JP2017141215A - 新規オキソカーボン系化合物 - Google Patents

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英満 宇野
雅祥 ▲高▼瀬
雅祥 ▲高▼瀬
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正矩 青木
Masakado Aoki
正矩 青木
晋広 笠野
Yukihiro Kasano
晋広 笠野
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Ehime University NUC
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Abstract

【課題】スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有する新規オキソカーボン系化合物の提供。
【解決手段】スクアリリウム骨格を有する式(1)又は式クロコニウム骨格を有する(2)で表されるオキソカーボン系化合物。
Figure 2017141215

Figure 2017141215

[Ra1 - 4は夫々独立に式(3)で表される構造単位、Rb1 -4、X1, 2及びYは夫々独立にH、有機基又は極性官能基;Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、夫々互いに結合して環を形成していてもよい;*は結合部位]
【選択図】なし

Description

本発明は、スクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格を有する新規のオキソカーボン系化合物に関するものである。
従来より、スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格を化合物中に有するオキソカーボン系化合物が提供されている。これらのオキソカーボン系化合物は、一般に、スクアリン酸やクロコン酸を原料とし、この原料の両端に複素環基を導入することで製造される(特許文献1〜5)。
スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格に、ピロールが結合するものとして、例えば、特許文献6に開示される下記式で表される化合物がある(化合物1A)。
Figure 2017141215
また特許文献7には、下記式で表される化合物等が記載されている(例1等)。
Figure 2017141215
また特許文献8には、下記式で示す化合物等が開示されている。
Figure 2017141215
更に、非特許文献1には、下記式で示す化合物等が開示されている。
Figure 2017141215
また非特許文献2には、下記式で示す化合物等が開示されている。
Figure 2017141215
非特許文献3には、下記式に示す化合物が開示されている。
Figure 2017141215
更に、非特許文献4には、下記式に示す化合物が開示されている。
Figure 2017141215
オキソカーボン系化合物の共役系が長くなるほど、近赤外領域や赤外領域などの長波長領域に吸収を有するようになり、こうした領域の光を選択的に吸収するのに有利になる。しかし、共役系の長いオキソカーボン系化合物は、まだ十分に研究されておらず、上記のように、まだ少ない化合物しか知られていない。
特開平1−230674号公報 特開2008−308602号公報 特開2011−208101号公報 特開2007−169315号公報 特開2008−1754号公報 特開2001−183522号公報 特表2005−520835号公報 特開2008−184606号公報
Raymond、外2名,"Squaraines based on 2-arylpyrroles",Tetrahedron,August 23(2004), 60, pp 8913-8918 Luca、外14名,"Assessment of Water-Soluble π-Extended Squaraines as One- and Two-Photon Singlet Oxygen Photosensitizers:Design, Synthesis, and Characterization", JACS, January 19(2008), 130, pp 1894-1902 Fabio、外8名,"A squaraine-phthalocyanine ensemble: towards molecular panchromatic sensitizers in solar cells", Chem. Commun., April 20(2009), pp 4500-4502 Michael、外3名,"Redox-Switchable Squaraines with ExtendedConjugation", Org. Lett., July 19(2003), 5(17), pp 2975-2978
本発明の課題は、共役系の長い、スクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格を有する新規のオキソカーボン系化合物を提供することである。
すなわち本発明に係るオキソカーボン系化合物は、以下の点に要旨を有する。
[1] スクアリリウム骨格を有する式(1)またはクロコニウム骨格を有する式(2)で表されることを特徴とするオキソカーボン系化合物。
Figure 2017141215
[式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
Figure 2017141215
[式(3)中、
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
*は結合部位を表す。]
[2] 前記Rb1、Rb2、Rb3およびRb4が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基である[1]に記載のオキソカーボン系化合物。
[3] 前記式(3)で表される構造単位が、式(3−1)〜式(3−9)から選ばれる[1]または[2]に記載のオキソカーボン系化合物。
Figure 2017141215
[式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
[4] 前記X1およびX2が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、
前記Yが、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基である[1]〜[3]のいずれか1項に記載のオキソカーボン系化合物。
本発明によれば、共役系の長い、新規なオキソカーボン系化合物が提供される。また、本発明によれば、分解温度が高く耐熱性に優れた新規なオキソカーボン系化合物が提供される。
本発明に係るオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム骨格を有する式(1)またはクロコニウム骨格を有する式(2)で表されることを特徴とする。
Figure 2017141215
