JP2007301949A - 被熱転写シート - Google Patents

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Abstract

【課題】染料によって形成された画像の耐光保存性を良好にすることができ、耐ブロッキング性も良好にすることができる被熱転写シートを提供する。
【解決手段】基材2上に形成された染料を受容する染料受容層3をアクリル樹脂で形成し、受容層3中にアクリル樹脂及び染料と親和性が高いベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、染料受容層に染料が熱転写される被熱転写シートに関する。
被熱転写シートは、熱転写シートに設けられた昇華性染料層、熱溶融性染料層又は熱拡散性染料層(以下、染料層という)を画像信号に応じて点状に加熱し、染料を熱転写する熱転写プリンタ装置に用いられる。この熱転写プリンタ装置では、熱転写シートのイエロー、マゼンタ、シアン等の染料層を被熱転写シートに密着させ、熱転写シートの染料層が設けられていない裏面側からサーマルヘッドで画像信号に応じて染料層を選択的に加熱し、染料を昇華、溶融又は熱拡散させて被熱転写シートに熱転写し、被熱転写シート上に画像や文字を形成するものである。このような方式の熱転写プリンタ装置は、ビデオ画像等の高品位な画像をハードコピーすることができる。
このような熱転写プリンタ装置に用いられる被熱転写シートは、シート状の基材の表面に、熱転写シートから移行される染料を受容する染料受容層が設けられている。基材は、染料受容層を支持するものであり、上質紙や高分子フィルム等で形成されている。
この基材の表面に形成される染料受容層は、熱転写シートから移行される染料を受容し、受容した染料によって形成される画像を長時間にわたり維持するものである。染料受容層は、高分子樹脂を主体に形成されている。染料受容層には、耐熱性を向上させるため、ポリイソシアネート等の硬化剤を添加する場合がある。このような材料で形成された受容層を有する被熱転写シートでは、光に対する保存性、即ち耐光保存性が必ずしも十分ではなく、時間の経過とともに画像の鮮明度が低下したり、変色する等の不具合が生じる場合がある。このような不具合が生じる原因としては、熱転写シートから被熱転写シートに移行した染料の大部分が染料受容層の表面近傍に留まってしまい、表面に留まった染料が光の影響を受けることによるものと考えられる。また、熱転写プリンタ装置では、高速化により、染料受容層に対する染料の拡散が抑制される傾向にあり、染料が染料受容層の表面近傍に留まり、耐光保存性を悪化させる可能性が大きくなる。したがって、このような被熱転写シートでは、耐光保存性が悪く、光によって画像の鮮明度が低下したり、変色が生じ、画像が劣化する場合がある。
このような問題を改善するために、被熱転写シートの耐光保存性を向上させる様々な試みがなされている。その1つの方法としては、染料受容層に添加剤を含有させる方法がある。例えば、下記の特許文献1には、染料受容層にヒンダードアミン系の光安定化剤を添加することが記載されている。しかしながら、この特許文献1に記載されている方法では、耐光保存性を改善させる効果が不十分であり、染料の熱転写時に熱転写シートに被熱転写シートが融着するといった問題が生じる虞がある。
また、下記の特許文献2には、染料受容層にフタル酸エステル及びイソフタル酸エステル及び/又はテレフタル酸エステルといった可塑剤を添加することが記載されている。しかしながら、この特許文献2に記載されている方法では、可塑剤が含有されることによって、染料受容層の樹脂が可塑化され、染料が染料受容層中に拡散しやすくなるため、耐光保存性を改善させるという点ではある程度の効果を有するものの、染料の熱転写時に被熱転写シートが熱転写シートに貼り付いてしまい走行不良を引き起こしたり、被熱転写シート同士を重ね合わせて保存した場合に、被熱転写シート同士が貼り付いてしまう、いわゆるブロッキングが生じるため、耐ブロッキング性が悪くなるといった問題が生じる虞がある。
以上のように、被熱転写シートでは、特許文献1や特許文献2に記載されている方法を行っても、耐光保存性が不十分であったり、耐光保存性が改善されても耐ブロッキング性が悪くなり、耐光保存性及び耐ブロッキング性を共に良好にすることが困難である。
特開昭63−145089号公報 特開平4−85079号公報
そこで、本発明は、染料によって形成された画像の光に対する保存性、即ち耐光保存性を良好にすることができ、耐ブロッキング性も良好することができる被熱転写シートを提供することを目的とする。
上述した目的を達成する本発明に係る被熱転写シートは、基材と、基材上に形成され、染料を受容する染料受容層とを有し、染料受容層は、アクリル樹脂で形成され、下記の化学式1で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする。
Figure 2007301949
本発明では、アクリル樹脂を主体とする染料受容層に化学式1で示すベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されていることによって、受容した染料が染料受容層に均一に拡散し、画像の耐光保存性を良好にすることができ、耐ブロッキング性も良好することができる。
