイルには、片末端型、両末端型、側鎖片末端型及び側鎖両末端型の変性シリコーンオイルが含まれ、受容層の離型性という観点から、両末端型カルビノール変性シリコーンオイルが特に好ましい。
受容層におけるケイ素含有材料の含有量は、0.1質量%以上、1.0質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以上、0.8質量%以下であることがより好ましい。受容層におけるケイ素含有材料の含有量を上記数値範囲内とすることにより、受容層の離型性をより向上させることができる。
本発明の熱転写受像シートが備える受容層は、その表面を、X線光電子分光法により測定した際における炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合(以下、場合により、ケイ素原子濃度という。)が、9.1atomic%以上、11.1atomic%以下である。ケイ素原子濃度を上記数値範囲内とすることにより、受容層の離型性を向上できると共に、高級感のある印画物を得ることができる。
一実施形態において、受容層表面のケイ素原子濃度は、受容層におけるケイ素含有材料の種類や含有量を調整することにより、調整できる。また、一実施形態において、受容層表面のケイ素原子濃度は、受容層形成時における加熱乾燥温度を調整することにより、調整できる。
なお、本発明において、ケイ素原子濃度は、X線光電子分光装置を使用することにより測定できる。測定条件については、実施例に記載する通りである。
受容層表面の、光線反射角度45°における光沢度は、70%以上であることが好ましく、72%以上であることがより好ましい。受容層表面の光沢度を上記数値範囲とすることにより、本発明の熱転写受像シートを用いて作製される印画物の高級感を向上できる。
なお、本発明において、受容層表面の光沢度は、JIS-Z 8741(1997年発行)に準拠し、(株)東洋精機製作所製のグロスメーターを使用することにより測定できる。
受容層は、本発明の特性を損なわない範囲において、離型材、可塑材、充填材、紫外線安定化材、着色防止材、界面活性材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等の添加材を含むことができる。
受容層の厚さは、0.5μm以上、20μm以下であることが好ましく、1μm以上、10μm以下であることがより好ましい。受容層の厚さを上記数値範囲とすることにより、受容層の染料受容性より向上できると共に、より高級感のある印画物を得ることができる。
受容層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
塗膜の乾燥温度は、85℃以上、100℃以下であることが好ましく、90℃以上、100℃以下であることがより好ましい。塗膜の乾燥温度を上記数値範囲内とすることにより、受容層表面におけるケイ素原子濃度を好ましい数値範囲内とすることができ、受容層の離型性をより向上できると共に、より高級感のある印画物を得ることができる。
(多孔質層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、基材と、受容層との間に、多孔質層をさらに備える。多孔質層は、断熱性を有し、画像形成時における熱損失を低減できる。また、多孔質層は、クッション性を有し、多孔質層上に形成された受容層上に良好な画像を形成することができる。
一実施形態において、多孔質層は、中空粒子及びバインダー材料を含む。
中空粒子は、樹脂材料等から構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラス等から構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。
有機系中空粒子を構成する樹脂材料としては、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂及びポリエーテル系樹脂等を挙げることができる。
また、中空粒子は、発泡粒子であっても、非発泡粒子であってもよい。
中空粒子の体積平均粒径は、0.1μm以上、10μm以下であることが好ましく、0.3μm以上、5μm以下であることがより好ましい。
また、中空粒子の平均中空率は、20%以上であることが好ましく、30%以上、90%以下であることがより好ましく、50%以上、90%以下であることがさらに好ましい。中空粒子の平均中空率を上記数値範囲とすることにより、多孔質層の断熱性及びクッション性をより向上できる。
なお、本発明において、平均中空率は以下のようにして求めることができる。
まず、中空粒子成分を水中に分散させてなる水分散体を調製し、この中空粒子の水分散体を乾燥させ、乾燥体を得る。次いで、透過型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて、乾燥体中における中空粒子成分をなす粒子を観察して(100個)、ここの粒子についてその内面側の直径(内径)を計測し、それらの平均を平均粒子内径とする。次いで、平均粒子内径から中空部の体積を定めると共に、その値を上記平均粒子(粒子外径)から粒子の見かけの体積で除して、100を乗じることで平均中空率を算出できる。
一実施形態において、中空粒子は、樹脂粒子等中にブタンガス等の発泡材を封入し、加熱発泡することにより作製できる。また、一実施形態において、中空粒子は、エマルジョン重合を利用することによっても作製できる。
なお、市販されている中空粒子を使用してもよい。