[式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
Figure 2017141215
[式(3)中、
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
*は結合部位を表す。]
なお本発明に係る式(1)または式(2)で表される化合物には、複数の共鳴構造が存在しており、前記共鳴構造としては、式(1a)、式(1b)、式(2a)、式(2b)、及び式(2c)が例示される。以下、本願明細書においては、式(1)で表される化合物(化合物(1)と称する場合がある)及び式(2)で表される化合物(化合物(2)と称する場合がある)を例にとって説明するが、この化合物(1)には、式(1a)及び式(1b)で表される共鳴構造が、化合物(2)には、式(2a)、式(2b)、及び式(2c)で表される共鳴構造が含まれることとする。
Figure 2017141215
Figure 2017141215
本発明において「有機基」とは、炭素原子を含む基を指し、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)、アルコキシアルキル基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基(アリールチオ基)、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、ヘテロアリール基、アミド基、スルホンアミド基、カルボキシ基(カルボン酸基)、ベンゾチアゾール基、ハロゲノアルキル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基またはシアノ基等が挙げられる。これらの有機基は置換基を有していてもよい。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等の脂環式アルキル基;等が挙げられる。アルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜6であり、特に脂環式アルキル基の場合には3以上が好ましい。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基等が挙げられる。アルコキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルチオオキシ基(アルキルチオ基)としては、例えば、メチルチオオキシ基(メチルチオ基)、エチルチオオキシ基(エチルチオ基)、プロピルチオオキシ基(プロピルチオ基)、ブチルチオオキシ基(ブチルチオ基)、ペンチルチオオキシ基(ペンチルチオ基)、ヘキシルチオオキシ基(ヘキシルチオ基)、ヘプチルチオオキシ基(ヘプチルチオ基)、オクチルチオオキシ基(オクチルチオ基)、ノニルチオオキシ基(ノニルチオ基)、デシルチオオキシ基(デシルチオ基)、ウンデシルチオオキシ基(ウンデシルチオ基)、ドデシルチオオキシ基(ドデシルチオ基)、トリデシルチオオキシ基(トリデシルチオ基)、テトラデシルチオオキシ基(テトラデシルチオ基)、ペンタデシルチオオキシ基(ペンタデシルチオ基)、ヘキサデシルチオオキシ基(ヘキサデシルチオ基)、ヘプタデシルチオオキシ基(ヘプタデシルチオ基)、オクタデシルチオオキシ基(オクタデシルチオ基)、ノナデシルチオオキシ基(ノナデシルチオ基)、イコシルチオオキシ基(イコシルチオ基)等が挙げられる。アルキルチオオキシ基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルチオオキシ基中のアルキル基は、直鎖状であってもよいし分岐状であってもよい。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、式(5):
Figure 2017141215
(式中、Z1およびZ2は、それぞれ独立して、アルキレン基を表す。Z3はアルキル基を表す。mは0〜4の整数である)が挙げられる。
1およびZ2は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜5のアルキレン基である。好ましいアルキレン基を例示すると、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(C25)CH2−、−C(CH32CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−等が挙げられる。中でも−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−または−CH2CH2CH2−が好ましく、より好ましくは−CH2−または−CH2CH2−である。
3は、炭素数が1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基である。好ましいアルキル基を例示すると、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基であり、より好ましくはメチル基またはエチル基である。
nは0〜4の整数であるが、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0または1である。
アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基等が好ましい。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基等の無置換アルキルオキシカルボニル基の他、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等の置換アルキルオキシカルボニル基が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは2〜10であり、更に好ましくは2〜5である。前記アルキルオキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基の置換または無置換のアルキルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基等の無置換アルキルスルフィニル基;シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基の置換アルキルスルフィニル基;等が挙げられる。アルキルスルフィニル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。前記アルキルスルフィニル基中のアルキル基は、直鎖状であってもよく分岐状であってもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基等が挙げられる。アリール基の炭素数は、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。アラルキル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ピレニルオキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオーターフェニルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基等が挙げられる。アリールオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールチオオキシ基(アリールチオ基)としては、例えば、フェニルチオオキシ基、ビフェニルチオオキシ基、ナフチルチオオキシ基、アントリルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基、ピレニルチオオキシ基、インデニルチオオキシ基、アズレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、ターフェニルチオオキシ基、クオーターフェニルチオオキシ基、ペンタレニルチオオキシ基、ヘプタレニルチオオキシ基、ビフェニレニルチオオキシ基、インダセニルチオオキシ基、アセナフチレニルチオオキシ基、フェナレニルチオオキシ基等が挙げられる。アリールチオオキシ基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の置換または無置換のフェニルオキシカルボニル基;1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等の置換または無置換のナフチルオキシカルボニル基;等が挙げられる。アリールオキシカルボニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換または無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換または無置換のナフチルスルホニル基;等が挙げられる。アリールスルホニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、2−フルオロフェニルスルフィニル基、3−メチルフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等の置換または無置換のフェニルスルフィニル基;1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等の置換または無置換のナフチルスルフィニル基;等が挙げられる。アリールスルフィニル基の炭素数は、6〜25が好ましく、より好ましくは6〜15である。
前記ヘテロアリール基としては、例えば、チエニル基、チオピラニル基、イソチオクロメニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラリジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、フラニル基、ピラニル基等が挙げられる。ヘテロアリール基の炭素数は、2〜20が好ましく、より好ましくは3〜15である。
前記アミド基(−NHCOR1)としては、R1が炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記スルホンアミド基(−NHSO22)としては、R2が炭素数1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ハロゲン化炭化水素基であるもの等が挙げられる。
前記ハロゲノアルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、3−フルオロプロピル基、3−クロロプロピル基、6−フルオロヘキシル基、4−フルオロシクロヘキシル基等のモノハロゲノアルキル基;ジクロロメチル基等のジハロゲノアルキル基;1,1−ジヒドロ−パーフルオロエチル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−プロピル基、1,1−ジヒドロ−パーフルオロ−n−ブチル基、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピル基、2,2,2−トリクロロエチル基等のトリハロメチル単位を有するアルキル基;トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基等のパーハロゲノアルキル基;等が挙げられる。ハロゲノアルキル基の炭素数は、1〜20が好ましく、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜5である。ハロゲノアルキル基のハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、特にフッ素原子が好ましい。
前記カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル基等が挙げられる。
前記スルファモイル基としては、例えば、スルファモイル基、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜15のアシル基が好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。
有機基の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールオキシカルボニル基、アリールスルホニル基、アリールスルフィニル基、カルボキシ基(カルボン酸基)、カルバモイル基、スルファモイル基、アシル基、シアノ基、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基等が挙げられ、中でもアルキル基が好ましい。
極性官能基としては、例えば、炭素以外の原子から構成されかつ炭素原子よりも電気陰性度が高い原子(例えば、N、O、F、Cl、Br、Iなど)を含む基が挙げられ、具体的には、ハロゲノ基、水酸基、ニトロ基、アミノ基、スルホ基(スルホン酸基)等が挙げられる。
前記ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基等が挙げられる。
次に式(3)で表される構造単位について説明する。式(3)におけるRb1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
b1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環である。なお以下において、Rb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、ピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子を含むものとして説明する。
b1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環は、それぞれピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に環を形成している限り特に限定されないが、芳香族環、脂環式炭化水素環、複素環または縮合環等が例示される。
前記芳香族環の炭素数は、例えば、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜10である。なお炭素数には、ピロール環のβ位の2つの炭素原子も含むものとする。前記芳香族環としては、ベンゼン環が好ましい。
