JP6988626B2 - 積層電極体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、積層電極体の製造方法に関する。
特許文献1には、正極板と負極板とセパレータとが積層方向に積層された積層電極体の製造方法が開示されている。具体的には、セパレータの表面に塗布されたバインダ(接着力を有するコーティング物質)を介して、正極板とセパレータと負極板とが接着された積層電極体の製造方法が開示されている。
特許第6106913号公報
正極板としては、正極集電箔と、正極集電箔の表面に形成された正極合材層とを有する正極板を使用することができる。また、負極板としては、負極集電箔と、負極集電箔の表面に形成された負極合材層とを有する負極板を使用することができる。なお、負極合材層の面積(積層方向について平面視したときの面積)及びセパレータの面積(積層方向について平面視したときの面積)は、正極合材層の面積(積層方向について平面視したときの面積)よりも広くすることがある。特許文献1においてもそのようにされている。
上述のような積層電極体を製造する場合、例えば、積層体形成工程において、バインダが塗布されたセパレータと、正極板と、負極板とが、積層方向に積層された積層体を形成する。その後、圧着工程において、この積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加えることによって、バインダを介して正極板とセパレータと負極板とが接着された積層電極体を作製する。
さらに、上述の積層電極体は、例えば、以下のような関係を満たすように作製される。具体的には、負極板の負極合材層は、積層体を形成したときに、積層方向について対向する正極合材層が存在する部位(積層方向について正極合材層と対向する部位)と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない部位(積層方向について正極合材層と対向しない部位)とを有する。一方、正極合材層は、積層体を形成したとき、積層方向について対向する負極合材層が存在しない部位(積層方向について負極合材層と対向しない部位)を有することなく、積層方向について対向する負極合材層が存在する部位(積層方向について負極合材層と対向する部位)のみを有する。また、セパレータは、積層体を形成したとき、積層方向について対向する正極合材層が存在する正極対向部(積層方向について正極合材層と対向する部位)と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない正極非対向部(積層方向について正極合材層と対向しない部位)とを有する。
すなわち、積層体(圧着工程において圧縮荷重を加える対象物)を形成するとき、(1)負極合材層が、積層方向について対向する正極合材層が存在する部位と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない部位とを有し、(2)正極合材層が、積層方向について対向する負極合材層が存在しない部位を有することなく、積層方向について対向する負極合材層が存在する部位のみを有し、且つ、(3)セパレータが、積層方向について対向する正極合材層が存在する正極対向部と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない正極非対向部とを有するように、正極板と負極板とバインダが塗布されたセパレータとを積層方向に積層する。
しかしながら、圧着工程において、上述のような積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加えたとき、セパレータの正極非対向部に皺が発生することがあった。具体的には、積層体に対し積層方向に圧縮荷重を加えると、セパレータのうち、正極対向部は、正極非対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在している分、相対的に大きい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に大きくなる。反対に、セパレータのうち、正極非対向部は、正極対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在しない分、相対的に小さい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に小さくなる。この延伸量の差に起因して、セパレータの正極非対向部に皺が発生することがあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、圧着工程において、セパレータの正極非対向部に皺が発生することを低減することができる、積層電極体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、正極板と負極板とセパレータとが積層方向に積層された積層電極体の製造方法であって、前記正極板は、正極集電箔と、前記正極集電箔の表面に形成された正極合材層と、を有し、前記負極板は、負極集電箔と、前記負極集電箔の表面に形成された負極合材層と、を有し、前記負極合材層の面積及び前記セパレータの面積は、前記正極合材層の面積よりも広く、前記積層電極体の製造方法は、前記正極合材層の端面及び前記負極合材層の端面にバインダを塗布することなく、前記セパレータの表面にバインダを塗布するバインダ塗布工程と、前記バインダが塗布された前記セパレータと、前記正極板と、前記負極板とが、前記積層方向に積層された積層体を形成する積層体形成工程と、前記積層体に対し、前記積層方向に圧縮荷重を加えることによって、前記正極板と前記セパレータと前記負極板とが圧着された前記積層電極体を作製する圧着工程と、を備え、前記負極合材層は、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在する部位と、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在しない部位と、を有し、前記正極合材層は、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記負極合材層が存在しない部位を有することなく、前記積層方向について対向する前記負極合材層が存在する部位のみを有し、前記セパレータは、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在する正極対向部と、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在しない正極非対向部とを有し、前記バインダ塗布工程では、前記セパレータのうち前記正極対向部の表面に対する前記バインダの目付量(mg/cm2)よりも、前記正極非対向部の表面に対する前記バインダの目付量(mg/cm2)を大きくする積層電極体の製造方法である。
