JP6987739B2 - イオン性添加剤を含むポリマーマトリックス - Google Patents

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Description

本開示は、ポリマーマトリックスを調製するためのイオン性添加剤、並びにそれらを調製及び使用するための方法に関する。
多種多様なポリマー材料が知られており、多種多様な目的のために使用されている。多くの場合、ポリマー材料は、ポリマーマトリックスの特性を改変するための添加剤を含有する。ポリマーマトリックス中に組み込むことができる添加剤には、イオン塩がある。こうした塩は、少なくとも1つのアニオン成分及び少なくとも1つのカチオン成分を含む。
フェノールは、芳香族炭化水素基に直接結合した水酸基を有する化合物の分類である。フェノレートは、フェノールの水酸基からプロトンが除去された、フェノールのアニオン塩である。フェノール類は、フェノール基を含有する化合物のことを称するが、多種多様なものが知られている。フェノール類は、植物によって天然に生成されるものもあれば、様々な化学的用途のために合成により設計されたものもある。
フェノール類の分類の1つは、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール又はベンゾトリアゾールフェノールである。ベンゾトリアゾールフェノールは、紫外線吸収剤の重要な分類の1つであり、場合によっては、可視域も吸収することができる。こうした化合物は、材料中で添加剤として使用されることが多く、ベンゾトリアゾールフェノール構造の重合性置換基を介してポリマー構造中に組み込むこともできる。
ベンゾトリアゾールフェノール自体の有用性に加えて、ベンゾトリアゾールフェノールはまた、シントンとして使用して、これもまた有用なベンゾトリアゾールフェノレート塩を形成することができる。例えば欧州特許第351,732号において、種々のベンゾトリアゾールフェノレート塩の使用は、ポリエステルポリマー組成物において高い結晶化速度をもたらすために必須の成分として使用されている。
置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩は依然として必要である。
少なくとも1種のポリマーと、置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩を含む添加剤と、を含むポリマー組成物が本明細書において開示されている。いくつかの実施形態では、添加剤は、1種以上の高分子塩(macromolecular salt)組成物を含み、高分子塩組成物は、置換ベンゾトリアゾールフェノレートアニオンと金属カチオンの繰り返し単位を有する金属塩の会合体を含み、その繰り返し単位は、下記の構造:
Figure 0006987739
[式中、各R、R、R、R、R、R、R、及びRは独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、又は−B(OR18)(OR19)、−SiR20 、−CH−R、−O−R、−N−R10、−S−R、−S(O)−R、若しくは−S(O)−R基{式中、S(O)はスルフィニル基S=Oであり、S(O)はスルホニル基O=S=Oである}を含む置換ヘテロ原子基を含み、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含み、
−B(OR18)(OR19)、−SiR20 、−CH−R、−O−R、−N−R10、−S−R、−S(O)−R、又は−S(O)−R基は、中性であってもアニオン性であってもよく、R10は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含み、又はR及びR10は結合している原子と一緒に、複素環構造を形成し、R18及びR19は独立して、水素原子、アルキル基であるか、又はR18及びR19は結合している原子と一緒に、複素環構造を形成し、各R20は独立して、アルキル基を含み、
nは、1〜4の整数であり、
Mは、価数nの金属原子を含む]を有し、
高分子会合体は、2〜4個の繰り返し単位を含む。エステル結合を含まない様々なポリマーを、ポリマー組成物において使用することができる。
ポリマー組成物の別の実施形態では、高分子塩の繰り返し単位は、下記の構造:
Figure 0006987739
[式中、Xは、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、又は−NR10−連結基を含み、R10は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を含み、各R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含み、
m=0.5、1、又は2であり、
Mは、m=0.5のとき、Mがリチウム、ナトリウム又はカリウムであり、m=1のとき、Mがカルシウム、マグネシウム、又はコバルトであり、m=2のとき、Mがバナジウム又はチタンであるような、価数2mの金属イオンである]を有する。
本出願は、添付の図面とともに、本開示の様々な実施形態についての以下の詳細な説明を考慮することにより、更に完全に理解され得る。
本開示の物品の前駆体に関する、及び実施形態に関するNMRデータの画像を示す。
多種多様なポリマー材料が知られており、多種多様な目的のために使用されている。多くの場合、ポリマー材料は、ポリマーマトリックスの特性を修正するための添加剤を含有する。ポリマーマトリックス中に組み込むことができる添加剤には、イオン塩がある。こうした塩は、少なくとも1つのアニオン成分及び少なくとも1つのカチオン成分を含む。イオン性化合物は、ポリマーマトリックス、特にオレフィンタイプポリマーなどの非極性基で主に構成されるポリマーマトリックス中に組み込むことが困難である可能性がある。ポリマーマトリックス中への塩の分散性を改善するための方法の1つは、塩のアニオン成分及び/又はカチオン成分に有機置換基を結合させて、ポリマーマトリックスとの混和性を高めることである。
本開示では、少なくとも1種のポリマーと、少なくとも1種のイオン性添加剤と、を含むポリマー組成物が提供される。イオン性添加剤は、高分子置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩を含む。これらのフェノレート塩は、ベンゾトリアゾールフェノール又は2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾールから調製される。ベンゾトリアゾールフェノールは、紫外線吸収剤の重要な分類の1つであり、場合によっては、可視域も吸収することができる。こうした化合物は、材料、特にポリマー材料中で添加剤として使用されることが多く、またシントンとして使用して、これもまた材料、特にポリマー材料において添加剤として有用であるベンゾトリアゾールフェノレート塩を調製することができる。
ベンゾトリアゾールフェノールなどのフェノールは、光、特にUV(紫外)光の吸収剤であることが知られているが、場合によっては可視光の吸収剤でもある。多くのベンゾトリアゾールフェノールが、光安定剤として、すなわち、ポリマーマトリックス中に組み込んで紫外光による損傷からマトリックスを保護するために、市販されている。
多種多様な望ましい特性を有する置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩が、本明細書において開示されている。置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩は、抗酸化特性を有する。すなわち、フェノレート塩をポリマーマトリックス中に組み込むことにより、そのマトリックスは酸化から保護される。これは、フェノールの光安定化特性とは大きく異なる。この抗酸化特性は、下記の実施例の項でより詳細に記述するように、様々な方法で測定することができる。酸化からの保護をもたらすこれらの塩の能力は、非常に有用な特性であるだけでなく、この分類の材料には予想されなかったものである。