前記脂環式炭化水素環の炭素数は、例えば、6〜20が好ましく、より好ましくは6〜10である。なお炭素数には、ピロール環のβ位の2つの炭素原子も含むものとする。
前記脂環式炭化水素環には、単環または橋架けを有する環式アルカンが含まれる。
単環の脂環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の炭素数3〜10のシクロアルカン;シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(例えば、1,3−シクロヘキサジエン)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン等の炭素数3〜10のシクロアルケン;等が挙げられる。
橋架けを有する脂環式炭化水素環としては、例えば、ビシクロ[2.2.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ペンタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等が挙げられる。
中でも、Rb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環としては、ベンゼン環、炭素数5〜7のシクロアルカン、炭素数5〜7のシクロアルケン、橋架けを有する炭素数5〜9の環式アルカンが好ましく、
より好ましくは、式(A−1)〜式(A−8)で表される構造単位であり、
更に好ましくは式(A−4)または式(A−6)で表される構造単位である。なお、式(A−1)〜式(A−8)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141215
前記複素環としては、例えば、前記芳香族環または前記脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上(ただし、ピロール環のβ位の2つの炭素原子を除く)が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環が挙げられる。
前記複素環としては、例えば、脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環が好ましく、
より好ましくは、炭素数5〜7のシクロアルカンまたは炭素数5〜7のシクロアルケンを構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環であり、
更に好ましくは、シクロヘキサン、シクロヘキセンまたはシクロヘキサジエンを構成する炭素原子の少なくとも1以上が、窒素原子、硫黄原子または酸素原子に置き換わった環である。
前記複素環における窒素原子、硫黄原子および酸素原子の合計数は、1以上が好ましく、より好ましくは1または2である。なお窒素原子、硫黄原子および酸素原子の合計数が2以上のとき、複素環に含まれる窒素原子、硫黄原子および酸素原子は、同一であっても異なっていてもよい。
複素環としては、式(B−1)〜式(B−17)で表される構造単位が好ましい。なお、式(B−1)〜式(B−17)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141215
前記縮合環としては、前記芳香族環、前記脂環式炭化水素環および前記複素環から選ばれる2または3以上の環が、2個または3個以上の原子を共有して一体となっている環が例示できる。縮合環であれば、得られるオキソカーボン系化合物を長波長化できるため、化合物の色調に応じた分子設計を行い易くなる。
前記縮合環には、縮合多環炭化水素および縮合ヘテロ多環化合物が含まれ、中でも式(C−1)〜式(C−9)で表される構造単位が好ましく、より好ましくは式(C−5)で表される構造単位である。なお、式(C−1)〜式(C−9)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手を表し、前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。*は2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。
Figure 2017141215
なおRb1とRb2が形成する環およびRb3とRb4が形成する環に存在する水素原子は、置換基で置換されていてもよい。前記置換基としては、有機基または極性官能基が挙げられ、より好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基であり、より更に好ましくはtert−ブチル基である。
式(3)におけるRb1、Rb2、Rb3およびRb4は、例えば、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基であり、
より好ましくは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基であり、
更に好ましくは、水素原子、エチル基または式(C−5)で表される構造単位である。
b1とRb2が環を形成しない場合、或いはRb3とRb4が環を形成しない場合には、Rb1およびRb2、Rb3およびRb4は、それぞれ共に水素原子であってもよく、共に水素原子以外の基(例えば、共に有機基または共に極性官能基)であってもよい。
b1とRb2或いはRb3とRb4のいずれか一方が環を形成するときは、Rb3とRb4が環を形成し、Rb1とRb2が環を形成しないことが好ましい。
オキソカーボン系化合物を長波長化できる観点から、Rb1とRb2およびRb3とRb4は、共に環を形成していることが好ましい。
式(3)におけるX1およびX2は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であることが好ましく、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基またはシアノ基がより好ましく、水素原子または置換基を有していてもよいアルキル基が更に好ましい。
式(3)におけるYは、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であることが好ましい。なおYが置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基または、シアノ基またはハロゲノ基であれば、Yが水素原子のオキソカーボン系化合物に比べて単離が容易となる場合がある。そのため、オキソカーボン系化合物の単離容易性の観点からは、Yは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基またはハロゲノ基がより好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基が更に好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基またはプロポキシカルボニル基がより更に好ましく、メチル基、tert−ブチル基またはエトキシカルボニル基が特に好ましい。
式(3)で表される構造単位としては、例えば、式(3−1)〜(3−9)で表される構造単位が好ましい。
Figure 2017141215