上述の製造方法は、正極板とセパレータと負極板とが圧着された積層電極体を製造する方法である。正極板として、正極集電箔と、正極集電箔の表面に形成された正極合材層とを有する正極板を使用する。また、負極板として、負極集電箔と、負極集電箔の表面に形成された負極合材層とを有する負極板を使用する。なお、負極合材層の面積(積層方向について平面視したときの面積)及びセパレータの面積(積層方向について平面視したときの面積)は、正極合材層の面積(積層方向について平面視したときの面積)よりも広く(大きく)している。
そして、上述の製造方法は、バインダ塗布工程と、積層体形成工程と、圧着工程とを備えている。このうち、バインダ塗布工程では、セパレータの表面にバインダを塗布する。また、積層体形成工程では、バインダが塗布されたセパレータと、正極板と、負極板とが、積層方向に積層された積層体を形成する。また、圧着工程では、積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加え、これによって、正極板とセパレータと負極板とが圧着された積層電極体を作製する。
但し、負極合材層は、積層体を形成したときに、積層方向について対向する正極合材層が存在する部位(積層方向について正極合材層と対向する部位)と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない部位(積層方向について正極合材層と対向しない部位)とを有している。一方、正極合材層は、積層体を形成したときに、積層方向について対向する負極合材層が存在しない部位(積層方向について負極合材層と対向しない部位)を有することなく、積層方向について対向する負極合材層が存在する部位(積層方向について負極合材層と対向する部位)のみを有している。また、セパレータは、積層体を形成したときに、積層方向について対向する正極合材層が存在する正極対向部(積層方向について正極合材層と対向する部位)と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない正極非対向部(積層方向について正極合材層と対向しない部位)とを有している。
すなわち、上述の製造方法では、積層体形成工程において積層体を形成するとき、(1)負極合材層が、積層方向について対向する正極合材層が存在する部位と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない部位とを有し、(2)正極合材層が、積層方向について対向する負極合材層が存在しない部位を有することなく、積層方向について対向する負極合材層が存在する部位のみを有し、且つ、(3)セパレータが、積層方向について対向する正極合材層が存在する正極対向部と、積層方向について対向する正極合材層が存在しない正極非対向部とを有するように、正極板と負極板とバインダが塗布されたセパレータとを積層方向に積層して、積層体を形成する。
さらに、上述の製造方法では、バインダ塗布工程において、セパレータのうち正極対向部(積層電極体を作製したときに正極合材層と対向する部位)の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部(積層電極体を作製したときに正極合材層と対向しない部位)の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)を大きくする。なお、バインダの目付量とは、セパレータの表面の単位面積当たりのバインダの塗布量(重量)をいう。正極非対向部に対するバインダの目付量は、0.10(mg/cm2)以上とするのが好ましい。一方、正極対向部に対するバインダの目付量は、0.02(mg/cm2)以上0.10(mg/cm2)未満とするのが好ましい。
このようにすることで、セパレータについて、正極対向部に比べて、正極非対向部の強度を高めることができる。これにより、後の圧着工程において、バインダが塗布されたセパレータと正極板と負極板とが積層方向に積層された積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加えたとき、正極非対向部に皺が発生するのを低減することができる。
具体的には、積層体に対し積層方向に圧縮荷重を加えると、セパレータのうち、正極対向部は、正極非対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在している分、相対的に大きい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に多くなる。反対に、セパレータのうち、正極非対向部は、正極対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在しない分、相対的に小さい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に少なくなる。
従来、この延伸量の差に起因して、セパレータの正極非対向部に皺が発生することがあった。しかしながら、上述の製造方法では、前述したように、セパレータのうち正極対向部の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)を大きくすることで、正極対向部に比べて、正極非対向部の強度を高くしている。これにより、圧着工程において、セパレータの正極非対向部に皺が発生するのを低減することができる。