加えて、置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩はまた、蛍光性という意外な特性も有する。蛍光とは、材料が1つの波長の電磁放射線を吸収し、異なる、通常はより長い、波長の電磁放射線を放射する、よく知られた特性である。本開示では、置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩は、紫外線波長の光を吸収し、可視域の波長の光を発する。この特性は、特にポリマーマトリックス中に蛍光材料が分散している場合、広範な用途を有する。例えば、蛍光が安全性物品の視認性を高める標識及び他の安全性物品から、証明のために蛍光を使用することができるセキュリティ物品(紫外光に曝露して蛍光を観察することによって、セキュリティ文書中に蛍光が存在すれば、セキュリティ文書が本物であることを証明できる)まで、幅広い種類の安全性及びセキュリティ製品がこの特性を利用している。置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩の蛍光は、その塩を調製するもととなるフェノールが蛍光でないことを考えれば、驚くべきことである。
こうした置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩の別の特性は、エレクトレット材料のための帯電強化添加剤として有用であることである。この特性は、本出願と同日に出願された、同時係属中の出願である代理人整理番号75916US002において、より完全に開示されている。
本開示の置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩は、このタイプの塩として予想されるものなどの、[アニオン][カチオン]タイプの単純な塩ではない。もっと正確にいえば、この塩は、一般構造:{[アニオン][カチオン]}(式中、aは、2〜4の整数である)を有する、置換ベンゾトリアゾールフェノレートアニオンと金属カチオンの繰り返し単位を有する、金属塩の会合体を含む高分子塩組成物である。この高分子組成物が証明された方法は、実施例の項でより詳細に記述される。核磁気共鳴(NMR)スペクトルにより、溶液中に高分子構造が存在することが証明される。
用語「a」、「an」、及び「the」は、「少なくとも1つの」と互換的に使用され、記載される要素のうちの1つ以上を意味する。
用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである1価の基を指す。アルキルは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであってよく、典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含む。アルキル基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル(t−ブチル)、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、及びエチルヘキシルが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する炭化水素であるアルケンのラジカルである1価の基を指す。アルケニルは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであってよく、典型的には、2〜20個の炭素原子を含む。いくつかの実施形態では、アルケニルは、2〜18個、2〜12個、2〜10個、4〜10個、4〜8個、2〜8個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を含む。例示的アルケニル基としては、エテニル、n−プロペニル、及びn−ブテニルが挙げられる。
用語「アルカリール」は本明細書で使用する場合、一般構造−R−Ar(式中、Rは、アルキレン基であり、Arは、アリール基である)のアリール置換アルキル基を指す。アルカリール基の例は、ベンジル基−CH−Phである。
用語「ヘテロ原子置換(された)」は、ヘテロ原子を含むアルキル基、アリール基又は別の基を指す。これらのヘテロ原子はペンダント原子、例えばフッ素、塩素、臭素若しくはヨウ素などのハロゲンであってもよく、又は鎖状原子、例えば窒素、酸素、ホウ素若しくは硫黄などであってもよい。
用語「アルコキシ」は、一般構造−O−R(式中、Rはアルキル基である)を有する基を指す。用語「アリールオキシ」は、一般構造−O−R(式中、Rはアリール基である)を有する基を指す。場合によっては、用語アルコキシは、総称として使用されて、アルコキシ基とアリールオキシ基の両方を表す。
用語「アリール」は、結合又は縮合していてもよい1〜5個の環を含む基である芳香族炭素環基を意味する。アリール基は、アルキル基又はヘテロアルキル基で置換されていてもよい。アリール基の例としては、フェニル基、ナフタレン基、及びアントラセン基が挙げられる。
用語「室温」及び「周囲温度」は、互換的に使用され、20℃〜25℃の範囲の温度を意味する。
特に指示のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用する加工寸法(feature size)、量、及び物理的特性を表す全ての数は、全ての場合において、「約」という用語により修飾されていると理解すべきである。したがって、そうでない旨が示されない限り、記載されている数字は、本明細書に開示されている教示を使用した所望の特性に応じて変わり得る近似値である。
少なくとも1種のポリマーと、高分子置換ベンゾトリアゾールフェノレートアニオンと金属カチオンの塩組成物を含む少なくとも1種の添加剤と、を含むポリマー組成物が、本明細書において開示されている。
幅広いポリマー材料が適しているが、ポリマー材料はエステル結合を本質的に含まないことが望ましい。エステル結合は、一般式:−C(O)−O−[式中、C(O)はカルボニル基(C=O)である]のよく知られたポリマー結合である。例えば、欧州特許第351,732号では、ポリエステルポリマー組成物においてベンゾトリアゾールフェノレート塩を使用することにより高い結晶化速度が得られることが報告されている。本開示のポリマー組成物では、そのような結晶性及び高い結晶化速度は所望されないため、ポリエステルポリマーの存在は望ましくない。
好適なポリマー材料には、オレフィンポリマー又はコポリマー、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、芳香族ポリマー又はコポリマー、及びこれらの組み合わせがある。
特に好適なポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとプロピレンのコポリマー、エチレン若しくはプロピレンと高級αオレフィンモノマーのコポリマー、エチレン若しくはプロピレンとジエンモノマーのコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、オレフィンポリマーである。LyondellBasellから市販されているポリプロピレンポリマーMF−650X及びMF650Wが特に好適である。
本明細書に開示されているポリマー組成物はまた、式Iの構造を有する繰り返し単位を有する、高分子置換ベンゾトリアゾールフェノレートアニオンと金属カチオンの塩を含む少なくとも1種の添加剤も含む:
Figure 0006987739
式Iにおいて、R及びRのうちの少なくとも1つは、置換基、すなわち、水素原子以外の基を含む。多くの実施形態では、RとRの両方が置換基を含む。下記でより詳細に記述するように、いくつかの実施形態では、Rは置換されておらず、すなわちRは水素原子を含み、多くの別の実施形態では、Rは置換基又は別の連結したベンゾトリアゾールフェノール基である。
が置換されていない(すなわち水素原子である)実施形態では、Rは、1〜20個の炭素原子を含むアルキル基、アルコキシ基又はアリールオキシ基を含み、各R、R、R、R、R、及びRは独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含む。一実施形態では、Rは、水素原子を含み、Rは、1個の炭素原子を有するアルキル基を含み、各R、R、R、R、R、及びRは独立して、水素原子を含む。別の実施形態では、Rは、水素原子を含み、Rは、4個の炭素原子を有するアルコキシ基を含み、各R、R、R、R、R、及びRは独立して、水素原子を含む。
幅広い実施形態において、Rは置換基を含む。これらの実施形態では、Rは、ハロゲン原子、アルキル若しくは置換アルキル基、アルケニル基、又は−O−R、−N−R10、−B(OR18)(OR19)、若しくは−SiR20 を含む基を含む。これらの実施形態では、Rは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含み、R10は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含む、又はR及びR10は結合している原子と一緒に複素環構造を形成し、各R18及びR19は独立して、水素原子、アルキル基、アリール基である、又はR18及びR19は結合している原子と一緒に複素環構造を形成し、各R20基は、アルキル基であり、各R、R、R、R、R、R、及びRは独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含む。これらの実施形態のそれぞれは、下記により詳細に記述する。