[式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
b1〜Rb4以外の水素原子を置換しうる置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、またはハロゲノ基としては、「有機基」および「極性官能基」の欄で例示した基が採用でき、中でも、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、具体的には炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基であり、更に好ましくはtert−ブチル基である。式(3−1)〜式(3−9)中にこれらの基が2以上存在する場合、これらの基は、同一であっても互いに異なっていてもよい。
特に、式(3−6)〜式(3−9)においては、式(3−6)〜式(3−9)におけるアセナフト環中の6個の水素原子のうち、置換されている水素原子は、より好ましくは0〜4個であり、更に好ましくは0〜2個であり、特に好ましくは2個である。アセナフト環における置換位置は、例えば、式(4)で表される構造単位において、Rc1〜Rc6のうち少なくとも1以上が好ましく、より好ましくはRc2、Rc3、Rc4およびRc5のうち少なくとも1以上であり、更に好ましくはRc2およびRc5である。
Figure 2017141215
[式(4)中、*1はスクアリリウム骨格またはクロコニウム骨格に近い結合部位を表し、*2は前記*1以外の結合部位を表す。XはX1またはX2である。Rc1、Rc2、Rc3、Rc4、Rc5およびRc6は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。]
化合物自体の分解温度が高く、耐熱性に優れたオキソカーボン系化合物が得られることから、本発明では、式(3−6)〜式(3−9)で表されるアセナフトビピロール系の構造単位が好ましく、式(3−9)がより好ましい。
式(1)で表されるオキソカーボン系化合物としては、例えば、式(1−1)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物が例示でき、
好ましくは式(1−17)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物であり、
より好ましくは式(1−49)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物であり、
更に好ましくは式(1−81)で表される化合物〜式(1−104)で表される化合物である。
なお、本明細書において、略号は下記の意味で使用する。
式中「R」は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアリール基またはハロゲノ基を表す。Rとして好ましい基は、置換位置毎に、前記X1〜X2、前記Rb1〜Rb4及び前記Yと同様である。
式中「R」は、アセナフテン環におけるベンゼン環部位の置換基を表し、具体的には、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表し、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはtert−ブチル基、より更に好ましくはtert−ブチル基を表す。
式中「n」は、0〜3の整数を表し、好ましくは1または2、より好ましくは2を表す。
Figure 2017141215
Figure 2017141215
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Figure 2017141215
Figure 2017141215
Figure 2017141215
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式(2)で表されるオキソカーボン系化合物としては、例えば、式(2−1)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物が例示でき、
好ましくは式(2−17)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物であり、
より好ましくは式(2−49)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物であり、
更に好ましくは式(2−81)で表される化合物〜式(2−104)で表される化合物である。
Figure 2017141215
Figure 2017141215
Figure 2017141215
Figure 2017141215
Figure 2017141215
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Figure 2017141215
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本発明のオキソカーボン系化合物は、例えば、式(6)で表される化合物(以下、「化合物(6)」と称する場合がある)を、スクアリン酸またはクロコン酸と反応させることにより製造することができる。
Figure 2017141215
[式(6)中、Rb1、Rb2、Rb3、Rb4、X1、X2およびYは、前記に同じである。]
原料として用いる化合物(6)は、公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応において、化合物(6)の使用量は、スクアリン酸またはクロコン酸に対し、1倍mol以上が好ましく、より好ましくは1.3倍mol以上であり、更に好ましくは1.5倍mol以上であり、また5倍mol以下が好ましく、より好ましくは4倍mol以下であり、更に好ましくは3倍mol以下である。
スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応は、溶媒存在下に実施することが好ましい。使用できる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;等が挙げられる。これらの溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記溶媒の総使用量は、スクアリン酸またはクロコン酸に対して、1質量倍以上が好ましく、5質量倍以上がより好ましく、10質量倍以上が更に好ましく、また100質量倍以下が好ましい。
スクアリン酸またはクロコン酸と化合物(6)との反応において、反応温度は適宜設定すればよく、例えば30℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上が更に好ましく、また170℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましい。当該反応は還流状態で行うことが好ましい。反応時間は特に限定されず、反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5時間以上が好ましく、1時間以上がより好ましく、また24時間以下が好ましく、12時間以下がより好ましい。反応時の雰囲気は、不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気にしてもよい。