なお、圧着工程において、正極板と負極板とバインダが塗布されたセパレータとが積層方向に積層された積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加えるとき、積層体を加熱しつつ圧縮荷重を加えるようにすると良い。積層体を加熱することにより、セパレータの表面に設けられているバインダを軟らかくすることができるので、積層体に圧縮荷重を加えたときに、バインダが正極板と負極板に密着し易くなり、バインダを介して正極板とセパレータと負極板とを強固に接着することができる。
また、上述のバインダ塗布工程において、セパレータのうち正極対向部の表面に対するバインダの目付量には、0(mg/cm2)も含まれる。すなわち、上述のバインダ塗布工程は、セパレータのうち正極対向部の表面にバインダを塗布することなく、正極非対向部の表面にのみバインダを塗布する場合も含む。このようなバインダ塗布工程でも、セパレータのうち正極対向部の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部の表面に対するバインダの目付量(mg/cm2)を大きくすることになる。
実施例1にかかる積層電極体の概略断面図である。 同積層電極体の概略平面図である。 正極板の概略断面図である。 負極板の概略断面図である。 バインダ付きセパレータの概略断面図である。 実施例1にかかる積層体の概略断面図である。 実施例1にかかる圧着工程を説明する図である。 実施例1,2にかかる積層電極体の製造方法の流れを示すフローチャートである。 実施例2にかかる積層電極体の概略断面図である。 同積層電極体の概略平面図である。 バインダ付きセパレータの概略断面図である。 実施例2にかかる圧着工程を説明する図である。
(実施例1)
以下、本発明の実施例1を、図面を参照しつつ説明する。図1は、実施例1にかかる積層電極体1の概略断面図である。図2は、積層電極体1の概略平面図(積層方向LDについて平面視した図)である。図3は、積層電極体1を構成する正極板30の概略断面図である。図4は、積層電極体1を構成する負極板10の概略断面図である。図5は、積層電極体1を構成するバインダ付きセパレータ40の概略断面図である。なお、積層方向LDは、図1では上下方向であり、図2では紙面に直交する方向である。
まず、本実施例1で製造される積層電極体1について説明する。積層電極体1は、図1に示すように、正極板30と負極板10とセパレータ20とが積層方向LD(図1において上下方向)に積層された積層電極体である。具体的には、積層電極体1は、正極板30とセパレータ20と負極板10とが圧着された積層電極体である。より具体的には、積層電極体1は、セパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)に塗布されたバインダ23を介して、正極板30とセパレータ20と負極板10とが接着された積層電極体である。なお、バインダ23としては、例えば、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。
正極板30は、図3に示すように、正極集電箔31と、この正極集電箔31の表面(第1面31fと第2面31g)に形成された正極合材層33とを有している。なお、正極集電箔31としては、例えば、アルミニウム箔を用いることができる。また、正極合材層33としては、例えば、正極活物質と導電材と結着材とが混合された合材層を挙げることができる。
負極板10は、図4に示すように、負極集電箔11と、この負極集電箔11の表面(第1面11fと第2面11g)に形成された負極合材層13とを有している。なお、負極集電箔11としては、例えば、銅箔を用いることができる。また、負極合材層13としては、例えば、負極活物質と結着材とが混合された合材層を挙げることができる。
セパレータ20は、電気絶縁性を有する多孔性樹脂フィルムからなる。本実施例1では、積層電極体1を作製するにあたり、予め(後述するバインダ塗布工程において)、セパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)にバインダ23を塗布することで、バインダ付きセパレータ40を作製している。バインダ付きセパレータ40は、図5に示すように、セパレータ20と、このセパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)に塗布されたバインダ23とを有している。
なお、本実施例1では、図1及び図2に示すように、負極合材層13の面積(積層方向LDについて平面視したときの面積)及びセパレータ20の面積(積層方向LDについて平面視したときの面積)を、正極合材層33の面積(積層方向LDについて平面視したときの面積)よりも大きくしている。より具体的には、セパレータ20の面積(積層方向LDについて平面視したときの面積)を、負極合材層13の面積(積層方向LDについて平面視したときの面積)よりも大きくしている。従って、本実施例1では、(セパレータ20の面積)>(負極合材層13の面積)>(正極合材層33の面積)という大小関係を満たすようにしている。
さらに、本実施例1では、負極合材層13は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する部位13b(積層方向LDについて正極合材層33と対向する部位13b)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない部位13c(積層方向LDについて正極合材層33と対向しない部位13c)とを有している(図1、図4、及び図6参照)。換言すれば、負極合材層13は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDに正極合材層33が存在する部位13b(積層方向LDについて正極合材層33と重なる部位13b)と、積層方向LDに正極合材層33が存在しない部位13c(積層方向LDについて正極合材層33と重ならない部位13c)とを有している。
ここで、積層体50は、正極板30と負極板10とバインダ23が塗布されたセパレータ20(バインダ付きセパレータ40)とが積層方向LDに積層された構造体である(図6参照)。この積層体50は、後述するように、積層体形成工程において、正極板30と負極板10とバインダ23が塗布されたセパレータ20(バインダ付きセパレータ40)とを積層方向LDに積層することによって形成する。