いくつかの実施形態では、Rは、比較的小さい置換基、ベンゾトリアゾールフェノール基準分子と比較して小さい分子量及び/又は立体的嵩高さのものを含む。別の実施形態では、R基は、ベンゾトリアゾールフェノール基準分子と同等のサイズ及び/又は立体的嵩高さである、実は、酸素ベース、炭素ベース、又は窒素ベースの連結基によってベンゾトリアゾールフェノール基準分子に連結した別のベンゾトリアゾールフェノールである、置換基である。Rが比較的小さい置換基を含む第1のタイプの例をまず述べる。
いくつかの実施形態では、Rはハロゲン原子を含む。好適なハロゲン原子としては、フッ素、臭素、塩素及びヨウ素が挙げられる。臭素(Br)及び塩素(Cl)は特に好適である。
いくつかの実施形態では、Rは、アルキル基、アルケニル基、又は置換アルキル基を含む。Rがアルキル基を含む場合、典型的にはRは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含み、特定の一実施形態では、Rは4個の炭素原子を有するアルキル基、通常はtert−ブチル基を含み、Rは、4個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはtert−ブチル基である。Rがアルケニル基を含む場合、典型的にはRは、1〜6個の炭素原子を有するアルケニル基を含み、特定の一実施形態では、Rは、3個の炭素原子を有するアルケニル基、通常はプロペニル基を含み、Rは、1個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはメチル基である。Rが置換アルキル基を含む場合、典型的にはRは、1〜12個の炭素原子を有するアリール置換アルキル基を含み、特定の一実施形態では、Rは、10個の炭素原子を有する置換アルキル基、2,2−ジメチル−3−フェニル基を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。
いくつかの実施形態では、Rは−O−R基を含み、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、又はアリール基を含む。これらの実施形態の多くでは、Rもまた置換基であり、典型的にはRは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
いくつかの実施形態では、Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含み、特定の一実施形態では、Rは、4個の炭素原子を有するアルキル基を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。
別の実施形態では、Rは、置換フェニル基を含むアリール基を含む。いくつかの特定の実施形態では、Rは、3−メチルフェニル基又は4−メチルフェニル基を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。
別の実施形態の群では、Rは−N−R10基を含む。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、又はアリール基を含む。これらの実施形態では、R10は独立して、水素原子又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む。これらの実施形態の多くでは、Rもまた置換基であり、典型的にはRは、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である。
いくつかの実施形態では、Rは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基、又は4−アルキル置換フェニル基を含むアリール基を含み、このアルキル置換基は、1〜6個の炭素原子を有し、R10は、水素原子を含む。
特定の一実施形態では、Rは、1個の炭素原子を有するアルキル基(メチル基)を含み、R10は、水素原子を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。特定の一実施形態では、Rは、6個の炭素原子を有するアルキル基を含み、R10は、水素原子を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。更に別の特定の実施形態では、Rは、4−アルキル置換フェニル基を含み、このアルキル置換基は6個の炭素原子を有し(すなわち、この基は4−ヘキシルフェニル基を含む)、R10は、水素原子を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。
別の特定の実施形態では、Rは、−B(OH)基を含み、別の実施形態では、Rは、−B(−O−C(Me)−C(Me)−O−)を含み、Rは、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基である。
別の特定の実施形態では、Rは、−SiR20 基を含み、R20は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含み、いくつかの実施形態では、R20は、3個の炭素原子を含み、典型的にはR20はイソプロピル基を含む。
式Iにおいて、Mは、典型元素又は価数nの遷移金属イオンであり、nはまた、塩のアニオン部分の化学量論も表す。典型的には、nは1〜4の整数である。nが1である場合、金属塩Mは、1価の金属イオンであり、アニオン部分の化学量論は1である。nが2である場合、金属塩Mは、2価の金属イオンであり、アニオン部分の化学量論は2であり、Mイオン1個当たりアニオン2個が存在することを意味する。典型的には、高分子塩のカチオン部分Mは、価数1又は2の金属カチオンである。Mが1価である実施形態では、Mは、リチウム、ナトリウム、又はカリウムである。Mが2価である実施形態では、高分子塩中に2当量のアニオン部分が存在し、Mは、カルシウム、マグネシウム、又はコバルトである。いくつかの実施形態では、Mは、4価の金属イオン(n=4)又はチタン若しくはバナジウムである。
式Iに示す塩は、単純なアニオンとカチオンの組み合わせではなく、より複雑なアニオンとカチオンの会合体であることを示す、高分子塩である。式Iに示す塩は繰り返し単位であり、塩は2〜4個の繰り返し単位を有する。塩の化学量論(nの値によって定義される)は、塩の高分子性とは異なる。化学量論は、塩の電荷バランスだけを指すが、塩の高分子性は、塩の大きな会合体が存在することを指す。上記で記述したように、単純なアニオン−カチオン塩は、[アニオン][カチオン]タイプのものであると考えられるが、本開示の塩は、{[アニオン][カチオン]}(式中、aは2〜4の整数である)タイプの高分子塩である。
実施例の項でより詳細に説明するが、NMR(核磁気共鳴)を使用して、塩が溶液中で高分子会合体であることを示すことができる。このNMRによる証明は、図1にも示す。要約すると、塩を生成するもととなるフェノール上の特徴的なアルキル基は、単一ピークを示す。塩が形成すると単一ピークは多重ピークを形成し、特徴的なアルキル基が、単純な[アニオン][カチオン]塩の場合に予想されるような単一ピークではないことを示す。アニオンは高分子会合体の一部であるので、多重ピークが存在するということは、アニオン上の特徴的なアルキル基が若干異なる環境にあることを示す。NMR拡散測定による分析を使用して、高分子会合体中の繰り返し単位の数(上記に示したaの値)を判定することができ、これは通常、2〜4である。
上述したように、別の実施形態では、R基は、ベンゾトリアゾールフェノレート基準分子と同等のサイズ及び/又は立体的嵩高さである、実は、酸素、窒素ベース、又は硫黄ベースの連結基によってベンゾトリアゾールフェノレート基準分子に連結した別のベンゾトリアゾールフェノレートである、置換基である。この第2のタイプの化合物の例は、下記式IIで表される:
Figure 0006987739