以下、本発明を適用した被熱転写シートについて図面を参照して詳細に説明する。図1に示す被熱転写シート1は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン等の3色、更にブラックを加えた4色の昇華性分散染料、熱溶融性染料又は熱拡散性染料からなる各色の染料層と、ラミネートフィルム層が順次並設された熱転写シートを備える熱転写プリンタ装置に用いられる。この熱転写プリンタ装置では、被熱転写シート1にカラー画像を形成する場合、熱転写シートと対向する位置に被熱転写シート1を搬送し、被熱転写シート1と熱転写シートとを重ね合わせ、印刷指令情報に基づき、サーマルヘッドを駆動させ、先ずイエローの染料層を選択的に加熱し、イエローの染料を昇華、溶融又は熱拡散させ、被熱転写シート1に熱転写させる。続いて、熱転写プリンタ装置では、イエローと同様に、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の染料を順々に熱転写し、更に熱転写された染料で形成された画像上にラミネートフィルムを転写し、被熱転写シート1にフルカラー画像を形成する。この熱転写プリンタ装置では、サーマルヘッドの染料の加熱温度や加熱時間が印刷指令情報に基づいて制御されることによって、連続的な階調の画像を形成することができる。
このように染料が熱転写される被熱転写シート1は、図1に示すように、基材2上に染料を受容する染料受容層3が積層された2層構造からなる。基材2は、例えばシート状のものであり、一主面に積層される染料受容層3を保持する。染料受容層3は、最表面に位置し、熱転写シートに設けられた染料層の染料が熱転写され、移行された染料を受容する層である。この被熱転写シートの厚さは、特に限定されないが、好ましくは50〜200μm程度である。
具体的に、基材2には、普通紙、上質紙、コート紙、キャストロール紙、セルロース繊維紙等の紙類、不織紙、布類や板類、パネル類の他に、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート等の各種高分子樹脂フィルム、シート等が用いられる。また、基材2には、白色顔料を添加した白色不透明フィルムや発泡シートも用いられ、これら材料の積層体で構成されたものも用いられる。なお、基材2としては、これらに限定されるものではない。
この基材2上に形成される染料受容層3は、アクリル樹脂を主体に形成されている。アクリル樹脂は、モノマーとして、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートメチルアクリレートのうち少なくとも1つ含み、かつメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくとも1つ含むものである。染料受容層3は、このようなモノマーで構成されたアクリル樹脂を用いることによって、染料の転写濃度を高く維持しながら、高温環境下での走行性も良好な状態を維持でき、高品質、高解像度の画像を得ることが可能になる。
このアクリル樹脂の製造方法は、特に制限されるものではなく、懸濁重合、塊状重合、溶液重合、乳化重合等の任意の重合方法が用いられ、これらの中でも重合を完全にするため、好ましくは溶液重合が用いられる。
また、染料受容層3は、このアクリル樹脂にポリエステルをグラフトしたもので形成することもできる。アクリル樹脂にポリエステルをグラフトさせる場合には、例えば芳香族系ポリエステル、脂肪族系ポリエステル、脂環族系ポリエステルを単独又は混在するように、アクリル樹脂にポリエステルをグラフトさせる。
上述したアクリル樹脂を構成するモノマーとポリエステルとのグラフト重合方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、過酸化物に代表されるラジカル発生型の重合開始剤を用い、1種類以上のポリエステル存在下で(メタ)アクリルモノマーを重合し、重合開始剤の水素引き抜き反応を利用する方法が用いられる。また、他のグラフト重合方法としては、ポリエステルに含まれる水酸基にラジカル重合不飽和基を予め付加させた後、(メタ)アクリルモノマーと反応させグラフト重合体を得る方法や、水酸基と反応し得る官能基を導入した(メタ)アクリルモノマーを予め合成しておき、その後、1種類以上のポリエステル中の水酸基に付加反応させる方法など、一般的に用いられる方法が用いられる。
また、染料受容層3には、皮膜特性を向上させるために硬化剤を添加することもできる。硬化剤としては、例えばエポキシ系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等が用いられ、これらの中でも好ましくは無黄変タイプの多官能イソシアネート化合物が用いられる。このような無黄変タイプの多官能イソシアネート化合物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ビューレット等が用いられ、これらを単独又は複数混合して用いられる。
染料受容層3には、アクリル樹脂とともに下記の化学式1で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有させる。
Figure 2007301949