一方、正極合材層33は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在しない部位(積層方向LDについて負極合材層13と対向しない部位)を有することなく、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在する部位(積層方向LDについて負極合材層13と対向する部位)のみを有している(図1及び図6参照)。換言すれば、正極合材層33は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDに負極合材層13が存在しない部位(積層方向LDについて負極合材層13と重ならない部位)を有することなく、積層方向LDに負極合材層13が存在する部位(積層方向LDについて負極合材層13と重なる部位)のみを有している。すなわち、積層電極体1を作製したときに、正極合材層33の全面が、積層方向LDについて負極合材層13と対向する。
また、セパレータ20は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する正極対向部20b(積層方向LDについて正極合材層33と対向する部位20b)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない正極非対向部20c(積層方向LDについて正極合材層33と対向しない部位20c)とを有している(図1、図5、及び図6参照)。換言すれば、セパレータ20は、積層体50を形成したときに(積層電極体1を作製したときに)、積層方向LDに正極合材層33が存在する部位20b(積層方向LDについて正極合材層33と重なる部位20b)と、積層方向LDに正極合材層33が存在しない部位20c(積層方向LDについて正極合材層33と重ならない部位20c)とを有している。
すなわち、本実施例1の製造方法では、後述する積層体形成工程において積層体50を形成するとき、(1)負極合材層13が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する部位13bと、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない部位13cとを有し、(2)正極合材層33が、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在しない部位を有することなく、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在する部位のみを有し、且つ、(3)セパレータ20が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する正極対向部20bと、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない正極非対向部20cとを有するように、正極板30と負極板10とバインダ23が塗布されたセパレータ20(バインダ付きセパレータ40)とを積層方向LDに積層して、積層体50を形成する(図6参照)。
次に、本実施例1にかかる積層電極体1の製造方法について説明する。図6は、実施例1にかかる積層体50の概略断面図である。図7は、実施例1にかかる圧着工程を説明する図である。図8は、実施例1にかかる積層電極体1の製造方法の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、まず、ステップS1(バインダ塗布工程)において、セパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)に、バインダ23を塗布する。これにより、セパレータ20と、このセパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)に塗布されたバインダ23,23とを有する、バインダ付きセパレータ40が作製される(図5参照)。なお、バインダ23としては、例えば、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。
但し、本実施例1のステップS1(バインダ塗布工程)では、セパレータ20のうち正極対向部20b(図1、図2、及び図5においてAで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20c(図1、図2、及び図5においてBで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくする。なお、バインダ23の目付量とは、セパレータ20の表面の単位面積当たりのバインダ23の塗布量(重量)をいう。なお、図2では、Aで示す領域に斜線のハッチングを付しており、Bで示す領域にクロスのハッチングを付している。
具体的には、本実施例1では、セパレータ20の第1面20fのうち、正極対向部20bに含まれる部位(図1、図2、及び図5においてAで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.05(mg/cm2)とし、正極非対向部20cに含まれる部位(図1、図2、及び図5においてBで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.10(mg/cm2)としている。同様に、セパレータ20の第2面20gのうち、正極対向部20bに含まれる部位(図1、図2、及び図5においてAで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.05(mg/cm2)とし、正極非対向部20cに含まれる部位(図1、図2、及び図5においてBで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.10(mg/cm2)としている。