式IIの構造は、R基が−X−R基であり、Xが−O−、−NR10−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、又は−CH−[式中、S(O)はスルフィニル基S=Oであり、S(O)はスルホニル基O=S=Oである]を含む連結基であり、R10が水素原子、アルキル基、又はアリール基を含む、式Iの化合物としてとらえることができる。これらの実施形態のR基は、基準のベンゾトリアゾールフェノレート基と同じであっても異なっていてもよい別のベンゾトリアゾールフェノレート基である。これらの実施形態では、各R、R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含む。
式IIにおいて、Mは価数2mの金属イオンであり、mはまた、塩のアニオン部分の化学量論も表す。この場合、mは、整数以外の数であってもよく、0.5、1.0、又は2から選択され得る。mが0.5である場合、金属塩Mは1価の金属(2m=1)であり、アニオン部分の化学量論は0.5である(すなわち、M1個当たりアニオン部分1/2個、又はアニオン部分1個当たりMイオン2個)。mが1である場合、金属塩Mは、2価の金属イオンであり、アニオン部分の化学量論は1である。mが2である場合、金属塩Mは、4価の金属イオンであり、アニオン部分の化学量論は2であり、Mイオン1個当たりアニオン2個が存在することを意味する。典型的には、高分子塩のカチオン部分Mは、価数1又は2の金属カチオンである。Mが1価である実施形態では、Mは、リチウム、ナトリウム、又はカリウムである。Mが2価である実施形態では、Mは、カルシウム、マグネシウム、又はコバルトである。いくつかの実施形態では、Mは、4価の金属イオン(m=2)又はチタン若しくはバナジウムである。
式IIの化合物のいくつかの実施形態では、Xは、−NR10−連結基を含み、R10は、水素原子、又は1〜3個の炭素原子を含むアルキル基を含む。これらの実施形態では典型的には、R及びR16基は置換基であり、R及びR16はそれぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を含む。典型的には、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
特定の一実施形態では、Xは、−NR10−連結基を含み、R10は、水素原子を含み、R及びR16基は、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基であり、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
別の特定の実施形態では、Xは、−NR10−連結基を含み、R10は、1個の炭素原子を有するアルキル基(メチル基)を含み、R及びR16基は、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基であり、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
式IIの化合物のいくつかの実施形態では、Xは、−O−連結基を含む。これらの実施形態では典型的には、R及びR16基は置換基であり、R及びR16はそれぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を含む。典型的には、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
特定の一実施形態では、Xは、−O−連結基を含み、R及びR16基は、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基であり、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
式IIの化合物のいくつかの実施形態では、Xは、−S−連結基を含む。これらの実施形態では典型的には、R及びR16基は置換基であり、R及びR16はそれぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を含む。典型的には、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
特定の一実施形態では、Xは、−S−連結基を含み、R及びR16基は、8個の炭素原子を有するアルキル基、典型的にはイソオクチル基であり、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。
いくつかの実施形態では、Xは、メチレン基−CH−を含む。これらの実施形態では典型的には、R及びR16基は置換基であり、R及びR16はそれぞれ、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基を含む。典型的には、各R、R、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、及びR17は、水素原子である。特定の実施形態では、R及びR16はそれぞれ、イソオクチル基を含む。この塩を調製するもととなるフェノールは、BASFからTINUVIN360として市販されている。
塩組成物の高分子性は、予期せぬものであり、溶液中で存在することが示された。これらの塩の高分子性を確認するための手法は、下記の実施例の項により詳細に記述している。理論に束縛されるものではないが、この塩組成物の予期せぬ高分子構造は、これらの塩の予期せぬ別の特性、特に、抗酸化活性及び蛍光性にも影響を与えると考えられる。置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩を調製するもととなるベンゾトリアゾールフェノールは、紫外光又は更には可視光も吸収する分子でありながら、抗酸化特性を有さないため、置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩の抗酸化特性は思いもよらないものである。
置換ベンゾトリアゾールフェノレート塩及びそれから調製されるポリマー組成物の調製に関する記述は、実施例の項において下記に詳細に記載されている。
これらの実施例は、単に例示のために過ぎず、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。実施例及び本明細書のその他の箇所における全ての部、百分率、比などは、特に断りのない限り、重量による。溶媒はAlfa Aesar(ChemSealグレード)であり、更に精製することなく使用した。分離、単離、クロマトグラフィ、及び他の一般的用途に使用した溶媒は、EMD(Omnisolv Grade)から入手した。
実施例全体にわたって、以下の省略形を使用する:M=モル;min=分;h=時間;equiv=当量;×=回数;g=グラム;mg=ミリグラム;mmol=ミリモル;L=リットル;mL=ミリリットル;rt=室温;aq=水溶液;RBF=丸底フラスコ。
材料。
以下は、使用した市販の材料及び試薬の表である。
Figure 0006987739
開示されているフェノール及び保護されたフェノール(エーテル)化合物の構造式
下記の表は、フェノレート塩を調製するために本出願で使用したフェノール化合物に関する構造式の概要を示す。フェノールは、市販されている、又は下記の合成実施例において調製される。
Figure 0006987739
Figure 0006987739
Figure 0006987739
Figure 0006987739
Figure 0006987739
フェノールの一般的合成
下記の実施例において、Biotage,Inc.(Charlottesville,Virginia,USA)から入手可能なISOLERAシステムを使用して、自動化フラッシュクロマトグラフィ(AFC)を行った。これらの精製のために、Biotage SNAP Ultraシリカカラムを、ヘキサン/酢酸エチル勾配混合物とともに使用した。
全ての中間体及び生成物は、500MHz Bruker製の機器でH及び13C核磁気共鳴(NMR)を使用して確認した。場合によっては、HRMSも入手した。
特殊な反応を使用して、下記の合成実施例SE1に示すようにフェノール−3を調製し、合成した他のフェノールに関しては、一般的な反応スキームIに従った。
合成実施例SE1:フェノール−3
Figure 0006987739
標準的なジアゾ化手順(WO08131921;Bioorg.Med.Chem.Lett.2010,20,4193〜4195.)に従って上記のジアゾ化合物を合成し、その後、還元的環化を行ってフェノール−3を得た。
本開示のフェノレート塩を調製するために使用した多数のフェノールを調製するために従った一般的な反応スキームIを、下記に示す。具体的な詳細は、各合成実施例に示す。
一般的な反応スキームI.