中空粒子層に含まれるバインダー材料としては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース系樹脂、PVP等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ゼラチン及びその誘導体、プルラン、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸及びその塩、寒天、κ-カラギーナン、λ-カラギーナン、ι-カラギーナン、カゼイン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸並びにアラビアゴム等が挙げられる。
中空粒子層におけるバインダー材料の含有量は、20質量%以上、75質量%以下であることが好ましく、50質量%以上、70質量%以下であることがより好ましい。バインダー材料の含有量を上記数値範囲内とすることにより、多孔質層の断熱性及びクッション性をより向上させることができると共に、基材と多孔質層との密着性を向上できる。
多孔質層は、本発明の特性を損なわない範囲において、可塑材、充填材、紫外線安定化材、着色防止材、界面活性材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等の添加材を含むことができる。
多孔質層の厚さは、10μm以上、80μm以下であることが好ましく、15μm以上、50μm以下であることがより好ましい。多孔質層の厚さを上記数値範囲とすることにより、多孔質層の断熱性及びクッション性をより向上できる。
多孔質層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(中間層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、基材と、受容層との間に中間層を備える。中間層とは、耐溶材性、バリア性、接着性、白色付与性、隠蔽性、クッション性及び帯電防止性等の性能を1以上有する層である。
本発明の熱転写受像シートは、中間層を2層以上備えていてもよい。2層以上の中間層が有する性能は同一であってもよく、異なっていてもよい。
中間層は、PE及びPP等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、PVA及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン系樹脂並びにポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含むことができる。中間層は、上記した樹脂材料を2種以上含むことができる。
一実施形態において、中間層は、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム及び炭酸カルシウム等の充填材を含む。中間層がこれらの充填材を含むことにより、基材のムラ等を隠蔽する隠蔽性を中間層に付与することができる。
また、中間層が白色付与性を有することとなり、受容層上により鮮明な画像を形成できる。
また、一実施形態において、中間層は、帯電防止材を含む。帯電防止材としては、例えば、アニオン性界面活性材、カチオン性界面活性材、非イオン性界面活性材、両性界面活性材等が挙げられる。
アニオン性界面活性材としては、N-アシルカルボン酸塩、エーテルカルボン酸塩及び脂肪酸アミン塩等のカルボン酸塩、スルホコハク酸塩、エステルスルホン酸塩及びN-アシルスルホン酸塩等のスルホン酸塩、硫酸エステル塩、硫酸アルキル塩、硫酸エーテル塩及び硫酸アミド塩等の硫酸エステル塩、並びにリン酸アルキル塩、リン酸エーテル塩及びリン酸アミド塩等のリン酸エステル塩等が挙げられる。
カチオン性界面活性材としては、アルキルアミン塩等のアミン塩、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド等の第4級アンモニウム塩、1-ヒドロキシエチル-2-アルキル-2-イミダゾリン等のアルキルイミダゾリン誘導体、イミダゾリニウム塩、ピリジニウム塩、並びにイソキノリニウム塩等が挙げられる
非イオン性界面活性材としては、アルキルポリオキシエチレンエーテル、p-アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル等のエーテル、脂肪酸ソルビタンポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸ソルビトールポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸グリセリンポリオキシエチレンエーテル脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、2価アルコールエステル、ホウ酸エステルジアルコールアルキルアミン、ジアルコールアルキルアミンエステル、脂肪酸アルカノールアミド、N,N-ジ(ポリオキシエチレン)アルカンアミド、アルカノールアミンエステル、N,N-ジ(ポリオキシエチレン)アルカンアミン、アミンオキシド、並びにアルキルポリエチレンイミン等が挙げられる。
両性界面活性材としては、モノアミノカルボン酸、ポリアミノカルボン酸、N-アルキルアミノプロピオン酸塩、N,N-ジ(カルボキシエチル)アルキルアミン塩等が挙げられる。
上記界面活性材に限定されず、層状ケイ酸塩、カチオン系(メタ)アクリル樹脂やポリアニリン系樹脂を耐電防止材として使用してもよい。
一実施形態において、中間層は、スチルベン系化合物、ベンゾイミダゾール系化合物及びベンゾオキサゾ-ル系化合物等の蛍光増白材を含む。中間層が蛍光増白材を含むことにより、中間層が白色付与性を有することとなり、受容層上により鮮明な画像を形成できる。