すなわち、本実施例1のステップS1(バインダ塗布工程)では、セパレータ20のうち正極非対向部20c(図1、図2、及び図5においてBで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を、正極対向部20b(図1、図2、及び図5においてAで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)の2倍としている。このようにすることで、セパレータ20(バインダ付きセパレータ40)について、正極対向部20b(積層体50を形成したときに正極合材層33と対向する部位)に比べて、正極非対向部20c(積層体50を形成したときに正極合材層33と対向しない部位)の強度を高めることができる。
次に、ステップS2(積層体形成工程)に進み、図6に示すように、正極板30と、バインダ付きセパレータ40(バインダ23が塗布されたセパレータ20)と、負極板10とを、この順に積層方向LDに積層して、積層体50を形成する。なお、積層体50は、正極板30と、負極板10と、これらの間に配置されたバインダ付きセパレータ40(バインダ23が塗布されたセパレータ20)とを有する。
但し、本実施例1では、図6に示すように、(1)負極合材層13が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する部位13b(図6においてAで示す領域内の部位)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない部位13c(図6においてBで示す領域内の部位)とを有し、(2)正極合材層33が、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在しない部位を有することなく、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在する部位のみを有し、且つ、(3)セパレータ20が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する正極対向部20b(図6においてAで示す領域内の部位)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない正極非対向部20c(図6においてBで示す領域内の部位)とを有するように、正極板30とバインダ付きセパレータ40と負極板10とを積層方向LDに積層して、積層体50を形成する。
次いで、ステップS3(圧着工程)に進み、上述のようにして形成した積層体50に対し、積層方向LDに圧縮荷重を加えることによって、正極板30とセパレータ20と負極板10とが圧着された積層電極体1(詳細には、バインダ23を介して正極板30とセパレータ20と負極板10とが接着された積層電極体1)を作製する。具体的には、図7に示すように、積層方向LD(図7において上下方向)に移動可能な押圧部材110と、位置が固定された固定部材120とを有するプレス装置100を用いて、積層電極体1を作製する。
より具体的には、積層方向LDが上下方向に一致する向きで、積層体50を固定部材120の上面に載置し、この状態で、押圧部材110を下方に移動させて、押圧部材110と固定部材120との間に積層体50を挟むようにして、所定の圧縮荷重を積層体50に加える。これにより、バインダ付きセパレータ40のバインダ23が、正極板30と負極板10とに密着し、バインダ23によって、正極板30とセパレータ20と負極板10とが接着されて、積層電極体1が作製される。
なお、本実施例1のステップS3(圧着工程)では、積層体50に対し積層方向LDに圧縮荷重を加えるとき、積層体50を加熱しつつ圧縮荷重を加えている。具体的には、プレス装置100の押圧部材110と固定部材120とを加熱した状態で、押圧部材110と固定部材120との間に積層体50を挟むことによって、積層体50を加熱しつつ圧縮荷重を加えている。積層体50を加熱することにより、セパレータ20の表面に設けられているバインダ23を軟らかくすることができるので、積層体50に圧縮荷重を加えたときに、バインダ23が正極板30と負極板10とに密着し易くなり、バインダ23を介して正極板30とセパレータ20と負極板10とを強固に接着することができる。
ところで、従来の製造方法では、セパレータ20の表面全体に均一に(一定の目付量で)バインダを塗布し、積層体を形成していた。このような積層体に対し、積層方向に圧縮荷重を加えたとき、セパレータの正極非対向部に皺が発生することがあった。具体的には、積層体に対し積層方向に圧縮荷重を加えると、セパレータのうち、正極対向部は、正極非対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在している分、相対的に大きい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に大きくなる。反対に、セパレータのうち、正極非対向部は、正極対向部に比べて、少なくとも積層方向について対向する正極合材層が存在しない分、相対的に小さい荷重が加わることになり、平面方向(積層方向に直交する方向)への延伸量は相対的に小さくなる。この延伸量の差に起因して、セパレータの正極非対向部に皺が発生することがあった。
これに対し、本実施例1の製造方法では、前述したように、ステップS1(バインダ塗布工程)において、セパレータ20のうち正極対向部20b(図1、図2、図6、及び図7において、Aで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20c(図1、図2、図6、及び図7において、Bで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくしている。このようにすることで、セパレータ20(バインダ付きセパレータ40)について、正極対向部20b(積層体50を形成したときに正極合材層33と対向する部位)に比べて、正極非対向部20c(積層体50を形成したときに正極合材層33と対向しない部位)の強度を高くしている。これにより、ステップS3(圧着工程)において、セパレータ20の正極非対向部20cに皺が発生するのを低減することができる。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2について、図面を参照しつつ説明する。図9は、実施例2にかかる積層電極体201の概略断面図である。図10は、積層電極体201の概略平面図(積層方向LDについて平面視した図)である。図11は、積層電極体201を構成するバインダ付きセパレータ240の概略断面図である。図12は、実施例2にかかる圧着工程を説明する図である。なお、積層方向LDは、図9及び図12では上下方向であり、図10では紙面に直交する方向である。