Figure 0006987739
パートA:クロスカップリング。保護されたフェノールAを、パラジウム又は銅触媒を用いたクロスカップリング条件にさらした。具体的な反応条件については、各個々の実施例を参照されたい。
パラジウム触媒反応(Buchwald−Hartwigクロスカップリング):Buchwald、Hartwig、及び共同研究者らは、パラジウム触媒及び嵩高いホスフィン配位子を使用してハロゲン化アリールをヘテロ原子に変換することができる変換を、文献で報告している。以下の市販の配位子(Buchwaldにより開発された)が、ヘテロ原子がオルト位に導入されたベンゾトリアゾールフェノール類似体(化合物Bを参照)を合成するために使用されてきた。これらの配位子はまた、パラジウム触媒とすでに錯体形成された、触媒前駆体と呼ばれるものを購入することもできる。
Figure 0006987739
銅触媒反応(Chan−Evans−Lamカップリング):銅もまた、アリールボロン酸とフェノール、アニリン、又はアリールチオールとの間のクロスカップリング反応を行うために使用することができる。これは、Kurti,L.;Czako.Strategic Applications of Named Reactions in Organic Synthesis,1sted.Burlington:MA,2005,pp.464〜465に記載されているように、Ullmann縮合の改良法と考えられる。この反応は、銅塩に関して化学量論的であり、通常は周囲条件下で行われる。
パートB:メチルエーテルの脱保護。メトキシエーテルベンゾトリアゾール(B,P=Me)をジクロロメタン(0.1M)中に溶解し、N下で撹拌しながら−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(保護フェノールに対して1当量)を滴下添加し、反応混合物をゆっくりと室温まで温めた。反応終了時(TLCにより分析)、水を滴下添加し、混合物を10min撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した(2x)。合わせた有機層をNaHCO飽和水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO又はMgSO)、濾過し、濃縮した。残渣を精製(SiO)して、78〜98%の収率で生成物を得た。
以下の合成実施例において、「エーテル」と称する化合物は保護フェノールであり、−OH基は代わりに「保護された水酸基」、すなわち、脱保護されてフェノール性水酸基を再形成する−OCH基であることに留意されたい。
合成実施例SE2:エーテル−1及びフェノール−5
2−(3−ブロモ−2−メトキシ−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール
Figure 0006987739
パートA:臭素化。2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール(100g、309mmol)を、スターラーバーを入れた1L丸底フラスコに入れ、クロロホルム(500mL)中に溶解した。これに、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン(DBDMH)(45.95g、161mmol)を添加し、混合物をrtで終夜撹拌した。その後、混合物を濾過し、濃縮して暗赤色の残渣を得た。ジクロロメタン/エタノールから残渣を再結晶させて、白色の結晶を得た。母液を複数回再結晶させて、フェノール−5の純粋な生成物113g(91%収率)を得た。
パートB:メチル化。パートAの反応生成物を、スターラーバーを入れた1L丸底フラスコに入れ、アセトニトリル(400mL)中に溶解した。炭酸カリウム(20.70g、150mmol)、その後、ヨードメタン(3.3mL、52.5mmol)を添加した。混合物をrtで終夜撹拌した。その後、反応混合物を部分的に濃縮し、酢酸エチルで希釈し、セライトで濾過した。溶液を濃縮し、粘稠なベージュ色の油状物を得たが、これは時間が経つにつれて最終的には凝固して、エーテル1の生成物20.8g(定量的収率)を得た。
合成実施例SE3:フェノール−6
2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−((トリイソプロピルシリル)オキシ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
パートA.標準的な手順に従って、トリイソプロピルクロロシラン(TIPS−Cl)を用いて、合成実施例SE2の反応生成物をシリル化した。
パートB.スターラーバーを入れ、Nを充満させた丸底フラスコ中に、パートAの反応生成物(1.57g、2.81mmol)を入れた。THF(20mL)を添加し、フラスコを−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム(1.8mL、2.81mmol)を添加し、混合物をゆっくりとrtまで温め、3h撹拌した。その後、飽和塩化アンモニウムで反応をクエンチし、生成物をEtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥し、濾過した。AFCによって粗残渣を精製して、無色の固体(0.74g、55%収率)を得た。
合成実施例SE4:フェノール−7
2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ブトキシ−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバー及び活性化4Åモレキュラーシーブをそれぞれ備えた、3つの火炎乾燥した40−ドラムバイアル中に、合成実施例SE1で調製したエーテル1(4.179g、10.04mmol)、炭酸セシウム(4.91g、15.06mmol)、アリルパラジウムクロリドダイマー(18.4mg、0.5mol%)、及びRockPhos配位子(23.4mg、0.5mol%)を入れた。各バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた(3×)。トルエン(10mL)、続いて無水n−ブタノール(1.8mL、20.08mmol)を各バイアルに添加した。ChemGlass反応ブロックにバイアルをセットし、100℃まで72h加熱した。その後、反応混合物を合わせ、セライトで濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィで粗残渣を精製して、淡黄色の固体を得た(9.80g、79%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製した後、遊離フェノールをベージュ色の固体として単離した(8.50g、85%収率)。
合成実施例SE5:フェノール−8
2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−6−(ヘキシルアミノ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバーを入れた3つの火炎乾燥したバイアルに、合成実施例SE1で調製したエーテル1(1.66g、4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(73.3mg、0.08mmol)、XPhos配位子(95.3mg、0.2mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(538mg、5.6mmol)、及び1−ヘキシルアミン(0.74mL、5.6mmol)を入れた。バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた。ジオキサン(20mL)を添加し、反応物を130℃まで16h加熱した。その後、混合物をrtまで冷却し、合わせ、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。残渣をAFCで精製した。ベージュ色の固体を単離した(3.88g、74%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、黄色の固体として遊離フェノールを得た(3.32、88%収率)。
合成実施例SE6:フェノール−9
2−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(m−トリルオキシ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバー及び活性化4Åモレキュラーシーブをそれぞれ備えた、2つの火炎乾燥した40−ドラムバイアルに、合成実施例SE1で調製したエーテル1(4.16g、10mmol)、リン酸カリウム(4.25g、20mmol)、酢酸パラジウム(II)(45mg、2mol%)、及びRockPhos配位子(93mg、2mol%)を入れた。各バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた(3×)。トルエン(10mL)、続いてm−クレゾール(1.3mL、12mmol)を各バイアルに添加した。ChemGlass反応ブロックにバイアルをセットし、100℃まで16h加熱した。その後、反応混合物を合わせ、セライトで濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィで粗残渣を精製して、ベージュ色の固体を得た(7.07g、80%収率。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製した後、遊離フェノールをベージュ色の固体として単離した(6.50g、98%収率)。
合成実施例SE7:フェノール−11