この化学式1で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、染料受容層3の耐ブロッキング性を維持しつつ、耐光保存性を向上させることができる。染料受容層3では、このベンソフェノン系紫外線吸収剤が、可塑剤のように、単純に樹脂を可塑化させて染料の拡散を促進させるのではなく、ベンソフェノン系紫外線吸収剤はアクリル樹脂及び染料と親和性が高いため、拡散助剤として働き、アクリル樹脂と染料との親和性を高め、染料を染料受容層中に均一に染み込み易くさせ、その結果染料の拡散速度が高まり、染料を層内に均一に拡散させる。これにより、染料受容層3では、樹脂を可塑化させずに染料を拡散させることができるため、耐ブロッキング性の悪化を防止することができる。また、染料受容層3では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されることによって、移行された染料が層内に均一に拡散され、表面近傍に染料が留まらないため、染料が光の影響を受けにくくなり、画像の耐光保存性が良好となる。また、このベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、アクリル樹脂との相溶性が高く、結晶化しにくいものである。したがって、染料受容層3では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されていることによって、染料受容層3が可塑化せず、熱転写シートから移行された染料が均一に層内に拡散するため、画像の耐光保存性が向上すると共に、耐ブロッキング性も得られる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、アクリル樹脂100重量部に対して、1重量部以上、10重量部以下の範囲であり、好ましくは5重量部である。染料受容層3では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量をアクリル樹脂100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下の範囲とすることによって、染料が均一に拡散し、画像の耐光保存性が良好となり、耐ブロッキング性も得られるようになる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量が1重量部未満の場合には、染料受容層3の耐光保存性が改善されず、10重量部よりも多い場合には、結晶化が起こりやすく、また耐ブロッキング性が悪化し、耐光保存性の改善効果も頭打ちになる。したがって、染料受容層3では、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量を上記範囲とすることによって、画像の耐光保存性が良好となり、耐ブロッキング性も得られるようになる。
なお、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤以外の他の紫外線吸収剤、例えばベンゾトリアゾール系等を染料受容層3に含有させた場合には、耐光保存性が十分に改善されない。また、ヒンダードアミン系等の酸化防止剤を染料受容層3に含有させた場合には、樹脂の可塑化効果によると見られる耐光保存性の改善が認められるが不十分であり、耐ブロッキング性が低下するといった不具合が生じる虞があり、不適である。
また、染料受容層3には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の他に、白色度を向上させるため、酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等の無機顔料や蛍光増白剤を添加してもよい。
また、染料受容層3には、熱転写シートに密着させて、染料を被熱転写シート1に熱転写する際に、熱転写シートから剥離しやすいように、離型剤を添加してもよい。離型剤としては、例えば、メチルスチレン変性シリコーンオイル、オレフィン変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイルのようなシリコ−ンオイルや、フッ素系離型剤等が用いられる。
また、染料受容層3には、熱転写プリンタ装置内を走行する際に、静電気が発生することを防止するため、帯電防止剤を添加したり、帯電防止剤を表面にコーティングしてもよい。帯電防止剤としては、例えば、陽イオン型界面活性剤(第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等)、陰イオン型界面活性剤(アルキルベンゼンスルホネ−ト、アルキル硫酸エステルナトリウム塩等)、両性イオン型界面活性剤又は非イオン型界面活性剤等の各種の界面活性剤が用いられる。
以上のような構成からなる被熱転写シート1では、基材2上に設けられた染料受容層3をアクリル樹脂を主体に形成し、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が添加されていることによって、熱転写シートから移行された染料が染料受容層3の表面に留まらず、染料受容層3内に均一に拡散するため、染料が光の影響を受けにくくなり、画像の耐光保存性が向上する。これにより、この被熱転写シート1では、画像を形成してから時間が経過しても、染料によって形成された画像の鮮明度が低下したり、変色することも防止でき、画像を高品位な状態で維持することができる。また、この被熱転写シート1では、樹脂を可塑化させることなく、染料受容層3を染料が均一に拡散させることができるため、耐ブロッキング性が低下することも防止できる。これにより、この被熱転写シート1では、熱転写シートに貼り付くことなく、走行不良の発生が防止され、また被熱転写シート同士を重ね合わせて保存した場合に、被熱転写シート同士が貼り付くことを防止できる。以上のことから、被熱転写シート1では、耐光保存性及び耐ブロッキング性が共に良好となり、画像を高品位な状態で維持でき、不具合の発生も防止できる。