本実施例2で製造される積層電極体201は、実施例1の積層電極体1と比較して、セパレータ20を一枚追加した点が異なり、その他は同様である。積層電極体201は、図9に示すように、正極板30とセパレータ20と負極板10とセパレータ20とが積層方向LD(図9において上下方向)に積層された積層電極体である。
但し、本実施例2の積層電極体201は、実施例1の積層電極体1と異なり、負極板10の第1面10f(図9において上側)のみならず、第2面10g側(図9において下側)にも、セパレータ20を配置している。なお、負極板10の第2面10g側に配置されたセパレータ20については、第1面20f(積層電極体201を構成する負極板10と接触する面)にのみバインダ23が塗布されており、第2面20gにはバインダ23が塗布されていない。
本実施例2では、積層電極体201を作製するにあたり、予め(後述するバインダ塗布工程において)、負極板10の第2面10g側に配置するセパレータ20の第1面20fにバインダ23を塗布することで、バインダ付きセパレータ240を作製する。バインダ付きセパレータ240は、図11に示すように、セパレータ20と、このセパレータ20の第1面20fに塗布されたバインダ23とを有している。また、本実施例2では、実施例1と同様に、予め(後述するバインダ塗布工程において)、バインダ付きセパレータ40も作製する。
次に、本実施例2にかかる積層電極体201の製造方法について説明する。
図8に示すように、まず、ステップT1(バインダ塗布工程)において、セパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)にバインダ23を塗布して、バインダ付きセパレータ40を作製する(図5参照)。さらに、セパレータ20の表面(第1面20fのみ)にバインダ23を塗布して、バインダ付きセパレータ240を作製する(図11参照)。なお、バインダ23としては、例えば、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)を用いることができる。
但し、本実施例2のステップT1(バインダ塗布工程)でも、セパレータ20のうち正極対向部20b(図9〜図11においてAで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20c(図9〜図11においてBで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくする。なお、図10では、Aで示す領域に斜線のハッチングを付しており、Bで示す領域にクロスのハッチングを付している。
なお、本実施例2でも、実施例1と同様に、セパレータ20の第1面20fのうち、正極対向部20bに含まれる部位(図9〜図11においてAで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.05(mg/cm2)とし、正極非対向部20cに含まれる部位(図9〜図11においてBで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.10(mg/cm2)としている。同様に、セパレータ20の第2面20gのうち、正極対向部20bに含まれる部位(図9〜図11においてAで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.05(mg/cm2)とし、正極非対向部20cに含まれる部位(図9〜図11においてBで示す領域内)に塗布するバインダ23の目付量を0.10(mg/cm2)としている。
すなわち、本実施例2でも、セパレータ20のうち正極非対向部20c(図9〜図11においてBで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を、正極対向部20b(図9〜図11においてAで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)の2倍としている。このようにすることで、各々のセパレータ20(バインダ付きセパレータ40,240)について、正極対向部20b(積層体250を形成したときに正極合材層33と対向する部位)に比べて、正極非対向部20c(積層体250を形成したときに正極合材層33と対向しない部位)の強度を高めることができる。
次に、ステップT2(積層体形成工程)に進み、正極板30と、バインダ付きセパレータ40(第1面20fと第2面20gにバインダ23が塗布されたセパレータ20)と、負極板10と、バインダ付きセパレータ240(第1面20fにバインダ23が塗布されたセパレータ20)を、この順に積層方向LDに積層して、積層体250を形成する(図12参照)。なお、積層体250は、正極板30と、負極板10と、これらの間(負極板10の第1面10f側、図12において負極板10の上側)に配置されたバインダ付きセパレータ40と、負極板10に対してバインダ付きセパレータ40が配置されている側とは反対側(負極板10の第2面10g側、図12において負極板10の下側)に配置されたバインダ付きセパレータ240とを有する。
但し、本実施例2でも、図12に示すように、(1)負極合材層13が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する部位13b(図12においてAで示す領域内の部位)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない部位13c(図12においてBで示す領域内の部位)とを有し、(2)正極合材層33が、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在しない部位を有することなく、積層方向LDについて対向する負極合材層13が存在する部位のみを有し、且つ、(3)各々のセパレータ20が、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在する正極対向部20b(図12においてAで示す領域内の部位)と、積層方向LDについて対向する正極合材層33が存在しない正極非対向部20c(図12においてBで示す領域内の部位)とを有するように、正極板30とバインダ付きセパレータ40と負極板10とバインダ付きセパレータ240とを積層方向LDに積層して、積層体250を形成する。