2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−6−((4−ヘキシルフェニル)アミノ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバーを入れた3つの火炎乾燥したバイアルに、合成実施例SE1で調製したエーテル1(1.66g、4mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(73.3mg、0.08mmol)、XPhos配位子(95.3mg、0.2mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(538mg、5.6mmol)、及び4−ヘキシルアニリン(1mL、5.6mmol)を入れた。バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた。ジオキサン(20mL)を添加し、反応物を130℃まで16h加熱した。その後、混合物をrtまで冷却し、合わせ、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。残渣をAFCで精製した。ベージュ色の固体を単離した(3.88g、74%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、黄色の固体として遊離フェノールを得た(4.67g、96%収率)。
合成実施例SE8:フェノール−13
6,6’−アザンジイルビス(2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
パートA.スターラーバーを取り付けたオーブン乾燥したSchlenkフラスコに、4Åモレキュラーシーブ、ナトリウムtert−ブトキシド(23.37mmol、2.25g)、Pd(dba)(0.33mmol、306mg)、XPhos(0.83mmol、398mg)及び合成実施例SE1で調製したエーテル1(16.69mmol、6.95g)を入れた。次に、フラスコを排気し、Nをフラッシュし(3×)、ジオキサン中のアンモニア(0.5M、100mL)をカニューレで添加した。Schlenkフラスコを閉じ、130℃に16h加熱した。その後、反応混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィで粗油状物を精製して、ベージュ色の固体を得た。
パートB.パートAの生成物をジクロロメタン(150mL)中に溶解し、N下で撹拌しながら−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(17.10mmol、1.6mL)を滴下添加し、反応混合物をゆっくりとrtまで温めた。反応終了時(TLCにより分析)、水を滴下添加し、混合物を10min撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した(2x)。合わせた有機層をNaHCO飽和水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO又はMgSO)、濾過し、濃縮した。熱アセトンから残渣を再結晶させて、黄色の結晶性固体を得た(3.38g、エーテル1から61%収率)。
合成実施例SE9:フェノール−14
6,6’−(メチルアザンジイル)ビス(2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
パートA.合成実施例SE6、パートAの反応生成物(12.79mmol、8.8g)を、ジメチルホルムアミド(120mL)中に溶解し、これに、N流下でrtにて、水素化ナトリウム(14.07mmol、0.56g)を添加した。混合物を10min撹拌し、次に、ヨードメタン(14.07mmol、0.88mL)を添加し、撹拌を更に2h続けた。塩化アンモニウム飽和水溶液で反応をクエンチし、EtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層を水、次いでブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。更に精製は行わなかった。
パートB.パートBの生成物をジクロロメタン(150mL)中に溶解し、
下で撹拌しながら−78℃まで冷却した。三臭化ホウ素(17.10mmol、1.6mL)を滴下添加し、反応混合物をゆっくりとrtまで温めた。反応終了時(TLCにより分析)、水を滴下添加し、混合物を10min撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した(2x)。合わせた有機層をNaHCO飽和水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO又はMgSO)、濾過し、濃縮した。熱アセトンから残渣を再結晶させて、黄色の結晶性固体を得た(6.74g、エーテル1から60%収率)。
合成実施例SE10:フェノール−15
6,6’−チオビス(2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
スターラーバーを入れた火炎乾燥バイアルに、3−ブロモ−2−メトキシ−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェニル)−2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール(0.416g、1mmol)、チオ酢酸カリウム(0.057g、0.5mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.023g、0.025mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.028g、0.05mmol)及びリン酸カリウム(0.127g、0.6mmol)を入れた。次にバイアルを排気し、Nを流し(3×)、トルエン(0.5mL)及びアセトン(0.25mL)を添加した。反応混合物を130℃で72h撹拌した。その後、混合物を冷却し、濾過し、フラッシュカラムクロマトグラフィで精製して、白色の固体としてフェノール−15を得た(0.240g、68%収率)。実施例10、パートBの手順に従って、白色の固体として生成物を得た(0.230g、99%収率)。
合成実施例SE11:フェノール17
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−((3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバーを入れた250mLのSchlenkフラスコに、SE2のエーテル−1(20.0g、48.03mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(1.04g、1.14mmol)、XPhos配位子(1.35g、2.75mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(7.63g、79.4mmol)、及び3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン(8mL、51.36mmol)を入れた。Schlenkフラスコを排気し、Nを再び充満させた。ジオキサン(200mL)を添加し、反応物を130℃まで16h加熱した。その後、混合物をrtまで冷却し、EtOAcで希釈し、セライトで濾過し、濃縮した。残渣をAFCで精製した。褐色の固体を単離した(26.8g、98%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、黄色の固体として遊離フェノールを得た(21.3g、82%収率)。
合成実施例SE12:フェノール18
2−(2H−トリアゾール−2−イル)−6−((4−(パーフルオロオクチル)フェニル)アミノ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
スターラーバーをそれぞれ備えた、2つの火炎乾燥した40−ドラムバイアルに、SE8、パートAのアニリン副生成物(3−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−2−メトキシ−5−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)アニリン)(1.162g、3.30mmol)、1−ブロモ−4−(ヘプタデカフルオロオクチル)ベンゼン(2.0g、3.30mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(60.4mg、0.066mmol)、XPhos配位子(80mg、0.163mmol)、及びナトリウムtert−ブトキシド(444mg、4.62mmol)を入れた。各バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた。ジオキサン(20mL)を各バイアルに添加し、ChemGlass反応ブロックにバイアルをセットし、130℃まで16h加熱した。その後、混合物をrtまで冷却し、EtOAcで希釈し、合わせ、セライトで濾過し、濃縮した。残渣をAFCで精製した。褐色の固体を単離した(4.41g、79%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、黄色の固体として遊離フェノールを得た(3.41g、79%収率)。
合成実施例SE13:フェノール19
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(p−トリルチオ)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノールベンゾトリアゾール
Figure 0006987739
スターラーバーを入れた火炎乾燥したバイアルに、2−(2H−ベンゾ[1,2,3]トリアゾール−2−イル)−6−ブロモ−4−(2,4−ジメチルペンタン−2−イル)フェノール(2.88g、6.92mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.317g、0.346mmol)、1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.383g、0.692mmol)、リン酸カリウム(1.76g、8.30mmol)、及び4−メチルベンゼンチオールトルエン(1.031g、8.30mmol)を入れた。バイアルにセプタムキャップをはめ、排気し、Nを再び充満させた。トルエン(14mL)を添加し、反応物を110℃まで16h加熱した。その後、混合物をrtまで冷却し、合わせ、EtOAcで希釈し、セライトで濾過した。残渣をAFCで精製した。ベージュ色の固体を単離した(3.09g、97%収率)。パートB(一般的な反応スキームI)に従って、象牙色の固体として遊離フェノールを得た(2.70g、90%収率)。