なお、上述では、被熱転写シート1は、基材2上に染料受容層3を設けた2層構造としているが、このことに限定されず、基材2と染料受容層3との間に下地層を設けたり、熱転写プリンタ装置内を安定に走行できるように、搬送機構との間の摩擦係数を制御するため、基材2の染料受容層3が設けられていない反対側の面にバックコート層を設けるようにしてもよい。また、被熱転写シート1では、両面に画像を形成することができるように、基材2の両面に染料受容層3を設けるようにしてもよい。
以下、本発明の好適な実施例を実験結果に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す材料の使用量は、特に明示しない限り重量部を示す。
〈実施例1〉
実施例1では、基材上に設ける染料受容層を形成するために、先ず染料受容層塗工液を作製した。染料受容層塗工液を作製する際は、先ずメチルメタクリレート72重量部と2−ヒドロキシエチルメタクリレート8重量部とを共重合させ、脂肪族ポリエステルを20重量部グラフト化してアクリル樹脂を作製した。染料受容層塗工液は、得られたアクリル樹脂100重量部と、離型剤としてカルビノール変性シリコーンオイルの商品名SF8427(東レ・ダウコーニング社製)5重量部と、硬化剤としてHDI系ポリイソシアネートの商品名N−75(日本ポリウレタン社製)10重量部と、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤の商品名SEESORB101(シプロ化成社製)5重量部とを、これらの固形分が20重量%となるようにメチルエチルケトンで調整し、作製した。
次に、作製した染料受容層塗工液を用いて被熱転写シートを作製した。受容層塗工液をシート用基材として用意した厚さ150μmの合成紙(ユポコーポレーション社製 商品名 YUPO FPG−150)上に乾燥後の塗布厚が3μmとなるように受容層塗工液を塗工し、110℃にて1分間乾燥後、50℃にて48時間キュアリングし、被熱転写シートを作製した。
〈実施例2〉
実施例2では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤の商品名SEESORB101(シプロ化成社製)を10重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈実施例3〉
実施例3では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤の商品名SEESORB102(シプロ化成社製)を10重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈実施例4〉
実施例4では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤としてベンゾフェノン系紫外線吸収剤の商品名SEESORB105(シプロ化成社製)を10重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈比較例1〉
比較例1では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤を含有させずに作製し、実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈比較例2〉
比較例2では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の商品名TINUVIN329(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を10重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈比較例3〉
比較例3では、染料受容層塗工液を作製する際に、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の商品名TINUVIN900(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)を10重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
〈比較例4〉
比較例4では、染料受容層塗工液を作製する際に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤をヒンダードアミン系酸化防止剤の商品名TINUVIN770DF(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製)に変え、このヒンダードアミン系酸化防止剤を5重量部としたこと以外は実施例1と同様に被熱転写シートを作製した。
以下の表1に、実施例1〜実施例4の被熱転写シート及び比較例1〜比較例4の被熱転写シートの各染料受容層の組成を示す。
Figure 2007301949