次いで、ステップT3(圧着工程)に進み、上述のようにして形成した積層体250に対し、積層方向LDに圧縮荷重を加えることによって、正極板30とセパレータ20と負極板10とが圧着された積層電極体201(詳細には、バインダ23を介して正極板30とセパレータ20と負極板10とが接着された積層電極体201)を作製する。具体的には、実施例1と同様に、プレス装置100を用いて、積層電極体201を作製する(図12参照)。
本実施例2の製造方法でも、前述したように、ステップT1(バインダ塗布工程)において、セパレータ20のうち正極対向部20b(図9〜図11においてAで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20c(図9〜図11においてBで示す領域内の部位)の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくしている。このようにすることで、各々のセパレータ20(バインダ付きセパレータ40,240)について、正極対向部20b(積層体250を形成したときに正極合材層33と対向する部位、図12においてAで示す領域内の部位)に比べて、正極非対向部20c(積層体250を形成したときに正極合材層33と対向しない部位、図12においてBで示す領域内の部位)の強度を高くしている。これにより、ステップT3(圧着工程)において、セパレータ20の正極非対向部20cに皺が発生するのを低減することができる。
なお、本実施例2でも、積層体250に対し積層方向LDに圧縮荷重を加えるとき、積層体250を加熱しつつ圧縮荷重を加えている。具体的には、プレス装置100の押圧部材110と固定部材120とを加熱した状態で、押圧部材110と固定部材120との間に積層体250を挟むことによって、積層体250を加熱しつつ圧縮荷重を加えている。積層体250を加熱することにより、セパレータ20の表面に設けられているバインダ23を軟らかくすることができるので、積層体250に圧縮荷重を加えたときに、バインダ23が正極板30と負極板10とに密着し易くなり、バインダ23を介して正極板30とセパレータ20と負極板10とを強固に接着することができる。
また、上述のようにして複数の積層電極体201を作製し、複数の積層電極体201を積層方向LDに積層することで、複数の積層電極体201からなる高容量の積層電極体(図示なし)を作製することができる。但し、積層方向LDに隣接する2つの積層電極体201について、一方の積層電極体201のバインダ付きセパレータ240と他方の積層電極体201の正極板30とが接触するようにして、複数の積層電極体201を積層方向LDに積層する。
(比較例1)
本比較例1では、実施例1と比較して、セパレータ20の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)のみを異ならせ、それ以外は同様にして、積層電極体を製造している。具体的には、セパレータ20のうち正極対向部20bの表面に塗布するバインダ23の目付量と、正極非対向部20cの表面に塗布するバインダ23の目付量とを、同等の0.075(mg/cm2)にしている。すなわち、比較例1では、セパレータ20の表面(第1面20fと第2面20g)の全体に、均一に(一定の目付量で)バインダ23を塗布している。
(比較例2)
本比較例2では、実施例2と比較して、セパレータ20の表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)のみを異ならせ、それ以外は同様にして、積層電極体を製造している。具体的には、セパレータ20のうち正極対向部20bの表面に塗布するバインダ23の目付量と、正極非対向部20cの表面に塗布するバインダ23の目付量とを、同等の0.075(mg/cm2)にしている。すなわち、比較例2では、各々のセパレータ20の表面の全体に、均一に(一定の目付量で)バインダ23を塗布している。
(製造方法の評価)
次に、実施例1,2及び比較例1,2にかかる製造方法の評価を行った。具体的には、それぞれの製造方法によって製造した積層電極体について、セパレータ(バインダ付きセパレータ)の正極非対向部(積層方向について正極合材層と対向しない部位)に皺が発生しているか否かを、目視で調査した。その結果を表1に示す。
Figure 0006988626
表1に示すように、比較例1,2の製造方法によって製造した積層電極体では、セパレータ20(バインダ付きセパレータ)の正極非対向部に皺が発生していた。
一方、実施例1,2の製造方法によって製造した積層電極体1,201では、セパレータ20(バインダ付きセパレータ40,240)の正極非対向部に皺が発生していなかった。
これらの結果より、バインダ塗布工程において、セパレータ20のうち正極対向部20bの表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20cの表面に塗布するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくすることで、圧着工程において、セパレータ20の正極非対向部20cに皺が発生するのを低減することができるといえる。
以上において、本発明を実施例1,2に即して説明したが、本発明は上述の実施例1,2に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施例2では、バインダ塗布工程(ステップT1)において、負極板10の第2面10g側(図9及び図12において下側)に配置するセパレータ20について、第1面20fにのみバインダ23を塗布することで、バインダ付きセパレータ240を作製するようにした。しかしながら、負極板10の第2面10g側(図9及び図12において下側)に配置するセパレータ20について、第1面20fと第2面20gの両面にバインダ23を塗布するようにしても良い。このようにすることで、複数の積層電極体201を積層方向LDに積層して、複数の積層電極体201からなる高容量の積層電極体(図示なし)を作製するときに、負極板10の第2面10g側に位置するセパレータ20の第2面20gに塗布されたバインダ23によって、積層方向LDに隣り合う積層電極体201同士を接合することができる。