合成実施例SE14:フェノール20
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(p−トリルスルフィニル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
以下は、文献の手順を改変した(Org Lett.2003,5,235)。スターラーバーを入れたバイアルに、SE13のアリールスルフィド(1.2g、2.69mmol)を加えた。エタノール(7mL)及び過酸化水素(30%、1.5mL)を添加し、混合物にNを数分間バブリングした。スカンジウムトリフラート(0.265g、0.539mmol)を添加し、混合物をrtで終夜撹拌させておいた。その後、HO(2mL)で反応をクエンチし、濾過した。AFCで濾液を精製し、白色の固体を得た(0.764g、61%収率)。母液から再結晶させて更に0.167gの生成物を得、合計0.931gの生成物を得た(75%収率)。
合成実施例SE15:フェノール21
2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−トシル−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール
Figure 0006987739
SE13のアリールスルフィド(1.5g、3.366mmol)を、スターラーバーを入れたバイアル中でジクロロメタン(17mL)中に溶解した。m−クロロ過安息香酸50wt%(2.56g、7.40mmol)を添加し、TLCによる終了まで反応物を撹拌した。次に、NaHCO飽和水溶液で反応をクエンチし、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。EtOAcで洗浄し濾過して、これを精製した。白色の固体を得た(1.34g、83%収率)。
合成実施例SE16:フェノール22
6,6’−チオビス(2−(2H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
文献の手順(Org Lett,1999,1,189)を使用して、SE10の6,6’−チオビス(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)を酸化した。6,6’−チオビス(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)(7.39mmol、5.0g)を、スカンジウムトリフラート(0.74mmol、364mg)及び過酸化水素・尿素付加物(8.5mmol、820mg)とともに、エタノール(5mL)中に溶解した。反応物を80℃で終夜撹拌し、白色の沈澱物を濾過し、水及びエタノールで洗浄した。スルホキシド:スルホンの2:1混合物を単離した(4.18g、81%収率)。
合成実施例SE17:フェノール23
6,6’−スルホニルビス(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
実施例24と同様にして、6,6’−スルホニルビス(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)を合成した。SE10のアリールスルフィド(4.5g、6.6mmol)を、スターラーバーを入れたフラスコ中でジクロロメタン(33mL)中に溶解した。m−クロロ過安息香酸50wt%(7.40mmol、5.05g)を添加し、TLCによる終了まで反応物を撹拌した。次に、NaHCO飽和水溶液で反応をクエンチし、有機層を分離し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。EtOAcで洗浄し濾過して、これを精製した。白色の固体を得た(2.9g、62%収率)。
合成実施例SE18:フェノール24
6,6’−(オクタデシルアザンジイル)ビス(2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イル)フェノール)
Figure 0006987739
パートA.SE8のパートAの反応生成物(4.0g、5.81mmol)をジメチルホルムアミド(60mL)中に溶解し、これに、N流下でrtにて水素化ナトリウム(6.40mmol、256mg)を添加した。混合物を10min撹拌し、次に、1−ヨードオクタデカン(6.40mmol、2.43g)を添加し、撹拌を更に2h続けた。塩化アンモニウム飽和水溶液で反応をクエンチし、EtOAcで抽出した(3×)。合わせた有機層を水、次いでブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。更に精製は行わなかった。
パートB.パートAの生成物をジクロロメタン(40mL)中に溶解し、N下で撹拌しながら−78℃の温度まで冷却した。三臭化ホウ素(12.20mmol、1.2mL)を滴下添加し、反応混合物をゆっくりとrtまで温めた。反応終了時(TLCにより分析)、水を滴下添加し、混合物を10min撹拌した。有機層を分離し、水層をDCMで抽出した(2x)。合わせた有機層をNaHCO飽和水溶液及びブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO又はMgSO)、濾過し、濃縮して、粘性のある油状物を得た(5.16g、97%収率)。
フェノレート塩の一般的合成
上述のフェノールを用いて、下記の合成経路のうちの1つを使用してフェノレート塩を調製した。塩を調製するために使用した試薬を表A及びBに示し、形成したフェノレート塩を下記の表1にまとめている。
合成手順
アルコキシド経路
マグネチックスターラーバー、冷却器及び滴下ロートを取り付けた2口RBFにおいて、フェノール出発物質を10〜40%でTHFに添加する。溶液を撹拌し、フェノール出発物質の全てが溶解するまで、窒素下で加熱還流する。窒素下で、滴下ロートからRBFに化学量論量の金属アルコキシド原液を滴下添加する。溶液を1〜36時間還流する。減圧して溶液をストリッピングし、回収した粉末を真空乾燥する。
水素化物経路
マグネチックスターラーバー、還流冷却器、窒素注入口、及び栓を付けた口を備えた乾燥した3口RBFに、無水メタノールを加える。金属水素化物をRBFに添加し、窒素下で30分間還流する。使用される水素化物の量は、使用されるフェノールに対して1〜5%化学量論的に過剰であり、使用されるフェノールの量は典型的には10〜50%固体である。30分後、反応物を室温まで冷却し、3つ目の口の栓をはずし、スパーテルで数回に分けてフェノールを加えることによって、化学量論量のフェノールを反応物に添加する。反応混合物に再び栓を付け、窒素下で24時間撹拌し、この時点で反応混合物を真空濾過し、真空乾燥する。本発明者らは、化学量論量よりも少ない量のカチオンを使用する化学量論的に過少の化合物、及び化学量論的に過剰量のカチオンを使用する化学量論的に過剰の量もまた調製した。
金属経路 (Metal Route)
1つのフラスコで、ゼロ酸化状態の金属をアルコールとともに撹拌し、その間に、別のフラスコで適切な有機溶媒中でフェノールを撹拌した。典型的な溶媒はトルエンであった。金属がアルコールで完全に分解されたら、1つのフラスコに溶液を合わせて入れた。得られた沈澱物を真空濾過し、メタノールで洗浄し、真空乾燥した。
代替経路
これらの錯体を製造するために別の代替経路が想定され得る。これらの経路は、フェノールを、ブチルリチウムなどの有機金属と反応させることを含み得る。
材料
以下は、フェノレート塩を調製するために使用した市販の材料及び試薬の表である。
Figure 0006987739
Figure 0006987739
Figure 0006987739
計算データ
上述したように、これらの塩化合物の予期せぬ特徴は、1個、2個、3個又はそれ以上のフェノレートで構成される複数の金属中心をもつ錯体を形成することである。本発明者らは、これらの化合物を高分子塩組成物と呼ぶ。分かりやすくするために、高分子塩組成物は、標準的な高分子命名法を使用して単量体、二量体、三量体などと称する。この特徴を実証するために、以下の一般化された反応スキームを使用して、いくつかのモデル化合物について反応熱ΔHrxnを計算した。
Figure 0006987739
まず、B3LYP密度関数及びMIDI!基底関数系を用いて構造を最適化し、その後、振動数計算を行って構造が極小であることを確認して、反応熱を算出した。B3LYP密度関数及び6−31G(d,p)基底関数系を用いて最適化して、形状を更に精密化した。B3LYP/6−31G(d,p)電子エネルギーから反応熱を計算した。報告した反応熱は、金属中心の数に対して正規化されている。全ての計算処理は、NWChem6.5(M.Valiev,E.J.Bylaska,N.Govind,K.Kowalski,T.P.Straatsma,H.J.J.van Dam,D.Wang,J.Nieplocha,E.Apra,T.L.Windus,W.A.de Jong,”NWChem:a comprehensive and scalable open−source solution for large scale molecular simulations”Comput.Phys.Commun.181,1477,2010)を用いて行った。結果を表2に報告している。
Figure 0006987739
NMRデータ
サンプル調製:
この試験で使用した重水素化溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)又はベンゼンであった。溶媒は、親フェノールと金属錯体の両方の可溶性に基づいて選択した。更に、溶媒は、錯体中の配位子を置き換えることによって結合を妨害しないものであるべきである。選択した重水素化溶媒の粘度に対する溶質濃度の影響が無視できるように、調製するサンプルの濃度は低く保った。重水素化溶媒の粘度が低い(大部分の有機溶媒)場合、サンプルは、5mmのNMRチューブではなく3mmのNMRチューブ内で調製して、チューブ内での対流を抑制した。
