JP6994815B1 - 砂防堰堤の補強部構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本件発明は、補強部材の衝撃吸収性能を維持しつつ、外部の自然環境に起因する劣化や常時流水の摩耗作用から補強部材の品質を保護し、かつ、外枠壁の壁面の面的作用により衝撃力を分散させ、砂防堰堤への衝撃を緩和し、また、例えば土石流の衝突により損壊した箇所について、修復が必要な箇所を必要なだけ速やかに修復できる砂防堰堤の補強部構築方法を提供する。【解決手段】本発明は、砂防堰堤1の上流側を補強部3により補強する砂防堰堤の補強部構築方法であって、前記補強部3は、上流側に位置する補強部3に傾斜面を形成する外枠壁4と、砂防堰堤1と前記外枠壁4との間に打設される補強部材6とを有し、前記外枠壁4は、該外枠壁4を構成する外枠材5同士を連結して壁面とし、前記補強部材6は、土砂または購入した補強材料にセメントと水、必要に応じて粉末粘土からなる細粒分を混入することにより生成することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、砂防堰堤の補強部構築方法に関するものである。
近年、降雨量の増加により土砂災害発生リスクが増大し、昨今では100年超過確立を超える降雨が頻発し、予想しえなかった規模の土石流が発生している。昨今、これまでに作られた砂防堰堤が土石流により破壊される事案も報告され、とりわけ、砂防堰堤の内部露出による損壊リスクの大きい粗石コンクリート造の砂防堰堤や劣化が進行した砂防堰堤では、土石流による堰堤損壊に伴う人的リスクの増大が懸念され、早急に対策を考える必要があった。
従来の砂防堰堤の土石流衝突による損壊防止策として、上流側に土砂を盛り立てることが考えられるが、流水による土砂の流出など、土構造物として恒久的に形状を保持しえないとの課題があった。
そのため、この欠点を補う方法として砂防ソイルセメントによる盛り立てが考えられるが、砂防ソイルセメントも同様に自然環境による劣化が懸念され長期耐久性の確実性に懸念を有している。
特に、砂防ソイルセメントでも緩衝工として要求される性能は衝撃の吸収に富む柔らかい品質であることが望ましいが、劣化や摩耗作用に対して特に耐性が小さいとの課題があった。
内部に打設する砂防ソイルセメントの品質は低強度であればあるほど、陥没や変形によって衝撃が吸収されやすいが、大きな外力(礫衝突)や繰り返しの作用により破壊されやすい。一方、高強度であればあるほど、衝突した荷重が既存堰堤に伝達されやすくなり、そもそもの目的である既存砂防堰堤の保護の目的に背反することになる。
そのため、緩衝工に用いる砂防ソイルセメントは低強度でありつつ、破壊されにくい構造が求められており、この課題を解決する方法として、緩衝工外部に外枠壁を設置することが考えられる。
砂防ソイルセメントを構築する外枠壁は、一般にコンクリート、鋼板、金属製網材からなる外枠材で、施設の内側から施工し、外枠材内部で外枠材同士が接合される。
このため、土石流等の作用で損壊した場合、外側から部分的な補修をすること(例えば、損壊部分のみの外枠材の撤去や補修据付にかかる旧部材との接合方法など)が困難であった。また、外枠材は構造的に補修することを前提としているものでないため、足場の設置が困難であり、安全確保の観点からも問題があった。
そして、これまで緩衝工として砂防ソイルセメントを用いること、砂防ソイルセメント堰堤を構築する技術として、上記外枠壁と併用した技術は存在したものの、緩衝工として土石流衝突時に破損することを前提として速やかな修復を可能とする構造は存在していない。
特開2018-21333号公報
本件発明は、前記従来の課題を解決するために創案されたものであり、補強部材を、事前に外枠材の内側あるいは外側より組み立てた外枠壁内に打ち込み、補強部材の衝撃吸収性能を維持しつつ、外部の自然環境に起因する劣化や常時流水の摩耗作用から補強部材の品質を保護し、かつ、例えば土石流衝突時には前記外枠壁の壁面の面的作用により衝撃力を分散させ、砂防堰堤への衝撃を緩和することを目的とするものであり、また、例えば土石流の衝突により損壊した箇所について、修復が必要な箇所を必要なだけ速やかに修復できる砂防堰堤の補強部構築方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、
砂防堰堤の上流側を補強部により補強する砂防堰堤の補強部構築方法であって、
前記補強部は、上流側に位置する補強部に傾斜面を形成する外枠壁と、砂防堰堤と前記外枠壁との間に打設される補強部材とを有し、