式(1)で表されるスクアリリウム化合物は、化合物(6)とスクアリン酸とを反応させる公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。例えば、次の論文に記載の合成法によってスクアリリウム化合物を合成することができる:Serguei Miltsov et al.,“New Cyanine Dyes:Norindosquarocyanines”, Tetrahedron Letters, Vol.40, Issue21, p.4067-4068 (1999)。
式(2)で表されるクロコニウム化合物の合成方法は特に限定されないが、化合物(6)とクロコン酸とを反応させる公知の合成手法を適宜採用することによって合成できる。例えば、特開2002−286931号公報、特開2007−31644号公報、特開2007−31645号公報、特開2007−169315号公報に記載されている方法でクロコニウム化合物を合成することができる。
上記の反応により得られたオキソカーボン系化合物は、必要に応じて、ろ過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、昇華、再結晶、晶析など公知の精製手段によって適宜精製することができる。得られたオキソカーボン系化合物の化学構造は、質量分析法、単結晶X線構造解析法、フーリエ変換赤外分光法、核磁気共鳴分光法などの公知の分析方法により解析することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<実施例1>
2,5−ジ−tert−ブチル−9−ヨード−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチル(2.0g、4.00mmol)、2−(ジヒドロキシボリル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(3.00mmol)、Na2CO3(560mg、5.28mmol)、H2O(4.5ml)、dioxane(45ml)を反応容器に加えた。凍結脱気を三回行い、Pd(PPh34(154mg、0.133mmol)を加えた。窒素置換し、19時間還流した。室温に戻し、水を加え、1M HClでクエンチした。その後エーテルで抽出し、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。反応容器にTHF(9ml)、EtOH(9ml)、LiOH・H2O(900mg)加え、2時間撹拌し減圧濃縮した。その後エーテルで抽出し、水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム,Rf=0.2)で精製し、2,5−ジ−tert−ブチル−9−(1H−ピロール−2−イル)−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチルを得た(収量:1.12g(2.53mmol)、収率:84%)。
なお原料の2,5−ジ−tert−ブチル−9−ヨード−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチルは、T. Okujima et al., “Acenaphthylene-Fused Cyclo[8]pyrroles with Intense Near-IR-Region Absorption Bands”, Chem. Eur. J., 19, p. 13970-13978 (2013)に記載される方法により合成できる。
Figure 2017141215
Mol.Form.: C29H32N2O2 (Exact Mass:440.25, Mol.Wt.: 440.58)
Appearance: yellow powder
1H-NMR (CDCl3) δ = 9.99 (br, 2H), 8.21 (s, 1H), 7.97 (1H), 7.75 (s, 1H) 7.68 (s, 1H), 6.91(br, 2H), 6.45(m, 1H) 4.56 (q, J = 7.1Hz, 2H), 1.66 (t, J = 7.1 Hz, 3H), 1.50 (s, 9H), 1.49(s,9H)
13C NMR (SOC2D6, 400MHz): δ = 160.6, 150.4, 150.3, 133.5, 131.7, 130.9, 129.4, 124.5, 123.5, 123.1, 121.4, 121.3, 120.5, 119.9, 119.7, 117.3, 113.7, 109.5, 108.7, 60.3, 35.2, 35.1, 31.4, 31.3, 14.8
IR: ν max/cm-1: 3325, 2954, 2903, 2868, 1651
decomp. temp.: 235℃
MS(DI MS): 440, 441 (M, M+1)
Anal.Calcd for C29H32N2O2:C, 79.06; H, 7.32; N, 6.36, C29H32N2O2 + 1/2EtOH C, 77.72; H, 7.61; N, 6.04
Found; C29H32N2O2 + 1/2EtOH: C, 77.59; H, 7.92; N, 6.18
2,5−ジ−tert−ブチル−9−(1H−ピロール−2−イル)−8H−アセナフト[1,2−c]ピロール−7−カルボン酸エチル(104mg、0.23mmol)、スクアリン酸(16.8mg、15mmol)、ブタノール(1.5ml)、トルエン(1.5ml)加え、窒素置換せず8時間還流した。エバポレートした後、重曹水、水、Brineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、吸引濾過した。濾紙上の茶色固体を、水、メタノール、クロロホルムで洗浄することにより、式(1−67−a)で表される化合物を得た。
また、濾液をBrineで洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、クロロホルム/メタノール95%(Rf=0.4)でシリカゲルクロマトグラフィーを行うことによっても式(1−67−a)で表される化合物を得た。合計の収量は37mg、収率は35%であった。
Figure 2017141215
式(1−67−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C62H62N4O6 (Exact Mass: 958.46694, Mol.Wt.: 959.17888)
Appearance: Brown powder or Green Powder
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz): δ=11.04(br, s, 1H), 9.89(br, s, 1H), 8.31 (s, 1H), 8.10(s,1H), 7.81 (s, 2H), 7.60 (s, 1H), 7.15 (s, 1 H), 4.55 (q, J=7.1 Hz, 2H). 1.60(s, 9H), 1.58 (t,J = 7.1Hz, 3H) , 1.54 (s, 9H).