中間層は、本発明の特性を損なわない範囲において、可塑材、ヒンダードアミン系化合物、ヒンダ-ドフェノール系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物及びベンゾフェノン系化合物等の紫外線吸収材、着色防止材、界面活性材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、並びに顔料や染料等の着色材等の添加材を含むことができる。
中間層の厚さは、要求される性能に応じ適宜変更することが好ましいが、例えば、0.1μm以上、3μm以下とすることができる。
中間層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(目止め層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、基材と、受容層との間に目止め層を備える。熱転写受像シートが目止め層を備えることにより、受容層を形成するための塗工液が水系のものであっても、吸水性の高い基材を使用することができる。
目止め層を構成する材料は、目止め層が防水機能を発揮することができれば特に限定されず、例えば、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル等のビニル系樹脂等を挙げることができる。
目止め層の厚さは、0.2μm以上、10μm以下であることが好ましく、1μm以上、5μm以下であることがより好ましい。目止め層の厚さを上記数値範囲内とすることにより、目止め層の防水性をより向上できる。
目止め層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(裏面層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、基材の、受容層が設けられた面とは反対の面に、裏面層を備える。熱転写受像シートが裏面層を備えることにより、熱転写受像シートのプリンタ内における搬送性を向上できると共に、熱転写受像シートのカール発生を防止できる。
裏面層は、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニルアルコール等のビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びポリウレタン系樹脂等の樹脂材料を含むことができる。裏面層は、上記した樹脂材料を2種以上含むことができる。
一実施形態において、裏面層は、フィラーを含む。フィラーとしては、例えば、(メタ)アクリル系粒子、ポリアミド系粒子及びポリエチレンワックス等の有機フィラー並びに二酸ケイ素粒子、炭酸カルシウム粒子及び酸化チタン粒子等の無機フィラーを挙げることができる。また、有機-無機のハイブリッド型のフィラーを使用してもよい。
裏面層は、本発明の特性を損なわない範囲において、可塑材、紫外線安定化材、着色防止材、界面活性材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等の添加材を含むことができる。
裏面層の厚さは、特に限定されず、例えば、0.1μm以上、1μm以下とすることができる。
裏面層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
(裏面プライマー層)
一実施形態において、本発明の熱転写受像シートは、基材と、裏面層との間に、裏面プライマー層を備える。熱転写受像シートが裏面プライマー層を備えることにより、裏面層と、基材との密着性を向上できる。
裏面プライマー層は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ビニル系樹脂及びセルロース系樹脂等の樹脂材料を含むことができる。
裏面層は、本発明の特性を損なわない範囲において、充填材、可塑材、紫外線安定化材、着色防止材、界面活性材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、糸摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、紫外線吸収材及び顔料や染料等の着色材等の添加材を含むことができる。
裏面プライマー層の厚さは特に限定されず、例えば、0.1μm以上、3.0μm以下とすることができる。
裏面プライマー層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液とし、これを、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成することができる。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
厚さ170μmのコート紙(大王製紙(株)製)の一方の面に、下記組成の裏面プライマー層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.2μmの裏面プライマー層を形成した。
<裏面プライマー層形成用塗工液>
・ポリエステル系樹脂 10質量部
(東洋紡(株)製、バイロナール(登録商標)MD-1480、固形分25%)
・充填材 9質量部
(ウイルパー・エリス(株)製、ラポナイトJS)
・界面活性材 0.08質量部
(信越化学工業(株)製、ダイノール604)
・イソプロピルアルコール(IPA) 6.7質量部
・水 13.3質量部