前記外枠壁は、該外枠壁を構成する外枠材同士を前記外枠材の上流側から連結具により連結して壁面とし、前記補強部材は、土砂または購入した補強材料にセメントと水、必要に応じて粉末粘土からなる細粒分を混入することにより生成してなり、
前記外枠壁は、前記外枠材を横方向へ当接させて第1外枠壁部を形成し、該第1外枠壁部に前記補強部材を打設し、次いで前記第1外枠壁部の上部に前記外枠材を積み重ねると共に、横方向に当接させて第2外枠壁部を形成し、該第2外枠壁部に補強部材を打設し、前記第1外枠壁部と前記第2外枠壁部とは、前記外枠壁の上流側から連結具を用いて連結してなり、
前記外枠材の横方向への連結と上方向への積み重ね及び横方向への連結を繰り返して外枠壁を構築した、
ことを特徴とし、
または、
前記砂防堰堤は既設の砂防堰堤である、
ことを特徴とし、
または、
前記外枠壁の外側には足場部材を取付け可能な構造あるいは形状に形成した、
ことを特徴とし、
または、
前記外枠材の上流側表面には、前記外枠材表面より内側にくぼませた凹部が設けられ、前記凹部内の連結具により前記外枠材同士を連結する、
ことを特徴とし、
または、
前記凹部には、凹部キャップが取り付けられる、
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、補強部材を、事前外枠材の内側あるいは外側よりに組み立てた外枠壁内に打ち込み、補強部材の衝撃吸収性能を維持しつつ、外部の自然環境に起因する劣化や常時流水の摩耗作用から補強部材の品質を保護し、かつ、例えば土石流衝突時には前記外枠壁の壁面の面的作用により衝撃力を分散させ、砂防堰堤への衝撃を緩和することを目的とするものであり、また、例えば土石流の衝突により損壊した箇所について、修復が必要な箇所を必要なだけ速やかに修復できるとの優れた効果を奏する。
本発明の構成を説明する構成説明図(1)である。 本発明の構成を説明する構成説明図(2)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(1)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(2)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(3)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(4)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(5)である。 本発明の補強部が破損した場合の修復を説明する説明図(6)である。
以下、図に基づいて本発明の実施するための最良の形態について説明する。
図1に基づいて、本発明の構成を説明する。
図中の符号1は砂防堰堤であり、本発明では新設砂防堰堤であっても、既設砂防堰堤であってもかまわない。どちらの砂防堰堤であっても補強部3を構築することができるものである。しかし、図1から理解されるように、砂防堰堤1の補強に際しては、上流側が満砂状態になっている砂防堰堤1の補強工(緩衝工)の場合が多いと考えられる。
従って、この満砂線より上側の袖部2を補強すべく砂防堰堤1の補強部3を形成するものとなる。尚、満砂状態になっていない場合は、砂防ダム本体についても補強部3を形成することも考えられる。
この補強部3は、図1示すように、前記砂防堰堤1の袖部2の上端面の高さとほぼ同等の高さにした厚みとしてある。土石流による前記袖部2の損壊、破損を防ぐためである。
次に符号4は外枠壁であり、前記外枠壁4は長方形等の略方形状をなす外枠材5同士を連結して壁面を形成している。前記外枠壁4を形成することにより、補強部材6の衝撃吸収性能を維持しつつ、外部の自然環境に起因する劣化や常時流水の摩耗作用から補強部材6の品質を保護することができる。また、土石流衝突時には壁面の面的作用により衝撃力を分散させ、既存砂防堰堤への衝撃を緩和することができるのである。
そして、前記外枠材5は、前記砂防堰堤1側(内側)に傾斜した状態で固定部材11により緊結されている。
前記固定部材11を用いて緊結することにより、前記砂防堰堤1と前記外枠壁4との間に補強部材6を打設した際、前記外枠壁4が補強部材6を打設により崩れることがなく、十分な強度を保つことができるのである。また、例えば補強部材6に凍結融解などが生じた場合に、外枠材5が外れて落下する危険性がなく、安全に設置することができるのである。