13C NMR (CDCl3, 400MHz): Can’t measured
IR : ν max/cm-1:3493, 3348, 2953, 2905, 2868, 1667, 1597
decomp. Temp. 349℃
MS(FAB MS):959(M+), 960 (M++1)
Anal.Calcd for C62H62N4O6:C, 77.64; H, 6.52; N, 5.84, C12H13NO3+1/2CHCl3: C, 73.68; H, 6.18; Cl, 5.22; N, 5.50,
Found; C, 77.68; H, 6.39; N, 5.63, (C12H13NO3+1/2CHCl3)
<実施例2>
3,4−ジエチル−5−ヨード−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(963.4mg、3.00mmol)、2−(ジヒドロキシボリル)−1H−ピロール−1−カルボン酸tert−ブチル(633.1mg、3.00mmol)、Na2CO3(635.6mg、5.997mmol)、H2O(3.50ml)、dioxane(31.29ml)を反応容器に加えた。容器をN2置換し、脱気を3回行い、Pd(PPh34(176.5mg,0.1527mmol)を加えた。125℃で21時間30分還流後、1M HClを加え、溶液を中性にした。水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィーで精製した。
反応容器に水酸化リチウム一水和物(860.4mg、20.51mmol)、THF(2.51ml)、EtOH(2.48ml)を入れた。1時間30分攪拌後、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮し、ヘキサン洗浄することにより、3,4−ジエチル−5−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルが得られた(収量:411.3mg、収率52.7%)。
Figure 2017141215
3,4−ジエチル−5−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル:
Molecular Formula: C15H20N2O2(321.15)
Appearance: 灰色
b.p.: 141.1-142.1℃
1H-NMR(CDCl3, 400MHz) δ = 1.19 (6H, m, J7.48), 1.39 (3H, m, J7.17), 2.62 (2H, q, J7.48), 2.77 (2H, q, J7.48), 4.36 (2H, q, J7.17), 6.28-6.35 (1H, m), 6.41-6.46
(1H, m),9.13 (1H, bs), 9.38 (1H, bs)
13C-NMR(CDCl3) δ = 14.4, 15.6, 15.9, 17.7, 18.4, 60.4, 107.5, 109.7, 116.7, 118.3, 123.1, 124.3, 127.4, 135.0, 163.0
3,4−ジエチル−5−(1H−ピロール−2−イル)−1H−ピロール−2−カルボン酸エチル(50.0mg、0.156mmol)を入れ、Arで置換し、dry−THF(5.0ml)を加えた。氷浴下で水素化アルミニウムリチウム(40.1mg、1.06mmol)を加えた。85℃で7時間還流後、酒石酸カリウムナトリウム四水和物を加え、水、飽和食塩水で洗浄、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下濃縮した。残留物をアルミナカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン)で精製することにより、3,4−ジエチル−5−メチル−2,2’−ビピロールが得られた(収量:25.6mg、収率:81.1%)。
Figure 2017141215
3,4−ジエチル−5−メチル−2,2’−ビピロール:
Molecular Formula: C13H18N2 (202.29542)
Appearance: 紫色
反応容器に3,4−ジエチル−5−メチル−2,2’−ビピロール(25.6mg、0.127mmol)、スクアリン酸(8.4mg、0.074mmol)、1−ブタノール(10ml)、トルエン(10ml)を入れた。130℃で19時間30分還流後、水、飽和食塩水で洗浄し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下で濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:クロロホルム=1:1,Rf値:0.6)で精製することにより、式(1−2−a)で表される化合物を得た(収量:3.3mg、収率:5.4%)。
Figure 2017141215
式(1−2−a)で表される化合物:
Molecular Formula: C30H34N4O2(482.61656)
Appearance: 青色
<実施例3>
反応容器にオキシ塩化リン62μl(0.665mmol)、DMF9ml(116mmol)を加え、30分撹拌した。その後、2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール400mg(0.662mmol)をジクロロメタン10mlに溶解させ、反応容器に滴下し、3時間撹拌した。重曹水を加えクエンチし、塩化メチレン抽出、重曹水、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥した。アルミナカラム(塩化メチレン100%、Rf0.2)で精製することで9−ホルミル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールを得た(収量394mg(0.614mmol)、収率:93%)。
なお原料の2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールは、T. Okujima et al., “Acenaphthylene-Fused Cyclo[8]pyrroles with Intense Near-IR-Region Absorption Bands”, Chem. Eur. J., 19, p. 13970-13978 (2013)に記載される方法により合成できる。
Figure 2017141215
Mol.Form.: C45H48N2O (Exact Mass: 632.37666, Mol.Wt.: 632.87542)
Appearance: yellow powder
1H-NMR (CDCl3) δ = 10.16 (s, 1H), 9.65 (br, 1H), 8.89 (br, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.82 (m, 1H), 7.79(m, 1H), 7.70(m, 1H) 7.65 (m, 2H), 7.61 (m, 1H), 1.52 (s, 9H), 1.50(s,9H), 1.33 (s, 18H)
9−ホルミル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール101mg(0.160mmol)を、THF3mlに溶解し、氷浴上でDIBAL−H/THF(1M)溶液を1ml滴下し、2.5時間還流した。水酸化ナトリウム水溶液でクエンチし30分撹拌後、酒石酸カリウムナトリウム水溶液を加え30分撹拌した。ジクロロメチレンで抽出後、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した。ジクロロメタンに溶解させ、アルミナカラムに通し、濃縮することで9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロールを得た(収量86mg(0.1408mmol)、収率:88%)。
Figure 2017141215
Mol.Form.: C45H50N2 (Exact Mass: 618.39740, Mol.Wt.: 618.89190)
Appearance: Brown powder
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz): δ=8.25(br, 1H), 8.00(br, 1H), 7.67 (m, 1H), 7.56 (m,1H), 7.54 - 7.51 (m, 4H), 7.47 (m, 1H), 7.07 (m, 1 H), 2.55 (s, 3H). 1.43(s, 9H),1.43(s, 9H), 1.31 (s, 9H) , 1.30 (s, 9H).