次いで、裏面プライマー層上に、下記組成の裏面層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.0μmの裏面層を形成した。
<裏面層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール 5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BL-7)
・充填材 10質量部
(神東塗料(株)製、MW330)
・トルエン 25質量部
・IPA 25質量部
次いで、コート紙の他方の面に、下記組成の目止め層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1μmの目止め層を形成させた。
<目止め層形成用塗工液>
・ポリエステル系樹脂 16質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・メチルエチルケトン(MEK) 7質量部
・トルエン 7質量部
次いで、目止め層上に、下記組成の多孔質層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ30μmの多孔質層を形成させた。
<多孔質層形成用塗工液>
・中空粒子 40質量部
(松本油脂製薬(株)製、マイクロスフェアー、中空率82%、固形分36%)
・(メタ)アクリル系樹脂 60質量部
(日本ゼオン(株)製、SX1707A、固形分45%)
・界面活性材 1質量部
(信越化学工業(株)製、ダイノール604)
・IPA 69質量部
・水 161質量部
次いで、多孔質層上に、下記組成の第1の中間層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.5μmであり、バリア性、隠蔽性及び白色付与性を有する第1の中間層を形成させた。
<第1の中間層形成用塗工液>
・ポリエステル系樹脂 8質量部
(東洋紡(株)製、バイロナール(登録商標)MD-1480、固形分25%)
・ポリエステル系樹脂 2質量部
(日本合成化学(株)製、WR905、固形分20%)
・酸化チタン 1質量部
(堺化学工業(株)製、TCA-888)
・IPA 39質量部
・水 39質量部
次いで、第1の中間層上に、下記組成の第2の中間層形成用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ1.2μmであり、帯電防止性を有する第2の中間層を形成させた。
<第2の中間層形成用塗工液>
・ポリエステル系樹脂 10質量部
(東洋紡(株)製、バイロナール(登録商標)MD-1480、固形分25%)
・充填材 9質量部
(ウイルパー・エリス(株)製、ラポナイトJS)
・界面活性材 0.08質量部
(信越化学工業(株)製、ダイノール604)
・IPA 6.7質量部
・水 13.3質量部
次いで、第2の中間層上に、下記組成の受容層形成用塗工液を塗布した後、95℃で乾燥することで厚さ3μmの受容層を形成し、熱転写受像シートを得た。なお、イソシアネート化合物のイソシアネート基と、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂の水酸基とのモル当量比(-NCO/-OH)は、0.26であった。
<受容層形成用塗工液>
・水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂 25.09質量部
(藤倉化成(株)製、AH90A、水酸基価29.7mgKOH/g、固形分26%)
・イソシアネート化合物 1.3質量部
(三井化学(株)製、タケネート(登録商標)D110N、固形分75%)
・両末端型カルビノール変性シリコーンオイル 0.126質量部
(信越化学工業(株)製、KF6003)
・MEK 9質量部
・トルエン 9質量部
実施例2及び比較例1~6
受容層の形成工程における乾燥温度を表1に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして熱転写受像シートを作製した。
各実施例及び各比較例において作製した熱転写受像シートについて以下の試験を行い、評価した。
<<ケイ素原子濃度測定>>
X線光電子分光装置((株)島津製作所製、Kratos AXIS-NOVA)を下記条件で用いて、実施例及び比較例において作製した熱転写受像シートが備える受容層表面における、炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合(ケイ素原子濃度)を測定した。測定結果を表1に表した。
(測定条件)
・X線源:AlのKα線(1.49keV)
・X線出力:150W(加速電圧:15kV、エミッション電流:10mA)
・測定領域:300μm×700μm
・帯電中和機構:ON
・Pass Energy:Survey160eV、Narrow40eV
<<光沢度測定>>
実施例及び比較例において作製した熱転写受像シートが備える受容層表面の光沢度を、JIS-Z 8741(1997年)に準拠し、(株)東洋精機製作所製のグロスメーターを用いて測定し、下記評価基準により、受容層表面の光沢度を評価した。なお、光線反射角度は、45°とした。測定結果を表1に表した。
<評価基準>
A:光沢度70以上
NG:光沢度70未満
<<異常転写発生防止性評価>>