そして、固定部材11としては、例えばL型アングル、ワイヤーあるいは鉄筋などが考えられるが、前記外枠材5を固定部材11として緊結することができる強度があれば特に限定されない。
前記外枠材5を連結することにより、上流側に位置する補強部3に傾斜面を形成するように前記外枠壁4を設置することができるのである。なお、外枠壁4の傾斜角度については何ら限定されず、現場の状況により、緩やかな傾斜面として設置しても良いし、急な傾斜面として設置しても良い。
また、外枠材5としては、例えばコンクリート、コンクリート板、鋼板あるいは金属製網材などが用いられることが考えられる。
ここで、金属製網材、例えばエキスパンドメタルを加工した金属製網材が外枠材5として用いられる際には、前記金属製網材と補強部材6との間にシート状の吸出し防止材を挟んで打設される。これにより、補強部材6を打設した際に、前記金属製網材から補強部材6が漏れ出ることを防止することができるのである。
次に、前記砂防堰堤1と前記外枠壁4との間に補強部材5が打設される。前記補強部材6は、砂防ソイルセメントまたは低強度(2N/mm未満)の砂防ソイルセメントなどが用いられる。なお、前記砂防ソイルセメントは、転圧タイプまたは流動タイプのいずれも用いることが可能である。
ここで砂防ソイルセメントは、土砂または購入した補強材料にセメントと水、必要に応じて粉末粘土からなる細粒分を混入することにより生成される。なお前記土砂は、例えば現地発生土砂や流用土砂などが用いられる。
そして、現場の補強すべき砂防堰堤1により、要求される砂防ソイルセメントの強度が異なるため、現場の状況に応じてセメントの割合と砂、砂礫土砂あるいは河床堆積物の粒度に応じて乾燥した粉末粘土からなる細粒分の割合を変えることにより、前記砂防ソイルセメントの強度を低強度(2N/mm未満)とすることができる。
また、流動タイプの砂防ソイルセメントは、現場で発生する粗石や巨石を活用することもできる。
図2(a)は外枠壁4を外側(上流側)から見た構成図を示す。
図2(a)から理解されるように、外枠壁4は、長方形等の略方形状をなす外枠材5を横方向へ当接させた状態で設置し、第1外枠壁部7を形成している。そして、前記第1外枠壁部7の上部に前記外枠材5を積み重ねると共に、第1外枠壁部7と同様に横方向に当接させた状態で設置し、第2外枠壁部8を形成する。
そして、前記第1外枠壁部7と前記第2外枠壁部8を連結するに際しては、横に当接させた外枠材5と該当接させた外枠材5の上部に積み重ねた外枠材5を突き合わせた隅角部、すなわち4枚の外枠材5の隅角部の突き合わせ面に連結プレート9を添接し、ボルトなどの連結具10を用いて外枠材5の外側(上流側)より連結することが考えられる。
なお、図2(b)では連結プレート9が内側、すなわち補強部材6が打設される側に添接しているが、外側(上流側)に連結プレート9を添接してボルトなどの連結具10を用いて連結してもよい。
また前記外枠材5同士の連結については、上記の他に、例えば横方向に当接させた外枠材5の当接面に連結プレート9を添接し、ボルトなどの連結具10を用いて連結しておくことが考えられる。なお、外枠材5同士が連結できれば他の方法で連結しても構わない。
そして、前記外枠材5は砂防堰堤1側に傾斜した状態で固定部材11により緊結されている。これにより、前記外枠材5同士を当接させ第1外枠壁部7とした後、前記砂防堰堤1と前記第1外枠壁部7との間に補強部材6を打設した際に、前記第1外枠壁部7が崩れることがなく、十分な強度を保つことができるのである。また、例えば補強部材6に凍結融解などが生じた場合に、外枠材5が外れて落下する危険性がなく、安全に設置することができるのである。
そして、外枠材5を固定部材11により緊結するに際して、前記外枠材5の外側、すなわち上流側から略中央よりやや上方において前記固定部材11をボルトなどの連結具10を用いて固定される。
また前記外枠材5を連結して形成した外枠壁4の外側、すなわち上流側には、足場用部材12が取り付けられる構造となっている(図1及び図2(b)参照)。
前記足場用部材12が取り付けられる構造の一例として、連結具10を用いる箇所に前記外枠材5の表面より少し内側にくぼませた凹部13を設け、前記凹部13内にボルトなどの連結具10を用いて、外枠材5同士を連結したり、固定部材11を固定したりする。
そして、複数の前記凹部13に足場用部材12の取り付け部を嵌め込んで取り付けるなどにより、足場を設けることができることとなる。
ここで、足場用部材12の取り付けについては何ら限定はなく、外枠材5の外側、すなわち上流側に取付用の構造や形状を構成して足場用部材12を取り付けてもかまわない。
