JP6994314B2 - 躯体コンクリート打継部におけるコンクリート堰止構造及びコンクリート堰止方法 - Google Patents
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本発明の実施形態に係るコンクリート堰止構造及びコンクリート堰止方法は、図1に示すように、躯体コンクリートを打ち継ぐ際に、コンクリート打継部の両側部分において、コンクリート40を堰き止めるための構造及び方法に関するものである。このコンクリート堰止構造及びコンクリート堰止方法は、躯体コンクリートを打ち継ぐ際に、打継部の全体にわたってエアーフェンス30を用いるのではなく、コンクリート打継部の両側部分にはエアーフェンス30を用いずに本発明に係る堰止構造を用いることにより、特にコンクリート打継部の両側部分において、先行して打ち込んだコンクリート40と後行して打ち込んだコンクリート40との間に脆弱部が発生しないようにしたものである。なお、図1において、符号50は主筋である。
堰止部本体10は、図1~図4に示すように、板状の部材を長手方向に沿って断面略L字状に屈曲させた部材であり、取付片11と堰止片12とが略直角となっている。ここで、断面略L字状とは、取付片11と堰止片12の幅(屈曲部から取付片11と堰止片12の先端部までの長さ)が異なっている場合だけではなく、両者の幅が略同一の場合も含んでいる。例えば、取付片11の幅は50mm程度、堰止片12の幅は約75mm~120mm程度、堰止部本体10の長さは約3mに設定するが、各寸法は、施工対象となる躯体コンクリートの配筋状態等に対応させて適宜変更することができる。
取付片11は、図2~図4に示すように、型枠20の内側面に取り付けるための部分であり、長さ方向に沿って複数のボルト挿通孔15が開設されている。このボルト挿通孔15は、型枠20に設けたボルト差込孔21とともに、堰止部本体10を型枠20に取り付けるために機能する。取付片11には、型枠20に取り付けた際に型枠20とは反対側の面であって、ボルト挿通孔15に対向する位置に、ナット14が取り付けられている。ナット14は、例えば、溶接により取付片11に取り付けるが、接着等、他の手段を用いて取付片11に取り付けてもよい。
堰止片12は、図2~図4に示すように、取付片11から型枠20内部に向かって略直角に突出して設けられている。この堰止片12により、躯体コンクリートを打ち継ぐ際に、コンクリート打継部の両側部分において、コンクリート40を堰き止めることができる。堰止片12の幅(型枠20の内部へ向かう突出量)は、配筋位置等に応じて適宜設定することができる。すなわち、堰止片12の幅(型枠20の内部へ向かう突出量)は、鉄筋の被り厚程度とすることにより、堰止片12が鉄筋と干渉せず、また、塩害や中性化が懸念される被り部分において、脆弱部をなくすことができる。
上述したコンクリート堰止構造を用いた躯体コンクリートの打ち継ぎについて説明する。なお、以下の説明において、躯体コンクリートを打設するには、躯体コンクリートの外周面を規定する型枠20が施工されていることを前提とする。
上述したように、堰止部本体10は型枠20を解体することなく撤去することができるので、繰り返して使用することが可能となる。また、堰止部本体10の固定及び撤去は、予め形成したボルト差込孔21とボルト挿通孔15へボルト13を挿通し、ボルト13の先端部をナット14に締め付ける作業と、ボルト13をナット14から外して、ボルト差込孔21とボルト挿通孔15からボルト13を抜き取る作業であるため、作業が容易なものとなり、熟練工でなくても適切な施工を行うことができる。
11 取付片
12 堰止片
13 ボルト
14 ナット
15 ボルト挿通孔
20 型枠
21 ボルト差込孔
30 エアーフェンス
40 コンクリート
50 主筋
100 脆弱部
Claims (3)
- 躯体コンクリートを打ち継ぐ際に、コンクリート打継部の両側部分において、型枠と最も型枠側に位置する主筋との間でコンクリートを堰き止めるための堰止構造であって、
コンクリートを堰き止めるための断面略L字状である堰止部本体を備え、
前記堰止部本体は、取付片と堰止片とを有し、
前記取付片は、型枠に対して前記堰止部本体を取り付けるための部材であって、長さ方向に沿って複数のボルト挿通孔を開設するとともに、当該ボルト挿通孔の型枠とは反対側の面にナットを取り付けてあり、
前記堰止片は、コンクリートを堰き止めるための平板状の部材であって、前記取付片から型枠内部に向かって、主筋の被り厚以下の長さで突出して設けてあり、
前記型枠の所定位置には、前記ボルト挿通孔に対向してボルトを一連に挿通するためのボルト差込孔を設けてある、
ことを特徴とする躯体コンクリート打継部におけるコンクリート堰止構造。 - 型枠の内側面に取り付ける取付片と、当該取付片から型枠内部に向かって、主筋の被り厚以下の長さで突出して設けた平板状の堰止片とを有する断面略L字状の堰止部本体を用いることにより、コンクリート打継部の両側部分において、型枠と最も型枠側に位置する主筋との間でコンクリートを堰き止めるための躯体コンクリート打継部におけるコンクリート堰止方法であって、
前記取付片の長さ方向に沿って複数のボルト挿通孔を設けるとともに、当該ボルト挿通孔の型枠とは反対側の面にナットを取り付け、
前記型枠の所定位置であって、前記ボルト挿通孔に対向する位置に設けたボルト差込孔と前記ボルト挿通孔とにボルトを一連に挿通し、当該ボルトの先端部を前記ナットにネジ付けて、前記取付片により前記堰止部本体を前記型枠に対して固定し、
躯体コンクリートを打ち継ぐ際に、コンクリート打継部の両側部分において、前記堰止片により鉄筋の被り部分でコンクリートを堰き止める、
ことを特徴とする躯体コンクリート打継部におけるコンクリート堰止方法。 - 前記堰止部本体によりコンクリート打継部の両側部分でコンクリートを堰き止め、
前記堰止部本体を配設した部分以外にはエアーフェンスを配設して、コンクリートを堰き止める、
ことを特徴とする請求項2に記載の躯体コンクリート打継部におけるコンクリート堰止方法。
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