各実施例及び各比較例で得られた熱転写受像シートと、以下のようにして得られた熱転写シートとを組み合わせて、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、SL-20)を用い、グロスモードにて、イエロー染料層、マゼンタ染料層、シアン染料層の順に印画を行い、グレーベタ画像(128/255階調画像)を印画した。得られた印画物を目視観察し、下記評価基準により異常転写発生防止性について評価し、評価結果を表1に表した。
<評価基準>
A:異常転写の発生がなく、正常に転写された。
NG:異常転写が発生した。
(熱転写シートの作製)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラー(登録商標))を用い、その一方の面に、下記組成の耐熱滑性層形成用塗工液を、乾燥状態での厚みが1.0μmとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層を形成した。
<耐熱滑性層形成用塗工液>
・ポリビニルブチラール 4.55質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX-1)
・イソシアネート化合物 21.0質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750-45、固形分45質量%)
・リン酸エステル系界面活性材 3.0質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・金属石鹸 0.45質量部
(堺化学工業(株)製、LBT1830)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・MEK 100質量部
・トルエン 100質量部
基材の他方の面に、下記組成のイエロー、マゼンタ、シアンの各染料層形成用塗工液を、それぞれ乾燥状態での厚みが1.0μmとなるように塗布、乾燥し、イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層を形成した。
<イエロー染料層形成用塗工液>
・分散染料(ホロンブリリアントイエロー-S-6GL) 5.5質量部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・リン酸エステル系界面活性材 0.1質量部
(第一製薬工業(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・MEK 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
<マゼンタ染料層形成用塗工液>
・分散染料(MSレッドG) 1.5質量部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2.0質量部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・リン酸エステル系界面活性材 0.1質量部
(第一製薬工業(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・MEK 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
<シアン染料層形成用塗工液>
・分散染料(カヤセットブルー714) 4.5質量部
・ポリビニルアセトアセタール 4.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・リン酸エステル系界面活性材 0.1質量部
(第一製薬工業(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・MEK 45.0質量部
・トルエン 45.0質量部
Figure 0006996279000001
10:熱転写受像シート
11:基材
12:受容層
13:多孔質層
14:中間層
15:目止め層
16:裏面層
17:裏面プライマー層

Claims (5)

  1. 基材及び受容層を少なくとも備える熱転写受像シートであって、
    前記受容層は、少なくともバインダー樹脂とカルビノール変性シリコーンオイルを含有し、
    前記受容層の表面を、X線光電子分光法により測定した際における炭素原子数、酸素原子数、窒素原子数及びケイ素原子数の総和に対するケイ素原子数の割合が、9.1atomic%以上、11.1atomic%以下であることを特徴とする、
    熱転写受像シート。
  2. 前記受容層表面の、光線反射角度45°における光沢度が、70%以上である、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記バインダー樹脂が、水酸基含有(メタ)アクリル系樹脂を含む、請求項1又は2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記受容層が、イソシアネート化合物を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写受像シート。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写受像シートの製造方法であって、
    前記基材上に、少なくともバインダー樹脂とカルビノール変性シリコーンオイルを含有する受容層形成用塗工液を塗布して、塗膜を形成させ、前記塗膜を85℃以上、100℃以下の温度で乾燥させ、前記受容層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする、熱転写受像シートの製造方法。
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