これにより、外枠壁4の外側、すなわち上流側に足場を設けることができ、前記外枠壁4の破損した際に、迅速かつ安全に作業することが可能となる。また、定期的に補強部3を点検する際にも、前記足場用部材12を使用すれば容易に点検することができるのである。
また、図2(b)から理解されるように、前記凹部13には凹部キャップ14が取り付けられている。前記凹部キャップ14を取り付ける際には、例えばグリースを入れてキャップすることが考えられる。前記凹部キャップ14を取り付けることにより、ボルトなどの連結具10の健全性を保護することができ、必要に応じて容易に前記凹部キャップ取り外すことができるのである。
次に、本発明の第1実施例を図1に基づいて説明する。
砂防堰堤1の袖部2の補強に際して、補強部3は満砂線の上側に形成するものとなる。
まず、前記砂防堰堤1の上流側に、前記砂防堰堤1側(内側)に傾斜した状態で外枠材5を設置し、前記外枠材5の内側、すなわち砂防堰堤1側から固定部材11を用いて緊結し固定する。なお、外枠材5としては、例えばコンクリート、コンクリート板、鋼板あるいは金属製網材などが用いられることが考えられる。
そして、形成する補強部3の幅に応じて、前記外枠材5を横方向に当接させた状態で設置し、第1外枠壁部7が形成される。そして、前記砂防堰堤1と前記第1外枠壁部7との間に補強部材6が打設され、1段目が形成される。
次いで、前記第1外枠壁部7の上部に前記外枠材5を積み重ねると共に、横方向に当接させた状態で設置し、第2外枠壁部8が形成される。なお、積み重ね設置された前記外枠材5についても、前記外枠材5の内側、すなわち砂防堰堤1側から固定部材11を用いて緊結し固定されている。そして、前記砂防堰堤1と前記第2外枠壁部8との間に補強部材6が打設され、2段目が形成される。
そして、前記第1外枠壁部7と前記第2外枠壁部8を連結するに際しては、横に当接させた外枠材5と該当接させた外枠材5の上部に積み重ねた外枠材5を突き合わせた隅角部、すなわち4枚の外枠材5の隅角部の突き合わせ面に連結プレート9を添接し、ボルトなどの連結具10を用いて外枠材5の外側(上流側)より連結する(図2参照)。
なお、図2(b)では連結プレート9が内側、すなわち補強部材6が打設される側に添接しているが、外側(上流側)に連結プレート9を添接してボルトなどの連結具10を用いて連結してもよい。
上記のように、前記外枠材5の横方向への当接設置と上方向への積み重ね及び横方向への当接設置を繰り返して、3段目、4段目・・・と形成し、外枠壁4が形成される。そして、段ごとに補強部材6を打設することにより、補強部3が構築される。
なお、図1では4段目までしか形成されていないが、4段に限定されるものではなく、砂防堰堤1の袖部2の上端面の高さとほぼ同等の高さとなるように前記補強部3の厚み分の段数とすることが望ましい。
次に、本発明の第2実施例を図3乃至図8に基づいて説明する。
図3は、上記の方法により構築した補強部3が土石流等により、第2外枠壁部8より上方が破損した場合を示したものである。
図3のように補強部3が破損した場合は、まず外枠壁4のうち破損している箇所の外枠材5を取り外す(図4参照)。前記外枠材5は外側、すなわち上流側からボルトなどの連結具10を用いて前記外枠材5同士を連結し、また固定部材11を固定しているため、外側から前記破損した外枠材5を容易に取り外すことができる構造となっている。
図示していないが、本発明は、前記外枠壁4に足場用部材12が取り付けられる構造となっているため、前記外枠壁4の破損していない箇所に前記足場用部材12を取り付けることにより、破損した外枠材5を容易に取り外すことができるのである。
そして、前記外枠材5を取り外した後、崩れた補強部材6を撤去(排除)する(図5参照)。この場合も、前記足場用部材12を用いることにより、容易に前記崩れた補強部材6を撤去(排除)することができる。
次いで、補強部材6を撤去(排除)した箇所に、改めて砂防堰堤1側(内側)に傾斜した状態で外枠材5を設置し、前記外枠材5の内側、すなわち砂防堰堤1側から固定部材11を用いて緊結し、前記外枠材5の外側(上流側)よりボルトなどの連結具10を用いて固定部材11を固定する(図6参照)。
図6では、2段目の固定部材11は破損していないため、改めて前記固定部材11を設置する必要はなく、既存の固定部材11に外枠材5を外側(上流側)からボルトなどの連結具10を用いて固定するだけでよい。