以上のように作製した実施例1〜実施例4の被熱転写シート及び比較例1〜比較例4の被熱転写シートに対して、耐光保存性及び耐ブロッキング性の評価を行った。
耐光保存性の評価は、先ず、各被熱転写シートに対して、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層及びラミネートフィルムを有するインクリボン(ソニー社製UPC−R156)を使用し、熱転写プリンタ装置(ソニー社製 UP−DR150)にて階調印画を行った。次に、階調印画された被熱転写シートに対して、キセノンロングライフウェザーメーター(スガ試験株式会社製)で36000kluxの光量を照射した。ブラックの濃度1.0付近の諧調部について、マクベス反射濃度計(TR−924)にて照射前後の印画濃度を測定した。照射前の印画濃度をOD、照射後の印画濃度をODとし、次の計算式により残存率を算出して耐光保存性を評価した。計算式は、残存率(%)=(OD/OD)×100である。算出された残存率が100%に近いほど耐光性が良好である。残存率が98%以上の場合には、下記の表2に◎印で示し、95%以上、98%未満の場合は○印で示し、90%以上、95%未満の場合は△印で示した。
耐ブロッキング性の評価は、実施例及び比較例で作製した被熱転写シートを5cm×5cmの正方形に切って複数枚重ね合わせ、5kgの重りを載せた状態で、50℃で48時間保存した。その結果、被熱転写シートが隣り合う被熱転写シートに貼り付いた場合には、下記の表2中に×印で示し、貼り付きが無かった場合には、○印で示し、定性的に評価した。
以下の表2に、実施例1〜実施例4及び比較例1〜比較例4の各被熱転写シートの耐光保存性及び耐ブロッキング性の評価結果を示す。
Figure 2007301949
表2に示す評価結果から、染料受容層にベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されている実施例1〜実施例4は、染料受容層に紫外線吸収剤が含有されていない比較例1やベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が含有されている比較例2、比較例3、ヒンダードアミン系酸化防止剤が含有されている比較例4と比べて、耐光保存性及び耐ブロッキング性が共に良好であった。
比較例1では、紫外線吸収剤が含有されていないため、移行された染料が光の影響を受け、画像の濃度が低下し、耐光保存性性が悪くなった。
比較例2及び比較例3では、含有されている紫外線吸収剤がベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であるため、耐光保存性が改善されず、光の影響を受け、画像の濃度が低下した。比較例2及び比較例3より、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を含有させた場合には、良好な耐光保存性が得られないことが分かる。
比較例4では、ヒンダードアミン系酸化防止剤が含有されているため、耐光保存性が改善されるが、樹脂が可塑化され、被熱転写シート同士が貼り付くブロッキングが生し、耐ブロッキング性が悪くなった。比較例4より、ヒンダードアミン系酸化防止剤が含有した場合には、耐光保存性が良好となっても、良好な耐ブロッキング性が得られないことが分かる。
これらの比較例に対して、実施例1〜実施例4では、染料受容層にベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されているため、インクリボンから移行された染料が染料受容層内に均一に拡散し、染料が光の影響を受けにくくなり、耐光保存性が向上し、樹脂が可塑化されないため、耐ブロッキング性も得られた。実施例1〜実施例4より、染料受容層にベンゾフェノン系紫外線吸収剤を含有させることによって、耐光保存性が良好となり、耐ブロッキング性も得られることが分かる。
本発明を適用した被熱転写シートの断面図である。
符号の説明
1 被熱転写シート、2 基材、3 染料受容層

Claims (3)

  1. 基材と、
    上記基材上に形成され、染料を受容する染料受容層とを有し、
    上記染料受容層は、アクリル樹脂で形成され、下記の化学式1で示されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤が含有されていることを特徴とする被熱転写シート。
    Figure 2007301949
  2. 上記アクリル樹脂を構成するモノマーは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレートメチルアクリレートのうち少なくとも1つ含み、かつメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートのうち少なくとも1つ含むことを特徴とする請求項1記載の被熱転写シート。
  3. 上記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の含有量は、上記アクリル樹脂100重量部に対して1重量部以上、10重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の被熱転写シート。
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