測定及びデータ処理
拡散測定は、Bruker 500MHz又はBruker 600MHz NMR分光計のいずれかにおいて行った。勾配は、重水サンプルを使用して適切に校正した。標準的なBruker 2D−DOSYシーケンスledbpgp2sを使用した。ポリマー以外のサンプルでは、Δ=75ms及びδ=3msというデフォルト設定で十分である。錯体又は会合体のサイズが1nmより大きい半径を有すると予想される場合、Δを大きくすることが必要な場合がある。DOSYパルスシーケンスの説明に関しては、Antalek,B.,Concepts in Magnetic Resonance,14(4),225〜258(2002)を参照されたい。
データは、Bruker Top Spinソフトウェアを使用して処理した。これは、対象の化合物とサンプル中の残留単量体又は他の不純物との間にスペクトルの重なりがない場合、最も適している。各データ点に関して単一成分による指数関数フィットを選択したことが、非常に功を奏した。水又は主溶媒である重水素化溶媒の拡散係数をサンプル間の内部標準として使用して、無希釈の(neat)重水素化溶媒と比較して溶液の粘度が大きく変化しなかったことを確認することができる。分析物の拡散係数はm/s単位で測定する。
出発物質及びフェノレート錯体の拡散スペクトルを重ね合わせて、拡散係数の違いを容易に可視化することができる。
錯体の多くでプロトンスペクトルは出発物質とかなり異なっている。1つ目の違いは、出発物質において約12ppmに観察されるOHプロトンが消失したことである。
多くの共鳴線の分裂もまた、プロトンスペクトルにおいて観察される。例えば、イソ−C8基にある2個のt−ブチル基は、出発物質において約0.78ppmのピークを有する単一共鳴線である。反応して金属錯体を形成すると、この共鳴線は分裂して見えることが多い。この例では(図1に示す)、共鳴線は6つの別個の幅の狭いピークに分裂する。これは、異なる分子上の異なるt−ブチル基が異なる磁場環境にある結果である。交換NMR実験を行ったが、NOESY実験を使用して、錯体中の複数のt−ブチル共鳴線の間で化学交換は観察されなかった。
経験的関係を使用して、会合数を算出した。log−logプロットで、分子量に対して拡散係数をプロットする。いくつかの参考文献によれば、分子が同じようなフラクタル指数を有する場合、直線関係となるはずである(Auge,S.et al.;J.Phys.Chem.B,113,1914〜1918,(2009).Neufeld,R.,Stalke,D.;Chem.Sci.,DOI:10.1039/c5sc00670h,(2015).)。
線形回帰により、分子量のLogを拡散係数のlogと関連づける実験式が得られる。ベンゼンでは:
Log M=−(1/0.73825)*(Log D+6.99798)
及びTHFでは:
Log M=−(1/0.66235)*(Log D+7.11205)
これらの関係を使用して、形成するフェノレート錯体の分子量を推定する。結果を表3に報告している。
Figure 0006987739
Figure 0006987739
金属錯体の熱安定性
熱重量分析(TGA)によって、フェノール及びフェノレートの熱安定性を測定した。使用した機器は、TA Instruments製のQ500モデルであった。手順としては、乾燥したサンプルを、窒素下で10℃/minで450℃の温度まで加熱した。開始温度は約35℃であり、典型的なサンプルサイズは5mgであった。5%、10%、及び20%の重量減少に関して温度を表4に報告している。場合によっては、正確な重量減少を報告するために、吸収された溶媒又は水分を蒸発させる必要があった。これは、サンプルを180℃以下の温度まで加熱し、サンプルを室温まで再び冷却し、その後450℃の温度まで再加熱することによって行った。
Figure 0006987739
実施例1〜8及び比較例CE−1〜CE−8
ステップA−配合添加剤の調製
サンプルを調製するために、ポリプロピレン中に添加剤の1つを乾式混合した。濃度は下記の表5に記載している。コニカル二軸押出機において、材料を配合した。押出温度は約250℃〜300℃の範囲であった。押出速度は5〜7lbs/hrの範囲であった。使用した樹脂はMF−650X(PP−1)又はMF−650W(PP−2)のいずれかであり、両方の樹脂とも、LyondellBasellから購入した。
ステップB−抗酸化能力の判定
ASTM D3895と類似した修正酸化誘導時間(OIT)テストを実施した。修正テストでは、2〜6mgのサンプルをアルミニウムパンに入れ、示差走査熱量計(DSC)において窒素下で190℃まで加熱した。次に、雰囲気を21%酸素及び78%窒素の雰囲気に交換し、記録されるサーモグラム上に発熱の急増が表示されるまで、温度を180℃〜200℃に維持した。その後、酸素含有環境への曝露から発熱開始までの時間を、誘導時間と定義した。表5に示すデータは、3つのサンプルの平均である。
Figure 0006987739

Claims (5)

  1. 少なくとも1種のポリマーであって、エステル結合を含まず、且つオレフィンポリマー若しくはコポリマー、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアミド、芳香族ポリマー若しくはコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、ポリマーと、
    少なくとも1種の高分子塩組成物を含む添加剤と、を含むポリマー組成物であって、前記高分子塩組成物は、置換ベンゾトリアゾールフェノレートアニオンと金属カチオンの繰り返し単位を有する金属塩の会合体を含み、前記繰り返し単位は、下記の構造:
    Figure 0006987739
    [式中、
    各R、R 、R、R、R、及びRは独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、又は−B(OR18)(OR19)、−SiR20 、−CH−R、−O−R、−N−R10、−S−R、−S(O)−R、若しくは−S(O)−R基{式中、S(O)はスルフィニル基S=Oであり、S(O)はスルホニル基O=S=Oである}を含む置換ヘテロ原子基を含み、
    は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、ハロゲン原子、又は−B(OR 18 )(OR 19 )、−SiR 20 、−CH −R 、−O−R 、−N−R 10 、−S−R 、−S(O)−R 、若しくは−S(O) −R 基{式中、S(O)はスルフィニル基S=Oであり、S(O) はスルホニル基O=S=Oである}を含む置換ヘテロ原子基を含み、
    は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含み、
    前記−B(OR18)(OR19)、−SiR20 、−CH−R、−O−R、−N−R10、−S−R、−S(O)−R、又は−S(O)−R基は、中性であってもアニオン性であってもよく、R10は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又は1つ以上の酸素、窒素、硫黄、若しくはリン原子を含むヘテロ原子含有基を含み、又はR及びR10は結合している原子と一緒に、複素環構造を形成し、R18及びR19は独立して、水素原子、アルキル基であるか、又はR18及びR19は結合している原子と一緒に、複素環構造を形成し、各R20は独立して、アルキル基を含み、
    nは、1〜4の整数であり、
    Mは、価数nの金属原子を含む]を有し、
    前記高分子会合体は、2〜4個の繰り返し単位を含む、ポリマー組成物。
  2. n=1であり、Mは、リチウム、ナトリウム、又はカリウムを含む、請求項1に記載のポリマー組成物。
  3. は、−O−R基を含み、Rは、
    1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、又は
    アリール基を含み、
    は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  4. は、−N−R10基を含み、Rは、
    1〜20個の炭素原子を有するアルキル基、又は
    アリール基を含み、
    10は、水素原子又は1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含み、
    は、1〜20個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項1に記載のポリマー組成物。
  5. 前記高分子塩の前記繰り返し単位は、下記の構造:
    Figure 0006987739
    [式中、
    Xは、−CH−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、又は−NR10−連結基を含み、R10は、水素原子、アルキル基、又はアリール基を含み、
    各R 、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15びR17は独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含み、
    各R 及びR 16 は独立して、アルキル基、アルケニル基、アリール基、又はハロゲン原子を含み、
    m=0.5、1、又は2であり、
    Mは、m=0.5のとき、Mがリチウム、ナトリウム又はカリウムであり、m=1のとき、Mがカルシウム、マグネシウム、又はコバルトであり、m=2のとき、Mがバナジウム又はチタンであるような、価数2mの金属イオンである]を有する、請求項1に記載のポリマー組成物。
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