9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール47mg(0.076mmol)、スクアリン酸5.6mg(0.049mmol)をトルエン0.4ml、ブタノール0.4mlに溶解させ、80℃で3時間撹拌した。濃縮後、ジクロロメタンで抽出、水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン100%、Rf0.3)で精製することにより式(1−98−a)で表される化合物を得た。(収量10mg(0.0076mol)、収率:20%)
Figure 2017141215
式(1−98−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C94H98N4O2 (Exact Mass: 1314.76898, Mol.Wt.: 1315.80952)
Appearance: Brown powder
decomp. Temp. >300℃
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz, 80℃): δ=10.25(br, 1H), 9.57(br, 1H), 8.55(s, 1H), 7.97 (s,1H), 7.89(s, 2H), 7.85 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.70 (s, 2H), 2.84 (s, 3H). 1.71(s, 9H),1.58(s, 9H), 1.49 (s, 9H) , 1.37 (s, 9H).
<実施例4>
9−メチル−2,2’,5,5’−テトラ−tert−ブチル−8H,8’H−7,7’−ビアセナフト[1,2−c]ピロール27mg(0.044mmol)、クロコン酸3.4mg(0.024mmol)をトルエン0.5ml、ブタノール0.5mlに溶解させ、80℃で1時間撹拌した。濃縮後、ジクロロメタンで抽出、水、重曹水、飽和食塩水で洗浄後、濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ジクロロメタン100%、Rf0.3)で精製することにより式(2−98−a)で表される化合物を得た(収量21mg(0.0156mmol)、収率:71%)。
Figure 2017141215
式(2−98−a)で表される化合物:
Mol.Form.: C95H98N4O3(Exact Mass: 1342.76389, Mol.Wt.: 1343.81962)
Appearance: Red powder
decomp. Temp. >300℃
1H NMR (C2D2Cl4, 400MHz, 60℃): δ=13.17(br, 1H), 9.69(s, 1H), 8.80(br, 1H), 8.07 (br,2H), 7.90(br, 2H), 7.71 (s, 1H), 7.57 (s, 1H), 7.46 (s, 1H), 2.84 (s, 3H). 1.50(s, 9H),1.48(s, 9H), 1.20 (s, 9H).
m.p. <<400
MS(MALDI):1343(M+1)
Anal.Calcd for C95H98N4O3:C, 84.91; H, 7.35; N, 4.17; O, 3.57. ; C95H98N4O3+ CHCl3: C, 78.80; H, 6.82; Cl, 7.27; N, 3.83; O, 3.28
Found;C95H98N4O3+ CHCl3: C, 78.72; H, 6.85; Cl, 7.27; N, 3.70

Claims (4)

  1. スクアリリウム骨格を有する式(1)またはクロコニウム骨格を有する式(2)で表されることを特徴とするオキソカーボン系化合物。
    Figure 2017141215
    [式(1)及び(2)中、Ra1、Ra2、Ra3およびRa4は、それぞれ独立して、式(3)で表される構造単位である。]
    Figure 2017141215
    [式(3)中、
    b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表し、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい。
    1およびX2は、それぞれ独立して、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
    Yは、水素原子、有機基または極性官能基を表す。
    *は結合部位を表す。]
  2. 前記Rb1、Rb2、Rb3およびRb4が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、Rb1とRb2或いはRb3とRb4は、それぞれ、互いに結合して環を形成していてもよい基である請求項1に記載のオキソカーボン系化合物。
  3. 前記式(3)で表される構造単位が、式(3−1)〜式(3−9)から選ばれる請求項1または2に記載のオキソカーボン系化合物。
    Figure 2017141215
    [式(3−1)〜式(3−9)中、*、X1、X2およびYは前記に同じ。
    b1、Rb2、Rb3およびRb4は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基を表す。
    式(3−1)〜式(3−9)中、Rb1〜Rb4以外の水素原子は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基で置換されていてもよい。]
  4. 前記X1およびX2が、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基であり、
    前記Yが、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルキルオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ハロゲノ基またはニトロ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のオキソカーボン系化合物。
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