また、実施例1では、積層体形成工程(ステップS2)において、正極板30と、バインダ付きセパレータ40(バインダ23が塗布されたセパレータ20)と、負極板10とを、積層方向LDに積層して、積層体50を形成するようにした。しかしながら、例えば、予め、負極板10とバインダ付きセパレータ40とを積層方向に積層して接合したセパレータ付き負極板を作製しておき、その後、積層体形成工程において、このセパレータ付き負極板と正極板とを積層方向に積層することで、積層体(バインダが塗布されたセパレータと正極板と負極板とが積層方向に積層された構造体)を形成するようにしても良い。
また、実施例2では、積層体形成工程(ステップT2)において、正極板30と、バインダ付きセパレータ40と、負極板10と、バインダ付きセパレータ240とを、積層方向LDに積層して、積層体250を形成するようにした。しかしながら、例えば、予め、バインダ付きセパレータ40と負極板10とバインダ付きセパレータ240とを積層方向に積層して接合したセパレータ付き負極板を作製しておき、その後、積層体形成工程において、このセパレータ付き負極板と正極板とを積層方向に積層することで、積層体(バインダが塗布されたセパレータと正極板と負極板とが積層方向に積層された構造体)を形成するようにしても良い。
また、実施例1,2では、バインダ塗布工程(ステップS1,T1)において、セパレータ20のうち正極対向部20bの表面に対するバインダ23の目付量(mg/cm2)よりも、正極非対向部20cの表面に対するバインダ23の目付量(mg/cm2)を大きくして、正極対向部20bの表面及び正極非対向部20cの表面にバインダ23を塗布した。
しかしながら、バインダ塗布工程において、セパレータ20のうち正極対向部20bの表面にバインダ23を塗布することなく(すなわち、正極対向部20bの表面に対するバインダ23の目付量を0(mg/cm2)とする)、正極非対向部20cの表面にのみバインダ23を塗布するようにしても良い。このようにした場合でも、圧着工程において、正極板30とセパレータ20と負極板10とが圧着された積層電極体を作製することができ、且つ、セパレータ20の正極非対向部20cに皺が発生するのを低減することができる。
また、実施例1,2では、バインダ塗布工程(ステップS1,T1)において、セパレータ20の表面のうち正極対向部20bの表面に対して、その全面(全範囲)にバインダ23を塗布するようにした。
しかしながら、バインダ塗布工程において、セパレータ20の表面のうち正極対向部20bの表面に対して、その一部(例えば、正極対向部20bの周縁部)のみにバインダ23を塗布するようにしても良い。なお、セパレータ20の表面のうち正極非対向部20cの表面に対しては、その全面(全範囲)にバインダ23を塗布するのが好ましい。
1,201 積層電極体
10 負極板
11 負極集電箔
11f 第1面(表面)
11g 第2面(表面)
13 負極合材層
20 セパレータ
20b 正極対向部
20c 正極非対向部
20f 第1面(表面)
20g 第2面(表面)
23 バインダ
30 正極板
31 正極集電箔
31f 第1面(表面)
31g 第2面(表面)
33 正極合材層
40,240 バインダ付きセパレータ
50,250 積層体
100 プレス装置
S1,T1 バインダ塗布工程
S2,T2 積層体形成工程
S3,T3 圧着工程
LD 積層方向

Claims (1)

  1. 正極板と負極板とセパレータとが積層方向に積層された積層電極体の製造方法であって、
    前記正極板は、正極集電箔と、前記正極集電箔の表面に形成された正極合材層と、を有し、
    前記負極板は、負極集電箔と、前記負極集電箔の表面に形成された負極合材層と、を有し、
    前記負極合材層の面積及び前記セパレータの面積は、前記正極合材層の面積よりも広く、
    前記積層電極体の製造方法は、
    前記正極合材層の端面及び前記負極合材層の端面にバインダを塗布することなく、前記セパレータの表面にバインダを塗布するバインダ塗布工程と、
    前記バインダが塗布された前記セパレータと、前記正極板と、前記負極板とが、前記積層方向に積層された積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体に対し、前記積層方向に圧縮荷重を加えることによって、前記正極板と前記セパレータと前記負極板とが圧着された前記積層電極体を作製する圧着工程と、を備え、
    前記負極合材層は、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在する部位と、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在しない部位と、を有し、
    前記正極合材層は、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記負極合材層が存在しない部位を有することなく、前記積層方向について対向する前記負極合材層が存在する部位のみを有し、
    前記セパレータは、前記積層体を形成したときに、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在する正極対向部と、前記積層方向について対向する前記正極合材層が存在しない正極非対向部とを有し、
    前記バインダ塗布工程では、前記セパレータのうち前記正極対向部の表面に対する前記バインダの目付量(mg/cm2)よりも、前記正極非対向部の表面に対する前記バインダの目付量(mg/cm2)を大きくする
    積層電極体の製造方法。
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