なお、補強部材6を撤去(排除)箇所の大きさによっては、前記固定部材11を設けることができない場合がある。そのような場合には、例えば撤去(排除)されていない補強部材6に鉄筋などを入れ、該鉄筋と外枠材5とを該外枠材5の外側(上流側)からボルトなどの連結具10を用いて固定することが考えられる。
これにより、例えば補強部材6に凍結融解などが生じた場合に、外枠材5が外れて落下する危険性がなく、安全に設置することができる。
次いで、外枠材5同士を当接させ、ボルトなどの連結具10を用いて連結し、第2外枠壁部8を形成する。その後、前記第2外枠壁部8の破損箇所に、補強部材6を打設することにより、前記第2外枠壁部8の破損箇所を補修することができる(図6参照)。
そして、上記同様にして、第2外枠壁部8の上部に前記外枠材5を積み重ねると共に、第2外枠壁部8と同様に横方向に当接させた状態で設置し、第3外枠壁部を形成する。次いで、第3外枠壁部の破損個所に補強部材6を打設し、補修する(図7参照)。
前記補修工程を繰り返すことにより、補強部3を補修することができるのである(図8参照)。
図3乃至図8では、第2外枠壁部8より上方が破損した場合の補修工程を示しているが、第1外枠壁部7及び第2外枠壁部8周辺だけが破損した場合には、破損している箇所より上方の補強部3を撤去(排除)した後、第1実施例で示した構築方法と同様の方法で補強部3を構築することが考えられる。
また、破損した箇所が比較的小さい場合には、補強部材6として流動タイプの砂防ソイルセメントをその破損箇所に流し入れることにより、小さなひび割れや破損を補修することができる。この際にも、足場用部材12を用いることにより迅速安全に補修することが可能となる。
従来は、前記外枠材5を内側、すなわち補強部材6を打設する側で連結部材10を用いて前記外枠材5同士を連結したり、また固定部材11を固定したりしていたため、外側、すなわち上流側から連結部材10を外すことができず、前記外枠材5を取り外して補修することができなかった。
また、従来は前記外枠壁4に足場用部材12を取り付けることができない構造であったため、破損した箇所の修復は大型重機を使用しなければならず、容易に補修することができなかった。
その点、本発明を用いた構築方法は、大型重機を使用せず、安全にかつ迅速に補修することができるものである。
1 砂防堰堤
2 袖部
3 補強部
4 外枠壁
5 外枠材
6 補強部材
7 第1外枠壁部
8 第2外枠壁部
9 連結プレート
10 連結具
11 固定部材
12 足場用部材
13 凹部
14 凹部キャップ

Claims (5)

  1. 砂防堰堤の上流側を補強部により補強する砂防堰堤の補強部構築方法であって、
    前記補強部は、上流側に位置する補強部に傾斜面を形成する外枠壁と、砂防堰堤と前記外枠壁との間に打設される補強部材とを有し、
    前記外枠壁は、該外枠壁を構成する外枠材同士を前記外枠材の上流側から連結具により連結して壁面とし、前記補強部材は、土砂または購入した補強材料にセメントと水、必要に応じて粉末粘土からなる細粒分を混入することにより生成してなり、
    前記外枠壁は、前記外枠材を横方向へ当接させて第1外枠壁部を形成し、該第1外枠壁部に前記補強部材を打設し、次いで前記第1外枠壁部の上部に前記外枠材を積み重ねると共に、横方向に当接させて第2外枠壁部を形成し、該第2外枠壁部に補強部材を打設し、前記第1外枠壁部と前記第2外枠壁部とは、前記外枠壁の上流側から連結具を用いて連結してなり、
    前記外枠材の横方向への連結と上方向への積み重ね及び横方向への連結を繰り返して外枠壁を構築した、
    ことを特徴とする砂防堰堤の補強部構築方法。
  2. 前記砂防堰堤は既設の砂防堰堤である、
    ことを特徴とする請求項1記載の砂防堰堤の補強部構築方法。
  3. 前記外枠壁の外側には足場部材を取付け可能な構造あるいは形状に形成した、
    ことを特徴とする請求項1及び請求項2記載の砂防堰堤の補強部構築方法。
  4. 前記外枠材の上流側表面には、前記外枠材表面より内側にくぼませた凹部が設けられ、前記凹部内の連結具により前記外枠材同士を連結する、
    ことを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項3記載の砂防堰堤の補強部構築方法。
  5. 前記凹部には、凹部キャップが取り付けられる、
    ことを特徴とする請求項4記載の砂防堰堤の補強部構築方法。
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